JP2010066565A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潜像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、静電潜像を現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程、トナー画像を被記録媒体上に転写する転写工程及び加圧ロールと定着ロールとの間のニップ部に転写工程後の被記録媒体を通し、加圧してトナー画像を定着する定着工程を含み、トナーが、コアを構成する樹脂のTgとシェルを構成する樹脂のTgとの差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子を凝集・合一して得たトナーであり、定着ロールは、剛体ロール表面にゴム硬度(タイプAデュロメータ硬さ)がA20〜A60である弾性層を厚さ1mm以下で形成したものであり、定着工程における、最大定着圧力が1〜50MPaである画像形成方法。
【選択図】なし
Description
<1>潜像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像をトナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程、前記トナー画像を被記録媒体上に転写する転写工程、及び、加圧ロールと定着ロールとの間のニップ部に前記転写工程後の被記録媒体を通し、加圧してトナー画像を定着する定着工程を含み、前記トナーが、コアを構成する樹脂のTgとシェルを構成する樹脂のTgとの差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子を凝集・合一して得た静電荷像現像用トナーであり、前記定着ロールは、剛体ロール表面にゴム硬度(タイプAデュロメータ硬さ JIS K 6253)がA20〜A60である弾性層を厚さ1mm以下で形成したものであり、前記定着工程における、最大定着圧力が1〜50MPaであることを特徴とする画像形成方法、
<2>前記弾性層の表面にフッ素樹脂層が形成された、前記<1>に記載の画像形成方法、
<3>前記被記録媒体の前記ニップ部の通過時間が60〜1,000msである、前記<1>又は<2>に記載の画像形成方法、
<4>前記定着工程における定着温度が100℃以下である、前記<1>〜<3>いずれか1つに記載の画像形成方法、
<5>潜像保持体、前記潜像保持体を帯電させる帯電手段、帯電した前記潜像保持体を露光して前記潜像保持体上に静電潜像を形成する露光手段、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段、及び、前記トナー像を前記潜像保持体から被記録媒体に転写する転写手段、加圧ロールと定着ロールとの間のニップ部に前記被記録媒体を通し、加圧してトナー画像を定着する定着手段を有し、前記トナーが、コアを構成する樹脂のTgとシェルを構成する樹脂のTgとの差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子を凝集・合一して得た静電荷像現像用トナーであり、前記定着ロールは、剛体ロール表面にゴム硬度(タイプAデュロメータ硬さ JIS K 6253)がA20〜A60である弾性層を厚さ1mm以下で形成したものであり、前記定着手段の最大定着圧力が1〜50MPaであることを特徴とする画像形成装置。
前記<2>の実施形態によれば、画質と定着ロールの信頼性とをより高いレベルで両立しながら定着エネルギーの低減を可能とする画像形成方法を提供することができた。
前記<3>の実施形態によれば、画質と定着ロールの信頼性とを高いレベルで両立しながら印刷速度の速い画像形成方法を提供することができた。
前記<4>の実施形態によれば、画質と定着ロールの信頼性とを高いレベルで両立しながらより多くの定着エネルギーの低減を可能とする画像形成方法を提供することができた。
前記<5>の実施形態によれば、画質と定着ロールの信頼性とを高いレベルで両立しながら定着エネルギーの低減を可能とする画像形成装置を提供することができた。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像をトナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程、前記トナー画像を被記録媒体上に転写する転写工程、及び、加圧ロールと定着ロールとの間のニップ部に前記転写工程後の被記録媒体を通し、加圧してトナー画像を定着する定着工程を含み、前記トナーが、コアを構成する樹脂のTg(「ガラス転移点」と同義。以下、同様とする。)とシェルを構成する樹脂のTgとの差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子を凝集・合一して得た静電荷像現像用トナーであり、前記定着ロールは、剛体ロール表面にゴム硬度(タイプAデュロメータ硬さ JIS K 6253)がA20〜A60(A20以上、A60以下と同義である。以下、特に断りのない限り他の数値範囲の表記においても同様である。)である弾性層を厚さ1mm以下で形成したものであり、前記定着工程における、最大定着圧力が1〜50MPaであることを特徴とする。
以下、「ゴム硬度(タイプAデュロメータ硬さ JIS K 6253)」を単に「ゴム硬度」ともいう。
また、定着ロール等の定着器に高圧力を加えるため、定着ロールの耐久性に問題が生じやすい。また、高圧力を加えるため定着装置の剛性を高くする必要があり、その結果、装置の重量が重くなるなどの問題が生じた。また、記録用紙等の被記録媒体が高圧力で圧縮されるため、光沢が発生したり、両面印刷を困難にしたり、用紙排出時に2本のロール対がぶつかりあい、排出音が発生するなどの問題があった。また、定着圧力を高くすることにより、定着強度に優れた画像は得られるものの、定着ロールに被記録媒体が張り付くなど、剥離性が低下するという問題も生じた。
また、ラフ紙のように用紙面内の厚みが異なる場合、定着圧力が用紙面内において不均一となり、画像の光沢不良が発生し高画質のカラー画像を得ることは困難であった。また、用紙の窪みに落ち込んだトナーを定着させるには十分な定着ニップ幅と定着時間が必要であるため、高速化への対応が困難であった。
このため、定着圧力の低圧力化の試みがなされているが、定着圧力を低下させると、定着強度が弱くなり、定着後に画像が擦れると、画像が剥がれ易くなるという重大な欠点を有していた。
圧力定着システムでは、最大定着圧力を低減させた際に生じる画像強度の低下を抑制することが重要な技術課題となっていた。
本発明者らは、コアシェル粒子を構成体とするトナーを使用した画像形成方法において、定着ロール表面に所定のゴム硬度を有する弾性層を形成することにより、定着剥離時における弾性層の変形量が適度になり、定着ロールと被記録媒体上の画像との剥離性向上効果が得られることを見出した。
本発明の画像形成方法は、具体的には、潜像形成工程、現像工程、転写工程、及び、定着工程を含み、さらにクリーニング工程等を含むことが好ましい。前記各工程(潜像形成工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程)は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。
前記トナー画像形成工程は、現像剤担体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、後述する静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像剤を含んでいれば特に制限はない。
前記転写工程は、前記トナー画像を被記録媒体上に転写する工程である。
前記クリーニング工程は、潜像保持体上に残留する静電荷像現像用トナーを除去する工程である。
本発明の画像形成方法に用いることができる被記録媒体としては、例えば、普通紙、厚紙、ラフ紙、OHPシート、普通紙及び厚紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、並びに、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。中でも、被記録媒体としては、本発明の効果を顕著に発揮できるため、ラフ紙、厚紙及び厚紙コート紙を使用することが好ましい。
なお、「厚紙」とは、90g/m2以上である紙のことをいう。本発明の画像形成方法は、厚紙への画像形成に特に優れた方法であり、ラフ紙等の厚紙を用いた高速定着において、高画質と信頼性を両立しながら、定着エネルギーの低減が可能であるため好ましい。また本発明は、厚紙への優れた画像形成のみならず、90g/m2以下の秤量である普通紙に対しても、問題なく効果的な性能を示し、定着エネルギーの低減、又は同一エネルギーにおける時間あたりの画像形成速度を向上することができる。
本発明の画像形成方法は、加圧ロールと定着ロールとの間のニップ部に前記転写工程後の被記録媒体を通し、加圧してトナー画像を定着する定着工程を含む。前記定着ロールは、剛体ロール表面にゴム硬度(タイプAデュロメータ硬さ JIS K 6253)がA20〜A60である弾性層を厚さ1mm以下で形成したものである。
なお、ゴム硬度の表記である「A20」等は、JIS K 6253に規定するタイプAデュロメータ硬さ試験において、標準試験片を標準の試験方法で測定した硬さが20であることを示す。
かかる問題を回避する為に、ロール表面にフッ素樹脂等の層を設けると、経時の使用によって、表面のフッ素樹脂層が劣化してしまい、剥離性能が低下し、定着ロールから被記録媒体を剥がす際に生じる剥離爪傷(剥離爪マーク)の画像欠陥が起こるという問題があった。すなわち圧力定着システムにおいて重要な、カラーの定着性能と定着ロールの劣化に伴う画像欠陥の発生を防ぐ技術は存在していなかった。
本発明においては、加圧ロールと定着ロールとの間のニップ部に、転写工程後のトナー画像を有する被記録媒体を通して加圧又は加熱加圧定着することにより、画像を定着する。定着ロールの弾性層は、普通紙などの被記録媒体に存在する厚さや密度の地合いムラによって生ずる定着時の圧力分布のムラを低減させるためのものである。弾性層は、定着時の、圧力分布のムラの低減と、面積当たりに加えられる圧力を考慮して、適正な厚さとゴム硬度が決定される。
例えば、普通紙の場合は、地合いムラが厚さ換算で10〜30μm程度であり、これによる圧力分布のムラを加圧時に吸収するために適正なゴム硬度はA60以下であることが必要であり、厚さは0.1mm以上が必要である。
ゴム硬度がA20未満であると、剥離性能が低下する。定着ロールに形成された弾性層のゴム硬度が高くなるにつれ、弾性層の変形量が適度となり変形の開放から得られる反発効果によりトナー画像と定着ロールとの剥離が促進されるからである。ゴム硬度がA20未満であると、かかる反発効果が得られない。
また、ゴム硬度がA60を超えると、最大定着圧力を低下することができない。ゴム硬度がA60より高いと、変形量が小さくなり、反発効果が得られないため、剥離性が低下し、ニップ出口部の用紙突出姿勢を適正な状態にできなくなる。これにより、スクレーパーにより定着ロールから印刷物を剥がす必要が生じ、剥離爪跡の画像欠陥が生じる。
一般にゴムの熱硬化のことを加硫/架橋と呼ぶ。加硫とは、生ゴムに硫黄を混ぜ合わせた上で加熱することにより引き起こる化学反応で、ゴムの分子鎖同士の一部分を硫黄が結合させ、網目状の構造を形成することをいう。この化学反応を経て、ゴムは強靱な弾性と安定した耐熱性を持つ。「架橋」の意味も「加硫」と同じ意味で用いられるが、硫黄以外の有機過酸化物や金属酸化物、有機アミン化合物などを使用して分子結合させることを「架橋」と呼ぶ。
なお、本発明において、「永久歪」とは、「圧縮永久ひずみ」のことである。圧縮永久ひずみの測定方法はJIS K6262によって規定されており、測定用冶具を使用してゴム試験片を圧縮してスペーサの厚さにまで変形し、その状態で所定温度、時間をサンプルに印加し、その後直ちに冶具より試験片を取り出し、次式により圧縮永久ひずみを測定できる。
CS={(t0−t1)/(t0−t2)}×100
CS:圧縮永久ひずみ(%)
t0:試験片の原厚
t1:試験片を圧縮装置から取り出してから、30分後の厚さ
t2:スペーサの厚さ
本発明の画像形成装置は、潜像保持体、前記潜像保持体を帯電させる帯電手段、帯電した前記潜像保持体を露光して前記潜像保持体上に静電潜像を形成する露光手段、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段、及び、前記トナー像を前記潜像保持体から被記録媒体に転写する転写手段、加圧ロールと定着ロールとの間のニップ部に前記被記録媒体を通し、加圧してトナー画像を定着する定着手段を有し、前記トナーが、コアを構成する樹脂のTgとシェルを構成する樹脂のTgとの差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子を凝集・合一して得た静電荷像現像用トナーであり、前記定着ロールは、剛体ロール表面にゴム硬度(タイプAデュロメータ硬さ JIS K 6253)がA20〜A60である弾性層を厚さ1mm以下で形成されたものであり、前記定着手段の最大定着圧力が1〜50MPaであることを特徴とする。
図1は、本発明で使用する熱補助圧力定着装置の概略構成図である。定着ロール1と加圧ロール2とが対向して配置され、ロール間の加圧力は、加圧調整ネジ7で調節することができ、荷重センサー8を介して、荷重表示器(図示せず)にロール間に加わる荷重が表示される。この荷重をロールの軸方向の長さで割って線圧を求めることができる。
クリーニングフェルト5は、耐熱性のウールフェルトに離型オイルを含浸させたもので、ロール表面に付着したトナーをクリーニングする役割と、オフセット防止のための離型オイルを供給する役割を果たす。
また、スクレーパー6は、SUS板等で作られており、主にロールに巻きついた定着画像が形成された被記録媒体9を剥がす機能とロール表面に付着した余剰のトナーをクリーニングするためのものである。
被記録媒体9は、矢印のように右側から定着ロール1と加圧ロール2の間のニップ部に搬入させ、定着を行うようになっている。
加圧ロール2は、鉄ロール10(肉厚2.5mm)表面にクロームメッキ表面処理層11(厚さ5〜10μm)を設けたものである。
定着画像と接触する定着ロールは、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、セラミックス、硬質樹脂などの剛体ロールの表面に1mm以下の厚さのゴム硬度がA20〜A60である弾性層を設けたものが用いられる。
剛体ロールは、最大定着圧力を1〜50MPaの加圧力と120℃程度、特に100℃程度の温度に耐えられるものであればよいが、画像形成装置のウォームアップ時間の短縮を図るために、なるべく熱容量の低いものが適している。また、厚さも、より薄いものが適している。具体的には剛体ロールの厚みは、5〜50mmが好ましい。
また、定着ロールからの離型性を高めるために、シリコーンオイル、アミノオイルなどの離型オイルを定着ロール表面に塗布して使用してもよい。定着ロール表面温度は、低消費電力化の観点と、所定の定着強度を得るために、70〜120℃に設定されるが、特に、低消費電力化の効果が大きい70〜100℃の範囲が好ましい。
本発明の画像形成方法においては、トナーとして、コアを構成する樹脂のTgとシェルを構成する樹脂のTgとの差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子を凝集・合一して得た静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)を使用する。
高Tg樹脂と低Tg樹脂がミクロな相分離状態を形成している場合、その樹脂は、圧力に対し可塑挙動を示し、一定以上の加圧下においては常温領域でも流動性を示す。このような樹脂を含有するトナーを用いると、従来、プリント速度の低下や、高い加熱温度設定を行わないと困難であった厚紙への定着も、薄紙への定着と同様のプリント速度や温度設定で、可能となる。
また、高い信頼性を付与することにより、従来実現し難かった5μm以下の小径化したトナーの使用も可能になり、これによりトナー消費量の低減と高精細な画像とが実現可能となり、高画質及び信頼性とトナー消費量低減による経済性との両立ができるようになる。
高Tg相のTgは、45〜80℃であることが好ましく、50〜70℃の範囲にあることがより好ましい。高Tg相のTgが45℃以上であると、トナーとしての保管性に優れ、輸送時やプリンターなどの機内においてケーキングや、連続プリント時などに感光体へのフィルミングが発生しにくく、また、画質欠陥も起こりにくい。また、高Tg相のTgが80℃以下であると、定着時(特に厚紙定着時)の定着温度が適度であり、用紙カールなど被記録媒体へのダメージを生じにくい。
なお、結晶性樹脂に示すような「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを示し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が6℃以内であることを意味する。
一方、吸熱ピークの半値幅が6℃を越える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶質)であることを意味する。非結晶性樹脂のDSCによるガラス転移点は、自動接線処理システムを備えた(株)島津製作所製の示差走査熱量計(DSC−50)等により、ASTM D3418に準拠して測定する。測定条件を以下に示す。
試料:3〜15mg、好ましくは5〜10mg
測定法:試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。
温度曲線:昇温I(−150℃〜180℃、昇温速度10℃/min)
上記温度曲線において昇温時に測定される吸熱曲線から、ガラス転移点を測定する。ガラス転移点とは、吸熱ピークの曲線の微分値が極大となる温度である。
より具体的には、スチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、β−カルボキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、ブテン、ブタジエンなどのオレフィン類などが好ましく例示できる。これらの単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上共重合して得られる共重合体、さらにはこれらの混合物を使用することができる。
ここでいう、「ポリスチレンとポリブチルアクリレート」等とは、スチレンを単量体単位として50重量%以上含む単独重合体又は共重合体と、ブチルアクリレートを単量体単位として50重量%以上含む単独重合体又は共重合体との組み合わせを意味し、他の組み合わせにおいても同様である。
コアが低Tg相である場合において、コアに用いられる樹脂を構成するモノマー単位の80重量%以上が、(メタ)アクリル酸エステル類から構成されることが好ましい。
また、シェルに用いられる樹脂は、スチレン類の他に、(メタ)アクリル酸エステル類をモノマー単位として含むことが好ましい。
例えば、スチレン系単量体80重量%以上と、(メタ)アクリル酸エステル類10〜20重量%を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を好ましく使用することができる。前記(メタ)アクリル酸エステル類は、コアの主成分(50重量%以上)である(メタ)アクリル酸エステル類と同一のものであることが好ましい。シェルを構成する樹脂が、コアと同一のモノマー単位を含有することにより加圧時に高Tg相と低Tg相とが容易に相溶するため好ましい。
(メタ)アクリル酸ヒドラジド化合物としては、アクリル酸ヒドラジド、メタクリル酸ヒドラジド、アクリル酸メチルヒドラジド、メタクリル酸メチルヒドラジド、アクリル酸ジメチルヒドラジド、アクリル酸フェニルヒドラジド等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸アミノアルキル化合物としては、アクリル酸2−アミノエチル、メタクリル酸2−アミノエチルなども挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸アミノアルキル化合物は、(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル化合物又は(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル化合物であってもよく、これらの例としては(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノエチルが例示できる。
前記極性基を有する単量体の好ましい含有量は、シェル層に使用した重合性単量体総重量の0.01〜20重量%の範囲が好ましく、0.1〜10重量%の範囲がより好ましい。上記範囲であると、コアシェル粒子に対し、水系媒体中におけるトナー化時の制御性を付与することができるので好ましい。
さらに、本発明に用いることができる結着樹脂は、前述した単量体の単独重合体、上述した単量体を含む単量体を2種以上組み合わせた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していてもよい。
このような架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル/トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、オクタンジオールジメタクリレート、デカンジオールジアクリレート、ドデカンジオールジメタクリレート等の直鎖多価アルコールの多官能(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多官能ビニルエステル類等が挙げられる。
前記架橋剤の好ましい含有量は、重合性単量体総量の0.05〜5重量%の範囲が好ましく、0.1〜1.0重量%の範囲がより好ましい。
シェルに用いられる樹脂の重量平均分子量は、3,000〜50,000であることが好ましく、5,000〜40,000であることがより好ましい。上記範囲であると、定着性と感光体へのフィルミング抑制を両立しやすいことから好ましい。
なお、前記コアシェル構造を有する樹脂粒子のメジアン径は、公知の方法により測定することができ、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
乳化重合において、2ステージフィードと呼ばれる単量体を段階的に重合系へ供給する方法等を用いることがより好ましい。2ステージフィードによると、コアとシェルとが異なるTgの樹脂からなるコアシェル構造を有する樹脂粒子を容易に得ることができる。
ここで得られた樹脂を結着樹脂として、溶解懸濁法や乳化重合凝集法によってトナー化するには、従来から公知の製法を用いることができる。
ここで用いるラジカル重合開始剤としては、公知のものを用いることができ特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド等のアゾ化合物類、1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
また、水系媒体には、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトンや酢酸等が挙げられる。本発明においては、水混和性の有機溶媒を含まない態様が好ましい。
上記共界面活性剤に使用できる、重合体、重合体を含む組成物には、例えば、他の単量体との共重合体、ブロック共重合体、混合物等を含むことができる。また、複数の共界面活性剤を併用することもできる。
共界面活性剤は、油相及び水相のいずれにも添加することができる。
本発明において、静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として、前記コアシェル粒子以外に他の結着樹脂を用いることもできる。
他の結着樹脂としては、エチレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂が好ましく挙げられ、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂がより好ましく挙げられる。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、「重縮合」(化学同人、1971年刊)、「高分子実験学(重縮合と重付加)」(共立出版、1958年刊)や「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社編、1988年刊)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、また、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は、組み合わせて用いて合成することができる。
スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂としては、例えば、エチレン性不飽和基を有する芳香族単量体(スチレン系単量体)60〜90重量部、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体((メタ)アクリル酸エステル系単量体)10〜40重量部、及びエチレン性不飽和酸単量体1〜3重量部よりなる単量体混合物を重合して得られる共重合体を界面活性剤で分散安定化したラテックスを好ましく使用することができる。上記の共重合体のガラス転移点は50〜70℃であることが好ましい。
スチレン系単量体としては、スチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等がある。
このようなカルボキシ基含有重合性単量体の具体例としては、アクリル酸、アコニット酸、アトロパ酸、アリルマロン酸、アンゲリカ酸、イソクロトン酸、イタコン酸、10−ウンデセン酸、エライジン酸、エルカ酸、オレイン酸、オルト−カルボキシケイ皮酸、クロトン酸、クロロアクリル酸、クロロイソクロトン酸、クロロクロトン酸、クロロフマル酸、クロロマレイン酸、ケイ皮酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シトラコン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ジヒドロキシケイ皮酸、チグリン酸、ニトロケイ皮酸、ビニル酢酸、フェニルケイ皮酸、4−フェニル−3−ブテン酸、フェルラ酸、フマル酸、ブラシジン酸、2−(2−フリル)アクリル酸、ブロモケイ皮酸、ブロモフマル酸、ブロモマレイン酸、ベンジリデンマロン酸、ベンゾイルアクリル酸、4−ペンテン酸、マレイン酸、メサコン酸、メタクリル酸、メチルケイ皮酸、メトキシケイ皮酸等が例示でき、重合体形成反応の容易性などからアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などが好ましく、アクリル酸がより好ましい。
カルボキシ基の他にも、スルホン酸基、酸無水物等の酸性基を含有するエチレン性不飽和単量体を用いることにより、酸性基を導入することができる。
本発明において、トナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度(%)の制御と廃水汚染の低減との点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。なお、本発明において、トナーは、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
本発明におけるトナーの製造に乳化凝集合一法を用いた場合、凝集工程においてpH変化により凝集を発生させ、粒子を調製することができる。同時に粒子の凝集を安定に、また迅速に、又はより狭い粒度分布を持つ凝集粒子を得るため、凝集剤を添加してもよい。
該凝集剤としては一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のイオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤類、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。
凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮した場合、凝集剤としては、無機酸の金属塩が性能、使用の点で好ましい。具体的には塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩などが挙げられる。
本発明に用いることができる着色剤としては特に制限はなく公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。着色剤を1種単独で用いてもよいし、同系統の着色剤を2種以上混合して用いてもよい。また異系統の着色剤を2種以上混合して用いてもよい。さらに、これらの着色剤を表面処理して用いてもよい。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化カルシウム、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ファストイエロー、ファストイエロー5G、ファストイエロー5GX、ファストイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等が例示できる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等が例示できる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が例示できる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、ウルトラマリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が例示できる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が例示できる。
上記の着色剤は、懸濁重合法によるトナー作製にそのまま用いることができ、懸濁重合法においては、樹脂中に分散させた着色剤を重合性単量体中に溶解、又は分散させることにより、造粒粒子中に着色剤を分散することができる。
機械的な衝撃等による着色剤分散の具体例としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて着色剤粒子の分散液を調製することができる。また、これらの着色剤は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザーによって水系に分散することもできる。
本発明において、トナーには、必要に応じて、離型剤を添加してもよい。離型剤は一般に離型性を向上させる目的で使用される。
前記離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが例示できる。本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、必要に応じて磁性体を含有してもよい。
前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属若しくは合金又はこれらの元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化クロム、その他を挙げることができる。例えば黒色のトナーを得る場合においては、それ自身黒色であり着色剤としての機能をも発揮するマグネタイトを特に好ましく用いることができる。またカラートナーを得る場合においては、金属鉄などのように黒みの少ないものが好ましい。またこれらの磁性体のなかには着色剤としての機能をも果たすものがあり、その場合には着色剤として兼用してもよい。これらの磁性体の含有量は、磁性トナーとする場合にはトナー100重量部当り20〜70重量部が好ましく、より好ましくは40〜70重量部である。
本発明のトナーは、トナー内部に内添剤を添加してもよい。内添剤は一般に定着画像の粘弾性制御の目的で使用される。
前記内添剤の具体例としては、シリカ、チタニアのような無機粒子や、ポリメチルメタクリレート等の有機粒子などが例示でき、また、分散性を高める目的で表面処理されていてもよい。またそれらは単独でも、2種以上の内添剤を併用してもよい。
本発明のトナーには、流動化剤や帯電制御剤等の外添剤を添加処理してもよい。
外添剤としては、表面をシランカップリング剤などで処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、カーボンブラック等の無機粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー粒子、アミン金属塩、サリチル酸金属錯体等、公知の材料を用いることができる。本発明に用いることができる外添剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明のトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.30以下であることが好ましい。GSDvが1.30を以下であると解像性が良好であり、トナー飛散やカブリ等が起こりにくく、画像欠陥が生じにくいため好ましい。
SF1は、トナー粒子表面の凹凸の度合いを示す形状係数であり、以下のようにして算出される。トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナー粒子についてトナー粒子の最大長の2乗/投影面積((ML)2/A)から、下記式のSF1を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
静電荷像現像用トナーの製造方法は、乳化重合凝集法である、少なくとも結着樹脂粒子を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程(以下、「凝集工程」ともいう。)、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程(以下、「融合工程」ともいう。)を含む方法であることが好ましい。
例えば、結着樹脂含有物を乳化後、有機溶剤の一部を除去することにより粒子として固形化するのが好ましい。固形化の具体的方法としては、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した後、溶液を撹拌しながら空気、あるいは窒素等の不活性ガスを送り込みながら、気液界面での有機溶剤の乾燥を行う方法(廃風乾燥法)、又は、減圧下に保持し必要に応じて不活性ガスをバブリングしながら乾燥を行う方法(減圧トッピング法)、さらには、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した乳化分散液若しくは重縮合樹脂含有物の乳化液を細孔からシャワー状に放出し例えば皿状の受けに落としこれを繰り返しながら乾燥させる方法(シャワー式脱溶剤法)などがある。使用する有機溶剤の蒸発速度、水への溶解度などからこれら方式を適時選択、あるいは組み合わせて脱溶剤を行うのが好ましい。
コアシェル粒子によるトナー中の相分離構造を維持するためには、高Tg樹脂のガラス転移点の+50℃以内の条件で溶融すること好ましい。シェルに用いる樹脂のガラス転移点の+50℃以内の条件で融合すると、コア成分の低粘度化が起こりにくく、コア用樹脂同士の合一が進行しにくく、ミクロな相分離構造が維持でき、圧力可塑挙動が十分となるため好ましい。
その後、凝集物を水系媒体から分離、必要に応じて洗浄、乾燥させることによってトナー粒子を形成する。
以上説明した静電荷像現像用トナーは、静電荷像現像剤として使用することができる。この現像剤は、この静電荷像現像用トナーを含有することのほかは特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
なお、以下の説明において、特に断りのない限り「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて「重量%」を意味する。
ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量Mwを測定した。
温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し測定した。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、重量平均分子量Mw=28.8×104となることにより確認することができる。また、GPCのカラムとしては、前記条件を満足するTSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)等を用いた。
平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)、又は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター(株)製)により測定した。
また、樹脂のガラス転移点、及び、融点は、(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC−50)を用いて測定した。
丸型ガラスフラスコ中に、300重量部のイオン交換水と1.5重量部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ社製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルアクリレートモノマー40重量部を加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5重量部を予め、10重量部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー60重量部と、n−ブチルアクリレートモノマー10重量部、0.8重量部のドデカンチオールを0.5重量部のTTABを溶解したイオン交換水100重量部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温、さらに2時間保持して、重合を完了した。
重量平均分子量Mwは40,000、平均粒子径は120nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A1)を得た。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、−50℃付近にポリブチルアクリレートによるガラス転移が観測され、また、60℃付近にスチレン−ブチルアクリレート共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:110℃)。
丸型ガラスフラスコ中に、300重量部のイオン交換水と2.0重量部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ社製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。2−エチルヘキシルアクリレートモノマー40重量部とを加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5重量部を予め、10重量部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、5時間保持し、スチレンモノマー80重量部と、n−ブチルアクリレートモノマー10重量部、0.8重量部のドデカンチオールを0.5重量部のTTABを溶解したイオン交換水100重量部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温、さらに2時間保持して、重合を完了した。重量平均分子量Mwは30,000、平均粒子径は130nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A2)を得た。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、−55℃付近にポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)によるガラス転移が観測され、また66℃付近にスチレン−ブチルアクリレート共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:121℃)。
丸型ガラスフラスコ中に、300重量部のイオン交換水と1.5重量部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ社製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルメタクリレートモノマー40重量部とを加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5重量部を予め、10重量部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー50重量部と、n−ブチルアクリレートモノマー10重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2重量部及び0.8重量部のドデカンチオールを0.5重量部のTTABを溶解したイオン交換水100重量部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温、さらに2時間保持して、重合を完了した。
重量平均分子量Mwは18,000、平均粒子径は260nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A3)を得た。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、21℃付近にポリブチルメタクリレートによるガラス転移が観測され、また65℃付近にスチレン−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:44℃)。
(ポリエステル樹脂(A4−1)の作製)
以下のモノマー及び触媒を秤量し、撹拌翼、還流管、減圧装置を具備したステンレス性三口フラスコにいれた。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド4モル付加物 345重量部
・シクロヘキサンジカルボン酸 172重量部
・ジブチル錫オキサイド 1.021重量部
150℃で2時間モノマーを溶解した後、200℃に昇温し、5時間反応を進めた。最後に20KPaで1時間減圧し、ポリエステル樹脂(A4−1)を作製した。
ポリエステル樹脂(A4−1)を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、21℃付近にガラス転移が観測された。また、得られた樹脂の数平均分子量Mnは3,500、重量平均分子量Mwは2,800であった。
以下のモノマー及び触媒を秤量し、撹拌翼、還流管、減圧装置を具備したステンレス性三口フラスコにいれた。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 332重量部
・テレフタル酸 166重量部
・ジブチル錫オキサイド 1.0重量部
180℃で2時間モノマーを溶解した後、240℃に昇温し、5時間反応を進めた。最後に20KPaで1時間減圧しポリエステル樹脂(A4−2)を作製した。
ポリエステル樹脂(A4−2)を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、43℃付近にガラス転移が観測された。また、得られた樹脂の数平均分子量Mnは4,000、重量平均分子量Mwは21,000であった。
丸型ガラスフラスコ中に、300重量部のイオン交換水と1.5重量部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ社製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルメタクリレートモノマー65重量部とを加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5重量部を予め、10重量部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー80重量部と、n−ブチルメタクリレートモノマー20重量部、及び0.8重量部のドデカンチオールを0.5重量部のTTABを溶解したイオン交換水100重量部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温、さらに2時間保持して、重合を完了した。
重量平均分子量Mwは18,000、平均粒子径は190nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A5)を得た。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、−3℃付近にポリブチルメタクリレートによるガラス転移が観測され、また52℃付近にスチレン−ブチルメタクリレート共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:55℃)。
丸型ガラスフラスコ中に、300重量部のイオン交換水と1.5重量部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ社製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルアクリレートモノマー30重量部を加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5重量部を予め、10重量部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー60重量部と、n−ブチルアクリレートモノマー10重量部、アクリル酸3重量部及び0.8重量部のドデカンチオールを0.5重量部のTTABを溶解したイオン交換水100重量部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温、さらに2時間保持して、重合を完了した。
重量平均分子量Mwは25,000、平均粒子径は150nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A6)を得た。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、−30℃付近にポリブチルアクリレートによるガラス転移が観測され、また、34℃付近にスチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:64℃)。
丸型ガラスフラスコ中に、300重量部のイオン交換水と1.5重量部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ社製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルメタクリレートモノマー40重量部とを加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5重量部を予め、10重量部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー50重量部と、n−ブチルアクリレートモノマー25重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2重量部及び0.8重量部のドデカンチオールを0.5重量部のTTABを溶解したイオン交換水100重量部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温、さらに2時間保持して、重合を完了した。
重量平均分子量Mwは25,000、平均粒子径は280nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A7)を得た。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、25℃付近にポリブチルメタクリレートによるガラス転移が観測され、また42℃付近にスチレン−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:17℃)。
シアン顔料(大日精化工業(株)製、銅フタロシアニン C.I.Pigment Blue 15:3) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) 5重量部
イオン交換水 200重量部
前記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)5分と超音波バスにより10分間分散し、中心径190nm、固形分量21.5重量%のシアン着色剤粒子分散液(P1)を得た。
着色剤粒子分散液(P1)の調製において、シアン顔料の代わりにマゼンタ顔料(DIC(株)製、C.I.Pigment Red 122)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(P1)と同様に調製して、中心径165nm、固形分量21.5重量%のマゼンタ着色剤粒子分散液(P2)を得た。
ドデシル硫酸 30重量部
イオン交換水 852重量部
を混合し、ドデシル硫酸水溶液を調製した。
パルミチン酸 188重量部
ペンタエリスリトール 25重量部
を混合し、250℃に加熱し融解した後、上記のドデシル硫酸水溶液に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した後、さらに超音波バス中で15分乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で70℃に維持し、15時間保持した。これにより粒子の中心径が200nm、融点が72℃、固形分量が20重量%の離型剤粒子分散液(W1)を得た。
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) 2重量部
イオン交換水 800重量部
カルナウバワックス 200重量部
を混合し、100℃に加熱し融解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で15分間乳化した後、さらにゴーリンホモジナイザーを用いて100℃にて乳化を行った。
これにより粒子の中心径が170nm、融点が83℃、固形分量が20重量%の離型剤微粒子分散液(W2)を得た。
<トナー粒子の調製>
・樹脂粒子分散液(A1) 168重量部(樹脂42重量部)
・着色剤粒子分散液(P1) 40重量部(顔料8.6重量部)
・離型剤粒子分散液(W1) 40重量部(離型剤8.6重量部)
・ポリ塩化アルミニウム 0.15重量部
・イオン交換水 300重量部
上記配合に従って、上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した後、樹脂粒子分散液(A1)を84重量部(樹脂21重量部)追加して緩やかに撹拌した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整した後、撹拌を継続しながら95℃まで加熱した。95℃までのあいだ、水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが5.0以下とならない様にした。95℃で、3時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、真空乾燥を12時間行い、トナー粒子を得た。
このトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が5.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は135のポテト形状であった。
上記トナー粒子50重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.5重量部を添加し、サンプルミルで混合して外添トナーを得た。
そして、ポリメチルメタクリレート(綜研化学(株)製)を1重量%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5重量%になるように前記の外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤を調製した。
樹脂粒子分散液(A2)と離型剤粒子分散液(W1)、着色剤粒子分散液(P2)を用い、ポリ塩化アルミニウムを硫酸アルミニウムに代え、95℃に昇温する際のpHを7.0にした他はトナー1と同様にしてトナー2を作製して評価を行った。作製したトナー2の粒度とGSDv、SF1を表1に示す。
樹脂粒子分散液(A3)と離型剤粒子分散液(W2)、着色剤粒子分散液(P2)を用いた以外は、トナー1と同様にしてトナー3を作製して評価を行った。作製したトナー3の粒度とGSDv、SF1を表1に示した。
樹脂粒子分散液(A4)と離型剤粒子分散液(W1)、着色剤粒子分散液(P2)を用い、95℃に昇温する際のpHを7.3にした以外は全てトナー1と同様にし、トナー4を作製して評価を行った。作製したトナー4の粒度とGSDv、SF1を表1に示した。
樹脂粒子分散液(A3)と離型剤粒子分散液(W1)、着色剤粒子分散液(P1)を用い、95℃に昇温する際のpHを7.3にした以外は全てトナー1と同様にし、トナー5を作製して評価を行った。作製したトナー5の粒度とGSDv、SF1を表1に示した。
樹脂粒子分散液(A5)と離型剤粒子分散液(W2)、着色剤粒子分散液(P2)を用い、95℃に昇温する際のpHを6.9にした以外は全てトナー1と同様にし、トナー6を作製して評価を行った。作製したトナー6の粒度とGSDv、SF1を表1に示した。
樹脂粒子分散液(A6)と離型剤粒子分散液(W1)、着色剤粒子分散液(P2)を用い、95℃に昇温する際のpHを7.2にした以外は全てトナー1と同様にし、トナー7を作製して評価を行った。作製したトナー7の粒度とGSDv、SF1を表1に示した。
樹脂粒子分散液(A5)と離型剤粒子分散液(W1)、着色剤粒子分散液(P2)を用い、95℃に昇温する際のpHを7.3にした以外は全てトナー1と同様にし、トナー8を作製して評価を行った。作製したトナー8の粒度とGSDv、SF1を表1に示した。
樹脂粒子分散液(A1)と離型剤粒子分散液(W1)、着色剤粒子分散液(P1)を用い、95℃に昇温する際のpHを7.1にした以外は全てトナー1と同様にし、トナー9を作製して評価を行った。作製したトナー9の粒度とGSDv、SF1を表1に示した。
樹脂粒子分散液(A2)と離型剤粒子分散液(W1)、着色剤粒子分散液(P1)を用い、95℃に昇温する際のpHを6.8にした以外は全てトナー1と同様にし、トナー10を作製して評価を行った。作製したトナー10の粒度とGSDv、SF1を表1に示した。
樹脂粒子分散液(A7)を用いた以外は、トナー1と同様にしてトナー11を作製して評価を行った。作製したトナー11の粒度とGSDv、SF1を表1に示した。
(実施例1〜10及び比較例1〜3)
(定着装置)
富士ゼロックス(株)製DocuCentre Color500(以降DCC500と記載する場合がある)改造定着装置を用いて測定した。
図1は、本発明で使用する熱補助圧力定着装置の概略構成図である。定着ロール1と加圧ロール2とが対向して配置され、ロール間の加圧力は、加圧調整ネジ7で調節することができ、荷重センサー8を介して、荷重表示器(図示せず)にロール間に加わる荷重が表示される。この荷重をロールの軸方向の長さで割って線圧を求めることができる。
定着ロール1と加圧ロール2の内部には、加熱源3としてハロゲンランプが配置されている。ロールの表面の温度は、温度センサー4を介して温度コントローラ(図示せず)に表示される。また、温度コントローラによりロール表面の温度を所望の温度に設定することができる。ロール表面には、クリーニングフェルト5とスクレーパー6が取り付けられている。クリーニングフェルト5には、離型オイルとしてアミノオイルを含浸させた。また、スクレーパー6は、SUS板で作られている。
(定着擦り評価)
室温(25℃)において、評価方法は定着トナー像が形成された紙の上に未使用の普通紙を重ね、1対のゴムロールの間に挟持して一定の圧力(20〜50MPa)を加えながら、定着トナー像が形成された厚紙コート紙と未使用の普通紙を逆方向に移動させ、定着トナー像を擦り、トナー像の剥がれの程度を標準見本と比較してグレード付けすることにより行った。定着強度は、上記の評価方法で実用上問題がないレベルとなる最低の定着ロール表面温度を示した。
前記DCC500改造定着装置を用いて測定した。5,000枚の印字試験後、画像先端部分のベタ黒画像において発生する剥離爪傷が、実使用上問題にならないレベルにあるか評価した。
○:爪傷が画像に全く確認できない。
△:爪傷が画像上で確認できる。
×:爪傷が画像上ではっきりと確認される。
○を合格とした。
20,000枚の連続プリント後、定着ロールを外し、ロール表面のキズ、光沢の変化を特に剥離爪に対応する部分で評価した。
以下に評価基準を示す。
○:ロールにキズ、光沢変化が全く見られない。
△:ロールに爪痕がやや見られる。
×:ロールに深い傷がある。
○を合格とした。
2:加圧ロール
3:加熱源
4:温度センサー
5:クリーニングフェルト
6:スクレーパー
7:加圧調整ネジ
8:荷重センサー
9:被記録媒体
10:鉄ロール
11:クロームメッキ表面処理層
12:シリコーンゴム層
13:フッ素ゴム表面層
Claims (5)
- 潜像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、
前記静電潜像をトナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程、
前記トナー画像を被記録媒体上に転写する転写工程、及び、
加圧ロールと定着ロールとの間のニップ部に前記転写工程後の被記録媒体を通し、加圧してトナー画像を定着する定着工程を含み、
前記トナーが、コアを構成する樹脂のTgとシェルを構成する樹脂のTgとの差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子を凝集・合一して得た静電荷像現像用トナーであり、
前記定着ロールは、剛体ロール表面にゴム硬度(タイプAデュロメータ硬さ JIS K 6253)がA20〜A60である弾性層を厚さ1mm以下で形成したものであり、
前記定着工程における、最大定着圧力が1〜50MPaであることを特徴とする
画像形成方法。 - 前記弾性層の表面にフッ素樹脂層が形成された、請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記被記録媒体の前記ニップ部の通過時間が60〜1,000msである、請求項1又は2に記載の画像形成方法。
- 前記定着工程における定着温度が100℃以下である、請求項1〜3いずれか1つに記載の画像形成方法。
- 潜像保持体、
前記潜像保持体を帯電させる帯電手段、
帯電した前記潜像保持体を露光して前記潜像保持体上に静電潜像を形成する露光手段、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段、及び、
前記トナー像を前記潜像保持体から被記録媒体に転写する転写手段、
加圧ロールと定着ロールとの間のニップ部に前記被記録媒体を通し、加圧してトナー画像を定着する定着手段を有し、
前記トナーが、コアを構成する樹脂のTgとシェルを構成する樹脂のTgとの差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子を凝集・合一して得た静電荷像現像用トナーであり、
前記定着ロールは、剛体ロール表面にゴム硬度(タイプAデュロメータ硬さ JIS K 6253)がA20〜A60である弾性層を厚さ1mm以下で形成したものであり、
前記定着手段の最大定着圧力が1〜50MPaであることを特徴とする
画像形成装置。
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