JP4903883B2 - カプセルトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体と結晶核剤との混合溶液を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成させる膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
また本発明は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子を、結晶核剤を含むトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
図1は、本発明のカプセルトナーの製造方法の手順の一例を示す工程図である。本発明のカプセルトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S1と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子および非晶性樹脂微粒子からなる樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程S2と、トナー母粒子を樹脂微粒子で被覆する被覆工程S3とを含む。
トナー母粒子作製工程S1では、樹脂被覆層によって被覆されるべきトナー母粒子を作製する。トナー母粒子は、結着樹脂および着色剤を含む粒子であり、その作製方法は特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。トナー母粒子の作製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、および、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を説明する。
粉砕法によるトナー母粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー組成物を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕する。その後必要に応じて分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。
樹脂微粒子調製工程S2では、乾燥した非晶性樹脂微粒子および結晶性ポリエステル樹脂微粒子を調製する。
非晶性樹脂微粒子および結晶性ポリエステル樹脂微粒子は、たとえば、樹脂微粒子原料である樹脂をホモジナイザーなどで乳化分散させ細粒化することによって得られる。また樹脂のモノマー成分の重合によっても得られる。
非晶性樹脂微粒子に含まれる非晶性樹脂とは、結晶性指数が1.5より大きいか、0.6未満である樹脂のことで、本発明で用いる非晶性樹脂は、結晶性指数が1.5より大きいことが好ましい。非晶性樹脂としては、たとえば、ポリスチレン樹脂などのスチレン系樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂とは、結晶性指数が0.6〜1.5であるポリエステル樹脂をいう。本発明で用いる結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性指数が0.8〜1.2であることが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂は、たとえば特開2006−113473号公報に開示されている公知の方法で製造でき、原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
被覆工程S3は、混合樹脂微粒子付着工程S3aと、温度調整工程S3bと、噴霧工程S3cと、膜化工程S3dと、回収工程S3eとを含む。
混合樹脂微粒子付着工程S3aでは、まず、樹脂微粒子調製工程S2で作製した非晶性樹脂微粒子と結晶性ポリエステル樹脂微粒子とをヘンシェルミキサなどの混合機で混合して、混合樹脂微粒子を得る。この際、混合樹脂微粒子中に結晶核剤を添加してもよい。添加された結晶核剤は、後述する噴霧工程で噴霧されるエタノール等の液体により、結晶性ポリエステル樹脂表面に広がり、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の結晶化を促進させる。このように、混合樹脂微粒子中に結晶核剤を添加する場合には、結晶核剤として、前述した脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物を用いることができる。
図2は、本発明のカプセルトナーの製造方法に用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。被覆工程S3では、たとえば図2に示すトナーの製造装置201を用い、前記装置内での循環と撹拌の相乗効果による衝撃力でトナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成させる。トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段204と、粉体流路202とは循環手段を構成する。
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210、211が形成される。開口部210は、撹拌部208の軸線方向一方側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、混合樹脂微粒子付着粒子および気体が流過する。粉体流路202は、混合樹脂微粒子付着粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される貫通孔221に挿通されるように設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、混合樹脂微粒子付着粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。噴霧手段203は、液体を貯留する液体貯留部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を粉体流路202内に存在するトナー母粒子に向けて噴射し、液体の液滴をトナー母粒子に噴霧する二流体ノズルとを備える。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。送液ポンプによって一定流量で噴霧手段203に送液され、噴霧手段203によって噴霧された液体はガス化し、トナー母粒子および混合樹脂微粒子表面にガス化した液体が展延する。これによってトナー母粒子および混合樹脂微粒子が可塑化する。
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を所定の温度に調整する。これによって、後述の温度調整工程S3bにおいて、粉体流路内および回転撹拌手段の外側の温度をトナー母粒子および混合樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御することができる。また噴霧工程S3cおよび膜化工程S3dにおいて、トナー母粒子、混合樹脂微粒子および液体にかかる温度のばらつきを少なくし、混合樹脂微粒子付着粒子の安定な流動状態を保つことが可能となる。
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す側面図である。
温度調整工程S3bでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204をこれらの外側に配設した温度調整用ジャケットに媒体を通じて所定の温度に調整する。これにより粉体流路202内の温度を、後述する噴霧工程S3cで投入される混合樹脂微粒子付着粒子が軟化変形しない温度以下に制御できる。
噴霧工程S3cでは、流動状態にある混合樹脂微粒子付着粒子に、それらの粒子を溶解せずに可塑化する効果のある液体(噴霧溶液)を、前述の噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧する。
膜化工程S3dでは、トナー母粒子に付着した混合樹脂微粒子が軟化し膜化するまで、所定の温度で回転撹拌手段204の撹拌を続け混合樹脂微粒子付着粒子を流動させ、樹脂層でトナー母粒子を被覆する。
回収工程S3eでは、噴霧手段からの液体噴霧と回転撹拌手段204の回転を停止し、粉体回収部207からカプセルトナーを装置外に排出し回収する。
本発明の実施形態であるカプセルトナーは、上記のトナーの製造方法で製造される。上記のトナーの製造方法によって得られるカプセルトナーは、トナー母粒子表面に樹脂層が形成されることによって、内包成分が保護されるので、耐久性および保存安定性に優れる。また、このようなカプセルトナーを画像形成に用いると、高精細で、濃度むらのない画質の良好な画像を得られる。
本発明の実施形態である現像剤は、上記の実施形態であるカプセルトナーを含む。本実施形態の現像剤は、一成分現像剤としても二成分現像剤としても使用できる。一成分現像剤として使用する場合、キャリアを用いることなくトナー単体で使用する。また、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させスリーブ上にトナーを付着させることでトナーを搬送し、画像形成を行う。二成分現像剤として使用する場合、上記の実施形態のカプセルトナーをキャリアとともに用いる。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線において、吸熱ピークを測定する。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径および体積粒度分布における標準偏差を求めた。変動係数(CV値、%)は、下記式に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
ガラス転移温度の測定方法と同様にして、吸熱の最高ピーク温度に相当する温度(Tc)を測定した。上記に従って測定した軟化温度(Tm)と吸熱の最高ピーク温度に相当する温度(Tc)とを用い、下記式から、結晶性指数を算出した。
結晶性指数=Tm/Tc
樹脂微粒子の体積メジアン粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名:LA−920、株式会社堀場製作所製)を用いて体積基準で50%頻度粒子径(メジアン径)として測定される。
〔トナー母粒子作製工程S1〕
ポリエステル樹脂(商品名:タフトン、花王株式会社製、ガラス転移温度60℃、軟化温度138℃) 87部
C.I.Pigment Blue 15:3 5部
離型剤(商品名:カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃) 6部
帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社) 2部
〈非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の作製〉
ポリオキシプロピレン(2,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、および無水トリメリット酸を反応させて、非晶性ポリエステル樹脂1(軟化温度122℃、吸熱の最高ピーク温度64℃、ガラス転移温度64℃、結晶性指数1.91)を得た。
1,6−ヘキサンジオール300g、フマル酸812g、酸化ジブチル錫4gおよびハイドロキノン1gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した容積5リットルの四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに所望の結晶性指数に達するまで8.3kPaにて反応させて、結晶性ポリエステル樹脂1(軟化温度109℃、吸熱の最高ピーク温度113℃、ガラス転移温度17℃、結晶性指数0.96)を得た。
〈混合樹脂微粒子の調製〉
非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液を用意し、これらの乳化分散液を混合して樹脂微粒子混合溶液を作成し、樹脂固形分濃度が10重量%になるよう水を加えて調整した。
トナー母粒子A100部と混合樹脂微粒子A10部とをヘンシェルミキサ20B(三井鉱山株式会社製)に投入し、攪拌羽根の周速度40m/secにて3分間混合し、混合樹脂微粒子付着粒子を作製した。
エタノール中に、結晶核剤としてビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールを投入し、遊星ボールミルPM100(レッチェ社製)により、結晶核剤の体積50%粒径が0.5μm以下となるように粉砕した。その後、混合樹脂微粒子付着粒子に対して20gを噴霧したときの固形分が、混合樹脂微粒子付着粒子10gに対して0.15重量部となるようにエタノールを加えて濃度調整し、固形分濃度が0.075重量%の噴霧溶液Aを調製した。
トナー母粒子作製工程S1において、ポリエステル樹脂の投入量を84部とし、結晶核剤としてビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール3部を投入したこと以外は実施例1と同様にして、体積平均粒径6.9μm、変動係数24、軟化温度118℃、ガラス転移温度56℃のトナー母粒子Bを作製した。そして、被覆工程S3において、トナー母粒子A100部の代わりにトナー母粒子B100部を用い、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のトナーを得た。
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が6.7重量部となる分散溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Bを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子B9.7部とエチレンビスステアリン酸アミド0.3部とを投入し、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のトナーを得た。
トナー母粒子作製工程S1において、ポリエステル樹脂の投入量を82部とし、結晶核剤としてエチレンビスステアリン酸アミド5部を投入したこと以外は実施例1と同様にして、体積平均粒径6.9μm、変動係数25、軟化温度120℃、ガラス転移温度57℃のトナー母粒子Cを作製した。そして、被覆工程S3において、トナー母粒子A100部の代わりにトナー母粒子C100部を用い、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4のトナーを得た。
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が9重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が1重量部となる分散溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Cを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子C10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5のトナーを得た。
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が8.5重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が1.5重量部となる分散溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Dを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子D10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6のトナーを得た。
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が5重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が5重量部となる分散溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Eを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子E10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7のトナーを得た。
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が7重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が3重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1の固形分が4重量部となる分散溶液と、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の固形分が6重量部となる分散溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合樹脂微粒子Fを得た。
〈非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子PA2の作製〉
スチレンとアクリル酸とアクリル酸ブチルとを重合して、非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子PA2(体積メジアン粒径0.18μm、軟化温度138℃、吸熱の最高ピーク温度69℃、ガラス転移温度69℃、結晶性指数2.00)を得た。これをさらに凍結乾燥して、乾燥粉末とした。
〈結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB2の作製〉
乳化時間を短くした以外は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の作製と同様にして結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB2(体積メジアン粒径0.18μm、軟化温度109℃、吸熱の最高ピーク温度113℃、ガラス転移温度17℃、結晶性指数0.96)を得た。
〈結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB3の作製〉
乳化時間を短くした以外は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の作製と同様にして結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB2(体積メジアン粒径0.22μm、軟化温度109℃、吸熱の最高ピーク温度113℃、ガラス転移温度17℃、結晶性指数0.96)を得た。そして、樹脂微粒子調製工程S2において、結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB1の代わりに結晶性ポリエステル樹脂微粒子PB3を用いたこと以外は実施例9と同様にして、混合樹脂微粒子Iを得た。さらに、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに混合樹脂微粒子I10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例11のトナーを得た。
樹脂微粒子調製工程S2において、非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子PA2の固形分が7重量部となる分散溶液の代わりに、非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子PA2の固形分が6.7重量部となる分散溶液を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、混合樹脂微粒子Jを得た。そして、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子I10部の代わりに混合樹脂微粒子J9.7部とビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール0.3部とを投入し、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例12のトナーを得た。
被覆工程S3において、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1のトナーを得た。
樹脂微粒子調製工程S2において、混合樹脂微粒子を調製せず、被覆工程S3において、混合樹脂微粒子A10部の代わりに非晶性ポリエステル樹脂微粒子PA1を10部用い、噴霧溶液Aの代わりにエタノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2のトナーを得た。
実施例1〜12および比較例1,2の各トナーと、体積平均粒径60μmのフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が7%になるように混合し、二成分現像剤を作製した。
[保存安定性]
トナー20gをポリ容器に密閉し、50℃で48時間放置した後、トナーを取り出し230メッシュのふるいに掛けた。ふるい上に残存するトナーの重量を測定し、トナー全重量に対する割合(残トナー量、%)を求め、下記の基準で評価した。数値が低いほど、トナーがブロッキングを起こさず、保存安定性が良好であることを示す。
○(良好):残トナー量が0%以上15%以下
△(やや不良):残トナー量が15%より大きく30%以下
×(不良):残トナー量が30%より大きい
二成分現像剤をそれぞれ画像形成装置(カラー複合機MX4501、シャープ株式会社製)に充填して現像を行い、紙面上へのトナー付着量が0.4mg/cm2となるよう調整した後に、加熱ローラの表面温度を130℃から220℃まで5℃刻みで上げて画像を形成させた。低温オフセットの起こらない下限温度を最低定着温度とし、下記の基準で評価した。
○(良好):最低定着温度差が155℃以下
△(やや不良):最低定着温度差が155℃より高く170℃未満
×(不良):最低定着温度差が170℃以上
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
220 撹拌羽根
Claims (6)
- 結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体と結晶核剤との混合溶液を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成させる膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。 - 前記結晶核剤が、ソルビトール系化合物であることを特徴とする請求項1に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子を、結晶核剤を含むトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。 - 前記結晶核剤が、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物であることを特徴とする請求項3に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子と結晶核剤とを含む混合樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させて、混合樹脂微粒子付着粒子を形成する混合樹脂微粒子付着工程と、
流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着粒子に、これらの粒子を可塑化させる液体を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記混合樹脂微粒子を膜化させ、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。 - 前記結晶核剤が、脂肪酸アミドまたはソルビトール系化合物であることを特徴とする請求項5に記載のカプセルトナーの製造方法。
Priority Applications (3)
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