JP2007078992A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 定着ローラと加圧ベルトにより定着ニップを形成するベルト定着装置において、定着ローラに対しシートが遅れてしまい画像ズレが発生した。
【解決手段】 加圧ベルト内面と駆動ローラ間の摩擦力を加圧ベルト外面と定着ローラ間の摩擦力よりも小さくし、定着ローラの周速よりも加圧ベルトの駆動ローラの周速の方が速くなるように駆動する。このような設定により、加圧ベルトが定着ローラとの摺動により従動回転することが可能になり画像ズレの発生を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は記録材上の画像を加熱する画像加熱装置に関する。この画像加熱装置としては、記録材上の未定着画像を定着する定着装置、記録材上に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢付与装置が挙げられる。
従来、電子写真方式を採用した画像形成装置において、未定着トナー像を定着する定着装置としては種々の方式のものが提案されている。
種々の方式の定着装置の中でも、画像形成の高速化に対応すべく定着ニップの増大化を図ることができるベルト定着装置が提案されている(特許文献1、2)。
このベルト定着装置には、定着ローラに圧接するように加圧ベルトが設けられており、加圧ベルト内面から定着ローラに向けて加圧パッドを押し当てる構成とされている。その結果、加圧パッドからベルト懸架ローラに至る十分に長い定着ニップを形成することが可能となっている。
このベルト定着装置では、定着ローラを駆動源によって回転駆動する一方、加圧ベルトは定着ローラとの摺動により発生する摺動摩擦力によって従動回転する構成とされている。つまり、定着ニップに記録材が存在するとき、加圧ベルトは記録材を経由して搬送力を主に受けることになり、加圧ベルトの周速は記録材の搬送速度の影響を受けることになる。
特開平8−166734号公報 特開平10−319772号公報 特開平2−222980号公報
しかしながら、加圧ベルトを定着ローラによって従動回転させる構成では、記録材の種類、環境条件、トナー画像の種類などにより、加圧ベルトに付与される搬送力が変化し加圧ベルトの回転が不安定となってしまうことがあった。
例えば、記録材の全面に未定着トナーが多量に載っているような場合、この記録材が定着ニップに突入すると、定着ローラと記録材間の動摩擦係数が低下傾向となり加圧ベルトの搬送力が低下してしまう。その結果、記録材が定着ローラに対し遅れが生じ滑ってしまい、画像ズレなどの画像不良が発生してしまう。このとき、加圧ベルトの周速は記録材の搬送速度とほぼ同速度であると考えられる。
このように、従来の加圧ベルトの駆動方式では、高品位な画質を得ることができなかった。
なお、このような記録材の搬送遅れを防止するために、特許文献3においては駆動機構にオーバーライド機構を採用することが記載されているが、この機構を用いたとしても対策としては不十分なものであった。
このオーバーライド機構は、定着ニップに記録材が存在しないときは、特許文献1、2と同様に、加圧ベルトは定着ローラとの摺動摩擦力により従動回転する構成とされている。一方、記録材(トナー像)が定着ローラに対し滑りを起こし加圧ベルトが定着ローラに対し遅れてしまうときに限って、加圧ベルトが駆動の入力を受ける構成とされている。すなわち、加圧ベルトが定着ローラの周速よりも遅くなってから加圧ベルトに駆動が入力されるまでに僅かながらではあるが時間を要してしまう。
従って、トナー像を記録材に定着する途中で加圧ベルトの速度が変更されてしまうので、この速度変更によりやはり画像ズレなどの画像不良が発生してしまった。
そこで、本発明の目的は、ベルトを用いてニップ部を形成する構成であっても、画像ズレの発生を抑制することができる画像加熱装置を提供することである。
本発明の更なる目的は添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
本発明のよれば上記目的を達成することができる。
第1の発明は、記録材上の画像をニップ部にて加熱する加熱回転体と、この加熱回転体を駆動する駆動手段と、加熱回転体との間でニップ部を形成するエンドレスベルトと、このベルトを駆動する駆動ローラと、を有する画像加熱装置において、
ベルトと駆動ローラ間の摩擦係数をμ1、加熱回転体とベルト間の摩擦係数をμ2、加熱回転体の周速をV1、駆動ローラの周速をV2とすると、
μ1<μ2
0.005<μ1<0.3
V1<V2
を満足することを特徴とするものである。
第2の発明は、記録材上の画像をニップ部にて加熱する加熱回転体と、この加熱回転体を駆動する駆動手段と、加熱回転体との間でニップ部を形成するエンドレスベルトと、このベルトを駆動する駆動ローラと、を有する画像加熱装置において、
加熱回転体と駆動ローラの周速を異ならせたにも関わらずベルトが加熱回転体との摺動により従動回転する構成としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、ベルトを用いてニップ部を形成する構成であっても、画像ズレの発生を抑制することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明を適用できる実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではなく本発明の思想の範囲内において種々の変形が可能である。
(実施例1)
まず図1を用いて、画像形成装置の全体構成について説明する。
図1に示す画像形成装置は、電子写真方式を採用した画像形成装置(いわゆるプリンタ)である。
画像形成装置201は、大きく分けて、記録材としてのシートにトナー画像を形成する画像形成手段と、シートに形成されたトナー画像を加熱・加圧して定着する画像加熱装置としての定着装置が設けられている。
この画像形成手段は以下に説明する機器を備えている。
像担持体としての感光体ドラム202の周りに帯電手段としての帯電器203が設けられており、感光体ドラム202の表面は帯電器203によって一様に帯電処理される。そして、露光手段としての露光装置204から画像に応じた光205を照射されることにより感光ドラム202上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像手段としての現像器206によって現像されてトナー画像が形成される。一方、シートSは装置下部の給送カセット209に収納されており、給送ローラ210によって給送される。シートSは搬送手段としてのレジストローラ対211によって感光体ドラム202上のトナー画像と同期して搬送される。感光ドラム上のトナー画像は転写手段としての転写ローラ207によってシート上に静電転写され、定着装置Aへと搬送される。その後、感光体ドラム202上に残留したトナーはクリーニング手段としてのクリーニング装置208によって除去される。
そして、画像形成手段によってシートS上に形成されたトナー画像は、定着装置Xにおいて加熱、加圧されることによってシート上に定着される。その後、トナー画像が定着されたシートSは排出ローラ対212によって装置上部の排出トレイ213へと搬送排出される。
次に、画像加熱装置としての定着装置の構成について図面を用いて説明する。
図2は、画像加熱装置としての定着装置の概略構成図を示したものである。
上記定着装置Xは、図2に示すように、加熱回転体(定着回転体)としての定着ローラ10が駆動手段としての駆動モータや駆動ギア列により矢印A方向に回転可能に設けられている。定着ローラ10はアルミ等の金属からなる芯金111とその表層にシリコーンゴム等からなる弾性層112を有している。定着ローラの内部には加熱源としてのハロゲンヒータ113が配置されており、定着ローラはこのハロゲンヒータからの熱により加熱される。定着ローラ表面には温度検出素子としてのサーミスタ114が接触配置されている。制御装置は、このサーミスタ114による検出結果に応じてハロゲンヒータへの通電量を制御することにより定着ローラ表面が所定の定着温度を維持するようにしている。
また、上記定着ローラの下方にはベルトユニット2が配置されている。無端状である加圧ベルト20は、インレットローラ21、分離ローラ22、ステアリングローラ23により張架されている。
分離ローラ22はSUS等の金属より構成されており、矢印SF方向に加圧ベルト20を介して定着ローラ10に所定の圧力で加圧されている。
ステアリングローラ23は、回転軸の一端側のみが矢印B方向に移動可能となっており、ステアリングローラ23の回転軸を移動させることにより加圧ベルト20を幅方向に揺動させている。
インレットローラ21は加圧ベルトを加熱するためのハロゲンヒータが内蔵されている。
また、インレットローラ21と分離ローラ22の間には定着ニップを形成するための加圧パッド部24が配置されている。加圧パッド部24は、SUS等の金属からなる加圧ベース25と、シリコーンゴム等からなる加圧パッド26を有している。また、加圧パッド26の表面には加圧ベルトとの摺動抵抗を低減するためPIフィルム等からなる低摺動シート27が被覆されている。このように構成された加圧パッド部24は矢印PF方向に所定の圧力で加圧されている。
また、インレットローラ21と加圧パッド部24の間には潤滑材としてのオイルを加圧ベルトに塗布する塗布手段としてのオイル塗布ローラ28が設けられている。オイル塗布ローラ28にはシリコーンオイルが含浸されていて、加圧ベルト20の内面に一定量のオイルが供給されるように構成されている。これにより加圧ベルト20と摺動シート27との摩擦力を低減し、耐久性を向上させている。図3は分離ローラ近傍の拡大図である。ここで、金属からなる分離ローラ22は加圧手段により加圧ベルト20を介して定着ローラ10に向けて加圧されているため、定着ローラ10の弾性層112aが図示するように変形する。特に、分離ローラ22と接触している端部112bでは弾性層12の円弧形状が反対方向になる。
記録材上のトナー像は定着器XのニップWで溶融、加圧されるためトナーと定着ローラ表層は張り付く傾向となる。しかし、定着ローラ10の弾性層112bで分離ローラ22によりその円弧形状が反対方向になっているため、定着ローラ10に張り付いたトナーは剥離されシートSは矢印Y方向に排出される。
また、加圧パッド26の端部には金属ワイヤー26aが設けられている。金属ワイヤー26aは加圧パッド26と一体構成となっている。この金属ワイヤー26aにより定着ローラ12の弾性層112cは変形させられる。
このような加圧ベルト20は定着ローラ10と、加圧ベルト20、加圧パッド部24、分離ローラ22とにより長いニップWを形成している。これにより、従来の定着ローラと加圧ローラを用いたローラ定着装置よりはニップ幅を広くとれるため、記録シート上のトナーを短時間に良好に溶融することが可能である。従って、カラー画像形成装置のような多量のトナーを使用する画像形成装置には適した構成である。
図4は定着装置の駆動機構を示したものである。
この駆動機構は4つのギアと伝動ベルト15とテンションローラから主に構成されている。
定着ギア11は定着ローラ10に係合されており、この定着ギア11に駆動源から駆動力が入力されることにより定着ローラが駆動する構成とされている。
第一伝達ギア12は定着ギア11に対向し噛合されるため定着ローラ10の駆動が伝達され、更に第二伝達ギア13と共に軸16に係合されている。
伝動ベルト15は第二伝達ギア13と分離ギア駆動14により架け回されているが、所定の張力で張架されるよう図示しないテンションローラに圧接されている。
従って、分離駆動ギア14に分離ローラ22を係合させれば分離ローラ22に回転駆動を付与することが可能となり、ギアの噛み合い歯数とローラ径の組み合わせにより分離ローラ22を任意の周速度で回転させることが可能となる。
未定着トナー像が形成されたシートSが定着ニップ領域にいても未定着トナーと定着ローラ10とが滑ることなく定着が行われるようにするのが好ましい。
そのためには、上述したように、定着ローラを駆動する構成としながらも、加圧ベルトも別途駆動する構成とするのが好ましい。しかしながら、この構成とした場合、両者を全くの同一の速度で駆動することは、駆動機構の公差などにより困難である。
そこで、本例では、定着ローラと加圧ベルトをそれぞれ駆動する方式を採用しながらも後述するような工夫を施している。
つまり、両者を駆動する方式を採用しながらも、基本的には、加圧ベルト20を定着ローラ10に従動させるように構成している。
そのために、本例では、分離ローラと加圧ベルト間の摩擦係数を定着ローラ外面と加圧ベルト外面間の摩擦係数よりも小さく設定してある。
一方、加圧ベルト20を定着ローラ10に従動させるため、分離ローラと加圧ベルト内面間の摩擦係数は無視できるほど小さな値に設定されている。
そして、定着ローラに対しシートに遅れが生じるような場合に、駆動力が入力されている分離ローラによって加圧ベルト側からシートに搬送力を与えることができるように構成している。つまり、定着ローラに対し滑りが生じるような際には加圧ベルトによって搬送力を補うことができる。
すなわち、
(分離ローラ22の周速度)>(加圧ベルト20内周面の周速度)
となるように周速度を設定している。
これにより、分離ローラに駆動力を入力したことにより、従来の問題点であった、シートの搬送速度が遅れてしまうときに限り、加圧ベルト20に搬送力を付与することができる。その結果、未定着トナー像が載ったシートSを定着・搬送させる際に、定着ローラ10とシートSが滑ることなく定着させることができ、画像ずれ発生を防止することができる。
以上の条件を満足している場合、分離ローラの周速を加圧ベルトの内周速と等しくなるようにしたとき、加圧ベルトの外周速が定着ローラの周速よりも速くなる、とも言える関係にある。
以上のメカニズムを順を追って説明する。
ところで上述のように、
(分離ローラ22の周速度)>(加圧ベルト20内周面の周速度)
とすると、次のような事態が考えられる。
つまり、定着ローラ10が加圧ベルト20を搬送する摩擦搬送力Fが、分離ローラ22が加圧ベルト20を搬送する摩擦搬送力Fよりも小さい(F<F)場合である。この場合、加圧ベルト20は搬送力の大きい分離ローラ22の駆動によって搬送されることになる。
すなわち、
(加圧ベルト20外面の周速度)>(定着ローラ10の周速度)
となり、加圧ベルト20と定着ローラ10とが滑り、これにより定着ローラ10とシート間も滑ることで画像ズレが発生してしまう。
よって、F>F
を満足するように構成するのが好ましい。
すなわち、
(定着ローラ10と加圧ベルト20外面との動摩擦係数)>(加圧ベルト20内面と分離ローラ22との動摩擦係数)
を満足するように構成するのが好ましい。
図5は、シートSを搬送する際に、摺動する部材間に発生する摩擦力や周速度について示したものである。
本例においては、分離ローラ22と加圧パッド26を加圧ベルト20に圧接させてニップを形成している。そのため、分離ローラ22との摺動摩擦力(分離ローラ10駆動力)F2と、加圧パッド26との摺動摩擦力(加圧パッド26ブレーキ力)Fが加圧ベルト22内面から発生される。ここで、加圧パッド26は固定支持されているため、次式を満たせば画像ずれの発生を防止できる。
>(F−F
但し、図中に示すF、F、F、V、V、V、V、P、Pは以下に記すパラメータを表している。
:定着駆動力(=μ×(P+P))
:分離ローラ10駆動力(=μ×P
:加圧パッド26ブレーキ力(=μ×P
:定着ローラ10周速度(=100[mm/s])
:分離ローラ22周速度(=103[mm/s])
:加圧パッド加圧力(=471〜510[N])
:分離ローラ加圧力(=412〜451[N])
μ:定着ローラ10と加圧ベルト外面間の動摩擦係数
μ:加圧ベルト20と分離ローラ22間の動摩擦係数
μ:加圧ベルト20と摺動シート27間の動摩擦係数
なお、インレットローラ21、ステアリングローラ23は共に図示しないベアリングによって回転支持されており、加圧ベルトによって従動回転する構成とされている。そのため、この両ローラと加圧ベルト20内面との動摩擦係数は、加圧ベルト20内面と分離ローラ22間の動摩擦係数や、加圧ベルト22内面と摺動シート27間の動摩擦係数に比べて無視できるほど小さい。そのため、インレットローラ21、ステアリングローラ23による負荷は無視している。
このとき、
(定着ローラ10と加圧ベルト20外面との動摩擦係数)>(加圧ベルト20内面と分離ローラ22との動摩擦係数)
であっても、
(定着ローラ10と加圧ベルト20外面との動摩擦係数)<(加圧ベルト20と摺動シート27間の摩擦係数)
であれば、加圧ベルト20は定着ローラ10に従動されずに滑ってしまう可能性がある。
そこで、定着ローラ10と加圧ベルト20外面との動摩擦係数μを、加圧ベルト内面と分離ローラ間の動摩擦係数μと加圧ベルトと摺動シート間の動摩擦係数μよりも大きく設定している。その結果、これらの部材の材質によらず画像ズレの発生を防止できる。
次に、動摩擦係数の測定方法及び結果を以下に説明する。
図6に示すように、測定対象の一方の試料1(70[mm]×50[mm])をプレート50に取り付けて固定する。また、測定対象の他方の試料2である回転体51を固定する。この回転体51は、本例における定着ローラ10や分離ローラ22のことを示す。
続いて、上記回転体51に2.9[N]の重り荷重52が掛ける。そしてテンションゲージ53が接続された状態で、プレート50の試料1上に配置される。
そして、温度23℃、湿度50%RHに保持した室内環境下で、上記回転体51を矢印Xの方向に100[mm/s]で回転させ、そのときに得られるテンションゲージ53からの出力値Fを読み取って測定値とする。出力値Fは、測定開始直後はスティックスリップなどにより出力値が不安定になるため、出力値Fが安定したものを測定値として複数求め、それを平均化したものである。
上記の方法で得られたテンションゲージ53の出力値Fを平均化したものを次式に代入して動摩擦係数μを算出する。
F=μ×N(μは動摩擦係数、Nはおもりの荷重2.9[N]である)
本発明者等の実験の結果、
μ=0.25μ=0.1
μ=0.14
となった。
よって、
μ>μ、μ>μ
の関係となる。、さらに、
=μ×(P+P)=230[N]
=μ×P=43[N]
=μ×P=65[N]
となるから、
>(F−F
の関係となる。
このように、上述したような規定を満足しているので、画像ズレが発生しなかった。
上記において、画像ずれ発生を防止するためのμの条件を提示した。ここでこのときの分離ローラ22の周速度について、分離ローラ22の周速をいくつか変えることにより画像ズレの発生の有無を確認した。この結果を以下の表1に示す。なお、表1では、左欄は定着ローラの周速を固定値とした状態で分離ローラの周速を様々に変更した場合の周速比を示している。右欄は画像ズレが発生した場合を「×」、発生しなかった場合を「○」で示している。
Figure 2007078992
この表1より、V<Vとすると画像ずれが発生しないことが確認できた。これより、分離ローラ22の周速を加圧ベルト20の内面の周速よりも速くなるように駆動することで、速度差に関係なく画像ズレの発生を防止することができた。本例では、周速比(V2/V1)が1.03となるように設定されている。この周速比はベルトに掛かる負荷(加圧パッドなどによる負荷)の程度に応じて設定するのが好ましい。
しかしながら、周速比を1.2(20[%])よりも大きくすると、ベルトと分離ローラ間の摩擦によりベルトの耐久性が低下してしまった。このときの分離ローラ22と加圧ベルト20内周面との摩擦係数μは0.005であった。
また、周速比を1.2(20[%])よりも大きくすると、摩擦熱の影響でオイルローラに含まれているオイルが耐久前において枯渇してしまい、定着ローラ10と加圧ベルト20との間にすべりが発生してしまった。このときの分離ローラ22と加圧ベルト20内周面との摩擦係数μは0.3であった。
よって、下記3式を満足するように構成するのが好ましい。
1<分離ローラ22周速度/定着ローラ10周速度<1.2 ・・・(1)
分離ローラ22と加圧ベルト20内周面との摩擦係数μの範囲は
0.005<μ<0.3 ・・・(2)
加圧ベルト20と摺動シート27間の動摩擦係数μ
μ>0.14 ・・・(3)
図7は、非通紙時の定着装置の状態を示した図であり、加圧ベルト20と加圧パッド26定着ローラ10に圧接されずに、定着ローラ10から離間されている。
このとき加圧ベルト20の搬送は、加圧パッド26との摺擦による摩擦力の影響を受けない。そのため、加圧ベルトに付与される回転力は、加圧ベルトの内周面と加圧ベルトを張架させる複数のローラ21、22、23との摩擦力で決定される。
すなわち、
:インレットローラ21と加圧ベルト20間の摩擦力
:ステアリングローラ23と加圧ベルト20間の摩擦力
としたとき、
>(F+F
を満足するのが好ましい。
その結果、加圧ベルト20は分離ローラ22周速度に従動されるため、
(加圧ベルト20内面の周速度)≒(分離ローラ22周速度)
となる。
本例においては、インレットローラ21、ステアリングローラ23は、ベアリングによって回転支持されているため、F、FはFに比べて無視できるほど小さい。よって上記関係を満足している。
本例の定着装置では、以上のような関係を満たしているので、定着ローラと加圧ベルトが圧接された状態(定着可能な状態)のとき、分離ローラの周速は加圧ベルトの内周速よりも速くなっている。一方、定着ローラと加圧ベルトが離間した状態(定着不能な待機状態)のとき、分離ローラの周速は加圧ベルトの内周速とほぼ等しく、加圧ベルトの外周速は定着ローラの周速よりも速くなっている。
(実施例2)
本例では実施例1の定着ローラの代わりに定着ベルトにした点が変更点であるが、本例の構成は実施例1と同様に本発明を適用することが可能である。
つまり、定着ベルトと加圧ベルトをそれぞれ駆動する構成としながらも、加圧ベルトを定着ベルトとの摺動により従動回転させる構成とされている。なお、その他の構成は実施例1と同様である。以下、具体的に説明する。
図8は定着装置Xの断面図である。図8に示すように、定着装置は、第1のエンドレスベルトとしての定着ベルト(加熱回転体)320と、第2のエンドレスベルトとしての加圧ベルト(加圧回転体)321とを備えている。
定着ベルト320は内径が40mmで、厚みが75μmのポリイミドを基層とし、基層の外周には弾性層が300μmの厚みで設けられている。弾性層の材料としては、公知の弾性材料を使用することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。
本実施例では、シリコーンゴムを用い、硬度はJIS−A20度、熱伝導率は0.8W/mKである。この弾性層の変形によって、定着ベルト320へのシートの巻きつきを防止し、ベルトからの良好な分離性能を得ることができる。更に弾性層の外周には、表面離型層としてフッ素樹脂層が30μmの厚みで設けられている。このフッ素樹脂層としては、例えばPFAやPTFEを用いることができる。
加圧ベルト321は内径が40mmで、厚みが75μmのポリイミドを基層とし、表面は離型層としてフッ素樹脂であるPFAチューブを30μmの厚みで設けられている。
定着ベルト320は、懸架ローラとしての加熱ローラ322並びに第1の駆動ローラとしての定着ローラ323によって張架されている。
加熱ローラ322は、外径が20mmで、内径が18mmである厚さ1mmの鉄製の中空ローラであり、内部に加熱手段としてのハロゲンヒータ322aを配置している。また、加熱ローラ322はテンションローラとしての機能も有している。
定着ローラ323は、外径が20mmで、径が18mmである鉄合金製の芯金に、弾性層としてのシリコーンゴム層が設けられた弾性ローラである。このように弾性層を設けることで、駆動源(モータ)から駆動ギア列を介して入力された駆動力を定着ベルト320へ良好に伝達することができるとともに、定着ベルト320からのシートの分離性を確保するための定着ニップを形成できる。この定着ローラは、定着ベルトに遅れが生じないように駆動するため、高摺動層(ゴム層)を設けることにより定着ベルトとの間で滑りが生じないように構成されている。
なお、定着ニップの圧がこの定着ローラ323により懸架されている領域において最大値となるように設定されている。
シリコーンゴムの硬度はJIS−A15度、熱伝導率は0.8W/mKである。シリコーンゴム層によって、内部への熱伝導も少なくなるためウォーミングアップタイムの短縮にも効果がある。
定着ベルト320を加圧ベルト321に向けて加圧する第1の固定部材としての定着パッド324が、定着ベルト320内面の定着ローラ323より記録材搬送方向の上流側に配置されている。
なお、この定着パッド324は、厚さ3mm、幅12mmの弾性体としての耐熱性シリコーンゴムから構成されている。
定着パッド324の表面には、定着パッド324と摺動する定着ベルト320の内面との摩擦力を減らすためにガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバーが設けられている。
このパッドカバーによって定着ローラ323の駆動トルクが抑えられるので、モータの大型化を伴うことなく安定してベルトを回転させることができる。
加圧ベルト321は、懸架ローラとしてのテンションローラ325と第2の駆動ローラとしての加圧ローラ326によって張架されている。
テンションローラ325は、外径が20mmで、径が16mmである鉄合金製の芯金に、熱伝導率を小さくして加圧ベルト321からの熱伝導を少なくするためにシリコーンスポンジ層を設けてある。
加圧ローラ326は、外径が23.5mmで、内径が19.5mmである厚さ2mmの鉄合金製の剛性ローラである。この加圧ローラ326は駆動源(モータ)から駆動ギア列を介して駆動力が入力される構成となっている。なお、本例では、この駆動源は定着ローラにも駆動を付与する構成とされている。また、加圧ローラとしては、後述するように、加圧ベルトに対して滑りが生じるように、ゴム層などが設けられていない鏡面状の金属ローラを使用している。
加圧ベルト321を定着ベルト320に向けて加圧する第2の固定部材としての加圧パッド327が、加圧ベルト321内面の加圧ローラ326より紙搬送方向の上流側に配置されている。
また、加圧パッド327の表面には、定着パッド324と同様に、摺動する加圧ベルト321の内面との摩擦力を減らすためにガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバーが設けられている。
そして、加圧ベルト321内面には潤滑剤としてのシリコーンオイルを加圧ベルト321内面に塗布するためのオイル塗布部材328が配置されている。
オイル塗布部材328はローラ形状であり、芯金にオイルを含浸したアラミド繊維などからなるオイル保持層を設け、表層にはオイル供給するための多孔質フッ素樹脂層が被せられている。
シリコーンオイルの加圧ベルト321への供給量は、オイル保持層のオイル含浸量とオイル供給層の孔径/孔密度及びオイル塗布部材328の加圧ベルト321への当接圧/周速差などを調整すれば良い。
また、オイル塗布部材328はローラ形状以外にパッド形状などでも良く、加圧ベルト321内のオイルが減量しにくい構成であれば初期に所定のオイル量を加圧ベルト内に塗布することでオイル塗布部材を設ける必要は無い。
シリコーンオイルの粘度は、粘度が小さすぎると加圧ベルト321内面から漏れ出してしまう。一方、粘度が高すぎるとニップ部における加圧ベルト321〜加圧パッド327間の粘性抵抗が大きくなりすぎてしまう。そのため、25℃における動粘度が100〜10000mm2/s(100cSt〜10000cSt)であるオイルを使用するのが望ましい。加圧ベルト321へのオイル塗布量については後述する。
ここで、定着ニップを形成するために、加圧ローラ326は回転軸の両端側が加圧機構により定着ローラ323に向けて343N(35kgf)の加圧力で加圧されている。
また、定着パッド324と加圧パッド327間においても定着ニップを形成するために、加圧パッド327を保持した支持板が加圧機構により343N(35kgf)の加圧力にて加圧されている。
定着ローラ323および加圧ローラ326は、駆動モータから駆動ギア列を介して駆動力を与えられ、定着動作時には所定の周速で回転する。
定着ローラ323と加圧ローラ326には周速差が付与されているが、この方法としては定着ローラ323と加圧ローラ326に各々のローラを駆動する駆動モータを設ける方法でも構わない。本例では、定着側と加圧側とで駆動源(モータ)を共通にし、各ベルトのローラに駆動力を伝える駆動ギヤ列のギヤ比を異ならせることで達成している。
本例では、定着ベルト320と加圧ベルト321により形成された定着ニップのシート搬送方向の長さは約18mmとされている。このようにニップ幅が広いので、画像形成の高速化を図ったとしても充分に定着を行うことが可能になる。
また、定着に関係する部材として定着側、加圧側共にエンドレスベルトを採用したことで実施例1の構成に比して更なる低熱容量化を図ることが可能となった。その結果、ウォームアップ時間(画像形成装置の電源オン時から定着可能な状態となるまでに要する時間)の短縮化に貢献している。
定着ベルト320は、少なくとも画像形成実行時には、モータによって定着ローラ323が回転駆動されることで回転駆動される。定着ベルト320の周速度は、シートにループを形成するため画像形成部側から搬送されてくるシートSの搬送速度に比して僅かに遅い周速とされている。
定着ベルト320が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、定着ベルト320と加圧ベルト321間の定着ニップに、未定着トナー画像Tを有するシートSが搬送される。
シートSは、未定着トナー画像を担持した面を、定着ベルト320側に向けて導入される。そして、シートSの未定着トナー画像Tが定着ベルト320の外周面に密着したまま挟持搬送されていくことにより、主に定着ベルト320から熱が付与され、また加圧力を受けてシートSの表面に定着される。
また、定着ベルト320内の定着ローラ323がゴム層を有する弾性ローラであり、加圧ベルト321内の加圧ローラ326は鉄合金製の剛性ローラである。そのため、定着ベルト320と加圧ベルト321との定着ニップ出口では定着ローラ323の変形が大きくなっている。その結果、定着ベルトも大きく変形し、トナー画像を担持したシートSは定着ベルト320から自らのこしにより曲率分離される。
次に、定着装置の駆動機構について説明する。まず、加圧ローラの速度および加圧ベルト21内面に塗布したオイル塗布量の関係について詳細に説明する。
本定着装置のニップ部を形成する各部材に対して個別に測定して得られた、各部材間に働く力を表2に示す。
Figure 2007078992
定着駆動力F1は、定着ローラ323〜定着ベルト320間に働く最大静止摩擦力である。
定着摺動抵抗F2は、定着ベルト320〜定着パッド324間に働く動摩擦力である。
加圧駆動力F3は、シリコーンオイルを塗布した状態における加圧ローラ326〜加圧ベルト321間に働く動摩擦力である。
加圧摺動抵抗F4は、シリコーンオイルを塗布した状態における加圧ベルト321〜加圧パッド327間に働く動摩擦力である。
ベルト間摩擦力F5は、ベルト間にシート(紙)Sが介在している時の通紙領域外におけるベルト間の動摩擦力である。
定着〜紙摩擦力F6は、定着ベルト320〜トナーを載せた紙S間に働く最大静止摩擦力である。
加圧〜紙摩擦力F7は、加圧ベルト21〜紙S間に働く最大静止摩擦力である。
表2によると、加圧ベルト321内面に塗布するオイル量によって加圧ベルト21に働く力が変化していることがわかる。
ここで、加圧ローラ326の駆動条件を、加圧ローラへの駆動を断つ(従動)場合、定着ローラよりも遅回し、速回しした場合の各オイル量における力関係について調べてみた。
加圧ローラの駆動条件によって、シートSに働く力の方向が変化するため、定着ベルトまたは加圧ベルト〜シート間に働く力は変化する。
そこで、定着ベルト320〜シートS間に働く力をF6’および加圧ベルト321〜シートS間に働く力をF7’とした。
加圧駆動条件が、従動の場合における定着ベルト320・シートS・加圧ベルト321に働く力の種類・向きは図9に示すとおりである。遅回しの場合における定着ベルト320・紙S・加圧ベルト321に働く力の種類・向きは図10に示すとおりである。速回しの場合における定着ベルト320・紙S・加圧ベルト321に働く力の種類・向きは図11に示すとおりである。ここでは、本装置において使用が推奨されているシートSのうち最も滑りやすい、表面(画像面)が樹脂にてコートされた紙を使用し検証を行っている。
定着ベルト320と紙Sが滑る条件は、F6<F7’である。
加圧ベルト321と紙Sが滑る条件は、F7<F6’である。
次に、各駆動条件と加圧ベルト21内面に塗布したオイル量における力関係の計算結果を表3にまとめた。なお、紙が滑る条件は×、滑らない条件においても最大摩擦力との差が98N(10kgf)未満となる場合には△、最大摩擦力との差が98N以上の場合は○とした。
Figure 2007078992
表3の結果から明らかなように、ベルトとシートが滑らない条件は、加圧ローラを定着ローラよりも速い周速となるように駆動し、かつ、オイル量が0.03mg/cm2以下のときであった。
一方、実際の定着装置Xにおいて画像ズレの検証を行なった結果を以下に示す。定着ローラの周速を固定値とし加圧ローラ26の周速を変えて画像ズレの発生の有無を確認した結果を表4に示す。検証は、高温高湿環境(温度30℃、湿度80%)で定着ローラ323の周速を80mm/s、定着ベルト20の表面温度が190℃に設定した。オイル量は0.015mg/mmの条件である。
Figure 2007078992
表4の結果から、実際の定着装置においても加圧ローラの周速を定着ローラの周速よりも速くなるように駆動することで画像ズレを防止できることが確認できた。
加圧ローラの周速は定着ローラの周速より速ければ、周速差の大小に関わらず画像ズレを防止することができる。
一方で、加圧ローラの周速が速すぎると加圧ベルト〜加圧ローラ間の摺擦により耐久性低下といった問題が発生することがわかっている。このため、加圧ローラの周速は定着ローラの周速に対して1.2倍以下に設定することが望ましい。
本実施例においては、定着ベルト320と加圧ベルト321の厚さがほぼ同等で定着ローラ323および加圧ローラ326の径に対して十分小さい場合の定着ローラ周速と加圧ローラ周速の関係を示している。
しかしながら、一方のベルトの厚さが他方のベルトの厚さよりも著しく大きく無視できない場合においては、ローラの周速=(駆動ローラ半径+ベルト厚さ)×単位時間あたりの回転数として換算してやれば良い。
また比較実験として、加圧パッド327を外してシリコーンオイル無しの条件で定着動作を行ったところ、ニップ部における圧力が不足して画像ムラや光沢不足という問題が発生してしまった。
以上説明したように、本実施例においては固定部材によりベルト同士を加圧することでニップ内での圧力不足による画像ムラ・光沢不足を防止している。そして、加圧ローラの周速を定着ローラより速くすることにより、以下の効果を得ることができた。つまり、全体にベタ画像が形成されたシートや表面が滑りやすいシートが定着ニップに進入しとき、定着ベルトの外周速に対しシートの速度に遅れが生じるようなことがあってもこれを抑制することができた。また、加圧ベルトに適正量の潤滑材を塗布することで画像パターンやシートの種類、使用環境に依らず画像ズレを発生させないようにすることが可能となった。
本例の定着装置では、以上のような関係を満たしているので、定着ベルトと加圧ベルトが圧接された状態(定着可能な状態)のとき、加圧ローラの周速は加圧ベルトの内周速よりも速くなっている。一方、定着ベルトと加圧ベルトが離間した状態(定着不能な待機状態)のとき、加圧ローラの周速は加圧ベルトの内周速とほぼ等しく、加圧ベルトの外周速は定着ベルトの外周速(定着ローラの周速)よりも速くなっている。
(実施例3)
本実施例の基本構成は、加圧ベルトに潤滑用オイルを塗布する実施例2の構成の代わりに、加圧ベルト内面に低摩擦処理を施した点を除き、実施例2と同様である。なお、装置全体の構成については実施例1と同様である。
図12に示すように、加圧ベルト内面に対してシリコーンオイルを塗布する構成ではなく、加圧ベルト内面にフッ素樹脂コーティングを施した。
また、加圧ベルトの内面と、加圧ローラおよび加圧パッド間の摩擦力を低減することが可能であれば、加圧ローラや加圧パッドの表面にフッ素樹脂コーティングやDLCコーティングを施しても良い。
このように構成することで、実施例2と同様に画像ズレの発生を抑制することが可能である。
なお、実施例2〜3では、加圧ローラが加圧ベルトに対し滑るように定着ローラよりも速い周速で駆動されている。これらの構成を全く逆の関係にして、つまり、定着ローラが定着ベルトに対し滑るように加圧ローラよりも速い周速で駆動される構成であっても同様に効果を得ることができる。
以上の実施例では、画像加熱装置として定着装置を例に説明したが、記録材に既に定着された画像を再度加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢付与装置にも本発明を適用することが可能である。
画像形成装置の概略断面図である。 定着装置を示す概略断面図である。 定着装置の要部を示す概略断面図である。 定着装置の駆動構成を説明する概略図である。 シート搬送時における摩擦力、速度とを示す図である。 各部材間の動摩擦係数測定方法を示した図である。 定着装置の待機時の位置関係を示した図である。 実施例2の定着装置の断面図である。 加圧駆動が従動の場合の力の向き、種類を示す図である。 加圧駆動が遅回しの場合の力の向き、種類を示す図である。 加圧駆動が速回しの場合の力の向き、種類を示す図である。 実施例2の定着装置の断面図である。
符号の説明
X 定着装置
2 ベルトユニット
10、100 定着ローラ
11、201 定着ギア
12 第一伝達ギア
13 第二伝達ギア
14 分離駆動ギア
15、206 伝動ベルト、
16、205 軸
20、101 加圧ベルト
21 インレットローラ
22、34、103 分離ローラ
23 ステアリングローラ
24 加圧パッド部
25 加圧ベース
26、102 加圧パッド
27 摺動シート
28 オイル塗布ローラ
29、30、114 サーミスタ
111 芯金
112 弾性層
113 ヒーター
201 画像形成装置
202 感光体ドラム
203 帯電器
204 光学装置
205 光
206 現像器
207 転写ローラ
208 クリーニング装置
209 給送カセット
210 給送ローラ
211 レジストローラ対
212 排出ローラ対
213 排出トレイ
320 定着ベルト
321 加圧ベルト
322 加熱ローラ
322a ハロゲンヒータ
323 定着ローラ
324 定着パッド
325 テンションローラ
326 加圧ローラ
327 加圧パッド

Claims (9)

  1. 記録材上の画像をニップ部にて加熱する加熱回転体と、この加熱回転体を駆動する駆動手段と、加熱回転体との間でニップ部を形成するエンドレスベルトと、このベルトを駆動する駆動ローラと、を有する画像加熱装置において、
    ベルトと駆動ローラ間の摩擦係数をμ1、加熱回転体とベルト間の摩擦係数をμ2、加熱回転体の周速をV1、駆動ローラの周速をV2とすると、
    μ1<μ2
    0.005<μ1<0.3
    V1<V2
    を満足することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記ベルトが前記加熱回転体との摺動により従動回転することを特徴とする請求項2の画像加熱装置。
  3. 1<V2/V1<1.2
    を満足することを特徴とする請求項1又は2の画像加熱装置。
  4. 0.14<μ2
    を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの画像加熱装置。
  5. 前記加熱回転体と前記ベルトが圧接された状態のとき、前記駆動ローラの周速は前記ベルトの内周速よりも速く、
    前記加熱回転体と前記ベルトが離間した状態のとき、前記駆動ローラの周速は前記ベルトの内周速とほぼ等しく、前記ベルトの外周速は前記加熱回転体の周速よりも速いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの画像加熱装置。
  6. 前記ベルト内面に潤滑材を塗布する塗布手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの画像加熱装置。
  7. 前記加熱回転体はエンドレスの加熱ベルトを有し、前記駆動手段は前記駆動ローラに対向配置され前記加熱ベルトを駆動する駆動ローラを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの画像加熱装置。
  8. 前記加熱回転体は記録材上の画像を加熱するエンドレスの加熱ベルトを有し、前記駆動手段は前記駆動ローラに対向配置され前記加熱ベルトを駆動する駆動ローラを有し、前記μ2は前記加熱ベルトと前記ベルト間の摩擦係数、前記V1は前記加熱ベルトの駆動ローラの周速に対応することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの画像加熱装置。
  9. 記録材上の画像をニップ部にて加熱する加熱回転体と、この加熱回転体を駆動する駆動手段と、加熱回転体との間でニップ部を形成するエンドレスベルトと、このベルトを駆動する駆動ローラと、を有する画像加熱装置において、
    加熱回転体と駆動ローラの周速を異ならせたにも関わらずベルトが加熱回転体との摺動により従動回転する構成としたことを特徴とする画像加熱装置。
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