JP4961491B2 - カプセルトナー、その製造方法および二成分現像剤 - Google Patents
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Description
前記混合微粒子水性分散体を脱水乾燥して混合微粒子を得る第2工程と、
結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、前記混合微粒子とを流動させ、前記トナー母粒子表面に前記混合微粒子を付着させて被覆トナー粒子を形成させる工程と、
前記被覆トナー粒子をキャリアガス中で流動させながら、前記トナー母粒子および前記樹脂微粒子を可塑化する液体を噴霧して、衝撃力により前記混合微粒子を膜化させて、前記トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成させる工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
また本発明は、本発明のカプセルトナーの製造方法で製造されるカプセルトナーであって、
結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、
前記離型剤微粒子および前記樹脂微粒子で構成され、前記トナー母粒子の表面を被覆する樹脂被覆層であって、前記離型剤微粒子が0.1μm以上1.0μm以下の離型剤分散粒子径で分散している樹脂被覆層とを有することを特徴とする。
また本発明は、樹脂被覆層中の前記離型剤微粒子が、トナー母粒子100重量部に対し0.2重量部以上2.3重量部以下含有されることを特徴とする。
また本発明は、前記カプセルトナーとキャリアとを含む二成分現像剤である。
また、前記混合微粒子は、樹脂微粒子を含む水性分散体と、離型剤微粒子を含む水性分散体とを混合して混合微粒子水性分散体を調製する第1工程と、前記混合微粒子水性分散体を脱水乾燥して前記混合微粒子を得る第2工程とを含む方法により製造されるので、樹脂微粒子と離型剤微粒子が均一に混合された混合微粒子が得られ、樹脂被覆層中に離型剤を好適に分散させ、トナーの耐ブロッキング性および耐ホットオフセット性を両立させることができる。
また本発明によれば、樹脂被覆層で被覆されているカプセルトナーにおいて、前記樹脂被覆層が離型剤微粒子を含むので、トナー母粒子のみに離型剤を含む場合と比べ、トナー粒子表面へ離型剤微粒子が染み出し易い。その結果、高温オフセットの発生を抑制でき、定着可能温度域の広いトナーを得ることができる。また、前記離型剤微粒子は、樹脂被覆層中に分散されているので、トナー母粒子表面を離型剤でコーティングしている場合と比べ、良好な耐ブロッキング性が得られる。樹脂被覆層中において、離型剤微粒子は0.1μm以上1.0μm以下の離型剤分散粒子径で分散している。
また本発明によれば、樹脂被覆層中の前記離型剤微粒子が、トナー母粒子100重量部に対し0.2重量部以上2.3重量部以下含有されるので、樹脂被覆層中の離型剤微粒子が好適に分散され、良好な耐ブロッキング性が得られる。
また本発明によれば、本発明のカプセルトナーとキャリアとを含む二成分現像剤であるので、耐ブロッキング性および耐ホットオフセットを両立させた二成分現像剤とすることができる。
図1は、本発明の実施の一形態であるカプセルトナーの製造方法の第1の手順を示す工程図である。本実施の形態におけるカプセルトナーの製造方法は、トナー母粒子作製工程S1と、混合微粒子作製工程S2と、混合微粒子付着工程S3と、膜化工程S4と、外添工程S5とを含む。
トナー母粒子作製工程S1では、樹脂微粒子および離型剤微粒子よりなる樹脂被覆層によって被覆されるべきトナー母粒子を作製する。トナー母粒子は、結着樹脂および着色剤を含む粒子であり、その作製方法は特に限定されることなく、公知の方法によって行うことができる。トナー母粒子の作製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を説明する。
粉砕法によるトナー母粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー組成物を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕する。その後必要に応じて分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。
前述のように、トナー母粒子は、結着樹脂と着色剤とを含む。
混合微粒子作製工程S2は、樹脂微粒子および離型剤微粒子からなる混合微粒子を作製する工程で、樹脂微粒子水性分散体調製工程S2aと、離型剤微粒子水性分散体調製工程S2bと、水性分散体混合工程S2cと、乾燥粒子化工程S2dとを含む。
樹脂微粒子水性分散体調製工程S2aでは、水を主成分とする水系媒体中に樹脂微粒子が微細な分散粒子径を保ったまま安定な状態で分散している樹脂微粒子水性分散体を調製する。
離型剤微粒子水性分散体調製工程S2bでは、水を主成分とする水系媒体中に離型剤微粒子が微細な分散粒子径を保ったまま安定な状態で分散している離型剤微粒子水性分散体を調製する。離型剤微粒子水性分散体は、たとえば、原料である離型剤をホモジナイザーなどで乳化分散させ細粒化することによって得られる。または溶剤中で乳化分散後に水性媒体に置換することによって得られる。離型剤微粒子原料としては、トナー母粒子に含まれる離型剤と同一のものが用いられる。
水性分散体混合工程S2cでは、樹脂微粒子水性分散体調製工程S2aで調製した樹脂微粒子水性分散体と離型剤微粒子水性分散体調製工程S2bで離型剤微粒子水性分散体とを混合し、混合微粒子水性分散体を調製する。混合微粒子水性分散体において、樹脂微粒子に対する離型剤微粒子の割合は、重量比で3重量%以上30重量%以下であることが好ましい。樹脂微粒子に対する離型剤微粒子の割合が3重量%以下であると、樹脂被覆層中の離型剤量が少なく所望の効果が得られない。また30重量%を超えると、流動性および高温保存安定性が低下する。
乾燥粒子化工程S2dでは、水性分散体混合工程S2cで調製した混合微粒子水性分散体を脱水乾燥して混合微粒子とする。
混合微粒子付着工程S3では、トナー母粒子作製工程S1で作製したトナー母粒子に、混合微粒子作製工程S2で調製した混合微粒子を付着させ、被覆トナー粒子を形成させる。
膜化工程S4では、混合微粒子付着工程S3で得られた被覆トナー粒子をキャリアガス中で流動させながら、トナー母粒子および混合微粒子を可塑化する液体を噴霧して、衝撃力を付与することにより、混合微粒子をトナー母粒子表面で膜化させて樹脂被覆層を形成し、カプセルトナー粒子を形成させる。
図2は、本発明のカプセルトナーの製造方法で用いる膜化装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示す膜化装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210、211が形成される。開口部210は、撹拌部208の軸線方向一方側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、被覆トナー粒子および気体が流過する。粉体流路202は、被覆トナー粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される貫通孔221に挿通されるように設けられ、図示しないモータにより軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分により支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、被覆トナー粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を所定の温度に調整する。これによって、粉体流路内および回転撹拌手段の外側の温度をトナー母粒子および混合微粒子が軟化変形しない温度以下に制御することができる。また膜化工程S4において、トナー母粒子、混合微粒子および液体にかかる温度のばらつきを少なくし、被覆トナー粒子の安定な流動状態を保つことが可能となる。
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す側面図である。
外添工程S5では、膜化工程S4で得たカプセルトナー粒子表面に外添剤を付着させる。外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタンなどが挙げられる。またこれらは、シランカップリング剤やシリコーン樹脂などによって表面処理されていることが好ましい。外添剤の使用量は、カプセルトナー100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。
微粒子調製工程A2では、乾燥した樹脂微粒子および離型剤微粒子を調製する。乾燥にはどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法で乾燥樹脂微粒子を得られる。樹脂微粒子は、後の被覆工程A3において、トナー母粒子を被覆する樹脂被覆層として用いられる。トナー母粒子表面を樹脂微粒子で被覆することによって、たとえばトナー母粒子に含まれる離型剤などの低融点成分の溶融による、保存中のトナー凝集の発生を防止できる。また、たとえば樹脂微粒子を分散させた液体を噴霧してトナー母粒子を被覆した場合、樹脂微粒子の形状がトナー母粒子表面に残るので、表面が平滑なトナーに比べクリーニング性に優れるトナーを得られる。樹脂微粒子原料としては、前記の樹脂を用いることができる。
被覆工程A3は、たとえば表面改質装置を用いて行われる。第1の表面改質装置は、トナー母粒子、樹脂微粒子および離型剤微粒子を内部に収容する容器と、容器内部に噴霧液体を噴霧する噴霧手段とを備える装置である。また本実施の形態において、第1の表面改質装置は、容器内のトナー母粒子を撹拌する撹拌手段を備える。
まずトナー母粒子と離型剤微粒子とを容器に投入し、撹拌手段によって撹拌し、トナー母粒子表面に離型剤微粒子を分散・付着させた後、樹脂微粒子を投入し、撹拌手段によってトナー母粒子、離型剤微粒子および樹脂微粒子が撹拌される状態で、容器内部に噴霧液体を噴霧する。トナー母粒子および樹脂微粒子の表面は、噴霧液体が噴霧され、かつ撹拌による熱的エネルギーが加えられることによって、膨潤軟化する。これに、撹拌手段による機械的衝撃力が付加されることにより、トナー母粒子表面に樹脂微粒子が固着するとともに、樹脂微粒子の一部が、トナー母粒子および隣り合う樹脂微粒子の少なくともいずれか一方と融着する。このとき用いられる噴霧液体には離型剤微粒子に対する可塑化効果はなく、離型剤微粒子は軟化しない。したがって、離型剤微粒子は機械的衝撃力によってトナー母粒子または樹脂微粒子に埋没し、被覆層表面へはほとんど露出しない。
外添工程A4は、前述の外添工程S5と同様にして行うので説明は省略する。
本発明の実施形態であるトナーは、上記の実施形態であるカプセルトナーの製造方法で製造される。上記のカプセルトナーの製造方法によって得られるカプセルトナーは、トナー母粒子の表面に離型剤微粒子を含んだ樹脂被覆層が形成されていることにより、耐ブロッキング性を損なうことなく、耐オフセット性に優れた定着可能温度域の広いカプセルトナーである。
本発明のカプセルトナーは、キャリアと混合し、二成分現像剤として使用することができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。以下において、「部」および「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。実施例および比較例における樹脂のガラス転移温度(Tg)および軟化温度(Tm)、離型剤微粒子の融点およびオンセット温度、トナー母粒子の体積平均粒子径および変動係数、樹脂微粒子および離型剤微粒子の体積平均粒子径、離型剤微粒子の分散粒子径は、以下のようにして測定した。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線において、ガラス転移に相当する吸熱ピークより高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤微粒子の融点とした。得られたDSC曲線において、融解に相当する吸熱ピークより低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をオンセット温度とした。
作製したトナー粒子を樹脂包埋し、ミクロトームにより約80nmの薄片に切り出したものを透過型顕微鏡により観察した。白抜けしたように観察される樹脂被覆層中の離型剤成分の全ての面積から球相当面積径に換算した直径を求め、その直径の範囲を分散粒子径とした。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒子径および体積粒度分布における標準偏差を求めた。変動係数(CV値、%)は、下記式に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名:LA−920、株式会社堀場製作所製)を用い、体積基準で50%頻度粒子径(メジアン径)として測定した。
〔トナー母粒子作製工程S1〕
ポリエステル樹脂(商品名:タフトン、花王株式会社製、ガラス転移温度60℃、軟化温度138℃) 88部
着色剤(銅フタロシアニン、C.I.ピグメントブルー15:3) 5部
離型剤(カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃) 5部
帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社製) 2部
スチレン−アクリル酸−ブチルアクリル酸共重合体樹脂(商品名:SK540、三洋化成工業株式会社製)と、界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名:エマルゲン1108、花王株式会社製)5gと蒸留水1985gとを、95℃に加熱しながら高圧ホモジナイザーに投入し、樹脂微粒子(体積平均粒子径150nm、ガラス転移温度64℃、軟化温度120℃)の水性分散体J1(固形分濃度5%)を得た。
トナー母粒子100部および8.25部の混合微粒子1を、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)に投入し、周速20m/secで5分間混合し、被覆トナー粒子を作製した。
被覆トナー粒子を、膜化装置(商品名:ハイブリダイザーNHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)に投入し、エタノールを噴霧しながら、被覆トナー粒子に衝撃力を付与して、カプセルトナー粒子(体積平均粒子径7.0μm、変動係数23、離型剤分散粒子径0.1μm〜0.3μm)を得た。
カプセルトナー粒子100部と、疎水性シリカ微粒子(商品名:KE−P10、株式会社日本触媒製、平均一次粒子径100nm)0.5部と、小粒径疎水性シリカ微粒子(商品名:RX−200、日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径12nm)1.0部と、疎水性チタン酸化物(平均一次粒子径40nm)0.6部とを、ヘンシェルミキサにて3分間混合し、実施例1のカプセルトナー(体積平均粒子径7.0μm、変動係数23)を得た。
混合微粒子作製工程S2において、離型剤微粒子の水性分散体の調製時に、界面活性剤および蒸留水の投入量をそれぞれ1.2gおよび1899gとしたこと以外は、実施例1と同様にして離型剤微粒子2(体積平均粒子径300nm、融点ピーク温度90℃、オンセット温度82℃)の水性分散体W2(固形分濃度5%)を得た。離型剤微粒子1の水性分散体W1の代わりに離型剤微粒子2の水性分散体W2を100g用いたこと以外は、実施例1と同様にして混合微粒子水性分散体2(樹脂微粒子に対する離型剤微粒子の割合:5重量%)を得て、混合微粒子2を作製した。
混合微粒子作製工程S2において、離型剤微粒子1の水性分散体W1の投入量を60gとしたこと以外は、実施例1と同様にして混合微粒子水性分散体3(樹脂微粒子に対する前記離型剤微粒子の割合:3重量%)を得て、混合微粒子3を作製した。
混合微粒子作製工程S2において、離型剤微粒子1の水性分散体W1の投入量を400gとしたこと以外は、実施例1と同様にして混合微粒子水性分散体4(樹脂微粒子に対する離型剤微粒子の割合:20重量%)を得て、混合微粒子4を作製した。
混合微粒子作製工程S2において、離型剤微粒子1の水性分散体W1の投入量を600gとしたこと以外は、実施例1と同様にして混合微粒子水性分散体5(樹脂微粒子に対する離型剤微粒子の割合:30重量%)を得て、混合微粒子5を作製した。
混合微粒子作製工程S2において、離型剤微粒子の水性分散体の調製時に、フィッシャートロプッシュワックスの代わりにポリエチレンワックス(商品名:PW655N、東洋ペトロライト株式会社製)100gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして離型剤微粒子3(体積平均粒子径300nm、融点ピーク温度98℃、オンセット温度70℃)の水性分散体W3(固形分濃度5%)を得た。離型剤微粒子1の水性分散体W1の代わりに離型剤微粒子3の水性分散体W3を100g用いたこと以外は、実施例1と同様にして混合微粒子水性分散体6(樹脂微粒子に対する離型剤微粒子の割合:10重量%)を得て、混合微粒子6を作製した。
混合微粒子作製工程S2において、離型剤微粒子の水性分散体の調製時に、フィッシャートロプッシュワックスの代わりにカルナウバワックス(東亜化成株式会社製)100gを用い、界面活性剤および蒸留水の投入量をそれぞれ3gおよび1898gとしたこと以外は、実施例1と同様にして離型剤微粒子4(体積平均粒子径200nm、融点ピーク温度82℃、オンセット温度70℃)の水性分散体W4(固形分濃度5%)を得た。離型剤微粒子1の水性分散体W1の代わりに離型剤微粒子4の水性分散体W4を100g用いたこと以外は、実施例1と同様にして混合微粒子水性分散体7(樹脂微粒子に対する前記離型剤微粒子の割合:5重量%)を得て、混合微粒子7を作製した。
混合微粒子作製工程S2を行わず、微粒子調製工程A2を行った。樹脂微粒子の水性分散体J1を、藤崎乾燥機MDL−050型(商品名、藤崎電機株式会社製)を用いて脱水乾燥し、乾燥樹脂微粒子とした。同様にして、離型剤微粒子4の水性分散体W4から乾燥離型剤微粒子を得た。
混合微粒子作製工程S2において、離型剤微粒子の水性分散体の調製時に、界面活性剤および蒸留水の投入量をそれぞれ15gおよび1888gとしたこと以外は、実施例6と同様にして離型剤微粒子5(体積平均粒子径50nm、融点ピーク温度82℃、オンセット温度70℃)の水性分散体W5(固形分濃度5%)を得た。
混合微粒子作製工程S2において、離型剤微粒子の水性分散体の調製時に、界面活性剤および蒸留水の投入量をそれぞれ6gおよび1894gとしたこと以外は、実施例7と同様にして離型剤微粒子6(体積平均粒子径100nm、融点ピーク温度82℃、オンセット温度70℃)の水性分散体W6(固形分濃度5%)を得た。
混合微粒子作製工程S2において、離型剤微粒子の水性分散体の調製時に、界面活性剤および蒸留水の投入量をそれぞれ1.5gおよび1988gとしたこと以外は、実施例6と同様にして離型剤微粒子7(体積平均粒子径300nm、融点ピーク温度82℃、オンセット温度70℃)の水性分散体W7(固形分濃度5%)を得た。
離型剤微粒子1の水性分散体W1の代わりに離型剤微粒子7の水性分散体W7を100g用いたこと以外は、実施例1と同様にして混合微粒子水性分散体11(樹脂微粒子に対する前記離型剤微粒子の割合:5重量%)を得て、混合微粒子11を作製した。
膜化工程S4を行わなかったこと以外は、実施例7と同様にして実施例11のカプセルトナー(体積平均粒子径7.0μm、変動係数23、離型剤分散粒子径0.5μm〜2μm)を得た。
被覆工程A3において、乾燥離型剤微粒子を用いなかったこと以外は、実施例7と同様にして比較例1のカプセルトナー(体積平均粒子径7.0μm、変動係数23)を得た。
被覆工程A3において、乾燥樹脂微粒子を用いなかったこと以外は、実施例8と同様にして比較例2のカプセルトナー(体積平均粒子径7.0μm、変動係数23)を得た。
実施例1〜11、参考例1および比較例1、2の各カプセルトナーと、体積平均粒子径45μmのフェライトコアキャリアとを、カプセルトナー濃度が7%になるように調整して混合し、二成分現像剤を作製した。
外添トナー100gをポリ容器に密閉し、50℃で48時間放置した後、トナーを取出し#100メッシュのふるいに掛けた。ふるい上に残存するトナーの重量を測定し、トナー全重量に対する割合として残存量を求め、下記の基準で耐ブロッキング性を評価した。数値が低いほど、トナーがブロッキングを起こさず、耐ブロッキング性が良好であることを示す。
◎(非常に良好):トナーの残存なし。
○(良好):残存量5%以下。
△(実用上問題なし):残存量が5%より大きく、10%未満。
×(不良):残存量が10%以上。
二成分現像剤を、市販の複写機(商品名:MX-2300G、シャープ株式会社製)に
充填し、加熱ローラの表面温度を130℃から220℃まで5℃刻みで上げて画像を形成させ、記録用紙にトナー像が定着されない低温オフセット現象と、記録用紙の白地部に加熱ローラからトナー像が再転写される高温オフセット現象とがいずれも発生しない非オフセット域を調べた。
◎(非常に良好):非オフセット域が50℃以上。
○(良好):非オフセット域が30℃以上50℃未満。
△(実用上問題なし):非オフセット域が20℃以上30℃未満。
×(不良):非オフセット域が20℃未満。
○(良好):最低定着温度が155℃未満。
△(実用上問題なし):最低定着温度が155℃以上160℃未満。
×(不良):最低定着温度が160℃以上。
Claims (11)
- 樹脂微粒子を含む水性分散体と、離型剤微粒子を含む水性分散体とを混合して混合微粒子水性分散体を調製する第1工程と、
前記混合微粒子水性分散体を脱水乾燥して混合微粒子を得る第2工程と、
結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、前記混合微粒子とを流動させ、前記トナー母粒子表面に前記混合微粒子を付着させて被覆トナー粒子を形成させる工程と、
前記被覆トナー粒子をキャリアガス中で流動させながら、前記トナー母粒子および前記樹脂微粒子を可塑化する液体を噴霧して、衝撃力により前記混合微粒子を膜化させて、前記トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成させる工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。 - 前記樹脂微粒子を含む水性分散体は、樹脂の乳化重合または樹脂を水性媒体中に乳化分散させることにより得られることを特徴とする請求項1に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 前記離型剤微粒子を含む水性分散体は、離型剤を水性媒体中に乳化分散させる、または溶剤中で乳化分散後に水性媒体に置換することにより得られることを特徴とする請求項1または2に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 前記第1工程では、前記樹脂微粒子に対する前記離型剤微粒子の割合が、重量比で3重量%以上30重量%以下となるように前記混合微粒子水性分散体を調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 前記混合微粒子において、前記樹脂微粒子の平均粒子径に対する前記離型剤微粒子の平均粒子径比は、0.3以上2.0以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 前記離型剤微粒子の示差走査熱量測定におけるオンセット温度が70℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 前記第2工程では、前記脱水乾燥を熱風受熱式乾燥処理により行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 前記離型剤微粒子の体積平均粒子径が、0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のカプセルトナーの製造方法で製造されるカプセルトナーであって、
結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、
前記離型剤微粒子および前記樹脂微粒子で構成され、前記トナー母粒子の表面を被覆する樹脂被覆層であって、前記離型剤微粒子が0.1μm以上1.0μm以下の離型剤分散粒子径で分散している樹脂被覆層とを有することを特徴とするカプセルトナー。 - 樹脂被覆層中の前記離型剤微粒子が、トナー母粒子100重量部に対し0.2重量部以上2.3重量部以下含有されることを特徴とする請求項9に記載のカプセルトナー。
- 請求項9または10に記載のカプセルトナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。
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