JP2005049862A - 静電荷現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バインダー樹脂および着色剤を含有する粒子を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該粒子中に、融点が30〜100℃、表面張力が39mN/m以上である定着助剤を含有し、かつ、該定着助剤が前記粒子中に平均粒径1μm以下で存在することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】 なし
Description
げるなどの方法も考えられるが、その場合には低温定着性が悪化するので、結局、トナーの耐久性と定着性との両立は困難な状況にあった。
(1)低温定着が可能で、定着温度幅が広く、しかも定着強度に優れる。
(2)感光体上へのフィルミング等の汚染が少ない。
(3)帯電性低下による装置内汚染がない。
(4)複数色を重ね合わせるフルカラーの画像形成の場合であっても低温定着が可能で、しかも定着強度に優れ、定着時の表面平滑性が良好で透明性がよい。
(5)非磁性一成分現像方式での使用、さらには接触現像方式での使用においても機械的耐久性が高い。
本発明の静電荷像現像用トナーは、その構成成分として、少なくともバインダー樹脂、定着助剤および着色剤を含み、必要に応じて、ワックス、帯電制御剤、外添微粒子、及びその他の添加剤等を含む。
る。ポリエステル系樹脂やエポキシ樹脂等の中で定着助剤に相溶性の大きな樹脂の場合は、トナー粒子のガラス転移温度が低下して耐熱性が悪化する場合や、低温定着性が悪化する場合がある。
また、前記着色剤は磁性を有していてもよい。磁性着色剤としては、複写機等の使用環境温度である0〜60℃付近においてフェリ磁性或いはフェロ磁性を示す強磁性物質、具体的には、例えば、マグネタイト(Fe3 O4 )、マグヘマタイト(γ−Fe2 O3 )、マグネタイトとマグヘマタイトの中間物や混合物、Mx Fe3-x O4 ;式中、Mは、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Cd等のスピネルフェライト、BaO・6Fe2 O3 、SrO・6Fe2 O3 等の6方晶フェライト、Y3 Fe5 O12、Sm3 Fe5 O12等のガーネット型酸化物、CrO2 等のルチル型酸化物、及び、Cr、Mn、Fe、Co、Ni等の金属或いはそれらの強磁性合金等のうち0〜60℃付近において磁性を示すものが挙げられ、中でも、マグネタイト、マグヘマタイト、またはマグネタイトとマグヘマタイトの中間体が好ましい。非磁性トナーとしての特性を持たせつつ、飛散防止や帯電
制御等の観点で添加する場合は、その添加量は前記バインダー樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜5重量部である。また、磁性トナーとして使用する場合の添加量は、前記バインダー樹脂100重量部に対して20重量部以上、150重量部以下が好ましい。
本発明における定着助剤は、融点が30℃以上、好ましくは40℃以上であり、100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下である。融点が前記範囲を超える場合は、低温定着性が悪化し、前記範囲未満の場合は、トナー中から定着助剤がブリードアウトするため保存安定性が低下する。ここで、定着助剤の融点は、JIS K7121に準拠してDSCを用いて窒素気流下、10℃/分で昇温して測定する。横軸を温度、縦軸を熱量収支とした際の融解ピークのピーク温度を融点とする。また、該定着助剤の融点は、トナーを用いて測定してもよいが、トナー中の含有量が小さい場合や、他の成分の融点と識別が困難な場合があるので、通常、定着助剤として用いる化合物のみを測定した場合の値を適用する。
がある。また、トナーの溶融粘度が低下するため、定着装置の設定条件によっては定着オフセット現象が生じる場合がある。従って、トナー粒子中の定着助剤の平均分散粒径は、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.05μm以上であるのがよい。
1重量部以上、より好ましくは3重量部以上であり、通常40重量部以下、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下が望ましい。定着助剤のトナー中の含有量が前記範囲を超える場合は、トナー表面に露出する定着助剤の量が多くなるため、帯電性や耐久性が低下する場合があり、前記範囲を下回る場合は、充分な低温定着性が得られない場合がある。
定着助剤として用いるポリラクトンは、主としてラクトン類を開環重合して得られる重合体である。ラクトンモノマーは限定されないが、例えば、β−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン等のβ−ラクトン類、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウロラクトン、γ−パルミトラクトン、γ−ステアロラクトン、クロトラクトン、α−アンゲリカラクトン、β−アンゲリカラクトン等のγ−ラクトン類、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、クマリン等のδ−ラクトン類、ε―カプロラクトン、ε−カプリロラクトン、ε−ラウロラクトン、ε−パルミトラクトン等のε−ラクトン類、8〜16員環を有する大環状ラクトン類などが例示され、中でもγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンが好適に用いられ、特にε−カプロラクトンが好ましい。ラクトンを開環して得られるポリラクトンとしては、例えば、ダイセル化学工業株式会社製のプラクセル(商標)200シリーズ(ポリカプロラクトンジオール)、300シリーズ(ポリカプロラクトントリオール)、H1P等が挙げられる。
、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。ポリラクトンの結晶性の点で、ラクトン以外の成分を実質的に含有しない場合が好ましい。更に、ポリラクトンの末端の少なくとも一部を変性した重合体や、重合後にエステル交換反応等によってポリラクトン骨格中に他のエステル形成成分を導入した重合体等も本発明に使用することができる。
子構造、分子量、分子量分布を最適化する方法や、トナーの製造方法を最適化することにより達成することが出来る。ポリラクトンとバインダー樹脂の溶解性パラメータが近いなど、両者の親和性が高い場合は、微分散化する傾向にある。トナーの製造方法としては、溶融混練粉砕法よりも重合法に代表される湿式法の方が、ポリラクトンを微分散化させることができるので好ましい。重合法の中でも、乳化重合凝集法を用いた場合、トナー中のポリラクトンの分散粒径を微細なものにすることができるので好ましい。特に、ポリラクトンをシードとしてバインダー樹脂を乳化重合する方法が好適に用いられる。なお、ポリラクトンの分散粒径の測定において、後述するワックス粒子等が分散混在するためにポリラクトン粒子との分別が困難な場合は、予めワックス粒子等を含有しないトナーを製造して測定することができる。
め良好に定着することができない。
本発明に用いることの出来るワックスは、トナー用途に通常使用され、前記の定着助剤に包含されないものであれば限定されない。具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;シリコーンワックス;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン類;水添ひまし油カルナバワックス等の植物系ワックス;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸より得られるエステル類または部分エステル類;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;ポリラクトン以外の低分子量ポリエステル等が例示される。
また、前記ワックスは、表面張力が、好ましくは35mN/m以下、より好ましくは30mN/m以下、更に好ましくは28mN/m以下であることが望ましく、好ましくは20mN/m以上、より好ましくは24mN/m以上であることが望ましい。
また、前記定着助剤と前記ワックスとの含有量の合計は、トナー100重量部に対し0.15重量部以上が好ましく、より好ましくは1重量部以上であり、40重量部以下であるのが好ましく、より好ましくは30重量部以下、特に好ましくは20重量部以下であるのがよい。
法などにより確認することができる。ワックスの分散粒径が、定着助剤等の他の成分の存在で明確に確認出来ない場合は、これら成分を含まないトナーを本発明のトナーと同様の方法で製造することにより確認することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーを製造する方法としては、従来の溶融混練粉砕法でもよく、また重合法に代表される湿式法でも良いが、定着助剤の分散性の観点から湿式法で製造することが望ましい。
溶融混練粉砕法の場合、バインダー樹脂と定着助剤との混練分散化は通常、ニーダーや押出機を用いて行われるが、剪断による分散化では1μm程度の粒径までの分散化が限界であり、さらなる小粒径化は一般に困難である。また、定着助剤がバインダー樹脂と化学反応する場合や相溶性が特に高い場合は、溶融状態で剪断を受けることにより分子レベルで混合される場合があり、定着助剤としての低温定着性改良の効果が発現しない場合がある。これに対し湿式法においては、湿式分散機を使用するので容易にサブミクロンレベルの小粒径化が可能であるので好ましい。
本発明において乳化重合凝集法とは、乳化重合工程および凝集工程を含むトナーの製造方法を意味し、通常は、重合工程、混合工程、凝集工程、熟成工程、洗浄・乾燥工程を有する。すなわち、一般的には、(a)乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に着色剤および必要に応じて帯電制御剤、ワックス等を混合し、(b)この分散液中の一次粒子を凝集させて粒子凝集体とし、(c)必要に応じて他の微粒子等を付着した後に融着させ、(d)得られた粒子を洗浄、乾燥することにより、トナー粒子が得られる。
(1)重合性モノマーとポリラクトンとを混合し、必要に応じて加熱しながら機械的な分散手段によりモノマー中にポリラクトンを微分散した後に、該モノマーを乳化重合して重合体一次粒子を含む分散液を得る方法。
(2)ポリラクトンを必要に応じて加熱しながら機械的な分散手段により媒体中に分散して得た分散液をシードとし、これに重合性モノマーを滴下して乳化重合を行いポリラクトン内包重合体一次粒子を得る方法。
ポリラクトンをモノマーあるいは水に分散する場合は、分散されたポリラクトン粒子の体積平均粒径が0.01〜0.5μm、好ましくは0.05〜0.3μmに調整することが好ましい。ポリラクトンをモノマーに分散する際には、モノマー中にポリラクトンを加えて必要に応じて加温および/または加圧しながら機械的手段を用いて攪拌すればよい。また、ポリラクトンを水に分散する場合は、ポリラクトンの融点以上の温度、通常は80℃以上、好ましくは80〜90℃に加熱したポリラクトンと熱水とを乳化剤の存在下でホモジナイザー等を用いて高剪断力を加えて処理する方法で行われる。この際、加圧下で行ってもよい。ここで、乳化剤としては、後記するバインダー樹脂の乳化重合に用いる乳化剤と同様のものを使用することができ、同一のものを使用することが好ましい。このように乳化重合凝集トナー製造時に、ポリラクトンの液中分散粒径を予め制御しておくことにより、最終的にトナー中のポリラクトンの分散粒径を制御することが容易であるので好ましい。なお、他の方法によって上記の体積平均粒径としてもよい。
合体一次粒子としてのバインダー樹脂を構成する全モノマー中に占める酸性モノマーおよび塩基性モノマーの合計量は、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下であることが望ましい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナ
トリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類;及びレドックス系開始剤等の一種或いは二種以上が、通常、重合性モノマー100重量部に対して0.1〜3重量部程度の量で用いられる。中でも、開始剤としては少なくとも一部あるいは全部が過酸化水素あるいは有機過酸化物類であるのが好ましい。
前記重合開始剤および懸濁安定剤は、何れも、モノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
乳化重合により得られた重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、通常3μm以下、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下であることが望ましい。粒径が前記範囲未満では、凝集速度の制御が困難となる場合があり、前記範囲超過では、凝集して得られるトナーの粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
乳化重合凝集法における着色剤の配合方法としては、通常、重合体一次粒子の分散液と着色剤粒子の分散液とを混合して混合分散液とした後、これを凝集させて粒子凝集体とする。着色剤は、乳化剤の存在下で水中に乳化させた状態で用いるのが好ましく、着色剤粒子の体積平均粒径が0.01〜3μmであることが好ましい。
乳化重合凝集法における凝集工程においては、上述の、重合体一次粒子、着色剤粒子、必要に応じて帯電制御剤、ワックスなどの配合成分は、同時にあるいは逐次に混合するが、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、着色剤粒子分散液、必要に応じ帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製しておき、これらを混合して混合分散液を得ることが、組成の均一性および粒径の均一性の観点で好ましい。
O4)3、CH3COONa、C6H5SO3Na等が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
凝集温度は、20〜70℃が好ましく、30〜60℃が更に好ましい。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナー粒子の粒径を目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温しても良いし、段階的に昇温することもできる。
乳化重合凝集法においては、凝集で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集した粒子間の融着を起こす熟成工程を加えることが好ましい。熟成工程の温度は、好ましくは一次粒子を構成するバインダー樹脂のTg以上、より好ましくは該Tgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくは該Tgより80℃高い温度以下、より好ましくは該Tgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、一次粒子を構成する重合体のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
凝集体を構成する重合体一次粒子は互いに融着しており、トナー粒子の形状も球状に近いものとすることが可能となる。この様な熟成工程によれば、熟成工程の温度及び時間等を制御することにより、一次粒子が凝集した形状である葡萄型、融着が進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状(円形度)のトナーを製造することができる。
また、前記の乳化重合凝集法により得られた粒子の表面に、例えば、スプレードライ法、in−situ法、或いは液中粒子被覆法等の方法によって、更に、重合体を主成分とする外層を、好ましくは0.01〜0.5μmの厚みで形成させることによって、カプセル化された粒子とすることもできる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、体積平均粒径(Dv)が3〜9μmであることが好ましく、4〜8μmがより好ましく、5〜7μmが更に好ましい。また、体積粒径5.04μm以下の微粉粒子含有割合の下限は好ましくは0.1%以上であり、より好ましくは0.5%以上であり、特に好ましくは1%以上であるのがよく、上限は好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、特に好ましくは5%以下であるのがよい。また、体積粒径12.7μm以上の粗粉粒子含有割合は好ましくは2%以下であり、より好ましくは1%以下であり、特に好ましくは0.5%以下であるのがよい。体積粒径5.04μm以下および体積粒径12.7μm以上の粒子、特に体積粒径12.7μm以上の粗粉粒子は、本来は全く存在しないのが最も好ましいが、実際の製造上は困難であり、除去工程に設備も要することから、前記範囲に制御することが望ましい。体積平均粒径や粒子含有割合が前記範囲を逸脱する場合は高解像度の画像形成に適さない場合があり、前記範囲未満では粉体としての取り扱いが困難な傾向にある。
、精密粒度分布測定装置コールター・カウンター、マルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用いることができる。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、黒色トナー用、カラートナー用、フルカラートナー用の何れにも好適に用いることができる。
感光体の材質は限定されず、セレン等の無機系の感光体であっても、有機光導電体(OPC)であってもよいが、OPCを用いることが好ましい。感光体としてOPCを用いる場合のバインダー樹脂は限定されず、通常OPCに用いられているものであれば限定され
ないが、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられ、中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。また、感光体の形状は限定されず、ドラム状、シート状、ベルト状等の何れであってもよい。
また、本発明では、飛翔現像などのように感光体と現像スリーブ上の現像とが非接触で現像する方式に用いても、感光体と現像スリーブ上の現像とが接触する現像方式に用いてもよいが、接触現像方式である方が現像効率を高める点で好ましい。
転写された未定着画像を定着する装置および方法は限定されないが、通常、熱および/または圧力による定着が好ましく、ローラーやフィルムによる圧着加熱方式を用いることが好ましい。ローラーやフィルムの表面には、トナーの転写材への転写を促進するためにオイル等を添加することもできるが、本発明の静電荷像現像用トナーを現像剤として用いれば、オイル等を添加しなくとも良好な転写を行うことができる。
以下の例で「部」とあるのは「重量部」を意味する。また、熱的特性、表面張力、平均粒径、粒度分布、テトラヒドロフラン(THF)不溶分、分子量分布、円形度、分散粒径、定着性、透明性、帯電量、耐ブロッキング性および実写評価は、それぞれ以下の方法により測定した。
[定着助剤およびワックスの熱的性質]
セイコー電子社製DSC120型を用い、JIS K7121に準拠して、サンプル量10mgで、5〜120℃の範囲を10℃/分で昇温した後に、10℃/分で降温(冷却)して測定した。横軸を温度、縦軸を熱量収支とした際の図より、以下の基準で測定した。
(1)融点: 融解ピークのピーク温度(℃)
(2)融解ピーク半値幅: 融解ピーク高さの半量の位置におけるピーク幅(℃)
(3)融解熱量: 融解ピークの面積から算出(J/g)
(4)結晶化ピーク半値幅: 冷却結晶化ピーク高さの半量の位置におけるピーク幅(℃)
テトラクロロエタン、1−メチルナフタレン、ジヨードメタン、およびα−ブロモナフタレンの4種の液体を用い、Zisman-plotによる接触角法によって測定した。
[分散液中粒子及びトナーの体積平均粒径、個数平均粒径、粒度分布]
粒度分布測定機であるホリバ社製LA−500、日機装社製マイクロトラックUPA(ultraparticle analyzer)及びベックマンコールター社製マルチサイザーII型(以下、マルチサイザーと略す。)を適宜使用して測定した。
[トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分]
試料1gをTHF100gに加え25℃で24時間静置溶解し、セライト10gを用いて濾過し、濾液の溶媒を留去してTHF可溶分を定量し、1gから差し引いてTHF不溶分を算出した。
上記THF不溶分測定における濾液を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した(装置:東ソー社製GPC装置 HLC−8020、カラム:ポリマーラボラトリー 社製 PL−gel Mixed−B 10μ、溶媒:THF、
試料濃度:0.1重量%、検量線:標準ポリスチレン)。
[トナーのガラス転移温度(Tg)]
パーキンエルマー社製DSC7により測定した。30℃から100℃までを7分間で昇温し、100℃から−20℃まで急冷し、−20℃から100℃までを12分間で昇温して、2回目の昇温時に観察されたTgの値を用いた。
[トナーの50%円形度]
フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製「FPIA−2100」)にてトナーを測定し、下記式より求められた値の累積50%値に相当する円形度を用いた。
[帯電量]
トナーを非磁性1成分式現像装置の現像槽(カシオ社製ColorPagePrestoN4現像槽)に投入し、駆動装置にて現像槽の現像ローラを約150rpmで回転させた後、q/mメーター(トレックジャパン社、モデル210HS)を用いてローラ上のトナーを濾紙(ワットマン・グレード1)上に吸引し、表示される静電容量と吸引した濾紙上のトナー重量からトナー単位重量あたりの帯電量を求めた。
トナー粒子をウルトラミクロトーム等で凍結切削し、四酸化ルテニウム等により染色し、透過型電子顕微鏡(TEM)の複数視野観察により個数基準の分散粒径を計測した。トナー中にポリラクトン粒子以外にワックス粒子が分散混在する場合は、ワックスを含まないトナーを製造して計測した。また、個々の分散径は、相当面積をもつ円の直径として算出した。
[耐ブロッキング性]
現像用トナー10gを円筒形の容器に入れ、20gの荷重をのせ、50℃の環境下に5時間放置した後トナーを容器から取り出し、上から荷重をかけることで凝集の程度を確認した。
良好 :荷重をかけなくても崩れ、凝集なし。
実用可:凝集しているが50g未満の荷重で崩れる。
不良 :凝集していて50g以上の荷重をかけても崩れない。
未定着のトナー像(付着量約0.6mg/cm2の帯状ベタ画像)を担持したA4サイ
ズの記録紙を用意し、加熱ローラの表面温度を100℃から220℃まで5℃刻みで変化させ、定着ニップ部に搬送し、排出された時の定着状態を観察した。定着機の加熱ローラは、芯金としてアルミニウム、弾性体層としてJIS−A規格によるゴム硬度3゜のジメチル系の低温加硫型シリコーンゴム1.5mm厚、離型層としてPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)50μm厚が用いられており、直径は30mm、日本ゴム協会規格SRIS 0101に準拠して測定される定着ローラ表面のゴム硬度は80である。シリコンオイルの塗布なしで、ニップ幅4mm、定着速度120mm/秒で実施した。なお、評価範囲が100℃から220℃であるため、定着温度の上限が220℃と記載のものについては、定着温度の真の上限はさらに高い可能性がある。定着温度幅の評価は、定着後の記録紙上にトナーのオフセットが生じず、トナーが十分に記録紙に接着している温度領域を定着温度領域とした。この評価においては、低温側の温度が140℃以下であり、かつ定着温度幅(高温側と低温側の定着温度の差)が70℃以上であるのが良好と判定できる。
150℃で定着したときのベタ画像を4cm×4cmの正方形に切り出した後、二つ折りを対角線方向で1回ずつ行い、その交点付近の折り曲げ前の画像濃度に対する折り曲げ
後の画像濃度の割合%で示した。90%以上が良好、80%以上90%未満が実用可、80%未満は不良と判断した。
[透明性]
マゼンタ、シアン、イエローの3色のトナーについて、定着温度幅を測定したものと同じ定着ローラを用いてOHPシート上の未定着ベタのトナー像(トナー付着量約0.6mg/cm2)をシリコーンオイルの塗布なし、定着速度30mm/秒、180℃の条件で定着させた後、分光光度計(日立製作所社製 U−3210)で、400nm〜700nmの波長範囲で透過率を測定し、最も透過率の高かった波長における透過率(最大透過率(%))と最も透過率の低かった波長における透過率(最小透過率(%))の差(最大透過率−最小透過率)を値として用いて透明性を評価した。透過率が65%以上であれば透明性は良好と判断した。
非磁性一成分接触現像方式のフルカラープリンター(カシオ社製ColorPage PrestoN4)を用い、単色画像評価及びフルカラー画像評価を行った。
<ポリラクトン分散液Aの調製>
ε−カプロラクトンを開環重合して得られた数平均分子量2500のポリラクトンジオール(表面張力46mN/m、融点55℃、融解熱量110J/g、融解ピーク半値幅8.1℃、結晶化ピーク半値幅5.5℃)30部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC)0.3部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセノールKH17)0.3部、脱塩水70部を90℃に加熱してディスパーザーで10分攪拌した。次いでこの分散液を100℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて約15MPaの圧力条件で乳化を開始し、都度サンプリングして日機装社製マイクロトラックUPAで平均粒径を測定しながら調整し、ポリラクトン分散粒子の体積平均粒径が0.11μmであるポリラクトン分散乳液Aを調整した。
ε−カプロラクトンを開環重合して得られた数平均分子量7000のポリラクトンジオール(表面張力46mN/m、融点60℃、融解熱量105J/g、融解ピーク半値幅8.8℃、結晶化ピーク半値幅5.9℃)を用いる以外は、ポリラクトン分散液Aの調製と全く同様にしてポリラクトン分散液Bを作製した。分散液B中のポリラクトン分散粒子の体積平均粒径は0.18μmであった。
下記構造(1)を有するアルキル変性シリコーンワックス(表面張力27mN/m、融点63℃、融解熱量97J/g、融解ピーク半値幅10.9℃、結晶化ピーク半値幅17.0℃)30部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC)0.3部、脱塩水70部を90℃に加熱してディスパーザーで10分攪拌した。次いでこの分散液を100℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて約15MPaの加圧条件で乳化を開始し、ポリラクトン分散液と同様、粒度分布計で測定しながら体積平均粒径を約0.2μmまで分散してワックス分散液Aを作製した。
<ワックス分散液Bの調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−11、表面張力28mN/m、融点74℃、融解熱量220J/g、融解ピーク半値幅8.2℃、結晶化ピーク半値幅13.0℃)を用いる以外はワックス分散液Aの調製と全く同様にして、平均粒径0.2μmまで分散して試験トナー製造用ワックス分散液Cを調整した。
<着色剤分散液Aの調製>
カーボンブラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラックMA100S)20部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC)1部、非イオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ノイゲンEA80)5部、水80部をサンドグラインダーミルで分散して黒色の着色剤分散液Aを得た。マイクロトラックUPAにて計測した粒子の体積平均径は約0.15μmであった。
カーボンブラックをピグメントレッド122(クラリアントジャパン社製、Hostaperm Pink E−WD)に変更する以外は着色剤分散液Aの調製と同様にしてマゼンタ色の着色剤分散液Bを得た。粒子の体積平均径は約0.20μmであった。
<着色剤分散液Cの調製>
カーボンブラックをピグメントブルー15:3(クラリアントジャパン社製、Hostaperm Blue B2G)に変更する以外は着色剤分散液Aの調製と同様にしてシアン色の着色剤分散液Cを得た。粒子の体積平均径は約0.15μmであった。
<着色剤分散液Dの調製>
カーボンブラックをピグメントイエロー155(クラリアントジャパン社製、Novoperm Yellow 4G)に変更する以外は着色剤分散液Aの調製と同様にしてイエロー色の着色剤分散液Dを得た。粒子の体積平均径は約0.15μmであった。
ポリラクトンおよびワックス分散液にモノマーを滴下して乳化重合を行い、その後凝集・熟成によりトナーを得る方法を次の手順で行った。
<重合体一次粒子分散液Aの製造>
攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・添加剤仕込み装置を備えた反応器に、以下のポリラクトン分散液A、ワックス分散液A、及び脱塩水を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した。
ワックス分散液A 1部
脱塩水 365部
次いで、反応器の温度を90℃に保持したまま、以下のモノマー類、乳化剤水溶液、及び重合開始剤等からなる混合物を5時間かけて加え、前記ポリラクトン粒子及びワックス粒子をシードとして乳化共重合させた。
[モノマー類]
スチレン 79部
アクリル酸ブチル 21部
アクリル酸 3部
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 1部
トリクロロブロモメタン(連鎖移動剤) 1.3部
[乳化剤水溶液]
10%乳化剤(ネオゲンSC)水溶液 12部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 43部
8%アスコルビン酸水溶液 43部
その後、冷却することにより、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸系共重合体の一次粒子分散液Aを得た。日機装社製マイクロトラックUPAにて計測される粒子の体積平均粒径は、0.26μmであった。
<母粒子Aの製造>
上記で得られた重合体一次粒子分散液Aの100部に着色剤分散液Aの6部を加え、ディスパーザーで分散攪拌しながら、硫酸アルミニウム水溶液(一次粒子分散液A100部に対して固形分として0.5部)を滴下し、攪拌下に30分かけて50℃に昇温して1時間保持し、更に、攪拌下に52℃に昇温することにより凝集工程を行った。一次粒子凝集体としての体積平均粒径が約7μmとなった時点で、ネオゲンSC水溶液(一次粒子分散液A100部に対して固形分として3部)を添加して凝集工程を終了し、引き続き攪拌下に50分かけて97℃に昇温して1.5時間保持して熟成工程を行った。その後、冷却、濾過、水洗、乾燥することにより、一次粒子凝集・熟成体として黒色のトナー母粒子Aを得た。
<トナーAの製造>
得られたトナー母粒子Aの100部に対して、シリコーンオイルで疎水化処理された平均一次粒径0.04μmのシリカ微粒子0.5部と、シリコーンオイルで疎水化処理された平均一次粒径0.012μmのシリカ微粒子2.0部とを添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌、混合してトナーA(黒色)を得た。
トナーAをOPC感光体を有する接触型非磁性一成分現像方式のタンデム型フルカラープリンター(カシオ社製ColorPagePresto N4)の黒現像機に約200g投入し、5%の印字パターンにより約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明な黒色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Bを用いる以外は実施例1と全く同様にしてマゼンタ色の母粒子Bを得、以下、実施例1と全く同様にしてマゼンタ色のトナーBを得た。
得られたトナーBについて、実施例1と同様に測定した結果を表2に、実施例1と同様に評価した耐ブロッキング性、定着温度幅、折り曲げ定着強度の結果を表3に示す。また、透明性は72%と良好であった。
トナーBをマゼンタ現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なマゼンタ色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像
汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Cを用いる以外は実施例1と全く同様にしてシアン色の母粒子Cを得、以下、実施例1と全く同様にしてシアン色のトナーCを得た。
得られたトナーCについて、実施例1と同様に測定した結果を表2に、実施例1と同様に評価した耐ブロッキング性、定着温度幅、折り曲げ定着強度の結果を表3に示す。また、透明性は76%と良好であった。
トナーCをシアン現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なシアン色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Dを用いる以外は実施例1と全く同様にしてイエロー色の母粒子Dを得、以下、実施例1と全く同様にしてイエロー色のトナーDを得た。
得られたトナーDについて、実施例1と同様に測定した結果を表2に、実施例1と同様に評価した耐ブロッキング性、定着温度幅、折り曲げ定着強度の結果を表3に示す。また、透明性は71%と良好であった。
トナーDをイエロー現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なイエロー色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
表1に示すポリラクトン分散液、ワックス分散液、着色剤分散液を用いる以外は実施例1と同様にして、表1に示す各色のトナーE〜Pを得た。途中、重合体一次粒子分散液の体積平均粒径を日機装社製マイクロトラックUPAで計測した結果を表1に示す。
実施例1と同様に測定および評価を行った結果について、表2および3に示す。
ポリラクトン分散液を用いない比較例1〜4(トナーM,N,O,P)では、定着温度幅、定着強度の面で問題があり、また透明性も実施例より劣った。また、非磁性一成分現像方式での実写評価では何れのトナーも大よそ3000枚程度で装置内への飛散が見られるようになり、トナーとしての帯電安定性に問題があるものと推定された。
接触型非磁性一成分現像方式のタンデム型フルカラープリンター(カシオ社製ColorPagePresto N4)の4色の現像器にそれぞれ黒、マゼンタ、シアン、イエローの各色に対応するトナーA,B,C,Dを充填した後、JIS X9201:2001(高精細カラーディジタル標準画像)に規定される識別番号N5のパターンによりフルカラー画像を連続で約200回形成して画像を評価した。
トナーA,B,C,Dを用いる代わりに、トナーE,F,G,Hを充填した以外は実施例13と同様にして、フルカラー画像を連続で約200回形成して画像を評価した。
その結果、初期から200枚まで、良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なフルカラー画像を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
トナーA,B,C,Dを用いる代わりに、トナーI,J,K,Lを充填した以外は実施例13と同様にして、フルカラー画像を連続で約200回形成して画像を評価した。
その結果、初期から200枚まで、良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なフルカラー画像を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
ワックス分散液にポリラクトンおよびモノマーを滴下して乳化重合を行い、その後凝集
・熟成によりトナーを得る方法を次の手順で行った。
<重合体一次粒子分散液Qの製造>
攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・添加剤仕込み装置を備えた反応器に、以下のワックス分散液A、及び脱塩水を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した。
脱塩水 365部
次いで、以下の処方量でポリラクトン(ε−カプロラクトンを開環重合して得られた数平均分子量2500、融点55℃のもの)をモノマー類に添加した後、その混合物と下記の乳化剤水溶液及び重合開始剤水溶液等からなる混合物を5時間かけて加え、前記ワックス粒子をシードとして乳化共重合させた。
[ポリラクトン] 5部
[モノマー類]
スチレン 79部
アクリル酸ブチル 21部
アクリル酸 3部
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 1部
トリクロロブロモメタン(連鎖移動剤) 1.3部
[乳化剤水溶液]
10%乳化剤(ネオゲンSC)水溶液 12部
ポリビニルアルコール 0.3部
(日本合成化学工業社製、ゴーセノールKH17)
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 43部
8%アスコルビン酸水溶液 43部
その後、冷却することにより、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸系共重合体の一次粒子分散液Qを得た。日機装社製マイクロトラックUPAにて計測される粒子の体積平均粒径は、0.25μmであった。
<トナーQの製造>
重合体一次粒子分散液Aの代わりに上記で得られた重合体一次粒子分散液Qを用いる以外は実施例1と全く同様にして黒色の母粒子Qを得、以下、実施例1と全く同様にして黒色のトナーQを得た。
トナーQを黒現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明な黒色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
[実施例17]
着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Bを用いる以外は実施例16と全く同様にしてマゼンタ色の母粒子Rを得、以下、実施例16と全く同様にしてマゼンタ色のトナーRを得た。
トナーRをマゼンタ現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像
度等の画質であり、鮮明なマゼンタ色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Cを用いる以外は実施例16と全く同様にしてシアン色の母粒子Sを得、以下、実施例16と全く同様にしてシアン色のトナーSを得た。
得られたトナーSについて、実施例1と同様に測定した結果を表5に、実施例1と同様に評価した耐ブロッキング性、定着温度幅、折り曲げ定着強度の結果を表6に示す。また、透明性は77%と良好であった。
トナーSをシアン現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なシアン色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Dを用いる以外は実施例16と全く同様にしてイエロー色の母粒子Tを得、以下、実施例16と全く同様にしてイエロー色のトナーTを得た。
得られたトナーTについて、実施例1と同様に測定した結果を表5に、実施例1と同様に評価した耐ブロッキング性、定着温度幅、折り曲げ定着強度の結果を表6に示す。また、透明性は70%と良好であった。
トナーTをイエロー現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なイエロー色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
トナーA,B,C,Dを用いる代わりに、トナーQ,R,S,Tを充填した以外は実施例13と同様にして、フルカラー画像を連続で約200回形成して画像を評価した。
その結果、初期から200枚まで、良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なフルカラー画像を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
ポリラクトン分散液にモノマーを滴下して乳化重合を行い、その後ワックス分散液を加えて凝集・熟成によりトナーを得る方法を次の手順で行った。
<重合体一次粒子分散液Uの製造>
攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・添加剤仕込み装置を備えた反応器に、以下のポリラクトン分散液A、及び脱塩水を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した。
脱塩水 365部
次いで、反応器の温度を90℃に保持したまま、以下のモノマー類、乳化剤水溶液、及び重合開始剤等からなる混合物を5時間かけて加え、前記ポリラクトン粒子をシードとし
て乳化共重合させた。
[モノマー類]
スチレン 79部
アクリル酸ブチル 21部
アクリル酸 3部
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 1部
トリクロロブロモメタン(連鎖移動剤) 1.3部
[乳化剤水溶液]
10%乳化剤(ネオゲンSC)水溶液 12部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 43部
8%アスコルビン酸水溶液 43部
その後、冷却することにより、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸系共重合体の一次粒子分散液Uを得た。日機装社製マイクロトラックUPAにて計測される粒子の体積平均粒径は、0.26μmであった。
上記で得られた重合体一次粒子分散液Uの100部にワックス分散液Aの1部と着色剤分散液Aの6部を加え、ディスパーザーで分散攪拌しながら、硫酸アルミニウム水溶液(一次粒子分散液U100部に対して固形分として0.5部)を滴下し、攪拌下に30分かけて50℃に昇温して1時間保持し、更に、攪拌下に52℃に昇温することにより凝集工程を行った。一次粒子凝集体としての体積平均粒径が約7μmとなった時点で、ネオゲンSC水溶液(一次粒子分散液U100部に対して固形分として3部)を添加して凝集工程を終了し、引き続き攪拌下に50分かけて97℃に昇温して1.5時間保持して熟成工程を行った。その後、冷却、濾過、水洗、乾燥することにより、一次粒子凝集・熟成体として黒色のトナー母粒子Uを得た。以下、実施例1と全く同様にして黒色のトナーUを得た。
トナーUを黒現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明な黒色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
[実施例22]
着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Bを用いる以外は実施例21と全く同様にしてマゼンタ色の母粒子Vを得、以下、実施例21と全く同様にしてマゼンタ色のトナーVを得た。
トナーVをマゼンタ現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なマゼンタ色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
[実施例23]
着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Cを用いる以外は実施例21と全く同様にしてシアン色の母粒子Wを得、以下、実施例21と全く同様にしてシアン色のトナーWを得た
。
トナーWをシアン現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なシアン色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
[実施例24]
着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Dを用いる以外は実施例21と全く同様にしてイエロー色の母粒子Xを得、以下、実施例21と全く同様にしてイエロー色のトナーXを得た。
トナーTをイエロー現像機に約200g投入する以外は実施例1と同様にして約6000枚の単色画像による実写評価を行ったが、終了時点まで良好な画像濃度、カブリ、解像度等の画質であり、鮮明なイエロー色を呈した。その間、感光体フィルミングによる画像汚染やトナーの帯電低下による装置内汚染がなく、また非磁性一成分現像機の現像ローラやブレードにトナー融着もなく、機械的耐久性も良好であった。
[実施例25]
トナーA,B,C,Dを用いる代わりに、トナーU,V,W,Xを充填した以外は実施例13と同様にして、フルカラー画像を連続で約200回形成して画像を評価した。
Claims (14)
- バインダー樹脂および着色剤を含有する粒子を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該粒子中に、融点が30〜100℃、表面張力が39mN/m以上である定着助剤を含有し、かつ、該定着助剤が前記粒子中に平均粒径1μm以下で存在することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 該定着助剤の表面張力が42mN/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該定着助剤が、半値幅10℃以下の融解ピークを有することを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該定着助剤が、半値幅12℃以下の結晶化ピークを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 該定着助剤が、数平均分子量500〜6万、かつ、水酸基を有する化合物であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 該定着助剤がポリラクトンであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 湿式重合法により製造されてなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 乳化重合凝集法により製造されてなることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
- ワックスを含有することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 定着助剤を含有する重合体一次粒子と着色剤粒子とを凝集して粒子凝集体とする工程を経て得られることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 定着助剤およびワックスを含有する重合体一次粒子と着色剤粒子とを凝集して粒子凝集体とする工程を経て得られることを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナー。
- 定着助剤を含有する重合体一次粒子、着色剤粒子、及びワックス微粒子を凝集して粒子凝集体とする工程を経て得られることを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナー。
- フルカラーによる画像形成に用いることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 接触現像方式の画像形成方法に用いることを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
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