JP2005221968A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 湿式法により生成され、かつ、水に湿潤状態であるトナー母粒子を乾燥する工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、該乾燥工程前における前記水の導電度が50μS/cm以下であり、該乾燥工程が少なくとも1種の固体微粒子の存在下になされることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【選択図】 なし
Description
のようにすれば粗大粒子を発生させずに外添剤を外添することができ、しかも帯電特性が良好かつ安定したトナーを得ることが出来るのかは明らかでなかった。特に、非磁性1成分現像に用いるトナーには高い帯電性が要求されるため多量の外添剤を添加する必要があるが、このようなトナーにおいては前記の問題が顕著であった。
本発明の製造方法による静電荷像現像用トナーは、少なくともバインダー樹脂および着色剤を含み、必要に応じて、ワックス、帯電制御剤及びその他の添加剤等を含むトナー母粒子に、固体微粒子が外添されてなるものである。
本発明に用いられるバインダー樹脂としては、トナーに適した公知の種々のものが使用でき、例えば、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、シリコーン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられ、これらの混合物であってもよい。本発明に用いるのに特に好ましい樹脂としては、スチレン系樹脂を挙げることができる。
アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル−アクリル酸共重合体等)、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体(スチレン−アクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル−メタクリル酸共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル−アクリル酸共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル−メタクリル酸共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレンまたはスチレン誘導体を含む単独重合体または共重合体が挙げられ、これらの混合物であってもよい。中でも、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体の中から選ばれる酸基を有する少なくとも1種のバインダー樹脂であるのが、トナーとした時の定着性や耐久性の面で優れ、しかもトナーの帯電安定性が向上するのでより好ましい。なお、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルにおけるエステル基は限定されないが、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、オクチルエステル、フェニルエステル等が挙げられる。
シアントラキノン類の金属塩等の媒染染料、フタロシアニンブルー、スルホン酸銅フタロシアニン等のフタロシアニン系、キナクリドンレッド、キナクリドンバイオレット等のキナクリドン系やジオキサン系等の有機系顔料、アニリン黒、アゾ染料、ナフトキノン染料、インジゴ染料、ニグロシン染料、フタロシアニン染料、ポリメチン染料、ジ及びトリアリルメタン染料等の合成染料などが挙げられ、これらの2種以上を併用することもできる。
また、前記着色剤は磁性を有していてもよく、磁性着色剤としては、複写機等の使用環境温度である0〜60℃付近においてフェリ磁性或いはフェロ磁性を示す強磁性物質、具体的には、例えば、マグネタイト(Fe3 O4 )、マグヘマタイト(γ−Fe2 O3 )、マグネタイトとマグヘマタイトの中間物や混合物、Mx Fe3-x O4 ;式中、Mは、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Cd等のスピネルフェライト、BaO・6Fe2 O3 、SrO・6Fe2 O3 等の6方晶フェライト、Y3 Fe5 O12、Sm3 Fe5 O12等のガーネット型酸化物、CrO2 等のルチル型酸化物、及び、Cr、Mn、Fe、Co、Ni等の金属或いはそれらの強磁性合金等のうち0〜60℃付近において磁性を示すものが挙げられ、中でも、マグネタイト、マグヘマタイト、またはマグネタイトとマグヘマタイトの中間体が好ましい。非磁性トナーとしての特性を持たせつつ、飛散防止や帯電制御等の観点で添加する場合は、その添加量は前記バインダー樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜5重量部である。また、磁性トナーとして使用する場合の添加量は、前記バインダー樹脂100重量部に対して20重量部以上、150重量部以下が好ましい。
前記ワックスはトナー用途に通常使用されているものであれば限定されず、具体的には低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;アルキル基を有するシリコーンワックス;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン類;水添ひまし油カルナバワック
ス等の植物系ワックス;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸より得られるエステル類または部分エステル類;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が例示される。本発明に好適なワックスとしては、エステル系ワックス、パラフィンワックス、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックスや、アルキル基を有するシリコーンワックスから選択することにより好適に使用できる。また、ワックスは、DSCによる吸熱ピークを50〜100℃に少なくとも1つ有するのがよい。
本発明における静電荷像現像用トナー中のワックスの分散粒径は、平均粒径として好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上であり、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下である。平均粒径が前記範囲未満では、トナーの離型性改良の効果が充分でない場合があり、また前記範囲超過では、トナーの表面に露出しやすくなり帯電性や耐熱性が低下する場合がある。なお、ワックスの分散粒径は、トナーを薄片化して電子顕微鏡観察する方法の他、ワックスが溶解しない有機溶剤等でトナーのバインダー樹脂を溶解し、溶液中のワックスの粒径を計測する方法などにより確認することができる。
以下に、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法について、詳細に説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法では、実質的に、懸濁重合法、乳化重合凝集法などの重合法や溶剤析出法(化学粉砕法)など、湿式法により得られたトナー母粒子を用いるが、本発明の効果を損なわない範囲内において、その一部が溶融混練粉砕法などの乾式法によるトナー母粒子で置換されていてもよい。湿式法によるトナー母粒子の中では、懸濁重合法または乳化重合凝集法により得られるものが好ましく、特に乳化重合凝集法によるものが好ましい。
は30〜200℃、より好ましくは60〜100℃が望ましく、重合時の圧力は、加圧下、常圧下、減圧下の何れであってもよい。また、重合時間は、好ましくは1〜15時間、より好ましくは3〜10時間が望ましい。
懸濁重合分散剤としては、公知の燐酸カルシウム、タルク、ベントナイト、ケイ酸、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等、水系媒体に難溶性または不溶性の無機粉末などが使用され、その添加量は水系媒体100重量部に対して好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは1〜3重量部である。懸濁重合分散剤の量は、製造される樹脂の粒度分布に影響を与え、量を多くすると粒径は細かくなる。
本発明におけるトナー母粒子を溶剤析出法(化学粉砕法)で製造する場合、従来公知の方法に従って行うことができる。すなわち、通常は、バインダー樹脂が溶解する溶剤に、バインダー樹脂及び着色剤、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、磁性体等を溶解または分散させ、この溶液をバインダー樹脂にとって溶解性の低い液体と混合することによって粒子を析出させてトナー母粒子を得る。
乳化重合凝集法によりトナー母粒子を製造する場合、通常、乳化重合工程、混合工程、凝集工程、熟成工程を有する。すなわち、一般的には、乳化重合により得られたバインダー樹脂としての重合体一次粒子を含む分散液に、着色剤、必要に応じて帯電制御剤、ワックス等を混合し、この分散液中の一次粒子を凝集、熟成させて体積平均粒径3〜8μm程度の粒子凝集体とし、得られたトナー母粒子を洗浄、乾燥することにより得られる。
在していてもよい。中でも、酸性モノマーを用いるのが好ましく、より好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸であるのがよい。
その他のモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、アクリル酸アミド等が挙げられ、モノマーは、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類等の一種或いは二種以上が、通常、重合性単量体100重量部に対して0.1〜3重量部の量で用いられる。また、これらの重合開始剤に、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸等の還元性有機化合物類、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物類等の還元剤の一種或いは二種以上を併用したレドックス系開始剤とすることもできる。中でも、開始剤としては過酸化水素、有機過酸化物類、アゾ系化合物類が好ましい。
前記重合開始剤および懸濁安定剤は、何れも、モノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
乳化重合により得られた重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、通常3μm以下、好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm以下であることが望ましい。粒径が前記範囲未満では、凝集工程において凝集速度の制御が困難となる場合があり、前記範囲超過では、凝集して得られるトナーの粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
乳化重合凝集法におけるワックスの配合方法としては、予め水中に体積平均径0.01〜2.0μm、より好ましくは0.01〜0.5μmに乳化分散したワックス乳液を乳化
重合時に添加するか、あるいは凝集工程で添加することが好ましい。トナー中に好適な分散粒径でワックスを分散させるためには、乳化重合時にワックスをシードとして添加することが好ましい。シードとして添加することにより、ワックスがトナー中に微細かつ均一に分散するため、トナーの帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。
乳化重合凝集法における凝集工程においては、上述の、重合体一次粒子、着色剤粒子、必要に応じて帯電制御剤、ワックスなどの配合成分は、同時にあるいは逐次に混合するが、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、着色剤粒子分散液、必要に応じ帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製しておき、これらを混合して混合分散液を得ることが、組成の均一性および粒径の均一性の観点で好ましい。
O4)3、CH3COONa、C6H5SO3Na等が挙げられる。
前記電解質の添加量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100重量部に対して、通常0.05〜25重量部、好ましくは0.1〜15重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部である。添加量が前記範囲未満の場合は、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1μm以下の微粉が残ったり、得られた粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しないなどの問題を生じる場合があり、前記範囲超過の場合は、急速な凝集となりやすく粒径の制御が困難となり、得られた凝集粒子中に粗粉や不定形のものが含まれるなどの問題を生じる場合がある。電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は限定されないが、20〜70℃が好ましく、30〜60℃が更に好ましい。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナー粒子の粒径を目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温しても良いし、段階的に昇温することもできる。
微粒子で被覆することにより、帯電性や耐熱性を向上できる場合がある。該樹脂微粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.02〜3μm、より好ましくは0.05〜1.5μmである。樹脂微粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられるモノマーと同様なモノマーを重合して得られたもの等を用いることができるが、中でも多官能性モノマーを原料に含む架橋樹脂が好ましく、また、重合体一次粒子のTgよりも高いTg、好ましくは5℃以上高いTgをもつことが望ましい。
乳化重合凝集法においては、凝集で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、通常、凝集した粒子間の融着を起こす熟成工程を加える。該熟成工程の温度は、好ましくは一次粒子を構成するバインダー樹脂のTg以上、より好ましくは該Tgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくは該Tgより80℃高い温度以下、より好ましくは該Tgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、一次粒子を構成する重合体のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
もできる。このような洗浄工程を経ることによって、懸濁安定剤や乳化剤、溶剤、未反応の残存モノマー等を低減、除去することが出来るため好ましい。該洗浄工程は、洗浄する液体を、例えば濾過、デカンテーション等することによってトナーを濃縮或いはウエットケーキ状とし、これに新たに洗浄するための液体を加えてトナーを分散する操作を繰り返すことが好ましい。また、洗浄後のトナーは、ウエットケーキ状に回収することが、引き続き行われる乾燥工程における取り扱いの面で好ましい。
トナー母粒子の形状は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定した50%円形度が、好ましくは0.90以上、より好ましくは0.92以上、更に好ましくは0.94以上である。50%円形度が前記範囲未満の場合は、外添剤の付着不良による帯電悪化から画像濃度の低下を引き起こす場合がある。また、該50%円形度は、0.98以下であることが望ましい。50%円形度が前記範囲超過の場合はクリーニング不良となる場合がある。
また、本発明における乾燥工程では、該乾燥工程前においてトナー母粒子を湿潤させている水の導電度が特定の範囲であることを特徴とする。すなわち、水の導電度は、50μS/cm以下、好ましくは40μS/cm以下、より好ましくは20μS/cm以下、更に好ましくは10μS/cm以下、特に好ましくは5μS/cm以下である。水の導電度が前記範囲超過の場合は、トナー母粒子表面への固体微粒子の均一被覆が阻害されたり、トナー母粒子同士や固体微粒子同士、及び固体微粒子を介したトナー母粒子の凝集により粗大粒子が発生する。さらに、導電度が前記範囲超過であると、トナーの帯電を阻害する物質が乾燥後の固体微粒子表面に残留することとなり、その結果、トナーに必要な帯電性が得られず、良好で安定した画像が得られない。本発明では、外添微粒子の存在下で水分を乾燥するため、乾燥前における水の導電度を特定範囲とすることが重要である。また、前記導電度はできるだけ低いことが望ましいが、実用上は、通常0.5μS/cm以上である。なお、該導電度は、ラコムテスターを用いて測定することができる。
乾燥工程前の水の導電度を前記範囲とするための手段は限定されるものではないが、例えば、前記のトナー母粒子の洗浄工程において、導電度の低い水を用いて洗浄するとよい。洗浄に用いる水の導電度は、好ましくは、20μS/cm以下、より好ましくは5μS/cm以下、更に好ましくは2μS/cm以下、特に好ましくは1μS/cm以下であるのが望ましい。また、トナー母粒子の内部に存在して水の導電度を上げる物質を効率よく除去するために、水による洗浄回数を増やす、トナー母粒子に対して大量の水で洗浄する、温水や熱水で洗浄する等の方法や、前記のような酸またはアルカリを用いた洗浄を併用
する等の方法によって達成することができる。さらには、水とともに水と相溶する有機溶剤を用いて抽出洗浄を行うことや、水と非相溶の有機溶剤を用いて懸濁攪拌して抽出洗浄することもできる。
ボンブラックや導電性カーボンブラック等が好適に使用され、特に、疎水化されたシリカが好ましい。
また、前記固体微粒子は、異なる2種以上を併用することもでき、表面処理されたものと表面処理されていないものを併用することや、異なる表面処理がされたものを併用することもでき、正帯電性のものと負帯電性のものを適宜組み合わせて使用することもできる。
乾燥するとトナーの粗粉化及び機器への融着を引き起こし、歩留まりやトナーとしての性能に悪影響を与える場合がある。
乾燥工程を経て、トナー母粒子の表面に固体微粒子が付着して得られたトナー粒子の含水率は、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。乾燥工程後のトナー粒子の含水率が前記範囲超過の場合は、固体微粒子のトナー母粒子への付着が不充分なため、固体微粒子が凝集して画像形成時の印字部に白斑を生じる場合がある。乾燥後の含水率の下限は限定されないが、生産効率の面では、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.1%以上である。ここで、乾燥工程後のトナー粒子の含水率とは、実質的に、固体微粒子が付着したトナー粒子(付着されない固体微粒子を含む)の乾燥重量に対する水の重量を意味するものである。
該外添工程に用いることのできる外添剤としては、前記の混合、乾燥工程に用いる固体微粒子と同様のものが挙げられる。
外添工程として適用することができる前記固着処理とは、圧縮剪断応力を加えることの出来る装置(以下、圧縮剪断処理装置という)やトナー母粒子表面を溶融または軟化することの出来る装置(以下、粒子表面溶融処理装置という)を用いた外添方法をいう。このような固着処理を前記の混合、乾燥工程と併用することにより、トナー母粒子の実質的な粉砕を伴うことなく、固体微粒子がトナー母粒子表面に強固に添着されるため、高温保存下での耐ブロッキング性が向上し、連続実写時にも複写機/プリンター部材への融着の起こりにくいトナーを製造することができる場合がある。
また、静電荷像現像用トナーの粒度分布としてはシャープなものの方が粒子固体間の帯電性が均一になる傾向にあり、高画質及び高速化を達成するための静電荷像現像用トナーとして好ましい。具体的には、体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値(Dv/Dn)が、好ましくは1.0〜1.25、より好ましくは1.0〜1.20、更に好ましくは1.0〜1.1であり、1.0に近い方が望ましい。なお、静電荷像現像用トナーの粒子径を測定する方法としては、市販の粒子径測定装置を用いることができるが、精密粒度分布測定装置コールター・カウンター、マルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用いることができる。
また、静電荷像現像用トナーの形状は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定した50%円形度が、好ましくは0.90以上、より好ましくは0.92以上、更に好ましくは0.94以上である。50%円形度が前記範囲未満の場合は、外添剤の付着不良による帯電悪化から画像濃度の低下を引き起こす場合がある。また、該50%円形度は、0.99以下、好ましくは0.98以下であることが望ましい。50%円形度が前記範囲超過の場合はクリーニング不良となる場合がある。
、或いは、現像剤に磁性粉を用いない非磁性一成分現像剤用の何れに用いてもよいが、本発明の効果を顕著に発現するためには、特に非磁性の現像剤として用いるのが好ましい。本発明で得られるトナーは、固体微粒子がトナー母粒子に強固に付着しているため、帯電時にブレード等との接触による負荷がかかる非磁性一成分現像剤用のトナーとして好適に用いることができる。
なお、前記磁性二成分現像剤として用いる場合には、トナーと混合して現像剤を形成するキャリアとしては、公知の鉄粉系、フェライト系、マグネタイト系キャリア等の磁性物質または、それらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性樹脂キャリアを用いることができる。キャリアの被覆樹脂としては、一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が利用できるが、これらに限定されるものではない。キャリアの平均粒径は、特に制限はないが10〜200μmの平均粒径を有するものが好ましい。これらのキャリアは、トナー1重量部に対して5〜100重量部使用する事が好ましい。
以下の例で「部」とあるのは「重量部」を意味する。また、実写試験は以下の方法により行った。
[実写試験]
カシオ社製N4改造機(感光体が有機感光体である非磁性一成分方式の画像形成装置)を用い、印字率5%にて連続実写試験を行った。得られた定着画像の画像濃度(ID)はX−rite938(C光源)で測定し、トナーの帯電量はTREK社製q/mメーター(Model1210HS)で測定した。それぞれ、印刷初期および5千枚印刷時において測定した。
10千枚でボタ落ち発生なし :○
6千〜10千枚でボタ落ち発生 :△
6千枚未満でボタ落ち発生 :×
(実施例1)
[重合体一次粒子分散液の製造]
攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えたガラス製反応器に、脱イオン水367部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下、DBSと略す。)0.268部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した。その後、下記の開始剤−1を添加し、次いで下記のモノマー類および乳化剤を5時間かけて添加した後、開始剤−2を6時間かけて添加して乳化重合を行った。
スチレン 77 部
アクリル酸ブチル 23 部
アクリル酸 2.0部
トリクロロブロモメタン 1.2部
ヘキサンジオールジアクリレート 1.3部
<乳化剤>
DBS 0.25部
脱イオン水 22 部
<開始剤−1>
8%過酸化水素水溶液 0.13部
8%アスコルビン酸水溶液 0.13部
<開始剤−2>
8%過酸化水素水溶液 0.72部
8%アスコルビン酸水溶液 0.72部
重合反応終了後、冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液を得た。得られた重合体一次粒子の平均粒径は0.160μm(マイクロトラック社製UPAで測定)、重量平均分子量(Mw)は10万、ピーク分子量(Mp)は4.5万であった。
[トナー母粒子の製造]
重合体一次粒子分散液 100 部(固形分)
黒色色素(MA100乳化液:日本カーバイト社製) 6.7部(固形分)
塩化ナトリウム1.0%水溶液 4.0部(固形分)
DBS 0.02部
ワックス(HYTEC E−433N:東邦化学社製) 5.0部
帯電制御剤(ボントロンE−84:オリエント化学社製)0.1部(固形分)
(20%水分散液として使用)
上記原料のうち、帯電制御剤以外を混合し、攪拌しながら、25℃より50℃まで1℃/分で昇温した後に50℃で2時間保持し、さらに60℃に昇温して2時間保持後に帯電制御剤を添加し、さらに30分保持した後にDBSを添加して凝集工程を終了した。次いで、72℃に昇温して1時間保持し、80℃に昇温して1時間保持、90℃に昇温して5時間保持して熟成工程を行った後、常温まで冷却してトナースラリーAを得た。
の体積分率は0.01%であった。また、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000で測定した50%円形度は0.96、ピーク分子量(Mp)は4.4万であった。
[洗浄工程]
容器内下部の分離式濾盤に濾布(ポリプロピレン製、通気量5cc/cm2・分)を取
り付けたフィルタードライヤー(タナベウィルテック社製:TR−25F型、濾過面積0.24m2)に、スラリーAを固形分として26.2部移送した。この時のスラリー液の
導電度をラコムテスター(Eutech Inst. Pte. Ltd社製)で測定すると15.4mS/c
mであった。次に容器内を密閉して、1.9kg/cm2に加圧後、濾盤下にある排水コ
ックを開き加圧下で濾過を行った。この時、容器内の攪拌翼は液面より上に移動させておき、濾過の進捗に伴いケーキ面が現れて来たら、5rpmで回転させながら攪拌翼をケーキ面に押しつけて水を押し切った(以後、この操作をスムージングと略す)。
含有する水洗浄を同条件で行うと、排水の導電度は480μS/cmに低下した。
あ
った。また、形状はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000で測定すると50%円形度が0.96であった。
[混合,乾燥工程]
導電度2.9μS/cmの水に湿潤した含水率30%のケーキを、攪拌翼を逆回転させながら解砕し、これに疎水化処理したコロイダルシリカ(日本エアロジェル社製、商品名「R972」;平均粒子径0.016μm)0.8部(トナー母粒子に対し3部)を添加した。次いで、フィルタードライヤーの装置外周のジャケット部および攪拌翼内に温水を流し、内部温度が43℃になるように調整し、30rpmで攪拌しながら系内を減圧(600〜1300Pa)してトナーを乾燥した。このとき、真空側にはバグフィルター(テトロン製、通気量300cc/cm2・分)と窒素ガスの噴出弁を備えた経路を設け、乾
燥トナーの真空側への飛散を防止し、一定時間毎にフィルターに窒素ガスをパルス噴射して容器内に飛散したトナーを戻すようにした。10時間加熱真空乾燥後、温度を下げて乾燥窒素で復圧してから缶体側部の排出口を開け、攪拌翼を回転させてトナーを排出口から押し出すように取り出した。この時の仕込み固形分に対する回収率は94%、トナーの含水率は0.5%であった。
[外添工程]
トナー乾燥品に疎水化処理したシリカ(Wacker−Chemie HmbH社製、
商品名「Wacker HDK H30TD」;平均粒子径0.008μm)0.1部(
トナー母粒子に対し0.4部)を添加しヘンシェルミキサーで混合することにより静電荷像現像用トナーを得た。
率は0.08%、FPIA−2000で測定した50%円形度は0.95であり、洗浄処
理前とほぼ同一の粒径、粒径分布、形状であった。
得られた静電荷像現像用トナーを用いて実写試験を行ったところ、初期のIDは1.6、帯電量は−15.8μC/g、5千枚印刷後におけるIDは1.5、帯電量は−14.5q/mであり、10千枚後も安定した特性、良好な画質が形成された。
(実施例2)
8回繰り返した水のみによる洗浄を4回に変更した以外は実施例1と同様にして、導電度11.6μS/cm、含水率28%のケーキを得、実施例1と同様の混合・乾燥工程及び外添工程を経てトナーを得た。洗浄工程後の含水率は28%、乾燥工程後の含水率は0.8%であり、回収率は93%であった。
.09%、FPIA−2000で測定した50%円形度は0.95であり、洗浄処理前と
ほぼ同一の粒径、粒径分布、形状であった。
得られた静電荷像現像用トナーを用いて実写試験を行ったところ、初期のIDは1.6、帯電量は−15.0μC/g、5千枚印刷後におけるIDは1.4、帯電量は−13.6q/mであり、10千枚後も安定した特性、良好な画質が形成された。
(実施例3)
8回繰り返した水のみによる洗浄を2回に変更した以外は実施例1と同様にして、導電度35.2μS/cm、含水率29%のケーキを得、実施例1と同様の混合・乾燥工程及び外添工程を経てトナーを得た。洗浄工程後の含水率は29%、乾燥工程後の含水率は0.7%であり、回収率は92%であった。
.09%、FPIA−2000で測定した50%円形度は0.95であり、洗浄処理前と
較べ僅かに粗大粒子が増加したものの、ほぼ同一の粒径、粒径分布、形状であった。
得られた静電荷像現像用トナーを用いて実写試験を行ったところ、初期のIDは1.5、帯電量は−14.5μC/g、5千枚印刷後におけるIDは1.3、帯電量は−13.0q/mであり、10千枚後も安定した特性、良好な画質が形成された。
(実施例4)
実施例1の混合,乾燥工程において、シリカ「R972」0.8部(トナー母粒子に対し3部)を添加して1時間攪拌し、さらに「Wacker HDK H30TD」0.1部(トナー母粒子に対し0.4部)を添加した後に温度調整し減圧を開始した点と、外添工程を行わなかった点以外は実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得た。乾燥工程後の含水率は0.3%、回収率は91%であった。
得られた静電荷像現像用トナーを用いて実写試験を行ったところ、初期のIDは1.6、帯電量は−15.5μC/g、5千枚印刷後におけるIDは1.4、帯電量は−14.0q/mであり、10千枚後も安定した特性、良好な画質が形成された。
(比較例1)
8回繰り返した水のみによる洗浄を1回のみに変更した以外は実施例1と同様にして、導電度70.0μS/cm、含水率30%のケーキを得、実施例1と同様の混合・乾燥工程及び外添工程を経てトナーを得た。洗浄工程後の含水率は29%、乾燥工程後の含水率は0.7%であり、回収率は93%であった。
8%、FPIA−2000で測定した50%円形度は0.94であり、洗浄処理前と較べ
粗大粒子が大幅に増加した。
得られた静電荷像現像用トナーを用いて実写試験を行ったところ、初期のIDは1.3、帯電量は−11.5μC/g、5千枚印刷後におけるIDは1.0、帯電量は−8.3q/mであった。5千枚印刷以降は画質が悪化し、かつトナーのボタ落ちが発生した。
(比較例2)
実施例1において8回繰り返した水のみによる洗浄を行わず、クエン酸水溶液を含有する水洗浄後の導電度480μS/cm、含水率30%のケーキを用いて、実施例1と同様の混合・乾燥工程及び外添工程を経てトナーを得た。洗浄工程後の含水率は30%、乾燥工程後の含水率は0.8%であり、回収率は92%であった。
得られた静電荷像現像用トナーを用いて実写試験を行ったところ、初期のIDは1.1
、帯電量は−9.0μC/g、5千枚印刷後におけるIDは0.7、帯電量は−5.0q/mであった。3千枚印刷以降は画質が悪化し、かつトナーのボタ落ちが顕著に発生した。
Claims (8)
- 湿式法により生成され、かつ、水に湿潤状態であるトナー母粒子を乾燥する工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、該乾燥工程前における前記水の導電度が50μS/cm以下であり、該乾燥工程が少なくとも1種の固体微粒子の存在下になされることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- トナー母粒子100重量部に対して0.01〜6重量部の固体微粒子存在下に乾燥することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 水に湿潤状態であるトナー母粒子の含水率が乾燥工程前において60%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- トナー母粒子を含水率5%以下にまで乾燥することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 攪拌または/および流動させながら乾燥することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該乾燥工程を経た後、さらに少なくとも1種の固体微粒子を混合することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 粒径25μm以上の体積分率が1%以下である静電荷像現像用トナーを得ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 固体微粒子がシリカであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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- 2004-02-09 JP JP2004032204A patent/JP2005221968A/ja active Pending
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