JP4918583B2 - トナーの製造方法およびトナー - Google Patents
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Description
低級アルコールを噴霧しながら機械的衝撃力を加えることにより、前記トナー母粒子および前記樹脂微粒子を可塑化し、前記トナー母粒子表面に前記樹脂微粒子を融着させ、前記トナー母粒子表面に、前記樹脂微粒子からなる複数の突起部を形成させる工程とを含み、
前記突起部による、トナー母粒子表面の被覆率が10%以上50%以下であることを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、前記トナーの製造方法により得られることを特徴とするトナーである。
図1は、本発明の一実施形態のトナーの製造方法の手順の一例を示す工程図である。本発明の一実施形態のトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S1と、樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程S2と、トナー母粒子表面に樹脂微粒子からなる樹脂突起部を形成させる突起部形成工程S3とを含む。
トナー母粒子作製工程S1では、表面に樹脂突起部を形成させるトナー母粒子を作製する。トナー母粒子は、結着樹脂、離型剤および着色剤を含む粒子であり、その作製方法は特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。トナー母粒子の作製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、および、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を説明する。
粉砕法によるトナー母粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー組成物を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕する。その後必要に応じて分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。
樹脂微粒子調製工程S2では、乾燥した樹脂微粒子を調製する。乾燥にはどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法で乾燥樹脂微粒子を得られる。樹脂微粒子は、後の突起部形成工程S3において、トナー母粒子表面に融着して形成される樹脂突起部の原料として用いられる。トナー母粒子表面に樹脂突起部を形成させることにより、たとえばトナー母粒子に含まれる結着樹脂の軟化によるブロッキングの発生を防止できる。また、樹脂突起部において樹脂微粒子の形状がトナー粒子表面に残るので、表面が平滑なトナー粒子に比べてクリーニング性に優れたトナー粒子が得られる。
<トナーの製造装置>
図2は、本発明の一実施形態のトナーの製造方法で用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。突起部形成工程S3では、たとえば図2に示すトナーの製造装置201を用い、前記装置内での循環と撹拌の相乗効果による衝撃力でトナー母粒子表面に樹脂突起部を形成させる。トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段204と、粉体流路202とは循環手段を構成する。
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210、211が形成される。開口部210は、撹拌部208の軸線方向一方側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、トナー母粒子、樹脂微粒子、および気体が流過する。粉体流路202は、トナー母粒子および樹脂微粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される貫通孔221に挿通されるように設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、トナー母粒子および樹脂微粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。噴霧手段203は、液体を貯留する液体貯留部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を粉体流路202内に存在するトナー母粒子に向けて噴射し、液体の液滴をトナー母粒子に噴霧する二流体ノズルとを備える。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。送液ポンプによって一定流量で噴霧手段203に送液され、噴霧手段203によって噴霧された液体はガス化し、トナー母粒子および樹脂微粒子表面にガス化した液体が展延する。これによってトナー母粒子および樹脂微粒子表面が可塑化する。
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を所定の温度に調整する。これによって、後述の温度調整工程S3aにおいて、粉体流路内および回転撹拌手段の外側の温度をトナー母粒子および樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御することができる。また噴霧工程S3cおよび融着工程S3dにおいて、トナー母粒子、樹脂微粒子および液体にかかる温度のばらつきを少なくし、樹脂微粒子付着母粒子の安定な流動状態を保つことが可能となる。
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す側面図である。
温度調整工程S3aでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204をこれらの外側に配設した温度調整用ジャケットに媒体を通じて所定の温度に調整する。これにより粉体流路202内の温度を、後述する樹脂微粒子付着工程S3bで投入されるトナー母粒子および樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御できる。
樹脂微粒子付着工程S3bでは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が回転している状態で、粉体投入部206からトナー母粒子および樹脂微粒子を粉体流路202に供給し、トナー母粒子表面に樹脂微粒子を付着させ、樹脂微粒子付着母粒子を得る。
噴霧工程S3cでは、流動状態にある樹脂微粒子付着母粒子に、それらの粒子を溶解せずに可塑化する効果のある液体を、前述の噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧する。
融着工程S3dでは、トナー母粒子に付着した樹脂微粒子が軟化し融着するまで、所定の温度で回転撹拌手段204の撹拌を続け樹脂微粒子付着母粒子を流動させ、樹脂微粒子をトナー母粒子表面に融着させ、樹脂突起部を形成させる。
回収工程S3eでは、噴霧手段からの液体噴霧と回転撹拌手段204の回転を停止し、粉体回収部207からトナーを装置外に排出し回収する。
本発明の実施形態であるトナーは、上記のトナーの製造方法で製造される。上記のトナーの製造方法によって得られるトナーは、トナー母粒子表面に樹脂突起部が形成されることによって、トナー母粒子の構成成分が保護されるので、耐久性および保存安定性に優れる。また、このようなトナーを画像形成に用いると、高精細で、濃度むらのない画質の良好な画像を得られる。
本発明の実施形態である現像剤は、上記の実施形態であるトナーを含む。本実施形態の現像剤は、一成分現像剤としても二成分現像剤としても使用できる。一成分現像剤として使用する場合、キャリアを用いることなくトナー単体で使用する。また、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させスリーブ上にトナーを付着させることでトナーを搬送し、画像形成を行う。二成分現像剤として使用する場合、上記の実施形態のトナーをキャリアとともに用いる。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線において、ガラス転移に相当する吸熱ピークより高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒子径を求めた。
粒度分析計(商品名:マイクロトラックMT3000、日機装株式会社製)を用い、分散媒:水/屈折率1.33、分散質:屈折率1.49の条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒子径を求めた。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い、試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えて、ダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料が流出し始め、ピストンの変位が始まったときの温度を求め、流出開始温度(Ti)とした。
トナー粒子10個を無作為に抽出し、走査型電子顕微鏡を用いて、倍率5000で表面観察を行った。トナー母粒子の表面積に対する樹脂突起部の面積率(%)をトナー粒子10個について算出し、それらの平均値を樹脂突起部によるトナー母粒子表面の被覆率とした。
〔トナー母粒子作製工程S1〕
ポリエステル樹脂(花王株式会社製、ガラス転移温度60℃、軟化温度138℃)
85部
着色剤(C.I.Pigment Blue15:3) 5部
離型剤(商品名:カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃) 8部
帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社) 2部
〈スチレンアクリル共重合樹脂微粒子の作製〉
スチレンとアクリル酸とアクリル酸ブチルとを重合して、スチレンアクリル共重合樹脂微粒子A(体積平均粒子径0.4μm、ガラス転移温度60℃、流出開始温度92℃)を得た。得られた樹脂微粒子は、重量基準で微粒子濃度が10wt%になるよう水系懸濁液を調整し、スプレードライ乾燥機にて乾燥処理を行ない、樹脂微粒子粉体とした。
図2に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)に、二流体ノズルを取付けた装置に、トナー母粒子A100部と、スチレンアクリル共重合樹脂微粒子A5部とを投入した。
実施例1のトナー100部に対し、外添剤として疎水化処理を施したシリカ微粒子(平均粒子径12nm)1.0部を加え、ヘンシェルミキサで混合し外添トナーとした。この外添トナーと体積平均粒子径40μmのフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が6%になるように混合し、実施例1の二成分現像剤を作製した。
トナー母粒子作製工程S1において、微粉砕の条件を調整することにより、トナー母粒子B(体積平均粒子径8.0μm)を作製した。トナー母粒子Aの代わりにトナー母粒子B100部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のトナーおよび二成分現像剤を得た。
トナー母粒子作製工程S1において、微粉砕の条件を調整することにより、トナー母粒子C(体積平均粒子径6.0μm)を作製した。トナー母粒子Aの代わりにトナー母粒子C100部を投入し、スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの代わりにスチレンアクリル共重合樹脂微粒子B(体積平均粒子径1.0μm、ガラス転移温度58℃、流出開始温度89℃)10部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のトナーおよび二成分現像剤を得た。
トナー母粒子Aの代わりにトナー母粒子Bを用い、スチレンアクリル共重合体粒子A5部の代わりにスチレンアクリル共重合樹脂微粒子B10部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のトナーおよび二成分現像剤を得た。
トナー母粒子作製工程S1において、粉砕法により作製したトナーと同様の組成となるよう各原料を溶剤中に溶解し、溶解懸濁法により、ほぼ球状のトナー母粒子D(体積平均粒子径6.0μm)を作製した。トナー母粒子Aの代わりにトナー母粒子D100部を用い、スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの代わりにスチレンアクリル共重合樹脂微粒子C(体積平均粒子径0.6μm、ガラス転移温度61℃、流出開始温度90℃)6部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のトナーおよび二成分現像剤を得た。
スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの代わりに表面微架橋スチレンアクリル共重合樹脂微粒子D(体積平均粒子径0.4μm、ガラス転移温度64℃、流出開始温度100℃)5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のトナーおよび二成分現像剤を得た。表面微架橋スチレンアクリル共重合体は、乳化重合微粒子に、さらに所定量の構成モノマー、架橋剤、重合開始剤を加えることにより作成した。
〈ポリエステル樹脂微粒子Aの作製〉
ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに溶解し、この溶液を、1Nアンモニア水溶液と混合して機械式分散機(商品名:クレアミックス(CLEARMIX)、エム・テクニック株式会社製)で乳化した。得られた乳化物からメチルエチルケトンを減圧溜去して、ポリエステル樹脂微粒子A(体積平均粒子径0.4μm、ガラス転移温度55℃、流出開始温度80℃)を得た。スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの代わりにポリエステル樹脂微粒子A5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のトナーおよび二成分現像剤を得た。
スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの投入量を3部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のトナーおよび二成分現像剤を得た。
スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの投入量を12部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9のトナーおよび二成分現像剤を得た。
突起部形成工程S3において、エタノールの代わりにメタノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10のトナーおよび二成分現像剤を得た。
スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの代わりにスチレンアクリル共重合樹脂微粒子 G(体積平均粒子径0.4μm、ガラス転移温度82℃、流出開始温度126℃)5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11のトナーおよび二成分現像剤を得た。
スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの代わりにポリエステル樹脂微粒子B(体積平均粒子径0.4μm、ガラス転移温度50℃、流出開始温度78℃)5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例12のトナーおよび二成分現像剤を得た。
突起部形成工程S3において、エタノールを噴霧しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のトナーおよび二成分現像剤を得た。
スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの投入量を15部としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のトナーおよび二成分現像剤を得た。
スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの代わりにスチレンアクリル共重合樹脂微粒子E(体積平均粒子径0.2μm、ガラス転移温度58℃、流出開始温度96℃)5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のトナーおよび二成分現像剤を得た。
スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの代わりにスチレンアクリル共重合樹脂微粒子F(体積平均粒子径1.5μm、ガラス転移温度63℃、流出開始温度97℃)4部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4のトナーおよび二成分現像剤を得た。
スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Aの投入量を1部としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5のトナーおよび二成分現像剤を得た。
トナー母粒子Aの代わりにトナー母粒子Cを用い、突起部形成工程S3において樹脂微粒子を使用せずにトナー母粒子Cのみを投入したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6のトナーおよび二成分現像剤を得た。
(評価用画像の出力)
中間転写装置を備えたタンデム方式の市販のフルカラー複写機(商品名:MX―3500G、シャープ株式会社製)に実施例1〜8および比較例1〜5の二成分現像剤をそれぞれ充填し、トナーの付着量がドラム上で0.45mg/cm2となるように現像量を調整して画像を出力した。被転写紙として、市販のA4用紙(坪量80g/m2)を使用し、20%ソリッド部と文字を含むチャート(印字率25%)を評価用画像とした。
評価用画像を、定着プロセスを通過させず未定着状態で取り出し、紙面上のトナーを予め秤量しておいた粉塵フィルターを通して吸引した。フィルターに捕集されたトナー重量を秤量し、ドラム上に現像されているトナー重量で除して転写率を算出した。各サンプルにつき測定を5回行い、その平均値を転写効率(%)とし、以下の基準で評価した。
○(良好):転写効率95%以上
△(実用可能):転写効率85%以上95%未満
×(不良):転写効率85%未満
上述の評価用画像を、出力機と同一の定着プロセスを備えた外部定着装置(加熱ローラ径および加圧ローラ径:φ50mm)を用いて定着させた。定着は、定着部表面の温度160℃、プロセス速度167mm/secで行った。
○(良好):画像欠陥なし
△(実用可能):部分的に画像欠陥があるが、目視では分からない
×(不良):目視で明らかに画像欠陥が確認できる
○(良好):剥がれた画像部の線幅の最大値が0.3mm未満で、オフセットなし
△(実用可能):剥がれた画像部の線幅の最大値が0.3mm以上0.5mm以下で、オフセットなし
×(不良):剥がれた画像部の線幅の最大値が0.5mmより大きい、またはオフセットが発生
同様の評価機を用いて、印字率5%の原稿を1万枚印刷した。その際、クリーニング不良により発生するスジ、帯等の画像欠陥の有無を確認し、以下の基準で評価した。
○(良好):画像欠陥なし
△(実用可能):数枚の原稿に、ごく短い線状の軽微なスジが確認されたが、すぐに消失した
×(不良):スジ、帯等の画像欠陥が間欠または継続して生じた
転写性、画質、定着性、およびクリーニング性の評価結果を合わせて、以下の基準で総合評価を行った。
○(良好):いずれの結果も○である
△(実用可能):いずれかの結果が△であるが、×はない
×(不良):いずれかの結果が×である
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
220 撹拌羽根
Claims (5)
- トナー母粒子の体積平均粒子径の5%以上17%以下の体積平均粒子径を有する樹脂微粒子を、トナー母粒子表面に付着させる工程と、
低級アルコールを噴霧しながら機械的衝撃力を加えることにより、前記トナー母粒子および前記樹脂微粒子を可塑化し、前記トナー母粒子表面に前記樹脂微粒子を融着させ、前記トナー母粒子表面に、前記樹脂微粒子からなる複数の突起部を形成させる工程とを含み、
前記突起部による、トナー母粒子表面の被覆率が10%以上50%以下であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記樹脂微粒子からなる複数の突起部が、互いに融着しないように形成されていることを特徴とする請求項1記載のトナーの製造方法。
- 前記樹脂微粒子は、ポリエステルまたはスチレン−アクリル共重合体であり、ガラス転移温度が60℃以上であり、かつフローテスターにおける流出開始温度が80℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載のトナーの製造方法。
- 前記樹脂微粒子は、表層に架橋樹脂を含むスチレン−アクリル共重合体であることを特徴とする請求項3記載のトナーの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法により得られることを特徴とするトナー。
Priority Applications (3)
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