JPH11133776A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置および画像形成装置

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JPH11133776A
JPH11133776A JP9298998A JP29899897A JPH11133776A JP H11133776 A JPH11133776 A JP H11133776A JP 9298998 A JP9298998 A JP 9298998A JP 29899897 A JP29899897 A JP 29899897A JP H11133776 A JPH11133776 A JP H11133776A
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heat
fixing
fixing roller
toner
fixing device
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JP9298998A
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English (en)
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Yoshio Kanazawa
祥雄 金澤
Hirotaka Matsuoka
弘高 松岡
Yasuhiro Kusumoto
保浩 楠本
Yasuhiro Uehara
康博 上原
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置の高画質化、長寿命化、省エネ
ルギー化、高速化を全て満足させ得る定着装置を提供す
ること。 【解決手段】 円筒状芯金20aに耐熱性弾性体層20
bが形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層20cが
被覆された加熱定着ローラ20と、エンドレスベルト2
1と、エンドレスベルト21内側に配置された圧力部材
22と、を具備した定着装置であって、エンドレスベル
ト21を加熱定着ローラ20に所定角度巻き付けて、エ
ンドレスベルト21と加熱定着ローラ20との間に記録
シート26が通過させられるニップ部を形成し、該ニッ
プ部において、圧力部材22をエンドレスベルト21を
介して加熱定着ローラ20に押圧させることにより、加
熱定着ローラ20の耐熱性弾性体層20bに歪みを生じ
させることを特徴とする定着装置、およびそれを用いた
画像形成装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像形
成装置に用いる定着装置、および該定着装置を用いた画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式を利用した複写機や
プリンター等においては、記録シート上に形成された未
定着トナー像を定着して永久画像にする必要があり、そ
の定着法として溶剤定着法、圧力定着法、および加熱定
着法が知られている。しかしながら、溶剤定着法は、溶
剤蒸気が発散し、臭気や衛生上の問題点があるという欠
点を有している。一方、圧力定着法は、他の定着法と比
較して定着性が悪く、かつ圧力感応性トナーが高価であ
るという欠点を有している。これらの要因から、共にほ
とんど実用化されていないのが現状である。このため、
加熱によってトナーを溶融させ、記録シートに熱融着さ
せる加熱定着法が広く採用されている。
【0003】加熱定着法による装置としては、図12に
示すように円筒状芯金122の内部に加熱源123を備
え、その円筒状芯金122の外周面に離型層124を形
成した定着ローラ121と、該定着ローラ121に対し
て圧接配置され、円筒状芯金126の外周面に耐熱性弾
性体層127、および耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴ
ム被膜による離型層128を形成した圧力ローラ125
とで構成され、定着ローラ121と圧力ローラ125と
の間に、未定着トナー像を担持した記録シート(不図
示)を通過させて加熱加圧定着を行う加熱ロール方式の
ものが知られている。これは他の加熱定着法である熱輻
射定着方式に比べ熱効率が高く、紙詰まりによる紙燃え
の危険性も少ないこと等から現在最も広く利用されてい
る。
【0004】定着ローラ121の離型層124は、定着
後のトナー像が定着ローラ121から容易に剥離するよ
うに、耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜からな
る。この離型層124の材料としては、一般的にはポリ
テトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)
や、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以
下、「PFA」という)、四フッ化エチレン六フッ化プ
ロピレン共重合体(以下、「FEP」という)に代表さ
れるフッ素系耐熱性樹脂が、シリコーンゴムやフッ素ゴ
ムに代表される耐熱性ゴムよりも離型剤(いわゆる離型
オイル)を用いないで高い離型性能を得られることが知
られている。このため、白黒複写機においては、離型層
としてこれら耐熱性樹脂を用いるのが一般的である。
【0005】しかしながら、フルカラーの複写機および
プリンターにおける定着装置としては、以下に示す各観
点より課題があり、上記従来技術ではこれらの点を全て
解決し得るものはない。
【0006】1.画質の課題 円筒状芯金に離型層としてフッ素系樹脂を被覆した場
合、フッ素系樹脂は材質そのものが固いため、以下に示
すような画質上の問題が生ずる。図13は、定着時にお
ける定着ローラ131、記録シート132およびトナー
像133の状態を模式的に示す拡大断面図である。図1
3に示すようにトナー像133は微視的には凹凸を有し
ており、定着ローラ131が硬いとそれに追従できず、
微視的な密着性が低くなる。このため、定着後のトナー
像133は、定着ローラ131が接触した部分としない
部分との間で、ベタ部での細かい光沢ムラが発生する。
白黒複写機における画質の要求度は、フルカラー複写機
に比べるとそれほど高いものではないため、上述のよう
な金属製芯金にフッ素樹脂を被覆した定着ローラで十分
であった。
【0007】これに対して、フルカラー複写機において
は画質への要求が白黒複写機の場合に比べて非常に大き
い。従って、フルカラー複写機においては、一般にトナ
ー中の結着樹脂の分子量を低くし変形しやすいようにし
ている。これにより、定着後のトナー表面が平滑になり
やすく、高い画質が得られるようにしている。さらに光
沢ムラが起こりにくいように、円筒状芯金に耐熱性ゴム
を被覆させることにより、定着画像はゴム自身の伸縮性
によりトナー層との密着性を高くし、光沢ムラのない優
れた画質を得ることができるようにしている。
【0008】2.離型性と信頼性の課題 白黒複写機で用いるトナーの結着樹脂は分子量が大き
く、弾性的な挙動を示す。よって、結着樹脂そのものが
定着ローラとの離型性がよいものであった。しかしなが
ら、前述したようにフルカラー複写機においては画質性
向上の要求から、分子量が低く、粘性の強い挙動を示す
結着樹脂がトナーに用いられる。さらに、光沢ムラをな
くす目的で定着ローラの表面とトナーとの密着性を高く
しているため、定着ローラとトナーとの接触面積も増
え、付着力が大きくなっている。フルカラー複写機で
は、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックという4色
のトナーを用いているため、さらに付着力が大きくなっ
ている。このため、白黒複写機で用いられるフッ素樹脂
ローラでは離型性が悪く、トナーを定着ローラから剥離
させることができない。
【0009】そこで、特開平5−150679号に開示
されているように、定着ローラに耐熱性ゴムを被覆し
て、定着ローラに歪みを発生させることで高い剥離性能
を得る方法が採られる。図14は、かかる定着装置を示
す側断面図である。定着ローラ141は円筒状芯金14
2の外周面に耐熱性ゴム層143、および耐熱性樹脂被
膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層144を形成し
てなる。なお、145は圧力ローラであり、本定着装置
は定着ローラ141および圧力ローラ145双方の内部
に加熱源146、147が配されている。ここで歪みと
は、定着ローラ141に圧力ローラ145を圧接した時
に定着ローラ141の耐熱性ゴム層143が弾性変形
し、その表面に生じる歪みのことをいう。
【0010】前記特開平5−150679号に開示され
る定着ローラの構造は、円筒状芯金上にLTVシリコー
ンゴム層を形成し、さらにその上に離型層としてRTV
シリコーンゴム層を形成したものである。最外層のRT
Vシリコーンゴム層自身が展延性を有することから、歪
みは発生しやすい。しかしながら、ゴムの離型性はそれ
自体高いものではなく、十分な離型性を確保するために
は、定着ローラの離型層に離型オイルを別途塗布および
供給しなければならない。即ち、離型オイル塗布によ
り、オイル層内の分断によってトナーを定着ローラから
剥離するものである。現在、ほとんどのフルカラー複写
機において、このような離型オイルを用いたゴムローラ
の定着器が採用されている。
【0011】しかし、このように離型オイルを用いてい
るため、従来よりシリコーンゴムのオイル膨潤や、装置
内のオイル漏れ、定着後の記録シート上のオイルによる
ボールペンやインクの加筆性低下等の問題が生じてい
る。さらに、オイルの定期的な補給等のメンテナンスも
必要であり、小型のフルカラー複写機やプリンターには
不向きである。また、シリコーンゴムの摩擦係数が高い
ため用紙通紙による離型層摩耗や、シリコーンゴムその
ものの変質による離型性劣化という問題点もあった。
【0012】したがって、それ自身が高い離型性能を有
するフッ素樹脂を耐熱性ゴム層の上に被覆すればさらに
高い離型性能が得られ、特別な離型オイル塗布手段は必
要なくなると考えられる。即ち、特開昭61−2237
6号や特開昭61−248731号等に開示されるよう
に耐熱性ゴムの表面にフッ素樹脂をディスパージョン塗
布焼成した定着ローラを用いれば、高い離型性能と共に
優れた画質が得られると考えられる。しかし前記開示の
塗布焼成膜は、その厚さが2〜3μm程度であり、ま
た、圧力ローラによる加圧が大きいため、用紙通紙によ
る離型層摩耗による離型性低下という問題点が生じる。
【0013】特開昭57−89785号、特開昭53−
144747号、特公平7−349号、特開平4−42
183号等に開示されるように、あらかじめ製造された
フッ素樹脂チューブを耐熱性ゴムの表面に被覆すること
により、摩耗の問題点は解決される。しかしながら、一
般的なフッ素樹脂チューブの厚さは50〜100μm程
度であることから、チューブ自身が硬く、上述の如き歪
みを発生させることは困難であり、高い離型性と優れた
画質を得るという目的は十分に達し得ないものであっ
た。
【0014】また、耐熱性ゴムの表面にフッ素樹脂層を
設け、さらに歪みを与えれば離型性能は良くなるが、ゴ
ムと樹脂とでは伸縮率がことなるため、大きな歪みを与
えるとフッ素樹脂が塑性変形を起こし、シワが生じてし
まう。即ち、従来の加熱加圧ローラ対による定着装置に
おいては、比較的厚いゴム層に大きな歪みを与えて剥離
していたため、これにフッ素樹脂層を設けた場合にはシ
ワが生じるおそれがある。フッ素樹脂層は、薄くなれば
なるほどシワができやすく、画質向上と離型性向上のた
めにより薄いフッ素樹脂層を使用しようとすると、この
シワの問題が顕在化してしまう。
【0015】3.省エネ性・高速定着性の課題 さらに、図14に示す定着装置のように、定着ローラ1
41と圧力ローラ145とを互いに圧接して、広いニッ
プを確保するとともに大きな歪みを発生させるために
は、定着ローラ141の円筒状芯金142の肉厚は厚
く、その上の耐熱性ゴム層143の肉厚も厚くする必要
がある。従って、必然的に定着装置の熱容量も大きくな
り、室温からの立ち上がり時間として3分〜6分ほどを
要していた。このため画像形成を行わない待機時におい
ても定着装置の温度をある程度高温に維持する必要があ
り、これが複写機等の消費電力の大部分を占めているの
が現状である。また、熱伝導率の低いゴムの層が厚く存
在するため、定着ローラ141の内周面から外周面への
熱抵抗が極めて大きい。従って、定着ローラ141内の
ヒータ146を加熱しても、その熱が定着ローラ141
外周面へは、なかなか伝わらない。これが、定着装置の
高速化への障害となっている。
【0016】早期立ち上がり性(以下、「インスタント
スタート性」という。)を備えた定着装置として、白黒
定着装置ではあるが、薄膜フィルムと固定ヒーターを用
いた定着装置が既に開示されているが(特開昭63−3
13182号、特開平4−44074号等)、この技術
はフルカラーで求められる高画質や高速適性は得られな
い。なぜなら、上記定着装置は、熱容量がほとんどゼロ
に近い薄膜のフィルムを介してヒーターの熱を記録シー
トに伝える方式であり、高画質化のためにフィルム上に
弾性体層を設けると、熱伝達が悪くなってしまい、結局
システムとして成立しなくなってしまうからである。
【0017】以上、述べてきたように上記種々課題に対
しては、従来それぞれ個別に解決されてはいるが、全て
を同時に満足し得る定着装置は実現されていなかった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い離型性
と優れた画質を得ながら、定着ローラ上の離型層のシワ
発生、摩擦による摩耗および劣化や、離型性低下といっ
た問題のない信頼性の高い定着装置およびそれを用いた
画像形成装置を得ることを目的とする。さらに、定着装
置の熱容量を少なくして立ち上がり時間を短くし、定着
ローラの熱抵抗を小さくすることにより、インスタント
スタート性と高速化を実現し得る定着装置およびそれを
用いた画像形成装置を得ることを目的とする。即ち、画
像形成装置の高画質化、長寿命化、省エネルギー化、高
速化を全て満足させようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
により達成される。即ち本発明は、 (1)円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらに
その表面に耐熱性樹脂層が被覆された加熱定着ローラ
と、エンドレスベルトと、該エンドレスベルト内側に配
置された圧力部材と、を具備した定着装置であって、前
記エンドレスベルトを前記加熱定着ローラに所定角度巻
き付けて、該エンドレスベルトと該加熱定着ローラとの
間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、該
ニップ部において、前記圧力部材を前記エンドレスベル
トを介して加熱定着ローラに押圧させることにより、前
記加熱定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生じさせる
ことを特徴とする定着装置である。
【0020】加熱定着ローラの耐熱性弾性体層上に離型
層として耐熱性樹脂層を被覆し、加熱定着ローラに歪み
を与えることにより、シリコーンオイル等の離型剤を用
いることなく高い離型性を得つつ、高画質を達成するこ
とができる。耐熱性樹脂は離型劣化が起きにくく、極め
て長い離型維持性を得ることができる。また、加熱定着
ローラにエンドレスベルトを巻き付けてニップ部を形成
するため、ロール対の定着方式に比べて低い荷重で広い
ニップ部を得ることができる。よって定着ローラの芯金
の剛性が低くても良く、低熱容量化できることから、イ
ンスタントスタート性の向上を実現することができる。
またニップ部の荷重を低くできることより、耐熱性樹脂
層の摩耗を大幅に低減することができる。
【0021】(2)耐熱性樹脂層がフッ素樹脂よりなる
ことを特徴とする(1)に記載の定着装置である。耐熱
性樹脂層として硬度の高いフッ素樹脂を用いることによ
り、離型劣化が起こらないことに基づく定着装置の長寿
命化を図ることができる。
【0022】(3)圧力部材が圧力パッド(本発明にお
いて、「圧力パッド」とは、加熱定着ローラの周面の一
部を面により押圧する部材をいう。)であり、該圧力パ
ッドをエンドレスベルトを介して加熱定着ローラに押圧
させることにより、加熱定着ローラの弾性体層に歪みを
生じさせることを特徴とする(1)または(2)に記載
の定着装置である。圧力部材を圧力パッドとすることに
より、装置の小型化を図ることができる。
【0023】(4)圧力パッドが加熱定着ローラを押圧
するニップ圧力が、ニップ部の出口付近において局所的
に大きくなっていることを特徴とする(3)に記載の定
着装置である。ニップ部の出口付近において、定着ロー
ラの歪みを局所的に大きくすることにより、ロール対に
よる定着方式のようにニップ全域で歪みを生じさせる場
合と比較して、小さい歪み量で高い離型性能を得ること
が出来る。従って、薄膜の耐熱性樹脂層を用いた場合に
もシワの発生を防止でき、耐熱性弾性層と耐熱性樹脂に
よる離型層との間の剥れ等の問題も起こりにくく、離型
性能の維持と併せて長期にわたる信頼性が得られる。ま
た、歪み量が小さくて済むため、定着ローラの耐熱性弾
性体層を薄肉化できる。これは定着ローラの低熱容量化
に寄与するため、よりインスタントスタート性が向上す
るとともに、消費電力の低減をも図ることができる。熱
伝導性が悪い耐熱性弾性体層を薄肉化できるため、定着
ローラ内面と外面との間の熱抵抗を小さくでき、熱応答
が早くなる。従って、より高速な定着が可能となる。さ
らに、歪み量が小さくて済むため、耐熱性樹脂層の摩耗
が少なくなる。
【0024】(5)エンドレスベルトが、複数の支持ロ
ーラに張架された状態で加熱定着ローラに所定角度巻き
付けられており、前記支持ローラのうち少なくとも1つ
を圧力ローラとして、ニップ部の出口付近で前記エンド
レスベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることを
特徴とする(1)または(2)に記載の定着装置であ
る。このような構成とすれば、エンドレスベルトを摺動
させないため、高速定着が可能となる。
【0025】(6)ニップ部における加熱定着ローラの
歪み量が、0.1%乃至4%であることを特徴とする
(1)ないし(5)に記載の定着装置である。歪み量を
このように小さくすることにより、定着ローラの耐熱性
弾性体層を薄肉化できる。これは定着ローラの低熱容量
化に寄与するため、よりインスタントスタート性が向上
する。熱伝導が悪い耐熱性弾性体層を薄肉化できるた
め、定着ローラ内面と外面との間の熱抵抗を小さくで
き、熱応答が早くなる。従って、より高速な定着が可能
となる。
【0026】(7)加熱定着ローラの耐熱性樹脂層の厚
さが、5μm乃至30μmであることを特徴とする
(1)ないし(6)に記載の定着装置である。耐熱性樹
脂層の厚さを薄くすることがにより、ニップ部での耐熱
性弾性体層の歪みが有効に生じ、離型性の向上を図るこ
とができる。
【0027】(8)加熱定着ローラの軸方向の長さと略
同長の接触幅を有する剥離シートを備え、該剥離シート
が、前記加熱定着ローラの回転方向におけるニップ部の
下流に位置し、前記加熱定着ローラの回転方向と対向す
る向きに、かつ、先端部および/または先端部近傍が前
記加熱定着ローラ外周面に接触する状態で配置されてい
ることを特徴とする(1)ないし(7)に記載の定着装
置である。加熱定着ローラから記録シートを剥離する補
助手段としての剥離シートを幅広に、好ましくは通紙エ
リア全幅に配置することにより、記録シート上のトナー
画像が剥離シートに接触しても、単位長さ当りに受ける
力は小さく、トナー画像を傷つけることなく、良好に加
熱定着ローラから記録シートを剥離することができる。
【0028】(9)剥離シートが、基材として耐熱性プ
ラスチックシートまたは金属薄板を使用し、該基材の両
面および先端部がフッ素樹脂で被覆されたものであるこ
とを特徴とする(8)に記載の定着装置である。表面が
フッ素樹脂で被覆された剥離シートを用いることによ
り、フッ素樹脂の硬度に基づく該剥離シートの長寿命化
を図ることができる。
【0029】(10)静電潜像担持体上に静電潜像を形
成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーにより
現像する現像手段と、得られたトナー像を記録シートに
転写する転写手段と、転写された記録シート上のトナー
像を定着する定着手段とを有する画像形成装置におい
て、定着手段が(1)ないし(9)に記載の定着装置で
あることを特徴とする画像形成装置である。画像形成装
置の定着手段として(1)ないし(9)に記載の定着装
置を用いることにより、画像形成装置の高画質化、長寿
命化、省エネルギー化、高速化を全て満足させることが
できる。
【0030】(11)トナーが、少なくとも着色剤と、
結着樹脂と、0.1重量%乃至40重量%のワックスと
からなることを特徴とする(10)に記載の画像形成装
置である。トナーにワックスを含有させることにより、
加熱定着ローラ表面に離型オイルを用いない(1)の定
着装置に適用した場合においても、より広い定着ラチチ
ュードを得ることができる。また、(1)の定着装置は
ニップ部の幅を大きく採ることができるため、ワックス
を含有したトナーによるトナー像を定着する場合、ワッ
クスが十分に滲みだし、良好な離型性を確保することが
できる。
【0031】(12)ワックスの分散径が数平均で2μ
m以下であることを特徴とする(11)に記載の画像形
成装置である。ワックスの分散径を小さくすることによ
り、トランスペアレンシーフィルム(OHPフィルム)
上に画像を形成した場合でも、画像の透過性が悪くなる
ことがない。
【0032】(13)ワックスの融点が110℃以下で
あることを特徴とする(11)または12)に記載の画
像形成装置である。ワックスの融点をトナー中の結着樹
脂の融点よりもある程度低くすることにより、ワックス
が結着樹脂よりも先に有効にトナーから溶け出し、ニッ
プ部の出口での剥離時においてトナーと加熱定着ローラ
の界面に介在し、効果的に離型性能の向上に寄与する。
【0033】(14)ワックスの融解の潜熱が230m
J/mg以下であることを特徴とする(11)または
(12)に記載の画像形成装置である。ワックスの融点
同様、融解の潜熱を結着樹脂よりもある程度低く規定す
ることにより、融点の規定同様、ワックスが結着樹脂よ
りも先に有効にトナーから溶け出し、ニップ部の出口で
の剥離時においてトナーと加熱定着ローラの界面に介在
し、効果的に離型性能の向上に寄与する。
【0034】(15)トナー中の結着樹脂の少なくとも
一部が、重量平均分子量2,000〜50,000の線
状ポリマーと、重量平均分子量2,000〜50,00
0の非線状ポリマーとの混合物であって、その混合比率
(線状ポリマー:非線状ポリマー、重量比)が40:6
0〜99:1であることを特徴とする(10)ないし
(14)に記載の画像形成装置である。トナー中の結着
樹脂をこのような構成とすることにより、線状ポリマー
が記録シートへの良好な定着性を、非線状ポリマーが加
熱定着ローラからの良好な剥離性を、それぞれ確保する
ことができる。架橋性のポリマー(非線状ポリマー)を
好ましい範囲でトナー用結着樹脂として用いるため、定
着画像の平滑性や光沢が実質上損なわれることなく、一
方、トナーが溶融し難くなることもない。つまり、加熱
定着ローラの設定温度を高温化する必要がなく、また高
速定着性に対するデメリットもない。
【0035】(16)結着樹脂中の線状ポリマーのガラ
ス転移点が40〜80℃であり、かつ、結着樹脂中の非
線状ポリマーのガラス転移点との差が20℃以下である
ことを特徴とする(15)に記載の画像形成装置であ
る。結着樹脂中の線状ポリマーおよび非線状ポリマーの
ガラス転移点を上記のようにコントロールすることによ
り、光沢性等のトナー特性を良好なものとすることがで
きる。
【0036】(17)結着樹脂中の線状ポリマーの軟化
点が90〜120℃であり、かつ、非線状ポリマーの軟
化点との差が20℃以下であることを特徴とする(1
5)に記載の画像形成装置である。結着樹脂中の線状ポ
リマーおよび非線状ポリマーの軟化点を上記のようにコ
ントロールすることにより、光沢性等のトナー特性を良
好なものとすることができる。 (18)線状ポリマーおよび非線状ポリマーが、ポリエ
ステルであることを特徴とする(15)ないし(17)
に記載の画像形成装置である。線状ポリマーおよび非線
状ポリマーとしてポリエステルを用いると、その分子量
が大きい場合でも表面平滑性が高く、透明性に優れた画
像を形成することができ、また、材料自体の安全上問題
がない。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を挙げて
本発明を詳細に説明する。なお、以降の記述において
は、「加熱定着ローラ」を単に「定着ローラ」と記す。A.定着装置の構成 (定着装置の第1の実施の形態)図1は、本発明の定着
装置の第1の実施の形態を示す側断面図である。定着ロ
ーラ10とエンドレスベルト11、およびエンドレスベ
ルト11を介して定着ローラ10に押圧される圧力パッ
ド(圧力部材)12とで主要部が構成されている。
【0038】定着ローラ10は、金属製のコア(円筒状
芯金)10aの周囲に耐熱性弾性体層10b、および離
型層(耐熱性樹脂層)10cを形成したものであり、コ
ア10aの内部には、加熱源としてのハロゲンランプ1
4が配置されている。定着ローラ10の表面の温度は温
度センサ15によって計測され、その計測信号により、
図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ1
4がフィードバック制御されて、定着ローラ10の表面
が一定温度になるように調整される。エンドレスベルト
11は、定着ロール10に対し所定の角度巻き付けられ
るように接触し、ニップ部を形成している。
【0039】エンドレスベルト11の内側には、圧力パ
ッド12がエンドレスベルト11を介して定着ローラ1
0に押圧される状態で配置されている。圧力パッド12
は、幅の広いニップ部を確保するための弾性体部材12
aと、該弾性体部材12aのエンドレスベルト11の内
周面と接触する面に低摩擦層12bとが設けられ、金属
製等のホルダー12cに保持されている。低摩擦層12
bを表面に有する弾性体部材12aは、ほぼ定着ローラ
10の外周面に倣う凹形になっており、定着ローラ10
に対して押圧されて、ニップ部を形成し、定着ローラ1
0に一定の歪み量を生じさせている。さらにホルダー1
2cには、エンドレスベルト11がスムーズに摺動回転
するようにベルト走行ガイド13が取り付けられてい
る。ベルト走行ガイド13はエンドレスベルト11内面
と摺擦するため摩擦係数が低い部材が望ましく、かつ、
エンドレスベルト11から熱を奪いにくいように熱伝導
の低い部材がよい。
【0040】定着ローラ10は、図示しないモータによ
り矢印B方向に回転させられ、この回転によりエンドレ
スベルト11も従動回転する。図示しない転写装置によ
り記録シート16上にトナー像17が転写され、図の右
側からニップ部に向けて(矢印A方向)、この記録シー
ト16が搬送されてくる。ニップ部に挿通させられた記
録シート16上のトナー像71は、ニップ部に作用する
圧力と、ハロゲンランプ14により定着ローラ10を通
じて与えられる熱と、により定着させられる。図1に示
す構成の装置により定着を行えば、ニップ部を広く採る
ことができるため、安定した定着性能を確保することが
できる。
【0041】定着後の記録シート16は、離型層10c
およびニップ部における歪みの両効果により、定着ロー
ラ10に巻き付くことなく良好に剥離されるが、該剥離
の補助手段として、定着ローラ10の回転方向のニップ
部の下流に剥離手段18を設けることが望ましい。剥離
手段18は、剥離シート18aが定着ローラ10の回転
方向と対向する向き(リバース)に定着ローラ10と接
触する状態でガイド18bにより保持されて構成され
る。
【0042】以下、各構成に就いて詳細に説明する。コ
ア10aとしては鉄、アルミニウムやステンレス等熱伝
導率の高い金属製の円筒体を使用することができる。コ
ア10aの外径および肉厚は、本発明の定着装置におい
ては、圧力パッド12の押圧力が小さいため、小径のも
の、薄肉のものを用いることができ、具体的には、鉄製
の場合、外径20〜35mm程度、肉厚0.3〜0.5
mm程度のものを使用することができる。もちろん使用
する材質により強度や熱伝導率が異なるため、最適な寸
法は適宜決定すればよい。
【0043】コア10aの表面に形成される耐熱性弾性
体層10bとしては、耐熱性の高い弾性体であればどの
ような材料を使用することもできる。特に、ゴム硬度2
5〜40°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等
の弾性体を用いることが好ましく、具体的にはシリコー
ンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。このなか
でも特に耐熱性と加工性の面からPFAが最適である。
耐熱性弾性体層10bの厚みとしては、用いる材料のゴ
ム硬度にもよるが0.3〜1.0mm程度が好ましい。
【0044】本発明の定着装置においては、ニップ部が
広く十分な定着性能が得られ、かつ、少ない歪み量で効
果的に離型性を得ることができるため、圧力パッド12
による総荷重が小さくて済み、また、耐熱性弾性体層1
0bを薄くすることができる。以上のように、本発明の
定着装置はコア10aの外径を小さく、肉厚を薄くでき
るとともに、コア10aの表面に形成される耐熱性弾性
体層10bの厚みも薄くできるため、従来のロール対方
式の定着装置に比べ、極めて熱容量が低くインスタント
スタート性が向上しおよび/または加熱源としてのハロ
ゲンランプ14の出力を低下させることができ、また、
定着ローラ10内面と外面との間の熱抵抗を小さくで
き、熱応答が早くなる。従って、消費電力の低減および
より高速な定着が可能となる。
【0045】耐熱性弾性体層10bの上に形成される離
型層(耐熱性樹脂層)10cとしては、耐熱性の樹脂で
あればどのような樹脂を用いてもよく、例えばフッ素樹
脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。離型層10cの離
型性や摩耗性を考慮すれば特にフッ素樹脂を用いること
が好ましい。フッ素樹脂としては、PFA(パーフルオ
ロアルキルビニールエーテル共重合樹脂)、PTFE
(ポリテトラフフルオロエチレン)、FEP(四フッ化
エチレン六フッ化プロピレン共重合樹脂) 等のフッ素樹
脂が使用できるが、耐熱性と加工性の観点よりPFAが
最適である。離型層10cの厚みとしては、好ましくは
5〜30μm、より好ましくは10〜20μmである。
離型層10cの厚みが5μm未満であると、定着ローラ
10の歪みに基づくシワが発生する可能性があり、ま
た、30μmを超えると離型層10cが硬くなり、光沢
ムラ等の画質欠陥が現れる可能性があり、共に好ましく
ない。離型層10cの形成方法としては、従来公知の如
何なる方法も採用することができ、例えば、ディップコ
ート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコー
ト法、スピンコート法等を挙げることができる。
【0046】エンドレスベルト11は、ベース層とその
表面(定着ロール10と接する面、または両面)に被覆
された離型層とから構成されることが好ましい。ベース
層はポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等から
選ばれ、その厚さは、好ましくは50〜125μm程
度、より好ましくは75〜100μm程度である。ベー
ス層の表面に形成される離型層としては、前述の如きフ
ッ素樹脂、例えばPFA等が5〜20μmの厚さでコー
ティングされたものが好ましい。
【0047】エンドレスベルト10の定着ロール10へ
の巻付角度としては、定着ロール10の回転速度にもよ
るが、ニップ部を十分に広く確保できるよう、20〜4
5°程度とすることが好ましい。また、ニップ部のデュ
エルタイム(記録シートの挿通時間)が、30mse
c.以上、特に50〜70msec.程度となるような
巻付角度とすることが好ましい。このように、定着ロー
ル10の形状に追従して従動可能なエンドレスベルト1
1を用いることにより、ニップ部をの幅を広く採ること
ができ、トナーの定着性や離型性の向上を図ることがで
きる。
【0048】圧力パッド12は、前述の如く、弾性体部
材12aと、低摩擦層12bと、ホルダー12cとによ
り構成される。弾性体部材12aは、定着ローラ10の
耐熱性弾性体層10bで説明したような弾性体や板バネ
等を用いることができ、ほぼ定着ローラ10の外周面に
倣う凹形になっている。さらに弾性体部材12a上に形
成される低摩擦層12bは、エンドレスベルト11内周
面と圧力パッド12との摺動抵抗を小さくするために設
けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性のあるものが望ま
しい。具体的には、テフロンを含浸させたガラス繊維シ
ート、フッ素樹脂シート、定着ローラ10の離型層10
cで説明したような樹脂等を用いることができる。
【0049】以上の如き圧力パッド12は、定着ローラ
10に対して押圧されて、ニップ部を形成し、定着ロー
ラ10に一定の歪み量を生じさせる。圧力パッド12の
総荷重としては、所望の歪み量が得られる範囲であれば
特に限定されないが、本発明の定着装置はニップ部が広
いため、ニップ部の入口から出口にかけて徐々に荷重が
大きくなるようにすれば、少ない総荷重でも十分な歪み
量とすることができる。
【0050】ここで「歪み」とは既述の通りであり、本
発明において歪み量は、以下のようにして測定する。一
般に、ハードローラとソフトローラとをある荷重のもと
で圧接させた場合、その圧接されたニップ領域でソフト
ローラ表面が弾性変形し、その表面は円周方向にある歪
みを生じる。この状態でこのローラ対を回転させ、記録
シートを挿通させると、記録シートはソフトローラの歪
みを生じた領域、つまりニップ領域で搬送される。この
ためソフトローラ1回転で送り出される記録シートの長
さは、実際のロール周長より円周方向の歪み量に対応し
て搬送量が大きくなる。このとき実際のロール周長より
大きくなった搬送量の割合をε(%)で表して、これを
歪み量と規定する。即ち、 ε(%)={(A÷B)−1}×100 (上記式中、Aはロール1回転で搬送される記録シート
の長さを、Bは歪みがないとした場合のロール周長をそ
れぞれ表す。)となる。
【0051】本発明において、圧力パッド12により定
着ローラ10に生ずる歪み量としては、0.1〜4%の
範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3
%、特に好ましくは0.5〜2%の範囲である。歪み量
が0.1%より小さくなると離型性が十分でなく、4%
を超えると定着ローラ10の離型層10cにシワが発生
する可能性があり好ましくない。また、圧力パッド12
は、ロールのように回転することなく固定化された状態
で配置されているため、定着ローラ10から伝導される
熱が放熱しにくく、定着ローラ10が回転開始しエンド
レスベルト11が従動回転しても、エンドレスベルト1
1は薄膜で熱容量が小さいことより、定着ローラ10か
ら奪う熱量が少ない。本実施形態にかかる定着装置は、
このように熱損失が少ないため、定着ローラ10の温度
低下が少なく、経済的なものとなる。
【0052】ベルト走行ガイド13は、エンドレスベル
ト11の内面と摺擦するため、摩擦係数が低い部材が望
ましく、かつ、ベルトから熱を奪いにくいように熱伝導
の低い部材がよい。このような部材としては、PFAや
PPS等の耐熱性樹脂等が挙げられる。
【0053】以上の如く、本発明の第1の実施形態にか
かる定着装置によれば、離型剤(オイル)を使用するこ
となく高い離型性能が得られる。もちろん、さらに高い
離型性を得るためにオイルを使用してもよい。しかしな
がら、フルカラー複写機ではイエロー・マゼンタ・シア
ン・ブラックの4色のトナーを使うため、記録シート上
に多量のトナーが転写され、ニップ部の出口で剥離する
時に大きな剥離力を必要とする。記録シートが富士ゼロ
ックス社製J紙(坪量80g/m2 )のように比較的に
腰の強いものであれば、用紙の腰でセルフストリッピン
グすることができる。しかしながら、トナー量が多い場
合、あるいは富士ゼロックス社製S紙(坪量56g/m
2 )やトレーシングペーパーのように腰の弱いものを記
録シートとして用いた場合では、剥離することが困難と
なり、記録シートが定着ローラ10に巻き付いてしまう
可能性がある。このとき、従来の白黒定着装置で多用さ
れている剥離フィンガーを複数個用いた場合には、局所
的に力を受けるため、トナー画像が剥離フィンガーによ
って傷付き画像欠陥が生じる可能性がある。また、長期
間の使用により、定着ローラ10の表面を局所的に傷つ
けてしまい、定着ローラ10の寿命を短くしてしまう可
能性もある。
【0054】本発明の第1の実施の形態にかかる定着装
置では、上記従来の問題点に鑑み、記録シート剥離の補
助手段として、剥離手段18を設けることが望ましい。
剥離手段18は、定着ローラ10の回転方向(矢印B方
向)におけるニップ部の下流に位置し、剥離シート18
aが定着ローラ10の回転方向と対向する向き(リバー
ス)に定着ローラ10と接触する状態でガイド18bに
より保持されて構成される。なお、ここでいう接触と
は、剥離シート18aの先端部のみが接触する状態の
他、先端部および先端部近傍が面で接触する状態や、先
端部近傍のみが面で接触し、先端部が微視的に浮いてい
るような状態を含むものである。
【0055】剥離シート18aは、ポリイミド樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の耐熱性プラス
チックシートや、鉄、ステンレス等の金属薄板を用いる
ことができる。剥離シート18aの厚みとしては、使用
する材料によるが、例えばポリイミド樹脂を用いた場合
には50〜150μm程度が好ましい。50μm未満で
は剥離力を確保するための圧接力を与えることができな
くなる可能性があり、一方、150μmを超えると剥離
すべき記録シートが剥離シート18aの先端に突き当た
ってしまい、スムーズに剥離できなくなる可能性がある
ため好ましくない。また、剥離シート18aは、その表
面がPFAフィルム等のフッ素樹脂で被覆されていても
よい。フッ素樹脂で被覆することにより、フッ素樹脂の
硬度に基づく該剥離シート18aの長寿命化を図ること
ができる。
【0056】剥離シート18aは、定着ローラ10の軸
方向の長さと略同長の接触幅を有する。このように幅広
の剥離シート18aとすることにより、剥離シート18
aの幅方向全域で記録シートを支えるので、記録シート
に作用する単位面積当たりの圧力が小さくなり、トナー
画像を傷つけることがない。従って、剥離シート18a
が、定着直後の溶融状態のトナー画像の表面を擦っても
画像を傷つけることはない。なお、本発明にいう「定着
ローラ10の軸方向の長さと略同長」とは、上記効果が
得られる程度の長さを指すものであり、実際には定着ロ
ーラ10の軸方向の長さの半分程度までをも含む概念で
ある。しかし、記録シートにおける剥離シート18aの
接触部分と非接触部分との画像状態の差をなくし、定着
ローラ10における剥離シート18aの接触部分と非接
触部分との劣化状態の差による定着ムラをなくし、上記
効果を高い次元で達成するためには、少なくとも剥離シ
ート18aは、記録シートの通紙幅全域にわたる幅を有
することが好ましい。
【0057】剥離シート18aは、定着ローラ10に圧
接した際に、剥離シート18aの先端部および/または
先端部近傍が加熱されて生じる波打ちが消える力で圧接
させる必要があり、使用する材料によりその圧接力は異
なるが、幅300mmのポリイミド樹脂を用いた場合に
は100〜500g程度である。剥離シート18aは、
ガイド18bの先端からある程度の長さだけ突き出した
状態で取り付ける。かかる突出長さを比較的短くするこ
とによって、薄膜でありながらトナーの剥離力に耐え得
る剛性を確保する。好ましい突出長さは、使用する材料
により異なるが、例えばポリイミド樹脂を用いた場合に
は、2〜5mm程度である。
【0058】剥離シート18aが定着ローラ10と接触
する点における接線と、剥離シート18aとのなす角と
しては、20〜50°程度であることが好ましく、より
好ましくは30〜40°程度である。50°を超えると
前述の圧接力を確保することが困難となり、一方、20
°未満では剥離時に記録シートが剥離シート18aの側
面に突き当たってしまい、スムーズに剥離できなくなる
可能性があるため好ましくない。ガイド18bは、剥離
シート18aを保持し、かつ、定着装置のフレームに固
定されている。このため、ガイド18bには一定の剛性
が要求され、種々の金属、プラスチック等を用いること
ができる。
【0059】(定着装置の第2の実施の形態)図2は、
本発明の定着装置の第2の実施の形態を示す側断面図で
ある。図2における定着ローラ20、エンドレスベルト
21、剥離手段28の構成は、第1の実施の形態の定着
装置と同様である。しかし、本実施形態では、圧力パッ
ド(圧力部材)22の構成が異なっている。
【0060】本実施形態における圧力パッド22の基本
構成としては、幅の広いニップ部を確保するためのプレ
ニップ部材22aをニップ部の入口側に、定着ローラ2
0に歪みを与えるための剥離ニップ部材22dをニップ
部の出口側に、それぞれ配置する。また、エンドレスベ
ルト22の内周面と圧力パッド22との摺動抵抗を小さ
くするために、プレニップ部材22aおよび剥離ニップ
部材22dのエンドレスベルト22と接する面に低摩擦
層22bを設ける。プレニップ部材22aは、第1の実
施の形態における弾性体部材12aと同様の材料、形状
を有するものである。また、低摩擦層22bは、第1の
実施の形態における低摩擦層12bと同様の材料、形状
を有するものである。
【0061】本実施形態においては、ほぼ定着ローラ2
0の外周面に倣う凹形のプレニップ部材22aにより広
いニップ部を確保するとともに、定着ローラ20の外周
面形状に対し突出させた剥離ニップ部材22dにより、
ニップ部の出口付近(以下、「剥離ニップ部」という場
合がある)において定着ローラ20の歪みが局所的に大
きくなるようにしている。定着ローラの歪みを局所的に
大きくすることにより、ロール対による定着方式のよう
にニップ全域で歪みを生じさせる場合と比較して、小さ
い歪み量で高い離型性能を得ることが出来る。従って、
薄膜の耐熱性樹脂層を用いた場合にもシワの発生を防止
でき、耐熱性弾性層と耐熱性樹脂による離型層との間の
剥れ等の問題も起こりにくく、離型性能の維持と併せて
長期にわたる信頼性が得られる。
【0062】さらに、定着ローラ20の歪み量が小さく
て済むため、定着ローラ20の耐熱性弾性体層を薄肉化
できる。これは定着ローラ20の低熱容量化に寄与する
ため、よりインスタントスタート性が向上するととも
に、消費電力の低減をも図ることができる。また、熱伝
導性が悪い耐熱性弾性体層を薄肉化できるため、定着ロ
ーラ内面と外面との間の熱抵抗を小さくでき、熱応答が
早くなる。従って、より高速な定着が可能となる。剥離
ニップ部材22dの材質としては、特に限定されないが
変形しにくいものが好ましく、PPS、ポリイミド、ポ
リエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、もし
くは鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属が使用でき
る。剥離ニップ部材22dの形状としては、ニップ部に
おける外面形状が一定の曲率半径を有する凸曲面状とす
ることが好ましく、該曲率半径の好ましい範囲として
は、定着ローラ20の半径や耐熱性弾性体層20bの厚
み、硬度等にもよるが、大略2〜5mm程度である。
【0063】(定着装置の第3の実施の形態)図3は、
本発明の定着装置の第3の実施の形態を示す側断面図で
ある。図3における定着ローラ30、エンドレスベルト
31の構成は、第1および第2の実施の形態の定着装置
と同様である。しかし、本実施形態では、圧力部材の構
成およびエンドレスベルト31が圧力ローラ32、およ
び張架ローラ39a、39bの3本のローラにより張架
されている点で異なっている。この構成は、特開平5−
150679号に開示されている。
【0064】エンドレスベルト31は第1および第2の
実施の形態の定着装置と同様、所定の巻き付け角度で定
着ローラ30に巻き付けられ、ニップ部を形成してい
る。しかし、該ニップ部の出口において圧力ローラ32
が定着ローラ30の押圧され、定着ローラ30の耐熱性
弾性体層30bに歪みを与えている。このような構成に
より、第2の実施の形態の定着装置と同様広いニップ部
を確保するとともに、ニップ部の出口付近において定着
ローラ30の歪みが局所的に大きくなるようにしてい
る。そしてその効果も第2の実施の形態の定着装置と同
様である。また、本実施形態においては、ニップ部の出
口付近における定着ローラ30の歪み量を比較的大きく
採ることができる(3%前後)。このように該歪み量を
大きく採ればセルフストリッピングが可能となり、第1
および第2の実施の形態の定着装置における剥離手段1
8、28は不要となる。
【0065】圧力ローラ32の押圧力としては、第1の
実施の形態の定着装置において好ましい範囲として記載
した歪み量の範囲となるように調整されるが、従来のロ
ール対方式の定着装置における圧力ローラ(図12およ
び図14参照)に比べ、圧力ローラ32を小径にできる
ため少ない押圧力および歪み量で十分な剥離力を得るこ
とができる。
【0066】B.画像形成装置 以上のような構成の定着装置は、従来公知の電子写真方
式の画像形成装置に用いることができる。即ち、静電潜
像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
該静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、得られ
たトナー像を記録シートに転写する転写手段と、転写さ
れた記録シート上のトナー像を定着する定着手段とを有
する画像形成装置において、定着手段として上記構成の
定着装置を用いることにより、高画質化、長寿命化、省
エネルギー化、高速化の全てを満足し得る画像形成装置
を提供することができる。なお、定着装置以外の構成
は、従来公知のいずれの構成であっても、本発明の目的
に反しない限り用いることができる。
【0067】C.本発明において使用するのに適したト
ナー 本発明において使用するのに適したトナー(以下、単に
「本発明に適したトナー」という。)について説明す
る。本発明に適したトナーは、少なくとも着色剤と、結
着樹脂と、0.1重量%乃至40重量%のワックスとか
らなるものである。トナーにワックスを含有させること
により、ワックスが離型剤として作用し、加熱定着ロー
ラ表面に離型オイルを用いない本発明の定着装置に適用
した場合においても、より広い定着ラチチュードを得る
ことができる。また、本発明の定着装置は、既述の如く
ニップ部の幅を広く採ることができるため、ワックスを
含有したトナーによるトナー像を定着する場合、ワック
スが十分に滲みだし、良好な離型性を確保することがで
きる。このため、定着装置にオイルを供給する必要がな
い小型で安価なフルカラー複写機やプリンターを設計す
ることができる。
【0068】なお、ここで定着ラチチュードとは、定着
ローラの温度を変化させたときに、未定着トナー像が記
録シートに定着し得る低温側の温度(最低定着温度)か
ら、トナー像が定着ローラから離型できなくなる高温側
の温度(オフセット発生温度)までの温度領域をいう。
【0069】トナー中のワックスの含有量としては、
0.1重量%程度とすることによりオフセット発生温度
は急激に高くなり、さらにワックスの含有量を増加する
とオフセット発生温度は緩やかに上昇する。一方、最低
定着温度は、ワックスの含有量の増加に伴い緩やかに上
昇する。そして、ワックスの含有量が40重量%を超え
ると極端に最低定着温度が高くなってしまう。よって、
ワックスの含有量は0.1〜40重量%、好ましくは1
〜10重量%の範囲にすることにより、広い定着ラチチ
ュードと、低い定着温度とが両立できる。
【0070】トナーにワックスを含有させた場合、記録
シートとしてトランスペアレンシーフィルム(OHPフ
ィルム)を用いた際の定着後の画像の透過性(以下、
「OHP透過性」という。)が若干落ちてしまうという
問題がある。このOHP透過性に関する問題は、トナー
中におけるワックスの分散単位に依存することが本発明
者らの研究により確認された。すなわちトナー内でのワ
ックスの分散単位をOHP透過性に影響が出にくい単位
まで微粒化すれば、ワックスの結晶化度の大きさにかか
わらずOHP透過性に関する問題は発生しなくなる。具
体的に含有するワックスの分散径(粒径)としては、数
平均で2μm以下とすることが好ましく、より好ましく
は1μm以下である。
【0071】ワックスの分散径は以下のようにして測定
することができる。トナーをエポキシ等の結着樹脂で固
化し、ミクロトームにて1000オングストローム程度
の厚さにスライスし、透過光顕微鏡で観察することで、
相分離したワックスの粒を見ることができる。本発明に
おいては、この粒の切片箇所による誤差を修正するため
に、10点を測定し大きい5点の平均をもって分散径と
した。
【0072】ワックスとしては、融点が110℃以下、
および/または融解の潜熱が230mJ/mg以下であ
るいわゆる低融点のワックスが、離型剤としてより効果
的に定着ローラとトナーとの界面で働き、これにより定
着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温
オフセットを防止することが可能である。即ち、後述の
トナーの結着樹脂よりも十分に低温度で融解するような
ワックスを用いることにより、ワックスが結着樹脂より
も先に有効にトナーから滲みだし、ニップ部の出口での
剥離時においてトナーと定着ローラの界面に介在し、効
果的に離型性能の向上に寄与する。融点が110℃を超
えると、あるいは融解の潜熱が230mJ/mgを超え
ると、離型性の効果が十分発揮されず好ましくない。な
お、融点が30℃以下であると、トナーの耐ブロッキン
グ性及び保存性が十分でなくなる場合があり、好ましく
ない。融点は、示差走査熱量計(DSC)による最大吸
熱ピークとした。
【0073】本発明において使用できるワックスとして
は、離型性を有するものであればとくに限定されるもの
ではなく、具体的には以下の材料を挙げることができ
る。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワック
ス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワック
ス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケラ
イト、セルシン等の鉱物系ワックス、および、パラフィ
ン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワッ
クスが挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、
フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワッ
クス等の合成炭化水素ワックス、12−ヒドロキシステ
アリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イ
ミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド、エステル、ケ
トン、エーテル等の合成ワックスも使用できる。さらに
低分子量の結晶性高分子樹脂としては、ポリn−ステア
リルメタクリレート、ポリn−ラウリルメタクリレート
等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体
(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタク
リレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有
する結晶性高分子が挙げられる。これらのなかでより好
ましいものとしては、パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス等の石油ワックスあるいは合成ワッ
クスである。
【0074】本発明に適するトナー中の結着樹脂として
は、特に制限されるものではなくトナー用の結着樹脂と
して一般に用いられる樹脂(ポリマー)が使用できる。
具体的には、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリ
ル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、エチレン
・酢酸ビニル樹脂等であるが、特に好ましいものとして
はポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂を結着樹
脂に用いると、その分子量が大きい場合でも表面平滑性
が高く、透明性に優れた画像を形成することができ、ま
た、材料自体安全上の問題がない。
【0075】本発明に適するトナー中の結着樹脂として
は、その少なくとも一部が、重量平均分子量2,000
〜50,000の線状ポリマーと、重量平均分子量2,
000〜50,000の非線状ポリマーとの混合物であ
ることが好ましい。トナー中の結着樹脂をこのような構
成とすることにより、線状ポリマーが記録シートへの良
好な定着性を、非線状ポリマーが加熱定着ローラからの
良好な剥離性を、それぞれ確保することができる。これ
らポリマーのGPCによる重量平均分子量としては、透
明性や、保存安定性等の観点より2,000〜50,0
00であることが好ましく、より好ましくは、8,00
0〜20,000である。なお、ここでいう「線状」と
は、架橋構造を有しないものを意味し、いわゆる分岐構
造であっても通常のトナーの結着樹脂として使用される
程度のものであれば、これを含む概念である。一方、
「非線状」とは、主に架橋構造を有するものを意味す
る。
【0076】具体的には、これら線状ポリマーおよび非
線状ポリマーがポリエステルである場合、直鎖状のジカ
ルボン酸および/または未官能性の側鎖を持つジカルボ
ン酸からなる構造を持つ構成モノマーに、三価以上の単
量体やその他架橋剤を構成モノマーにもつ三次元架橋を
行った非線状ポリエステルをブレンドすることにより得
られる。
【0077】好ましいポリエステル樹脂の重合単量体と
しては次のものを挙げることができる。アルコール成分
としては、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシ
プロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン
(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキ
シエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン等のジオール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングルコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、イソペンチルグリコール、ジプロ
ピレングリコール、イソペンチルグリコール、水添ビス
フェノールA、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、キシリレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセ
リン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ビス−(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレート、トリス−(β−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート、2,2,4−トリメチロールペ
ンタン−1,3−ジオール等がある。
【0078】一方、酸成分としての具体例としては、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチ
ルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタ
ル酸モノメチルエステル、テトラヒドロテレフタル酸、
メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
ジメチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサ
ヒドロフタル酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ジフェ
ノール酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシ
ン酸、シクロペンタンジカルボン酸、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,2,3,
4−ブタンテトラカルボン酸、2,2−ビス−(4−カ
ルボキシフェニル)プロパン、トリメリット酸無水物と
4,4−ジアミノフェニルメタンから得られるジイミド
カルボン酸、トリス−(β−カルボキシエチル)イソシ
アヌレート、イソシアヌレート環含有ポリイミドカルボ
ン酸、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネートまたはイソホロンジイソシアネートの三量化反
応物とトリメリット酸無水物から得られるイソシアネー
ト環含有ポリイミドカルボン酸等であり、これらの一種
または二種以上が使用される。
【0079】これらのなかで三価以上の多価カルボン
酸、多価アルコール等の架橋成分を用いると、定着強
度、耐オフセット性等の安定性の点で好ましい架橋ポリ
エステルを得ることができる。具体的には、無水トリメ
リット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等の
三価のカルボン酸、もしくはその誘導体、グリセロー
ル、トリメチロールプロパン等の三価のアルコール等が
挙げられる。またドデセニルこはく酸等の炭素数2〜3
0の側鎖を有するモノマーを併用すると後述の軟化点を
調整することができ好ましい。
【0080】一般に、架橋型の非線状ポリマーは、高温
度側のホットオフセット防止に優れておるが、架橋成分
として三価以上の単量体を用いて架橋密度を上げすぎる
とポリマーの弾性が大きくなるとともに、溶融速度が低
下するために定着面の平滑性、光沢性が損なわれる。し
かしながら線状ポリマーと非線状ポリマーとをブレンド
する際、それぞれの比率、樹脂のガラス転移点(Tg)
および軟化点を制御すれば問題無い。具体的には、線状
ポリマーと非線状ポリマーとの混合比(線状ポリマー:
非線状ポリマー、重量比)としては、40:60〜9
9:1の範囲が好ましく、さらに好ましくは60:40
〜90:10の範囲である。線状ポリマーの比率が40
%未満であると最低定着温度が上昇してしまい、さらに
発色性やOHP透過性が低下し、99%を超えると充分
な耐オフセット性を得にくい。
【0081】また、線状ポリマーのTgが40〜80℃
であることが好ましく、より好ましくは50℃〜70℃
である。Tgが40℃を下回るとトナー保存性が悪化し
てしまい、80℃を越えると最低定着温度が上昇した
り、トナー粒子の作製性も悪化する場合がある。さらに
線状ポリマーと非線状ポリマー両者のTgの差も光沢性
等のトナー特性に影響を及ぼすので、両者のTgの差を
20℃以下、望ましくは10℃以下にするのが最適であ
る。
【0082】さらに、線状ポリマーの軟化点が90〜1
20℃であることが好ましい。軟化点が90℃未満であ
るとトナーの保存安定性が悪く、高温高湿状態(例えば
45℃で80RH程度)の保存状態でトナーがブロッキ
ングしてしまう場合がある。軟化点が120℃を越える
とトナーの最低定着温度が上昇してしまい、また、発色
性やOHP透過性も劣り、くすんだ色になり、トナー粒
子の作製性も悪化する場合がある。さらに線状ポリマー
と非線状ポリマー両者の軟化点の差も光沢性に影響を及
ぼすので、両者の軟化点の差を20℃以下、望ましくは
10℃以下にするのが最適である。
【0083】なお、ここで言う軟化点とは、降下式フロ
ーテスター(島津製作所)を用い、1cm3 の試料を昇
温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーによ
り30kg/cm2 の荷重を与え、直径1mm長さ1m
mのノズルを押し出すようにし、これによりプランジャ
ー降下量−温度の関係曲線を描き、そのS字曲線の高さ
をhとするとき、h/2に対応する温度(樹脂の半分が
流出する温度)を言う。
【0084】本発明に適したトナーの結着樹脂として
は、既述の如く特にポリエステル樹脂と架橋ポリエステ
ル樹脂との混合物を用いることが好ましいが、更に他の
樹脂と組み合せても良い。他の樹脂としては、スチレン
樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコ
ーン樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹
脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミド樹脂、アミド
イミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン
・酢酸ビニル樹脂等がある。他の樹脂と組み合わせる場
合には、全結着樹脂中の上記線状ポリマーおよび非線状
ポリマーの割合は、30重量%以上とすることが好まし
く、50重量%以上とすることがより好ましい。
【0085】ガラス転移温度は40℃〜80℃に設定す
るのが好ましく、さらに好ましくは50℃〜70℃であ
る。さらに線状ポリエステルと非線状ポリエステルそれ
ぞれのガラス転移温度差もトナー特性に影響を及ぼすの
で、両者のガラス転移温度差を20℃以下、望ましくは
10℃以下にするのが最適である。ガラス転移温度が4
0℃を下回るとトナー保存性が悪化してしまう。一方、
ガラス転移温度が80℃を越えると最低定着温度が上昇
したり、トナー粒子の作製性も悪化する場合がある。
【0086】トナー中に分散させる着色剤としては、公
知の有機、もしくは、無機の顔料や染料、油溶性染料を
使用することができる。例えばC.I.ピグメントレッ
ド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.
I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエ
ロー17、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.
ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー
180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.
ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー
15:3、ランプブラック(C.I.No.7726
6)、ローズベンガル(C.I.No.45432)、
カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.5
0415B)、金属錯塩染料、金属錯塩染料の誘導体こ
れらの混合物等を挙げることができる。更にはシリカ、
酸化アルミニウム、マグネタイトや各種フェライト類、
酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウ
ム、酸化チタン、および酸化マグネシウム等の種々の金
属酸化物およびこれらの適宣の混合物等が挙げられる。
これらの着色剤は、充分な濃度の可視像が形成されるよ
うな割合で含有されることが必要であり、トナー粒径や
現像量に依存するが、一般にトナー100重量部に対し
て1〜100重量部程度の割合が適切である。
【0087】本発明に適するトナーは、公知の如何なる
方法によっても製造できる。例えば混練、粉砕方式、即
ち結着樹脂と着色剤、ワックス等を予備混合した後、混
練機にて溶融混練し、冷却後粉砕、分級を行い、外添剤
微粒子を添加混合する方法や、懸濁重合、乳化重合など
による重合トナーなどが用いられる。また、トナー中に
含有されるワックスの分散径の調整方法としては、予め
微粒子化したワックスをトナー中に分散させる方法が好
ましい。予めワックスを微粒子化する方法としては、具
体的には、ワックスを溶剤とともに加熱した後、冷却
し、微粒子化する方法が挙げられる。これを粉体として
取り出して上述の如くトナーの他の成分と混合したり、
あるいは、微粒子化されたワックスの分散液にトナーの
他の成分を溶解させて、トナーを製造することができ
る。トナーの粒子としては体積平均粒子径が3〜15μ
mの範囲のものが好ましく、より好ましくは5〜7μm
の範囲のものである。
【0088】上述のトナーはキャリアと混合して二成分
現像剤として用いられる。ここで使用できるキャリアと
しては、特に限定されるものではなく、鉄粉、フェライ
ト等の磁性体粒子、磁性体粒子を芯材として、その表面
をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチル系樹脂、ロジ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メチル系樹脂などの公
知の樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、被覆層
を形成させてなる被覆樹脂型キャリア粒子、或いは結着
樹脂中に磁性体微粒子を分散させてなる磁性体分散型キ
ャリア粒子等を挙げることができる。本発明において、
上述の如きキャリアとトナーとを混合割合としては、キ
ャリア:トナー=100:1〜100:20(重量比)
の範囲とすることが好ましく、より好ましくは100:
5〜100:15(重量比)である。
【0089】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、実施例中「部」とあるのは、特に断りのない限り
「重量部」を意味する。
【0090】[実施例1] <定着装置の諸元>本実施例(1−1)においては、図
2に示す定着装置を使用した。本定着装置の諸元は以下
の通りである。 コア20a:外径24.8mm、内径24mmの鉄(S
TKM11)製円筒体 耐熱性弾性体層20b:厚さ600μm、ゴム硬度40
°(JIS−A)のHTV(High Tempera
ture Vulcanization)シリコーンゴ
ム 離型層(耐熱性樹脂層)20c:厚さ20μmのPFA
(パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合樹脂)
チューブ ハロゲンランプ24の出力:800W 定着ローラ20の表面設定温度:150℃ エンドレスベルト21:ベース層として厚さ75μm、
周長94mmのポリイミドシームレスベルトに、離型層
としてPFAが10μmの厚さでコーティングされたも
の。
【0091】プレニップ部材22a:幅6mm、硬度2
0°(JIS−A)のシリコーンゴム、定着ローラ20
の外周面に倣う凹形(R26mm) 低摩擦層22b:テフロンを含浸させたガラス繊維シー
ト(中興化成製FGF−500−4) 剥離ニップ部材22d:PPS製、押圧部の曲率半径が
3mm ベルト走行ガイド13:PFA製 圧力パッド22の押圧力:総荷重30kg ニップ幅:6mm ニップ幅内での圧力分布:図4に示す通りの圧力分布で
あり、プレニップ部の圧力が約0.5kg/cm2 、剥
離ニップ部のピーク圧力が約7kg/cm2 定着ローラ20の歪み:約1% 剥離シート28a:幅300mm、厚さ75μmのポリ
イミド樹脂シートで、その上面と下面を厚さ10μmの
PFAフィルムで被覆 剥離シート28aのガイド28b先端からの突出量:5
mm 定着ローラ20の周速度:100mm/sec ニップ部のデュエルタイム:60msec
【0092】<定着装置の作動>後述の画像形成装置の
転写装置により記録シート26の上にトナー像27が転
写され、図2における右側からニップ部に向けてこの記
録シート26が搬送され、ニップ部に作用する圧力と、
ハロゲンランプ24で発生し定着ローラ20を通じて与
えられる熱により、トナー像27が記録シート26上に
定着する。ハロゲンランプ24に800Wの電力を投入
した際に、定着ローラ20を室温(20℃)から150
℃まで立ち上げるのに要する時間は約15秒であった。
一方、フルカラーの未定着トナー画像を形成するため
に、通常の4サイクルの装置では15〜18秒かかる。
よって、定着装置が室温の状態からでも、ほとんど待た
せることなく画像形成が開始でき、本実施例1−1の定
着装置は、インスタントスタート性に優れるものである
ことが確認された。
【0093】一方、比較対照として、富士ゼロックス社
製フルカラー複写機A Color620の定着装置を
取上げる。この定着装置は図14に示すようなロール対
方式であるため熱容量が大きい。定着ローラと圧力ロー
ラともにハロゲンランプを有しており、合計1100W
の電力を投入した際の立ち上がり時間は約3分30秒で
ある。図5は、本実施例1−1の定着装置とA Col
or 620の定着装置の立ち上がり時間を比較するグ
ラフであるが、インスタントスタート性の差は明白であ
った。
【0094】<用いたトナーの製造>本実施例1−1に
おいては、以下のトナーを用いた。 結着樹脂の調製 以下の手順でポリエステル樹脂A(線状ポリエステル)
およびポリエステル樹脂B(非線状ポリエステル)を調
製した。 a:ポリエステル樹脂A(線状ポリエステル)の調製 ・ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒド ロキシフェニル)プロパン 1050部 ・フマル酸 520部 ・ハイドロキノン(重合禁止剤) 1部 上記材料を、エステル化触媒(ジブチルスズオキサイ
ド)とともにガラス製3リットルの四つ口フラスコに入
れ、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサーおよび窒
素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で窒素気
流下、前半230℃常圧、後半200℃減圧にて攪拌し
つつ反応を進めた。得られた線状ポリエステルは、酸価
12.6KOHmg/g、水酸基価8.9KOHmg/
g、ガラス転移温度66℃、GPCによる重量平均分子
量20,000であった。
【0095】 b:ポリエステル樹脂B(非線状ポリエステル)の調製 ・ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒド ロキシフェニル)プロパン 460部 ・ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ キシフェニル)プロパン 425部 ・無水トリメリット酸 48部 ・ジメチルテレフタル酸 50部 ・ドデセニル無水琥珀酸 270部 ・ジブチルスズオキサイド 1部 上記材料を用いて、上記ポリエステル樹脂A(線状ポリ
エステル)の作製と同様にして反応を進めた。得られた
非線状ポリエステルは、酸価10.8KOHmg/g、
水酸基価28.4KOHmg/g、ガラス転移温度62
℃、GPCによる重量平均分子量95,000であっ
た。
【0096】以上のようにして得られたポリエステル樹
脂A(線状ポリエステル)およびポリエステル樹脂B
(非線状ポリエステル)の組成および物性の一覧を下記
表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】顔料分散液の調製 以下の手順で顔料分散液を調製した。 ・銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、 シアニンブルー4933M、大日精化社製) 98部 ・顔料分散剤(ソルスバース24000、ZENECA社製) 2部 ・酢酸エチル 100部 上記材料組成の分散液に、ガラスビーズを加え、サンド
ミル分散機に装着した。該分散機の分散容器の回りを冷
却しながら、高速攪拌モードで3時間分散し、その後酢
酸エチルで希釈し、顔料濃度10重量%の顔料分散液を
調製した。
【0099】微粒子化ワックスの分散液の調製 以下の手順で微粒子化ワックスの分散液を調製した。 ・パラフィンワックス(融点85℃、融解潜熱198mJ/mg) 15部 ・トルエン 85部 上記組成の材料を、攪拌羽根を装着し、かつ容器回りに
熱媒を循環させる機能を有する分散機に投入した。毎分
83回転で攪拌しながら、徐々に温度を上げていき、1
00℃まで上昇したところで3時間100℃に保持しつ
つ攪拌した。次に、攪拌を続けながら毎分約2℃の割合
で室温まで冷却し、微粒子化したワックスを析出させ
た。レーザ回折/散乱粒度分布測定装置LA−700
(堀場製作所製)を用いて、ワックスの平均粒径(分散
径)を測定したところ、約1.02μmであった。この
ワックスの分散液を高圧乳化機(APV GAULIN
HOMOGENIZER 15MR型)を用い、圧力
500kg/cm2 で再度分散を行った。前記同様にワ
ックスの平均粒径(分散径)を測定したところ、約0.
81μmであった。得られた微粒子化ワックスの分散液
は、ワックスの濃度が15重量%になるように酢酸エチ
ルで希釈して、後述のトナーの製造に用いた。
【0100】油相の調製 以下の手順でトナーの製造に供する油相を調製した。 ・上記ポリエステル樹脂A 70部 ・上記ポリエステル樹脂B 30部 ・上記顔料分散液(顔料濃度:10重量%) 50部 ・上記微粒子化ワックスの分散液(ワックス濃度:15重量%) 33部 ・酢酸エチル 32部 上記材料を混合し、ポリエステル樹脂が十分に溶解する
ことを確認した後、ホモミキサー(エースホモジナイザ
ー、日本精機社製)に投入し、毎分15,000回転で
2分間攪拌し、均一な油相を調製した。
【0101】水相Aの調製 以下の手順でトナーの製造に供する水相Aを調製した。 ・炭酸カルシウム(平均粒径:0.03μm) 60部 ・純水 40部 上記材料をボールミルで4日間攪拌して、水相Aを調製
した。前述のレーザ回折/散乱粒度分布測定装置LA−
700(堀場製作所製)を用いて、炭酸カルシウムの平
均粒径を測定したところ、約0.08μmであった。
【0102】水相Bの調製 以下の手順でトナーの製造に供する水相Bを調製した。 ・カルボキシメチルセルロース(セロゲンBSH、第一工業製薬製) 2部 ・純水 98部 上記材料を混合し、カルボキシメチルセルロースを溶解
させ、水相Bを調製した。
【0103】トナーの製造 上記の如く得られた油相、水相Aおよび水相Bを用い
て、以下のようにしてトナーを製造した。 ・上記油相 60部 ・上記水相A 10部 ・上記水相B 30部 上記材料をコロイドミル(日本精機社製)に投入し、ギ
ャップ間隔1.5mm、毎分8,000回転で20分間
乳化を行った。次に、得られた乳化物を、ロータリーエ
バポレータに投入し、室温で、かつ30mmHgの減圧
下で3時間脱溶媒を行った。その後、12N塩酸をpH
2になるまで加え、炭酸カルシウムをトナーの表面から
除去した。さらに10Nの水酸化ナトリウムをpH10
になるまで加え、超音波洗浄器の槽中、攪拌機で攪拌し
ながら1時間攪拌を継続した。次に、遠心沈降を行い、
その上澄みを3回交換して洗浄した後、乾燥してシアン
トナーを取り出した。コールターカウンターTA−II型
(コールター社製)を用いて測定したトナーの体積平均
粒径は7.8μm、粒度分布の指標であるGCD(体積
平均粒径である、d84/d16のルートを求めたもの)は
1.22、形状係数MLS2は107であった。
【0104】さらに、着色剤をC.I.ピグメントブル
ー15:3から、C.I.ピグメントイエロー180、
C.I.ピグメントレッド57、またはカーボンブラッ
ク(#4000三菱化成社製)にそれぞれ代えた以外
は、上記シアントナーと同様にしてイエロー、マゼンタ
およびブラックの各トナーを製造した。各トナーの物性
を下記表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】<用いた現像剤の製造>キャリアコアとし
て、F300(パウダーテック社製)を用い、これにメ
チルメタクリレートをキャリアコアに対して0.5重量
%の割合でニーダでコートしてキャリアを作製した。
【0107】以上のトナーおよびキャリアをトナー:キ
ャリア=8:100の割合(重量比)で混合して、本実
施例1−1に用いた。
【0108】<画像形成試験>上記の現像剤を用いて、
また、画像形成装置として、定着装置を前記のものに変
更したA Color 620改造機を用いて画像形成
試験を行った。画像形成試験は、0.65mg/cm2
のベタ画像を、記録シートとしてのA4用紙(富士ゼロ
ックス社製J紙)に複写することにより行った。画像形
成試験の結果、光沢ムラがない良好な複写物が得られ
た。記録シートの離型性も良好であった。また、待機時
間もほとんどなく、インスタントスタート性の高いもの
であった。
【0109】<定着ローラ離型層の材質の確認>比較例
1−1として、本実施例1−1の構成の定着装置の定着
ローラ20の離型層20cとしてフッ素樹脂の代わりに
フッ素ゴムを厚さ30μmの厚さでディップコートした
定着ローラを用い、それ以外は本実施例1−1の構成と
同じ構成の定着装置の画像形成装置を用意した。フッ素
ゴムローラには、離型剤としてA4用紙あたり約5mg
のアミノ変性シリコーンオイル(信越化学製:粘度30
0CS)を塗布した(本実施例(フッ素樹脂ローラ)の
場合には定着ローラに離型剤は供給していない。)。な
お、用いたトナーは本実施例1−1のトナーからワック
スを除いたものである。
【0110】本実施例1−1および上記比較例の各画像
形成装置について、コピー枚数の増加による定着ラチチ
ュードを調べた。結果を図6に示す。比較例1−1(フ
ッ素ゴムローラ)の場合には初期的には約60℃と広い
ラチチュードを有する。これは、フッ素ゴムそのものは
フッ素樹脂に比べて離型性は劣るが、フッ素ゴムには離
型剤を塗布しており、さらに、大きな歪み量(5%)の
効果が現れることに起因すると考えられる。しかしなが
ら、比較例1−1の画像形成装置は、コピー枚数の増加
とともに定着ラチチュードが狭くなった。これは、ゴム
そのものの摩耗や、オフセットトナーと紙粉のフッ素ゴ
ムへの固着等により離型性が劣化しことに起因するもの
と考えられる。比較例1−1の画像形成装置の定着ラチ
チュードは、コピー枚数5万枚定着後で約30℃まで、
さらに7万枚定着後で約10℃にまで低下した。
【0111】一方、本実施例1−1(フッ素樹脂ロー
ラ)の場合には、初期的には定着ラチチュードが約30
℃と上記比較例1−1に比べ狭めである。しかしなが
ら、フッ素樹脂の場合には離型性の劣化がほとんどない
ため、本実施例1−1では、10万枚定着後においても
定着ラチチュードの変化はほとんどみられない。本実施
例1−1および比較例1−1においては、定着ローラは
弾性体層が薄く温度低下が少ないため、定着ラチチュー
ドが20℃あれば実用上問題ない。よって、比較例1−
1の場合には約6万枚までしか定着動作ができないが、
本実施例1−1の場合には10万枚以上の定着動作が可
能となる。
【0112】定着ローラ20の離型層20cを上記フッ
素ゴムにし、トナー中のワックス含有量を0%および5
%、離型剤(オイル)塗布量を0mg(オイルレス)、
0.5mgおよび5mgに条件を振った各画像形成装置
(比較例1−1〜1−5)と上記本実施例1−1の画像
形成装置について、初期と5万枚定着後の定着ラチチュ
ードを調べた。また、上記本実施例1−1の画像形成装
置において、定着ローラ20の離型層にオイル0.5m
gを塗布したものについても同様に定着ラチチュードを
調べた(実施例1−1’)。図7にその結果を示す。
【0113】全般的に、フッ素ゴムローラを用いた比較
例の画像形成装置は、初期と5万枚定着後とで離型性の
低下が著しい。これに対して、フッ素樹脂ローラを用い
た本実施例1−1および1−1’は、初期と5万枚定着
後とで離型性の劣化がほとんどみられず、信頼性が高い
ことがわかる。
【0114】<離型層の厚さと画質に関する確認>上述
のように、定着ローラ20の離型層20cに厚さ20μ
mのPFAチューブを用いることにより、オイルレスに
おいても十分なトナーの離型性能が得られることが分か
った。次にそのPFAチューブの膜厚によって、画質が
どのように影響を受けるかに就いて確認した。上記本実
施例1−1の離型層20cのPFAのチューブ厚を変え
て、定着後のトナーの画質を調べた(実施例1−1〜1
−5、比較例1−6〜1−7)。評価は、トナー量0.
65mg/cm2 のベタ画像を画出しし、微妙なグロス
(光沢)の変化を官能評価することにより行った。その
結果を表3に示す。なお、評価基準は以下の通りであ
り、個人差による評価ムラをなくすため、10人の評価
により決した。 ◎:ほぼ均一(A color 620の画質相当)。 ○:A color 620の画質より劣るが、許容範
囲内。 ×:光沢ムラ大(白黒複写機並み)。
【0115】
【表3】
【0116】一般にハードローラを用いた場合には光沢
ムラが顕著に現れるが、フッ素樹脂層の場合にも、膜厚
が40μm以上になると光沢ムラが発生する。フッ素樹
脂層の厚さが30μm以下の場合に優れた画質が得ら
れ、20μm以下の厚さで特に優れた画質が得られた。
【0117】<定着ローラの歪み量と定着ラチチュード
に関する確認>上記本実施例1−1の総荷重を変えるこ
とにより定着ローラ20の歪み量を変えて、定着ラチチ
ュードを測定した(実施例1−6)。その結果を図8に
示す。「○のプロットに実線」は本実施例1−6の画像
形成装置の場合であり、特に歪み量1%のプロットは前
記実施例1−1の場合である。なお、比較対照として、
従来のロール対方式の画像形成装置(A Color
620)のグラフを「△のプロットに破線」で示した。
ともに歪み量を大きくすれば定着ラチチュードが広がる
ことが分かる。本実施例1−6と従来のロール対方式を
比較した場合、同じ歪み量では本実施例1−6の方が広
い定着ラチチュードが得られることが分かる。逆に、同
じ定着ラチチュードを得るためには、本実施例1−6の
方が小さな歪み量で十分であることがわかる。
【0118】以下、この理由について考察する。離型効
果に寄与する歪みは、ニップ部の出口付近における定着
ローラの歪みであると考えられる。つまり、トナー像が
定着された記録シートがニップ部から排出される際に、
定着ローラの歪み(つまり変形)が元に戻ろうとして、
定着されたトナー像の表面と定着ローラ表面との界面に
微視的なスリップが生じ、トナー像と定着ローラとの間
の付着力が低減されると考えられる。従って、歪みが大
きいほど回復する際の変形速度が早くなり、スリップも
起こりやすく、離型性も向上すると推察される。
【0119】図4に上記従来のロール対方式の定着装置
と本実施例1−6の定着装置の、ニップ領域における歪
み量の推移を示す。従来のロール対方式の定着装置で
は、ニップ幅を確保するためにニップ全域にわたって定
着ローラを変形させている。つまり離型に関与しない領
域においても大きな歪みを生じさせている。これに対し
て、本実施例の定着装置ではニップ幅を確保するため
に、フレキシブルなベルトを用いてニップ部を形成し、
ニップ部の出口付近の離型性に関与する領域においての
み定着ローラにある程度大きな歪みを与えているので、
全体として小さな歪み量で高い離型性が得られることに
なると結論づけることができる。本実施例1−6の場合
には、歪み量が0.1%で離型効果が現れ、0.3%で
は優れた離型性が得られ、定着ラチチュードが広いもの
となる。従って、歪み量は0.1%以上好ましく、より
好ましくは0.3%以上であることが確認された。
【0120】<離型層の膜厚と歪み量、シワとの関係>
まず、定着ローラ20の離型層20cの膜厚と歪み量と
の関係について確認した。実施例1−1の画像形成装置
における定着装置の圧力パッド22に与える押圧力を総
荷重50kg(実施例1−7)、30kg(実施例1−
8)および20kg(実施例1−9)とし、さらに離型
層20cの膜厚を5μm〜40μmの範囲で適宜条件を
振ってそのときの定着ローラ20の歪み量を測定した。
その結果を図9に示す。なお、上記実施例1−7のう
ち、離型層20cの膜厚20μmのプロットは実施例1
−1のものである。
【0121】押圧力の総荷重が増えれば歪み量が大きく
なり、総荷重が一定の場合には、離型層20cの膜厚が
薄くなるほど歪みが起こりやすくなることが図9から読
み取れる。しかしながら、離型層20cの膜厚が薄くな
り、定着ローラ20の歪み量が大きくなると、定着ロー
ラ20の信頼性が低くなる。とくに薄い離型層20c
(フッ素樹脂層)が歪みによって伸ばされることにより
塑性変形し、該フッ素樹脂層にシワが生じてしまう。実
施例1−1の画像形成装置における定着装置の離型層2
0cの膜厚(3μm〜50μm)と定着ローラ20の歪
み量(0.5%〜7%)との条件を適宜振って、離型層
20cのシワの発生の有無を調べた(実施例1−1
0)。その結果を表4に示す。
【0122】
【表4】
【0123】表4に示す通り、定着ローラ20の歪み量
0.5%では、離型層20cの膜厚が5μmであっても
シワが発生しない。しかし、定着ローラ20の歪み量を
5%以上にすると離型層20cの膜厚が50μmであっ
てもシワが発生してしまう。この結果より、歪み量は4
%以下でなければならないことがわかる。上記実施例1
−6で確認した通り、歪み量は0.1%あれば離型効果
が現れることより、歪み量の好ましい範囲としては0.
1〜4%であることが確認された。このように、定着ロ
ールの離型層としてフッ素樹脂を用いた場合には、大き
な歪み量を与えることができないため、離型性のために
大きな歪み量を必要とする従来のロール対方式の定着装
置では、シワの発生を抑えつつ十分な離型性を得ること
ができない。従って、フッ素樹脂を離型層として用いる
場合には、本実施例のように、ニップ出口付近で局所的
に歪みを与える構成が特に有効であると言える。
【0124】<トナーのワックス含有量と定着ラチチュ
ードとの関係>次に、トナーのワックス含有量と定着ラ
チチュードとの関係について確認した。実施例1−1の
画像形成装置に用いたトナーへのワックスの含有量を0
〜50%の間で適宜条件を振って、定着ラチチュードを
測定した(実施例1−11)。その結果を図10に示
す。ここで、「○のプロットに実線」がオフセット発生
温度、「△のプロットに破線」が最低定着温度であり、
この差が定着ラチチュードである。なお、本実施例1−
11におけるワックス量5%のプロットが実施例1−1
の結果である。
【0125】図10により、以下のことがわかる。0.
1重量%のワックスを加えることによりオフセット発生
温度は急激に高くなり、さらにワックスを加えるとオフ
セット発生温度は緩やかに上昇する。一方、最低定着温
度の方は、ワックス量増加に伴い緩やかに上昇する。そ
して、ワックス量が40重量%を超えると極端に最低定
着温度が高くなってしまう。よって、ワックス量0.1
重量%以上40重量%以下にすることにより広い定着ラ
チチュードが得られることが確認された。
【0126】<ワックスの分散径とOHP透過性との関
係>トナーにワックスを含有させた場合の、ワックスの
分散径とOHP透過性(PE値)との関係について確認
した。上記実施例1−1の画像形成装置に用いたトナー
中のワックスの分散径を0.1〜4μmの間で条件を振
って、記録シートとしてトランスペアレンシーフィルム
を用い、トナーのベタ画像(厚さ6.5μm、0.65
mg/cm2 )を得た。得られた画像のOHP透過率を
測定した(実施例1−12)。光の入射角はトランスペ
アレンシーフィルムに対して垂直とした。なお、PE値
は以下の計算式により求めることができる。 PE=log(Ts+Td)/logTs (上記式中、Tsは正透過率を表し、Tdは拡散透過率
を表す。)
【0127】結果を図11に示す。図11に示すよう
に、トナー中のワックスの平均分散径が2μm以下、よ
り好ましくは1μm以下にすればよいことがわかる。
【0128】[実施例2] <定着装置の諸元>本実施例(2−1)においては、実
施例1の画像形成装置の定着装置(図2)を図1に示す
定着装置に代えたものとした。定着ローラ10およびエ
ンドレスベルト11は、実施例1の定着ローラ20およ
びエンドレスベルト21とそれぞれ同じ構成であり、圧
力パッド12の構成が実施例1の圧力パッド22と異な
っている。以下、実施例1の画像形成装置と異なった部
分の諸元のみについて記す。 弾性体部材12a:幅8mm、硬度50°(JIS−
A)のシリコーンゴム、定着ローラ10の外周面に倣う
凹形(R26mm) 圧力パッド12の押圧力:総荷重30kg ニップ幅:4mm ニップ幅内での圧力分布:図4に示す通りの圧力分布で
あり、実施例と同じ約1%の歪み量を与えているが、ニ
ップ出口部の歪み量は実施例1−1よりも少なく、従来
のロール対型定着装置と同程度 定着ローラ10の歪み:約1% 定着ローラ20の周速度:70mm/sec ニップ部のデュエルタイム:57msec 定着ローラ20の表面設定温度:150℃
【0129】その他、本実施例で用いるトナー、および
剥離フィルムは、実施例1−1と同様のものを用いた。
画像形成試験は、実施例1−1と同様に行った。画像形
成試験の結果、光沢ムラがない良好な複写物が得られ
た。記録シートの離型性も良好であった。また、待機時
間もほとんどなく、インスタントスタート性の高いもの
であった。
【0130】<定着ローラの歪み量と定着ラチチュード
に関する確認>上記実施例2−1の画像形成装置におけ
る定着装置のニップ内の圧力分布は、既述の如く図4に
示す通りであり、全体として実施例1−1と同じ約1%
の歪み量を与えているが、ニップ出口部の歪み量は実施
例1−1よりも小さく、従来のロール対型定着装置(A
Color 620)と同程度である。
【0131】本実施例2−1の総荷重を変えることによ
り定着ローラの歪み量を変えて、定着ラチチュードを測
定した(実施例2−2)。その結果を図8に示す。「□
のプロットに一点鎖線」は本実施例2−2の画像形成装
置の場合であり、特に歪み量1%のプロットは前記実施
例2−1の場合である。
【0132】図8に示すように、実施例1−1と同じ1
%の歪み量でも、実施例1−1では1%の歪み量で30
℃の定着ラチチュードがあるのに対し、実施例2−2
(2−1)では20℃と狭くなっている。しかし、前記
従来のロール対方式の画像形成装置(A Color
620)と比較すると、実施例2では比較的小さな歪み
量で、該従来例と同等以上の定着ラチチュードが得られ
ることがわかる。しかし、このように定着ラチチュード
が実施例1−1よりも狭くなるので、実施例1−1に比
べて、定着ローラ10の温度をやや高い精度でコントロ
ールする必要が生ずる。なお、定着ローラ10は薄肉で
熱伝導率が高いため、ドループやオーバーシュートは少
ない。
【0133】[実施例3] <定着装置の諸元>本実施例においては、実施例1の画
像形成装置の定着装置(図2)を図3に示す定着装置に
代えたものとした。本定着装置の諸元は以下の通りであ
る。 コア30a:外径48mm、内径43mmのアルミニウ
ム製円筒体 耐熱性弾性体層30b:厚さ1mm、ゴム硬度50°
(JIS−A)のHTVシリコーンゴム 離型層(耐熱性樹脂層)30c:厚さ30μmのエッチ
ング処理により内面がプライマー処理されたPFAチュ
ーブ ハロゲンランプ34の出力:650W 定着ローラ30の表面設定温度:150℃
【0134】エンドレスベルト31:ベース層として厚
さ75μm、周長188mmの熱硬化性ポリイミド基材
上に、離型層としてPFAが10μmの厚さでコーティ
ングされたもの。 エンドレスベルト31の張力:10kg エンドレスベルト31の定着ローラ10への巻付角度:
45° ニップ幅:約20mm 圧力ロール32:直径23mmのステンレス製ロール 圧力ロール32の押圧力:40kg 定着ローラ30の歪み:約3% 定着ローラ30の周速度300mm/sec ニップ部のデュエルタイム:66msec
【0135】また、トナーは、実施例1−1と同様のワ
ックス内包トナーを用いる。画像形成試験は、実施例1
−1と同様に行った。画像形成試験の結果、光沢ムラが
ない良好な複写物が得られた。記録シートの離型性も良
好であった。また、待機時間もほとんどなく、インスタ
ントスタート性の高いものであった。本実施例3では、
約3%と比較的大きな歪みを与えており、セルフストリ
ッピングが可能であり、前記実施例1および2のような
剥離シートなしに十分な離型性が確保できた。
【0136】
【発明の効果】以上のように、従来のフルカラー定着装
置において多量に消費されていた離型剤(オイル)を大
幅に低減するか、あるいは全く使用しない状態でもトナ
ー剥離性に優れ、しかも高画質が得られる。特に定着ロ
ーラの離型層に劣化のほとんどないフッ素樹脂を使用し
た場合、長期的に安定して提供する定着装置が具現化さ
れる。また、オイルを全く使用しない場合には、オイル
補給のメンテナンスも不要となる。さらに薄肉の弾性層
が使用でき、かつ、定着ローラの小径化および薄肉化が
図れるため、立ち上がり時間が短くインスタントスター
ト性も高い、省エネルギーの観点からも優れたものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置の第1の実施の形態を示す側
断面図である。
【図2】本発明の定着装置の第2の実施の形態を示す側
断面図である。
【図3】本発明の定着装置の第3の実施の形態を示す側
断面図である。
【図4】実施例および比較例の定着装置のニップ部の圧
力分布を示すグラフである。
【図5】実施例の定着装置とA Color 620の
定着装置の立ち上がり時間を比較するグラフである。
【図6】実施例および比較例の画像形成装置のコピー枚
数の増加による定着ラチチュードを示すグラフである。
【図7】実施例および比較例の画像形成装置において、
トナー中のワックス含有量、離型剤(オイル)塗布量の
条件を振った各画像形成装置について、初期と5万枚定
着後の定着ラチチュードを示すグラフである。
【図8】実施例および比較例の画像形成装置において、
定着ローラの歪み量と定着ラチチュードとの関係を示す
グラフである。
【図9】実施例の画像形成装置において、定着ローラの
離型層の膜厚と歪み量との関係を示すグラフである。
【図10】実施例の画像形成装置において、トナーのワ
ックス含有量と定着ラチチュードとの関係を示すグラフ
である。
【図11】実施例の画像形成装置において、ワックスの
分散径とOHP透過性との関係を示すグラフである。
【図12】従来の加熱定着法による定着装置の一例を示
す側断面図である。
【図13】定着時における定着ローラ、記録シートおよ
びトナー像の状態を模式的に示す拡大断面図である。
【図14】従来の加熱定着法による定着装置の一例を示
す側断面図である。
【符号の説明】
10、20、30:定着ローラ 11、21、31:エンドレスベルト 12、22:圧力パッド(圧力部材) 32:圧力ロール(圧力部材) 13、23:ベルト走行ガイド 14、24、34:ハロゲンランプ 15、25、35:温度センサ 16、26:記録シート 17、27:トナー像 18、28:剥離手段 39:張架ローラ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 9/08 365 (72)発明者 上原 康博 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい 富士ゼロックス株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成さ
    れ、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆された加熱定
    着ローラと、エンドレスベルトと、該エンドレスベルト
    内側に配置された圧力部材と、を具備した定着装置であ
    って、前記エンドレスベルトを前記加熱定着ローラに所
    定角度巻き付けて、該エンドレスベルトと該加熱定着ロ
    ーラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形
    成し、該ニップ部において、前記圧力部材を前記エンド
    レスベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることに
    より、前記加熱定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生
    じさせることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 耐熱性樹脂層がフッ素樹脂よりなること
    を特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 圧力部材が圧力パッドであり、該圧力パ
    ッドをエンドレスベルトを介して加熱定着ローラに押圧
    させることにより、加熱定着ローラの弾性体層に歪みを
    生じさせることを特徴とする請求項1または2に記載の
    定着装置。
  4. 【請求項4】 圧力パッドが加熱定着ローラを押圧する
    ニップ圧力が、ニップ部の出口付近において局所的に大
    きくなっていることを特徴とする請求項3に記載の定着
    装置。
  5. 【請求項5】 エンドレスベルトが、複数の支持ローラ
    に張架された状態で加熱定着ローラに所定角度巻き付け
    られており、前記支持ローラのうち少なくとも1つを圧
    力ローラとして、ニップ部の出口付近で前記エンドレス
    ベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることを特徴
    とする請求項1または2に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 ニップ部における加熱定着ローラの歪み
    量が、0.1%乃至4%であることを特徴とする請求項
    1ないし5に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 加熱定着ローラの耐熱性樹脂層の厚さ
    が、5μm乃至30μmであることを特徴とする請求項
    1ないし6に記載の定着装置。
  8. 【請求項8】 加熱定着ローラの軸方向の長さと略同長
    の接触幅を有する剥離シートを備え、該剥離シートが、
    前記加熱定着ローラの回転方向におけるニップ部の下流
    に位置し、前記加熱定着ローラの回転方向と対向する向
    きに、かつ、先端部および/または先端部近傍が前記加
    熱定着ローラ外周面に接触する状態で配置されているこ
    とを特徴とする請求項1ないし7に記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 剥離シートが、基材として耐熱性プラス
    チックシートまたは金属薄板を使用し、該基材の両面お
    よび先端部がフッ素樹脂で被覆されたものであることを
    特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 【請求項10】 静電潜像担持体上に静電潜像を形成す
    る静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーにより現像
    する現像手段と、得られたトナー像を記録シートに転写
    する転写手段と、転写された記録シート上のトナー像を
    定着する定着手段とを有する画像形成装置において、定
    着手段が請求項1ないし9に記載の定着装置であること
    を特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 トナーが、少なくとも着色剤と、結着
    樹脂と、0.1重量%乃至40重量%のワックスとから
    なることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 ワックスの分散径が数平均で2μm以
    下であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成
    装置。
  13. 【請求項13】 ワックスの融点が110℃以下である
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の画像形
    成装置。
  14. 【請求項14】 ワックスの融解の潜熱が230mJ/
    mg以下であることを特徴とする請求項11または12
    に記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 トナー中の結着樹脂の少なくとも一部
    が、重量平均分子量2,000〜50,000の線状ポ
    リマーと、重量平均分子量2,000〜50,000の
    非線状ポリマーとの混合物であって、その混合比率(線
    状ポリマー:非線状ポリマー、重量比)が40:60〜
    99:1であることを特徴とする請求項10ないし14
    に記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 結着樹脂中の線状ポリマーのガラス転
    移点が40〜80℃であり、かつ、結着樹脂中の非線状
    ポリマーのガラス転移点との差が20℃以下であること
    を特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 結着樹脂中の線状ポリマーの軟化点が
    90〜120℃であり、かつ、非線状ポリマーの軟化点
    との差が20℃以下であることを特徴とする請求項15
    に記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 線状ポリマーおよび非線状ポリマー
    が、ポリエステルであることを特徴とする請求項15な
    いし17に記載の画像形成装置。
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