JP5094858B2 - 磁性トナー - Google Patents
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Description
これらプリンターや複写機は近年アナログからデジタルへの移行が進み、潜像の再現性に優れ、色むら等が無く高画質であることが求められている。また、それと同時にプリンターや複写機本体のコンパクト化、省エネ化が進んでいる。
コンパクト化という観点において、キャリアを必要としない磁性一成分現像方式が好ましく用いられる。磁性一成分現像方式に用いる磁性トナー中には微粉末状の磁性粉体や、ワックス等が相当量混合分散されているため、該磁性体及びワックス、結着樹脂の存在状態がトナーの定着性、流動性、環境安定性及び摩擦帯電性等の特性に大きく影響する。
本体装置の小型化に対しては、一成分現像方式は二成分方式のようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要な為、現像装置自体を小型化・軽量化出来る。
ここで、例えばプリンターについて着目すると、プリンターの使用形態は2つに分かれつつある。一つはネットワーク対応の大型プリンターであり、一度に多数枚をプリントアウトすることが多い。もう一つはオフィスの個人用、もしくはSOHO向けのパーソナルプリンターである。パーソナルプリンターはその使用形態から、プリント枚数にばらつきがあり、1枚から数十枚に及ぶことがあるため、本体面のみならず多様な使用形態に対応すべく、現像剤面からの高機能化へのアプローチが必要となる。また、近年の省エネへのニーズの高まりから、待機時の電気消費量を低減するため、長時間使用しない場合、電力の消費を抑えるいわゆるスリープモードを設定している機種が多い。しかし、通常スリープモードに入ったプリンターは通常の印刷可能状態になるために時間を要する場合が多い。使用者にとっては印刷物をオンタイムで得ることは重要な機能であるため、本体の立ち上がりの短縮化は現在のプリンター市場において必要不可欠な機能である。
よって、このような多様な使用用途に対応するには、本体の立ち上げからの印刷開始時間の短縮、及び大量印刷時にも安定した画質を保つことが現在の市場において重要な機能となる。
また、従来から、トナーの顕画像を記録材に定着する装置としては、所定の温度に維持された加熱ローラーと弾性層を有して該加熱ローラーに圧接する加圧ローラーとによって、未定着のトナー顕画像を保持した記録材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ定着方式が多用されている。あるいは、米国特許第3,578,797号明細書に記載のベルト定着方式が知られている。しかし、これら熱ローラ定着方式では、熱ローラが所定温度に達するまでの画像形成作動禁止の時間、所謂ウエイト時間がある。また、記録材の通過或は他の外的要因で加熱ローラーの温度が変動することによる定着不良及び加熱ローラーへの現像剤の転移、所謂オフセット現象を防止する為に加熱ローラーを最適な温度に維持する必要がある。この為には加熱ローラー或は加熱体の熱容量を大きくしなければならず、これには大きな電力を要するなど、定着に必要なエネルギーが大きくなる傾向にある。
これに対し、加熱ローラーやフィルムを介した加熱方式ではトナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラ或いはフィルムの表面に、被定着シートのトナー像面を接触させながら通過せしめることにより定着を行うものである。この方法は熱ローラやフィルムの表面と被定着シートのトナー像とが接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、省エネを目的とするプリンターにおいて非常に有効である。
しかし、これらの方法においても、熱ローラやフィルム表面とトナー像とが溶融状態で接触するために、トナー像の一部が定着ローラーやフィルム表面に付着・転移し、加熱ローラーや次の被定着シートにこれが再転移して、加熱ローラーや被定着シートを汚すことがある。熱定着ローラーやフィルム表面に対してトナーが付着しないようにすることが加熱定着方式の必須条件の一つとされている。
特開2002−040708号公報、特開2002−148845号公報には加圧部材の熱伝導率とトナーに疎水性金属酸化物を含有することで、トナーと加圧部材の離型性を高めることで加圧ローラー汚れを改良する試みがなされているが、トナーの定着性及び画像品質の両立の点では未だ改良の余地が残る。
また、特開平11−143127号公報にはトナーのTHF不溶分とレオロジー特性を制御することによって、トナーの低温定着性、耐高温オフセット性を改良する試みがなされているが、磁性一成分トナーにおける磁性体と結着樹脂成分の構造制御による低温定着、画像均一性については未だ改良の余地が残る。
また、短時間での立ち上げの具体的な課題点の1つとして、紙などの記録媒体上に低温で定着させることが必要となる。しかし、定着温度が低い場合、十分な温度を紙の上端から下端まで保つことが難しく、1枚の紙で熱のかかり方に偏りがでるため、画像にムラとして画像欠陥が起きたり、未定着画像が定着部材を汚染する、いわゆる低温オフセットと呼ばれる現象が起こり易くなる。そのような場合においても高い水準の画質を達成するためには紙の上端と下端など、多少の定着温度の違いに関わらず同等の定着性を示し、定着面を均一にすることが必要となる。
また、特開平06−011898号公報には、トナーの活性化エネルギーを30kcal/mol乃至45kcal/molに制御し、カラー用トナーとして低温定着を改良している。しかし、低温定着と高温オフセットの両立という観点からは未だ改良の余地の残るものである。
本発明は、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、該トナーの120℃を基準温度とした時のマスターカーブにおいて、その時のシフトファクターaT120から求められる活性化エネルギーEa(kJ/mol)と、該トナーの150℃を基準温度とした時のマスターカーブにおいて、その時のシフトファクターaT150から求められる活性化エネルギーEb(kJ/mol)が式(1)を満たし、且つ、Eaが110(kJ/mol)以下であることを特徴とする。
1.00≦Ea/Eb<1.20 (1)
本発明によれば、該トナーの120℃を基準温度とした時のマスターカーブにおいて、その時のシフトファクターaT120から求められる活性化エネルギーEa(kJ/mol)と、該トナーの150℃を基準温度とした時のマスターカーブにおいて、その時のシフトファクターaT150から求められる活性化エネルギーEb(kJ/mol)が1.00≦Ea/Eb<1.20を満たし、且つ、Eaを110(kJ/mol)以下とすることで、多様な使用状態においても耐加圧ローラー汚れ、耐低温オフセット性に優れ、且つ低温定着性、耐高温オフセット性にも優れ、更に、経時において画像欠陥を生じにくいトナーを得ることが出来る。
図2は現像器の一例を示す模式的断面図である。
一般的に活性化エネルギーは、物質が基底状態から遷移状態に移行する際に必要なエネルギーであることが知られており、本発明の場合、トナーの状態変化に必要なエネルギーであると考えられる。即ち、トナーの活性化エネルギーが低いほど、熱又は物理的なエネルギーにより変形し易く、逆に活性化エネルギーが高いと変形に必要なエネルギーが大きい、つまり変形しにくい構造であると考えられる。
そこで本発明者らが鋭意検討したところ、活性化エネルギーEaを110kJ/mol以下にすることで低温定着性に非常に有利であることを見出した。これは、トナーの変形に要する熱エネルギー及び物理的エネルギーが少ないことを示しており、活性化エネルギーを低く制御することにより、良好な低温定着性を得ることが可能となる。また、このようなトナーにおいては、定着ローラーに対する汚染が抑制され、それによって、加圧ローラーに対する汚染性も抑制することができる。更に、連続通紙などに起因して定着温度が低下した場合にも、定着温度の多少の違いに依存せず、良好な定着が可能となることを見出した。
また、活性化エネルギーEaを110kJ/mol以下に制御した上で、1.00≦Ea/Eb<1.20とすることで、更に良好な低温定着性・耐低温オフセット性が得られるようになり、またトナーの転写材の面内における画像均一性に優れた画像が得られるようになる。
一方、Ea/Ebが1.00より小さいことはEaに比べ、Ebの方が基底状態が高エネルギーであるにも関わらず、遷移状態への移行に大きなエネルギーが必要となることを示している。通常、トナー樹脂のような物質で、同一サンプルの場合は起こりにくいと考えられる。Ea/Ebが1.20以上である場合、活性化エネルギーの温度に対する依存性が大きく、転写材の上端と下端での定着温度の変化により、トナー樹脂の溶融状態にばらつきが生じ、画像ムラなどの定着不良、画像不良が起こり易く好ましくない。
以下、活性化エネルギーの具体的な測定方法を述べる。
測定装置としては、回転平板型レオメーター ARES(商品名)(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。測定試料は、トナーを25℃で錠剤成型器により加圧成型した直径25mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状の試料を用いる。パラレルプレートに装着し、室温(25℃)から100℃に15分間で昇温して、円板の形を整えた後、測定を開始する。特に、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセットすることが重要であり、以下に述べるように、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto Tension Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルできる。
測定は、以下の条件で行う。
1.直径25mmのパラレルプレートを用いる。
2.周波数(Frequency)を0.1Hz(Initial),100Hz(Final)とする。
3.印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
4.スタート温度を100℃、終了温度を160℃、昇温ステップを10℃、保留時間(SOAK TIME)を1分とし測定を開始する。
尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。
測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
5.自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
6.初期スタティックフォース(Initial Static Force)を0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を10.0gと設定する。
7.自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×106(Pa)よりも小さい場合である。
上記の要領で測定した0.1乃至100Hz、100℃乃至160℃の範囲での貯蔵弾性率G’からマスターカーブを作成する。尚、本発明においては定着時の紙上の定着温度に近い150℃を1つの基準温度とした。更に、連続通紙や厚紙の使用などによって定着温度が変動した際の定着材上の温度想定し、120℃を基準温度としマスターカーブを作成した。尚、シフトさせる方法については縦横をシフトさせて最適化するためにTWO Demensional Minimizationを選択し、計算方法はシフトファクターの傾斜を優先して計算するようにGuess Modeを選択した。さらに、マスターカーブを作成する際に得られたシフトファクターaTの対数を縦軸に、その時の測定温度Tの逆数を横軸にプロットしたアレニウスプロットから活性化エネルギーを算出した。
また、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソックスレー抽出を行った時の結着樹脂成分に由来する不溶分をA(%)としたときに、1.0≦Ea/A≦5.0であることが好ましく、より好ましくは1.0≦Ea/A≦4.0、更に好ましくは2.0≦Ea/A≦3.0である。
定着時に、トナーは熱により変形するが、良好な離型性を得るためには、弾性を持つことが重要と考えられる。
トナーの弾性について考えると、THFに不溶な成分(以下、ゲル分とも称す)は可溶分に比べ、架橋密度が高く強固な絡まり合いを形成しているため、弾性が高いと考えられる。結着樹脂中にこのような不溶分を多量に存在させることにより、高離型性及び耐高温オフセット性、保存性を得ることが可能となる。しかし、通常ではゲル分が大量に存在すると弾性が高くなるため、低温定着に弊害が起こる。そこで、本発明では架橋密度及び絡まり合いを緩やかな状態に制御し、更に架橋を形成する分岐鎖をフレキシブルにすることで、弾性と塑性を兼ね備えたソフトゲルを形成した。上記の1.0≦Ea/A≦5.0を満たすトナーは、このようなソフトゲルを含有するものであり、加圧ローラーに対する汚れを抑制することができ、低温定着性、耐低温・高温オフセット性、及び保存性に優れたものとなる。
SOHO、パーソナル向きなどの中・低速LBPでは軽圧で定着を行う場合が多く、転写材上のトナーに対して圧がかかりにくいため、特に低温定着時のオフセットが起こり易い。そのため、トナーには、上述の熱安定性、低温定着性に加え、加圧ローラー汚れ防止、耐低温オフセット性を高めることが求められる。そして、トナーは熱エネルギーにより変形しやすく、且つ高離型性を得るための弾性を持つことが要求される。
ここで、ゲル成分について考えると、一般的にゲルとなり得る高分子成分は分子間で架橋を形成している。そのため、架橋点間距離を長くすることで、いわゆる疎なゲルを形成することが可能となり、このような架橋点間距離が長い架橋構造は必要以上に強固なゲルにはなりにくく、与えられたエネルギーに対し、変形しやすい成分になりやすい。
また、ゲル構造は架橋鎖中に炭素−炭素結合とは異なる部分、例えば炭素−酸素結合を持つことで、エネルギーに対する変形性がより高くなる。このような構造の一例としては炭素鎖中に含まれるエーテル結合のような官能基を含む構造が挙げられる。
架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物が単独もしくは混合物として用いることができる。
また、本発明ではソフトゲルを生成するために架橋構造を疎に制御することが好ましく、架橋点間距離が長く、フレキシブルな構造を得るために、重合可能な二重結合の間に直鎖状の構造を有する下記一般式で表されるような架橋剤が好ましい。
(式中、R1は水素原子或いはメチル基を表し、Xは炭素数4〜10の直鎖アルキル基或いはエーテル構造を鎖中に含む炭素数6〜20の直鎖のアルキルエーテル基を表す。)
例えば、以下のような構造を有する架橋剤が好ましい。
また架橋剤の有する重合可能な二重結合の数は、緩やかな架橋構造を得るために、2個であることが望ましい。
本発明の磁性トナーを重合法で製造する際は、THF不溶分の構成及び量を制御する事が重要である。架橋剤の好ましい添加量としては、架橋剤の種類にもよるが、重合性単量体100質量部に対して0.001乃至15質量部であり、より好ましくは0.01乃至10質量部、更に好ましくは0.05乃至5質量部、更に特に好ましいのは0.1乃至2質量部である。
また、ゲル構造を過度に強固にすることを抑制するために、重合反応工程において、反応初期1時間の温度を40℃以上70℃以下に制御することが好ましく、より好ましくは50℃以上70℃以下、更に好ましくは50℃以上60℃以下である。
反応が最も活発に起こると考えられる反応初期段階において、その反応を緩やかにすることによって、過度に強固に絡まり合ったゲルの生成を抑制することができ、フレキシブルで活性化エネルギーの低いゲル構造を形成することができる。
トナー中の結着樹脂に由来するTHF不溶分A(%)は、該結着樹脂中に5乃至50%含有されていることが好ましく、より好ましくは10乃至45%、更に好ましくは15乃至40%である。
THF不溶分量が上記の範囲内にある場合、熱に対する構造変化が適度であり、良好な定着均一性が得られ、加圧ローラー汚れ、高温オフセットの発生を抑制できる。また、定着時に離型剤の染み出しが適度に生じ、低温定着性、及び耐低温オフセット性の両立を達成できる。
尚、トナーの結着樹脂のTHF不溶分の測定は以下のようにして行う。
トナー1gを精秤して円筒ろ紙に仕込み、THF200mlにて16時間ソックスレー抽出する。その後円筒ろ紙を取り出し、40℃で20時間真空乾燥して残渣質量を測定することにより、式(4)より算出する。なお、THF不溶分の測定時には、磁性体、荷電制御剤、離型剤、外添剤、顔料等の含有物がTHFに可溶か不溶かを考慮して、結着樹脂を基準としたTHF不溶分を算出する。
THF不溶分(%)={(W2−W3)/(W1−W3−W4)}×100
・・・(4)
(ここで、W1はトナー質量、W2は残渣質量、W3は結着樹脂以外のTHF不溶分の質量、W4は結着樹脂成分以外のTHF可溶分の質量)
また、室温23℃でのTHFに可溶な成分(THF可溶分)のゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)測定において、ピーク分子量は15000以上40000以下であることが好ましく、より好ましくは17000以上30000以下、更に好ましくは18000以上25000以下である。この範囲であると、ソフトゲルと可溶分の生成量を最適に制御し、低温定着性、耐低温・高温オフセット性、保存性を兼ね備えるために好ましい。
トナーのTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温23℃で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
また、トナーの平均円形度が0.950以上であることが好ましく、より好ましくは0.960以上である。これにより定着時にトナー粒子に均一に圧力が加わり、定着面均一性に優れるためである。また、耐久時においても、流動性の低下が生じにくく、画像濃度低下が生じにくい。
また、本発明において、高画質化のため潜像に忠実な画像を得るためには、トナーの重量平均粒径(D4)は3.0乃至10.0μmが好ましく、4.0乃至9.0μmであることがより好ましい。
重量平均粒径(D4)が上記範囲内であれば、良好な転写効率が得られ、また、流動性及び撹拌性も適度となり、個々のトナー粒子を均一に近い状態で帯電させることができる。更に、文字やライン画像に飛び散りを抑制でき、高解像度が得られやすい。
また、重量平均粒径(D4)と数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.40以下である事が好ましく、より好ましくは1.35以下である。(D4/D1)が上記範囲内である場合には、トナーにかかる熱や圧力の均一性が高まり、また、帯電量分布がシャープになり好適である。
本発明の磁性トナーを製造する方法としては、懸濁重合法が好ましい。そして、懸濁重合法によりトナーを製造する場合、比(D4/D1)は、用いる磁性体の処理の均一性、疎水化度、磁性体の量、及び造粒条件(分散剤の種類、造粒方法、造粒時間)により制御することが可能である。
ここで、トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能である。本発明においてはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続する。電解液としては、1級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を用いる。このような電解液として、例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
具体的な測定法としては、前記電解水溶液100ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を5mlを加え、更に測定試料を10mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから、重量平均粒径(D4)、数平均粒径(D1)を求める。後述の実施例においても同様に測定した。
また、本発明のトナーにおいては、結着樹脂中のソフトゲルの性能を更に効果的に発現させるために、結着樹脂中の磁性体の存在状態を制御することが好ましい。
具体的には、5mol/l塩酸中にトナーを分散させた際における、抽出時間15分から30分までのトナーからの抽出量(S15−30)に対する抽出時間3分から15分までのトナーからの抽出量(S3−15)の割合SC(=S3−15/S15−30)が、式(3)を満足することが好ましい。
1.2≦SC≦10.0 (3)
5mol/l塩酸に磁性トナーを加えた場合、トナー中に存在する塩酸に溶解される成分が塩酸中に抽出される。磁性体として磁性酸化鉄を含有するような磁性トナーにおいては、塩酸で抽出される主成分は磁性酸化鉄である。その他使用されている荷電制御剤及び着色剤が塩酸に可溶である場合はこれらも抽出されるが、通常磁性酸化鉄の含有量が他の成分と比較して極めて多いため、抽出成分はほとんどが磁性酸化鉄に由来するものとなる。
そのため、塩酸での抽出時間が3分の時点では、トナーの最表面部分に存在する磁性体が溶解されて、塩酸中に抽出され、15分の時点では、トナーの内部に存在する磁性体が抽出され、30分の時点では、更に内部に存在する磁性体が抽出される。よって、塩酸で溶解する時間を変更することで、トナーの最表面から内部への磁性体の存在状態を推定することが出来る。
本発明のトナーにおいては、トナー粒子中心部に樹脂などの磁性体以外の成分が集中的に存在し、トナー粒子表面近傍に磁性体が偏在していることが好ましい。この場合には、磁性体が全体に分散している時に比べ、熱伝導性が高まり、定着時の熱が、一粒子内、粒子間のいずれにおいても素早く伝わりやすくなり、熱の均一性が高まる。
これは定着時の熱エネルギーがトナーに伝わる場合、高熱伝導性の物質が偏在している方が伝熱性に優れるためである。
つまり、磁性体を用いたトナーのように、樹脂と磁性体の熱伝導率に差がある場合、結着樹脂中に磁性体が分散状態で存在すると、スムーズな熱伝導が妨げられ、トナー中の樹脂と磁性体で熱の伝わりの均一性が損なわれ、均一且つ与えられたエネルギーに対応した変形量を得るには不利となると考えられる。
上述した如く、トナーからの抽出量の割合SCが上記の範囲内にある場合には、磁性体によるトナー表面近傍のカバーリング効果が得られ、環境変動に対する安定性についても優れる。また、離型剤のトナー表面への染み出しが適度になり、より良好な低温定着性が得られるようになり、定着部材に対する汚染性に関しても改善できる。
本発明における塩酸によるトナーからの鉄の抽出は、以下のようにして行う。常温(23℃)下、5mol/lの塩酸100mlにトナー25mgを加えて、スターラーを用いて撹拌しながら、鉄の抽出を行う。所定の時間経過時に、試料液をサンプリングし、トナーを濾過する。その後、波長338nmで吸光度を測定し、鉄の濃度を求めた。
また、前述のようにトナー構造を制御するための好適な磁性トナーの製造方法としては、水系媒体中でトナー粒子を製造する方法が好ましい。例えば、水系媒体中で重合性単量体組成物を直接重合してトナーを得る懸濁重合法が挙げられる。懸濁重合法においては、水系媒体との親和性の違いを利用して、極性−非極性成分の局在/分離を制御することができる。
しかしながら、一般的な磁性体は重合性単量体に対する分散性に乏しく、その様な磁性体を用いて懸濁重合法でトナーを製造した場合には、磁性体が多く含まれるトナーや磁性体が殆ど存在しないトナーなどが生じ、トナー中の磁性体の量がばらついてしまう。そして、磁性体と結着樹脂との偏在化などのトナー構成を制御することが難しく、所望の低温定着性、耐低温オフセット性のみならず、トナーの帯電特性が著しく低下する。さらに、懸濁重合トナーの製造時に磁性体と水との相互作用が強いことにより、円形度が0.950以上のトナーが得られ難く、さらに、トナーの粒度分布が広いものとなる。これらの現象は、磁性体が一般的に親水性であるために生じるものであり、懸濁重合法でトナーを製造した場合、液滴表面に磁性体が集まることに起因する。こういった問題を解決するためには磁性体の有する表面特性の改質が重要である。
そこで、本発明の磁性トナーに使用される磁性体は、処理剤で均一に疎水化処理されていることが好ましい。磁性体表面を疎水化する際、水系媒体中で、磁性体を一次粒径となるよう分散しつつ処理剤を加水分解しながら表面処理する方法を用いることが非常に好ましい。この疎水化処理方法は気相中で処理するより、磁性体同士の合一が生じにくく、また疎水化処理による磁性体間の帯電反発作用が働き、磁性体はほぼ一次粒子の状態で表面処理される。
処理剤を水系媒体中で加水分解しながら磁性体表面を処理する方法は、クロロシラン類やシラザン類のようにガスを発生するような処理剤を使用する必要もない。さらに、これまで気相中では磁性体同士が合一しやすくて、良好な処理が困難であった高粘性の処理剤も使用できるようになり、疎水化の効果は非常に大きい。
本発明に係わる磁性体の表面処理において使用できる処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、一般式(I)で示されるものである。
RmSiYn (I)
〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1以上3以下の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基又はメタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1以上3以下の整数を示す。ただし、m+n=4である。〕
一般式(I)で示されるシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピリトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
この中で特に下記一般式(II)で示されるアルキルトリアルコキシシラン化合物を使用する事がより好ましい。
CpH2p+1−Si−(OCqH2q+1)3 (II)
〔式中、pは2以上20以下の整数を示し、qは1以上3以下の整数を示す。〕
上記式におけるpが2より小さいと、疎水化処理は容易となるが、疎水性を十分に付与することが困難であり、トナー粒子からの磁性体の露出、あるいは遊離を抑制することが難しくなる。またpが20より大きいと、疎水性は十分になるが、磁性体同士の合一が多くなり、トナー中へ磁性体を十分に分散させることが困難になる。上記の処理剤を用いることによって、磁性体の疎水性を適度に高め、媒体である水系に対しての親和性を残しつつ疎水性を高めることで、磁性体をトナー表面近傍に制御することが可能になる。
また、qが3より大きいとシラン化合物の反応性が低下して疎水化が十分に行われにくくなる。特に、式中のpが2以上20以下の整数(より好ましくは、3以上15以下の整数、更に好ましくは4以上8以下の整数)を示し、qが1以上3以下の整数(より好ましくは、1又は2の整数)を示すアルキルトリアルコキシシラン化合物を使用するのが良い。
処理量は磁性体100質量部に対して、シラン化合物の総量が0.05質量部以上20質量部以下、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下であるが、磁性体の表面積、処理剤の反応性等に応じて処理剤の量を調整することが好ましい。
本発明の効果を十分に得るには、磁性体を表面近傍に偏在させることが重要となるため、式中のpは3以上10以下がより好ましく、その処理量は0.1以上5質量部以下であることがより好ましい。磁性体の表面処理として水系媒体中で疎水化処理するには、水系媒体中で適量の磁性体および処理剤を撹拌する方法が挙げられる。撹拌は、例えば撹拌羽根を有する混合機等を用い、磁性体が水系媒体中で、一次粒子になるように充分に行うのが良い。
ここで、水系媒体とは、水を主要成分としている媒体である。具体的には、水系媒体として水そのもの、水に少量の界面活性剤を添加したもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。界面活性剤としては、ポリビニルアルコールの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤は、水に対して0.1質量%以上5質量%以下添加するのが良い。pH調整剤としては、塩酸等無機酸が挙げられる。有機溶剤としてはアルコール類等が挙げられる。
こうして疎水化処理された磁性体は粒子の凝集が見られず、個々の粒子表面が均一に疎水化処理されているため、重合トナー用の材料として用いた場合、トナー粒子の均一性が良好なものとなる。
また、本発明の磁性トナーに用いられる磁性体は、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものであり、これらを単独、或いは、併用できる。
これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2乃至30m2/gが好ましく、特に3乃至28m2/gがより好ましい。また、モース硬度が5乃至7のものが好ましい。磁性体の形状としては、8面体よりも多い多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、8面体よりも多い多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。こういった磁性体の形状はSEMなどによって確認することができる。
磁性体の個数平均粒径としては0.05乃至0.40μmが好ましく、より好ましくは0.10乃至0.30μmである。
磁性体の体積平均粒径が上記の範囲内である場合、着色剤としても十分な黒色度を得ることができ、またトナー粒子内における分散性も良好となる。
なお、磁性体の体積平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、ミクロトームにより薄片上のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体粒子径を測定する。そして、磁性体の投影面積に等しい円の相当径をもとに、体積平均粒径の算出を行う。後述の実施例においても同様に測定した。
本発明では、磁性体以外に他の着色剤を併用しても良い。併用し得る着色剤としては、磁性あるいは非磁性無機化合物、公知の染料及び顔料が挙げられる。具体的には、例えば、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金、ヘマタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げられる。これらもまた、表面を処理して用いても良い。
磁性体の疎水化度は35%以上90%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以上80%以下である。疎水化度は磁性体表面の処理剤の種類、及び量により任意に変えることが可能である。疎水化度とは磁性体の疎水性の程度を示しており、疎水化度が低いものは親水性が高いことを意味する。磁性体の疎水化度が上記の範囲内にある場合、懸濁重合法においてトナーを製造する際により良好な重合性単量体への分散性が得られるようになる。また、この程度の疎水化度であれば、磁性体の粒子間における均一性の高い処理が可能である。
なお、本発明における疎水化度とは以下の方法により測定されたものである。磁性体の疎水化度の測定は、メタノール滴定試験により行う。メタノール滴定試験は、疎水化された表面を有する磁性体の疎水化度を確認する実験的試験である。
メタノールを用いた疎水化度測定は次のようにして行う。磁性体0.1gを容量250mlのビーカーの水50mlに添加する。その後メタノールを液中に徐々に添加し滴定を行う。この際メタノールは液底部より供給し、緩やかに撹拌しながら行う。磁性体の沈降終了は、液面に磁性体の浮遊物が確認されなくなった時点とし、疎水化度は、沈降終了時点に達した際のメタノール及び水混合液中のメタノールの体積百分率として表される。後述の実施例においても同様に測定した。
磁性体は、結着樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下を用いることが好ましく、より好ましくは20質量部以上180質量部以下である。磁性体の含有量が上記の範囲内である場合には、十分な着色力を有するトナーが得られ、また、より良好な現像性や定着性が得られる。
なお、トナー中の磁性体の含有量の測定は、パーキンエルマー社製熱分析装置、TGA7を用いて測定することができる。測定方法は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃まで、トナーを加熱し、100乃至750℃まで間の減量質量をトナーから磁性体を除いた成分の質量とし、残存質量を磁性体量とする。
本発明において用いることのできる磁性体として、例えばマグネタイトは、下記方法で製造することができる。第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量または当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上(好ましくはpH8以上14以下)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粉体の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6以上14以下に維持しながら空気を吹込みながら水酸化第一鉄の反応をすすめ種晶を芯にして磁性酸化鉄粉体を成長させる。酸化反応がすすむにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは6未満にしないように調整する。酸化反応の終期に液のpHを調整し、磁性酸化鉄が一次粒子になるよう十分に撹拌し、処理剤を添加して十分に混合撹拌し、撹拌後に濾過し、乾燥し、軽く解砕することで疎水性処理された磁性酸化鉄粉体が得られる。あるいは、酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄粉体を、乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを調整し、十分撹拌しながらシランカップリング剤を添加し、カップリング処理を行っても良い。
第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能であり、また塩化鉄等を用いることが可能である。水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと等のために、鉄濃度0.5mol/l以上2mol/l以下の硫酸鉄が用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。また、反応に際しては、空気量が多い程、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
このようにして製造された疎水性磁性体を材料とした磁性トナーを使用することにより、安定したトナーの帯電性が得られ、転写効率が高く、高画質及び高安定性が可能となる。
本発明の磁性トナーは、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)におけるトナーの磁化の値が10乃至50Am2/kg(emu/g)である磁性トナーであることが好ましい。トナーの磁化の値が上記範囲内であれば、良好な搬送性や撹拌性が得られるばかりでなく、トナー飛散を良好に抑制できる。また、現像装置からのトナーの漏れを防止でき、転写残トナーの回収性を向上させることもできる。
また、磁性体の磁場796kA/mにおける磁化の強さは30Am2/kg以上120Am2/kg以下であることが好ましい。
トナーの磁化の強さは、含有する磁性体の量、磁性体の飽和磁化により任意に変えることが可能である。
本発明において磁性トナーの飽和磁化の強さは、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。また、磁性体の磁気特性についても、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場796kA/mで測定することができる。
また、本発明に係わるトナーは、ディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合法等でも製造が可能である。
また、本発明の磁性トナーは定着性向上のために、離型剤を含有していることが好ましく、結着樹脂に対し1質量部以上30質量部以下を含有することが好ましい。より好ましくは、3質量部以上25質量部以下である。離型剤の含有量が上記の範囲内であれば、十分な添加効果が得られつつ、流動性や保存性の低下を抑制することができる。
本発明に係わる磁性トナーに使用可能な離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシヤートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体などが例示され、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物が含まれる。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワツクス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスなども使用できる。
これらの離型剤の内でも、示差走差熱量計により測定されるDSC曲線における最大吸熱ピークのピーク温度が40乃至110℃のものが好ましく、45乃至90℃のものがより好ましい。
即ち上記温度領域に最大吸熱ピークのピーク温度を有することにより、低温定着、離型性、保存性への効果が得られる。さらに、水系媒体中で造粒/重合を行い重合方法により直接トナーを得る場合においては、造粒性を低下させることもない。
離型剤の最大吸熱ピーク温度の測定は、「ASTM D 3418−8」に準じて行う。測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空パンをセットし、試料を一回200℃まで昇温させ熱履歴を除いた後、急冷し、再度、昇温速度10℃/minにて温度30乃至200℃の範囲で昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。後述の実施例においても同様に測定した。
尚、THFに可溶な樹脂成分の分子量の測定は、以下の様にして行うことができる。トナーをTHFに室温で24時間静置して溶解した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過してサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。尚、サンプル調製は、THFに可溶な成分の濃度が0.4乃至0.6質量%になるようにTHFの量を調整する。
装置:高速GPC HLC8120 GPC(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)により作成した分子量校正曲線を使用する。
また、本発明の磁性トナーには、荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、磁性トナー粒子を直接重合法を用いて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。具体的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
電荷制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、内部添加する場合は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1乃至10質量部、より好ましくは0.1乃至5質量部の範囲で用いられる。また、外部添加する場合、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0.005乃至1.0質量部、より好ましくは0.01乃至0.3質量部である。
荷電制御剤の添加は必須ではなく、トナーの層厚規制部材やトナー担持体との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含有させる必要はない。
次に懸濁重合法によるトナーの製造について説明する。懸濁重合法でトナーを製造する場合には、先ず、結着樹脂となる重合性単量体中に、磁性体、必要に応じて、離型剤、可塑剤、荷電制御剤、架橋剤、着色剤、更にその他の添加剤、例えば、高分子重合体、分散剤等を適宜加えて、分散機等によって均一に溶解または分散させて重合性単量体組成物を調製する。その後、分散安定剤を含有する水系媒体中に上記重合性単量体組成物を滴下し、水系媒体中において懸濁させ、重合性単量体を重合することによってトナー粒子を得る。
重合トナーの製造において用いることのできる重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独、または混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、あるいは他の単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
重合トナーの製造においては、重合性単量体組成物に高分子重合体を含有させて重合を行っても良い。例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できないアミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基、グリシジル基、ニトリル基等親水性官能基を有する重合性単量体成分をトナー中に導入したい時には、これらとスチレンあるいはエチレン等ビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体等、共重合体の形にして用いることができる。あるいは、ポリエステル、ポリアミド等の重縮合体ポリエーテル、ポリイミン等重付加重合体の形で用いることもできる。この様な極性官能基を含む高分子重合体をトナー中に共存させると、前述の離型剤を相分離させ、より内包化が強力となり、耐ブロッキング性、現像性の良好な磁性トナー粒子を得ることができる。
これらの高分子重合体の中でも特にポリエステル樹脂を含有することにより、その効果が大きくなる。これは次に述べる理由からと考えている。ポリエステル樹脂は比較的極性の高い構造であるエステル結合を数多く含む為、樹脂自身の極性が高くなる。その極性の為、水系分散媒中では重合性単量体組成物の液滴表面にポリエステルが偏在する傾向が強くなり、その状態を保ちながら重合が進行し、トナー粒子となる。この為、トナー表面にポリエステル樹脂が偏在することで表面状態や、表面組成が均一な物となり、その結果帯電性が均一になると共に、離型剤の内包性が良好な事との相乗効果により非常に良好な現像性を得ることが出来る。
ポリエステル樹脂としては、トナーの帯電性、耐久性および定着性などの物性をコントロールする上で、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはその両者を適宜選択して使用することが可能である。
ポリエステル樹脂は、アルコール成分と酸成分から構成される通常のものが使用でき、両成分については以下に例示する。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール,1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、また式(I)で表されるビスフェノール誘導体;
〔式中、Rはエチレンまたはプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の数であり、かつx+yの平均値は2以上10以下である。〕
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸またはその無水物、またさらに炭素数6以上18以下のアルキルで置換されたコハク酸もしくはその無水物;炭素数6以上18以下のアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飴和ジカルボン酸またはその無水物などが挙げられる。
さらに、アルコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの如き多価アルコールが挙げられる。酸成分としてトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸が挙げられる。
アルコール成分としては、帯電特性、環境安定性が優れておりその他の電子写真特性においてバランスのとれた前記のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましく使用される。この化合物の場合には、定着性やトナーの耐久性の点においてアルキレンオキサイドの平均付加モル数は2以上10以下が好ましい。
ポリエステル樹脂は全成分中45モル%以上55モル%以下がアルコール成分であり、55モル%以上45モル%以下が酸成分であることが好ましい。
ポリエステル樹脂は、本発明の磁性トナーの製造方法においてトナー粒子表面に存在し、得られるトナー粒子が安定した帯電性を発現するためには、0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の酸価を有していることが好ましく、5mgKOH/g以上35mgKOH/g以下であることがより好ましい。
本発明においては、得られる磁性トナー粒子の物性に悪影響を及ぼさない限り2種以上のポリエステル樹脂を併用したり、シリコーン化合物やフルオロアルキル基含有化合物により変性したりしてポリエステル樹脂の物性を調整することも好適に行われる。
また、このような極性官能基を含む高分子重合体を使用する場合、その平均分子量は5,000以上が好ましく用いられる。平均分子量が5,000以上であれば、現像性や耐ブロッキング性を低下させることなく、添加効果を得ることができる。
また、材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良等を目的として上記以外の樹脂を単量体組成物中に添加しても良く、用いられる樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独或いは混合して使用できる。これら樹脂の添加量としては、重合性単量体100質量部に対し1質量部以上20質量部以下が好ましい。
さらに、重合性単量体を重合して得られるトナーの分子量範囲とは異なる分子量の重合体を単量体中に溶解して重合すれば、分子量分布の広い、耐オフセット性の高いトナーを得ることが出来る。
重合トナーの製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時に半減期0.5時間以上30時間以下であるものを、重合性単量体100質量部に対し0.5質量部以上20質量部以下の添加量で用いることが好ましい。この条件で重合反応を行うと、GPCにおいてメインピークのピーク分子量が5000以上50000以下の間に存在する重合体を容易に得ることが出来る。
本発明で使用される重合開始剤としては、従来公知のアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤などがある。アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等が例示される。過酸化物系重合開始剤としてはt−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ−t−プチルパーオキシブタンなどのパーオキシケタール、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド、その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等が挙げられ、必要に応じてこれらの開始剤を2種以上用いることもできる。
磁性トナーを懸濁重合法で製造する際には、一般に上述の磁性体、重合性単量体、離型剤を少なくとも含む組成物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解または分散させて重合性単量体組成物を調製し、これを分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとすることによりトナー粒子の粒度分布をシャープにすることができる。
重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることも出来る。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
本発明の磁性トナーを重合法で製造する場合には、分散安定剤として公知の有機分散剤・無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は、超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物が挙げられる。
これら無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させて用いることが出来る。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることが出来、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合に依る超微粒子が発生し難くなるので、より好都合である。重合反応終期に残存重合性単量体を除去する時には障害となることから、水系媒体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩したほうが良い。無機分散剤は、重合終了後酸あるいはアルカリで溶解して、ほぼ完全に取り除くことが出来る。
また、これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部以上20質量部以下を単独で使用することが好ましい。また、0.001質量部以上0.1質量部以下の界面活性剤を併用しても良い。
界面活性剤としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
前記重合工程においては、重合温度は40℃以上、一般には50℃以上90℃以下の温度に設定して重合を行う。この温度範囲で重合を行うと、離型剤の内包化がより良好となる。残存する重合性単量体を反応させるために、重合反応終期に、反応温度を90℃以上150℃以下に上げてもよい。
重合トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により分級工程を入れ、粗粉や微粉を除去しても良い。また、得られたトナー粒子に外添剤として流動化剤を添加しても良い。
本発明においては、流動化剤として個数平均1次粒径4nm以上80nm以下の無機微粉体がトナー粒子に外部添加されることが好ましい形態である。無機微粉体は、トナーの流動性改良及びトナー粒子の帯電均一化のために添加されるが、無機微粉体を疎水化処理するなどの処理によって、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上等の機能を更に付与しても良い。無機微粉体の個数平均1次粒径が上記の範囲内であれば、安定して良好な帯電特性を得ることができ、またトナーの流動性も良好となる。そのため、カブリやトナー飛散の発生が抑制される。トナー粒子の帯電分布をより均一とするために、無機微粉体の個数平均1次粒径は、6nm以上35nm以下であることがより好ましい。
本発明において、無機微粉体の個数平均1次粒径の測定法は、走査型電子額微鏡により拡大撮影したトナーの写真で、更に走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素分析手段によって無機微粉体の含有する元素でマッピングされたトナーの写真を対照しつつ、トナー粒子表面に付着或いはトナー粒子から遊離して存在している無機微粉体の1次粒子を100個以上測定し、個数基準の平均1次粒径、個数平均1次拉径を求めることで測定出来る。
本発明で用いられる無機微粉体としては、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉体などが使用でき、単独で用いても、複数種組み合わせて用いても良い。シリカとしては、例えば、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2−等の製造残財滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。中でも、シリカ微粉体を用いることが特に好ましく、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積が20m2/g以上350m2/g以下のシリカ微粉体が好ましく、25m2/g以上300m2/g以下のシリカ微粉体が更に好ましい。
比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出する。
個数平均1次粒径が4nm以上80nm以下の無機微粉体の添加量は、トナー粒子に対して0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。
なお、無機微粉体の含有量は、蛍光X線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量できる。
また本発明において無機微粉体は、疎水化処理された物であることが高温高湿環境下での特性から好ましい。トナーに添加された無機微粉体が吸湿すると、トナー粒子の帯電量が著しく低下し、トナー飛散が起こり易くなる。
疎水化処理に用いる処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機珪素化合物、有機チタン化合物等の処理剤を単独で或いは併用して処理しても良い。
その中でも、シリコーンオイルにより処理したものが好ましい。より好ましくは、無機微粉体をシラン化合物で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理したものが高湿環境下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、トナー飛散を防止する上でより好ましい。
そのような無機微粉体の処理方法としては、例えば第一段反応として、シラン化合物でシリル化反応を行いシラノール基を化学結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することができる。
上記シリコーンオイルは、25℃における粘度が10mm2/s以上200,000mm2/s以下のものが、さらには3,000mm2/s以上80,000mm2/s以下のものが好ましい。10mm2/s未満では、無機微粉体に安定性が無く、熱および機械的な応力により、画質が劣化する傾向がある。200,000mm2/sを超える場合は、均一な処理が困難になる傾向がある。
使用されるシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
無機微粉体をシリコーンオイルで処理する方法としては、例えば、シラン化合物で処理された無機微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、無機微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散させた後、無機微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。無機微粉体の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用いる方法がより好ましい。
シリコーンオイルの処理量は、無機微粉体100質量部に対し1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは3質量部以上35質量部以下である。
本発明に用いられる磁性トナーには、更に他の添加剤、例えば、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素微粉体;銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微粉体;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化すず、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化タングステンなどの金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリなどの金属化合物、あるいはこれらの複合酸化物などが必要に応じて粒度及び粒度分布を調整することで使用できる。また、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末等の滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、ケーキング防止剤、また、逆極性の有機微粒子、及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
また、現像性向上を目的とし、導電性無機酸化物を添加することも可能である。アンチモン、アルミニウムなどの元素をドープした金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粉体なども使用できる。例えば酸化スズ及びアンチモンで表面処理された酸化チタン微粉体、アンチモンでドープされた酸化第二スズ微粉体、あるいは酸化第二スズ微粉体などである。
市販の酸化スズ及びアンチモン処理された導電性酸化チタン微粉体としては、例えばEC−300(チタン工業株式会社)、ET−300、HJ−1、HI−2(以上、石原産業株式会社)、W−P(三菱マテリアル株式会社)などが挙げられる。
市販のアンチモンドープの導電性酸化スズとしては、例えばT−1(三菱マテリアル株式会社)やSN−100P(石原産業株式会社)などが、また市販の酸化第二スズとしては、SH−S(日本化学産業株式会社)などが挙げられる。
上記無機微粉体、導電性微粉体等をトナーに外添する方法としては、トナーと上記微粉体等を混合、撹拌することにより行う。具体的にはメカノフュージョン、I式ミル、ハイブリタイザー、ターボミル、ヘンシェルミキサー等が挙げられ、粗粒の発生を防ぐという観点からヘンシェルミキサーを用いることが特に好ましい。
本発明の磁性トナーは、耐久性に優れ、カブリが少なく、転写性が高いために、接触帯電工程を用いる画像形成方法に好適に用いられ、さらにはクリーナーレス画像形成方法にも用いることが出来る。
以下に本発明の磁性トナーを用いることのできる画像形成方法について説明する。
図1は画像形成装置の構成を示す模式的断面図である。図の画像形成装置は一成分磁性トナーを用いた現像方式を採用した電子写真装置であり、100は静電荷像担持体(感光ドラム)で、その周囲に一次帯電ローラー117、現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナー116、レジスタローラー124等が設けられている。感光ドラム100は一次帯電ローラー117によって、例えば−700Vに帯電される(交流電圧Vpp:2kV、直流電圧Vdc:−700V)。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光123を感光ドラム100に照射することによって露光され、形成されるべき画像に応じた静電潜像が感光ドラム100上に形成される。感光ドラム100上に形成された静電潜像は現像器140によって磁性トナーで現像され、転写材を介して感光体に当接された転写ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像をのせた転写材は搬送ベルト125により定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、転写工程後、感光体上に残存する磁性トナーはクリーニング手段116によりクリーニングされる。現像器140は、図2に示すように感光ドラム100に近接してアルミニウム、ステンレスの如き非磁性金属で作られた円筒状のトナー担持体102(以下現像スリーブと称す)が配設され、感光ドラム100と現像スリーブ102との間隙は図示されないスリーブ/感光ドラム間隙保持部材等により所定距離(例えば約300μm)に維持されている。現像スリーブ内にはマグネットローラー104が現像スリーブ102と同心的に固定、配設されている。但し現像スリーブ102は回転可能である。トナーは、トナー塗布ローラー141によって、現像スリーブ102に塗布され、付着して搬送される。搬送されるトナー量を規制する部材として、弾性ブレード103が配設されている。現像領域に搬送されるトナー量は、弾性ブレード103の現像スリーブ102に対する当接圧により制御される。現像領域では、感光ドラム100と現像スリーブ102との間に直流及び交流の現像バイアスが印加され、現像スリーブ上の現像剤によって、感光ドラム100上の静電潜像が現像される。
本発明における各物性の測定法を以下に詳述する。
<トナー平均円形度の測定>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下記式を用いて算出する。
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4以上1.0以下の範囲を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26℃以上27℃以下になるよう装置の設置環境を23.0℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000個/μl以上1万個/μl以下となる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。
(表面処理磁性体の製造例1)
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオンに対して1.0当量以上1.1当量以下の苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを9前後に維持しながら、空気を吹き込み、80以上90℃以下で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8前後に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを約6に調整し、充分撹拌しながらシラン化合物(n−C4H9Si(OC2H5)3)を磁性酸化鉄100質量部に対し0.8質量部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、カップリング処理を行った。生成した疎水性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集している粒子を解砕処理して、表面処理磁性体1を得た。なお、この磁性体の個数平均粒径は0.21μm、疎水化度は48%であった。
(表面処理磁性体の製造例2)
表面処理磁性体の製造例1においてシラン化合物量を1.2質量部とする以外は同様にして表面処理磁性体2を得た。なお、この磁性体の個数平均粒径は0.21μm、疎水化度は62%であった。
(表面処理磁性体の製造例3)
表面処理磁性体の製造例1においてシラン化合物を(n−C10H21Si(OC2H5)3)とし、添加部数を1.0質量部とする以外は同様にして表面処理磁性体3を得た。なお、この磁性体の個数平均粒径は0.21μm、疎水化度は77%であった。
(表面処理磁性体の製造例4)
表面処理磁性体の製造例1においてシラン化合物を(n−C22H45Si(OC2H5)3)に変更し、添加部数を1.5質量部とする以外は同様にして表面処理磁性体4を得た。なお、この磁性体の個数平均粒径は0.21μm、疎水化度は87%であった。
(表面処理磁性体の製造例5)
表面処理磁性体の製造例1においてシラン化合物の添加部数を0.1質量部とする以外は同様にして表面処理磁性体5を得た。なお、この磁性体の個数平均粒径は0.21μm、疎水化度は30%であった。
(表面処理磁性体の製造例6)
表面処理磁性体の製造例1においてシラン化合物を(n−C10H21Si(OC2H5)3)とし、添加部数を0.1質量部とする以外は同様にして表面処理磁性体6を得た。なお、この磁性体の個数平均粒径は0.21μm、疎水化度は35%であった。
(未処理磁性体の製造例1)
表面処理磁性体の製造例1と同様に、酸化反応を進め、酸化反応終了後に生成した磁性体を洗浄、濾過、乾燥し、凝集している粒子を解砕し、未処理磁性体1を得た。この磁性体の個数平均粒径は0.21μmであった。
[磁性トナーの製造例1]
イオン交換水709質量部に0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液451質量部を投入し60℃に加温した後、1.0mol/リットル−CaCl2水溶液67.7質量部を徐々に添加してCa3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
一方、下記の処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合した。
・スチレン 75質量部
・n−ブチルアクリレート 25質量部
・飽和ポリエステル樹脂(1) 3質量部
(モノマー構成:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物/テレフタル酸/イソフタル酸、酸価:9mgKOH/g、Tg(ガラス転移温度):69℃、Mn(数平均分子量):4200、Mw(重量平均分子量):9000)
・負荷電性制御剤 2質量部
(T−77;モノアゾ染料系のFe化合物(保土谷化学工業社製))
・架橋剤(PEG#400ジメタクリレート:共栄社科学株式会社)
0.5質量部
・表面処理磁性体1 90質量部
この単量体組成物を60℃に加温し、そこに日本精蝋社製HNP−9(パラフィンワックス、DSC吸熱メインピーク:78℃)15質量部を混合溶解し、これに重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド5質量部を溶解して重合性単量体組成物を得た。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下においてクレアミックス(エム・テクニック社製)にて12,000rpmで15分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、反応初期温度を50℃に設定し、1.0時間後に80℃になるように昇温し、その後1時間反応させ、更に10時間撹拌を続けた。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えてCa3(PO4)2を溶解し、濾過、水洗、乾燥して磁性トナー粒子を得た。
この磁性トナー粒子100質量部とヘキサメチルジシラザンで処理した後、シリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(i)(処理後のBET比表面積:180m2/g、一次平均粒径:10nm、疎水化度:82%)1.0質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、表2に示される磁性トナー1(重量平均粒径(D4):7.5μm)を調製した。
[磁性トナーの製造例2]
架橋剤(PEG#400ジメタクリレート)の添加量を1.0質量部に変更し、表面処理磁性体1を表面処理磁性体2に変更したこと以外は磁性トナーの製造例1と同様にして磁性トナー2を製造した。磁性トナー2の物性を表2に示す。
[磁性トナーの製造例3]
架橋剤(PEG#400ジメタクリレート)の添加量を0.1部に変更したこと以外は磁性トナーの製造例1と同様にして磁性トナー3を製造した。磁性トナー3の物性を表2に示す。
[磁性トナーの製造例4]
表面処理磁性体1を表面処理磁性体4に変更したこと以外は磁性トナーの製造例1と同様にして磁性トナー4を製造した。磁性トナー4の物性を表2に示す。
[磁性トナーの製造例5]
架橋剤としてPEG#400ジメタクリレートを用いる代わりに、1,9−ノナンジオールジメタクリレートを用いたこと以外は磁性トナーの製造例1と同様にして磁性トナー5を製造した。磁性トナー5の物性を表2に示す。
・1,9−ノナンジオールジメタクリレート 0.5質量部
[磁性トナーの製造例6]
表面処理磁性体1の代わりに表面処理磁性体3を用いたこと以外は磁性トナーの製造例5と同様にして磁性トナー6を製造した。磁性トナー6の物性を表2に示す。
[磁性トナーの製造例7]
表面処理磁性体1の代わりに表面処理磁性体6を用いたこと以外は磁性トナーの製造例5と同様にして磁性トナー7を製造した。磁性トナー7の物性を表2に示す。
[磁性トナーの製造例8]
架橋剤としてPEG#400ジメタクリレートを用いる代わりに、1,6−ヘキサンジオールアクリレートを用いたこと以外は磁性トナーの製造例1と同様にして磁性トナー8を製造した。磁性トナー8の物性を表2に示す。
[磁性トナーの製造例9]
初期反応温度を40℃から70℃に変更したこと以外は磁性トナーの製造例1と同様にして磁性トナー9を製造した。磁性トナー9の物性を表2に示す。
[磁性トナーの製造例10]
表面処理磁性体1の代わりに表面処理磁性体6を用いたこと以外は磁性トナーの製造例1と同様にして磁性トナー10を製造した。磁性トナー10の物性を表2に示す。
[比較用磁性トナーの製造例1]
架橋剤としてPEG#400ジメタクリレートを用いる代わりに、下記の式Aで表されるペンタエリスリトールテトラアクリレートを3.0部加え、表面処理磁性体1の代わりに表面処理磁性体4を用いた以外は磁性トナーの製造例1と同様にして比較用磁性トナー1を調製した。
[比較用磁性トナーの製造例2]
・スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比78/22)(数平均
分子量Mn:24300、Mw/Mn3.0) 100質量部
・磁性トナーの製造例1で用いた飽和ポリエステル樹脂1 5質量部
・負荷電性制御剤 1質量部
(T−77:モノアゾ染料系のFe化合物(保土谷化学工業社製))
・未処理磁性体1 90質量部
・磁性トナーの製造例1で用いたパラフィンワックス 10質量部
上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級して重量平均粒径(D4)8.1μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100質量部に対して磁性トナーの製造例1で使用したシリカ1.0質量部を加え、ヘンシェルミキサーを用い、撹拌羽板の周速を40m/secとし3分間混合し比較用磁性トナー2を調製した。比較用磁性トナー2の物性を表2に示す。
[比較用磁性トナー3の製造]
PEG#400ジメタクリレートの代わりに、ジビニルベンゼンを0.8質量部加え、表面処理磁性体1の代わりに表面処理磁性体5を用いた以外は磁性トナー1の製造例と同様にして比較用磁性トナー3を調製した。
[比較用磁性トナー4の製造]
PEG#400ジメタクリレートの代わりに、ペンタエリスリトールテトラアクリレートを0.6質量部加え、表面処理磁性体1の代わりに表面処理磁性体4を用い、反応温度を70℃にした以外は磁性トナー1の製造例と同様にして比較用磁性トナー4を調製した。
[比較用磁性トナー5の製造]
PEG#400ジメタクリレートの代わりに、ジビニルベンゼンを0.5質量部加え、反応初期温度を60℃に変更した以外は磁性トナー1の製造例と同様にして比較用磁性トナー5を調製した。
磁性トナー1乃至10及び比較用磁性トナー1乃至5の処方及び製造方法を表1に示す。また磁性トナー1乃至10及び比較用磁性トナー1乃至5の物性を表2に示す。
<実施例1>
磁性トナー1を用いて以下の評価を行った。
画像形成装置として、プロセススピードが220mm/secとし、定着器の温度を変更できるように改造したLBP3000(14枚/分、Canon社製)を用い、低温低湿環境下(15℃、10%RH)において、間欠モードで2000枚の画出し耐久試験を行った。尚、画像としては、8ポイントのA文字を用い、印字率を3%としたものを用い、記録媒体としてはゼロックス社製レター紙(75g/m2)を使用した。
[画像濃度]
耐久試験終了後、ベタ画像を形成し、このベタ画像の濃度をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定した。
A:1.40以上
B:1.35以上1.40未満
C:1.30以上1.35未満
D:1.30未満
[カブリ]
耐久試験終了後、白画像を出力して、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用いた。白画像出力前後の反射率から、下記式を用いてカブリを算出した。
カブリ(%)=標準紙の反射率(%)−白画像サンプルの反射率(%)
なお、カブリの評価基準は以下の通りである。
A:非常に良好(1.5%未満)
B:良好(1.5%以上2.5%未満)
C:普通(2.5%以上4.0%未満)
D:悪い(4%以上)
[加圧ローラー汚れ]
耐久試験終了後、加圧ローラー及び画像上のトナー汚れの程度を目視で評価した。
A:加圧ローラーに汚れはなく、画像にも汚れはない。
B:加圧ローラーに汚れはほとんどなく、画像には汚れはない。
C:加圧ローラーには汚れがあるが、画像には汚れはない。
D:加圧ローラーに汚れがあり、画像にも汚れがある。
[定着試験]
また、上記設定のLBP−3000改造機を用い、常温常湿(23℃、60RH)環境下において定着試験を行った。
まず、FOX RIVER BOND紙に画像濃度が0.80乃至0.85となるようにハーフトーン画像を形成し、定着器の温度を150℃から5℃ずつ上昇させて画像を定着させた。その後、55g/cm2の加重をかけたシルボン紙で定着画像を10回摺擦し、摺擦後の定着画像の濃度低下率が10%となる温度を定着開始温度とした。
また、A4サイズの75g/m2紙に単位面積あたりのトナー質量が0.6mg/cm2となるようにベタ画像を形成し、定着器の温度を変えて高温にてオフセットする温度を調べた。なお、高温オフセットは紙上の画像を目視判断することで行い、高温オフセットしない最高温度(定着終了温度)を求めた。その結果、磁性トナー1の定着開始温度は165℃であり、定着終了温度は230℃であった。評価結果を表2に示す。
また、耐低温オフセット性については、耐高温オフセット性の評価と同様のベタ画像を形成し、低温にて画像上にオフセット現象による汚れが発生した温度を調べた。
[定着画像濃度均一性]
上記LBP−3000改造機の定着器を取り外し、外部定着器にて定着を行った。外部定着器による定着条件は、プロセススピード200mm/sec、定着温度195℃、加圧力70N、ニップ6mmとし、また、記録媒体としては75g/m2紙を用いた。この条件でベタ黒未定着画像の定着を行い、得られた画像の上端から1cmの部分の3点の画像濃度の平均を上端部濃度とし、画像下端部から1cmの部分の3点の画像濃度の平均を下端部濃度として評価した。
画像濃度はマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して反射濃度の測定を行った。画像上端と下端の濃度差が小さいほど定着画像濃度均一性に優れたトナーである。
A:濃度差 0.03未満
B:濃度差 0.03以上0.08未満
C:濃度差 0.08以上0.15未満
D:濃度差 0.15以上
[保存性]
トナー10gを50mlのポリカップに入れ、50℃の恒温槽に3日間静置し、その際のトナーのブロッキング程度を評価した。
A:トナーの流動性は変わらない。
B:流動性は悪化しているがすぐ回復する。
C:凝集塊があり、ややほぐれにくい。
D:流動性がない、又はケーキングを生じている。
<実施例2乃至10、比較例1乃至5>
実施例1で行った評価と同様の評価を磁性トナー2乃至10、比較用磁性トナー1乃至5に対して行った。評価結果を表3に示す。
Claims (6)
- 少なくとも結着樹脂と磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
該トナーの120℃を基準温度とした時のマスターカーブにおいて、その時のシフトファクターaT120から求められる活性化エネルギーEa(kJ/mol)と、該トナーの150℃を基準温度とした時のマスターカーブにおいて、その時のシフトファクターaT150から求められる活性化エネルギーEb(kJ/mol)が式(1)を満たし、且つ、Eaが110(kJ/mol)以下であることを特徴とする磁性トナー。
1.00≦Ea/Eb<1.20 (1) - 活性化エネルギーEa(kJ/mol)と、該トナーをテトラヒドロフラン(THF)によるソックスレー抽出した時の結着樹脂に由来するTHF不溶分A(%)とが式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
1.0≦Ea/A≦5.0 (2) - 5mol/l塩酸中にトナーを分散させた際における、抽出時間15分から30分までのトナーからの抽出量(S15−30)に対する抽出時間3分から15分までのトナーからの抽出量(S3−15)の割合SC(=S3−15/S15−30)が、式(3)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
1.2≦SC≦10.0 (3) - 該トナーのTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定において、ピーク分子量が15000以上40000以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性トナー。
- 該トナーの平均円形度が0.950以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性トナー。
- 該トナー粒子が、水系媒体中で製造されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁性トナー。
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