JP2016200813A - 電荷制御剤外添型トナーの製造方法 - Google Patents

電荷制御剤外添型トナーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電荷制御剤を母体トナー粒子の表面に均一かつ確実に固着せしめることにより、高い帯電量を有し、環境安定性に優れた電荷制御剤外添型トナーを提供する。【解決手段】少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する母体トナーを調製するステップと、電荷制御剤の分散液を調整するステップと、前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップと、を含む電荷制御剤外添型トナーの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録などの分野において静電潜像を顕像化するための画像形成装置に用いられる静電荷像現像用トナーに関し、特に、電荷制御剤を外添して得られる電荷制御剤外添型トナーの製造方法に関する。
電子写真方式による画像形成プロセスでは、セレン、セレン合金、硫化カドミウム、アモルファスシリコンなどの無機感光体や、電荷発生剤と電荷輸送剤を用いた有機感光体に静電潜像を形成し、これをトナーにより現像し、紙やプラスチックフィルムに転写し、定着することにより可視画像を得る。感光体にはその構成により正帯電性と負帯電性があり、露光により印字部を静電潜像として残す場合は逆符号帯電性トナーにより現像し、一方、印字部を除電して反転現像を行なう場合は同符号帯電性トナーにより現像する。
トナーは、結着樹脂、着色剤、およびその他の添加剤により構成される。一般的に、望ましい帯電特性(帯電速度、帯電レベル、帯電安定性等)、経時安定性、環境安定性などを付与するために電荷制御剤(以下、「CCA」とも称する。)が添加される。電荷制御剤を添加することにより、トナーの特性は大きく改善される。
トナーは、その製造方法の違いにより、粉砕トナーと重合トナー(ケミカルトナー)とに大別される。粉砕トナーは、例えば、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤等のトナー構成材料を混合し、混練し、粉砕することによって得られる。
重合トナーは、さらに懸濁重合トナー、乳化凝集トナー及び乳化重合トナー等に分類される。懸濁重合トナーは、例えば、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、及び電荷制御剤等を、均一に溶解又は分散させて単量体組成物を調製し、該単量体組成物を重合させることにより得られる。
このように、電荷制御剤はトナー粒子の内部に添加される(以下、「内添」とも称する。)のが一般的である。しかし、トナーの帯電量は、トナー粒子表面に存在する電荷制御剤の影響を受けることが知られており、そのため、電荷制御剤をトナー粒子中に内添するのではなく、トナー粒子を製造した後に、電荷制御剤をトナー粒子表面に添加する(以下、「外添」とも称する。)ことにより、帯電性能を向上させようとする試みがなされている。
電荷制御剤をトナー粒子に外添する方法としては、例えば、ヘンシェルミキサーを用いて、電荷制御剤をシリカ等の無機微粒子と共にトナー表面に機械的に付着させる方法(特許文献1参照)や、微細化した電荷制御剤粒子を無機微粒子と共にトナー表面に固着させる方法が報告されている(特許文献2および3参照)。
特開平2−73371号公報 特開平5−127423号公報 特開2004−220005号公報
しかしながら、上記方法はいずれも、電荷制御剤と無機微粒子との混合物を、固体または粉末状態のままでトナー粒子表面に外添するものであり、微粉砕または微細化された電荷制御剤が、トナー粒子の表面に固着される前に凝集してしまい、電荷制御剤をトナー粒子表面に均一かつ確実に固着させるのが困難であった。また、得られたトナーの帯電特性及び環境安定性は十分満足できるものではなく、帯電付与効果が高く、環境安定性に優れた電荷制御剤外添型トナーが望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、電荷制御剤の分散液(以下、「CCA微粒子分散液」とも称する。)を用いることにより、電荷制御剤を母体トナー粒子表面に均一かつ確実に固着させた電荷制御剤外添型トナーを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために鋭意研究した結果得られたものであり、以下を要旨とするものである。
1.少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する母体トナーを調製するステップと、電荷制御剤の分散液を調整するステップと、前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップと、を含む電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
2.前記電荷制御剤の分散液を調整するステップにおいて、レーザー回折・散乱法で測定する体積基準の平均粒径は0.1〜1.0μmであり、且つ体積基準の粒径は1.0μm以上である粒子の含有量は25%以下である電荷制御剤の分散液を調整することを特徴とする電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
3.前記電荷制御剤の分散液を調整するステップにおいて、電荷制御剤の分散液の濃度を1.0質量%から30.0質量%の範囲に調整することを特徴とする電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
4.前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップが、電荷制御剤の分散液を母体トナーと混合攪拌した後、その混合物を凝集させることによって行われることを特徴とする電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
5.前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップが40℃から70℃の温度範囲で行われることを特徴とする電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
6.前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップにおいて、母体トナー100質量部に対して、電荷制御剤の分散液中の電荷制御剤が0.1から5.0質量部であることを特徴とする電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
7.前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップにおいて、母体トナーの前記体積基準の平均粒径は、電荷制御剤の前記体積基準の平均粒径の3倍から150倍であることを特徴とする電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
本発明の製造方法によれば、帯電付与効果が高く、環境安定性に優れた電荷制御剤外添型トナーを提供することができる。本発明の製造方法によって製造された電荷制御剤外添型トナーは、電荷制御剤が母体トナーの粒子表面に均一かつ確実に固着されているため、母体トナーからの電荷制御剤の欠落を低減させることができ、機内汚染等を防止することができる。また、本発明の製造方法を用いることで、電荷制御剤を内添させた場合に比べて少量の電荷制御剤であっても、電荷制御剤を内添させた場合と同程度の電荷制御剤がトナー表面に存在することになるため、電荷制御剤の使用量を削減することができ、トナーの製造コストの低減にもつながる。さらに、本発明の製造方法によれば、電荷制御剤を単独で母体トナーの粒子表面に固着させることが可能となるため、効率良く電荷制御剤外添型トナーを製造することができる。
本発明の実施例1で得られた母体粉砕トナーの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1で得られた電荷制御剤の分散液Aの粒度分布 本発明の実施例1で得られた電荷制御剤外添型粉砕トナーの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例2で得られた母体懸濁重合トナーの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例3で得られた電荷制御剤の分散液Bの粒度分布 本発明の実施例3で得られた電荷制御剤外添型懸濁重合トナーの走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態に係る電荷制御剤外添型トナー(以下、「外添型トナー」又は「CCA外添型トナー」とも称する。)は、母体トナーと電荷制御剤とを含有し、該母体トナーは、結着樹脂と、着色剤と、必要に応じてその他添加剤とを含有する。以下、本実施形態に係る母体トナーの各構成について詳細に説明する。なお、以下の明細書において、「母体トナー」とは、電荷制御剤を外添する前のトナーを意味し、「外添型トナー」とは、電荷制御剤を該母体トナーの表面に固着(外添)して得られるトナーを意味する。まず、電荷制御剤について説明する。
[電荷制御剤]
本実施形態に係る電荷制御剤としては、公知のものであればいずれも使用することができる。正帯電性電荷制御剤としては、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、アジン系染料、4級アンモニウム塩、または、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を有する樹脂などがあげられ、これらの中でも4級アンモニウム塩が好ましい。
負帯電性電荷制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩、安息香酸またはサリチル酸等の芳香族カルボン酸誘導体の金属錯塩、ナフトエ酸またはアントラニル酸等の芳香族アミノ酸誘導体の金属錯塩、ビフェノール誘導体、カリックスアレーン誘導体、環状フェノール硫化物、有機ホウ素化合物、ロダニン誘導体、チアゾリジンジオン誘導体、バルビツール酸誘導体、ヒダントイン誘導体、ビスフタルイミド誘導体、ピペラジン誘導体、アミノピペリジン誘導体、イソフタル酸誘導体、銅フタロシアニン顔料、酸成分を含む樹脂などがあげられる。これらの中でも、モノアゾ染料の金属錯塩(例えば、「T-77」、「T−159」、「T−126」(以上、保土谷化学工業株式会社製);「ボントロン(登録商標)S−28」、「ボントロンS−34」(以上、オリエント化学工業株式会社製)等)、サリチル酸金属錯塩(例えば、「TN−105」(保土谷化学工業株式会社製);「ボントロンE−81」、「ボントロンE−84」、「ボントロンE−88」、「ボントロンE−304」(以上、オリヱント化学工業株式会社製)等)、環状フェノール硫化物(例えば、「T-8」(保土谷化学工業株式会社製等)、ロダニン誘導体、チアゾリジンジオン誘導体、バルビツール酸誘導体、ヒダントイン誘導体、ビスフタルイミド誘導体、ピペラジン誘導体、アミノピペリジン誘導体が好ましく、下記一般式(1)もしくは一般式(2)で表される鉄錯塩化合物、下記一般式(3)で表されるサリチル酸金属錯塩、下記一般式(4)で表される環状フェノール硫化物、下記一般式(5)で表されるロダニン誘導体、下記一般式(6)で表されるヒダントイン誘導体、下記一般式(7)で表されるビスフタルイミド誘導体、下記一般式(8)で表されるアミノピペリジン誘導体又は下記一般式(9)で表されるピペラジン誘導体が特に好ましい。なお、本明細書において、「金属錯塩」とは、金属錯塩および金属塩を含む概念であるものとする。
Figure 2016200813
式中、X、Xは同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数1〜4のアルキル基、または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、m、mは0〜3の整数を表し、R、Rは同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、スルホンアミド基、炭素原子数1〜18のスルホンアルキル基、スルホン酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、ヒドロキシル基、アセチルアミノ基、またはベンゾイルアミノ基を表し、n、nは0〜3の整数を表し、R、Rは水素原子またはニトロ基を表し、Aは、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表し、X、X、R、Rが同一のベンゼン環上に複数存在する時、複数のX、X、R、Rはそれぞれ同一でも異なってもよい。
Figure 2016200813
式中、X、Xは同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、m、mは0〜4の整数を表し、R、Rは同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、または炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表し、n、nは0〜5の整数を表し、Bは、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表し、X、X、R、Rが同一のベンゼン環上に複数存在するとき、複数のX、X、R、Rはそれぞれ同一でも異なってもよい。
Figure 2016200813
式中、R、R、R、R10は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数5または6のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数5または6のシクロアルコキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、アリールオキシ基またはアミノ基を表し、RとR、RとR、またはRとR10とは、互いに結合して環を形成してもよく、R11は水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、Mはジルコニウムまたはアルミニウムを表し、mは1〜20の整数、nは0〜20の整数、rは1〜20の整数、sは0〜20の整数である。
Figure 2016200813
式中、R12は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、R13は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、mは4〜9の整数、nは0〜2の整数である。
Figure 2016200813
式中、R14は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R15は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルコキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基またはアリールオキシ基を表し、R16〜R20は同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルコキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基またはアリールオキシ基を表し、R16〜R20は互いに結合して環を形成していてもよい。
Figure 2016200813
式中、R21及びR22は同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表し、R23は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルコキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基またはアリールオキシ基を表し、R24〜R28は同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルコキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基またはアリールオキシ基を表し、R24〜R28は互いに結合して環を形成していてもよい。
Figure 2016200813
式中、Xはカルボニル基、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、または単結合を表し、R29、R30は同一でも異なってもよく、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R31〜R36は同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、またはアリールオキシ基を表し、R31〜R33およびR34〜R36は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。
Figure 2016200813
式中、XおよびXは同一でも異なってもよく、酸素原子または硫黄原子を表し、R37およびR38は同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R39およびR40は同一でも異なってもよく、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R41は重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルコキシ基、芳香族炭化水素基または複素環基、またはアリールオキシ基を表し、R42は水素原子、重水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、nは0〜9の整数を表し、nが2以上の場合に複数存在するR41は、同一でも異なっていてもよい。
Figure 2016200813
式中、XおよびXは同一でも異なっていてもよく、酸素原子または硫黄原子を表し、R43およびR44は同一でも異なっていてもよく、水素原子、重水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R45およびR46は同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R47は重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルコキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、またはアリールオキシ基を表し、nは0〜8の整数を表し、nが2以上の場合に複数存在するR47は、同一でも異なっていてもよい。
まず、前記一般式(1)で表される鉄錯塩化合物について説明する。
Figure 2016200813
<X、X
一般式(1)中のX、Xは同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数1〜4のアルキル基、又は炭素原子数1〜4のアルキルオキシ基を表す。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
上記炭素原子数1〜4のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基及びtert−ブチル基等をあげることができる。
上記炭素原子数1〜4のアルキルオキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基及びtert−ブチルオキシ基等をあげることができる。
<R、R
、Rは同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、スルホンアミド基、炭素原子数1〜18のスルホンアルキル基、スルホン酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、ヒドロキシル基、アセチルアミノ基、またはベンゾイルアミノ基を表す。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
炭素原子数1〜18のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基及びn−オクタデシル基等をあげることができる。
炭素原子数1〜18のアルキルオキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基及びn−オクタデシルオキシ基等をあげることができる。
炭素原子数2〜6のアルケニル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基および2−ブテニル基等をあげることができる。
スルホンアルキル基が有する炭素原子数1〜18のアルキル基も直鎖状、分岐状の何れでもよく、上記で例示した炭素原子数1〜18のアルキル基と同じものをあげることができる。
<R、R
、Rは、水素原子またはニトロ基を表す。
<A
前記式(1)中のAは、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンであり、1種単独でも、2種以上の組み合わせでもよい。該アルキルアンモニウムイオンは、窒素原子に結合している水素原子が、1〜4個のアルキル基で置換されたものであり、これらのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。このようなアルキル基としては、R、Rで表される炭素原子数1〜18のアルキル基と同じものをあげることができる。
次に、一般式(2)で表される鉄錯塩化合物について説明する。
Figure 2016200813
一般式(2)において、mは基Xの数を示し、mは基Xの数を示し、それぞれ0〜4の整数である。nは基Rの数を示し、nは基Rの数を示し、それぞれ0〜5の整数である。
<X、X
一般式(2)中のX、Xは同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
上記炭素原子数1〜8のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基及びイソオクチル基等をあげることができる。
<R、R
一般式(2)中のR、Rは同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、または炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基を表す。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
上記の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、X、Xで表される炭素原子数1〜8のアルキル基と同じ例をあげることができる。
上記の炭素原子数1〜8のアルコキシ基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基などを挙げることができる。
<B
前記式(2)中のBは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン又はアルキルアンモニウムイオンであり、1種単独でも、2種以上の組み合わせでもよい。該アルキルアンモニウムイオンは、窒素原子に結合している水素原子が1〜4個のアルキル基で置換されたアンモニウムイオンであり、これらのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。このようなアルキル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数1〜18のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
続いて、一般式(3)で表されるサリチル酸金属錯塩について説明する。
Figure 2016200813
一般式(3)において、Mはジルコニウムまたはアルミニウムを表し、mはMの数を示し、1〜20の整数である。nは酸素原子の数を表し、0〜20の整数である。sは水酸基の数を表し、0〜20の整数である。rはカルボキシル残基の数を示し、1〜20の整数である。
<R〜R10
一般式(3)中のR〜R10は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数5又は6のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜6のアルキルオキシ基、炭素原子数5又は6のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、アリールオキシ基またはアミノ基を表す。R〜R10は、互いに結合して環を形成していてもよい。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
上記の炭素原子数1〜6のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基及びn−ヘキシル基等をあげることができる。
上記の炭素原子数5又は6のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基をあげることができる。
上記の炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数2〜6のアルケニル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数1〜6のアルキルオキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基及びn−ヘキシルオキシ基を挙げることができる。
上記の炭素原子数5又は6のシクロアルキルオキシ基としては、シクロペンチルオキシ基およびシクロヘキシルオキシ基を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、又はシクロアルキルオキシ基(以下、まとめて「アルキル基等」とも称する)は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基として、具体的には、重水素原子;トリフルオロメチル基;シアノ基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基等の炭素原子数1〜8のアルキル基、;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等の炭素原子数1〜8のアルコキシ基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基等;ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、1−ヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基等の芳香族炭化水素基;ピリジル基、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピロリジニル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、チオラニル基、チアニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基等の複素環基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基、ジピペリジニルアミノ基、ジアリルアミノ基等、アルキル基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、複素環基またはアルケニル基から選択される1種または2種の置換基で置換されたジ置換アミノ基等があげられる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していても良く、互いに結合して環を形成していてもよい。
〜R10で表される芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などをあげることができる。
〜R10で表される複素環基としては、ピリジル基、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、ピロリジニル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、チオラニル基、チアニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基等をあげることができる。
〜R10で表されるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、トリルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基などを挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基、複素環基、又はアリールオキシ基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、R〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例をあげることができる。
〜R10で表されるアミノ基は、更に他の置換基を有していてもよい。置換基を有するアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基、ジピペリジニルアミノ基、ジアリルアミノ基等、アルキル基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、複素環基またはアルケニル基から選択される1種または2種の置換基で置換されたジ置換アミノ基等があげられる。
<R11
上記式(3)中のR11は水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
上記の炭素原子数1〜6のアルキル基としては、R〜R10で表される炭素原子数1〜6のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、R〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していても良い。
続いて、一般式(4)で表される環状フェノール硫化物について説明する。
Figure 2016200813
一般式(4)において、mは環を構成する基本単位の数を表し、4〜9の整数である。nはSに結合する酸素原子の数を表し、0〜2の整数である。
<R12、R13
一般式(4)中のR12は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。また、R13は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
上記の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、前記式(2)中のX、Xで表される炭素原子数1〜8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基または複素環基としては、前記一般式(3)中のR〜R10で表される芳香族炭化水素基または複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、芳香族炭化水素基又は複素環基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
続いて、一般式(5)で表されるロダニン誘導体について説明する。
Figure 2016200813
<R14
一般式(5)において、R14は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
上記の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、前記式(2)中のX、Xで表される炭素原子数1〜8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基又は複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基又は複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基又は複素環基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
<R15〜R20
一般式(5)中のR15は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基又はアリールオキシ基を表す。また、一般式(5)中のR16〜R20は相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基またはアリールオキシ基であって、互いに結合して環を形成していても良い。R16〜R20は、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
上記の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、前記式(2)中のX、Xで表される炭素原子数1〜8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、R14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数2〜6のアルケニル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基としては、前記式(2)中のR、Rで表される炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基としては、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基などを挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基又は複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基又は複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアリールオキシ基としては、式(3)のR〜R10で表されるアリールオキシ基と同じ例を挙げることができる。
16〜R20で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基又はアリールオキシ基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよく、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
続いて、一般式(6)で表されるヒダントイン誘導体について説明する。
Figure 2016200813
<R21、R22
一般式(6)において、R21及びR22は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
上記の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、前記式(2)中のX、Xで表される炭素原子数1〜8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基または複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基または複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基又は複素環基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
<R23〜R28
一般式(6)において、R23は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基またはアリールオキシ基を表す。また、一般式(6)中のR24〜R28は同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルコキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基またはアリールオキシ基を表し、R24〜R28は、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
上記の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、前記式(2)中のX、Xで表される炭素原子数1〜8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数2〜6のアルケニル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基としては、前記式(2)中のR、Rで表される炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基又は複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基又は複素環基と同じ例を挙げることができる。
23〜R28で表されるアリールオキシ基としては、式(3)のR〜R10で表されるアリールオキシ基と同じ例を挙げることができる。
24〜R28で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基又はアリールオキシ基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよく、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
続いて、一般式(7)で表されるビスフタルイミド誘導体について説明する。
Figure 2016200813
<X
一般式(7)中のXは、カルボニル基、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基または単結合を表す。
<R29、R30
一般式(7)において、R29及びR30は同一でも異なってもよく、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
上記の炭素原子数1〜18のアルキル基としては、式(1)のR、Rで表される炭素原子数1〜18のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基または複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基または複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基又は複素環基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
<R31〜R36
一般式(7)において、R31〜R36は同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、またはアリールオキシ基を表す。R31とR32およびR34とR35は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
上記の炭素原子数1〜18のアルキル基としては、式(1)のR、Rで表される炭素原子数1〜18のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数2〜6のアルケニル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基としては、前記式(2)中のR、Rで表される炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基又は複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基又は複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアリールオキシ基としては、式(3)のR〜R10で表されるアリールオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基又はアリールオキシ基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよく、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
続いて、一般式(8)で表されるアミノピペリジン誘導体について説明する。
Figure 2016200813
一般式(8)において、nは基R41の数を示し、0〜9の整数である。
<X、X
一般式(8)中のX、Xは同一でも異なってもよく、酸素原子または硫黄原子を表す。
<R37、R38、R39、R40
一般式(8)において、R37及びR38は同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。また、R39およびR40は同一でも異なってもよく、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
上記の炭素原子数1〜18のアルキル基としては、式(1)のR、Rで表される炭素原子数1〜18のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数2〜6のアルケニル基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基または複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基または複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、芳香族炭化水素基又は複素環基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
<R41
一般式(8)中のR41は重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基またはアリールオキシ基を表す。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
上記の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、前記式(2)中のX、Xで表される炭素原子数1〜8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数2〜6のアルケニル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基としては、前記式(2)中のR、Rで表される炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基または複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基または複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアリールオキシ基としては、式(3)のR〜R10で表されるアリールオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基又はアリールオキシ基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
<R42
一般式(8)中のR42は水素原子、重水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
上記の炭素原子数1〜18のアルキル基としては、式(1)のR、Rで表される炭素原子数1〜18のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数2〜6のアルケニル基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基または複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基または複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、芳香族炭化水素基又は複素環基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
続いて、一般式(9)で表されるピペラジン誘導体について説明する。
Figure 2016200813
一般式(8)において、nは基R47の数を示し、0〜8の整数である。
<X、X
一般式(8)中のX、Xは同一でも異なってもよく、酸素原子または硫黄原子を表す。
<R43、R44、R45、R46
一般式(9)において、R43およびR44は同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。また、R45およびR46は同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
上記の炭素原子数1〜18のアルキル基としては、式(1)のR、Rで表される炭素原子数1〜18のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数2〜6のアルケニル基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基または複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基または複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、芳香族炭化水素基又は複素環基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
<R47
一般式(9)中のR47は、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、またはアリールオキシ基を表す。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
上記の炭素原子数1〜8のアルキル基としては、前記式(2)中のX、Xで表される炭素原子数1〜8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数2〜6のアルケニル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基としては、前記式(2)中のR、Rで表される炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基としては、前記式(5)中のR14で表される炭素原子数5〜10のシクロアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基または複素環基としては、前記式(3)のR〜R10で表される芳香族炭化水素基または複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記のアリールオキシ基としては、式(3)のR〜R10で表されるアリールオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基又はアリールオキシ基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(3)のR〜R10で表されるアルキル基等が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
[母体トナー]
次に、母体トナーの各構成材料について説明する。上記のとおり、本実施形態に係る母体トナーは、結着樹脂と、着色剤と、必要に応じてその他添加剤とを含有する。
〔結着樹脂〕
結着樹脂としては、公知のものを制限なく使用することができる。具体的には、スチレン系単量体、アクリレート系単量体、メタクリレート系単量体等のビニル重合体、又はこれらの単量体2種類以上からなる共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂等があげられる。これらは、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。これらの中でもスチレン−アクリレート系共重合体樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン又はその誘導体等があげられる。
アクリレート系単量体としては、アクリル酸、またはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステルなどがあげられる。
メタクリレート系単量体としては、メタクリル酸、またはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステルなどがあげられる。
上記ビニル重合体又はビニル共重合体を形成する他の単量体の例としては、モノオレフィン類、ポリエン類、ハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトン類、N−ビニル化合物、ビニルナフタレン類、アクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物、不飽和二塩基酸のモノエステル、不飽和二塩基酸エステル、α,β−不飽和酸、α,β−不飽和酸無水物、α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との混合酸無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物およびこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマー、アクリル酸またはメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有する単量体などがあげられる。
上記ビニル重合体又はビニル共重合体は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された構造を有していてもよい。そのような架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;ネオペンチルグリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物または対応するジメタクリレート化合物;アルキレンジオールのジアクリレート化合物または対応するジメタクリレート化合物等があげられる。
その他の架橋剤としては、芳香族基およびエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、または対応するジメタクリレート化合物や、ポリエステル型ジアクリレート(例えば日本化薬株式会社製、商品名MANDA)等があげられる。
さらに、多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート等のアクリレート化合物または対応するメタクリレート化合物、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート等があげられる。
これらの架橋剤は、他の単量体成分100質量部に対して、0.01〜10質量部用いることが好ましく、0.03〜5質量部用いることがより好ましい。これらの架橋剤の中でも、定着性及び耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼンが好ましい。)、芳香族基およびエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好ましい。
上記ビニル重合体又はビニル共重合体の製造に用いられる重合開始剤としては、公知のものが使用できる。油溶性の重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロへキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2’,4’−ジメチル−4’−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロへキサノンパーオキサイド、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α−(tert−ブチルパーオキシ)イソプロピルべンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルへキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジエトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロへキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチル−パーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエ−ト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート、イソアミルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシへキサハイドロテレフタレート、tert−ブチルパーオキシアゼレート等のアゾ化合物や有機過酸化物等があげられる。
また、水溶性の重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、2,2’−アゾビス(N、N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、過酸化水素、硫酸第一鉄等の還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、及び、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物等があげられる。
これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して0.5〜20質量部が好ましい。
上記ポリエステル樹脂を構成する重合性単量体としては、以下のものがあげられる。2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、またはビスフェノールAとエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの環状エーテルとが重合して得られるジオールなどがあげられる。
上記ポリエステル樹脂を架橋させるために、3価以上の多価アルコールをモノマーとして併用することが好ましい。3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどがあげられる。
上記ポリエステル樹脂を形成する酸としては、べンゼンジカルボン酸またはこれらの無水物、アルキルジカルボン酸またはこれらの無水物、不飽和二塩基酸またはこれらの無水物などがあげられる。また、3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリト酸、ピロメリト酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、トリマー酸またはこれらの無水物、部分低級アルキルエステルなどがあげられる。
結着樹脂として、非晶性のポリエステル樹脂と結晶性のポリエステル樹脂の2種以上を混合したものを用いてもよい。この場合、それぞれの相溶性を考慮に入れて材料を選択することが好ましい。非晶性のポリエステル樹脂としては多価カルボン酸成分、好ましくは芳香族多価カルボン酸と多価アルコール成分とから合成されるものが好適に用いられ、結晶性のポリエステル樹脂としては2価カルボン酸成分、好ましくは脂肪族ジカルボン酸と2価アルコール成分とから合成されるものが好適に用いられる。
結着樹脂として、結着樹脂中のビニル重合体成分および/またはポリエステル樹脂成分中に、これらの両重合体成分と反応し得るモノマー成分を含むものもあげられる。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうち、ビニル重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物などがあげられる。ビニル重合体成分を構成するモノマーとしては、カルボキシ基またはヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル類があげられる。また、ポリエステル樹脂、ビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、全体の結着樹脂の酸価が0.1〜50mgKOH/gである樹脂を、60質量%以上含有するものが好ましい。
結着樹脂および結着樹脂を含む組成物は、トナー保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が35〜80℃であるのが好ましく、40〜75℃であるのがより好ましい。Tgが35℃以上であることにより、高温雰囲気下でのトナーの劣化、および定着時のオフセットを防止することができる。また、Tgが80℃以下であることにより、定着性が良好になる。なお、Tgは、示差熱分析(DSC)装置を用いて測定し、一定温度で昇温後、急冷し、再昇温したときに現れる相変化のピーク値より求めたものと定義する。
母体トナーを重合法により製造する場合においては、軟化点が80〜140℃である結着樹脂が好適に用いられる。結着樹脂の軟化点が80℃以上であることにより、定着後及び保管時のトナー及びトナーの画像安定性が良好になる。また、軟化点が140℃以下であることにより、低温定着性が良好になる。
〔着色剤〕
本実施形態に係る母体トナーに用いる着色剤としては、公知のものを用いることができる。例えば、以下に示す着色剤があげられるが、これらに限定されない。
黒色トナーの場合、着色剤として、例えば次のようなものを用いることができる。アゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料などの黒色もしくは青色の染料、または、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーなどの黒色もしくは青色の顔料があげられる。
カラートナーの場合、着色剤として、次のようなものを用いることができる。マゼンダ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基性染料、レーキ染料、ナフトール染料、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などがあげられる。
顔料系マゼンダ着色剤としては、例えば、C.I.(カラーインデックス)ピグメントレッド、C.I.ピグメントバイオレット、C.I.バットレッドなどがあげられる。これら顔料は単独で使用してもよいが、画質の鮮明度を向上させる点から、染料と併用するのが好ましい。
染料系マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントレッド、C.I.ディスパースレッド、C.I.ソルべントバイオレット、C.I.ディスパースバイオレットなどの油溶染料、C.I.べーシックレッド、C.I.ベーシックバイオレットなどの塩基性染料があげられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン、塩基染料レーキ化合物や、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、バットブルー4、バットブルー60等のシアン顔料などが使用できる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが用いられる。
橙色顔料としては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダンスレンブリリアントオレンジGKなどをあげることができる。紫色顔料としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどをあげることができる。緑色顔料としては、例えば、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどをあげることができる。白色顔料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などをあげることができる。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。なお、上記着色剤は、単独で又は2種以上の組合せで用いることができる。
〔添加剤〕
本実施形態に係る母体トナーには、所望の物性とすることを目的として各種添加剤を添加してもよい。添加剤としては、ワックス(離型剤)、磁性体、分散安定剤などが用いられる。
(1)ワックス
ワックスは、定着工程でのオフセット防止や通紙性を良好にする目的で添加される。ワックスとしては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするワックス、脂肪酸エステルの一部または全部を脱酸化したものがあげられる。
また、2種以上のワックスを併用することにより、ワックスの作用である可塑化作用と離型作用を同時に発現させることができる。可塑化作用を有するワックスとしては、例えば融点の低いワックス、分岐構造のものや極性基を有するものがあげられ、離型作用を有するワックスとしては、融点の高いワックス、直鎖構造のものや、官能基を有さない無極性のものがあげられる。使用例としては、2種以上のワックスの融点の差が10℃〜100℃のものの組み合わせや、ポリオレフィンとグラフト変性ポリオレフィンの組み合わせがあげられる。
ワックスの融点は、定着性と耐オフセット性のバランスを取るため、50〜140℃であることが好ましく、70〜120℃であることがより好ましい。融点を50℃以上とすることにより、耐ブロッキング性を向上させることができる。また、融点を140℃以下とすることにより、耐オフセット効果を発現しやすくすることができる。
ワックスの総含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.2〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。
(2)磁性体
磁性体は、トナーに磁性を付与する目的で添加される。磁性体としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、他の金属酸化物を含む酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等の金属;これら金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金などがあげられる。これらは単独で又は2種以上の組合せで使用することができる。
磁性体の使用量は、結着樹脂100質量部に対して10〜200質量部、好ましくは20〜150質量部である。磁性体の個数平均粒径は、0.1〜2μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。
また、磁性体としては、10Kエルステッド印加での磁気特性がそれぞれ、抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのものが好ましい。なお、上記磁性体は、着色剤としても使用することができる。
(3)分散安定剤
分散安定剤としては、公知のものを制限なく用いることができる。例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等の無機系酸化物や、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等の有機系化合物があげられる。これらは、市販のものを用いてもよく、その場で調製したものを用いてもよい。例えばリン酸三カルシウムであれば、リン酸三ナトリウムと塩化カルシウム等とから調製したものを用いることができる。
分散安定剤としては、公知のノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤又は両性界面活性剤等を用いることもできる。
ノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、レシチン、高分子乳化剤、モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、トリオレイン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ等のポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油類;ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル等のポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール類;モノステアリン酸エチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等があげられる。
アニオン系界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;オクチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩;アセチルアルコール硫酸エステルナトリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;ラウリルリン酸ナトリウム、ステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸エステル塩;ラウリルエーテル硫酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物、ラウリルエーテル硫酸アンモニウムのポリエチレンオキサイド付加物、ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンのポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルエーテル硫酸塩のポリエチレンオキサイド付加物;ノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルフェニルエーテル硫酸塩のポリエチレンオキサイド付加物;ラウリルエーテルリン酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルエーテルリン酸塩のポリエチレンオキサイド付加物;ノニルフェニルエーテルリン酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルフェニルエーテルリン酸塩のポリエチレンオキサイド付加物等をあげることができる。
カチオン系界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、セチルトリエチルアンモニウムメチルサルフェート等の第4級アンモニウム塩;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド等のアミドアミン化合物があげられる。
両性界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のグリシン系界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アシル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のラウリルアミノプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸系界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン系界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン系界面活性剤等があげられる。
これらの分散安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。分散安定剤を使用する場合は、分散相(例えば水相)の主要媒体100質量部に対して分散安定剤を0.001〜5質量部の範囲で用いるのが好ましい。
(4)電荷制御剤
本実施形態に係る外添型トナーは、母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめて得られるが、母体トナーの内部に、該電荷制御剤とは別に電荷制御剤を含有させてもよい。母体トナーの内部に含有させる電荷制御剤としては特に制限はなく、公知の電荷制御剤を用いることができるが、電荷制御剤として用いる電荷制御剤と同種の化合物であることが好ましい。具体的には、電荷制御剤として上記で例示したものと同じものをあげることができる。
(5)その他の添加剤
本実施形態に係る母体トナーには、感光体・キャリアの保護、クリーニング性の向上、熱特性・電気特性・物理特性の調整、抵抗調整、軟化点調整、定着率の向上などを目的として、必要に応じて他の添加剤を添加してもよい。他の添加剤としては、例えば、各種金属石けん、フッ素系界面活性剤、フタル酸ジオクチルや、導電性付与剤として酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナなどの無機微粉体などがあげられる。これらの無機微粉体は必要に応じて疎水化してもよい。また、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンなどの滑剤、酸化セシウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムなどの研磨剤、ケーキング防止剤、さらに、トナー粒子と逆極性の白色微粒子および黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
上記の各種添加剤は、帯電量コントロールなどの目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物などの処理剤で処理してもよい。
また、母体トナーの製造方法に応じて、必要により水系媒体や有機溶剤等の溶剤を用いることができる。溶剤としては、水系媒体が好ましい。水系媒体としては、精製水、イオン交換水等の水や、水と混和可能な溶剤があげられるが、水を用いるのが好ましい。水と混和可能な溶剤としては、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド等があげられる。水と、水と混和可能な溶剤を併用する場合、水100質量部に対して、水と混和可能な溶剤を50質量部以下とするのが好ましく、20質量部以下とするのがより好ましい。
有機溶剤としては、溶剤除去の容易さの点から、沸点がおよそ100℃未満の揮発性溶剤であるものが好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
[母体トナーの製造方法]
続いて、本実施形態に係る母体トナーの製造方法について説明する。母体トナーは公知の方法によって製造することができる。上記のとおり、母体トナーの製造方法は、粉砕法と重合法とに大別される。本発明においては、いずれの方法により製造した母体トナーであっても、好適に用いることができる。なお、本明細書においては、粉砕法により得られたトナーを粉砕トナーと称し、重合法により得られたトナーを重合トナー(ケミカルトナー)と称する。
〔粉砕トナー〕
粉砕法による母体トナーの製造方法は、例えば、結着樹脂、着色剤等の上記母体トナー構成材料を混合するステップ(混合ステップ)と、得られた混合物を加熱混練するステップ(混練ステップ)と、加熱混練した混合物を冷却固化するステップ(固化ステップ)と、冷却固化した混合物を粉砕するステップ(粉砕ステップ)と、得られた粉砕物を分級してトナーを得るステップ(分級ステップ)とを含む。
混合ステップでは、結着樹脂、及び着色剤、並びに必要に応じてその他の上記母体トナー構成材料(添加剤等)を均一に混合する。混合には、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル等の公知の混合機又は攪拌機を用いることができる。
混練ステップでは、得られた混合物を加熱混練する。加熱混練は、例えば、熱ロールニーダ等の加熱混練装置、密閉式のニーダー、又は1軸もしくは2軸の押出機を用いて、熱溶融混練することにより実施することができる。
固化ステップでは、加熱混練した混合物(混練物)を冷却固化する。冷却固化は、例えば、室温で放置すること、又は冷水もしくはブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等の冷却器で冷却することにより実施することができる。
粉砕ステップでは、冷却固化した混合物を粉砕する。粉砕は、例えば、クラッシャー又はハンマーミルを用いて粗粉砕した後、ジェットミル、高速ローター回転式ミル等の粉砕機で微粉砕することにより実施することができる。
分級ステップでは、得られた粉砕物を分級してトナーを得る。分級は、風力分級機、例えばコアンダ効果を利用した慣性分級方式のエルボジェット、サイクロン(遠心)分級方式のミクロプレックス、DSセパレーター等を用いて、所定の粒度にまで分級を行うことで実施することができる。
上記粉砕法による母体トナーの製造方法は、上記混合ステップで得られた混合物を溶媒に溶解させた後、噴霧により微粒化させ、得られた微粒化物を乾燥、分級する方法であってもよい。
〔重合トナー〕
重合法としては、懸濁重合法、乳化重合法及び乳化凝集法等があげられる。重合法では、コア材及びシェル材からなるいわゆるマイクロカプセルトナーにおいて、コア材もしくはシェル材、又はこれらの両方に所定の母体トナー構成材料を含有させる方法によっても、母体トナーを製造することができる。なお、本明細書においては、懸濁重合法、乳化重合法及び乳化凝集法により得られたトナーを、それぞれ懸濁重合トナー、乳化重合トナー及び乳化凝集トナーと称する。
(1)懸濁重合トナー
懸濁重合法による母体トナーの製造方法は、例えば、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、及び必要に応じて架橋剤、分散安定剤、その他の添加剤等の上記母体トナー構成材料を、均一に溶解又は分散させて単量体組成物を調製するステップ(調製ステップ)と、該単量体組成物を連続相(例えば水相)に分散させ、重合反応によりトナーを得るステップ(重合ステップ)と、を含む。連続相には、必要に応じて上記で例示したような分散安定剤を添加してもよい。
重合ステップでは、単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子の大きさとなるように撹拌速度、温度、時間等を調整し、造粒する。重合反応は、例えば、40〜90℃で行うことができ、単量体組成物を連続相に分散させながら行ってもよい。懸濁重合法による母体トナーの製造方法は、重合ステップで得られた母体トナー粒子を洗浄し、ろ別した後、乾燥するステップを更に含んでいてもよい。
(2)乳化重合トナー
乳化重合法による母体トナーの製造方法は、例えば、重合性単量体及び着色剤担持樹脂粒子等を水系媒体中で乳化分散させるステップ(乳化分散ステップ)と、上記重合性単量体を重合させるステップ(重合ステップ)とを含む。
重合ステップは、乳化分散液に水溶性重合開始剤を添加するステップを含んでもよい。重合性単量体の重合は、例えば、加熱等により行うことができる。乳化重合法により得られた母体トナー粒子は、上記懸濁重合法により得られた粒子と比べ、均一性には優れるものの、平均粒子径が0.1〜1.0μmと極めて小さくなる。そのため、場合によっては乳化粒子を核として重合性単量体を後添加して粒子を成長させる、いわゆるシード重合、又は乳化粒子を適当な平均粒径にまで合一及び融着させる方法で製造することもできる。
(3)乳化凝集トナー
乳化凝集法による母体トナーの製造方法は、例えば、結着樹脂分散液、着色剤分散液等の上記母体トナーの構成材料を含有する各種分散液を調製するステップ(分散液調製ステップ)と、各種分散液を混合して混合液を得るステップ(混合ステップ)と、混合液を凝集させて凝集体粒子を形成するステップ(凝集体粒子形成ステップ)と、得られた凝集体粒子を加熱融合して母体トナー粒子を得るステップ(融合ステップ)とを含む。乳化凝集法においては、融合ステップで得られた母体トナー粒子を洗浄、乾燥させるステップとを更に含んでいてもよい。なお、各種分散液は、上記で例示した界面活性剤等の分散安定剤を用いて調製することができる。
本発明に係る母体トナーを重合法により製造する際に使用する重合性単量体は、重合によって所望の結着樹脂が得られるように選択される。重合性単量体としては、上記で例示したものを適宜選択して用いることができる。
本実施形態に係る母体トナーを重合法により製造する際に用いる分散装置としては、特に限定されず、公知の攪拌機や低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機等攪拌機等を用いることができる。具体的には、スリーワンモータ、ホモミキサー、ホモジナイザー、ペイントコンディショナー、アトマイザー、マイクロフルイダイザー、ボールミル、サンドミル、コロイドミル、超音波分散機、電気乳化機、一液流体ノズル、気液流体ノズル等があげられる。
本実施形態に係る母体トナーは、画像性とトナーの生産性の面から、粉砕トナーの場合、母体トナーの体積基準の平均粒径が2〜15μmであることが好ましく、3〜12μmであることがより好ましい。体積基準の平均粒径が15μmより大きいと、解像度や鮮鋭性が鈍くなる傾向にあり、また、2μmより小さいと、解像性は良好となるものの、母体トナー製造時の歩留まりの悪化によるコスト高の問題や機内でのトナー飛散、皮膚浸透などの健康への障害が生じやすくなる傾向にある。なお、本実施形態において、体積基準の平均粒径は、例えば、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置やセイシン企業株式会社製のレーザー式粒度分布測定機を用いて測定することができる。
また、重合法により母体トナーを製造する場合は、母体トナーの体積基準の平均粒径が3〜9μmであることが好ましく、4〜8.5μmであることがより好ましく、5〜8μmであることが特に好ましい。
重合法による母体トナーの製造は粉砕工程を経ないため、母体トナー粒子に脆性を付与させる必要がなく、さらに従来の粉砕法では使用することが困難であった低軟化点物質を多量に使用できることから、材料の選択幅を広げることができる。また、疎水性の材料である離型剤及び着色剤が、母体トナー粒子表面に露出しにくいため、トナー担持部材、感光体、転写ローラー及び定着器等への汚染を低減させることができる。
母体トナー粒子の表面に電荷制御剤を固着する方法としては、溶剤を用いて行う湿式法と、溶剤を用いない乾式法とがあげられる。乾式法では、電荷制御剤を所望の平均粒径を有する微粒子とすることが難しく、また、母体トナー粒子の表面に固着させる前に電荷制御剤の粒子が凝集してしまい、電荷制御剤を母体トナー粒子表面に均一かつ確実に固着させるのが困難であるため、湿式法で行うのが好ましい。
本実施形態においては、母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップを湿式法で行う。粉砕法および重合法のいずれの方法により製造した母体トナーであっても、好適に用いることができるが、重合法により製造した母体トナーをそのまま外添ステップへ用いることができるため、重合法により製造した母体トナーを用いるのが好ましい。また、母体トナーを重合法により製造する場合には、母体トナーを調製するステップにおいて電荷制御剤微粒子分散液を添加する方法によっても、外添型トナーを調製することができる。
湿式法により電荷制御剤を母体トナー粒子表面に固着せしめる方法は、電荷制御剤を溶剤中に分散または乳化させることによって、電荷制御剤の分散液(以下、「CCA微粒子分散液」とも記入する)を調製するステップと、調製したCCA微粒子分散液を母体トナーの表面に固着し、電荷制御剤外添型トナーを調製するステップ(外添型トナー調製ステップ)とを含む。
〔CCA微粒子分散液調製ステップ〕
CCA微粒子分散液の調製は、電荷制御剤を溶剤中に分散または乳化させることにより行うことができる。具体的には、例えば、電荷制御剤と、粉砕媒体と、分散安定剤と、溶剤と、必要に応じて添加剤とを、分散装置を用いて粉砕・分散させる方法があげられる。
粉砕媒体(メディア)としては、ビーズ、ボールなど公知のものを用いることができるが、ビーズが好ましい。ビーズとしては具体的に、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたものが使用可能であるが、ジルコニアビーズが好ましい。ビーズの大きさとしては、通常、直径0.1〜2mm程度のものを使用するが、0.1〜1.0mm程度のものが好ましい。粉砕媒体は、CCA微粒子分散液を調製した後にメッシュ等を用いて除去する。
分散安定剤としては、公知のものを用いることができ、具体的には、上記母体トナーの構成材料として例示したものと同じものをあげることができる。
溶剤としては、通常、精製水、イオン交換水等の水が用いられる。必要に応じて、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド等の、水と混和可能な溶剤を併用してもよい。水と、水と混和可能な溶剤を併用する場合、水100質量部に対して、水と混和可能な溶剤を50質量部以下とするのが好ましく、20質量部以下とするのがより好ましい。
また、得られる外添型トナーが溶解しない範囲で、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤を用いてもよい。
必要に応じて添加してもよい添加剤としては、母体トナーの構成材料において例示したものをあげることができる。
CCA微粒子分散液に含有する電荷制御剤の濃度は1.0質量%から30.0質量%とするのが好ましく、5.0質量%から20.0質量%とするのがより好ましく、5.0質量%から15.0質量%とするのが更に好ましい。CCA微粒子分散液に含有する電荷制御剤の濃度は1.0質量%以下である場合、トナーの表面に固着せしめる電荷制御剤の量は少なく、トナーの帯電量は低下する恐れがあり、良好な帯電性能が得られない。CCA微粒子分散液に含有する電荷制御剤の濃度は30.0質量%以上である場合、トナーの表面に固着せしめる電荷制御剤の量は必要以上になり、母体トナーから欠落する電荷制御剤が増加し、機内汚染などの悪影響が出やすくなる傾向にあるため好ましくない。
分散装置としては、スリーワンモータ、サンドグラインダー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントコンディショナー等、公知の分散装置をあげることができる。
乳化によりCCA微粒子分散液を調製する場合は、例えば、電荷制御剤を適切な溶剤に溶解させて油相とし、水相と混合し、乳化させることにより、CCA微粒子分散液を調製することができる。油相および水相には、必要に応じて、上記母体トナーの構成材料において例示した分散安定剤等の添加剤を添加してもよい。
上記油相に用いる溶剤としては、得られる外添型トナーが溶解しない範囲で、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等をあげることができる。
これら溶剤は、油相と水相とを混合して乳化させた後に、液中乾燥等により除去することが好ましい。液中乾燥は、例えば、適切な温度条件下、公知の撹拌装置を用いて行うことができる。撹拌装置としては、例えば、スリーワンモータ、ロータリーエバポレーターおよびマグネティックスターラー等をあげることができる。また、温度は、用いる溶剤の沸点を考慮して、適宜決定すればよい。
上記水相に用いる溶剤としては、通常、精製水、イオン交換水等の水が用いられる。必要に応じて、上記で例示したような水と混和可能な溶剤を併用してもよい。水と、水と混和可能な溶剤を併用する場合、水100質量部に対して、水と混和可能な溶剤を50質量部以下とするのが好ましく、20質量部以下とするのがより好ましい。
乳化の際に用いる分散装置としては、スリーワンモータ、サンドグラインダー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントコンディショナー等、公知の分散装置をあげることができる。
また、CCA微粒子分散液の調製は合成反応後の反応液スラリーを用いて調整することもできる。一般的に、電荷制御剤の合成反応は溶媒中において行なった後、反応させたスラリーをろ過、洗浄、乾燥する工程で製造する。湿式外添処理する際に、再び洗浄・乾燥した電荷制御剤を溶媒に分散する工程は重複であり、コストの観点から無駄な作業である。反応スラリーの時点で粒径を制御し、そのままCCA微粒子分散液として外添処理に使われることとすれば、工程の簡略化ができる。
更に具体的な説明としては、合成反応後の反応液スラリーを上記の分散装置を用いて粉砕・分散し、電荷制御剤を所望な粒径範囲に調整した後、そのままCCA微粒子分散液として外添処理に使われる。必要に応じて反応溶媒を追加したり、pH値を調整したり、分散安定剤を添加することも宜しい。これにより、乾燥する際に電荷制御剤は凝集することで粒径が肥大化することがなく、少ない工程で適切な粒径を持つ電荷制御剤の分散液が得られる。
本実施形態においては、電荷制御剤を母体トナー表面に均一かつ確実に固着することができるよう、レーザー回折・散乱法測定において、CCA微粒子分散液中の電荷制御剤の体積基準の平均粒径が、0.1〜1.0μmとなるように調製する。体積基準の平均粒径は、0.1〜0.5μmであるのが好ましく、0.1〜0.3μmであるのがより好ましい。平均粒径が1.0μmよりも大きい場合には、母体トナーから欠落する電荷制御剤が増加し、機内汚染などの悪影響が出やすくなる傾向にあるため好ましくない。
本実施形態においては、レーザー回折・散乱法測定において、CCA微粒子分散液中の電荷制御剤の粒度分布では、体積基準粒径が1.0μm以上の粒子の含有量は25%以下であることが好ましい、20%以下であることはより好ましい、10%以下であることは更に好ましい。粒径が1.0μmよりも大きい電荷制御剤粒子は多く存在すると、母体トナーから欠落する恐れがあり、機内汚染などの悪影響が出やすくなる傾向にあるため好ましくない。
本実施形態におけるCCA微粒子分散液は、外添剤(例えば、カーボンブラック、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤もしくはシリコーンオイルにより表面処理した、処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ等の無機微粒子等。)を含まないものであるのが好ましい。本実施形態においては、電荷制御剤を上記の粒度分布の特徴であるCCA微粒子分散液として外添させることにより、電荷制御剤を母体トナー表面に均一かつ確実に固着することができる。そのため、従来行われているように、電荷制御剤を外添剤と共に母体トナーの表面に固着させる必要はなく、電荷制御剤を単独で母体トナー表面に固着することができるため、効率良く外添型トナーを製造することができる。
〔外添型トナー調製ステップ〕
上記で得られたCCA微粒子分散液と、母体トナーと、溶剤と、必要に応じてその他添加剤等とを、公知の分散装置を用いて分散し、乾燥することにより、外添型トナーを調製することができる。なお、母体トナーを重合法で製造した場合には、母体トナーの調製ステップにおいて、CCA微粒子分散液を添加することによっても同様に外添型トナーを得ることができる。
溶剤としては、通常、精製水、イオン交換水等の水が用いられる。必要に応じて、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の、水と混和可能な溶剤を併用してもよい。水と、水と混和可能な溶剤を併用する場合、水100質量部に対して、水と混和可能な溶剤を50質量部以下とするのが好ましく、20質量部以下とするのが好ましい。
また、得られる外添型トナーが溶解しない範囲で、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤を用いることもできる。
必要に応じて添加してもよい添加剤としては、母体トナーの構成材料にて例示したものをあげることができる。
分散装置としては、スリーワンモータ、サンドグラインダー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントコンディショナー等、公知の分散装置を使用することができる。
トナー調製ステップにおいては、pH変化等によりCCA微粒子と母体トナー粒子とを溶剤中で凝集させるため、凝集剤を添加するのが好ましい。凝集剤としては、1価以上の電荷を有する化合物が好ましく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類;塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩等;上述のノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤等があげられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。なお、電荷制御剤が酸の影響を受けやすいものである場合は、凝集剤として塩を用いるのが好ましい。
これら凝集剤の添加量は、凝集剤の種類や、分散安定剤の種類・量等に応じて、適宜調整して用いればよい。例えば、凝集剤として酸類を使用した場合は、pHが4以下となるまで添加するのが好ましく、pHが3以下となるまで添加するのがより好ましく、pHが2以下となるまで添加するのが特に好ましい。
トナー調製ステップにおいて上記凝集剤を添加した後は、母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップが行なわれる。CCA微粒子分散液を所望の温度にて電荷制御剤粒子を母体トナーに熔融癒着させることは好適である。熔融癒着の温度は特に限定されないが、母体トナーに用いた結着樹脂のガラス転移温度以上の温度とすればよく、例えば、ポリエステル結着樹脂を使用する場合、電荷制御剤粒子の固着せしめるステップは40〜70℃で行うことができる。
母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップが行なわれた後、酸や水等を用いて洗浄することにより分散安定剤及び凝集剤を除去し、乾燥することによって、外添型トナーを調製することができる。
母体トナーとCCA微粒子分散液との混合比率としては、母体トナー100質量部に対して、CCA微粒子分散液中のCCA微粒子が0.1〜5.0質量部であるのが好ましく、0.5〜5.0質量部であるのがより好ましく、0.5〜4.0質量部であるのが更に好ましい。
本実施形態に係る外添型トナーは、レーザー回折・散乱法測定において、体積基準の平均粒径が3〜15μmであることが好ましく、4〜12μmであることがより好ましく、5〜10μmであることが特に好ましい。体積平均粒径が3μmより小さいと、トナーの流動性が低下し、帯電性が低下しやすく、また帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像機からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。体積平均粒径が15μmより大きいと、解像度が低下し、十分な画質が得られなくなる場合がある。
本実施形態に係る外添用電荷制御剤は、レーザー回折・散乱法測定において、体積基準の平均粒径が、0.1〜1μmであるのが好ましく、0.1〜0.5μmであるのがより好ましく、0.1〜0.3μmであるのが更に好ましい。
本実施形態に係る外添型トナーと外添用電荷制御剤の大きさの相関は一定範囲であれば、母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめることには好適である。レーザー回折・散乱法測定において、体積基準の平均粒径を用いて評価とすると、母体トナーは外添用電荷制御剤の3倍から150倍であれば好ましく、10倍から100倍であればより好ましい。
[外添剤]
母体トナーの表面に電荷制御剤を固着して得られる本実施形態に係る外添型トナーは、そのまま用いることもできるが、さらに、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理したものを使用することが好ましい。外添剤を添加する場合は、公知の攪拌機等を用いることができるが、例えば、ボールミル、ナウターミキサー、V型ミキサー、W型ミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機又は混合機等をあげることができる。
流動化剤としては、例えば、カーボンブラック、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤もしくはシリコーンオイルにより表面処理した、処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ等があげられる。これらの中でも、微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナが好ましく、これらをシランカップリング剤等により表面処理した処理シリカがより好ましい。
流動化剤は、平均一次粒径が0.001〜2μmであることが好ましく、0.002〜0.2μmであることがより好ましい。個数平均粒径は、5〜100nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。また、BET法で測定した窒素吸着による比表面積は、30m/g以上であることが好ましく、60〜400m/gであることがより好ましい。表面処理された微粉体としては、20m/g以上が好ましく、40〜300m/gがより好ましい。流動化剤等の外添剤を用いてトナー粒子の表面処理を行う場合、外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.01〜8質量部であるのが好ましく、0.1〜4質量部であるのがより好ましい。
[キャリア]
本実施形態に係る外添型トナーは、1成分系現像剤として使用してもよく、キャリアと混合して2成分系現像剤として使用してもよい。キャリアは、現像工程において、トナーと撹拌されることでトナーに帯電性を付与し、トナーを現像領域まで運搬することで十分な現像性をトナーに付与する役割を有する。2成分系現像剤として使用する場合、キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等のキャリア(ノンコートキャリア)及び樹脂コートキャリアを使用することができる。また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアコアを用いることもできる。
キャリアとしては、具体的に、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物、又は鉄、コバルト、ニッケル等の金属、若しくはこれらの合金等を用いることができる。またこれらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムがあげられる。好ましいものとして、銅、亜鉛、及び鉄を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト、マンガン、マグネシウム及び鉄を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライト等があげられる。
樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子と、キャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなる。キャリアコア粒子は、例えば、上述のキャリアであってもよい。該被覆材に使用する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリレート系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリレート系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂等があげられる。また、アイオノマー樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂等も用いることができる。これらの中でも、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物、又はシリコーン樹脂が好ましく、シリコーン樹脂が特に好ましい。これらの樹脂は単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンとスチレン−メタクリル酸メチル共重合体との混合物、ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メタクリル酸メチル共重合体との混合物、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(共重合体質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(共重合体質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸−2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体質量比20:60:5〜30:10:50)との混合物があげられる。
シリコーン樹脂としては、含窒素シリコーン樹脂及び含窒素シランカップリング剤とシリコーン樹脂との反応により得られる変性シリコーン樹脂があげられる。
樹脂コートキャリアにおいて、キャリアコアの表面を被覆材で被覆する方法としては、樹脂を溶剤中に溶解若しくは懸濁させてキャリアコアに塗布して付着させる方法、又は粉体状態の樹脂とキャリアコアを混合する方法が適用できる。樹脂コートキャリア中の被覆材の割合は、適宜決定すればよいが、樹脂コートキャリアの全量に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。
樹脂コートキャリアは、キャリアコアを2種以上の樹脂の混合物からなる被覆材で被覆したものであってもよい。2種以上の樹脂の混合物からなる被覆材でキャリアコア(磁性体)を被覆した例としては、酸化チタン微粉体100質量部を、ジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物12質量部で処理したものや、シリカ微粉体100質量部を、ジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物20質量部で処理したものがあげられる。
キャリアの抵抗値は、キャリアの表面の凹凸度合い及び被覆する樹脂の量を調整して、10〜1010Ω・cmにするのがよい。キャリアの粒径は4〜200μmものが使用できるが、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。特に、樹脂コートキャリアは、50%粒径が20〜70μmであることが好ましい。
本実施形態に係る外添型トナーを2成分系現像剤として使用する場合は、キャリア100質量部に対して外添型トナーを1〜200質量部使用するのが好ましく、2〜50質量部使用するのがより好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明をなんら制限するものではない。以下の実施例において、「部」は全て「質量部」を表す。また、体積基準の平均粒径は、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、MT3300)を用いて測定した。
[実施例1](CCA外添型粉砕トナー)
(母体トナーの製造:粉砕法)
スチレン−アクリレート系共重合体樹脂(三井化学株式会社製、CPR−100)95部と、カーボンブラック(三菱化学株式会社製、MA−100)5部とを、110℃の加熱混合装置によって溶融混合した。得られた混合物を室温まで冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。さらに、ジェットミルで微粉砕した後、分級し、レーザー回析・散乱法測定(マイクロトラック粒度分布測定装置)で測定した体積基準の平均粒径が10±0.5μmの母体粉砕トナーを得た。得られた母体トナーを走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−T220A)により観察した結果を図1に示した。
(CCA微粒子分散液Aの調製)
容器にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4部、イオン交換水17.6部を仕込み溶解させた。さらに、電荷制御剤としてモノアゾ染料の金属錯塩T-77(保土谷化学工業株式会社製)2.0部、0.65mmφジルコニアビーズ15ml相当量を仕込み、ペイントコンディショナーを用いて3時間分散させた。ジルコニアビーズを除き、10質量%のCCA微粒子分散液Aを調製した。レーザー回折・散乱法測定(マイクロトラック粒度分布装置)において、この分散液におけるCCAの体積基準の平均粒径は0.21μmであった。体積基準粒径が1μm以上の粒子の含有量は4.5%であった。得られた電荷制御剤の分散液の粒度分布は図2に示した。
(CCA外添型トナーの製造)
温度計、pH計およびスリーワンモータを備えた容器に、上記で得られたCCA微粒子分散液A1.0部、母体トナー9.9部、及びイオン交換水50部を加え、25℃、500rpmにて30分間混合分散させた。そこへ、5質量%の塩酸を添加してpHを2.0に調整した後、45〜50℃で5時間撹拌した。室温に冷却後、ろ過によってトナー粒子を採取し、イオン交換水を用いて分散洗浄を行った。その後、40℃の乾燥機で乾燥することにより、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子を166メッシュ(目開き90μm)の篩いで篩分して評価用トナー1とした。レーザー回折・散乱法測定(マイクロトラック粒度分布装置)で測定した評価用トナー1の体積基準の平均粒径は10±0.5μmであった。得られた外添型トナーを走査型電子顕微鏡により観察した結果、CCA微粒子が母体トナー粒子表面に点在していることが確認できた(図3参照)。
(トナーの帯電評価)
得られた評価用トナー1を、シリコンコート系のフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製、F96−150)100部に対して4部の割合で混合して振とうし、トナーを帯電させた後、ブローオフ帯電量測定機を用いて、温度25℃、湿度50%の雰囲気下(NN環境下)における初期帯電量及び飽和帯電量の測定を行った。また、環境安定性を評価するため、温度10℃、湿度30%の雰囲気下(LL環境下)及び温度35℃、湿度85%の雰囲気下(HH環境下)における飽和帯電量をそれぞれ測定し、「LL環境下における飽和帯電量」と「HH環境下における飽和帯電量」の比(LL/HH値)を求めた。結果を表1にまとめて示した。なお、LL/HH値は、環境安定性の指標となる値であり、この値が1に近いほど、環境安定性が優れていることを示す。
表1において、「(母体)トナーの製造方法」とは、本発明の実施例におけるCCA外添型トナーについては「母体トナーの製造方法」を表し、比較例におけるCCA内添型またはCCA未添加のトナーについては「トナーの製造方法」を表す。
[実施例2](CCA外添型懸濁重合トナー)
(母体トナーの製造:懸濁重合法)
イオン交換水532部にリン酸三ナトリウム7.4部を添加し、60℃まで加温した。ホモジナイザー(IKAジャパン株式会社製、ウルトラタラックスT−25)を用いて10000rpmにて撹拌しながら、3M塩化カルシウム水溶液28部を添加し、水相とした。
また、スチレンモノマー19.1部、アクリル酸ブチルモノマー8.1部、ポリエステル樹脂(三菱レイヨン株式会社製、ER−561)1.5部、ピグメントブルー15:3(大日精化工業株式会社製、ECB303)1.5部及び0.65mmφジルコニアビーズ15ml相当量を50ml容器に仕込み、ペイントコンディショナーで30分間分散させた。その後、重合開始剤としてtert−ブチル−パーオキシピバレート(日本油脂株式会社製、パーブチルPV)1.0部を溶解させ、油相とした。
温度計、ホモジナイザーを備えた反応容器に、前記水相36.5部及びイオン交換水44部を加え、60℃に加温した。窒素気流下、7000rpmにて、前記油相19.3部を滴下し、30分造粒した。続いて、スリーワンモータを用いて200rpmにて撹拌しながら75℃まで昇温し、5時間重合反応を行った。室温まで冷却後、5質量%塩酸による洗浄、イオン交換水による分散洗浄を順次行った。なお、分散洗浄は、分散後のろ液の電気伝導度が、20μS/cm以下となるまで繰り返した。その後、40℃の乾燥機で乾燥することにより、レーザー回折・散乱法測定(マイクロトラック粒度分布装置)で測定した体積基準の平均粒径が6.5±0.5μmの母体懸濁重合トナーを得た。得られた母体懸濁重合トナーを走査型電子顕微鏡により観察した結果を図4に示した。
(CCA微粒子分散液Aの調製)
上記実施例1と同様に、10質量%のCCA微粒子分散液Aを調製した。実施例1と同様に測定し、この分散液におけるCCAの体積基準の平均粒径は0.21μmであった。体積基準粒径が1μm以上の粒子の含有量は4.5%であった。
(CCA外添型トナーの製造)
「実施例1で製造した母体トナー」の代わりに「実施例2で製造した母体トナー」を使用した以外は実施例1と同様の方法により、体積基準の平均粒径が6.5±0.5μmである評価用トナー2を調製し、実施例1と同様に帯電評価を実施した。結果は表1にまとめて示した。また、得られた外添型トナーを走査型電子顕微鏡により観察した結果、CCA微粒子が母体トナー粒子表面に点在していることが確認できた。なお、本実施例のように、母体トナーを重合法により製造する場合には、母体トナーを調製するステップでCCA微粒子分散液を添加する方法によっても、外添型トナーを調製することができる。
比較のため、電荷制御剤を母体トナー粒子表面に外添する方法ではなく、電荷制御剤をトナー粒子に内添する方法により比較用内添粉砕トナー(比較例1)及び内添懸濁重合トナー(比較例2)を製造した。
[比較例1](CCA内添型粉砕トナー)
(トナーの製造:粉砕法)
スチレン−アクリレート系共重合体樹脂(三井化学株式会社製、CPR−100)94部、カーボンブラック(三菱化学株式会社製、MA−100)5部、及び電荷制御剤(保土谷化学工業株式会社製、T-77)1.0部を、110℃の加熱混合装置によって溶融混合した。得られた混合物を室温まで冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。さらに、ジェットミルで微粉砕した後、分級し、体積基準の平均粒径が10±0.5μmの比較用内添粉砕トナーを得た。
(トナーの評価)
得られた比較用内添粉砕トナーを用いて、実施例1と同様に帯電評価を行った。結果は表1にまとめて示した。
[比較例2](CCA内添型懸濁重合トナー)
(トナーの製造:懸濁重合法)
イオン交換水532部にリン酸三ナトリウム7.4部を添加し、60℃まで加温した。ホモジナイザー(IKAジャパン株式会社製、ウルトラタラックスT−25)を用いて10000rpmにて撹拌しながら、3M塩化カルシウム水溶液28部を添加し、水相とした。
また、スチレンモノマー19.1部、アクリル酸ブチルモノマー8.1部、ポリエステル樹脂(三菱レイヨン株式会社製、ER−561)1.5部、ピグメントブルー15:3(大日精化工業株式会社製、ECB303)1.5部、電荷制御剤(保土谷化学工業株式会社製、T−77)0.32部、及び0.65mmφジルコニアビーズ15ml相当量を50ml容器に仕込み、ペイントコンディショナーで30分間分散させた。その後、重合開始剤としてtert−ブチル−パーオキシピバレート(日本油脂株式会社製、パーブチルPV)1.0部を溶解させ、油相とした。
温度計、ホモジナイザーを備えた反応容器に、前記水相36.5部及びイオン交換水44部を加え、60℃まで加温した。窒素気流下、7000rpmにて、前記油相19.3部を滴下し、30分間造粒した。続いて、スリーワンモータを用いて200rpmにて撹拌しながら75℃まで昇温し、5時間重合反応を行ったところ、トナー粒子同士の癒着が起こり、目的のトナーを製造することができなかった。
さらに、比較のため、電荷制御剤を添加していない母体トナーを比較用として、母体粉砕トナー(比較例3)及び母体懸濁重合トナー(比較例4)の帯電評価を行った。
[比較例3](CCA未添加粉砕トナー)
「実施例1で製造した母体トナー」を比較例3として、実施例1と同様の方法で帯電評価を行った。結果は表1にまとめて示した。
[比較例4](CCA未添加懸濁重合トナー)
「実施例2で製造した母体トナー」を比較例4として、実施例1と同様の方法で帯電評価を行った。結果は表1にまとめて示した。
Figure 2016200813
表1から明らかなように、実施例1及び2のトナーは、従来のCCA内添型トナーである比較例1や、CCAを添加していない比較例3及び4のトナーに比べ、十分に高い帯電量を示しており、環境安定性も良好であった。また、従来のCCA内添法によっては製造することができなかった懸濁重合トナー(比較例2)であっても、本発明のCCA外添法を用いることにより、帯電特性に優れたCCA外添型トナーを製造できることが分かった(実施例2)。
[実施例3](CCA外添型懸濁重合トナー)
(CCA微粒子分散液Bの調製)
実施例1のCCA微粒子分散液Aの調製において、電荷制御剤としてT−77の代わりに、サリチル酸金属錯塩のTN−105(保土谷化学工業株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様の方法で10質量%のCCA微粒子分散液Bを調製した。実施例1と同様の方法で測定し、この分散液におけるCCAの体積基準の平均粒径は0.27μmであった。体積基準粒径が1μm以上の粒子の含有量は4.3%であった。得られた電荷制御剤の分散液Bの粒度分布は図5に示した。
(CCA外添型トナーの製造)
実施例2のCCA外添型トナーの製造において、「CCA微粒子分散液A」の代わりに上記で調製した「CCA微粒子分散液B」を使用した以外は実施例2と同様の方法により、体積基準の平均粒径が6.5±0.5μmの評価用懸濁重合トナーを調製し(図4)、実施例2と同様に帯電評価を実施した。結果は表2にまとめて示した。また、得られた外添型トナーを走査型電子顕微鏡により観察した結果、CCA微粒子が母体トナー粒子表面に点在していることが確認できた(図6参照)。
[実施例4](CCA外添型懸濁重合トナー)
(CCA微粒子分散液Cの調製)
電荷制御剤として、サリチル酸金属錯塩のボントロン(登録商標)E-88(オリヱント化学工業株式会社製)2.0部をトルエン8.0部、アセトン2.0部、THF4.0部の混合溶媒中に溶解させ油相とした。
また、別容器に、水相として2.0%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液18部を用意し、ホモジナイザー(IKAジャパン社製、ウルトラタラックスT−25)を用いて10000rpmにて撹拌しながら油相を添加し、30分間撹拌した。スリーワンモータを用いて液中乾燥(液温70℃、攪拌速度200rpm、乾燥時間30分)により、トルエン、アセトン及びTHFを除去することにより、10質量%のCCA微粒子分散液Cを得た。上記の方法で測定し、この分散液におけるCCAの体積基準の平均粒径は0.12μmであった。体積基準粒径が1μm以上の粒子の含有量は0%であった。
(CCA外添型トナーの製造)
実施例2のCCA外添型トナーの製造において、「CCA微粒子分散液A」の代わりに上記で調製した「CCA微粒子分散液C」を使用した以外は実施例2と同様の方法により、体積基準の平均粒径が6.5±0.5μmの評価用懸濁重合トナーを調製し、実施例2と同様に帯電評価を実施した。結果は表2にまとめて示した。
[比較例5](CCA内添型懸濁重合トナー)
比較例2において、電荷制御剤としてT−77の代わりにTN−105(保土谷化学工業株式会社製)を使用した以外は比較例2と同様の方法により、体積基準の平均粒径が6.5±0.5μmの比較用懸濁重合トナーを調製し、比較例2と同様に帯電評価を実施した。結果は表2にまとめて示した。
[比較例6](CCA内添型懸濁重合トナー)
比較例2において、電荷制御剤としてT−77の代わりにボントロンE-88(オリヱント化学工業株式会社製)を使用した以外は比較例2と同様の方法により、体積基準の平均粒径が6.5±0.5μmの比較用懸濁重合トナーを調製し、比較例2と同様に帯電評価を実施した。結果は表2にまとめて示した。
Figure 2016200813
表2から明らかなように、本発明の実施例3及び実施例4のCCA外添型トナーは、従来のCCA内添型トナーである比較例のトナーに比べ、十分高い帯電量を有しており、環境安定性も良好であった。
続いて、母体トナーに対する電荷制御剤の添加量を変更した外添型トナーを製造し、帯電特性及び環境安定性を評価した。
[実施例5](CCA外添型粉砕トナー)
(CCA外添型トナーの製造)
実施例1のCCA外添型トナーの製造において、母体トナー9.9部に対し、10質量%CCA微粒子分散液Aを0.5部用いた以外は実施例1と同様の方法により、体積基準の平均粒径が10±0.5μmの評価用粉砕トナーを調製し、飽和帯電量の測定及び環境安定性の評価を実施した。結果は表3にまとめて示した。なお、表中、「CCAの添加率」とは、「母体トナー」に対する「CCA微粒子分散液中のCCA微粒子」の割合(質量%)を意味する。
[実施例6](CCA外添型粉砕トナー)
(CCA外添型トナーの製造)
実施例1のCCA外添型トナーの製造において、母体トナー9.9部に対し、10質量%CCA微粒子分散液Aを2.0部用いた以外は実施例1と同様の方法により、体積基準の平均粒径が10±0.5μmの評価用粉砕トナーを調製し、飽和帯電量の測定及び環境安定性の評価を実施した。結果は表3にまとめて示した。
[実施例7](CCA外添型粉砕トナー)
(CCA外添型トナーの製造)
実施例1のCCA外添型トナーの製造において、母体トナー9.9部に対し、10質量%CCA微粒子分散液Aを4.0部用いた以外は実施例1と同様の方法により、体積基準の平均粒径が10±0.5μmの評価用粉砕トナーを調製し、飽和帯電量の測定及び環境安定性の評価を実施した。結果は表3にまとめて示した。
Figure 2016200813
表3に示すように、本発明に係るCCA外添型トナーは、CCAの添加量に依存することなく、十分な帯電性能を発現することができ、環境安定性にも優れていることが分かった。
以上の結果から明らかなように、本発明のCCA外添型トナーは、優れた飽和帯電量を有すると共に、低温低湿下及び高温高湿下における飽和帯電量の低下が極めて少なく、環境安定性にも優れている。
本発明の電荷制御剤外添型トナーの製造方法を用いて得たトナーは優れた帯電性能を有しており、また、環境安定性にも優れており、カラートナーとして、特に重合トナーとして最適である。

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する母体トナーを調製するステップと、電荷制御剤の分散液を調整するステップと、前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップと、を含む電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
  2. 前記電荷制御剤の分散液を調整するステップにおいて、レーザー回折・散乱法で測定する体積基準の平均粒径は0.1〜1.0μmであり、且つ体積基準の粒径は1.0μm以上である粒子の含有量は25%以下である電荷制御剤の分散液を調整することを特徴とする、請求項1に記載の電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
  3. 前記電荷制御剤の分散液を調整するステップにおいて、電荷制御剤の分散液の濃度を1.0質量%から30.0質量%の範囲に調整することを特徴とする、請求項2に記載の電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
  4. 前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップが、電荷制御剤の分散液を母体トナーと混合攪拌した後、その混合物を凝集させることによって行われることを特徴とする、請求項1に記載の電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
  5. 前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップが40℃から70℃の温度範囲で行われることを特徴とする請求項4記載の電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
  6. 前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップにおいて、母体トナー100質量部に対して、電荷制御剤の分散液中の電荷制御剤が0.1から5.0質量部であることを特徴とする、請求項4に記載の電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
  7. 前記母体トナーの表面に電荷制御剤を固着せしめるステップにおいて、母体トナーの前記体積基準の平均粒径は、電荷制御剤の前記体積基準の平均粒径の3倍から150倍であることを特徴とする、請求項4に記載の電荷制御剤外添型トナーの製造方法。
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