JP2004233650A - トナー - Google Patents

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JP2004233650A
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Tetsushi Tanabe
哲史 田部
Naomichi Kobayashi
直道 小林
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Abstract

【課題】耐オフセット性に優れ、熱ローラの定着温度を100℃以下に低下させて消費電力の大幅な削減化を図ることができるトナーを提供する。
【解決手段】トナーは、吸熱ピーク温度の高いワックスと吸熱ピーク温度の低いワックスとの吸熱ピーク温度差が20℃以上である少なくとも吸熱ピーク温度の異なる2種類のワックスからほぼ全体が形成され、この各ワックスを加熱溶融混合すると共に、着色した後、冷却固化して粉砕・分級・表面改質等して得られる略球状のコア部材と、該コア部材の表面を被覆する薄膜樹脂とから構成されている。そして、トナーは、95℃以下に温度差10℃以内で粘度が30分の1以下になる温度範囲をもち、低温側の吸熱ピーク温度と高温側の吸熱ピーク温度の間の10℃以上の温度幅に渡って貯蔵弾性率G’が1×10〜1×10Paの範囲内にあって、定着温度が100℃以下で熱定着可能に構成されている。
【選択図】 図22

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の画像形成装置に利用して好適に利用し得るトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の画像形成装置に利用されるトナーが種々提案されている。
例えば、略球状の圧力定着性コアを薄膜の硬質殻で被覆している摩擦帯電性カプセルトナーと、シリカ微粉体と、を有するトナーにおいて、該硬質殻が樹脂で形成されており、該硬質殻の表面に凹凸が形成されていることを特徴とし、圧力だけで定着する圧力定着用のトナーがある(例えば、特許文献1参照。)。これにより、摩擦帯電時のトナーの電荷量が変動し難く、階調性が変動し難く、また感光体への付着力が適度であり、転写効率が高く、均一かつ充分な転写画像が得られる。
【0003】
また、異なる融点を有する2種以上のワックス(低融点ワックス/高融点ワックス)を主成分とするワックス組成物であって、該ワックス組成物の示差走査熱量計(DSC)により測定されるDSC曲線の2回目昇温時の吸熱ピークに関して、(a)低融点ワックス成分が、60〜90℃に最大吸熱ピーク(P1)を有し、該最大吸熱ピーク(P1)を含む吸熱ピークの始点のオンセット温度が50℃以上であり、(b)高融点ワックス成分が、100〜150℃に最大吸熱ピーク(P2)を有し、(c)該低融点ワックス成分の最大吸熱ピーク(P1)と該高融点ワックス成分の最大吸熱ピーク(P2)が、(P2のピーク温度)−(P1のピーク温度)≧20の関係を満足することを特徴とするワックス組成物を含有し、熱ローラで溶融して定着する熱定着用のトナーがある(例えば、特許文献2参照。)。これにより、良好な低温定着性を達成できるばかりでなく耐オフセット性や耐ブロッキング性に優れ、長期にわたる使用においても現像性が劣化しないトナーを得ることが出来る。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−1402号公報(第2頁−第3頁、図1)
【特許文献2】
特開平8−278657号公報(段落(0100)〜(0133)、表1〜表3、図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した圧力定着用のトナーは、定着時に強い圧力をかける必要があるため、定着器が大型化、重量化するという問題がある。また、強い圧力が紙などの被記録媒体にかかるため、被記録媒体の厚さや風合いが変わるという問題がある。
また、上述した熱定着用のトナーは、結着樹脂等を主成分とし、ワックス組成物の含有量は5重量%以下、多くても13重量%以下であり、結着樹脂等を加熱して溶融する必要があるため、熱ローラの定着温度を120℃〜130℃に維持しなければならず、定着温度を更に低下させて消費電力の大幅な削減を図ることが困難であるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、耐オフセット性に優れ、熱ローラの定着温度を100℃以下に低下させて消費電力の大幅な削減化を図ることができると共に、定着器の低圧力化、引いては定着器の小型化、軽量化を図ることができるトナーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係るトナーは、略球状のコア部材の表面を薄膜樹脂で被覆して形成されるトナーにおいて、前記コア部材は、少なくとも吸熱ピーク温度の異なる2種類のワックスからほぼ全体が形成され、95℃以下に温度差10℃以内で粘度が30分の1以下になる温度範囲をもち、吸熱ピーク温度の高いワックスと吸熱ピーク温度の低いワックスとの吸熱ピーク温度差が20℃以上であり、低温側の吸熱ピーク温度と高温側の吸熱ピーク温度の間の10℃以上の温度幅に渡って貯蔵弾性率G’が1×10〜1×10Paの範囲内にあり、前記トナーは、100℃以下で熱定着可能なことを特徴とする。
【0008】
このような特徴を有する請求項1に係るトナーでは、表面が薄膜樹脂で被覆される略球状のコア部材は、少なくとも吸熱ピーク温度の異なる2種類のワックスからほぼ全体が形成され、95℃以下に温度差10℃以内で粘度が30分の1以下になる温度範囲をもつことから、低温側の吸熱ピーク温度付近に温度差10℃以内で粘度が30分の1以下になるような急激な粘度変化が生じるため、ワックスがもつ低温定着性は失われることなく、トナーの温度が低温側の吸熱ピーク温度以上になれば100℃以下で熱定着が可能となる。また、コア部材のほぼ全体を形成する吸熱ピーク温度の高いワックスと吸熱ピーク温度の低いワックスとの吸熱ピーク温度差が20℃以上であり、低温側の吸熱ピーク温度と高温側の吸熱ピーク温度の間の10℃以上の温度幅に渡って貯蔵弾性率G’が1×10〜1×10Paの範囲内にあることから、十分な温度幅でオフセットの発生を防止するが可能となると共に、低圧力で熱定着が可能となる。これにより、請求項1に係るトナーは、耐オフセット性に優れ、熱ローラの定着温度を100℃以下に低下させて消費電力の大幅な削減化を図ることができると共に、定着器の低圧力化、引いては定着器の小型化、軽量化を図ることができる。
ここに、貯蔵弾性率G’が1×10Paより小さいとオフセットが発生しやすい。また、貯蔵弾性率G’が1×10Paより大きいとトナーが変形しにくく、定着時の圧力を大きくしなければならず、定着器の小型化が難しくなる。また、吸熱ピーク温度差が20℃未満の場合は、トナーが軟化し、かつ弾性がある程度安定する温度域が実質的に存在せず、オフセット防止と低温定着を両立できなくなる。
尚、「吸熱ピーク温度」は、示差走査熱量計(DSC)により測定されるDSC曲線の吸熱ピークの温度をいう。また、「貯蔵弾性率G’」は、高分子における弾性すなわち、応力に対する可逆な性質を表す指標であり、定着の場面においては定着装置ニップ部通過時の圧力によるトナーの変形後の復元力を表すものである。また、粘度および貯蔵弾性率G’は、レオメータにより測定される。
【0009】
また、請求項2に係るトナーは、請求項1に記載のトナーにおいて、前記薄膜樹脂は、前記コア部材の低温側の吸熱ピーク温度より高い軟化点を有する樹脂、又は、熱硬化性樹脂により形成され、前記トナーの全体に対して20重量%以下とすることを特徴とする。
【0010】
このような特徴を有する請求項2に係るトナーでは、略球状のコア部材の表面を被覆する薄膜樹脂は、このコア部材の低温側の吸熱ピーク温度より高い軟化点を有する樹脂、又は、熱硬化性樹脂により形成され、前記トナーの全体に対して20重量%以下であることから、トナー全体に対するコア部材の重量比率を増加して定着温度の更なる低温化を図ることができると共に、コア部材の低温側の吸熱ピーク温度より高い軟化点を有する樹脂、又は、熱硬化性樹脂によりカプセル化することによって、トナーの固着を防止すると共に帯電特性等を均一化し良好な画像を形成することができる。
【0011】
さらに、請求項3に係るトナーは、請求項1又は請求項2に記載のトナーにおいて、前記コア部材は、該コア部材を分散した反応媒体中でこのコア部材表面にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を析出形成させることによって被覆されることを特徴とする。
【0012】
このような特徴を有する請求項3に係るトナーでは、コア部材は、該コア部材を分散した反応媒体中でこのコア部材表面にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を析出形成させることによって被覆されるため、トナー表面にワックスが残るのを防止することができると共に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂は硬いため、トナーの固着を確実に防止することができ、更に定着ローラの圧力で割れやすいことからより良好な画像を形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るトナーについて、本発明を具体化した実施形態に基づき説明する。本実施形態に係るトナーは、基本的に、少なくとも吸熱ピーク温度の異なる2種類のワックスからほぼ全体が形成され、この各ワックスを加熱溶融混合すると共に、着色した後、冷却固化して粉砕・分級・表面改質等して得られる略球状のコア部材と、該コア部材の表面を被覆する薄膜樹脂とから構成されている。
ここに、コア部材を形成する各ワックスの吸熱ピーク温度は、各ワックスの示差走査熱量計(DSC)により測定されるDSC曲線の吸熱ピークの温度をいう(図1、図2参照。ワックスのDSC曲線の吸熱ピークはワックスの融解によって現れるものである。)。従って、吸熱ピーク温度が低いワックスの融点は、吸熱ピーク温度が高いワックスの融点よりも低くなるため、以下、吸熱ピーク温度が低いワックスを低融点ワックス、吸熱ピーク温度が高いワックスを高融点ワックスという。
【0014】
略球状のコア部材を形成する方法としては、各ワックス等を溶融混合して冷却固化後、超音速ジェットミルなどで粉砕し、サフュージングシステムなどで球形化を行う方法がある。また、各ワックス等を溶融混合後、熱水中にこの熱溶融したワックスを投入し、ホモジナイザーで微分散した後、急冷して球形粒子化する方法がある。
また、コア部材を着色する方法としては、各ワックスを加熱溶融混合すると共に、染料を溶解させるか、顔料を分散させる方法がある。染料を用いる場合には、ワックスに溶解して均一な発色を得られるように油溶性染料を用いることが好ましい。
【0015】
ここで、トナーのコア部材を形成する低融点ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス等の植物系ワックスがある。また、蜜蝋などの動物系ワックスがある。また、モンタンワックス等の鉱物系ワックスがある。また、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックスがある。また、硬化ヒマシ油などの動植物油に水素添加して作られる極度硬化油がある。また、エチレングリコール=モノ12−ヒドロキシステアラートなどの12−ヒドロキシステアリン酸の誘導体がある。また、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド、花王社製T−1などのジアルキルケトン、花王社製アトムルT−95等の多価アルコール脂肪酸エステル、東洋ペトロライト社製ポリワックス500等のポリエチレンワックス等が挙げられる。マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス等は、吸熱ピーク温度が90℃を越えるものもあるが、定着温度を100℃程度にするために、吸熱ピーク温度が90℃以下のものを選択する必要がある。また、極度硬化油などには吸熱ピーク温度が50℃以下のものもあるが、保存時の耐熱性や、使用時の温度上昇でトナーが凝集する虞などがあるため、50℃を越えるものを使用するのが好ましい。
【0016】
また、トナーのコア部材を形成する高融点ワックスとしては、東洋ペトロライト社製ポリワックス2000等のポリエチレンワックス、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミドや花王社製脂肪酸アマイドSなどの脂肪酸アミドがある。また、伊藤製油製ITOH WAX J−530などの12−ヒドロキシステアリン酸誘導体、三井化学社製三井ハイワックスNP055などのポリプロピレンワックス等が挙げられる。ポリエチレンワックス、脂肪酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体などでは、吸熱ピーク温度が110℃以下のものもあるので、低融点ワックスの吸熱ピーク温度よりも20℃以上高い吸熱ピーク温度のものを選択する必要がある。
【0017】
また、コア部材の表面を薄膜樹脂で被覆してカプセル化する方法としては、樹脂微粒子をハイブリダイザーやQ型ミキサ等で機械的衝撃力を与えてコア部材の表面に打ち込んで成膜させる乾式の方法がある。また、水などの液媒体中にコア部材を分散し、水などの分散媒体中で化学反応やコアセルベーション等でコア部材表面に樹脂を析出形成させる方法がある。前記乾式の方法では、ワックス微粒子が樹脂微粒子と共にコア部材表面に打ち込まれるため、トナー表面にワックスが残る可能性があるため、液媒体中でコア部材表面に樹脂を析出形成させる方法が好ましい。また、この乾式の方法の場合には、予めハイブリダイザーなどの打ち込み処理を行う装置でコア部材だけを処理し、ワックス微粒子をコア部材表面に打ち込んでから樹脂微粒子を該コア部材表面に打ち込むようにする方法が好ましい。
【0018】
ここで、コア部材表面にハイブリダイザー等によって機械的衝撃力により打ち込む樹脂微粒子としては、綜研化学社製MP−1000などの綜研化学社のアクリル微粒子MPシリーズ、日本ペイント社製N−70、F−062などのスチレンモノマー、アクリルモノマー、含フッ素アクリルモノマーを各種組み合わせて重合した日本ペイント社製超微粒子、ガンツ化成社製ガンツパールのサブミクロンタイプのものなどが挙げられる。また、粒子径が1μm以下の樹脂微粒子を用いることにより成膜し易く、ワックスが表面に露出しないカプセルを形成するのに好ましい。
【0019】
また、液媒体中でコア部材表面に樹脂を析出形成させてカプセル化する方法としては、各種のマイクロカプセルの製造方法が応用できる。
例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホルムアルデヒド樹脂によりカプセル化する場合には、連続層中(ワックス粒子が分散している水中)で重合反応が進行するin−situ重合法によりカプセル化することができる。また、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホルムアルデヒド樹脂によりカプセル化する場合には、メラミンやホルムアルデヒドなどの単量体から反応させてもよいし、昭和高分子社製ミルベンレジン等の水溶性の初期縮合物の縮合を進めて高分子量化させてコア部材表面に析出形成してもよい。
また、アルギン酸ナトリウムを塩化カルシウムで硬化させたものや、ポリビニルアルコールをホルムアルデヒドで硬化させたものをコア部材表面に析出形成させる液中硬化法によりカプセル化することができる。また、ゼラチンを硬化させたものを液中硬化法やコアセルベーションによりコア部材表面に析出形成させることによってカプセル化することができる。
またアラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロドリン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの水溶性高分子の高分子水溶液にコア部材を分散させ、スプレードライ造粒装置によって水を蒸発させるスプレードライ法によってもカプセル化することができる。また、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリカーボネートなどの非水溶性高分子をコア部材表面に析出形成させる場合には、これらの高分子を四塩化炭素やクロロホルムなどの有機溶剤に溶解させた溶液にコア部材を分散させ、スプレードライ法によってカプセル化することができる。
ここで、コア部材表面に析出形成させたカプセルの厚さを薄くすることができると共に、硬くて熱定着時に割れてワックスが流出しやすく、かつ、現像装置内で凝集をおこしにくいこと、ワックスを内包しない粒子ができにくく、吸湿性がなく高湿環境でも凝集しにくいことから、in−situ重合法によりメラミン−ホルムアルデヒド樹脂をコア部材表面に析出形成させてカプセル化することが好ましい。
【0020】
また、トナー粒子に荷電制御剤を添加する方法としては、ワックスを溶融して混合する際に溶解あるいは分散させる方法、コア部材表面にハイブリダイザーやQ型ミキサ等によって機械的衝撃力により打ち込む方法、または、荷電制御剤を溶解あるいは分散した液媒体中にコア部材又はトナー粒子を分散させた後、乾燥させる方法がある。
この荷電制御剤としては、負帯電性トナーに用いる負帯電性の荷電制御剤としては、ボントロンS−34等の含金属アゾ化合物、ボントロンE−84等のサリチル酸系金属錯体などが挙げられ、正帯電性トナーに用いる正帯電性の荷電制御剤としてはボントロンN−01等のニグロシン、ボントロンP−51等の第4級アンモニウム塩、コピーブルーPR等のトリフェニルメタン等が挙げられる。
【0021】
そして、上記製造方法で得られた後述の略球状のコア部材の体積平均粒子径、吸熱ピーク、貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”、損失正接(G”/G’=tanδ)、および粘度を測定した。この体積平均粒子径は、コールターカウンター(コールター社製マルチサイザー2)で測定した。また、ワックスの吸熱ピークは、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製示差走査熱量計DSC−220C)で測定した。また、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、後述の製造例1乃至製造例8によって作製された各ワックス混合固体の貯蔵弾性率G’と粘度とはレオメータ(Reologica Instruments社製レオメータDAR−100)を用い、プレート:P20ETC、測定周波数:1Hz、測定歪み:0.003、測定温度:70℃〜125℃まで5℃きざみ、の測定条件で測定した。また、この貯蔵弾性率G’の測定と同時に損失弾性率G”も測定し、損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’との比である損失正接tanδも測定した。
ここで、「損失弾性率G”」は、高分子における粘性、即ち応力に対する不可逆な性質を表す指標であり、定着の場面においては定着ローラのニップ部通過時の圧力に対しての変形のしやすさを表すものである。また、「損失正接tanδ」は、損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’とのバランスを表す指標であり、通常の定着温度範囲では、トナーの損失正接tanδは10以下である。
【0022】
次に、上記製造方法で得られる略球状のコア部材の製造例1乃至製造例8について説明する。
【0023】
(製造例1)
先ず、オイルジャケット付き容器に、
カルナウバワックス(中京油脂社製、吸熱ピーク温度85℃) 49重量部
ポリワックス2000(東洋ペトロライト社製、吸熱ピーク温度126℃)49重量部
染料(オリエント化学社製、OIL BLACK 860) 2重量部
を入れて、ジャケット温度を135℃に設定して上記2種類のワックスを溶解させた。また、ディスパーマットCV(VMA−GETZMANN社製)で直径3cmのインペラーを用い回転数800rpmで30分間撹拌し、完全に2種類のワックスを溶解させた。ここで、図1に示すように、カルナウバワックスのDSCにより測定されたDSC曲線の吸熱ピーク温度は85℃である。また、図2に示すように、ポリワックス2000のDSCにより測定されたDSC曲線の吸熱ピーク温度は126℃である。
そして、このワックス溶解混合物をステンレス製バットに流し入れて急冷して、ワックス混合固体を得た。また、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、この製造例1によって作製されたワックス混合固体の貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を得た。
また、図3に示すように、このワックス混合固体の貯蔵弾性率G’は、85℃〜115℃の間の約30℃の範囲において約1×10Paで安定している。また、図4に示すように、このワックス混合個体の粘度は、75℃〜85℃の約10℃の温度範囲の間に約6.9×10Pa・secから約5.1×10Pa・secに約135分の1になっている。
【0024】
続いて、このワックス混合個体を、チョッパーミルNCM−25−5(日本ニューマチック社製)にて粗砕して直径約2mm以下の粒子にした後、超音速ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック社製)にて粉砕した。そして更に、気流分級機DSX−2(日本ニューマチック社製)にて微粉を取り除いた後、表面改質装置サフュージングシステムSFS−3(日本ニューマチック社製)で熱風温度250℃、風量900L/minで処理を行い、体積平均粒子径約12.2μmの球形ワックス混合物粒子(コア部材)を得た。
【0025】
(製造例2)
先ず、オイルジャケット付き容器に、
ジステアリルケトンワックスT−1(花王社製、吸熱ピーク温度80℃)
49重量部
ポリワックス2000(東洋ペトロライト社製、吸熱ピーク温度126℃)49重量部
染料(オリエント化学社製、OIL BLACK 860) 2重量部
を入れて、ジャケット温度を135℃に設定して上記2種類のワックスを溶解させた。また、ディスパーマットCV(VMA−GETZMANN社製)で直径3cmのインペラーを用い回転数800rpmで30分間撹拌し、完全に2種類のワックスを溶解させた。ここで、ジステアリルケトンワックスT−1の吸熱ピーク温度は80℃であり、ポリワックス2000の吸熱ピーク温度は126℃である。そして、このワックス溶解混合物をステンレス製バットに流し入れて急冷して、ワックス混合固体を得た。また、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、この製造例2によって作製されたワックス混合固体の貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を得た。
また、図5に示すように、このワックス混合固体の貯蔵弾性率G’は、80℃〜115℃の間の約35℃の範囲において約5.7×10Pa〜約3.7×10Paである。また、図6に示すように、このワックス混合個体の粘度は、75℃〜85℃の約10℃の温度範囲の間に約7.2×10Pa・secから約2.6×10Pa・secに約277分の1になっている。
【0026】
続いて、このワックス混合個体を、チョッパーミルNCM−25−5(日本ニューマチック社製)にて粗砕して直径約2mm以下の粒子にした後、超音速ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック社製)にて粉砕した。そして更に、気流分級機DSX−2(日本ニューマチック社製)にて微粉を取り除いた後、表面改質装置サフュージングシステムSFS−3(日本ニューマチック社製)で熱風温度250℃、風量900L/minで処理を行い、体積平均粒子径約11.5μmの球形ワックス混合物粒子(コア部材)を得た。
【0027】
(製造例3)
先ず、オイルジャケット付き容器に、
カルナウバワックス(中京油脂社製、吸熱ピーク温度85℃) 68重量部
ポリワックス2000(東洋ペトロライト社製、吸熱ピーク温度126℃)30重量部
染料(オリエント化学社製、OIL BLACK 860) 2重量部
を入れて、ジャケット温度を135℃に設定して上記2種類のワックスを溶解させた。また、ディスパーマットCV(VMA−GETZMANN社製)で直径3cmのインペラーを用い回転数800rpmで30分間撹拌し、完全に2種類のワックスを溶解させた。ここで、カルナウバワックスの吸熱ピーク温度は85℃であり、ポリワックス2000の吸熱ピーク温度は126℃である。そして、このワックス溶解混合物をステンレス製バットに流し入れて急冷して、ワックス混合固体を得た。また、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、この製造例3によって作製されたワックス混合固体の貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を得た。
また、図7に示すように、このワックス混合固体の貯蔵弾性率G’は、85℃〜115℃の間の約30℃の範囲において約5×10Paで安定している。また、図8に示すように、このワックス混合個体の粘度は、75℃〜85℃の約10℃の温度範囲の間に約7×10Pa・secから約2.1×10Pa・secに約333分の1になっている。
【0028】
続いて、このワックス混合個体を、チョッパーミルNCM−25−5(日本ニューマチック社製)にて粗砕して直径約2mm以下の粒子にした後、超音速ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック社製)にて粉砕した。そして更に、気流分級機DSX−2(日本ニューマチック社製)にて微粉を取り除いた後、表面改質装置サフュージングシステムSFS−3(日本ニューマチック社製)で熱風温度250℃、風量900L/minで処理を行い、体積平均粒子径約11.9μmの球形ワックス混合物粒子(コア部材)を得た。
【0029】
(製造例4)
先ず、オイルジャケット付き容器に、
ジステアリルケトンワックスT−1(花王社製、吸熱ピーク温度80℃)
49重量部
脂肪酸アマイドS(花王社製、吸熱ピーク温度105℃) 49重量部
染料(オリエント化学社製、OIL BLACK 860) 2重量部
を入れて、ジャケット温度を135℃に設定して上記2種類のワックスを溶解させた。また、ディスパーマットCV(VMA−GETZMANN社製)で直径3cmのインペラーを用い回転数800rpmで30分間撹拌し、完全に2種類のワックスを溶解させた。ここで、ジステアリルケトンワックスT−1の吸熱ピーク温度は80℃であり、脂肪酸アマイドの吸熱ピーク温度は105℃である。そして、このワックス溶解混合物をステンレス製バットに流し入れて急冷して、ワックス混合固体を得た。また、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、この製造例4によって作製されたワックス混合固体の貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を得た。
また、図9に示すように、このワックス混合固体の貯蔵弾性率G’は、80℃〜95℃の間の約15℃の範囲において約6.3×10Pa〜約1.1×10Paである。また、図10に示すように、このワックス混合個体の粘度は、75℃〜85℃の約10℃の温度範囲の間に約7.1×10Pa・secから約2.7×10Pa・secに約2630分の1になっている。
【0030】
続いて、このワックス混合個体を、チョッパーミルNCM−25−5(日本ニューマチック社製)にて粗砕して直径約2mm以下の粒子にした後、超音速ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック社製)にて粉砕した。そして更に、気流分級機DSX−2(日本ニューマチック社製)にて微粉を取り除いた後、表面改質装置サフュージングシステムSFS−3(日本ニューマチック社製)で熱風温度250℃、風量900L/minで処理を行い、体積平均粒子径約11.5μmの球形ワックス混合物粒子(コア部材)を得た。
【0031】
(製造例5)
先ず、オイルジャケット付き容器に、
ポリワックス500(東洋ペトロライト社製、吸熱ピーク温度88℃)
49重量部
ポリワックス2000(東洋ペトロライト社製、吸熱ピーク温度126℃)49重量部
染料(オリエント化学社製、OIL BLACK 860) 2重量部
を入れて、ジャケット温度を135℃に設定して上記2種類のワックスを溶解させた。また、ディスパーマットCV(VMA−GETZMANN社製)で直径3cmのインペラーを用い回転数800rpmで30分間撹拌し、完全に2種類のワックスを溶解させた。ここで、ポリワックス500の吸熱ピーク温度は88℃であり、ポリワックス2000の吸熱ピーク温度は126℃である。そして、このワックス溶解混合物をステンレス製バットに流し入れて急冷して、ワックス混合固体を得た。また、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、この製造例5によって作製されたワックス混合固体の貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を得た。
また、図11に示すように、このワックス混合固体の貯蔵弾性率G’は、90℃〜115℃の間の約25℃の範囲において約9.7×10Pa〜約2×10Paの間で安定している。また、図12に示すように、このワックス混合個体の粘度は、85℃〜90℃の約5℃の温度範囲の間に約2.5×10Pa・secから約7×10Pa・secに約36分の1になっている。
【0032】
続いて、このワックス混合個体を、チョッパーミルNCM−25−5(日本ニューマチック社製)にて粗砕して直径約2mm以下の粒子にした後、超音速ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック社製)にて粉砕した。そして更に、気流分級機DSX−2(日本ニューマチック社製)にて微粉を取り除いた後、表面改質装置サフュージングシステムSFS−3(日本ニューマチック社製)で熱風温度250℃、風量900L/minで処理を行い、体積平均粒子径約11.7μmの球形ワックス混合物粒子(コア部材)を得た。
【0033】
(製造例6)
先ず、オイルジャケット付き容器に、
カルナウバワックス(中京油脂社製、吸熱ピーク温度85℃) 49重量部
脂肪酸アマイドS(花王社製、吸熱ピーク温度105℃) 49重量部
染料(オリエント化学社製、OIL BLACK 860) 2重量部
を入れて、ジャケット温度を135℃に設定して上記2種類のワックスを溶解させた。また、ディスパーマットCV(VMA−GETZMANN社製)で直径3cmのインペラーを用い回転数800rpmで30分間撹拌し、完全に2種類のワックスを溶解させた。ここで、カルナウバワックスの吸熱ピーク温度は85℃であり、脂肪酸アマイドの吸熱ピーク温度は105℃である。そして、このワックス溶解混合物をステンレス製バットに流し入れて急冷して、ワックス混合固体を得た。また、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、この製造例6によって作製されたワックス混合固体の貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を得た。
また、図13に示すように、このワックス混合固体の貯蔵弾性率G’は、70℃〜90℃の間において約2.1×10Pa〜約4.7×10Paで、95℃以上では約1×10Paを下回っている。また、図14に示すように、このワックス混合個体の粘度は、90℃〜95℃の約5℃の温度範囲の間に約7.6×10Pa・secから約3.4Pa・secに約223分の1になっている。
【0034】
続いて、このワックス混合個体を、チョッパーミルNCM−25−5(日本ニューマチック社製)にて粗砕して直径約2mm以下の粒子にした後、超音速ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック社製)にて粉砕した。そして更に、気流分級機DSX−2(日本ニューマチック社製)にて微粉を取り除いた後、表面改質装置サフュージングシステムSFS−3(日本ニューマチック社製)で熱風温度250℃、風量900L/minで処理を行い、体積平均粒子径約12.5μmの球形ワックス混合物粒子(コア部材)を得た。
【0035】
(製造例7)
先ず、オイルジャケット付き容器に、
カルナウバワックス(中京油脂社製、吸熱ピーク温度85℃) 74重量部
ポリワックス2000(東洋ペトロライト社製、吸熱ピーク温度126℃)24重量部
染料(オリエント化学社製、OIL BLACK 860) 2重量部
を入れて、ジャケット温度を135℃に設定して上記2種類のワックスを溶解させた。また、ディスパーマットCV(VMA−GETZMANN社製)で直径3cmのインペラーを用い回転数800rpmで30分間撹拌し、完全に2種類のワックスを溶解させた。ここで、カルナウバワックスの吸熱ピーク温度は85℃であり、ポリワックス2000の吸熱ピーク温度は126℃である。そして、このワックス溶解混合物をステンレス製バットに流し入れて急冷して、ワックス混合固体を得た。また、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、この製造例7によって作製されたワックス混合固体の貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を得た。
また、図15に示すように、このワックス混合固体の貯蔵弾性率G’は、85℃〜115℃の間の約30℃の範囲において約9.5×10Pa〜約6.5×10Paで安定している。また、図16に示すように、このワックス混合個体の粘度は、75℃〜85℃の約10℃の温度範囲の間に約7×10Pa・secから約1.5×10Pa・secに約467分の1になっている。
【0036】
続いて、このワックス混合個体を、チョッパーミルNCM−25−5(日本ニューマチック社製)にて粗砕して直径約2mm以下の粒子にした後、超音速ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック社製)にて粉砕した。そして更に、気流分級機DSX−2(日本ニューマチック社製)にて微粉を取り除いた後、表面改質装置サフュージングシステムSFS−3(日本ニューマチック社製)で熱風温度250℃、風量900L/minで処理を行い、体積平均粒子径約11.7μmの球形ワックス混合物粒子(コア部材)を得た。
【0037】
(製造例8)
先ず、オイルジャケット付き容器に、
カルナウバワックス(中京油脂社製、吸熱ピーク温度85℃) 98重量部
染料(オリエント化学社製、OIL BLACK 860) 2重量部
を入れて、ジャケット温度を135℃に設定してワックスを溶解させた。また、ディスパーマットCV(VMA−GETZMANN社製)で直径3cmのインペラーを用い回転数800rpmで30分間撹拌し、染料を完全にワックスに溶解させた。ここで、カルナウバワックスの吸熱ピーク温度は85℃である。そして、このワックス溶解混合物をステンレス製バットに流し入れて急冷して、ワックス混合固体を得た。また、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、この製造例8によって作製されたワックス混合固体の貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を得た。
また、図17に示すように、このワックス混合固体の貯蔵弾性率G’は、80℃以下では約8.5×10Pa以上であるが、85℃以上では約8×10Pa以下で1×10Paより小さい。また、図18に示すように、このワックス混合個体の粘度は、80℃〜85℃の約5℃の温度範囲の間に約1.4×10Pa・secから約4.9Pa・secに約28570分の1になっている。
【0038】
続いて、このワックス混合個体を、チョッパーミルNCM−25−5(日本ニューマチック社製)にて粗砕して直径約2mm以下の粒子にした後、超音速ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック社製)にて粉砕した。そして更に、気流分級機DSX−2(日本ニューマチック社製)にて微粉を取り除いた後、表面改質装置サフュージングシステムSFS−3(日本ニューマチック社製)で熱風温度250℃、風量900L/minで処理を行い、体積平均粒子径約11.1μmの球形ワックス混合物粒子(コア部材)を得た。
【0039】
次に、上記製造例1乃至製造例8で製造した球形ワックス混合物粒子(コア部材)をもとに以下の実施例1乃至実施例6および比較例1乃至比較例4のトナーを製造し、また、結着樹脂トナーと比較するために比較例5のトナーを製造し、これらのトナーの定着実験を行った。また、これらのトナーの定着実験は、カラーレーザプリンタHL−2400C(ブラザー工業社製)の定着器をヒートローラの温度を変えられるように改造して、A4サイズの用紙を毎分16枚印刷するのに相当する回転速度で定着して測定し、図22に示すように、各定着温度に対する定着性と耐オフセット性を評価した。ここで、図22中、「○」は「良好」、「×」は「実用不可」を表している。
【0040】
(実施例1)
先ず、製造例1で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)で16200rpmで5分間処理することにより、微粉を比較的大きな粒子に打ち込んで更に微粉を減らした。
そして、
前記打ち込み処理した製造例1で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 100重量部
メタクリレート微粒子N−70(日本ペイント社製) 10重量部
荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学社製) 1重量部
をハイブリダイゼーションシステムで13000rpmで5分間処理することにより、球形ワックス混合物粒子(コア部材)表面を荷電制御剤を含むトリフルオロエチルメタクリレートでカプセル状に被覆したカプセル状トナー母粒子を得た。このメタクリレート微粒子N−70は、トリフルオロエチルメタクリレートの粒子径98nmの粒子であり、軟化点は191℃である。この軟化点とは、フローテスタ(島津製作所製)で流出開始から5mmピストンが移動した時の温度である5mm軟化温度である。
続いて、このカプセル状トナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDK H200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この実施例1のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度90℃〜140℃の範囲において、オフセットが発生せず良好な熱定着を行うことができた。
【0041】
(実施例2)
先ず、製造例2で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)で16200rpmで5分間処理することにより、微粉を比較的大きな粒子に打ち込んで更に微粉を減らした。
そして、
前記打ち込み処理した製造例2で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 100重量部
メタクリレート微粒子N−70(日本ペイント社製) 10重量部
荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学社製) 1重量部
をハイブリダイゼーションシステムで13000rpmで5分間処理することにより、球形ワックス混合物粒子(コア部材)表面を荷電制御剤を含むトリフルオロエチルメタクリレートでカプセル状に被覆したカプセル状トナー母粒子を得た。
続いて、このカプセル状トナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDK H200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この実施例2のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度80℃〜140℃の範囲において、オフセットが発生せず良好な熱定着を行うことができた。
【0042】
(実施例3)
先ず、製造例3で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)で16200rpmで5分間処理することにより、微粉を比較的大きな粒子に打ち込んで更に微粉を減らした。
そして、
前記打ち込み処理した製造例3で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 100重量部
メタクリレート微粒子N−70(日本ペイント社製) 10重量部
荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学社製) 1重量部
をハイブリダイゼーションシステムで13000rpmで5分間処理することにより、球形ワックス混合物粒子(コア部材)表面を荷電制御剤を含むトリフルオロエチルメタクリレートでカプセル状に被覆したカプセル状トナー母粒子を得た。
続いて、このカプセル状トナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDK H200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この実施例3のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度90℃〜140℃の範囲において、オフセットが発生せず良好な熱定着を行うことができた。
【0043】
(実施例4)
先ず、製造例4で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)で16200rpmで5分間処理することにより、微粉を比較的大きな粒子に打ち込んで更に微粉を減らした。
そして、
前記打ち込み処理した製造例4で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 100重量部
メタクリレート微粒子N−70(日本ペイント社製) 10重量部
荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学社製) 1重量部
をハイブリダイゼーションシステムで13000rpmで5分間処理することにより、球形ワックス混合物粒子(コア部材)表面を荷電制御剤を含むトリフルオロエチルメタクリレートでカプセル状に被覆したカプセル状トナー母粒子を得た。
続いて、このカプセル状トナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDK H200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この実施例4のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度80℃〜110℃の範囲において、オフセットが発生せず良好な熱定着を行うことができた。
【0044】
(実施例5)
先ず、製造例5で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)で16200rpmで5分間処理することにより、微粉を比較的大きな粒子に打ち込んで更に微粉を減らした。
そして、
前記打ち込み処理した製造例5で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 100重量部
メタクリレート微粒子N−70(日本ペイント社製) 10重量部
荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学社製) 1重量部
をハイブリダイゼーションシステムで13000rpmで5分間処理することにより、球形ワックス混合物粒子(コア部材)表面を荷電制御剤を含むトリフルオロエチルメタクリレートでカプセル状に被覆したカプセル状トナー母粒子を得た。
続いて、このカプセル状トナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDK H200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この実施例5のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度100℃〜130℃の範囲において、オフセットが発生せず良好な熱定着を行うことができた。
【0045】
(実施例6)
先ず、
製造例1で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 68重量部
蒸留水 100重量部
水溶性高分子コーガムHW−225(昭和高分子社製) 7重量部
を撹拌してこのワックス粒子を分散させた。そして、更に撹拌しながら、
ミルベンレジンSM−805(昭和高分子社製) 12重量部
蒸留水 24重量部
を混合したものをゆっくり添加し、15%水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.5に調整し、撹拌を続けながら55℃に昇温して3時間保持し、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂でワックス粒子表面をカプセル状に被覆した。続いて、このカプセル状ワックス粒子を濾別回収し、風乾して粉体状のカプセル状トナー母粒子を得た。尚、ミルベンレジンSM−805はメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物である。
ついで、荷電制御剤BONTRON E−84(オリエント化学社製)をメタノールに過剰に投入して撹拌した後に濾過して、溶解しなかった荷電制御剤BONTRON E−84を分離して得られた飽和荷電制御剤メタノール溶液5重量部に、前記カプセル状トナー母粒子1重量部を撹拌しながら投入して分散させ、温度を30℃に保持して1時間撹拌を続け、濾別回収し、風乾し、荷電制御剤をカプセル状トナー母粒子に染着した。
続いて、この荷電制御剤付きカプセル状トナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDK H200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この実施例6のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度90℃〜140℃の範囲において、オフセットが発生せず良好な熱定着を行うことができた。
【0046】
(比較例1)
先ず、製造例6で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)で16200rpmで5分間処理することにより、微粉を比較的大きな粒子に打ち込んで更に微粉を減らした。
そして、
前記打ち込み処理した製造例6で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 100重量部
メタクリレート微粒子N−70(日本ペイント社製) 10重量部
荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学社製) 1重量部
をハイブリダイゼーションシステムで13000rpmで5分間処理することにより、球形ワックス混合物粒子(コア部材)表面を荷電制御剤を含むトリフルオロエチルメタクリレートでカプセル状に被覆したカプセル状トナー母粒子を得た。
続いて、このカプセル状トナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDK H200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この比較例1のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度80℃〜120℃の範囲において、オフセットが発生し、オフセットの発生しない定着温度範囲が存在しなかった。また、定着温度80℃〜90℃では熱定着が出来なかった。
【0047】
(比較例2)
先ず、製造例7で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)で16200rpmで5分間処理することにより、微粉を比較的大きな粒子に打ち込んで更に微粉を減らした。
そして、
前記打ち込み処理した製造例7で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 100重量部
メタクリレート微粒子N−70(日本ペイント社製) 10重量部
荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学社製) 1重量部
をハイブリダイゼーションシステムで13000rpmで5分間処理することにより、球形ワックス混合物粒子(コア部材)表面を荷電制御剤を含むトリフルオロエチルメタクリレートでカプセル状に被覆したカプセル状トナー母粒子を得た。
続いて、このカプセル状トナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDK H200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この比較例2のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度90℃において、オフセットが発生せず良好な熱定着を行うことができた。しかしながら、他の温度範囲においては、オフセットが発生し、オフセットの発生しない定着温度範囲が狭く、実用には適しなかった。
【0048】
(比較例3)
先ず、製造例8で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)で16200rpmで5分間処理することにより、微粉を比較的大きな粒子に打ち込んで更に微粉を減らした。
そして、
前記打ち込み処理した製造例8で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 100重量部
メタクリレート微粒子N−70(日本ペイント社製) 10重量部
荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学社製) 1重量部
をハイブリダイゼーションシステムで13000rpmで5分間処理することにより、球形ワックス混合物粒子(コア部材)表面を荷電制御剤を含むトリフルオロエチルメタクリレートでカプセル状に被覆したカプセル状トナー母粒子を得た。
続いて、このカプセル状トナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDK H200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この比較例3のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度80℃〜110℃の範囲において、オフセットが発生し、オフセットの発生しない定着温度範囲が存在しなかった。また、定着温度80℃では熱定着が出来なかった。
【0049】
(比較例4)
先ず、製造例1で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)で16200rpmで5分間処理することにより、微粉を比較的大きな粒子に打ち込んで更に微粉を減らした。
そして、
前記打ち込み処理した製造例1で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材) 100重量部
荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学社製) 1重量部
をハイブリダイゼーションシステムで13000rpmで5分間処理することにより、球形ワックス混合物粒子(コア部材)の表面に荷電制御剤を打ち込みトナー母粒子を得た。
続いて、このトナー母粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製、HDKH200)1重量部をメカノミル(岡田精工社製)にて2750rpmで3分間撹拌混合して外添してトナー粒子を得た。
そして、この比較例4のトナー粒子の定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、このトナーをトナーカートリッジに充填して印字を試みたところ、トナーがブレード融着を起こし、画像を出力することが出来なかった。
【0050】
(比較例5)
先ず、オイルジャケット付き容器に、
カルナウバワックス(中京油脂社製、吸熱ピーク温度85℃) 50重量部ポリワックス2000(東洋ペトロライト社製、吸熱ピーク温度126℃)50重量部
を入れて、ジャケット温度を135℃に設定して上記2種類のワックスを溶解させた。また、ディスパーマットCV(VMA−GETZMANN社製)で直径3cmのインペラーを用い回転数800rpmで30分間撹拌し、完全に2種類のワックスを溶解させた。ここで、カルナウバワックスの吸熱ピーク温度は85℃であり、ポリワックス2000の吸熱ピーク温度は126℃である。
そして、このワックス溶解混合物をステンレス製バットに流し入れて急冷して、ワックス混合固体を得た。
続いて、このワックス混合個体を、チョッパーミルNCM−25−5(日本ニューマチック社製)にて粗砕して直径約2mm以下の粒子にした後、超音速ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック社製)にて粉砕した。
【0051】
続いて、
このワックス混合物粒子 7重量部
結着樹脂(非線状ポリエステル樹脂、重量平均分子量(Mw)200000、ガラス転移温度(Tg)67℃) 100重量部
カーボンブラック(三菱化学社製カーボンブラック#260) 5重量部
荷電制御剤(オリエント化学社製BONTRON E−84) 2重量部
をヘンシェルミキサーで予備混合した後、一軸混練押出機で溶融混練してレジン中にカーボンブラック、ワックス混合物粒子、荷電制御剤を分散し、この加熱混練した材料を冷却後、粗粉砕し、更にジェットミルで微粉砕して、得られた粉砕物を風力分級し、重量平均粒子径9.8μmのトナーを得た。
【0052】
そして、図21のワックス温度特性テーブル11に示すように、この比較例5のトナーの貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を得た。
また、図19に示すように、この比較例5のトナーの貯蔵弾性率G’は、80℃〜120℃の間の約40℃の範囲において約2.4×10Pa〜約4.3×10Paで安定している。また、図20に示すように、この比較例5のトナーの粘度は、80℃〜90℃の約10℃の温度範囲の間で約8.1×10Pa・secから約1.4×10Pa・secに約6分の1になるにすぎない。
【0053】
また、この比較例5のトナーの定着実験の結果は、図22のトナー評価テーブル12に示すように、定着温度が120℃以上でないと、オフセットが発生しない良好な熱定着を行うことができなかった。
【0054】
(5000枚耐久印字試験)
次に、上記製造例1で得られた球形ワックス混合物粒子(コア部材)で作製された実施例1のトナーと実施例6のトナーとをそれぞれトナーカートリッジに充填して5000枚耐久印字試験を行った。
この結果、実施例6のトナーでは良好な印字を行うことができた。しかし、実施例1のトナーでは、帯電性の悪化による画像のかぶりやブレード固着による白筋が若干見られた。
【0055】
尚、上記製造例1乃至製造例8で得られた各球形ワックス混合物粒子(コア部材)には、染料を2重量%しか含有させていないが、約1重量%以上であれば十分な印字濃度を得ることが出来る。また、着色材料として顔料を使用する場合には、この顔料の含有率を5重量%〜10重量%にすることにより、十分な印字濃度を得ることが出来る。従って、トナーを形成する樹脂製薄膜で被覆される略球状のワックス混合物粒子(コア部材)のワックスの含有率を約90重量%〜99重量%とし、染料又は顔料の含有率を約1重量%〜10重量%としてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係るトナーでは、耐オフセット性に優れ、熱ローラの定着温度を100℃以下に低下させて消費電力の大幅な削減化を図ることができると共に、定着器の低圧力化、引いては定着器の小型化、軽量化を図ることができるトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1に使用するカルナウバワックスのDSC曲線の一例を示す図である。
【図2】製造例1に使用するポリワックス2000のDSC曲線の一例を示す図である。
【図3】製造例1により得られたワックス混合固体の温度に対する貯蔵弾性率G’の変化の一例を示す図である。
【図4】製造例1により得られたワックス混合固体の温度に対する粘度の変化の一例を示す図である。
【図5】製造例2により得られたワックス混合固体の温度に対する貯蔵弾性率G’の変化の一例を示す図である。
【図6】製造例2により得られたワックス混合固体の温度に対する粘度の変化の一例を示す図である。
【図7】製造例3により得られたワックス混合固体の温度に対する貯蔵弾性率G’の変化の一例を示す図である。
【図8】製造例3により得られたワックス混合固体の温度に対する粘度の変化の一例を示す図である。
【図9】製造例4により得られたワックス混合固体の温度に対する貯蔵弾性率G’の変化の一例を示す図である。
【図10】製造例4により得られたワックス混合固体の温度に対する粘度の変化の一例を示す図である。
【図11】製造例5により得られたワックス混合固体の温度に対する貯蔵弾性率G’の変化の一例を示す図である。
【図12】製造例5により得られたワックス混合固体の温度に対する粘度の変化の一例を示す図である。
【図13】製造例6により得られたワックス混合固体の温度に対する貯蔵弾性率G’の変化の一例を示す図である。
【図14】製造例6により得られたワックス混合固体の温度に対する粘度の変化の一例を示す図である。
【図15】製造例7により得られたワックス混合固体の温度に対する貯蔵弾性率G’の変化の一例を示す図である。
【図16】製造例7により得られたワックス混合固体の温度に対する粘度の変化の一例を示す図である。
【図17】製造例8により得られたワックス混合固体の温度に対する貯蔵弾性率G’の変化の一例を示す図である。
【図18】製造例8により得られたワックス混合固体の温度に対する粘度の変化の一例を示す図である。
【図19】比較例5により得られたトナーの温度に対する貯蔵弾性率G’の変化の一例を示す図である。
【図20】比較例5により得られたトナーの温度に対する粘度の変化の一例を示す図である。
【図21】製造例1乃至製造例8により得られた各ワックス混合固体および比較例5により得られたトナーの貯蔵弾性率G’、損失正接tanδ、および粘度の各温度に対する測定値を表すワックス温度特性テーブルの一例を示す図である。
【図22】実施例1乃至実施例6および比較例1乃至比較例5により得られたトナーの各定着温度に対する定着性と耐オフセット性との評価を表すトナー評価テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
11 ワックス温度特性テーブル
12 トナー評価テーブル

Claims (3)

  1. 略球状のコア部材の表面を薄膜樹脂で被覆して形成されるトナーにおいて、
    前記コア部材は、少なくとも吸熱ピーク温度の異なる2種類のワックスからほぼ全体が形成され、95℃以下に温度差10℃以内で粘度が30分の1以下になる温度範囲をもち、吸熱ピーク温度の高いワックスと吸熱ピーク温度の低いワックスとの吸熱ピーク温度差が20℃以上であり、低温側の吸熱ピーク温度と高温側の吸熱ピーク温度の間の10℃以上の温度幅に渡って貯蔵弾性率G’が1×10〜1×10Paの範囲内にあり、
    前記トナーは、100℃以下で熱定着可能なことを特徴とするトナー。
  2. 前記薄膜樹脂は、前記コア部材の低温側の吸熱ピーク温度より高い軟化点を有する樹脂、又は、熱硬化性樹脂により形成され、前記トナーの全体に対して20重量%以下とすることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記コア部材は、該コア部材を分散した反応媒体中でこのコア部材表面にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を析出形成させることによって被覆されることを特徴とする請求項2に記載のトナー。
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