JP2008151964A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロール部材の変形に起因して生ずる画像の不具合を抑制することのできる定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着装置は、定着ベルト610を備える定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に圧接配置された加圧ロール62とで構成され、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62との間にニップ部Nを形成している。ニップ部Nは、加圧ロール62と定着ロール611との間に形成されるロールニップ部N1と、加圧ロール62と剥離パッド64との間に形成される剥離パッドニップ部N2とから成り、剥離パッドニップ部N2の長さが、ロールニップ部N1より長く設定されている。
【選択図】図3
【解決手段】定着装置は、定着ベルト610を備える定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に圧接配置された加圧ロール62とで構成され、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62との間にニップ部Nを形成している。ニップ部Nは、加圧ロール62と定着ロール611との間に形成されるロールニップ部N1と、加圧ロール62と剥離パッド64との間に形成される剥離パッドニップ部N2とから成り、剥離パッドニップ部N2の長さが、ロールニップ部N1より長く設定されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置において、記録用紙等の記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着装置として、特許文献1に開示のごとき定着装置が知られている。
特許文献1に開示の定着器は、2つの定着ローラ間に用紙を通してその用紙の画像形成面上に転写したトナー画像を定着する電子写真装置の定着器において、定着ローラのうち、用紙の画像形成面と対向する画像面対向定着ローラを、芯金の外周に弾性層を設けて構成する一方、ヒータを有するテンションローラをその画像面対向定着ローラの用紙搬送方向上流位置に設け、そのテンションローラと画像面対向定着ローラとの間に定着ベルトを掛け渡してなる。
特許文献1に開示の定着器は、2つの定着ローラ間に用紙を通してその用紙の画像形成面上に転写したトナー画像を定着する電子写真装置の定着器において、定着ローラのうち、用紙の画像形成面と対向する画像面対向定着ローラを、芯金の外周に弾性層を設けて構成する一方、ヒータを有するテンションローラをその画像面対向定着ローラの用紙搬送方向上流位置に設け、そのテンションローラと画像面対向定着ローラとの間に定着ベルトを掛け渡してなる。
また、定着ベルトを用いる定着装置において、定着ベルトからの記録媒体の剥離を促進させる構成も提案されている(たとえば特許文献2参照)。
特許文献2に開示の構成は、定着ローラと、加熱ローラと、両ローラに張架された定着ベルトと、該ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラを備えたベルト定着装置において、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラによって形成されるニップの出口分離部に対応した位置であって定着ベルトの内側に、出口分離部面を曲率の大きな形状部とした固定部材を備えるものである。
特許文献2に開示の構成は、定着ローラと、加熱ローラと、両ローラに張架された定着ベルトと、該ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラを備えたベルト定着装置において、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラによって形成されるニップの出口分離部に対応した位置であって定着ベルトの内側に、出口分離部面を曲率の大きな形状部とした固定部材を備えるものである。
ここで、表面に弾性層を有するロール部材で記録媒体を加圧して定着作用を行う定着装置では、加圧による弾性層の変形によって記録媒体上の画像に不具合を生じさせることのない構成が望まれる。
本発明は、ロール部材の変形に起因して生ずる画像の不具合を抑制することのできる定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明に係る定着装置は、記録媒体上に転写されたトナー像を記録媒体上に定着する定着装置であって、周回して定着作用を行う定着ベルト部材と、定着ベルト部材を張架する定着ロール部材と、定着ロール部材に隣接して設けられ定着ベルト部材の曲率を変化させて定着ベルト部材から記録媒体を剥離させる剥離部材と、表面に弾性層を有し定着ベルト部材を定着ロール部材と剥離部材とに押圧して定着ベルト部材との間に加圧域を形成する加圧ロール部材と、定着ベルト部材を周回駆動する周回駆動手段と、を備え、加圧域は、定着ロール部材によって形成される第1の加圧域と、剥離部材によって形成される第2の加圧域とから成り、第2の加圧域の定着ベルト部材の移動方向における長さは、第1の加圧域の定着ベルト部材の移動方向における長さ以上に設定されていることを特徴とする。
ここで、周回駆動手段は定着ロール部材を回転駆動し、定着ロール部材の表面の摩擦係数は、剥離部材の加圧域を形成する部位の表面の摩擦係数より大きく設定されていることを特徴とすることができる。
また、周回駆動手段は定着ロール部材を回転駆動し、定着ロール部材によって形成される第1の加圧域の総荷重は、剥離部材によって形成される第2の加圧域の総荷重より大きく設定されていることを特徴とすることができる。
さらに、周回駆動手段は、加圧ロール部材を回転駆動することを特徴とすることができる。
また、周回駆動手段は定着ロール部材を回転駆動し、定着ロール部材によって形成される第1の加圧域の総荷重は、剥離部材によって形成される第2の加圧域の総荷重より大きく設定されていることを特徴とすることができる。
さらに、周回駆動手段は、加圧ロール部材を回転駆動することを特徴とすることができる。
本発明の画像形成装置は、記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、記録媒体上に転写されたトナー像を記録媒体上に定着する定着装置と、定着装置によってトナー像が定着された記録媒体を表裏反転させてトナー像形成手段に再度供給する反転供給機構と、を備えて構成され、定着装置は、周回して定着作用を行う定着ベルト部材と、定着ベルト部材を張架する定着ロール部材と、定着ロール部材に隣接して設けられ定着ベルト部材の曲率を変化させて定着ベルト部材から記録媒体を剥離させる剥離部材と、表面に弾性層を有し定着ベルト部材を定着ロール部材と剥離部材とに押圧して定着ベルト部材との間に加圧域を形成する加圧ロール部材と、定着ベルト部材を周回駆動する周回駆動手段と、を備え、加圧域は、定着ロール部材によって形成される第1の加圧域と、剥離部材によって形成される第2の加圧域とから成り、第2の加圧域の定着ベルト部材の移動方向における長さは、第1の加圧域の定着ベルト部材の移動方向における長さ以上に設定されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、加圧ロール部材の定着ロール部材による変形を小さくでき、記録媒体の加圧ロール部材と接する面に形成された画像に生ずる不具合を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、定着ロール部材から定着ベルト部材に大きな駆動力を伝達して定着ベルト部材を安定的に周回駆動することができる。
請求項3の発明によれば、定着ロール部材によって定着ベルト部材を大きな駆動力で周回駆動することができ、定着ベルト部材を安定的に周回駆動することができる。
請求項4の発明によれば、加圧域全域に接する加圧ロール部材によって定着ベルト部材を安定的に周回駆動することができる。
請求項5の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着装置における加圧ロール部材の定着ロール部材による変形を小さくでき、記録媒体の表裏両面に画像形成する場合にも、記録媒体の加圧ロール部材と接する面に形成された画像に生ずる不具合を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、定着ロール部材から定着ベルト部材に大きな駆動力を伝達して定着ベルト部材を安定的に周回駆動することができる。
請求項3の発明によれば、定着ロール部材によって定着ベルト部材を大きな駆動力で周回駆動することができ、定着ベルト部材を安定的に周回駆動することができる。
請求項4の発明によれば、加圧域全域に接する加圧ロール部材によって定着ベルト部材を安定的に周回駆動することができる。
請求項5の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着装置における加圧ロール部材の定着ロール部材による変形を小さくでき、記録媒体の表裏両面に画像形成する場合にも、記録媒体の加圧ロール部材と接する面に形成された画像に生ずる不具合を抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態を適用した画像形成装置1の概略構成図である。
画像形成装置1は、いわゆるタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次重畳して転写(一次転写)させる一次転写部10とを備えている。また、画像形成装置1は、中間転写ベルト15上に転写されたトナー画像を記録媒体としての記録用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を記録用紙P上に定着させる定着装置60とを備えている。さらに、画像形成装置1は、記録用紙搬送機構50と、上記各装置(各部)の動作を制御する図示しない制御部とを有している。
本実施の形態では、上記画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト15、二次転写部20等が、本発明におけるトナー像形成手段を構成しているものである。
なお、本発明は、このようなタンデム型のカラー画像形成装置に限るものではなく、回転式現像装置を用いたカラーの画像形成装置や、モノクロの複写機等に適用しても良いものである。
図1は本実施の形態を適用した画像形成装置1の概略構成図である。
画像形成装置1は、いわゆるタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次重畳して転写(一次転写)させる一次転写部10とを備えている。また、画像形成装置1は、中間転写ベルト15上に転写されたトナー画像を記録媒体としての記録用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を記録用紙P上に定着させる定着装置60とを備えている。さらに、画像形成装置1は、記録用紙搬送機構50と、上記各装置(各部)の動作を制御する図示しない制御部とを有している。
本実施の形態では、上記画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト15、二次転写部20等が、本発明におけるトナー像形成手段を構成しているものである。
なお、本発明は、このようなタンデム型のカラー画像形成装置に限るものではなく、回転式現像装置を用いたカラーの画像形成装置や、モノクロの複写機等に適用しても良いものである。
各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、図中画像形成ユニット1Yに代表して示すように、矢印A方向に回転する感光体ドラム11を備えている。感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電器12と、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)と、各色成分トナーを収容して感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14とが配設されている。さらに、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16と、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17とが配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる経路を有して張架され、図1に示す矢印B方向に所定の速度で循環(周回)駆動されるようになっている。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向配置された一次転写ロール16によって構成されている。一次転写ロール16は感光体ドラム11に中間転写ベルト15を圧接させるようになっている。また、一次転写ロール16にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト15に順次静電吸引し、中間転写ベルト15上にトナー像を重畳形成する。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向配置された一次転写ロール16によって構成されている。一次転写ロール16は感光体ドラム11に中間転写ベルト15を圧接させるようになっている。また、一次転写ロール16にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト15に順次静電吸引し、中間転写ベルト15上にトナー像を重畳形成する。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像形成面側に配置される二次転写ロール22と、中間転写ベルト15を挟んでこの二次転写ロール22に対向配置されたバックアップロール25とによって構成されている。
バックアップロール25には二次転写バイアスが印加されると共に、二次転写ロール22は接地されており、バックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成されるようになっている。そして、中間転写ベルト15が支持したトナー像を、搬送供給される記録用紙P上に二次転写する。
バックアップロール25には二次転写バイアスが印加されると共に、二次転写ロール22は接地されており、バックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成されるようになっている。そして、中間転写ベルト15が支持したトナー像を、搬送供給される記録用紙P上に二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が設けられている。
記録用紙搬送機構50は、記録用紙Pを収容する記録用紙トレイ51から、記録用紙Pを二次転写部20へと搬送すると共に、二次転写部20でトナー像が転写(二次転写)された記録用紙Pを定着装置60に搬送する記録用紙搬送経路52を備えている。
また、本実施の形態では、定着装置60の下流側から、記録用紙Pを表裏反転させて二次転写部の上流側の記録用紙搬送経路52に再度供給する反転供給機構としての反転供給経路53を備えている。これにより、表側に画像形成された記録用紙Pを表裏反転させて、裏面側にも画像形成することができる(記録媒体の両面に画像形成できる)ようになっているものである。
また、本実施の形態では、定着装置60の下流側から、記録用紙Pを表裏反転させて二次転写部の上流側の記録用紙搬送経路52に再度供給する反転供給機構としての反転供給経路53を備えている。これにより、表側に画像形成された記録用紙Pを表裏反転させて、裏面側にも画像形成することができる(記録媒体の両面に画像形成できる)ようになっているものである。
そして、画像形成装置1は、図示しない制御部によって制御され、下記のようにして画像形成を行う。
すなわち、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ等から出力される画像データに基づいて、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kのそれぞれの感光体ドラム11上にそれぞれの色のトナー像を形成する。各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおけるトナー像の形成は、帯電器12によって帯電された感光体ドラム11上をレーザ露光器13で走査露光して静電潜像を形成し、その静電潜像を現像器14によって現像してトナー像を形成することによって行われる。
すなわち、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ等から出力される画像データに基づいて、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kのそれぞれの感光体ドラム11上にそれぞれの色のトナー像を形成する。各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおけるトナー像の形成は、帯電器12によって帯電された感光体ドラム11上をレーザ露光器13で走査露光して静電潜像を形成し、その静電潜像を現像器14によって現像してトナー像を形成することによって行われる。
ついで、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成したトナー像を、各一次転写部10において中間転写ベルト15上に重ね合わせて転写し、二次転写部20において記録用紙搬送機構50によって搬送される記録用紙P上に一括して静電転写する。
その後、トナー像が転写された記録用紙Pを、記録用紙搬送機構50によって定着装置60に搬送し、定着装置60によって熱および圧力によってトナー像を記録用紙P上に定着させ、図示しない排紙載置部に排出するものである。
また、図示しない操作部や入力装置を介した制御部への指令によって、定着装置60を経て表面側に画像形成された記録用紙Pに対して、裏面側にも画像形成を行って定着装置60によって定着して図示しない排紙載置部に排出するものである。
その後、トナー像が転写された記録用紙Pを、記録用紙搬送機構50によって定着装置60に搬送し、定着装置60によって熱および圧力によってトナー像を記録用紙P上に定着させ、図示しない排紙載置部に排出するものである。
また、図示しない操作部や入力装置を介した制御部への指令によって、定着装置60を経て表面側に画像形成された記録用紙Pに対して、裏面側にも画像形成を行って定着装置60によって定着して図示しない排紙載置部に排出するものである。
つぎに、本発明の実施の形態である定着装置60について詳細に説明する。
図2は定着装置60の概略構成を示す断面図、図3はニップ部N近傍の拡大断面図である。
定着装置60は、定着ベルト部材としての定着ベルト610を備える定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に圧接配置された加圧ロール部材としての加圧ロール62とで構成されている。そして、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62との間に、記録用紙Pを加圧・加熱してトナー像を定着させる加圧域としてのニップ部Nを形成している。
ニップ部Nは、第1の加圧域としてのロールニップ部N1と、このロールニップ部N1と連続する第2の加圧域としての剥離パッドニップ部N2とから成る。詳しくは後述するが、ロールニップ部N1は加圧ロール62と定着ロール611との間に形成され、剥離パッドニップ部N2は加圧ロール62と剥離パッド64との間に形成される。
ニップ部Nの、記録用紙Pの移動方向下流側(図中右側)には、排紙ガイド70が配設されている。排紙ガイド70の下流側には、上下の通路板65U,65Lが所定間隔で配設されて成る排紙通路65が接続され、そのさらに下流側に排紙ロール66が配設されている。
図2は定着装置60の概略構成を示す断面図、図3はニップ部N近傍の拡大断面図である。
定着装置60は、定着ベルト部材としての定着ベルト610を備える定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に圧接配置された加圧ロール部材としての加圧ロール62とで構成されている。そして、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62との間に、記録用紙Pを加圧・加熱してトナー像を定着させる加圧域としてのニップ部Nを形成している。
ニップ部Nは、第1の加圧域としてのロールニップ部N1と、このロールニップ部N1と連続する第2の加圧域としての剥離パッドニップ部N2とから成る。詳しくは後述するが、ロールニップ部N1は加圧ロール62と定着ロール611との間に形成され、剥離パッドニップ部N2は加圧ロール62と剥離パッド64との間に形成される。
ニップ部Nの、記録用紙Pの移動方向下流側(図中右側)には、排紙ガイド70が配設されている。排紙ガイド70の下流側には、上下の通路板65U,65Lが所定間隔で配設されて成る排紙通路65が接続され、そのさらに下流側に排紙ロール66が配設されている。
定着ベルトモジュール61は、定着ベルト部材としての定着ベルト610と、この定着ベルト610を張架しながら回転駆動する定着ロール部材としての定着ロール611と、内側から定着ベルト610を張架する張架ロール612とを備えている。また、定着ベルト610の外側に配設されてその周回経路を規定する張架ロール613と、定着ロール611と張架ロール612との間の定着ベルト610の外側に配設されて定着ベルト610の経路を規定する張架ロール614とを備えている。さらに、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接する領域であるニップ部N内の下流側の、定着ロール611の近傍に配置された剥離部材としての剥離パッド64と、ニップ部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615とを備えている。
定着ベルト610の幅は定着作用する記録用紙Pの幅(すなわち定着作用域の幅)より広く、この定着ベルト610を張架する定着ロール611と張架ロール612,613,614,615および剥離パッド64の長さ(定着ベルト610の移動方向と直交する方向)は、これより所定量長く設定されている。
定着ベルト610の幅は定着作用する記録用紙Pの幅(すなわち定着作用域の幅)より広く、この定着ベルト610を張架する定着ロール611と張架ロール612,613,614,615および剥離パッド64の長さ(定着ベルト610の移動方向と直交する方向)は、これより所定量長く設定されている。
定着ベルト610は、所定幅で所定周長のフレキシブルなエンドレスベルトである。たとえば、厚さ80μmのポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層された厚さ200μmのシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層上に被覆された厚さ30μmのテトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)チューブからなる剥離層とで構成されている。なお、この定着ベルト610の構成は、使用目的や使用条件等の装置設計条件に応じて、材質・厚さ・硬度等を適宜選択することができる。
定着ロール611は、たとえば、アルミニウム等によって形成された外径65mm,厚さ10mmで所定長さの円筒状のハードロールである。ただし、定着ロール611は、この構成に限るものではなく、加圧ロール62との間でニップ部Nを形成する際に、加圧ロール62からの押圧力に対して殆ど変形を生じない充分にハードなロールとして機能する構成であればよい。また、その表面に金属磨耗を防止する保護層として、厚さ200μmのフッ素樹脂等を被覆しても良い。そして、定着ロール611は、図示しない駆動モータによって、図2中矢印C方向に回転駆動され、これによって定着ベルト610を周回駆動するようになっている。つまり、図示しない駆動モータが周回駆動手段である。その周速度は、たとえば250mm/sである。
定着ロール611の内部には、加熱手段としてハロゲンヒータ616aが配設されている。このハロゲンヒータ616aは、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づいて画像形成装置1の図示しない制御部によって制御され、これによって定着ロール611はその表面温度がたとえば150℃に加熱制御されるようになっている。
定着ロール611の内部には、加熱手段としてハロゲンヒータ616aが配設されている。このハロゲンヒータ616aは、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づいて画像形成装置1の図示しない制御部によって制御され、これによって定着ロール611はその表面温度がたとえば150℃に加熱制御されるようになっている。
張架ロール612は、たとえば、アルミニウム等によって形成された外径30mm,厚さ2mmで所定長さの円筒状ロールであり、その内部には加熱源としてのハロゲンヒータ616bが配設されている。このハロゲンヒータ616bは、張架ロール612の表面に接触するように配置された温度センサ617bの計測値に基づいて画像形成装置1の図示しない制御部によって制御され、これによって張架ロール612はその表面温度がたとえば190℃に加熱制御されるようになっている。つまり、張架ロール612は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を内周面側から加熱する機能をも併せ持っている。
また、張架ロール612の両端部には定着ベルト610を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設され、定着ベルト610全体の張力を15kgfに設定し、定着ベルト610の張力を幅方向に亘って均一としている。
さらに、この張架ロール612は、詳細は図示しないが、一方の端部の支点を中心として他端が定着ロール611に対して離接する方向に揺動可能に設けられており、その揺動によって定着ベルト610の蛇行を所定の範囲に規定する機能を有している。
また、張架ロール612の両端部には定着ベルト610を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設され、定着ベルト610全体の張力を15kgfに設定し、定着ベルト610の張力を幅方向に亘って均一としている。
さらに、この張架ロール612は、詳細は図示しないが、一方の端部の支点を中心として他端が定着ロール611に対して離接する方向に揺動可能に設けられており、その揺動によって定着ベルト610の蛇行を所定の範囲に規定する機能を有している。
張架ロール613は、たとえば、アルミニウム等によって形成された外径30mm,厚さ2mmで所定長さの円筒状ロールである。その表面にはたとえば厚さ20μmのフッ素樹脂からなる剥離層が形成されている。この剥離層は、定着ベルト610の外周面からの僅かなオフセットトナーや紙粉が張架ロール613に堆積するのを防止するために形成されるものである。
張架ロール613の内部には、加熱手段としてのハロゲンヒータ616cが配設されており、このハロゲンヒータ616cは、張架ロール613の表面に接触するように配置された温度センサ617cの計測値に基づいて画像形成装置1の図示しない制御部によって制御され、これによって張架ロール613はその表面温度がたとえば190℃に加熱制御されるようになっている。つまり、張架ロール613は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を外周面側から加熱する機能をも併せ持っている。したがって、本実施の形態では、定着ロール611と張架ロール612および張架ロール613とによって定着ベルト610を加熱する構成となっているものである。
張架ロール614は、アルミニウムによって所定径および長さに形成された円柱状ロールである。この張架ロール614は回転自在に支持されており、張架ロール612から定着ロール611に至る定着ベルト610の経路を規定している。
張架ロール613の内部には、加熱手段としてのハロゲンヒータ616cが配設されており、このハロゲンヒータ616cは、張架ロール613の表面に接触するように配置された温度センサ617cの計測値に基づいて画像形成装置1の図示しない制御部によって制御され、これによって張架ロール613はその表面温度がたとえば190℃に加熱制御されるようになっている。つまり、張架ロール613は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を外周面側から加熱する機能をも併せ持っている。したがって、本実施の形態では、定着ロール611と張架ロール612および張架ロール613とによって定着ベルト610を加熱する構成となっているものである。
張架ロール614は、アルミニウムによって所定径および長さに形成された円柱状ロールである。この張架ロール614は回転自在に支持されており、張架ロール612から定着ロール611に至る定着ベルト610の経路を規定している。
剥離パッド64は、たとえばステンレス合金鋼(SUS)等の金属や樹脂等の剛体によって、定着ロール611に対向する内側面64aと、定着ベルト610を加圧ロール62に押圧する押圧面64bと、押圧面64bに対して所定の角度を有する外側面64cと、上面64dと、に囲まれた円弧状の断面形状に形成されている。
押圧面64bは加圧ロール62の外周面に略沿った円弧状となっており、この押圧面64bと外側面64cとの角部で定着ベルト610の進行方向を急激に変化させるようになっている。
また、定着ベルト610が摺動する押圧面64bと外側面64cには、摩擦係数が小さく耐熱性を有するフッ素樹脂等による樹脂シートが貼付またはコートが施されており、定着ベルト610の円滑な摺動を可能としている。
押圧面64bは加圧ロール62の外周面に略沿った円弧状となっており、この押圧面64bと外側面64cとの角部で定着ベルト610の進行方向を急激に変化させるようになっている。
また、定着ベルト610が摺動する押圧面64bと外側面64cには、摩擦係数が小さく耐熱性を有するフッ素樹脂等による樹脂シートが貼付またはコートが施されており、定着ベルト610の円滑な摺動を可能としている。
そして、剥離パッド64は、その両端が定着ロール611の支持軸に揺動可能に嵌合した図示しないアームによって支持されて、加圧ロール62が定着ベルトモジュール61に圧接する領域(ロールニップ部N1)の下流側の、定着ベルト610の内側に、定着ロール611の軸方向全域に亘って配設されている。また、この剥離パッド64は、スプリング等の図示しない付勢手段によって揺動付勢され、その押圧面64bで定着ベルト610を加圧ロール62に所定の荷重で押圧するように設けられている。これにより、詳しくは後述するが、たとえば、定着ベルト610の進行方向に沿って12mmの長さの剥離パッドニップ部N2を形成する。
張架ロール615は、たとえば、アルミニウム等によって外径12mmで所定の長さに形成された円柱状ロールである。そして、剥離パッド64を通過した定着ベルト610が定着ロール611に向けて円滑に回動するように、剥離パッド64の定着ベルト610の進行方向下流側近傍に配置されている。
加圧ロール62は、たとえば、アルミニウム等によって外径45mmで所定の長さに形成された円柱状ロール621を基体とし、その周面に基体側から順に、たとえばゴム硬度30°(JIS−A)のシリコーンゴムからなる厚さ10mmの弾性層622と、膜厚150μmのPFAチューブからなる剥離材層623とが積層されて成るソフトロールである。そして、加圧ロール62は、定着ベルトモジュール61に押圧されるように設置され、定着ベルトモジュール61の定着ロール611の回転に伴って従動し、図2中矢印E方向に回転する。
排紙ガイド70は、その先端を定着ベルト610に近接させて、所定角度で設けられている。そして、剥離パッド64に沿うことで経路が急変した定着ベルト610から剥離した記録用紙Pの先端を捕捉し、その剥離を促進させると共に移動方向を案内して排紙通路65に導くようになっている。
つぎに、本実施の形態の特徴部分であるニップ部Nについて詳細に説明する。
熱定着では、所定の温度でトナーを所定時間加熱することで、トナー像を記録媒体(記録用紙P)に定着させる。従って、定着ベルト610の温度と、記録用紙Pの通過速度とによって、必要なニップ部Nの長さが決まる。
ニップ部Nは、前述のごとく、ロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2とによって構成されており、それらの記録用紙Pの移動方向における長さは、ロールニップ部N1より剥離パッドニップ部N2の方が長く設定されている。
熱定着では、所定の温度でトナーを所定時間加熱することで、トナー像を記録媒体(記録用紙P)に定着させる。従って、定着ベルト610の温度と、記録用紙Pの通過速度とによって、必要なニップ部Nの長さが決まる。
ニップ部Nは、前述のごとく、ロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2とによって構成されており、それらの記録用紙Pの移動方向における長さは、ロールニップ部N1より剥離パッドニップ部N2の方が長く設定されている。
すなわち、ニップ部Nの長さは、
ニップ部N=ロールニップ部N1+剥離パッドニップ部N2
であって、
ロールニップ部N1≦剥離パッドニップ部N2
に設定されている。
たとえば、ニップ部Nの全長が20mmの場合、
ロールニップ部N1=8mm
剥離パッドニップ部N2=12mm
に設定される。
ニップ部N=ロールニップ部N1+剥離パッドニップ部N2
であって、
ロールニップ部N1≦剥離パッドニップ部N2
に設定されている。
たとえば、ニップ部Nの全長が20mmの場合、
ロールニップ部N1=8mm
剥離パッドニップ部N2=12mm
に設定される。
また、ニップ部N(ロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2)におけるニップ圧(加圧ロール62と定着ベルト610の圧接力)は、記録用紙Pに含まれる水分(水蒸気)が加熱によって気化することによる画像不具合を抑えることのできる荷重以上とする。
ここで、定着ロール611は、前述のごとく図示しない駆動モータによって回転駆動され、この回転によって定着ベルト610が周回駆動され、さらに加圧ロール62が回転駆動される。つまり、加圧ロール62によって定着ベルト610が定着ロール611に押圧されることによる定着ベルト610の内面と定着ロール611の外周面との間に生ずる摩擦力で、定着ロール611の回転力が定着ベルト610に伝達されて定着ベルト610が周回駆動される。一方、定着ベルト610の内面と剥離パッド64の押圧面64bとの間に生ずる摩擦力は、定着ベルト610の周回抵抗となる。
このため、ロールニップ部N1の摩擦力が、剥離パッドニップ部N2の摩擦力より充分に大きくなるように構成する。
ここで、定着ロール611は、前述のごとく図示しない駆動モータによって回転駆動され、この回転によって定着ベルト610が周回駆動され、さらに加圧ロール62が回転駆動される。つまり、加圧ロール62によって定着ベルト610が定着ロール611に押圧されることによる定着ベルト610の内面と定着ロール611の外周面との間に生ずる摩擦力で、定着ロール611の回転力が定着ベルト610に伝達されて定着ベルト610が周回駆動される。一方、定着ベルト610の内面と剥離パッド64の押圧面64bとの間に生ずる摩擦力は、定着ベルト610の周回抵抗となる。
このため、ロールニップ部N1の摩擦力が、剥離パッドニップ部N2の摩擦力より充分に大きくなるように構成する。
摩擦力は、荷重(圧接力)に摩擦係数を乗じて算出される。従って、ロールニップ部N1のニップ圧と摩擦係数とを、剥離パッドニップ部N2より大きく設定すれば良いことになる。
このため、定着ベルト610に対する各摩擦係数:μを、
定着ロール611のμ>剥離パッド64のμ
に設定する。
すなわち、剥離パッド64の押圧面64bと外側面64cはフッ素樹脂の貼り付け又はコートによって低摩擦係数とし、定着ロール611の周面は金属表面のまま高摩擦係数に仕上げれば良い。たとえば、定着ロール611の周面をアルミ地とすれば、ポリイミド樹脂で形成された定着ベルト610との間の乾燥時における静摩擦係数および動摩擦係数はいずれもμ=1程度である。これに対して、フッ素樹脂と定着ベルト610との間の乾燥時における静摩擦係数および動摩擦係数はいずれもμ=0.04程度である。これにより、摩擦係数に大きな差が得られる。
また、定着ロール611の周面に剥離層としてフッ素樹脂等によるコーティングを行っても、剥離パッド64の押圧面64bと外側面64cとに施されたフッ素樹脂等による樹脂シートの貼付またはコートとの間に、その素材や構成によって摩擦係数に差を付ければ良い。
このため、定着ベルト610に対する各摩擦係数:μを、
定着ロール611のμ>剥離パッド64のμ
に設定する。
すなわち、剥離パッド64の押圧面64bと外側面64cはフッ素樹脂の貼り付け又はコートによって低摩擦係数とし、定着ロール611の周面は金属表面のまま高摩擦係数に仕上げれば良い。たとえば、定着ロール611の周面をアルミ地とすれば、ポリイミド樹脂で形成された定着ベルト610との間の乾燥時における静摩擦係数および動摩擦係数はいずれもμ=1程度である。これに対して、フッ素樹脂と定着ベルト610との間の乾燥時における静摩擦係数および動摩擦係数はいずれもμ=0.04程度である。これにより、摩擦係数に大きな差が得られる。
また、定着ロール611の周面に剥離層としてフッ素樹脂等によるコーティングを行っても、剥離パッド64の押圧面64bと外側面64cとに施されたフッ素樹脂等による樹脂シートの貼付またはコートとの間に、その素材や構成によって摩擦係数に差を付ければ良い。
さらに、ロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2の各ニップ圧(総荷重)を、
ロールニップ部N1のニップ圧:P1>剥離パッドニップ部N2のニップ圧:P2
に設定する。
たとえば、
ロールニップ部N1の面圧=3kgf/cm2
剥離パッドニップ部N2の面圧=1.5kgf/cm2
とすれば、
ロールニップ部N1=8mm
剥離パッドニップ部N2=12mm
で、記録用紙Pの幅方向におけるニップ部Nの長さを360mmとした場合、
ロールニップ部N1のニップ圧:P1=86.4kgf
剥離パッドニップ部N2のニップ圧:P2=64.8kgf
に設定することができる。
ロールニップ部N1のニップ圧P1は、定着ロール611(定着ベルトモジュール61)に対する加圧ロール62の加圧によって調整され、剥離パッドニップ部N2のニップ圧P2は、加圧ロール62に対する剥離パッド64の加圧によって調整される。このため、それぞれ独立して調整が可能である。
このような設定により、定着ロール611のμ=1、剥離パッド64のμ=0.04として、
ロールニップ部N1の摩擦力=1×86.4=86.4kgf
剥離パッドニップ部N2の摩擦力=0.04×64.8=2.6kgf
となって、定着ベルト610の摺動抵抗となる剥離パッドニップ部N2の摩擦力に対して、定着ベルト610に駆動力を伝達するロールニップ部N1の摩擦力を充分大きく設定することができるものである。
ロールニップ部N1のニップ圧:P1>剥離パッドニップ部N2のニップ圧:P2
に設定する。
たとえば、
ロールニップ部N1の面圧=3kgf/cm2
剥離パッドニップ部N2の面圧=1.5kgf/cm2
とすれば、
ロールニップ部N1=8mm
剥離パッドニップ部N2=12mm
で、記録用紙Pの幅方向におけるニップ部Nの長さを360mmとした場合、
ロールニップ部N1のニップ圧:P1=86.4kgf
剥離パッドニップ部N2のニップ圧:P2=64.8kgf
に設定することができる。
ロールニップ部N1のニップ圧P1は、定着ロール611(定着ベルトモジュール61)に対する加圧ロール62の加圧によって調整され、剥離パッドニップ部N2のニップ圧P2は、加圧ロール62に対する剥離パッド64の加圧によって調整される。このため、それぞれ独立して調整が可能である。
このような設定により、定着ロール611のμ=1、剥離パッド64のμ=0.04として、
ロールニップ部N1の摩擦力=1×86.4=86.4kgf
剥離パッドニップ部N2の摩擦力=0.04×64.8=2.6kgf
となって、定着ベルト610の摺動抵抗となる剥離パッドニップ部N2の摩擦力に対して、定着ベルト610に駆動力を伝達するロールニップ部N1の摩擦力を充分大きく設定することができるものである。
そして、上記のごとき構成の定着装置60は、下記のようにして定着作用を行う。
すなわち、画像形成装置1の二次転写部20(図1参照)において未定着トナー像が静電転写されて、記録用紙搬送機構50によって図2中矢印Fで示す方向に搬送される記録用紙Pを、ニップ部Nを通過させて、ここで作用する主に熱によってトナー像を記録用紙Pに定着させる。
このとき、ニップ部Nに作用する熱は、主として定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ616aから定着ロール611を通じて供給される熱と、張架ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ616bから張架ロール612を通じて供給される熱と、張架ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ616cから張架ロール613を通じて供給される熱とによって加熱される。そのため、主に張架ロール612および張架ロール613から適切かつ速やかに定着ベルト610に熱エネルギーを補給することができるので、ニップ部Nにおいては、プロセススピードがたとえば250mm/sという高速であっても充分な熱量を確保することができる。
すなわち、画像形成装置1の二次転写部20(図1参照)において未定着トナー像が静電転写されて、記録用紙搬送機構50によって図2中矢印Fで示す方向に搬送される記録用紙Pを、ニップ部Nを通過させて、ここで作用する主に熱によってトナー像を記録用紙Pに定着させる。
このとき、ニップ部Nに作用する熱は、主として定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ616aから定着ロール611を通じて供給される熱と、張架ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ616bから張架ロール612を通じて供給される熱と、張架ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ616cから張架ロール613を通じて供給される熱とによって加熱される。そのため、主に張架ロール612および張架ロール613から適切かつ速やかに定着ベルト610に熱エネルギーを補給することができるので、ニップ部Nにおいては、プロセススピードがたとえば250mm/sという高速であっても充分な熱量を確保することができる。
ロールニップ部N1を形成する一方の定着ロール611は前述のごとくハードロールであり、他方の加圧ロール62はその周面に弾性層622を備えるソフトロールである。このため、ロールニップ部N1は、専ら加圧ロール62の弾性層622の変形によって形成され、定着ベルト610がラップしている定着ロール611は殆ど変形しない。その結果、定着ロール611の表面に沿って周回する定着ベルト610の周回半径は変化しない。このため、定着ベルト610はその進行速度を一定に維持してロールニップ部N1を通過することができ、その通過の際に記録用紙Pにシワや歪みを生ずることがない。その結果、表面側(定着ベルト610と接している側)の定着画像の画像乱れが抑制され、良質の定着画像を安定的に提供することができる。
一方、裏面側が接触する加圧ロール62は、その周面の弾性層622が定着ロール611の周面に倣った形状に弾性変形する。その際、変形部には周面(表面)に引っ張り力が作用して伸長変形する。その結果、記録用紙Pがロールニップ部N1を通過する際には、記録用紙Pの加圧ロール62に接した面(裏面)と、加圧ロール62の周面との間に、微妙な相対移動(ズレ)が生ずる。
このため、記録用紙Pの両面に画像形成する場合であって、裏面側に画像が形成されている(同一の記録用紙Pに対して二度目の画像形成を行う)際には、記録用紙Pの加圧ロール62と接した面にはすでに定着された画像があり、この既定着の画像も昇温によってトナーが軟化することとなって、加圧ロール62の周面とのズレによって画像に乱れを生ずる虞がある。
このため、記録用紙Pの両面に画像形成する場合であって、裏面側に画像が形成されている(同一の記録用紙Pに対して二度目の画像形成を行う)際には、記録用紙Pの加圧ロール62と接した面にはすでに定着された画像があり、この既定着の画像も昇温によってトナーが軟化することとなって、加圧ロール62の周面とのズレによって画像に乱れを生ずる虞がある。
本実施の形態では、ロールニップ部N1より剥離パッドニップ部N2が長く設定されている。このため、ニップ部Nの全体の長さから考えると、加圧ロール62の弾性層622の変形量は小さく、記録用紙Pの加圧ロール62に接した面と加圧ロール62との間のズレを極めて小さく抑えることができ、画像乱れを抑制することができる。
なお、加圧ロール62との間で剥離パッドニップ部N2を形成する剥離パッド64の押圧面64bは、加圧ロール62の外周面に略沿った円弧状に形成されているため、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62の弾性層622は弾性変形するものの、通過する記録用紙Pの加圧ロール62に接した面と加圧ロール62との間のズレは抑えることができる。
なお、加圧ロール62との間で剥離パッドニップ部N2を形成する剥離パッド64の押圧面64bは、加圧ロール62の外周面に略沿った円弧状に形成されているため、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62の弾性層622は弾性変形するものの、通過する記録用紙Pの加圧ロール62に接した面と加圧ロール62との間のズレは抑えることができる。
また、ロールニップ部N1のニップ圧と摩擦係数とが、剥離パッドニップ部N2より大きく設定されてロールニップ部N1の摩擦力が剥離パッドニップ部N2より大きく、定着ロール611の回転によって定着ベルト610を安定して周回駆動することができる。
ここで、定着ロール611の加圧ロール62への食い込み量を一定として考えると、定着ロール611および加圧ロール62の外径が大きい程、両者によって形成されるニップ(ロールニップ部N1)の長さが大きくなる。同一のニップ長さで考えると、定着ロール611および加圧ロール62の外径が大きい程、食い込み量は小さくて良いこととなり、従って、加圧ロール62の変形は少なくなる。
この逆に、定着ロール611および加圧ロール62の外径を小さくしてニップ長さを維持しようとすると、加圧ロール62の変形が相対的に大きくなって、記録用紙Pの加圧ロール62に接した面と加圧ロール62との間のズレに起因する画像乱れも大きくなってしまう。
本構成では、ニップ部N全体の長さに対してロールニップ部N1の長さの占める割合が小さく絶対的な長さが短いため、定着ロール611および加圧ロール62の外径による影響が少なく、従って、定着ロール611および加圧ロール62の外径を小さくして定着装置60全体を小型軽量に構成することが可能となる。
この逆に、定着ロール611および加圧ロール62の外径を小さくしてニップ長さを維持しようとすると、加圧ロール62の変形が相対的に大きくなって、記録用紙Pの加圧ロール62に接した面と加圧ロール62との間のズレに起因する画像乱れも大きくなってしまう。
本構成では、ニップ部N全体の長さに対してロールニップ部N1の長さの占める割合が小さく絶対的な長さが短いため、定着ロール611および加圧ロール62の外径による影響が少なく、従って、定着ロール611および加圧ロール62の外径を小さくして定着装置60全体を小型軽量に構成することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更可能なものである。
たとえば、上記実施の形態は定着ロール611の回転によって定着ベルト610を周回駆動するが、これに加えて加圧ロール62を回転駆動したり、加圧ロール62のみの回転によって定着ベルト610を周回駆動するように構成しても良いものである。これにより、加圧ロール62はニップ部Nの全域で定着ベルト610に接触しているため、定着ベルト610を安定して駆動することができる。
たとえば、上記実施の形態は定着ロール611の回転によって定着ベルト610を周回駆動するが、これに加えて加圧ロール62を回転駆動したり、加圧ロール62のみの回転によって定着ベルト610を周回駆動するように構成しても良いものである。これにより、加圧ロール62はニップ部Nの全域で定着ベルト610に接触しているため、定着ベルト610を安定して駆動することができる。
1…画像形成装置、53…反転供給経路(反転供給機構)、60…定着装置、610…定着ベルト(定着ベルト部材)、611…定着ロール(定着ロール部材)、62…加圧ロール(加圧ロール部材)、622…弾性層、64…剥離パッド(剥離部材)、N…ニップ部(加圧域)、N1…ロールニップ部(第1の加圧域)、N2…剥離パッドニップ部(第2の加圧域)、P…記録用紙(記録媒体)
Claims (5)
- 記録媒体上に転写されたトナー像を当該記録媒体上に定着する定着装置であって、
周回して定着作用を行う定着ベルト部材と、
前記定着ベルト部材を張架する定着ロール部材と、
前記定着ロール部材に隣接して設けられ当該定着ベルト部材の曲率を変化させて当該定着ベルト部材から前記記録媒体を剥離させる剥離部材と、
表面に弾性層を有し前記定着ベルト部材を前記定着ロール部材と前記剥離部材とに押圧して当該定着ベルト部材との間に加圧域を形成する加圧ロール部材と、
前記定着ベルト部材を周回駆動する周回駆動手段と、を備え、
前記加圧域は、前記定着ロール部材によって形成される第1の加圧域と、前記剥離部材によって形成される第2の加圧域とから成り、
前記第2の加圧域の前記定着ベルト部材の移動方向における長さは、前記第1の加圧域の前記定着ベルト部材の移動方向における長さ以上に設定されていることを特徴とする定着装置。 - 前記周回駆動手段は前記定着ロール部材を回転駆動し、
前記定着ロール部材の表面の摩擦係数は、前記剥離部材の前記加圧域を形成する部位の表面の摩擦係数より大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記周回駆動手段は前記定着ロール部材を回転駆動し、
前記定着ロール部材によって形成される前記第1の加圧域の総荷重は、前記剥離部材によって形成される前記第2の加圧域の総荷重より大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記周回駆動手段は、前記加圧ロール部材を回転駆動することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記記録媒体上に転写されたトナー像を当該記録媒体上に定着する定着装置と、
前記定着装置によってトナー像が定着された前記記録媒体を表裏反転させて前記トナー像形成手段に再度供給する反転供給機構と、
を備えて構成され、
前記定着装置は、
周回して定着作用を行う定着ベルト部材と、
前記定着ベルト部材を張架する定着ロール部材と、
前記定着ロール部材に隣接して設けられ前記定着ベルト部材の曲率を変化させて当該定着ベルト部材から前記記録媒体を剥離させる剥離部材と、
表面に弾性層を有し前記定着ベルト部材を前記定着ロール部材と前記剥離部材とに押圧して当該定着ベルト部材との間に加圧域を形成する加圧ロール部材と、
前記定着ベルト部材を周回駆動する周回駆動手段と、
を備え、
前記加圧域は、前記定着ロール部材によって形成される第1の加圧域と、前記剥離部材によって形成される第2の加圧域とから成り、
前記第2の加圧域の前記定着ベルト部材の移動方向における長さは、前記第1の加圧域の前記定着ベルト部材の移動方向における長さ以上に設定されていることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8478177B2 (en) | 2009-12-09 | 2013-07-02 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Recording medium peeling device, image forming device and adjustment method |
JP2015172620A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-10-01 | 株式会社リコー | 定着装置、及び、画像形成装置 |
-
2006
- 2006-12-15 JP JP2006338990A patent/JP2008151964A/ja active Pending
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