JP4513728B2 - 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 - Google Patents
静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4513728B2 JP4513728B2 JP2005334969A JP2005334969A JP4513728B2 JP 4513728 B2 JP4513728 B2 JP 4513728B2 JP 2005334969 A JP2005334969 A JP 2005334969A JP 2005334969 A JP2005334969 A JP 2005334969A JP 4513728 B2 JP4513728 B2 JP 4513728B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wax
- toner
- dispersion
- parts
- polymerization
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Description
第一に、ワックスを含有するトナーであって、TEM解析により観察されるワックスドメインの内、下記(1)式を満たすワックスドメインの個数が全体の85.0%以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、に存する。
(1)0<A≦500 (A:等面積円径(nm))
第二に、ワックスを含有するトナーであって、TEM解析により観察されるワックスドメインの内、下記(2)式を満たすワックスドメインの個数が全体の60.0%以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、に存する。
(2)0<A≦350 (A:等面積円径(nm))
第三に、ワックスを含有するトナーであって、TEM解析により観察されるワックスドメインの内、下記(3)式を満たすワックスドメインの個数が全体の40.0%以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、に存する。
(3)0<A≦250 (A:等面積円径(nm))
第四に、ワックスを含有するトナーであって、TEM解析により観察されるワックスドメインの内、下記(4)式を満たすワックスドメインの個数が全体の15.0%以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、に存する。
(4)50<A≦150 (A:等面積円径(nm))
第五に、ワックスを含有するトナーであって、TEM解析により観察されるワックスドメインの等面積円径個数分布におけるメインピークが200nm未満に存在することを特徴とする静電荷像現像用トナー、に存する。
第六に、結着樹脂及びワックスを含有するトナーにおいて、前記結着樹脂中に炭素数8〜100の炭化水素基を有する重合性単量体を原料とする共重合体が含有され、且つ、前記炭素数8〜100の炭化水素基を有する重合性単量体の含有率が上記結着樹脂全体の2重量%未満であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の静電荷像現像用トナー、に存する。
第七に、ワックス及び炭素数8〜100の炭化水素基を有する重合性単量体を含有する水性分散液中に、モノマーを供給し、重合させ、次いで凝集処理を行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法、に存する。
本発明における静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックスを含み、必要に応じ、帯電制御剤、その他の添加剤、外添剤等を含むことが出来る。
本発明において、TEM解析により観察されるワックスドメインの内、下記(1)式を満たすワックスドメインの個数は全体の85.0%以上であり、好ましくは90.0%以上である。
(1)0<A≦500 (A:等面積円径(nm))
また、本発明において、TEM解析により観察されるワックスドメインの内、下記(2)式を満たすワックスドメインの個数が全体の60.0%以上であり、好ましくは70.0%以上である。
(2)0<A≦350 (A:等面積円径(nm))
また、本発明において、TEM解析により観察されるワックスドメインの内、下記(3)式を満たすワックスドメインの個数が全体の40.0%以上であり、好ましくは50.0%以上である。
(3)0<A≦250 (A:等面積円径(nm))
また、本発明において、TEM解析により観察されるワックスドメインの内、下記(4)式を満たすワックスドメインの個数が全体の15.0%以上であり、好ましくは25.0%以上である。
(4)50<A≦150 (A:等面積円径(nm))
上記(1)乃至(4)式を満たすワックスドメインの個数がワックスドメイン全体に対して上記特定の値以上の場合、ワックスを多量に含有させたとしてもトナーの表面にワックスが露出し難くなる。即ち、上記範囲のワックスドメインの分散状態は、ワックスを多量に含める時の最良の形態である。このワックスドメインの分散状態は、例えば、結着樹脂とワックスとの界面張力を低下させることにより達成できる。一方、上記分散状態を外れる場合、ワックスドメインがトナー表面に露出したり、トナーからワックスが遊離して、例えば、トナーの洗浄性を悪化させトナーの生産効率を低下させる。
上記範囲を満たす場合は、ワックスを多量に含有させたとしてもトナーの表面にワックスが露出し難くなる。即ち、上記範囲のワックスドメインの分散状態は、ワックスを多量に含める時の最良の形態である。このワックスドメインの分散状態は、例えば、結着樹脂とワックスとの界面張力を低下させることにより達成できる。
一方で、界面張力を極限まで低下させて結着樹脂とワックスを相溶化させた場合は、ワックスが結着樹脂になじみ過ぎてバインダー樹脂中のワックスの拡散性が高くなり、ワックスが短時間でトナー表面に到達し露出してしまう。さらに、ワックスがバインダー樹脂中で微結晶ドメインとして存在せず、分子的に溶解してしまうと、バインダー樹脂の可塑化をもたらし、トナーのワックス内包性が悪化して耐ブロッキング性を低下させたり、低温定着性と高温オフセットの両立が困難になったりして好ましくない。
(5) A−B
Aは重合性単量体を示し、Bは炭素数8〜100の炭化水素基を示す。
本発明の重合性単量体とは、ラジカル重合する官能基を有しているモノマーのことをいう。通常、極性基を有した不飽和炭化水素であり、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。また、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどの不飽和炭化水素に、極性基を導入し、全体として極性を持たせた不飽和炭化水素基であってもよい。本発明においては、中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。
具体的な炭化水素鎖としては、例えば、オクチル、ノニル、デシル、ラウリル、セチル、ステアリル、エイコシル、テトラコシル、オクタコシル、トリアコンチル、ヘキサコンチル、ヘプタコンチル等が挙げられる。これら中でも、ラウリル、セチル、ステアリルから選択される1種を少なくとも有することが好ましい。
H2=C(CH3)COOR、ブタジエン系化合物をCH2=CH−CR=CH2、CH2=
CH−CH=CHRと記載した場合のRの部分に置換される。
炭素数8〜100の炭化水素基の炭素数は、通常、8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、100以下、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは22以下である。炭素数が前記範囲未満であると、ワックスのトナー表面への露出や、ワックスのトナーからの遊離を抑制する効果が無いため好ましくなく、前記範囲を超過すると、ワックスの内包性が過度に高くなり定着時にワックスが染み出しにくくなるために離型剤としての機能が悪化するため好ましくない。
以上を考慮すると、長鎖重合性単量体としては、特に、(メタ)ステアリルアクリレートであることが好ましい。
前記結着樹脂中に前記長鎖重合性単量体を原料とする共重合体は、結着樹脂とワックスとの界面に存在することによって、トナー中におけるワックスの分散性を高め、ワックスのトナー表面への露出を抑制する。この効果を発現させるには、前記炭素数8〜100の炭化水素基を有する重合性単量体の結着樹脂中の含有率が2重量%未満であることが好ましい。
結着樹脂中に長鎖重合性単量体を含有しない場合では、結着樹脂とワックスとの相溶性が低下し、トナー中にワックスが取り込まれ難くなる。また、仮に取り込まれたとしても、界面張力の作用によってワックス表面への露出が起こり易くなる。この場合、トナー中のワックスドメインの等面積円径が大きくなる。具体的には、等面積円径500nmを以上のワックスドメインの個数が増加し、等面積円径500nmを超えるワックスドメインの等面積円径個数はワックスドメイン全体の15個数%以上に増加する傾向にある。
一方で、上記範囲以上の場合にも、最終的に得られたトナー中のワックスドメインの等面積円径は大きくなる。この理由は明らかではないが、長鎖重合性単量体と樹脂構成モノマーとの共重合組成のバランスが崩れるため、結果として、ワックスドメインの分散安定性が保たれなくなり、ワックスドメインの粗大化が促進すると考えられる。具体的には、等面積円径500nmを以上のワックスドメインの個数が増加し、等面積円径500nmを超えるワックスドメインの等面積円径個数はワックスドメイン全体の15個数%以上に増加する傾向にあり、長鎖重合性単量体の含有率が5重量%以上の場合は、25%以上に増加する傾向にある。即ち、ワックスのトナー表面への露出を防ぐべくワックスドメインの粒径の粗大化を防ぐためには、長鎖重合性単量体を適度に含有させることが重要である。
ワックスの含有量が前記範囲未満である場合は、高温オフセット性等の性能が充分でない場合があり、前記範囲を超過する場合は、耐ブロッキング性が充分でなかったり、ワックスがトナーから漏出することにより装置を汚染したりする場合がある。
これらのワックスの中で定着性を改善するためには、ワックスが融点をもつことが好ましい。ワックスの融点は40℃以上が好ましく、50℃以上が更に好ましく、60℃以上が特に好ましい。また、120℃以下が好ましく、110℃以下が更に好ましく、100℃以下が特に好ましい。融点が低すぎると定着後にワックスが表面に露出しべたつきを生じやすく、融点が高すぎると低温での定着性が劣る傾向にある。
高級脂肪酸エステル系ワックスとしては具体的には例えば、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールのステアリン酸エステル、モンタン酸グリセリド等の、炭素数15〜30の脂肪酸と1〜5価のアルコールとのエステルが好ましい。また、エステルを構成するアルコール成分としては、1価アルコールの場合は炭素数10〜30のものが好まく、多価アルコールの場合には炭素数3〜10のものが好ましい。
これらの中でも、ジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーン樹脂)または変性ジメチルポリシロキサンが好ましい。
また、直鎖構造のもののほか、環状や、網目状すなわち部分的に架橋構造のものであってもよい。
また、ブレンステッド塩基性基を有するモノマーとしては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有モノマー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、等が挙げられる。
このような、ブレンステッド酸性基又はブレンステッド塩基性基を有するモノマーの重合体一次粒子を構成するモノマー混合物中の配合率は、結着樹脂100重量部に対し好ましくは0〜10重量部の範囲が好ましく、更に好ましくは0〜3部、特に好ましくは0〜1.5重量部である。ブレンステッド酸性基又はブレンステッド塩基性基を有するモノマーの内では、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
更に、重合体一次粒子に架橋樹脂を用いる場合、上述のモノマーと共用される架橋剤としては、ラジカル重合性を有する多官能性モノマーが用いられ、例えばジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループに有するモノマー、例えばグリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることが可能である。好ましくはラジカル重合性の二官能性モノマーが好ましく、更に、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレートが好ましい。
℃以下であることが低エネルギー定着のためには好ましい。また、該Spは、 80 ℃以上、好ましくは 100℃以上であることが耐高温オフセット性、耐久性の点で好ましい。ここで該Spは、フローテスター(島津製作所社製CFT−500)において、試料1.0gをノズル1mm×10mm、荷重30kg、予熱時間50℃で5分、昇温速度3℃/分の条件下で測定を行ったときの、フロー開始から終了までのストランドの中間点での温度として求めることができる。
結着樹脂として前記のスチレン系樹脂を用いる場合、該結着樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと記載する)における数平均分子量が、好ましくは2000 以上、より好ましくは2500以上、さらに好ましくは3000以上であり、好ましくは 5万以下、より好ましくは4万以下、さらに好ましくは3.5万以下であることが望ましい。また、該結着樹脂は、同様にして求めた重量平均分子量が、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、さらに好ましくは20万以上であり、好ましくは200万以下、より好ましくは100万以下、さらに好ましくは50万以下であることが望ましい。スチレン系樹脂の数平均分子量および重量平均分子量が前記範囲にある場合、トナーの耐久性、保存性、定着性が良好となるため望ましい。ここで、GPCによる平均分子量の値は、単分散ポリスチレン標準試料に換算した値とする。
シアン着色剤としては、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
また、前記着色剤は磁性を有していてもよく、磁性着色剤としては、プリンター、複写機等の使用環境温度である0〜60℃付近においてフェリ磁性或いはフェロ磁性を示す強磁性物質、具体的には、例えば、マグネタイト(Fe3O4 )、マグヘマタイト(γ−F
e2 O3 )、マグネタイトとマグヘマタイトの中間物や混合物、フェライト粉(MFe2
O4;式中、Mは、2価の金属であって、Mg、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Cd、
Srの中の少なくとも1種あるいは2種以上をあらわす。)、BaO・6Fe2O3 、S
rO・6Fe2O3 等の6方晶フェライト、Y3Fe5O12、Sm3Fe5 O12等のガーネット型酸化物、CrO2 等のルチル型酸化物、及び、Cr、Mn、Fe、Co、Ni等の金属或いはそれらの強磁性合金等のうち0〜60℃付近において磁性を示すものが挙げられ、中でも、マグネタイト、マグヘマタイト、またはマグネタイトとマグヘマタイトの中間体が好ましい。非磁性トナーとしての特性を持たせつつ、飛散防止や帯電制御等の観点で含有する場合は、トナー中の前記磁性粉の含有量は、0.2〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは1〜5重量%である。また、磁性トナーとして使用する場合は、トナー中の前記磁性粉の含有量は、通常15重量%以上、好ましくは20重量%以上であり、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下であることが望ましい。磁性粉の含有量が前記範囲未満であると、磁性トナーとして必要な磁力が得られない場合があり、前記範囲超過では、定着性不良の原因となる場合がある。
本発明におけるトナーには、帯電量、帯電安定性付与のため、帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、従来公知の化合物が使用される。例えば、正荷電性帯電制御剤としては、ニグロシン系染料、第4アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂など、負荷電性帯電制御剤としては、Cr,Co,Al,Fe,B等の原子を含有するアゾ錯化合物染料やサリチル酸もしくはアルキルサリチル酸錯化合物、カーリックスアレン化合物、ベンジル酸の金属塩もしくは金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕等のヒドロキシナフタレン化合物などが挙げられる。
更に、本発明のトナーには、トナーの粘着性、凝集性、流動性、帯電性、表面抵抗等の改質のために、トナー中に公知の各種内添剤、例えば、シリコーンオイル、シリコーンワニス、フッ素系オイル等を含有していてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、ワックス及び炭素数8〜100の炭化水素基を有する重合性単量体(以下、「炭素数8〜100の炭化水素基を有する重合性単量体」を「長鎖重合性単量体」という場合がある。)を含有する水性分散液中に、モノマーを供給し、重合させ、次いで凝集処理を行うことを特徴とする。
予め、長鎖重合性単量体をワックスとともに分散する工程を有することにより、長鎖重合性単量体がワックスと結着樹脂の界面に局在し、ワックスを結着樹脂中に安定に微細分散させることができる。このため、ワックスのトナー表面への露出やワックスのトナーからの遊離を抑制しつつ、トナー中のワックス含有量を多くすることが可能となる。
ワックス・長鎖重合性単量体分散液を調製する方法は限定されず、ワックスのみを分散した後、これに長鎖重合性単量体を添加し調製してもよく、ワックスの分散液と長鎖重合性単量体の分散液をそれぞれ調製した後、混合し調製してもよい。中でもワックスと長鎖重合性単量体とを同時に分散し調製することが好ましい。
ここで、重合させる工程は、ワックス・長鎖重合性単量体分散液の時点で重合することもできるが、ワックス・長鎖重合性単量体分散液の時点では重合せずに後述する乳化重合の工程で重合を行うこともできる(以下、ワックス・長鎖重合性単量体分散液の時点で重合して得られた分散液を、ワックス重合分散液という場合がある)。また、ワックス・長鎖重合性単量体分散液の時点では部分的に重合するのみで重合を完結させず、後の乳化重合の工程で重合を完結させることもできる(以下、ワックス部分重合分散液という場合がある)。重合を完結させるか否かは、開始剤の添加量や重合条件(温度、時間など)を調節することにより調整することができる。また、ワックス・長鎖重合性単量体分散液の重合を完結した後に、更に長鎖重合性単量体をワックス・長鎖重合性単量体分散液に添加することによってワックス部分重合分散液としてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーを製造する方法は、乳化重合凝集法である。乳化重合凝集法であれば、溶融混練粉砕法では成しえない粒径分布を得ることができ、さらに、懸濁重合法では成しえないトナーの円形度を適宜制御できるという利点もある。
本発明において、乳化重合凝集法とは、乳化重合法によって重合体一次粒子を製造し、少なくとも重合体一次粒子を含有する粒子を凝集する工程を有する製造方法を意味する。そして、通常は、重合工程、混合工程、凝集工程、熟成工程、洗浄・乾燥工程を有するものである。
乳化重合凝集法で製造する場合は、前記のワックス・長鎖重合性単量体分散液は、重合して用いても、重合せずに用いてもよいが、重合せずに用いた方が好ましい。乳化重合の場合は、重合体一次粒子を構成するモノマーの乳化分散粒径は懸濁重合における分散粒径に較べて極めて小さいため、ワックス・長鎖重合性単量体分散液にモノマーが含浸した場合においてもワックスは小粒径(微分散)を維持することができる。さらに重合体一次粒子を構成する樹脂とワックスとの親和性も良好となるため、ワックスを多量に含有させることが可能である。
乳化重合凝集法においては、ワックス重合分散液を用いることもできる。ワックス重合分散液を用いる場合は、後述する凝集工程で添加することが好ましい。凝集工程において該ワックス重合分散液を用いれば、ワックスをそのまま凝集工程に用いる場合に較べてトナー中でのワックスの分散を微細化することができ、さらに多量にワックスを添加することが可能となる。
カチオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、等があげられる。
さらに、ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖、等があげられる。これらの界面活性剤の内、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
乳化重合凝集法に用いられる重合体一次粒子としては、好ましくはガラス転移温度(Tg)が40〜80℃であり、平均粒径は通常0.02〜3μmのものである。この重合体一次粒子は、モノマーを乳化重合することにより得られる。
,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルのようなアゾ化合物
;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドのようなパーオキサイド系開始剤などの有機過酸化物類等の一種或いは二種以上が、通常、重合性単量体100重量部に対して0.1〜3重量部の量で用いられる。中でも、開始剤としては過酸化水素、有機過酸化物類、アゾ系化合物類が好ましい。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
重合開始剤および懸濁安定剤は、何れも、モノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
尚、乳化重合におけるモノマーのワックス・長鎖重合性単量体分散液への添加は、一括添加、連続添加、間欠添加のいずれであってもよいが、反応制御の点からは連続添加によるのが好ましい。また、複数のモノマーを使用する場合における各モノマーの添加は、別々に加えても、予め複数のモノマーを混合して同時に添加してもよい。更に、モノマー添加途中でモノマー組成を変化させることも可能である。また、乳化剤のワックス・長鎖重合性単量体分散液への添加についても、一括添加、連続添加、間欠添加のいずれであってもよい。また、ワックス・長鎖重合性単量体分散液には、前記乳化剤、前記重合開始剤の他に、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
こうして得られた重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm〜3μmの範囲であり、好ましくは0.02μm〜3μm、更に好ましくは0.05μm〜3μmであり、特に好ましくは0.1μm〜1.5μmである。なお、平均粒径は、例えばUPAを用いて測定することができる。粒径が0.02μm より小さくなると凝集速度の制御が困難となる傾向にあり好ましくない。また、3μmより大きいと凝集して得られるトナー粒径が大きくなりやすく、3〜8μmのトナーを製造するには不適当である。なお、体積平均粒径は、例えば日機装社製マイクロトラックUPAを用いて測定することができる。
本発明における重合体一次粒子は、前記の通り得られた異なる重合体一次粒子を複数併用することもできる。また、本発明の製造方法においては、乳化重合と異なる重合方法で得られた樹脂を重合体一次粒子として併用することもでき、そのような樹脂についても、体積平均粒径が、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、通常3μm以下、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下であるものを用いることが望ましい。
乳化重合凝集法において荷電制御剤を含有させる方法として、重合体一次粒子を得る際に、荷電制御剤をワックスと同時にシードとして用いたり、荷電制御剤をモノマー又はワックスに溶解又は分散させて用いたり、重合体一次粒子及び着色剤と同時に荷電制御剤一次粒子を凝集させて粒子凝集体を形成したり、重合体一次粒子及び着色剤を凝集させて、ほぼトナーとして適当な粒径となった後に、荷電制御剤一次粒子を加えて凝集させることもできる。
○混合工程
本発明の製造法の凝集工程においては、上述の、重合体一次粒子、着色剤粒子、必要に応じて荷電制御剤、ワックスなどの配合成分の粒子は、同時にあるいは逐次に混合して分散するが、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、着色剤粒子分散液、必要に応じ荷電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製しておき、これらを混合して混合分散液を得ることが好ましい。
上記の各粒子の混合分散液を凝集工程で凝集して粒子凝集体を作成するが、この凝集工程においては、1)加熱して凝集を行う方法、2)電解質を加えて凝集を行う方法、3)pHを調整して行う方法などがある。
加熱して凝集を行う場合に、凝集温度としては具体的には、40℃〜Tg+10℃の温度範囲(但し、Tgは重合体一次粒子のガラス転移温度)であり、Tg−10℃〜Tg+5℃の範囲が好ましく、更に好ましい範囲はTg−10℃〜Tgの範囲である。上記温度範囲であれば、電解質を用いることなく好ましいトナー粒径に凝集させることができる。
凝集温度は所定の温度で少なくとも30分保持することにより所望の粒径のトナー粒子とすることが好ましい。所定の温度までは一定速度で昇温してもよいし、ステップワイズに昇温してもよい。保持時間は、Tg−20℃〜Tgの範囲で30分以上8時間以下が好ましく、1時間以上4時間以下が更に好ましい。このようにすることによって、小粒径であり、粒度分布のシャープなトナーを得ることが出来る。
電解質添加量が上記範囲より著しく少ない場合には、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1μm以下の微粉が残ったり、得られた粒子凝集体の平均粒径が3μm以下となるなどの問題を生じる傾向にある。また、電解質添加量が上記範囲より著しく多い場合には、急速で制御の困難な凝集となりやすく、得られた粒子凝集体の中に25μm以上の粗粉が混ざったり、凝集体の形状がいびつで不定形の物になるなどの問題を生じる傾向にある。
○その他の配合成分
本発明においては、上述の凝集処理後の粒子凝集体表面に、樹脂微粒子を被覆(付着又は固着)してトナー粒子を形成することが好ましい。
樹脂微粒子としては、好ましくは体積平均粒径が0.02〜3μm、更に好ましくは0.05〜1.5μm、特に好ましくは0.05〜1.0μmであって、前述の重合体一次粒子に用いられるモノマーと同様なモノマーを重合して得られたもの等を用いることができる。またこの微粒子内には、例えばこの樹脂微粒子を製造する際にシード重合等の方法にてワックスを含んでいてもよく、ワックス以外にも表面性を改質する目的で様々な物質を含むことができる。粒子凝集体に樹脂微粒子を被覆してトナーを形成する場合、樹脂微粒子に用いられる樹脂は、架橋されているものが好ましい。
乳化重合/凝集法においては、凝集で得られた粒子凝集体(トナー粒子)の安定性を増すためにTg+20℃〜Tg+80℃(但し、Tgは重合体一次粒子のガラス転移温度)の範囲で凝集した粒子間の融着を起こす熟成工程を加えることが好ましく、Tg+20℃〜Tg+70℃の範囲が更に好ましくTg+20℃〜Tg+60℃の範囲が特に好ましい。また、この熟成工程では上記の温度範囲に1時間以上保持するのが好ましい。熟成工程を加えることにより、トナー粒子の形状も球状に近いものとすることができ、形状制御も可能になる。この熟成工程は、好ましくは通常0.1時間から10時間であり、更に好ましくは0.1時間から5時間であり、更に好ましくは0.1時間から3時間である。
上記の各工程を経ることにより得た粒子凝集体は、公知の方法に従って固液分離し、粒子凝集体を回収し、次いで、これを必要に応じて、洗浄した後、乾燥することにより目的とするトナー粒子を得ることができる。
このようにして、体積平均粒径が3〜8μmと比較的小粒径のトナーを製造することができる。しかもこうして得られたトナーは、粒度分布がシャープで、高画質及び高速化を達成するための静電荷像現像用トナーとして適したものである。ここで、トナー母粒子の粒径はマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した値とする。
1.0≦Dv/Dn≦1.1のものが特に好ましい。また、Dv/Dnの下限値は1であるが、これは、全ての粒径が等しいことを意味する。このような粒度分布を達成するためには、乳化重合凝集法で製造することが特に好ましい。粒度分布がシャープなトナーである方が、着色剤や帯電制御剤等がより均一に分布して帯電性が均一となり、高精細な画像を形成するのに有利である。なお、個数平均粒径(Dn)の測定も、Dvと同様に行うものとする。
2成分現像剤として用いる場合には、トナーと混合して現像剤を形成するキャリアとしては、公知の鉄粉系、フェライト系、マグネタイト系キャリア等の磁性物質または、それらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性樹脂キャリアを用いる事ができる。
以下の例で「部」とあるのは「重量部」を意味する。また、実写試験は以下の方法により行った。
「実施例1」
<ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−09)27部、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20%アニオン性界面活性剤水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)2.8部、脱塩水67.2部を90℃に加熱してディスパーザーで10分攪拌した。次いでこの分散液を100℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて約15MPaの加圧条件で乳化を開始し、粒度分布計で測定しながら体積平均粒径を200nmまで分散してワックス・長鎖重合性単量体分散液A1(エマルション固形分濃度=30%)を作製した。
下記構造(1)を有するアルキル変性シリコーンワックス27部、65.8%アニオン性界面活性剤水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンSC)0.46部、脱塩水72.54部を90℃に加熱してディスパーザーで10分攪拌した。次いでこの分散液を100℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて約15MPaの加圧条件で乳化を開始し、粒度分布計で測定しながら体積平均粒径が200nmになるまで分散してシリコーンワックス分散液A2を作製した。
<重合体一次粒子分散液A1の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス・長鎖重合性単量体分散液A1 35.6重量部、脱塩水259部を仕込み攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
スチレン 76.8部
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A1を得た。マイクロトラックUPAで測定した体積平均粒子径は200nmであった。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックスシリコーン分散液A2 23.7重量部、20%DBS水溶液1.5重量部、脱塩水326部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を添加した。
[モノマー類]
スチレン 92.5部
アクリル酸ブチル 7.5部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 0.6部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.5部
脱塩水 66.2部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A2を得た。マイクロトラックUPAで測定した体積平均粒子径は260nmであった。
ピグメントイエロー155(クラリアントジャパン社製、Novoperm Yellow 4G)20部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC)1部、非イオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ノイゲンEA80)5部、水80部をサンドグラインダーミルで分散して着色剤分散液Aを得た。マイクロトラックUPAにて計測した粒子の体積平均径は150nmであった。
重合体一次粒子分散液A1 95部 (固形分として)
重合体一次粒子分散液A2 5部 (固形分として)
着色剤微粒子分散液A 6部 (固形分として)
20%DBS水溶液 0.1部(固形分として)
上記の各成分を用いて、以下の手順によりトナーを製造した。
液を滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.29部)。その後攪拌しながら45分かけて52℃に昇温して、その後95分かけて55℃まで昇温した。ここでコールターカウンターにて粒径測定を実施したところ50%体積径が6.6μmであった。その後、重合体一次粒子分散液A2を添加して60分保持し、20%DBS水溶液(固形分として6部)を添加してから30分かけて92℃に昇温して34分保持した。
<着色剤分散液Bの調製>
ピグメントイエロー155をカーボンブラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラックMA100S)に変更する以外は、着色剤分散液Aと同様にして黒色の着色剤分散液Bを得た。マイクロトラックUPAにて計測した粒子の体積平均径は150nmであった。
着色剤分散液Aの代りに着色剤分散液Bを用いる以外は実施例1と同様にして、トナーBを得た。重合体一次粒子分散液A2を添加する前における粒子の50%体積径は6.8μmであった。
<ワックス分散液C1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−09)30部、20%アニオン性界面活性剤水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)1.9部、脱塩水68.5部を90℃に加熱してディスパーザーで10分攪拌した。次いでこの分散液を100℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて約15MPaの加圧条件で乳化を開始し、粒度分布計で測定しながら体積平均粒径が200nmになるまで分散してワックス分散液C1(エマルション固形分濃度=29%)を作製した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス分散液C1 32.2重量部、脱塩水255部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温し、8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を添加した。
スチレン 74.5部
アクリル酸ブチル 25.5部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.8部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.2部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液C1を得た。マイクロトラックUPAで測定した体積平均粒子径は190nmであった。
重合体一次粒子分散液A1の代りに重合体一次粒子分散液C1を用いる以外は実施例1と同様にして、現像用トナーCを得た。重合体一次粒子分散液A2を添加する前における粒子の50%体積径は6.7μmであった。
「比較例2」
<現像用トナーDの製造>
重合体一次粒子分散液A1の代りに重合体一次粒子分散液C1を用いる以外は実施例2と同様にして、トナーDを得た。重合体一次粒子分散液A2を添加する前における粒子の50%体積径は6.6μmであった。
「比較例3」
<ワックス分散液E1の調製>
ペンタエリスリトールワックス(日本油脂製 ユニスター H−476)30部、65.8%アニオン性界面活性剤水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンSC)0.84部、脱塩水69.16部を90℃に加熱してディスパーザーで10分攪拌した。次いでこの分散液を100℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて約15MPaの加圧条件で乳化を開始し、粒度分布計で測定しながら体積平均粒径が200nmになるまで分散してワックス分散液E1(エマルション固形分濃度=31%)を作製した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス分散液E1 54.5重量部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部、8.0%過酸化水素水溶液3.2部、脱塩水351部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
重合反応終了後冷却すると、攪拌翼や重合槽の壁に重合物の塊が付着していた。
[モノマー類]
スチレン 74.0部
ステアリルアクリレート 6.0部
アクリル酸ブチル 20.0部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 1.8部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 2.0部
脱塩水 66.9部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 9.3部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 9.3部
「比較例4」
<ワックス・長鎖重合性単量体分散液F1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−09)24部、ステアリルアクリレート(東京化成社製)5.3部、20%アニオン性界面活性剤水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)1.8部、脱塩水68.6部を90℃に加熱してディスパーザーで10分攪拌した。次いでこの分散液を100℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて約15MPaの加圧条件で乳化を開始し、粒度分布計で測定しながら体積平均粒径が200nmになるまで分散してワックス・長鎖重合性単量体分散液F1(エマルション固形分濃度=27%)を作製した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス・長鎖重合性単量体分散液F1 44.9重量部、脱塩水255部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温し、8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を添加した。
スチレン 74.5部
アクリル酸ブチル 25.5部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.8部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.2部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液F1を得た。マイクロトラックUPAで測定した体積平均粒子径は190nmであった。
重合体一次粒子分散液A1の代りに重合体一次粒子分散液F1を用いる以外は実施例1と同様にして、現像用トナーFを得た。重合体一次粒子分散液A2を添加する前における粒子の50%体積径は6.7μmであった。
<ワックス・長鎖重合性単量体分散液G1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−09)14.3部、ステアリルアクリレート(東京化成社製)15.5部、20%アニオン性界面活性剤水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)1.1部、脱塩水69.1部を90℃に加熱してディスパーザーで10分攪拌した。次いでこの分散液を100℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて約15MPaの加圧条件で乳化を開始し、粒度分布計で測定しながら体積平均粒径が200nmになるまで分散してワックス・長鎖重合性単量体分散液G1(エマルション固形分濃度=29%)を作製した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス・長鎖重合性単量体分散液G1 64.7重量部、脱塩水265部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温し、8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を添加した。
スチレン 74.5部
アクリル酸ブチル 25.5部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.8部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.2部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液Gを得た。マイクロトラックUPAで測定した体積平均粒子径は190nmであった。
重合体一次粒子分散液A1の代りに重合体一次粒子分散液G1を用いる以外は実施例1と同様にして、現像用トナーGを得た。重合体一次粒子分散液A2を添加する前における粒子の50%体積径は6.7μmであった。
2 ワックスドメイン
Claims (5)
- 結着樹脂及びワックスを含有するトナーであって、TEM解析により観察されるワックスドメインの内、下記(1)式を満たすワックスドメインの個数が全体の85.0%以上であり、前記結着樹脂中に炭素数12以上100以下の直鎖状の飽和炭化水素基を有する(メタ)アクリレートを原料とする共重合体が含有され、且つ、前記(メタ)アクリレートの含有率が上記結着樹脂全体の2重量%未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(1)0<A≦500(A:等面積円径(nm)) - TEM解析により観察されるワックスドメインの等面積円径個数分布におけるメインピークが200nm未満に存在することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- TEM解析により観察されるワックスドメインの等面積円径個数分布におけるメインピークが100nm以上に存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナーであって、ワックス及び炭素数12以上100以下の直鎖状の飽和炭化水素基を有する(メタ)アクリレートを含有する水性分散液中に、モノマーを供給し、重合させ、次いで凝集処理を行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記水性分散液の体積分散粒径が2μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005334969A JP4513728B2 (ja) | 2004-11-22 | 2005-11-18 | 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004337714 | 2004-11-22 | ||
JP2005334969A JP4513728B2 (ja) | 2004-11-22 | 2005-11-18 | 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006171716A JP2006171716A (ja) | 2006-06-29 |
JP4513728B2 true JP4513728B2 (ja) | 2010-07-28 |
Family
ID=36672479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005334969A Active JP4513728B2 (ja) | 2004-11-22 | 2005-11-18 | 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4513728B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7901859B2 (en) * | 2007-04-10 | 2011-03-08 | Xerox Corporation | Chemical toner with covalently bonded release agent |
JP5059560B2 (ja) * | 2007-11-12 | 2012-10-24 | 花王株式会社 | 電子写真用トナー |
JP5059561B2 (ja) * | 2007-11-12 | 2012-10-24 | 花王株式会社 | 電子写真用トナー |
JP5515694B2 (ja) * | 2008-12-04 | 2014-06-11 | 三菱化学株式会社 | 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法 |
JP2010156968A (ja) * | 2008-12-04 | 2010-07-15 | Mitsubishi Chemicals Corp | 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法 |
KR20130012770A (ko) * | 2011-07-26 | 2013-02-05 | 주식회사 엘지화학 | 중합 토너 및 이의 제조 방법 |
JP6882922B2 (ja) * | 2017-04-24 | 2021-06-02 | 三井化学株式会社 | トナー用バインダー樹脂、トナー、トナー用バインダー樹脂の製造方法およびトナーの製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11174730A (ja) * | 1997-10-07 | 1999-07-02 | Sharp Corp | 電子写真用トナー及びそのトナーの製造方法 |
JP2000122334A (ja) * | 1998-10-14 | 2000-04-28 | Konica Corp | トナーおよびその製造方法 |
JP2002082487A (ja) * | 2000-06-19 | 2002-03-22 | Mitsubishi Chemicals Corp | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 |
JP2004287185A (ja) * | 2003-03-24 | 2004-10-14 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤並びに画像形成方法 |
-
2005
- 2005-11-18 JP JP2005334969A patent/JP4513728B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11174730A (ja) * | 1997-10-07 | 1999-07-02 | Sharp Corp | 電子写真用トナー及びそのトナーの製造方法 |
JP2000122334A (ja) * | 1998-10-14 | 2000-04-28 | Konica Corp | トナーおよびその製造方法 |
JP2002082487A (ja) * | 2000-06-19 | 2002-03-22 | Mitsubishi Chemicals Corp | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 |
JP2004287185A (ja) * | 2003-03-24 | 2004-10-14 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤並びに画像形成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006171716A (ja) | 2006-06-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4513728B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 | |
US8283097B2 (en) | Process for producing toner for electrostatic charge image development toner for electrostatic charge image development | |
JP2007140076A (ja) | マゼンタトナーの製造方法 | |
JP4209096B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP2005004025A (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP2000035690A (ja) | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 | |
JP3680688B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー及びその製造法 | |
JP5375188B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP4572806B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP4867499B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP2005049862A (ja) | 静電荷現像用トナー | |
JP3917009B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP5630053B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法 | |
JP4794850B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 | |
JP2007322687A (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP2005221968A (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP4271540B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP4935519B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP4189601B2 (ja) | トナー、トナーの製造方法、画像形成方法 | |
JP3877059B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP3972043B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP5088470B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP2004133175A (ja) | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 | |
JP2010038985A (ja) | トナー用着色剤及びトナー並びに現像剤 | |
JP2007065697A (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20070216 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080606 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20090527 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100126 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100324 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100420 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100503 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4513728 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |