JP5409167B2 - トナー - Google Patents
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Description
また、フルカラー電子写真装置の普及に伴い、新たな画像品位の向上が求められるようになってきている。即ち、高光沢の画像を形成することによって、画像の発色性を向上させる性能(以下、グロス性能と記載)や、画像の光沢にムラが生じることを抑制する性能(以下、耐しみ込み性能と記載)が要求されている。この耐しみ込み性能は、定着工程において、紙の如き転写材の進行方向に対し、前半部と後半部とで加熱ムラが生じることによる画像品位の低下、或いは、出力速度を早くした場合において、1枚目と10枚目との加熱ムラによる画像品位の低下として現れやすい。
加熱圧着方式に用いられるトナーにおいて、低温定着性能と耐熱保存性能との両立を目指したトナーとしては、コアシェル構造を有するトナーを製造する試みが種々提案されている。すなわち、着色剤と離型剤を少なくとも含有し、ガラス転移温度(以下、Tgと記載)の低い結着樹脂を主成分とする芯粒子表面を、Tgの高い樹脂で被覆することにより、低温定着性能と耐久性能および耐熱保存性能を両立させることを目指すものである。例えば、懸濁重合で得られたポリマー粒子(芯粒子)に対し、乳化重合またはソープフリー乳化重合で得られた樹脂微粒子の水分散液を加えることによって該ポリマー粒子の表面の95%以上を該微粒子で被覆させた後、該ポリマー粒子のガラス転移温度以上に加熱して実質的に隆起のない表面にしたトナーが提案されている(特許文献1参照)。
また、トナー内核粒子(芯粒子)の表面に該トナー内核粒子と逆の帯電性を有する中間層を形成させ、該中間層の表面に中間層と逆の帯電性を有する樹脂(樹脂微粒子)で外殻層を形成させたトナーが開示されている(特許文献2参照)。
上記した特許文献1のトナーでは、芯粒子への樹脂微粒子の付着は単に媒質である水のpH調整によってのみ行われており、微粒子同士の凝集を起こしやすいため、必ずしも十分に均一な被覆層を形成することが出来なかった。そして、このような状態で加熱を行って隆起のない表面を得ようとすると、内包させた離型剤の一部がしみ出すことがあるため耐熱保存性能や帯電安定性能に影響を及ぼし、トナーの飛散や画像カブリの問題が生じ、結果として画質の低下が起こりやすい問題があった。
また上記した特許文献2のトナーは、芯粒子の分散液にリン酸三カルシウムのような無機微粒子やベンゾグアナミンのような有機微粒子を付着させて中間層を形成させた後、さらに樹脂微粒子を付着させて外殻層を形成させている。前記製造工程は煩雑であるばかりでなく、特に中間層として無機微粒子を用いた場合は各層の固着強度が十分でないため、剥離・脱落が起こすことがあり、十分な耐熱保存性能や耐久性能が得られない恐れがあった。
以上、説明したように、芯粒子に樹脂を含有する被覆層が形成されたコアシェル構造を有するトナーにおいて、低温定着性能と耐熱保存性能を有し、高画質化を満足するトナーは未だ得られていないのが現状である。
すなわち、本発明の目的は、低温定着性と耐熱保存性が両立し、かつ耐久性及び帯電安定性に優れた、高品位画像の形成を可能とするトナーを提供することである。
(I)該トナーの示差走査熱量(DSC)測定において、
(I−i)昇温速度2.0℃/minで測定することにより得られたトナーのガラス転移
温度をTg1(℃)とし、
(I−ii)昇温速度2.0℃/minで該Tg1より10℃高い温度まで走査し、その温度で5分間保持した後、10℃まで冷却したトナーを試料とし、昇温速度2.0℃/minで測定することにより得られたトナーのガラス転移温度をTg2(℃)とし、
(II)被覆層に含有される該樹脂の示差走査熱量(DSC)測定において、昇温速度2.0℃/minで測定することにより得られた該樹脂のガラス転移温度をTg3(℃)としたとき、
下記式(1)乃至(3)を満足することを特徴とする。
式(1) 30.0≦Tg1≦55.0
式(2) 0.0≦(Tg1−Tg2)≦5.0
式(3) (Tg3−Tg1)≧11.0
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有する芯粒子に、樹脂を含有する被覆層が形成されたコアシェル構造を有するトナー粒子と、無機微粉体とを含有する。該トナー粒子は、芯粒子を形成した後に被覆層を形成することでコアシェル構造とすることが可能となる。しかし、ただ単純に被覆層を形成しただけでは被覆層はいびつになり、被覆層の均一性が損なわれる可能性がある。結果、トナーにおいて、安定した耐熱保存性を長期にわたって得られない恐れがある。
本発明者らは、コアシェル構造を有しているトナーにおいて、被覆層の状態を定量的に
示す方法として、トナーの熱力学的特性に着目した。トナーの熱力学的特性としては、ガラス転移温度、融点、軟化点などが挙げられる。その中でもガラス転移温度は、トナーを融解させない状態でも測定できるため、コアシェル構造に関する知見を得るために適切であると本発明者らは考えた。
従来、ガラス転移温度は主に定着性に関わる指標として多くの検討事例がある。例えば、一度トナーを溶融させる温度まで走査した後冷却し、再び走査した場合において、ガラス転移温度がどの程度変化するによって、トナー構成物質の相溶性を判断する事例である
。しかし、上記方法では走査中にコアシェル構造が完全に崩壊してしまうため、元の被覆層の状態を調べることには適さない。さらにプリント中において、現像器内でのトナー同士や、トナーと現像器内部材との摩擦接触によるトナーへの熱力学的負荷が考慮されず、耐久性能や、グロス性能、耐熱保存性能の指標としては改良の余地があった。
本発明のトナーは、トナーの示差走査熱量(DSC)測定におけるTg1及びTg2、
並びに被覆層を形成する樹脂の示差走査熱量(DSC)測定におけるTg3が下記関係式(1)乃至(3)を満足することを特徴とする。
関係式(1)30.0≦Tg1≦55.0
関係式(2)0.0≦Tg1−Tg2≦5.0
関係式(3)Tg3−Tg1≧11.0
Tg1は昇温速度2.0℃/minで測定することにより得られたトナーのガラス転移温度(℃)であり、Tg2はトナーを昇温速度2.0℃/minでTg1より10℃高い温度まで走査し、かつ5分間保温した後、10℃まで冷却し、さらに昇温速度2.0℃/minで測定することにより得られたトナーのガラス転移温度(℃)であり、Tg3は昇温速度2.0℃/minで測定することにより得られた被覆層を構成する樹脂のガラス転移温度(℃)である。
関係式(1)において、Tg1が上記範囲内にあることで、優れた低温定着性を得ることが可能となる。該Tg1が30.0℃未満の場合、十分な耐熱保存性を得られることができず、また画像としての積載性が低下してしまう。また該Tg1が55.0℃を超える場合には、十分な低温定着性が得られない。さらに関係式(2)において、本発明のトナーの熱力学的特性値が上記範囲をとることにより、低温定着性、耐熱保存性、耐久性、及び耐久時の帯電安定性を高水準で満たすことが可能となる。
詳細は不明であるが、本発明の効果が発現される理由を以下のように推察している。
[Tg1−Tg2]の値は、Tg1より10℃高い温度(以下、Tg1+10℃ともい
う)においてトナーのコアシェル構造がどの程度維持されているかを表す指標であると本発明者らは考えている。Tg1+10℃で保温中に、芯粒子内の低Tg成分が相溶する場合には、[Tg1−Tg2]は正の値をとる。
さらに、被覆層が芯粒子を不均一に覆っている場合、被覆層と芯粒子との相溶性が高い場合、芯粒子の一部に露出がある場合には、芯粒子の一部染み出しによりコアシェル構造が崩れトナー間で凝集、融着が発生し、その程度によって[Tg1−Tg2]の値が正方向に大きくなると本発明者らは考えている。すなわち、[Tg1−Tg2]の値がトナーのコアシェル構造の状態を明確に表していると本発明者らは考えている。さらにトナーをTg+10℃の温度環境下に静置した場合、表層部における官能基の配向状態に影響を及ぼすと考えている。
これらの測定結果と、耐熱保存性、低温定着性、耐久性、帯電安定性について評価した結果とを詳細に検討したところ、関係式(2)におけるTg1とTg2の差と、トナー特性とにおいて、非常に良好な関係を見出した。Tg+10℃に静置することは複数枚のプリント動作を繰り返すいわゆる耐久動作において、トナーの摩擦帯電時に生じる熱的負荷と等価と考えられる。したがって、関係式(2)が上記範囲内にあることで、耐久時にもトナー粒子を構成する材料間の相溶状態に変化が生じにくく、表層部における官能基の配向状態も変化しにくいため、耐久性と帯電安定性を高く維持できるものと考えている。つまり、上記関係式(1)及び(2)を満たすトナーは、均一で明確なコアシェル構造が形成されており、かつ、トナーとして低温定着性を維持したまま、耐久性、耐熱保存性及び帯電安定性を同時に満足することができる。
[Tg1−Tg2]の値が5.0を超える場合には、トナー間でコアシェル構造の状態
にバラツキがあり、一部もしくは大半のトナーは、被覆層が芯粒子を不均一に覆っている状態や、芯粒子の一部が露出してしまった状態にある。すなわち不完全なコアシェル構造であるため、耐熱保存性と耐久性、帯電安定性を高い水準で両立することが困難である。
さらに、検討を続けたところ、Tg3−Tg1≧11.0[関係式(3)]であることが、関係式(2)を満たすための必要条件であることが明らかとなった。これは、示差走査熱量(DSC)測定において、Tg1より10℃高い温度まで走査した場合に、[Tg3−Tg1]の値が11.0℃以上であることで、コアシェル構造を維持することができるためだと考えている。このため、低温定着性、耐熱保存性、及び耐久性を同時に満足することができる。[Tg3−Tg1]が11.0未満の場合、芯粒子と被覆層が相溶しやすく、十分な耐熱保存性を発揮することができない。
また、本発明のトナーにおいて、前記被覆層を形成する樹脂のガラス転移温度(℃)Tg3は、55.0乃至90.0℃であることが好ましい。該Tg3が前記範囲内にあることで、低温定着性を阻害せずに耐久性と耐熱保存性が向上する。該Tg3が55.0℃未満であると、耐熱保存性と耐久性の改善効果が低下する傾向にあり、90.0℃を超えると低温定着性を阻害する傾向にある。
上記[Tg1]の値は30.0乃至50.0の範囲にあることが好ましい。また、上記[Tg1−Tg2]の値は0.5乃至4.5の範囲にあることが好ましい。さらに、上記[Tg3−Tg1]の値は15.0乃至50.0の範囲にあることが好ましい。一方、[Tg3]の値は60.0乃至85.0の範囲にあることがより好ましい。
なお、上記[Tg1]、[Tg1−Tg2]及び[Tg3−Tg1]において、[Tg
1]は、結着樹脂成分、架橋剤の種類や添加量、離型剤の種類及び添加量、及びその他の
トナーを構成する樹脂により制御することができ、[Tg1−Tg2]は、被覆層の熱力学特性、被覆量、被覆状態により制御することができ、さらにトナーの製造条件を制御することで上記範囲を満たすことが可能である。
一方、上記[Tg3]は、被覆層を構成する材料を適宜選択することで上記範囲を満たすことが可能である。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。以下にTg1の測定方法を述べる。
まず、トナー5mgをアルミパンに精秤し、空のアルミパンをリファレンスパンとして用意し、窒素雰囲気下、測定温度範囲10乃至140℃で、昇温速度2.0℃/min、モジュレーション振幅±0.6℃、周波数1回/分の条件で測定を行う。測定によって得られた昇温時のリバーシングヒートフロー曲線から、吸熱を示す曲線と前後のベースラインの接線を描き、それぞれの接線の交点を結ぶ直線の中点を求めて、これをガラス転移温度Tg1とする。
次にTg2の測定方法を述べる。トナー5mgをアルミパンに精秤し、空のアルミパンをリファレンスパンとして用意し、窒素雰囲気下、測定温度範囲10乃至Tg1+10.0℃まで、昇温速度2.0℃/min、モジュレーション振幅±0.6℃、周波数1回/分の条件で走査する。さらに、Tg1+10.0℃で5分間保温した後、降温速度10.0℃/minで10℃まで冷却する(前半測定)。再び測定温度範囲10乃至140℃まで、昇温速度2.0℃/min、モジュレーション振幅±0.6℃、周波数1回/分の条件で測定を行う(後半測定)。後半測定によって得られた昇温時のリバーシングヒートフロー曲線から、吸熱を示す曲線と前後のベースラインの接線を描き、それぞれの接線の交点を結ぶ直線の中点を求めて、これをガラス転移温度Tg2とする。
次にTg3の測定方法を述べる。被覆層を構成する樹脂5mgをアルミパンに精秤し、空のアルミパンをリファレンスパンとして用意し、窒素雰囲気下、測定温度範囲10乃至
140℃で、昇温速度2.0℃/min、モジュレーション振幅±0.6℃、周波数1回/分の条件で測定を行う。測定によって得られた昇温時のリバーシングヒートフロー曲線から、吸熱を示す曲線と前後のベースラインの接線を描き、それぞれの接線の交点を結ぶ直線の中点を求めて、これをガラス転移温度Tg3とする。
次にTg4の測定方法を述べる。芯粒子5mgをアルミパンに精秤し、空のアルミパンをリファレンスパンとして用意し、窒素雰囲気下、測定温度範囲10乃至140℃で、昇温速度2.0℃/min、モジュレーション振幅±0.6℃、周波数1回/分の条件で測定を行う。測定によって得られた昇温時のリバーシングヒートフロー曲線から、吸熱を示す曲線と前後のベースラインの接線を描き、それぞれの接線の交点を結ぶ直線の中点を求めて、これをガラス転移温度Tg4とする。
関係式(4)0.5≦C1≦10.0
関係式(5)1.0≦C2−C1≦20.0
上記超音波の強度は、プローブの振幅の大きさに依存するため、振幅を変化させ、振幅と0.5乃至2.0μmの粒子の割合の関係を詳細に検討した結果、以下のことが明らかとなった。
上記分散液に、20kHz、振幅24μmの超音波を5分間照射した場合には、主にトナー粒子表面に外部添加されている外添剤や、トナー粒子表面に付着している微粒子が遊離することにより、C1が増加する。一方、該分散液に、20kHz、振幅120μmの超音波を10分間照射した場合には、外添剤や付着している微粒子の他に、被覆層の剥がれや、コアシェル構造を有するトナー自体が割れることによりC2が増加する。
すなわち、[C2−C1]は強力な超音波照射後に増加する微粒子の割合であり、被覆層の強度を示している。C1および[C2−C1]が前記範囲内にあるにあることで、該トナーの被覆層は十分な強度を有しており、多数枚の連続現像動作(耐久動作)においても、かぶりやトナー飛散を抑えることが出来る。さらに、芯粒子と被覆層の密着性が高いため、定着後の画像表面のがさつきを抑えることができ、グロス性能が高まる。
C1が0.5[個数%]未満の場合、または、[C2−C1]が1.0[個数%]未満の場合、耐久動作において、クリーニング不良が発生する恐れがある。C1が10.0[個数%]を超える場合、または、[C2−C1]が20.0[個数%]を超える場合、トナー粒子表面に付着している微粒子が多く、また被覆層を形成する樹脂が、トナー表面から剥離する量が多いため、耐久性能やグロス性能が低下する恐れがある。
上記[C1]の値は1.0乃至7.0の範囲にあることがより好ましい。また、上記[C2−C1]は4.0乃至15.0の範囲にあることがより好ましい。なお、上記[C1]、及び[C2−C1]は、トナーに含有されている無機微紛体の量や外部添加の方法、乳化粒子の量、被覆層の量及び被覆状態を制御することで上記範囲を満たすことが可能である。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水150mlを準備する。このイオン交換水150mlに、分散剤としてノニオン系界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を0.5g加えた後、トナー0.15gを加え、分散液を作製する。次に、卓上型超音波分
散機(例えば「VSX−750」(SONICS&MATERIALS製)、プローブとしてタップ型プローブ1/2インチ(SONICS&MATERIALS製)を用いる)を、発振周波数20kHz、振幅24μmになるように調整して、該分散液に対して5分間分散処理を行い、第一の測定用溶液とする。一方、同上の卓上型超音波分散機を、発振周波数20kHz、振幅120μmになるように調整して、上記分散液に対して10分間分散処理を行い第二の測定用溶液とする。なお、上記分散液を超音波処理する際には、分散液の温度が10℃以上30℃以下となる様に適宜冷却する。
超音波処理によって遊離する微粒子の測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用いる。なお、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。前記手順に従い調製した第一の測定用溶液または第二の測定用溶液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、定量カウントモードにて計測して、0.500μm以上39.690μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。計測後、0.500μm以上1.985μm未満の粒子の存在比[個数%]を求め、第一の測定用溶液の結果からC1[個数%]を、第二の測定用溶液の結果からC2[個数%]の値を得る。測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke S
cientific社製の「5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
具体的にはまず、前記樹脂微粒子を前記芯粒子の表面に均一に付着させる。芯粒子の表面に樹脂微粒子を付着させる場合、通常、これらを水系媒体中に分散させた状態で行う。芯粒子と樹脂微粒子の極性が大きく異なる場合は、電気的な吸引力によって付着させることができるが、そうでない場合には、外的な手段を用いて樹脂微粒子の分散状態を制御する必要がある。具体的な方法としては、水系媒体のpHを調整する方法や、水系媒体中に無機塩を添加する方法が挙げられる。いずれの場合も、樹脂微粒子の分散状態を急激に変化させると、樹脂微粒子同士が単独凝集を起こして芯粒子の表面に均一に付着させることできなくなるため、これらの操作は徐々に行うことが好ましい。そして、前記樹脂微粒子を前記芯粒子の表面に付着させた後は、容易に剥離・脱落を起こさないよう固着を行う。当該固着の具体的な方法としては、樹脂微粒子がその表面に付着した芯粒子を水系媒体中に分散させた状態のままで加熱処理する方法や、樹脂微粒子を溶解あるいは膨潤する溶剤を加えて芯粒子に吸収させ、皮膜化した後に溶剤を除去する方法がある。また、樹脂微粒子がその表面に付着した芯粒子をろ過および乾燥を行い取り出し粉体にしたものを、加熱下で撹拌混合処理する方法が挙げられる。これらの方法の中でも、水系媒体中で加熱処理する方法が、より均一で且つ強固に固着できる点、および操作が簡便である点で好ましい。
、樹脂微粒子が有する酸性基の種類及び含有量と樹脂微粒子の粒子径を制御することで上記範囲に調整することが可能である。
本発明において、トナー等の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出する。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON2」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON2に設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3 専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる
様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
まず、芯粒子の分散液を得る工程について説明を行う。例えば、後述する方法に従い、懸濁重合法による芯粒子を製造する。このとき、分散安定剤には、例えばリン酸三カルシウムの如き芯粒子に対する極性が大きく異なる無機安定分散剤を使用し、重合完了後も芯粒子表面に付着した分散安定剤の除去は行わず、そのまま撹拌を続ける。このとき、該芯粒子の分散液のゼータ電位(Zc)が−15.0mVを越える(負に小)場合は、芯粒子の水分散液が熱的及び化学的に不安定となりやすく、前記複合分散液を形成する工程において、芯粒子同士の凝集を生じる場合がある。また、Zcが(Zs+10.0)mV未満(即ち、負に大)であると、芯粒子と樹脂微粒子との密着性が低下し、耐久性能が低下する場合がある。Zcが(Zs+50.0)mVを越える場合(即ち、負に小)であると、前記樹脂微粒子を介してトナー粒子同士が凝集しやすくなり、耐久性能が低下する場合がある。上記芯粒子の分散液のゼータ電位(Zc)は、−25.0mV以下(負に大)、且つ、(前記Zs+20)乃至(前記Zs+45)であることがより好ましい。また、上記芯粒子の分散液のゼータ電位(Zc)は、芯粒子を構成する樹脂の酸性基及び含有量とその他芯粒子を構成する材料、芯粒子の粒子径、分散安定剤の種類と使用量により上記範囲に制御することが可能である。
なお、ゼータ電位は、レーザードップラー電気泳動式のゼータ電位測定器(Zetasizer Nano ZS モデル:ZEN3600 ;Malvern Instruments Ltd.製)を用い、当該製品取扱説明書に記載の測定方法に準じて測定する。具体的には、芯粒子又は樹脂微粒子を、固形分濃度が0.05質量%になるようにイオン交換水で調整する。pHは7.0になるように、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整する。この分散液20mlを超音波洗浄器(BRANSONIC3510、BRANSON社製)を用いて3分間分散処理する。これを用い、以下の条件にする以外は取り扱い説明書の推奨する方法で測定して得られるZeta Potential(mV)の値を、芯粒子はZc(mV)とし、樹脂微粒子はZs(mV)とした。
・Cell:DTS1060C−Clear disposable zeta ce ll
・Dispersant:water
・Measurement duration:Automatic
・Model:Smoluchowski
・Temperature:25.0℃
・Result Calculation:General Purpose
なお、上記芯粒子のガラス転移温度 [Tg4] (℃)は、結着樹脂成分、架橋剤の種類や添加量、離型剤の種類及び添加量、及びその他の芯粒子を構成する樹脂により制御する
ことができ、[Tg4]の値は、30乃至50℃の範囲にあることが好ましい。
次に、複合体分散液を形成する工程について説明を行う。まず、上述した方法に従って、上記芯粒子の分散液を製造する。次いで、前記分散安定剤が付着した芯粒子を含む、芯粒子の分散液に、前記樹脂微粒子の水分散液を添加すると、該芯粒子の表面に分散安定剤が介在した状態で、該樹脂微粒子が均一に付着する。前記分散安定剤が介在した状態で該樹脂微粒子が付着した該芯粒子を含む分散液を複合体分散液とする。また前記樹脂微粒子の水分散液を添加する直前に、該樹脂微粒子の分散液に超音波処理を行うことがより好ましい。さらに、該複合体分散液の温度を、前記Tg4以上、前記Tg3以下の範囲に保ちながら、該複合体分散液のpHを調整して該分散安定剤を溶解させると、樹脂微粒子が芯粒子の表面と接触し、樹脂微粒子が芯粒子表面に固着する。該複合体分散液の温度がTg3以下であるため複合体粒子同士の合一を防止しつつ固着することが可能となる。
より好ましくは、前記複合体分散液のpHを調整して該分散安定剤を溶解させた後に徐
々に分散液の温度を上昇させ、最終的にTg4(℃)以上の温度であって、[Tg3]−5(℃)以上Tg3(℃)以下で加熱することがよい。芯粒子と樹脂微粒子との接着性が増大し、耐久安定性能と低温定着性能のバランスがより良好となる。
上記の方法で芯粒子に被覆層を形成することにより、耐久性能、低温定着性能のバランスがより良好となる。
前記樹脂の材質としては、トナーの結着樹脂として使用し得るものであれば特に限定はなく、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及びウレタン樹脂の如き樹脂が用いられる。これらの中でもポリエステル樹脂は、シャープメルト性を有するため、芯粒子の低温定着性を阻害することが少なく好ましい。
関係式(6)スパン値A=(D90−D10)/D50
スパン値Aが1.2を超える場合、同トナー粒子内における被覆層の厚みが不均一になりやすく、グロス性能が低下する場合がある。
なお、スパン値Aは、樹脂粒子が有する酸性基の種類及び含有量、さらに樹脂微粒子の製造条件により上記範囲に制御することが可能である。なお、前記D10及びD90は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用い、当該製品取扱説明書に記載の測定方法に準じて測定する。
測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows WET(LA−920) Ver.2.02」を用いる。また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。
測定手順は、以下の通りである。
(1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
(2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、ファイル「120A000I」(相対屈折率1.20)を選択する。
(5)「表示条件設定」画面において、粒子径基準を体積基準とする。
(6)1時間以上の暖気運転を行った後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行う。
(7)樹脂微粒子を、固形分固形分濃度が0.05質量%になるようにイオン交換水で調整した分散液を準備する。ガラス製の100ml平底ビーカーに前記分散液20mlを入れる。
(8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2ml添加する。(9)前記(7)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(10)前記(9)のビーカー内の水溶液に60秒間超音波分散処理を行う。超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(11)前記(10)で調製した樹脂微粒子が分散した水溶液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%〜95%となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、メジアン径(D50)を求め、10%積算径および90%積算径を算出しスパン値Aを求める。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に他の添加剤とともに混合してもよく
、水系媒体中に懸濁させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることも出来る。
重合反応は、造粒後の懸濁液を温度50乃至90℃に加熱し、懸濁液中の重合性単量体組成物の粒子が粒子状態を維持し、且つ粒子の浮遊や沈降が生じることがないよう、撹拌しながら行う。上記重合開始剤は、加熱によって容易に分解し、遊離基(ラジカル)を生成する。生成したラジカルは重合性単量体の不飽和結合に付加し、付加体のラジカルを新たに生成する。そして、生成した付加体のラジカルはさらに重合性単量体の不飽和結合に付加する。このような付加反応を連鎖的に繰り返すことによって重合反応が進行し、前記重合性単量体に由来する結着樹脂を主構成材料とする芯粒子が形成される。重合反応の後半あるいは重合反応終了後に、減圧や昇温の如き公知の方法を用いて蒸留を行ってもよい。蒸留工程を行うことで、残存する未反応の重合性単量体を除去することが出来る。
ここで、上記芯粒子の主構成材料である結着樹脂を形成するための重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピルの如きアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルの如きメタクリル酸エステル類;アクリルアミド。
これらの重合性単量体の中でも、スチレンまたはスチレン系単量体と他の重合性単量体とを混合して使用することが、トナーの現像特性および耐久性の点から好ましい。そして、これら重合性単量体の混合比率は、所望する芯粒子のガラス転移温度を考慮して、適宜選択すればよい。
上記芯粒子の製造において使用する重合開始剤は、特に限定されるものではなく、公知の過酸化物系重合開始剤やアゾ系重合開始剤を用いることができる。過酸化物系重合開始剤として、以下のものが挙げられる。t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレートの如きパーオキシエステル系重合開始剤;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−ペンチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート如きパーオキシジカーボネート系重合開始剤;ジイソブチリルパーオキサイド、ジイソノナノイルパーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ−m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイル−m−トルオイルパーオキサイドの如きジアシルパーオキサイド系重合開始剤;t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネートの如きパーオキシモノカーボネート系重合開始剤;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタンの如きパーオキシケタール系重合開始剤;ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイドの如きジアルキルパーオキサイド系重合開始剤。
アゾ系重合開始剤として、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル。
これらの重合開始剤の中でも、過酸化物系重合開始剤は分解物の残留が少ないため好適である。また、これら重合開始剤は、必要に応じて2種以上同時に用いることもできる。
この際、使用される重合開始剤の好ましい使用量は、重合性単量体100.0質量部に対
し0.1乃至20.0質量部である。
また、上記芯粒子の製造においては、分子量の調整を目的として、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、以下のものが挙げられる。n−ペンチルメルカプタン、イソペンチルメルカプタン、2−メチルブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ヘプチルメルカプタンの如きアルキルメルカプタン類;チオグリコール酸のアルキルエステル類;メルカプトプロピオン酸のアルキルエステル類;クロロホルム、四塩化炭素、臭化エチレン、四臭化炭素の如きハロゲン化炭化水素類;α−メチルスチレンダイマー。
これらの連鎖移動剤は必ずしも使用する必要はないが、使用する場合の好ましい添加量としては、重合性単量体100.00質量部に対して0.05乃至3.00質量部である。
また、上記芯粒子の製造においては、耐高温オフセット性の改善を目的として、少量の多官能性単量体を併用することができる。尚、高温オフセットとは、定着時において溶融したトナーの一部が上述した熱ローラーや定着フィルムの表面に付着し、これが後続の被定着シートを汚染する現象をいう。多官能性単量体としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物。これらの多官能性単量体は必ずしも使用する必要はないが、使用する場合の好ましい添加量は、重合性単量体100.00質量部に対して0.01乃至1.00質量部である。
また、これらの無機分散剤は、重合性単量体100.0質量部に対して0.2乃至20.0質量部を単独で使用することが望ましいが、必要に応じて、0.001乃至0.100質量部の界面活性剤を併用してもよい。界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
表面部に偏在しやすくなるため、造粒性が向上し、また、離型剤の内包化が容易となる。該ポリエステル樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を公知の方法で重縮合させたものを使用することができる。
剤としてのカーボンブラック、磁性粉体、また、以下に示すイエロー、マゼンタ及びシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、62、73、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180、185が好適に用いられる。
マゼンタ着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269が好適に用いられる。
シアン着色剤としては、以下のものが挙げられる。銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が好
適に用いられる。
これらの着色剤は単独または混合し、更には固溶体の状態で用いることができる。黒色
着色剤として磁性粉体を用いる場合、その添加量は重合性単量体100質量部に対して40乃至150質量部であることが好ましい。黒色着色剤としてカーボンブラックを用いる場合、その添加量は重合性単量体100質量部に対して1乃至20質量部であることが好ましい。また、カラートナーの場合、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択され、その好ましい添加量は、重合性単量体100質量部に対して1乃至20質量部である。
これらの着色剤は、重合阻害性や水相移行性にも注意を払う必要があり、必要に応じて、疎水化処理の如き表面改質を施すことが好ましい。例えば、染料系の着色剤を表面処理する好ましい方法としては、予め染料の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体組成物に添加する。カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他に、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
また、磁性粉体は、四三酸化鉄、γ−酸化鉄の如き酸化鉄を主成分とするものであり、一般に親水性を有しているため、分散媒としての水との相互作用によって磁性粉体が粒子表面に偏在しやすい。そのため、得られるトナー粒子は表面に露出した磁性粉体のために流動性および摩擦帯電の均一性に劣るものとなる。したがって、磁性粉体はカップリング剤によって表面を均一に疎水化処理することが好ましい。使用できるカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられ、特にシランカップリング剤が好適に用いられる。
これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定される。そのため、一義的に限定されるものではないが、内部添加する場合は、好ましくは結着樹脂100.0質量部に対して0.1乃至1
0.0質量部、より好ましくは0.1乃至5.0質量部の範囲で用いられる。また、外部添加する場合は、好ましくはトナー100.000質量部に対して0.005乃至1.00
0質量部、より好ましくは0.010乃至0.300質量部である。
本発明のトナーに用いられる無機微粉体は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上のもの、特には50乃至400m2/gの範囲のものが良好な結果を与えることができるため好ましい。当該無機微粉体は、トナー粒子100.0質量部に対
して0.1乃至5.0質量部(好ましくは0.1乃至3.0質量部)使用するのが良い。
さらに、本発明のトナーは、必要に応じて流動性向上を目的とした無機微粉体以外の外部添加剤をトナー粒子に混合されて有していてもよい。例えば、クリーニング性を向上さ
せる目的で、一次粒径が30nmを超える(好ましくは比表面積が50m2/g未満)微
粒子、より好ましくは一次粒径が50nm以上(好ましくは比表面積が30m2/g未満
)で球状に近い無機微粒子又は有機微粒子をさらにトナー粒子に添加することも好ましい形態の一つである。例えば球状のシリカ粒子、球状のポリメチルシルセスキオキサン粒子、球状の樹脂微粒子を用いるのが好ましい。
さらに他の添加剤、例えばフッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;又は酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;ケーキング防止剤;又は例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤;また、逆極性の有機微粒子、および無機微粒子を現像性向上剤として少量加えることもできる。これらの添加剤も、その表面を疎水化処理して用いることも可能である。上述の如き外添剤は、トナー粒子100.0質量部に対し
て0.1乃至5.0質量部(好ましくは0.1乃至3.0質量部)使用するのが良い。
本発明において、樹脂の酸価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂の酸基などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、以下の方法によって測定される。
(1)試薬
(a)溶剤の調製
試料の溶剤としては、エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を用いる。これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。(c)0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2日放置後ろ過する。標定はJISK 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(2)操作
試料10gを正しくはかりとり、これに溶剤100ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3)計算式
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.1モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
限定するものではない。
<樹脂微粒子分散液の製造例1>
(ポリエステル樹脂の作製)
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に下記の単量体を仕込み、エステル化触媒としてテトラブトキシチタネート0.03質量部を添加し、窒素雰囲気下、220℃に昇温して、撹拌しながら5時間反応を行った。
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物(BPA−PO):48.0質量部
エチレングリコール:9.1質量部
テレフタル酸:25.0質量部
イソフタル酸:10.0質量部
5−ナトリウムスルホイソフタル酸:7.9質量部
次いで、反応容器内を5乃至20mmHgに減圧しながら、さらに5時間反応を行い、ポリエステル樹脂を得た。
(樹脂微粒子分散液の作製)
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、得られたポリエステル樹脂100.0質量部とメチルエチルケトン45.0質量部、及びテトラヒドロフラン45.0質量部を仕込み、80℃に加熱して溶解した。次いで、撹拌下、80℃のイオン交換水300.0質量部を添加して水分散させた後、得られた水分散体を蒸留装置に移し、留分温度が100℃に達するまで蒸留を行った。冷却後、得られた水分散体にイオン交換水を加え、分散液中の樹脂濃度が20質量%になるように調整した。これを、樹脂微粒子分散液1とした。
単量体を表1に示すものに変更した以外は、樹脂微粒子分散液の製造例1と同様にして、樹脂微粒子分散液2乃至6、10乃至13及び15を得た。
樹脂微粒子分散液の製造例1において、撹拌時間およびイオン交換水の添加条件を適宜変更し、D50の異なる2種類のポリエステル樹脂の水分散体を得た。これを、樹脂微粒子分散液7および8とした。
(スチレン/アクリル系樹脂の作製)
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、イオン交換水350.0質量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部を仕込み、窒素雰囲気下、90℃に昇温して、2%過酸化水素水溶液8質量部、および2%アスコルビン酸水溶液8質量部を添加した。次いで、下記の単量体混合物と乳化剤水溶液および重合開始剤水溶液を、撹拌しながら5時間かけて滴下した。
(単量体)
スチレン:93.0質量部
メタクリル酸:2.3質量部
メチルメタクリレート:4.7質量部
t−ドデシルメルカプタン:0.05質量部
(乳化剤)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:0.3質量部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル:0.01質量部
イオン交換水:20.0質量部
(重合開始剤)
2%過酸化水素水溶液:40質量部
2%アスコルビン酸水溶液:40質量部
滴下後、上記温度を保持しながら、さらに2時間重合反応を行い、冷却してスチレン/アクリル系樹脂の水分散体を得た。得られた水分散体にイオン交換水を加え、分散液中の
樹脂濃度が20質量%になるように調整した。これを、樹脂微粒子分散液9とした。
単量体を表2に示すものに変更した以外は、樹脂微粒子分散液の製造例9と同様にして、樹脂微粒子分散液14を得た。
(顔料分散ペーストの作製)
スチレン:207.8質量部
Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3):19.8質量部
上記材料を容器中で十分に予備混合した後、これを20℃以下に保ったままアトライタ
ー(三井三池化工機製)を用いて約4時間均一に分散混合し、顔料分散ペーストを作製した。
(芯粒子の作製)
イオン交換水1200.0質量部に0.1モル/リットル−リン酸ナトリウム(Na3
PO4)水溶液390.0質量部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を
用いて撹拌しながら、60℃に加温した後、1.0モル/リットル−塩化カルシウム(CaCl2)水溶液60.0質量部を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(C
a3(PO4)2)からなる分散安定剤を含む水系媒体を調製した。一方、上記顔料分散ペ
ーストに以下の材料を加え、アトライター(三井三池化工機製)を用いて分散混合し、単量体組成物を調製した。
n−ブチルアクリレート:119.8質量部
非晶性ポリエステル:15.0質量部
(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とイソフタル酸との重縮合物、Tg=60℃、Mw=8000、酸価=13mgKOH/g)
サリチル酸アルミニウム化合物:3.2質量部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
ジビニルベンゼン:0.055質量部
上記単量体組成物を60℃に加温し、HNP−10(融点75℃;日本精鑞社製):45質量部を添加して混合溶解した。次いで、重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):8.5質量部をさらに添加して溶解した。これを前記水系媒体中に投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて、60℃、窒素雰囲気下にて、10,000rpmで10分間撹拌して造粒を行った。さらに、得られた懸濁液を、パドル撹拌翼で150回転/分の回転速度で撹拌しつつ、60℃にて10時間重合を行った。重合終了後、得られた重合体粒子の分散液を冷却し、イオン交換水を加えて分散液中の重合体粒子濃度が20質量%になるように調整した。これを、芯粒子分散液1とした。物性を表4に示す。
表4に示す材料の添加量を変更した以外は、芯粒子分散液の製造例1と同様にして、芯粒子分散液2、3、5、及び6を得た。物性を表5に示す。
(結着樹脂溶液の作製)
冷却管、窒素導入管および撹拌機のついた反応容器中に、下記を投入した。
1,2−プロパンジオール:845質量部
テレフタル酸ジメチルエステル:863質量部
1,6−ヘキサン二酸:212質量部
テトラブトキシチタネート(縮合触媒):3質量部
170℃で窒素気流下、生成するメタノールを留去しながら7時間反応させた。ついで240℃まで徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら5時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下にて反応させた後、取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕、粒子化し、ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂AのTgは44℃であった。次に、撹拌羽つきの密閉性容器に酢酸エチルを50質量部投入し、100rpmで撹拌しているところに、上記ポリエステル樹脂Aを50質量部入れ室温で4日撹拌することで結着樹脂溶液1を調製した。
(離型剤分散液の作製)
カルナウバワックス(融点83℃):18質量部
酢酸エチル:82質量部
上記を撹拌羽根突きの容器内に投入し、系内を70℃に加熱することでカルナウバワックスを酢酸エチルに溶解させた。ついで、系内を100rpmで緩やかに撹拌しながら徐々に冷却し、2時間かけて30℃にまで冷却させ乳白色の液体を得た。この溶液を1mmのガラスビーズ20質量部とともに耐熱性の容器に投入し、ペイントシェーカーにて3時間分散を行い、ナイロンメッシュでガラスビーズを取り除き、離型剤分散液1を得た。
(着色剤分散液の作製)
結着樹脂1:20質量部
Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3):20質量部
酢酸エチル:60質量部
上記材料を容器中で十分に予備混合した後、これを20℃以下に保ったままアトライター(三井三池化工機製)を用いて約4時間均一に分散混合し、着色剤分散液1を得た。
(芯粒子の作製)
[油相の調製]
離型剤分散液1:50質量部(カルナウバワックス固形分:18質量%)
着色剤分散液1:25質量部(顔料固形分:20質量%、樹脂固形分:20質量%)
結着樹脂溶液1:160質量部(樹脂固形分:50質量%)
酢酸エチル:15質量部
上記各材料を容器内に投入し、ホモディスパー(特殊機化工業(株)社製)を用い、2000rpmで5分間撹拌・分散することにより油相を調製した。
(水相の調製)
冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器において、イオン交換水1152.0質量部に0.1モル/リットル−リン酸ナトリウム(Na3PO4)水溶液390.0質量部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した。その後、1.0モル/リットル−塩化カルシウム(CaCl2)水溶液58.0
質量部を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)からなる
分散安定剤を製造し、さらに酢酸エチル50質量部を投入して水系媒体を調製した。
(乳化および脱溶媒)
前記油相を前記水相中に投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて、60℃、窒素雰囲気下にて、10,000rpmで1分間撹拌して造粒を行った。さらに、得られた懸濁液を、パドル撹拌翼で150回転/分の回転速度で撹拌しつつ、60℃にてかつ500mgHgに減圧した状態で5時間かけて脱溶媒を行い、芯粒子の分散液を得た。得られた芯粒子の分散液を冷却し、上澄み液を除き分散液中の芯粒子濃度が20質量%になるように調整した。これを、芯粒子分散液4とした。物性を表5に示す
(トナー粒子の作製)
冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器において、芯粒子分散液1:500.0質量部(固形分:100.0質量部)に、発振周波数20kHz、振幅24μmの超音波を5分間照射した樹脂微粒子分散液1:15.0質量部(固形分:3.0質量部)を添加して200回転/分で20分間撹拌を行い、複合体分散液を得た。次いで、200回転/分で撹拌しながら55℃に加熱した。続いて前記複合体分散液に0.2モル/リットルの希塩酸を1.0質量部/分の滴下速度で滴下し、前記分散液のpHが1.6になるまで希塩酸の滴下を続けた。さらに2時間撹拌を続け、芯粒子に樹脂微粒子が固着した分散液を得た(加熱工程1)。当該工程を経て得られた、芯粒子に樹脂微粒子が固着した分散液を200回転/分で撹拌しながら、65℃に加熱し、さらに1時間撹拌を続けた(加熱工程2)。その後、20℃まで冷却し、ろ過、乾燥してトナー粒子1を得た。
(外添工程)
上記トナー粒子1:100.0質量部にn−C4H9Si(OCH3)3で処理した疎水性酸化チタン(BET比表面積:110m2/g):1.5質量部とヘキサメチルジシラザ
ン処理した後シリコーンオイルで処理した疎水性シリカ(BET比表面積が150m2/
g):0.9質量部を加えヘンシェルミキサーで混合し、トナー1を得た。
実施例1において、使用する芯粒子、樹脂微粒子の条件、加熱工程1、加熱工程2を表6に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー2乃至18を得た。
実施例1において、使用する芯粒子、樹脂微粒子の条件、加熱工程1、加熱工程2を表6に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー19乃至22を得た。
(顔料分散ペーストの作製)
スチレン:205.3質量部
Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3):19.8質量部
上記材料を容器中で十分に予備混合した後、これを20℃以下に保ったままアトライター(三井三池化工機製)を用いて約4時間均一に分散混合し、顔料分散ペーストを作製した。
(トナー粒子の作製)
冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器において、イオン交換水1200.0質量部に0.1モル/リットル−リン酸ナトリウム(Na3PO4)水溶液390.0質量部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した後、1.0モル/リットル−塩化カルシウム(CaCl2)水溶液60.0質量部
を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)からなる分散安
定剤を含む水系媒体を調製した。
一方、上記顔料分散ペーストに以下の材料を加え、アトライター(三井三池化工機製)を用いて分散混合し、単量体組成物を調製した。
n−ブチルアクリレート:122.3質量部
樹脂微粒子分散液の製造例1で作製したポリエステル樹脂:50.0質量部
サリチル酸アルミニウム化合物:3.2質量部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
ジビニルベンゼン:0.055質量部
上記単量体組成物を60℃に加温し、HNP−10(融点75℃;日本精鑞社製):45質量部を添加して混合溶解した。次いで、重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):8.5質量部をさらに添加して溶解した。これを前記水系媒体中に投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて、60℃、窒素雰囲気下にて、10,000rpmで10分間撹拌して造粒を行った。さらに、得られた懸濁液を、パドル撹拌翼で150回転/分の回転速度で撹拌しつつ、60℃にて10時間重合を行った。重合終了後、得られた重合体粒子の分散液を冷却し、希塩酸を加え該分散液をpH1.6にした後ろ過、洗浄、乾燥してトナー粒子23を得た。
(外添工程)
得られたトナー粒子に実施例1と同様の方法で外添をしてトナー23を得た。実施例1乃至18および比較例1乃至5で得られた各トナーについて、重量平均粒径(D4)、ガラス転移温度(Tg1、Tg2)、0.5乃至2.0μmの粒子の割合(C1、C2[個数%])、の測定を行った。結果を、それぞれ表7にまとめて示した。
<耐熱保存性能(耐ブロッキング性能)>
トナー5gを容積100mlのポリカップに量り採り、これを内部温度55℃の恒温槽に入れて3日間放置する。その後、ポリカップを取り出して、中のトナーの状態変化を目視にて評価する。評価基準は以下の通りである。
A:変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:凝集体がやや多いが、衝撃を与えるとほぐれる
D:凝集体が多く、容易にはほぐれない
E:全くほぐれない
市販のカラーレーザープリンター(LBP−5500:キヤノン製)のシアンカートリ
ッジのトナーを取り出して、これにトナーを充填した後、再びシアンステーションに装着した。当該カラーレーザープリンターを用い、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m2)上に、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(載り量0.5
mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から2.0cmの部分と下端部から2.0cm
の部分に形成した。次いで、市販のカラーレーザープリンター(LBP−5500、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードが調節できるように改造し、これを用いて上記未定着のトナー画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを320mm/秒に設定し、120℃乃至240℃の範囲で設定温度を5℃おきに変化させながら、各温度で上記トナー画像の定着を行った。下記評価基準に従って、低温定着性およびグロス性能を評価した。
(低温定着性の評価基準)
A:125℃以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥がれない
B:135℃以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥がれない
C:145℃以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥がれない
D:155℃以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥がれない
(グロス性能の評価基準)
低温オフセット及び高温オフセットが発生しなかった定着画像について、ハンディ光沢度計グロスメーターPG−3D(日本電色工業製)を用いて、光の入射角75°の条件で測定し、以下の基準で評価した。
A:ベタ画像部の光沢度の最高値が40以上である(グロス性能が特に優れている)
B:ベタ画像部の光沢度の最高値が35以上40未満である(グロス性能が優れている)C:ベタ画像部の光沢度の最高値が30以上35未満である(グロス性能が問題ないレベルである)
D:ベタ画像部の光沢度の最高値が30未満である(グロス性能が劣る)
市販のカラーレーザープリンター(LBP−5900SE、キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、これにトナーを130g充填した。該カートリッジをプリンターのシアンステーションに装着し、常温常湿下(23℃、60%RH)、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m2)を用いて、印字率2%チャート
の8000枚の連続印字を行った。下記評価基準に従って、耐久性を評価した。
A:画像不良が発生せず、画質が特に優れている (耐久性が特に優れている)
B:画像不良が発生せず、画質が優れている (耐久性が優れている)
C:画像不良が発生せず、画質が良好である (耐久性が良好である)
D:画像不良が発生、或いは、画質がCよりも劣る (耐久性Cよりも劣る)
上記各トナーと、シリコーン樹脂で表面被覆した磁性微粒子分散型樹脂キャリアとを、
トナー濃度が6.0質量%になるように混合し、二成分現像剤とした。まず、現像剤30gを量り採り、常温低湿環境(23℃/5%)の環境下で1昼夜放置し、その後それぞれを50ccのポリ容器に入れ、1分間かけて200回振とうさせる。その後、図1の装置を用い、下記方法で測定した。得られた帯電量を帯電量L(μC/g)とした。また、現像剤30gを量り採り、高温高湿環境(30℃/80%)の環境下で1昼夜放置し、その後それぞれを50ccのポリ容器に入れ、1分間かけて200回振とうさせ、帯電量Lと同様の方法で測定した帯電量を帯電量H(μC/g)とした。
得られた帯電量L(μC/g)と帯電量H(μC/g)から
帯電保持率(%) = 100×帯電量H(μC/g)/帯電量L(μC/g)
として高湿環境下における帯電保持率(%)を計算し、以下の基準で帯電安定性能の評
価を行った。
A:帯電保持率(%)が70%以上
B:帯電保持率(%)が60%以上70%未満
C:帯電保持率(%)が50%以上60%未満
D:帯電保持率(%)が50%未満
(帯電量の測定)
底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に帯電量を測定しようとする現像剤を0.5g入れ、金属製のフタ4をする。このとき測定容器2全体の質量を量りW1(g)とする。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。吸引後の測定容器全体の質量を量りW2(g)とする。このトナーの帯電量(μC/g)は下記式の如く計算される。
帯電量(μC/g) = (C×V)/(W1−W2)
Claims (10)
- 結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有する芯粒子に、樹脂を含有する被覆層が形成されたコアシェル構造を有するトナー粒子と、無機微粉体とを含有するトナーであって、
(I)該トナーの示差走査熱量(DSC)測定において、
(I−i)昇温速度2.0℃/minで測定することにより得られたトナーのガラス転移温度をTg1(℃)とし、
(I−ii)昇温速度2.0℃/minで該Tg1より10℃高い温度まで走査し、その温度で5分間保持した後、10℃まで冷却したトナーを試料とし、昇温速度2.0℃/minで測定することにより得られたトナーのガラス転移温度をTg2(℃)とし、
(II)被覆層に含有される該樹脂の示差走査熱量(DSC)測定において、昇温速度2.0℃/minで測定することにより得られた該樹脂のガラス転移温度をTg3(℃)としたとき、
下記式(1)乃至(3)を満足することを特徴とするトナー。
式(1) 30.0≦Tg1≦55.0
式(2) 0.0≦(Tg1−Tg2)≦5.0
式(3) (Tg3−Tg1)≧11.0 - (I)ノニオン型界面活性剤0.5gを溶解した水150mlに前記トナー0.15gを分散して得られた分散液に、発振周波数20kHz、振幅24μmの超音波を5分間照射した後に、フロー式粒子像測定装置により測定される0.5乃至2.0μmの粒子の割合をC1(個数%)とし、
(II)前記分散液に、発振周波数20kHz、振幅120μmの超音波を10分間照射した後に、フロー式粒子像測定装置により測定される0.5乃至2.0μmの粒子の割合をC2(個数%)としたときに、
前記C1及びC2が下記式(4)及び(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
式(4)0.5≦C1≦10.0
式(5)1.0≦(C2−C1)≦20.0 - 前記Tg3が55.0乃至90.0℃であることを特徴とする請求項1または2に記載
のトナー。 - 前記被覆層の被覆量が、前記芯粒子に対して、1.0乃至15.0質量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有する芯粒子に、樹脂微粒子を固着することにより被覆層が形成されたコアシェル構造を有するトナー粒子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記樹脂微粒子のレーザー散乱法による粒度分布測定によって求められたメジアン径(D50)が、10乃至300nmであることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
- 前記樹脂微粒子の体積基準における10%積算径をD10、前記樹脂微粒子の体積基準における90%積算径をD90、前記樹脂微粒子のレーザー散乱法による粒度分布測定によって求められたメジアン径をD50としたとき、
下記式(6)で定義されるスパン値Aが1.2以下であることを特徴とする請求項5または6に記載のトナー。
式(6) スパン値A={(D90−D10)/D50} - 前記トナー粒子は、ゼータ電位(Zs)が−95.0乃至−50.0mVである樹脂微粒子の水分散液を用いて製造されることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子は、
(I)結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有する芯粒子を、分散安定剤を分散させた水系媒体中で製造し、ゼータ電位が−15.0mV以下、且つ、(前記Zs+10.0)乃至(前記Zs+50.0)mVの芯粒子の分散液を得る工程、
(II)得られた芯粒子の分散液に前記樹脂微粒子の水分散液を添加し、複合体分散液を形成する工程、
(III)得られた複合体分散液の温度を、芯粒子のガラス転移温度Tg4(℃)以上、前記Tg3(℃)以下の範囲に保ちながら、該複合体分散液のpHを調整して該分散安定剤を溶解させる工程
を経て製造されることを特徴とする請求項8に記載のトナー。 - 前記芯粒子が、重合性単量体、離型剤及び着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒し、該重合性単量体を重合することによって製造された芯粒子であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のトナー。
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