JPH10274894A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH10274894A
JPH10274894A JP1929298A JP1929298A JPH10274894A JP H10274894 A JPH10274894 A JP H10274894A JP 1929298 A JP1929298 A JP 1929298A JP 1929298 A JP1929298 A JP 1929298A JP H10274894 A JPH10274894 A JP H10274894A
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roller
fixing
pressure roller
pressure
elastic layer
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JP1929298A
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Jun Okamoto
潤 岡本
Setsuo Soga
節夫 曽我
Toshio Kawakubo
俊夫 川久保
Kazuto Kishi
和人 岸
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面定着時にシワを発生させることがなく良
好な定着品質を得ることのできる定着装置を提供する。 【解決手段】 内部にヒータ3,4を夫々内蔵し芯金上
に弾性層を有する定着ローラ1と加圧ローラ2の周速比
を0.97〜1.03の範囲に設定する。これにより、
加圧ローラ2の遅れを無くして転写紙Pへのストレスを
減少させ、両面定着時のシワ発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等の画像形成装置における定着装置に関し、特に、両面
記録可能なフルカラー画像形成装置に適した定着装置に
関するするものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画
像形成装置に装着され、転写紙等の記録媒体上に転写さ
れた未定着画像(加熱溶融性の樹脂等よりなるトナーに
より形成された画像)を加熱して記録媒体上に定着させ
る定着装置として、発熱体(ヒータ)により加熱された
定着ロ−ラと加圧ローラとを圧接させ、両ローラ間に記
録媒体を通過させて熱と圧力とにより記録媒体上の未定
着トナー像の定着を行なう、ヒートローラ方式の定着装
置は周知である。
【0003】3色又は4色のトナー像を重ね合わせてフ
ルカラー画像を得るカラー画像形成装置の場合には、確
実な定着を行わせるために定着ロ−ラだけでなく加圧ロ
−ラにも発熱体を設けている。また、カラー画像形成装
置においては低軟化タイプ(いわゆるシャープメルト)
のトナーが用いられるのでオフセットを起こしやすい。
そのため、定着ローラの材質には離型性の良い材質が要
求される。具体的にはLTV(低温加硫型)、RTV
(室温加硫型)などの高離型タイプのシリコーンゴムが
挙げられる。さらに、両面記録可能な装置の場合には加
圧ローラの材質にも定着ローラと同タイプのシリコーン
ゴムが採用される。
【0004】ところで、定着装置の駆動は、一般的に
は、定着ローラのシャフトに設けられたギヤに駆動系の
ギヤが噛み合わされて定着ローラが回転駆動され、加圧
ローラはその定着ローラに圧接されて従動回転するよう
になっている。ただし、オイル塗布量の多い機種では、
オイルが定着ローラと加圧ローラのニップ部に停滞して
加圧ローラが回転しないことにより発生する用紙ジャム
を防止するために、加圧ローラも駆動するものがある。
上述したように、フルカラー装置においては低軟化トナ
ーが用いられてオフセットを起こしやすいためにオイル
塗布量を多くする場合があり、加圧ローラの駆動はフル
カラー装置において多く採用される。なお、オイルによ
る諸問題を防ぐために、近年はオイル塗布量を抑えて加
圧ローラを従動させるものが多くなっている。
【0005】また、近年は両面記録が可能な画像形成装
置が増加しており、両面定着に対応した定着装置が増え
ている。両面定着時の顕著な問題として、用紙のシワ発
生が挙げられる。この両面定着時のシワ発生に関し、本
願発明者らにより原因の解明が行われ、以下のようなこ
とが判明した。
【0006】両面記録に際し、一度定着が行われた用紙
が再度定着装置のニップ部を通過する。この場合、用紙
の裏面(第2面)が定着ローラ側に位置し、すでに定着
された画像を担持する用紙の表面(第1面)が加圧ロー
ラ側に位置する。このとき、用紙の第1面において、画
像部(トナー付着部)と余白部とで搬送速度が異なる現
象が観察された。具体的には、画像部のほうが余白部よ
りも送り方向に対する搬送速度が速くなっている。この
現象は、加圧ローラの周速が定着ローラよりも遅い場合
に顕著となり、両面定着時(両面記録時)のシワ発生の
原因となることが発見された。
【0007】例えば、画像部が用紙の中央部に位置し、
用紙両端部に余白部が存在する場合、用紙中央部の搬送
速度が両端部に比べて速くなり、用紙両端部から中央部
に力が働く部分が生じてシワが発生する場合がある。用
紙のシワ発生を防止する方法として、ロ−ラの中央部が
最小径で両端に向かって漸次大径となるように、ロ−ラ
を鼓形状にして、ローラ端部の用紙搬送速度を中央部の
搬送速度より速くして、用紙両端に拡がる力(鼓効果)
を与える方法がある。しかし、上記した、用紙中央部に
画像があり両端部に余白部があるような場合でシワが発
生するときは、鼓効果よりもシワを発生させる力の方が
強いためである。特に、フルカラー装置では低軟化タイ
プのトナーが用いられるので、用紙第1面(加圧ローラ
側)での画像部の搬送速度が速くなる傾向となり、両面
定着時のシワ発生の問題が大きい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、両面記
録可能なフルカラー画像形成装置の定着装置では両面定
着時のシワ発生が大きな問題となっている。
【0009】そして、シワを防ぐためにさらにローラの
鼓量(ローラ端部外径−ローラ中央部外径)を増やした
場合には、その副作用として定着時に用紙後端が跳ね上
がり、未定着トナー部がニップよりも上流の定着ローラ
表面と接触して画像ズレを生じてしまうという問題が起
こる。また、定着装置のニップ幅(用紙搬送方向のニッ
プ部の長さ)やオイル塗布量などの条件によっても両面
定着時のシワ発生やその他定着品質に影響するという問
題がある。
【0010】本発明は、従来の定着装置における上述の
問題を解決し、両面定着時にシワを発生させることがな
く良好な定着品質を得ることのできる定着装置を提供す
ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、両面記録可能なフルカラー画像形成装置の定着装
置であって、剛体芯金上を弾性部材で被覆するとともに
ローラ内部に夫々発熱体を備える定着ロ−ラ及び加圧ロ
−ラを互いに圧接させて配設し、両ローラ間に未定着画
像を担持した記録媒体を通過させることにより未定着画
像を記録媒体に定着させる定着装置において、前記定着
ローラと加圧ローラの周速比が0.97〜1.03の範
囲にあることにより解決される。
【0012】また、前記定着ロ−ラ及び前記加圧ローラ
の鼓量が夫々0〜0.08mmの範囲にあると、より効
果的である。
【0013】さらに、記録媒体上の一点が前記定着ロー
ラと加圧ローラにより形成されたニップ中を通過する時
間が、通常紙厚で0.04〜0.06秒の範囲にある
と、より効果的である。
【0014】さらに、前記定着ローラ及び(又は)前記
加圧ローラへの離型剤塗布量が、A4サイズ1枚あたり
10mg(0.016mg/cm2)以下であると、よ
り効果的である。
【0015】さらに、前記定着ロ−ラ及び前記加圧ロー
ラの弾性層の厚さ、弾性層のゴム硬度、ローラ外径及び
弾性層の熱膨張率を同一にすると、より効果的である。
【0016】さらに、前記定着ロ−ラ及び前記加圧ロー
ラの弾性層の厚さ、弾性層のゴム硬度、ローラ外径及び
弾性層の熱膨張率のうちの1つまたは複数の条件の組み
合わせによって、圧接時の定着ロ−ラ及び加圧ローラの
弾性層の変形量を同一にすると、より効果的である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施形態の定着装置を
示す断面構成図である。この定着装置は両面対応の(用
紙を反転させて用紙の両面に画像形成可能な)カラー画
像形成装置(例えばフルカラー複写機)に装着されるもの
であり、定着ロ−ラ1及び加圧ロ−ラ2に夫々ヒータ
3,4を内蔵している。定着ロ−ラ1には離型用オイル
を塗布するためのオイル塗布フェルト5が当接され、そ
の回転方向下流側にオイル量を規制するためのブレード
6が当接されている。離型用オイルはジメチルシリコー
ンオイルで粘度は300CSのものを用い、本実施形態
では上記オイル塗布機構により、オイル塗布量はA4サ
イズ1枚あたり10mg以下(2〜10mg)に規制するこ
とが可能である。また、定着ローラ1にはクリーニング
ローラ7及び分離爪9が当接され、クリーニングローラ
7にはスクレーパ8が当接されている。なお、本実施形
態では定着ローラ1のみに離形用オイルを塗布している
が、加圧ローラ2にもオイルを塗布しても良い。
【0019】未定着トナーTを担持した転写紙Pは、画
像形成装置の搬送手段10により図の右から左方向に搬
送され、定着装置に導入される。その転写紙は定着ロー
ラ1と加圧ローラ2とが圧接されたニップ部を通ること
によって熱と圧力とによりトナーが転写紙上に定着さ
れ、分離爪9によって定着ローラ1より剥離されて排紙
ローラ対11により排紙される。裏面(第2面)定着時
は、表面(第1面)のトナー画像(定着済み)が加圧ロ
ーラ2側に位置して定着が行われる。
【0020】定着ロ−ラ1は芯金上に3層の弾性ゴムを
被覆して構成され、ベース層にHTV(高温加硫型)ゴ
ム,中間層にフッ素系ゴム,表層には離型性の高いLT
Vゴムをコーティングしている。定着ローラ1の外径は
60mm、弾性体層の厚みは1〜3mm、鼓量(ローラ端部
と中央部の外径の差)は0.05mmに設定されている。
一方、加圧ローラ2は両面対応のため、定着ローラ1と
同様に芯金上に3層の弾性ゴムを被覆している。加圧ロ
ーラ2の外径は60mm、弾性体層の厚みは1〜4mm、鼓
量は0.05mmに設定されている。両ローラ共に、弾性
体層の中間層の厚みは10〜100μm、表層の厚みは
30〜200μm、残りはベース層の厚さである。ま
た、両ローラによるニップ幅(用紙搬送方向のニップの
長さ)は9.5mm、定着速度(線速)は普通紙モードで
180mm/s(ニップ時間:0.053秒)、厚紙モー
ドで90mm/sとなっている。なお、ニップ時間とは、
用紙上の一点がニップを通過する時間、すなわちニップ
幅/線速である。
【0021】図2は、図1に示した定着装置の駆動系の
構成を示す側面図である。この図において、定着ローラ
1のシャフト1aの右側(画像形成装置の奥側)端部に
は入力ギヤ20が固着されている。また、シャフト1a
のローラ左側(画像形成装置の手前側)には定着ギヤ2
1が嵌合されている。シャフト1aと定着ギヤ21との
嵌合はD穴形状によって行われ、スラスト方向(軸方
向)に移動させることは可能であり、ローラ交換時等は
定着ギヤ21をシャフト1aに脱着することができるよ
う構成されている。定着ローラシャフト1aには定着ベ
アリング22,断熱ブッシュ23がセットされ、これら
を介して前後側板24a、bに回転可能に支持されてい
る。シャフト1aの左側端部にはボス部が設けられ、そ
こに填め込まれたCリング25により、ベアリング2
2,断熱ブッシュ23及び前側側板24aの内側に配置
された定着ギヤ21がガタのないように取り付けられ
る。また、定着ベアリング22はベアリングストッパ2
6によって側板に固定されている。定着ギヤ21側には
遊びがないので、定着ローラ1の熱膨張時には矢印A方
向にシャフトの膨張が逃がされるよう構成され、定着ギ
ヤ21のスラスト位置の変化が小さくて済むようにして
いる。
【0022】加圧ローラ2は、シャフト2aの両端部に
填め込まれた加圧ベアリング28によって前後側板24
a、bの突設部に支持され、回転可能となっている。シ
ャフト2aのローラ左側には加圧ギヤ27が嵌合されて
いる。ギヤ27とシャフト2aの嵌合は定着ローラ1と
同様にD穴形状によって行われている。加圧ギヤ27は
側板の外に延びた延設部27aを有しており、その端部
は加圧ベアリング28の内側に当接している。この延設
部27aはスペーサの役目を有しており、加圧ギヤ27
の位置決めをして加圧ギヤ27と定着ギヤ21との噛み
合い部のガタを抑え、両ギヤの歯の厚みを3〜5mmと薄
く設けることができ、定着装置の側板内に両ギヤを搭載
することを可能にしている。両ギヤは平歯ギヤで、定着
ローラ1と加圧ローラ2の周速比を1.00とする場
合、歯数は定着ギヤ21及び加圧ギヤ27ともに60Z
で、等速で回転する。
【0023】さて、定着ローラ1と加圧ローラ2の周速
比と両面定着時のシワ発生の関係について説明する。
【0024】次の表1は、本実施形態の定着装置と従来
の定着装置とを比較して、定着・加圧ローラの周速比別
にシワ発生の良否を判定したものである。なお、この表
に示す従来例は加圧ローラが従動されるタイプのもので
あり、加圧ローラの表層材質をLTV1,LTV2,L
TV3の3種類で評価した。表層材質はLTV1→LT
V2→LTV3の順に摩擦係数が小さくなり、離型性は
LTV1→LTV2→LTV3の順に低下する。本実施
形態の装置では加圧ローラの表層材質はLTV1の一種
類で、定着・加圧ローラの周速比別に5実施例(判定が
○印で示されている)を示し、表層材質が同じで周速比
が本発明に該当しない実験例を一例示した。
【0025】
【表1】
【0026】この表からも解るように、加圧ローラが駆
動されない従来例はローラ周速比(加圧ローラ周速÷定
着ローラ周速)が夫々0.94,0.95,0.96で
あり、両面定着時のシワ発生が認められた。一方、加圧
ローラを駆動した場合、周速比を0.97〜1.03の
範囲に設定した場合には両面定着時のシワ発生のない良
好な定着性能を得ることができ、本発明ではローラ周速
比を0.97〜1.03の範囲とする。これにより、加
圧ローラの遅れを無くして用紙へのストレスを減少さ
せ、両面定着時のシワ発生を防止することができる。
【0027】加圧ローラを駆動した場合の各周速比にお
ける定着ギヤと加圧ギヤの歯数は、本実施形態ではそれ
ぞれ表に示すとおりである。なお、この表に示す定着ロ
ーラ及び加圧ローラは、いずれも鼓量が0.05mmの
ものを用いた。
【0028】次に、請求項2の発明について説明する。
図1,2に示す構成の定着装置において、定着ローラ1
の鼓量と加圧ローラ2の鼓量の組み合わせによる両面定
着時のシワ発生と用紙後端跳ね上がり(画像ズレ)の発
生状況を図3のグラフに示した。なお、定着ローラ1と
加圧ローラ2の周速比は1.00、定着速度は180mm
/sである。この図からも解るように、グラフの左下の領
域でシワが発生し、右上の領域では用紙後端跳ね上がり
が発生する。したがって、両領域の間の部分がシワ・用
紙跳ね上がりのない良好な定着品質を得られる領域であ
り、本発明では定着ローラ及び加圧ローラの鼓量を0〜
0.08mmとする。
【0029】次に、請求項3の発明について説明する。
図1,2に示す構成の定着装置において、3種類の線速
で夫々ニップ幅を変更した(すなわちニップ時間を変更
した)場合のシワ発生の有無を次の表2及び図4のグラ
フに示した。
【0030】
【表2】
【0031】表2及び図4のグラフから解るように、線
速105,180,300mm/sの各速度において、
ニップ時間が0.02〜0.06secの範囲で両面定
着時のシワ発生がなかった。しかし、ニップ時間0.0
2secでは未定着画像があり、定着性が否であった。
また、各速度において、ニップ時間を0.1秒とした場
合にはオフセットが発生した。したがって、シワ発生を
防止するとともに良好な定着性を得るために、本発明で
はニップ時間0.04〜0.06secの範囲とする。
なお、ここでは定着ローラ1と加圧ローラ2の周速比を
1.00に、両ローラの鼓量を0.05mmとした場合
の評価を示したが、周速比0.97〜1.03の範囲及
び両ローラの鼓量0〜0.08mmの範囲で同様の評価を
得ることができた。
【0032】次に、請求項5の発明について説明する。
ところで、定着ローラ・加圧ローラによって構成された
ニップ内部のローラ表面速度は、ニップ入口から出口ま
でのローラ表面歪に比例して変化することが知られてい
る。このことは、定着ローラと加圧ローラとの圧接によ
って得られたニップ部の両ローラ各々の表面歪み量が異
なるとニップ内でスリップが生じるということを意味す
る。このニップ内でのスリップが上記両面定着時のシワ
発生の原因ともなっている。
【0033】そこで、定着ローラ及び加圧ローラにおい
て、弾性層の厚さ、弾性層のゴム硬度、各ローラの径及
び弾性体層の熱膨張率を同一にすることを提案する。こ
れにより、ニップ部における定着ローラ及び加圧ローラ
の夫々の表面歪み量を同一にして速度差を無くし、両面
定着時のシワ発生を防ぐことができる。
【0034】本実施形態における、定着・加圧、両ロー
ラの弾性層の厚さ、弾性層のゴム硬度、各ローラの径及
び弾性体層の熱膨張率について具体的な数値を説明す
る。
【0035】図5に示すように、定着ローラ1及び加圧
ローラ2は、芯金1b,2b上に弾性層1a,2aが設
けられている。弾性層の厚さが大きくなると連続通紙時
(ヒータ点灯率の高いとき)の芯金温度上昇によって弾
性層のゴムの接着強度の低下を招きやすくなる。本実施
形態では、定着ローラ弾性層1aの厚さ=加圧ローラ弾
性層2aの厚さで、1〜3mmの範囲に設定されている。
【0036】定着ローラ及び加圧ローラの弾性層の厚み
に関わる実用範囲を図6のグラフに示す。このグラフに
おいて、実線の部分が「実用的に使用できる範囲」を表
わしている。定着ローラ弾性層の厚さ及び加圧ローラ弾
性層の厚さが1〜3mmの範囲では実用上問題がない。そ
れより厚くなると、連続通紙時の芯金温度上昇に対して
不利となる。
【0037】また、定着ローラ及び加圧ローラの弾性層
のゴム硬度は共に等しく、その値はJISAで25〜4
5Hsの範囲に設定される。図7のグラフに実線で示す
ように、上記ゴム硬度の範囲では実用上問題がない。ゴ
ム硬度が25Hsより低い場合には、加圧時のニップ部
の面圧(単位面積当たりにかかる圧力)が低く、トナー
の溶融が不充分となり定着不良を起こす恐れがある。ま
た、45Hsより高くなると、定着に必要なニップ幅を
得られなくなる恐れがある。
【0038】さらに、定着ローラ及び加圧ローラの外径
は共に等しく、30〜60mmの範囲に設定される。図8
のグラフに実線で示すように、上記ローラ径の範囲では
実用上問題がない。ローラ径が大きくなると定着装置そ
のものを大型化させ、スペース面で不利となる。また、
ローラ径が30mmより小さい場合には、必要なニップ幅
を得にくくなる。ローラ径を上記範囲に設定した場合に
は、定着速度を約50〜300mm/sの範囲に対応させ
ることが可能である。
【0039】そして、定着ローラ及び加圧ローラの弾性
層の熱膨張率は共に等しく設定される。図9のグラフ
は、ローラ温度と弾性層の熱膨張量(厚み方向)の関係
を示している。弾性層の熱膨張量は、弾性層の厚み方向
の熱膨張係数:βによって算出される。その熱膨張係
数:βは、弾性層の厚み(ゴム厚):t、ローラ径:
D、弾性層(ゴム)の熱線膨張係数:α(1/℃)とす
ると、β=3(1−t/D)αで表わされる。
【0040】ここで、請求項1,5及び6の発明に関係
する、定着ニップ中のローラ表面速度について図10を
参照して説明しておく。
【0041】図10において、定着ローラ1と加圧ロー
ラ2とのニップ部に転写紙Pが挟持されて矢印S方向に
搬送されている。ニップ部の表面速度V´(V1´,V2
´)は、ニップ部以外の周速度V(V1,V2)に対し
て、歪みに比例して大きくなる。ニップ部の表面速度V
´は、定着ローラ1及び加圧ローラ2の弾性層の圧縮変
形量をδとすると、次の算式で表わされる。
【0042】
【数1】
【0043】本発明では、定着ローラと加圧ローラの周
速比を0.97〜1.03の範囲に設定しており、両ロ
ーラの速度は略同一である。これは(この周速比の範囲
は)、転写紙Pがニップ中を通過する際に、定着ローラ
と加圧ローラの圧縮変形量が同一であれば、転写紙に対
する定着ローラの表面速度と加圧ローラの表面速度が一
致することを意味し、両面定着時のシワ発生防止に有効
である。
【0044】定着ローラと加圧ローラを圧接させた場合
に両ローラの弾性層の圧縮変形量を同一にする方法とし
て、両ローラ弾性層の厚さ、弾性層のゴム硬度、ローラ
外径、弾性層の熱膨張率の各条件のうち、1つの条件ま
たは複数の条件の組み合わせ、によってこれを達成する
ことができる。
【0045】両ローラ圧接時の各ローラの弾性層の変形
量を同一にした例を図11及び図12に示す。
【0046】図11に示す例では、定着ローラ31の外
径>加圧ローラ32の外径、定着ローラ弾性層31aの
厚み<加圧ローラ弾性層32aの厚み、とすることによ
って、両ローラ圧接時の各ローラの弾性層の変形量を同
一にしている。
【0047】また、図12に示す例では、定着ローラ4
1の外径=加圧ローラ42の外径、定着ローラ弾性層4
1aの厚み>加圧ローラ弾性層42aの厚み、定着ロー
ラ弾性層41aのゴム硬度>加圧ローラ弾性層42aの
ゴム硬度、とすることによって、両ローラ圧接時の各ロ
ーラの弾性層の変形量を同一にしている。
【0048】両ローラ圧接時の各ローラの弾性層の変形
量を同一にする方法は上記例に限らず、両ローラ弾性層
の厚さ、弾性層のゴム硬度、ローラ外径、弾性層の熱膨
張率のうちの1つまたは複数の条件を任意に組み合わせ
ることによって行うことができる。これによって、圧接
時の両ローラ弾性層の表面歪量を同一にして速度差を無
くし、両面定着時のシワ発生を防止することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の定着装置
によれば、定着ローラと加圧ローラの周速比を0.97
〜1.03の間に設定するので、加圧ローラの遅れを無
くして用紙へのストレスを減少させ、両面定着時のシワ
発生を防止することができる。
【0050】請求項2の構成により、定着ローラと加圧
ローラの鼓量を0〜0.08mmの間に設定するので、両
面定着時のシワ発生を防止することができる。
【0051】請求項3の構成により、ニップ時間を0.
06秒以下に設定するので、両面定着時のシワと画像ズ
レが防止できる。
【0052】請求項4の構成により、離型剤(離型用オ
イル)の塗布量を規制するので、オイル付着や両面定着
時のジャムなどオイルによる諸問題を防止することがで
きる。
【0053】請求項5の構成により、定着ローラ及び加
圧ローラの、弾性層の厚さ、弾性層のゴム硬度、各ロー
ラの径及び弾性層の熱膨張率を同一にするので、ニップ
部における定着ローラ及び加圧ローラの夫々の表面歪み
量を同一にして速度差を無くし、両面定着時のシワ発生
を防ぐことができる。
【0054】請求項6の構成により、定着ローラ及び加
圧ローラの、弾性層の厚さ、弾性層のゴム硬度、ローラ
外径、弾性層の熱膨張率のうちの1つまたは複数の条件
を組み合わせて圧接時の両ローラ弾性層の変形量を同一
にするので、圧接時の両ローラ弾性層の表面歪み量を同
一にして速度差を無くし、両面定着時のシワ発生を防ぐ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の定着装置を示す断面構成
図である。
【図2】その定着装置の駆動系の構成を示す側面図であ
る。
【図3】定着ローラと加圧ローラの鼓量の組み合わせに
よる両面定着時のシワ発生と用紙後端跳ね上がりの発生
状況を示すグラフである。
【図4】ニップ時間による両面定着時のシワ発生状況を
示すグラフである。
【図5】定着ローラおよび加圧ローラの構成を示す断面
図である。
【図6】定着及び加圧ローラの弾性層の厚みに関わる実
用範囲を示すグラフである。
【図7】定着及び加圧ローラの弾性層のゴム硬度に関わ
る実用範囲を示すグラフである。
【図8】定着及び加圧ローラの外径に関わる実用範囲を
示すグラフである。
【図9】ローラ温度と弾性層の熱膨張量(厚み方向)の
関係を示すグラフである。
【図10】定着ニップ中のローラ表面速度について説明
する模式図である。
【図11】両ローラ圧接時の各ローラの弾性層の変形量
を同一にした例を示す断面図である。
【図12】両ローラ圧接時の各ローラの弾性層の変形量
を同一にした別例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,31,41 定着ロ−ラ 2,32,42 加圧ロ−ラ 3,4 ヒータ 5 オイル塗布部材 6 ブレード 21 定着ギヤ 27 加圧ギヤ P 転写紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 和人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両面記録可能なフルカラー画像形成装置
    の定着装置であって、剛体芯金上を弾性部材で被覆する
    とともにローラ内部に夫々発熱体を備える定着ロ−ラ及
    び加圧ロ−ラを互いに圧接させて配設し、両ローラ間に
    未定着画像を担持した記録媒体を通過させることにより
    未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置において、 前記定着ローラと加圧ローラの周速比が0.97〜1.
    03の範囲にあることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記定着ロ−ラ及び前記加圧ローラの鼓
    量が夫々0〜0.08mmの範囲にあることを特徴とす
    る、請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 記録媒体上の一点が前記定着ローラと加
    圧ローラにより形成されたニップ中を通過する時間が、
    通常紙厚で0.04〜0.06秒の範囲にあることを特
    徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記定着ローラ及び(又は)前記加圧ロ
    ーラへの離型剤塗布量が、A4サイズ1枚あたり10m
    g(0.016mg/cm2)以下であることを特徴と
    する、請求項1に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記定着ロ−ラ及び前記加圧ローラの弾
    性層の厚さ、弾性層のゴム硬度、ローラ外径及び弾性層
    の熱膨張率を同一にすることを特徴とする、請求項1に
    記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記定着ロ−ラ及び前記加圧ローラの弾
    性層の厚さ、弾性層のゴム硬度、ローラ外径及び弾性層
    の熱膨張率のうちの1つまたは複数の条件の組み合わせ
    によって、圧接時の定着ロ−ラ及び加圧ローラの弾性層
    の変形量を同一にすることを特徴とする、請求項1に記
    載の定着装置。
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