JP2011158789A - トナーの製造方法 - Google Patents

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浩明 中弥
Takafumi Nagai
隆文 永井
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Abstract

【課題】 スペーサ粒子が離脱しにくく、かつスペーサ効果が十分に発揮されることにより、長期にわたって、流動性、帯電安定性および転写性に優れるトナーの製造方法を提供する。
【解決手段】 被覆工程で、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子表面を、カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子Bで被覆し、樹脂被覆トナー粒子を生成すると、スペーサ粒子外添工程では、樹脂被覆トナー粒子の表面にスペーサ粒子を部分的に埋没させ、スペーサ粒子埋没トナー粒子を生成する。加熱工程では、スペーサ粒子外添トナー粒子を加熱することにより、前記カルボキシル基と前記グリシジル基とを架橋させて、トナー粒子表面にスペーサ粒子を固定されたトナー粒子を作製する、
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナーの製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成に用いられるトナーは、結着樹脂、着色剤、ワックスなどを含む。このようなトナーの代表的な製造方法には粉砕法がある。粉砕法によれば、結着樹脂、着色剤、ワックスなどの溶融混練物を冷却固化し、得られる固化物を機械的に粉砕することによって、不定形のトナーが製造される。このようにして得られたトナーにおいては、粉砕時の破断面が表面に表れ、着色剤やワックスが露出することが多い。
表面に露出した着色剤は、トナーの帯電性能に影響を及ぼすため、トナーの帯電性能にばらつきが生じ、画像ムラなどの画像欠陥が発生しやすくなり、高画質な画像形成ができないという問題が生じる。表面に露出したワックスは、トナーの凝集を引き起こし、トナーの流動性を低下させ、その結果感光体へのトナー供給に問題が生じる。また、ワックスがキャリアに付着することによって、キャリアとトナーとの摩擦帯電性が悪くなり、トナーの帯電性能にばらつきが生じ、画像ムラなどの画像欠陥が発生しやすくなるという問題も生じる。
上記問題に鑑み、トナー表面に被覆層を有するトナーが注目され、様々な検討がなされている。特許文献1には、流動化気体により循環流動させた着色樹脂粒子に、疎水性溶剤中に架橋型樹脂微粒子が分散してなるスプレー液を塗布し、着色樹脂粒子表面に架橋型樹脂微粒子をコーティングすることによってトナーを製造する方法が開示されており、特許文献2には、回転軸を含む回転攪拌手段の回転によって流動状態にあるトナー母粒子に、被覆材料を含む液状体を噴霧手段から噴霧して、トナー母粒子に被覆材料を被覆するトナーの製造方法が開示されている。特許文献1および2に開示されているような、液体を噴霧するトナーの製造方法は、乾式法で製造したトナー母粒子を被覆するのに適しており、工程が簡易で、被覆層の厚みの調節が容易であるなどの利点をもつ。
また近年、画像形成装置の高画質化に伴い、ドット再現性を高めるため、体積平均粒子径が7μm以下の小粒子径トナーが主流となりつつあるが、粒子径の小さいトナーは、粒子径の大きなトナーよりも凝集力および付着力が高いため、感光体から記録媒体または中間転写体へ転写する際の転写効率が低いという問題がある。
このような問題に対し、特許文献3には、転写効率の低下を抑制するため、大粒径疎水性シリカ微粒子などが外添されたトナーが開示されている。
特開2006−322998号公報 特開2009−25669号公報 特開2000−81723号公報
しかしながら、スペーサ粒子となるべき大粒径の外添剤を添加したトナーを、表面が樹脂で被覆された樹脂被覆キャリアとともに二成分現像剤として用いた場合、トナーの帯電量が徐々に低下するという問題が生じる。これは、個数平均粒子径が40nm以上の大粒径の外添剤はトナー表面から離脱しやすいことが原因である。現像槽の中で長期間攪拌されることにより離脱した外添剤が、樹脂被覆キャリア表面の樹脂層に半埋没化した状態で付着し蓄積する(すなわちキャリア汚染が生じる)と、樹脂被覆キャリア表面に外添剤による多数の凹凸が形成される。このような樹脂被覆キャリアでは、新しく補給されたトナーを摩擦帯電させる能力が低下する。特許文献3のトナーにおいては、大粒径の外添剤がトナー表面から脱離する問題は解決されておらず、経時的にトナーの帯電量が低下するという問題が生じる。
本発明の目的は、スペーサ粒子が離脱しにくく、かつスペーサ効果が十分に発揮されることにより、長期にわたって帯電安定性および転写性に優れるトナーの製造方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子表面を、カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子Bとで被覆し、樹脂被覆トナー粒子を生成する被覆工程と、
樹脂被覆トナー粒子の表面にスペーサ粒子を部分的に埋没させ、スペーサ粒子埋没トナー粒子を生成するスペーサ粒子外添工程と、
スペーサ粒子外添トナー粒子を加熱することにより、前記カルボキシル基と前記グリシジル基とを架橋させて、トナー粒子表面にスペーサ粒子を固定したトナー粒子を作製する加熱工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、前記樹脂微粒子Aの個数平均粒径と前記樹脂微粒子Bの個数平均粒径がいずれもスペーサ粒子の個数平均粒径より小さく、かつ、前記樹脂微粒子Aのガラス転移温度TgAと前記樹脂微粒子Bのガラス転移温度TgBがいずれも前記結着樹脂のガラス転移温度TgDよりも低いことを特徴とする。
また本発明は、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子表面を、カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子Bとスペーサ粒子とで被覆し、樹脂被覆トナー粒子を生成する被覆工程と、
樹脂被覆トナー粒子を加熱することにより、前記カルボキシル基と前記グリシジル基とを架橋させて、トナー粒子表面にスペーサ粒子を固定したトナー粒子を作製する加熱工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、前記スペーサ粒子が、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また本発明は、前記加熱工程では、300℃以上500℃以下の熱風を用いて処理することを特徴とする。
本発明によれば、被覆工程で、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子表面を、カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子Bで被覆し、樹脂被覆トナー粒子を生成すると、スペーサ粒子外添工程では、樹脂被覆トナー粒子の表面にスペーサ粒子を部分的に埋没させ、スペーサ粒子埋没トナー粒子を生成する。加熱工程では、スペーサ粒子外添トナー粒子を加熱することにより、前記カルボキシル基と前記グリシジル基とを架橋させて、トナー粒子表面にスペーサ粒子を固定されたトナー粒子を作製する。
樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bとから形成される樹脂被覆層にスペーサ粒子を強固に固定することができるので、得られるトナーが現像槽内で攪拌ストレスを受けても、スペーサ粒子が離脱しにくく、スペーサ効果を保持することができる。
これにより、長期にわたって、帯電安定性、および転写性に優れるトナーを得ることができ、十分な画像濃度の画像を形成することができる。
また本発明によれば、前記樹脂微粒子Aの個数平均粒径と樹脂微粒子Bの個数平均粒径がいずれもスペーサ粒子の個数平均粒径より小さく、かつ、前記樹脂微粒子Aのガラス転移温度TgAと樹脂微粒子Bのガラス転移温度TgBがいずれも前記結着樹脂のガラス転移温度TgDよりも低い。
トナー母粒子は、樹脂微粒子A,Bで構成された被覆層よりも熱によって軟化しにくいため、スペーサ粒子が被覆層内には埋没しやすいが、トナー母粒子内には埋没しにくくなる。その結果、衝撃力を加えてスペーサ粒子を外添する際に、その一部を突出させた状態でスペーサ粒子をトナー表面に外添しやすくなる。
また本発明によれば、被覆工程で、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子表面を、カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子Bとスペーサ粒子とで被覆し、樹脂被覆トナー粒子を生成する。加熱工程では、樹脂被覆トナー粒子を加熱することにより、前記カルボキシル基と前記グリシジル基とを架橋させて、トナー粒子表面にスペーサ粒子を固定したトナー粒子を作製する。
トナー粒子にスペーサ粒子を強固に固定することができるので、得られるトナーが現像槽内で攪拌ストレスを受けても、スペーサ粒子が離脱しにくく、スペーサ効果を保持することができる。
これにより、長期にわたって、帯電安定性、および転写性に優れるトナーを得ることができ、十分な画像濃度の画像を形成することができる。
また本発明によれば、前記スペーサ粒子が、硬度の高いシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子のうち、少なくとも1つを含むので、衝撃力により変形しにくく、スペーサ粒子を樹脂被覆層中に部分的に埋没させやすくなる。また、得られるトナーにおいても、帯電性、転写性に優れたトナーを得ることができる。
また本発明によれば、前記加熱工程では、300℃以上500℃以下の熱風を用いて処理するので、短時間でかつ単純な処理操作で、樹脂微粒子Aに含まれるカルボキシル基と樹脂微粒子Bに含まれるグリシジル基を有とを架橋反応させることができ、スペーサ粒子を強固に保持できる。
本発明のトナーの製造方法の手順の一例を示す工程図である。 本発明のトナーの製造方法の一例で用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。 図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。 粉体投入部206および粉体回収部207周りの構成を示す側面図である。
1、トナーの製造方法
図1は、本発明のトナーの製造方法の手順の一例を示す工程図である。本発明のトナーの製造方法は、トナー母粒子作製工程S1と、架橋型樹脂微粒子調製工程S2と、被覆工程S3と、外添工程S4と、熱処理工程S5とを含む。
(1)トナー母粒子作製工程S1
トナー母粒子作製工程S1では、トナー母粒子を作製する。トナー母粒子は、結着樹脂および着色剤を含む粒子であり、その作製方法は特に限定されることなく、公知の方法によって作製することができる。トナー母粒子の作製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を説明する。
粉砕法を用いるトナー母粒子の作製方法では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー母粒子原料を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、冷却固化した固化物を粉砕機によって粉砕する。その後必要に応じて分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。
混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
混練機としては公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。
粉砕機としては、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、および高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機が挙げられる。
分級には、遠心力による分級および風力による分級によって過粉砕トナー母粒子を除去できる公知の分級機を使用でき、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用できる。
(トナー母粒子原料)
前述のように、トナー母粒子は、結着樹脂と着色剤とを含む。結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、黒トナー用またはカラートナー用の公知の結着樹脂を使用することができ、たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
これらの結着樹脂の中でも、ポリエステルは、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるので、カラートナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステルとしては公知のものを使用でき、たとえば多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。
多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
多価アルコールとしても、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒および重縮合触媒の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを接触させることによって行われ、生成するポリエステルの酸価、軟化温度などが所定の値になったところで終了する。これによって、ポリエステルが得られる。場合によって有機溶媒は用いなくてもよい。
多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変えることができる。また多塩基酸として無水トリメリト酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することができ、変性ポリエステルを得ることができる。あるいは、ポリエステルの主鎖および/または側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基を結合させ、水中での自己分散性を付与したポリエステルも使用することができる。さらに、ポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化した樹脂も使用することができる。
結着樹脂は、ガラス転移温度が50℃以上70℃以下であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移温度が50℃未満であると、画像形成装置内部においてトナーが熱凝集しブロッキングが発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移温度が70℃を超えると、記録媒体へのトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
着色剤としては、黒色、黄色、橙色、赤色、紫色、青色、緑色および白色の着色剤が挙げられ、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また同色であっても、2種以上を併用できる。着色剤の使用量は特に制限されないけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは5重量部以上10重量部以下である。
着色剤は、結着樹脂中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。また2種以上の着色剤を複合粒子化して用いてもよい。複合粒子は、たとえば、2種以上の着色剤に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることによって製造できる。マスターバッチおよび複合粒子は、乾式混合の際にトナー母粒子原料に混入される。
トナー母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に電荷制御剤が含まれてもよい。電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ベンジル酸誘導体の金属化合物、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。
電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。
また、トナー母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に離型剤が含まれてもよい。離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、エステルワックスおよびその誘導体、脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。
離型剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.2重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以上10重量部以下である。
(トナー母粒子)
トナー母粒子作製工程S1において得られるトナー母粒子は、体積平均粒子径が4μm以上8μm以下であることが好ましい。トナー母粒子の体積平均粒子径が4μm以上8μm以下であると、高精細な画像を長期にわたって安定して形成することができる。またトナー母粒子をこの範囲内に小粒径化することによって、付着量が少なくても高い画像濃度が得られ、トナー消費量を削減することができる。トナー母粒子の体積平均粒子径が4μm未満であると、トナー母粒子の粒径が小さいため、高帯電化および低流動化するおそれがある。トナーが高帯電化、低流動化すると、感光体にトナーを安定して供給できなくなり、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生するおそれがある。トナー母粒子の体積平均粒子径が8μmを超えると、トナー母粒子の粒径が大きいため、形成画像の層厚が大きくなり、粒状性の著しい画像となり、高精細な画像を得られない。またトナー母粒子の粒径が大きくなることによって比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなる。トナーの帯電量が小さくなると、トナーが感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。
(2)架橋型樹脂微粒子調製工程S2
架橋型樹脂微粒子調製工程S2では、架橋型樹脂微粒子、すなわちカルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子Bとを、それぞれ乾燥した粒子として調製する。架橋型樹脂微粒子は、後の被覆工程S3において、トナー母粒子を被覆する樹脂被覆層として用いられる。
トナー母粒子表面を架橋型樹脂微粒子で被覆することによって、後述するスペーサ粒子外添工程において、スペーサ粒子を保持する役目を果たすとともに、トナー母粒子に含まれる離型剤などの低融点成分の溶融による、保存中のトナー凝集の発生を防止できる。また、架橋型樹脂微粒子を分散させた液体を噴霧してトナー母粒子を被覆した場合、架橋型樹脂微粒子の形状がトナー母粒子表面に残るので、表面が平滑なトナーに比べクリーニング性に優れるトナーを得られる。
カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aは、カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体と重合性二重結合を有する単量体とを重合させることによって得られる。グリシジル基を有する樹脂微粒子Bは、グリシジル基と重合性二重結合を有する単量体と、重合性二重結合を有する単量体とを重合させることによって得られる。
カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、ケイヒ酸、フマール酸モノメチル、フマール酸モノエチル、フマール酸モノプロピル、フマール酸モノブチル、フマール酸モノオクチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル等の不飽和二塩基酸のモノエステル類等が好ましく、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、フマール酸モノメチル、フマール酸モノエチル、フマール酸モノプロピル、フマール酸モノブチル、フマール酸モノオクチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
グリシジル基と重合性二重結合を有する単量体としては、たとえば、アクリル酸グリシジル、アクリル酸βメチルグリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸βメチルグリシジルなどが好ましく、より好ましくはメタクリル酸グリシジル、メタクリル酸βメチルグリシジルが挙げられる。
重合性二重結合を有する単量体としては、たとえば、スチレン、p−メチルスチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フルフリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フルフリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類、フマール酸ジメチル、フマール酸ジブチル、フマール酸ジオクチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル等の不飽和二塩基酸のジエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N置換アクリルアミド、N置換メタクリルアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの単量体の中で特に好ましいものとしては、スチレン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、不飽和二塩基酸のジエステル類の中のフマール酸ジアルキルエステル類、アミド類の中のアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
重合には乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合等を用いることができ、重合によって得られた架橋型樹脂溶液をホモジナイザーなどで乳化分散させ細粒化し、架橋型樹脂微粒子を得る。乾燥にはどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法が挙げられる。
樹脂微粒子Aのガラス転移温度TgAと樹脂微粒子Bのガラス転移温度TgBとがいずれも結着樹脂のガラス転移温度TgDよりも低いことが好ましく、具体的には、結着樹脂のガラス転移温度より2〜5℃低いのが好ましい。
また、樹脂微粒子Aの個数平均粒径と樹脂微粒子Bの個数平均粒径がいずれもトナー母粒子の体積平均粒子径よりも充分に小さく、スペーサ粒子の個数平均粒径よりも小さいのが好ましい。
架橋型樹脂微粒子のガラス転移温度が結着樹脂のガラス転移温度よりも低いことによって、トナー母粒子が樹脂被覆層よりも熱によって軟化しにくく、後述の外添工程S4において固定化されるスペーサ粒子が、トナー母粒子を被覆する樹脂被覆層内には容易に埋没するものの、トナー母粒子内には埋没しにくくなる。さらにスペーサ粒子より架橋型樹脂微粒子の粒径を小さくする(すなわち樹脂被覆層の膜厚を薄くする)ことにより、スペーサ粒子がトナー表面に埋没していく過程で、トナー母粒子と樹脂被覆層との界面で埋没が停止した状態、すなわち、トナー表面からスペーサ粒子の一部が露出する状態で固定しやすくなる。
(3)被覆工程S3
<トナーの製造装置>
図2は、本発明のトナーの製造方法の一例で用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。被覆工程S3では、たとえば図2に示すトナーの製造装置201を用い、トナー母粒子作製工程S1で作製したトナー母粒子に、架橋型樹脂微粒子調製工程S2で調製した架橋型樹脂微粒子を付着させ、トナー母粒子に樹脂被覆層を形成させる。トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段204と、粉体流路202とは循環手段を構成する。
(粉体流路)
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。撹拌部208には、開口部210,211が形成される。開口部210は、撹拌部208の軸線方向一方側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸線方向一方側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、トナー母粒子、架橋型樹脂微粒子および気体が流過する。粉体流路202は、トナー母粒子、架橋型樹脂微粒子および気体が流動する方向である粉体流動方向が一定の方向となるように設けられる。
粉体流路202内の温度は、トナー母粒子のガラス転移温度以下に設定され、30℃以上トナー母粒子のガラス転移温度以下であることが好ましい。粉体流路202内の温度は、トナー母粒子の流動により、どの部分においてもほぼ均一となる。流路内の温度がトナー母粒子のガラス転移温度を超えると、トナー母粒子が軟化し過ぎ、トナー母粒子の凝集が発生するおそれがある。また温度が30℃未満であると、分散液の乾燥速度が遅くなり生産性が低下する。したがってトナー母粒子の凝集を防止するために、粉体流路202および後述の回転撹拌手段204の温度をトナー母粒子のガラス転移温度以下に維持する必要がある。そのため、内径が粉体流路管の外径よりも大きい、後述の温度調整用ジャケットを粉体流路202および回転撹拌手段204の外側の少なくとも一部に配設する。
(回転撹拌手段)
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される貫通孔221に挿通されるように設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴って回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
被覆工程S3において、回転撹拌手段204の最外周の周速度は、30m/sec以上に設定するのが好ましい。回転撹拌手段204の最外周とは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が延びる方向に垂直な方向において、回転軸部材218の軸線との距離がもっとも長い回転撹拌手段204の部分204aである。回転時の回転撹拌手段204の最外周における周速が30m/sec以上に設定することによって、トナー母粒子を孤立流動させることができる。最外周における周速度が30m/sec未満であると、トナー母粒子および架橋型樹脂微粒子を孤立流動させることができないため、トナー母粒子を樹脂膜で均一に被覆できなくなる。
(噴霧手段)
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、トナー母粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。噴霧手段203は、噴霧液体を貯留する図示しない噴霧液体貯留部と、可塑化液体を貯留する図示しない可塑化液体貯留部と、キャリアガスを供給する図示しないキャリアガス供給部と、噴霧液体あるいは可塑化液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を粉体流路202内に存在する粉体に向けて噴霧する二流体ノズル203aとを含む。
(温度調整用ジャケット)
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、前記ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内および回転撹拌手段204の温度を所定の温度に調整する。
本実施形態において、温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側全体に設けられることが好ましい。粉体流路202内および回転撹拌手段204の温度が所定の温度に調整されることによって、トナー母粒子への架橋型樹脂微粒子の付着および膜化が円滑に進み、粉体流路202内壁への付着力が低減するので、粉体の粉体流路内壁への付着を抑えることができ、粉体流路内が狭くなることを抑えることができる。したがって、トナー母粒子表面が架橋型樹脂微粒子で均一に被覆されたトナーを高い収率で製造することができる。
また、噴霧手段203より下流の粉体流過部209内部では、噴霧された液体が乾燥せずに残存状態にあり、温度が適正でないと乾燥速度が遅くなり液体が滞留しやすい。これにトナー母粒子が接触すると、粉体流路202内壁にトナー母粒子が付着しやすくなり、トナーの凝集発生源となる。開口部210付近の内壁では、撹拌部208に流入するトナー母粒子と、回転撹拌手段204による撹拌で撹拌部208内を流動するトナー母粒子とが衝突しやすい。これによって、衝突したトナー母粒子が開口部210付近に付着しやすい。したがってこのようなトナー母粒子が付着しやすい部分に温度調整用ジャケットを設けることによって、粉体流路202内壁に対するトナー母粒子の付着をより確実に防止できる。
(粉体投入部および粉体回収部)
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207周りの構成を示す側面図である。
粉体投入部206は、粉体を供給する図示しないホッパと、ホッパと粉体流路202とを連通する供給管212と、供給管212に設けられる電磁弁213とを備える。ホッパから供給される粉体は、電磁弁213によって供給管212内の流路が開放されている状態において、供給管212を介して粉体流路202に供給される。粉体流路202に供給される粉体は、回転撹拌手段204による撹拌によって、一定の粉体流動方向に流過する。また電磁弁213によって供給管212内の流路が閉鎖されている状態においては、粉体は粉体流路202に供給されない。
粉体回収部207は、回収タンク215と、回収タンク215と粉体流路202とを連通する回収管216と、回収管216に設けられる電磁弁217とを備える。電磁弁217により回収管216内の流路が開放されている状態において、粉体流路202を流過する粉体は回収管216を介して回収タンク215に回収される。また電磁弁217により回収管216内の流路が閉鎖されている状態においては、粉体流路202を流過する粉体は回収されない。
このようなトナーの製造装置201としては、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。上述のようなトナーの製造装置201を用いる被覆工程S3は、温度調整工程S3aと、架橋型樹脂微粒子付着工程S3bと、第1噴霧工程S3cと、膜化工程S3dとを含む。
(3−1)温度調整工程S3a
温度調整工程S3aでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204の温度をこれらの外側に配設した温度調整用ジャケットに媒体を通じて所定の温度に調整する。これによって、粉体流路202内の温度をトナー母粒子および架橋型樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御することができる。
(3−2)架橋型樹脂微粒子付着工程S3b
架橋型樹脂微粒子付着工程S3bでは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が回転する状態で、粉体投入部206からトナー母粒子および架橋型樹脂微粒子(カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子B)を粉体流路202に供給する。粉体流路202に供給されたトナー母粒子および架橋型樹脂微粒子は、回転撹拌手段204によって撹拌され、粉体流路202の粉体流過部209を矢符214方向に流動する。これによって、架橋型樹脂微粒子がトナー母粒子表面に付着し、架橋型樹脂微粒子付着トナーが得られる。
トナー母粒子に対する架橋型樹脂微粒子の添加量としては、トナー母粒子表面が1層の架橋型樹脂微粒子によって100%均一に被覆されるよ想定したときの添加量とすることが好ましく、トナー母粒子の形状や粒径に応じて実験等により最適化される。通常、トナー母粒子100重量部に対して、2重量部から10重量部の架橋型樹脂微粒子が使用される。
架橋型樹脂微粒子として使用する樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bの比率としては1対1が好ましいが、樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bの粒径比に応じて1対3〜3対1の範囲内で変化させてもよい。
(3−3)第1噴霧工程S3c
第1噴霧工程S3cでは、粉体流路202内で流動状態にある架橋型樹脂微粒子付着トナーに、可塑化液体を噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧する。本実施形態においてはキャリアガスとして圧縮エアを用いる。
(可塑化液体)
可塑化液体は、トナー母粒子および架橋型樹脂微粒子を溶解せず可塑化させる効果を有し、かつ、蒸発し易い液体である必要がある。このような液体としては、低級アルコールを含む液体が挙げられる。
低級アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが挙げられ、分子中の炭素の数が4個以下のアルコールがより好ましい。このようなアルコールは粘度が低く、噴霧手段から噴霧される際、噴霧液滴径が粗大化することがないため、噴霧液滴径が均一で微細な液体の噴霧が可能となる。トナー母粒子と液滴との衝突時には、さらに液滴の微細化を促進することができる。これによって、トナー母粒子および架橋型樹脂微粒子表面を均一に濡らし、馴染ませ、衝突エネルギーとの相乗効果で架橋型樹脂微粒子を軟化し、均一性に優れた被覆層を有するトナーを得ることができる。
低級アルコールの沸点は、架橋型樹脂微粒子のガラス転移温度より20℃低い温度以上、架橋型樹脂微粒子の軟化点温度以下であることが好ましい。このような低級アルコールは、トナーに含まれる樹脂の溶解性が低く、架橋型樹脂微粒子のガラス転移温度付近で速やかに揮発するので、架橋型樹脂微粒子付着トナーの必要以上の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、可塑化液体がこのような低級アルコールを含むと、架橋型樹脂微粒子のトナー母粒子に対する濡れ性を高めることができ、トナー母粒子の表面全面または大部分に被覆層を形成させることがより容易となる。また、可塑化されたトナー母粒子および架橋型樹脂微粒子が、外力によって変形し、トナー母粒子表面に均一な被覆層を形成できる。さらに、可塑化液体を除去する際の乾燥時間をより短縮でき、トナー母粒子同士の凝集を抑制できる。
可塑化液体の粘度は、5cP以下であることが好ましい。可塑化液体の粘度は、25℃において測定され、たとえば、コーンプレート型回転式粘度計によって測定することができる。
本実施形態では、粉体流路202において架橋型樹脂微粒子付着トナーの流動速度が安定してから、噴霧手段203から可塑化液体の噴霧を開始することが好ましい。これによって、架橋型樹脂微粒子付着トナーに可塑化液体を均一に噴霧することができるので、樹脂被覆層が均一なトナーの収率を向上させることができる。
噴霧手段203の二流体ノズルの軸線の方向である液体噴霧方向と、粉体流動方向との成す角度θは、0°以上45°以下であることが好ましい。θがこのような範囲内であると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳することが防止され、樹脂被覆層が均一なトナーの収率をさらに向上させることができる。噴霧手段203からの液体噴霧方向と、粉体流動方向との成す角度θが45°を超えると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳し、液体が滞留しやすくなり、トナー粒子の凝集が発生して収率が悪化する。
また噴霧手段203によって噴霧した噴霧液体の拡がり角度φは、20°以上90°以下であることが好ましい。拡がり角度φがこの範囲から外れると、架橋型樹脂微粒子付着トナーに対する液体の均一な噴霧が困難となるおそれがある。
噴霧された液体は、粉体流路202内が一定のガス濃度になるようにガス化され、ガス化した液体は貫通孔221を通って粉体流路外へ排出されることが好ましい。これによって、粉体流路202内のガス化した液体の濃度を一定に保ち、濃度が一定に保たれていない場合より液体の乾燥速度を上げることができる。
ガス排出部222において濃度センサにより測定されるガス化された液体の濃度は、10%以下程度であることが好ましい。ガス化された液体の濃度が10%以下程度であると、液体の乾燥速度を充分に大きくでき、未乾燥の液体が残存するトナー粒子が他のトナー粒子に付着することを防止し、トナー粒子の凝集をさらに抑制できる。したがって、樹脂被覆層が均一なトナーの収率をより向上できる。
また、粉体流路202外へ排出される排出エア流量は、キャリアガス流量と、軸受けの保護のために回転軸部から装置内に送る保護エア流量との合計量である。排出エア流量は、粉体流路202内に供給されるキャリアガスの供給量により変化する。本実施形態では、排出エア流量は、10〜70L/minとなるよう調整されるのが好ましい。排出エア流量が10L/min未満であると、粉体流路202内におけるガス化した液体の濃度が高くなり、トナー母粒子および架橋型樹脂微粒子の可塑化が進むため、トナー母粒子同士あるいは架橋型樹脂微粒子同士の凝集が発生し、トナーの収率が低下する。また、排出エア流量が70L/minを超えると、キャリアガスと共にトナー粒子が粉体流路202外に排出されるため、トナーの収率が低下する。
(3−4)膜化工程S3d
膜化工程S3dでは、トナー母粒子に付着した架橋型樹脂微粒子が膜化するまで、所定の温度で回転撹拌手段204の撹拌を続け架橋型樹脂微粒子付着トナーを流動させ、トナー母粒子を樹脂層で被覆し、樹脂被覆トナーとする。
(4)外添工程S4
外添工程S4では、たとえば前述のトナーの製造装置201を用い、被覆工程S3で作製した樹脂被覆トナー表面にスペーサ粒子を外添し、スペーサ粒子がその一部をトナー表面に突出した状態で固定化する。外添工程S4は、スペーサ粒子付着工程S4aと、第2噴霧工程S4bと、固定化工程S4cと、回収工程S4dとを含む。
(スペーサ粒子)
スペーサ粒子としては、従来公知のものを使用することができ、たとえば、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化スズ微粒子、酸化ジルコニウム微粒子などの酸化物微粒子が挙げられる。
これらの化合物は、シリコンオイル、シランカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの疎水化処理剤で表面処理されていることが好ましい。これらの化合物の中でも、流動性、摩擦帯電性、耐熱性、長期保存性、クリーニング特性、感光体表面磨耗特性などの点において優れる、シリカ微粒子、アルミナ微粒子および酸化チタン微粒子が特に好ましい。
スペーサ粒子の1次粒子の個数平均粒子径は、50nm以上300nm以下であることが好ましい。このような大粒径のスペーサ粒子を樹脂被覆トナーに外添し、樹脂被覆トナー表面に固定化し離脱を防止することによって、スペーサ効果を長期にわたり維持することができる。スペーサ効果とは、トナー粒子同士の付着力、トナーとキャリアとの付着力、およびトナーと各種部材との付着力を低減させることによる、現像性、転写性およびクリーニング性を向上させる効果、あるいは、小粒径外添剤の埋没を抑制することによる、トナー性能を維持する効果などである。スペーサ粒子の1次粒子の個数平均粒子径が50nm未満であると、上記のようなスペーサ効果を発揮することができないおそれがある。また個数平均粒子径が300nmを超えると、感光体を劣化させる原因となるおそれがある。
スペーサ粒子の添加量は、トナー母粒子100重量部に対して0.1重量部以上2.5重量部以下となることが好ましい。添加量が0.1重量部未満であると、スペーサ効果が十分に得られないため、トナーの転写効率を向上させることができず、また、添加量が2.5重量部を超えるとトナーの定着性が低下を招き、また感光体の劣化に影響する。
(4−1)スペーサ粒子付着工程S4a
スペーサ粒子付着工程S4aでは、被覆工程S3で作製された樹脂被覆トナーが、温度制御下で、回転撹拌手段204によって撹拌され、粉体流路202の粉体流過部209を矢符214方向に流動する状態で、粉体投入部206からスペーサ粒子を粉体流路202に供給する。粉体流路202に供給されたスペーサ粒子は、回転撹拌手段204によって撹拌され、粉体流路202の粉体流過部209を矢符214方向に流動する。これによって、スペーサ粒子を樹脂被覆トナー表面に付着させ、スペーサ粒子付着トナーを得る。なお、噴霧手段203を備える回転撹拌手段204の代わりにたとえばヘンシェルミキサなども用いることができる。
(4−2)第2噴霧工程S4b
第2噴霧工程S4bでは、粉体流路202内で流動状態にあるスペーサ粒子付着トナーに、前述の第1噴霧工程S3cと同様にして、可塑化液体を噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧する。これによってスペーサ粒子付着トナーが可塑化する。
(4−3)固定化工程S4c
固定化工程S4cでは、撹拌による衝撃力と熱的エネルギーとによって、スペーサ粒子付着トナーの樹脂被覆層が軟化してスペーサ粒子が埋没しやすい状態となり、樹脂被覆層表面にスペーサ粒子の一部が露出した状態、好ましくはスペーサ粒子が半分程度まで埋没した半埋没化状態で固定化されるまで、所定の温度で回転撹拌手段204の撹拌を続けスペーサ粒子付着トナーを流動させ、トナーを得る。
スペーサ粒子の埋没の程度は、たとえば回転撹拌手段204の最外周の周速度および粉体流路202の内部温度等によって調整できる。回転撹拌手段204の最外周の周速度が速く、また粉体流路202の内部温度が高いほど、スペーサ粒子が埋没しやすいが、回転撹拌手段204の最外周の周速度が速すぎたり、粉体流路202の内部温度が高過ぎると、トナーが凝集する。よって、回転撹拌手段204の最外周の周速度は、30m/sec以上60m/sec以下が好ましい。
(4−4)回収工程S4d
回収工程S4dでは、回転撹拌手段204の回転を停止し、トナーを粉体回収部207から装置外に排出し回収する。
(5)熱処理工程S5
熱処理工程S5では、回収したトナー粒子を、樹脂微粒子Aのカルボキシル基と樹脂微粒子Bのグリシジル基とが反応しうる程度の温度にまで加熱し、樹脂被覆層の架橋型樹脂を架橋させる。トナー粒子の加熱は、たとえば、サフュージョンシステムを用いて300℃以上500℃未満の熱風を瞬間的に(例えば0.01〜0.1秒間)付与することにより行うことができる。
架橋型樹脂の架橋反応は、樹脂被覆層の軟化温度が140〜150℃程度になるまで行うことが好ましい。軟化温度は、スペーサ粒子を添加する前の樹脂被覆トナーに対し熱処理工程S5と同条件で加熱処理を行い、架橋型樹脂を架橋させたものについて測定し、これを樹脂被覆層の軟化温度とした。
本発明のトナーの製造に用いられるトナーの製造装置は、市販の撹拌装置と噴霧手段とを組合せて構成することもできる。粉体流路および回転撹拌手段を備える市販の撹拌装置としては、たとえば、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などが挙げられる。このような撹拌装置内に液体噴霧ユニットを取付けた装置を、本発明のトナーの製造に用いることができる。
本発明の他の実施形態として、被覆工程で、トナー母粒子表面を、カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子Bとスペーサ粒子とで被覆し、加熱工程で、樹脂被覆トナー粒子を加熱することにより、前記カルボキシル基と前記グリシジル基とを架橋させて、トナー粒子表面にスペーサ粒子を固定してもよい。上記の実施形態では、予め樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bとでトナー母粒子を被覆したのち、スペーサ粒子を外添し、加熱処理するのに対し、本実施形態では、樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bとスペーサ粒子とを同時にトナー母粒子の表面に付着させ、加熱処理する点が異なっている。樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bとスペーサ粒子とを同時にトナー母粒子の表面に付着させる方法としては、たとえば、樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bとスペーサ粒子とトナー母粒子とをヘンシェルミキサに投入して撹拌混合すればよい。
2、トナー
本発明の実施形態であるトナーは、上記のトナーの製造方法で製造される。本発明のトナーには、外添剤として小粒径無機粒子が添加されてもよい。
小粒径無機粒子としては、スペーサ粒子と同様のものを使用することができ、たとえば、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化スズ微粒子、酸化ジルコニウム微粒子などの酸化物微粒子が挙げられる。
これらの化合物は、シリコンオイル、シランカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの疎水化処理剤で表面処理されてもよい。これらの化合物の中でも、流動性、摩擦帯電性、耐熱性、長期保存性、クリーニング特性、感光体表面磨耗特性などの点において優れる、シリカ微粒子、アルミナ微粒子および酸化チタン微粒子が特に好ましい。シリカ微粒子、アルミナ微粒子および酸化チタン微粒子は、表面が疎水化処理されることがより好ましい。小粒径無機粒子の1次粒子の個数平均粒径は、5nm以上30nm以下であることが好ましい。また、小粒径無機粒子の添加量は、トナー100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。
3、二成分現像剤
本発明の二成分現像剤は、上記の本発明のトナーをキャリアとともに用いる。本発明のトナーを含むことによって、トナー粒子間における帯電特性などのトナー特性が均一な二成分現像剤とすることができ、良好な現像性が維持された二成分現像剤が得られる。また、本発明のトナーは表面からスペーサ粒子が脱離しにくいので、脱離したスペーサ粒子による感光体表面のフィルミングやキャリア汚染を防止できる。したがって、キャリアのトナー帯電能力の低下を抑制できるので、長期間に渡って、かぶりおよびトナー飛散が発生しにくく、高精細で、濃度むらのない良好な画質の画像を安定して形成することができる。
キャリアとしては、公知のものを使用でき、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどが挙げられる。
被覆物質としては公知のものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としても特に制限されないが、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。いずれも、トナー成分に応じて選択するのが好ましく、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの粒径は特に制限されないが、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。
キャリアの体積抵抗率は、キャリア粒子を断面積0.50cmの容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値から得られる値である。体積抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアが帯電し、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、さらに好ましくは15〜40emu/gである。一般的な現像ローラの磁束密度条件下では、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、非接触現像ではキャリアの穂立ちが高くなり過ぎ、像担持体とトナーの非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できる。たとえば、樹脂被覆キャリア(密度4〜8g/cm)と混合する場合、トナーが全現像剤量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるようにすればよい。また、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80重量%であることが好ましい。
本発明のトナーは、一成分現像剤としても使用することができる。一成分現像剤として使用する場合、キャリアと混合することなくトナー単体で使用し、ブレードおよびファーブラシによって、トナーを現像スリーブで摩擦帯電させ、スリーブ上に付着させて搬送し、画像形成を行う。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。以下において、「部」および「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。実施例および比較例における結着樹脂、トナー母粒子および架橋型樹脂微粒子のガラス転移温度、結着樹脂、架橋型樹脂微粒子および樹脂被覆層の軟化温度、離型剤の融点、トナー母粒子の体積平均粒子径、架橋型樹脂微粒子およびスペーサ粒子の個数平均粒子径は、以下のようにして測定した。
[結着樹脂、トナー母粒子および架橋型樹脂微粒子のガラス転移温度]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線において、ガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
[結着樹脂、架橋型樹脂微粒子および樹脂被覆層の軟化温度]
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm(9.8×10Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
[離型剤の融点]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
[トナー母粒子の体積平均粒子径]
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理して測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:MultisizerIII、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下で測定を行い、体積平均粒子径を求めた。
[架橋型樹脂微粒子およびスペーサ粒子の個数平均粒子径]
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、任意に抽出した100個の粒子の直径を測定し、その平均値を求め、個数平均粒子径とした。
(実施例1)
[トナー母粒子作製工程S1]
ポリエステル樹脂 (花王株式会社製、ガラス転移温度61℃、軟化温度112℃)
100重量部
カーボンブラック (商品名:MA−100、三菱化学株式会社製)
5重量部
電荷制御剤 (商品名:LR−147、日本カーリット社製)
1重量部
離型剤 (パラフィンワックス、日本精鑞社製、融点75℃)
2重量部
上記の原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)により前混合した後、二軸押出混練機(商品名:PCM65、株式会社池貝製)により溶融混練した。この溶融混練物をカッティングミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)で粗粉砕した後、ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)により微粉砕し、さらに風力分級機(ホソカワミクロン株式会社製)で分級し、体積平均粒子径6.5μm、ガラス転移温度62℃のトナー母粒子Aを作製した。
[架橋型樹脂微粒子調製工程S2]
(樹脂微粒子A)
スチレン65重量部、アクリル酸ブチル30重量部、アクリル酸5重量部、およびジ−t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)2重量部を、溶媒としてキシレンを用いて溶液重合し、溶液Aを作製した。次に、スチレン67重量部、メタクリル酸ブチル30重量部、メタクリル酸3重量部、およびジ−t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)2重量部を、溶媒としてキシレンを用いて溶液重合し、溶液Bを作製した。溶液Aおよび溶液Bを混合し、ホモジナイザーで乳化分散し、ろ過、乾燥により、架橋型樹脂微粒子としてカルボキシル基を有する樹脂微粒子A(個数平均粒子径70nm,ガラス転移温度55℃、軟化温度132℃)を得た。
(樹脂微粒子B)
スチレン65重量部、アクリル酸ブチル30重量部、メタクリル酸グリシジル5重量部、およびジ−t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)2重量部を、溶媒としてキシレンを用いて溶液重合し、溶液Aを作製した。次に、スチレン67重量部、メタクリル酸ブチル30重量部、メタクリル酸3重量部、およびジ−t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)2重量部を、溶媒としてキシレンを用いて溶液重合し、溶液Bを作製した。溶液Aおよび溶液Bを混合し、ホモジナイザーで乳化分散し、ろ過、乾燥により、架橋型樹脂微粒子としてグリシジル基を有する樹脂微粒子B(個数平均粒子径80nm,ガラス転移温度52℃、軟化温度128℃)を得た。
[被覆工程S3]
図2に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)に、二流体ノズルを取付けた装置に、トナー母粒子作製工程S1で作製したトナー母粒子A400重量部と架橋型樹脂微粒子調製工程S2で調製した樹脂微粒子A16重量部と樹脂微粒子B18重量部とを投入し、回転撹拌手段の最外周における周速度50m/secにて、5分間攪拌混合した。
温度調整用ジャケットは、粉体流過部および撹拌部壁面の全面に設けた。粉体流路には温度センサを取り付け、粉体流過部および撹拌部の温度が55℃となるよう調整した。
トナー母粒子および架橋型樹脂粒子を撹拌して流動させた状態で、可塑化液体としてエタノールを噴霧した。回転撹拌手段の最外周における周速度を50m/secとし、液体噴霧方向と、粉体流動方向とのなす角度(以下「噴霧角度」という)が平行(0°)になるよう、二流体ノズルの取付け角度を設定した。噴霧液体の供給速度および液体ガス排出速度は市販のガス検知器(商品名:XP−3110、新コスモス電機株式会社製)を用いて観察した。
エタノールを噴霧速度0.5g/minで、キャリアガスとしてのエア(供給量5L/min)と共に20分間噴霧し、架橋型樹脂粒子をトナー母粒子表面に膜化させた。エタノール噴霧を停止した後5分間撹拌し、樹脂被覆トナーを得た。このとき装置内へのエアの供給量は、回転軸部からのエア供給量を5L/minに調節し、二流体ノズルからのエア供給量(5L/min)と合計して10L/minとし、この合計供給量と同量(10L/min)の排出量でエアを装置外に排出した。
[外添工程S4]
前記装置にスペーサ粒子として大粒径疎水性シリカ粒子(ヘキサメチルジシラザン処理、個数平均粒子径150nm)2.4重量部(トナー母粒子100重量部に対し0.6重量部)を投入し、前記装置内の前記樹脂被覆トナーおよびスペーサ粒子を撹拌混合した。粉体流過部および撹拌部の温度が55℃となるよう調整し、回転撹拌手段の最外周における周速度を50m/secとした。
樹脂被覆トナーおよびスペーサ粒子を5分間撹拌混合した後、これらの粒子を撹拌流動させた状態で、可塑化液体としてエタノールを噴霧した。エタノールを噴霧速度0.5g/minで、キャリアガスとしてのエア(供給量5L/min)と共に20分間噴霧し、エタノールの噴霧を停止した後5分間撹拌を続け、スペーサ粒子を樹脂被覆トナー表面の被覆層に半埋没化した状態で固定化し、得られたトナーを回収した。
[熱処理工程S5]
熱処理装置(商品名:サフュージョンシステム、日本ニューマチック社製)を用いて、回収したトナーを加熱し、架橋型樹脂微粒子の架橋を行った。
熱処理装置には、内径が0.05mの熱風供給ノズルを使用し、分散ノズルの中心線の延長線と熱風供給ノズルの内壁の延長面との交点から冷却・捕集ホッパーにおける熱処理空間側の端の開口までの距離を0.03mに設定し、整流気体を導入するための整流気体導入口を熱風供給ノズルの上部に設けた。
熱処理条件としては、熱風温度を300℃、冷却風温度を10℃に安定制御し、熱風、整流気体、冷却風、および圧縮気体には、大気圧露点が0℃、圧力が8kgf/cmの乾燥空気を使用し、熱風流量を0.015m/sに設定した。
得られたトナーを反射型電子顕微鏡で観察すると、トナー母粒子表面が架橋型樹脂微粒子により単層の状態で被覆されており、大部分のスペーサ粒子が、樹脂被覆層から1粒子全体の約半分が突出する状態で樹脂被覆層に固定されていた。
得られたトナー100重量部と、小粒径疎水性シリカ粒子(商品名:RX−200、日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径12nm)1.0重量部とを、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)に投入し、攪拌羽根の最外周における周速度20m/secで3分間攪拌し、実施例1のトナーを得た。
(実施例2)
実施例1の外添工程S4において使用する大粒径疎水性シリカ粒子(ヘキサメチルジシラザン処理、平均一次粒径150nm)を、大粒径疎水性シリカ粒子(ヘキサメチルジシラザン処理、平均一次粒径200nm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを得た。
得られたトナーを反射型電子顕微鏡で観察すると、トナー母粒子表面が架橋型樹脂微粒子により単層の状態で被覆されており、大部分のスペーサ粒子が、樹脂被覆層から1粒子全体の約半分が突出する状態で樹脂被覆層に固定されていた。
(実施例3)
実施例1の外添工程S4において使用する大粒径疎水性シリカ粒子(ヘキサメチルジシラザン処理、平均一次粒径150nm)2.4重量部を、大粒径疎水性チタニア粒子(ヘキサメチルジシラザン処理、平均一次粒径150nm)3.2重量部(トナー母粒子100重量部に対し0.8重量部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを得た。
得られたトナーを反射型電子顕微鏡で観察すると、トナー母粒子表面が架橋型樹脂微粒子により単層の状態で被覆されており、大部分のスペーサ粒子が、樹脂被覆層から1粒子全体の約半分が突出する状態で樹脂被覆層に固定されていた。
(実施例4)
実施例1のステップS1,S2と同様にトナー母粒子と架橋型樹脂微粒子を調製し、トナー母粒子A400重量部と、樹脂微粒子A16重量部と樹脂微粒子B18重量部と大粒径疎水性シリカ粒子(ヘキサメチルジシラザン処理、個数平均粒子径150nm)2.4重量部(トナー母粒子100重量部に対し0.6重量部)とを、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)に投入し、攪拌羽根の最外周における周速度20m/secで3分間攪拌し、実施例4のトナーを得た。
得られたトナーを反射型電子顕微鏡で観察すると、トナー母粒子表面が架橋型樹脂微粒子により単層の状態で被覆されており、大部分のスペーサ粒子が、樹脂被覆層から1粒子全体の約半分が突出する状態で樹脂被覆層に固定されていた。
(比較例1)
実施例1で使用したトナー母粒子A100重量部と、小粒径疎水性シリカ粒子(商品名:RX−200、日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径12nm)1.0重量部とを、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)に投入し、攪拌羽根の最外周における周速度20m/secで3分間攪拌し、比較例1のトナーを得た。
得られたトナーを反射型電子顕微鏡で観察すると、大部分の小粒径疎水性シリカ粒子が、トナー母粒子A表面に埋没することなく均一に外添されていた。
(比較例2)
実施例1で使用したトナー母粒子A100重量部と、実施例1でスペーサ粒子として使用した大粒径疎水性シリカ粒子(ヘキサメチルジシラザン処理、個数平均粒子径150nm)2.4重量部と、小粒径疎水性シリカ粒子(商品名:RX−200、日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径12nm)1.0重量部とを、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)に投入し、攪拌羽根の最外周における周速度20m/secで3分間攪拌し、比較例1のトナーを得た。
得られたトナーを反射型電子顕微鏡で観察すると、大部分のスペーサ粒子と小粒径疎水性シリカ粒子が、トナー母粒子A表面に埋没することなく均一に外添されていた。
(比較例3)
熱処理工程S5を行わなかったこと以外は、実施例1と同じ方法で比較例3のトナーを得た。
得られたトナーを反射型電子顕微鏡で観察すると、大部分のスペーサ粒子が、樹脂被覆層から1粒子全体の約半分が突出する状態で樹脂被覆層に固定されていた。
実施例1〜4および比較例1〜3のトナーについて二成分現像剤を作製し、以下のようにして評価を行った。各評価には、高速現像機を搭載したデジタルフルカラー複合機(商品名:MX―M620、シャープ株式会社製)を用いた。
〈二成分現像剤の作製〉
実施例1〜4および比較例1〜3の各トナーとシリコンコートフェライトコアキャリア(体積平均粒子径45μm)とを、トナー濃度が7重量%になるよう混合し、二成分現像剤を作製した。
〈エージング条件〉
上記の二成分現像剤を上記複写機にセットし、印字率5%のA4テキスト原稿を用いて、NN環境下(20℃/60%RH)にて、A4PPC用紙に50000枚のエージング印刷(連続印刷)を実施した。
[帯電安定性]
印刷初期および50000枚のエージング印刷後のトナーの帯電量差ΔQc(μC/g)を求め、以下の基準で帯電安定性を評価した。
◎(良好):帯電量差ΔQcが3μC/g以下
○(実用上問題なし):帯電量差ΔQcが3μC/gより大きく5μC/g以下
×(不良):帯電量差ΔQcが5μC/gより大きい
[転写性]
50000枚のエージング印刷後における、転写前の感光体上のトナー重量と紙面上に転写されたトナー重量とを測定し、転写効率を下記式によって算出した。トナー重量の測定は、各部材上のトナーを、帯電量測定装置(商品名:210HS−2A、トレック・ジャパン株式会社製)を用いて吸引することにより行った。
転写効率(%)=(紙面上に転写されたトナー重量
/転写前の感光体上のトナー重量)×100
算出した転写効率より以下の基準で転写性を評価した。
◎(良好):転写効率が95%以上
○(実用上問題なし):転写効率が85%以上95%未満
×(不良):転写効率が85%未満
[画像濃度]
初期と50000枚のエージング印刷後における、シアン、マゼンタ、イエロー、黒のべた画像部の光学反射濃度を反射濃度計(商品名:RD918、マクベス社製)により測定し、これを画像濃度とした。評価基準は以下の通りである。
◎(良好):初期と50000枚時いずれも画像濃度が1.3以上
○(実用上問題なし):初期と50000枚時いずれも画像濃度が1.2以上1.3未満
×(不良):初期と50000枚時いずれかの画像濃度が1.2未満
Figure 2011158789
201 トナー製造装置
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
220 撹拌羽根

Claims (5)

  1. 結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子表面を、カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子Bとで被覆し、樹脂被覆トナー粒子を生成する被覆工程と、
    樹脂被覆トナー粒子の表面にスペーサ粒子を部分的に埋没させ、スペーサ粒子埋没トナー粒子を生成するスペーサ粒子外添工程と、
    スペーサ粒子外添トナー粒子を加熱することにより、前記カルボキシル基と前記グリシジル基とを架橋させて、トナー粒子表面にスペーサ粒子を固定したトナー粒子を作製する加熱工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記樹脂微粒子Aの個数平均粒径と前記樹脂微粒子Bの個数平均粒径がいずれもスペーサ粒子の個数平均粒径より小さく、かつ、前記樹脂微粒子Aのガラス転移温度TgAと前記樹脂微粒子Bのガラス転移温度TgBがいずれも前記結着樹脂のガラス転移温度TgDよりも低いことを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子表面を、カルボキシル基を有する樹脂微粒子Aとグリシジル基を有する樹脂微粒子Bとスペーサ粒子とで被覆し、樹脂被覆トナー粒子を生成する被覆工程と、
    樹脂被覆トナー粒子を加熱することにより、前記カルボキシル基と前記グリシジル基とを架橋させて、トナー粒子表面にスペーサ粒子を固定したトナー粒子を作製する加熱工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  4. 前記スペーサ粒子が、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
  5. 前記加熱工程では、300℃以上500℃以下の熱風を用いて処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
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