JP4546354B2 - フルカラー一成分現像用トナーおよび一成分現像方法 - Google Patents

フルカラー一成分現像用トナーおよび一成分現像方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4546354B2
JP4546354B2 JP2005232760A JP2005232760A JP4546354B2 JP 4546354 B2 JP4546354 B2 JP 4546354B2 JP 2005232760 A JP2005232760 A JP 2005232760A JP 2005232760 A JP2005232760 A JP 2005232760A JP 4546354 B2 JP4546354 B2 JP 4546354B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
wax
color
mass
full
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005232760A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007047522A5 (ja
JP2007047522A (ja
Inventor
仁 板橋
浩次 阿部
智史 半田
信也 谷内
和已 吉崎
恵美 登坂
康弘 橋本
裕司 御厨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2005232760A priority Critical patent/JP4546354B2/ja
Publication of JP2007047522A publication Critical patent/JP2007047522A/ja
Publication of JP2007047522A5 publication Critical patent/JP2007047522A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4546354B2 publication Critical patent/JP4546354B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真、静電印刷の如き画像形成方法において、一成分現像方式に用いられるフルカラートナー及び該トナーを用いた一成分現像方式に関するものである。
記録体上の電気的あるいは磁気的潜像を顕像化するために、トナーといった検電性あるいは感磁気性の微粒子を該潜像に吸着させて可視像とする画像形成方法がある。その代表的なものとしては電子写真法が挙げられ(例えば特許文献1参照)、多数の方法が知られている。この電子写真法においては、一般には光導電性物質を利用し種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成し、必要に応じて紙などの転写材にこのトナー画像を転写した後、加熱、加圧、あるいは溶剤蒸気を用いてトナー画像を受像材に定着することにより複写物を得るといったものである。
通常、プリンターや複写機に使用されるトナーは、主成分が樹脂及び磁性体、カーボンブラック、染料、顔料等の着色剤、及びワックス類からなる微粒子であり、通常その粒径は5〜30μmの範囲である。トナーは、一般に熱可塑性樹脂中に染顔料あるいは磁性体からなる着色剤を混合、溶融し、着色剤を均一に分散させた後、微粉砕、分級することにより所望の粒子径を有するトナーとして製造されている。この方法は技術として比較的安定しており、各材料、各工程の管理も比較的容易に行うことができる。
一方、重合法によるトナーの製造方法、いわゆる懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案されている(例えば特許文献2、3参照)。この方法は、結着樹脂、染料、顔料などの着色剤、例えば磁性体、カーボンブラック、帯電制御剤、ワックスやシリコーンオイルなどの離型剤等、トナー中に内包すべき物質を必要に応じて重合開始剤や分散剤とともに重合性単量体中に溶解あるいは分散させて重合性組成物とし、分散安定剤を含有する水系連続相に分散装置を使用して分散させ、微粒子の分散体とし、この分散体を重合させて固化することによって所望の粒径、組成を有するトナー粒子を得るものである。この方法は、粉砕工程が含まれていない為に、トナー粒子に脆性が必要ではなく、軟質の材料を使用することが出来、また、トナー粒子表面への着色剤の露出が生じず、均一な摩擦帯電性を有し、耐久性に優れたトナー粒子を得ることができる。また、分級工程の省略も可能になる為にエネルギーの節約、製造時間の短縮、工程収率の向上等、コスト削減効果が大きい。
プリンターはSOHOなどのニーズから小型化が大きな要求項目の1つとなっているのが現状で、感光体の小径化、トナー現像ユニットなどのコンパクト化・軽量化が製品開発の優先課題となっている。主な現像方式として一成分現像方式と二成分現像方式があるが、コンパクト化や軽量化を考えた場合、磁性キャリアを必要としない一成分現像方式はより軽量であり、現像剤中のトナー濃度を一定とするための装置がないため、よりコンパクトな現像器にすることができる。従来の黒トナーの場合にはトナーに磁性をもたせ、マグネットローラー上にトナーを担持させブレード等の規制部材で均一に薄層コートさせ、搬送と同時に帯電させることができた。しかし、カラープリンタに用いられるトナーは磁性をもたない場合が多いため、トナーに帯電を与えトナー担持体上に均一にトナーをコートして現像部位まで搬送するためにはトナー担持体とトナーとを圧接し摩擦帯電させる必要がある。ここでトナーにかかる応力が小さいと帯電が不十分となりかぶり等の画像欠陥が生じやすく、応力が大きいとトナーに含まれる外添剤がトナー表面に埋め込まれて流動性が損なわれたり、トナーが破砕されるなどして部材汚染が起こり、さまざまな画像欠陥を引き起こす場合がある。近年、プリンタの印字速度がますます向上しており、それに伴ってトナーに対する負荷も大きくなってきている。以上のような現像の安定性に加えて、より低温でかつ、高速で定着が可能となるトナーが望まれている。さらに、画像の解像度の向上に伴い、写真や印刷の画質に近づけるために画像の光沢度、および色再現性が求められている。その実現のためにはトナーバインダーのガラス転移点(Tg)を下げることや、トナーバインダーの平均分子量を下げることが必要である。しかし、単純にトナーTgや平均分子量を下げてしまうとトナーの保存安定性が損なわれたり、定着器にトナーがオフセットし画像を汚染してしまうなどの現象がおきやすくなるし、ワックスがトナー表面に染み出しやすくなったり、トナー強度が低下して破砕されやすくなるなど、部材汚染が起こりやすくなるのが通常である。
このようなトナーの現像安定性と高速低温定着性という一見矛盾する性能を両立するためにさまざまな提案がなされている(例えば、特許文献4)。例えばトナーバインダの低分子量成分のTgを高くすることで保存安定性を得ている。しかし、粉砕法で製造されたトナーでは内添されたワックスの一部がトナー表面に出ているため、一成分現像ではトナーの帯電立ち上り性に問題があったり、部材汚染が起こりやすいため多数枚の複写時に濃度低下やかぶり、画像スジなどの画像欠陥が出やすい。かといってワックスを減らすと耐オフセット性が得られにくくなるため高分子量成分を増量せざるを得ず、結果として所望の色再現性や光沢度を得ることが難しくなる。
一方、重合法トナーは粉砕法トナーに比べワックスの内包化に関しては優位であり、また球形トナーが得られやすく転写性に有利であることから画像の高画質化および現像安定性に優れている。しかし、粉砕法に比べ自由に分子量分布をコントロールすることができにくいため、さまざまな工夫が必要となる。1つの現実的な方法としては重合性単量体中にビニル系の低分子量ポリマーをあらかじめ添加し、その存在下に単量体組成物を造粒・重合し、トナーを作製する方法が提案されている(例えば特許文献5)。これにより低温定着性と保存安定性が向上し、粉砕法に比べワックスが内包化されやすいためにある程度現像安定性も向上するが、実施例中の架橋剤量から考えると十分満足できる光沢度が得られないことが予想される。その理由としては製法上、該特許文献に記載されている高融点ワックスを大量に添加することが事実上困難であるため、耐オフセット性を確保するために架橋剤を多めに添加してバインダの分子量を上げざるをえなかったことが類推できる。
一方、高分子量成分を減らして光沢度を向上させ、多量のワックスにより耐オフセット性を確保したものが提案されている(例えば特許文献6)。これによると低融点のエステルワックスやパラフィンワックスを多量に添加することで耐オフセット性を向上させ、しかもワックスとバインダとのコアシェル構造を形成することで低温定着性、耐オフセット性と耐部材汚染性を両立させるというものである。しかし、高速での一成分現像用トナーとしてはトナー自体の帯電立ち上がりや、トナー強度が不十分であり、さらなる性能アップが望まれている。
米国特許2,297,691号 特公昭36−10231号公報 特公昭51−14895号公報 特許第2630972号公報 特開平5−232742号公報 特許第3428774号公報
本発明の目的は上記のごとき従来技術の問題点を解決したフルカラー一成分現像用トナーを提供することにある。
したがって本発明の目的は、保存安定性を保持したまま、画像の光沢性・色再現性に優れ、低温定着性、耐オフセット性に優れたフルカラー一成分現像用トナーを提供することにある。
また本発明のもう一つの目的は、低負荷な現像器において低負荷でも帯電しやすく、帯電量の立ち上がりが良好で、かつトナー強度が高く、より高速な一成分現像方式においても画質の安定性に優れたトナーを提供することにある。
さらに本発明の目的は、上記トナーを用いて上記目的を達成可能な一成分現像方法を提供することにある。
本発明の目的は、下記の構成によって達成される。
(1)少なくとも着色剤と樹脂とワックスを含有するトナー粒子を有し、平均円形度が0.970以上で、該ワックスをコアとし、樹脂をシェルとするコアシェル構造を有するトナーにおいて、
該トナーのTHF不溶分が30質量%以下であり、DSCにより測定されたチャートにおいて140℃から低温側へ引いたベースラインとで囲まれた領域の積分値が8.0乃至20.0J/gであり、DSC1回目の走査で得られるトナー全体のガラス転移点をTg(T1)(℃)、2回目の走査で得られるトナー全体のガラス転移点をTg(T2)(℃)、分取GPCにより分子量15000〜20万を分取したときに得られる成分Aのガラス転移点をTg(A)(℃)としたときに、(式1)乃至(式3)を満足することを特徴とするフルカラー画像形成用の一成分現像用トナー。
Tg(A)−Tg(T1)≦12 (式1)
50≦Tg(A)≦70 (式2)
Tg(T1) − Tg(T2)≦10 (式3)
(2)GPCにより測定した前記トナーのTHF可溶分の分子量分布チャートにおいて、分子量2000〜15000の面積と分子量15000〜20万の面積の比が0.30乃至0.65であることを特徴とする(1)に記載のフルカラー一成分現像用トナー。
(3)前記トナーにおいて、少なくとも離型剤、着色剤、重合性単量体を含有する単量体組成物を水性媒体中に添加し、該重合性単量体を重合する工程を経て得られることを特徴とする(1)または(2)に記載のフルカラー一成分現像用トナー。
(4)前記離型剤が60乃至120℃に吸熱ピークを有することを特徴とする(1)乃至(3)に記載のフルカラー一成分現像用トナー。
(5)前記離型剤がパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスから選ばれる1種または複数種の混合物であることを特徴とする(1)乃至(4)に記載のフルカラー一成分現像用トナー。
(6)静電潜像にトナーを搬送して静電潜像をトナーによって可視化するトナー担持体と、前記トナー担持体にトナーを介して圧接した規制部材を有する現像装置を用いる一成分現像方法において、該トナーは少なくとも着色剤と樹脂とワックスを含有し、平均円形度が0.970以上で、該ワックスをコアとするコアシェル構造を有するトナーであって、該トナーのTHF不溶分が30質量%以下であり、DSCにより測定されたチャートにおいて140℃から低温側へ引いたベースラインとで囲まれた領域の積分値が8.0乃至20.0J/gであり、DSC1回目の走査で得られるトナー全体のガラス転移点をTg(T1)、2回目の走査で得られるトナー全体のガラス転移点をTg(T2)、分取GPCにより分子量15000〜20万を分取したときに得られる成分Aのガラス転移点をTg(A)としたときに、(式1)乃至(式3)を満足することを特徴とするフルカラー一成分現像方法。
Tg(A)−Tg(T1)≦12 (式1)
50≦Tg(A)≦70 (式2)
Tg(T1) − Tg(T2)≦10 (式3)
本発明者らは鋭意検討の結果、前述の手段によりストレスに対するトナー強度が強く、加熱定着時の溶融粘度が低く離型性も十分であり、さらには現像ローラーと規制ブレード間での摺擦等によりトナーの帯電が速やかに立ち上がる一成分現像用のトナーを得た。特に現像スピードを向上させてトナーに対するストレスが強くなった場合に、より顕著に前記の効果が得られることが判明した。すなわち、本発明者らは十分量のワックスをコアとして有するトナーにおいて、相溶性の小さいワックスを用いることでバインダの可塑性を極力小さくし、同時に中分子量付近のバインダのTgを適度に下げることによって、バインダの溶融特性と外圧に対する耐性とを両立し、前記効果を得ることに成功した。また確証は得られていないが、従来の定着性の良いトナーに比べトナー表面に存在するワックス量が少ないこと、さらにはトナーの球形度が高い(上記平均円形度0.970以上)ことなどの予想のもとに、低負荷な現像プロセスにおいても帯電量および立ち上り性の良いトナーとなっているものと考えられる。
本発明により、画像の光沢性・色再現性に優れ、低温定着性、耐オフセット性に優れ、同時に、低負荷な現像器中でも帯電量の立ち上がりが良好で、かつトナー強度が高く、より高速な一成分現像方式においても画質の安定性に優れたフルカラー一成分用トナーおよび現像方式を提供することが可能となった。
次に好ましい実施態様を挙げて本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる測定および評価方法についてはまとめて後述する。
本発明のトナーにおいてTHF不溶分が30質量%以下であることが必要である。この範囲をはずれるとトナーの溶融粘度が落ちきらずに光沢度が出にくくなり好ましくない。また、DSCにより測定されたチャートにおいて140℃から低温側へ引いたベースラインとで囲まれた領域(図1参照:斜線部)の積分値が8.0乃至20.0J/gであることが必要である。8.0J/g未満である場合には耐オフセット性に劣る場合がある。また20.0J/gを超えると定着時に熱量が奪われ、定着不良を生じる場合がある。
さらに本発明のトナーは(式1)乃至(式3)を満足することが必要である。
Tg(A)−Tg(T1)≦12 (式1)
50≦Tg(A)≦70 (式2)
Tg(T1) − Tg(T2)≦10 (式3)
(式1)は、中分子量(15000〜20万)のガラス転移点Tg(A)(℃)がトナー全体のTg(T1)(℃)との差が小さいことを意味しており、この差が12℃以下であることが必要である。好ましくは6℃以下である。12℃より大きいと所望の現像安定性や定着特性が得られずトナーの破砕などによる画像欠陥が発生したり、画像の光沢度も劣る場合がある。また、Tg(A)(℃)は(式2)を満たすことが必要である。50℃未満であるとトナーの保存安定性が得られない。また、70℃を超えると低温定着性が得られず好ましくない。さらにガラス転移点の測定において(式3)を満たすことが必要である。すなわち1回目の昇温におけるTg(T1)と2回目の昇温におけるTg(T2)の差が10℃以下であることが必要である。このTgの変化はワックスのバインダへの相溶量の変化に伴うものであり、ワックスの相溶性が高く10℃を超える場合には現像安定性が得られにくい。
本発明のトナーはワックスをコアとするコアシェル構造を有することが必要である。すなわちワックスが相分離を起こし、単核あるいは多核のコアを有することが必要である。特にワックスがトナーの表面に存在しないことが現像安定性を得るために必要であり、コアシェル構造の観察はミクロトームなどによりトナーの超薄切片(厚さ50nm〜100nm)を作製し、オスミウム酸およびルテニウム酸にて染色した後に透過型電子顕微鏡(TEM)による切片の透過画像で確認することができる。
本発明においてトナーのTHF可溶分がGPCにより測定した分子量分布チャートにおいて、分子量2000〜15000の面積と分子量15000〜20万の面積の比が0.30乃至0.65であることがより好ましく本発明の目的を達成できる。これは本発明のトナーの分子量分布が適度に広く、かつ低分子量成分が多いことを示している。面積比が0.30未満であると低分子量成分が少ないため低温定着性や所望のグロス特性が得られにくくなり好ましくない。また、0.65を超えると、現像安定性に劣る場合があり好ましくない。
また、本発明においては、トナーを懸濁重合法・界面重合法・分散重合法等などの媒体中で直接トナーを製造する方法(重合法)が好ましい。中でも懸濁重合法が特に好ましい。懸濁重合法においては、重合性単量体および着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、樹脂、その他の添加剤)を均一に溶解または分散させて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散し同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナーを得るものである。この重合法で得られるトナー(以後、重合トナー)は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っていて(即ち、平均円形度が0.970以上;平均円形度の測定法後述。)帯電量の分布も比較的均一となるため高い転写性を有している。またコアシェル構造を得やすいという意味で好ましいトナー製法である。
本発明に係わる重合トナーの製造においては、トナー粒子の形状や材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良等を目的として、単量体系に樹脂を添加して重合しても良い。例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できないアミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、ニトリル基等、親水性官能基含有の単量体成分をトナー中に導入したい時には、これらとスチレンあるいはエチレン等ビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体等、共重合体の形にして、あるいはポリエステル、ポリアミド等の重縮合体、ポリエーテル、ポリイミン等、重付加重合体の形で使用が可能である。上記以外に単量体系中に添加することができる樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独或いは混合して使用できる。
添加する樹脂のTgは(式1)乃至(式3)を満足するものであれば良いが、具体的には50乃至100℃が適当であり、Tgが50℃未満であると、トナー粒子全体の強度が低下して多数耐久試験時に転写性や現像特性の低下を招きやすい。さらに、高温多湿環境下においてトナー粒子同士が凝集し、保存安定性が低下するという問題も生じる。一方、ガラス転移点が100℃以上になると、定着不良という問題が生じ易くなる。
添加する樹脂はGPCで測定した分子量分布において、重量平均分子量が2,000〜6,000であることが好ましく、低温定着性、耐ブロッキンング性といった点で良い。
樹脂の添加量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部中に、好ましくは1〜75質量部である。1質量部未満では、樹脂の添加効果が小さい。
本発明の好ましい形態である重合トナー粒子を得るために使用することが出来る重合性単量体としては、ビニル系重合性単量体が挙げられる。例えばスチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、蟻酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
本発明のトナーに用いることができるワックスとしては、式(2)を満たすように樹脂への相溶量が小さいワックスが必要である。また、ガラス転移点の測定と同様に、測定されたDSC吸熱曲線における吸熱メインピーク値が60〜150℃で、より好ましくは70〜90℃の値を示す化合物が好ましく、特に、DSC曲線の接線離脱温度が40℃以上のワックスが好ましい。吸熱メインピークが60℃未満であると、トナー粒子の製造時にトナー粒子表面にワックスが析出し、現像特性に悪影響を与えやすい。更に接線離脱温度が40℃未満になると、トナー粒子の強度が低下し、耐久試験時の現像特性の低下を招き易い。一方、吸熱メインピークが150℃を超えると、定着時にワックスが浸み出しにくく、低温定着性が低下する。更に、重合性単量体組成物中への溶解性が低下し、造粒が困難となり好ましくない。
本発明に使用可能なワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
本発明に用いることができるワックスの分子量としては、重量平均分子量(Mw)が300〜1,500のものが好ましい。300未満になるとワックスのトナー粒子表面への露出が生じ易く、1,500を超えると低温定着性が低下する。特に400〜1,250の範囲のものが好ましい。更に、重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以下になると、ワックスのDSC吸熱曲線の極大ピークがよりシャープになり、室温時のトナー粒子の機械的強度が向上し、定着時にはシャープな溶融特性を示す特に優れたトナーの特性が得られる。
トナーの定着画像の耐高温オフセット性を十分に考慮する必要がある。具体的には、ワックスをトナー粒子中に2〜30質量%添加することが好ましい。2質量%未満の添加では耐高温オフセット性が低下し、更に両面画像の定着時において裏面の画像がオフセット現象を示す場合がある。30質量%より多い場合は、重合法による製造において造粒時にトナー粒子の合一が起き易く、粒度分布の広いものが生成し易い。
本発明においては、トナーの帯電性を制御する目的でトナー粒子中に荷電制御剤を添加しておくことが好ましい。これらの荷電制御剤としては、公知のもののうち、重合阻害性、水相移行性の殆どないものが好ましい。例えば、正荷電制御剤としてニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、グアニジン誘導体、イミダゾール誘導体、アミン系化合物等が挙げられる。負荷電制御剤としては、含金属サリチル酸共重合体、含金属モノアゾ系染料化合物、尿素誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリルアミドスルホン酸類の共重合体等が挙げられる。これらの荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂又は重合体単量体の0.1〜10質量%が好ましい。
本発明のトナー粒子を重合法で製造する際に用いる重合開始剤としては、2,2’(−アゾビス−(2,4−ジバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤は、重合性単量体の0.5〜20質量%の添加が好ましく、単独でも又は併用してもよい。
トナー粒子の結着樹脂の分子量をコントロールする為に、連鎖移動剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体の0.001〜15質量%である。
トナー粒子の結着樹脂の分子量をコントロールする為に、架橋剤を添加してもよい。例えば、架橋性モノマーとしては、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200,#400,#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたものが挙げられる。
多官能の架橋性モノマーとしてはペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。好ましい添加量としては、重合性単量体に対し、ジビニルベンゼンの重量として0.01〜0.10質量%が適当であり、他の架橋剤を用いる場合はそれと同等のモル換算数量を加えることが好ましい。
重合トナーを製造する際の水系分散媒体としては、分散安定剤を含有する水が好ましい。好ましい分散安定剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナの如き無機化合物の微粉体が挙げられる。
また、有機系の分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸、及びその塩、ポリメタアクリル酸、及びその塩、澱粉などが挙げられる。これらの分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20質量部を使用することが好ましい。
分散安定剤として上記物質と併用して界面活性剤を使用しても良い。これは、上記分散安定剤の初期の作用を促進する為のものであり、重合体単量体100質量部に対して0.001〜0.1質量部で十分である。具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、オクチル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明で用いられる着色剤はとしては、公知のものを使用することが出来る。例えば、黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザーイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等が挙げられる。
橙色顔料としては、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レーキッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカーミン3B、エオキシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ等が挙げられる。
青色顔料としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBG等が挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
緑色顔料としては、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合して、更には固溶体の状態で用いることが出来る。
本発明で使用する着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対して0.5〜15質量部用いるのが好ましい。黒色着色剤としてマグネタイトやフェライト等の鉄酸化物類を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し10〜150質量部用いるのが良い。
本発明の一成分現像方法は、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、この静電潜像担持体に担持された静電潜像に本発明のトナーを移行させて静電潜像を現像する一成分現像装置によって成り立ち、少なくとも現像時には前記トナーを表面に担持し前記静電潜像担持体表面に直接又は間接的に接触するトナー担持体と、このトナー担持体に直接又は間接的に接触してトナー担持体上のトナー層の層厚を規制する層厚規制部材とを有するものである。図2に本発明の実施形態に係る現像装置を具備したプロセスカートリッジの模式的断面図を示す。
本発明に用いられるトナー担持体としては、使用される現像剤の種類等に応じて適切な形態のものを用いれば良いが、例えば金属ローラの表面を高分子弾性体でコーティングしたり、金属芯金に高分子弾性体を一体成型したりして形成されている現像ローラ(図2:符号8)が好ましい。
前記現像ローラにおける高分子弾性体としては、弾性を有する様々な高分子組成物が用いられ、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、ウレタン、シリコーンゴム、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどから選択された樹脂や、それら樹脂に電気抵抗調整材料として導電性微粒子、例えばカーボン、酸化チタン等を分散混合した物や、上述した樹脂にイオン性導電材料、例えば過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム、塩化ナトリウム等の無機イオン性導電物質を用いた電気的抵抗調整樹脂が用いられる。
また、前記層厚規制部材(図2:符号10)についても、その形態については特に限定されないが、現像ローラに直接又は間接的に接触して設けられ現像ローラに担持されるトナーを規制して現像ローラ上におけるトナーコート量を制御するブレードであることが好ましい。このようなブレードとしては、可撓性の板状部材や、SUS、リン青銅等の金属板等、公知のブレードが用いられる。上記層厚規制部材としては、トナー担持体と直接または間接的に接触しているニップ部の十点平均粗さRzが0.1〜5.0μmの範囲が好ましい。Rzが0.1μm未満であるとトナー層厚規制時の電荷付与が不十分となったり、ニップ部からトナー漏れを起こしてしまう恐れがある。また、Rzが5.0μmより大きいとトナーの層厚規制時にトナーがブレードに融着し易くなり、画像上に縦スジとなって現れる恐れがある。より好ましくは0.1〜2.0μmである。
本発明で用いられる測定法について以下に説明する。
<平均円形度の測定法>
平均円形度とは、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて計測されるものであり、本発明では「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
円形度=粒子像と同じ投影面積を持つ円周長/粒子投影像の周囲長
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積である。具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物等を除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5Φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならないように適宜冷却する。トナーの形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナーの平均円形度を求める。この値はトナーがどれだけ球状に近いかを表し、1.000が真球状、それより小さい値は徐々に不定形になっていくことを表す。
<ガラス転移温度(Tg)、吸熱量の測定>
トナー粒子のガラス転移温度は、DSC測定装置(M−DSC2920型 TA−インスツルメンツ社製)を用いて測定する。測定試料には、6mgを精秤して用いる。精秤した測定試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲10℃〜140℃の間で測定を行う。常温常湿下において昇温速度を4℃/分、温度モジュレーション振幅を±0.6℃、周波数を1/minとして昇温を行い、得られたリバーシングヒートフロー曲線から、ガラス転移温度(Tg)を計算する。計算は、解析ソフトとしてUniversal Analysis for Windows(登録商標) Ver2.5H(TAインスツルメンツ社製)を用いる。Glass Transition解析モードを使い、図1に示すとおり、ガラス転移の吸熱前のベースライン接線Aと吸熱後のベースライン接線C、および吸熱ピーク内接線Bとを調整してTg(中点)を求め、Tg(T1)とする。さらにそのまま140℃に5分保持したあと10℃/minで10℃まで降温する。再び10℃から140℃まで同条件で昇温し、2回目の測定を行い、得られたリバーシングヒートフロー曲線から1回目の昇温時と同様にTg(中点)を求め、Tg(T2)とする。また、Tg(A)は分取GPCより得られたサンプルを用い、上記と同様に測定を行う。2回目の昇温で得られたTg(中点)の値をTg(A)とする。
一方、吸熱ピークの積分値は、上記の測定から得られた吸熱曲線を用いて求める。計算はガラス転移点の測定と同様の解析ソフトを用い、IntegralPeakLinearの機能を用い、140℃での測定点から低温側へベースラインを延長した接線Dと吸熱曲線とで囲まれた領域を設定し、吸熱ピークの積分値(J/g)を求める。
<分子量測定>
本発明のトナーのTHF可溶分の分子量分布測定にはGPC測定装置(HLC−8120GPC 東ソー(株)社製)を用いて、下記の測定条件で測定した。
測定条件
・カラム:TSKgelHM−M(6.0mmφ×15cm)の2連
・温度:40℃
・流速:0.6ml/min
・検出器:RI
・サンプル濃度:0.1%の試料を10μl
サンプル調製は、測定対象の試料をTHF中に入れ、6時間放置した後、充分に振とうし(試料の合一体がなくなるまで)、更に1日以上静置して行なう。そして、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45μm)を通過させたものをGPC測定用試料とする。検量線は、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。目的の分子量分布チャートは計算により微分曲線を用いる。
<分取GPCによるトナーの精製>
分取GPC装置としては日本分析工業(株)製分取HPLC LC−980型を用いた。クロロホルムを毎分3.5mlの流速にて流し、トナーのTHF可溶成分の濃度約25mg/mlのクロロホルム試料溶液を3.5ml装置に注入し、分子量15000〜200000を分取する。参照サンプルはポリスチレンの標準試料を用い、あらかじめ分子量15000と200000における溶出時間を測定しておく。分取の後、溶媒を減圧留去し、さらに90℃雰囲気中減圧で24時間乾燥する。前記分子量領域の成分が10mg程度得られるまで上記操作を繰り返し、この後に前記の方法によりTgを測定し、この値をTg(A)とする。
分取用カラムとしてはJAIGEL 3H、JAIGEL 5H(日本分析工業(株)社製)を用いた。
<摩擦帯電量の測定方法>
トナーと鉄粉キャリア(DCP:)を現像剤化するとき適当な混合量(トナー2〜15質量%)となるように混合し、ターブラミキサーで180秒混合する。この混合粉体(現像剤)を底部に635メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、吸引前後の質量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHgとする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用いて算出する。
Q(μC/g)=(C×V)/(W1−W2)
(式中、W1は吸引前の質量でありW2は吸引後の質量であり、Cはコンデンサーの容量、及びVはコンデンサーに蓄積された電位である。)
<トナー粒径測定>
電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、コールターカウンターマルチサイザーにより100μmのアパーチャーを用いて体積を基準として2〜40μmの粒度分布等を測定し、個数平均粒径、重量平均粒径を算出するものとする。
次に本発明で得られたトナーの評価方法について説明する。
<低温定着性および耐オフセット性の評価>
市販のフルカラーデジタル複写機(CLC−700,キヤノン製)の改造機を使用して受像紙(80g/m2)上に幅20cm、長さ2cmの未定着トナー画像(0.6g/cm2)を形成した。市販のフルカラーレーザービームプリンタ(LBP5500,キヤノン製)の定着ユニットを定着温度と速度が調整できるように改造し、定着試験を行った。常温常湿(23℃,55%RH)環境下、定着スピード170mm/secにて圧接面の温度を120℃から10℃間隔で200℃まで変化させ、各温度について前記未定着画像の定着試験を行った。
定着開始温度は、定着画像を75g/cm2の荷重をキムワイプ〔S−200”(株式会社クレシア)〕で10回こすり、こすり前後の濃度低下率が7%未満になる最低の温度とした。また、光沢度は上記定着試験において170℃で定着した画像の光沢度を日本電色社製VG−10型光沢度計により求めた。測定にあたっては、まず定電圧装置により6Vにセットし、次いで投光角度、受光角度をそれぞれ60°に合わせ、0点調整及び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に前記試料画像を置き、さらに白色紙を3枚上に重ね測定を行い、標示部に示される数値を%単位で読みとった。耐オフセット性については、前記の定着試験において定着後の転写紙の白地部にオフセットトナーが確認できるかどうかを目視で判断し、そのときの定着温度を読み取ることで評価を行った。
<保存安定性試験>
10gのトナーを100mlガラス瓶にいれ、50℃と55℃で10日間放置した後に目視で判定した。
ランクA…変化なし
ランクB…凝集体があるが、すぐにほぐれる
ランクC…ほぐれにくい
ランクD…流動性なし
ランクE…明白なケーキング
<帯電の立ち上がりと現像安定性の評価>
市販のフルカラーレーザービームプリンタ(LBP5500,キヤノン製)を印字速度が2倍となるように改造した。カートリッジにトナーを150g充填した。トナーの帯電立ち上がりはプリントの1枚目から10枚目までのベタのパッチ画像の濃度変化(マクベス反射濃度計で測定)で下記の基準で判断した。
ランクA:濃度1.4に至るまでの枚数が5枚以下
ランクB:濃度1.4に至るまでの枚数が6〜10枚
ランクC:濃度1.4に至るまでの枚数が11〜20枚
ランクD:濃度1.4に至るまでの枚数が21枚以上
また現像の安定性については印字比率2%で10000枚の連続プリントの試験をした。初期と1000枚目、10000枚目にベタ黒パターンとベタ白パターン、2色ベタ画像重ね合わせパターン、ハーフトーン画像をサンプルとしてプリントし、その時の画像やドラム上の転写残トナーも確認した。
以下に本発明を実施例をもって説明するが本発明は実施例によって制限されるものではない。
<実施例1>
四つ口容器中にイオン交換水710質量部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液850質量部を添加し、クレアミクス(エムテクニック社製)を用いて14,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 78質量部
n−ブチルアクリレート 22質量部
ジビニルベンゼン 0.025質量部
銅フタロシアニン顔料 6質量部
ポリスチレン 25質量部
(Mw=3100、Mw/Mn=1.22、Tg=54℃)
ポリエステル樹脂 4質量部
(テレフタル酸−PO変性ビスフェノールA;酸価11;ガラス転移点67℃
Mw10000)
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物) 1質量部
FT−0070
〔日本精蝋製フィッシャートロプシュワックス、mp72℃〕 10質量部
上記単量体混合物をアトライターを用いて3時間分散させ、そこへ重合開始剤である2,2’−アゾビス−イソブチロバレロニトリル3.0質量部を添加した重合性単量体組成物を水系分散媒体中に投入し、撹拌機の回転数を14,000rpmに維持しつつ5分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら10時間反応させた。次いで、容器内を温度90℃に昇温して300分間維持し、その後冷却した。容器内に希塩酸を添加してpHを1.8とし、分散安定剤を溶解した。更に、ろ別、洗浄、乾燥して重量平均径が7.1μmの重合体粒子(トナー粒子)を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ0.8質量部を外添し、トナー1を得た。得られたトナーをミクロトームにより超薄切片(厚さ70nm)として切り取り、オスミウム酸とルテニウム酸で染色した後、TEMにて観察を行った。その結果、最表層にポリエステルの薄い層、中間にスチレンアクリル樹脂中に着色剤が分散された層、そして中心付近に円形状のワックスが観察された。得られたトナーの物性値は表2に示す。また、後述のトナーとの比較のためにトナー処方を表1に示した。
次に得られたトナー1を前述の評価方法に従って評価した。評価結果は表3に示す。
<実施例2>
実施例1と同様に水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 75質量部
n−ブチルアクリレート 25質量部
ジビニルベンゼン 0.025質量部
銅フタロシアニン顔料 6質量部
ポリスチレン 20質量部
(Mw=3800、Mw/Mn=1.28、Tg=58℃)
ポリエステル樹脂 4質量部
(テレフタル酸−PO変性ビスフェノールA;
酸価11;ガラス転移点67℃ Mw10000)
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物) 1質量部
HNP−10〔日本精蝋製パラフィンワックス、mp77℃〕 10質量部
上記単量体混合物をアトライターを用いて3時間分散させ、実施例1と同様にトナー作製を行い、重量平均径が7.0μmの重合体粒子(トナー粒子)を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様に外添しトナー2を得た。得られたトナーの超薄切片を作製し、TEMにて観察を行った。その結果、最表層にポリエステルの薄い層、中間にスチレンアクリル樹脂中に着色剤が分散された層、そしてコアとして円形状のワックスが観察された。得られたトナーの物性値は表2に示す。
次に得られたトナー2を実施例1と同様に評価した。評価結果は表3に示す。
<実施例3>
実施例1と同様に水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 75質量部
n−ブチルアクリレート 25質量部
ジビニルベンゼン 0.065質量部
銅フタロシアニン顔料 6質量部
ポリスチレン 20質量部
(Mw=3100、Mw/Mn=1.22、Tg=54℃)
ポリエステル樹脂 4質量部
(テレフタル酸−PO変性ビスフェノールA;
酸価11;ガラス転移点67℃ Mw10000)
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物) 1質量部
FT−0070
〔日本精蝋製フィッシャートロプシュワックス、mp72℃〕 10質量部
上記単量体混合物をアトライターを用いて3時間分散させ、実施例1と同様にトナー作製を行い、重量平均径が6.9μmの重合体粒子(トナー粒子)を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様に外添しトナー3を得た。得られたトナーの超薄切片を作製し、TEMにて観察を行った。その結果、最表層にポリエステルの薄い層、中間にスチレンアクリル樹脂中に着色剤が分散された層、そしてコアとして円形状のワックスが観察された。得られたトナーの物性値は表2に示す。
次に得られたトナー3を実施例1と同様に評価した。評価結果は表3に示す。
<比較例1>
実施例1と同様に水系分散媒体を調製した。
次いでガラス瓶にスチレンモノマー27質量部とポリプロピレンワックス(三洋化成工業550P)3質量部とガラスビーズ1.0mmφ30質量部を混合し、ペイントシェーカーにて2時間分散させた。得られた分散液からナイロンメッシュを用いてガラスビーズを取り除き、ワックス分散液(固形分10質量%)を得た。
スチレンモノマー 51質量部
n−ブチルアクリレート 22質量部
ジビニルベンゼン 0.025質量部
銅フタロシアニン顔料 6質量部
ポリスチレン 25質量部
(Mw=3100、Mw/Mn=1.22、Tg=54℃ )
ポリエステル樹脂 4質量部
(テレフタル酸−PO変性ビスフェノールA;
酸価11;ガラス転移点67℃ Mw10000)
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物) 2質量部
上記ワックス分散液 30質量部
上記単量体混合物をアトライターを用いて3時間分散させ、実施例1と同様にトナー作製を行い、重量平均径が7.1μmの重合体粒子(トナー粒子)を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様に外添しトナー4を得た。得られたトナーの超薄切片を作製し、TEMにて観察を行った。その結果、最表層にポリエステルの薄い層、コアとしてスチレンアクリル樹脂中に着色剤と棒状のワックスが分散された層が観察された。得られたトナーの物性値は表2に示す。
次に得られたトナー4を実施例1と同様に評価した。評価結果は表3に示す。
<比較例2>
実施例1と同様に水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 85質量部
n−ブチルアクリレート 15質量部
ジビニルベンゼン 0.025質量部
銅フタロシアニン顔料 6質量部
ポリスチレン 25質量部
(Mw=3100、Mw/Mn=1.22、Tg=54℃)
ポリエステル樹脂 4質量部
(テレフタル酸−PO変性ビスフェノールA;
酸価11;ガラス転移点67℃ Mw10000)
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物) 1質量部
エステルワックス
〔ベヘン酸ベヘニル、mp74℃〕 12質量部
上記単量体混合物をアトライターを用いて3時間分散させ、実施例1と同様にトナー作製を行い、重量平均径が6.8μmの重合体粒子(トナー粒子)を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様に外添しトナー5を得た。得られたトナーの超薄切片を作製し、TEMにて観察を行った。その結果、最表層にポリエステルの薄い層、中間にスチレンアクリル樹脂中に着色剤が分散された層、そしてコアとして円形状のワックスが観察された。得られたトナーの物性値は表2に示す。
次に得られたトナー5を実施例1と同様に評価した。評価結果は表3に示す。
<比較例3>
実施例1と同様に水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 85質量部
n−ブチルアクリレート 15質量部
ジビニルベンゼン 0.025質量部
銅フタロシアニン顔料 6質量部
ポリエステル樹脂 4質量部
(テレフタル酸−PO変性ビスフェノールA;
酸価11;ガラス転移点67℃ Mw10000)
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物) 1質量部
エステルワックス
〔ベヘン酸ベヘニル、mp74℃〕 12質量部
上記単量体混合物をアトライターを用いて3時間分散させ、そこへ重合開始剤である2,2’−アゾビス−イソブチロバレロニトリル6.5質量部を添加した重合性単量体組成物を水系分散媒体中に投入し、撹拌機の回転数を14,000rpmに維持しつつ5分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら10時間反応させた。次いで、容器内を温度90℃に昇温して300分間維持し、その後冷却した。容器内に希塩酸を添加してpHを1.8とし、分散安定剤を溶解した。更に、ろ別、洗浄、乾燥して重量平均径が6.8μmの重合体粒子(トナー粒子)を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様に外添しトナー6を得た。得られたトナーの超薄切片を作製し、TEMにて観察を行った。その結果、最表層にポリエステルの薄い層、中間にスチレンアクリル樹脂中に着色剤が分散された層、そしてコアとして円形状のワックスが観察された。得られたトナーの物性値は表2に示す。
次に得られたトナー6を実施例1と同様に評価した。評価結果は表3に示す。
<比較例4>
2Lの反応容器にクメン200質量部を入れ、還流温度まで昇温した。これにスチレンモノマー100質量部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド8質量部の混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下した。さらにクメン還流下(146℃〜156℃)で溶液重合を完了し、クメンを除去した。得られたポリスチレンはTHFに可溶であり、Mw=3700、Tg=61℃であった。該ポリスチレン30質量部、スチレンモノマー54質量部、アクリル酸n−ブチル16質量部、ベンゾイルパーオキサイド1.2質量部とtert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.6質量部を混合し溶液とした。上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1質量部を溶解した水170質量部を加え懸濁分散液とした。水15質量部を入れ窒素置換した反応器に上記懸濁分散液を添加し、反応温度90±3℃で6時間懸濁重合反応させた。反応終了後にろ別し、脱水,乾燥し、ポリスチレンとスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体の組成物を得た。得られた樹脂組成物のTHF可溶分の分子量分布を測定したところGPCのチャートにおいてMw=6.3万、Mw/Mn≒12であった。さらに樹脂のTgは61.8℃であった。
上記樹脂100質量部、銅フタロシアニン顔料6質量部、負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物)1質量部、パラフィンワックスHNP−10(日本精鑞製:融点77℃)8質量部をヘンシェルミキサーで前混合した後、150℃に熱した2本ロールミルで15分間混練した。混練物を放冷後、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、体積平均粒径6.9μmの微粉体(トナー粒子)を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様に外添しトナー7を得た。得られたトナー粒子の超薄切片を作製し、TEMにて観察を行った。その結果、トナー粒子中には粒状のワックスが分散して観察され、最表層にはところどころワックスが飛び出しているのがわかった。得られたトナー粒子の物性値は表2に示す。
次に得られたトナー7を実施例1と同様に評価した。評価結果は表3に示す。
<比較例5>
実施例1と同様に水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 78質量部
n−ブチルアクリレート 22質量部
ジビニルベンゼン 0.130質量部
銅フタロシアニン顔料 6質量部
ポリスチレン 25質量部
(Mw=3100、Mw/Mn=1.22、Tg=54℃)
ポリエステル樹脂 4質量部
(テレフタル酸−PO変性ビスフェノールA;
酸価11;ガラス転移点67℃ Mw10000)
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物) 1質量部
FT−0070
〔日本精蝋製フィッシャートロプシュワックス、mp72℃〕 10質量部
上記単量体混合物をアトライターを用いて3時間分散させ、実施例1と同様にトナー作製を行い、重量平均径が6.9μmの重合体粒子(トナー粒子)を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様に外添しトナー8を得た。得られたトナーの超薄切片を作製し、TEMにて観察を行った。その結果、最表層にポリエステルの薄い層、中間にスチレンアクリル樹脂中に着色剤が分散された層、そしてコアとして円形状のワックスが観察された。得られたトナーの物性値は表2に示す。
次に得られたトナー8を実施例1と同様に評価した。評価結果は表3に示す。
<実施例4>
顔料の銅フタロシアニン6質量部を、それぞれブラックトナー用にカーボンブラック(デグサ製Printex)7質量部、マゼンタトナー用にC.I.ピグメントレッド122を6質量部、イエロートナー用にC.I.ピグメントイエロー93を6質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にトナーを作製し、それぞれブラックトナー9、マゼンタトナー10、イエロートナー11を得た。得られたトナーの物性値は表2に示す。
次に得られたトナー1、9〜11を用い、フルカラー画像を出力した。実施例1と同様に市販のフルカラーレーザービームプリンタ(LBP5500,キヤノン製)を印字速度が2倍となるように改造し、4色のカートリッジにトナーをそれぞれ150g充填し、4カートリッジを装着した状態で各色が均等に消費されかつ印字比率が2%になるように設定し、画像出力を行った。実施例1と同様の評価を行ったところ、トナーの帯電立ち上がりは良好であった。また現像の安定性については印字比率2%で10000枚の連続プリントの試験をした。初期と1000枚目、10000枚目に各色の単色ベタパターン、ベタ白パターン、2色重ね合わせパターン、単色ハーフトーン画像をサンプルとしてプリントし、その時の画像やドラム上の転写残トナーも確認したところ、いずれにおいても濃度、かぶりに遜色はなく、その他画像欠陥もみうけられなかった。
Figure 0004546354
Figure 0004546354
Figure 0004546354
DSCにより測定されたチャートの説明図である。 本発明の実施の形態に係る現像装置を具備したプロセスカートリッジの模式的断面図である。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 帯電装置
3 現像装置
4 クリーナ
5 プロセスカートリッジ
6 現像容器
7 トナー
8 現像ローラ
9 弾性ローラ
10 現像ブレード
11 トナー帯電ローラ

Claims (6)

  1. 少なくとも着色剤と樹脂とワックスを含有するトナー粒子を有し、平均円形度が0.970以上で、該ワックスをコアとし、樹脂をシェルとするコアシェル構造を有するトナーにおいて、
    該トナーのTHF不溶分が30質量%以下であり、DSCにより測定されたチャートにおいて140℃から低温側へ引いたベースラインとで囲まれた領域の積分値が8.0乃至20.0J/gであり、DSC1回目の走査で得られるトナー全体のガラス転移点をTg(T1)(℃)、2回目の走査で得られるトナー全体のガラス転移点をTg(T2)(℃)、分取GPCにより分子量15000〜20万を分取したときに得られる成分Aのガラス転移点をTg(A)(℃)としたときに、(式1)乃至(式3)を満足することを特徴とするフルカラー画像形成用の一成分現像用トナー。
    Tg(A)−Tg(T1)≦12 (式1)
    50≦Tg(A)≦70 (式2)
    Tg(T1) − Tg(T2)≦10 (式3)
  2. GPCにより測定した前記トナーのTHF可溶分の分子量分布チャートにおいて、分子量2000〜15000の面積と分子量15000〜20万の面積の比が0.30乃至0.65であることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー一成分現像用トナー。
  3. 前記トナー粒子が、少なくとも離型剤、着色剤、重合性単量体を含有する単量体組成物を水性媒体中に添加し、該重合性単量体を重合する工程を経て得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のフルカラー一成分現像用トナー。
  4. 前記離型剤が60乃至120℃に吸熱ピークを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフルカラー一成分現像用トナー。
  5. 前記離型剤がパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスから選ばれる1種または複数種の混合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフルカラー一成分現像用トナー。
  6. 現像剤を担持し、現像領域にトナーを搬送するトナー担持体と、前記トナー担持体にトナーを介して圧接した規制部材を有する現像装置を用いる一成分現像方法において、
    該トナーが少なくとも着色剤と樹脂とワックスを含有するトナー粒子を有し、平均円形度が0.970以上で、該ワックスをコアとし、樹脂をシェルとするコアシェル構造を有しており、
    該トナーのTHF不溶分が30質量%以下であり、DSCにより測定されたチャートにおいて140℃から低温側へ引いたベースラインとで囲まれた領域の積分値が8.0乃至20.0J/gであり、DSC1回目の走査で得られるトナー全体のガラス転移点をTg(T1)(℃)、2回目の走査で得られるトナー全体のガラス転移点をTg(T2)(℃)、分取GPCにより分子量15000〜20万を分取したときに得られる成分Aのガラス転移点をTg(A)(℃)としたときに、(式1)乃至(式3)を満足することを特徴とするフルカラー一成分現像方法。
    Tg(A)−Tg(T1)≦12 (式1)
    50≦Tg(A)≦70 (式2)
    Tg(T1) − Tg(T2)≦10 (式3)
JP2005232760A 2005-08-11 2005-08-11 フルカラー一成分現像用トナーおよび一成分現像方法 Active JP4546354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005232760A JP4546354B2 (ja) 2005-08-11 2005-08-11 フルカラー一成分現像用トナーおよび一成分現像方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005232760A JP4546354B2 (ja) 2005-08-11 2005-08-11 フルカラー一成分現像用トナーおよび一成分現像方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007047522A JP2007047522A (ja) 2007-02-22
JP2007047522A5 JP2007047522A5 (ja) 2008-09-18
JP4546354B2 true JP4546354B2 (ja) 2010-09-15

Family

ID=37850388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005232760A Active JP4546354B2 (ja) 2005-08-11 2005-08-11 フルカラー一成分現像用トナーおよび一成分現像方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4546354B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4866280B2 (ja) * 2007-03-19 2012-02-01 株式会社リコー 画像形成用トナー及びそのトナーを充填したプロセスカートリッジ
JP5409167B2 (ja) * 2009-07-29 2014-02-05 キヤノン株式会社 トナー
JP5419586B2 (ja) * 2009-08-06 2014-02-19 キヤノン株式会社 トナー

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01214872A (ja) * 1988-02-24 1989-08-29 Canon Inc 静電荷像現像用トナー
JP2003076134A (ja) * 2001-09-07 2003-03-14 Minolta Co Ltd 現像装置
JP2004287270A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成方法
JP2005010400A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Sharp Corp 非磁性一成分現像用トナー
JP2005189253A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Canon Inc 画像形成方法及び画像形成ユニット
WO2005071493A1 (ja) * 2003-12-05 2005-08-04 Canon Kabushiki Kaisha トナー及びトナーの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01214872A (ja) * 1988-02-24 1989-08-29 Canon Inc 静電荷像現像用トナー
JP2003076134A (ja) * 2001-09-07 2003-03-14 Minolta Co Ltd 現像装置
JP2004287270A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成方法
JP2005010400A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Sharp Corp 非磁性一成分現像用トナー
WO2005071493A1 (ja) * 2003-12-05 2005-08-04 Canon Kabushiki Kaisha トナー及びトナーの製造方法
JP2005189253A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Canon Inc 画像形成方法及び画像形成ユニット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007047522A (ja) 2007-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8367289B2 (en) Toner
EP1544684B1 (en) Color toner and two-component developer
KR0184326B1 (ko) 정전하상 현상용 토너
KR101252579B1 (ko) 토너
JP5074755B2 (ja) トナー
US5272034A (en) Process for producing electrophotographic toner
JP2001228647A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、現像剤、並びに画像形成方法
JP2000267334A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法
JP2008164916A (ja) トナー及び画像形成方法
JP5241089B2 (ja) 非磁性トナー
JP2003330220A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法
JP4546354B2 (ja) フルカラー一成分現像用トナーおよび一成分現像方法
JP2007310261A (ja) トナー
JP2003202699A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP2005173315A (ja) 静電荷現像用トナーおよびその製造方法、並びに、画像形成方法及びこれを用いた画像形成方法
JP2003302792A (ja) シアントナーおよびトナーセット
JP2009168963A (ja) 非磁性トナー
JP4717671B2 (ja) トナー
JP3854854B2 (ja) トナー及びトナーの製造方法
EP0926564B1 (en) Process for producing toner
JP2000242032A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法
JP2009025327A (ja) トナー及び画像形成方法
JP2005292683A (ja) トナー
JP2006078982A (ja) トナー
JP4378210B2 (ja) 磁性微粒子分散型樹脂キャリア及び二成分系現像剤

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080801

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100629

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100701

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4546354

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150