JP5371608B2 - トナー - Google Patents

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本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法の如き方法によって形成される静電荷潜像を顕像化するために用いるトナーに関するものである。
近年、プリンターや複写機は、デジタル化による画像の高精細化と同時に、印字または複写速度の高速化、あるいは装置の小型化による省スペース化、低消費電力化が要求されるようになっている。
上記した高速化や低消費電力化の要求を満たすため、トナー自身の定着性能を改善することが求められている。特に、トナーをより低い温度で転写材に定着できる性能(以下、低温定着性能と記載)の向上が求められている。しかし、トナーの低温定着性能を向上させた場合、高温環境下で互いに接触するトナー間で凝集が生じて塊状となる所謂ブロッキング現象を防止する性能(以下耐熱保存性能と記載)が低下しやすい。さらに、多量の連続印字において画像不良の発生を抑制する性能(以下、耐久安定性能と記載)も低下しやすいため、これらの性能を同時に満たすトナーが望まれている。また、定着工程においては、転写材上のトナーが定着部材に付着した後、該トナーが再度転写材に移行することによって転写材を汚す現象であるオフセットを抑制する性能(以下、耐オフセット性能と記載)も向上する必要がある。また、フルカラー電子写真装置の普及に伴い、新たな画像品位の向上が求められるようになってきている。即ち、高光沢の画像を形成することによって、画像の発色性を向上させる性能(以下、グロス性能と記載)が要求されている。
加熱圧着方式に用いられるトナーにおいて、低温定着性能と耐熱保存性能との両立を目指したトナーとしては、コアシェル構造を有するトナーを製造する試みが種々提案されている。すなわち、着色剤と離型剤を少なくとも含有し、ガラス転移温度(以下、Tgと記載)の低い結着樹脂を主成分とする芯粒子表面を、Tgの高い樹脂で被覆することにより、低温定着性能と耐熱保存性能或いは耐久安定性能を両立させることを目指すものである。例えば、トナー母粒子として、懸濁重合で生成した懸濁重合粒子(芯粒子)の表面に、粒子径100nm以上の重合微粒子が固着したトナー母粒子を個数割合で80%以上含有するトナーが提案されている(特許文献1参照)。また、トナー内核粒子(芯粒子)の表面に該トナー内核粒子と逆の帯電性を有する中間層を形成させ、該中間層の表面に中間層と逆の帯電性を有する樹脂(樹脂微粒子)で外殻層を形成させたトナーが開示されている(特許文献2参照)。また懸濁重合で得られたコア粒子(芯粒子)に重合性3級アミノ化合物を含むシェル用重合性単量体を添加して、重合開始剤の存在下で重合を行い、コア粒子を被覆するシェル層を形成したトナーが提案されている(特許文献3参照)。一方、低温定着性能と光沢むらとの両立を目指したトナーとしては、60以上95℃以下の温度領域における損失弾性率G”の変化率を制御したトナーが提案されている(特許文献4参照)。
しかし、低温定着性能と耐熱保存性能、耐久安定性能を有し、高画質化を満足するトナーは未だ得られていないのが現状である。
特開2008−9385号公報 特開2003−91093号公報 特開2008−58620号公報 特開2006−91168号公報
本発明の目的は、上述した従来の問題点を解決したトナーを提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、低温定着性能を向上させた場合においても良好な耐熱保存性、耐久安定性能を有し、耐オフセット性能、グロス性能に優れ高品位画像の形成を可能とするトナーを提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明のトナーは、
結着樹脂と着色剤と離型剤を少なくとも有するトナー粒子と、無機微粉体とを有するトナーであって、
前記トナーは、動的粘弾性試験によるトナーの貯蔵弾性率(G’)を常用対数(log10G’)に変換し、各温度における前記log10G’の傾きをy軸とし、そのときの温度をx軸とした温度−傾き曲線において、
(I)第一のピークボトムTx(℃)を25.0以上、60.0℃以下に有し、第一のピークトップTy(℃)を45.0以上、70.0℃以下に有し、
(II)第二のピークボトムTz(℃)を60.0以上、90.0℃以下に有し、
(III)前記Ty(℃)は前記Tx(℃)よりも大きく、前記Tz(℃)は前記Ty(℃)よりも大きく、
(IV)前記Tx(℃)におけるy軸の値をRxとし、前記Ty(℃)におけるy軸の値をRyとし、前記Tz(℃)におけるy軸の値をRzとしたとき、前記Rxは前記Rzよりも大きく、前記Ryと前記Rzとの差(Ry−Rz)が0.060以上、0.500以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、低温定着性能を向上させた場合においても良好な耐熱保存性、耐久安定性能を有し、耐オフセット性能、グロス性能に優れ高品位画像の形成を可能とするトナーを提供することができる。
本発明における動的粘弾性試験により、貯蔵弾性率(G’)を測定した図である。 本発明における動的粘弾性試験により測定した貯蔵弾性率G’の値を、常用対数log10G’に変換し、各温度におけるlog10G’の傾きをy軸にとり、x軸に温度(℃)をとった温度−傾き曲線の一例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、さらに詳しく説明する。
本発明者は、トナーの動的粘弾性測定を行った場合の貯蔵弾性率(G’)を常用対数(log10G’)に変換した場合において、各温度における前記log10G’の傾きをy軸とし、そのときの温度をx軸とした温度−傾き曲線に着目した。そして、前記トナーの温度−傾き曲線において、ある特定の温度領域で特徴的な挙動変化を示すことが低温定着性能、耐熱保存性能、耐久安定性能に優れ、高品位な画像を形成することを両立するために重要であることを見出した。
そして、本発明のトナーの特徴である、トナー表面層の物性コントロールにより保存安定性を示す温度領域と定着性を示す温度領域でのトナーの粘弾性特性を以下のように特定した。ここで、本発明のトナーの貯蔵弾性率(G’)の特徴を図1−1および図1−2を用いて説明する。
図1−1はx軸に温度(℃)を、y軸に該トナーの貯蔵弾性率(G’)を示している。上記の貯蔵弾性率G’の値を、常用対数log10G’に変換する。次に、各温度におけるlog10G’の傾きを下記計算にて求めて、x軸に温度(℃)を、y軸にlog10G’の傾きをとった温度−傾き曲線をグラフ化したものが図1−2である。詳細には、前記log10G’の値を用い、低温側のデータから数えてn番目の温度T(℃)における貯蔵弾性率(G’)の常用対数の値をlog10G’とし、n−1番目の温度(℃)における貯蔵弾性率(G’)の常用対数の値をlog10G’n−1としたとき、下記式1より温度T(℃)におけるlog10G’の傾きR’を算出する。但し、n=1の場合を除く。
Figure 0005371608
さらに、温度T(℃)における傾きR’に対し、n−2番目の温度Tn−2(℃)における傾きをR’n−2とし、n−1番目の温度Tn−1(℃)における傾きをR’n−1とし、n+1番目の温度Tn+1(℃)における傾きをR’n+1とし、n+2番目の温度Tn+2(℃)における傾きをR’n+2としたとき、下記式2によりスムージング処理を行って、温度T(℃)における傾きRを算出する。この傾きRをy軸とし、前記温度T(℃)をx軸として、nが1〜3及び最後の2個の値を除いてプロットした曲線を、前記温度−傾き曲線とする。
Figure 0005371608
得られた曲線において、第一のピークボトムのx軸の値をTx(℃)、該Tx(℃)におけるy軸の値をRxとし、第一のピークトップのx軸の値をTy(℃)、該Ty(℃)におけるy軸の値をRyとし 第二のピークボトムのx軸の値をTz(℃)、該Tz(℃)におけるy軸の値をRzとした。なお、貯蔵弾性率(G’)は後述するTgTの温度から180℃まで測定する。プロットした曲線の正確性の観点から、上記温度−傾き曲線の作製に用いるデータの個数は、上記TgTの温度から180℃の範囲において、130個以上であることが好ましく、150個以上であることがより好ましい。
本発明におけるトナーは、前記温度−傾き曲線において、第一のピークボトムTx(℃)と第一のピークトップTy(℃)と第二のピークボトムTz(℃)を有する。ここで第一のピークボトムとは、前記温度−傾き曲線において、最も低温度側に現れる曲線の傾きが負から正に転じる地点をいう。また、第一のピークトップとは、前記温度−傾き曲線において、最も低温側に現れる曲線の傾きが正から負に転じる地点をいう。また、第二のピークボトムとは、前記温度−傾き曲線において、第一のピークボトムの次に高い温度で曲線の傾きが負から正に転じる地点をいう。
本発明におけるトナーは、前記Ty(℃)は前記Tx(℃)よりも大きく、前記Tz(℃)は前記Ty(℃)よりも大きい。前記第一のピークトップTy(℃)が前記第一のピークボトムTx(℃)よりも大きいことは、温度Tx(℃)までに急激に貯蔵弾性率(G’)が低下した後に、温度Ty(℃)の近傍において、該トナーの貯蔵弾性率(G’)の低下がゆるやかになることを示している。すなわち、温度の上昇とともに該トナーが一様に軟らかくなるのではなく、熱的硬さの変化がゆるやかになる領域があることを示している。また前記第一のピークトップTy(℃)より大きい前記第二のピークボトムTz(℃)が存在することは、温度Tz(℃)の近傍において、貯蔵弾性率(G’)が再び急激に
低下し、該トナーがシャープメルト性であることを示している。
本発明におけるトナーは、低温定着性能を向上させるために、前記温度−傾き曲線において、第一のピークボトムTx(℃)を25.0以上60.0℃以下に有することが必要である。本発明において、該Tx(℃)は、トナーの結着樹脂に含有される主成分のガラス転移温度(℃)に大きく起因するが、他にも、トナーを構成する材料や該材料の存在状態、製造条件により総合的に制御される。Tx(℃)が25.0未満の場合には、耐熱保存性能、耐久安定性能が低下してしまう。一方、Tx(℃)が60.0を超える場合には、低温定着性能を阻害してしまう。該Tx(℃)は耐熱保存性能、耐久性能及び低温定着性能の更なる両立の観点から35.0以上55.0℃以下がより好ましい。
本発明におけるトナーは、耐久安定性能、耐熱保存性能を向上させるために、前記温度−傾き曲線において、第一のピークトップTy(℃)を45.0以上70.0℃以下に有することが必要である。さらに、前記Ty(℃)におけるy軸の値をRyとしたとき、該Ryが−0.060以上であることが耐久安定性能、耐熱保存性能の更なる向上の観点から好ましい。該Ty(℃)が存在することはすなわち、トナーの結着樹脂に含有される主成分よりも熱的に硬い成分が該主成分と完全に相溶せずに存在していることを示している。該Ty(℃)が存在しない場合には、動的粘弾性試験において、温度上昇とともにトナーは一様に軟らかくなってしまい、耐熱保存性能、耐久安定性能が悪化してしまう。前記Ty(℃)および好ましくは前記Ryが上記範囲内にあることで、トナーを高温条件下で保管した場合でも、軟らかくなりすぎることを防ぐことができ、耐熱保存性および耐久安定性能が向上する。前記Ty(℃)が45.0(℃)未満である場合には、耐熱保存性、耐久安定性能が低下してしまう。前記Ty(℃)が70.0℃を超える場合には、低温定着性能およびグロス性能が低下してしまう。該Ty(℃)は耐久安定性能、耐熱保存性能の更なる向上の観点から55.0以上65.0℃以下であることがより好ましい。なお、前記Ryが−0.060未満の場合には、トナーの結着樹脂に含有される主成分の軟らかさの影響が大きく、耐熱保存性、耐久安定性能が低下してしまう傾向にある。
本発明におけるトナーは、前記温度−傾き曲線において第二のピークボトムTz(℃)を60.0以上90.0℃以下に有することが必要である。さらに、前記Tx(℃)におけるy軸の値をRx、前記Tyにおけるy軸の値をRy、前記Tzにおけるy軸の値をRzとしたとき、前記Rxは前記Rzよりも大きく(負に小さく)、前記Ryと前記Rzとの差(Ry−Rz)が0.060以上0.500以下であることが必要である。定着工程において、転写材上のトナーの加熱が開始されると、トナーの温度がTz(℃)付近までは上昇する。トナーの温度がTz(℃)付近まで加熱された場合に、前記Rxが前記Rzより大きい、すなわち前記Rzが前記Rxより小さい(負に大きい)ことは、定着工程のトナーにかかる温度付近でトナーがより急激に軟らかくなること(シャープメルト)を示している。そのために、耐熱保存性を維持しながら低温定着性能及びグロス性能を向上させることができる。さらに該Tz(℃)が上記範囲内にあることでトナーの結着樹脂に含有される主成分の軟らかさを阻害せずに、定着工程において、すみやかにトナーが溶融し、低温定着性、耐オフセット性能およびグロス性能が向上する。前記Tz(℃)が60.0(℃)未満である場合には、耐熱保存性、耐久安定性能が低下してしまう。前記Tz(℃)が90.0℃を超える場合には、低温定着性能およびグロス性能が低下してしまう。また、前記Rxが前記Rzより小さい(負に大きい)場合には、低温定着性能が阻害されるか、耐熱保存性能及び耐久安定性能が低下してしまう。該Tz(℃)は65.0以上80.0℃以下であることがより好ましい。
また、前記Ryと前記Rzとの差(Ry−Rz)が0.060以上0.500以下であることで、トナーのシャープメルト性を発揮しつつ、かつ熱的に軟らかくなりすぎないため低温定着性能と耐オフセット性能が向上する。前記(Ry−Rz)が0.060未満の
場合には、定着工程においてもトナーが十分に軟らかくならないため、低温定着性能、グロス性能が低下する。または、前記Ryが負に大であり前記(Ry−Rz)が0.060未満の場合には、耐熱保存性能及び耐久安定性能が低下する。前記(Ry−Rz)が0.500を超える場合には、トナーが熱的に軟らかくなりすぎるため、耐オフセット性能や耐久安定性能、耐熱保存性能が低下する。該(Ry−Rz)は、0.100以上0.300であることがより好ましい。
上記のような物性を好ましく発現するトナー構成としては、トナーがコアシェル構造を形成していることが好ましいと考えられる。さらに、軟らかいコア層がある程度の硬さを有するシェル層により被覆され、かつ、シェル層の被覆状態、厚みなどが、シェル層の横方向及び深さ方向に均一であり、シェルの厚みが十分に薄い場合がより好ましいと考えられる。また個々のトナーにおいて、シェル層のトナー全体における含有量が均一であることがより好ましいと考えられる。上記コアシェル構造を形成している場合には、ある温度領域においてコア層とシェル層の熱的硬さに大きな違いが生じるため、コア層の熱的挙動に完全には追従せずに、シェル層としての特異的な熱的挙動が良好に発現される。
すなわち測定開始温度から温度Tx(℃)の温度領域においては、まずコア層が軟化し、Rnは小さく(負に大きく)なるが、温度Tx(℃)から温度Ty(℃)の温度領域においては、コア層に由来する軟らかさがシェル層により緩和され、Rnは大きくなる(負に小さく)なる。そして、温度Ty(℃)から温度Tz(℃)の温度領域においては、コア層とともにシェル層も同時に軟らかくなるため、Rnは再び小さく(負に大きく)なり、温度Ty(℃)と温度Tz(℃)におけるRnの差つまり(Ry−Rz)は一定の範囲で正の値になる。且つ、温度Tx(℃)におけるRnの値Rxは温度Tz(℃)におけるRnの値Rzよりも大きく(負に小さく)なる。
コア層とシェル層の密着性が低い場合には、コア層のみで急激に軟化するために、温度Tx(℃)でのRnの値Rxのほうが、温度Tz(℃)でのRnの値Rzよりも小さくなる(負に大きくなる)。個々のトナーにおいて、シェル層のトナー全体における含有量が不均一である場合や、シェル層による被覆状態や厚みが不均一な場合はシェル層の硬さが明確に発現されない。そのため、温度Tz(℃)と温度Ty(℃)におけるRnの差(Ry−Rz)が小さい。すわなち、前記Ryと前記Rzとの差(Ry−Rz)が0.060未満になる。
また、コア層とシェル層が相溶しすぎて明確に分離していない場合や、コアシェル構造を形成しておらずに、トナー内部に熱的に硬い成分が単純に存在している場合には、シェル層の硬さが明確に発現されない。そのため、温度Tz(℃)と温度Ty(℃)におけるRnの差(Ry−Rz)が小さい。すわなち、前記Ryと前記Rzとの差(Ry−Rz)が0.060未満になる。
前記Ty(℃)、Tz(℃)、Rx、RyおよびRzは、トナー粒子の構成として軟らかいコア層を硬いシェル層で被覆する方法において、シェル層(以下、被覆層とも記載)の熱的硬さ、被覆量、被覆状態により制御することができ、さらにトナーの重量平均分子量(Mw)及び分子量分布、THF不溶分、離型剤の融点、トナーの製造条件によっても制御可能である。
本発明における動的粘弾性の測定方法について、以下に示す。
測定試料としては、温度25℃湿度60%RHの環境下で、錠剤成型器を用いて加圧成形した試料を用いる。トナーの真密度をρ(g/cm)としたとき、トナーを0.20×ρ(g)秤量し、20kNの荷重を2分間加え、直径8mm、厚さ4mmの円柱状のペレットを成形する。このペレットを用いて以下の測定を行う。測定装置としては、例えば
ARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製)を用いることができる。具体的な測定条件を以下に示す。
・ 配列(Geometry Type):パラレルプレート(Parallel Plates)
・ パラレルプレート:セレイテッド(serrated)型パラレルプレートを使用
・ 測定開始温度(Initial Temp):後述(TgT−10(℃))
・ 測定終了温度(Final Temp):180(℃)
・ ギャップ調整(Change Gap to Match Tool Thermal Expansion):on
・ 膨張係数(Tool Thermal Expansion Coefficient):0.0(μm/℃)
・ 密度(Fluid Density):1.0(g/cm
・ 装置弾性(Fixture Compliance):0.83(μrad/g・cm)
・ 試験モード(Test Type):Dynamic Temperature
Ramp
・ 周波数(Frequency):1Hz:6.2832(rad・s)
・ 昇温速度(Ramp Rate):2.0(℃/min)
・ 浸透時間(Soak Time After Ramp):1.0(s)
・ 測定間隔(Time Per Measure):30.0(s)
・ 歪み(Strain):0.02(%)
・ テンション調整(Auto Tension Adjustment):on
・ モード(Mode):Apply Constant Static Force
・ テンション方向(AutoTension Direction):Compression
・ 初期スタティックフォース(Initial Static Force):10.0(g)
・ 自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity):40.0(g)
・ 自動テンションの作動条件(When Sample Modulus <):1.00e+08(dyn/cm
・ 自動テンションリミット(AutoTension Limits):Default
・ 最大自動テンションレート(Max AutoTension Rate):0.01(mm/s)
・ 自動歪み調整(AutoStrain):on
・ 最大歪(Max Applied Strain):40.0(%)
・ 最大トルク(Max Allowed Torque):150.0(g・cm)
・ 最小トルク(Min Allowed Torque):1.0(g・cm)
・ 歪み調整(Strain Adjustment):20.0(%)
・ 歪み幅調整(Strain Amplitude Control):Default Behavior
・ オプション(Measurement Option):Default Delay Settings
Cycles:0.5、Time:3.0(s)
・ トランスデューサー(Transducer):Transducer1
測定装置の試料室を予め25.0℃に保持しておき、荷重(Axial Force)が30になるように前記ペレットをセットしてホールドスイッチを入れる。ホールドスイッチは、ペレットを挟んでいるプレート間の距離(Gap)を調節することにより、ペレットにかかる荷重を、該スイッチが入った時の荷重の値に保持する機能を有する。後述する示差走査熱量計(DSC)により測定したトナーのガラス転移温度(Tg)をTgT(℃)としたとき、試料室の温度をTgT+2(℃)に加熱する。試料室内が該温度で安定したらホールドスイッチを外し、ペレットにかかる荷重(Axial Force)が1500になるようにプレート間の距離(Gap)を調節し、再度ホールドスイッチを入れる。すると、荷重により、セレイテッド型プレートの凸部がペレットの表面に徐々に埋め込まれていくため、プレート間の距離(Gap)が徐々に小さい値になる。荷重1500としてホールドスイッチを入れた時点でのプレート間の距離(Gap)に対し、プレート間の距離(Gap)が10%小さくなった時点でホールドスイッチを外す。さらにプレート間の距離を広げて、ペレットにかかる荷重(Axial Force)が150になるようにする。この際、プレートの移動速度をなるべくゆっくりとし、少しずつ移動させるように注意する。また、荷重が150よりも小さくなりすぎないようにする。荷重が150になった時点で再度ホールドスイッチを入れ、試料室の温度を測定開始温度にセットする。測定開始温度は、前記TgT−10(℃)とする。測定開始温度に達して試料室の温度が安定したら、ホールドスイッチを外し、その時のプレート間の距離(Gap)を入力する。そして、測定を開始する。
上記測定において、TgT+2(℃)の温度でペレットを固定化する目的は、トナーに熱を加えすぎないようにするためである。これにより、トナーに含有される結着樹脂、離型剤、その他の添加剤の存在状態が、測定を開始する前に熱によって変化することを抑制でき、トナーの物性をより正確に測定することができる。
本発明のトナーは、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶成分のゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン(PSt)換算の分子量分布において、分子量4,000以上18,000以下に極大値(Mp)を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000以上150,000以下であり、該Mwと個数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以上20.0以下であることが好ましい。トナーの耐久安定性能を保持しつつ、低温定着性能、グロス性能、及び、耐オフセット性能がさらに良好になる。前記Mpが4,000未満の場合、トナーの耐久安定性能、耐オフセット性能が低下する場合がある。該Mpが18,000を越える場合、トナーの低温定着性能、グロス性能が低下しやすくなる傾向にある。特に好ましい該Mpの範囲は、8,000以上16,000以下である。前記Mwが10,000未満の場合、トナーの耐久安定性能、耐オフセット性能が低下する場合がある。該Mwが100,000を越える場合、トナーの低温定着性能、グロス性能が低下しやすくなる傾向にある。特に好ましい該Mwの範囲は、20,000以上80,000以下である。前記Mw/Mnが2.0未満の場合、トナーの耐久安定性能、耐オフセット性能が低下する場合がある。該Mw/Mnが10.0を越える場合、トナーの低温定着性能、グロス性能が低下しやすくなる傾向にある。特に好ましい該Mw/Mnの範囲は、2.5以上8.0以下である。上記Mp、Mw、Mw/Mnは、トナー粒子に含有される結着樹脂、離型剤の他、シェル用樹脂といった添加剤の種類と添加量により制御することができる。本発明のトナーが重合法による場合には、重合開始剤の種類及び添加量、重合温度、特に重合開始剤の10時間半減期温度に対する重合開始時の温度、架橋剤の種類及び添加量等により制御可能である。
本発明のトナーは、トナーのソックスレー抽出法によるTHF不溶成分の含有量が、トナー質量に対し30.0以上80.0質量%以下含有することが好ましい。トナーの耐久安定性能を保持しつつ、低温定着性能、グロス性能、及び、耐しみ込み性能がさらに良好になる。該THF不溶成分の含有量が30.0質量%未満であると、トナーの耐久安定性
能、耐しみ込み性能が低下する場合がある。該THF不溶成分の含有量が80.0質量%を越える場合、トナーの低温定着性能、グロス性能が低下しやすくなる傾向にある。該THF不溶成分の含有量が40.0以上70.0質量%以下であることがより好ましい。上記THF不溶成分の含有量は、トナー粒子に含有される結着樹脂、離型剤の他、シェル用樹脂といった添加剤の種類と添加量により制御することができる。本発明のトナーが重合法による場合には、重合開始剤の種類及び添加量、重合温度、架橋剤の種類及び添加量等により制御可能である。
さらに、本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤を少なくとも含有する芯粒子に、樹脂微粒子を固着することにより被覆層が形成されたコアシェル構造を有するトナー粒子を有することが好ましい。該芯粒子を製造した後に、樹脂微粒子を固着することにより被覆層を形成するため、明確なコアシェル構造をとることが可能となり、耐熱保存性能、耐久性能が向上する。ここで固着するとは樹脂微粒子が芯粒子表面から、容易に剥離・脱落を起こさない状態を示す。芯粒子に樹脂微粒子を固着する具体的な方法は、まず、前記樹脂微粒子を前記芯粒子の表面に均一に付着させる。芯粒子の表面に樹脂微粒子を付着させる場合、通常、これらを水系媒体中に分散させた状態で行う。芯粒子と樹脂微粒子の極性が大きく異なる場合は、電気的な吸引力によって付着させることができるが、そうでない場合には、外的な手段を用いて樹脂微粒子の分散状態を制御する必要がある。具体的な方法としては、水系媒体のpHを調整する方法や、水系媒体中に無機塩を添加する方法が挙げられる。いずれの場合も、樹脂微粒子の分散状態を急激に変化させると、樹脂微粒子同士が単独凝集を起こして芯粒子に均一に付着させることできなくなるため、これらの操作は徐々に行うことが好ましい。そして、前記樹脂微粒子を付着させた後は、容易に剥離・脱落を起こさないよう固着を行う。具体的な固着の方法としては、水系媒体中に分散させた状態のままで加熱処理する方法や、樹脂微粒子を溶解あるいは膨潤する溶剤を加えて吸収させ、皮膜化した後に溶剤を除去する方法がある。また、ろ過および乾燥を行って取り出した粉体を、加熱下で撹拌混合処理する方法が挙げられる。これらの方法の中でも、水系媒体中で加熱処理する方法が、より均一で且つ強固に固着できる点、および操作が簡便である点で好ましい。
また本発明のトナーがコアシェル構造を有するトナー粒子を有する場合において、トナー粒子は、ゼータ電位(Zs)が−110.0以上−50.0mV以下にある樹脂微粒子の水分散液を用いて製造されることが好ましい。該ゼータ電位(Zs)は、該樹脂微粒子が有する酸性基の種類、含有量と、該樹脂微粒子の粒子径に由来すると考えられる。該ゼータ電位(Zs)が前記範囲内にあることで、トナーが有する前記芯粒子と樹脂微粒子との密着性がより良好となり、また、前記芯粒子を被覆する樹脂微粒子の被覆状態がより均一になる。
該Zsが−110.0mV未満である(負に大である)場合、芯粒子がトナー粒子の表面から剥がれやすくなる場合がある。また、水中において、芯粒子の表面を樹脂微粒子で被覆してトナー粒子を形成する場合、トナーから遊離した樹脂微粒子が副生する場合がある。このような場合、トナーの現像安定性能が低下しやすい傾向にある。該Zsが−50.0mVを越える(負に小である)場合、トナー粒子表面における樹脂微粒子の被覆状態に偏りが生じる場合があり、被覆層の膜厚が不均一になりやすい。また、水中において、芯粒子の表面を樹脂微粒子で被覆してトナー粒子を形成する場合、樹脂微粒子同士が凝集した凝集塊が副生する場合がある。このような場合、トナーの現像安定性能が低下しやすい傾向にある。上記Zsは、−90.0以上−55.0mV以下であることがより好ましい。また、樹脂微粒子の水分散液のゼータ電位(Zs)は、樹脂微粒子が有する酸性基及び含有量と樹脂微粒子の粒子径を制御することにより上記値に制御することができる。
また本発明のトナーがコアシェル構造を有するトナー粒子を有する場合において、前記
芯粒子のガラス転移温度Tg1が20.0以上55.0℃以下であり、前記樹脂微粒子のガラス転移温度Tg2が55.0以上90.0℃以下であり、該芯粒子のガラス転移温度Tg1と該樹脂微粒子のガラス転移温度Tg2との差(Tg2−Tg1)が10.0以上45.0℃以下であることが好ましい。該Tg2、該Tg1および該(Tg2−Tg1)が前記範囲内にあるにあることで、低温定着性能を阻害せずに耐久性能と耐熱保存性能が向上する。該Tg1が20.0℃未満、該Tg2が55.0℃未満、該(Tg2−Tg1)が1
0.0℃未満であると、耐熱保存性能と耐久性能の改善効果が得られなくなる場合があり
、該Tg1が55.0℃を超え、該Tg2が90.0℃を超え、該(Tg2−Tg1)が
45.0℃を超えると低温定着性を阻害する傾向にあるため好ましくない。上記Tg1は
、25.0以上50.0℃以下であることがより好ましく、上記Tg2は、55.0以上85.0℃以下であることがより好ましい。また、上記(Tg2−Tg1)は、15.0以上40.0℃以下であることがより好ましい。また、上記Tg1及びTg2の値は、Tg1は結着樹脂成分、架橋剤の種類や添加量、離型剤の種類及び添加量、及びその他の芯粒子を構成する樹脂により上記値に制御することができ、Tg2は樹脂微粒子を構成する材料の種類や含有量により上記値に制御することができる。
さらに、また本発明のトナーがコアシェル構造を有するトナー粒子を有する場合において、前記被覆層の被覆量が、前記芯粒子に対して質量比で1.0以上15.0質量%以下であることが好ましい。該被覆量が1.0質量%未満であると、緻密な被覆層の形成が困難である場合がある。被覆量が15.0質量%を超える場合は、トナーの定着性が低下する傾向にある。
また、本発明のトナーは、重量平均粒径(D4)が4.0以上8.0μm以下であることが好ましい。トナーの重量平均粒径(D4)が4.0μm未満の場合、十分に芯粒子に樹
脂微粒子が固定化されず、樹脂微粒子が剥がれ落ちてしまう傾向にある。さらに、電子写真現像システムに適用した場合に、帯電性の安定化が低下する傾向にあり、耐久動作において、かぶりやトナー飛散が発生しやすくなる傾向にある。トナーの重量平均粒径(D4)が8.0μmを超える場合、樹脂微粒子が芯粒子に埋め込まれ、凝集が起こりやすくな
る傾向にある。
本発明を達成するためのトナー粒子の製造法として、特に好ましい一例を以下に説明する。
本発明のトナー粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤を含有する芯粒子を、難水溶性の無機分散安定剤を分散させた水系媒体中で製造し、該芯粒子の分散液のゼータ電位(Zc)が−15.0mV以下(負に大である)、且つ、(Zs+10.0)以上(Zs+50.0)mV以下の状態において、該芯粒子を分散させた分散液に前記樹脂微粒子の水分散液を添加し、複合体分散液を形成する工程、及び形成された複合体分散液の温度を、前記芯粒子のガラス転移温度Tg1以上、前記樹脂微粒子のガラス転移温度Tg2以下の範囲に保ちながら、該分散液のpHを調整して該分散安定剤を溶解させる工程を経て製造されることが好ましい。
まず、芯粒子の分散液を得る工程について説明を行う。例えば、後述する方法に従って、懸濁重合法による芯粒子を製造する。この際、分散安定剤には、例えばリン酸三カルシウムの如き芯粒子に対する極性が大きく異なる無機分散安定剤を使用し、重合完了後も芯粒子表面に付着した分散安定剤の除去は行わず、そのまま撹拌を続ける。このとき、該芯粒子の分散液のゼータ電位(Zc)が−15.0mVを越える(負に小)にある場合、前記芯粒子の水分散液が熱的及び化学的に不安定となりやすく、前記複合分散液を形成する工程において、芯粒子同士の凝集を生じる場合がある。Zcが(Zs+10.0)mV未満(即ち、負に大)であると、コア層とシェル層との密着性が低下し、耐久安定性能が低下する場合がある。Zcが(Zs+50.0)mVを越える場合(即ち、負に小)である
と、前記樹脂微粒子を介してトナー同士が凝集しやすくなり、耐久安定性能が低下する場合がある。なお、上記ゼータ電位(Zc)は−25.0mV以下(負に大)であることがより好ましく、(Zs+20.0)以上(Zs+45.0)mV以下であることがより好ましい。また、上記芯粒子の水分散液のゼータ電位(Zc)は、芯粒子を構成する樹脂の酸性基及び含有量とその他芯粒子を構成する材料、芯粒子の粒子径、分散安定剤の種類と使用量により上記値に制御することができる。
次に、複合体分散液を形成する工程について説明を行う。
まず、上述した方法に従って、上記芯粒子の分散液を製造する。次いで、分散安定剤が付着した状態の芯粒子分散液に、樹脂微粒子の水分散液を添加すると、芯粒子の表面に分散安定剤が介在した状態で樹脂微粒子が均一に付着する。分散安定剤が介在した状態で樹脂微粒子が付着した芯粒子の分散物を複合体分散液とする。また前記樹脂微粒子の水分散液を添加する直前に、樹脂微粒子の分散液に超音波処理を行うことがより好ましい。さらに、該複合体分散液の温度を、前記芯粒子のガラス転移温度Tg1以上、前記樹脂微粒子のガラス転移温度Tg2以下の範囲に保ちながら複合体分散液のpHを調整して該分散安定剤を溶解させると、樹脂微粒子が芯粒子の表面と接触し、樹脂微粒子が芯粒子表面に固着する。分散液の温度がTg2より低いため複合体粒子同士の合一を防止しつつ固着することが可能となる。
より好ましくは、前記分散液のpHを調整して該分散安定剤を溶解させた後に徐々に分散液の温度を上昇させ、最終的にTg1(℃)以上の温度であって、(Tg2−5)(℃)以上Tg2(℃)以下で加熱することがよい。芯粒子と樹脂微粒子との接着性が増大し、耐久安定性能と低温定着性能のバランスがより良好となる。
上記pHを調整して分散安定剤を溶解する方法としては、塩酸水溶液を添加する方法が好ましい。塩酸水溶液の濃度としては、0.1乃至0.5モル/リットルであることが好ましい。これにより、トナー粒子一粒一粒に形成される被覆層が、トナー粒子間において均一になりやすい。また、上記酸を添加して上記分散安定剤を溶解させる工程において、塩酸水溶液を滴下する方法としては、芯粒子に付着した樹脂微粒子の状態を均一に保つため、酸の添加はゆっくり行うことが好ましい。好適な添加速度は、芯粒子の分散液の固形分100.00質量部に対し、0.05質量部/分乃至2.00質量部/分である。これにより、トナー粒子一粒一粒に形成される被覆層が、トナー間において均一になりやすい。上記の方法で芯粒子に被覆層を形成することにより、耐久安定性能が向上する。
本発明において使用する、被覆層を形成する樹脂微粒子を製造する方法としては、転相乳化法があげられる。転相乳化法では、自己水分散性を有する樹脂、あるいは中和によって自己水分散性を発現し得る樹脂を使用する。ここで、自己水分散性を有する樹脂とは、水系媒体中で自己分散が可能な官能基を分子内に含有する樹脂であって、具体的には酸性基もしくはその塩を含有する樹脂である。また、中和によって自己水分散性を発現し得る樹脂とは、中和によって親水性が増大し、水系媒体中での自己分散が可能となり得る酸性基を、分子内に含有する樹脂である。これらの樹脂を有機溶剤に溶解し、必要に応じて中和剤を加え、撹拌しながら水系媒体と混合すると、前記樹脂の溶解液が転相乳化を起こして微小な粒子を生成する。前記有機溶剤は、転相乳化後に加熱、減圧の如き方法を用いて除去する。このように、転相乳化法によれば、前記酸性基の作用によって実質的に乳化剤や分散安定剤を用いることなく、安定した樹脂微粒子の水系分散体を得ることができる。
前記樹脂微粒子の樹脂材質としては、トナーの結着樹脂として使用し得るものであれば特に限定はなく、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の如き樹脂が用いられるが、これらの中でもポリエステル樹脂は、シャープメルト性を有するため、芯粒子の低温定着性を阻害することが少なく好ましい。
また本発明において、前記樹脂微粒子の平均粒子径は、レーザー散乱法による粒度分布測定によって求められるメジアン径(D50)の値で、10以上300nm以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは30以上200nm以下の範囲である。樹脂微粒子の平均粒子径が10nm未満であると、芯粒子に樹脂微粒子を固着する際に、樹脂微粒子が芯粒子に埋め込まれすぎる可能性があるため、制御が困難となる傾向にある。また平均粒子径が300nmを超える場合、十分な固着強度が得られにくくなる場合がある。尚、メジアン径とは、粒度分布の累積曲線の50%値(中央累積値)として定義される粒子径であり、例えば、堀場製作所社製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−920)を用いて測定することができる。
本発明における芯粒子は、重合性単量体、着色剤及び離型剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して重合性単量体組成物の粒子を形成し、該重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合して得られることが好ましい。
具体的な製法を説明すると、まず、芯粒子の主構成材料となる重合性単量体に、少なくとも着色剤と離型剤を加え、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機を用いてこれらを均一に溶解あるいは分散させた重合性単量体組成物を調製する。このとき、上記重合性単量体組成物中には、必要に応じて多官能性単量体や連鎖移動剤、また荷電制御剤や可塑剤、さらに他の添加剤(例えば、顔料分散剤や離型剤分散剤)を適宜加えることが出来る。次いで、上記重合性単量体組成物を、予め用意しておいた分散安定剤を含有する水系媒体中に投入し、高速攪拌機もしくは超音波分散機の如き高速分散機を用いて懸濁させ、造粒を行う。重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に他の添加剤とともに混合してもよく、水系媒体中に懸濁させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることも出来る。重合反応は、造粒後の懸濁液を温度50以上90℃以下に加熱し、懸濁液中の重合性単量体組成物の粒子が粒子状態を維持し、且つ粒子の浮遊や沈降が生じることがないよう、撹拌しながら行う。
上記重合開始剤は、加熱によって容易に分解し、遊離基(ラジカル)を生成する。生成したラジカルは重合性単量体の不飽和結合に付加し、付加体のラジカルを新たに生成する。そして、生成した付加体のラジカルはさらに重合性単量体の不飽和結合に付加する。このような付加反応を連鎖的に繰り返すことによって重合反応が進行し、前記重合性単量体に由来する結着樹脂を主構成材料とする芯粒子が形成される。
重合反応の後半あるいは重合反応終了後に、減圧や昇温の如き公知の方法を用いて蒸留を行ってもよい。蒸留工程を行うことで、残存する未反応の重合性単量体を除去することが出来る。
ここで、上記芯粒子の主構成材料である結着樹脂を形成するための重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、如きアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルの如きメタクリル酸エステル類;アクリルアミド。
これらの重合性単量体の中でも、スチレンまたはスチレン系単量体と他の重合性単量体
とを混合して使用することが、トナーの現像特性および耐久性の点から好ましい。そして、これら重合性単量体の混合比率は、所望する芯粒子のガラス転移温度を考慮して、適宜選択すればよい。
上記芯粒子の製造において使用する重合開始剤は、特に限定されるものではなく、公知の過酸化物系重合開始剤やアゾ系重合開始剤を用いることができる。
過酸化物系重合開始剤として、以下のものが挙げられる。t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレートの如きパーオキシエステル系重合開始剤;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−ペンチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネートの如きパーオキシジカーボネート系重合開始剤;ジイソブチリルパーオキサイド、ジイソノナノイルパーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ−m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイル−m−トルオイルパーオキサイドの如きジアシルパーオキサイド系重合開始剤;t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネートの如きパーオキシモノカーボネート系重合開始剤;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタンの如きパーオキシケタール系重合開始剤;ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイドの如きジアルキルパーオキサイド系重合開始剤。
アゾ系重合開始剤として、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル。
これらの重合開始剤の中でも、過酸化物系重合開始剤は分解物の残留が少ないため好適である。また、これら重合開始剤は、必要に応じて2種以上同時に用いることもできる。この際、使用される重合開始剤の好ましい使用量は、重合性単量体100.0質量部に対
し0.1以上20.0質量部以下である。
また、上記芯粒子の製造においては、分子量の調整を目的として、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、以下のものが挙げられる。n−ペンチルメルカプタン、イソペンチルメルカプタン、2−メチルブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ヘプチルメルカプタン、の如きアルキルメルカプタン類;チオグリコール酸のアルキルエステル類;メルカプトプロピオン酸のアルキルエステル類;α−メチルスチレンダイマー。
これらの連鎖移動剤は必ずしも使用する必要はないが、使用する場合の好ましい添加量としては、重合性単量体100.00質量部に対して0.05以上3.00質量部以下である。
また、上記芯粒子の製造においては、耐高温オフセット性の改善を目的として、少量の多官能性単量体を併用することができる。尚、高温オフセットとは、定着時において溶融したトナーの一部が上述した熱ローラーや定着フィルムの表面に付着し、これが後続の被
定着シートを汚染する現象をいう。多官能性単量体としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物。これらの多官能性単量体は必ずしも使用する必要はないが、使用する場合の好ましい添加量は、重合性単量体100.00質量部に対して0.01以上1.00質量部以下である。
また、上記芯粒子の製造において、水系媒体中に添加する分散安定剤としては、公知の界面活性剤や有機分散剤、無機分散剤を使用することができる。これらの中でも無機分散剤は超微粉が生成しにくく、また、重合温度を変化させても安定性が崩れにくく、洗浄も容易でトナーに悪影響を与えにくいため、好適に使用することができる。こうした無機分散剤として、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛の如きリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナの如き無機酸化物。
これらの無機分散剤を用いる場合、そのまま水系媒体中に添加して用いてもよいが、より細かい粒子を得るため、無機分散剤粒子を生成し得る化合物を用いて水系媒体中で調製して用いることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性のリン酸三カルシウムを生成させることができ、より均一で細かな分散が可能となる。これらの無機分散剤は、重合終了後に酸あるいはアルカリを加えて溶解することにより、ほぼ完全に取り除くことができる。
また、これらの無機分散剤は、重合性単量体100.0質量部に対して0.2以上20.0質量部以下を単独で使用することが望ましいが、必要に応じて、0.001以上0.100質量部以下の界面活性剤を併用してもよい。界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。また、本発明においては、上述した重合性単量体組成物中に樹脂を添加して重合を行ってもよい。例えば、ポリエステル樹脂はエステル結合を数多く含む、比較的極性の高い樹脂である。このポリエステル樹脂を重合性単量体組成物中に溶解させて重合を行った場合、水系媒体中では樹脂が液滴の表面層に移行する傾向を示し、重合の進行とともに粒子の表面部に偏在しやすくなるため、造粒性が向上し、また、前述した離型剤の内包化が容易となる。
前記ポリエステル樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を公知の方法で重縮合させたものを使用することができる。樹脂の添加量としては、重合性単量体100.0質量部に対して、1.0以上20.0質量部以下の範囲であることが好ましい。1.0質量部未満では添加効果が小さく、20.0質量部を超えて添加するとトナーの種々の
物性設計が難しくなる。本発明に用いられる結着樹脂としては、従来電子写真用の結着樹脂として知られる各種の樹脂が用いられる。その中でも(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、(c)ハイブリッド樹脂とビニル系共重合体との混合物、(d)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、(e)ポリエステル樹脂とビニル系共重合体との混合物、及び(f)ポリエステル樹脂、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットを有しているハ
イブリッド樹脂、ビニル系共重合体との混合物からなるグループから選択される樹脂を主成分とすることが好ましい。
本発明のトナーにおいて使用される離型剤としては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックスおよびその誘導体;モンタンワックスおよびその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体;ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックスおよびその誘導体;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックスおよびその誘導体。誘導体には、酸化物やビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物が含まれる。さらに、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、植物系ワックス、動物性ワックスも使用できる。これらの離型剤の中でも、より芯粒子に内包されやすいパラフィンワックスが特に好ましい。離型剤の添加量としては、重合性単量体100.
0質量部に対して、3.0以上30.0質量部以下の範囲であることが好ましい。
本発明のトナーにおいて使用される着色剤としては、公知のものが使用でき、黒色着色剤としてのカーボンブラック、磁性粉体、また、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、62、73、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180、185が好適に用いられる。
マゼンタ着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269が好適に用いられる。
シアン着色剤としては、以下のものが挙げられる。銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が好適に用いられる。
これらの着色剤は単独または混合し、更には固溶体の状態で用いることができる。黒色着色剤として磁性粉体を用いる場合、その添加量は重合性単量体100.0質量部に対し
て40.0以上150.0質量部以下であることが好ましい。黒色着色剤としてカーボンブラックを用いる場合、その添加量は重合性単量体100.0質量部に対して1.0以上20.0質量部以下であることが好ましい。また、カラートナーの場合、色相角、彩度、明度
、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択され、その好ましい添加量は、重合性単量体100.0質量部に対して1.0以上20.0質量部以下である。
これらの着色剤は、重合阻害性や水相移行性にも注意を払う必要があり、必要に応じて、疎水化処理の如き表面改質を施すことが好ましい。例えば、染料系の着色剤を表面処理する好ましい方法としては、予め染料の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体組成物に添加する。カーボンブラックについては、上記
染料と同様の処理の他に、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
また、磁性粉体は、四三酸化鉄、γ−酸化鉄の如き酸化鉄を主成分とするものであり、一般に親水性を有しているため、分散媒としての水との相互作用によって磁性粉体が粒子表面に偏在しやすい。そのため、得られるトナー粒子は表面に露出した磁性粉体のために流動性および摩擦帯電の均一性に劣るものとなる。したがって、磁性粉体はカップリング剤によって表面を均一に疎水化処理することが好ましい。使用できるカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられ、特にシランカップリング剤が好適に用いられる。
また、本発明のトナーは、荷電特性の安定化を目的として、必要に応じて荷電制御剤を含有させることができる。含有させる方法としては、トナー粒子の内部に添加する方法と外添する方法がある。荷電制御剤としては公知のものを利用することができるが、内部に添加する場合には重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物を実質的に含まない荷電制御剤が特に好ましい。具体的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤として、以下のものが挙げられる。サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物;アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体;スルホン酸またはカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物;ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。また、ポジ系荷電制御剤として、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定される。そのため、一義的に限定されるものではないが、内部添加する場合は、好ましくは結着樹脂100.0質量部に対して0.1以上1
0.0質量部以下、より好ましくは0.1以上5.0質量部以下の範囲で用いられる。また、外部添加する場合は、好ましくはトナー100.000質量部に対して0.005以上
1.000質量部以下、より好ましくは0.010以上0.300質量部以下である。
また、本発明のトナーには、流動性向上剤として、無機微粉体がトナー粒子に外部添加されて混合される。無機微粉体としては疎水性のものが好ましい。例えば、酸化チタン微粉末、シリカ微粉末、アルミナ微粉末を添加して用いることが好ましく、特にシリカ微粉末を用いることが好ましい。本発明のトナーに用いられる無機微粉体は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m/g以上のもの、特には50以上400m/g以下の範囲のものが良好な結果を与えることができるため好ましい。
さらに、本発明のトナーは、必要に応じて流動性向上剤以外の外部添加剤をトナー粒子に混合されて有していてもよい。例えば、クリーニング性を向上させる目的で、一次粒径が30nmを超える(好ましくは比表面積が50m/g未満)微粒子、より好ましくは一次粒径が50nm以上(好ましくは比表面積が30m/g未満)で球状に近い無機微粒子又は有機微粒子をさらにトナー粒子に添加することも好ましい形態の一つである。例えば球状のシリカ粒子、球状のポリメチルシルセスキオキサン粒子、球状の樹脂微粒子を用いるのが好ましい。さらに他の添加剤、例えばフッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;又は酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;ケーキング防止剤;又は例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤;また、逆極性の有機微粒子、および無機微粒子を現像性向上剤として少量加えることもできる。これらの添加剤も、その表面を疎水化処理して用いることも可能である。上述の如き外添剤は、トナー粒子100.0質量部に対して0.1以上5.0質量部以下(好ましくは0.1以上3.0質量部以
下)使用するのが良い。
本発明のトナーは、そのまま一成分系現像剤として、あるいは磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。特に一成分系現像方法では、現像剤と各部材が直接接触する機会が多いため、現像剤の劣化による各部材の汚染が生じやすい。そのため、被覆層の脱離が生じにくく、劣化のしにくい本発明のトナーは、一成分系現像剤として特に優れている。二成分系現像剤として用いる場合、混合するキャリアの平均粒径は、10以上100μm以下であることが好ましく、現像剤中のトナー濃度は、2以上15質量%以下であることが好ましい。
本発明において、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)、個数平均分子量(Mn)、分子量分布の極大値(Mp)とは、以下の方法によって求められる値である。
測定するサンプルをテトラヒドロフラン(THF)に入れ、室温にて24時間静置する。これを、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、以下の標準サンプルを用いて作成した分子量校正曲線を使用する。Polymer Laboratories社製 標準ポリスチレンEasical PS−1(分子量7,500,000、841,700、148,000、28,500、2,930の混合物、及び、分子量2,560,000、320,000、59,500、9,920、580の混合物)及びPS−2(分子量377,400、96,000、19,720、4,490、1,180の混合物、及び、分子量188,700、46,500、9,920、2,360、580の混合物)。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
本発明において、トナーのTHF不溶成分の含有量は以下に示すソックスレー抽出法により測定される。円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No.86Rを用いることができる)を、温度40℃で24時間真空乾燥した後、25℃60%RHの温湿度に調整された環境下に3日間放置する。この円筒濾紙に測定する試料2.0gを秤量し、このときの試料の重さをW1(g)とする。ソックスレー抽出器を用い、溶媒としてTHF又はIPA200mlを用い、温度90℃のオイルバスで24時間抽出する。その後、円筒濾紙を静かに取り出して、温度40℃で24時間真空乾燥する。これを温度25℃湿度60%RHに調整された環境下に3日間放置した後、円筒濾紙に残存する固形分の量を秤量し、これをW2(g)とする。THF不溶分の含有量は、下記式から算出される。
試料のTHF不溶成分の含有量(質量%)=(W2/W1)×100
本発明において、トナー及び使用する樹脂、芯粒子のガラス転移温度(Tg)の測定は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定する。DSCとしては、具体的には例えば、Q1000(TAインストルメンツ社製)が利用できる。測定方法は、アルミパンに試料4mgを精秤し、リファレンスパンとして空のアルミパンを用い、窒素雰囲気下、モジュレ
ーション振幅1.0℃、周波数1/分で測定する。測定温度は、10℃で10分間保持した後、昇温速度1℃/分で10℃から180℃まで走査して得られたリバーシングヒートフロー曲線をDSC曲線とし、これを用いて中点法によりTgを求める。なお、中点法によって求められたガラス転移温度とは、昇温時のDSC曲線において吸熱ピーク前の基線と吸熱ピーク後の基線の中線と、立ち上がり曲線での交点をもってガラス転移温度とするものである。
本発明において、芯粒子及び樹脂微粒子のゼータ電位は、レーザードップラー電気泳動式のゼータ電位測定器を用いて測定することができる。具体的には、Zetasizer
Nano ZS(モデル:ZEN3600、Malvern Instruments
Ltd製)を用いて測定することができる。
芯粒子又は樹脂微粒子を、固形分濃度が0.05質量%になるようにイオン交換水で調整する。pHは7.0になるように、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整する。この分散液20mlを超音波洗浄器(BRANSONIC3510、BRANSON社製)を用いて3分間分散処理する。これを用い、以下の条件にする以外は取り扱い説明書の推奨する方法で測定して得られるZeta Potential(mV)の値を、芯粒子はZc(mV)とし、樹脂微粒子はZs(mV)とした。
・ Cell:DTS1060C−Clear disposable zeta cell
・ Dispersant:water
・ Measurement duration:Automatic
・ Model:Smoluchowski
・ Temperature:25.0℃
・ Result Calculation:General Purpose
本発明において、樹脂の酸価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂の酸基などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、以下の方法によって測定される。
(1)試薬
(a)溶剤の調製
試料の溶剤としては、エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を用いる。これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。(c)0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2日放置後ろ過する。標定はJISK 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(2)操作
試料10gを正しくはかりとり、これに溶剤100ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3)計算式
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.1モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
本発明において、トナーの重量平均粒子径D4(μm)、個数平均粒子径D1(μm)は、具体的には以下の方法により測定することができる。装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを2ml添加する。(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定した時
の、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、グラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。
<樹脂微粒子分散液の製造例1>
(ポリエステル樹脂の作製)
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に下記の単量体を仕込み、エステル化触媒としてテトラブトキシチタネート0.03質量部を添加し、窒素雰囲気下、220℃に昇温して、撹拌しながら5時間反応を行った。
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物(BPO−PO):47.9質量部
エチレングリコール:9.0質量部
テレフタル酸:25.0質量部
イソフタル酸:9.9質量部
5−ナトリウムスルホイソフタル酸:8.0質量部
次いで、反応容器内を5以上20mmHg以下に減圧しながら、さらに5時間反応を行い、ポリエステル樹脂1を得た。
(樹脂微粒子分散液の作製)
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、得られたポリエステル樹脂1 100.0質量部とメチルエチルケトン45.0質量部、テトラヒドロフラン45.0質量部を仕込み、80℃に加熱して溶解した。次いで、撹拌下、80℃のイオン交換水300.0質量部を添加して水分散させた後、得られた水分散体を蒸留装置に移し、留分温度が100℃に達するまで蒸留を行った。冷却後、得られた水分散体にイオン交換水を加え、分散液中の樹脂濃度が20質量%になるように調整した。これを、樹脂微粒子分散液1とした。
<樹脂微粒子分散液の製造例2乃至8>
含有する成分を表1に示すように変更し、攪拌時間及びイオン交換水の添加条件を適宜変更する以外は、樹脂微粒子分散液の製造例1と同様にして、樹脂微粒子分散液2乃至8を得た。
Figure 0005371608
こうして得られた樹脂微粒子分散液1〜8について、各分散液中の樹脂微粒子の平均粒径(D50)を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定した。また、各分散液のゼータ電位を測定した。また、各分散液に含まれる樹脂微粒子を構成する樹脂の酸価、ガラス転移温度Tg2をそれぞれ測定した。尚、樹脂微粒子を構成する樹脂の酸価は、各樹脂中のイオウ(S)元素量を蛍光X線分析装置(XRF)を用いて測定し、計算によって求めたものである。結果を、それぞれ表2にまとめて示した。
Figure 0005371608
<芯粒子分散液の製造例1>
(顔料分散ペーストの作製)
スチレン:62.0質量部
Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3):8.0質量部
上記材料を容器中で十分予備混合した後、これを20℃以下に保ったままアトライター(三井三池化工機製)を用いて約4時間均一に分散混合し、顔料分散ペーストを作製した。
(芯粒子の作製)
イオン交換水700.0質量部に0.1モル/リットル−リン酸ナトリウム(Na
)水溶液390.0質量部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した後、1.0モル/リットル−塩化カルシウム(CaCl)水溶液60.0質量部を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca(PO)からなる分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
一方、上記顔料分散ペーストに以下の材料を加え、アトライター(三井三池化工機製)を用いて分散混合し、単量体組成物を調製した。
n−ブチルアクリレート:38.0質量部
非晶性ポリエステル:4.0質量部
(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とイソフタル酸との重縮合物、Tg=58℃、Mw=7,800、酸価13)
サリチル酸アルミニウム化合物:0.5質量部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
ジビニルベンゼン:0.8質量部
上記単量体組成物を60℃に加温し、カルナバワックス:11.0質量部を添加して混合溶解した。次いで、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシピバレート(10時間半減期温度:54.6℃、分子量:174):8.0質量部をさらに添加して溶解した。こ
れを前記水系媒体中に投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて、60℃、窒素雰囲気下にて、12,000rpmで10分間撹拌して造粒を行った。さらに、得られた懸濁液を、パドル撹拌翼で150回転/分の回転速度で撹拌しつつ、90℃(重合温度)にて10時間重合を行った。重合終了後、得られた重合体粒子の分散液を冷却し、分散液中の重合体粒子濃度が20質量%になるように調整した。これを芯粒子分散液1とし、分散液としての物性を測定した。また、その一部を乾燥してDSC測定用のサンプルとした。芯粒子1の物性を表4に示す。
<芯粒子分散液の製造例2乃至17>
芯粒子分散液の製造例1において、原材料の使用量、重合温度を表3に示す条件に変更した以外は芯粒子分散液の製造例1と同様にして、芯粒子2乃至17を得た。該芯粒子2乃至17の物性を芯粒子分散液の製造例1と同様にして測定した。物性を表4に示す。
Figure 0005371608
Figure 0005371608
<実施例1>
(トナー粒子の作製)
冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器において、芯粒子分散液1:500.0質量部(固形分:100.0質量部)に、樹脂微粒子分散液1:15.0質量部(固形分:3.0質量部)を添加して200回転/分で15分間撹拌を行い、複合体分散液を得た。次いで、200回転/分で撹拌しながら55℃に加熱した。続いて前記複合体分散液に0.25モル/リットルの希塩酸を1.5質量部/分の滴下速度で滴下し、前記分散液のpHが1.4になるまで希塩酸の滴下を続けた。さらに2.5時間撹拌を続け、芯粒子に樹脂微粒子が固着した分散液を得た(加熱工程1)。
上記加熱工程1を経て得られた、芯粒子に樹脂微粒子が固着した分散液を200回転/分で撹拌しながら、65(℃)に加熱し、さらに1時間撹拌を続けた(加熱工程2)。20℃まで冷却し、ろ過、乾燥してトナー粒子1を得た。
(外添工程)
上記トナー粒子1:100.0質量部にn−CSi(OCHで処理した疎水性酸化チタン(BET比表面積:110m/g):1.4質量部とヘキサメチルジシラザン処理した後シリコーンオイルで処理した疎水性シリカ(BET比表面積が150m/g):0.8質量部を加えヘンシェルミキサーで混合し、トナー1を得た。上記トナ
ー1を用い、下記の評価を行った。トナー1の物性を表6,7に示す。
<実施例2乃至11、比較例1及び2>
実施例1において、使用する芯粒子、樹脂微粒子の条件、加熱工程1、加熱工程2を表5に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー2乃至13を得た。各トナーの物性を表6,7に示す。
Figure 0005371608
<比較例3>
実施例1において、芯粒子分散液1に代えて芯粒子の分散液14を用い、樹脂微粒子の分散液1:15.0質量部(固形分:3.0質量部)に代えて樹脂微粒子の分散液6:5.0質量部(固形分:1.0質量部)を用いた。さらに加熱工程1において、加熱温度を55℃から50℃に変更し、攪拌時間を2.5時間から1時間に変更し、加熱工程2を行わなかった。前記条件以外は、実施例1と同様にしてトナー14を得た。トナーの物性を表6,7に示す。
<比較例4>
実施例1において、芯粒子分散液1に代えて芯粒子の分散液15を用い、樹脂微粒子の分散液1:15.0質量部(固形分:3.0質量部)に代えて樹脂微粒子の分散液7:50.0質量部(固形分:10.0質量部)を用いた。さらに加熱工程1において、加熱温度を55℃から45℃に変更し、0.25モル/リットルの希塩酸は滴下せずに、3時間攪拌した。加熱工程2においては、加熱温度を65℃から50℃に変更した。前記条件以外は、実施例1と同様にしてトナー15を得た。トナーの物性を表6,7に示す。
<比較例5>
実施例1において、芯粒子分散液1に代えて芯粒子の分散液16を用い、樹脂微粒子の分散液1:15.0質量部(固形分:3.0質量部)に代えて樹脂微粒子の分散液8:50.0質量部(固形分:10.0質量部)を用いた。さらに加熱工程1において、0.2モル/リットルの希塩酸は滴下せずに、3時間攪拌した。加熱工程2においては、加熱温
度を65℃から90℃に変更した。前記条件以外は、実施例1と同様にしてトナー16を得た。トナーの物性を表6,7に示す。
<比較例6>
(芯粒子の作製)
芯粒子分散液の製造例17で得られた芯粒子分散液17に希塩酸を加え分散液をpH1.4にした後ろ過、洗浄、乾燥して芯粒子17を得た。
(トナー粒子の作製)
得られた芯粒子17:100質量部と前記樹脂微粒子6の乾燥物:10.0質量部とをヘンシェルミキサーを用い、2,000回転で5分間混合した後、ハイブリダイザー1型(奈良機械製作所製)に投入し、6,000回転で2分間処理して、表面処理トナー粒子を得た。
(外添工程)
得られた表面処理トナー粒子に、実施例1と同様の方法で外添をして、トナー17を得た。トナーの物性を表6,7に示す。
<比較例7>
(芯粒子の作製)
芯粒子分散液の製造例5で得られた芯粒子分散液5に希塩酸を加え分散液をpH1.4にした後ろ過、洗浄、乾燥して芯粒子5を得た。
(外添工程)
得られた芯粒子5に、実施例1と同様の方法で外添をして、トナー18を得た。トナーの物性を表6,7に示す。
<比較例8>
(顔料分散ペーストの作製)
スチレン:66.0質量部
Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3):8.0質量部
上記材料を容器中で十分予備混合した後、これを20℃以下に保ったままアトライター(三井三池化工機製)を用いて約4時間均一に分散混合し、顔料分散ペーストを作製した。
(トナー粒子の作製)
イオン交換水700.0質量部に0.1モル/リットル−リン酸ナトリウム(NaPO)水溶液390.0質量部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した後、1.0モル/リットル−塩化カルシウム(CaCl)水溶液60.0質量部を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca(PO)からなる分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
一方、上記顔料分散ペーストに以下の材料を加え、アトライター(三井三池化工機製)を用いて分散混合し、単量体組成物を調製した。
n−ブチルアクリレート:34.0質量部
上記樹脂微粒子分散液の製造例1で製造したポリエステル樹脂1:20.0質量部
サリチル酸アルミニウム化合物:0.5質量部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
ジビニルベンゼン:0.2質量部
上記単量体組成物を60℃に加温し、カルナバワックス:10.5質量部を添加して混合溶解した。次いで、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシピバレート:8.0質量
部をさらに添加して溶解した。これを前記水系媒体中に投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて、60℃、窒素雰囲気下にて、12,000rpmで10分間
撹拌して造粒を行った。さらに、得られた懸濁液を、パドル撹拌翼で150回転/分の回転速度で撹拌しつつ、80℃(重合温度)にて10時間重合を行った。重合終了後、得られた重合体粒子の分散液を冷却し、希塩酸を加え分散液をpH1.5にした後ろ過、洗浄、乾燥してトナー粒子19を得た。
(外添工程)
得られた芯粒子19に、実施例1と同様の方法で外添をして、トナー19を得た。トナーの物性を表6、7に示す。
<比較例9>
(顔料分散ペーストの作製)
スチレン:70.0質量部
Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3):8.0質量部
上記材料を容器中で十分予備混合した後、これを20℃以下に保ったままアトライター(三井三池化工機製)を用いて約4時間均一に分散混合し、顔料分散ペーストを作製した。
(トナー粒子の作製)
イオン交換水700.0質量部に0.1モル/リットル−リン酸ナトリウム(NaPO)水溶液390.0質量部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した後、1.0モル/リットル−塩化カルシウム(CaCl)水溶液60.0質量部を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca(PO)からなる分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
一方、上記顔料分散ペーストに以下の材料を加え、アトライター(三井三池化工機製)を用いて分散混合し、単量体組成物を調製した。
n−ブチルアクリレート:30.0質量部
非晶性ポリエステル:5.0質量部
(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とイソフタル酸との重縮合物、Tg=58℃、Mw=7,800、酸価13)
サリチル酸アルミニウム化合物:0.5質量部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
ジビニルベンゼン:0.2質量部
上記単量体組成物を60℃に加温し、カルナバワックス:10.5質量部を添加して混合溶解した。次いで、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシピバレート:4.0質量
部をさらに添加して溶解した。これを前記水系媒体中に投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて、60℃、窒素雰囲気下にて、12,000rpmで10分間撹拌して造粒を行った。さらに、得られた懸濁液を、パドル撹拌翼で150回転/分の回転速度で撹拌しつつ、80℃(重合温度)にて10時間重合を行った。重合終了後、重合体粒子の分散液を80℃に温度を保持した。
スチレン :17.3質量部(86.5質量%)
n−ブチルアクリレート:2.06質量部(10.3質量%)
メチルメタクリレート:0.41質量部(2.05質量%)
メタクリル酸:0.23質量部(1.15質量%)
前記重合体粒子の分散液に、上記化合物の混合物と、イオン交換水35質量部に溶解させた2,2‘−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド(VA−086 和光純薬工業社製):0.4質量部とを同時にそれぞれ30分かけて滴下した。そのまま5時間重合を継続した後、室温まで冷却し、希塩酸を加え分散液をpH1.5にした後ろ過、洗浄、乾燥してトナー粒子20を得た。
(外添工程)
得られたトナー粒子19に、実施例1と同様の方法で外添をして、トナー20を得た。トナーの物性を表6、7に示す。
Figure 0005371608
Figure 0005371608
上記トナー1乃至20の耐熱保存性能、低温定着性能、グロス性能、耐久安定性能、耐オフセット性能の評価を以下に述べる要領にしたがって行った。結果を表8に示した。
<耐熱保存性能の評価方法>
トナー5gを容積100mlのポリカップに量り採り、これを内部温度55.0℃の恒
温槽に入れて5日間放置する。その後、ポリカップを取り出して、中のトナーの状態変化を目視にて評価する。評価基準は以下の通りである。
A:変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:凝集体がやや多いが、衝撃を与えるとほぐれる
D:凝集体が多く、容易にはほぐれない
E:全くほぐれない
<低温定着性能、グロス性能及び耐オフセット性能の評価方法>
市販のカラーレーザープリンター(LBP−5500,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、これにトナーを充填した。該カートリッジをシアンステーションに装着し、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m)上に、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.7mg/cm)を、通紙方向に対し上端部から2.0cmの部分と下端部から2.0cmの部分に形成した。次いで、市販のカラーレーザープリンター(LBP−5500,キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードが調節できるように改造し、これを用いて上記未定着のトナー画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを300mm/秒に設定し、120℃〜240℃の範囲で設定温度を5℃おきに変化させながら、各温度で上記トナー画像の定着を行った。下記評価基準に従って、低温定着性およびグロス性能を評価した。
(低温定着性能の評価基準)
A:125℃以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥がれない
B:135℃以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥がれない
C:145℃以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥がれない
D:155℃以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥がれない
E:165℃以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥がれない
(グロス性能の評価基準)
低温オフセット及び高温オフセットが発生しなかった定着画像について、ハンディ光沢度計グロスメーターPG−3D(日本電色工業製)を用いて、光の入射角75°の条件で測定し、以下の基準で評価した。
A:ベタ画像部の光沢度の最高値が40以上である(グロス性能が特に優れている)
B:ベタ画像部の光沢度の最高値が35以上40未満である(グロス性能が優れている)C:ベタ画像部の光沢度の最高値が30以上35未満である(グロス性能が問題ないレベルである)
D:ベタ画像部の光沢度の最高値が25以上30未満ある(グロス性能がCよりも劣る)E:ベタ画像部の光沢度の最高値が25未満である(グロス性能がDよりも劣る)
(耐オフセット性能の評価基準)
A:低温オフセットが発生しない最低温度+70℃以上の温度領域で高温オフセットが発生しない
B:低温オフセットが発生しない最低温度+60℃以上の温度領域で高温オフセットが発生しない
C:低温オフセットが発生しない最低温度+50℃以上の温度領域で高温オフセットが発生しない
D:低温オフセットが発生しない最低温度+40℃以上の温度領域で高温オフセットが発生しない
E:低温オフセットが発生しない最低温度+30℃以上の温度領域で高温オフセットが発生しない
<耐久性能の試験方法>
市販のカラーレーザープリンター(LBP−5900SE,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、これにトナーを110g充填した。該カートリッジをプリンターのシアンステーションに装着し、常温常湿下(23℃、60%RH)、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m2)を用いて、印字率3%チャート
の6,000枚の連続印字を行った。下記評価基準に従って、耐久性を評価した。
A:画像不良が発生せず、画質が特に優れている (耐久性が特に優れている)
B:画像不良が発生せず、画質が優れている (耐久性が優れている)
C:画像不良が発生せず、画質が良好である (耐久性が良好である)
D:画像不良が発生、或いは、画質がCよりも劣る (耐久性がCよりも劣る)
E:画像不良が発生し、画質がDよりも劣る (耐久性がDよりも劣る)
Figure 0005371608

Claims (9)

  1. 結着樹脂着色剤及び離型剤を少なくとも有するトナー粒子と、無機微粉体とを有するトナーであって、
    前記トナーは、動的粘弾性試験によるトナーの貯蔵弾性率(G’)を常用対数(log10G’)に変換し、各温度における前記log10G’の傾きをy軸とし、そのときの温度をx軸とした温度−傾き曲線において、
    (I)第一のピークボトムTx(℃)を25.0以上、60.0℃以下に有し、第一のピークトップTy(℃)を45.0以上、70.0℃以下に有し、
    (II)第二のピークボトムTz(℃)を60.0以上、90.0℃以下に有し、
    (III)前記Ty(℃)は前記Tx(℃)よりも大きく、前記Tz(℃)は前記Ty(℃)よりも大きく、
    (IV)前記Tx(℃)におけるy軸の値をRxとし、前記Ty(℃)におけるy軸の値をRyとし、前記Tz(℃)におけるy軸の値をRzとしたとき、前記Rxは前記Rzよりも大きく、前記Ryと前記Rzとの差(Ry−Rz)が0.060以上、0.500以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記Ryが−0.060以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶成分のゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン(PSt)換算の分子量分布において、
    分子量4,000以上、18,000以下に極大値(Mp)を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000以上、150,000以下であり、重量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以上、20.0以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記トナーのソックスレー抽出法によるTHF不溶成分の含有量がトナー質量に対し、30.0質量%以上、80.0質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記トナー粒子は、前記結着樹脂、前記着色剤及び前記離型剤を少なくとも含有する芯粒子に、樹脂微粒子を固着することにより被覆層が形成されたコアシェル構造を有するトナー粒子であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のトナー。
  6. 前記芯粒子のガラス転移温度Tg1が20.0以上、55.0℃以下であり、前記樹脂微粒子のガラス転移温度Tg2が55.0以上、90.0℃以下であり、前記芯粒子のガラス転移温度Tg1と前記樹脂微粒子のガラス転移温度Tg2との差(Tg2−Tg1)が10.0以上、45.0℃以下であることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
  7. 前記トナー粒子は、ゼータ電位(Zs)が−110.0mV以上、−50.0mV以下にある樹脂微粒子の水分散液を用いて製造されることを特徴とする請求項5又は6に記載のトナー。
  8. 前記トナー粒子は、
    (i)前記結着樹脂、前記着色剤及び前記離型剤を少なくとも含有する芯粒子を、難水溶性の無機分散安定剤を分散させた水系媒体中で製造し、前記芯粒子の分散液のゼータ電位(Zc)が−15.0mV以下、且つ、(Zs+10.0)mV以上、(Zs+50.0)mV以下の状態において、前記芯粒子を分散させた分散液に前記樹脂微粒子の水分散液を添加し、複合体分散液を形成する工程、及び
    (ii)形成された複合体分散液の温度を、芯粒子のガラス転移温度Tg1以上、樹脂微粒子のガラス転移温度Tg2以下の範囲に保ちながら、前記分散液のpHを調整して前記分散安定剤を溶解させる工程
    を経て製造されることを特徴とする請求項7に記載のトナー。
  9. 前記芯粒子が、重合性単量体、前記着色剤及び前記離型剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物を造粒して重合性単量体組成物の粒子を形成し、前記重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合して得られることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載のトナー。
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