JP2012037629A - カプセルトナーの製造方法およびカプセルトナー - Google Patents

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頼尚 椿
Noritaka Kawase
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吉紀 武藤
Keiichi Kikawa
敬一 紀川
Takashi Hara
高志 原
Yoshiaki Akazawa
良彰 赤澤
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【課題】 低温定着性および耐ホットオフセット性が良好で、耐ブロッキング性を向上させることができるカプセルトナーの製造方法を提供する。
【解決手段】 カプセルトナーの製造方法は、不定形状のトナー母粒子を得るトナー母粒子作製工程と、トナー母粒子と結晶性ポリエステル樹脂微粒子とを混合して結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子と非晶性樹脂微粒子とを混合して非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る非晶性樹脂微粒子付着工程と、撹拌下で非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧液体を噴霧する噴霧工程と、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面の非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、カプセルトナーの製造方法およびカプセルトナーに関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、たとえば帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電および定着の各工程を経ることにより画像が形成される。帯電工程で、回転駆動される感光体の表面を帯電装置によって均一に帯電し、露光工程で、帯電した感光体表面に露光装置によってレーザ光が照射され、感光体表面に静電潜像が形成される。次に現像工程で、感光体表面の静電潜像が現像装置によってトナーを用いて現像されて感光体表面にトナー像が形成され、転写工程で、感光体表面のトナー像が転写装置によって転写材上に転写される。その後、定着工程で、定着装置で加熱されることによって、トナー像が転写材上に定着される。また、画像形成動作後に感光体表面上に残留した転写残留トナーは、クリーニング工程で、クリーニング装置により除去されて所定の回収部に回収され、除電工程で、クリーニング後の感光体表面における残留電荷が、次の画像形成に備えるために、除電装置により除電される。
このような画像形成装置で用いられるトナーは、現像工程だけではなく、転写工程、定着工程およびクリーニング工程の各工程において求められる機能を備えている必要がある。
定着工程におけるトナー像の定着方法としては、たとえば、トナー像を構成するトナーを加熱溶融して記録媒体に定着させる加熱定着方法、およびトナー像を構成するトナーを圧力により塑性変形して記録媒体に定着させる圧力定着方法がある。
加熱定着方法としては、定着装置の簡便性、および定着後の画像品位などを考慮し、トナーを加熱溶融する加熱媒体として熱ロールを使用するヒートロール定着法が挙げられる。
ヒートロール定着法において省エネルギー化を達成するためには、できるだけ低い温度でトナー像を定着させる必要があり、低温定着性が良好なトナーが求められる。低温定着性が良好なトナーとする方法として、トナー原料である結着樹脂の分子量を小さくしたり、トナーに離型剤を含有させることによって、トナーの軟化点を低下させる方法があるが、このようなトナーは、耐ブロッキング性が低下する問題がある。
このような問題を解決するために、たとえば特許文献1には、トナー母粒子と、トナー母粒子表面を被覆する樹脂被覆層とから構成されるカプセルトナーであって、トナー母粒子が結晶性ポリエステル樹脂を含み、樹脂被覆層が非晶性樹脂微粒子からなるカプセルトナーが開示されている。特許文献1に開示のカプセルトナーによれば、非晶性樹脂微粒子からなる樹脂被覆層がトナー母粒子を被覆しているので、耐ブロッキング性を向上させることができる。
特開2007−3840号公報
しかしながら特許文献1に開示のカプセルトナーでは、結晶性ポリエステル樹脂を含むトナー母粒子が非晶性樹脂微粒子によって被覆されているので、結晶性ポリエステル樹脂を用いることによる低温定着性向上の効果が充分に発揮されない。
そこで、低温定着性を向上させるために、特許文献1に開示のカプセルトナーにおいてトナー母粒子に含有させる結晶性ポリエステル樹脂の量を増やすと、耐ホットオフセット性が低下する問題が発生する。
本発明の目的は、低温定着性および耐ホットオフセット性が良好で、耐ブロッキング性を向上させることができるカプセルトナーの製造方法およびカプセルトナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂および着色剤を含み、表面に凹凸を有する不定形状のトナー母粒子を得るトナー母粒子作製工程と、
前記トナー母粒子と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子とを混合し、撹拌しながら衝撃力を加えることによって、トナー母粒子表面に結晶性ポリエステル樹脂微粒子を付着させて結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程と、
前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子と、非晶性樹脂微粒子とを混合し、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子表面に非晶性樹脂微粒子を付着させて非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る非晶性樹脂微粒子付着工程と、
前記トナー母粒子、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子および前記非晶性樹脂微粒子を可塑化させる液体である噴霧液体を、撹拌下で前記非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する噴霧工程と、
前記非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面の非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
また本発明は、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程において、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子を、前記トナー母粒子に対して8重量%以上30重量%以下の割合で混合することを特徴とする。
また本発明は、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積平均粒径は、前記非晶性樹脂微粒子の体積平均粒径よりも大きいことを特徴とする。
また本発明は、前記カプセルトナーの製造方法によって製造されることを特徴とするカプセルトナーである。
本発明によれば、カプセルトナーの製造方法は、トナー母粒子作製工程と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程と、非晶性樹脂微粒子付着工程と、噴霧工程と、膜化工程とを含む。トナー母粒子作製工程では、結着樹脂および着色剤を含み、表面に凹凸を有する不定形状のトナー母粒子を得る。結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程では、前記トナー母粒子と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子とを混合し、撹拌しながら衝撃力を加えることによって、トナー母粒子表面に結晶性ポリエステル樹脂微粒子を付着させて結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る。非晶性樹脂微粒子付着工程では、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子と、非晶性樹脂微粒子とを混合し、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子表面に非晶性樹脂微粒子を付着させて非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る。噴霧工程では、前記トナー母粒子、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子および前記非晶性樹脂微粒子を可塑化させる液体である噴霧液体を、撹拌下で前記非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する。膜化工程では、前記非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面の非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する。
上記工程を経ることによって、トナー母粒子表面の凹部に結晶性ポリエステル樹脂からなる層を存在させる、すなわちカプセルトナー表面に結晶性ポリエステル樹脂からなる層を局所的に存在させることができ、かつ表面が非晶性樹脂からなる層で被覆されたカプセルトナーを得ることができる。このようなカプセルトナーは、トナー母粒子内部に結晶性ポリエステル樹脂が含まれるのではなく、トナー母粒子表面の凹部に結晶性ポリエステル樹脂からなる層が局所的に存在するので、低温定着性が良好であり、また、凹部に結晶性ポリエステル樹脂からなる層が存在するトナー母粒子表面が非晶性樹脂からなる層で被覆されているので、耐ホットオフセット性および耐ブロッキング性が良好である。したがって、長期間にわたって、高精細な画像を安定して形成することができる。
また本発明によれば、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程において、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を、トナー母粒子に対して8重量%以上30重量%以下の割合で混合する。
これによって、トナー母粒子表面を、適度な量の結晶性ポリエステル樹脂で被覆することができるので、低温定着性および耐ホットオフセット性が良好で、耐ブロッキング性を向上させることができるカプセルトナーを安定して得ることができる。
また本発明によれば、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積平均粒径は、前記非晶性樹脂微粒子の体積平均粒径よりも大きい。これによって、トナー母粒子表面において結晶性ポリエステル樹脂微粒子を局所的に安定して付着させることができるとともに、非晶性樹脂微粒子を、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子に薄く均一に付着させることができる。
また本発明によれば、カプセルトナーは、本発明のカプセルトナーの製造方法によって製造されるので、トナー母粒子表面の凹部に結晶性ポリエステル樹脂からなる層が存在する、すなわちカプセルトナー表面に結晶性ポリエステル樹脂からなる層が局所的に存在するカプセルトナーである。また、表面が非晶性樹脂からなる層で被覆されたカプセルトナーである。このようなカプセルトナーは、低温定着性および耐ホットオフセット性が良好であるとともに、耐ブロッキング性を向上させることができるので、長期間にわたって、高精細な画像を安定して形成することができる。
本発明の実施の一形態であるカプセルトナー100の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の一形態であるカプセルトナー100の製造方法を示す工程図である。 カプセルトナー100の製造に用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。 図3に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。 粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す正面図である。
1、カプセルトナー
図1は、本発明の実施の一形態であるカプセルトナー100の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態のカプセルトナー100は、トナー母粒子101と、トナー母粒子101の表面を被覆する樹脂被覆層104とを含む。
(トナー母粒子)
トナー母粒子101は、表面に凹凸を有する不定形状であり、結着樹脂と着色剤とを含む。結着樹脂としては、特に限定されることなく、公知の結着樹脂を使用でき、たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に後述する離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
前記結着樹脂の中でも、ポリエステルは、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるため、カラートナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステルとしては公知のものを使用でき、たとえば多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。
また、ポリエステルとして、非晶性ポリエステルを用いることが好ましい。非晶性ポリエステルは、適度な弾性を有しているので、非晶性ポリエステルを用いることによって、耐ホットオフセット性を良好にすることができる。
多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多価アルコールとしても、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下で、多塩基酸と多価アルコールとを接触させて行い、生成するポリエステルの酸価、軟化点などが所定の値になったところで終了する。これによりポリエステルが得られる。
多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が起こる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することで、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変えることができる。また多塩基酸として無水トリメリト酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入でき、変性ポリエステルが得られる。ポリエステルの主鎖および/または側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基を結合させ、水中で自己分散性ポリエステルを得ることもできる。またポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。
結着樹脂のガラス転移温度は、30℃以上80℃以下が好ましい。結着樹脂のガラス転移温度が30℃未満であると、画像形成装置内部においてカプセルトナー100が熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移温度が80℃を超えると、記録媒体へのカプセルトナー100の定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
結着樹脂の軟化点は、80℃以上150℃以下が好ましい。
着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また同色であっても、2種以上を併用できる。着色剤の使用量は特に制限されないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは5重量部以上10重量部以下である。
着色剤は、結着樹脂中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。また2種以上の着色剤を複合粒子化して用いてもよい。複合粒子は、たとえば、2種以上の着色剤に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることによって製造できる。マスターバッチおよび複合粒子は、乾式混合の際にトナー組成物に混入される。
トナー母粒子101には、結着樹脂および着色剤の他に必要に応じて電荷制御剤が含まれてもよい。電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、有機ベントナイト化合物、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。
電荷制御剤は1種を単独で使用でき、または必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。
トナー母粒子101は、結着樹脂および着色剤の他に離型剤を含んでもよい。離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。
離型剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、結着樹脂100重量部に対して0.2重量部以上20重量部以下が好ましく、0.5重量部以上10重量部以下がより好ましく、1.0重量部以上8.0重量部以下がさらに好ましい。
トナー母粒子101の体積平均粒径は、4μm以上8μm以下が好ましい。トナー母粒子101の体積平均粒径が4μm以上8μm以下であることによって、長期間にわたって高精細な画像を安定して形成できる。また、記録媒体へのカプセルトナー100の付着量が少なくても高い画像濃度が得られるので、トナー消費量を削減できる。
トナー母粒子101の体積平均粒径が4μm未満であると、得られるカプセルトナー100の粒径が小さくなりすぎる。必要以上に粒径の小さいカプセルトナー100は、高帯電化および低流動化するおそれがあり、高帯電化、低流動化すると、感光体にカプセルトナー100を安定して供給することができなくなるので、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生するおそれがある。トナー母粒子101の体積平均粒径が8μmを超えると、得られるカプセルトナー100の粒径が大きくなりすぎる。必要以上に粒径の大きいカプセルトナー100は、高精細な画像を形成することができないおそれがある。またカプセルトナー100の粒径が大きくなることによりカプセルトナー100の比表面積が減少し、カプセルトナー100の帯電量が小さくなるので、カプセルトナー100が感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。
前述のように、トナー母粒子101は表面に凹凸を有する不定形状である。具体的には、トナー母粒子101は、形状係数SF−2が135以上160以下、好ましくは140以上155以下の粒子である。
なお、形状係数SF−2は、粒子の表面形状の凹凸の度合いを示すものである。形状係数SF−2の値が100の場合には、粒子表面に凹凸が存在しないことを示し、形状係数SF−2の値が大きいほど粒子表面の凹凸が大きいことを示す。
(樹脂被覆層)
トナー母粒子101の表面には樹脂被覆層104が形成されている。図1に示すように、樹脂被覆層104は、トナー母粒子101の凹部に形成される第1領域102と、トナー母粒子101および第1領域102を覆うように形成される第2領域103とからなる。
第1領域102は、結晶性ポリエステル樹脂から構成される結晶性ポリエステル樹脂微粒子からなり、第2領域103は、非晶性樹脂からなる。結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とは、高分子の配列状態の違いにより分類することができる。
非晶性樹脂は、高分子が無定形状態にあり、結晶性が低く、結晶性指数が0.6未満、または結晶性指数が1.5を超える樹脂である。結晶性ポリエステル樹脂は、高分子が規則正しい分子構造をもち、樹脂中の結晶部分の割合(結晶化度)が大きく、結晶性指数が0.6以上1.5以下の樹脂である。
結晶性指数は、樹脂の軟化点と吸熱の最高ピーク温度との比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)で定義される値で、結晶性の指標となる。吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。吸熱の最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とみなし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するものとみなす。
結晶化の度合いは、原料モノマーの種類とその比率、および製造条件(たとえば、反応
温度、反応時間、冷却速度など)により調整することができる。
結晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合させて得られる。とくに、炭素数4〜10の脂肪族ジオールを80モル%以上含有したアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるものが好ましい。
アルコール成分としては、炭素数2〜8の脂肪族ジオールなどの、樹脂の結晶性を上げる化合物が含有されていることが好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどが挙げられ、特にα,ω−直鎖アルカンジオールが好ましい。
アルコール成分中の炭素数2〜8の脂肪族ジオール含有量は、結晶性の観点から、80モル%以上が好ましい。また、そのうち70モル%以上が、1種の脂肪族ジオールで占められていることがより好ましい。
カルボン酸成分としては、カルボン酸、およびその誘導体である、カルボン酸無水物、カルボン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、カルボン酸が好ましい。
カルボン酸としては、フマル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸などの炭素数2〜30の脂肪族ジカルボン酸、またはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、またはシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、またはトリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。これらの中では、結晶性の観点から、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸、ならびにテレフタル酸およびその誘導体がより好ましい。
カルボン酸成分中の脂肪族ジカルボン酸化合物含有量は、70モル%以上が好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、80モル%以上であり、低温定着性、耐久性及び高温高湿条件下での帯電安定性の観点から、85モル%以上が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂におけるアルコール成分およびカルボン酸成分のモル比は、結晶性ポリエステル樹脂を高分子量化する際には、カルボン酸成分よりもアルコール成分が多い方が好ましく、また、減圧反応時において、アルコール成分の留去によりポリエステルの分子量を容易に調整できることから、モル比(カルボン酸成分/アルコール成分)0.9以上1未満が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂を作製する際、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、たとえば、不活性ガス雰囲気中にて、必要であればエステル化触媒を用いて、温度120〜230℃で行うことができる。
結晶性ポリエステル樹脂および後述する非晶性ポリエステル樹脂において、アルコール成分とカルボン酸成分のモル比(アルコール成分/カルボン酸成分)は、紙への定着性及び帯電安定性の観点から、100/70〜100/120が好ましい。
非晶性樹脂としては、たとえば、ポリスチレン樹脂などのスチレン系樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
スチレンアクリル共重合体樹脂は、モノマーの配合により疎水性を制御することができ、高温高湿環境における帯電低下を抑止することが可能である。また重合度、配合比を選べることから、熱設計の自由度も高くトナー材料として好適に使用できる。
スチレンアクリル共重合体樹脂のアクリルモノマーとしては公知のものを使用でき、たとえば、置換基を有することのある、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどが挙げられる。アクリルモノマーの具体例としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル系単量体、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。アクリルモノマーは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
スチレンアクリル共重合体樹脂のスチレン系モノマーとしては、公知のものを使用でき、たとえば、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。スチレン系モノマーは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。これらのモノマーの重合は、一般的なラジカル開始剤を用い、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などによって行われる。
ポリエステル樹脂は、屈折率が高く光学特性に優れることから、顔料等の着色剤のバインダーとしても優れており、また、熱設計の自由度が高く、より低温での溶融特性が制御可能なことから、特に低温定着性トナーに好適に使用できる。非晶性樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、炭素数3〜10の脂肪族ジオールを60モル%以上含有したアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有し、かつ芳香族ジカルボン酸化合物として炭素数12以上の多環式芳香族ジカルボン酸化合物を1〜50モル%含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。好ましくは炭素数4〜10の脂肪族ジオールを80モル%以上含有したアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有し、かつ芳香族ジカルボン酸化合物として炭素数12以上の多環式芳香族ジカルボン酸化合物を1〜50モル%含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
炭素数3〜10の脂肪族ジオールとしては、炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオールおよび炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオールが好ましい。直鎖型脂肪族ジオールを主成分とし、さらに分岐鎖型脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族系のカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分を原料モノマーとして得られた、結晶性の高いポリエステルを結着樹脂として含有することにより、低温定着性をより一層向上させることができる。なお、分岐鎖型脂肪族ジオールとは、2つのOH基が結合するアルキレン基が分岐を有するジオール又は2級のOH基を有するジオールを指す。
炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−ブテンジオール等が挙げられ、結晶性促進の観点からα、ω−直鎖アルカンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールがより好ましい。炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、50〜90モル%が好ましく、結晶性促進の観点から、60〜90モル%がより好ましい。
炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオールとしては、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、10〜50モル%が好ましく、低温定着性促進の観点から、10〜40モル%がより好ましい。
炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオールと炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオールのモル比(炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオール/炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオール)は、低温定着性の観点から、60/40〜90/10が好ましく、70/30〜85/15がより好ましく、70/30〜80/20がさらに好ましい。
炭素数3〜10の脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、60モル%以上、好ましくは80モル%以上であり、結晶性促進の観点から、85モル%以上がより好ましい。
アルコール成分には、前記炭素数3〜10の脂肪族ジオール以外のアルコールが本発明の効果が損なわれない範囲で含有されていてもよい。かかるアルコール成分としては、エチレングリコール等の炭素数3〜10以外の脂肪族ジオール;ポリオキシプロピレン(2.2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等のベンゼン骨格を有する化合物が好ましい。芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、80モル%以上であり、低温定着性、耐久性及び高温高湿条件下での帯電安定性の観点から、85モル%以上が好ましい。
炭素数12以上の多環式芳香族ジカルボン酸化合物としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等のベンゼン骨格を有する化合物が好ましく、炭素数は12〜30が好ましく、12〜24がより好ましい。これらの中では、ポリエステルの結晶性の観点から、2,6−ナフタレンジカルボン酸及び1,5−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。炭素数12以上の多環式芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、1〜50モル%であり、ポリエステルの結晶性およびトナーの低温定着性の観点から、5〜40モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。
上記芳香族ジカルボン酸化合物と多環式芳香族ジカルボン酸化合物との総含有量は、カルボン酸成分中、80モル%以上であり、低温定着性、耐久性及び高温高湿条件下での帯電安定性の観点から、85モル%以上が好ましく、90〜100モル%がより好ましい。
上記芳香族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸、およびこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の軟化点は、70℃以上140℃以下が好ましい。非晶性樹脂の軟化点は、トナー母粒子101に含まれる結着樹脂のガラス転移温度よりも高いことが好ましく、50℃以上150℃以下であることがより好ましい。このような温度範囲の結晶性ポリエステル樹脂および非晶性樹脂を用いることによって、保存安定性と定着性とを兼ね備えたカプセルトナー100が得られる。
結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、70℃以上120℃以下が好ましく、非晶性樹脂のガラス転移温度は、50℃以上70℃以下が好ましい。
後述するカプセルトナー100の製造方法において、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子として用いられ、非晶性樹脂は、非晶性樹脂微粒子として用いられる。以下、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および非晶性樹脂微粒子をまとめて「樹脂微粒子」と記載することがある。
樹脂微粒子の体積平均粒径は、トナー母粒子101の体積平均粒径よりも充分に小さい必要があり、0.05μm以上1μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることがさらに好ましい。樹脂微粒子の体積平均粒径が0.05μm以上1μm以下であることによって、トナー母粒子101表面に好適な大きさの突起部が形成される。このことによって本発明の方法で製造されるカプセルトナー100は、クリーニング時にクリーニングブレードに引っ掛かり易くなり、クリーニング性が向上する。
結晶性ポリエステル樹脂の体積平均粒径は、0.1μm以上0.4μm以下が好ましく、非晶性樹脂微粒子の体積平均粒径は、0.15μm以上0.6μm以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積平均粒径は、非晶性樹脂微粒子の体積平均粒径よりも大きいことが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂微粒子が比較的大きいことによって、後述する結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程において、トナー母粒子101表面の凹部に結晶性ポリエステル樹脂微粒子を付着しやすく、トナー母粒子101表面の凸部に結晶性ポリエステル樹脂微粒子を付着しにくくすることができるので、トナー母粒子101表面において結晶性ポリエステル樹脂微粒子を局所的に付着させることができる。また、非晶性樹脂微粒子が比較的小さいことによって、薄く均一な第2領域103をカプセルトナー100全体に形成することができる。
本実施形態のカプセルトナー100は、トナー母粒子101表面の凹部に結晶性ポリエステル樹脂からなる層が存在する、すなわちカプセルトナー100表面に結晶性ポリエステル樹脂からなる層が局所的に存在する。また、表面が非晶性樹脂からなる層で被覆されている。
このように、トナー母粒子101内部に結晶性ポリエステル樹脂が含まれるのではなく、トナー母粒子101表面の凹部に結晶性ポリエステル樹脂から構成される結晶性ポリエステル樹脂微粒子が局所的に存在することによって、カプセルトナー100が加熱加圧されて記録媒体に定着される定着時に、結晶性ポリエステル樹脂微粒子に応力が集中し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子成分が溶融して、カプセルトナー100表面に一気に染み出し、記録媒体に浸透するので、低温定着性が良好となる。トナー母粒子101表面の凹部に結晶性ポリエステル樹脂から構成される結晶性ポリエステル樹脂微粒子が局所的に存在しない場合、たとえば、表面が平滑な球形のトナー母粒子表面を結晶性ポリエステル樹脂で均一に被覆し、そのトナー母粒子を非晶性樹脂で均一に被覆したカプセルトナーの場合には、定着時に結晶性ポリエステル樹脂成分が記録媒体に充分浸透しないので、低温定着性を充分に向上させることができない。
また、トナー母粒子101が非晶性樹脂で被覆されることによって、耐ホットオフセット性が良好であるとともに、カプセルトナー100の保存安定性を向上させることができるので、トナー母粒子101に含まれる結晶性樹脂や離型剤などの低融点成分の溶融による、トナー凝集の発生を防止できる。したがって、このようなカプセルトナー100を用いると、高精細で、濃度むらのない画質の良好な画像を、長期間にわたって安定して形成することができる。
2、カプセルトナーの製造方法
図2は、本発明の実施の一形態であるカプセルトナー100の製造方法を示す工程図である。本実施形態のカプセルトナー100の製造方法は、トナー母粒子101を作製するトナー母粒子作製工程S1と、樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程S2と、トナー母粒子101表面に樹脂被覆層104を形成する成膜化工程S3とを含む。
(1)トナー母粒子作製工程S1
トナー母粒子作製工程S1では、表面に凹凸を有する不定形状のトナー母粒子101を作製する。トナー母粒子101の作製方法は特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。トナー母粒子101の作製方法としては、たとえば、混練粉砕法などの乾式法、ならびに懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法および溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、混練粉砕法によってトナー母粒子101を作製する方法を記載する。
粉砕法によるトナー母粒子101の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー母粒子101の原料を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練することによって溶融混練物を得る。この溶融混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機で粉砕することによって微粉砕物を得る。その後、必要に応じて分級などの粒度調整を行うことによって、トナー母粒子101が得られる。
混合機としては公知のものを使用でき、たとえばヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
混練機としては公知のものを使用でき、たとえば二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。
粉砕機としては、たとえば超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、および高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機が挙げられる。
分級としては、遠心力および風力による分級によって過粉砕トナー母粒子を除去できる公知の分級機を使用することができ、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などが挙げられる。
(2)樹脂微粒子調製工程S2
樹脂微粒子調製工程S2では、乾燥された結晶性ポリエステル樹脂微粒子および乾燥された非晶性樹脂微粒子を調製する。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子および非晶性樹脂微粒子は、たとえば、樹脂微粒子原料である樹脂をホモジナイザーなどで乳化分散させ細粒化することによって得られる。また樹脂のモノマー成分の重合によっても得られる。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子および非晶性樹脂微粒子の乾燥にはどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子および非晶性樹脂微粒子は、後述する成膜化工程S3において、トナー母粒子101を被覆するシェル剤として用いられる。
(3)成膜化工程S3
成膜化工程S3は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aと、非晶性樹脂微粒子付着工程S3bと、温度調整工程S3cと、噴霧工程S3dと、膜化工程S3eと、回収工程S3fとを含む。
(結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3a)
結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aでは、トナー母粒子作製工程S1で作製した不定形状のトナー母粒子101と、樹脂微粒子調製工程S2で作製した結晶性ポリエステル樹脂微粒子とを混合機で混合し、撹拌しながら衝撃力を加える。これによって、結晶性ポリエステル樹脂微粒子がトナー母粒子101の表面の凹部に選択的に付着し、トナー母粒子101の表面に局所的に付着する。これによって、表面に凹凸の少ない結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子が得られる。後述する非晶性樹脂微粒子付着工程S3bにおいて、このように、表面に凹凸の少ない結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子に非晶性樹脂微粒子を付着させるので、トナー母粒子表面に、非晶性樹脂微粒子からなる層を均一に形成することができる。
混合機としては、公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などが挙げられる。
混合機の撹拌羽根の周速度は、30m/sec以上50m/sec以下が好ましい。
本工程での撹拌時間は、3分間以上5分間以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子の添加量は、トナー母粒子101に対して5重量%以上30重量%以下が好ましく、8重量%以上30重量%以下がより好ましい。結晶性ポリエステル樹脂微粒子の添加量が5重量%未満であると、定着時において結晶性ポリエステルの染み出しが不充分となり、低温定着性が阻害される。結晶性ポリエステル樹脂微粒子の添加量が30重量%を超えると、樹脂被覆層104の非晶性樹脂による耐熱効果が充分に発揮されず、耐ブロッキング性の改善が難しくなる。
(非晶性樹脂微粒子付着工程S3b)
非晶性樹脂微粒子付着工程S3bでは、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aで得られた結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子と、樹脂微粒子調製工程S2で作製した非晶性樹脂微粒子とを混合機で混合して、結晶性ポリエステル付着トナー母粒子表面に非晶性樹脂微粒子を付着させる。
混合機としては、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aで用いた混合機を用いることができる。
混合機の撹拌羽根の周速度は、30m/sec以上50m/sec以下が好ましい。
本工程での撹拌時間は、3分間以上5分間以下が好ましい。
非晶性樹脂微粒子の添加量は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子に対して5重量%以上20重量%以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子および非晶性樹脂微粒子を、上記数値範囲で用いることによって、トナー母粒子101の表面を、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とを適度な比率で被覆することができるので、低温定着性および耐ホットオフセット性が良好であるとともに、耐ブロッキング性を向上させることができるカプセルトナー100を安定して得ることができる。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子との添加量の比率は、1:4〜4:1が好ましい。
(温度調整工程S3c)
温度調整工程S3cでは、図3〜図5に示すトナーの製造装置201内部の温度調整を行う。まず、トナーの製造装置201について説明する。
<トナーの製造装置>
図3は、カプセルトナー100の製造に用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。図4は、図3に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。
トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。
(粉体流路)
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210,211が形成される。開口部210は、撹拌部208の回転軸方向片側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子および気体が流過する。粉体流路202は、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
粉体流路202内の温度は、トナー母粒子101のガラス転移温度以下に設定され、30℃以上トナー母粒子101のガラス転移温度以下であることが好ましい。粉体流路202内の温度は、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の流動により、どの部分においてもほぼ均一となる。流路内の温度がトナー母粒子101のガラス転移温度を超えると、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子が軟化し過ぎ、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の凝集が発生するおそれがある。また流路内の温度が30℃未満であると、噴霧液体の乾燥速度が遅くなり生産性が低下する。したがって非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の凝集を防止するために、粉体流路202および後述の回転撹拌手段204の温度をトナー母粒子101のガラス転移温度以下に維持する必要がある。そのため、内径が粉体流路管の外径よりも大きい、後述の温度調整用ジャケットを粉体流路202および回転撹拌手段204の外側の少なくとも一部に配設する。
(回転撹拌手段)
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向片側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される回転軸部221aに挿通されるよう設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。回転軸部221aには、ガス排出口221bが接続されたガス排出部222が設けられる。
(噴霧手段)
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。噴霧手段203は、噴霧液体を貯留する液体貯留部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、噴霧液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を粉体流路202内に存在する非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に向けて噴射し、噴霧液体の液滴を非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する二流体ノズル203aと、図示しない噴霧量制御手段とを備える。キャリアガス供給部には、図示しないフロート式の流量計が設けられ、キャリアガスの供給量を測定することができる。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。
前記循環手段と、後述する温度調整手段との相乗効果により、樹脂微粒子を可塑化し、膜厚と粒度の均一なカプセルトナー100を得ることができる。さらに、二流体ノズルから噴霧液体および圧縮エアが噴出する領域に、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の付着防止用凸型キャップを配置することにより、この効果が向上し、高い収率でカプセルトナー100を製造することが出来る。
(温度調整用ジャケット)
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を所定の温度に調整する。また、後述する膜化工程S3eにおいて、粉体流路202内の温度が高すぎることによる、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の付着を防止することができるとともに、粉体流路202内の温度が低すぎ、噴霧液体がガス化されずに粉体流路202内部に滞留することを防止することができる。
温度調整用ジャケットは、粉体流路202壁面の、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子が付着しやすい部分に設けられることが好ましく、たとえば、粉体流過部209内壁の、噴霧手段203より流動方向下流の部分に設けられる。
また、温度調整用ジャケットは、撹拌部208壁面の、開口部210付近の部分に設けられる。そのように温度調整用ジャケットを設けることによって、開口部210から撹拌部208に流入する非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子と、撹拌部208内を流動する非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子との衝突による、開口部210付近への非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の付着を防ぐことができる。
さらに、温度調整用ジャケットは、粉体流過部209壁面全部および撹拌部208壁面全部に設けられることがより好ましい。そのように温度調整用ジャケットを設けることによって、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の粉体流路202内壁面への付着を一層確実に防止することができる。
(粉体投入部および粉体回収部)
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図5は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す正面図である。
粉体投入部206は、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を供給する図示しないホッパと、ホッパと粉体流路202とを連通する供給管212と、供給管212に設けられる電磁弁213とを備える。ホッパから供給される非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子は、電磁弁213によって供給管212内の流路が開放されている状態において、供給管212を介して粉体流路202に供給される。粉体流路202に供給される非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子は、回転撹拌手段204による撹拌により、一定の粉体流動方向に流過する。また電磁弁213により供給管212内の流路が閉鎖されている状態においては、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子は粉体流路202に供給されない。
粉体回収部207は、回収タンク215と、回収タンク215と粉体流路202とを連通する回収管216と、回収管216に設けられる電磁弁217とを備える。電磁弁217により回収管216内の流路が開放されている状態において、粉体流路202を流過するカプセルトナー100は回収管216を介して回収タンク215に回収される。また、電磁弁217により回収管216内の流路が閉鎖されている状態においては、粉体流路202を流過するカプセルトナー100は回収されない。
上述したようなトナーの製造装置201は、市販品の撹拌装置と噴霧装置とを組合せて得ることもできる。粉体流路および回転撹拌装置を備える市販の撹拌装置としては、たとえば、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などが挙げられる。このような撹拌装置に噴霧液体を噴霧する噴霧装置を取付けることによって、本実施形態のカプセルトナー100の製造方法に用いるトナーの製造装置201とすることができる。
このようなトナーの製造装置201は、温度調整工程S3cと、噴霧工程S3dと、膜化工程S3eと、回収工程S3fとで用いる。
温度調整工程S3cでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204の外側に配設した温度調整用ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通すことで、粉体流路202内および回転撹拌手段204の温度を上記の温度範囲に調整する。これによって、粉体流路202内の温度を、後述する噴霧工程S3dで投入される非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子が軟化変形しない温度以下に制御できるとともに、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を構成する結晶性ポリエステル樹脂が、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子樹脂微粒子表面に溶け出すことを抑制できる。
(噴霧工程S3d)
噴霧工程S3dでは、トナー母粒子101、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および非晶性樹脂微粒子を溶解せずに可塑化する効果のある液体である噴霧液体を、流動状態にある非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧することによって、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面に付着した非晶性樹脂微粒子を軟化および膜化させ、トナー母粒子101表面に樹脂被覆層104を形成する。噴霧液体を噴霧しながら非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を撹拌し、衝撃力を加えることによって、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の温度が不所望に上昇することを抑制でき、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を構成する結晶性ポリエステル樹脂が、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面に溶け出すことを抑制できるとともに、非晶性樹脂微粒子を構成する非晶性樹脂と相溶することを抑制できる。
噴霧工程S3dでは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が回転している状態で、粉体投入部206から非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を粉体流路202に供給する。その後、1分間以上10分間以下、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を流動させ、粉体流路202における非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の流動速度が安定されてから、噴霧液体の噴霧を開始する。粉体流路202における非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の流動速度が安定してから噴霧を開始することで、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧液体を均一に噴霧でき、樹脂被覆層104が均一なカプセルトナー100の収率を上げることができる。このとき、噴霧液体の噴霧量は、0.2〜2mL/minが好ましい。
噴霧液体は、送液ポンプによって一定流量で噴霧手段203に送られ、噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧される。噴霧された噴霧液体はガス化し、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面にガス化した噴霧液体が展延する。これにより非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子が可塑化する。
噴霧液体は、粉体流路202内のガス濃度が一定となるようにガス化され、ガス化した液体はガス排出口221bを通って粉体流路外へ排出されることが好ましい。ガス化した液体の濃度を一定に保つことにより、濃度が一定に保たれていない場合と比べ噴霧液体の乾燥速度を上げることができる。よって未乾燥の液体の残存する非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子が互いに付着することを防ぎ、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の凝集を抑制できる。その結果、樹脂被覆層104が均一なカプセルトナー100の収率をより向上できる。
ガス排出部222において濃度センサにより測定される、粉体流路202内のガス化された噴霧液体の濃度は、3vol%以下程度であることが好ましい。噴霧液体濃度が3vol%以下程度であると、液体の乾燥速度を充分に大きくでき、未乾燥の液体の残存する非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子が互いに付着することを防ぎ、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の凝集を抑制できる。またガス化された液体の濃度は、0.1vol%以上3.0vol%以下であることがさらに好ましい。噴霧液体濃度がこのような範囲内であると、生産性を低下させることなく、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の凝集を防止できる。
噴霧液体としては、トナー母粒子101、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および非晶性樹脂微粒子を溶解せず可塑化させる効果のある極性有機溶媒が使用される。極性有機溶媒としては、特に限定されないが、低級アルコールやアセトニトリルなどの有機溶剤が挙げられる。低級アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。液体がこのような低級アルコールを含むと、本工程において、充分に速く噴霧液体をガス化させることができるので、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子同士の凝集を抑制することができ、粗粉の生成を安定して抑制することができる。また、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の濡れ性を高めることができ、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面に付着した非晶性樹脂微粒子を容易に変形および膜化させることができる。また低級アルコールは蒸気圧が大きいので、液体を除去する際の乾燥時間をより短縮でき、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子同士の凝集を抑制できる。
噴霧液体の粘度は、5cP以下が好ましい。液体の粘度は25℃において測定され、たとえば、コーンプレート型回転式粘度計によって測定できる。噴霧液体の粘度が5cP以下であることによって、噴霧手段203から噴霧される液体の噴霧液滴径が粗大化することなく、微細な液滴径の液体の噴霧が可能となる。また均一な液滴径の液体の噴霧が可能となる。非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子と液滴との衝突時には、さらに液滴の微細化を促進できる。これにより、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面を均一に濡らし、馴染ませて、衝突エネルギーとの相乗効果で非晶性樹脂微粒子を軟化し、均一性に優れたカプセルトナー100を得られる。
噴霧手段203の二流体ノズルの軸線方向である液体噴霧方向と、粉体流路202において非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子が流動する方向である粉体流動方向との成す角度θは、0°以上45°以下であることが好ましい。角度θがこのような範囲内であると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳することが防止され、カプセルトナー100の収率をさらに向上させることができる。角度θが45°を超えると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳し、液体が滞留しやすくなり、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の凝集が発生して収率が悪化する。また噴霧手段203によって噴霧した液体の拡がり角度φは、20°以上90°以下であることが好ましい。拡がり角度φがこの範囲から外れると、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に対する液体の均一な噴霧が困難となるおそれがある。
噴霧液体の沸点は、65℃以上100℃以下が好ましい。
噴霧工程S3dでの噴霧時間は、5分間以上20分間以下が好ましい。
(膜化工程S3e)
膜化工程S3eでは、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面の非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで回転撹拌手段204の撹拌を継続させて、トナー母粒子101表面に樹脂被覆層104を形成する。
膜化工程S3eは、噴霧工程S3dと同時に開始し、同時に終了させる。この場合、膜化工程S3eの時間は噴霧工程S3dと同じになり、5分間以上30分間以下が好ましい。
また、膜化工程S3eは、噴霧工程S3dと同時に開始し、噴霧工程S3dよりも後に終了させてもよい。この場合、膜化工程S3eの時間は、20分間以上60分間以下が好ましい。
膜化工程S3eにおいて、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子が前記範囲の時間、撹拌混合されることによって、トナー母粒子101の表面において樹脂微粒子を適度に膜化させることができる。
噴霧工程S3dおよび膜化工程S3eにおいて、粉体流路202内の温度は、温度調整工程S3cで調整された温度に保たれることが好ましい。
噴霧工程S3dおよび膜化工程S3eにおいて、回転撹拌手段の回転数は、2000rpm以上3500rpm以下が好ましい。これによって、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に充分な機械的衝撃力を与えることができ、非晶性樹脂微粒子を充分に膜化させることができる。
(回収工程S3f)
回収工程S3fでは、表面に樹脂被覆層104が形成されたトナー母粒子101を、粉体回収部207から装置外に排出し、回収する。
このようにして得られる、表面に樹脂被覆層104が形成されたトナー母粒子101は、そのままカプセルトナー100として用いてもよく、また、外添剤が添加されてもよい。外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタンなどが挙げられる。また、これらの外添剤は、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。外添剤の使用量は、表面に樹脂被覆層104が形成された100重量部のトナー母粒子101に対して0.5重量部〜10重量部であることが好ましい。
3、現像剤
本実施形態のカプセルトナー100の製造方法で製造されたカプセルトナー100は、トナーのみからなる1成分現像剤として使用することもでき、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤としても使用することができる。1成分現像剤として使用する場合、ブレード、ファーブラシなどを用いてトナーを摩擦帯電させ、現像スリーブ上に付着させることによってカプセルトナー100を搬送し、画像形成を行う。2成分現像剤として使用する場合、上記のカプセルトナー100をキャリアとともに用いる。
キャリアとしては、公知のものを使用でき、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子の表面を被覆物質で被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散キャリアなどが挙げられる。
被覆物質としては公知のものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などが挙げられる。また樹脂分散キャリアに用いられる樹脂としても特に制限されないが、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。いずれも、トナー成分に応じて選択するのが好ましく、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの粒径は特に制限されないが、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。
キャリアの体積抵抗率は、キャリア粒子を断面積0.50cmの容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値から得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアが帯電し、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、さらに好ましくは15〜40emu/gである。一般的な現像ローラの磁束密度条件下では、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、非接触現像ではキャリアの穂立ちが高くなり過ぎ、像担持体とトナーの非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
2成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できる。たとえば、樹脂被覆キャリア(密度5〜8g/cm2)と混合する場合、トナーが全現像剤量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるようにすればよい。また、カプセルトナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
[結着樹脂、トナー母粒子および樹脂微粒子のガラス転移温度]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点からガラス転移温度(Tg)を求めた。
結着樹脂が結晶性ポリエステル樹脂の他に非晶性の樹脂を含む、または結晶性ポリエステル樹脂が非晶質部分を含む場合は、吸熱の最高ピーク温度より低い温度で観測されるピーク温度、または吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
[結着樹脂、トナー母粒子および樹脂微粒子の軟化点(Tm)]
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料を流出させた。試料の流出が開始された温度を流出開始温度(Tfb)とし、試料の半分量が流出したときの温度を軟化点(Tm)とした。
[トナー母粒子の形状係数SF−2]
トナー母粒子の表面に、スパッタ蒸着により金属膜(Au膜、膜厚0.5μm)を形成した。この金属膜被覆トナー母粒子から、走査型電子顕微鏡(商品名:S−570、株式会社日立製作所製)によって、加速電圧5kV、1000倍の倍率で、無作為に200〜300個を抽出して写真撮影を行った。この電子顕微鏡写真データを、画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)によって画像解析した。画像解析ソフト「A像くん」の粒子解析パラメータは、小図形除去面積:100画素、収縮分離:回数1;小図形:1;回数:10、雑音除去フィルタ:無、シェーディング:無、結果表示単位:μmとした。これより得られた金属膜被覆トナー母粒子の周囲長PERI、図形面積AREAから、下記の式(1)によって、トナー母粒子の形状係数SF−2を得た。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π) …(1)
[離型剤の融点]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料(離型剤)1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
[トナー母粒子の体積平均粒径および変動係数]
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径および変動係数を求めた。変動係数(CV値、%)は、下記式に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100 …(2)
[樹脂微粒子の結晶性指数]
上記ガラス転移温度の測定方法と同様にして、吸熱の最高ピーク温度に相当する温度(Tc)を測定した。上記に従って測定した軟化点(Tm)と吸熱の最高ピーク温度に相当する温度(Tc)とを用い、下記式から、結晶性指数を算出した。
結晶性指数=Tm/Tc …(3)
[樹脂微粒子の体積平均粒径(体積メジアン粒径)]
レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名:LA−920、株式会社堀場製作所製)を用いて体積基準で50%頻度粒子径(メジアン径)として測定した。
(実施例1)
〔トナー母粒子作製工程S1〕
・非晶性ポリエステル樹脂(商品名:タフトン、花王株式会社製、ガラス転移点60℃、軟化点138℃) 88重量部
・C.I.Pigment Blue 15:3 4重量部
・離型剤(カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃) 7重量部
・帯電制御剤(ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)
1重量部
以上のトナー原料を、3分間、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)により前混合した後、2軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)を用いて、シリンダ設定温度110℃、バレル回転数毎分300回転(300rpm)、原料供給速度20kg/時間で溶融混練して溶融混練物を得た。この溶融混練物を冷却ベルトにて冷却後、2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、ジェット式粉砕機(商品名:IDS−2、日本ニューマチック工業株式会社製)で微粉砕して微粉砕物を得た。この微粉砕物をエルボージェット分級機(商品名、日鉄鉱業株式会社製)で分級することによって、体積平均粒径が6.5μmであり、変動係数が21であり、軟化点113℃、形状係数SF−2が145であり、ガラス転移温度が59℃のトナー母粒子Aを得た。
〔樹脂微粒子調製工程S2〕
1,6−ヘキサンジオール300g、フマル酸812g、酸化ジブチル錫4gおよびハイドロキノン1gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した容積が5l(リットル)の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに所望の結晶性指数に達するまで8.3kPaにて反応させて、結晶性ポリエステル樹脂を得た。
この結晶性ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに溶解し、この溶液にアニオン性界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)水溶液を添加して機械式分散機(商品名:クレアミックス、エム・テクニック株式会社製)で乳化した。得られた乳化物からメチルエチルケトンを減圧溜去し、得られた結晶性ポリエステル樹脂微粒子を凍結乾燥して、乾燥された結晶性ポリエステル樹脂微粒子A(体積平均粒径:0.35μm、軟化点:109℃、吸熱の最高ピーク温度:113℃、ガラス転移温度:107℃、結晶性指数:0.96)を得た。
ポリオキシプロピレン(2,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、および無水トリメリット酸を反応させて、非晶性ポリエステル樹脂を得た。
この非晶性ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに溶解し、この溶液にアニオン性界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)水溶液を添加して機械式分散機(商品名:クレアミックス、エム・テクニック株式会社製)で乳化した。得られた乳化物からメチルエチルケトンを減圧溜去し、得られた非晶性ポリエステル樹脂微粒子を凍結乾燥して、乾燥された非晶性ポリエステル樹脂微粒子A(非晶性樹脂微粒子、体積平均粒径:0.2μm、軟化点:122℃、吸熱の最高ピーク温度:64℃、ガラス転移温度:64℃、結晶性指数:1.91)を得た。
〔結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3a〕
トナー母粒子A100重量部と結晶性ポリエステル樹脂微粒子A10重量部とをヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製)に投入し、撹拌羽根の周速度20m/secにて2分間混合し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子Aを得た。
〔非晶性樹脂微粒子付着工程S3b〕
結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子A100重量部と非晶性ポリエステル樹脂微粒子A5重量部とをヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製)に投入し、撹拌羽根の周速度40m/secにて3分間混合し、非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得た。
〔温度調整工程S3c、噴霧工程S3d、膜化工程S3e、回収工程S3f〕
図3に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)に噴霧ユニットを設けた装置を用いた。噴霧ユニットは、送液ポンプ(商品名:SP11−12、株式会社フロム製)を通して噴霧液体(エタノール、沸点:78℃)が二流体ノズル(商品名:HM−6型、扶桑精機株式会社製)に定量送液されるように接続した。二流体ノズルは、噴霧液体の噴霧方向と、粉体の流動方向とのなす角度が0°になるよう取付け角度を設定した。
粉体流路の壁面の全面に温度調整用ジャケットを設け、温度調整用ジャケットの温度調整用制御装置としてはチラーを用いた。また、ガス排出部には、ガス検知器(商品名:XP−3110、新コスモス電機株式会社製)を設けた。粉体流過部および撹拌部の温度が45℃になるように調整した。
非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を上記装置に投入し、回転数3000rpmで3分間撹拌し、その後、エタノールを噴霧ユニットから噴霧した。
噴霧ユニットから噴霧液体であるエタノールを噴霧量0.5g/min、エア流量5l(リットル)/minで40分間噴霧し、非晶性ポリエステル樹脂微粒子Aを結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子表面で膜化させた。このとき、貫通孔およびガス排出部を通じて排出された気体中のエタノールの排出濃度は、約1.5vol%で安定していた。また、装置内へ送るエア流量としては、回転軸部および二流体ノズルからのエアの供給量をそれぞれ毎分5l(リットル)とした。
噴霧液体の噴霧を停止した後、さらに5分間撹拌することによって、カプセルトナー(体積平均粒径:6.9μm、変動係数:26)を得た。
このようにして作製したカプセルトナー100重量部に、外添剤として疎水性シリカ粒子(株式会社アエロジル社製、1次粒径:12nm、HMDS処理)2重量部を投入し、撹拌羽根の周速度30m/秒で1分間混合することで、実施例1のカプセルトナーを得た。
(実施例2)
結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aにおいて、結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの添加量を10重量部から8重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2のカプセルトナーを得た。
(実施例3)
結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aにおいて、結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの添加量を10重量部から30重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3のカプセルトナーを得た。
(実施例4)
結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aにおいて、結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの添加量を10重量部から5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例4のカプセルトナーを得た。
(実施例5)
結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aにおいて、結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの添加量を10重量部から33重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例5のカプセルトナーを得た。
(実施例6)
結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aを結晶性ポリエステル樹脂微粒子Bに変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例6のカプセルトナーを得た。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子Bは、乳化条件を変更したこと以外は結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの作製方法と同様にして作製した。結晶性ポリエステル樹脂微粒子Bは、体積平均粒径が0.15μmであり、軟化点が107℃であり、吸熱の最高ピーク温度が112℃であり、ガラス転移温度が107℃であり、結晶性指数が0.96である。
(比較例1)
・非晶性ポリエステル樹脂(商品名:タフトン、花王株式会社製、ガラス転移点60℃、軟化点138℃) 78重量部
・C.I.Pigment Blue 15:3 4重量部
・離型剤(カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃) 7重量部
・帯電制御剤(ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社) 1重量部
・結晶性ポリエステル樹脂微粒子A 10重量部
以上のトナー原料を用い、実施例1のトナー母粒子作製工程S1と同様の方法でトナー母粒子B(体積平均粒径:6.8μm、変動係数:23、軟化点:105℃、ガラス転移温度:54℃、形状係数SF−2:144)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aを行わず、非晶性樹脂微粒子付着工程S3bにおいて、結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子の代わりにトナー母粒子Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂微粒子Aが付着したトナー母粒子Bを得た。このトナー母粒子Bを、温度調整工程S3c、噴霧工程S3d、膜化工程S3eおよび回収工程S3fにおいて非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の代わりに用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1のカプセルトナーを得た。
(比較例2)
非晶性樹脂微粒子付着工程S3bにおいて、非晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの添加量を5重量部から10重量部に変更したこと以外は比較例1と同様にして比較例2のカプセルトナーを得た。
(比較例3)
結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程S3aを行わず、非晶性樹脂微粒子付着工程S3bにおいて、非晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの添加量を5重量部から8重量部に変更するとともに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子Aと同時に結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aを2重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして比較例3のカプセルトナーを得た。
(比較例4)
トナー母粒子Aの球形化処理を行い、その球形化処理したトナー母粒子Aを用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例4のカプセルトナーを得た。
トナー母粒子Aの球形化処理には、熱風式球形化装置(商品名:メテオレインボー、日本ニューマチック工業株式会社製)を用いた。球形化処理の条件としては、熱風式球形化装置へのトナー母粒子Aの投入量を毎時3.0kgとし、熱風の供給量を毎分900l(リットル)とし、熱風温度を190℃とし、冷却空気の供給圧力を0.15MPaとし、二次エア噴射ノズルからの空気の供給量を毎分230l(リットル)とした。また冷却エア取入口と、衝突部材との距離を2.0cmとした。球形化処理して得られたトナー母粒子Aの形状係数SF−2は122であった。
実施例および比較例のカプセルトナーと、体積平均粒径60μmのフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が7%になるようにそれぞれ混合することで、実施例および比較例のカプセルトナーを含む2成分現像剤を作製した。
実施例および比較例で用いた結晶性ポリエステル樹脂微粒子、ならびに非晶性樹脂微粒子の添加量などを表1に示す。
Figure 2012037629
<評価>
実施例および比較例のカプセルトナーを含む2成分現像剤を用いて、以下の評価を行った。
[耐ブロッキング性]
市販複写機(商品名:MX−7001N、シャープ株式会社製)に実施例および比較例のカプセルトナーをそれぞれ含む2成分現像剤を充填し、画像が感光体上に現像されないように調整した状態で、20℃の恒温下で現像機のみを5時間連続運転し、2成分現像剤の偏り、および凝集物の発生の有無を確認した。2成分現像剤の偏りは、トナーの流動性の低下に伴い現像槽中での2成分現像剤の搬送性が低下することにより、2成分現像剤の搬送軸に対して発生する。2成分現像剤の偏りによって、搬送トルクが増大すると運転に伴う発熱が増加し、2成分現像剤の一部が溶融固着することで凝集物が発生する。
耐ブロッキング性の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。2成分現像剤の偏りがない。
△:やや良好。2成分現像剤の偏りはあるが、凝集物の発生はない。
×:不良。凝集物の発生がある。
〔定着性〕
市販複写機(カラー複合機、商品名:MX−7001N、シャープ株式会社製)を改造したものを用い、実施例および比較例のカプセルトナーを含む2成分現像剤による定着画像を作成した。まず、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、べた画像部(縦20mm、横50mmの長方形)を含むサンプル画像を未定着画像として形成した。この際、べた画像部のトナーの記録用紙への付着量が1.0mg/cmとなるよう調整した。次に、上記複写機の定着部を利用した外部定着器を用いて定着画像を作製した。定着プロセス速度は300mm/secとし、定着ローラの温度を130℃から5℃刻みで上げ、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域を測定し、その温度幅を定着非オフセット域とした。高温オフセットおよび低温オフセットとは、定着時に、カプセルトナーが記録用紙に定着せず、定着ローラに付着したまま定着ローラが一周した後に記録用紙に付着することである。
定着性の評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好。定着非オフセット域が45℃以上である。
○:良好。定着非オフセット域が40℃以上45℃未満である。
△:やや良好。定着非オフセット域が25℃以上40℃未満である。
×:不良。定着非オフセット域が25℃未満である。
(総合評価)
耐ブロッキング性および定着性の評価結果を用いて総合評価を行った。
総合評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好。耐ブロッキング性の評価結果が○であり、定着性の評価結果が◎である。
○:良好。耐ブロッキング性および定着性の評価結果が○である。
△:やや不良。耐ブロッキング性および定着性の評価結果の少なくとも一方が△であり、×の評価結果がない。
×:不良。耐ブロッキング性および定着性の評価結果の少なくとも一方が×である。
耐ブロッキング性および定着性の評価結果、ならびに総合評価結果を表2に示す。
Figure 2012037629
実施例1〜3のカプセルトナーは、耐ブロッキング性が良好で、定着性が非常に良好であった。
実施例4のカプセルトナーは、耐ブロッキング性は良好であったが、結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの付着量が実施例1〜3のカプセルトナーの付着量よりも少ないので、実施例1〜3に比べて低温定着性が少し低下した。
実施例5のカプセルトナーは、低温定着性は良好であったが、高温オフセットが若干発生しやすくなった。結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの付着量が実施例1〜3のカプセルトナーの付着量よりも多いので、カプセルトナーの高温での弾性が低下しているためであると考えられる。
実施例6のカプセルトナーは、実施例1〜3に比べて若干低温定着性が劣る結果になった。実施例6で用いられた結晶性ポリエステル微粒子Bの粒子径は、実施例1〜3で用いられた結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの粒子径よりも小さいので、実施例1〜3に比べて結晶性ポリエステル樹脂微粒子をトナー母粒子に局所的に付着させることができなかったためであると考えられる。
比較例1,2のカプセルトナーは、耐ホットオフセット性が低下した。メインの結着樹脂である非晶性ポリエステル樹脂とともに、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を溶融混練しているので、非晶性ポリエステル樹脂の持つ弾性が失われたからであると考えられる。
また、比較例1のカプセルトナーは、耐ブロッキング性が低下した。トナー母粒子が、結晶性ポリエステル樹脂微粒子Aと非晶性ポリエステル樹脂微粒子Aとを含み、トナー母粒子全体のガラス転移温度が低く、トナー母粒子の表面の凹部に優先的に非晶性ポリエステル微粒子が付着し、トナー母粒子全体が被覆されなかったためであると考えられる。
比較例2のカプセルトナーは、耐ブロッキング性は良好であるが、低温定着性が低下した。樹脂被覆層に結晶性ポリエステル樹脂が含まれず、かつトナー母粒子を被覆する非晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの量が多すぎるので、定着阻害が起こったと考えられる。
比較例3のカプセルトナーは、低温定着性が低下した。トナー母粒子に、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を充分に付着できなかったからと考えられる。
比較例4のカプセルトナーは、低温定着性が低下した。トナー母粒子の形状が表面に凹凸を有する不定形状ではないので、トナー母粒子表面において、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を局所的に存在させることができず、定着時に結晶性ポリエステル樹脂がカプセルトナー表面に染み出しにくくなったためと考えられる。
201 トナーの製造装置
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
220 撹拌羽根

Claims (4)

  1. 結着樹脂および着色剤を含み、表面に凹凸を有する不定形状のトナー母粒子を得るトナー母粒子作製工程と、
    前記トナー母粒子と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子とを混合し、撹拌しながら衝撃力を加えることによって、トナー母粒子表面に結晶性ポリエステル樹脂微粒子を付着させて結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程と、
    前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子と、非晶性樹脂微粒子とを混合し、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着トナー母粒子表面に非晶性樹脂微粒子を付着させて非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る非晶性樹脂微粒子付着工程と、
    前記トナー母粒子、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子および前記非晶性樹脂微粒子を可塑化させる液体である噴霧液体を、撹拌下で前記非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する噴霧工程と、
    前記非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子表面の非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
  2. 前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子付着工程において、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子を、前記トナー母粒子に対して8重量%以上30重量%以下の割合で混合することを特徴とする請求項1に記載のカプセルトナーの製造方法。
  3. 前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積平均粒径は、前記非晶性樹脂微粒子の体積平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のカプセルトナーの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のカプセルトナーの製造方法によって製造されることを特徴とするカプセルトナー。
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