JP2013120210A - 静電像現像トナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真用トナーのうち、特にコアシェルタイプのトナーにおける顔料分散および帯電制御に関わる点に注目し、これらを改善することで優れた色濃度、色再現性、彩度および透明度を有するトナーを提供する。
【解決手段】粒径3〜15μmの異形熱可塑性樹脂コア粒子Aと、異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に、一次粒径50〜300nmの着色粒子Bが単離分散状態で固定された着色粒子層Cと、該着色粒子層Cの表面に被着または内部に分散された帯電制御剤Dと、を有する静電像現像トナー。
【選択図】なし
【解決手段】粒径3〜15μmの異形熱可塑性樹脂コア粒子Aと、異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に、一次粒径50〜300nmの着色粒子Bが単離分散状態で固定された着色粒子層Cと、該着色粒子層Cの表面に被着または内部に分散された帯電制御剤Dと、を有する静電像現像トナー。
【選択図】なし
Description
本発明は、コアシェル型の静電像現像トナーおよびその製造方法に係り、特に、異形のコア粒子の表面に形成した着色粒子層に帯電制御剤を被着または分散せしめてなる着色性と帯電制御性をシェル部に機能分離した静電像現像トナーおよびその製造方法に関する。
一般に電子写真では、静電潜像を有する感光体表面にトナーと呼ばれる粒径10μm前後の着色微粒子を接触させることにより、トナーを潜像に応じて付着させて可視像を得る。この操作は現像と呼ばれる。得られた現像像は紙などの被印字媒体に転写したのち、熱や光を照射して紙面に定着させ、ハードコピーが得られる。
上記電子写真における画像形成プロセスから分かるように、可視像を形成するためには、トナーは着色していなくてはならない。また、トナーを潜像に応じて付着させるためにトナーは帯電していなくてはならない。さらに、現像画像被印字媒体に定着するためにトナーは熱や光で熱せられて溶融しなくてはならない。トナーに対する要求物性はこの他にもいろいろあるが、上記した着色性と帯電性はトナーの最も基本的な性質である。
トナーの着色性は、通常、熱可塑性樹脂を主成分とするトナー中に顔料や染料からなる着色剤を含有させることによって達成される。通常これら顔料や染料粒子は1μm以下、望ましくは50〜300nmの一次粒径を有し、熱可塑性樹脂中への添加率は1〜15質量%、一般的には1〜7質量%程度である。
トナーは熱可塑性樹脂に顔料を混練分散せしめたのち、これを粉砕・分級して作製する。得られた着色粒子は粉砕トナーと呼ばれる。粉砕トナーで問題となるのは熱可塑性樹脂中への顔料の分散性である。近年、電子写真で得られる画像には高精細化が要求され、とくにカラー画像では高い色再現性が要求されている。このためには、トナー中の顔料などの分散性をできるだけ向上させ、顔料が持つ色調、彩度、透明性を最大限に引き出すことが必要とされている。
トナー用の熱可塑性樹脂としては、一般にガラス転移点(Tg)が60〜70℃、融点130〜200℃のポリエステル樹脂やスチレン−アクリル共重合樹脂が用いられる。これらの熱可塑性樹脂中に顔料を均一に分散させるには、溶融状態の樹脂中に顔料を添加して混練する。通常、一次粒径が50〜300nmの顔料を熱可塑性樹脂中に直接添加して練り込む工程においては、顔料表面を樹脂分子で濡らすことが非常に難しく、どうしても顔料の二次凝集体が生じやすい。二次凝集体の粒径は1μm〜20μmもあり、このような凝集体が生成すると、その後に強い剪断力をかけて混練を行ってもこれを一次粒子化することは至難である。近年、粉砕トナーに替わってケミカルトナーと呼ばれる着色粒子の製造法が開発されている。ケミカルトナーも熱可塑性樹脂中に顔料をほぼ同含有率で分散させた着色粒子である。熱可塑性樹脂中に分散している顔料の一次粒子化という観点からは同様の問題点が残っている。
例えば、最も一般的なケミカルトナーに位置づけられている乳化重合凝集トナーでは、水中に分散した粒径がサブμmの顔料、熱可塑性樹脂およびワックスの微粒子を凝集させてトナーサイズの粒子を作製する。すなわち、乳化重合凝集法では分散状態にある各トナー成分をトナー形成過程で凝集させるプロセスから成り立っている。このためトナー化の最終工程は凝集工程であり、顔料分散度が低下する。事実、多くのケミカルトナーを硝子板に挟んでプレスした薄膜を高倍率の顕微鏡下で観察すると、5〜10μmの顔料凝集体が認められ、凝集工程での顔料凝集に細心の注意を払っても、顔料を一次粒子の状態まで分散したトナー粒子を得ることが難しい。
ケミカルトナーにおけるまた別の代表的製造法として、懸濁重合法が知られている。この製造法では、樹脂モノマー中に顔料やワックスなどを分散させておき、分散体を水中で懸濁せしめ、重合させて、トナーを得る方法である。懸濁重合法における製造プロセスから分かるように、顔料の一次粒子径は樹脂モノマー中での顔料分散度で決まる。しかもこの分散状態は、重合工程を終了するまで維持しなくてはならない。樹脂モノマー中への顔料分散には、ビーズミルなどの湿式分散法が用いられる。この分散工程で分散剤が使用できると良好な分散状態が実現できるが、トナーでは分散剤の使用が大幅に制限される。乳化重合凝集トナーにおける顔料のように、トナー粒子形成後の分散剤の洗浄除去工程を取り入れることは難しいため、重合トナー中の顔料の一次粒子化には未だ解決しなくてはならない問題が残っている。
通常、現像カブリのない鮮明な現像画像を得るためには、トナーの摩擦帯電特性が重要である。トナーの帯電は、正または負の極性を示し、所望の帯電量に維持することが重要で、一般的にはトナー中に帯電制御剤(Charge Control Agent;以下、CCAとも称する)を添加することによって達成される。粉砕トナーにおけるCCAは、顔料とともに熱可塑性樹脂中に練り込んで使用される。粉砕・分級工程を経て得られるトナー表面には、練り込んだCCAの一部が存在するが、トナー帯電量はこのCCA粒子によって獲得されている。しかしながら、CCA粒子のトナー表面での存在状態を混練・粉砕トナーで達成するには、CCAの混練時の分散状態、CCAの粒径、機械的強度、粉砕方法、など多くのファクターが関与する。すなわち、混練・粉砕トナー表面のCCAの存在状態を制御するためには、多数回の試行錯誤を経て最適処方、最適条件を決める必要がある。
CCAのトナー表面での存在状態は、トナー同士の混合操作、トナーに摩擦帯電量を付与しこれを搬送するためのキャリア粒子との混合操作、現像器内での摩擦、現像ローラに近接して取り付けた帯電制御ブレードとの摩擦、などによって変化する。すなわち、現像操作を繰り返すと、表面に存在するCCAが埋め込まれたり、消失したりするので、トナーの帯電量は大きく変化し、最終的には鮮明な現像画像が得られなくなる。
現行のケミカルトナーでもCCAはトナー内部に含有するようにトナーを作製している。したがって、得られたトナーの帯電量は同様のメカニズムで変化する。現状では、CCAを用いてトナー帯電量を所望の値に制御し、維持することは、非常に難しい状況にある。
ケミカルトナーはトナー作製工程上の自由度が非常に大きいため、トナーの機能をコア部とシェル部に分けるコアシェル型の機能分離トナーに関して多くの提案がなされつつある。コアシェル型の機能分離トナーの概念は、コア部に着色機能や熱定着機能を受け持たせ、シェル部に帯電制御性や耐ブロッキング性を受け持たせるトナーは1980年代後半にカラートナーの開発が行われるようになったとき、すでに提唱されていた。しかしながら当時の粉砕法トナーでは、この概念に沿ったトナーを調整する技術が未熟でその利点が十分に発揮されたトナーが提案されるに至らなかった。
最近のケミカルトナーでは、ガラス転移温度の高いシェル層を形成して、トナーの耐久性や耐ブロッキング性を高める多くの試みがなされている。例えば、特開平11−174732号公報では、熱可塑性樹脂と着色剤から構成されるコア剤にガラス転移温度の高いシェル剤を配した圧力定着用コアシェルトナーが(特許文献1参照)、また、特開2004−191618号公報および特開2007−212739号公報では、ガラス転移温度が高い厚み50〜500nmシェル層を設けたコアシェルトナーが(特許文献2および3参照)、また、特開2006−65001号公報ではシェル層にガラス転移温度が高いセルロース誘導体を含有したコアシェルトナーが(特許文献4参照)、提案されている。
さらに、特開2000−347455号公報では、ガラス転移温度の高いシェル層の表面に、酸性基含有の樹脂を固着させ、シェル層に耐刷性向上、ブレードクリーニング性などに加えて帯電性の向上を受け持たせたコアシェルトナーが提案されている(特許文献5参照)。また、特開2003−316017号公報では、シェル層に特殊条件下でシリカなどの無機微粒子を外添して低温定着性、耐ブロッキング性、帯電性、クリーニング性を向上させたコアシェルトナーが提案されている(特許文献6参照)。
トナー表面に帯電性制御性を機能分離したコアシェルトナーとして、特開2001−343786号公報では、重合法によるトナー作製プロセスにおいて、重合工程を経た後、酸処理を行って水媒体中の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(CCA)をトナー表面に析出させたものを提案している(特許文献7参照)。
トナー表面に着色性と帯電制御性を受け持たせたトナーも提案されている。例えば、特開昭64−62666号公報では、熱可塑性の球状レジン芯体へのシェル層に、帯電性や耐ブロッキング防止性、に加えて着色機能をも受け持たせた新しいコアシェルトナーを提案している(特許文献8参照)。この提案では、球状の芯体に着色材や帯電制御用樹脂を順次加えて、メカノケミカル作用により着色層、帯電制御層を順次作製する。使用される顔料は芯体に対して10質量%と多量である。また、芯体に対して10質量%もの帯電制御用樹脂粒子を添加してメカノケミカル作用によりフィルム化している。この発明では、顔料はそのまま機械的に固定させるだけなので、分散性確保は十分でない。また余りにも多量の帯電制御樹脂を被覆している点から、再現性のある帯電制御能の確保も困難で、現時点では、通常得られるコアシェルトナーと同様の色再現性や帯電制御性を得るには未だ解決するべき問題点が残っている。
従来、懸濁重合法で作製されるケミカルトナーは球形であるが、一般に球形のトナーはクリーニングブレードのすり抜けなどが起こり易く、現像画像が汚れる問題がある。このため、最近では球形度が0.7〜0.95とした異形粒子が使用される傾向にある。
異形粒子に上記したメカノケミカル法を適用してコアシェルトナーを作製する場合、均一な着色層や帯電制御層を直接形成することが困難である。この理由は、異形粒子の凹部とエッジ部では顔料粒子やCCA粒子が均一付着せず、粒子の分散性や均一性が確保できないことに起因している。このため、異形粒子コアを使用したコアシェルトナーの場合、色再現性の確保や高精度の帯電制御調節をおこなうことは難しい。
本発明は、電子写真用トナーのうち、特にコアシェルタイプのトナーにおける顔料分散および帯電制御に関わる上記問題点に注目してなされたもので、優れた色濃度、色再現性、彩度および透明度を有するトナーを得ることを課題とする。
また、本発明は、トナー帯電量が現像操作を繰り返しても一定に保たれ、以って常に地汚れの少ない現像画像が確保できる、優れた摩擦帯電特性を有するトナーを得ることを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するべく種々の検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂コアの表面に粒径50〜300nmの単離分散顔料を被着せしめて形成した着色粒子層に帯電制御剤を被着または分散せしめてなるコアシェル型の静電像現像トナーが、色濃度、色再現性、彩度および透明度に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の静電像現像トナーは、粒径3〜15μmの異形熱可塑性樹脂コア粒子Aと、前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に、一次粒径50〜300nmの単離分散状態の着色粒子Bを固定せしめてなる着色粒子層Cと、該着色粒子層Cの表面に被着または内部に分散された帯電制御剤Dと、を有することを特徴とする。
本発明の静電像現像トナーの製造方法は、一次粒径50〜300nmの着色粒子Bが単離分散状態で溶解または分散した液体と、粒径3〜15μmの異形熱可塑性樹脂コア粒子Aとを接触させ、該異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に前記着色粒子Bを被着させる工程と、前記着色粒子Bが被着した前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aを、熱気流中へ通過させ又は表面に機械的摩擦を付与することで、前記着色粒子Bを固定させ着色粒子層Cを形成する工程と、帯電制御剤Dと、前記着色粒子層Cが形成された前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aとを接触させ、前記着色粒子層Cの表面に前記帯電制御剤Dを被着させる工程と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明の他の静電像現像トナーの製造方法は、一次粒径50〜300nmの着色粒子Bが単離分散状態で溶解または分散し、かつ、帯電制御剤Dが溶解、乳化または分散した液体と、粒径3〜15μmの異形熱可塑性樹脂コア粒子Aとを接触させ、該異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に前記着色粒子Bおよび帯電制御剤Dを被着させる工程と、前記着色粒子Bおよび帯電制御剤Dが被着した前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aを、熱気流中へ通過させ又は表面に機械的摩擦を付与することで、前記着色粒子Bおよび帯電制御剤Dを固定させ、帯電制御機能を有する着色粒子層Cを形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の静電像現像トナーによれば、着色粒子層は予め単離分散した一次粒径50〜300nmの顔料の分散状態を維持しつつコア粒子の表面に固定されるため、従来、混練・粉砕トナーで使用していたマスタバッチやケミカルトナーで見られた顔料の凝集粒子を著しく低減でき、以って色再現性をより高めた現像トナーを提供できる。
さらに、本発明の静電像現像トナーによれば、安定した帯電制御機能が維持でき、長期にわたって現像を重ねてもトナーかぶりなどが発生しない安定した現像画像を得ることができる。
また、本発明の静電像現像トナーの製造方法によれば、トナー製造時の煩雑な製造工程を回避した省エネルギー化した方法であって、上記の優れた特性を有する静電像現像トナーを製造する方法を提供できる。
本発明の静電像現像トナーは、上記した通り、粒径3〜15μmの異形熱可塑性樹脂コア粒子Aと、前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に、一次粒径50〜300nmの着色粒子Bが単離分散状態で固定された着色粒子層Cと、該着色粒子層Cの表面に被着または内部に分散された帯電制御剤Dと、を有するものである。
ここで、本発明に用いる異形熱可塑性樹脂コア粒子(以下、コア粒子と称する)には、通常のトナーに用いられている熱可塑性樹脂が用いられる。最も一般的な熱可塑性樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン共重合樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、50〜80℃のガラス転移転(Tg)、80〜180℃の融点を有する、粒径3〜15μm、好ましくは5〜10μmに調整されたコア粒子として使用される。
本発明のコア粒子の形状は、球形度0.7〜0.95の異形粒子(不定形粒子)であることが望ましく、粒子表面は平滑であることが望ましいが、1000nmピッチ以上の凹凸であれば、存在していてもかまわない。また粉砕トナーのような角張ったエッジを有するものであってもよい。
コア粒子を上記のような異形粒子とすることで、クリーニングブレードのすり抜けなどを抑制し、現像の際の汚れなどの問題を軽減して、安定した現像画像を得ることができる。なお、本明細書における球形度は、粒子を投影したときの円形度=4πS/L2を以ってこれに替え、算出している。ここで、SおよびLは投影粒子の半径をrとしたとき、S=πr2、L=2πrである。
また、コア粒子の粒径は、コールターカウンター(ベックマンコールター社製、商品名)により測定された値である。
コア粒子において、平滑平面が望ましい理由は、コア粒子表面に単離分散された着色粒子層を均一に被着せしめ、以って高い色再現性の高いトナーを提供することにある。例えば、着色粒子層が染料粒子で形成される場合を考えてみる。この場合、染料粒子自体がいかに微細であっても、被着する下地に染料粒子径の数〜数十倍の凹部が存在すると、この凹部を埋める粒子は凝集した粒子になってしまう。この結果は、着色粒子として粒径が50〜300nmの単離分散顔料を用いた場合でも全く同じである。それゆえ、このようなコア粒子は、予め機械的すり合わせをおこなうか、熱気流中を通過させる、などして平滑化しておくことが望ましい。
本発明に使用するコア粒子は、熱可塑性樹脂のみで構成されていてもよいが、熱可塑性樹脂と、50℃〜150℃の融点を有するパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エステルワックス、カルナバ蝋、米ぬか蝋、などに代表されるワックス類との混合粒子、または、着色剤やCCAとの混合粒子であってもよい。
本発明に用いる着色粒子としては、染料粒子または顔料粒子が用いられる。これらの着色粒子は水や有機溶剤中に溶解または単離分散した状態で上記コア粒子と接触させ、着色粒子層を作成するために使用される。水を主成分とする分散媒中に分散した顔料粒子分散液はもっとも一般的に用いられ、この場合、ほとんどの顔料粒子は、一次粒子径まで分散することが望ましい。分散媒に有機溶剤を用いる場合、例えば、染料では一次粒径が数nm〜100nmの着色粒子を得ることができる。分散体の作製に当たっては、着色粒子と分散媒との混合体と、ビーズなどの分散メディアとを、振とうまたは攪拌混合して得られる。この際、所望によって分散剤を併用することもできる。
着色粒子としては、有機顔料、染料および無機顔料を用いることもできる。代表的な黒色顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックやマグネタイトなどが挙げられる。また、イエロー着色顔料としては、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー185、などが、マゼンタ着色顔料としては、ピグメントレッド122、ピグメントレッド184、ピグメントレッド57:1などが、シアン着色顔料としては、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、などが挙げられる。
顔料粒子は、水や有機溶剤に分散させた状態で使用される。分散した顔料粒子をレーザー散乱式粒度分布計で測定したときの粒子径としては、10〜400nmの範囲、好ましくは50〜300nmの範囲が望ましい。通常の有機顔料では、この粒子径は一次粒子径に相当する大きさであり、分散した顔料粒子を凝集することなくコア粒子表面に被着せしめれば、得られたトナー粒子の色再現域は最高レベルまで拡大せしめることが可能になる。
顔料粒子の分散は、水またはアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、などの有機溶剤中に顔料および分散剤を添加して混合した後、分散メディアとしてジルコニアビーズを加えて高シェアー下で分散する。分散剤としては、スチレン−アクリル酸共重合樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、スチレン−マレイミド共重合樹脂、スルホン化ポリエステル樹脂、セルロース誘導体樹脂、などの高分子分散体を使用される。これらの高分子樹脂分散剤は分散安定性の確保にも有効に働く。これらの樹脂分子は、多量のカルボキシル基、スルホン基、第4アンモニウム基、で置換されており、顔料と分散媒との間を取り持つことが分散性向上に大きく働いている。これらの顔料分散体はまた、pHを調節することによりコア粒子表面への顔料粒子を均一に沈積せしめることができる。これらの高分子樹脂はさらに、形成された着色剤層をコア粒子表面に固着させるためにも有効に働く。
なお、上記により得られる着色粒子層の形成法はコアセルベーション法と呼ばれ、コア粒子の表面に均一な着色粒子の薄層を形成するためには極めて有効な手段となる。
今、粒径が10μm、比重が1.0のコア粒子100質量部の表面を一次粒径が100nmで比重が1.0の顔料粒子で隙間なく均一に覆う場合の必要顔料量を計算すると、約6質量部となる。コア粒子の粒径が小さくなると、100質量部の表面を顔料の単粒子層で覆うに必要な顔料量も増える。たとえば、コア粒子径が8μmになると、約7.6質量部の顔料が、また、6μmでは約10.3質量部の顔料が必要となる。このことは、粒径が5〜10μmのコア粒子の表面を、通常のトナーに添加されている顔料比率3〜5質量部で覆う場合、顔料粒子の単粒子層を形成するには粒子数不足で、顔料粒子間には隙間ができることを意味する。
以上の考察から、コア粒子表面に被着する顔料が一次粒子の粒径を示すまでに単離分散されていれば、形成された着色粒子層は隙間のあるものとなり、その厚みは顔料粒子の粒径程度になる。また、このときコア粒子が平滑であれば、顔料粒子は若干の分散剤で被覆された単離粒子として、コア表面から顔料粒子径に相当する分だけ突出した状態で存在する。
本発明では、以上の想定の基に粒径50〜300nmの顔料粒子の単離分散体を作製し、規定量の顔料で被覆したコア粒子を作製して表面を走査型電子顕微鏡で観察してみた。この結果、顔料粒子は予想した通りの被覆状態にあることが確認できた。
上記で顔料により着色層を形成して得られる着色粒子の帯電特性は、当然のことながら顔料粒子の摩擦帯電性に支配される。また、上記方法だけでは、被着している顔料粒子はコア表面に固定されていないので安定な摩擦帯電特性が確保できない。この問題点は、得られた着色粒子を熱気流中に通すか、粒子表面を機械的に摩擦して熱可塑性粒子中に顔料粒子を埋没させる平滑化処理により解決できる。
最も簡便な機械的摩擦は粒径50〜1000μmの混合用メディア粒子を加えて、10分〜60分振とう混合、または、攪拌混合する方法で達成できる。メディアとしてはアルミナ、ジルコニア、ガラス、フェライト、などの粒子が使用できる。また、熱気流中での処理は、気流中に浮遊・分散させた着色粒子を200〜500℃の熱気流中に吹き込んだのち、冷却し、捕集しておこなう。熱気流に接触する際着色粒子はその表面のみが溶融して平滑化すれば十分であり、粒子が完全に溶解する必要はない。このため、熱気流と接触した後の着色粒子は即座に冷却気流と混合され、その表面が固形化した状態で捕集される。
本発明で用いられる帯電制御剤(以下、CCAとも称する)は、トナーの電荷制御剤に用いられる公知のCCAであればよく、例えば、構成分子中に、スルホン基、カルボキシル基、水酸基、フェノール性水酸基、燐酸機、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基などの電子受容性官能基、あるいはアミノ基、アルキルアミノ基、第4アンモニウム基などの電子供与性官能基、を有する有機化合物、またはこれらの官能基と塩あるいは錯体を形成した有機化合物からなるものである。ここで、電子受容性あるいは電子供与性の官能基と塩または錯体を形成するための対イオンは、有機物イオンに限定されることはなく、金属イオン、金属酸化物イオン、ハロゲンイオン、第4アンモニウムイオンなどであってもよい。
具体的な負帯電型CCAとしては、含金アゾ錯体、t−ブチルサリチル酸の金属錯体、ボロン錯体、ニトロ基、スルホン基、カルボキシ基含有樹脂などが、また、正帯電用CCAとしては、ニグロシン、トリフェニルメタン系染料、第四級アンモニウム塩、アミノ基、アルキルアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基含有の樹脂、などが使用できる。
これらのCCAは、粒径1μm以下のCCA粒子、粒径1μm以下のCCA粒子と粒径5〜100nm以下の搬送粒子と混合粒子、または該搬送粒子表面に被着させてなるCCA粒子として用いられる。これらCCAは、平滑処理を行った後の着色粒子層を形成したコア粒子と混合する、または着色粒子層表面に塗布または沈着せしめる、などにより着色粒子層に被着せしめ、帯電制御剤層として用いることができる。被着させるにあたっては、CCAを粉末状のままコア粒子と接触させてもよいし、CCAを溶解、乳化または分散させた液体を接触させてもよい。
帯電制御層を、CCAを塗布または沈着せしめることによって形成するには、たとえばCCAのアルコール溶液、またはCCAとアルコール可溶性樹脂とを混合した溶液と着色粒子層を有するコア粒子とを、混合攪拌した後、乾燥することによって得られる。乾燥した着色粒子層上には、CCAとアルコール可溶樹脂のマトリックス層が均一に被覆されている。
また、CCAは、着色粒子層の内部に分散せしめ、帯電制御層することも可能である。たとえば、液体中に溶解、乳化または分散したCCAと、溶解または分散した着色粒子Bとを混合し、この混合液体を同時にコア粒子表面に塗布または沈着せしめ、続いて平滑化処理を行って得られた着色粒子層は、着色粒子層内部にCCAも含有しており、帯電制御性を兼備した着色粒子層として用いることができる。
帯電制御層を着色粒子層の内部に分散させるには、例えばカルボキシル基、第四アンモニウム基を含有樹脂の水またはアルコール溶液に着色粒子分散液を加えたのち、混合・攪拌しながらpHを変え、着色粒子と官能基含有樹脂層を同時に沈着させて形成することができる。得られた粒子をろ別・乾燥した後の、着色粒子には均一な着色粒子層兼電荷制御層が形成される。ここで述べた着色層兼電荷制御層の形成方法はコアセルベーション法ともよばれ、本発明の着色剤層および電荷制御層の形成に用いられる。
帯電制御層はまた、粒径1μm以下のCCA粒子、または粒径100nm以下の搬送粒子表面にCCAを被着せしめた帯電制御粒子、または、粒径1μm以下のCCA粒子と粒径5〜100nmの搬送粒子とを混合した粒子を、着色粒子層の表面に被着させても得られる。CCAを搬送粒子と混合して用いる理由は、CCA自体をnmサイズに粉砕し、凝集のない状態で使用することが困難なためである。このようなCCAとしては、例えば搬送粒子として粒径約10nmのヒュームドシリカを用い、これにCCAを混合して得られた粒径1μm以下の混合粉体、または、CCA溶液をヒュームドシリカの表面に被覆して得たnmサイズのCCA粒子を着色粒子層表面に被着させることによっても得られる。
以上述べたように、着色粒子層の表面に被着または内部に分散させて形成する帯電制御層は、これをヒュームドシリカ粉上に塗布した状態で添加して配する場合、またはCCA溶液として塗布または沈着させる場合、または、CCAと樹脂のマトリックスとして被着させる場合、またはサブμmのCCA粒子として被着させる場合、などのいずれにおいても、CCAの粒子サイズは分子サイズ〜1μmにすることが重要である。これらのCCAのサイズが小さいほど、摩擦時におけるトナー電荷の立ち上がりは早くなり、高精度で持久性のある電荷制御が可能となる。
以下、本発明について、実施例を用いてさらに説明するが、本発明がこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
<熱可塑性樹脂コア粒子>
コア粒子にはエステル系ワックス(日油社製、商品名:ニッサンエレクトールWEP−3、融点73℃、針入度<0.5)1.0質量%を含有せしめたポリエチレン−ノルボルネン共重合体(COC)樹脂粉(ポリプラスチック社製、商品名:トパスTM、平均粒径8.5μm、ガラス転移温度60℃)を用いた。この樹脂粉はCOC樹脂粉100質量部にワックス粉1質量部を混合して熱混練したのち、ジェットミルにて粉砕・分級して得られたもので、球形度は0.81である。
<熱可塑性樹脂コア粒子>
コア粒子にはエステル系ワックス(日油社製、商品名:ニッサンエレクトールWEP−3、融点73℃、針入度<0.5)1.0質量%を含有せしめたポリエチレン−ノルボルネン共重合体(COC)樹脂粉(ポリプラスチック社製、商品名:トパスTM、平均粒径8.5μm、ガラス転移温度60℃)を用いた。この樹脂粉はCOC樹脂粉100質量部にワックス粉1質量部を混合して熱混練したのち、ジェットミルにて粉砕・分級して得られたもので、球形度は0.81である。
<顔料単離分散液の調製>
顔料にはカーボンブラック(キャボット社製、商品名:モーグルL)、ピグメントブルー15:3、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー185を用い、それぞれ100質量部をスチレン−アクリル酸共重合樹脂(BASF社製、商品名:ジョンクリル690;酸価 200、質量平均分子量 8000)20質量部、エタノール300質量部、脱イオン水600質量部と、ビーズミルにて混合、分散し、4色それぞれの顔料単離分散液を調整した。ここで、レーザー散乱式粒度計(日機装社製、商品名:マイクロトラック MT3300 EXII)で測定したときの顔料粒子の平均粒径が0.15μm以下とした。
顔料にはカーボンブラック(キャボット社製、商品名:モーグルL)、ピグメントブルー15:3、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー185を用い、それぞれ100質量部をスチレン−アクリル酸共重合樹脂(BASF社製、商品名:ジョンクリル690;酸価 200、質量平均分子量 8000)20質量部、エタノール300質量部、脱イオン水600質量部と、ビーズミルにて混合、分散し、4色それぞれの顔料単離分散液を調整した。ここで、レーザー散乱式粒度計(日機装社製、商品名:マイクロトラック MT3300 EXII)で測定したときの顔料粒子の平均粒径が0.15μm以下とした。
<着色層の作製>
エタノールと脱イオン水を3:1で混合した溶液1000質量部と上記コア粒子100質量部との混合液を投入した4個の混合容器に、上記4色の顔料単離分散液30.6質量部(顔料粒子3.0質量部を含有)をそれぞれ添加して均一に混合した。次いで、混合液の攪拌を続けながら、混合液のpHが4.0になるまで0.1規定の塩酸を滴下し、顔料粒子がコア表面に沈着して上澄み液が透明になるのを確認した後、デカンテーションを繰り返して着色粒子を洗浄し、ろ過・乾燥・解砕工程を経て4色の乾燥着色粒子を得た。
エタノールと脱イオン水を3:1で混合した溶液1000質量部と上記コア粒子100質量部との混合液を投入した4個の混合容器に、上記4色の顔料単離分散液30.6質量部(顔料粒子3.0質量部を含有)をそれぞれ添加して均一に混合した。次いで、混合液の攪拌を続けながら、混合液のpHが4.0になるまで0.1規定の塩酸を滴下し、顔料粒子がコア表面に沈着して上澄み液が透明になるのを確認した後、デカンテーションを繰り返して着色粒子を洗浄し、ろ過・乾燥・解砕工程を経て4色の乾燥着色粒子を得た。
<顔料粒子の固定>
得られた4色の着色粒子は振動ふるいを通して解砕したのち、それぞれの解砕粒子100質量部に、粒径0.5mmΦのジルコニアビーズ200質量部を加えて1時間振とう混合した。得られた混合粒子は、200メッシュの振動篩を通し、顔料粒子をコア表面に固定せしめ、4色の着色粒子を捕集した。
上記ジルコニアビーズとの混合による顔料粒子の固定操作前後の着色粒子表面をSEMで観察したところ、いずれの着色粒子も、固定操作を施した後には、固定操作を施す前の粒子で見られた粉砕粉特有のエッジが明らかに丸みを帯びたものに変わっており、また、固定操作を施す前の着色粒子表面では、個々の単離顔料粒子が突出した状態でコア粒子表面を均一に被覆して着色粒子層を形成していたのに対し、固定操作を施した後の着色粒子表面では、それぞれの顔料粒子がコア表面に埋め込まれて平滑な着色粒子層を形成していることを確認した。
得られた4色の着色粒子は振動ふるいを通して解砕したのち、それぞれの解砕粒子100質量部に、粒径0.5mmΦのジルコニアビーズ200質量部を加えて1時間振とう混合した。得られた混合粒子は、200メッシュの振動篩を通し、顔料粒子をコア表面に固定せしめ、4色の着色粒子を捕集した。
上記ジルコニアビーズとの混合による顔料粒子の固定操作前後の着色粒子表面をSEMで観察したところ、いずれの着色粒子も、固定操作を施した後には、固定操作を施す前の粒子で見られた粉砕粉特有のエッジが明らかに丸みを帯びたものに変わっており、また、固定操作を施す前の着色粒子表面では、個々の単離顔料粒子が突出した状態でコア粒子表面を均一に被覆して着色粒子層を形成していたのに対し、固定操作を施した後の着色粒子表面では、それぞれの顔料粒子がコア表面に埋め込まれて平滑な着色粒子層を形成していることを確認した。
<着色粒子の色評価>
得られたシアン、マゼンタ、イエロー3種の着色粒子をコピー用紙とカバーガラスの間に挟み込んで、140℃の熱板間で熱圧着して膜厚5〜30μmのカラー薄層を形成し、カラーメータにて得られたカラー薄層の明度、彩度、色相を測定した。得られたカラー薄層の色再現性は、市販トナーを用いて同様に作製したカラー薄層に比較して全く遜色ない明度−彩度特性、および、明度−色相特性を示し、混練操作を含まないコアシェル法による着色トナーでもその色再現性が十分に確保できることが確認できた。
得られたシアン、マゼンタ、イエロー3種の着色粒子をコピー用紙とカバーガラスの間に挟み込んで、140℃の熱板間で熱圧着して膜厚5〜30μmのカラー薄層を形成し、カラーメータにて得られたカラー薄層の明度、彩度、色相を測定した。得られたカラー薄層の色再現性は、市販トナーを用いて同様に作製したカラー薄層に比較して全く遜色ない明度−彩度特性、および、明度−色相特性を示し、混練操作を含まないコアシェル法による着色トナーでもその色再現性が十分に確保できることが確認できた。
<帯電制御層作製>
得られた4色の着色粒子それぞれの100質量部をアセトン100質量部中に投入し、t−ブチルサリチル酸の亜鉛錯体(オリエント化学工業社製、商品名:ボントロンE−84;負帯電型CCA)0.5質量部を添加して溶解せしめたのち、攪拌しながら水約100質量部を滴下してCCA粒子を着色粒子表面に被着せしめた。得られたそれぞれの分散液は、ろ過、乾燥、解砕して4色のコアシェルトナー粒子を得た。
得られた4色の着色粒子それぞれの100質量部をアセトン100質量部中に投入し、t−ブチルサリチル酸の亜鉛錯体(オリエント化学工業社製、商品名:ボントロンE−84;負帯電型CCA)0.5質量部を添加して溶解せしめたのち、攪拌しながら水約100質量部を滴下してCCA粒子を着色粒子表面に被着せしめた。得られたそれぞれの分散液は、ろ過、乾燥、解砕して4色のコアシェルトナー粒子を得た。
<コアシェルトナーの帯電特性評価>
4種のトナー粒子は日本画像学会のトナー帯電量標準基準に従って、標準キャリア(N−02)と混合し、ブローオフ帯電量を測定した。その結果、負帯電CCAを被着する前の4色の着色粒子は、マイナス5〜10μC/gを示す負帯電粒子であったコアシェルトナーが、負帯電CCA被着後にはマイナス40±5μC/gとほぼ一定の負帯電量を示した。この帯電量は、キャリア粒子と30分振とう混合した後の変化率が10%以下であり、コアシェル型着色粒子100質量部に対して、僅か0.5質量部の負帯電型CCAを被着せしめた帯電制御層により、着色粒子の帯電特性を完全に制御できることが確認できた。
4種のトナー粒子は日本画像学会のトナー帯電量標準基準に従って、標準キャリア(N−02)と混合し、ブローオフ帯電量を測定した。その結果、負帯電CCAを被着する前の4色の着色粒子は、マイナス5〜10μC/gを示す負帯電粒子であったコアシェルトナーが、負帯電CCA被着後にはマイナス40±5μC/gとほぼ一定の負帯電量を示した。この帯電量は、キャリア粒子と30分振とう混合した後の変化率が10%以下であり、コアシェル型着色粒子100質量部に対して、僅か0.5質量部の負帯電型CCAを被着せしめた帯電制御層により、着色粒子の帯電特性を完全に制御できることが確認できた。
(実施例2)
<コア粒子>
コア粒子にはトナー用スチレン−アクリル樹脂(三井化学社製、商品名:CPR200;球形度0.8、ガラス転移点60℃)100質量部に、ポリプロピレンワックス(三洋化成社製、商品名:ビスコール660P;融点(軟化点145℃、針入度1.5)1.0質量部を熱混練した後ジェットミルにて粉砕、分級して得た平均粒径8.2μm、球形度0.80の樹脂粒子を用いた。
<コア粒子>
コア粒子にはトナー用スチレン−アクリル樹脂(三井化学社製、商品名:CPR200;球形度0.8、ガラス転移点60℃)100質量部に、ポリプロピレンワックス(三洋化成社製、商品名:ビスコール660P;融点(軟化点145℃、針入度1.5)1.0質量部を熱混練した後ジェットミルにて粉砕、分級して得た平均粒径8.2μm、球形度0.80の樹脂粒子を用いた。
<着色粒子の作製>
上記コア粒子100質量部を、ダルトン万能攪拌機に投入し、攪拌しながら、実施例1で作製した4色の顔料単離分散液30.6質量部(顔料3質量部を含有)をそれぞれ滴下した。滴下後さらに攪拌を続けて着色したコア粒子が均一に染まったところで、容器ジャケットに熱媒を通して40℃着色粒子を加温しつつ、減圧して水およびエタノールを除去し、乾燥、解砕して、4色のコアシェル型着色粒子を得た。
上記コア粒子100質量部を、ダルトン万能攪拌機に投入し、攪拌しながら、実施例1で作製した4色の顔料単離分散液30.6質量部(顔料3質量部を含有)をそれぞれ滴下した。滴下後さらに攪拌を続けて着色したコア粒子が均一に染まったところで、容器ジャケットに熱媒を通して40℃着色粒子を加温しつつ、減圧して水およびエタノールを除去し、乾燥、解砕して、4色のコアシェル型着色粒子を得た。
<着色粒子の固定>
得られた4色の着色粒子はそれぞれ振動ふるいを通して解砕したのち、300℃の熱気流中に吹き込んで捕集し、顔料粒子をコア表面に固定したコアシェル型着色粒子を得た。熱気流吹き込み前後の各色の着色粒子表面をSEMで観察したところ、実施例1で観察されたのと全く同様に、熱気流に吹き込む前の粒子で見られた粉砕粉特有のエッジは、熱気流に吹き込んだ後では丸みを帯びたものに変わっており、また、熱気流への吹き込み前の着色粒子表面では、個々の単離顔料粒子が突出した状態でコア粒子表面を均一に被覆して着色粒子層が形成されていたのに対し、熱気流に吹き込んだ後得た着色粒子表面では、それぞれの顔料粒子がコア表面に埋め込まれて平滑な着色粒子層を形成していることを確認した。
得られた4色の着色粒子はそれぞれ振動ふるいを通して解砕したのち、300℃の熱気流中に吹き込んで捕集し、顔料粒子をコア表面に固定したコアシェル型着色粒子を得た。熱気流吹き込み前後の各色の着色粒子表面をSEMで観察したところ、実施例1で観察されたのと全く同様に、熱気流に吹き込む前の粒子で見られた粉砕粉特有のエッジは、熱気流に吹き込んだ後では丸みを帯びたものに変わっており、また、熱気流への吹き込み前の着色粒子表面では、個々の単離顔料粒子が突出した状態でコア粒子表面を均一に被覆して着色粒子層が形成されていたのに対し、熱気流に吹き込んだ後得た着色粒子表面では、それぞれの顔料粒子がコア表面に埋め込まれて平滑な着色粒子層を形成していることを確認した。
<着色粒子の色評価>
得られたシアン、マゼンタ、イエロー3種の着色粒子を、実施例1と同様にコピー用紙とカバーガラスの間に挟み込んで熱圧着してカラー薄層を作製し、カラーメータにて各色の明度、彩度、色相を測定した。測定の結果、カラー薄層の色再現性は、市販トナーを用いて同様に作製したカラー薄層に比較して全く遜色にない明度−彩度特性、および、明度−色相特性を示し、混練操作を含まないコアシェル法による着色トナーでも、その色再現性が十分に確保できることが確認できた。
得られたシアン、マゼンタ、イエロー3種の着色粒子を、実施例1と同様にコピー用紙とカバーガラスの間に挟み込んで熱圧着してカラー薄層を作製し、カラーメータにて各色の明度、彩度、色相を測定した。測定の結果、カラー薄層の色再現性は、市販トナーを用いて同様に作製したカラー薄層に比較して全く遜色にない明度−彩度特性、および、明度−色相特性を示し、混練操作を含まないコアシェル法による着色トナーでも、その色再現性が十分に確保できることが確認できた。
<帯電制御層の被着>
得られた4色の着色粒子それぞれ100質量部を水:メタノールが4:1の分散媒中にそれぞれ分散せしめた後、第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂(サートマー社製、商品名:PRO7058;正帯電型CCA)のメタノール希釈液(濃度10.0質量%)5質量部を添加して混合した。次いで、攪拌を続けながら、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液をpH10.0になるまで滴下し、第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂を着色粒子表面に被着せしめた。それぞれの分散液はデカンテーション法によりpHが7.0±0.5となるまで洗浄した後、ろ過、乾燥、解砕して4色のコアシェル型着色トナーを得た。
得られた4色の着色粒子それぞれ100質量部を水:メタノールが4:1の分散媒中にそれぞれ分散せしめた後、第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂(サートマー社製、商品名:PRO7058;正帯電型CCA)のメタノール希釈液(濃度10.0質量%)5質量部を添加して混合した。次いで、攪拌を続けながら、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液をpH10.0になるまで滴下し、第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂を着色粒子表面に被着せしめた。それぞれの分散液はデカンテーション法によりpHが7.0±0.5となるまで洗浄した後、ろ過、乾燥、解砕して4色のコアシェル型着色トナーを得た。
<コアシェル型着色トナーの帯電特性評価>
4色のトナー粒子の帯電量を実施例1と同様にして測定した結果、正帯電型CCAを被着する前の4色の着色粒子はマイナス10〜20μC/gを示す負帯電粒子であったのに対し、第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂層被着トナーの帯電量は、プラス40±5μC/gとほぼ一定の正帯電量を示した。この帯電量はキャリア粒子と30分振とう混合した後の帯電量変化も10%以下であり、着色粒子100質量部に対して僅か0.5質量部の正帯電型帯電制御層を被着させた4色のコアシェル型着色トナーの帯電を、いずれも高精度で制御できることが確認できた。
4色のトナー粒子の帯電量を実施例1と同様にして測定した結果、正帯電型CCAを被着する前の4色の着色粒子はマイナス10〜20μC/gを示す負帯電粒子であったのに対し、第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂層被着トナーの帯電量は、プラス40±5μC/gとほぼ一定の正帯電量を示した。この帯電量はキャリア粒子と30分振とう混合した後の帯電量変化も10%以下であり、着色粒子100質量部に対して僅か0.5質量部の正帯電型帯電制御層を被着させた4色のコアシェル型着色トナーの帯電を、いずれも高精度で制御できることが確認できた。
(実施例3)
<着色粒子>
実施例1で得たCOC樹脂コアに4色の顔料層をそれぞれ被着せしめた着色粒子を用いた。
<着色粒子>
実施例1で得たCOC樹脂コアに4色の顔料層をそれぞれ被着せしめた着色粒子を用いた。
<帯電制御層の被着>
得られた4色の着色粒子それぞれの100質量部をダルトン万能攪拌機に投入し攪拌しながらt−ブチルサリチル酸の亜鉛錯体(オリエント化学工業社製、商品名:ボントロンE−84;負帯電型CCA)のアセトン希釈液(CCA濃度10質量%)5質量部を滴下し、攪拌を続けながら40℃に加温し、減圧下にてアセトンを除去した。乾燥後の混合粉を取り出して振動ふるいを通しつつ解砕し、帯電制御剤を被着せしめた4色のコアシェル型着色トナーを得た。
得られた4色の着色粒子それぞれの100質量部をダルトン万能攪拌機に投入し攪拌しながらt−ブチルサリチル酸の亜鉛錯体(オリエント化学工業社製、商品名:ボントロンE−84;負帯電型CCA)のアセトン希釈液(CCA濃度10質量%)5質量部を滴下し、攪拌を続けながら40℃に加温し、減圧下にてアセトンを除去した。乾燥後の混合粉を取り出して振動ふるいを通しつつ解砕し、帯電制御剤を被着せしめた4色のコアシェル型着色トナーを得た。
<帯電制御コアシェル型着色トナーの帯電性評価>
4色のトナー粒子のそれぞれは日本画像学会のトナー帯電量標準基準に従って、標準キャリア(N−02)と混合し、ブローオフ帯電量を測定した。測定の結果、負帯電CCAを被着する前は、マイナス5〜10μC/gと小さな負帯電量を示していたコアシェル型着色トナーが、負帯電CCA被着後にはマイナス40±5μC/gとほぼ一定の大きな負帯電量を示した。この帯電量は、キャリア粒子と30分振とう混合した後の変化率が10%以下であり、着色粒子100質量部に対して僅か0.5質量部のt−ブチルサリチル酸の亜鉛錯体を被着せしめることにより表面に着色粒子層を配したコアシェルトナーの帯電特性が完全に制御できることが確認できた。
4色のトナー粒子のそれぞれは日本画像学会のトナー帯電量標準基準に従って、標準キャリア(N−02)と混合し、ブローオフ帯電量を測定した。測定の結果、負帯電CCAを被着する前は、マイナス5〜10μC/gと小さな負帯電量を示していたコアシェル型着色トナーが、負帯電CCA被着後にはマイナス40±5μC/gとほぼ一定の大きな負帯電量を示した。この帯電量は、キャリア粒子と30分振とう混合した後の変化率が10%以下であり、着色粒子100質量部に対して僅か0.5質量部のt−ブチルサリチル酸の亜鉛錯体を被着せしめることにより表面に着色粒子層を配したコアシェルトナーの帯電特性が完全に制御できることが確認できた。
(実施例4)
<着色粒子>
着色粒子には、実施例2で得たスチレン−アクリル樹脂コアに4色の顔料層をそれぞれ被着せしめたコアシェル型着色粒子を用いた。
<着色粒子>
着色粒子には、実施例2で得たスチレン−アクリル樹脂コアに4色の顔料層をそれぞれ被着せしめたコアシェル型着色粒子を用いた。
<帯電制御微粒子の外添>
撥水性フュームドシリカ60質量部と実施例2で用いた第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂(サートマー社製、商品名:PRO7058;正帯電型CCA)のメタノール希釈液(CCA濃度20.0質量%)200質量部をニーダにて混練しながら、減圧下でメタノールを除去してCCA−撥水シリカの混合粉体を得た。混合粉体はジェットミルにて解砕して平均粒径0.8μmの正帯電型外添用CCAを作製した。
撥水性フュームドシリカ60質量部と実施例2で用いた第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂(サートマー社製、商品名:PRO7058;正帯電型CCA)のメタノール希釈液(CCA濃度20.0質量%)200質量部をニーダにて混練しながら、減圧下でメタノールを除去してCCA−撥水シリカの混合粉体を得た。混合粉体はジェットミルにて解砕して平均粒径0.8μmの正帯電型外添用CCAを作製した。
<帯電微粒子を外添したコアシェル型着色トナー>
上記4色のスチレン−アクリル系コアシェル型着色粒子100質量部のそれぞれをヘンシェルミキサに投入し、上記正帯電型外添CCA1.0質量部を加えて混合して、帯電制御微粒子を外添した4色のコアシェル型着色トナーを得た。
上記4色のスチレン−アクリル系コアシェル型着色粒子100質量部のそれぞれをヘンシェルミキサに投入し、上記正帯電型外添CCA1.0質量部を加えて混合して、帯電制御微粒子を外添した4色のコアシェル型着色トナーを得た。
<帯電制御微粒子を外添したコアシェル粒子の帯電性評価>
4色のトナー粒子は、日本画像学会のトナー帯電量標準基準に従って、標準キャリア(N−02)と混合し、ブローオフ帯電量を測定した。その結果、負帯電CCAを被着する前の4色の着色粒子は、マイナス10〜20μC/gを示す負帯電粒子であったコアシェルトナーが、正帯電CCA微粒子を外添した後にはプラス40±5μC/gでほぼ一定の正帯電量を示す正帯電トナーに変わった。この帯電量は、キャリア粒子と30分振とう混合した後の変化率が10%以下であり、着色粒子100質量部に対して僅か0.25質量部の第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂のサブμm粒子を外添せしめることにより、コアシェルトナーの帯電特性を完全に制御できることが確認できた。
4色のトナー粒子は、日本画像学会のトナー帯電量標準基準に従って、標準キャリア(N−02)と混合し、ブローオフ帯電量を測定した。その結果、負帯電CCAを被着する前の4色の着色粒子は、マイナス10〜20μC/gを示す負帯電粒子であったコアシェルトナーが、正帯電CCA微粒子を外添した後にはプラス40±5μC/gでほぼ一定の正帯電量を示す正帯電トナーに変わった。この帯電量は、キャリア粒子と30分振とう混合した後の変化率が10%以下であり、着色粒子100質量部に対して僅か0.25質量部の第4アンモニウム化スチレン−マレイミド樹脂のサブμm粒子を外添せしめることにより、コアシェルトナーの帯電特性を完全に制御できることが確認できた。
(実施例5)
実施例2で使用したトナー用スチレン−アクリル樹脂コアをトナー用ポリエステル樹脂コア(日本合成社製、商品名:HP325;平均粒径8.5μm、球形度0.82、ガラス転移温度59℃)に変えた他は全く同様にして4色のコアシェル型着色トナーを作製した、得られたトナーは実施例2で得られたトナーと全く同様の色再現性、および帯電特性を示し、コア材料が替ってもコアシェルトナーの特性が同様に保たれることが確認できた。
実施例2で使用したトナー用スチレン−アクリル樹脂コアをトナー用ポリエステル樹脂コア(日本合成社製、商品名:HP325;平均粒径8.5μm、球形度0.82、ガラス転移温度59℃)に変えた他は全く同様にして4色のコアシェル型着色トナーを作製した、得られたトナーは実施例2で得られたトナーと全く同様の色再現性、および帯電特性を示し、コア材料が替ってもコアシェルトナーの特性が同様に保たれることが確認できた。
(実施例6)
実施例1におけるCOC樹脂コア表面への着色層形成の際に、単離分散顔料分散液30.6質量部と、第4アンモニウム塩系正帯電CCA(商品名:P−51、オリエント化学工業社製)のエタノール希釈液(濃度10質量%)5質量部とを同時に加えて着色粒子層兼帯電制御層を被着せしめたコアシェル粒子を作製した。次いで得られた着色粒子層は、実施例1と同様にして熱気流中での固定操作を行いコア粒子表面に固定し、着色コアシェル粒子とした。
実施例1におけるCOC樹脂コア表面への着色層形成の際に、単離分散顔料分散液30.6質量部と、第4アンモニウム塩系正帯電CCA(商品名:P−51、オリエント化学工業社製)のエタノール希釈液(濃度10質量%)5質量部とを同時に加えて着色粒子層兼帯電制御層を被着せしめたコアシェル粒子を作製した。次いで得られた着色粒子層は、実施例1と同様にして熱気流中での固定操作を行いコア粒子表面に固定し、着色コアシェル粒子とした。
得られたトナーは実施例1で得られたトナーと全く同様の色再現性、および帯電性を示し、着色粒子層兼帯電制御層を被着したトナーでも、着色層の上部に帯電制御層を配したと同様の特性を示すコアシェルトナーが得られることが確認できた。
以上の通り、本発明の静電像現像トナーは、異形の熱可塑性樹脂コア粒子を使用して、コア粒子の材質が変わっても、その表面を制御するだけで着色性、帯電制御性を満足するトナーが容易に得られる。
本発明のトナーでは、コアシェル粒子の最表面に配するCCAの種類と存在量を調節することによって、トナーに所望量のトナー帯電量を高精度で付与することが可能となる。この帯電量は現像による攪拌操作や現像に伴うトナーの消費、新規に補給するトナーとの混合、などによって変化しにくいため、安定した帯電制御機能が維持され、長期にわたって現像を重ねてもトナーかぶりなどが発生せず、安定した現像画像が確保できる。
また、本発明のトナーの製造方法は、極めて簡便なプロセスでコア表面の制御が確実かつ高精度で行え、上記のような優れた特性を有するトナーを簡便、かつ、低コストで製造することができる。
Claims (7)
- 粒径3〜15μmの異形熱可塑性樹脂コア粒子Aと、前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に、一次粒径50〜300nmの単離分散状態の着色粒子Bを固定せしめてなる着色粒子層Cと該着色粒子層Cの表面に被着または内部に分散された帯電制御剤Dと、を有することを特徴とする静電像現像トナー。
- 前記着色粒子Bが、一次粒径50〜300nmの染料粒子または顔料粒子と高分子樹脂との混合体として、前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に着色粒子層を形成していることを特徴とする請求項1記載の静電像現像トナー。
- 前記帯電制御剤Dが、粒径1μm以下の帯電制御粒子、粒径1μm以下の帯電制御粒子を粒径5〜100nmの搬送粒子表面に被覆した粒子、または粒径1μm以下の帯電制御粒子と搬送粒子との混合体、であることを特徴とする請求項1または2記載の静電像現像トナー。
- 前記帯電制御剤Dが、液体中に溶解、乳化または分散された状態で、前記着色粒子層Cの表面に塗布または沈着せしめて被着され、帯電制御剤層を形成していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の静電像現像トナー。
- 前記帯電制御剤Dが、液体中に溶解、乳化または分散された状態で、前記着色粒子Bと混合され、この混合液を前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に塗布または沈着せしめて、帯電制御性を兼備した着色粒子層Cを形成していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の静電像現像トナー。
- 一次粒径50〜300nmの着色粒子Bが単離分散状態で溶解または分散した液体と、粒径3〜15μmの異形熱可塑性樹脂コア粒子Aとを接触させ、該異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に前記着色粒子Bを被着させる工程と、
前記着色粒子Bが被着した前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aを、熱気流中へ通過させることまたは表面に機械的摩擦を付与することで、前記着色粒子Bを固定させ着色粒子層Cを形成する工程と、
帯電制御剤Dと、前記着色粒子層Cが形成された前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aとを接触させ、前記着色粒子層Cの表面に前記帯電制御剤Dを被着させる工程と、
を有することを特徴とする静電像現像トナーの製造方法。 - 一次粒径50〜300nmの着色粒子Bが単離分散状態で溶解または分散し、かつ、帯電制御剤Dが溶解、乳化または分散した液体と、粒径3〜15μmの異形熱可塑性樹脂コア粒子Aとを接触させ、該異形熱可塑性樹脂コア粒子Aの表面に前記着色粒子Bおよび帯電制御剤Dを被着させる工程と、
前記着色粒子Bおよび帯電制御剤Dが被着した前記異形熱可塑性樹脂コア粒子Aを、熱気流中へ通過させまたは表面に機械的摩擦を付与することで、前記着色粒子Bおよび帯電制御剤Dを固定させ、帯電制御機能を有する着色粒子層Cを形成する工程と、
を有することを特徴とする静電像現像トナーの製造方法。
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