JP2002333737A - 静電荷現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷現像用トナーの製造方法

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JP2002333737A
JP2002333737A JP2001140829A JP2001140829A JP2002333737A JP 2002333737 A JP2002333737 A JP 2002333737A JP 2001140829 A JP2001140829 A JP 2001140829A JP 2001140829 A JP2001140829 A JP 2001140829A JP 2002333737 A JP2002333737 A JP 2002333737A
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Masatoshi Maruyama
正俊 丸山
Kazuo Mitsuhashi
和夫 三ツ橋
Tomoko Ishikawa
智子 石川
Masaya Ota
匡哉 大田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝集時の粒径制御が容易であり、定着性に優
れ、感光体上へのフィルミング等の汚染の少ない静電荷
現像用トナーを提供する。 【解決手段】 少なくとも2種の重合体一次粒子と着色
剤粒子をpH2〜7の条件下に凝集して粒子凝集体を得
る工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法におい
て、第1の重合体一次粒子のζ電位の絶対値が5〜30
mVであり、第2の重合体一次粒子のζ電位の絶対値が
30〜100mVであることを特徴とする静電荷像現像
用トナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機及びプリンターに用いられる静電荷現像用トナーに
関する。さらに詳しくは、定着性に優れ、更に感光体へ
のフィルミング、現像ブレード等への固着の少ない静電
荷現像用トナーに関する。
【従来の技術】電子写真法において従来一般に広く用い
られてきた静電荷現像用トナーは、近年、小型、高速、
省エネルギー化を達成するため定着性と離型性を両立さ
せることが求められるようになった。
【0002】特開平9−190012号公報等には乳化
重合凝集法によるトナーが開示されている。乳化重合凝
集法によるトナーは、粉砕法トナーに比べワックスの含
有量を増やすことができ、それにより定着性に優れたも
のが得られるが、マシン(電子写真装置)の要求に合わ
せて、粒径、粒度分布、帯電量等を設定する必要があ
り、マシンそれぞれでこれらの設定値が異なるために、
樹脂、ワックス、外添剤等、それぞれポテンシャルのあ
る成分を用いたとしても、出来上がりのトナーは必ずし
も常に満足できるものではなかった。その一つの原因
は、乳化重合凝集法における凝集制御の困難さに起因し
ていると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来用いら
れていた静電荷現像用トナーの欠点を克服し、乳化重合
凝集法における凝集制御が容易であり、定着性に優れ、
感光体上へのフィルミング等の汚染の少ないトナーを提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、特定の範囲のζ電位を有する2
種の重合体一次粒子を共凝集させる工程を有する乳化重
合/凝集法でトナーを製造することにより上記課題が解
決できることを見出した。即ち本発明の要旨は、少なく
とも2種の重合体一次粒子と着色剤粒子をpH2〜7の
条件下に凝集して粒子凝集体を得る工程を有する静電荷
像現像用トナーの製造方法において、第1の重合体一次
粒子のζ電位の絶対値が5〜30mVであり、第2の重
合体一次粒子のζ電位の絶対値が30〜100mVであ
ることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法に
存する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のトナーは、その構成成分
として、少なくともバインダー樹脂及び着色剤を含み、
必要に応じて、ワックス、帯電制御剤、樹脂微粒子、及
びその他の添加剤等を含む。また、本発明に用いられる
トナーは、乳化重合/凝集法により製造されるものであ
る。
【0006】乳化重合/凝集法によりトナーを製造する
場合、通常、重合工程、混合工程、凝集工程、熟成工
程、洗浄・乾燥工程を有する。すなわち、乳化重合によ
り得た重合体一次粒子を含む分散液に、着色剤、帯電制
御剤、ワックス等を混合し、この分散液中の一次粒子を
凝集させて体積平均粒径3〜8μm程度の粒子凝集体と
し、必要に応じて、これに樹脂微粒子等を付着させ、必
要に応じて、粒子凝集体あるいは樹脂微粒子が付着した
粒子凝集体を融着させ、こうして得られたトナー粒子を
を洗浄、乾燥して製品のトナー粒子を得る。
【0007】○重合体一次粒子 乳化重合/凝集法に用いられる重合体一次粒子として
は、好ましくはガラス転移温度(Tg)が40〜80℃
であり、平均粒径は通常0.02〜3μmのものであ
る。この重合体一次粒子は、モノマーを乳化重合するこ
とにより得られる。本発明においては、ζ電位の絶対値
が5〜30mVである第1の重合体一次粒子と、ζ電位
の絶対値が30〜100mVである第2の重合体一次粒
子の2種を用いることを特徴としている。ζ電位はプラ
ス(+)であってもマイナス(−)であっても絶対値が
上記範囲であれば良く、従って、1)第1の重合体一次
粒子のζ電位が+5〜+30mVであり、第2の重合体
一次粒子のζ電位が+30〜+100mVである場合、
2)第1の重合体一次粒子のζ電位が+5〜+30mV
であり、第2の重合体一次粒子のζ電位が−100〜−
30mVである場合、3)第1の重合体一次粒子のζ電
位が−30〜−5mVであり、第2の重合体一次粒子の
ζ電位が+30〜+100mVである場合、及び4)第
1の重合体一次粒子のζ電位が−30〜−5mVであ
り、第2の重合体一次粒子のζ電位が+30〜+100
mVである場合の4通りがある。なお、本発明のトナー
の製造方法では、凝集時のpHを2〜7の範囲で行う
が、本発明において定義されるζ電位は、凝集時のpH
における値を指す。本発明において、重合体一次粒子の
ζ電位の制御は、乳化分散に用いる界面活性剤の種類や
量、重合体一次粒子を構成するモノマーの種類や量を等
を適宜変更することにより行うが、2種の重合体一次粒
子のζ電位が、それぞれ上記範囲とすることが必要であ
る。
【0008】ζ電位をマイナスにする方法の一つとして
は、乳化重合により重合体一次粒子を製造するに当たっ
て、ブレンステッド酸性基(以下、単に酸性基と称する
ことがある)を有するモノマーを共重合モノマー成分と
して用いることが挙げられる。また、ζ電位をプラスに
する方法の一つとしては、ブレンステッド塩基性基(以
下、単に塩基性基と称することがある)を有するモノマ
ーを、共重合モノマー成分として用いることが挙げられ
る。そして、これらモノマーとブレンステッド酸性基又
はブレンステッド塩基性基をいずれも有さないモノマー
(以下、その他のモノマーと称することがある)とを添
加する事により重合を進行させる。この際、モノマー同
士は別々に加えても良いし、予め複数のモノマー混合し
ておいて添加しても良い。更に、モノマー添加中にモノ
マー組成を変更することも可能である。また、モノマー
はそのまま添加しても良いし、予め水や乳化剤などと混
合、調整した乳化液として添加することもできる。乳化
剤としては、前記の界面活性剤から1種又は2種以上の
併用系が選択される。
【0009】本発明で用いられるブレンステッド酸性基
を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、等のカルボキシ
ル基を有するモノマー、スルホン化スチレン等のスルホ
ン酸基を有するモノマー、ビニルベンゼンスルホンアミ
ド等のスルホンアミド基を有するモノマー等があげられ
る。
【0010】また、ブレンステッド塩基性基を有するモ
ノマーとしては、アミノスチレン等のアミノ基を有する
芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン、等の窒素含有複素環含有モノマー、ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル、等が挙げられる。また、これら酸性基を有するモノ
マー及び塩基性基を有するモノマーは、それぞれ対イオ
ンを伴って塩として存在していても良い。
【0011】中でも、ζ電位が−30〜−5mVである
重合体一次粒子を製造する場合には、モノマー構成単位
としてブレンステッド酸性基を有するモノマーを0〜3
重量%、更には0.5〜3重量%含有することが好まし
く、ζ電位が−100〜−30mVである重合体一次粒
子を製造する場合には、モノマー構成単位としてブレン
ステッド酸性基を有するモノマーを0〜5重量%、更に
は1〜5重量%含有することが好ましい。また、ζ電位
が+5〜+30mVである重合体一次粒子を製造する場
合には、モノマー構成単位としてブレンステッド塩基性
基を有するモノマーを0〜3重量%含有することが好ま
しく、ζ電位が+30〜+100mVである重合体一次
粒子を製造する場合には、モノマー構成単位としてブレ
ンステッド塩基性基を有するモノマーを0〜5重量%含
有することが好ましい。
【0012】その他のコモノマーとしては、スチレン、
メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−n−ノニルスチレン、等のスチレン類、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチルヘキシル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸
エチルヘキシル、等の(メタ)アクリル酸エステル、ア
クリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリル
アミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、アクリル酸
アミドを挙げることができる。を挙げることができる。
この中で、特にスチレン、ブチルアクリレート、等が特
に好ましい。
【0013】更に、重合体一次粒子に架橋樹脂を用いる
場合、上述のモノマーと共用される架橋剤としては、ラ
ジカル重合性を有する多官能性モノマーが用いられ、例
えばジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペ
ンチルグリコールアクリレート、ジアリルフタレート等
が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループに
有するモノマー、例えばグリシジルメタクリレート、メ
チロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いること
が可能である。
【0014】好ましくはラジカル重合性の二官能性モノ
マーが好ましく、更に、ジビニルベンゼン、ヘキサンジ
オールジアクリレートが好ましい。このような、多官能
性モノマーのモノマー混合物中の配合率は、好ましくは
0.005重量%以上、更に好ましくは0.1重量%以
上、特に好ましくは0.3重量%以上であり、また、好
ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以下、
特に好ましくは1重量%以下である。
【0015】これらのモノマーは単独、または混合して
用いられるが、その際、重合体のガラス転移温度が40
〜80℃となることが好ましい。ガラス転移温度が80
℃を越えると定着温度が高くなりすぎたり、OHP透明
性の悪化が問題となることがあり、一方重合体のガラス
転移温度が40℃未満の場合は、トナーの保存安定性が
悪くなる場合がある。
【0016】重合開始剤は、モノマー添加前、添加と同
時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、
必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
乳化重合に際しては、必要に応じて公知の連鎖移動剤を
使用することができるが、その様な連鎖移動剤の具体的
な例としては、t―ドデシルメルカプタン、2−メルカ
プトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化
炭素、トリクロロブロモメタン、等があげられる。連鎖
移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、重合性
単量体に対して0〜5重量%用いられる。乳化重合は、
上記のモノマー類を水と混合し、重合開始剤の存在下、
重合するが、重合温度は通常50〜150℃、好ましく
は60〜120℃、更に好ましくは70〜100℃であ
る。
【0017】こうして得られた重合体一次粒子の体積平
均粒径は、通常0.02μm〜3μmの範囲であり、好
ましくは0.05μm〜3μm、更に好ましくは0.1
μm〜2μmであり、特に好ましくは0.1μm〜1μ
mである。なお、平均粒径は、例えばUPAを用いて測
定することができる。粒径が0.02μm より小さくな
ると凝集速度の制御が困難となり好ましくない。また、
3μmより大きいと凝集して得られるトナー粒径が大き
くなりやすく、3〜8μmのトナーを製造するには不適
当である。
【0018】上記乳化重合に用いる乳化剤としては、カ
チオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面
活性剤の中から選ばれる少なくともひとつの乳化剤が挙
げられる。カチオン界面活性剤の具体例としては、ドデ
シルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブ
ロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジ
ニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウ
ムブロマイド、等があげられる。また、アニオン界面活
性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデ
カン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナ
トリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラ
ウリル硫酸ナトリウム等があげられる。さらに、ノニオ
ン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンド
デシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイル
ショ糖、等があげられる。
【0019】中でも、ζ電位が−30〜−5mVである
重合体一次粒子を製造する場合及びζ電位が+5〜+3
0mVである重合体一次粒子を製造する場合には、乳化
剤としてノニオン系界面活性剤を用いることが好まし
く、ζ電位が−100〜−30mVである重合体一次粒
子を製造する場合には、乳化剤としてアニオン系界面活
性剤を用いることが好ましく、また、ζ電位が+30〜
+100mVである重合体一次粒子を製造する場合に
は、乳化剤としてカチオン系界面活性剤を用いることが
好ましい。本発明において、第1の重合体一次粒子のζ
電位の絶対値は5〜30mVであり、第2の重合体一次
粒子のζ電位の絶対値は30〜100mVであるが、第
1の重合体一次粒子のζ電位の絶対値が5未満の場合は
カブリが発生し、また、第2の重合体一次粒子のζ電位
の絶対値が100を越える場合にはカブリが発生するほ
か、トナーの飛散が大きくなる。また、第1の重合体一
次粒子のζ電位の絶対値が30mVを越える場合、また
は、第2の重合体一次粒子のζ電位の絶対値が30mV
未満の場合には、電位の差による凝集時の粒径制御の効
果が小さくなる。第1の重合体一次粒子の重量(W1)
と、第2の重合体一次粒子の重量(W2)との関係とし
ては、3≦W1/W2≦100であることが好ましく、
5≦W1/W2≦80が更に好ましく、7≦W1/W2
≦60が特に好ましい。W1/W2が、上記好ましい範
囲より著しく小さい場合には定着不良を起こす傾向にあ
り、また、著しく大きい場合には、電位の差による凝集
時の粒径制御の効果が小さくなるほか、感光体上へのフ
ィルミングやブレードへの固着が多くなる傾向にある。
【0020】○着色剤 着色剤は無機顔料または有機顔料、有機染料のいずれで
も良く、またはこれらの組み合わせでも良い。これらの
具体的な例としては、カーボンブラック、アニリンブル
ー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロ
ー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガ
ル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ
系、縮合アゾ系染顔料など、公知の任意の染顔料を単独
あるいは混合して用いることができる。フルカラートナ
ーの場合にはイエローとしてベンジジンイエロー、モノ
アゾ系、縮合アゾ系染顔料、マゼンタとしてキナクリド
ン、モノアゾ系染顔料、シアンとしてフタロシアニンブ
ルーをそれぞれ用いるのが好ましい。
【0021】これらの内、シアン着色剤としては、C.
I.ピグメントブルー15:3、イエロー着色剤として
はC.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメン
トイエロー93、マゼンタ着色剤としてはC.I.ピグ
メントレッド238、C.I.ピグメントレッド26
9、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグ
メントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド12
2が好ましく用いられる。
【0022】本発明の乳化重合/凝集法にる製造方法で
は、重合体一次粒子の分散液と着色剤粒子を混合し、混
合分散液とした後、これを凝集させて粒子凝集体とする
が、着色剤は、乳化剤(前述の界面活性剤)の存在下で
水中に乳化させエマルションの状態で用いるのが好まし
く、着色剤粒子の体積平均粒径としては、0.01〜3
μmが好ましい。着色剤の使用量は、通常、重合体一次
粒子100重量部に対して1〜25重量部、好ましくは
3〜20重量部である。
【0023】○ワックス 本発明に用いられるトナーには、定着ローラに対する離
型性付与のため、ワックスを添加することが好ましい。
ワックスとしては、離型性を有するものであればいかな
るものも使用可能である。具体的には低分子量ポリエチ
レン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等
のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン
酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステア
リル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水
添ひまし油カルナバワックス等の植物系ワックス;ジス
テアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;ア
ルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂
肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;グリ
セリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長
鎖脂肪酸により得られる多価アルコールのカルボン酸エ
ステル、または部分エステル;オレイン酸アミド、ステ
アリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエ
ステル等が例示される。
【0024】これらのワックスの中で定着性を改善する
ためには、ワックスの融点は30℃以上が好ましく、4
0℃以上が更に好ましく、50℃以上が特に好ましい。
また、100℃以下が好ましく、90℃以下が更に好ま
しく、80℃以下が特に好ましい。融点が低すぎると定
着後にワックスが表面に露出しべたつきを生じやすく、
融点が高すぎると低温での定着性が劣る。また更に、ワ
ックスの化合物種としては、脂肪族カルボン酸と一価も
しくは多価アルコールとから得られるエステル系ワック
スが好ましく、エステル系ワックスの中でも炭素数が2
0〜100のものが更に好ましく、炭素数30〜60の
ものが特に好ましい。
【0025】上記ワックスは単独で用いても良く混合し
て用いても良い。また、トナーを定着する定着温度によ
り、ワックス化合物の融点を適宜選択することができ
る。ワックスの使用量は、通常、トナー中に0.1〜4
0重量%、好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは
5〜35重量%、特に好ましくは7〜30重量%であ
る。乳化重合/凝集法において、ワックスは、予め乳化
剤(前記界面活性剤)の存在下に分散してエマルジョン
化したワックス微粒子分散液としたものを用いるのが好
ましい。
【0026】ワックスは、凝集工程に存在させるが、こ
れには、ワックス微粒子分散液を重合体一次粒子及び着
色剤粒子と共凝集させる場合と、ワックス微粒子分散液
の存在化にモノマーをシード乳化重合させてワックスを
内包した重合体一次粒子を作成し、これと着色剤粒子を
凝集させる場合とがある。このうち、ワックスをトナー
中に均一に分散させるには、ワックス微粒子分散液を上
記の重合体一次粒子の作成時、すなわちモノマーの重合
時に存在させるのが好ましい。
【0027】ワックス微粒子の平均粒径は、0.01μ
m〜3μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2μ
m、特に0.3〜1.5μmのものが好適に用いられ
る。なお、平均粒径は、例えばホリバ社製LA−500
を用いて測定することができる。 ワックスエマルジョ
ンの平均粒径が3μmよりも大きい場合には凝集時の粒
径制御が困難になりやすく、また、エマルジョンの平均
粒径が0.01μmよりも小さい場合には、分散液を作
製するのが困難である。
【0028】○帯電制御剤 本発明に用いられるトナーには、帯電量、帯電安定性付
与のため、帯電制御剤を添加しても良い。帯電制御剤と
しては、従来公知の化合物が使用される。例えば、ヒド
ロキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、
ナフトール系化合物、ナフトール系化合物の金属化合
物、ニグロシン系染料、第4級アンモニウム塩及びこれ
らの混合物が挙げられる。帯電制御剤の添加量は結着樹
脂100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲が好ま
しい。
【0029】乳化重合/凝集法において帯電制御剤を含
有させる方法として、重合体一次粒子を得る際に、帯電
制御剤をワックスと同時にシードとして用いたり、帯電
制御剤をモノマー又はワックスに溶解又は分散させて用
いたり、重合体一次粒子及び着色剤と同時に帯電制御剤
一次粒子を凝集させて粒子凝集体を形成したり、重合体
一次粒子及び着色剤を凝集させて、ほぼトナーとして適
当な粒径となった後に、帯電制御剤一次粒子を加えて凝
集させることもできる。この場合帯電制御剤も乳化剤
(前述の界面活性剤)を用いて水中で分散し、平均粒径
0.01〜3μmのエマルション(帯電制御剤一次粒
子)として使用することが好ましい。
【0030】○混合工程 本発明の製造法の凝集工程においては、上述の、重合体
一次粒子、着色剤粒子、必要に応じて帯電制御剤、ワッ
クスなどの配合成分の粒子は、同時にあるいは逐次に混
合して分散するが、予めそれぞれの成分の分散液、即
ち、重合体一次粒子分散液、着色剤粒子分散液、必要に
応じ帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製し
ておき、これらを混合して混合分散液を得ることが好ま
しい。また、ワックスは、重合体一次粒子に内包化され
たもの、すなわち、ワックスをシードとして乳化重合し
た重合体一次粒子を用いることにより、トナーに含有さ
せることが好ましく、この場合は、重合体一次粒子に内
包化されたワックスと、内包化されていないワックス微
粒子を併用して用いることができるが、更に好ましく
は、実質的に全量のワックスを重合体一次粒子に内包化
された形で用いるものである。
【0031】○凝集工程 上記の各粒子の混合分散液を凝集工程で凝集して粒子凝
集体を作成するが、この凝集処理には、攪拌槽内で、
1)加熱する方法と、2)電解質を加える方法、とがあ
る。
【0032】加熱して凝集を行う場合に、凝集温度とし
ては具体的には、5℃〜Tgの温度範囲(但し、Tgは
重合体一次粒子のガラス転移温度)であり、Tg−10
℃〜Tg−5℃の範囲が好ましい。上記温度範囲であれ
ば、電解質を用いることなく好ましいトナー粒径に凝集
させることができる。また、加温して凝集を行う場合、
凝集工程に引き続いて熟成工程を行う場合には、凝集工
程と熟成工程が連続的に行われ、その境界が曖昧となる
場合があるが、Tg−20℃〜Tgの温度範囲に少なく
とも30分間保持する工程があれば、これを凝集工程と
みなす。
【0033】凝集温度は所定の温度ですくなくとも30
分保持することにより所望の粒径のトナー粒子とするこ
とが好ましい。所定のの温度までは一定速度で昇温して
も良いし、ステップワイズに昇温しても良い。保持時間
は、Tg−20℃〜Tgの範囲で30分以上8時間以下
が好ましく、1時間以上4時間以下が更に好ましい。こ
のようにすることによって、小粒径であり、粒度分布の
シャープなトナーを得ることができる。
【0034】また、混合分散液に電解質を添加して凝集
を行う場合の電解質としては、有機の塩、無機塩のいず
れでも良いが、1価あるいは2価以上の多価の金属塩が
好ましく用いられる。具体的には、NaCl、KCl、
LiCl、Na2SO4、K2SO4、Li2SO4、MgC
2、CaCl2、MgSO4、CaSO4、ZnSO4
Al2(SO43、Fe2(SO43、CH3COON
a、C65SO3Na等が挙げられる。
【0035】電解質の添加量は、電解質の種類によって
も異なるが、通常は混合分散液の固形成分100重量部
に対して、0.05〜25重量部が用いられる。好まし
くは0.1〜15重量部、更に好ましくは0.1〜10
重量部である。電解質添加量が上記範囲より著しく少な
い場合には、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1
μm以下の微粉が残ったり、得られた粒子凝集体の平均
粒径が3μm以下となるなどの問題を生じる傾向にあ
る。また、電解質添加量が上記範囲より著しく多い場合
には、急速で制御の困難な凝集となりやすく、得られた
粒子凝集体の中に25μm以上の粗粉が混じったり、凝
集体の形状がいびつで不定形の物になるなどの問題を生
じる傾向にある。また、電解質を加えて凝集を行う場合
には、凝集温度は5℃〜Tgの温度範囲が好ましい。
【0036】○その他の配合成分 次に、本発明においては、上述の凝集処理後の粒子凝集
体表面に、必要に応じて樹脂微粒子を被覆(付着又は固
着)してトナー粒子を形成するのが好ましい。なお、上
述した帯電制御剤を凝集処理後に加える場合には、粒子
凝集体を含む分散液に帯電制御剤を加えた後、樹脂微粒
子を加えてもよい。
【0037】この樹脂微粒子は、乳化剤(前述の界面活
性剤)により水または水を主体とする液中に分散してエ
マルションとして用いるが、トナーの最外層に用いる樹
脂微粒子は、ワックスを含まないものが好ましい。樹脂
微粒子としては、好ましくは体積平均粒径が0.02〜
3μm、更に好ましくは0.05〜1.5μmであっ
て、前述の重合体一次粒子に用いられるモノマーと同様
なモノマーを重合して得られたもの等を用いることがで
きる。粒子凝集体に樹脂微粒子を被覆してトナーを形成
する場合、樹脂微粒子に用いられる樹脂は、架橋されて
いるものが好ましい。
【0038】○熟成工程 乳化重合/凝集法においては、凝集で得られた粒子凝集
体(トナー粒子)の安定性を増すためにTg+20℃〜
Tg+80℃(但し、Tgは重合体一次粒子のガラス転
移温度)の範囲で凝集した粒子間の融着を起こす熟成工
程を加えることが好ましい。また、この熟成工程では上
記の温度範囲に1時間以上保持するのが好ましい。熟成
工程を加えることにより、トナー粒子の形状も球状に近
いものとすることができ、形状制御も可能になる。この
熟成工程は、通常1時間から24時間であり、好ましく
は1時間から10時間である。熟成工程前の粒子凝集体
は、一次粒子の静電的あるいはその他の物理凝集による
集合体であると考えられるが、熟成工程後は、粒子凝集
体を構成する重合体一次粒子は、互いに融着しており、
好ましくはほぼ球形となっている。なお、この様なトナ
ーの製造方法によれば、一次粒子が凝集した状態の葡萄
型、融着が半ばまで進んだジャガイモ型、更に融着が進
んだ球状等、目的に応じて様々な形状のトナーを製造す
ることができる。
【0039】○洗浄・乾燥工程 上記の各工程を経ることにより得た粒子凝集体は、公知
の方法に従って固液分離し、粒子凝集体を回収し、次い
で、これを必要に応じて、洗浄した後、乾燥することに
より目的とするトナー粒子を得ることができる。このよ
うにして、体積平均粒径が3〜8μmと比較的小粒径の
トナーを製造することができる。しかもこうして得られ
たトナーは、粒度分布がシャープで、高画質及び高速化
を達成するための静電荷像現像用トナーとして適したも
のである。
【0040】本発明に用いられるトナーには、流動性や
現像性を制御する為に公知の外添剤を添加しても良い。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、等の各
種無機酸化粒子(必要に応じて疎水化処理する)、ビニ
ル系重合体粒子等が使用できる。外添剤の添加量は、ト
ナー粒子に対して0.05〜5重量部の範囲が好まし
い。
【0041】本発明に用いられるトナーは、2成分現像
剤、マグネタイト含有トナー等の磁性1成分現像剤、非
磁性1成分現像剤に適用することができる。2成分現像
剤として用いる場合には、トナーと混合して現像剤を形
成するキャリアとしては、公知の鉄粉系、フェライト
系、マグネタイト系キャリア等の磁性物質または、それ
らの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性樹脂キ
ャリアを用いる事ができる。
【0042】キャリアの被覆樹脂としては、一般的に知
られているスチレン系樹脂、アクリル樹脂、スチレンア
クリル共重合樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン
系樹脂、フッ素系樹脂等が利用できるが、これらに限定
されるものではない。キャリアの平均粒径は、特に制限
はないが10〜200μmの平均粒径を有するものが好
ましい。これらのキャリアは、トナー1重量部に対して
5〜100重量部使用する事が好ましい。
【0043】トナーの粒子径を測定する方法としては、
市販の粒子径測定装置を用いることができるが、典型的
にはベックマン・コールター株式会社製の精密粒度分布
測定装置コールター・カウンター マルチサイザーII
が用いられる。本発明に用いられるトナーは、体積平均
粒径(Dv)が3〜8μmであることが好ましく、4〜
8μmが更に好ましく、4〜7μmが特に好ましい。体
積平均粒径が大きすぎると高解像度の画像形成に適さ
ず、小さすぎると粉体としての取り扱いが困難となる。
【0044】また、トナーの粒度分布としてはシャープ
なもののほうが粒子個体間の帯電性が均等となり易く好
ましい。具体的には、本発明の画像形成方法及び装置に
おいては、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(D
n)との関係が、1.0≦Dv/Dn≦1.3であるも
のが好ましく、Dv/Dnの値としては、1.25以下
が更に好ましく、1.20以下が特に好ましい。また、
Dv/Dnの下限値は1であるが、これば、全ての粒径
が等しいことを意味し、製造上困難であるので、1.0
3以上が好ましく、1.05以上が更に好ましい。
【0045】また、トナーは微細な粒子(微粉)が少な
いのが好ましい。微細な粒子が少ない場合には、トナー
の流動性が向上し、着色剤や帯電制御剤等均一に分布し
て帯電性が均一となりやすい。微細な粒子を測定するに
は、例えば、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置
FPIA−2000が好適に用いられる。本発明におい
ては、フロー式粒子像分析装置による0.6μm〜2.
12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以
下であるトナーを用いるのが好ましい。これは、微細な
粒子が一定量より少ないことを意味しているが、0.6
μm〜2.12μmの粒子の数は10%以下が更に好ま
しく、5%以下が特に好ましい。また、該微粒子の下限
は特になく、全く存在しないのが最も好ましいが、それ
は製造上困難であり通常0.5%以上であり、好ましく
は1%以上である。
【0046】また、トナーの形状としては、出来るだけ
球形に近いものが好ましい。具体的には、、トナーの形
状を定量化する方法として、シスメックス社製フロー式
粒子像分析装置FPIA−2000にてトナーを測定
し、下式より求められた値の50%における累積粒度値
に相当する円形度を50%円形度と定義したときに、5
0%円形度が0.9〜1の範囲のものが好ましい。円形
度=粒子投影面積と同じ面積の円の周長/粒子投影像の
周長
【0047】トナーの50%円形度は、トナー粒子の凹
凸の度合いを示し、トナーが完全な球形の場合1とな
る。表面形状が複雑になるほど円形度の値は小さくな
る。球形に近いほど、粒子固体内での帯電量の局在化が
起こりにくく、現像性が均一になりやすい。従って、ト
ナーの50%は、0.92以上が更に好ましく、0.9
5以上が特に好ましい。また、完全な球を作ることは製
造上困難であるので、好ましくは0.995以下であ
り、更に好ましくは0.99以下である。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、ζ電位の測定
は市販のゼータ電位測定装置を用いて行うことが出来
る。例えば、PENKEM社製のModel 501を
もちいて、重合体一次粒子の目視による移動度の測定に
適する用、1000倍から10000倍に希釈しHC
l、あるいはNaOHを用いpHを5〜6に調整して行
う。又、電導度をそろえるためにKClを用い、印加電
圧は1〜2000Vで測定される。以下において、
「部」は「重量部」を表わす。
【0049】[重合体一次粒子の製造例−1]ノニオン界
面活性剤(エマルゲン950 第一工業製薬社製)1.
0部及び過硫酸アンモニウム0.5部を溶解した水10
0部にスチレン14部、アクリル酸ブチル6部、アクリ
ル酸0.6部を加え、80℃で8時間乳化重合し重合体
一次粒子乳化液を得た。この重合体粒子の平均粒径は
0.2μmでpH6でのζ電位は−27mVであった。
【0050】[重合体一次粒子の製造例−2]アニオン界
面活性剤(ネオゲンSC 第一工業製薬社製)0、5部
及び過硫酸アンモニウム0.2部を溶解した水100部
にスチレン16部、アクリル酸ブチル4部、アクリル酸
1部を加え、80℃で8時間乳化重合し重合体一次粒子
乳化液を得た。この重合体粒子の平均粒径は0.1μm
でpH6でのζ電位は−50mVであった。
【0051】[着色剤の製造例]アニオン界面活性剤(ネ
オゲンSC:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
1.0部を水50部に溶解させた水溶液にカーボンブラ
ック(リーガル330R キャボット社製)10部を加
え、デェスパーで分散させ平均粒径0.05μmの粒径
を持つ着色剤分散液を得た。
【0052】[ワックスの調整例]モンタン酸ワックス
(BASFワックスS BASF社製)30部をアニオ
ン界面活性剤(ネオゲンSC)0.3部を溶解した水7
0部にディスパーで分散させた後、ホモジナイザー(ゴ
ーリン社製 15−M−8PA)を用い95℃、100
kg/cm2の条件で分散液を乳化しワックスの乳化液
を得た。
【0053】実施例1 重合体一次粒子の製造例−1で得た乳化液300部、製
造例−2で得た乳化液200部さらに着色剤の製造例で
得た着色剤分散液25部、ワックスの調整例で得たワッ
クスの乳化液30部を混合しデェスパーを用い攪拌しな
がらpHを4に調整し2時間分散したところ動的光散乱
法の粒径測定機(マイクロトラックUPA 日機装社
製)で測定して体積平均粒径が1.2μmの会合粒子が
得られた。次いで攪拌をカイ型翼に変え、攪拌下60℃
まで加熱し、これをアンモニアによってpH7に調整し
た。さらに攪拌下90℃まで加熱し2時間この温度を保
ったところ体積平均粒径7.5μmの凝集体を得た。こ
の凝集体を冷却、分離、水洗した後乾燥させて得られた
粒子に疎水性シリカ(アエロジルR972 日本アエロ
ジル社製)1.0%をヘンシェルミキサーを用い添加
し、試験用トナーとした。このトナーを市販のプリンタ
ー(レーザージェット4500 ヒュウレットパッカー
ド社製)に入れ連続プリント試験を行った処、2万枚の
試験においても、かぶりの少ない鮮明な黒色画像が得ら
れた。又フィルミングやブレードにトナーが固着して起
こる画像の欠陥は発生しなかったが、指で強くこすると
定着トナーの一部が剥離するやや定着強度の弱い画像で
あった。
【0054】実施例2 実施例1において重合体一次粒子の製造例−1の乳化液
を450部、製造例−2の乳化液を50部に代えた以外
は全く同じ操作で体積平均粒径7.8μmの試験用トナ
ーを得た。プリント試験の結果2万枚の試験において
も、かぶりの少ない鮮明な黒色画像が得られた。又フィ
ルミングやブレードにトナーが固着して起こる画像の欠
陥は発生せず、指で強く擦っても定着トナーが剥離しな
い定着強度の強い画像が得られた。
【0055】実施例3 実施例1において重合体一次粒子の製造例−1の乳化液
を485部、製造例−2の乳化液を6部に変えた以外は
全く同じ操作で体積平均粒径7.3μmの試験用トナー
を得た。プリント試験の結果2万枚の試験においても、
かぶりの少ない鮮明な黒色画像が得られた。又フィルミ
ングやブレードにトナーが固着して起こる画像の欠陥は
発生せず、指で強く擦っても定着トナーが剥離しない定
着強度の強い画像が得られた。
【0056】比較例1 実施例1において重合体一次粒子の製造例−2の乳化液
を使用しないこと以外は全く同じ操作で体積平均粒径
7.1μmの試験用トナーを得た。プリント試験の結果
は1千枚の試験でフィルミング、及びブレードにトナー
が固着する事による画像上のスジが発生し欠陥画像とな
った。
【0057】[重合体一次粒子の製造例−3]上記重合体
一次粒子の製造例−2においてアクリル酸の使用量を2
部に代えた以外は製造例−2と全く同じ操作を行い重合
体一次粒子乳化液を得た。この重合体粒子の平均粒径は
0.07μmでpH6でのζ電位は−95mVであっ
た。
【0058】実施例4 実施例1において重合体一次粒子の製造例−2の乳化液
を製造例−3の乳化液に代えた以外は全く同じ操作を行
い体積平均粒径7.2μmの試験用トナーを得た。プリ
ント試験の結果、がぶりのやや多い画像では有るが実施
例1とほぼ同じ良好な結果が得られた。
【0059】[重合体一次粒子の製造例−4]上記重合体
一次粒子の製造例−1においてノニオン乳化剤の使用量
を0.3部に代えた以外は製造例−1と全く同じ操作を
行い重合体一次粒子乳化液を得た。この重合体粒子の平
均粒径は0.4μmであったが非常に広い粒度分布をし
ており、pH6でのζ電位は+4mVであった。
【0060】比較例2 実施例1において重合体一次粒子の製造例−1の乳化液
を製造例−4の乳化液に代えた以外は全く同じ操作を行
い体積平均粒径9.8μmの試験用トナーを得た。この
トナーは非常に広い粒度分布を有しており、プリント試
験の初期よりかぶりが多く劣悪な画像となった。
【0061】[重合体一次粒子の製造例−5]上記重合体
一次粒子の製造例−1においてアクリル酸の代わりにア
クリル酸ジエチルアミノエチル代えた以外は製造例−1
と同じ操作を行い重合体一次粒子乳化液を得た。この重
合体粒子の平均粒径は0.2μmでpH5でのζ電位は
+20mVであった。
【0062】[重合体一次粒子の製造例−6]上記重合体
一次粒子の製造例−2においてアクリル酸の代わりにア
クリル酸ジエチルアミノエチルに代え、アニオン乳化剤
の代わりにカチオン界面活性剤(カチオゲンH 第一工
業製薬社製)0.4部に代えた以外は製造例−2と同じ
操作を行い重合体一次粒子乳化液を得た。この重合体粒
子の平均粒径は0.15μmでpH5でのζ電位は+3
0mVであった。
【0063】実施例5 実施例1において重合体一次粒子の製造例−1の乳化液
を製造例−5の乳化液に、重合体一次粒子の製造例−2
の乳化液を製造例−6の乳化液に代えた以外は同じ操作
を行った。但し会合粒子製造後はpHを4に保ち60℃
以降はpHを3とした。得られた試験用トナーは6.1
μmであり、市販の複写機(SD−2050シャープ社
製)に入れ複写試験をしたところ、20万枚の試験にお
いても、かぶりの少ない鮮明な黒色画像が得られた。又
フィルミングやブレードにトナーが固着して起こる画像
の欠陥は発生せず、指で強く擦っても定着トナーが剥離
しない定着強度の強い画像が得られた。
【0064】
【発明の効果】本発明により、凝集時の粒径制御が容易
であり、定着性が優れ且つ感光体上へのフィルミングや
ブレードへの固着に起因する画像欠陥を低減した静電荷
像現像用トナーを提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 智子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 大田 匡哉 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2H005 AB01 AB06 CA23 EA05 EA07 EA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種の重合体一次粒子と着色
    剤粒子をpH2〜7の条件下に凝集して粒子凝集体を得
    る工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法におい
    て、第1の重合体一次粒子のζ電位の絶対値が5〜30
    mVであり、第2の重合体一次粒子のζ電位の絶対値が
    30〜100mVであることを特徴とする静電荷像現像
    用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の重合体一次粒子の量(W1)と、
    第2の重合体一次粒子の量(W2)が、3≦W1/W2
    ≦100の関係を満たす請求項1に記載の静電荷像現像
    用トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 第1の重合体一次粒子のζ電位が−30
    〜−5mVであり、第2の重合体一次粒子のζ電位が−
    100〜−30mVである、請求項1又は2に記載の静
    電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の重合体一次粒子が、ノニオン系界
    面活性剤により分散されたものであり、第2の重合体一
    次粒子がアニオン系界面活性剤により分散されたもので
    ある請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用
    トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 第1の重合体一次粒子が、モノマー構成
    単位としてブレンステッド酸性基を有するモノマーを0
    〜3重量%含有する請求項1乃至4のいずれかに記載の
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 第2の重合体一次粒子が、モノマー構成
    単位としてブレンステッド酸性基を有するモノマーを0
    〜5重量%含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 第1の重合体一次粒子のζ電位が+5〜
    +30mVであり、第2の重合体一次粒子のζ電位が+
    30〜+100mVである、請求項1又は2に記載の静
    電荷像現像用トナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 第1の重合体一次粒子が、ノニオン系界
    面活性剤により分散されたものであり、第2の重合体一
    次粒子がカチオン系界面活性剤により分散されたもので
    ある請求項1、2又は7に記載の静電荷像現像用トナー
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 第1の重合体一次粒子が、モノマー構成
    単位としてブレンステッド塩基性基を有するモノマーを
    0〜3重量%含有する請求項1、2、7又は8に記載の
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 第2の重合体一次粒子が、モノマー構
    成単位としてブレンステッド塩基性基を有するモノマー
    を0〜5重量%含有する請求項1、2又は7乃至9のい
    ずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  11. 【請求項11】 トナーの体積平均粒径が3〜8μmで
    ある請求項1乃至10のいずれかに記載の静電荷像現像
    用トナーの製造方法。
  12. 【請求項12】 使用する着色剤が第1の重合体一次粒
    子と第2の重合体一次粒子重合体と同符号のζ電位を有
    する分散剤で分散された請求項1乃至11のいずれかに
    記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  13. 【請求項13】 重合体一次粒子をトナーとする際、電
    解質を用いて凝集する事を特徴とする請求項1乃至13
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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