JP6870323B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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本発明は、低温定着性と耐ブロッキング性に優れた静電荷像現像用トナーに関する。
静電荷像現像用トナーは、プリンター、複写機、ファクシミリ等において、静電荷像を可視化する画像形成に用いられる。電子写真方式による画像の形成を例にとると、先ず感光体ドラム上に静電潜像を形成し、次いでこれをトナーにより現像する。
静電荷像現像用トナーとしては、通常、結着樹脂及び着色剤に、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、磁性体等を乾式混合した後、押出機等で溶融混練し、次いで、粉砕、分級する、いわゆる溶融混練粉砕法により得られたトナー粒子に、流動性等の各種性能を付与することを目的として、例えばシリカ等の固体微粒子を外添剤として表面に付着させた形態のものが用いられている。
近年、複写機やプリンター等の画像形成において高精細画質化が要求され、トナー粒子の粒径や粒度分布を制御し易い、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の製造法が提案されている。
更には、近年における複写機やプリンター等の普及に伴い、画像品質への要求に加え、特に高速印刷及び低エネルギー定着性に優れたトナーが望まれるようになり、トナーの低温定着性の改善が試みられているが、該低温定着性と、耐ブロッキング性や耐高温オフセット性とは、通常は二律背反の関係にあり、両立を図ることが望まれている。これらの課題に対して、従来から種々の検討がなされている。
特許文献1には、結晶性ポリエステル樹脂と離型剤とを含むトナーであって、ルテニウム染色したトナー断面に、前記結晶性ポリエステル樹脂が前記離型剤と接触した構造体が存在し、該構造体の断面積をA、前記離型剤単独の断面積をB、前記結晶性ポリエステル樹脂単独の断面積をCとしたとき、40≦100×A/(A+B+C)≦70、10≦100×B/(A+B+C)≦30、20≦100×C/(A+B+C)≦30である静電荷像現像用トナーが開示されている。
特許文献2には、耐熱保存性や低温定着を目的として、定着助剤として融点50〜150℃の結晶性有機化合物を含有し、加熱時に樹脂と定着助剤が相溶化するために、トナーのDSC測定において、昇温2回目の定着助剤由来の融解極大値の吸熱量は、昇温1回目に比べ小さくなり、トナーのガラス転移温度が樹脂のガラス転移温度よりも低下し、昇温2回目のガラス転移温度が昇温1回目に比べて小さくなる静電荷像現像用トナーが提案されている。
特許文献3には、トナー母粒子とシェル層を有するコアシェル構造であり、前記トナー母粒子は、前記トナー母粒子の表面上に水溶性樹脂からなる樹脂被覆層を有し、かつ前記樹脂被覆層上に前記シェル層を有する静電荷像現像用トナーが開示されている。
特開2008−33057号公報 特開2012−22331号公報 特開2015−64573号公報
本発明が解決しようとする課題は、低温定着性と耐ブロッキング性を両立でき、画質に優れた静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明者は、低温定着性と耐ブロッキング性を両立するために最も効果的な形態とは、トナーの示差走査熱量計(DSC)で測定されるガラス転移温度(Tg)が特定の範囲をとり、かつ、トナーを外添剤剥離処理した後のBET比表面積を[比表面積BET]とし、フロー式粒子分析装置で測定される比表面積を[比表面積FPIA]としたとき、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が特定の範囲をとるように調整することが有効であることを見出した。
本発明は、上述した知見に基づくものであり、本発明の要旨は以下の通りである。
<1>
トナーの示差走査熱量計(DSC)で測定されるガラス転移温度(Tg)が38.5℃以上45.5℃以下であり、かつ、
トナーを外添剤剥離処理した後のBET比表面積を[比表面積BET]とし、トナーを外添剤剥離処理した後にフロー式粒子分析装置で測定される比表面積を[比表面積FPIA]としたとき、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が0.60m/g以上1.60m/g以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
<2>
レオメーターで40℃以上80℃以下に観測される1回目測定のtanδ極大値温度における貯蔵弾性率(G’)が1.10×10Pa以上2.95×10Pa以下である<1>に記載の静電荷像現像用トナー。
<3>
レオメーターで40℃以上80℃以下に観測されるtanδ極大値の1回目測定値を[tanδ1st]とし、40℃以上80℃以下に観測されるtanδ極大値の2回目測定値を[tanδ2nd]としたとき、[tanδ2nd]/[tanδ1st]が1.30以上2.36以下である<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナー。
<4>
少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナー母粒子、及び、外添剤を含む<1>ないし<3>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<5>
少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する内部成分と、その周囲に存在する追添加粒子成分とを含有し、透過型電子顕微鏡で測定したときの、内部成分と追添加粒子成分に陰影差がない<4>に記載の静電荷像現像用トナー。
<6>
平均円形度が0.95〜0.99である<1>ないし<5>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<7>
体積平均粒径が5〜8μmである<1>ないし<6>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<8>
ワックスを含有する<1>ないし<7>の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
本発明によれば、前記問題点や課題を解決し、低温定着性と耐ブロッキング性を両立した静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーをレオメーターで測定するときのtanδのグラフの模式図である。 母粒子表面に追添加粒子が過度に多く存在する状態のトナーの一例を示す断面模式図である。 母粒子表面に追添加粒子が存在する量が過度に少ない状態のトナーの一例を示す断面模式図である。 母粒子表面に追添加粒子が存在する量が過度に少ない別の状態のトナーの一例を示す断面模式図である。 本発明の静電荷像現像用トナーをレオメーターで測定するときの成型体の断面の模式図である。 本発明の実施例で製造した静電荷像現像用トナー1個の一部分を拡大したSEM画像であり、トナー表面の凹部には薄膜化した追添加粒子成分が少なく、凸部には該成分が多く存在する態様を示す図(写真)である。
1.測定方法、定義
本発明においては、外添剤を有する前のものを「トナー母粒子」と称する。該トナー母粒子の表面に外添剤を有するものを「トナー」又は「静電荷像現像用トナー」と称する。
また、ガラス転移温度を単に「Tg」と言うことがある。
本発明のトナーは、「少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナー母粒子」、及び、「外添剤」を含むものであることが好ましく、更に、「少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する内部成分」と、「その周囲に存在する追添加粒子成分」とを含有するものであることが特に好ましい。
後述するような何れのトナー母粒子の調製方法においても、「追添加粒子」や「追添加成分」とは、トナー母粒子の表面に偏在しているものを言う。トナーになったときの追添加粒子(成分)の形状は、微粒子であっても薄膜であってもよく、更には、連続的に内部成分を覆っていても非連続的に内部成分を覆っていてもよいが、追添加粒子が扁平状に薄膜化し追添加粒子の添加量の割に被覆率を上げている状態が好ましく、この追添加粒子による薄膜と内部成分の地肌が共連続構造を有している状態がより好ましく、更に、この薄膜がトナー表面の凹部Bに比べ凸部Aに、より選択的に付着している(つまり内部成分の地肌が見えている部分が凹部に比べ凸部の方が少ない)状態が更に好ましい。
例えば、図6は、本発明の1個のトナーの一部分の拡大写真であるが、トナーにおけるトナー母粒子の表面の凹部Bには黒く見える表皮(内部成分の地肌)が多く観測され、トナーにおけるトナー母粒子の表面の凸部Aには、庇部分がない薄膜化した表皮(追添加粒子成分)が多く観測されている。
従来のトナーのトナー母粒子のコアシェル構造は、コアをシェルが全体的に覆っているか、トナー母粒子表面の凹凸に関係なく、コアを部分的にシェルが覆っている構造であり、シェルがコアとは独立した表皮(その場合、シェルが「かさぶた」のように見えることがある)としてコアの表面を覆っているような構造であった。
湿式媒体(水系及び又は有機溶剤を連続相とする)中で、トナー母粒子を作製する場合には、内部成分とほぼ同時に追添加粒子を添加し、極性制御等によって内部成分と湿式媒体の界面に追添加粒子(成分)を配置する方法と、内部成分の後に追添加粒子を添加し、物理的に内部成分の表面に追添加粒子(成分)を配置させる方法がある。内部成分の後に追添加粒子を添加する場合は、内部成分の組成が決まってから(その後の、加熱、熟成、撹拌等によって、内部成分の形状、物性、相溶等は変化することがある)、追添加粒子を追添加する方法が挙げられる。更に、この両方の方法を組み合わせて、追添加粒子(成分)を配置させる方法がある。本発明のトナーは、上記製造方法で製造されたような「物としての態様」を有している。
トナーの、DSCによるガラス転移温度(Tg)の測定;[比表面積BET]及び[比表面積FPIA]の測定;G’、G”、tanδ等のレオメーター測定;等は、以下の手順や実施例に記載の方法で行い、本発明のトナーには、以下の手順や実施例に記載の方法で測定したときの数値(パラメーター)を有する(示す)ものが含まれる。他の測定方法で測定した場合でも、トナー自体が、ここに記載の測定方法で測定したときに本発明の範囲を示すものであれば、本発明に含まれる。
1.1.ガラス転移温度(Tg)
DSCによるTgの測定は、ティー・エイ・インスツルメント社のQ20を用い、以下の通り行う。
トナー3±1mgをアルミニウム製パンに入れて0.1mgの桁まで精秤し、酸化アルミニウム3mgを充填したアルミニウム製パンをリファレンスとして、窒素気流中、0℃から120℃まで10℃/分で昇温する。120℃にて10分間保持した後、10℃/分で0℃まで降温し、5分間保持した後に、10℃/分で再び120℃まで昇温する。
2回目昇温時の吸熱ピーク前のベースラインと、吸熱ピーク開始後、30〜55℃に現れる最初の変曲点における接線の交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
1.2.[比表面積BET]−[比表面積FPIA
[比表面積BET]−[比表面積FPIA]は、外添後に、NaOHを用いて外添剤を除去してトナー母粒子表面を出したのち比表面積を測定することによって求める。
トナーを外添剤剥離処理した後のBET比表面積である[比表面積BET]は、トナー母粒子の粒径と円形度と表面の凹凸の全てを捉えた数値である。
一方、フロー式粒子分析装置で測定する比表面積である[比表面積FPIA]は、その測定法や解像度から、主にトナー母粒子の粒径と円形度を捉えた数値と考えられる。
よって、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]は、トナー母粒子表面の凹凸を表していると推定される。このトナー母粒子表面の凹凸は、耐ブロッキング性を得るために重要である。
本発明において、トナーの外添剤剥離処理は以下の手順で行う。以下のように外添剤剥離処理を行って、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が、本発明の数値範囲内に入るトナーは、本発明の範囲に含まれる。すなわち、[比表面積BET]、[比表面積FPIA]及び「[比表面積BET]−[比表面積FPIA]」を、他の手順(方法)、他の(測定)装置(器具)、他の外添剤剥離処理等を用いた(で測定した)場合であっても、トナー自体が、以下に記載の手順・測定方法で測定したときに、本発明の数値(パラメーター)範囲を有する(示す)ものであれば、本発明に含まれる。
200mLガラスビーカー中のトナー3.5gに、10mol/L水酸化ナトリウム水溶液60mL及び中性界面活性剤水溶液(和光純薬工業(株)コンタミノンN(R) 3倍希釈)1mLを加え、液面に浮いたトナーを金属スパチュラー等で穏やかにかき混ぜて水溶液と馴染ませた後、30mm回転子を投入してマグネティックスターラーにて60分間トナーが液中に分散するに十分な強度で撹拌し、3μm孔径のポリテトラフルオロエチレンメンブレンフィルターで吸引濾過する。
水溶液がロートに残っている間に、中性洗剤希釈水溶液(例えば、ライオン株式会社チャーミーマジカ(R)の20倍希釈水溶液)30mLを濾過中のスラリーに回しかけし、次いで、イオン交換水30mLでスラリーを濯ぎながら1回目の濾過を完了させる。
500mLガラスビーカーにフィルター捕集物を回収して300mLのイオン交換水を加え、30mm回転子を投入してマグネティックスターラーにて捕集物が液中に分散するに十分な強度で3分間撹拌後、定量濾紙5Aを装着したビフネルロートで吸引濾過する。
濾過終了後、濾紙捕集物に1回目濾過と同じ中性洗剤希釈水溶液30mLを回しかけ、次いで、イオン交換水100mLで濯ぐ。濾紙捕集物を濾紙ごと蒸発皿に入れ、室温(20〜30℃)で15時間自然乾燥し、得られた粉体を外添剤剥離後トナーとする。
BET比表面積測定は、Mountech社製、全自動比表面積測定装置、Macsorb HM model−1208を用い、以下の手順で行う。
サンプル約0.5gをガラスセルに入れ、0.1mgの桁まで精秤する。セルを装置に取り付け、窒素気流中40℃で20分脱気した後、セルを液体窒素に浸した状態で窒素をサンプルに吸着させ、次いで、室温にて吸着窒素を脱離させ、その吸脱着カーブとヘリウム/窒素混合ガスを用いたキャリブレーション及びサンプル重量に基づいて、BET法による比表面積を算出する。
フロー式粒子分析装置で測定する比表面積は以下の手順で行う。
100mLガラスビーカー中のトナー0.2gに、20質量%DBS水溶液を、粉体面を全て覆うように2.0g添加し、粉体が舞わないようにスパチュラーで均一になるまで練る。次いで、超音波分散機(AS ONE社製、型式:ULTRASONIC CLEANER VS−150)で、分散しながら3分間スパチュラーで更に練る。
その後、分散媒として、ベックマンコールター社製アイソトンIIを25g添加し、スターラーで10分撹拌する。目開き60μmのふるいで濾過し、超音波分散機で5分間分散させる。泡を除去する為に、再度ふるいで濾過する。アイソトンIIを用いて5720〜7140個/μLの範囲になるように希釈し、フロー式粒子分析装置(FPIA3000:シスメックス社製)を用いて、HPF分析量0.35μL、HPF検出量2000〜2500個の条件下でHPFモードにより測定する。
密度:1、円相当径:D(μm)、円形度:R、として、1≦D≦30かつ0.7≦R≦1.0のデータ全てについて、下式を用いて1粒子あたりの表面積(μm)及び体積(μm)を求める。
密度を1とするので体積=質量となる。表面積及び質量の平均値を求める。平均表面積/平均質量をフロー式粒子分析装置で測定する[比表面積FPIA](m/g)とする。
表面積:(4/R)π(D/2)
質量 :(4/3)π(D/2)
1.3.貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、tanδ、tanδ極大値、tanδ極大値温度、[tanδ1st]、[tanδ2nd]、[tanδ2nd]/[tanδ2nd]等のレオメーター測定、及び、昇温条件(トナーの加熱の経緯)
トナーのレオメーター測定は以下の手順で行う。
測定は、TA Instruments製レオメーターARES(測定制御ソフトウェアTA Orchestrator V7.2.0.2)を用い、以下の通り行う。
本発明における「1回目測定の測定値」及び「2回目測定の測定値」は、ペレット(成型体)の作製・態様、昇温条件等を以下のように設定して測定したものと定義される。「2回目測定の測定値」に影響を与える「1回目測定のトナーのペレット成型、昇温等」は、1回目測定において下記のようにしたものと定義される。
他の、ペレット成型態様、測定方法、昇温方法、熱履歴(加熱経験)等でトナーを測定したような場合であっても、トナー自体が、以下に記載の手順・測定方法で測定したときに、本発明の数値(パラメーター)範囲を有する(示す)ものであれば、本発明に含まれる。
[8mm円筒ペレット測定]
サンプル約0.3gを、8mm径用の治具に入れ、50℃に加熱したプレス機(小平製作所 5トンプレス PE−5Y)によって型締力1.25トン(ゲージ25kg/cm)で15分間加圧し、ペレットに成型する。本発明において、これを「成型体」と略記する場合がある。
測定に使用するアルミニウム製8mmディスポーザブルプレート表面には、格子状に縦横各12本、開口部の幅50〜100μm、深さ1〜10μm(平均3〜5μm)の傷を形成しておく。
1回目昇温測定:ペレット(成型体)を上下直径8mmの円形パラレルプレートを装着した測定装置にセットし、40℃に昇温した状態で上部プレートを下げて、フォース‘Force’を200gに調整した後、以下の条件で測定する。
治具コンプライアンス ‘Fixture compliance’ 0
プレート慣性 ‘Tool inertia’ 0
測定周波数 ‘Frequency’ 6.28rad/sec
初期温度 ‘Initial Temp.’ 40.0℃
最終温度 ‘Final Temp.’ 120.0℃
昇温速度 ‘Ramp Rate’ 4.0℃/min
昇温後保持時間 ‘Soak Time After Ramp’ 20s(秒)
測定サイクル時間 ‘Time Per Measure’ 10s(秒)
歪み ‘Strain’ 0.025%
オプション ‘Option’
初期温度到達後測定前保持時間 ‘Delay Before Test’ 非設定
自動テンション調整 ‘Auto Tension Adjustment’
自動テンション調整 ‘Auto Tension Adjustment’ 設定
自動テンション方向 ‘Auto Tension Direction’ Compression (圧縮)
初期フォース ‘Initial Static Force’ 204.0g
自動テンション感度 ‘Auto Tension Sensitivity’ 2.0g
自動テンション切り替え ‘Switch Auto Tension to Programmed Extension’
サンプル弾性率設定 ‘When Sample Modulus’ < 3.00e+05Pa
最大自動テンション速度 ‘Max Auto Tension Rate’ 0.01mm/s(mm毎秒)
自動歪み調整 ‘Auto Strain Adjustment’
自動歪み調整 ‘Auto Strain’ 設定
最大歪み ‘Max Applied Strain’ 40.0%
最大許容トルク ‘Max Allowed Torque’ 100.0gf・cm
最小許容トルク ‘Min Allowed Torque’ 0.2gf・cm
歪み調整 ‘Strain Adjustment’ 20.0%
測定終了時設定 ‘End of Test’
温度制御オフ ‘Turn OFF Temp Controller’ No
測定終了後温度設定 ‘Set End of Test Temp’ Yes
測定終了後温度 ‘Set End of Test Temp to’ 40.0℃
モーターオフ ‘Turn OFF Motor’ No
ホールド ‘Turn Hold ON’ Yes
2回目昇温測定:40℃まで温度が下がったら、1回目と同じ条件で2回目昇温時の測定を行う。ただし測定終了時の設定は以下の通りとする。1回目の測定が終了したら、自動的に空冷し、40℃になった時点で、ペレット(成型体)を取り出さず、直ぐに2回目昇温時の測定を開始する。
測定終了時設定 ‘End of Test’
温度制御オフ ‘Turn OFF Temp Controller’ No
測定終了後温度設定 ‘Set End of Test Temp’ Yes
測定終了後温度 ‘Set End of Test Temp to’ 120.0℃
モーターオフ ‘Turn OFF Motor’ No
ホールド ‘Turn Hold ON’ No
本発明において、貯蔵弾性率(G’)を単に「G’」と、損失弾性率(G”)を単に「G”」と、tanδ(=G”/G’)を単に「tanδ」と記載することがある。
40℃以上80℃以下に観測される1回目測定のtanδ極大値温度におけるG’は、以下のように求める。1回目昇温測定で得られたG’とG”からtanδを求める。40℃以上80℃以下の範囲で、図1のようにtanδが極大値になる温度を求める。極大値温度におけるG’の値を求める。
[tanδ2nd]/[tanδ1st]は以下のように求める。
1回目昇温測定で得られたG’とG”からtanδを求め、図1のように、40℃以上80℃以下に観測される極大値[tanδ1st]を求める。同様に、2回目測定の40℃以上80℃以下に観測される極大値[tanδ2nd]を求める。
次いで、それらの値から、[tanδ2nd]/[tanδ1st]を求める。
2.静電荷像現像用トナーの規定
2.1.ガラス転移温度(Tg)
本発明のトナーのDSCで測定されるTgは、38.5℃以上45.5℃以下であり、トナーを外添剤剥離処理した後のBET比表面積とフロー式粒子分析装置で測定される[比表面積BET]−[比表面積FPIA]は、0.60m/g以上1.60m/g以下である。
トナーのTgは、38.5℃以上45.5℃以下が好ましく、39.0℃以上45.0℃以下がより好ましく、39.5℃以上44.5℃以下が特に好ましい。
Tgが高過ぎると低温定着性が不足する場合があり、Tgが低過ぎると耐ブロッキング性が不足する場合がある。
2.2.[比表面積BET]−[比表面積FPIA
[比表面積BET]−[比表面積FPIA]は、外添前のトナー母粒子ではなく、外添後のトナーを外添剤剥離処理したトナー母粒子を用いて測定し、その差を制御することが重要であることがわかった。詳細は後述するが、本発明のトナーは、「少なくとも結着樹脂、着色剤を含有する内部成分」と、その周囲に存在する追添加粒子及び外添剤とからなる。
追添加粒子は、外添や外添操作によって形状が変化する。よって、外添後のトナー母粒子の表面構造がトナー性能に関係する、と推定している。
[比表面積BET]−[比表面積FPIA]は、0.60m/g以上、好ましくは0.75m/g以上、より好ましくは0.90m/g以上であり、1.60m/g以下、好ましくは1.55m/g以下、より好ましくは1.50m/g以下である。
例えば、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が、1.60m/gより大きい場合は、図2で示す様に結着樹脂の周りを追添加粒子が過度に覆っている状態のトナーだと推定される。
また、例えば、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が、0.60m/g未満の場合は、図3、図4で示すように母粒子表面に追添加粒子が存在する量が過度に少ない状態のトナーだと推定される。
従って、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が大き過ぎると、低温定着性が不足する場合があり、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が小さ過ぎると、耐ブロッキング性が不足する場合がある。
2.3.貯蔵弾性率(G’)
レオメーターで40℃以上80℃以下に観測される1回目測定のtanδ極大値温度におけるG’は、外添後に追添加粒子由来で形成される凸部の割合を表しており、この数値が1.10×10Pa以上2.95×10Pa以下の場合には、外添後に「追添加粒子由来で形成される凸部」Aの割合が適度であることを意味していると推測される。
つまり、2.95×10Paより大きい場合は、外添後に「追添加粒子由来で形成される凸部」Aの割合が過度な状態であり、1.10×10Pa未満であるときは、外添後に「追添加粒子由来で形成される凸部」Aの割合が過少な状態であると推定される。
レオメーターで40℃以上80℃以下に観測される1回目測定のtanδ極大値温度におけるG’は、下限は、1.10×10Pa以上が好ましく、1.20×10Pa以上がより好ましく、1.30×10Pa以上が特に好ましい。
また、上限は、2.95×10Pa以下が好ましく、2.85×10Pa以下がより好ましく、2.75×10Pa以下が特に好ましい。
2.4.[tanδ2nd]/[tanδ1st
本発明の静電荷像現像用トナーは、[tanδ1st]と[tanδ2nd]は同じ値にならない。これは、1回目の測定の加熱によってトナーの構造に変化が生じたことを示していると考えられ、その理由は以下のように推定している。
測定試料は、トナーを極力加熱せずにペレットに成型して作成するので、成型後もトナーの内部と表面の組成の差をそのまま維持し、その結果、図5に示すような、追添加粒子成分及び外添剤からなる構造体が全体に形成されている。以下、レオメーターでの測定のペレット(成型体)における「追添加粒子成分及び外添剤からなる構造体」を、単に「構造体」と略記する場合がある。
1回目の測定では、この構造体を有する試料を測定している。
2回目の測定では、1回目の測定時の加熱によって内部と追添加粒子成分と外添剤が溶融混合し組成が平均化された状態の試料を測定している。
[tanδ2nd]/[tanδ1st]が大きい場合は、追添加粒子と外添剤が存在し、[tanδ2nd]/[tanδ1st]が小さい場合は、追添加粒子と外添剤が形成する割合が少なく、その結果、図5のような構造体が形成されていないと推定される。
耐ブロッキング性と低温定着性のバランスをとるためには、[tanδ2nd]/[tanδ1st]が適正な範囲である必要があり、この範囲は1.30以上2.36以下であることが好ましい。この範囲であるトナーは、トナー母粒子表面近傍に追添加粒子成分が薄く存在し、更に、その外側に外添剤が外添されている状態であり、本発明の前記効果を奏し易い。
[tanδ2nd]/[tanδ1st]は、下限は、1.30以上が好ましく、1.54以上がより好ましく、1.83以上が特に好ましい。また、上限は、2.36以下が好ましく、2.11以下がより好ましく、2.00以下が特に好ましい。この範囲であると、耐ブロッキング性と低温定着性のバランスが優れたトナーとなる。
[tanδ2nd]/[tanδ1st]が大きいと、耐ブロッキング性が良化する傾向があり、[tanδ2nd]/[tanδ1st]が小さいと、低温定着性が良化する傾向がある。
[tanδ2nd]/[tanδ1st]が、この範囲であるトナーは、トナー母粒子の表面を覆う状態で追添加粒子成分が薄く存在し、更にその外側に外添剤が外添されている状態であると推定され、更には追添加粒子成分と内部成分が、1回目の測定時より2回目の測定時の方がある程度相溶しているという、付かず離れずと言った絶妙な極性バランスで構成されている。
例えば、内部成分と追添加粒子成分が全く異なる化学成分であったり、追添加粒子成分が塩等の極端にTgが高い成分であったりすると、レオメーターでの1回目の測定前後で、(例えば相溶しない等)構造変化が起こらないため、[tanδ2nd]/[tanδ1st]は1に近づく。
なお、レオメーターでの1回目の測定時の「加熱とシェアー」は、静的条件で加熱しており、また、トナー粒子単位の小さな部分(例えば前記記載や図5参照)での変化が起こっている。
また、接着強度を高くし部材汚染を減らす観点から、透過型電子顕微鏡で測定したときの、内部成分と追添加粒子成分の陰影差がないことが特に好ましい。透過型電子顕微鏡の測定条件は、実施例に記載の通り測定し、「陰影差」については、そのように測定したときの写真を肉眼で見たときの「陰影差」とする。
ここで、「陰影差がない」とは、内部成分と追添加粒子成分の染色度合い(白黒度合い)の差がなく、追添加粒子成分の縁(すなわち、内部成分と追添加粒子成分の境界)が見えないことを言う。ただし、上記「陰影差がない」は、陰影差が明瞭ではなく、殆ど陰影差が見えない態様まで除外するものではない。
本発明の静電荷像現像用トナーとは、本明細書(実施例等)に記載の測定方法(装置、設定等)で測定したときに、そのような数値(パラメーター)を有する(示す)トナーのことである。
すなわち、数値(パラメーター)を他の装置や他の設定で測定した場合であっても、トナー自体が、本願明細書の実施例等に記載の測定方法で測定したときに、該数値(パラメーター)を有するような(示すような)ものであれば、本発明に含まれる。
2.5.トナー母粒子の組成
2.5.1.内部成分
トナー母粒子は、「少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する内部成分」と、その周囲に存在する追添加粒子とからなる。内部成分及び/又は追添加粒子には、その他必要に応じてワックス、帯電制御剤等を含有していてもよい。
本発明において、トナー母粒子やトナーを形成させたときに、該追添加粒子が「追添加の際の当初の粒子形状」を保っていないときを含め、「追添加粒子に含まれる成分」や「追添加粒子に起因する成分」を「追添加粒子成分」と言う。
また、トナー母粒子やトナーにおける「追添加粒子成分」は、粒子状、薄膜状、他の成分との混合状態・相溶状態等の形態があるが、「追添加粒子成分」を、単に「追添加粒子」と略記することもある。
結着樹脂としては、一般にトナーを製造する際に結着樹脂として用いられるものであればよく、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂、これらの樹脂の混合物等が挙げられる。
結着樹脂を製造するために用いる単量体成分としては、一般的にトナーの結着樹脂を製造する際に用いられている単量体を適宜用いることができる。
例えば、酸性基を有する重合性単量体(以下、単に酸性単量体と称すことがある)、塩基性基を有する重合性単量体(以下、単に塩基性単量体と称することがある)、酸性基も塩基性基も有さない重合性単量体(以下、その他の単量体と称することがある)の何れの重合性単量体も使用することができる。
結着樹脂として、ポリスチレン系共重合体樹脂及びポリ(メタ)アクリル系樹脂を使用する場合、以下の単量体が例として挙げられる。「スチレン系又は(メタ)アクリル系単量体」を、以下単に「単量体組成物」と略記する場合がある。
酸性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体;スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性単量体;ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性単量体;等が挙げられる。
塩基性単量体としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物;ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有重合性単量体;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;等が挙げられる。
これら酸性単量体及び塩基性単量体は、トナー母粒子の分散安定化に寄与する。単独で用いても複数種類を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。
その他の単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;等が挙げられる。「その他の単量体」は、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
結着樹脂を架橋樹脂とする場合、上述の重合性単量体と共に多官能性単量体が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサエチレングリコールジメタクリレート、ノナエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。
中でも二官能性重合性単量体が好ましく、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート等が特に好ましい。これら多官能性重合性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよい。
また、反応性基をペンダントグループに有する重合性単量体、例えば、グリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。
必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤の具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、ドデカンチオール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等が挙げられる。連鎖移動剤は単独又は2種類以上の併用でもよく、重合性単量体に対して0〜5質量%が好ましい。
ポリスチレン系共重合体樹脂及びポリ(メタ)アクリル系樹脂を結着樹脂とする場合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと記載する)における数平均分子量は好ましくは5000以上、より好ましくは8000以上、更に好ましくは1万以上であり、好ましくは4万以下、より好ましくは3万以下、更に好ましくは2万以下であることが望ましい。重量平均分子量は、好ましくは3万以上、より好ましくは5万以上、好ましくは30万以下、より好ましくは25万以下であることが望ましい。
結着樹脂としてポリエステル系樹脂を使用する場合、2価のアルコールとして、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物;等が挙げられる。
2価の酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物若しくは低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸類若しくはアルキルコハク酸類;その他の2価の有機酸が挙げられる。
結着樹脂を架橋樹脂とする場合、上述の重合性単量体と共に多官能性単量体が用いられ、例えば、3価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他が挙げられる。
3価以上の酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、これらの無水物、その他が挙げられる。
また、ポリエステル系樹脂の酸価について、水中で追添加粒子を付着させることにより製造する場合には、トナー母粒子のコア(中心部)成分(内部成分)よりも追添加粒子の酸価を高めた方が好ましく、具体的には、追添加粒子の酸価を内部成分の酸価よりも1.1倍以上2.8倍以下に調整することが好ましい。
この倍数が大きいと、追添加粒子が内部成分に埋没し難いため、満足いく耐ブロッキング性が得られ、この倍数が小さいと、「コア(中心部)成分(内部成分)に比し水中で追添加粒子が安定化し過ぎる」ということがなく、追添加粒子が内部成分に好適に付着し易い。
これらのポリエステル樹脂は、通常の方法にて合成することができる。具体的には、反応温度(170〜250℃)、反応圧力(5mmHg〜常圧)等の条件をモノマーの反応性に応じて決め、所定の物性が得られた時点で反応を終了すればよい。
結着樹脂としてポリエステル系樹脂を使用する場合のGPCにおける数平均分子量は、好ましくは2000〜20000、より好ましくは3000〜12000であることが望ましい。
オフセット防止剤として、また、低温定着性向上のために、ワックスを使用することが好ましい。
本発明のトナーに用いられるワックスは、公知のワックスを任意に使用することができるが、具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;長鎖脂肪酸(ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の)多価アルコールエステル若しくはその部分エステル体;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;等が例示される。
好ましくは、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素系ワックス;エステル系ワックス;シリコーン系ワックス;等が挙げられる。中でも、エステル系ワックスがより好ましく、C18及び/又はC22の炭化水素を主体的に含むモノエステルワックスを主に含むものが更に好ましく、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、それらを主に含むものが最も好ましい。ワックスは単独で用いても混合して用いてもよい。
ワックスの融点ピーク(トナーのDSC2回目昇温時における吸熱ピークトップ)は、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、75℃以下が更に好ましく、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、65℃以上が更に好ましい。ワックスの融点ピークが低過ぎる場合、耐ブロッキング性が悪化する傾向にあり、ワックスの融点ピークが高過ぎる場合、低温定着性を損なう傾向にある。
また、ワックスの融点ピークとワックスのオンセット温度(トナーのDSC2回目における吸熱ピーク前のベースラインと、吸熱ピーク前に現れる最初の変曲点における接線の交点温度)の差は、10℃以下であることが好ましく、8℃以下であることがより好ましく、4℃以下であることが更に好ましい。
また、ワックスのオンセット温度は、86℃以下が好ましく、76℃以下がより好ましく、71℃以下が更に好ましく、46℃以上が好ましく、56℃以上がより好ましく、61℃以上が更に好ましい。上記オンセット温度が低い場合、低温定着性が良化する傾向にあり、上記オンセット温度が高い場合、耐ブロッキング性が良化する傾向にある。
ワックスの融点は、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましく、40℃以上が好ましく、50℃以上が更に好ましい。
ワックスの量は、トナー100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。また、35質量部以下であることが好ましく、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。
着色剤としては公知の着色剤を任意に用いることができる。着色剤の具体的な例としては、カーボンブラック、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料等、公知の任意の染顔料を単独で又は混合して用いることができる。
フルカラートナーの場合には、イエローは、ベンジジンイエロー系、モノアゾ系、縮合アゾ系の染顔料;マゼンタは、キナクリドン系、モノアゾ系の染顔料;シアンは、フタロシアニン系の染顔料;等をそれぞれ用いることが好ましい。
着色剤は、トナー100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下となるように用いることが好ましい。
帯電制御剤としては公知のものを任意に用いることができる。帯電制御剤の具体的な例としては、正帯電性用としてニグロシン染料、アミノ基含有ビニル系コポリマー、四級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂等があり、負帯電性用としてクロム、亜鉛、鉄、コバルト、アルミニウム等の金属を含有する含金属アゾ染料、サリチル酸若しくはアルキルサリチル酸の前記した金属との塩、金属錯体等がある。
帯電制御剤の量は、トナー100質量部に対して、0.1〜25質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましい。
帯電制御剤はトナー母粒子内部に混合してもよく、またトナー母粒子表面に付着させた形で用いてもよい。
2.5.2.追添加粒子(成分)
トナー母粒子は、前記内部成分と、その周囲に存在する追添加粒子成分とからなる。その他必要に応じて、内部成分及び/又は追添加粒子には、ワックス、帯電制御剤等を含有していてもよい。
追添加粒子の成分である「追添加粒子成分」の種類としては、トナーを製造する際に結着樹脂として用いられる前記樹脂が挙げられる。
樹脂の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂、これらの樹脂の混合物等が挙げられる。
3.静電荷像現像用トナーの作製
本発明のトナーは公知の何れの方法で製造してもよく、特に限定されない。
3.1.トナー母粒子の作製方法
3.1.1.トナー母粒子より小さい粒子を凝集してトナー母粒子を作製する方法
各原料をトナー母粒子サイズより小さい粒子として用意し、これらを混合・凝集することでトナー母粒子を得る方法を用いることができる。
3.1.1.1.乳化重合
結着樹脂をトナー母粒子サイズより小さい「重合体一次粒子」として調製し、該重合体一次粒子の分散液を得る方法を以下に述べる。
また、追添加粒子の作製にも、これと同様の方法を用いることができる。
スチレン系又は(メタ)アクリル系単量体(単量体組成物)を構成要素とする重合体一次粒子は、前述の単量体組成物と、必要に応じ連鎖移動剤を、乳化剤を用いて乳化重合することによって得られる。
乳化剤としては公知のものが使用できるが、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤を併用して用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下で用いられることが好ましい。乳化剤の使用量を多くすると、得られる重合体一次粒子の粒径が小さくなり、使用量を少なくすると、得られる重合体一次粒子の粒径が大きくなる。また、これらの乳化剤に、例えば、部分又は完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の1種又は2種以上を保護コロイドとして併用することができる。
また、必要に応じて公知の重合開始剤を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩、及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル、等が用いられる。これら重合開始剤は重合性単量体添加前、添加と同時、添加後の何れの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
トナー中に好適な分散粒径でワックスを分散させるために、乳化重合時にワックスをシードとして添加する、いわゆるシード重合とすることが好ましい。シードとして添加することにより、ワックスがトナー中に微細かつ均一に分散するため、トナーの帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。
また、ワックスをステアリルアクリレート等の長鎖重合性単量体と予め水系分散媒体中で分散し得られるワックス・長鎖重合性単量体分散液を調製し、ワックス・長鎖重合性単量体の存在下において重合性単量体を重合することもできる。
着色剤をシードとして乳化重合することも可能だが、着色剤存在下で重合性単量体を重合すると、着色剤中の金属がラジカル重合に影響し、樹脂の分子量やレオロジー制御が困難となり、所望の物性が得られないおそれがあるため、着色剤を乳化重合時には添加せず、次工程で着色剤分散液を添加する方法が好ましい。
3.1.1.2.樹脂を乳化する方法
塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法で樹脂を得た後、水系媒体と混合し、樹脂の融点かガラス転移温度の何れかの高い温度以上に加熱して樹脂の粘性を下げて、剪断力を与えて乳化することで、重合体一次粒子が得られる。
剪断力を与えるための乳化機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。
乳化時の樹脂の粘度が高く所望の粒径まで小さくならない場合は、大気圧以上に加圧可能な乳化装置を用いて温度を上げ、樹脂粘度を下げた状態で乳化することで、所望の粒径の重合体一次粒子を得ることができる。
別の方法として、あらかじめ樹脂に有機溶剤を混合して樹脂の粘度を下げる方法を用いてもよい。使用される有機溶剤としては、樹脂を溶解させるものであれば特に限定はないが、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等のベンゼン系溶剤等を用いることができる。更に、水系媒体との親和性向上、及び、粒度分布制御の目的で、エタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤を水若しくは樹脂に添加してもよい。有機溶剤を添加した場合は、乳化終了後、乳化液から有機溶剤を除去する必要がある。有機溶剤を除去する方法としては、常温若しくは加熱下で減圧しながら有機溶剤を揮発させる方法等がある。
また、粒度分布制御の目的で、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩や、アンモニア等を添加してもよい。
粒度分布制御の目的で、乳化剤や分散剤を添加してもよい。例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、の等の水溶性高分子;前記の乳化剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。使用量としては、樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
酸性基又は塩基性基を含有する樹脂を用いると、乳化剤や分散剤の添加量を減らすことができるが、樹脂の吸湿性が高くなり、帯電性が悪化する場合がある。
また、転相乳化法を用いてもよい。転相乳化法は、樹脂に、必要に応じて有機溶剤や中和剤や分散安定剤を添加して、撹拌下にて、水系媒体を滴下して、乳化粒子を得た後、樹脂分散液中の有機溶剤を除去して、乳化液を得る方法である。有機溶剤は、前述の有機溶剤と同様のものを用いることができる。中和剤としては、硝酸、塩酸、水酸化ナトリウム、アンモニア等一般の酸、アルカリを用いることができる。
3.1.1.3.凝集・熟成によるトナー母粒子の形成
上記乳化重合及び樹脂の乳化の何れの調製方法においても、得られる重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以上であり、好ましくは0.05μm以上であり、特に好ましくは0.1μm以上であり、通常3μm以下であり、好ましくは2μm以下であり、特に好ましくは1μm以下である。
重合体一次粒子の体積平均粒径が前記範囲よりも小さいときは、凝集工程において凝集速度の制御が困難となる場合がある。一方で、前記範囲よりも大きいときは、凝集して得られるトナー母粒子の粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナー母粒子を得ることが困難となる場合がある。
凝集工程は、前記の、重合体一次粒子、着色剤粒子、必要に応じて帯電制御剤、ワックス等の配合成分は、同時に又は逐次に混合する。予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、着色剤粒子分散液、必要に応じ帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製しておき、これらを混合して混合分散液を得ることが、組成の均一性及び粒径の均一性の観点で好ましい。
着色剤は、乳化剤の存在下で水中に分散した状態で用いるのが好ましく、着色剤粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.01μm以上、特に好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは3μm以下、特に好ましくは1μmである。
凝集工程において、凝集は、通常、撹拌装置を備えた槽内で行われるが、加熱する方法、電解質を加える方法と、これらを組み合わせる方法とがある。
重合体一次粒子を撹拌下に凝集して目的とする大きさの粒子凝集体を得ようとする場合、粒子同士の凝集力と撹拌による剪断力とのバランスから粒子凝集体の粒径が制御されるが、加熱するか又は電解質を加えることによって凝集力を大きくすることができる。
電解質を添加して凝集を行う場合の電解質としては、酸、アルカリ、塩の何れでもよく、有機系、無機系の何れでもよいが、具体的には、酸として、塩酸、硝酸、硫酸、クエン酸等;アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等;塩として、NaCl、KCl、LiCl、NaSO、KSO、LiSO、MgCl、CaCl、MgSO、CaSO、ZnSO、Al(SO、Fe(SO、CHCOONa、CSONa等が挙げられる。
これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
電解質の添加量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、0.02質量部以上が好ましく、0.05質量部以上が更に好ましい。また、25質量部以下が好ましく、更には15質量部以下、特に10質量部以下が好ましい。
添加量が少な過ぎると、凝集の進行が遅くなり凝集後も1μm以下の微粉が残ったり、得られた粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しない等の問題を生じたりする場合があり、一方、多過ぎると、急速な凝集になり易く粒径の制御が困難となり、得られた凝集粒子中に粗粉や不定形のものが含まれる等の問題を生じる場合がある。
電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は、好ましくは20℃以上、特に好ましくは30℃以上であり、好ましくは70℃以下、特に好ましくは60℃以下である。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナー母粒子の粒径が目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で、少なくとも30分以上保持することが好ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温してもよいし、段階的に昇温することもできる。
追添加粒子の組成や調製方法としては、前述のものが挙げられる。添加は1回であってもよいし、複数回であってもよい。1回目に追加した追添加粒子と、次回以降に追加した追添加粒子とは、異なっていてもよく、いかなる組み合わせであってもよい。
追添加粒子を添加するタイミングは、どのタイミングであってもよく、内部成分の原料(例えば、重合体一次粒子、顔料、WAX等)と同時に仕込んでもよいし、内部成分の原料の一部若しくは全てを凝集させた後に添加してもよい。
内部成分と追添加粒子を同時に仕込む場合は、内部成分と媒体(例えば水)の中間の極性になる様に追添加粒子の極性を設計すれば、自発的に内部成分の周りに追添加粒子が付着した状態になる。
後述の作製方法も含め、水中及び/又は有機溶剤中のような湿式媒体中で、追添加粒子を付着させる場合は、内部成分の原料の組成が決まった後、追添加粒子を添加することが、より内部成分の表面に追添加粒子を配置させられる観点から好ましい。
更に、トナー母粒子より小さい粒子を凝集してトナー母粒子を作製する上記方法の場合には、内部成分の一部若しくは全てを凝集させた後に、追添加粒子を添加することが、より内部成分の表面に追添加粒子を配置させられる観点から好ましい。
凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。
熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子のTg以上、より好ましくは重合体一次粒子のTgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくは追添加粒子のTg以下、より好ましくは追添加粒子のTgより5℃低い温度以下である。
また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナー母粒子の形状により異なるが、重合体一次粒子のTg以上に到達した後、好ましくは0.1〜10時間、特に好ましくは0.5〜5時間保持することが望ましい。
凝集工程以降、好ましくは熟成工程以前又は熟成工程中の段階で、界面活性剤を添加するか、pHを調整するか、両者を併用することが好ましい。
ここで用いられる界面活性剤としては、重合体一次粒子を製造する際に用いることのできる乳化剤から1種以上を選択して用いることができるが、特に重合体一次粒子を製造した際に用いた乳化剤と同じものを用いることが好ましい。
界面活性剤を添加する場合の添加量は限定されないが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に界面活性剤を添加するか、pHを調整することにより、凝集工程で得られた粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、熟成工程後の粗大粒子生成を抑制できる場合がある。
熟成工程の時間を制御することにより、重合体一次粒子が凝集した形状を保った葡萄型、融着が進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状のトナー母粒子を製造することができる。
3.1.2.トナー母粒子のサイズの粒子を作製する方法
各原料を混合した後、該混合物をトナー母粒子のサイズに微粒化し、微粒化した後に追添加粒子を付着させることで、トナー母粒子を得る方法を用いることができる。
3.1.2.1.懸濁重合で作製する方法
上述の単量体組成物と同様の「スチレン系又は(メタ)アクリル系単量体」(単量体組成物)中に、着色剤、重合開始剤、必要に応じて、ワックス、極性樹脂、帯電制御剤、架橋剤等の添加剤を加え、均一に溶解又は分散させた単量体組成物を調製する。
この単量体組成物を、必要に応じ懸濁安定剤等を含有する水系媒体中に分散させる。単量体組成物の液滴が所望のトナー母粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、かつ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行い、重合を行うことによりトナー母粒子を得ることができる。
懸濁安定剤の具体的な例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、重合性単量体100質量部に対して、1質量部以上、10質量部以下の量が好ましい。懸濁安定剤は、重合性単量体添加前、添加と同時、添加後の何れの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
単量体組成物に極性樹脂が含まれている場合、水系媒体中に単量体組成物を分散させて液滴を形成したのち、極性樹脂が液滴表面近傍に移行し易い。この状態で重合を行うことによって、内部と表面で組成に差のあるトナー母粒子が得られる。例えば、単量体の重合後のTgよりもTgの高い極性樹脂を選ぶと、トナー母粒子の内部はTgが低く、表面にはTgの高い樹脂が高い比率で存在している構造が得られる。
重合時間の90%よりも後に、追添加粒子を添加する。追添加粒子の組成や調製方法としては、前述のものが挙げられる。添加は1回であってもよいし、複数回であってもよい。1回目の追添加粒子と、次回以降の追添加粒子とは、異なっていてもよく、いかなる組み合わせであってもよい。
その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
3.1.2.2.溶解懸濁で作製する方法
有機溶媒中に少なくとも結着樹脂と着色剤、必要に応じワックスや帯電制御剤等が溶解又は分散している油性分散液を作り、これを水系媒体中に分散させる。
追添加粒子を添加する時期は特に限定されないが、油性分散液を水系媒体中に分散させた後に追添加粒子を添加するのが好ましい。その後、分散液から有機溶剤を除去し、トナー母粒子を得ることができる。
追添加粒子の組成や調製方法としては、前述のものが挙げられる。追添加粒子の添加は、1回であってもよいし、複数回であってもよい。1回目の追添加粒子と、次回以降の追添加粒子とは、異なっていてもよく、いかなる組み合わせであってもよい。
水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。
必要に応じて、分散剤を用いることができる。分散剤を用いた方が、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定するので好ましい。分散剤としては、上述の乳化重合に用いる乳化剤と同様のものが使用できる。また、水系媒体中で高分子系保護コロイドを形成する各種の親水性高分子物質を存在させることができる。
また、分散剤として、無機微粒子及び/又はポリマー微粒子を用いることができる。
無機微粒子としては、水に不溶ないし難溶の従来公知の各種の無機化合物が用いられる。このようなものとしては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
分散剤として用いられるポリマー微粒子が、前記の追添加粒子の性質を兼ねていてもよい。すなわち、分散剤としてのポリマー微粒子を前記の追添加粒子としてもよい。
油性分散液を水系媒体中に分散させる場合、分散装置として低速剪断式、高速剪断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波等の公知の分散機が適用できる。
結着樹脂の代わりに反応性基をもつプレポリマーを用いて油性分散液を作製し、水系媒体中に分散させたのち反応性基を反応させて樹脂を伸長させてもよい。この方法は、プレポリマーが比較的低分子量なため、油性分散液の粘度が上がり難く、水系媒体中への分散が容易になる。
着色剤を油性分散液中に均一分散させ易くするために、予め着色剤を樹脂と複合化されたマスターバッチとして調製し、これを有機溶剤に分散してもよい。
有機溶剤を除去する方法としては、常温若しくは加熱下で減圧しながら有機溶剤を揮発させる方法等がある。
結着樹脂として、極性の高い樹脂と、極性の低い樹脂を併用すると、水系媒体中に単量体組成物を分散させて液滴を形成したのち、極性の高い樹脂は液滴表面近傍に、極性の低い樹脂は液滴中心付近に移行する。その後有機溶剤を除去することによって、内部と表面で組成に差のあるトナー母粒子が得られる。
活性水素基含有化合物と反応可能なプレポリマーを用いて油性分散液を作製する場合は、油性分散液を水系媒体中に分散させたのち、活性水素基含有化合物を添加し、該水系媒体中で液滴表面から両者を伸長反応又は架橋反応させることにより、液滴表面に優先的に伸長又は架橋樹脂が生成する。その後有機溶剤を除去することによって、内部と表面で組成に差のあるトナー母粒子が得られる。
これらの方法で、Tgを考慮して原料を選択することにより、トナー母粒子の内部よりも表面の方が高Tgの樹脂の比率が高い構造が得られる。
また、分散剤に用いるポリマー微粒子を、前記の追添加粒子とみなして、該追添加粒子の物性に調整することで、追添加粒子(ポリマー微粒子)がトナー母粒子表面に存在する構造を作ってもよい。
3.1.3.溶融混練粉砕法でトナー母粒子を作製する方法
溶融混練粉砕法とは、結着樹脂及び着色剤に、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、磁性体等を乾式混合した後、押出機等で溶融混練し、次いで粉砕、分級しトナー母粒子を得て、その後、外添剤を外添してトナーを得る方法である。
トナー母粒子を得た後、追添加粒子を添加し内部成分の表面に付着させてもよい。限定はされないが、追添加粒子を添加した後に、外添剤を外添することが好ましい。
3.2.トナー母粒子の洗浄・乾燥
前記した「トナー母粒子より小さい粒子を凝集してトナー母粒子を作製する方法」、「懸濁重合でトナー母粒子のサイズの粒子を作製する方法」、「溶解懸濁でトナー母粒子のサイズの粒子を作製する方法」等で作製されたトナー母粒子は、水系溶媒から分離され、洗浄、乾燥され、外添処理が施されて静電荷像現像用トナーに供される。
洗浄に用いる液体としては、水が用いられるが、酸又はアルカリの水溶液で洗浄することもできる。また、温水や熱水で洗浄することもでき、これらの方法を併用することもできる。このような洗浄工程を経ることによって、懸濁安定剤や乳化剤、未反応モノマー等を低減、除去することができる。
洗浄工程は、例えば、濾過、デカンテーション等することによって、トナー母粒子を濃厚スラリー又はウエットケーキ状とし、これに新たに洗浄するための液体を加えてトナー母粒子を分散する操作を繰り返すことが好ましい。洗浄後のトナー母粒子は、ウエットケーキ状で回収することが、引き続き行われる乾燥工程における取り扱いの面で好ましい。
乾燥工程では、振動型流動乾燥法、循環型流動乾燥法等流動乾燥法、気流乾燥法、真空乾燥法、凍結乾燥法、スプレードライ法、フラッシュジェット法等が用いられる。乾燥工程における温度、風量、減圧度等の操作条件は、着色粒子のTg、使用する装置の形状、機構、大きさ等をもとに、適宜最適化される。
3.3.追添加粒子の添加時期
湿式媒体中(水中及び/又は有機溶剤中)でトナー母粒子を作製する場合、内部成分と同時に追添加粒子(又はその原料である単なる樹脂)を追添加(溶解・分散・懸濁の如何なる状態であってもよい)し、熱力学的に、追添加粒子を、内部成分と湿式媒体の表面に配置させてもよいし、内部成分の組成及び/又は形状が決まった後に追添加粒子を追添加し、物理的に内部成分の表面を追添加粒子が連続的及び/又は非連続的に覆う形としてもよい。
4.トナー母粒子の構成
トナーのTgが38.5℃以上45.5℃以下であり、かつ、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が、0.60m/g以上1.60m/g以下を満たすには、トナー母粒子表面近傍に追添加粒子成分を広く存在させ、その外側を外添剤で覆い、追添加粒子の粒径と量のバランスを調整し、更に、トナー母粒子全体の組成比を調整することが必要である。
追添加粒子の中位径(D50)は、90nm以上が好ましく、110nm以上がより好ましく、250nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
追添加粒子の中位径(D50)は、実施例に記載の方法で測定され、そのように測定したものとして定義される。
また、前記本発明の要件を満たすようにするには(本発明の範囲に入れるには)、例えば、追添加粒子の親水性単量体の部数を、内部の親水性単量体の部数に対して、1.2〜10倍程度多くすることで、40nm以上90nm以下の粒子でも達成できる。親水性単量体は、追添加粒子の極性を制御しており、結着樹脂に追添加樹脂が埋没し難くすることを意味する。
あるいは、追添加粒子の粒径を250nmより大きくした分、追添加量を少なくして、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が、本発明の範囲(0.60m/g以上1.60m/g以下)を満たすように調整することでも達成できる。
更にその他手段として、外添の温度や回転数を調整することでも達成できる。
追添加粒子の粒径が100nm以上のときは、外添操作で追添加粒子を衝撃によって押し広げることが好ましい。追添加粒子の粒径が100nmより小さいときは、外添操作で追添加粒子が押し広げられる変化が生じ難い傾向があるので、添加量を多くすることが好ましい。
追添加粒子の添加量を決定するときは、被覆率を用いることができる。被覆率は、トナー母粒子を球体と仮定したときの目標粒径から求められる表面積と、追添加粒子を球体と仮定したときの平均粒径から求められる投影面積との比から計算できる。
追添加粒子の粒径が100nm以上のときは、被覆率は15%以上85%以下であることが好ましい。追添加粒子の粒径が100nmより小さいときは、被覆率は60%以上であることが好ましい。
追添加粒子のGPCにおける数平均分子量は、好ましくは8000以上、より好ましくは1万以上、更に好ましくは1.3万以上であり、好ましくは5万以下、より好ましくは4万以下、更に好ましくは3.5万以下であることが望ましい。
重量平均分子量は、好ましくは2万以上、より好ましくは3万以上、好ましくは30万以下、より好ましくは20万以下であることが望ましい。
追添加粒子のTgは、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。
また、追添加粒子のTgは、結着樹脂のTgより高いことが必要で、20℃以上高いことが好ましく、30℃以上高いことがより好ましく、50℃以上高くないことが好ましく、40℃以上高くないことがより好ましい。
結着樹脂のGPCにおける数平均分子量は、好ましくは1万以上、より好ましくは1.3万以上、更に好ましくは1.5万以上であり、好ましくは5万以下、より好ましくは4万以下、更に好ましくは3.5万以下であることが望ましい。
結着樹脂のGPCにおける重量平均分子量は、好ましくは2万以上、より好ましくは3万以上、好ましくは30万以下、より好ましくは20万以下であることが望ましい。
結着樹脂のTgは、30℃以上が好ましく、32℃以上がより好ましく、45℃以下が好ましく、42℃以下が更に好ましい。
例えば、結着樹脂のTgが30℃以上45℃以下の場合、追添加粒子のTgを60℃以上95℃以下、かつ、追添加粒子と結着樹脂のTg差が30℃以上50℃以下まで高くすると低温定着性と耐ブロッキング性のバランスが良くなる。
[tanδ2nd]/[tanδ1st]が1.30以上2.36以下になるように調整するために、結着樹脂と追添加粒子が適度な親和性を持つように組成を組み合わせることが望ましい。
1回目測定では、結着樹脂と追添加粒子が溶融混合せずに接している状態で測定を開始する。1回目測定が終了すると、その間の加熱によって結着樹脂と追添加粒子が互いに溶融混合する。2回目測定では互いに溶融混合した状態で測定を開始する。この違いが、[tanδ2nd]/[tanδ1st]に現れる。
よって、結着樹脂の種類に応じて追添加粒子に含有する樹脂の種類を選定して親和性を調整することが望ましい。以下の具体的数値には限定されないが、例えば、結着樹脂がスチレンアクリル系樹脂であれば、追添加粒子に含有する樹脂もスチレンアクリル系樹脂として、スチレンモノマーとアクリルモノマーの比率を、結着樹脂が70:30の場合は追添加粒子に含有する樹脂は95:5とする、又は、その他の単量体100質量部に対する親水性単量体の部数を、結着樹脂が1部の場合は追添加樹脂に含有する樹脂は1.5部とする、結着樹脂と追添加粒子の何れかにスチレンアクリル系樹脂とポリエステルのハイブリッド樹脂を用いる、といった方法で組成に差をつけることが挙げられる。
内部成分と追添加粒子成分の適切な相溶性が得られることから、結着樹脂のSP値と追添加粒子成分のSP値の差が0.5〜1.0であることが好ましく、0.6〜0.8であることがより好ましい。
結着樹脂がポリエステルであれば追添加粒子に含有する樹脂もポリエステルとして、酸価を、結着樹脂が3mgKOH/g以下の場合は追添加粒子に含有する樹脂は4mgKOH/g以上20mgKOH/g以下とする、結着樹脂は水酸基を有さず、追添加粒子に含有する樹脂は水酸基を有する、といった方法が挙げられる。
追添加粒子は、樹脂を含むが、ワックスを含むことが好ましい。内部成分にもワックスを含むときは、内部成分に含まれるワックスと追添加粒子に含まれるワックスは同じ種類でもよいが、異なる種類を用いた方が好ましい。他に帯電制御剤等を含んでもよい。
[tanδ2nd]/[tanδ1st]が1.30以上2.36以下に入るように調整するためには、追添加粒子がトナー母粒子の表面近傍に位置することが必要である。そのために有効な追添加粒子の組成として、トナー母粒子を水系媒体中で作成する場合は、結着樹脂よりも水系媒体になじみ易い組成(親和性のある組成)にしておくことが挙げられ、例えば、酸性単量体若しくは塩基性単量体の比率を結着樹脂より高く、かつ、その他の単量体100質量部に対して1.0質量部以上にする、イオン性の重合開始剤を使用する、等が挙げられる。
本発明のトナーの[tanδ1st]は、1.10以上1.60以下の範囲にすることが好ましい。
凹凸を持った形状の粒子に対して追添加粒子を付着させてトナー母粒子を得る場合、追添加粒子は凸部Aに多く付着し易い傾向がある。従来のトナーは、追添加粒子は、付着後に表面近傍に留まらず、内部に深く埋まり込んでしまう。一方、本発明のトナーでは追添加粒子が表面近傍に留まる。その結果、得られたトナー母粒子は、追添加粒子がトナー母粒子の表面に位置し、かつ全体に均一に分布せず偏った分布になる。
上記のように、結着樹脂、追添加粒子等の、形状、形態、組成、部数、比率、製造方法、物性等を設定すると、本発明のトナーの、Tg、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]、貯蔵弾性率(G’)、[tanδ2nd]/[tanδ1st]を前記した本発明の範囲にし得る。
5.外添
5.1.外添剤
本発明においては、本発明のトナーの物性を得るために、また、トナーの流動性向上や帯電制御性向上のために、外添剤を添加する。外添剤はトナー母粒子表面全体に付着するため、追添加粒子が存在しない部分も外添剤で被覆されることが好ましい。外添剤としては、各種無機又は有機微粒子の中から適宜選択して使用することができる。また、2種類以上の外添剤を併用してもよい。
無機微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化セリウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、リン酸カルシウム等のリン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック、マグネタイト、フェライト等を用いることができる。
有機微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の微粒子を用いることができる。また、フッ素原子を含有する微粒子を用いて帯電安定性を向上させることができる。
これら外添剤の中では、特に、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック等が好適に使用される。また、外添剤は、前記の無機又は有機微粒子の表面を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤、シリコーンワニス、フッ素系シランカップリング剤、フッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤等の処理剤によって疎水化等の表面処理が施されているものを使用することもできる。該処理剤は2種以上を併用することもできる。
外添剤の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上が特に好ましく、6.5質量部以下が好ましく、5.5質量部以下が特に好ましい。
本発明のトナーにおいては、帯電制御の観点から、外添剤として導電性微粒子を使用してもよい。導電性微粒子としては、例えば、導電性酸化チタン、シリカ、マグネタイト、等の金属酸化物又はそれらに導電性物質をドープしたもの、ポリアセチレンやポリフェニルアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の共役2重結合を有するポリマーに金属等の導電性物質をドープした有機微粒子、カーボンブラックやグラファイトに代表される炭素等が挙げられるが、トナーの流動性を損なわず導電性を付与できるという観点から、導電性酸化チタン又はその導電性物質をドープしたものがより好ましい。
導電性微粒子の含有量は、トナー母粒子100質量部に対して、下限は、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.2質量部以上であることが特に好ましい。
一方、導電性微粒子の含有量の上限は、3質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましく、特に好ましくは1質量部以下である。
5.2.外添剤の外添方法
外添剤の添加方法は、ヘンシェルミキサー等の高速撹拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることのできる装置による方法等が挙げられる。
トナーは、トナー母粒子に全ての外添剤を同時添加して外添する一段外添法により作製できるが、外添剤毎に外添する分段外添法により作製することもできる。
外添中の温度上昇を防止するために、容器に冷却装置を設置する、分段外添する等が挙げられる。
外添の温度や回転数や時間を調整することで、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が、本発明の範囲(0.60m/g以上1.60m/g以下)となるように調整することができる。
例えば、ヘンシェルミキサーで3000回転で25分以上撹拌すると、この数値が0.60に近い値で0.60m/g以上になる。同様の条件で5分以下撹拌すると、この数値が1.60に近い値で1.60m/g以下になる。
6.その他
本発明のトナーの体積平均粒径は、3μm以上が好ましく、更に5μm以上がより好ましい。また、15μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、8μm以下が特に好ましい。
また、形状は、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000を用いて測定した平均円形度が、好ましくは0.90以上、より好ましくは0.92以上、更に好ましくは0.94以上、特に好ましくは0.95以上であり、好ましくは0.99以下である。
平均円形度が大きいと、トナー母粒子への外添剤の付着が均一化し、画像濃度が安定化する傾向があり、平均円形度が小さいと、形状に起因するクリーニング良化の傾向がある。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナーをキャリアとともに用いる二成分系現像剤、又は、キャリアを使用しない磁性若しくは非磁性一成分系現像剤の何れの形態で用いてもよい。
二成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質又はそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はこれらの混合物等が利用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で単に「部」「%」とあるのは、質量に関するものは、「質量部」「質量%」を意味する。
各粒子の粒子径、平均円形度、重量平均分子量、エマルション固形分濃度等は、次のように測定した。
<中位径(D50)の測定>
1ミクロン未満の中位径(D50)を有す粒子の中位径(D50)は、日機装株式会社製、型式MicrotracNanotrac150(以下ナノトラックと略す)及び同社解析ソフト、MicrotracParticle Analyzer Ver10.1.2−019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:120秒、測定回数:5回の測定条件で取り扱い説明書に記載された方法で測定し、その平均値を求めた。
その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04とした。
<体積中位粒径(Dv50)の測定>
1ミクロン以上の体積中位粒径(Dv50)を有す粒子の体積中位粒径(Dv50)は、ベックマン・コールター社製、マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm:以下、マルチサイザーと略す)を用い、同社アイソトンIIを分散媒として、分散質濃度0.03%になるように分散させて測定した。
<平均円形度測定>
平均円形度は、分散質を分散媒(セルシース:シスメックス社製)に、5720〜7140個/μLとなるように分散させ、フロー式粒子分析装置(FPIA3000:シスメックス社製)を用いて、HPF分析量0.35μL、HPF検出量2000〜2500個の条件下でHPFモードにより測定した。
<重量平均分子量(Mw)>
重合体一次粒子分散液、追添加粒子分散液を凍結乾燥して水分を除去したのち、THF可溶成分を、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:東ソー株式会社製GPC装置 HLC−8320、カラム:TOSOH TSKgel SuperHM−H(直径6mmx長さ150mmx2本)、溶媒:THF、カラム温度:40℃、流量:0.5mL/分、試料濃度:0.1質量%、検量線:標準ポリスチレン使用
<エマルション固形分濃度>
エマルション固形分濃度は、株式会社ケット科学研究所製、赤外線水分計FD−610を用い、2gの試料を195℃で90分加熱して水分を蒸発させることにより求めた。
<透過型電子顕微鏡での測定方法、陰影差の測定方法>
トナーをエポキシ系樹脂に包埋して硬化させた後、四酸化ルテニウムで5分間ガス暴露することで、追添加粒子の成分(シェル)と内部成分(コア)を識別染色した。次に、ナイフで断面出して、ウルトラミクロトームを用いて、厚さが200nmのトナーの超薄切片を作製した。更に、TEM(透過型電子顕微鏡)H7500(日立ハイテク社製)を用いて、加速電圧100kVでトナーの超薄切片を観察し、陰影差を肉眼で確認した。
実施例1
<ワックス分散液A1の調製>
ワックスとしてエステルワックス1(日油株式会社製、品名:WEP−3、DSC2回目測定融点ピーク:71.0℃、DSC2回目測定オンセット温度:68.6℃、DSC2回目測定変曲点:69.9℃、カタログ酸価0.1mgKOH/g、カタログ水酸基価3mgKOH/g以下)30.00部(1440g)、デカグリセリンデカベヘネート(三菱化学フーズ株式会社製、品名:B100D、水酸基価27、融点70℃)0.24部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(以下、「20%DBS水溶液」と略す)1.93部、脱塩水67.83部を90℃に加熱して、45℃傾斜3段パドル翼を備えたCSTR型撹拌層内で20分混合した。
次いで、この分散液を90℃に加熱したまま、バルブホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて25MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し、中位径(D50)が245nmになるまで分散して、ワックス分散液A1(エマルション固形分濃度=31.2%)を作製した。
<ワックス分散液A2の調製>
上記エステルワックス1を22.50部、エステルワックス2(日油株式会社製 品名:WEP−5、カタログ融点82℃、カタログ酸価0.1mgKOH/g、カタログ水酸基価3mgKOH/g以下)7.50部、(1080g)、デカグリセリンデカベヘネート0.24部、20%DBS水溶液1.93部、脱塩水67.83部を用いた以外は、ワックス分散液A1と同様の方法で、ワックス分散液A2(エマルション固形分濃度=31.4%)を作製した。
<重合体一次粒子分散液B1の調製>
撹拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び、各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス分散液A1を34.7部、脱塩水252部、0.5%硫酸鉄(II)7水和物水溶液0.02部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、撹拌を続けたまま下記のモノマー類・乳化剤溶液の混合物を240分かけて添加した。
このモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を添加開始した時間を重合開始とし、下記の開始剤水溶液を重合開始0分から480分かけて添加した。重合開始240分に下記の硫酸鉄水溶液を添加した。重合開始300分に95℃に昇温した。重合開始540分まで加熱撹拌を継続した。
[モノマー類]
スチレン 70.9部
アクリル酸ブチル 29.1部
アクリル酸 0.85部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.95部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 66.9部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 28.0部
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 28.0部
[硫酸鉄水溶液]
0.5%硫酸鉄(II)7水和物水溶液 0.08部
重合反応終了後、冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液B1を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は239nmだった。重量平均分子量(Mw)は、67000だった。
<追添加粒子分散液B2の調製>
撹拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び、各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、ワックス分散液A2を50.6部、20%DBS水溶液2.96部、脱塩水350部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で75℃に昇温した。
下記の開始剤水溶液1を添加して5分後、撹拌を続けたまま下記のモノマー類・乳化剤溶液の混合物を180分かけて添加した。このモノマー類・乳化剤水溶液の混合物の添加開始した時間を重合開始とし、重合開始180分に下記の硫酸鉄水溶液を添加した。重合開始180分に93℃に昇温した。下記の開始剤水溶液2を重合開始240分から60分かけて添加した。下記の開始剤水溶液3を重合開始240分から120分かけて添加した。重合開始480分まで加熱撹拌を継続した。
[モノマー類]
スチレン 97.9部
アクリル酸ブチル 2.1部
アクリル酸 1.5部
1−ドデカンチオール 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 66.7部
[開始剤水溶液1]
20%過硫酸アンモニウム水溶液 6.0部
[開始剤水溶液2]
8%過酸化水素水溶液 14.2部
[開始剤水溶液3]
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 21.3部
[硫酸鉄水溶液]
0.5%硫酸鉄(II)7水和物水溶液 0.05部
重合反応終了後冷却し、乳白色の追添加粒子分散液B2を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は158nmだった。重量平均分子量(Mw)は59000だった。
<トナー母粒子C1の調製>
撹拌装置、加熱冷却装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に、重合体一次粒子分散液B1を87部(固形分)、20%DBS水溶液0.07部(固形分)、脱イオン水74部、5%硫酸鉄(II)七水和物水溶液0.52部、シアン着色剤EP−700(大日精化(株)製)18部を撹拌しながら順に添加して均一に混合した後、0.5%硫酸アルミニウム水溶液0.10部(固形分)を15分かけて、脱イオン水41部を5分かけて添加した。
更に210分かけて内温44℃まで昇温した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径(Dv50)を測定したところ、5.2μmであった。重合体一次粒子分散液B1を9.7部(固形分)追加した。
180分後、追添加粒子分散液B2を5.6部(固形分)追加した。90分後、20%DBS水溶液4.0部(固形分)と脱イオン水23部を添加してから、60分かけて70℃まで昇温し、75分保持し、その後30℃まで冷却した。
得られた分散液を抜き出し、5種C(東洋濾紙株式会社製、No.5C)の濾紙を用いてアスピレーターにより吸引濾過した。濾紙上に残ったケーキを、撹拌機(プロペラ翼)を備えたステンレス容器に移し、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水を加え撹拌することにより均一に分散させ、その後30分間撹拌した。この工程を、ろ液の電気伝導度が2μS/cmになるまで繰り返した後、得られたケーキを40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥することにより、トナー母粒子C1を得た。
<トナーD1の製造>
トナー母粒子C1(100部)に対し、ポリマー/シリカ複合体粒子(ATLAS100:キャボット社製:シリカ/ポリマー比=70/30、真比重=1.7g/cm、オクタヒドロペンタレン含有)を4部、チタニアとシリカ複合酸化物粒子(STX501:日本アエロジル株式会社製)を0.5部、小粒径シリカ(RY200L:日本アエロジル株式会社製)を0.4部添加し、ヘンシェルミキサーにて、3000rpmで15分間撹拌・混合して篩別することによりトナーD1を得た。
実施例2〜4及び比較例1〜2
実施例1において、スチレン/ブチルアクリレート比率を表1に示す組成に変更したことを除いて、実施例1と同様にして、トナーD2ないしD6を製造した。
比較例3
特開2006−145889号公報の実施例1と同様にして、比較例3のトナーを製造した。
比較例4
特開2014−081614号公報の実施例4と同様にして、比較例4のトナーを製造した。
得られたトナーの各種物性を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られたそれぞれのトナーD1〜D6、及び比較例3、4で得られたトナーを用いて、以下の方法で評価し、以下の基準で判定した。
測定したトナー(サンプル)は、製造直後、すなわち外添直後のものであったが、経時したものであっても、既に現像層等に入っているものであっても、測定数値は殆ど変わらないことは技術常識である。また、50℃以上の環境下に置かれた外添後のトナーは、適切な値が得られないことがある。
[耐ブロッキング性の測定方法]
トナー10gを内径3cm、高さ6cmの円筒形の容器に入れ、20gの荷重をのせ、温度50℃、湿度55%の環境下に48時間放置した後、トナーを容器から取り出し、上から荷重をかけることで凝集の程度を確認した。
[耐ブロッキング性の判定基準]
◎:150g以下の荷重で崩れる
○:150gを超え300g以下の荷重で崩れる
△:300gを超え900g以下の荷重で崩れる
×:900gを超える荷重をかけないと崩れない
[定着性の測定方法]
未定着のトナー像を担持した記録紙(坪量80g/m紙)を用意し、熱ロール定着方式の定着機を用い、以下のように試験した。
ローラー直径27mm、ニップ幅9mm、定着速度229mm/secであり、上ローラーにヒーターを有し、ローラー表面がPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で構成されており、シリコーンオイルは塗布されていない。
ローラーの表面温度を135℃から5℃刻みで昇温し、付着量約0.5mg/cmの未定着のトナー像を担持した記録紙を定着ニップ部に搬送し、定着画像を得た。
定着画像にメンディングテープを貼り、その上を2kgの錘を通過させテープと定着画像を密着させた。メンディングテープを剥離し、定着画像がテープに移行する程度を目視で判定した。3回試験の平均値で以下の判定を行った。
[定着性の判定基準]
◎:150℃未満で定着する
○:150℃で定着する
×:150℃を超えて定着する
Figure 0006870323
<結果>
表1から分かるように、実施例1〜4のトナーD1〜D4では、耐ブロッキング性と定着性の両立が達成されていたが、比較例1〜2のトナーD5〜D6及び比較例3、4のトナーでは、耐ブロッキング性と定着性との両立が達成されず、定着性と耐ブロッキング性の何れかが劣っていた。
本発明の測定値を有する静電荷像現像用トナーは、低温定着性と耐ブロッキング性を両立できるので、プリンター、複写機、ファクシミリ等、静電荷像を可視化する画像形成の分野に広く利用されるものである。
1 レオメーターの1回目測定で得られたtanδのグラフ
2 レオメーターの2回目測定で得られたtanδのグラフ
3 追添加粒子と外添剤からなる構造体
4 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する内部成分
A 薄膜化した追添加粒子成分が多いトナー表面の凸部
B 薄膜化した追添加粒子成分が少ないトナー表面の凹部

Claims (8)

  1. トナーの示差走査熱量計(DSC)で測定されるガラス転移温度(Tg)が38.5℃以上45.5℃以下であり、かつ、
    トナーを外添剤剥離処理した後のBET比表面積を[比表面積BET]とし、トナーを外添剤剥離処理した後にフロー式粒子分析装置で測定される比表面積を[比表面積FPIA]としたとき、[比表面積BET]−[比表面積FPIA]が0.60m/g以上1.60m/g以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. レオメーターで40℃以上80℃以下に観測される1回目測定のtanδ極大値温度における貯蔵弾性率(G’)が1.10×10Pa以上2.95×10Pa以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. レオメーターで40℃以上80℃以下に観測されるtanδ極大値の1回目測定値を[tanδ1st]とし、40℃以上80℃以下に観測されるtanδ極大値の2回目測定値を[tanδ2nd]としたとき、[tanδ2nd]/[tanδ1st]が1.30以上2.36以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナー母粒子、及び、外添剤を含む請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記トナー母粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する内部成分と、その周囲に存在する追添加粒子成分とを含有し、静電荷像現像用トナーを透過型電子顕微鏡で測定したときの、内部成分と追添加粒子成分に陰影差がない請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 平均円形度が0.95〜0.99である請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 体積平均粒径が5〜8μmである請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. ワックスを含有する請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
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