JP4903883B2 - カプセルトナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カプセルトナーの製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、帯電手段により像担持体表面を一様に帯電させ(帯電工程)、この像担持体表面を露光手段により露光し、露光部分の電荷を消散させることによって像担持体表面に静電潜像を形成させる(露光工程)。次いでこの静電潜像に、電荷を有する着色微粉体であるトナーを付着させて可視画像化し(現像工程)、得られた可視画像を紙などの記録媒体に転写する(転写工程)。さらに、定着手段により、加熱や加圧、またはその他の定着法にて可視画像を記録媒体に定着させる(定着工程)。以上のような工程を経て、記録媒体に画像が形成される。また、記録媒体に転写されずに像担持体表面に残留したトナーを除去するため、像担持体のクリーニングを行う(クリーニング工程)。
このような画像形成に用いられるトナーは、現像工程だけではなく、転写工程、定着工程およびクリーニング工程の各工程において求められる機能を備えている必要がある。
トナーの定着方法としては、たとえば、トナーを加熱溶融して記録媒体に定着させる加熱定着方法、および圧力によりトナーを塑性変形して記録媒体に定着させる圧力定着方法がある。
加熱定着方法では、定着装置の簡便性、および定着後の画像品位などを考慮し、トナーを加熱溶融する加熱媒体として熱ロールを使用するヒートロール定着法がよく用いられている。この方法においては、省エネルギーの観点から、トナーは、なるべく低い温度で溶融し記録媒体に定着させる必要がある。このことから、トナーの低温定着性が要求されており、トナーに含有させる結着樹脂の分子量を小さくしたり、トナーに離型剤を添加することなどによってトナーの軟化温度を低下させることが行われている。
しかしながら、このようなトナーは低温定着性であるものの、たとえば炎天下の車内に放置するなどの高温環境下において、トナーが熱により軟化し凝集しやすくなるという、保存性低下の問題がある。
このような問題を解決するために、特許文献1には、結晶性ポリエステル樹脂をコアに含み、無定形高分子樹脂を主成分としてシェル層に含む、コア・シェル構造を有するトナーが開示されている。
特開2005−266565号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているトナーでは、結晶性ポリエステル樹脂を含むコアが、無定形高分子樹脂からなるシェル層で覆われているため、保存性は確保できたとしても、結晶性ポリエステル樹脂の持つ低温定着性が阻害されるという問題があり、低温定着性と保存性とは同時には向上されていない。
そこで本発明の目的は、低温定着性を損なうことなく、保存性を向上させたカプセルトナーの製造方法を提供することである。
本発明は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体と結晶核剤との混合溶液を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成させる膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
また本発明は、前記結晶核剤が、ソルビトール系化合物であることを特徴とする。
また本発明は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子を、結晶核剤を含むトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
また本発明は、前記結晶核剤が、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物であることを特徴とする。
また本発明は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子と結晶核剤とを含む混合樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
また本発明は、前記結晶核剤が、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物であることを特徴とする。
本発明によれば、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子を、トナー母粒子表面に付着させて形成した混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体と結晶核剤との混合溶液を噴霧するので、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の結晶化が促進される。その結果、結晶性ポリエステル樹脂によるカプセルトナーの保存安定性の低下を防止でき、混合樹脂微粒子が衝撃力により溶融変形した際にもすぐに再結晶化することで凝集の発生を防止でき、混合樹脂微粒子の膜化を好適に促進することができる。同時に、結晶性ポリエステル樹脂による定着開始温度低下の効果と、非晶性樹脂による保存安定性向上の効果とを得ることができる。
また、混合樹脂微粒子付着粒子に混合溶液を噴霧することによって、これらの粒子が可塑化されて軟化し、トナー母粒子表面に小さな衝撃力で樹脂被覆層を形成できる。また、噴霧した液体が蒸発する際に気化熱を奪うので、低温で膜形成を行うことができ、結晶性ポリエステル樹脂の効果を最大限生かすことができる。
また本発明によれば、前記結晶核剤が、ソルビトール系化合物であるので、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の結晶化を促進する機能を効果的に発揮することができる。また、ソルビトール系化合物は着色性が強くないため、カラートナーの場合にも好適な発色性を得ることができる。
また本発明によれば、トナー母粒子が結晶核剤を含むので、トナー母粒子表面に付着する、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子の結晶化が促進される。その結果、結晶性ポリエステル樹脂によるカプセルトナーの保存安定性の低下を防止でき、混合樹脂微粒子が衝撃力により溶融変形した際にもすぐに再結晶化することで凝集の発生を防止でき、混合樹脂微粒子の膜化を好適に促進することができる。同時に、結晶性ポリエステル樹脂による定着開始温度低下の効果と、非晶性樹脂による保存安定性向上の効果とを得ることができる。
また本発明によれば、前記結晶核剤が、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物であるので、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の結晶化を促進する機能を効果的に発揮することができる。また、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物は着色性が強くないため、カラートナーの場合にも好適な発色性を得ることができる。
また本発明によれば、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子が結晶核剤を含むので、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の結晶化が促進される。その結果、結晶性ポリエステル樹脂によるカプセルトナーの保存安定性の低下を防止でき、混合樹脂微粒子が衝撃力により溶融変形した際にもすぐに再結晶化することで凝集の発生を防止でき、混合樹脂微粒子の膜化を好適に促進することができる。同時に、結晶性ポリエステル樹脂による定着開始温度低下の効果と、非晶性樹脂による保存安定性向上の効果とを得ることができる。
また、結晶核剤を含む結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体を噴霧するので、これらの粒子が可塑化されて軟化し、トナー母粒子表面に小さな衝撃力で樹脂被覆層を形成できる。また、噴霧した液体が蒸発する際に気化熱を奪うので、低温で膜形成を行うことができ、結晶性ポリエステル樹脂の効果を最大限生かすことができる。
また本発明によれば、前記結晶核剤が、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物であるので、結晶性ポリエステルの結晶化を促進する機能を効果的に発揮することができる。また、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物は着色性が強くないため、カラートナーの場合にも好適な発色性を得ることができる。
本発明のカプセルトナーの製造方法の手順の一例を表す工程図である。 本発明のカプセルトナーの製造方法で用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。 図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200−A200からみた概略断面図である。 粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す側面図である。
1、トナーの製造方法
図1は、本発明のカプセルトナーの製造方法の手順の一例を示す工程図である。本発明のカプセルトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S1と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および非晶性樹脂微粒子からなる樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程S2と、トナー母粒子を樹脂微粒子で被覆する被覆工程S3とを含む。
本発明のカプセルトナーの製造方法で得られるカプセルトナーは、トナー母粒子表面に、結晶性ポリエステル樹脂および非晶性樹脂からなる樹脂被覆層が形成されたものである。そして、本発明のカプセルトナーの製造方法では、結晶性ポリエステル樹脂微粒子中、結晶性ポリエステル樹脂微粒子表面、またはトナー母粒子中に結晶核剤を含ませることにより、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の結晶化を促進させて、トナー母粒子表面に樹脂被覆層が形成されてなるカプセルトナーを得る。
結晶核剤は、結晶性ポリエステル微粒子の結晶化を促進する機能を効果的に発揮するためには、結晶性ポリエステル樹脂に近い結晶構造を有することが望ましく、また、結晶性ポリエステル樹脂中に微細に分散していることが好ましい。このような結晶核剤としては、結晶性ポリエステル樹脂よりも高い融点を有するもの、および、結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーの少なくとも1種に一定量以上の溶解性を示すものが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂よりも高い融点を有する結晶核剤は、結晶性ポリエステル樹脂よりも早く結晶化するため、結晶核剤として有効に機能する。また、結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーの少なくとも1種に一定量以上の溶解性を示す結晶核剤は、結晶性ポリエステル樹脂中に微細に分散しやすく、結晶化促進の効果が高くなる。
このような性質を備えた結晶核剤としては、脂肪酸アミドおよびソルビトール系化合物が挙げられる。
脂肪酸アミドとしては、ポリエステルとの相溶性の観点から、アルキレンビス脂肪酸アミドが好ましい。アルキレン基の炭素数は、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。また、脂肪酸基の炭素数は6〜30が好ましく、8〜24がより好ましい。
本発明において好適な脂肪酸アミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられ、結晶性の高さの観点から、エチレンビスステアリン酸アミドがより好ましい。
ソルビトール系化合物としては、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられ、結晶性ポリエステルとの相溶性の観点から、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールが好ましい。
結晶核剤の添加量は、トナー母粒子に含ませる場合には、トナー母粒子に対して0.2重量%以上7重量%以下が好ましく、0.4重量%以上5重量%以下がより好ましい。結晶核剤の添加量が0.2重量%未満であると、結晶性ポリエステル樹脂微粒子に対する結晶化促進の十分な効果が得られず、また、添加量が7重量%を超えると、トナー母粒子中の樹脂濃度を高い値に保つことができず、定着性が低下する。
また、結晶核剤の添加量は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子中、または結晶性ポリエステル樹脂微粒子表面近傍に含ませる場合には、結晶性ポリエステル樹脂微粒子に対して0.1重量%以上20重量%以下程度が好ましく、この範囲であると、結晶性ポリエステル樹脂の機能を損なわずに、結晶化を促進させることが可能となる。
(1)トナー母粒子作製工程S1
トナー母粒子作製工程S1では、樹脂被覆層によって被覆されるべきトナー母粒子を作製する。トナー母粒子は、結着樹脂および着色剤を含む粒子であり、その作製方法は特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。トナー母粒子の作製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、および、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を説明する。
(粉砕法によるトナー母粒子作製方法)
粉砕法によるトナー母粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー組成物を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕する。その後必要に応じて分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。
混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
混練機としても公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。
粉砕機としては、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、および高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機が挙げられる。
分級には、遠心力および風力による分級により過粉砕トナー母粒子を除去できる公知の分級機を使用でき、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用できる。
前述のように、トナー母粒子は、結着樹脂と着色剤とを含む。結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、黒トナーまたはカラートナー用の公知の結着樹脂を使用することができ、たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
上述の結着樹脂の中でも、ポリエステル樹脂は、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるので、カラートナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステル樹脂としては公知のものを使用でき、たとえば多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。
多塩基酸としては、ポリエステル樹脂用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
多価アルコールとしても、ポリエステル樹脂用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを接触させることによって行われ、生成するポリエステル樹脂の酸価、軟化温度などが所定の値になったところで終了する。これによって、ポリエステル樹脂が得られる。
多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステル樹脂の末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステル樹脂の特性を変性できる。また多塩基酸として無水トリメリト酸を用いると、ポリエステル樹脂の主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することによっても、変性ポリエステル樹脂が得られる。ポリエステル樹脂の主鎖および/または側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基を結合させ、水中での自己分散性ポリエステル樹脂も使用できる。またポリエステル樹脂とアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。
結着樹脂は、ガラス転移温度が30℃以上80℃以下であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移温度が30℃未満であると、画像形成装置内部においてトナーが熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移温度が80℃を超えると、記録媒体へのトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また同色であっても、2種以上を併用できる。着色剤の使用量は特に制限されないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは5重量部以上10重量部以下である。
着色剤は、結着樹脂中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。また2種以上の着色剤を複合粒子化して用いてもよい。複合粒子は、たとえば、2種以上の着色剤に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることによって製造できる。マスターバッチおよび複合粒子は、乾式混合の際にトナー組成物に混入される。
トナー母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に電荷制御剤が含まれてもよい。電荷制御剤としては、この分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。
また、トナー母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に離型剤が含まれてもよい。離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。ワックスの使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.2重量部〜20重量部、さらに好ましくは0.5重量部〜10重量部、特に好ましくは1.0重量部〜8.0重量部である。
なお、トナー母粒子中に結晶核剤を含ませる場合には、前記の結着樹脂、着色剤等のトナー組成物と共に結晶核剤を混合すればよい。この場合、結晶核剤としては、前述した脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物を用いることができる。
トナー母粒子作製工程S1において得られるトナー母粒子は、体積平均粒径が4μm以上8μm以下であることが好ましい。体積平均粒径が4μm以上8μm以下であると、長期にわたり高精細な画像を安定して形成できる。またトナー母粒子をこの範囲内に小粒径化することにより、付着量が少なくても高い画像濃度が得られ、トナー消費量を削減できる効果も生じる。トナー母粒子の体積平均粒径が4μm未満であると、トナー母粒子の粒径が小さいため、高帯電化および低流動化するおそれがある。トナーが高帯電化、低流動化すると、感光体にトナーを安定して供給できなくなり、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生するおそれがある。トナー母粒子の体積平均粒径が8μmを超えると、トナー母粒子の粒径が大きいため形成画像の層厚が大きくなり、粒状性の著しい画像となり、高精細な画像を得られない。またトナー母粒子の粒径が大きくなることにより比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなる。トナーの帯電量が小さくなると、トナーが感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。
(2)樹脂微粒子調製工程S2
樹脂微粒子調製工程S2では、乾燥した非晶性樹脂微粒子および結晶性ポリエステル樹脂微粒子を調製する。
<非晶性樹脂微粒子/結晶性ポリエステル樹脂微粒子>
非晶性樹脂微粒子および結晶性ポリエステル樹脂微粒子は、たとえば、樹脂微粒子原料である樹脂をホモジナイザーなどで乳化分散させ細粒化することによって得られる。また樹脂のモノマー成分の重合によっても得られる。
乾燥にはどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法で乾燥樹脂微粒子を得られる。樹脂微粒子は、後の被覆工程S3において、トナー母粒子を被覆するシェル剤として用いられる。トナー母粒子を被覆することにより、たとえばトナー母粒子に含まれる離型剤などの低融点成分の溶融による、保存中のトナー凝集の発生を防止できる。また、たとえば樹脂微粒子を分散させた液体を噴霧してトナー母粒子を被覆した場合、樹脂微粒子の形状がトナー母粒子表面に残るので、表面が平滑なトナーに比べクリーニング性に優れるトナーを得られる。
非晶性樹脂微粒子および結晶性ポリエステル樹脂微粒子の原料としては、たとえば、トナー材料に用いられる樹脂を用いることができ、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。
原料として用いられる樹脂は、高分子の配列状態の違いにより、非晶性樹脂および結晶性樹脂に分類することができる。
非晶性樹脂は、高分子が無定形状態にあり、結晶性が低く、結晶性指数が0.6未満、あるいは結晶性指数が1.5を超える樹脂である。結晶性樹脂は、高分子が規則正しい分子構造をもち、樹脂中の結晶部分の割合(結晶化度)が大きく、結晶性指数が0.6〜1.5の樹脂である。
結晶性指数は、樹脂の軟化温度と吸熱の最高ピーク温度との比(軟化温度/吸熱の最高ピーク温度)で定義される値で、結晶性の指標となる。吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。吸熱の最高ピーク温度が軟化温度と20℃以内の差であれば融点とみなし、軟化温度との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するものとみなす。
結晶化の度合いは、原料モノマーの種類とその比率、および製造条件(たとえば、反応温度、反応時間、冷却速度など)により調整することができる。
非晶性樹脂微粒子および結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積平均粒径は、トナー母粒子の体積平均粒径よりも充分に小さい必要があり、0.05μm以上1μm以下であることが好ましい。また、0.1μm以上0.5μm以下であることがさらに好ましい。樹脂微粒子の体積平均粒径が0.05μm以上1μm以下であることによって、トナー母粒子表面に好適な大きさの突起部が形成される。このことによって本発明の方法で製造されるトナーは、クリーニング時にクリーニングブレードに引っ掛かり易くなり、クリーニング性が向上する。
また、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積メジアン粒径が、非晶性樹脂微粒子の体積メジアン粒径より小さいことが好ましい。たとえば、非晶性樹脂微粒子の体積メジアン粒径に対して、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積メジアン粒径は、50%〜100%であることが好ましい。非晶性樹脂微粒子の体積メジアン粒径に対して、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積メジアン粒径が50%未満であると、結晶性ポリエステル樹脂微粒子のハンドリングが難しいためトナー母粒子を好適に被覆できなくなるという問題が生じ、100%を超えると、結晶性樹脂によりトナーの保存性が損なわれるという問題が生じる。
非晶性樹脂微粒子および結晶性ポリエステル樹脂微粒子の全添加量は、トナー母粒子100重量部に対して3重量部以上であることが好ましい。3重量部未満であると、トナー母粒子を均一に被覆することが難しくなり、トナー母粒子の種類によっては、保存安定性が悪くなるおそれがある。
<非晶性樹脂>
非晶性樹脂微粒子に含まれる非晶性樹脂とは、結晶性指数が1.5より大きいか、0.6未満である樹脂のことで、本発明で用いる非晶性樹脂は、結晶性指数が1.5より大きいことが好ましい。非晶性樹脂としては、たとえば、ポリスチレン樹脂などのスチレン系樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂が挙げられる。
スチレンアクリル共重合体樹脂は、モノマーの配合により疎水性を制御することができ、高温高湿環境における帯電低下を抑止することが可能である。また重合度、配合比を選べることから、熱設計の自由度も高くトナー材料として好適に使用できる。
スチレンアクリル共重合体樹脂のアクリルモノマーとしては公知のものを使用でき、たとえば、置換基を有することのある、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどが挙げられる。アクリルモノマーの具体例としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル系単量体、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。アクリルモノマーは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
スチレンアクリル共重合体樹脂のスチレン系モノマーとしては、公知のものを使用でき、たとえば、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。スチレン系モノマーは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。これらのモノマーの重合は、一般的なラジカル開始剤を用い、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などによって行われる。
ポリエステル樹脂は、屈折率が高く光学特性に優れることから、顔料等の着色剤のバインダーとしても優れており、また、熱設計の自由度が高く、より低温での溶融特性が制御可能なことから、特に低温定着性トナーに好適に使用できる。
非晶性ポリエステル樹脂は、炭素数3〜10の脂肪族ジオールを60モル%以上含有したアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有し、かつ芳香族ジカルボン酸化合物として炭素数12以上の多環式芳香族ジカルボン酸化合物を1〜50モル%含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。好ましくは炭素数4〜10の脂肪族ジオールを80モル%以上含有したアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有し、かつ芳香族ジカルボン酸化合物として炭素数12以上の多環式芳香族ジカルボン酸化合物を1〜50モル%含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
炭素数3〜10の脂肪族ジオールとしては、炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオールおよび炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオールが好ましい。直鎖型脂肪族ジオールを主成分とし、さらに分岐鎖型脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族系のカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分を原料モノマーとして得られた、結晶性の高いポリエステル樹脂を結着樹脂として含有することにより、低温定着性をより一層向上させることができる。なお、分岐鎖型脂肪族ジオールとは、2つのOH基が結合するアルキレン基が分岐を有するジオール又は2級のOH基を有するジオールを指す。
炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−ブテンジオール等が挙げられ、結晶性促進の観点からα,ω−直鎖アルカンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールがより好ましい。炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、50〜90モル%が好ましく、結晶性促進の観点から、60〜90モル%がより好ましい。
炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオールとしては、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、10〜50モル%が好ましく、低温定着性促進の観点から、10〜40モル%がより好ましい。
炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオールと炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオールのモル比(炭素数4〜10の直鎖型脂肪族ジオール/炭素数3〜10の分岐鎖型脂肪族ジオール)は、低温定着性の観点から、60/40〜90/10が好ましく、70/30〜85/15がより好ましく、70/30〜80/20がさらに好ましい。
炭素数3〜10の脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、60モル%以上、好ましくは80モル%以上であり、結晶性促進の観点から、85モル%以上がより好ましい。
アルコール成分には、前記炭素数3〜10の脂肪族ジオール以外のアルコールが本発明の効果が損なわれない範囲で含有されていてもよい。かかるアルコール成分としては、エチレングリコール等の炭素数3〜10以外の脂肪族ジオール;ポリオキシプロピレン(2.2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等のベンゼン骨格を有する化合物が好ましい。芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、80モル%以上であり、低温定着性、耐久性及び高温高湿条件下での帯電安定性の観点から、85モル%以上が好ましい。
炭素数12以上の多環式芳香族ジカルボン酸化合物としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等のベンゼン骨格を有する化合物が好ましく、炭素数は12〜30が好ましく、12〜24がより好ましい。これらの中では、ポリエステル樹脂の結晶性の観点から、2,6−ナフタレンジカルボン酸及び1,5−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。炭素数12以上の多環式芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、1〜50モル%であり、ポリエステル樹脂の結晶性及びトナーの低温定着性の観点から、5〜40モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。
上記芳香族ジカルボン酸化合物と多環式芳香族ジカルボン酸化合物との総含有量は、カルボン酸成分中、80モル%以上であり、低温定着性、耐久性及び高温高湿条件下での帯電安定性の観点から、85モル%以上が好ましく、90〜100モル%がより好ましい。
上記芳香族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸、およびこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
また、非晶性樹脂微粒子に含まれる非晶性樹脂のガラス転移温度は、トナー母粒子に含まれる結着樹脂のガラス転移温度よりも高いことが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。
<結晶性ポリエステル樹脂>
結晶性ポリエステル樹脂とは、結晶性指数が0.6〜1.5であるポリエステル樹脂をいう。本発明で用いる結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性指数が0.8〜1.2であることが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂は、たとえば特開2006−113473号公報に開示されている公知の方法で製造でき、原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
アルコール成分としては、炭素数2〜8の脂肪族ジオールなどの、樹脂の結晶性を上げる化合物が含有されていることが好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどが挙げられ、特にα,ω−直鎖アルカンジオールが好ましい。
アルコール成分中の炭素数2〜8の脂肪族ジオール含有量は、結晶性の観点から、80モル%以上が好ましい。また、そのうち70モル%以上が、1種の脂肪族ジオールで占められていることがより好ましい。
カルボン酸成分としては、カルボン酸、およびその誘導体である、カルボン酸無水物、カルボン酸エステルなどが挙げられるが、これらの中では、カルボン酸が好ましい。
カルボン酸としては、フマル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸などの炭素数2〜30の脂肪族ジカルボン酸、またはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、またはシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、またはトリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。これらの中では、結晶性の観点から、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。カルボン酸成分中の脂肪族ジカルボン酸化合物含有量は、70モル%以上が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂におけるアルコール成分およびカルボン酸成分のモル比は、結晶性ポリエステル樹脂を高分子量化する際には、カルボン酸成分よりもアルコール成分が多い方が好ましく、また、減圧反応時において、アルコール成分の留去によりポリエステル樹脂の分子量を容易に調整できることから、モル比(カルボン酸成分/アルコール成分)0.9以上1未満が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂を作製する際、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、たとえば、不活性ガス雰囲気中にて、必要であればエステル化触媒を用いて、温度120〜230℃で行うことができる。
(3)被覆工程S3
被覆工程S3は、混合樹脂微粒子付着工程S3aと、温度調整工程S3bと、噴霧工程S3cと、膜化工程S3dと、回収工程S3eとを含む。
(3)−1 混合樹脂微粒子付着工程S3a
混合樹脂微粒子付着工程S3aでは、まず、樹脂微粒子調製工程S2で作製した非晶性樹脂微粒子と結晶性ポリエステル樹脂微粒子とをヘンシェルミキサなどの混合機で混合して、混合樹脂微粒子を得る。この際、混合樹脂微粒子中に結晶核剤を添加してもよい。添加された結晶核剤は、後述する噴霧工程で噴霧されるエタノール等の液体により、結晶性ポリエステル樹脂表面に広がり、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の結晶化を促進させる。このように、混合樹脂微粒子中に結晶核剤を添加する場合には、結晶核剤として、前述した脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物を用いることができる。
混合樹脂微粒子中の結晶性ポリエステル樹脂微粒子の含有量は、20重量%以上50重量%以下であることが好ましい。混合樹脂微粒子中の結晶性ポリエステル樹脂微粒子の含有量が20重量%未満であると、樹脂被覆層を溶融する効果が十分でなく、低温定着性が阻害される。結晶性ポリエステル樹脂微粒子の含有量が50重量%を超えると、非晶性樹脂による耐熱効果が活かされず、保存性の改善が難しくなる。
混合樹脂微粒子中において、非晶性樹脂粒子の間に結晶性樹脂粒子が一様に存在することにより、樹脂被覆層が形成された際、これらの樹脂の効果が発揮される。
次に、混合樹脂微粒子とトナー母粒子作製工程S1で作製したトナー母粒子とをヘンシェルミキサなどの混合機で混合して、トナー母粒子表面に混合樹脂微粒子が付着した混合樹脂微粒子付着粒子を得る。
混合機としては、公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などが挙げられる。
<トナーの製造装置>
図2は、本発明のカプセルトナーの製造方法に用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。被覆工程S3では、たとえば図2に示すトナーの製造装置201を用い、前記装置内での循環と撹拌の相乗効果による衝撃力でトナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成させる。トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段204と、粉体流路202とは循環手段を構成する。
(粉体流路)
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210、211が形成される。開口部210は、撹拌部208の軸線方向一方側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、混合樹脂微粒子付着粒子および気体が流過する。粉体流路202は、混合樹脂微粒子付着粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
粉体流路202内の温度は、トナー母粒子のガラス転移温度以下に設定され、30℃以上トナー母粒子のガラス転移温度以下であることが好ましい。粉体流路202内の温度は、トナー母粒子の流動により、どの部分においてもほぼ均一となる。流路内の温度がトナー母粒子のガラス転移温度を超えると、トナー母粒子が軟化し過ぎ、トナー母粒子の凝集が発生するおそれがある。また温度が30℃未満であると、分散液の乾燥速度が遅くなり生産性が低下する。したがってトナー母粒子の凝集を防止するために、粉体流路202および後述の回転撹拌手段204の温度をトナー母粒子のガラス転移温度以下に維持する必要がある。そのため、内径が粉体流路管の外径よりも大きい、後述の温度調整用ジャケットを粉体流路202および回転撹拌手段204の外側の少なくとも一部に配設する。
(回転撹拌手段)
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される貫通孔221に挿通されるように設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
被覆工程S3において、回転撹拌手段204の最外周の周速度は、30m/sec以上に設定するのが好ましく、50m/sec以上に設定するのがさらに好ましい。回転撹拌手段204の最外周とは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が延びる方向に垂直な方向において、回転軸部材218の軸線との距離がもっとも長い回転撹拌手段204の部分204aである。回転時の回転撹拌手段204の最外周における周速が30m/sec以上に設定することによって、混合樹脂微粒子付着粒子を孤立流動させることができる。最外周における周速度が30m/sec未満であると、混合樹脂微粒子付着粒子を孤立流動させることができないため、トナー母粒子を樹脂膜で均一に被覆できなくなる。
混合樹脂微粒子付着粒子は、回転盤219に対して垂直に衝突することが好ましい。これによって、混合樹脂微粒子付着粒子が充分に撹拌されるので、トナー母粒子を混合樹脂微粒子でより均一に被覆でき、被覆層の均一なトナーの収率をより向上させることができる。
(噴霧手段)
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、混合樹脂微粒子付着粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。噴霧手段203は、液体を貯留する液体貯留部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を粉体流路202内に存在するトナー母粒子に向けて噴射し、液体の液滴をトナー母粒子に噴霧する二流体ノズルとを備える。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。送液ポンプによって一定流量で噴霧手段203に送液され、噴霧手段203によって噴霧された液体はガス化し、トナー母粒子および混合樹脂微粒子表面にガス化した液体が展延する。これによってトナー母粒子および混合樹脂微粒子が可塑化する。
(温度調整用ジャケット)
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を所定の温度に調整する。これによって、後述の温度調整工程S3bにおいて、粉体流路内および回転撹拌手段の外側の温度をトナー母粒子および混合樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御することができる。また噴霧工程S3cおよび膜化工程S3dにおいて、トナー母粒子、混合樹脂微粒子および液体にかかる温度のばらつきを少なくし、混合樹脂微粒子付着粒子の安定な流動状態を保つことが可能となる。
本実施形態において、温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側全体に設けられることが好ましい。混合樹脂微粒子付着粒子は通常粉体流路内の内壁に何度も衝突するが、衝突の際衝突エネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、トナー母粒子および混合樹脂微粒子に蓄積される。衝突回数の増加とともに、それらの粒子に蓄積される熱エネルギーが増加し、やがてトナー母粒子および混合樹脂微粒子は軟化して粉体流路の内壁に付着する。温度調整用ジャケットを粉体流路202の外側全体に設けることにより、トナー母粒子および混合樹脂微粒子の粉体流路内壁への付着力が低下し、装置内温度の急上昇による粉体流路202内壁に対するトナー母粒子の付着を確実に防止でき、トナー母粒子および混合樹脂微粒子によって粉体流路内が狭くなることを回避できる。したがって、トナー母粒子が混合樹脂微粒子で均一に被覆され、クリーニング性に優れるトナーを高い収率で製造できる。
また、噴霧手段203より下流の粉体流過部209内部では、噴霧された液体が乾燥せず残存状態にあり、温度が適正でないと乾燥速度が遅くなり液体が滞留しやすい。これにトナー母粒子が接触すると、粉体流路202内壁にトナー母粒子が付着しやすくなり、トナーの凝集発生源となる。開口部210付近の内壁では、撹拌部208に流入する混合樹脂微粒子付着粒子と、回転撹拌手段204による撹拌で撹拌部208内を流動する混合樹脂微粒子付着粒子とが衝突し、衝突したトナー母粒子が開口部210付近に付着しやすい。したがってこのようなトナー母粒子が付着しやすい部分に温度調整用ジャケットを設けることによって、粉体流路202内壁に対するトナー母粒子の付着をより確実に防止できる。
(粉体投入部および粉体回収部)
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す側面図である。
粉体投入部206は、混合樹脂微粒子付着粒子を供給する図示しないホッパと、ホッパと粉体流路202とを連通する供給管212と、供給管212に設けられる電磁弁213とを備える。ホッパから供給される混合樹脂微粒子付着粒子は、電磁弁213によって供給管212内の流路が開放されている状態において、供給管212を介して粉体流路202に供給される。粉体流路202に供給される混合樹脂微粒子付着粒子は、回転撹拌手段204による撹拌によって、一定の粉体流動方向に流過する。また電磁弁213によって供給管212内の流路が閉鎖されている状態においては、混合樹脂微粒子付着粒子は粉体流路202に供給されない。
粉体回収部207は、回収タンク215と、回収タンク215と粉体流路202とを連通する回収管216と、回収管216に設けられる電磁弁217とを備える。電磁弁217によって回収管216内の流路が開放されている状態において、粉体流路202を流過するトナー粒子は回収管216を介して回収タンク215に回収される。また電磁弁217によって回収管216内の流路が閉鎖されている状態においては、粉体流路202を流過するトナー粒子は回収されない。
(3)−2 温度調整工程S3b
温度調整工程S3bでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204をこれらの外側に配設した温度調整用ジャケットに媒体を通じて所定の温度に調整する。これにより粉体流路202内の温度を、後述する噴霧工程S3cで投入される混合樹脂微粒子付着粒子が軟化変形しない温度以下に制御できる。
(3)−3 噴霧工程S3c
噴霧工程S3cでは、流動状態にある混合樹脂微粒子付着粒子に、それらの粒子を溶解せずに可塑化する効果のある液体(噴霧溶液)を、前述の噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧する。
噴霧溶液には、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の結晶化を促進するために、結晶核剤が含まれることが好ましい。結晶核剤は噴霧溶液に溶解させてもよいし、噴霧溶液中に分散させてもよい。溶解または分散処理には、通常用いられるような乳化機や分散機を用いることができる。
結晶核剤を微細に分散するためには、通常用いられるような分散媒を使用できる。この分散媒は、結晶核剤との溶解性や相溶性によって適宜選択することができ、また複数混合して使用することもできる。分散媒としては、後の工程との関係から、取り扱いが容易なアルコール等を用いることが好ましい。
結晶核剤は、体積50%粒径(体積平均粒子径)が0.5μm以下となるように、噴霧溶液に溶解または分散させることが好ましい。結晶核剤の粒子径を調整する方法としては、たとえば、分散媒であるエタノール中に結晶核剤を投入(45mlのエタノール中に結晶核剤を5g投入)し、粉砕機(商品名:遊星ボールミルPM100、レッチェ社製)で所定時間(たとえば5時間)粉砕する方法が挙げられる。このようにして分散媒に結晶核剤を溶解または分散させた後、結晶核剤が所定濃度となるようにエタノールを加えて、噴霧溶液を調製する。なお、噴霧溶液中に分散する結晶核剤の粒子径は、レーザー回折散乱式粒子径分布測定器により測定することができる。
また、結晶核剤が溶解または分散された噴霧溶液を調製する場合には、エタノールなどの分散媒に対する溶解性の観点から、結晶核剤としてソルビトール系化合物を用いるのが好ましい。
回転撹拌手段204の回転軸部材218が回転している状態で、粉体投入部206から、混合樹脂微粒子付着粒子を粉体流路202に供給する。粉体流路202に供給された混合樹脂微粒子付着粒子は、回転撹拌手段204によって撹拌され、粉体流路202の粉体流過部209を矢符214方向に流動する。
噴霧された液体は、粉体流路202内が一定のガス濃度になるようにガス化され、ガス化した液体は貫通孔221を通って粉体流路外へ排出されることが好ましい。これによって、粉体流路202内のガス化した液体の濃度を一定に保つことができ、濃度が一定に保たれていない場合よりも液体の乾燥速度を上げることができる。よって未乾燥の液体が残存するトナー粒子が他のトナー粒子に付着することを防止し、トナー粒子の凝集を抑制し、被覆層が均一なトナー粒子の収率をより向上させることができる。
ガス排出部222において濃度センサにより測定されるガス化された液体の濃度は、3%以下程度であることが好ましい。濃度が3%以下程度であると、液体の乾燥速度を充分に大きくでき、未乾燥の液体が残存するトナー粒子が他のトナー粒子に付着することを防止し、トナー粒子の凝集を防止できる。またガス化された液体の濃度は、0.1%以上3.0%以下であることがさらに好ましい。噴霧速度がこのような範囲内であると、生産性を低下させることなく、トナー粒子の凝集を防止できる。
本実施形態では、粉体流路202において混合樹脂微粒子付着粒子の流動速度が安定してから、噴霧を開始することが好ましい。これにより、混合樹脂微粒子付着粒子に液体を均一に噴霧でき、被覆層が均一なトナーの収率を向上させることができる。
トナー母粒子および混合樹脂微粒子を溶解せず可塑化させる効果のある液体としては、特に限定されないが、液体の噴霧後にトナー母粒子および混合樹脂微粒子から除去される必要があるので、蒸発し易い液体であることが好ましい。このような液体としては、低級アルコールを含む液体が挙げられる。低級アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノールなどが挙げられる。液体がこのような低級アルコールを含むと、被覆材料である混合樹脂微粒子のトナー母粒子に対する濡れ性を高めることができ、トナー母粒子の表面全面または大部分に混合樹脂微粒子を付着させ、さらに変形および膜化させることが容易となる。また低級アルコールは蒸気圧が大きいので、液体を除去する際の乾燥時間をより短縮でき、トナー粒子同士の凝集を抑制できる。
また噴霧される液体の粘度は、5cP以下であることが好ましい。液体の粘度は、25℃において測定され、たとえば、コーンプレート型回転式粘度計により測定できる。粘度が5cP以下の液体で好ましいものとしてアルコールが挙げられる。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコールなどが挙げられる。これらのアルコールは粘度が小さく、また蒸発しやすいので、液体がアルコールを含むことによって、噴霧手段203から噴霧される液体の噴霧液滴径が粗大化することなく、液滴径の微細な液体の噴霧が可能となる。また液滴径の均一な液体の噴霧が可能となる。トナー母粒子と液滴との衝突時には、さらに液滴の微細化を促進できる。これによって、トナー母粒子および混合樹脂微粒子表面を均一に濡らし、馴染ませ、衝突エネルギーとの相乗効果で混合樹脂微粒子を軟化させることができる。その結果、均一性に優れた被覆トナーを得ることができる。
噴霧手段203の二流体ノズルの軸線方向である液体噴霧方向と、粉体流路202において混合樹脂微粒子付着粒子の流動方向である粉体流動方向との成す角度θは、0°以上45°以下であることが好ましい。θがこのような範囲内であると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳することが防止され、被覆トナーの収率をさらに向上させることができる。角度θが45°を超えると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳し、液体が滞留しやすくなり、トナー粒子の凝集が発生して収率が悪化する。
また噴霧手段203によって噴霧した液体の拡がり角度φは、20°以上90°以下であることが好ましい。拡がり角度φがこの範囲から外れると、混合樹脂微粒子付着粒子に対する液体の均一な噴霧が困難となるおそれがある。
(3)−4 膜化工程S3d
膜化工程S3dでは、トナー母粒子に付着した混合樹脂微粒子が軟化し膜化するまで、所定の温度で回転撹拌手段204の撹拌を続け混合樹脂微粒子付着粒子を流動させ、樹脂層でトナー母粒子を被覆する。
(3)−5 回収工程S3e
回収工程S3eでは、噴霧手段からの液体噴霧と回転撹拌手段204の回転を停止し、粉体回収部207からカプセルトナーを装置外に排出し回収する。
このようなトナーの製造装置201としては、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。たとえば、温度調整用ジャケットは粉体流過部209と撹拌部208との外側の全面に設けられてもよく、粉体流過部209または撹拌部208の外側の一部に設けられてもよい。粉体流過部209と撹拌部208との外側の全面に温度調整用ジャケットを設けた場合、トナー母粒子の粉体流路202内壁への付着をより確実に防止することができる。
また、トナーの製造装置は、市販の撹拌装置と噴霧手段とを組合せて構成することもできる。粉体流路および回転撹拌手段を備える市販の撹拌装置としては、たとえば、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などが挙げられる。このような撹拌装置内に液体噴霧ユニットを取付けることによって、この撹拌装置を本発明のカプセルトナーの製造に用いるトナーの製造装置として用いることができる。
2、トナー
本発明の実施形態であるカプセルトナーは、上記のトナーの製造方法で製造される。上記のトナーの製造方法によって得られるカプセルトナーは、トナー母粒子表面に樹脂層が形成されることによって、内包成分が保護されるので、耐久性および保存安定性に優れる。また、このようなカプセルトナーを画像形成に用いると、高精細で、濃度むらのない画質の良好な画像を得られる。
本発明のカプセルトナーには、外添剤が添加されてもよい。外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタンなどが挙げられる。またこれらは、シリコン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。外添剤の使用量は、カプセルトナー100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。
3、現像剤
本発明の実施形態である現像剤は、上記の実施形態であるカプセルトナーを含む。本実施形態の現像剤は、一成分現像剤としても二成分現像剤としても使用できる。一成分現像剤として使用する場合、キャリアを用いることなくトナー単体で使用する。また、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させスリーブ上にトナーを付着させることでトナーを搬送し、画像形成を行う。二成分現像剤として使用する場合、上記の実施形態のカプセルトナーをキャリアとともに用いる。
キャリアとしては、公知のものを使用でき、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどが挙げられる。
被覆物質としては公知のものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としては特に制限されないが、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。いずれも、トナー成分に応じて選択するのが好ましく、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの粒径は特に制限されないが、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。
キャリアの体積抵抗率は、キャリア粒子を断面積0.50cmの容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値から得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアが帯電し、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、さらに好ましくは15〜40emu/gである。一般的な現像ローラの磁束密度条件下では、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、非接触現像ではキャリアの穂立ちが高くなり過ぎ、像担持体とトナーの非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
2成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できる。たとえば、樹脂被覆キャリア(密度5〜8g/cm)と混合する場合、トナーが全現像剤量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるようにすればよい。また、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。以下において、「部」および「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。実施例および比較例における樹脂の軟化温度およびガラス転移温度、離型剤の融点、トナー母粒子の体積平均粒径および変動係数、樹脂微粒子の結晶性指数および体積メジアン粒径(D50)は、以下のようにして測定した。
[樹脂の軟化温度]
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm(9.8×10Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
[樹脂のガラス転移温度]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線において、吸熱ピークを測定する。
観測される吸熱ピークのうち最も高温側にあるピークの温度である最高ピーク温度が、軟化温度と20℃ 以内の差であれば融点とし、軟化温度との差が20℃ を超える場合はガラス転移に起因するものとする。ガラス転移に相当する吸熱ピークより高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
結着樹脂が結晶性ポリエステル樹脂の他に非晶質樹脂を含むか、あるいは結晶性ポリエステル樹脂が非晶質部分を含む場合は、吸熱の最高ピーク温度より低い温度で観測されるピーク温度、または吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
[離型剤の融点]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
[トナー母粒子の体積平均粒径および変動係数]
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径および体積粒度分布における標準偏差を求めた。変動係数(CV値、%)は、下記式に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
[樹脂微粒子の結晶性指数]
ガラス転移温度の測定方法と同様にして、吸熱の最高ピーク温度に相当する温度(Tc)を測定した。上記に従って測定した軟化温度(Tm)と吸熱の最高ピーク温度に相当する温度(Tc)とを用い、下記式から、結晶性指数を算出した。
結晶性指数=Tm/Tc
[樹脂微粒子の体積メジアン粒径]
樹脂微粒子の体積メジアン粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名:LA−920、株式会社堀場製作所製)を用いて体積基準で50%頻度粒子径(メジアン径)として測定される。
(実施例1)
〔トナー母粒子作製工程S1〕
ポリエステル樹脂(商品名:タフトン、花王株式会社製、ガラス転移温度60℃、軟化温度138℃) 87部
C.I.Pigment Blue 15:3 5部
離型剤(商品名:カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃) 6部
帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社) 2部
上記の原料を、ヘンシェルミキサにより3分間前混合した後、二軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)を用いて、シリンダ設定温度110℃、バレル回転数毎分300回転(300rpm)、原料供給速度20kg/時間で溶融混練した。この溶融混練物を冷却ベルトにて冷却後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕した後、ジェット式粉砕機(商品名:IDS−2、日本ニューマチック工業株式会社製)により微粉砕し、さらにエルボージェット分級機(商品名、日鉄鉱業株式会社製)で分級し、体積平均粒径6.9μm、変動係数22、軟化温度116℃、ガラス転移温度55℃のトナー母粒子Aを作製した。
〔樹脂微粒子調製工程S2〕
〈非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の作製〉
ポリオキシプロピレン(2,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、および無水トリメリット酸を反応させて、非晶性ポリエステル樹脂1(軟化温度122℃、吸熱の最高ピーク温度64℃、ガラス転移温度64℃、結晶性指数1.91)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂1をメチルエチルケトンに溶解し、この溶液にアニオン性界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)水溶液を添加して機械式分散機(商品名:クレアミックス、エム・テクニック株式会社製)で乳化した。得られた乳化物からメチルエチルケトンを減圧溜去し、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1(体積メジアン粒径0.2μm)を得た。
〈結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の作製〉
1,6−ヘキサンジオール300g、フマル酸812g、酸化ジブチル錫4gおよびハイドロキノン1gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した容積5リットルの四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに所望の結晶性指数に達するまで8.3kPaにて反応させて、結晶性ポリエステル樹脂1(軟化温度109℃、吸熱の最高ピーク温度113℃、ガラス転移温度17℃、結晶性指数0.96)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂1をメチルエチルケトンに溶解し、この溶液にアニオン性界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)水溶液を添加して機械式分散機(商品名:クレアミックス、エム・テクニック株式会社製)で乳化した。得られた乳化物からメチルエチルケトンを減圧溜去し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1(体積メジアン粒径0.15μm)を得た。
〔被覆工程S3〕
〈混合樹脂微粒子の調製〉
非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液を用意し、これらの乳化分散液を混合して樹脂微粒子混合溶液を作成し、樹脂固形分濃度が10重量%になるよう水を加えて調整した。
この樹脂微粒子混合溶液中の全固形分に対する結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の含有量は、30重量%である。また、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1に対する結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の体積メジアン粒径の比は75%である。そして、樹脂微粒子混合溶液2kgを凍結乾燥により乾燥し、混合樹脂微粒子Aを得た。
〈混合樹脂微粒子付着粒子の作製〉
トナー母粒子A100部と混合樹脂微粒子A10部とをヘンシェルミキサ20B(三井鉱山株式会社製)に投入し、攪拌羽根の周速度40m/secにて3分間混合し、混合樹脂微粒子付着粒子を作製した。
〈噴霧溶液の調製〉
エタノール中に、結晶核剤としてビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールを投入し、遊星ボールミルPM100(レッチェ社製)により、結晶核剤の体積50%粒径が0.5μm以下となるように粉砕した。その後、混合樹脂微粒子付着粒子に対して20gを噴霧したときの固形分が、混合樹脂微粒子付着粒子10gに対して0.15重量部となるようにエタノールを加えて濃度調整し、固形分濃度が0.075重量%の噴霧溶液Aを調製した。
図2に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)に、二流体ノズルを取付けた装置に、混合樹脂微粒子付着粒子を投入し、回転数8000rpmで3分間滞留させ、その後、噴霧溶液Aを噴霧した。
液体噴霧ユニットとしては、定量送液が可能となるよう、送液ポンプ(商品名:SP11−12、株式会社フロム製)と二流体ノズルを接続したものを使用できる。噴霧液体Aの噴霧速度および液体ガス排出速度は、市販のガス検知器(商品名:XP−3110、新コスモス電機株式会社製)を用いて観察できる。
温度調整用ジャケットは、粉体流過部および撹拌部壁面の全面に設けた。粉体流路には温度センサを取り付け、粉体流過部および撹拌部の温度が45℃となるよう調整した。前記装置において、トナー母粒子表面への混合樹脂微粒子付着工程で、ハイブリダイゼーションシステムの回転撹拌手段の最外周における周速度を100m/secとした。噴霧工程および膜化工程でも周速度100m/secとした。また液体噴霧方向と、粉体流動方向とのなす角度(以下「噴霧角度」という)が平行(0°)になるよう二流体ノズルの取付け角度を設定した。
噴霧溶液Aを、噴霧速度0.5g/min、エア流量5L/minで40分間噴霧し、20gの噴霧を行うことで、混合樹脂微粒子Aをトナー母粒子A表面に膜化させた。
噴霧溶液Aの噴霧を停止した後5分間撹拌し、カプセルトナー(体積平均粒径7.2μm、変動係数25)を得た。このとき貫通孔およびガス排出部を通じて排出された液体の排出濃度は約1.4Vol%で安定していた。また装置内へ送るエア流量は、回転軸部から装置内に送るエア流量を5L/minに調節し、二流体ノズルからのエア流量と合計して10L/minとした。
このようにして作製したカプセルトナー100部に、外添剤として疎水性シリカ粒子(株式会社アエロジル社製、1次粒径12nm、HMDS処理)2部を投入し、攪拌羽根の周速度30m/秒で1分間混合し、実施例1のトナーとした。
(実施例2)
トナー母粒子作製工程S1において、ポリエステル樹脂の投入量を84部とし、結晶核剤としてビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール3部を投入したこと以外は実施例1と同様にして、体積平均粒径6.9μm、変動係数24、軟化温度118℃、ガラス転移温度56℃のトナー母粒子Bを作製した。そして、被覆工程S3において、トナー母粒子A100部の代わりにトナー母粒子B100部を用い、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のトナーを得た。
(実施例3)
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が6.7重量部となる分散溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Bを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子B9.7部とエチレンビスステアリン酸アミド0.3部とを投入し、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のトナーを得た。
(実施例4)
トナー母粒子作製工程S1において、ポリエステル樹脂の投入量を82部とし、結晶核剤としてエチレンビスステアリン酸アミド5部を投入したこと以外は実施例1と同様にして、体積平均粒径6.9μm、変動係数25、軟化温度120℃、ガラス転移温度57℃のトナー母粒子Cを作製した。そして、被覆工程S3において、トナー母粒子A100部の代わりにトナー母粒子C100部を用い、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4のトナーを得た。
(実施例5)
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が9重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が1重量部となる分散溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Cを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子C10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5のトナーを得た。
(実施例6)
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が8.5重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が1.5重量部となる分散溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Dを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子D10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6のトナーを得た。
(実施例7)
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が5重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が5重量部となる分散溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Eを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子E10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7のトナーを得た。
(実施例8)
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が4重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が6重量部となる分散溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Fを得た。
被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子F10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例8のトナーを得た。
(実施例9)
〈非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子PA2の作製〉
スチレンとアクリル酸とアクリル酸ブチルとを重合して、非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子PA2(体積メジアン粒径0.18μm、軟化温度138℃、吸熱の最高ピーク温度69℃、ガラス転移温度69℃、結晶性指数2.00)を得た。これをさらに凍結乾燥して、乾燥粉末とした。
そして、樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の代わりに非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子PA2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Gを得た。さらに、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子G10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例9のトナーを得た。
(実施例10)
〈結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB2の作製〉
乳化時間を短くした以外は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の作製と同様にして結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB2(体積メジアン粒径0.18μm、軟化温度109℃、吸熱の最高ピーク温度113℃、ガラス転移温度17℃、結晶性指数0.96)を得た。
そして、樹脂微粒子調製工程S2において、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の代わりに結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB2を用いたこと以外は実施例9と同様にして、混合樹脂微粒子Hを得た。さらに、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子H10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例10のトナーを得た。
(実施例11)
〈結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB3の作製〉
乳化時間を短くした以外は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の作製と同様にして結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB2(体積メジアン粒径0.22μm、軟化温度109℃、吸熱の最高ピーク温度113℃、ガラス転移温度17℃、結晶性指数0.96)を得た。そして、樹脂微粒子調製工程S2において、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の代わりに結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB3を用いたこと以外は実施例9と同様にして、混合樹脂微粒子Iを得た。さらに、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子I10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例11のトナーを得た。
(実施例12)
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子PA2の固形分が7重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子PA2の固形分が6.7重量部となる分散溶液を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、混合樹脂微粒子Jを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子I10部の代わりに混合樹脂微粒子J9.7部とビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール0.3部とを投入し、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例12のトナーを得た。
(比較例1)
被覆工程S3において、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1のトナーを得た。
(比較例2)
樹脂微粒子調製工程S2において、混合樹脂微粒子を調製せず、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1を10部用い、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2のトナーを得た。
〈二成分現像剤の作製〉
実施例1〜12および比較例1,2の各トナーと、体積平均粒径60μmのフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が7%になるように混合し、二成分現像剤を作製した。
実施例1〜12および比較例1,2のトナーについて、以下の方法で評価した。
[保存安定性]
トナー20gをポリ容器に密閉し、50℃で48時間放置した後、トナーを取り出し230メッシュのふるいに掛けた。ふるい上に残存するトナーの重量を測定し、トナー全重量に対する割合(残トナー量、%)を求め、下記の基準で評価した。数値が低いほど、トナーがブロッキングを起こさず、保存安定性が良好であることを示す。
○(良好):残トナー量が0%以上15%以下
△(やや不良):残トナー量が15%より大きく30%以下
×(不良):残トナー量が30%より大きい
[低温定着性]
二成分現像剤をそれぞれ画像形成装置(カラー複合機MX4501、シャープ株式会社製)に充填して現像を行い、紙面上へのトナー付着量が0.4mg/cmとなるよう調整した後に、加熱ローラの表面温度を130℃から220℃まで5℃刻みで上げて画像を形成させた。低温オフセットの起こらない下限温度を最低定着温度とし、下記の基準で評価した。
○(良好):最低定着温度差が155℃以下
△(やや不良):最低定着温度差が155℃より高く170℃未満
×(不良):最低定着温度差が170℃以上
実施例1〜12および比較例1,2のトナーおよび各トナーの評価結果を表1に示す。
Figure 0004903883
表1の結果から明らかなように、実施例1〜12のトナーは、比較例1,2のトナーに比べ、保存安定性および低温定着性のいずれも良好であった。比較例1のトナーは、結晶核剤を含まないため、保存安定性が不良となり、比較例2のトナーは、結晶性ポリエステルを含まないため、低温定着性が不良となったと考えられる。
実施例1〜4のトナーについて、保存安定性および低温定着性を比較すると、実施例1が最も優れ、次いで実施例3が優れた結果となった。この結果から、結晶核剤の添加効果が発揮される順序としては、噴霧溶液中に含ませることが最も効果的であり、トナー母粒子中よりも混合樹脂微粒子中に結晶核剤を含ませる方が効果的であることが分かる。また、実施例2と実施例4とを比較すると、結晶核剤としてソルビトール系化合物を用いることによって、トナー母粒子中に結晶核剤を含ませた場合であっても、優れた結果が得られている。これは、ソルビトール系化合物が、脂肪酸アミドよりもエタノールに対して高い溶解性を有するからである。
また、実施例1,5〜8のトナーについて、保存安定性および低温定着性を比較すると、実施例8のトナーは、保存安定性がやや不良となった。これは、混合樹脂微粒子中の結晶性ポリエステル樹脂微粒子の割合が高いことが原因であると考えられる。
201 トナーの製造装置
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
220 撹拌羽根

Claims (6)

  1. 結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
    流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体と結晶核剤との混合溶液を噴霧する噴霧工程と、
    衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成させる膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
  2. 前記結晶核剤が、ソルビトール系化合物であることを特徴とする請求項1に記載のカプセルトナーの製造方法。
  3. 結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子を、結晶核剤を含むトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
    流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体を噴霧する噴霧工程と、
    衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
  4. 前記結晶核剤が、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物であることを特徴とする請求項3に記載のカプセルトナーの製造方法。
  5. 結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子と結晶核剤とを含む混合樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
    流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体を噴霧する噴霧工程と、
    衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
  6. 前記結晶核剤が、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物であることを特徴とする請求項5に記載のカプセルトナーの製造方法。
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