JP2000172103A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2000172103A
JP2000172103A JP10344023A JP34402398A JP2000172103A JP 2000172103 A JP2000172103 A JP 2000172103A JP 10344023 A JP10344023 A JP 10344023A JP 34402398 A JP34402398 A JP 34402398A JP 2000172103 A JP2000172103 A JP 2000172103A
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roller
heating belt
heating
pressure
belt
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English (en)
Inventor
Takashi Isogai
崇 磯貝
Yusuke Morigami
祐介 森上
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧ローラに対して加熱ベルトを均一かつ安
定して接触させ、画像ノイズの発生を抑制する熱ベルト
方式の定着装置を提供する。 【解決手段】 加熱ベルト30内に複数の内方ローラ4
0、50を有する熱ベルト方式の定着装置24であり、
2本の内方ローラのうち記録材搬送方向eに沿って下流
側(ニップ部35の排紙側)に配置されるローラを駆動
ローラ40とし、他方のローラを加熱ローラ50とし
た。また、内方ローラ(駆動ローラおよび加熱ローラ)
と加圧ローラ60との圧接状態を所定条件の下で規定
し、加熱ベルト30の蛇行を防止する蛇行防止手段70
も設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式のプリ
ンタ、複写機などの画像形成装置に備えられる定着装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスを利用したプリンタ、
複写機などの画像形成装置には、記録紙やOHPシート
などの記録材上に保持された未定着のトナー像を定着す
る定着装置が備えられている。また、定着方式として
は、従来からいわゆる熱ローラ方式のものが広く使用さ
れている。この熱ローラ方式の定着装置では、熱源を有
する加熱ローラと、この加熱ローラに圧接される加圧ロ
ーラとを有し、これらのローラの接触領域であるニップ
部に未定着トナー像を保持した記録材を通し、このとき
に熱と圧力とを加えてトナー像を記録材上に定着してい
る。
【0003】熱ローラ方式の定着装置は、モノクロ画像
を形成する画像形成装置はもちろん、フルカラー画像を
形成する画像形成装置にも用いられている。但し、フル
カラー画像はモノクロ画像の場合に比べて3〜4倍のト
ナー層厚さがあり、トナーの付着量が多いことから、ニ
ップ部の搬送方向長さ(ニップ幅)をできる限り広く確
保し、記録材上に形成された未定着トナー像を可能な限
り低温で長いスパンで時間をかけて加熱して、記録材上
に定着することが望ましい。また、記録材としてのOH
Pにフルカラー画像を定着させる場合には、OHPにお
ける透光色再現性を確保するため、ニップ部で比較的大
きな加圧力も不可欠である。このため、フルカラー用の
定着装置としては、トナー面を均一に溶融して高光沢に
仕上げるべく、加熱ローラおよび加圧ローラの双方に高
平滑ないし鏡面な耐熱弾性体を表層(トップ層)に設け
た熱ローラ方式の定着装置が主流となっている。
【0004】この種の定着装置は、加熱ローラと加圧ロ
ーラとを相互に圧接させ各ローラ表層の耐熱弾性体の圧
縮変形によってニップ部を形成するため、ニップ幅は、
加熱ローラおよび加圧ローラの外径と、各ローラ表層の
耐熱弾性体の厚みと、に依存することになる。したがっ
て、フルカラー画像の定着に適するようニップ幅を広く
確保するためには、ローラの外径を大きくするか、ロー
ラ表層の耐熱弾性体の厚みを厚くするかの何れかが必要
となる。
【0005】ところが、フルカラー用の熱ローラ方式の
定着装置において、幅広なニップを確保すべくローラを
大径化した場合には、定着装置ひいては画像形成装置全
体の大型化を招くという問題がある。一方、耐熱弾性体
表層の厚みを厚くした場合には、熱伝達の低下による熱
供給速度の低下によって、プリント速度が低下したり、
大きなPPM(枚/分)時に定着温度を維持し得る、い
わゆる高PPM追従性が低下したりするなどの問題があ
る。
【0006】フルカラー用定着装置において、定着装置
の小型化を図り、かつ、高速化および高PPM化を実現
するには、ニップ幅を拡大しつつ熱の供給速度を低下さ
せないことが重要な課題であるものの、熱ローラ方式に
おけるニップ幅の拡大手法としては、上述したローラの
大径化および耐熱弾性体の厚肉化しかないことから、当
該課題に応えるには限界があった。
【0007】そこで、熱ローラ方式による場合の限界を
打破すべく、加熱ベルトを加圧ローラに圧接させてニッ
プ部を形成する、いわゆる熱ベルト方式の定着装置が提
案されている(特開平3−264977号公報および特
開平3−209286号公報参照)。熱ベルト方式の定
着装置は、加熱ベルト内に配置される2本のローラを備
え、これら2本のローラによって加熱ベルトを加圧ロー
ラに圧接させるよう構成され、熱ローラ方式のものに比
べて、広いニップ幅を容易に確保することができ、小型
でかつ高速プリントが可能になるという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】フルカラー用の定着装
置に熱ベルト方式を採用するに当たっては、良好なフル
カラー画像とOHP透光色再現性を確保するために、上
述した熱ローラ方式の定着装置と同様に、加熱ベルトお
よび加圧ローラの双方の表面に高平滑な耐熱弾性体を設
けると共にニップ部で比較的大きな加圧力を加えること
が必要となる。耐熱弾性体表層は一般にシリコンゴムか
ら形成されており、加熱ベルトと加圧ローラとの間の摩
擦力が比較的大きいものとなっている。
【0009】この種の熱ベルト方式の定着装置におい
て、記録材を安定して搬送し良好なフルカラー定着画像
を得るためには、ともに摩擦力の高い表層を有する加熱
ベルトと加圧ローラとを安定して均一に接触させつつ駆
動し、かつ、2本のローラによって加圧ローラに対して
圧接される加熱ベルトと加圧ローラ表面との間の均一な
接触を確保することが重要である。しかも、2本のロー
ラの間に掛け渡された加熱ベルトの蛇行を防止すること
も、記録材を安定して搬送するためには重要なことであ
る。
【0010】特に、加熱ベルト内に配置される2本のロ
ーラによる加熱ベルトの加圧ローラへの均一な接触搬送
性の確保は、画像ノイズの発生と密接な関係があり、こ
の均一な接触搬送性の確保は、フルカラー用熱ベルト定
着装置の大きな課題となった。
【0011】ここで、加熱ベルトを加圧ローラに対して
均一に接触させて記録材の均一な搬送を確保すべく、加
熱ベルト内の2本のローラの間に圧接部材を配置し、当
該圧接部材により加熱ベルト内面を加圧ローラに向けて
押し付ける構成が考えられる。
【0012】この構成を検討したところ、加熱ベルトま
たは加圧ローラのうちいずれか一方の表層材にテフロン
などの低摩擦抵抗の素材を用い得るモノクロ用の定着装
置には、ある程度の効果が見られた。
【0013】しかしながら、フルカラー用の定着装置に
熱ベルト方式を採用する場合には、上述したように、加
熱ベルトおよび加圧ローラ双方に耐熱弾性体表層を設け
る必要があり、加熱ベルトと加圧ローラと間に大きな摩
擦力が生じている。このため、圧接部材の圧接圧力は、
加熱ベルト表層および加圧ローラ表層の間の摩擦力に打
ち勝つだけの大きな力とならざるを得ない。この結果、
高負荷状態の下での加熱ベルトの搬送ないし走行が不安
定となり、画像ノイズが発生した。
【0014】さらにまた、加熱ベルト内に配置される2
本のローラの間に圧接部材をさらに配置するため、全体
として大きな設置スペースが必要となり、定着装置が大
型化するという問題もある。また、ベルト内に配置され
る2本のローラ間隔が広がることから、ニップ部の形状
が加圧ローラに沿って大きく湾曲し、記録材の搬送方向
が記録材の突入方向と排紙方向とが大きく異なってしま
うという問題もある。
【0015】また、加熱源であるセラミック加熱体によ
って加熱ベルトを加圧ローラに圧接してニップ部を形成
するベルト方式の定着装置も従来提案されている。この
種の定着装置でニップ幅を拡大するためには、セラミッ
ク加熱体を加圧ローラ周面に沿った形状で広幅化する必
要があるが、セラミック加熱体の製造技術上の問題から
ニップ幅の拡大は困難である。また、温度によって外径
形状が変化する加圧ローラに対する加熱ベルトの均一な
接触を保つことが難しく、加熱ベルトの安定した走行が
確保できない。さらに、加熱ベルトと加圧ローラとの圧
接圧力を高めるためには、セラミック加熱体と加圧ロー
ラとの圧接圧力を増加させる必要が生じるため、加熱ベ
ルトとセラミック加熱体との間の摩擦力が増加し、加熱
ベルトの駆動が困難となる。また、摩耗によるセラミッ
ク加熱体の損傷が問題となることに加えて、圧接圧力の
増加にも耐え得るセラミック加熱体の製造も難しいのが
実状で、フルカラー用の定着装置に適用するには十分な
ものではない。
【0016】また、上記公報(特開平3−264977
号公報の第3図)に示された定着装置は、加熱ベルトと
加圧ローラとの圧接均一性が最も得にくい構成である。
【0017】ここに、加熱ベルト内に配置される複数の
ベルト駆動ローラを加熱ベルトを介して加圧ローラに圧
接させて加熱ニップ部を形成する構成では、以下の理由
により圧接の均一性を得にくい。
【0018】1)複数のベルト駆動ローラの周速が一致
しないと加熱ニップ部において加熱ベルトの浮きが発生
するため。
【0019】2)ベルト駆動ローラの外径が搬送軸の長
手方向に沿って均一でないと、加熱ベルトの搬送速度が
搬送軸方向に沿って異なり、加熱ニップ部において加熱
ベルトの浮きが発生するため。これら1)、2)の加熱
ベルトの浮きは、温度に対して外径変化が大きい弾性体
表層を有する場合に顕著となる。
【0020】3)加熱ベルトの厚みが均一でないと加熱
ベルトの搬送速度が搬送軸方向で異なり、加熱ニップ部
において加熱ベルトの浮きが発生するため。カラー定着
で必要とされる弾性体表層は厚みも厚く、厚みのばらつ
きも大きいため、この傾向は顕著なものとなる。
【0021】4)カラー定着で必要とされる弾性体表層
を加圧ローラが有する場合、ベルト駆動ローラの加圧ロ
ーラへの圧接により加熱ベルトが加圧ローラの弾性ロー
ラに凹状に押し付けられ、加熱ニップ部においてベルト
の浮きが発生するため。特にOHPでの透光色再現性を
得るためには圧接圧力を高くする必要があるため、この
傾向は顕著なものとなる。
【0022】5)ベルト駆動ローラ相互間の平行度およ
びベルト駆動ローラと加圧ローラとの平行度が保たれて
いないとお互いの駆動によるストレスを加熱ベルトが受
け、加熱ニップ部において加熱ベルトの浮きが発生する
ため。これは、カラー定着で必要とされる弾性体表層を
加圧ローラおよび加熱ベルトが有する場合、お互いの表
層での摩擦係数が増加してしまい、より顕著となる。
【0023】さらにまた、上記公報(特開平3−209
286号公報の第7図)に示される構成では、圧接圧力
を低圧化して記録材の安定搬送性を確保する構成が開示
されているが、OHPに対するフルカラー画像では、透
光性が確保できない構成である。そもそもこの先行技術
では加熱ベルトおよび加圧ローラに高摩擦かつ高平滑な
耐熱弾性体を設けることは開示されておらず、モノクロ
用の熱ベルト定着装置を前提としていると考えられる。
【0024】したがって、フルカラー用の定着装置に熱
ベルト方式を採用する場合には、圧接部材やセラミック
加熱体を用いずに、加熱ベルト内に配置する2本の内方
ローラのみで、当該2本の内方ローラ間に形成される加
熱ニップ部において加熱ベルトの浮きなどを発生させず
に、双方とも高平滑な耐熱弾性体を有する加熱ベルトと
加圧ローラとを均一に接触させて安定した記録材の搬送
を確保し、もって、画像ノイズの発生を抑えて良好なフ
ルカラー画像を提供でき、また、小型化と高速・高PP
M対応を可能とする必要がある。
【0025】本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決
するためになされたものであり、加熱ベルト内に複数の
ローラを有する熱ベルト方式の定着装置であって、加圧
ローラに対して加熱ベルトを均一かつ安定して接触さ
せ、当該加熱ベルトの均一で安定した搬送性能を確保
し、画像ノイズの発生を抑制し得る定着装置を提供する
ことを目的とする。さらに、加熱ベルトの蛇行をも防止
して、画像ノイズの発生をさらに抑制し得る定着装置を
提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の発明は、記録材上に保持された未定
着トナー像を当該記録材上に熱圧力定着させる定着装置
において、無端状の加熱ベルトと、前記記録材の搬送方
向に沿って前記加熱ベルト内に配置されて前記加熱ベル
トを支持する少なくとも2本の内方ローラと、前記加熱
ベルトに相対的に圧接してニップ部を形成する加圧ロー
ラと、前記加熱ベルトおよび前記加圧ローラのうち少な
くとも一方の表層に設けられた耐熱弾性体層と、前記加
熱ベルトを加熱する加熱源と、前記2本の内方ローラの
うち前記記録材の搬送方向に沿って下流側に配置される
内方ローラに回転駆動力を伝達して前記加熱ベルトを走
行させるベルト駆動機構と、を有することを特徴とする
熱ベルト方式の定着装置である。
【0027】かかる構成では、加熱ベルトはニップ部に
おいて牽引されるようにして走行することになるため、
ニップ部に加熱ベルトのたるみ、浮きが発生することが
なく、加熱ベルトと加圧ローラとの相対的な圧接が均一
な状態に維持される。これにより、ニップ部における記
録材は、そのトナー保持面が加熱ベルトに均一に接触し
た状態で搬送され、画像のずれや、にじみなどの画像ノ
イズが発生しない。かかる構成の定着装置は、モノクロ
用の定着装置およびカラー用の定着装置の両者に適用可
能である。
【0028】また、請求項2に記載の発明は、記録材上
に保持された未定着トナー像を当該記録材上に熱圧力定
着させる定着装置において、表層に耐熱弾性体層が設け
られた無端状の加熱ベルトと、前記記録材の搬送方向に
沿って前記加熱ベルト内に配置されて前記加熱ベルトを
支持する少なくとも2本の内方ローラと、表層に耐熱弾
性体層が設けられ前記加熱ベルトに相対的に圧接してニ
ップ部を形成する加圧ローラと、前記加熱ベルトを加熱
する加熱源と、を有し、前記2本の内方ローラのうち少
なくとも一方の内方ローラは回転自在に位置が固定さ
れ、当該位置固定された内方ローラに対して前記加圧ロ
ーラが回転自在に圧接していることを特徴とする熱ベル
ト方式の定着装置である。
【0029】また、請求項3に記載の定着装置のよう
に、前記2本の内方ローラのうち少なくとも一方の内方
ローラと前記加圧ローラとは回転自在に位置が固定さ
れ、当該位置固定された加圧ローラに対して他方の内方
ローラが回転自在に圧接していることを特徴としてもよ
い。
【0030】こられの構成によれば、内方ローラと加圧
ローラとの間の圧接状態が安定することから、記録材は
安定して搬送され、画像ノイズの発生がなくなることは
もちろんのこと、ニップ部におけるジャムの発生も少な
くなる。これらの構成の定着装置は、カラー用の定着装
置に適用する場合に好ましいものとなる。
【0031】また、請求項4に記載の発明は、前記加熱
ベルト表面における非通紙領域にほぼ連続的に外方に突
出して形成された少なくとも一つの凸部と、前記加圧ロ
ーラに形成され前記加熱ベルトの前記凸部に係合する係
合凹部とにより、前記加熱ベルトが前記内方ローラの軸
方向へ進行することを防止する蛇行防止手を構成したこ
とを特徴とする。
【0032】ここで、前記蛇行防止手段は、前記加熱ベ
ルト表面における非通紙領域の前記内方ローラの軸方向
に沿って両側に設けるとよい。
【0033】蛇行防止手段により加熱ベルトの斜行ない
し蛇行が防止され、加熱ベルトと加圧ローラとの圧接状
態がさらに均一なものとなり、画像ノイズの発生がより
一層防止されると共にニップ部におけるジャムの発生も
少なくなる。また、蛇行防止手段の凸部は加熱ベルトの
外周面に形成するものであるため、凸部を含む加熱ベル
トの製造が容易であり、しかも、ベルト基材の強度が比
較的小さい場合でも、蛇行防止機能を十分に発揮する。
また、非通紙部に蛇行防止手段を設けてあるので、使用
者に与える画像欠損などの損失が発生することがない。
かかる構成の定着装置は、モノクロ用の定着装置および
カラー用の定着装置の両者に適用可能である。
【0034】また、請求項6に記載の定着装置は、前記
加熱ベルト表層と前記加圧ローラ表層との間の静止摩擦
係数μ1、前記加熱ベルト表層と前記記録材との間の静
止摩擦係数μ2、前記加熱ベルト内表面と前記内方ロー
ラ表面との間の静止摩擦係数μ3は、 μ1>μ2>μ
3 なる条件を満たすように設定されていることを特徴
とする。さらに、請求項7に記載のように、前記加熱ベ
ルト表層と前記記録材との間の静止摩擦係数μ2、前記
加圧ローラ表層と前記記録材との間の静止摩擦係数μ4
は、 μ2>μ4 なる条件を満たすように設定するの
がよい。
【0035】このように静止摩擦係数μ1〜μ4を設定
すれば、加熱ベルトが内方ローラに対して滑ることなく
走行するのに伴い、加圧ローラが加熱ベルトに対して滑
ることなく従動回転し、また、記録材がニップ部に突入
しても、加圧ローラの前記滑りのない従動回転は支障な
く維持される。これにより、加熱ベルトと加圧ローラと
の均一な圧接状態が維持されることとなり、画像ノイズ
の発生がより一層防止される。かかる構成の定着装置
は、弾性体表層を加圧ローラおよび加熱ベルトが有する
場合のカラー用定着装置に適用して好ましい。
【0036】また、請求項8に記載の定着装置は、前記
2本の内方ローラのそれぞれが前記加圧ローラに対して
相対的に圧接する圧接圧力において、前記記録材が前記
ニップ部から排出される側に配置される内方ローラの圧
接圧力は、前記ニップ部に突入する側に配置される内方
ローラの圧接圧力よりも大きく設定されてなることを特
徴とする。
【0037】かかる構成により、記録材はそのトナー保
持面が加熱ベルトにより均一に接触した状態で搬送さ
れ、画像ノイズの発生がより一層防止される。
【0038】また、請求項9および請求項10に記載の
定着装置は、前記内方ローラ相互間の張力は、前記2本
の内方ローラのそれぞれが前記加圧ローラに対して相対
的に圧接するそれぞれの圧接圧力よりも大きいことを特
徴とする。
【0039】加熱ベルトに作用する張力を各ローラの圧
接力よりも大きくすることにより、ニップ部での加熱ベ
ルトのたるみ、浮きが発生することがなく、記録材が加
熱ベルトにより均一に接触した状態で搬送されることに
なり、画像ノイズの発生がより一層防止される。請求項
8〜10の定着装置は、モノクロ用の定着装置およびカ
ラー用の定着装置の両者に適用可能である。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。 《実施の形態1に係るプリンタの全体構成》図1は、本
発明に係る定着装置を組み込んだ電子写真式のフルカラ
ープリンタを示す概略構成図である。
【0041】図1に示されるプリンタ11は、像担持体
としての感光体ドラム12と、レーザ発生器14と、を
備え、矢印方向に回転する感光体ドラム12の周辺に
は、感光体ドラム12の外周面を帯電する帯電装置13
と、第1〜第4の現像器15、16、17、18を備え
た現像装置と、転写ベルト19と、感光体ドラム12上
の残留トナーを除去する図示しないクリーニング装置
と、プリンタ11内の温度を検出する機内温度検出セン
サTSと、が配置されている。レーザ発生器14は、図
示しないコンピュータなどから送られてくる画像信号の
レベルに応じて半導体レーザを駆動変調する。レーザ光
は、図示しないポリゴンミラー、f−θレンズおよび折
り返しミラーなどを経由し、帯電装置13と現像装置と
の間の位置で、感光体ドラム12に照射される。レーザ
光の照射により感光体ドラム12上に形成された静電潜
像は、第1現像器15によりイエローのトナー像として
顕像化される。このイエロートナー像は、矢印方向に回
転移動する転写ベルト19上に保持される。感光体ドラ
ム12上に次に形成された静電潜像は、第2現像器16
によりマゼンタのトナー像として顕像化され、このマゼ
ンタトナー像は、転写ベルト19上のイエロートナー像
の上に重ねられる。同様に、感光体ドラム12上に次に
形成された静電潜像は、第3現像器17によりシアンの
トナー像として顕像化され、このシアントナー像を転写
ベルト19上のトナー像の上に重ねることによって、フ
ルカラートナー像が作成される。なお、第4現像器18
にはブラックのトナーが収容されており、モノクロプリ
ントが指定された場合には、感光体ドラム12上の静電
潜像は、この第4現像器18により顕像化される。
【0042】一方、プリンタ本体に対して着脱自在に取
り付けられる給紙カセット20には、複数枚の記録紙や
OHPシートなどの記録材10が積層した状態で収納さ
れている。記録材10は、給紙ローラ21により1枚ず
つ捌かれて給紙され、タイミングローラ22によりトナ
ー像とタイミングをとって転写領域23に向けて搬送さ
れる。この転写領域23において、転写ベルト19上の
フルカラートナー像が記録材10に転写される。転写後
の記録材10は、転写ベルト19から分離され、定着装
置24に向けて搬送ベルト25により搬送される。記録
材10上に転写された未定着トナーが定着装置24にお
いて溶融定着され、トナーが固定された記録材10は、
排紙トレイ26に排出される。本実施形態の定着装置2
4は後に詳述するが、熱ベルト方式によるものであり、
フルカラー画像の定着を好適に行い得る構成としてあ
る。
【0043】記録材10への転写が終了すると、感光体
ドラム12は、クリーニング装置にて残留トナーが除去
され、イレーサによって残留電荷が除電される。その
後、感光体ドラム12は、帯電装置13によって再度帯
電され、レーザ光による潜像形成を受け、現像器15〜
18によって現像される。
【0044】記録材搬送経路には記録材10を検出する
複数のセンサS1、S2、S3が配置され、各センサS
1、S2、S3で記録材10の先端および/または後端
を検出した信号に基づいて、プリンタ内に設けられた各
部材の制御タイミングがとられる。 《実施の形態1に係る定着装置の全体構成》図2は、実
施の形態1に係る熱ベルト方式の定着装置を示す断面図
である。
【0045】この定着装置24を概説すれば、表層に耐
熱弾性体層が設けられた無端状の加熱ベルト30と、記
録材10の搬送方向(図中矢印e)に沿って加熱ベルト
30内に配置されて加熱ベルト30を支持する2本の内
方ローラ40、50と、表層に耐熱弾性体層が設けられ
加熱ベルト30に相対的に圧接してニップ部35を形成
する加圧ローラ60と、加熱ベルト30を加熱する加熱
源55と、を有している。さらに、加熱ベルト30を走
行させるベルト駆動機構65、内方ローラ40、50の
軸方向への加熱ベルト30の進行を防止する蛇行防止手
段70(図4参照)も設けられている。なお、ニップ部3
5は、加熱ベルト30を介して内方ローラ40、50と
加圧ローラ60とが圧接する2個所のニップ、および、
これら2つのニップ間で加熱ベルト30が加圧ローラ6
0に圧接する加熱ニップ部の総称である。
【0046】フルカラー用の定着装置24では加熱ベル
ト30に耐熱弾性体層を設けることが必須である。ま
た、この定着装置24におけるローラには、加圧ローラ
60および2本の内方ローラ40、50があり、フルカ
ラー画像の定着においては、加圧ローラ60および内方
ローラ40、50のうちいずれか一方のローラ60(ま
たは40、50)に耐熱弾性体表層を設ければ実用上許
容される所定の画質を得ることができたが、全てのロー
ラ40、50、60に耐熱弾性体表層を設けることが最
も好ましいことが確認された。そこで、先ず、フルカラ
ー用の定着装置に用いるローラの種々の構成を概説す
る。
【0047】図3(A)に示すように、フルカラー用の
定着装置に用いるローラ95aは、芯金96と、当該芯
金96の外表面に設けられる耐熱弾性体層97と、を有
する。耐熱弾性体層97はシリコンゴムから形成され
る。図3(B)に示すローラ95bは、同図(A)に示
したローラ95aの耐熱弾性体層97の表面にフッ素ゴ
ムをコーティングしたり、フッ素樹脂をコートあるいは
被覆したりして表層98を形成したものである。図3
(C)に示すローラ95cは、同図(B)に示したロー
ラ95bの表層98の表面にシリコンゴムをさらにコー
ティングして表層99を形成したものである。本実施形
態のローラ40、50、60には、図3(A)に示され
る構成を採用している。
【0048】また、本実施形態のように圧力加熱定着方
式によるものは、記録材10の両面のうちトナー27を
保持した面が加熱ベルト30の表面に直接接触する構成
であるため、記録材10上の未定着トナー像の一部が加
熱ベルト30側に転写されやすい。このため、加熱ベル
ト30に融着したトナー27が、記録材10後端に再度
転写されて当該記録材10を汚したり、次に搬送されて
くる記録材10に再度転写されて当該記録材10を汚し
たりする、いわゆるオフセット現象が起きやすいという
欠点がある。そこで、本実施形態では、オフセット現象
の発生を防止するため、加熱ベルト30とトナー27と
の離型性を良好にする離型剤を加熱ベルト30の外周面
に塗布するオイル塗布ユニット36を設けてある。離型
剤としては、シリコンオイルが用いられる。
【0049】図2を参照して、前記加熱ベルト30は、
薄肉の好ましくはシームレスベルトであり、炭素鋼、ス
テンレス鋼、ニッケルあるいは耐熱性樹脂などからなる
ベルト基材31を有し、当該ベルト基材31の表面にシ
リコンオイルに対して親和性が良いシリコンゴムを被覆
し、トナー27に対して良好な離型性と耐熱性とを有す
る耐熱弾性体層32を形成したエンドレスベルトであ
る。ベルト基材31の厚さは約40μm、耐熱弾性体層
32の厚さは約200μmである。
【0050】加熱ベルト30が掛け渡される内方ローラ
40、50は、記録材10の搬送方向に沿って配置され
ている。すなわち、前記搬送方向に沿う下流側つまり記
録材10がニップ部35から排出される側と、前記搬送
方向に沿う上流側つまり記録材10がニップ部35に突
入する側とに配置されている。記録材10の搬送方向に
沿って下流側に配置される内方ローラ40は、ベルト駆
動機構65から回転駆動力が伝達されて加熱ベルト30
を走行させるローラとして機能するものであり、説明の
便宜上、以下「駆動ローラ40」とも称する。また、他
方の内方ローラ50には加熱源55が内蔵してあること
から、説明の便宜上、以下「加熱ローラ50」とも称す
る。また、内方ローラ40、50の軸線方向に沿う方向
を、無端状の加熱ベルト30の軸線方向と称する。
【0051】前記駆動ローラ40は、芯金41と、当該
芯金41の外表面に設けられた耐熱弾性体層42と、を
有する。耐熱弾性体層42はシリコンゴムから形成され
る。前記芯金41の片端には駆動プーリ66が固定さ
れ、この駆動プーリ66にベルト67を介してモータ6
8が接続されている。このモータ68を作動させると、
駆動ローラ40は矢印a方向に回転駆動し、駆動ローラ
40の耐熱弾性体層42に裏面が接触している加熱ベル
ト30が矢印b方向に移動ないし走行される。図示する
実施形態では、駆動プーリ66、ベルト67およびモー
タ68により、駆動ローラ40に回転駆動力を伝達して
加熱ベルト30を走行させるベルト駆動機構65が構成
されている。
【0052】前記加熱ローラ50は、中空の芯金51
と、当該芯金51の外表面に設けられた耐熱弾性体層5
2と、を有する。耐熱弾性体層52はシリコンゴムから
形成される。芯金51の中心軸上には、加熱源55とし
てのハロゲンヒータランプが配置されている。ハロゲン
ヒータランプ55から芯金51内面に向けて発せられた
輻射熱は、当該芯金51、耐熱弾性体層52およびベル
ト基材31を伝導し、加熱ベルト30の耐熱弾性体層3
2まで伝導する。
【0053】なお、各芯金41、51の材質は特に限定
されるものではないが、加熱ベルト30に熱を効率的に
供給する観点から、加熱ローラ50の芯金51は例えば
アルミニウムや銅などのように熱伝導性の高い材料から
形成するのが好ましい。
【0054】前記加圧ローラ60もまた、芯金61と、
当該芯金61の外表面に設けられたシリコンゴムからな
る耐熱弾性体層62と、を有する。加圧ローラ60は、
圧縮スプリング75のばね力F1が支軸63に付勢さ
れ、加熱ベルト30を介して駆動ローラ40および加熱
ローラ50に圧接している。この圧接によって加熱ベル
ト30と加圧ローラ60とが密着し、幅の広いニップ部
35が形成される。駆動ローラ40の回転に伴って加熱
ベルト30が矢印b方向に移動すると、加圧ローラ60
は、加熱ベルト30との間の摩擦により、矢印c方向に
従動回転する。
【0055】但し、加熱ベルト30の走行速度に一致す
るように加圧ローラ60を駆動回転させる構成としても
よい。この場合には、例えば、加圧ローラ60の軸をワ
ンウェイクラッチを介してモータなどの駆動手段(いず
れも図示せず)に接続する構成とする。ここで、回転フ
リーの方向に所定速度で加圧ローラ60を回転駆動する
ことにより、低速時には加圧ローラ60を回転駆動さ
せ、ローラ径が熱で膨脹する傾向のある高速時には従動
させることができる。これにより、加圧ローラ60を駆
動回転させる場合でも、加熱ベルト30と加圧ローラ6
0とがスリップする事態を防止することが可能となる。
【0056】加熱ローラ50の温度を検出する第1の温
度センサが加熱ベルト30の内方位置に配置され、ま
た、加圧ローラ60の温度を検出する第2の温度センサ
が加圧ローラ60に隣接して配置されている(いずれも
図示せず)。これらの温度センサは、例えばサーミスタ
から構成され、各ローラの表面に当接してローラ表面温
度を検出している。
【0057】本実施の形態のプリンタ11では、加熱源
55を備えていない加圧ローラ60の表面温度を第2温
度センサで検出し、この加圧ローラ60の表面温度に基
づいて、ハロゲンヒータランプ55の制御温度を決定す
ると共に印字開始のタイミングを制御している。また、
ハロゲンヒータランプ55の温度を決定された前記制御
温度に調整するため、加熱ローラ50の表面温度を第1
温度センサで検出しつつ、ハロゲンヒータランプ55へ
の通電をオンオフ制御している。
【0058】なお、ハロゲンヒータランプ55が異常高
温になったときの安全機構としてサーモスタットを設
け、異常高温時にハロゲンヒータランプ55への電力供
給を遮断するようにしてもよい。
【0059】2本の内方ローラ(駆動ローラ40および
加熱ローラ50)は、その支軸43、53が図示しない
軸受などを介して図示しないフレームに回転自在に保持
されている。但し、各内方ローラ40、50の円滑な回
転動を確保できる範囲内で、いわゆる「遊び」は可及的
に小さく設定され、位置が固定されたものとなってい
る。この位置固定された内方ローラ40、50に対して
加圧ローラ60が回転自在に圧接している。具体的に
は、フレームには所定方向に沿って若干寸法だけ延びる
長孔が形成されており、この長孔内に加圧ローラ60の
支軸63が摺動自在に取り付けられている。この構成で
は、圧縮スプリング75のばね力F1によって、加圧ロ
ーラ60が駆動ローラ40および加熱ローラ50のそれ
ぞれに圧接する圧接圧力が定まる。
【0060】図2を参照して、駆動ローラ40、加熱ロ
ーラ50および加圧ローラ60それぞれの軸中心がなす
三角形を考えた場合、圧縮スプリング75は、そのばね
力F1が加圧ローラ60の軸中心からの中線よりも駆動
ローラ40側に若干偏位した方向に作用するように傾斜
して配置されている。圧縮スプリング75をこの状態で
配置した場合には、ばね力F1の駆動ローラ40に向か
う方向に沿う分力f1は、加熱ローラ50に向かう方向
に沿う分力f2よりも大きくなる。これら分力f1、f
2のそれぞれが、駆動ローラ40および加熱ローラ50
の圧接圧力となるので、駆動ローラ40の圧接圧力は、
加熱ローラ50の圧接圧力よりも大きくなっている。
【0061】前記蛇行防止手段70は、図4に示すよう
に、加熱ベルト30表面における非通紙領域に外方に突
出して形成された凸部33と、加圧ローラ60に形成さ
れ加熱ベルト30の凸部33に係合する係合凹部64と
により構成されている。前記非通紙領域は、加熱ベルト
30の軸線方向に沿う両端部近傍に相当する。蛇行防止
手段70は、加熱ベルト30の軸線方向に沿って少なく
とも一の端部近傍に設ければよいが、実施形態1にあっ
ては、加熱ベルト30の軸線方向に沿う両側に設けてあ
る。加熱ベルト30の凸部33は、周方向に連続した形
状を有するもの、あるいは、内方ローラ40、50の円
弧部を通過することを考慮して切れ目ないしスリットを
入れた形状を有するものなど、適宜の形状に改変でき
る。また、凸部33の断面形状においても、矩形形状、
テーパ形状など種々改変できる。
【0062】図2を参照して、前記オイル塗布ユニット
36は、加熱ベルト30の上方位置に配置され、加熱ベ
ルト30に塗布されるオイルを内部に保持したオイル供
給ローラ80と、オイル供給ローラ80の表面に当接し
当該オイル供給ローラ80から供給されたオイルを加熱
ベルト30の外周面に塗布するオイル塗布ローラ81と
を有し、これらのローラ80、81は、図示しないホル
ダに回転自在に支持されている。また、オイル塗布ロー
ラ81の表面に当接して、当該オイル塗布ローラ81に
付着した紙粉やトナーを除去する図示しないクリーニン
グローラが回転自在に設けられている。加熱ベルト30
上の紙粉、トナー等による汚れを、加熱ベルト30に当
接するオイル塗布ローラ81から上記のクリーニングロ
ーラに付着させ、オイル供給ローラ80に付着すること
が少なくなるようにしてある。これにより、オイル供給
ローラ80からオイル塗布ローラ81に均一かつ安定的
にオイルが供給され、その結果、オイル塗布ローラ81
から加熱ベルト30に均一かつ安定的にオイルが塗布さ
れ、オフセットを確実に防止しつつ、加熱ベルト30の
清掃もでき、高品位の定着画像が得られる。
【0063】オイル塗布ローラ81は、芯金上にシリコ
ンオイルとの親和性が良いシリコンゴムを被覆して形成
され、加熱ベルト30を介して加熱ローラ50に十分な
圧接圧力の下で圧接し、安定した均一なオイル塗布を行
う。また、オイル供給ローラ80は、芯金85の表面に
設けられたオイル保持層86と、当該オイル保持層86
の表面側に設けられた表層87とを含む多層構造を有し
ている。芯金85はアルミニウム製ローラから形成さ
れ、オイル保持層86は、例えば、和紙を所定厚みとな
るように芯金85に巻回して形成されている。表層87
は、例えば、芳香族アラミド繊維を所定厚みとなるよう
にオイル保持層86の表面側に巻回して形成されてい
る。芯金85の中心軸上には供給ノズル88が非回転の
状態で配置されている。供給ノズル88から芯金85の
内面に供給されたオイルは、当該芯金85に形成した複
数の貫通孔を通り、オイル保持層86に含浸する。 《各ローラ40〜60表面および加熱ベルト30表面に
おける静止摩擦係数》次に、加熱ベルト表層32と加圧
ローラ表層62との間などの静止摩擦係数について考察
する。
【0064】図5に概念的に示すように、加熱ベルト表
層32と加圧ローラ表層62との間の静止摩擦係数をμ
1、加熱ベルト表層32と記録材10との間の静止摩擦
係数をμ2、加熱ベルト内表面34と内方ローラ表層4
2、52との間の静止摩擦係数をμ3と表す。また、加
圧ローラ表層62と記録材10との間の静止摩擦係数を
μ4と表す。
【0065】本実施形態の定着装置24では、静止摩擦
係数μ1〜μ4が以下の条件式(1)(2)を満たすよ
うに設定してある。
【0066】μ1>μ2>μ3 ・・ 条件式(1) μ2>μ4 ・・ 条件式(2) 加熱ベルト30、内方ローラ40、50および加圧ロー
ラ60の表層32、42、52、62はともに耐熱弾性
体から形成されるが、条件式(1)(2)を満足させる
べく、同種の材料(例えば、シリコンゴム)から各表層
を形成する場合には、例えば、ゴムの架橋密度、オイル
含浸量、フィラー量、フィラー種、硬度、引張り応力を
調整することにより静止摩擦係数を異ならせることがで
きる。また、異種材料を組み合わせる場合には、加熱ベ
ルト表層32をシリコンゴムから形成し、内方ローラ表
層42、52をフッ素樹脂から形成し、加圧ローラ表層
62をフッ素ゴムまたはシリコンゴムから形成するとよ
い。
【0067】条件式(1)および(2)を満たすように
設定すれば、加熱ベルト30内面に対してスリップしな
い所定の駆動力を駆動ローラ40に伝達すると、駆動ロ
ーラ40の回転動に伴い、加熱ベルト30は、駆動ロー
ラ40に対して滑ることなく矢印b方向に走行する。μ
1>μ3であるので、加熱ベルト30の走行に伴い、こ
れに圧接する加圧ローラ60は、加熱ベルト30に対し
て滑ることなく矢印c方向に従動回転する。記録材10
は矢印e方向に沿って搬送されてニップ部35に突入す
るが、μ1>μ2であるので、記録材10がニップ部3
5に突入しても、加圧ローラ60の前記滑りのない従動
回転は支障なく維持される。しかも、μ1>μ2>μ4
の関係があるので、記録材10の突入が加圧ローラ60
の従動回転を阻害することがない。
【0068】加熱ベルト30、内方ローラ40、50お
よび加圧ローラ60の具体的な一構成例を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】静止摩擦係数μ1〜μ4(但し、μ1>μ
2>μ3(μ3’)、μ2>μ4)は次のとおりであ
る。
【0071】μ1(加熱ベルト表層32−加圧ローラ表
層62) :28 μ2(加熱ベルト表層32−記録材10のトナー保持
面): 5 μ3(加熱ベルト内表面34−駆動ローラ表層42)
: 2.5 μ3’(加熱ベルト内表面34−加熱ローラ表層52)
: 3 μ4(加圧ローラ表層62−記録材10裏面)
: 0.5 である。
【0072】静止摩擦係数の測定条件は、次のとおりで
ある。
【0073】駆動ローラ40−加圧ローラ60の圧接圧
力(面圧):0.5kgf/cm2 加熱ローラ50−加圧ローラ60の圧接圧力(面圧):
0.5kgf/cm2 摩擦面の粗さ:(表1参照) 記録材10 :MINOLTA CF80ペーパ 80
gr/m2 測定温度 :120℃ 潤滑剤の有無:加熱ベルト表層32と加圧ローラ表層6
2との間 使用潤滑剤 :離型用のシリコンオイル(粘度100c
St(at25℃)) である。
【0074】静止摩擦係数を所望の値にするためには、
ゴム材料(例えば、シリコンゴム)にあっては、架橋密
度、硬度、伸び(モジュラス)、フィラー量、フィラー
種、オイル親和性あるいは厚みを調整することにより可
能である。
【0075】なお、加熱ベルト30および加圧ローラ6
0の表面においては、離型性を必要とするので、機械的
に表面を粗すことは適当ではない。逆に、駆動ローラ4
0や加熱ローラ50では、その表面を所望形状に加工す
ることが可能であり、また、材料も離型性にとらわれる
ことなく幅広く選択することが可能である。《2本の内
方ローラ40、50の圧接圧力》次に、内方ローラであ
る駆動ローラ40および加熱ローラ50それぞれの圧接
圧力について説明する。
【0076】2本の内方ローラ40、50のそれぞれが
加圧ローラ60に対して圧接する圧接圧力において、ニ
ップ部35の下流側に位置するローラの側を、上流側に
位置するローラよりも大きくしてある。すなわち、実施
形態1にあっては、駆動ローラ40の圧接圧力を加熱ロ
ーラ50よりも大きくしてある。各ローラ40、50の
圧接圧力は総圧10〜40kgが好ましい範囲であり、
具体的には表1に示すように、ニップ部35への突入側
である加熱ローラ50の圧接圧力を10〜20kg(面
圧で1.5〜6.0kgf/cm2)とし、排紙側であ
る駆動ローラ40の圧接圧力は前記圧力よりも5〜20
kg程度高圧(面圧を1.2〜4.5kgf/cm2)
としてある。圧接圧力に対して加熱ローラ50の面圧が
高いのは、加圧ローラ60とのニップ幅が狭いためであ
る。なお、OHP透光性を十分に確保するためには、排
紙側の駆動ローラ40の圧接圧力として、20kg以上
を確保することが必要である。
【0077】総圧の下限値(10kg)は、摩擦係数の
高いフルカラー対応可能なシリコンゴム表層32を備え
る加熱ベルト30が蛇行したり、浮き上がったりする力
を制御できる下限値から定めている。また、総圧の上限
値(40kg)は、OHP透光性が確保でき、かつ、発
生する蛇行力が画像や紙に対して影響を与えない、また
は、制御できる上限値から定めている。
【0078】圧接圧力を上記のように設定した実施形態
にあっては、駆動ローラ40と加圧ローラ60との間に
形成されるニップにおいて圧接圧力を十分にかけている
ので、フルカラー画像での光沢性およびOHP透光性を
確保できる。
【0079】また、加熱ローラ50と加圧ローラ60と
の間に形成されるニップ側における圧接圧力を低めに抑
えているので、駆動ローラ40、加熱ローラ50および
加圧ローラ60のそれぞれが加熱ベルト30に対して負
荷をかけるのではなく、どちらかと言えば、加熱ローラ
50と加圧ローラ60とのニップは、加熱ベルト30に
均一なテンションが働くように設定されることになる。
これにより、加熱ベルト30の不均一な搬送などを原因
とするニップ部35における加熱ベルト30の浮きなど
が抑えられ、加熱ベルト30が加圧ローラ60および記
録材10に均一に接触して走行することになり、良好な
定着性と均質性とが確保される。
【0080】なお、本実施形態はフルカラーにおけるO
HP透光性を重視したフルカラー用定着装置であり、加
圧ローラ60および加熱ベルト30が有する耐熱弾性体
層62、32により記録材10へのストレスが緩和され
ることから、面圧が高くとも記録材10にしわが発生す
ることはない。 《内方ローラ40、50における耐熱弾性体層の引張り
応力》次に、内方ローラ40、50における各耐熱弾性
体層の引張り応力について説明する。
【0081】内方ローラ40、50それぞれの耐熱弾性
体層42、52は引張り応力が異なり、2本の内方ロー
ラ40、50のうち記録材10の搬送方向(矢印e)に
沿って上流側に配置される内方ローラ50の耐熱弾性体
層52は、前記搬送方向に沿って下流側に配置される内
方ローラ40の耐熱弾性体層42よりも引張り応力を低
く設定してある。すなわち、実施形態1にあっては、加
熱ローラ50における耐熱弾性体層52の引張り応力E
bを、駆動ローラ40における耐熱弾性体層42の引張
り応力Eaよりも低くしてある。具体的には、表1に示
したとおりである。
【0082】耐熱弾性体層42、52の引張り応力を異
ならせたのは以下の理由による。
【0083】駆動ローラ40および加熱ローラ50のそ
れぞれの表層に弾性体層42、52を有する場合、駆動
ローラ40は加熱ベルト30への駆動伝達という役割を
分担し、加熱ローラ50は加熱ベルト30への熱伝達と
いう役割を分担している。このため、駆動ローラ40
は、より駆動を伝達しやすくするために厚肉の弾性体層
を有することが望ましく、加熱ローラ30は、より熱の
伝達を早くするために薄肉の弾性体層を有することが望
ましい。
【0084】しかし、駆動ローラ40および加熱ローラ
50のそれぞれは、加熱ベルト30を加圧ローラ60に
圧接させ、幅の広いニップ部35を均一に形成する役割
を担っている。
【0085】駆動ローラ40および加熱ローラ50が同
一の引張り応力の弾性体層42、52を有する構成とし
た場合には、厚肉の弾性体層を有する駆動ローラ40の
表面硬度よりも、加熱ローラ50の表面硬度の方が高く
なる。このため、駆動ローラ40と加圧ローラ60との
ニップにおける加熱ベルト30の形状よりも、加熱ロー
ラ50と加圧ローラ60とのニップにおける加熱ベルト
30の形状の方がより凹状に形成されてしまう。この結
果、加熱ベルト30は加圧ローラ60との間で均一なニ
ップ部35を形成できなくなり、画像ノイズが発生して
しまう。
【0086】加熱ベルト30と加圧ローラ60との間で
良好な均一なニップ部35を形成し、かつ、駆動ローラ
40からの良好な駆動伝達と、加熱ローラ50からの良
好な熱伝達との全てを成立させるためには、耐熱弾性体
層42、52の引張り応力の大小関係を適切なものに設
定する必要がある。
【0087】本実施形態では、上述したように、引張り
応力比(Eb/Ea)を0.5としたので、加熱ベルト
30と加圧ローラ60との間で良好な均一なニップ部3
5を形成して画像ノイズの発生を防止でき、しかも、駆
動ローラ40からの良好な駆動伝達および加熱ローラ5
0からの良好な熱伝達の両者を達成できる。 《各ローラおよび加熱ベルト30における耐熱弾性体層
の表面硬度》次に、各ローラ40、50、60および加
熱ベルト30における耐熱弾性体層42、52、62の
表面硬度について説明する。
【0088】加圧ローラ60の耐熱弾性体層62の表面
における硬度は、内方ローラ40、50の耐熱弾性体層
42、52の表面における硬度よりも高く設定してあ
る。具体的には、表1に示したとおりである。なお、表
面硬度の測定は、JIS−K6301準拠のスプリング
式硬さ試験器(C型)による。
【0089】加圧ローラ60の耐熱弾性体層62の表面
硬度を高くしたのは以下の理由による。
【0090】駆動ローラ40および加熱ローラ50のそ
れぞれは、加熱ベルト30を加圧ローラ60に圧接さ
せ、幅の広いニップ部35を均一に形成する必要があ
る。ここで、駆動ローラ40および加熱ローラ50の表
面硬度が加圧ローラ60の表面硬度よりも高いと、駆動
ローラ40と加圧ローラ60との圧接部すなわちニップ
における加熱ベルト30の形状、および、加熱ローラ5
0と加圧ローラ60とのニップにおける加熱ベルト30
の形状は、ともに凹状に形成される。このため、駆動ロ
ーラ40および加熱ローラ50のニップの前後位置にお
いて加熱ベルト30が加圧ローラ60から持ち上げられ
るような状態になってしまう。この結果、加熱ベルト3
0は加圧ローラ60との間で均一なニップ部35を形成
できなくなり、画像ノイズが発生してしまう。
【0091】加熱ベルト30と加圧ローラ60との間で
良好な均一なニップ部35を形成し、記録材10を均一
に搬送するためには、各ローラ40、50、60におけ
る表面硬度の大小関係を適切なものに設定する必要があ
る。
【0092】本実施形態では、上述したように、加圧ロ
ーラ60、駆動ローラ40および加熱ローラ50におけ
る耐熱弾性体層62、42、52の表面硬度をそれぞれ
60〜90Hs(JIS C)、30〜50Hs(JI
S C)、40〜70Hs(JIS C)としたので、
加熱ベルト30と加圧ローラ60との間で良好な均一な
ニップ部35を形成して画像ノイズの発生を防止でき
る。
【0093】なお、加熱ローラ50からの良好な熱伝達
を図るべく、加熱ベルト30の耐熱弾性体層32の厚み
は可及的に薄くすることが必要である。このため、各ロ
ーラ40、50、60間と同様な表面硬度の比較を行う
ことは適切なものではなく、加熱ベルト表層32の表面
硬度に対する耐熱弾性体層62、42、52の表面硬度
の大小関係は特に規定する必要はない。
【0094】さらに、内方ローラ40、50それぞれの
加熱ベルト30上での表面における硬度と、前記加圧ロ
ーラ60の耐熱弾性体層62の表面における硬度とが略
一致するように設定してある。ここに、「加熱ベルト3
0上での表面における硬度」とは、駆動ローラ40およ
び加熱ローラ50のそれぞれのローラにおいて、加熱ベ
ルト30をローラ40、50の表面に重ねた状態での加
熱ベルト30の表面で測定される硬度を意味する。
【0095】硬度を略一致させたのは以下の理由によ
る。
【0096】加熱ベルト30の内周面34を形成するベ
ルト基材31に使用される材料が金属系の非常に硬質な
ものの場合には、駆動ローラ40の耐熱弾性体層42に
加熱ベルト30が重なった状態での加熱ベルト30表面
での硬度(「駆動ローラ40の加熱ベルト30上での表
面における硬度」と言う)と、駆動ローラ40の耐熱弾
性体層42の表面硬度とは大きく異なり、加熱ローラ5
0の耐熱弾性体層52に加熱ベルト30が重なった状態
での加熱ベルト30表面での硬度(「加熱ローラ50の
加熱ベルト30上での表面における硬度」と言う)と、
加熱ローラ50の耐熱弾性体層52の表面硬度とは大き
く異なることとなる。
【0097】駆動ローラ40および加熱ローラ50のそ
れぞれが加熱ベルト30を加圧ローラ60に圧接させて
幅の広いニップ部を均一に形成する場合において、駆動
ローラ40および加熱ローラ50の加熱ベルト30上で
の表面における硬度が加圧ローラ60の表面硬度よりも
高いと、駆動ローラ40と加圧ローラ60とのニップに
おける加熱ベルト30の形状、および、加熱ローラ50
と加圧ローラ60とのニップにおける加熱ベルト30の
形状は、ともに凹状に形成される。このため、駆動ロー
ラ40および加熱ローラ50のニップの前後位置におい
て加熱ベルト30が加圧ローラ60から持ち上げられる
ような状態になってしまう。この結果、加熱ベルト30
は加圧ローラ60との間で均一なニップ部35を形成で
きなくなり、画像ノイズが発生してしまう。
【0098】加熱ベルト30と加圧ローラ60との間で
良好な均一なニップ部35を形成し、記録材10を均一
に搬送するためには、駆動ローラ40および加熱ローラ
50の加熱ベルト30上での表面における硬度と、加圧
ローラ60の表面硬度との関係を適切なものに設定する
必要がある。
【0099】本実施形態では、上述したように、駆動ロ
ーラ40および加熱ローラ50の加熱ベルト30上での
表面における硬度と、加圧ローラ60の表面硬度とを略
一致させたので、加熱ベルト30と加圧ローラ60との
間で良好な均一なニップ部35を形成して画像ノイズの
発生を防止できる。
【0100】略一致する硬度は、40〜80Hs(JI
S C)、好ましくは、60〜80Hs(JIS C)
である。80Hs(JIS C)より大きい硬度で略一
致させた場合には、フルカラーで「光沢ぎらつき」がや
や発生し、画質がやや劣った。また、40Hs(JIS
C)より小さい硬度で略一致させた場合には、実用上
支障はないものの、軽微な画像ノイズの発生という若干
の不具合が見られた。つまり、40Hs(JIS C)
より小さい硬度で略一致させると、紙を搬送する際のゴ
ム変形量が大きく均一な搬送が困難になる(定着装置の
軸方向における用紙の各位置での搬送速度が異なる)た
め、軽微なノイズが発生する。この不具合は、前記略一
致する硬度を60Hs(JIS C)まで高めることに
より解消できた。 《各ローラ40、50、60および加熱ベルト30にお
ける耐熱弾性体層の熱伝導率》ニップ部35で加熱ベル
ト30を加圧ローラ60に対して安定的に圧接させるた
めにはローラ40、50、60や加熱ベルト30に耐熱
弾性体層42、52、62、32を設ける必要がある
が、その一方、耐熱弾性体層42、52、62、32を
設けることによって加熱ローラ50などの熱容量が大き
くなる結果、加熱ベルト30の走行開始時や連続通紙時
に、熱の供給が間に合わなくなるという問題が生じる。
【0101】そこで、本実施形態では上記欠点を解決す
べく、各ローラ40、50、60および加熱ベルト30
における耐熱弾性体層42、52、62、32の熱伝導
率の大小関係を以下のように規定し、熱供給を効率的に
行い得るようにしてある。
【0102】具体的には、加熱源55としてのハロゲン
ヒータランプ55が内部に配置されたローラである加熱
ローラ50における耐熱弾性体層52の熱伝導率κ1、
加熱ベルト30における耐熱弾性体層32の熱伝導率κ
2および加熱源55が内部に配置されていない駆動ロー
ラ40および加圧ローラ60における耐熱弾性体層4
2、62の熱伝導率κ3は、 κ1>κ2>κ3 なる条件を満たすように設定してある。
【0103】熱伝導率κ1〜κ3[cal/(cm・d
eg・sec)]の具体的数値の一例を挙げれば、 κ1=1.2×10-3 以上 κ2=0.6×10-3〜1.0×10-3 κ3=0.5×10-3 以下 である。
【0104】なお、シリコンゴムの熱伝導率は、ソリッ
ドゴムで最大0.3×10-3〜2.4×10-3 cal
/(cm・deg・sec)の範囲で調製可能であり、
発泡させればさらに低い熱伝導率を設定可能である。
【0105】加熱ベルト30の耐熱弾性体層32の熱伝
導率κ2に対して、加熱源55を有する加熱ローラ50
の耐熱弾性体層52の熱伝導率κ1を高くし、加熱源5
5を持たない駆動ローラ40および加圧ローラ60の耐
熱弾性体層42、62の熱伝導率κ3を低く設定した実
施形態にあっては、ハロゲンヒータランプ55からの輻
射熱は、熱伝導率κ1の高い加熱ローラ50の耐熱弾性
体層52を経て加熱ベルト30の耐熱弾性体層32まで
伝わり易い一方、当該耐熱弾性体層32まで伝わった熱
は、駆動ローラ40や加圧ローラ60の耐熱弾性体層4
2、62に奪われ難くなる。
【0106】このため、ニップ部35に熱源を持たない
定着装置24において、ハロゲンヒータランプ55から
供給されるエネルギ(熱)をニップ部35まで安定し
て、かつ、効率よく供給することができ、加熱ベルト3
0の走行開始時に加熱ベルト30の表面温度が急激に低
下したり、連続通紙時に熱の供給が間に合わなかったり
することがなくなる。回転開始時における加熱ベルト3
0の表面温度の低下が防止されると共に連続通紙時にお
ける熱追従性が向上する結果、画像光沢差が低減し、定
着不良の発生が防止される。 《定着装置24の動作》次に、定着装置24の動作を概
説する。
【0107】ベルト駆動機構65のモータ68を駆動す
ると、ベルト67および駆動プーリ66を介して駆動ロ
ーラ40に回転駆動力が伝達され、駆動ローラ40が矢
印a方向に回転し、加熱ベルト30が矢印b方向に走行
する。加熱ベルト30の走行に伴い、加熱ローラ50が
矢印d方向に従動回転すると共に、加圧ローラ60が矢
印c方向に従動回転する。走行する加熱ベルト30は、
オイル塗布ローラ81によりオイルが塗布されると共
に、加熱ローラ50との接触領域においてハロゲンヒー
タランプ55からの熱によって所定の温度に加熱され、
加圧ローラ60との間のニップ部35に進む。
【0108】一方、加熱ベルト30と接触する面側に未
定着トナー27を保持した記録材10は、矢印e方向に
沿って図示しないガイド板に案内されつつニップ部35
に向けて搬送される。
【0109】記録材10がさらに搬送されてニップ部3
5に突入すると、当該記録材10は、接触する加熱ベル
ト30の熱により十分に加熱され、さらに加圧ローラ6
0と内方ローラ40、50との間の圧接力が加えられな
がら、当該ニップ部35で挟持されつつ搬送される。こ
れにより、記録材10上の未定着トナー27は、十分に
加熱されて溶融し、さらに加圧されて記録材10に定着
される。加熱ベルト30へのトナーの移転すなわちオフ
セットは加熱ベルト表層32に塗布されたオイルにより
抑制される。
【0110】ニップ部35を通過した記録材10は、加
熱ベルト30から自然に分離し、排紙トレイ26(図1
参照)に向けて搬送される。また、記録材10との接触
により熱が奪われた加熱ベルト30には、所定の温度制
御の下、ハロゲンヒータランプ55から熱が補充され
る。
【0111】実施形態1の定着装置にあっては、2本の
内方ローラ40、50のうち記録材搬送方向(矢印e)
に沿って下流側に配置される側を駆動ローラ40として
あるので、加熱ベルト30はニップ部35において牽引
されるようにして走行することになる。このため、ニッ
プ部35に加熱ベルト30のたるみ、浮きが発生するこ
とがなく、加熱ベルト30と加圧ローラ60との相対的
な圧接を均一な状態に維持し得る。これにより、ニップ
部35における記録材10は、そのトナー保持面が加熱
ベルト30に均一に接触した状態で搬送され、画像のず
れや、にじみなどの画像ノイズの発生が防止される。
【0112】また、駆動ローラ40および加熱ローラ5
0を回転自在に位置固定し、当該位置固定された各ロー
ラ40、50に加圧ローラ60を回転自在に圧接させて
あるので、駆動ローラ40と加圧ローラ60との間の圧
接状態および加熱ローラ50と加圧ローラ60との間の
圧接状態が安定することから、記録材10を安定して搬
送することができ、画像ノイズの発生を防止できること
はもちろんのこと、ニップ部35におけるジャムの発生
も少なくなる。
【0113】また、加熱ベルト30の凸部33と加圧ロ
ーラ60の係合凹部64とから構成される蛇行防止手段
70を設けてあるので、加熱ベルト30の斜行ないし蛇
行が防止され、加熱ベルト30と加圧ローラ60との圧
接状態がさらに均一なものとなり、画像ノイズの発生が
より一層防止されると共にニップ部35におけるジャム
の発生も少なくなる。ここで蛇行防止手段70の凸部3
3は加熱ベルト30の外周面に形成するものであるた
め、凸部33を含む加熱ベルト30全体の製造が容易で
あり、しかも、ベルト基材31の強度が比較的小さい場
合でも、蛇行防止機能を十分に発揮する。また、非通紙
部に蛇行防止手段70を設けてあるので、画像欠損など
が発生することがない。
【0114】また、静止摩擦係数μ1〜μ4が前述した
条件式(1)(2)を満たすようにしてあるので、加熱
ベルト30が駆動ローラ40に対して滑ることなく走行
するのに伴い、加圧ローラ60が加熱ベルト30に対し
て滑ることなく従動回転し、また、記録材10がニップ
部35に突入しても、加圧ローラ60の前記滑りのない
従動回転は支障なく維持される。これにより、加熱ベル
ト30と加圧ローラ60との均一な圧接状態が維持され
ることとなり、画像ノイズの発生がより一層防止され
る。
【0115】また、2本の内方ローラ40、50のそれ
ぞれが加圧ローラ60に対して圧接する圧接圧力におい
て、ニップ部35の下流側に位置する駆動ローラ40の
側を上流側に位置する加熱ローラ50よりも大きくして
あるので、フルカラー画像での光沢性およびOHP透光
性を確保でき、しかも、加熱ベルト30が加圧ローラ6
0および記録材10に均一に接触して良好な定着性と均
質性とを確保できる。
【0116】また、加熱ローラ50における耐熱弾性体
層52の引張り応力Ebを、駆動ローラ40における耐
熱弾性体層42の引張り応力Eaよりも低くしたので、
加熱ベルト30と加圧ローラ60との間で良好な均一な
ニップ部35を形成して画像ノイズの発生を防止でき、
しかも、駆動ローラ40からの良好な駆動伝達および加
熱ローラ50からの良好な熱伝達の両者を達成できる。
【0117】また、加圧ローラ60の耐熱弾性体層62
の表面における硬度を、内方ローラ40、50の耐熱弾
性体層42、52の表面における硬度よりも高く設定し
たので、加熱ベルト30と加圧ローラ60との間で良好
な均一なニップ部35を形成して画像ノイズの発生を防
止できる。
【0118】また、内方ローラ40、50それぞれの加
熱ベルト30上での表面における硬度と、加圧ローラ6
0の耐熱弾性体層62の表面における硬度とが略一致す
るように設定したので、この点からも、加熱ベルト30
と加圧ローラ60との間で良好な均一なニップ部35が
形成され、画像ノイズの発生をより一層防止できる。
【0119】また、熱伝導率κ1〜κ3がκ1>κ2>
κ3を満たすようにしてあるので、回転開始時における
加熱ベルト30の表面温度の低下が防止されると共に連
続通紙時における熱追従性が向上し、画像光沢差を低減
し、定着不良の発生を防止することができる。
【0120】以上の点より、本実施形態1の定着装置2
4は、フルカラー用の定着装置に用いて好適なものとな
る。
【0121】なお、加熱源はハロゲンヒータランプ55
に限定されるものではなく、抵抗発熱体や電磁誘導加熱
装置などを使用してもよい。また、加熱ベルト30の表
面側から当該加熱ベルト30を加熱する形態や、内蔵し
たハロゲンヒータランプ55の他に加熱ベルト30の表
面側から当該加熱ベルト30を補助的に加熱する補助加
熱ローラを追加する形態としてもよい。さらにまた、加
圧ローラ60の中心軸上にも、ハロゲンヒータランプ5
5を配置する構成としてもよい。 《実施の形態2》図6は、実施の形態2に係る熱ベルト
方式の定着装置を示す断面図である。なお、以下の図6
〜図9では、オイル塗布ユニット36およびベルト駆動
機構65は図示省略してある。
【0122】実施形態1の定着装置24では、2本の内
方ローラ (駆動ローラ40および加熱ローラ50)の両
者を回転自在に位置固定した定着装置を示したが、実施
形態2の定着装置124では、2本の内方ローラ40、
50のうち駆動ローラ40を回転自在に位置固定し、当
該位置固定された駆動ローラ40に対して加圧ローラ6
0が回転自在に圧接するように構成してあり、この点で
実施形態1と相違する。
【0123】詳述すると、駆動ローラ40の支軸43
は、実施形態1と同様に、「遊び」を可及的に小さく設
定し位置が固定された状態で、軸受などを介してフレー
ムに回転自在に保持されている。また、加圧ローラ60
の支軸63は、フレームに形成した長孔に摺動自在に取
り付けられるなどして、駆動ローラ40の支軸43に向
けて若干寸法移動自在に設けられている。実施形態2で
は、加熱ローラ50の支軸53は、加圧ローラ60の支
軸63に向けて若干寸法移動自在に設けられている。
【0124】加圧ローラ60の支軸63には、当該加圧
ローラ60を駆動ローラ40の支軸43に向けて移動さ
せる方向(図中矢印g)のばね力F2aを付勢する圧縮ス
プリング76aが取り付けられている。また、加熱ロー
ラ50の支軸53には、当該加熱ローラ50を加圧ロー
ラ60の支軸63に向けて移動させる方向(図中矢印h)
のばね力F2bを付勢する圧縮スプリング76bが取り
付けられている。この構成では、一方の圧縮スプリング
76aのばね力F2aによって、加圧ローラ60が駆動
ローラ40に対して圧接する圧接圧力が定まり、他方の
圧縮スプリング76bのばね力F2bによって、加熱ロ
ーラ50が加圧ローラ60に対して圧接する圧接圧力が
定まる。ここで、駆動ローラ40の圧接圧力が加熱ロー
ラ50の圧接圧力よりも大きくなるように、各圧縮スプ
リング76a、76bのばね力F2a、F2bが設定さ
れている。
【0125】かかる構成の実施形態2の定着装置124
にあっても、実施形態1と同様に、駆動ローラ40と加
圧ローラ60との間の圧接状態および加熱ローラ50と
加圧ローラ60との間の圧接状態が安定することから、
記録材10を安定して搬送することができ、画像ノイズ
の発生を防止でき、ニップ部35におけるジャムの発生
も少なくなる。 《実施の形態3》図7は、実施の形態3に係る熱ベルト
方式の定着装置を示す断面図である。
【0126】実施形態3の定着装置224では、加圧ロ
ーラ60をも回転自在に位置固定し、当該位置固定され
た加圧ローラ60に対して加熱ローラ50が回転自在に
圧接するように構成した点で実施形態2と相違する。
【0127】詳述すると、駆動ローラ40の支軸43お
よび加圧ローラ60の支軸63は、位置が固定された状
態で回転自在に保持されている。加熱ローラ50の支軸
53は、加圧ローラ60の支軸63に向けて若干寸法移
動自在に設けられている。
【0128】加熱ローラ50の支軸53には、当該加熱
ローラ50を加圧ローラ60の支軸に向けて移動させる
方向(図中矢印i)のばね力F3を付勢する圧縮スプリン
グ77が取り付けられている。この構成では、駆動ロー
ラ40および加圧ローラ60の支軸相互間の寸法によっ
て、加圧ローラ60が駆動ローラ40に対して圧接する
圧接圧力が定まり、圧縮スプリング77のばね力F3に
よって、加熱ローラ50が加圧ローラ60に対して圧接
する圧接圧力が定まる。ここで、駆動ローラ40の圧接
圧力が加熱ローラ50の圧接圧力よりも大きくなるよう
に、圧縮スプリング77のばね力F3が設定されてい
る。
【0129】かかる構成の実施形態3の定着装置224
にあっても、実施形態1、2と同様に、駆動ローラ40
と加圧ローラ60との間の圧接状態および加熱ローラ5
0と加圧ローラ60との間の圧接状態が安定することか
ら、記録材10を安定して搬送することができ、画像ノ
イズの発生を防止でき、ニップ部35におけるジャムの
発生も少なくなる。特に、駆動ローラ40と加圧ローラ
60との間の圧接圧力は、両支軸間の寸法を規制するだ
けで定まるため、スプリングのような経年変化が少な
く、実施形態1および2に比べて、加圧ローラ60の圧
接がより一層安定する。また、ニップ部35の排紙側の
圧接圧力を高圧に設定し易い構成でもあり、OHP透光
性も良好になる。
【0130】なお、駆動ローラ40のみならず加熱ロー
ラ50をも回転自在に位置固定とし、位置固定された加
圧ローラ60に対して加熱ローラ50を回転自在に圧接
させる構成としてもよい。この構成では、加熱ローラ5
0および加圧ローラ60の支軸相互間の寸法によって、
加圧ローラ60が加熱ローラ50に対して圧接する圧接
圧力が定められる。 《実施の形態4》図8は、実施の形態4に係る熱ベルト
方式の定着装置を示す断面図である。
【0131】実施形態4の定着装置324は、駆動ロー
ラ40および加熱ローラ50の間に掛け渡される加熱ベ
ルト30にテンション(張力)を付与した構成を有して
いる。
【0132】詳述すると、実施形態3と異なり、圧縮ス
プリング78は、そのばね力F4が加熱ローラ50の軸
中心と加圧ローラ60の軸中心とを結ぶ線よりも記録材
10搬送経路の上流側に若干偏位した方向に作用するよ
うに傾斜して配置されている。圧縮スプリング78をこ
の状態で配置すると、ばね力F4の矢印j方向に沿う分
力f4aが加熱ローラ50の圧接圧力として作用し、ば
ね力F4の矢印k方向に沿う分力f4bが加熱ベルト3
0のテンションとして作用する。
【0133】特にこのとき、駆動ローラ40および加熱
ローラ50相互間のテンションが、それぞれのローラ4
0、50が加圧ローラ60に対して圧接するそれぞれの
圧接圧力よりも大きくなるように、圧縮スプリング78
のばね力F4および傾斜角度θを設定してある。付与す
るテンションは、より強く圧接している駆動ローラ40
の圧接圧力よりも15%程度高めの値に設定するのがよ
い。
【0134】このように加熱ベルト30に作用するテン
ションを各ローラ40、50の圧接力よりも大きくする
ことにより、ニップ部35での加熱ベルト30のたる
み、浮きが発生することがなく、記録材10が加熱ベル
ト30により均一に接触した状態で搬送されることにな
り、画像ノイズの発生がより一層防止される。 《実施の形態5》図9は、実施の形態5に係る熱ベルト
方式の定着装置を示す断面図である。
【0135】実施形態5の定着装置424は、実施形態
4と同様に、加熱ベルト30にテンションを付与した構
成を有している。
【0136】詳述すると、実施形態3に示した定着装置
224にさらに、加熱ベルト30が駆動ローラ40から
加熱ローラ50に向かって移動する領域の途中に、テン
ションローラ79を矢印m方向に圧接させてある。この
ときにも、加熱ベルト30のテンションが、ローラ4
0、50が加圧ローラ60に対して圧接するそれぞれの
圧接圧力よりも大きくなるように、テンションローラ7
9の圧接圧力などを所定の値に設定してある。
【0137】かかる構成によっても、実施形態4と同様
に、ニップ部35での加熱ベルト30のたるみなどが発
生することがなく、画像ノイズの発生がより一層防止さ
れる。
【0138】なお、専用のテンションローラ79を付加
するのに代えて、オイル塗布ローラ81を加熱ベルト3
0に圧接させ、加熱ベルト30にテンションを加えるよ
うにしてもよい。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、少なくとも2本の内方ローラのうち記録材
搬送方向に沿って下流側に配置される側を駆動側のロー
ラとしたことから、ニップ部に加熱ベルトのたるみや浮
きが発生することがなく、加熱ベルトと加圧ローラとの
相対的な圧接を均一な状態に維持し、ニップ部における
記録材をそのトナー保持面が加熱ベルトに均一に接触し
た状態で搬送でき、画像のずれや、にじみなどの画像ノ
イズの発生を防止できる。
【0140】また、請求項2および請求項3に記載の発
明によれば、内方ローラと加圧ローラとの間の圧接状態
が安定することから、記録材を安定して搬送することが
でき、画像ノイズの発生を防止できることはもちろんの
こと、ニップ部におけるジャムの発生も少なくなる。
【0141】また、請求項4および請求項5に記載の発
明によれば、蛇行防止手段により加熱ベルトの斜行ない
し蛇行が防止され、加熱ベルトと加圧ローラとの圧接状
態がさらに均一なものとなり、画像ノイズの発生をより
一層防止できると共にニップ部におけるジャムの発生も
少なくなる。また、蛇行防止手段の凸部は加熱ベルトの
外周面に形成するものであるため、凸部を含む加熱ベル
トの製造が容易であり、しかも、ベルト基材の強度が比
較的小さい場合でも、蛇行防止機能を十分に発揮する。
さらに、非通紙部に蛇行防止手段を設けてあるので、画
像欠損などの損失が発生することがない。
【0142】また、請求項6および請求項7に記載の発
明によれば、静止摩擦係数μ1〜μ4が条件式(1)
(2)を満たすように設定したので、加熱ベルトが駆動
ローラに対して滑ることなく走行するのに伴い、加圧ロ
ーラが加熱ベルトに対して滑ることなく従動回転し、ま
た、記録材がニップ部に突入しても、加圧ローラの前記
滑りのない従動回転は支障なく維持されて、画像ノイズ
の発生をより一層防止できる。
【0143】また、請求項8に記載の発明によれば、少
なくとも2本の内方ローラ、のそれぞれが加圧ローラに
対して圧接する圧接圧力において、ニップ部の下流側に
位置するローラの側を上流側に位置するローラよりも大
きくしてあるので、記録材はそのトナー保持面が加熱ベ
ルトにより均一に接触した状態で搬送され、画像ノイズ
の発生をより一層防止できる。
【0144】また、請求項9および請求項10に記載の
発明によれば、加熱ベルトに作用する張力を内方ローラ
の圧接力よりも大きくすることにより、ニップ部での加
熱ベルトのたるみ、浮きが発生することがなく、画像ノ
イズの発生をより一層防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る定着装置を組み込んだ電子写真
式のフルカラープリンタを示す概略構成図である。
【図2】 実施の形態1に係る定着装置を示す断面図で
ある。
【図3】 図3(A)〜(C)は、フルカラー用の定着
装置に用いるローラを示す断面図である。
【図4】 蛇行防止手段を示す構成図である。
【図5】 加熱ベルト表層と加圧ローラ表層との間など
の静止摩擦係数の説明に供する概念図である。
【図6】 実施の形態2に係る定着装置を示す断面図で
ある。
【図7】 実施の形態3に係る定着装置を示す断面図で
ある。
【図8】 実施の形態4に係る定着装置を示す断面図で
ある。
【図9】 実施の形態5に係る定着装置を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10…記録材 24、124、224、324、424…定着装置 27…未定着トナー像 30…加熱ベルト 32…加熱ベルト表層(耐熱弾性体層) 33…凸部(蛇行防止手段) 35…ニップ部 40…駆動ローラ(内方ローラ) 50…加熱ローラ(内方ローラ) 55…ハロゲンヒータランプ(加熱源) 60…加圧ローラ 62…加圧ローラ表層(耐熱弾性体層) 64…係合凹部(蛇行防止手段) 65…ベルト駆動機構 70…蛇行防止手段 e…記録材の搬送方向
フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 BA11 BA57 BB01 3F049 BA14 BA15 BB11 DA03 EA02 LA04 LA07 LB03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材上に保持された未定着トナー像を
    当該記録材上に熱圧力定着させる定着装置において、 無端状の加熱ベルトと、 前記記録材の搬送方向に沿って前記加熱ベルト内に配置
    されて前記加熱ベルトを支持する少なくとも2本の内方
    ローラと、 前記加熱ベルトに相対的に圧接してニップ部を形成する
    加圧ローラと、 前記加熱ベルトおよび前記加圧ローラのうち少なくとも
    一方の表層に設けられた耐熱弾性体層と、 前記加熱ベルトを加熱する加熱源と、 前記2本の内方ローラのうち前記記録材の搬送方向に沿
    って下流側に配置される内方ローラに回転駆動力を伝達
    して前記加熱ベルトを走行させるベルト駆動機構と、を
    有することを特徴とする熱ベルト方式の定着装置。
  2. 【請求項2】 記録材上に保持された未定着トナー像を
    当該記録材上に熱圧力定着させる定着装置において、 表層に耐熱弾性体層が設けられた無端状の加熱ベルト
    と、 前記記録材の搬送方向に沿って前記加熱ベルト内に配置
    されて前記加熱ベルトを支持する少なくとも2本の内方
    ローラと、 表層に耐熱弾性体層が設けられ前記加熱ベルトに相対的
    に圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、 前記加熱ベルトを加熱する加熱源と、を有し、 前記2本の内方ローラのうち少なくとも一方の内方ロー
    ラは回転自在に位置が固定され、当該位置固定された内
    方ローラに対して前記加圧ローラが回転自在に圧接して
    いることを特徴とする熱ベルト方式の定着装置。
  3. 【請求項3】 記録材上に保持された未定着トナー像を
    当該記録材上に熱圧力定着させる定着装置において、 表層に耐熱弾性体層が設けられた無端状の加熱ベルト
    と、 前記記録材の搬送方向に沿って前記加熱ベルト内に配置
    されて前記加熱ベルトを支持する少なくとも2本の内方
    ローラと、 表層に耐熱弾性体層が設けられ前記加熱ベルトに相対的
    に圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、 前記加熱ベルトを加熱する加熱源と、を有し、 前記2本の内方ローラのうち少なくとも一方の内方ロー
    ラと前記加圧ローラとは回転自在に位置が固定され、当
    該位置固定された加圧ローラに対して他方の内方ローラ
    が回転自在に圧接していることを特徴とする熱ベルト方
    式の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱ベルト表面における非通紙領域
    にほぼ連続的に外方に突出して形成された少なくとも一
    つの凸部と、前記加圧ローラに形成され前記加熱ベルト
    の前記凸部に係合する係合凹部とにより、前記加熱ベル
    トが前記内方ローラの軸方向へ進行することを防止する
    蛇行防止手段を構成したことを特徴とする請求項1〜請
    求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記蛇行防止手段は、前記加熱ベルト表
    面における非通紙領域の前記内方ローラの軸方向に沿っ
    て両側に設けられていることを特徴とする請求項4に記
    載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱ベルト表層と前記加圧ローラ表
    層との間の静止摩擦係数μ1、前記加熱ベルト表層と前
    記記録材との間の静止摩擦係数μ2、前記加熱ベルト内
    表面と前記内方ローラ表面との間の静止摩擦係数μ3
    は、 μ1>μ2>μ3 なる条件を満たすように設定されていることを特徴とす
    る請求項2または請求項3に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱ベルト表層と前記記録材との間
    の静止摩擦係数μ2、前記加圧ローラ表層と前記記録材
    との間の静止摩擦係数μ4は、 μ2>μ4 なる条件を満たすように設定されていることを特徴とす
    る請求項2または請求項3に記載の定着装置。
  8. 【請求項8】 前記2本の内方ローラのそれぞれが前記
    加圧ローラに対して相対的に圧接する圧接圧力におい
    て、前記記録材が前記ニップ部から排出される側に配置
    される内方ローラの圧接圧力は、前記ニップ部に突入す
    る側に配置される内方ローラの圧接圧力よりも大きく設
    定されてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のい
    ずれかに記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 前記内方ローラ相互間の張力は、前記2
    本の内方ローラのそれぞれが前記加圧ローラに対して相
    対的に圧接するそれぞれの圧接圧力よりも大きいことを
    特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着
    装置。
  10. 【請求項10】 前記2本の内方ローラのそれぞれが前
    記加圧ローラに対して相対的に圧接する圧接圧力におい
    て、前記記録材が前記ニップ部から排出される側に配置
    される内方ローラの圧接圧力は、前記ニップ部に突入す
    る側に配置される内方ローラの圧接圧力よりも大きく設
    定され、かつ、前記内方ローラ相互間の張力は、前記2
    本の内方ローラのそれぞれが前記加圧ローラに対して相
    対的に圧接するそれぞれの圧接圧力よりも大きいことを
    特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着
    装置。
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