JPH09197853A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH09197853A
JPH09197853A JP8004633A JP463396A JPH09197853A JP H09197853 A JPH09197853 A JP H09197853A JP 8004633 A JP8004633 A JP 8004633A JP 463396 A JP463396 A JP 463396A JP H09197853 A JPH09197853 A JP H09197853A
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JP
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heating
fixing device
roller
endless belt
heat
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JP8004633A
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English (en)
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Eiji Okabayashi
英二 岡林
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未定着画像を保持した記録材に該画像を加熱
定着させる定着装置であって、ウォーミングアップ時間
を短くでき、しかも記録材の搬送性が良好でそれだけ良
好な画質を達成できる定着装置を提供する。 【解決手段】 未定着画像定着温度に加熱される加熱ロ
ーラ11と、該加熱ローラ11との間に記録紙を挟着し
つつ通過させるための耐熱性フィルムからなる無端ベル
ト2とを備えており、無端ベルト2はバネ32にて押さ
れた押圧部材31によりベルト2の内側から加熱ローラ
11に向けて該加熱ローラの回転に従動回転できるよう
に押しつけられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式の複写
機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置におい
てトナー像等の未定着画像を保持した記録材に該画像を
加熱して定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式でプリント画像を形成する
複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置に
おける定着装置は、通常、未定着画像を記録材に加熱し
て定着させるための加熱ローラのような表面が記録材を
搬送できるように移動する加熱部材を備えており、トナ
ー像等の未定着画像を保持した記録材は、この加熱部材
とこれに対向配置されたバックアップ手段との間に通さ
れ、加圧下に加熱定着される。該バックアップ手段とし
ては加熱部材に向け押圧される加圧ローラが従来多用さ
れてきた。
【0003】かかる定着装置は、これに通電して加熱部
材の表面温度を記録材上の未定着画像の定着温度まで昇
温させるのであるが、通電開始から所定定着温度に達す
るまでの昇温に要する予熱時間(いわゆるウォーミング
アップ時間)はできるだけ短い方が使用者にとって使い
易い。そのため、この予熱時間をできるだけ短縮するた
めの様々の提案がなされており、例えば、特公平4−8
1791号公報は、前記加圧ローラに代えて、二本のロ
ーラに巻き掛けられて加熱ローラに圧接される無端ベル
トを採用することを教えている。これは、かかる無端ベ
ルトの採用により、加熱ローラを小型化してもなお定着
を保証する適切な無端ベルト・加熱ローラ間のニップ幅
及び適切な定着圧力を設定できるようにし、かくして可
能となった加熱ローラの小型化によりその熱容量を小さ
くしてそれだけウォーミングアップ時間を短縮しようと
するものである。
【0004】また、実公平4−52770号公報は、前
記加圧ローラの代わりに、加熱ローラ側へ押圧される圧
接シートを採用することを教えており、この圧接シート
を採用すると、その熱容量は加圧ローラより小さくで
き、従ってそれだけウォーミングアップ時間を短縮でき
ると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
4−81791号公報が教える加熱ローラに圧接される
無端ベルトは、二本のローラに巻き掛けられているた
め、加熱ローラからの熱がこのローラにも奪われること
になり、それだけウォーミングアップ時間が長くなって
しまう。
【0006】また、実公平4−52770号公報が教え
る圧接シートは、その表面が記録材とともに移動するも
のではなく定位置に置かれるため、また、圧接シートの
左右の加圧バランスをとり難いため、記録材の搬送性の
点で難点があり、記録材のスリップ、左右の加圧アンバ
ランスによるスキュー(斜行)、画像流れ等が発生する
等、記録材の搬送性、得られる画像の質の点で問題が発
生し易い。
【0007】そこで本発明は、未定着画像を保持した記
録材に該画像を加熱定着させる定着装置であって、ウォ
ーミングアップ時間を短くでき、しかも記録材の搬送性
が良好でそれだけ良好な画質を達成できる定着装置を提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、未定着画像を保持した記録材に該画像を加熱
定着させる定着装置であって、未定着画像定着温度に加
熱され、表面が前記記録材を搬送できるように移動でき
る加熱部材と、前記加熱部材との間に前記記録材を挟着
しつつ通過させるための耐熱性フィルムからなる無端ベ
ルトとを備えており、前記無端ベルトは押圧手段により
該ベルトの内側から前記加熱部材に向けて該加熱部材の
表面の移動に従動して回転できるように押しつけられて
いることを特徴とする定着装置を提供する。
【0009】前記加熱部材としては次のものを例示でき
る。 芯ローラと、該芯ローラの外周面又は内周面に沿っ
て形成されて該芯ローラとともに回転可能の通電により
発熱する抵抗発熱体とを含んでいる加熱ローラ。この加
熱ローラは、例えば特開昭59−189381号公報に
開示されているもので、芯ローラは代表的にはアルミニ
ゥム系合金、鉄系合金から作られる。抵抗発熱体は、通
電により自身がジュール発熱するもので、チタン酸バリ
ゥム系セラミックからなるものを例示できる。このタイ
プの加熱ローラは電気・熱変換効率が良く、該抵抗発熱
体への通電開始後速やかに加熱ローラ表面温度を所定温
度まで上昇させることができ、これにより定着装置の予
熱時間をそれだけ短縮することができる。 ハロゲンランプヒータ等の発熱ヒータにより輻射加
熱される加熱ローラ。
【0010】発熱ヒータは加熱ローラに内蔵されても、
加熱ローラの外側で加熱ローラ近傍に配置されてもよ
い。 電磁誘導加熱手段により加熱される加熱ローラ。電
磁誘導加熱手段中の誘導コイルは加熱ローラに内蔵され
ても、加熱ローラの外側で加熱ローラ近傍に配置されて
もよい。
【0011】この加熱ローラは鉄、ニッケル、ステンレ
ス鋼の如き導電性材料により形成されており、加熱ロー
ラに内蔵又は近傍に配置される誘導コイルに高周波電流
を流して、これによって生じた磁界により加熱ローラに
誘導渦電流を発生させ、加熱ローラの表皮抵抗により加
熱ローラ自身がジュール発熱するものである。誘導コイ
ルは、複数のコイルの並列接続と直列接続の組み合わせ
により構成してもよく、この場合は、並列接続された部
分のコイルと直列接続された部分のコイルとでは、各コ
イルに流れる電流が異なるため、このような各コイルに
より誘導加熱される加熱ローラの中心線方向に沿う位置
によって発熱量を異ならせることができる。例えば、放
熱量の多い加熱ローラの両端部分の発熱量を加熱ローラ
中央部の発熱量よりも大きくすると、加熱ローラの回転
中心線方向に沿う温度分布を略均一にすることができ
る。 通電により発熱する発熱体を含む加熱体により加熱
される耐熱性フィルムからなるベルトであって、該加熱
体が前記押圧手段に対向するように該ベルト裏面に接触
せしめられているベルト。
【0012】この場合、加熱部材としての、加熱体によ
り加熱される耐熱性フィルムからなるベルトは、駆動回
転される無端のベルトであっても、一方のリールから繰
り出され、他方のリールへ巻き取られる有端ベルトであ
ってもよい。この耐熱性フィルムからなるベルト及びこ
れを加熱する加熱体の代表例として、特開平1−279
276号公報に開示されているものを挙げることができ
る。すなわち、前記加熱体が、パルス状に通電して発熱
させることができる発熱体であって前記パルス通電のパ
ルス幅を制御することで加熱体のピーク温度を所定の温
度範囲に入るように制御できる発熱体を含んでいる加熱
体である。
【0013】かかる発熱体は例えばTa2 N等からなる
線状又は帯状の小熱容量の発熱ラインからなるものでよ
く、例えばこの発熱体をアルミナ等の耐熱性且つ電気絶
縁性のある加熱体本体に組み込み、該本体から露出する
面をTa2 5 等からなる摺動性のある保護層で被覆
し、その保護層の部分又はそれを含む加熱体面を前記の
耐熱性フィルムからなるベルトの裏面に接触することが
できる。この耐熱性フィルムは例えば耐熱処理を施した
ポリエチレンテレフタレート(PET)、PFA樹脂等
で形成できる。
【0014】本発明に係る定着装置において前記加熱部
材の動作に従動して回転する前記無端ベルトを構成する
耐熱性フィルムの材質としては、ポリイミド等の耐熱性
合成樹脂や、ニッケル等の金属を例示できる。前記従動
回転する無端ベルトは、その材質がいずれであれ、その
熱容量を小さくして定着装置のウォーミングアップ時間
を短縮させるために厚みは100〔μm〕以下であるこ
とが望ましい。また、無端ベルトの内面には、前記の無
端ベルト押圧手段との摩擦抵抗を少なくするためにグリ
ス等の潤滑剤を塗布してもよい。
【0015】また、前記加熱部材はその外表面にシリコ
ンゴム薄層を形成することができる。前記無端ベルトの
外表面にもシリコンゴム薄層を形成することができる。
これは記録材の加熱部材や無端ベルトに対するスリップ
を防止し、記録材の搬送性を向上させるためである。な
お、シリコンゴム薄層を形成するのは、加熱部材の外表
面又は無端ベルトの外表面のいずれか一方でよい。
【0016】前記押圧手段は、加熱部材と無端ベルトと
の間に記録材を挟んだ状態で、加熱部材表面の記録材搬
送方向への移動により該記録材を介して無端ベルトが従
動回転するとともに記録材が円滑に搬送され、且つ、未
定着画像が適切な圧力下に該記録材上に加熱定着される
ように無端ベルトを加熱部材の方へ押圧できるものであ
ればよいが、例えば、シリコンゴム、発泡シリコンゴム
等からなり、無端ベルト内側において加熱部材に対向配
置され、バネ手段により該無端ベルトに圧接される押圧
部材を含むものを例示できる。
【0017】加熱部材側から加えられる熱及び定着圧力
により記録材がカールすることを防止又は抑制するため
に、前記押圧手段には記録材のカール防止用加熱手段を
設けることができる。かかる加熱手段として、前記押圧
部材に設けた(付設又は内蔵した)ヒータを例示でき
る。本発明の定着装置によると、使用開始前には無端ベ
ルトが押圧手段により加熱部材に圧接された状態にあ
り、使用にあたってはこの状態で通電開始され、加熱部
材表面が前記の抵抗発熱体、発熱ヒータ等により所定の
定着温度まで加熱される。このとき、加熱部材の熱は、
これに圧接されている無端ベルトや押圧手段にも伝達さ
れるが、耐熱性フィルムからなる該無端ベルトは、それ
自体熱容量が小さく、また、熱容量の大きい駆動プー
リ、従動プーリ等に巻き掛けられているわけではなく、
単に押圧手段により加熱部材に圧接されているだけであ
るから、加熱部材から無端ベルト等への熱移動量は少な
く、従ってそれだけ定着装置のウォーミングアップ時間
を短くできる。
【0018】加熱部材表面温度が所定の定着温度に達す
ると、その後又はその前から加熱部材を記録材の搬送方
向に駆動し、この加熱部材の駆動に無端ベルトを従動回
転させた状態で、該加熱部材と無端ベルトとの間に未定
着画像を保持した記録材を通せば、該未定着画像は加熱
部材により加熱され、加熱部材と無端ベルトによる挟着
圧力下に記録材に定着されつつ搬送される。このとき、
無端ベルトは記録材に圧接され、且つ、記録材とともに
表面が移動するから、記録材の搬送は良好になされる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1に示す装置は、未定着画像で
あるトナー像を保持する記録材である記録紙上に、該ト
ナー像を加熱定着するものである。この定着装置の加熱
部材は加熱ローラであり、この加熱ローラは内蔵された
ハロゲンランプヒータにより加熱される。図1(A)は
該装置の概略断面図、図1(B)は該装置の図1(A)
に示すX−X線に沿う概略断面図である。
【0020】図1に示す定着装置は、加熱ローラ11
と、加熱ローラ11に内蔵されているハロゲンランプヒ
ータ6と、加熱ローラ11に押しつけられている無端ベ
ルト2とを備える。加熱ローラ11は、空芯円筒状にア
ルミニウムを主材に形成されており、その両端部分を軸
受け5、5により定着装置のハウジング4に回転可能に
支持されている。加熱ローラ11は、図示しない駆動手
段により図1(B)の矢印方向に回転でき、この回転に
より記録紙をその搬送方向に搬送することができる。
【0021】加熱ローラ11の空芯部分には、ハロゲン
ランプヒータ6が設置され、図示しない支持手段により
支持されている。該ヒータ6は図示しない電源に接続さ
れており、該電源による電圧印加により加熱ローラ11
をその内周面から輻射加熱することができる。加熱ロー
ラ11の外表面には、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)又はポリフェニレンアルコキシエーテル(PF
A)からなる離型層111が形成されており、記録紙が
加熱ローラ11と加熱ローラ11に押しつけられている
後述する無端ベルト2との間に挟持されつつ通過すると
きに、加熱されるトナー像が加熱ローラ11から剥がれ
やすくしている。
【0022】無端ベルト2は、耐熱性のポリイミドフィ
ルムからなり、その厚みが40〜50〔μm〕に形成さ
れており、その外表面にはシリコンゴムからなるシリコ
ンゴム薄層21が形成されている。また、その内表面に
は潤滑剤としてグリスが塗布されている。シリコンゴム
薄層21は記録紙のスリップ等を防止又は十分抑制して
記録紙の搬送性を向上させている。
【0023】無端ベルト2は、定着装置のハウジング4
に固設され、ベルト2を貫通している支持部材33に設
けられた複数のバネ32(本例では、6個のバネ)によ
って加熱ローラ11に向けて押圧される押圧部材31に
より、ベルト内面から加熱ローラ11に向けて押圧され
ている。押圧部材31は、それには限定されないがここ
では弾力性のあるシリコンゴムからなり、加熱ローラ1
1とのニップ部分が加熱ローラ11に沿うようなやや凹
面状に形成されている。また、その内部には記録紙のカ
ール防止用ヒータ34、34を内蔵している。各ヒータ
34は、図示しない電源に接続されており、該電源によ
る電圧印加により発熱して、無端ベルト2を介して記録
紙を加熱できる。
【0024】図1に示す定着装置によると、使用開始前
には無端ベルト2は押圧部材31により加熱ローラ11
に圧接された状態にあり、使用にあたってはこの状態で
図示しない電源からハロゲンランプヒータ6に電圧が印
加され、ヒータ6の発熱により加熱ローラ11はその内
周面から所定の定着温度まで加熱される。このとき、加
熱ローラ11の熱は、これに圧接されている無端ベルト
2や押圧部材31にも伝達されるが、耐熱性フィルムか
らなる無端ベルト2は、厚みが40〜50〔μm〕に形
成されており、それ自体熱容量が小さく、また、熱容量
の大きい駆動プーリ、従動プーリ等に巻き掛けられてい
るわけではなく、単に押圧部材31により加熱ローラ1
1に圧接されているだけであるから、加熱ローラ11か
ら無端ベルト2や押圧部材31等への熱移動量は少な
く、従ってそれだけ定着装置のウォーミングアップ時間
を短くできる。
【0025】そして、加熱ローラ11の表面温度が所定
の定着温度に達すると、その後又はその前から加熱ロー
ラ11を記録紙の搬送方向に駆動し、この加熱ローラ1
1の駆動に無端ベルト2を従動回転させた状態で、加熱
ローラ11と無端ベルト2との間にトナー像を保持した
記録紙を通せば、トナー像は加熱ローラ11により加熱
され、加熱ローラ11と無端ベルト2による挟着圧力下
に記録紙に定着されつつ搬送される。このとき、無端ベ
ルト2は記録紙に圧接され、記録紙とともに表面が移動
するから、記録紙の搬送は良好になされる。また、記録
紙に接触する加熱ローラ11の外周面には、離型層11
1が形成されているので、記録紙及びその上の画像が加
熱ローラ11の表面に付着することが防止又は十分抑制
されるとともに、無端ベルト2の外表面にはシリコンゴ
ム薄層21が形成されているので、記録紙のスリップが
防止又は十分に抑制され、それだけ良好な定着画像が得
られる。また、無端ベルト2の内表面にはグリースが塗
布されているので、押圧部材31と無端ベルト2との摩
擦抵抗は小さく、両者間の相対的摺動は滑らかになされ
る。
【0026】また、記録紙は、加熱ローラ11と無端ベ
ルト2との間を加熱、加圧下に搬送されているとき、無
端ベルト2を押圧する押圧部材31に内蔵されたヒータ
34及び加熱ローラ11によりその両面から加熱される
ので、この定着装置を通過した後にカールすることが防
止又は十分に抑制される。なお、加熱部材として加熱ロ
ーラを採用する場合、それを加熱する手段としては図
2、図3に示すように、加熱ローラに形成された抵抗発
熱体や誘導コイルとすることもできる。図2、図3に示
す定着装置は、加熱ローラの加熱手段が異なる以外は、
図1に示す定着装置と実質的に同じであり、実質的に同
じ構造、作用の部品には図1と同じ参照符号を付してあ
る。図2の定着装置では加熱手段が加熱ローラを形成す
る芯ローラに形成された抵抗発熱体であり、図2(A)
は該装置の概略断面図、図2(B)は該装置の図2
(A)に示すX−X線に沿う概略断面図である。図3の
定着装置では加熱手段が加熱ローラに内蔵された誘導コ
イルであり、図3(A)は該装置の概略断面図、図3
(B)は該装置の図3(A)に示すX−X線に沿う概略
断面図である。
【0027】図2に示す定着装置の加熱ローラ12は、
空芯円筒状のアルミニウムを主材とする芯ローラ121
を備える。芯ローラ121の内周面には、電気絶縁層1
20を介してチタン酸バリウム系セラミックからなる層
状の抵抗発熱体122が形成されており、また、その外
周面には離型層123が形成されている。加熱ローラ1
2は、図1に示す定着装置と同様に軸受け5により、定
着装置のハウジング4に回転可能に支持され、図示しな
い駆動手段により図2(B)の矢印方向に回転でき、こ
の回転により記録紙をその搬送方向に搬送することがで
きる。
【0028】抵抗発熱体層122の内周の両端部分に
は、リング状の銅合金からなる受電部材124、124
が設けられ、これら受電部材124には、その内周面か
らカーボン製給電部材125、125が接触配置されて
いる。給電部材125はそれぞれ図示しない押圧手段に
より受電部材124に向けて押圧されており、受電部材
124が芯ローラ121と一体的に回転しても両者の接
触面で電気的な接続を保つことができる。
【0029】各給電部材125は図示しない電源に接続
されており、該電源による電圧印加により抵抗発熱体層
122はジュール発熱して加熱ローラ12表面を加熱す
ることができる。なお、抵抗発熱体層は芯ローラの外周
面に形成することもできる。この定着装置でも、無端ベ
ルト2は図1に示す定着装置と同様に形成されて加熱ロ
ーラ12に向けて押圧されている。
【0030】図2に示す定着装置と図1に示す定着装置
とは、加熱ローラを加熱する加熱手段が、ハロゲンラン
プヒータから芯ローラ121の内周面に形成された抵抗
発熱体層122に代わった以外は、実質的に同様である
ので、図2の定着装置においても図1の定着装置と同様
に、ウォーミングアップ時間を短くでき、しかも記録紙
の搬送性が良好でそれだけ良好な画質を達成できる。ま
た、この定着装置によると、抵抗発熱体層122による
電気・熱変換効率がよく、また、図1に示す定着装置の
ハロゲンランプヒータのように輻射熱による加熱ではな
く直接的に芯ローラを加熱するので、加熱ローラ全体を
それだけ速やかに加熱でき、従って、図1に示す定着装
置よりもさらにウォーミングアップ時間を短くすること
ができる。
【0031】また、図3に示す定着装置の加熱ローラ1
3は、鉄、ニッケル、ステンレス鋼のような導電性材料
から空芯円筒状に形成されており、図1に示す定着装置
と同様に軸受け5により、定着装置のハウジング4に回
転可能に支持され、図示しない駆動手段により図3
(B)の矢印方向に回転でき、この回転により記録紙を
その搬送方向に搬送することができる。
【0032】加熱ローラ13の空芯部分には、加熱ロー
ラ13と空隙を介して誘導コイル7が図示しない支持手
段により支持されて配置されている。また、加熱ローラ
13の外周面には、離型層131が形成されている。誘
導コイル7はボビン71に銅線を巻き付けて形成されて
おり、コイル開口面72、72を加熱ローラ13の内周
面に向けて〔図3(B)においては、上下方向に向け
て〕配置されている。誘導コイル7は、図示しない高周
波電源に接続されており、該高周波電源による電圧印加
により、加熱ローラ13に誘導電流を生じさせ該ローラ
を誘導加熱することができる。
【0033】なお、誘導コイルは加熱ローラの外側で加
熱ローラの近傍に配置することもできる。また、複数の
コイルの並列接続と直列接続の組み合わせにより誘導コ
イルを構成することもできる。この定着装置においても
無端ベルト2は、図1に示す定着装置と同様にして加熱
ローラ13に向けて押圧されている。
【0034】図3に示す定着装置と図1に示す定着装置
とは、加熱ローラを加熱する加熱手段が、ハロゲンラン
プヒータから加熱ローラ13に内蔵された誘導コイル7
に代わった以外は、実質的に同様であるので、図3の定
着装置においても図1の定着装置と同様に、ウォーミン
グアップ時間を短くでき、しかも記録紙の搬送性が良好
でそれだけ良好な画質を達成できる。また、この定着装
置によると、誘導コイル7による誘導加熱により加熱ロ
ーラ13を効率よく加熱でき、図1に示すハロゲンラン
プヒータを用いた定着装置よりもさらにウォーミングア
ップ時間を短くすることができる。
【0035】次に、本発明のさらに他の実施形態である
定着装置を図4を参照して説明する。この定着装置は、
加熱部材として耐熱性のあるフィルムからなる無端ベル
トを採用し、これをパルス状通電により発熱する発熱体
を含む加熱体で加熱するものである。図4(A)は該装
置の概略断面図、図4(B)は該装置の図4(A)に示
すX−X線に沿う概略断面図である。
【0036】この定着装置は、加熱部材として耐熱性フ
ィルム8を備え、また、図1に示す定着装置と同様にし
てフィルム8に押しつけられる無端ベルト2を備える。
フィルム8は、耐熱性処理を施したポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルムからなり、厚み50〔μ
m〕で無端ベルト状に形成されている。フィルム8の内
面には、駆動ローラ81及び加熱体82が配置され、そ
れらにフィルム8は巻き掛けられている。フィルム8の
外表面には、離型層84が形成されている。
【0037】加熱体82は、無端ベルト2の押圧部材3
1に対向配置されており、アルミナからなる本体82を
含み、それにヒータ83を支持しており、図4(B)に
示すように無端ベルト2が押しつけられる部位は凸曲面
に形成され、図示しない支持手段により支持されてい
る。ヒータ83は、Ta2 Nからなる線状の小熱容量の
発熱ラインからなっており、パルス通電により瞬間的に
高温に昇温し、通電オフにより急速に降温するものであ
り、加熱体本体82の下面部分に設けられ、本体からの
露出面がTa2 5 からなる摺動性保護層830で覆わ
れ、その保護層830を含む加熱体82下面がフィルム
8に接触している。そして、ヒータ83は図示しない電
源に接続されており、該電源によるパルス通電により発
熱して、フィルム8を加熱することができる。その場
合、図示しない制御手段により通電のパルス幅が制御さ
れ、加熱体82のピーク温度が所定の範囲のものとなる
ように制御される。
【0038】また、駆動ローラ81は、図示しない支持
手段により回転可能に支持されており、図示しない駆動
手段により図4(B)の矢印方向に、フィルム8の表面
を移動させることができ、このフィルム8の表面移動に
より記録紙をその搬送方向に搬送することができる。な
お、耐熱性フィルムは、本例のように無端ベルト状のも
のに限られるものではなく、有端ベルト状のものであっ
ても構わない。この場合は、例えば、耐熱性フィルムの
一方の端を回転リールに接続して巻き付け、他方の端を
別の駆動リールに接続して該駆動リールを回転駆動する
ことにより、耐熱性フィルムの表面を記録材の搬送方向
に移動させることが考えられる。
【0039】無端ベルト2は、図1に示す定着装置の無
端ベルトと同様に、その外表面にはシリコンゴム薄層2
1が形成されており、また、無端ベルト2の内表面に配
置される押圧部材31、バネ32、バネの支持部材33
により、加熱部材である耐熱性フィルム8や加熱体82
に向けて押圧されている。この定着装置によると、使用
開始前には無端ベルト2が押圧部材31により耐熱性フ
ィルム8を介して加熱体82に圧接された状態にあり、
使用にあたってはこの状態でヒータ83に通電が開始さ
れ、耐熱性フィルム8表面がヒータ83により加熱され
る加熱体82により所定の定着温度まで加熱される。こ
のとき、耐熱性フィルム8の熱は、これに圧接されてい
る無端ベルト2や押圧部材31にも伝達されるが、耐熱
性フィルムからなる無端ベルト2は、厚みが40〜50
〔μm〕であり、それ自体熱容量が小さく、単に押圧部
材31により耐熱性フィルム8を介して加熱体82に圧
接されているだけであるから、耐熱性フィルム8から無
端ベルト2や押圧部材31等への熱移動量は少なく、従
ってそれだけ定着装置のウォーミングアップ時間を短く
できる。また、ヒータ83はパルス状通電により急速に
昇温できるので、この点でもウォーミングアップ時間を
短縮でき、また、パルス通電幅の制御により定着温度を
容易、正確に維持できる。
【0040】耐熱性フィルム8の表面温度が所定の定着
温度に達すると、その後又はその前から耐熱性フィルム
8を駆動ローラ81にて記録紙を搬送できるように駆動
し、この耐熱性フィルム8の駆動に無端ベルト2を従動
回転させた状態で、耐熱性フィルム8と無端ベルト2と
の間にトナー像を保持した記録紙を通せば、トナー像は
耐熱性フィルム8により加熱され、耐熱性フィルム8と
無端ベルト2による挟着圧力下に記録紙に定着されつつ
搬送される。このとき、無端ベルト2は記録紙に圧接さ
れ、且つ、記録紙とともに表面が移動するから、記録紙
の搬送は良好になされる。また、記録紙に接触する耐熱
性フィルム8の外表面には、離型層84が形成されてい
るので、記録紙及びその上の画像がフィルム8の外表面
に付着することが防止又は十分抑制される。また、無端
ベルト2の外表面にはシリコンゴム薄層21が形成され
ているので、記録紙のスリップが防止、又は十分に抑制
され、それだけ良好な定着画像が得られる。また、無端
ベルト2の内表面にはグリースが塗布されているので、
押圧部材31と無端ベルト2との摩擦抵抗は小さく、摺
動は滑らかになされる。
【0041】また、記録紙がフィルム8と無端ベルト2
との間を加熱、加圧下に搬送されているとき、無端ベル
ト2を押圧する押圧部材31に内蔵されたヒータ34に
より、そして耐熱性フィルム8を介して加熱体82によ
り、記録紙は、その両面から加熱されるのでこの定着装
置を通過した後にカールすることが防止又は十分に抑制
される。
【0042】なお、前記各実施形態で示した定着装置各
部の材質は、それらに限定されるわけではない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、未
定着画像を保持した記録材に該画像を加熱定着させる定
着装置であって、ウォーミングアップ時間を短くでき、
しかも記録材の搬送性が良好でそれだけ良好な画質を達
成できる定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であり、加熱部材として加
熱ローラを採用し、加熱ローラをハロゲンランプヒータ
により加熱する定着装置を示す図であり、図1(A)は
その概略断面図、図1(B)は図1(A)に示すX−X
線に沿う概略断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態であり、加熱部材として
加熱ローラを採用し、加熱ローラを抵抗発熱体により加
熱する定着装置を示す図であり、図2(A)はその概略
断面図、図2(B)は図2(A)に示すX−X線に沿う
概略断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態であり、加熱部材
として加熱ローラを採用し、加熱ローラを誘導コイルに
より加熱する定着装置を示す図であり、図3(A)はそ
の概略断面図、図3(B)は図3(A)に示すX−X線
に沿う概略断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態であり、加熱部材
として耐熱性フィルムを採用し、耐熱性フィルムをヒー
タにより加熱する定着装置を示す図であり、図4(A)
はその概略断面図、図4(B)は図4(A)に示すX−
X線に沿う概略断面図である。
【符号の説明】 11、12、13 加熱ローラ(加熱部材) 111、123、131 離型層 121 芯ローラ 122 抵抗発熱体層 124 受電部材 125 給電部材 120 電気絶縁層 2 無端ベルト 21 シリコンゴム薄層 3 押圧手段 31 押圧部材 32 バネ 33 バネ32の支持部材 34 押圧部材31に内蔵のヒータ 4 定着装置のハウジング 5 軸受け 6 ハロゲンランプヒータ 7 誘導コイル 71 ボビン 8 耐熱性フィルム(加熱部材) 81 駆動ローラ 82 加熱体 83 ヒータ(発熱体) 830 摺動性保護層 84 離型層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着画像を保持した記録材に該画像を
    加熱定着させる定着装置であって、未定着画像定着温度
    に加熱され、表面が前記記録材を搬送できるように移動
    できる加熱部材と、前記加熱部材との間に前記記録材を
    挟着しつつ通過させるための耐熱性フィルムからなる無
    端ベルトとを備えており、前記無端ベルトは押圧手段に
    より該ベルトの内側から前記加熱部材に向けて該加熱部
    材の表面の移動に従動して回転できるように押しつけら
    れていることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱部材は加熱ローラであり、該加
    熱ローラは芯ローラと、該芯ローラの外周面又は内周面
    に沿って形成されて該芯ローラとともに回転可能の通電
    により発熱する抵抗発熱体とを含んでいる請求項1記載
    の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱部材は加熱ローラであり、該加
    熱ローラは発熱ヒータにより輻射加熱されるものである
    請求項1記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱部材は加熱ローラであり、該加
    熱ローラは電磁誘導加熱手段により加熱されるものであ
    る請求項1記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱部材は耐熱性フィルムからなる
    ベルトであり、該ベルトは、前記押圧手段に対向配置さ
    れて該ベルト裏面に接触せしめられる加熱体であって通
    電により発熱する発熱体を含む加熱体により加熱される
    ものである請求項1記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記無端ベルトはその厚みが100μm
    以下であり、外表面にシリコンゴム薄層が形成されてい
    るとともに内面に潤滑剤が塗布されており、前記押圧手
    段は記録材のカール防止用加熱手段を備えている請求項
    2から5のいずれかに記載の定着装置。
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