JP2007033716A - 静電荷像現像用トナー、その製造方法、静電荷像現像用現像剤、および、画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、その製造方法、静電荷像現像用現像剤、および、画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い熱保存性を維持しつつ、非常に低い温度での定着性に優れ、且つ画像表面の光沢性にも優れる静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】 着色剤と結着樹脂とを構成成分とするコアシェル構造型の静電荷現像用トナーであって、コア部にポリラクトンを含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法や静電記録法などにより静電荷像を現像するときに用いる静電荷像現像用トナー、その製造方法、静電荷像現像用現像剤、および、画像形成方法に関するものである。
電子写真法のように、静電荷像を形成し、これを現像する工程を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。この方法による画像の形成は、感光体表面を一様に帯電させた後、この感光体表面に、画像情報に応じたレーザー光により露光して静電荷像を形成し、次いで、この静電荷像をトナーを含む現像剤で現像してトナー像を形成し、最後にこのトナー像を記録媒体表面に転写・定着することにより行われる。
電子写真法に用いられる現像剤としては、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。トナーは、通常、可塑性樹脂を顔料、帯電制御材およびワックス等の離型剤とともに溶融混錬して冷却した後、これを微粉砕し、さらに分級する混錬粉砕法で製造される。このトナーは流動性やクリーニング性を改善する為に、無機粒子や有機粒子をトナー粒子表面に添加して使用されることがある。
最近は、高度な情報化社会の進展により、様々な手法で構築された情報ドキュメントを、より高い画質の画像で提供することが求められているため、種々の画像形成法において高画質化の研究が進められている。電子写真法を用いる画像形成法においても、この要求は例外ではない。特に電子写真法においては、より高精細な画像を実現するために、より小径でシャープな粒度分布を有する等のより高機能なトナーが求められている。小粒径/狭粒度分布のトナーにより、高繊細/高粒状性により高画質が得られる様になるが、更に写真画質の様な高光沢の画質や高速で両面に複写する技術が求められてきている。
一方、トナーの製造方法に着目すると、従来、一般的に広く用いられているトナーは、いわゆる混練粉砕法により製造されてきた。この製造方法は、種々の方法で製造された結着樹脂、着色剤の他に、必要に応じて用いられる離型剤、帯電制御剤、磁性体等を乾式で混合した混合物を、溶融混練し、次いで粉砕・分級することによりトナーを得る方法である。混練粉砕法により、低温定着性に優れたトナーを作製しようとした場合、ガラス転移温度の低い結着樹脂を配合する必要がある。
また、近年、混錬粉砕法とは異なる、種々の重合法を用いたトナーの製造方法が提案されている。例えば、懸濁重合法によるトナーの調整法、分散重合法による調整法、乳化重合凝集法による調整法などである。
特に、乳化重合凝集法は、粒度分布がシャープである上に、トナーの形状を球形からポテト形状まで制御できるため、高画質且つ安価なクリーニングシステムを使用する画像形成装置に用いるトナーとして特に最近は好んで使用されて、数多く上市されてきている。
この乳化重合凝集法は、乳化重合等の重合法により樹脂粒子の分散液を作製し、他方、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を作製し、これらを混合した後、加熱、pH制御、および/または、凝集剤の添加などにより上記の樹脂粒子と着色剤とを所望の粒子径になるまで凝集させて凝集粒子を形成し、その後、この凝集粒子を所望の粒子径まで成長させ、最後に、凝集粒子を樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して融合させることによりトナーを作製する方法である。
これら新製法によれば、トナーの構造を制御する上での自由度が高くすることができる。例えば、オイルレス定着に用いるトナーには、その内部にワックス等の離型剤が含まれ、離型剤を内包させる構造;すなわち離型剤を含むコア層を、結着樹脂からなるシェル層で被覆するいわゆるコアシェル構造も可能であるため、流動性の悪化等を引き起こさない。
これら新製法を利用して低温定着性に優れたトナーを得る試みが、数多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、コア層の結着樹脂として、低温定着に適したガラス転移温度の低い結着樹脂を使用し、このコア層を被覆するシェル層を構成する結着樹脂に比較的ガラス転移温度の高い結着樹脂を用いたコアシェル構造を有するトナーが提案されている。
このコアシェル構造を有するトナーでは、コア層とシェル層とに用いる結着樹脂の種類・物性を異なるものとすることができるため、各々の層に特定の機能を分担させることが容易である。このようにトナーの構造をコアシェル構造とすることにより、トナーに求められる2以上の機能を、コア層とシェル層とに分離して分担させるという効果(以下、「機能分担効果」と称す場合がある)が得られる。
一方、近年、電子写真法においても省エネルギー化、高速化の要求がますます高まり、複写機・プリンターにおいてもエネルギー使用量を少なくするために、より低エネルギーでトナーを定着する技術、より低温及び/又は高速で定着し得るトナーが強く求められている。
トナーの定着温度を低くする手段としては、トナーを構成する樹脂(結着樹脂)のガラス転移温度を低くすることや、可塑剤を添加することが従来よリ一般的に知られている。しかし、これらによって低温定着性には優れるが、トナー粉体の凝集(ブロッキング)が起こり易くなり、白筋・ぼた落ち・トナーこぼれ筋等の画質欠陥等が生じてしまう。
また、その他の定着温度を低くする手段として、従来の単層構造からなるトナー中にラクトンやカプロラクトンを添加することが行われており(例えば、特許文献2又は3参照)、非常に良好な低温定着若しくは高速定着を実現することができる。しかし、定着性が良化されても、単層構造からなるトナーでは低温若しくは高速定着性と高温環境下でのトナーの保存性とを両立させることが困難であった。
特開平10−123748号公報 特開2004−354403号公報 特開2000−98662号公報
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものである。すなわち本発明の課題は、高い熱保存性を維持しつつ、非常に低い温度での定着性に優れ、且つ画像表面の光沢性にも優れる静電荷像現像用トナー、該トナーの製造方法、該トナーを用いた静電荷像現像用現像剤、および該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、コアシェル構造型のトナーにおいて、コアとシェルの機能(目的)を独立分担させ、且つコア部にポリラクトンを含有させることによって、超低温定着と熱保存性の双方を満足させることを見出し本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、
<1> 着色剤と結着樹脂とを構成成分とするコアシェル構造型の静電荷現像用トナーであって、コア部にポリラクトンを含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
<2> 前記ポリラクトンが下記一般式(1)で示されることを特徴とする前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーである。
Figure 2007033716
(前記一般式(1)中、Rは(CH2rを表し、rは1以上の整数である。また、pは2〜5の整数であり、m及びnは10以上の整数である。)
<3> 前記ポリラクトンがポリカプロラクトンであることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナーである。
<4> 温度70℃から90℃の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)極大値が存在することを特徴とする前記<1>〜<3>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
<5> 前記コア部及びシェル部に用いられる結着樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする前記<1>〜<4>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
<6> 体積平均粒径が5〜9μmの範囲内であることを特徴とする前記<1>〜<5>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
<7> 形状係数SF1が115〜145の範囲内であることを特徴とする前記<1>〜<6>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
<8> 平均粒径が40〜150nmの範囲内にある粒子が外添されたことを特徴とする前記<1>〜<7>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
<9> トナーとキャリアとを構成成分とする2成分系、又はトナーを構成成分とする1成分系の静電荷像現像用現像剤であって、前記トナーとして前記<1>〜<8>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする静電荷像現像用現像剤である。
<10> 第1の樹脂粒子を分散した第1の樹脂粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液と、ポリラクトンを分散したポリラクトン分散液と、を混合した混合分散液に、凝集剤を添加し、加熱することによりコア凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記コア凝集粒子が形成された前記混合分散液に、第2の樹脂粒子を分散した第2の樹脂粒子分散液を添加して、前記コア凝集粒子表面に前記第2の樹脂粒子が付着した付着樹脂凝集粒子を形成する付着工程と、前記付着樹脂凝集粒子を、前記第2の樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱することにより融合する融合工程と、を経ることにより、前記<1>〜<8>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーを得ることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<11> 前記融合工程の後に、降温速度0.5℃/分以上の速度で60℃以下にまで冷却することを特徴とする前記<10>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<12> 前記第1の樹脂粒子とポリラクトンとを同時に乳化して得られる乳化粒子を用いて、前記混合分散液を得ることを特徴とする前記<10>又は<11>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<13> 前記融合工程における温度が、第1の樹脂粒子の融点及び第2の樹脂粒子のガラス転移温度より高い温度であることを特徴とする前記<10>〜<12>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<14> 潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面を画像情報に応じて露光することにより静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記静電荷像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、前記記録媒体表面に転写された前記トナー像を加熱及び/又は加圧して定着する定着工程と、を含む画像形成方法において、前記現像剤として前記<9>に記載の静電荷像現像用現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、高い熱保存性を維持しつつ、非常に低い温度での定着性及び/又は非常に速い速度での定着性に優れ、且つ画像表面の低光沢性をも同時に解決する静電荷像現像用トナー、該トナーの製造方法、該トナーを用いた静電荷像現像用現像剤、および該トナーを用いた画像形成方法を提供することができる。
<静電荷像現像用トナー及びその製造方法>
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略す場合がある。)は、着色剤と結着樹脂とを構成成分とするコアシェル構造型のトナーであって、コア部にポリラクトンを含有することを特徴とする。
本発明のトナーは、結晶物質である前記ポリラクトンを含有することにより、超低温定着を実現させることができる。超低温定着を得ることができるのは、定着温度・時間における結晶物質特有のシャープメルト性と、それを利用したコア部の他の結着樹脂との相溶により他の結着樹脂を瞬時に溶かし、超低温定着を実現するのである。
また、前記ポリラクトンは、結晶性物質である為、融解したときの粘度が低く、離型剤同様ヒートロール等の定着装置表面近傍に移行し易く、結果として画像表面近傍に多量に存在することになる。これにより、高光沢性を得る事が可能となり、更に他の結着樹脂との馴染みが強いので樹脂同士の絡み及び又は紙への染み込み性、接着性により強靭な画像強度(こすり性)を得ることができるのである。
(ポリラクトン)
本発明に用いられるポリラクトン樹脂は、特に限定されるわけではないが、下記一般式(1)で表されるポリラクトンであることが好ましい。
Figure 2007033716
前記一般式(1)中、Rは(CH2rを表し、rは1以上の整数である。また、pは2〜5の整数であり、m及びnは10以上の整数である。
尚、上記rは更に1〜10であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。また、pは3〜5であることが好ましく、m及びnは10〜30であることが好ましく、10〜20であることがより好ましい。
本発明におけるポリラクトン樹脂は、水以外の活性水素を有する化合物(例えばエチレングリコール・ジエチレングリコール等のアルキルジオール)と0.1〜5000ppm程度の触媒の存在下にラクトンを100〜230℃で、好ましくは不活性雰囲気下に加熱攪拌し、開環重合することによって得ることができる。
前記ラクトンとしては、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン等のメチル化カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトン等が挙げられる。これらの中でも、メチル化カプロラクトンがより好ましく、中でも工業的に最も有益なε−カプロラクトンが好ましく用いられる。上記ラクトンは2種以上を混合して用いることもできる。
前記活性水素を有する化合物(開始剤)は、水以外の活性水素を有する化合物であればいずれでもよいが、好適な開始剤としては、アルコール及びアルキルジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−アンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどを挙げることができる。これらの中でも、アルキルジオールがより好ましく、更には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールの様な短鎖ジオール類が特に好ましい。開始剤の種類や量は製造するポリラクトン樹脂の用途により決められる。
また、前記触媒としては、一般的な開環付加重合触媒が使用される。具体的には無機塩基、無機酸、有機アルカリ金属触媒、スズ化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、モリブデン化合物、及びジルコニウム化合物等が例示できる。中でも、取扱易さ、低毒性、反応性、無着色性、耐安定性等のバランスからスズ化合物、チタン化合物が好ましく用いられる。好適には、スズ化合物としては、具体的にはオクチル酸第一スズ、モノブチルスズオキシド、モノブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)等のモノブチルスズ化合物、ジブチルスズオキシド、ジイソブチルスズオキシド、ジブチルスズジアセテート、ジ−n−ブチルスズジラウレート等のジブチルスズ化合物、又はチタン化合物としては、具体的にはテトラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラn−プロピルチタネート、テトラ−イソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等があげられる。これらは各単独であるいは混合して使用することができる。なかでも、モノブリルスズオキシド、モノブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)などのモノブチルスズ化合物が高純度のカルボジイミドとの混合により、ラクトンモノマーの開環重合反応が著しく促進されるため好ましく用いられる。
開環重合したポリラクトンの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めた数平均分子量が1,000〜100,000であるものが好ましく、更に5000〜70000が好ましく、特に10000〜50000が好ましい。
尚、本発明における上記分子量の測定は、GPCとして「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムとして「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。
測定は、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実施した。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
また、前記ポリラクトンのガラス転移温度(Tg)は、通常−100℃〜40℃のものを用い、好ましくは−80℃〜0℃、更に好ましくは−80℃〜−50℃である。前記ポリラクトンの融点(Tm)としては、通常50℃〜100℃のものを用い、好ましくは55℃〜85℃であり、更に好ましくは60℃〜80℃である。
また、ポリラクトンは、結晶性の高い熱可塑性脂肪族ポリエステル樹脂である。本発明で用いるポリラクトンは、上記製法によって合成することが可能であるが、もちろん市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ダイセル株式会社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7など(融点=60℃、Tg=−60℃の高結晶性ポリカプロラクトン)が挙げられる。
(動的粘弾性の正接損失極大値)
本発明のトナーにおいては、70〜90℃の範囲内における正接損失の極大値と一つ以上のピークが存在することが好ましい。上記範囲に正接損失のピークが存在することは、即ちシェル層で使用する結着樹脂が、製造の過程において、(1)コア部で使用している結着樹脂と相溶していない(境界がはっきりしている)、(2)コア内部に含有させたポリラクトンと相溶していない、又は(3)離型剤を入れているケースにおいては離型剤と相溶していないことを示し、本来のシェルの機能が十分発揮され、熱保存性がより良好となる。また上記温度範囲にピークが1つ存在することは、シェルが相溶せず独立に存在していることを示し、本特性により良好な熱保存性を得ることができ、また、上記温度範囲に2つのピークが存在することは、コアで使用している結着樹脂とシェルで使用している結着樹脂のガラス転移温度が大きく異なり(5℃以上)、且つお互い相溶していないことを意味する。
シェルで使用する樹脂を、特に上記(1)及び(2)のようにコア部の結着樹脂又はポリラクトンと相溶させない方法としては、コアと同じ樹脂を使用するか、異なる樹脂を使用する場合には、お互いの樹脂のSP値を0.1以上離す方法がある。尚、SP値差の範囲としては0.1〜1.5が好ましい。0.1以上であればお互いの樹脂の相溶を良好に防止し、熱保存性を十分得ることができる。また、SP値差が1.5以下であれば、湿式製法においてシェル層用の樹脂粒子を付ける(付着工程)ことが容易に行える。
尚、上記(3)のように離型剤と相溶させない方法については、後に詳述する。
(トナーの製造方法)
次に、本発明のトナーの製造方法や、構成材料等について説明する。本発明のトナーの製造方法としては、第1の結着樹脂、着色剤及びポリラクトンを含むコア層と、第2の結着樹脂を含み且つコア層を被覆するシェル層と、を有するいわゆるコアシェル型構造を有するトナーが作製できる方法であれば特に限定されず、公知の方法を利用できるが、一般的には湿式製法、特に乳化重合凝集法を利用することが好ましい。
第1の樹脂粒子(結着樹脂)を分散した第1の樹脂粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液と、ポリラクトンを分散したポリラクトン分散液と、を混合した混合分散液に、凝集剤を添加し、加熱することによりコア凝集粒子を形成する凝集工程と、前記コア凝集粒子が形成された前記混合分散液に、第2の樹脂粒子(結着樹脂)を分散した第2の樹脂粒子分散液を添加して、前記コア凝集粒子表面に前記第2の樹脂粒子が付着した付着樹脂凝集粒子を形成する付着工程と、前記付着樹脂凝集粒子を、前記第2の樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱することにより融合して、前記コア凝集粒子表面にシェル部を形成する融合工程と、を経て作製されることが好ましい。
また、上記の製造方法においては、コア層に第1の結着樹脂と着色剤とポリラクトン樹脂を含み、シェル層に第2の結着樹脂を含むものであるが、この他にも必要に応じて離型剤や帯電制御剤の如き各種添加剤を内添したり流動化助剤等の各種の外添剤を外添してもよい。
以下に、本発明のトナーの構成材料やその物性について、上述した乳化重合凝集法に利用される場合を考慮してより詳細に説明するが、勿論、他の製法で本発明のトナーを作製する場合にも以下に列挙する材料を利用することができる。
(結着樹脂)
本発明のトナーには、コア層の形成に利用される第1の結着樹脂とポリラクトン樹脂およびシェル層の形成に利用される第2の結着樹脂を用いる。第1の結着樹脂と第2の結着樹脂は同じであっても問題ないが、第1の結着樹脂のSP値(溶解性パラメーター)と、第2の結着樹脂のSP値との差の絶対値(ΔSPcs)が、0.1〜1.5の範囲内であることが熱保存性を獲得する観点上好ましく、0.2〜1.0の範囲内であることがより好ましい。
ΔSPcsが0.1を下回る場合は、トナーを作製した際に、トナー中で第1の結着樹脂と第2の結着樹脂との相溶が発生してしまい、得られたトナーの70〜90℃の範囲における正接損失のピークが発現しなくなってしまう場合がある。この場合、コアシェル構造本来の特徴である機能分担効果が発揮できなくなるため、超低温定着性と保存性との両立が容易に行えなくなる。
また、ΔSPcsが1.5を超える場合は、乳化重合凝集法によりトナーを作製する場合に、シェル層を構成する第2の結着樹脂からなる粒子を、コア層を最終的に形成する凝集粒子表面に均一に付着させることが困難になる場合がある。
従って、本発明のトナーの作製に際しては、以上に説明したようなΔSPcs値を満たすように第1の結着樹脂と第2の結着樹脂とを組み合わせて利用することが好ましい。
また、本発明のトナーに離型剤を含有させる場合、コア層に含ませることが好ましいが、離型剤のSP値と結着樹脂(第1および第2の双方の結着樹脂)のSP値との差の絶対値(ΔSPrs)が、1.0〜2.5の範囲内であることが好ましく、1.2〜2.2の範囲内であることがより好ましい。これにより、乳化重合凝集法によりトナーを作製する場合に、凝集剤や界面活性剤を多量に使用しなくても、離型剤をトナー中に取り込ませることができ、さらに、シェル層を形成する第2の結着樹脂と相溶を防止することもできる。
ΔSPrsが1.0未満の場合は、第2の結着樹脂と離型剤とが相溶し、シェル層のガラス転移温度が設計値よりも低下するため、保存性が劣化する場合がある。また、ΔSPrsが2.5を超える場合は、第1の結着樹脂との親和性に極めて劣るために、離型剤がトナー内に内包し難くなる場合がある。加えて、この問題を解決するために、多量の凝集剤や界面活性剤を使用してトナーを作製した場合、粗粉が発生したり、粒度分布が広がり易くなるため、良好な画質が得られなくなる場合がある。
なお、SP値(溶解性パラメーター)を求める方法は、Smallの方法、Fedorsの方法など種々あるが、本発明においてはFedorsの方法により求めた。
この場合のSP値は下式(1)で定義される。
δ=(蒸発エネルギーEv/モル体積v)1/2=√(ΣΔei/Δvi)
但し、式(1)において、Evは蒸発エネルギー(cal/mol)を表し、Vはモル体積(cm3/mol)を表し、Δeiはi番目の原子又は原子団の蒸発エネルギー(cal/原子又は原子団)を表し、Δviはi番目の原子又は原子団のモル体積(cm3/原子又は原子団)を表し、iは1以上の整数を表す。
なお、式(1)で表されるSP値は、慣行としてその単位がcal1/2/cm3/2となるように求められ、且つ、無次元で表記されるものである。これに加えて、本発明においては、2つの化合物間におけるSP値の相対的な差が意義を持つため、上記した慣行に従い求められた値を用い、無次元で表記することとした。
ちなみに、参考までに、式(1)で示されるSP値をSI単位(J1/2/m3/2)に換算する場合には、2046を乗ずればよい。
(第1の結着樹脂(コア層用結着樹脂))
本発明に用いられる第1の結着樹脂としては、公知の非結晶性樹脂を用いることが好ましく、具体的には以下の材料が挙げられる。
すなわち、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類等の単量体などの重合体、これら単量体などを2種以上組み合せた共重合体、または、これら重合体や共重合体の混合物が挙げられる。
さらには、上述した樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、これらと上記のビニル系単量体を用いて合成されたビニル系樹脂との混合物、並びに、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ビニル系単量体を用いるときには、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合を実施して樹脂粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂を用いるときには、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に樹脂を溶解し、水中にイオン性界面活性剤や高分子電解質を共存させてホモジナイザーなどの分散機により水中に粒子を分散させ、その後加熱または減圧して溶剤を蒸散することにより、所望の樹脂粒子分散液を作製することができる。
上記の熱可塑性結着樹脂は、解離性ビニル系単量体を配合することにより、乳化重合などで得た粒子として安定に作製することができる。
解離性ビニル系単量体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなど高分子酸、高分子塩基の原料となる単量体のいずれも使用可能であるが、重合体形成反応の容易性などから高分子酸が好適である。さらには、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などのカルボキシル基を有する解離性ビニル系単量体が、重合度制御、ガラス転移点の制御のために特に有効である。
次に、コア層用結着樹脂として、非結晶性ポリエステル樹脂を使用した場合の例を以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。非結晶性ポリエステルを使用した場合、ポリラクトン樹脂との相溶度が上がり、超低温定着を行うときには、他の樹脂を使用する時よりもより優れる。
ポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本発明においては、ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
多価アルコール成分としては、例えば、2価のアルコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等を用いることができる。また、3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、トリメチロールプロパン等を用いることができる。これらの中でも、ビスフェノールAやそのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の不可物やエチレングリコール、プロピレングリコールが特に好ましい。
また、上記多価アルコール成分と縮合させる2価カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸およびこれらの酸の低級アルキルエステルを用いることができる。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸が特に好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていることが好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、結着樹脂粒子分散液を作製する際に、ジカルボン酸成分がスルホン酸基を有していれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで、乳化或いは懸濁することも可能である。
一方、トナーの作製に用いる第1の樹脂粒子を含む分散液の作製、及びポリラクトンを分散した分散液の作製は、樹脂を、水等の水系媒体中にイオン性界面活性剤、高分子酸、高分子塩基等の高分子電解質と共に分散した後、樹脂の融点以上の温度で加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて処理することにより得ることができる。なお、コア層用結着樹脂は、複数の種類の樹脂を混合して用いることもでき、特に第一の結着樹脂とポリラクトンを上記方法を例として同時乳化することにより、より相溶性が上がりより低温定着性能が上がる。これは、微小な樹脂粒子内でお互い接触していることで、樹脂粒子同士を混合した時よりも接触面積的には広くなり装用し易くなるからと考えられる。
第1の結着樹脂及びポリラクトンからなる樹脂粒子の体積平均粒径は、1μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.02〜0.5μmの範囲である。樹脂粒子の体積平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒度分布や形状分布が広くなったり、遊離粒子が発生してトナーの組成偏在を引き起こしたりて、性能や信頼性の低下を招く場合がある。
一方、樹脂粒子の体積平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点が有利である。なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば、マイクロトラック等を用いて測定することができる。
(第2の結着樹脂(シェル層用結着樹脂))
次に、本発明に用いられるシェル層用結着樹脂は、上述したコア層用結着樹脂と同様の材料を用いることができる。但し、ΔSPcsの値が、上述したように0.1〜1.5の範囲内となるように、使用するコア層用結着樹脂に応じてシェル層用結着樹脂を選択することが好ましい。
また、トナーの作製に用いる第2の樹脂粒子を含む分散液の作製は、第1の結着樹脂の場合と同様にして作製することができる。ここで第2の樹脂粒子の体積平均粒径は、1μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.02〜0.5μmの範囲である。
第2の樹脂粒子の体積平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒度分布や形状分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じてトナーの組成偏在を引き起こしたりし、性能や信頼性の低下を招く場合がある。
一方、樹脂粒子の体積平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、少ないシェル量で均一にトナー表面にシェルを形成することができるのでより好ましい。
更に好ましくは、シェルに使用する樹脂粒子の体積平均粒径をX(μm)、シェルに使用する樹脂粒子の質量をY(g)、トナー体積平均粒径をZ(μm)とした時に、下記式を満たすことにより、形状係数115から145までの形状のトナーを得る場合においても、均一なシェルを付着させることができ、特に有効である。
350≦Z×Y/X≦1100
なお、トナーの作製に用いる第1の結着樹脂と第2の結着樹脂との組み合わせは、機能分担効果を発揮させるためにΔSPcsの値に留意することに加え、ドキュメント保存性を向上させる観点からは、第一、第二の結着樹脂に非結晶性ポリエステル樹脂を組み合わせて使用することが好ましい。
理由は、ポリエステル樹脂はビニル系樹脂に比較して同ガラス転移温度における脆性が優れる為低分子量設計が可能となり、同じ定着温度を得る為のガラス転移温度設計がビニル系樹脂に対して約10〜15℃程度高くすることが可能となるからである。即ち定着時の変形により低粘度の離型剤の染み出しが生じ、定着画像の表面は低離型剤で覆われている状態が作りだされるが完全では無い為、定着後の画像保存性はトナー中の結着樹脂のガラス転移温度で左右されることになる。よって、よりコアのガラス転移温度を高くできるポリエステル樹脂の方がドキュメント保存性が優れることになる。更に、シェル側の結着樹脂においても脆性が優れるため低分子量化が可能となり、溶融粘度を低くできるため超低温定着を阻害しない。これらの理由により、ポリエステル樹脂をコア・シェル双方に組み合わせて使用した場合、超低温定着・トナー保管性、そして画像保存性(ドキュメント保存性)が優れることになる。
(着色剤)
本発明に使用される着色剤としては、公知の着色剤を用いることができる。例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、プリリアンカーミン6B、デイボンオイルレッド、ビラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メリレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレートなどの種々顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、リオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、リオインジコ系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、リアジン系、リアゾール系、キサンテン系などの各種染料などを1種または2種以上を合わせて使用することができる。
トナーの作製に際して用いる着色剤分散液の作製は、公知の分散方法が利用でき、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル、アルティマイザーなどの一般的な分散手段を採用することができ、なんら制限されるものではない。着色剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散される。分散させた着色剤粒子の体積平均粒径は1μm以下であれば良いが、80〜500nmの範囲であれば、凝集性を損なうことなく且つトナー中の着色剤の分散が良好で好ましい。
(離型剤)
また、本発明のトナーは、コア層にWAXの如き離型剤を含ませても一向に構わない。離型剤を含ませる時には、離型剤のSP値と結着樹脂(第1および第2の双方の結着樹脂)のSP値と差の絶対値(ΔSPrs)が、1.0〜2.5の範囲内であることが好ましく、1.2〜2.2の範囲内であることがより好ましい。これにより、乳化重合凝集法によりトナーを作製する場合に、凝集剤や界面活性剤を多量に使用しなくても、離型剤をトナー中に取り込ませることができ、さらに、シェル層を形成する第2の結着樹脂と相溶を防止することもできる。
ΔSPrsが1.0未満の場合は、第2の結着樹脂と離型剤とが相溶し、シェル層のガラス転移温度が設計値よりも低下するため、保存性が劣化する場合がある。また、ΔSPrsが2.5を超える場合は、第1の結着樹脂との親和性に極めて劣るために、離型剤がトナー内に内包し難くなる場合がある。加えて、この問題を解決するために、多量の凝集剤や界面活性剤を使用してトナーを作製した場合、粗粉が発生したり、粒度分布が広がり易くなるため、良好な画質が得られなくなる場合がある。
本発明のトナーに使用できる離型剤は、公知のものが使用でき、例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、合成ワックス及びそれらの変性物である。
これら公知の離型剤の中で特に融点が75〜100℃の範囲のパラフィンワックスを用いると、定着特性、詳しくは高温領域のオフセットを改善する効果が大きい。
またパラフィンワックスの中でも特に融点が75〜100℃のフィッシャートロプシュワックスを使用することにより、低速領域から高速領域のいかなるプロセススピードの画像形成装置においても高温領域でのオフセット性が良好である。加えて、画像形成装置に用いるクリーニング手段が、クリーニングブレードである場合、ブレードクリーニング適性に優れる。
なお、離型剤としてパラフィンワックスまたはフィッシャートロプシュワックス以外のワックスを使用すると、低速プロセススピードにおける適性がある場合には、高速プロセススピードにおける適性がないといった様に、低速領域から高速領域すべてを満足することができない場合がある。
また、融点が75℃を下回るとトナーの保存性及び流動性の悪化に伴うトナーディスペンス性低下による低濃度、トナー固化によるトリマー部の詰り(白筋)などの画像ディフェクトが発生する場合がある。一方、融点が100℃を超える場合は、定着時に、トナー像と、定着部材表面との間に離型剤が効率的に染み出しにくくなるため、高温でオフセットが発生する場合がある。
これら離型剤のトナー中の含有量は、5〜20質量%が好ましく、7〜15質量%が好ましい。5質量%未満の場合は、高温でオフセットが発生する場合があり、20質量%を超える場合は、離型剤のトナー内部への取り込み性が極端に悪化する為、トナー構造をコアシェル構造としても、浮遊離型剤やトナー表面に付着する離型剤の存在などにより、トナー流動性が悪くなる。
離型剤分散液の作製に際しては、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散した後、離型剤の融点以上の温度に加熱すると共に、強いせん断力を付与できるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて分散処理することにより得ることができる。これにより、体積平均粒径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液を得ることができる。なお、より好ましい離型剤粒子の体積平均粒径は、100〜500nmである。
体積平均粒径が100nm未満では、使用される結着樹脂の特性にも左右されるが、一般的に離型剤成分がトナー中に取り込まれにくなる。また、500nmを超える場合には、トナー中の離型剤の分散状態が不充分となる場合がある。なお、凝集工程において、離型剤分散液は、樹脂粒子分散液等の各種分散液とともに一度に添加・混合してもよいし、分割して多段に添加しても良い。
次に、本発明のトナーを乳化重合凝集法により作製する場合に用いられる副次的成分である凝集剤、分散媒、界面活性剤等について説明する。
(凝集剤)
凝集剤は、樹脂粒子分散液や着色剤分散液に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤の他、2価以上の無機金属塩を好適に用いることができる。特に、無機金属塩を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、トナーの帯電特性を向上させることができるので好適である。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方がより適している。
凝集剤の添加量は、凝集する時のイオン濃度により変わるが概ね混合分散液の固形分(トナー成分)に対して0.05〜1.00質量%が好ましく、0.10〜0.50質量%がより好ましい。0.05質量%未満では凝集剤の効果が現れにくく、1.00質量%を超える場合は、過凝集が生じるために粒径の大きいトナーが発生し易くなり、転写不良に起因する画像欠陥が生じる場合がある。更に装置内への強凝集が発生し、生産上好ましくない。
(分散媒)
各種分散液の作製に用いられる分散媒としては、例えば、水系媒体等が挙げられる。前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(界面活性剤)
本発明においては、各種分散液に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。前記界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが好適に挙げられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤がより好ましい。
前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面橋性剤又はカチオン界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク陵ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
前記カチオン界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩
類;などが挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェエルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
(乳化重合凝集法)
次に、既述した、凝集工程、付着工程、および、融合工程を含む乳化重合凝集法によるトナーの作製プロセスについて各工程毎に順に説明する。
まず、凝集工程で用いられる各種分散液を、所定の割合で混合して混合分散液を準備する。ここで、分散液としては、第1の樹脂粒子分散液、着色剤分散液及びポリラクトン分散液が用いられるが、必要に応じて帯電制御剤や離型剤の如く他の分散液を混合することもできる。
これら3種類の分散液を混合する場合、混合分散液中に含まれる全固形分に対する第一の樹脂粒子の含有量としては40質量%以下が好ましく、2〜20質量%であるのがより好ましい。また、着色剤粒子の含有量としては20質量%以下が好ましく、2〜15質量%であるのがより好ましい。また、ポリラクトン粒子の含有量としては、1〜30質量%が好ましく、5〜25質量%であるのがより好ましい。さらに、離型剤粒子を含有させる場合の含有量としては20質量%以下が好ましく、5〜15質量%であるのがより好ましい。
さらに、上記以外のその他の成分(粒子)を用いる場合、その含有量としては、超低温定着性と保存性との両立を阻害しない程度であればよい。すなわち、含有量は一般的には極く少量であり、具体的には固形分として0.01〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。
各種分散液の調製方法について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した方法を採用することができる。分散の手段としては、特に制限はないが、使用可能な装置としては、例えばホモミキサー(特殊機化工業株式会社)、あるいはスラッシャー(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホミジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社)、スタティックミキサー(ノリタケカンパニー)などのそれ自体公知の分散装置が挙げられる。
−凝集工程−
凝集工程においては、まず、第1の樹脂粒子(結着樹脂)分散液、着色剤分散液、さらにポリラクトン樹脂分散液や、その他の成分を混合して得られた混合分散液に凝集剤を添加し、第1の結着樹脂のガラス転移温度近辺の温度にて加熱することにより、各々の成分からなる粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
凝集粒子の形成は、回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温で凝集剤を添加することにより行う。凝集工程に用いられる凝集剤は、各種分散液の分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、上述した無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。
特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に好ましい。
−付着工程−
付着工程では、上記した凝集工程を経て形成された第1の結着樹脂、ポリラクトン樹脂、着色剤を含む凝集粒子の表面に、第2の結着樹脂からなる樹脂粒子を付着させることにより被覆層を形成し、付着樹脂凝集粒子を得る。ここで、この被覆層は、後述する融合工程を経て形成される本発明のトナーのシェル層に相当するものである。
被覆層の形成は、凝集工程において凝集粒子を形成した分散液中に、第2の樹脂粒子分散液を追添加することにより行うことができ、必要に応じて凝集剤等の他の成分も同時に追添加してもよい。
前記付着樹脂凝集粒子を、前記凝集粒子の表面に均一に付着させて被覆層を形成し、前記付着樹脂凝集粒子を後述する融合工程において加熱融合すると、凝集粒子の表面の被覆層に含まれる第2の結着樹脂からなる樹脂粒子が溶融してシェル層が形成される。このため、シェル層の内側に位置するコア層に含まれる離型剤や、第2の結着樹脂よりもガラス転移温度の低い第1の結着樹脂等の成分が、トナーの表面へと露出することを効果的に防止することができる。
付着工程における第2の樹脂粒子分散液の添加混合の方法としては、特に制限はなく、例えば、徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、第2の樹脂粒子分散液を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られるトナーの粒度分布をシャープにすることができる。
本発明において、この付着工程が行われる回数としては、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
前記凝集粒子に第2の結着樹脂からなる樹脂粒子を付着させる条件は、以下の通りである。即ち、付着工程における加熱温度としては、凝集粒子中に含まれる第1の結着樹脂のガラス転移温度近傍〜第2の結着樹脂のガラス転移温度近傍の温度域であることが好ましい。なお、この場合の加熱温度域の下限値は、具体的には、第1の結着樹脂ガラス転移温度を基準として、−5℃〜+10℃の範囲内であるのが好ましく、加熱温度域の上限値は、具体的には、第2の結着樹脂ガラス転移温度を基準として、−10℃〜+10℃の範囲内であるのが好ましい。
第1の結着樹脂のガラス転移温度−5℃未満の低い温度で加熱すると、凝集粒子表面に存在する第1の結着樹脂と、凝集粒子表面に付着した第2の結着樹脂とが付着しにくくなり、その結果、形成されるシェル層の厚みが不均一になる場合がある。
加えて、凝集粒子に付着できない第2の結着樹脂が系内に単独で存在するため、フィルタープレス等で固液分離する場合目詰まりが発生すると共に、トナー化された時にも単独で超微粉として存在するため、特に2成分現像剤においては、キャリア汚染等を引き起こし易くなる場合がある。
また、第2の結着樹脂のガラス転移温度+10℃を超えて高い温度で加熱すると、凝集粒子表面に存在する第1の結着樹脂と、凝集粒子表面に付着した第2の結着樹脂とが付着し易くなる。
しかし、付着性が高まり過ぎるため、付着樹脂凝集粒子同士の付着も発生してしまい、得られるトナーの粒径/粒度分布も崩れてしまう。更に着色剤や必要に応じて添加する離型剤粒子を含まない付着凝集粒子も多数存在することになり、ミクロな白点などによる画質欠陥が生じてしまう場合がある。
付着工程における加熱時間としては、加熱温度に依存するので一概に規定することはできないが、通常5分〜2時間程度である。
なお、付着工程においては、凝集粒子が形成された混合分散液に第2の樹脂粒子分散液を追添加した分散液は、静置されていてもよいし、ミキサー等により穏やかに攪拌されていてもよい。後者の場合の方が、均一な付着樹脂凝集粒子が形成され易い点で有利である。
なお、付着工程においては、第2の樹脂粒子分散液の使用量は、これに含まれる樹脂粒子の粒径に依存するが、最終的に形成されるシェル層の厚みが20〜500nm程度になる様に選択されることが好ましい。なお、固形分換算では第2の結着樹脂の使用量は、トナー全量中の1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
シェル層の厚みが20nmより薄くなると、良好な保存性を得ることができない場合がある。また、シェル層の厚みが500nmを超えると超低温定着性を阻害する場合がある。更に好ましくは、シェルに使用する樹脂粒子の体積平均粒径をX(μm)、シェルに使用する樹脂粒子の重量をY(g)、トナー体積平均粒径をZ(μm)とした時に、下記式を満たす時に、形状係数115から145までの形状のトナーを得る場合においても、均一なシェルを付着させることができる。
350≦Z×Y/X≦1100
−融合工程−
融合工程においては、加熱を行うことにより付着工程で得られた付着樹脂凝集粒子を融合させる。融合工程は、第2の結着樹脂のガラス転移温度以上で実施することができる。融合の時間としては、加熱の温度が高ければ短い時間で足り、加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。即ち、融合の時間は、加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には10分〜10時間である。
なお、融合工程においては、加熱と同時に架橋反応を実施してもよく、あるいは、融合が終了した後に、架橋反応を実施してもよい。
−洗浄/乾燥工程−
融合工程を経て得られた融合粒子は、ろ過などの固液分離や、洗浄、乾燥を実施する。これにより外添剤が添加されない状態のトナーが得られる。
尚、洗浄に到る前に60℃以下にまで冷却を行うが、その冷却速度をある範囲に制御することにより、熱保存性がより優れることになる。これは、ポリラクトンの様な結晶物質が融合時の溶融状態から冷却により、元の結晶状態に戻るが、特に急冷を行うことによりその結晶化度が高くなることに由来する。結晶化度が低いと第一の結着樹脂と相溶状態となっており、この事が熱保存性を若干悪化させる為と推測される。その冷却速度は、概ね0.5℃/分以上であればその効果がより鮮明に現れ、更に1℃/分以上であることがより好ましい(概ね工業的には5℃/分が限界)。
洗浄工程においては、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、十分に洗浄することが好ましい。洗浄工程では、硝酸・硫酸・塩酸などの酸や水酸化ナトリウムに代表されるアルカリ溶液で処理し、イオン交換水等で洗浄するとより顕著な洗浄効果を得ることができる。乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナー粒子は、乾燥後の含水率が好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下に調整することが望ましい。
−外添剤および内添剤−
得られたトナー粒子は、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機酸化物を添加付着することができる。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行うことができ、段階を分けて付着させることができる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子が好ましく、特に疎水化処理されたシリカ粒子が好ましい。
前記無機粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。前記無機粒子の中でも、メタチタン酸TiO(OH)2は透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性、安定した画質維持性に優れた現像剤を提供することができる。また、メタチタン酸の疎水化処理化合物は、1010Ω・cm以上の電気抵抗を有することが、着色粒子に処理されトナーとして用いられた場合に、転写電界を上げても逆極性に帯電したトナーが発生することなしに高転写性を得ることができるため好ましい。流動性付与を目的とした外添剤の体積平均粒径は、1次粒子径で1〜40nmの範囲であることが好ましく、5〜20nmの範囲であることがより好ましい。また転写性向上を目的とした外添剤の体積平均粒径は50〜500nmが好ましい。これらの外添剤粒子は、疎水化等の表面改質を行う方が帯電性、現像性を安定させる点で好ましい。
前記表面改質の手段としては従来公知の方法を用いることができる。具体的にはシラン、チタネート、アルミネート等の各カップリング処理が挙げられる。カップリング処理に用いるカップリング剤としては特に制限はないが、例えばメチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェエルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキンシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキンシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキンシラン、フルオロアルキルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシランカップリング剤;チタネートカップリング剤;アルミネートカップリング剤;等が好適な例として挙げられる。
更に、必要に応じて種々の添加剤を添加しても良く、これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤やジンクステアリルアミド、チタンサンストロンチウム等の感材付着物除去を目的とした研磨剤等があげられる。
前記外添剤の添加量は、外添剤が添加されない状態のトナー100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲が好ましく、0.3〜2質量部の範囲がより好ましい。添加量が0.1質量部より少ないと、トナーの流動性が十分に得られない場合があり、更に十分に帯電を付与できない、電荷交換性が悪くなるなどの不具合が発生するおそれがあり、宜しくない。一方、該添加量が5質量部より多いと、過剰被覆状態となり、過剰無機酸化物が接触部材に移行し、二次障害を引き起こす場合がある。
更に必要に応じ、超音波篩分機、振動篩分機、風力篩分機などを使って、トナーの粗大粒子を外添後取り除いても一向にかまわない。
また、上述した外添剤以外にも、内添剤、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を添加させることが可能である。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属、合金、またはこれら金属を含有する化合物などの磁性体などが挙げられ、トナー特性としての帯電性を阻害しない程度の量が使用できる。
帯電制御剤としては、特に制限はないが、特にカラートナーを用いた場合、無色または淡色のものが好ましく使用できる。例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
有機粒体としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される全ての粒子が挙げられる。なお、これらの無機粒体や有機粒体は、流動性助剤、クリーニング助剤等として使用することができる。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
更に本発明では、トナーの保存性をより向上させるために、トナー粒子表面に平均粒径(体積平均粒径)が40〜150nmの粒子を外添することが好ましい。平均粒径が40nm未満の粒子ではその十分な保存性の向上が得られない場合があり、150nmを超える粒子ではトナー表面に強固に付着させることができない為、トナー粒子表面から離脱し易く、キャリアへの汚染を引き起こしたり、感光体表面を傷つけたり、フィルミングが発生する場合がある。尚、上記粒子の平均粒径は、更に40〜130nmであることが好ましく、50〜120nmであることが特に好ましい。
保存性の向上を目的として利用可能な外添剤の具体例としては、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、または、これらの複合酸化物等の無機酸化物からなる粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の有機粒子が挙げられる。
このうちシリカ、チタニアが、粒径、粒度分布、製造性の観点から好ましく用いられ、特に形状が球形であるゾルゲル法を利用して作製されたシリカ粒子が好ましい。
これらの外添剤のトナーに対する添加量は特に制限はないが、0.1〜10質量%の範囲で好ましく用いられ、より好ましくは、0.3〜5質量%程度の範囲である。
添加量が0.1質量%未満の場合、添加効果が十分に得られない場合がある。また、10質量%を超える場合、トナー粒子表面から脱離する外添剤が増加して、感光体に付着するいわゆるフィルミングを生じたり、感光体表面を傷つけたりする場合がある。
これらの外添剤は、疎水化等の表面改質を行なう方が帯電性、現像性を安定させる点で好ましい。表面改質の手段としては従来公知の方法を用いることができ、具体的には上述したシラン、チタネート、アルミネート等の各カップリング処理が挙げられる。
(トナー特性)
次に、本発明のトナーの形状、粒度等のような形態上の好ましい特性について説明する。
、本発明のトナーの粒子径分布指標は、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であることが好ましい。また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比〈GSDp/GSDv〉が0.95以上であることが好ましい。
体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であれば、トナーの粒径分布において、微粉側および粗粉側双方の成分が少なくなるため、現像性、転写性、クリーニング性のいずれにおいても良好な状態を維持することが出来る。また、GSDp/GSDvが0.95以上であれば、特に帯電分布のシャープなトナーを得ることができ、現像性・転写性に優れ、高画質な画像を得ることができる。
また、本発明のトナーの体積平均粒径は、5〜9μmの範囲内であることが好ましく、更に5.5〜7.5μmであることがより好ましい。体積平均粒径が5μm未満の場合には、所望の画像濃度が得づらくなるばかりか、背景部へのカブリやトナー飛散による機内汚れが生じ易くなる。一方、9μmを超える場合には、高精細な画像が得られなくなる場合がある。
さらに、本発明のトナーは、その形状係数SF1が、115〜145の範囲内であることが好ましい。特に形状係数SF1が125未満の場合には、ブレードクリーニングを行う場合はクリーニング不良が発生する場合がある為、通常は125〜145が良く使用される。145を超える場合は、転写効率が低下してしまうので適さない。
本発明のトナーの表面積は、特に制限はなく、通常のトナーに用いることのできる範囲であれば使用することができる。具体的には、BET法を用いた場合0.5〜10m2/gの範囲が好ましく、好ましくは1.0〜7m2/gの範囲、より好ましくは1.2〜5m2/g程度の範囲である。更には、1.2〜3m2/g程度の範囲が好ましい。
<静電荷像現像用現像剤>
本発明の静電荷像現像用現像剤(以下、「現像剤」と略す場合がある)は、本発明のトナーを含有するものであれば特に制限はなく、トナーを単独で用いる一成分系の現像剤であってもよく、トナーとキャリアとを含む二成分系の現像剤であってもよい。なお、一成分系の現像剤の場合には、磁性金属粒子を含むトナーが用いられる。
例えばキャリアを用いる場合のそのキャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30〜200μm程度の範囲である。
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー;などの単独重合体、または2種類以上のモノマーからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1〜10質量部程度の範囲が好ましく、0,5〜3.0質量部の範囲がより好ましい。また、被覆樹脂中にカーボンブラックや磁性粉等の抵抗制御剤、及びメラミンビーズの如く帯電制御剤を樹脂中に分散させても一向に構わない。
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
静電荷像現像剤における前記本発明の静電荷像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<画像形成方法および画像形成装置>
次に、本発明のトナーを用いた画像形成方法および画像形成装置について説明する。本発明のトナーは公知の電子写真方式を利用した画像形成方法に利用できるが、具体的には以下の工程を有する画像形成方法において、特に有効に利用することができる。
すなわち、潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された潜像担持体表面を画像情報に応じて露光することにより静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、静電荷像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、記録媒体表面に転写されたトナー像を加熱加圧して定着する定着工程とを含む画像形成方法であることが好ましい。なお、この他にも他の工程を有していてもよい。例えば、トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングするクリーニング工程を有することが好ましい。また、転写工程は、潜像担持体から記録媒体へのトナー像の転写を媒介する中間転写体を用いたものであってもよい。
また、画像形成装置としては、上述した画像形成方法を利用した画像形成装置を用いることができる。具体的には、潜像担持体と、潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された潜像担持体表面を画像情報に応じて露光し、静電荷像を形成する静電荷像形成手段(露光手段)と、静電荷像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体表面に転写する転写手段と、記録媒体表面に転写されたトナー像を加熱加圧して定着する定着手段と備えた画像形成装置が挙げられる。この他にも公知の手段、例えば、トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングするクリーニングブレード等のクリーニング手段や、潜像担持体から記録媒体へのトナー像の転写を媒介する中間転写手段(中間転写体)などを有していてもよい。また、カラー画像を形成する場合には、各色のトナーに対応する複数の潜像担持体を備えたいわゆるタンデム型の画像形成装置であってもよい。
なお、本発明のトナーは超低温定着が可能であるため、画像形成時のエネルギー消費量を従来よりもより一層抑制することが可能である。
以下実施例を交えて詳細に本発明を説明するが、何ら本発明を限定するものではない。尚、実施例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
<各種粒子の測定方法>
まず、以下の実施例及び比較例で使用するトナーや各種粒子の測定方法について説明する。
(樹脂粒子、ポリカプロラクトン粒子、着色剤粒子、離形剤粒子の粒径測定方法)
樹脂粒子(結着樹脂粒子)、ポリカプロラクトン粒子、着色剤粒子、離形剤粒子、結晶樹脂粒子の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)により測定した。
(トナー等の粒径、粒度分布測定方法)
粒径や粒径分布指標は、コールターカウンターTA−II(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用する。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100ml中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。
測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、個数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を体積についてはD16v、個数についてはD16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積についてはD50v、個数についてはD50pと定義する。同様に累積84%となる粒径についても、D84v、D84pと定義する。ここで体積平均粒径はD50vを意味し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、(D84v/D16v)1/2で表され、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2で表される。
(トナーの形状係数SF1の測定)
トナーの形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長と、トナーの投影面積とを測定して、下式(2)により算出した。なお、計算に際しては、トナー50個以上の平均値として求めた。
式(2) SF1=((トナー径の絶対最大長)2/トナーの投影面積)
×(π/4))×100
(樹脂粒子、ポリカプロラクトン粒子の分子量の測定方法)
樹脂粒子(結着樹脂粒子)、ポリカプロラクトン粒子の分子量の測定においては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)として「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムとして「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。
測定は、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実施した。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
<樹脂粒子分散液Aの調製>
・スチレン(和光純薬製):325部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):85部
・β力ルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):12部
・1’,10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5部
・ドデカンチオール(和光純薬製):6.0部
以上の成分を混合溶解した溶液に、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。
次いで系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
これにより体積平均粒径190nm、固形分量43%、ガラス転移温度(Tg)56.5℃、重量平均分子量Mw29500のアニオン性樹脂を含む樹脂粒子分散液Aを得た。本樹脂の計算上SP値は10.02であった。
<樹脂粒子分散液Bの調製>
・スチレン(和光純薬製):45部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):65部
・メチルメタアクリレート(和光純薬製):300部
・β力ルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):12部
・1’,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5部
・ドデカンチオール(和光純薬製):6.5部
以上の成分を混合溶解した溶液に、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液も加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50gを投入した。
次いで系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、6時間そのまま乳化重合を継続した。
これにより体積平均粒径188nm、固形分量43%、ガラス転移温度(Tg)65.5℃、重量平均分子量Mw27500の樹脂粒子分散液Bを得た。本樹脂の計算上SP値は9.62であった。
<樹脂粒子分散液Cの調製>
加熱乾燥した三口フラスコに、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物155g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物125g、ノナンジオール25g、テレフタル酸ジメチル85g、イソフタル酸ジメチル80g、触媒としてジブチルスズオキシド0.12gと、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間還流を行った。
その後、減圧蒸留にて250℃まで徐々に昇温を行い5時間攪拌し、粘綢な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量10700になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷しコア層用結着樹脂(ポリエステル樹脂)を得た。酸価は8.4mgKOH/gであった。また、ガラス転移温度(Tg)は57.6℃であった。
ついで、前記コア層用結着樹脂を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記コア層用結着樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が280nmの結着樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液Cを得た。また、樹脂粒子濃度を20%となるように水分量を調整した。本樹脂の計算上SP値は10.16であった。
<樹脂粒子分散液Dの調製>
加熱乾燥した三口フラスコに、ノナンジオール10g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物300g、テレフタル酸ジメチル70g、イソフタル酸ジメチル100g、触媒としてジブチルスズオキシド0.12gと、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて200℃で5時間還流を行った。
その後、減圧蒸留にて250℃まで徐々に昇温を行い5時間攪拌し、粘綢な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量9800になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷しコア層用結着樹脂(ポリエステル樹脂)を得た。酸価は8.4mgKOH/gであった。また、ガラス転移温度(Tg)は65.3℃であった。
ついで、前記コア層用結着樹脂を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記コア層用結着樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が280nmの結着樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液Dを得た。また、樹脂粒子濃度を20%となるように水分量を調整した。本樹脂の計算上SP値は、10.30であった。
<樹脂粒子分散液Eの調製>
ノナンジオールの量を30gにし、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の量を140gにした以外は、樹脂粒子分散液Cと全く同様の方法で樹脂粒子分散液を得た。重量平均分子量は10500、ガラス転移温度(Tg)は52℃、計算上のSP値は10.15、樹脂粒子の体積平均径は、180nmであった
<ポリラクトン粒子分散液Gの調製>
加熱乾燥した三口フラスコに、エチレングリコール1mol%、および、δ−バレルラクトン100mol%と、触媒としてTi(OBu)4と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間還流を行った。その後、減圧蒸留を行い、220℃まで徐々に昇温を行い3時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量10200になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷しポリラクトン樹脂を得た。ついで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が0.18μmのポリラクトン粒子分散液Gを得た。また、樹脂粒子濃度を20%となるように水分量を調整した。
尚、得られたポリラクトン粒子は、数平均分子量20000、融点70℃、ガラス転移点−60℃であった。
<ポリラクトン粒子分散液Hの調製>
ポリカプロラクトン(ε−カプロラクトン重合体、ダイセル社製ポリカプロラクトンH1P、数平均分子量10000、融点60℃、ガラス転移点−60℃)200gを、酢酸エチル800gに溶解し、Dowfax(ダウファックス社製)4gを溶解させたイオン交換水1000gと混合、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)にて10分間混合し、乳化を行った後、脱溶剤を行い、体積平均粒径150nmのポリラクトン粒子分散液Hを得た。
<ポリラクトン/ポリエステル混合粒子分散液Iの調製>
樹脂粒子分散液Cの調製途中に得られるコア層用結着樹脂を冷却固化、破砕し、その破砕物204gとポリカプロラクトン(ダイセル社製ポリカプロラクトンH1P)100gとを酢酸エチル1200gに溶解させた。その後、30gのDowfax(ダウファックス社製)を溶解させたイオン交換水1200gと共に、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)にて10分間混合し、乳化を行った後、脱溶剤を行い、体積平均粒径200nmのポリラクトン/ポリエステル混合粒子分散液Iを得た。
<着色剤分散液Jの調製>
・カーボンブラック(R330キャボット社製):50部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):4部
・イオン交換水:250部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、次いで超音波分散機を用いて、28KHzの超音波を10分間照射し、体積平均粒径150nmの着色剤粒子を分散させた着色剤分散液Jを得た。
<着色剤分散液Kの調製>
・銅フタロシアニン顔料(BASF社製):50部
・イオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンSC):8部
・イオン交換水:250部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、次いで超音波分散機を用いて、20KHzの超音波を20分間照射し、体積平均粒径180nmの着色剤粒子を分散させた着色剤分散液Kを得た。
<離型剤分散液Lの調製>
・パラフィンワックス FNP0090(融点90.2℃ 日本精鑞社製):50部
・イオン性界面活性剤(ネオゲン RK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合した溶液を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均径220nm、固形分量25%の離型剤分散液Lを得た。
<離型剤分散液Mの調製>
パラフィンフックス FNP0090の代わりに、ペンタエリスリトールベヘン酸エステルWAX WEP6(融点84℃ 日本油脂(株)製)を用いた以外は、離型剤分散液Lの調製と全く同様の操作をし、体積平均粒径210nm、固形分量25%の離型剤分散液Mを得た。
−二成分系現像剤用トナーの作製−
<トナー母粒子Oの製造>
・樹脂粒子分散液A:260部
・ポリラクトン粒子分散液G:80部
・着色剤分散液J:70部
・離型剤分散液L:80部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中において650部のイオン交換水と伴に攪拌しながら20℃に調整、その後ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.5部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。その後加熱用オイルバスで攪拌しながらフラスコを35℃まで加熱した。35℃で60分保持した後、ここに樹脂粒子分散液Bを緩やかに95部を追加した。
その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、5時間保持した。保持中に、0.5mol/Lの水酸化ナトリウムまたは0.5mol/Lの硝酸を用いて形状係数SF1を132に調整した。
反応終了後、1℃/分の速度で冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を施した。これを更に43℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが6.7、電気伝導度18μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒度をコールターカウンターTA−IIにて測定したところ体積平均粒径は6.5μmで、体積平均粒度分布指標GSDvは1.21であった。
<トナー母粒子Pの製造>
・樹脂粒子分散液C:510部
・ポリラクトン粒子分散液H:250部
・着色剤分散液K:60部
・離型剤分散液M:75部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中において330部のイオン交換水と伴に混合、攪拌しながら20℃に調整、その後ウルトラタラックスT50で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム1.0部を加え、加熱用オイルバスで45℃まで昇温し、50分保持したところで樹脂粒子分散液Dを250部添加、更に系のpHを3.2に調整した。
その後攪拌のみで2時間粒子成長させ、粒子径が6.6μmになったところで系内のpHを8.5にした。その後、98℃まで再昇温した後、保持中トナーの形状をpH及び保持時間により調整し、形状係数SF1を128に調整した。保持時間は結果的に3時間であった。
反応終了後、1℃/分の速度で冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが6.7、電気伝導度17μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒度をコールターカウンターTA−IIにて測定したところ体積平均粒径は6.3μmで、体積平均粒度分布指標GSDvは1.21であった。
<トナー母粒子Qの製造>
樹脂粒子分散液Dの代わりに樹脂粒子分散液Bを使用しその量を120部にし、且つ樹脂粒子分散液Bを添加する際のポリ塩化アルミニウム量を0.2部とし、更に粒子成長後のpHを7にした以外は、トナー母粒子Pと全く同様の方法で形状係数SF1が135、体積平均径6.4μmのトナー母粒子Qを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.20であった。
<トナー母粒子Rの製造>
樹脂粒子分散液Cの代わりに樹脂粒子分散液Eを使用し、樹脂粒子分散液Dの代わりに樹脂粒子分散液Cを使用した以外は、トナー母粒子Pと全く同様の方法で形状係数SF1が130、体積平均径6.5μmのトナー母粒子Rを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.20であった。
<トナー母粒子Sの製造>
反応終了後の冷却を3℃/分の速度で実施した以外は、トナー母粒子Pと全く同様の方法でトナー母粒子Sを得た。
<トナー母粒子Tの製造>
樹脂粒子分散液Cとポリラクトン樹脂粒子分散液Hの代わりにポリラクトン/ポリエステル混合粒子分散液Iを760部入れた以外は、トナー母粒子Pと全く同様の方法で形状係数SF1が133、体積平均径6.4μmのトナー母粒子Tを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。
<トナー母粒子Uの製造>
ポリラクトン粒子分散液Gを入れず、樹脂粒子分散液Aの量を195部に代えた以外はトナー母粒子Oと全く同様の方法で形状係数SF1が127、体積平均径6.5μmのトナー母粒子Uを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは1.21であった。
<トナー母粒子Vの製造>
ポリラクトン粒子分散液Hを入れず、樹脂粒子分散液Cの量を760部に代えた以外は、トナー母粒子Pと全く同様の方法で形状係数SF1が128、体積平均径6.5μmのトナー母粒子Vを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。
<トナー母粒子Wの製造>
樹脂粒子分散液Dを投入せず、樹脂粒子分散液Cの量を760部とした以外は、トナー母粒子Pと全く同様の方法で形状係数SF1が131、体積平均径6.5μmのトナー母粒子Wを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは1.21であった。
−外添剤の添加及び現像剤の作製−
上述のように作製したトナー母粒子O〜Wに対して、外添剤として体積平均粒径30nmのデシルトリメトキシシラン処理されたチタニアをトナー母粒子100部に対して0.8部、及び体積平均粒径100nmのヘキサメチルジンラザン処理したシリカ1.2部を添加し、5Lヘンシェルミキサー(三井三池加工機(株)製)にて10分間混合し、更に風力篩分機ハイボルターNR300(東京機械製)にて(網目開き45μm)篩分し、トナーA1〜A9を得た。
また、上記トナーA2の作製において、トナー母粒子Pに対しヘキサメチルジンラザン処理を施したシリカを添加しないトナーA10を作製した。
次いで、粒径35μmのフェライトコアに対して質量比で0.8%のシリコーン樹脂(東レ−ダウコーエングシリコーン社製:SR2411)をニーダー装置を用いコーティングし得られたキャリア92部と、上記のトナーA1〜A10の各々8部と、をV型ブレンダーにて混合し、現像剤A1〜A10を得た。
(正接損失の測定)
前記現像剤の作製において得られたトナーA1〜A10の正接損失を、下記の動的粘弾性測定から求め、ピークの数およびピーク時の温度を測定した。
正接損失は、正弦波振動法により測定した動的粘弾性から求めた。動的粘弾性の測定にはレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置を用いた。動的粘弾性の測定は、トナーを錠剤に成形した後、8mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマルフォースを0とした後に6.28rad/secの振動周波数で正弦波振動を与えた。測定は20℃から開始し、100℃まで継続した。
測定時間インターバルは30秒、昇温は1℃/minとした。また、測定を行う前に、20℃から100℃まで10℃間隔で、歪量の応力依存性を確認し、各温度における応力と歪量が線形関係である歪量範囲を求めた。測定中は各測定温度における歪量を0.01%〜0.5%の範囲に維持し、全ての温度において応力と歪量が線形関係になるように制御し、これらの測定結果、貯蔵弾性率、損失弾性率、正接損失を求めた。
[評価]
(定着性)
作製した二成分系の現像剤A1〜A10について、Docucolor500改造機(プロセススピード及び定着温度を変更できるように改造したもの)を用い、富士ゼロックス社製、J紙(A4)上にトナーの載り量が4.0g/m2になる4cm×5cmの未定着画像のパッチを作成し、これをプロセススピード140mm/secに固定した条件で印画し、定着温度を80〜180℃の範囲で5℃おきに温度を変えて定着し、オフセットの起こらない最も低い定着温度(最低定着温度)を測定し、以下の基準で評価した。
◎:最低定着温度が100℃未満
○:最低定着温度が100℃以上110℃未満
△:最低定着温度が110℃以上120℃未満
×:最低定着温度が120℃以上130℃未満
××:最低定着温度が130℃以上
また、定着性の評価として、高温領域でのオフセット発生温度を、下記の方法により測定した。詳しくは、前述の最低定着温度の測定に用いたパッチを用い、定着温度を160℃から200℃まで5℃おきに変化させてそれぞれを定着し、ホットオフセットが生じた最も低い温度をホットオフセット発生温度とした。なお200℃でホットオフセットが発生しない場合は200℃以上とした。
(熱保存性(手篩テスト))
前記現像剤の作製において、トナーA1〜A10を50℃50%及び55℃50%の環境に60時間保管した後、同様の方法にて現像剤A1〜A10を作製し、試料100gを目開き106μmの網にて手篩にかけ、篩い上に残ったトナーの残量を測定した。残量によって以下の基準により評価した。
◎:残量が0g
○:残量が0gを超え0.5g未満
△:残量が0.5g以上1.0g未満
×:残量が1.0g以上2.0g未満
××:残量が2.0g以上
(熱保存性(Initial画質テスト))
前記現像剤の作製において、トナーA1〜A10を50℃50%及び55℃50%の環境に60時間保管した後、同様の方法にて現像剤A1〜A10を作製し、上記Docucolor500改造機を用い、定着温度を、前記の方法により測定した最低定着温度+20℃に設定し、プロセススピード160mm/secで富士ゼロックス社製、J紙(A4)上に1000枚の印画を行い、Initial画質を以下の基準により評価した。
◎:感光体(潜像担持体)及び画質上全く問題なし
○:画質上全く問題なし
△:画質上多少の欠陥(黒筋、ぼた落ち)が現れるが許容範囲
×:画質上欠陥(黒筋、ぼた落ち)が激しく許容範囲外
(画質維持性)
現像剤A1〜A10に対し、上記Docucolor500改造機を用い、定着温度を、前記の方法により測定した最低定着温度+20℃に設定し、プロセススピード160mm/secで、30℃90%の環境下、富士ゼロックス社製、J紙(A4)上に1万枚の印画を行い、画質維持性テストを行った。
尚、画質維持性の評価は、かぶり、黒筋・ぼた落ち等の欠陥、濃度再現維持性の3点について実施した。
−かぶり−
1万枚印画後の感光体(潜像担持体)表面、及び1万枚印画後の画像を形成した記録媒体表面のかぶりを目視で観察した。評価基準は以下の通りである。
◎:感光体上にかぶりなし
○:感光体上にかぶり若干あり
△:感光体上にかぶりがあるが、記録媒体上にはかぶりなし
×:記録媒体上にもかぶりあり
−黒筋、ぼた落ちの欠陥−
1万枚印画後の感光体(潜像担持体)表面、及び1万枚印画後の画像を形成した記録媒体表面の筋・ぼた落ちの画質欠陥を目視で観察した。評価基準は以下の通りである。
◎:発生なし
○:感光体上に若干あるが許容範囲
△:感光体上にあるが、記録媒体上にはなし
×:記録媒体上にも現れる
−濃度再現維持性−
印画初期(1枚目)の濃度(Ci)と1万枚印画時の濃度(Ce)とをマクベス濃度計(商品名:RD19I、グレタグマクベス社製)により測定し、その濃度比(Ce/Ci)を求め、以下の基準で評価した。
◎:濃度比が0.8以上1.2以下
○:濃度比が0.65以上0.8未満
△:濃度比が0.5以上0.65未満
×:濃度比が0.5未満
(ドキュメント保存性)
Cin100%の画像を富士ゼロックス社製J紙(A4)に重ね、圧力20g/cm2の荷重をかけ、50℃50%の恒温高湿槽に5日間保存し、保存後の画像移行性を、下記基準により評価した。
◎:白紙部へ全く画像移行していない
〇:はがす時に若干剥れ音がしたが移行していない
△:若干(面積で10%以下)画像が白紙部へ移行している
×:かなり白紙部へ移行している(面積で10%以上)
(画像強度)
Cin100%の画像を富士ゼロックス社製J紙(A4)に重ね、画像面を内側にして2つ折りにし、更に圧力10g/cm2の荷重を1分間かけ、その後2つ折りを開き、折れた部分をガーゼで軽くなぞるように拭いたときの画像の抜け具合を、以下の基準により目視で評価した。
◎:全く画像欠陥なし
〇:筋が軽くみられる(幅100μm以下)
△:画像欠落があるが、許容できる範囲(幅500μm以下)
×:画像欠陥が激しく許容できない範囲(幅500μmを超えるもの)
(画像光沢性)
上記Docucolor500改造機にて、4個有る現像機にすべて同じ現像剤を投入し、4色(回)重ね取り画像でコート紙上Cin400%とし、温度120℃で定着を行い、光沢計(テックジャム社製、商品名:グロスチェッカーIG−320)にて60°光沢度を測定し、以下の基準により評価した。
◎:40%以上
〇:30%以上
△:20%以上
×:20%未満
(総合評価)
また、上記より得られた評価結果をもとに、下記基準から現像剤としての総合評価を行った。
◎:すべての項目で問題なく、要求特性をすべて満足(単体評価項目が〇/◎で構成)
○:一部△評価のものがあるがすべての項目で許容範囲であるもの
×:単体評価項目で×があるもの
上記の結果を表1及び表2に示す。
Figure 2007033716
Figure 2007033716

Claims (4)

  1. 着色剤と結着樹脂とを構成成分とするコアシェル構造型の静電荷現像用トナーであって、コア部にポリラクトンを含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. トナーとキャリアとを構成成分とする2成分系、又はトナーを構成成分とする1成分系の静電荷像現像用現像剤であって、前記トナーとして請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  3. 第1の樹脂粒子を分散した第1の樹脂粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液と、ポリラクトンを分散したポリラクトン分散液と、を混合した混合分散液に、凝集剤を添加し、加熱することによりコア凝集粒子を形成する凝集工程と、
    前記コア凝集粒子が形成された前記混合分散液に、第2の樹脂粒子を分散した第2の樹脂粒子分散液を添加して、前記コア凝集粒子表面に前記第2の樹脂粒子が付着した付着樹脂凝集粒子を形成する付着工程と、
    前記付着樹脂凝集粒子を、前記第2の樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱することにより融合する融合工程と、
    を経ることにより、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを得ることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面を画像情報に応じて露光することにより静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記静電荷像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、前記記録媒体表面に転写された前記トナー像を加熱及び/又は加圧して定着する定着工程と、を含む画像形成方法において、
    前記現像剤として請求項2に記載の静電荷像現像用現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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