JP3358439B2 - 電子写真用トナー、電子写真用トナーの製造方法、電子写真用現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
電子写真用トナー、電子写真用トナーの製造方法、電子写真用現像剤及び画像形成方法Info
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Description
ー、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した機
器、特にカラー複写機に使用される電子写真用トナー
(以下、単に「トナー」と称することがある)、電子写
真用トナーの製造方法、電子写真用現像剤(以下、単に
「現像剤」と称することがある)及び画像形成方法に関
する。
−23910号公報等に記載された方法をはじめ従来か
ら多数知られている。電子写真プロセスにおいては、光
導電性物質を利用した感光体上に種々の手段により電気
的に潜像を形成し、この潜像をトナーを用いて現像し、
感光体上のトナー潜像を中間転写体を介して又は介さず
に、紙等の被転写体にトナー画像を転写した後、この転
写画像を加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等によ
り定着する、という複数の工程を経て、定着画像が形成
される。感光体上に残ったトナーは必要により種々の方
法でクリーニングされ、前記複数の工程が繰り返され
る。近年、このような電子写真プロセスにおいては、利
用する装置の小型化、軽量化そして高速化、高信頼性が
厳しく要求されてきており、特にカラー複写機の場合、
形成される画像が高画質で高発色であることが要求され
る。高画質で高発色の画像を得るためには、透光性、光
沢等の観点から、トナーが十分に融解し定着後における
画像の表面が平滑でなくてはならない。このため、電子
写真プロセスにおける定着工程が特に重要となり、種々
の定着方法や定着装置が開発されてきている。
定着方法と接触型定着方法とが挙げられる。前記非接触
型定着方法は、溶剤蒸気や熱等でトナーを被転写体に定
着する方法であり、後述のオフセット等の問題がないと
いう利点がある。しかし、溶剤蒸気を使用する場合には
環境安全性に問題があり、熱を使用する場合には熱伝導
が悪いため高速化に適さない等の問題がある。前記接触
型定着方法には、圧力のみを使用する方法、熱及び圧力
を使用する方法(以下「加熱圧着方法」という)等があ
る。前者の場合、トナーが十分に変形せず画像表面が平
滑にならなかったり、被転写体への定着が十分でない等
の問題があり、ほとんど実用化されていない。一方、後
者の加熱圧着方法の場合、前者のような問題がないの
で、現在、最も一般的に用いられている。前記加熱圧着
方法の場合、定着部材の表面と被転写体上のトナー像と
が加圧下で接触するため、熱効率が極めて良好であり迅
速に定着を行うことができ、特に高速電子写真複写機に
おいて非常に有効である。ところが、前記加熱圧着方法
の場合、定着部材の表面とトナー画像とが加熱溶融状態
で加圧接触するため、トナー像の一部が前記定着部材の
表面に付着したまま転移してしまうオフセットや巻き付
き現象が発生することがある。特に、カラートナーのよ
うに複数色のトナーを溶融混色させる場合には、定着後
における画像の平滑性を上げるため、トナーに十分な熱
と圧力とを加える必要がある。従来のカラートナーはシ
ャープメルト性トナーといわれ、分子量が低く、融解し
易くなっているので、このような従来のトナーの複数色
を溶融混色させる場合には、必然的にオフセットや巻き
付き現象が生じ易くなる。したがって、前記加熱圧着方
法においては、これらを防止することが最も重要な課題
となっている。
ーを付着させないための簡便な方法として、定着部材表
面にオフセット防止用液体としてシリコーンオイル等の
オイル等を被覆することが行われている。しかし、前記
オイル等を使用した場合には、定着後の被転写体及び画
像に前記オイル等が付着してしまう問題、前記オイル等
を貯蔵するためのタンクが必要になるため定着装置の小
型化、低コスト化を制約してしまう等の問題があった。
従来における一般的な被転写体への前記オイル等の塗布
量は、8.0×10-2mg/cm2 と多量である。これ
はA4紙10万枚のコピーで5kgもの前記オイル等を
使っていることになる。
ら、オフセットを防止しつつ定着部材への前記オイル等
の塗布量を減らす方法が提案されている。トナー自身に
良好な定着性と耐オフセット性を持たせようとする方法
として、例えば、トナーに利用されるバインダー樹脂の
分子量分布について2つのピーク、つまり高分子量域と
低分子量域にそれぞれ分子量分布のピークを有する樹脂
を用いる方法a(特開昭56−158340号公報
等)、バインダー樹脂中にワックス等の離型剤を添加す
る方法b(特公昭52−3304号公報、特開平4−3
62953号公報等)、バインダー樹脂に結晶性樹脂を
用いる方法c(特公昭57−36586号公報等)など
が知られている。しかしながら、前記方法aの場合、オ
フセットを十分に防止することができないだけでなく、
バインダー樹脂に含まれる高分子量成分が十分に融解し
ないため、画像表面の良好な平滑性が得られず、発色性
が悪くなりカラー画像形成には適さない。前記方法bの
場合、ワックスを添加すると、帯電性、トナー粉体流動
性、光透過性などが悪化する傾向にあり、これら特性に
影響を与えない添加量では、十分な離型性が得られず、
オイル等の離型剤の使用が不可欠となる。前記方法cの
場合、熱ローラへのトナーの付着が起こり、カラー画像
に好適な画像表面の平滑性が得られず、また、結晶によ
る光の散乱のために非晶性樹脂に比べて発色性が悪くな
ってしまう。特開昭3−152556号公報には、分子
量1万以下の成分を5〜50重量%含むスチレン−アク
リル樹脂を結着樹脂に用いたトナーが開示されている。
しかし、このトナーの場合、前記方法aに前述した高分
子成分を含有させる方法により耐オフセット性を補って
いるので、カラー画像に好適な画像表面の平滑性が得ら
れない。
ては、例えば、加熱ローラの弾性層の歪みを利用する方
法d(特開平1−312574号公報、特開平2−15
6281号公報、特開平2−156283号公報等)、
加熱ローラの曲率を大きくする方式e(特開昭60−2
07170号公報等)、加熱ローラに剥離用の爪を接触
させて被転写体を剥離する方法f、定着部材にベルトを
用いる方法g(特開昭59−68766号公報等)など
が知られている。これらの中でも、前記方法dは、弾性
層の歪みを利用してトナーを剥離させる点で有効であ
る。しかし、離型性が不十分な従来のカラートナーで
は、この方法dでも定着部材へ多量のオイル等を塗布し
なければならず、さらに、厚い弾性層で生ずる大きな歪
みを利用しなければオフセットや巻き付きを防止するこ
とができなかった。このため、熱容量が大きくなってし
まい、定着部材を加熱するまで長い時間を要し、電源を
入れた直後に定着を行うことができなかった。
で達成されているオイルレス適性やインスタントスター
ト性(電源を入れた直後に定着を行うことができる性
能)を、より高画質が求められるカラー複写機で達成す
ることは、従来技術では困難であり、新たに離型性に優
れ、高画質なカラー画像を得ることができるトナーが必
要になっているのが現状である。
おける問題を解決し、(1)離型剤の使用を無くすか又
は少なくでき、定着後の被転写体及び画像へのオイルの
付着の低減や、定着装置の小型化、低コスト化を図るこ
とができ、(2)耐オフセット性が良好であり、(3)
定着後における画像表面の平滑性が高く高画質・高発色
である、電子写真用トナー、電子写真用トナーの製造方
法、電子写真用現像剤、及び画像形成方法を提供するこ
とを目的とする。
者らによる以下の知見に基づくものである。即ち、電子
写真プロセスにおいてカラー画像を形成する場合、定着
後における画像表面の平滑性が低いと、画像表面の微小
な凹凸により光が散乱されるため、色鮮やかな画像を得
ることができない。鮮明なカラー画像を得るには、定着
後における画像表面の平滑性を高くする必要があるが、
そのためには、定着工程中の結着樹脂が、融解時の粘弾
性でいうところの流動状態又はそれに近い状態にあるこ
とが必要であり、定着工程における結着樹脂が流動状態
又はそれに近い状態にない場合には、結着樹脂が十分に
変形しないか、十分に変形してもその弾性のためにトナ
ー粒子形状への回復が起こり、定着後における画像表面
の平滑性が高くならない。したがって、電子写真用トナ
ーを定着させる工程における、電子写真用トナーの結着
樹脂の動的粘弾性は極めて重要である。色鮮やかな画像
を得るには、結着樹脂の融解時における流動性が、動的
粘弾性に関して、結着樹脂が融解したときの流れ易さ
(粘性)を表す物性値である損失弾性率(以下「G”」
と略記する)が特定の範囲にあることが必要であり、さ
らに結着樹脂の分子量分布が特定の範囲にあることが必
要である、という知見である。また、このような結着樹
脂としては、従来から多用されているスチレン−アクリ
ル系樹脂ではなく、ポリエステル樹脂が好ましい。スチ
レン−アクリル系樹脂の場合、後述する本発明における
特定の粘弾性特性及び低分子量成分の含有量の条件を満
たしていても、十分な離型性が得られない。結着樹脂の
主鎖中にエステル結合が存在することが、定着部材に対
する接着性や、剥離変形に対する容易性に対して有効に
作用しているのではないか、という知見である。
真用トナー、電子写真用トナーの製造方法、電子写真用
現像剤、及び画像形成方法は以下の通りである。本発明
の電子写真用トナーは、結着樹脂及び着色剤を少なくと
も含んでなり、前記結着樹脂が、分子量10,000以
下の成分の含有量が45重量%以下であり、かつ動的粘
弾性が、G”(100rad/sec)/1000≧3
0を満たすポリエステル樹脂(ここで、前記G”(10
0rad/sec)は、G”(1rad/sec)が1
×103 Paになる温度での周波数100rad/se
cにおける動的粘弾性の値を表す。)を含有することを
特徴とする。前記電子写真用トナーにおいては、前記
G”(1rad/sec)が1×103 Paになる温度
が180℃以下であるのが好ましい。
結着樹脂及び着色剤を少なくとも含むトナー組成物を揮
発性溶剤に分散・溶解させて分散溶液を調製する工程、
前記分散溶液を水系媒体中に分散させる工程、及び前記
水系媒体中から前記揮発性溶媒を除去する工程を含み、
前記結着樹脂が、分子量10,000以下の成分の含有
量が45重量%以下であり、かつ動的粘弾性が、G”
(100rad/sec)/1000≧30を満たすポ
リエステル樹脂(ここで、前記G”(100rad/s
ec)は、G”(1rad/sec)が1×103 Pa
になる温度での周波数100rad/secにおける動
的粘弾性の値を表す。)を含有することを特徴とする。
前記電子写真用トナーの製造方法においては、前記トナ
ー組成物が、前記トナー組成物を融解混練してなる着色
樹脂組成物であるのが好ましい。
の電子写真用トナーと、キャリアとを含有することを特
徴とする。前記電子写真用現像剤においては、前記キャ
リアが樹脂被覆キャリアであるのが好ましい。
像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用い
て現像する工程、現像されたトナー像を転写体上に転写
する工程、及び転写体上のトナー像を加熱圧着する定着
工程を含み、前記電子写真用現像剤が前記本発明の電子
写真用現像剤であることを特徴とする。前記画像形成方
法においては、前記加熱圧着が、トナー像と接する側の
定着部材に、画像支持体上への塗布量が8.0×10-3
mg/cm2 以下となるように離型剤を供給しながら行
う加熱圧着であるのが好ましく、また、前記定着部材
が、厚みが0.01〜2.0mmである弾性層を有して
なる定着部材が好ましく、また、前記定着部材が、厚み
が0.005〜0.2mmであるフッ素樹脂層をその表
面に有してなる定着部材が好ましい。
着樹脂及び着色剤を少なくとも含んでなる。本発明の写
真用トナーは、必要に応じてさらに、その他の成分を含
んでなる。
を含有する。前記ポリエステル樹脂としては、その動的
粘弾性が、G”(100rad/sec)/1000≧
30を満たしており(ここで、前記G”(100rad
/sec)は、G”(1rad/sec)が1×103
Paになる温度での周波数100rad/secにおけ
る動的粘弾性の値を表す。)、G”(100rad/s
ec)/1000≧40を満たしているのが好ましく、
G”(100rad/sec)/1000≧50を満た
しているのがより好ましい。また、前記動的粘弾性とし
ては、後述の実施例において採用した前記G”(100
rad/sec)/1000の値のいずれかを下限値と
する数値範囲、前記数値範囲の下限値のいずれかを下限
とし、前記数値範囲の下限値のいずれか又は後述の実施
例において採用した前記G”(100rad/sec)
/1000の値のいずれかを上限値とする数値範囲も好
ましい。
00の値が、30未満であると、融解時における流動性
が悪く、定着後における画像表面の平滑性が十分でない
ことがある。一方、30以上であると、定着工程におい
て、トナーに熱と圧力が供給された際、速やかに固体状
態から流動状態への転移が起こり、結果として、定着後
における画像表面の平滑性が高くなる。これは、前記
G”(100rad/sec)/1000の値が、40
以上であると顕著であり、50以上であると一層顕著で
あり、しかも低い温度で定着を行うことができる。この
ことは、異なるG”(100rad/sec)/100
0における、定着温度と定着後における画像表面の平滑
度との関係を示す図1を見ても明らかである。したがっ
て、前記G”(100rad/sec)/1000の値
を大きくする程、画像表面の平滑度を高くすることがで
き、低い温度で定着を行うことができる点で有利であ
る。なお、前記結着樹脂の動的粘弾性は、例えば、回転
平板型レオメータ(レオメトリックス社製:RDA2、
RHIOSシステムver.4.3)を用いて測定する
ことができる。
量に対して、分子量が10,000以下である成分(以
下「低分子量成分」と称することがある)の含有量が、
45重量%以下であり、好ましくは40重量%以下であ
り、より好ましくは35重量%以下である。また、前記
低分子量成分の含有量としては、後述の実施例において
採用した前記低分子量成分の含有量の値のいずれかを上
限値とする数値範囲、前記数値範囲の上限値のいずれか
を上限とし、前記数値範囲の上限値のいずれか又は後述
の実施例において採用した前記低分子量成分の含有量の
値のいずれかを下限値とする数値範囲も好ましい。
を越えると、トナーの融解時に、融解トナーの定着部材
に対する接着力が増大し、オフセット、巻き付き、画像
アレなどの剥離不良が生じ易くなることがある。仮にオ
フセットや巻き付きが生じなかった場合でも、融解トナ
ーが定着部材から剥離しにくくなり、定着後における画
像表面の平滑性が損なわれてしまうため、十分な発色性
が得られなくなることがある。このような現象が起こる
のは、分子量10,000以下の成分が定着工程中に粘
着付与剤として機能しているためであると考えられる。
一方、前記低分子量成分の含有量が、45重量%以下で
あると、そのようなことがなく、オフセット、巻き付
き、画像アレなどを防止することができ、40重量%以
下であるとその効果が顕著であり、35重量%以下であ
るとその効果が一層顕著であり、しかも低い温度で定着
を行っても前記オフセット等を効果的に防止することが
できる点で有利である。このことは、分子量10,00
0以下の成分の含有量が異なる3つの場合における、定
着温度と定着後における画像表面の平滑度との関係を示
す図2を見ると明らかである。したがって、分子量1
0,000以下の成分の含有量を少なくする程、オフセ
ット、巻き付き、画像アレなどを効果的に防止すること
ができ、しかも低い温度で定着を行うことができる点で
有利である。
知の方法で測定することができるが、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィ(以下「GPC」と略記する)に
より測定するのが一般的である。GPC測定は、例え
ば、GPC装置としてTOYOSODA製:HLC−8
02Aを用い、オーブン温度40℃、カラム流量毎分1
ml、サンプル注入量0.1mlの条件で行うことがで
き、サンプルの濃度は0.5%で、和光純薬製:GPC
用THFを用いて行うことができる。また、検量線の作
成は、例えば、TOYO SODA製:標準ポリスチレ
ン試料を用いて行うことができる。本発明における前記
分子量及び分子量分布は、以上のようにして測定したも
のである。
有量は、例えば以下のようにして測定することができ
る。まず、GPC測定により得られたチャートの分子量
10,000以下の部分を切取り重さをはかる。これを
Waとする。次に、分子量10,000以上の部分を切
取り重さをはかる。これをWbとする。それぞれの重さ
から、Wa/(Wa+Wb)×100(%)の式から算
出される値を、分子量10,000以下の成分の含有量
と定義することができる。本発明における前記分子量1
0,000以下の成分の含有量は、以上のようにして測
定したものである。なお、前記分子量10,000以下
の成分の含有量は、GPC以外にも、試料をある種の方
法、例えばバッチ式分別法やカラム溶出分別法によって
分子量範囲の狭い幾つかの区分、最低でも25区分以上
に分別し、例えば超遠心法、浸透圧法、Spencer
法や濁度測定法等で分子量を測定し、各区分の重量と分
子量の測定値から分布を求める方法等により測定するこ
とができる。
性において、周波数1rad/secでのG”が1×1
03 Paになる温度が180℃以下であるのが好まし
い。前記温度は定着温度に関係しており、前記温度が1
80℃を越えると、消費電力の増加や定着部材の耐熱温
度の限界を越えるといった問題を招くことがある。定着
温度が低いことには何ら問題はないが、後述するよう
に、樹脂のガラス転移温度の制約から下限値が決定され
る。
ことがある)としては、50〜100℃が好ましく、6
0〜80℃がより好ましい。Tgが、50℃未満である
と、トナー保存時のブロッキング性の低下やトナー粉砕
時に融着が生ずることがあり、100℃を越えると、定
着温度を上昇させなくてはならなくなるので、いずれの
場合も好ましくない。Tgは、例えば、示差走査熱量計
(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析シス
テム001)(以下「DSC」と略記する)を用いて、
昇温速度5℃/分の条件で測定することができ、得られ
たチャートのTgに相当する吸熱点の低温側の肩の温度
をTgとすることができる。本発明におけるTgは、以
上のようにして測定したものである。
リエステル樹脂が好ましい。前記非晶性ポリエステル樹
脂の場合、結晶性ポリエステル樹脂のように、結晶によ
る光散乱により樹脂自体が白濁してしまうことがない点
で有利である。本発明において、前記非晶性ポリエステ
ル樹脂とは、DSCチャートにおいて、Tgに対応した
吸熱点の他に、結晶融点に対応した吸熱ピークを示さな
いポリエステル樹脂を意味する。
ー成分である、2価又は3価以上のカルボン酸と、2価
又は3価以上のアルコールとの反応により得られる。な
お、本発明においては、前記ポリエステル樹脂として市
販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用して
もよい。
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン
−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれら
の無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不
飽和ジカルボン酸などが挙げられる。3価以上のカルボ
ン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカル
ボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無
水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられ
る。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を
併用してもよい。
フェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノ
ールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキ
シド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げ
られる。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリ
セリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは
1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目
的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノ
ール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用
することができる。
ー成分の中から任意の組合せで、例えば、重縮合(化学
同人)、高分子実験学(重縮合と重付加:共立出版)や
ポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社編)等
に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、
エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は組み合
せて用いることができる。特に、高重合度のポリエステ
ルを合成するためには、モノマーの純度を上げる、反応
副生成物の除去のための真空度を上げる、反応温度を最
適化する、反応触媒を最適化する、等に留意する必要が
ある。また、低重合度のポリエステル樹脂を、ジイソシ
アネート含有化合物等を用いて高重合度化することもで
きる。このようにして、製造されたポリエステル樹脂
が、その全重量に対して低分子量成分の含有量が45重
量%以下でない場合には、高分子実験学総論(共立出
版)等に示されているようなカラム分別法や再沈殿法等
の公知の分別法、精製法に従って処理することによっ
て、その全重量に対して低分子量成分の含有量が45重
量%以下であるポリエステル樹脂を得ることができる。
なお、本発明においては、前記ポリエステル樹脂として
は、適宜合成したものであってもよいし、市販品であっ
てもよい。
び前記低分子量成分の含有量の条件を満たすポリエステ
ル樹脂の選択の目安としては、以下の通りである。即
ち、重量平均分子量(Mw)が、15,000〜10
0,000であるのが好ましく、低温定着性や製造性を
考慮すると、15,000〜50,000であるのが好
ましい。Mwが大きすぎると、定着工程中の樹脂の加熱
温度が高くなり過ぎてしまい、Mwが小さすぎると、十
分な耐オフセット性が得られなくなることがあるからで
ある。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)が10以下であるのが好ま
しく、効果の点からは7以下であるのがより好ましく、
5以下であるのがさらに好ましい。前記比(Mw/M
n)が大きすぎると、定着工程中の結着樹脂の固体状態
から融解時流動状態への転移が速やかに行われなくな
り、結果として、定着後における画像表面の平滑性を低
下させる要因となることがあるからである。
子量分布は、ポリマーの長さを示す一つの指標に過ぎ
ず、例えば、同じMwを示す樹脂でも、分子量分布のシ
ャープなものやブロードなもの、低分子側にテーリング
したものや高分子側にテーリングしたもの、複数のピー
クを有するものなど多様である。そのため、本発明にお
いて規定する前記動的粘弾性及び低分子量成分の含有量
の条件を満たすポリエステル樹脂を、分子量という数値
のみで示すのは困難であり、前記Mw及び比(Mw/M
n)はあくまで目安である。GPCでは測定できない結
着樹脂中のTHF不溶分は、クリーニング性の向上や耐
オフセット性の向上に効果があるが、一方では、定着後
における画像表面の平滑性を低下させてしまうことが多
い。本発明においては、前記動的粘弾性を満たす範囲で
なら、結着樹脂中にTHF不溶分を含有させてもよい。
テル樹脂であるのが好ましいが、本発明の効果を著しく
損なわずに、他の電子写真特性を向上させる目的で、前
記ポリエステル樹脂の含有量を80重量%程度まで減
じ、他の樹脂を含有していてもよい。前記他の樹脂とし
ては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル
共重合樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。前記結着樹
脂がこれらを含有すると、例えば、紙への接着性の制
御、帯電性能の向上等の効果を得ることができる。これ
らは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよく、また、適宜合成したものであってもよいし、
市販品であってもよい。
明の効果を著しく損なわずに、帯電性能を向上させる等
の目的で、エステル結合以外の結合を有する樹脂、ポリ
エステル−アクリレート樹脂、ポリエステル−ポリアミ
ド樹脂等の共重合樹脂も使用することができる。
れ自体公知の着色剤を挙げることができ、目的に応じて
適宜選択することができる。前記着色剤としては、例え
ば、カーボンブラック、ランプブラック、アニリンブル
ー、ウルトラマリンブルー、カルコイルブルー、メチレ
ンブルークロライド、銅フタロシアニン、キノリンイエ
ロー、クロームイエロー、デュポンオイルレッド、オリ
エントオイルレッド、ローズベンガル、マラカイトグリ
ーンオキサレート、ニグロシン染料、C.I.ピグメン
トレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:
1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグ
メントレッド122、C.I.ピグメントイエロー9
7、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメ
ントイエロー17、C.I.ピグメントブルー15:
1、C.I.ピグメントブルー15:3などが挙げられ
る。
有量としては、前記結着樹脂100重量部に対して1〜
30重量部が好ましいが、定着後における画像表面の平
滑性を損なわない範囲においてできるだけ多い方が好ま
しい。着色剤の含有量を多くすると、同じ濃度の画像を
得る際、画像の厚みを薄くすることができ、オフセット
の防止に有効な点で有利である。なお、前記着色剤の種
類に応じて、イエロートナー、マゼンタトナー、シアン
トナー、ブラックトナー等が得られる。
く、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、無機微
粒子、有機微粒子、帯電制御剤、離型剤などのそれ自体
公知の各種添加剤が挙げられる。
カ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン
酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロ
ンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰
石、ケイソウ土、塩化セイウム、ベンガラ、酸化クロ
ム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを
挙げられる。これらの中でも、シリカ微粒子が好まし
く、特に疎水化処理されたシリカ微粒子が好ましい。前
記無機微粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用
される。前記無機微粒子の1次粒子径としては、1〜1
000nmが好ましく、その添加量としては、トナー1
00重量部に対して0.01〜20重量部が好ましい。
チレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリ
デンなどが挙げられる。前記有機微粒子は、一般にクリ
ーニング性や転写性を向上させる目的で使用される。前
記帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含
金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩など
が挙げられる。前記帯電制御剤は、一般に帯電性を向上
させる目的で使用される。前記離型剤としては、例え
ば、低分子量ポリプロピレンや低分子量ポリエチレン等
のパラフィンワックス、シリコーン樹脂、ロジン類、ラ
イスワックスなどが挙げられる。前記離型剤は、一般に
離型性を向上させる目的で使用される。
知の製造方法に従って製造することができる。前記製造
方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜決定
することができるが、例えば、混練粉砕法、混練冷凍粉
砕法、液中乾燥法、溶融トナーを不溶解性液体中で剪断
撹拌して微粒子化する方法、結着樹脂と着色剤を溶剤に
分散させジェット噴霧により微粒子化する方法などが挙
げられる。なお、前記結着樹脂の低分子量成分の含有量
が少なくなると、前記結着樹脂が硬くなるため、前記各
種粉砕法では粉砕しにくくなる。この場合、ジェット粉
砕の流速を上げたり、衝突盤をチタン等の強度の高いも
のに変更する等して、粉砕性を向上させることができ
る。また、電子写真用トナーに粉砕助剤として、シリ
カ、チタニア、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト等の有機又は無機微粒子を、本発明の効果を妨げない
範囲で添加させることができる。それでも粉砕が困難な
場合には、液中乾燥法を好適に採用することができる。
制限されることがなく、粉砕が困難な結着樹脂を用いる
場合でも容易に電子写真用トナーを製造することができ
る点で、液中乾燥法が好ましい。前記液中乾燥法は、例
えば、特開昭63−25664号公報等に記載されてお
り、前記結着樹脂及び前記着色剤を少なくとも含むトナ
ー組成物を揮発性溶剤に分散・溶解させて分散溶液を調
製する第1工程、前記分散溶液を水系媒体中に分散させ
る第2工程、及び前記水系媒体中から前記揮発性溶媒を
除去する第3工程を含む方法である。
は、前記結着樹脂及び前記着色剤を少なくとも含み、必
要に応じてさらに前記その他の成分を含む。前記揮発性
溶剤としては、前記トナー組成物を溶解・分散させるこ
とができれば特に制限はなく、例えば、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル等のエステル系溶剤、ジエチル
エーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メ
チルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン系溶剤、トルエン、シクロヘキサン等の炭化水素
系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエ
チレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤などが挙げられ
る。これらの中でも、工業化を行うに当たり、安全性、
コスト及び生産性等の点で、シクロヘキサン、酢酸エチ
ルが特に好ましい。なお、前記揮発性溶剤は、水に溶解
する割合が0〜30重量%程度であるのが好ましい。
ては、例えば、水に、無機分散剤を分散させ、かつ高分
子分散剤を均一に溶解させてなるものが挙げられる。前
記無機分散剤としては、親水性のものが好ましく、例え
ば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、クレー、ケイソ
ウ土、ベントナイトなどが挙げられる。これらの中で
も、炭酸カルシウムが好ましい。前記無機分散剤は、そ
の表面がカルボキシル基を有する重合体で被覆されてい
るのが好ましい。前記カルボキシル基を有する重合体と
しては、例えば、アクリル酸系樹脂、メタクリル酸系樹
脂、フマール酸系樹脂、マレイン酸系樹脂などが挙げら
れる。なお、本発明においては、前記重合体の外、前記
重合体の構成モノマーである、アクリル酸、メタクリル
酸、フマール酸、マレイン酸等の単独重合体及びこれら
と他のビニルモノマーとの共重合体を使用してもよい。
なお、前記カルボキシル基は、例えば、ナトリウム塩、
カリウム塩、マグネシウム塩等の金属塩であってもよ
い。前記無機分散剤は、その平均粒径が通常1〜100
0nmである。前記無機分散剤は、ボールミルのような
メディア入り分散機、超音波分散機等を用いて前記水に
分散させることができる。
が好ましく、特にカルボキシル基を有するのが好まし
く、さらにヒドロキシプロポキシル基、メトキシル基等
の親油基を有さないのがより好ましい。前記高分子分散
剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カ
ルボキシエチルセルロースなどが挙げられる。これらの
中でも、カルボキシメチルセルロースが特に好ましい。
前記高分子分散剤は、水系媒体の粘度が20°Cで1〜
10000mPa・sとなるように、前記水に溶解され
る。前記高分子分散剤は、適宜選択した手段、方法等を
用いて前記水に均一に溶解させることができる。
き、一般に乳化機、分散機として市販されている装置を
用いて行うことができる。前記装置としては、例えば、
ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマテ
ィカ社製)、TKオートホモミサー(特殊機化工業社
製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作
所社製)、TKパイプラインホモミクサー(特殊機化工
業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラ
ッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機
製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフ
ローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイク
ロフルイダイザー(みづほ工業社製)、ナノマイザイー
(ナノマイザー社製)、APVゴウリン(ゴウリン社
製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜
乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式
乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の
超音波乳化機などが挙げられる。
中の前記揮発性溶剤を、加熱し、必要に応じて減圧等す
ることにより除去する。前記加熱の温度としては、前記
結着樹脂のガラス転移温度を越えない程度の温度であ
る。前記揮発性溶剤を除去した後、前記水系媒体の除
去、洗浄、脱水等を行うと、電子写真用トナーの粒子が
得られる。前記洗浄、脱水等を行う場合、前記水系媒体
を酸処理し、場合によっては前記酸処理の後にアルカリ
処理し、前記無機分散剤を溶解させた後、水による洗
浄、脱水等を行ってもよい。
砕法に比べて結着樹脂にかかるシェアが小さくなり、前
記着色剤や前記その他の成分の分散性が低下することが
あるので、予め前記トナー組成物を融解混練して着色樹
脂組成物とし、この着樹脂組成物を前記揮発性溶剤に溶
解させるのが特に好ましい。前記液中乾燥法によると、
粉砕により不定形粒子の電子写真用トナーが得られる前
記各種粉砕法とは異なり、球形粒子の電子写真用トナー
が得られる。前記液中乾燥法により得た球形粒子の電子
写真用トナーの場合、前記各種粉砕法により得た不定形
粒子の電子写真用トナーよりも、後述の点で有利であ
る。
体状態から融解流動状態へ転移可能であり、しかも耐オ
フセット性に優れるので、本発明の電子写真用トナーを
使用して画像を形成すると、オイル等の離型剤がほとん
ど必要なく、平滑性が高く、高画質で高発色の鮮明なカ
ラー画像を容易に得ることができる。本発明の電子写真
用トナーは、前記以外にも優れた効果を発揮する。例え
ば、低分子量成分が少ないことにより、熱保存性の向
上、粉体流動性の向上、定着時における電子写真用トナ
ーの被転写体への染込量の減少等が達成される。また、
結着樹脂の強度が向上することにより、定着後における
画像強度の向上、電子写真用トナーへの外添剤の埋まり
込みの防止、現像器中などの強い搬送や摺擦による電子
写真用トナーの粉砕防止による帯電性維持性の向上、強
ストレスでの摩擦帯電が可能になることによる帯電性の
均一安定化等が達成される。また、結着樹脂の付着力が
減少すること等により、感光体へのフィルミングの防
止、クリーニング性の向上、転写性の向上、外添剤の使
用量の減少等が達成される。特に、これらの効果は、液
中乾燥法により得た球形粒子の電子写真用トナーの場合
に顕著である。なお、本発明の電子写真用トナーは、電
子写真用現像剤におけるトナーとして好適に使用するこ
とができる。
子写真用トナーを含んでなる。本発明の電子写真用現像
剤としては、一成分系の電子写真用現像剤であってもよ
いし、キャリアを含む二成分系の電子写真用現像剤であ
ってもよいが、好ましくは二成分系の電子写真用現像剤
である。前記二成分系の電子写真用現像剤の場合、前記
キャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキ
ャリア、例えば、樹脂被覆キャリアなどが好適に挙げら
れる。前記樹脂被覆キャリアは、芯材の表面に樹脂を被
覆してなる。前記芯材としては、例えば、鉄粉、フェラ
イト粉、ニッケル粉等の磁性を有する粉体などが挙げら
れる。前記樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、ビニル
系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。なお、本
発明の電子写真用現像剤は、目的に応じて、適宜選択し
た添加剤などを含有していてもよい。例えば、磁性を得
る目的で、鉄、フェライト、マグネタイトを始めとする
鉄類、ニッケル、コバルト等の強磁性を示す金属、合金
又はこれらの金属を含む化合物、磁性材料、磁化可能な
材料を含有していてもよい。
子写真用トナーを含んでなるので、本発明の電子写真用
トナーの利点をそのまま本発明の電子写真用現像剤の利
点とすることができる。このため、本発明の電子写真用
現像剤を使用して画像を形成すると、平滑性が高く、高
画質で高発色の鮮明なカラー画像が得られる。なお、本
発明の電子写真用現像剤は、各種画像形成方法に好適に
使用することができる。
真用現像剤として本発明の電子写真用現像剤を用いる。
本発明の画像形成方法は、それ自体公知の画像形成工
程、例えば、潜像担体上に潜像を形成する工程、前記潜
像を電子写真用現像剤を用いて現像する工程、現像され
たトナー像を転写体上に転写する工程、及び転写体上の
トナー像を定着する工程などを含む。前記定着として
は、非接触型定着、接触型定着などが挙げられるが、こ
れらの中でも接触型定着が好ましい。接触型定着として
は、圧力のみを使用する定着、熱及び圧力を使用する加
熱圧着などが挙げられるが、これらの中でも加熱圧着が
好ましい。
限はなく、従来から公知の装置、例えば図3に示すよう
な加熱圧着装置が挙げられる。図3に示す加熱圧着装置
は、定着部材がローラ形状を有する装置であり、熱ロー
ラ1と、これに対向配置された圧着ローラ2と、熱ロー
ラ1を加熱するための加熱源10と、熱ローラ1の表面
に離型剤11を供給する離型剤供給装置9とを有してな
る。図3に示す加熱圧着装置は、必要に応じてさらに、
熱ローラ1の表面に付着したトナーを除去するためのク
リーニング部材12、圧着ローラ2を加熱するための加
熱源10、記録材を熱ローラ1から剥離させる爪(フィ
ンガー)などを有していてもよい。なお、図3に示す加
熱圧着装置における加熱源10は、温度制御装置(図示
せず)により制御されている。前記加熱圧着装置におい
ては、図3に示すようなローラとローラとの組み合わせ
を、ローラとベルトとの組み合わせ、ベルトとベルトと
の組み合わせに代えてもよい。
フセット等を防止するため、前記定着部材に大量の離型
剤が供給されるが、本発明の電子写真用現像剤を用いて
画像形成を行う場合には、本発明の電子写真用トナーの
耐オフセット性が非常に優れているので、定着部材への
離型剤の供給量を極めて少なくすることができる。本発
明の画像形成方法においては、前記加熱圧着における、
前記定着部材への前記離型剤の供給量としては、0mg
/cm2 よりは多く、上限が、8.0×10-3mg/c
m2 以下(A4紙1枚当たり5mg以下に相当)が好ま
しく、4.8×10-3mg/cm2 以下がより好まし
く、1.6×10-3mg/cm2 以下がさらに好まし
い。
が、前記離型剤の供給量を0mg/cm2 にすると、定
着工程中に前記定着部材と紙などの被転写体とが接触し
た際、前記定着部材の磨耗量が増大し、前記定着部材の
耐久性が低下してしまうので、前記離型剤が前記定着部
材に微量に供給されているのが実用上好ましい。一方、
前記離型剤の供給量が、8.0×10-3mg/cm2 を
越える場合には、定着後に画像表面に付着した前記離型
剤のために画質が低下し、特にOHPのような透過光を
利用する場合には顕著に現れてしまう。また、被転写体
への前記離型剤の付着が顕著になりベタ付きが発生して
しまう。さらに、前記離型剤の供給量が多くなればなる
ほど離型剤を貯蔵しておくタンクの容量も大きくなり定
着装置が大型化してしまう。したがって、この場合は以
上の点で好ましくない。
例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フ
ロロシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル等
の変性オイルなどの液体離型剤が挙げられる。これらの
中でも、前記定着部材の表面に吸着し均質な離型剤層を
作るにはアミノ変性シリコーンオイルなどの変性オイ
ル、前記定着部材に対するヌレ性が良いため均質な離型
剤層を作るのに理想的であるフッ素オイル、フロロシリ
コーンオイルが好ましい。前記離型剤としてフッ素オイ
ル、フロロシリコーンオイルを使用するのは、従来の画
像形成方法の場合には、前記離型剤の供給量を少なくす
ることができないのでコスト面で実用的ではないが、本
発明の画像形成方法の場合には、前記離型剤の供給量を
激減できるのでコスト面でも実用上問題がない。
に前記離型剤を供給する方法としては、特に制限はな
く、例えば、液体離型剤を含浸したパッド方式、ウエブ
方式、ローラ方式や非接触型のシャワー方式(スプレー
方式)などが挙げられる。これらの中でも、ウエブ方
式、ローラ方式が好ましい。これらの方式の場合、前記
離型剤を均一に供給でき、しかも供給量をコントロール
することが容易な点で有利である。なお、シャワー方式
で前記定着部材の全体に均一に前記離型剤を供給するに
は、別途ブレード等を用いる必要がある。
測定される。即ち、表面に離型剤を供給した定着部材
に、一般の複写機で使用される普通紙(代表的には、富
士ゼロックス社製複写用紙、商品名J紙)を通過させる
と普通紙上に離型剤が付着する。この普通紙上の離型剤
をソックスレー抽出器を用いて抽出する。溶媒にはヘキ
サンを用いる。このヘキサン中に含まれ離型剤を、原子
吸光分析装置にて定量することで、普通紙に付着した離
型剤の量を定量する。この量を離型剤の定着部材への供
給量と定義する。
金属等のそれ自体公知の種々の材料の1種を単独で使用
して、あるいは2種以上を併用して形成することができ
る。前記定着部材は、目的に応じて各種の添加剤等を含
有していてもよく、例えば、磨耗性向上、抵抗値制御等
の目的でカーボンブラックや金属酸化物等を含有しても
よい。なお、トナーが十分に冷えて固体状態になってか
ら剥離させるように設計したベルト型の定着部材などの
場合、ポリアミドやポリイミド等の樹脂中にフッ素樹脂
等の離型性に優れた樹脂等を混ぜて形成し、ある程度耐
熱性を犠牲にして離型性を向上させてもよい。前記定着
部材の基材(コア)には、耐熱性に優れ、変形に対する
強度が強く、熱伝導性の良い材質が選択され、ロール型
の定着装置の場合には、例えばアルミ、鉄、銅等が選択
され、ベルト型の定着装置の場合には、例えばポリイミ
ドフィルム、ステンレス製ベルト等が選択される。
層を有するのが好ましい。前記定着部材が前記弾性層を
有すると、被転写体上のトナー画像の凹凸に追従して前
記定着部材が変形し、定着後における画像表面の平滑性
を向上させることができる点で有利である。前記弾性層
の厚みとしては、0.01〜2mmが好ましく、0.0
5〜2mmがより好ましい。前記弾性層の厚みが2mm
を越えて厚すぎると、前記定着部材の熱容量が大きくな
り、前記定着部材を熱するのに長い時間を要する上、そ
の消費エネルギーも増大してしまう点で好ましくない。
また、前記弾性層の厚みが0.01mm未満で薄すぎる
と、前記定着部材の変形がトナー画像の凹凸に追従でき
なくなり、溶融ムラが発生する点、及び剥離に有効な弾
性層の歪みが得られない点で好ましくない。
く、目的に応じて適宜選択すればよいが、例えば、シリ
コーンゴム、フッ素ゴムなどのゴムが好適に挙げられ
る。前記弾性層の厚みとしては、0.01〜2.0mm
が好ましい。
から、液滴法による水との接触角が90度以上である表
面層を有しているのが好ましい。前記表面層は、必要に
応じて前記弾性層の上に設けることができる。前記表面
層の素材としては、例えば、フッ素、シリコーン等の樹
脂又はゴムが好適に挙げられる。これらの中でも、磨耗
性にも優れている点でフッ素樹脂が好ましく、フッ素樹
脂の中でも加工性にも優れている点で特にPFA樹脂が
好ましい。前記表面層の厚みとしては、0.005〜
0.2mmが好ましく、0.01〜0.1mmがより好
ましい。前記表面層の厚みが0.2mmを越えて厚くな
ると、前記定着部材の変形がトナー画像の凹凸に追従で
きなくなり、定着後における画像表面の平滑性が低下す
ることがあるので好ましくない。
被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の
複写機、プリンター等に使用される普通紙及びOHPシ
ートなどが挙げられる。定着後における画像表面の平滑
性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もでき
るだけ平滑であるのが好ましく、例えば、普通紙の表面
を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート
紙などを前記被転写体として好適に使用することができ
る。
像剤を用いる本発明の画像形成方法によると、定着後の
画像の強度が高く、被転写体への前記離型剤の付着もほ
とんど無いため、シールやテープ等、裏側に粘着性の付
与されている被転写体を用いて画像を形成することによ
り、高画質で高濃度の画像が形成されたシールやステッ
カー等を作製することもできる。
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。
成分に対して0.05mol%のジブチル錫オキサイド
とを、温度計、ステンレススチール製撹拌機、窒素導入
管及びコンデンサーを備えた4つ口フラスコ内に入れ、
このフラスコ内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保
ち昇温した後、150〜230°Cで約12時間共縮重
合反応させ、210〜250°Cで徐々に減圧して、非
晶性ポリエステル樹脂である結着樹脂A1を合成した。
結着樹脂A1の特性を表1に示した。結着樹脂A1か
ら、以下の方法で低分子量成分を減じて非晶性ポリエス
テル樹脂である結着樹脂A2を得た。即ち、撹拌を行い
ながらビーカー中で、25°Cで、2000gの塩化メ
チレンに400gの結着樹脂A1を完全に溶解させた
後、イソプロピルアルコールを徐々に1320g加え、
30分撹拌を続けた後、静置し、二層に分離させた。低
分子量成分を多く含む上層と、高分子量成分を多く含む
下層とを分離した。下層の溶剤を蒸発させ、真空乾燥し
て非晶性ポリエステル樹脂である結着樹脂A2を得た。
結着樹脂A2の特性を表1に示した。 −結着樹脂B2及びB3(実施例)並びにC(比較例)
の合成− 結着樹脂A1を合成するのと同様の方法で、非晶性ポリ
エステル樹脂である結着樹脂B1及びCを合成した。結
着樹脂A2を得るのと同様の方法で、低分子量成分、高
分子量成分を減じて、結着樹脂B1から非晶性ポリエス
テル樹脂である結着樹脂B2及びB3を得た。結着樹脂
B1、B2及びCの特性を表1に示した。 −結着樹脂D(比較例)の合成− スチレン90重量%と、ブチルアクリレート10重量%
とを、反応器内でクメン還流下(146〜156℃)で
重合させ、スチレンブチルアクリレート共重合体である
結着樹脂Dを合成した。結着樹脂Dの特性を表1に示し
た。
びに、A1、B1、C及びD(比較例)の製造(混練粉
砕法)− 前記合成した結着樹脂A1、A2、B1、B2、B3、
C、Dの96重量%とシアン顔料(シアニンブルー49
33M;大日精化(株)製)の4重量%とを、バンバリ
ー型混練機で溶融混練し、冷却後粗粉砕し、さらにジェ
ット式微粉砕機で、平均粒径が約7μmのトナーを製造
した。このトナーに、疎水性シリカ粉末(R972;日
本アエロジル(株)製)を3重量%添加して電子写真用
トナーを製造した。 −電子写真用トナーA2の製造(液中乾燥法)− 前記合成したポリエステル樹脂A2の84重量%と、シ
アン顔料(シアニンブルー4933M;大日精化(株)
製)の16重量%とを、バンバリー型混練機で溶融混練
し、高濃度の着色樹脂組成物を得た。この着色樹脂組成
物の25重量%と、前記ポリエステル樹脂A2の75w
t%とを酢酸エチル200重量%に分散・溶解させ、シ
アン顔料重量:ポリエステル樹脂A2重量=4:96の
分散溶液を調製した。前記分散溶液を、カルボキシメチ
ルセルロース(セロゲンBSH;第一工業製薬(株)
製)と炭酸カルシウム(ルミナス(平均粒径0.03μ
m);丸尾カルシウム(株)製)と水との混合液中に加
え、ミキサー(クッキングミキサーMX915C:松下
電器産業(株)製)を用いて10000回転/分で10
分間高速撹拌して、分散させ、乳化液を得た。この乳化
液をビーカーに移し、約5倍量の水を加え、撹拌しなが
ら温浴45℃で10時間保持し、前記酢酸エチルを蒸発
させた。前記炭酸カルシウムを塩酸で溶かし、水洗を繰
り返し、水とトナーとの混合物を得た。最後に水を真空
乾燥機45℃で蒸発させてトナーを製造した。このトナ
ーは、平均粒径が約7ミクロンの球形粒子であった。こ
のトナーに、疎水性シリカ粉末(R972;日本アエロ
ジル(株)製)を3重量%添加して電子写真用トナーを
製造した。
用トナーA2、B2及びB3(実施例)、並びに、A
1、B1、C及びD(比較例)の各7重量%と、キャリ
ア93重量%とを混合して、電子写真用トナーA2、B
2及びB3(実施例)、並びに、A1、B1、C及びD
(比較例)に対応した電子写真用現像剤を作製した。な
お、電子写真用現像剤A2については、液中乾燥法によ
り得られた電子写真用トナーA2を用いたものと、混練
粉砕法により得られた電子写真用トナーA2を用いたも
のと、2種類作製した。前記キャリアは、樹脂被覆キャ
リアであり、アミノ基含有ビニルポリマーとフッ化アル
キル基含有ビニルポリマーの混合体をフェライトコアに
被覆したものである。
B2及びB3(実施例)、並びに、A1、B1、C及び
D(比較例)を用いて画像形成を行い、以下の評価を行
った。
並びに、A1、B1、C及びD(比較例)を用いて、定
着器を改造した富士ゼロックス社製Acolorフルカ
ラー複写機にて画像形成を行い、電子写真用トナーの定
着性能を評価した。なお、前記定着器としては、図4に
示す定着器Aと図5に示す定着器Bとを用いた。前記定
着器Aは、図4に示す通り、熱ロール定着器である。前
記定着器Aは、アルミニウムのコア3の周りに、厚み
2.0mm、ゴム硬度40°のシリコーンゴムによる弾
性層4を設け、さらに前記弾性層4の最表面に厚み0.
025mmのフッ素樹脂のチューブを被覆してフッ素樹
脂層5aを設けてなる外径40mmの熱ローラ1と、ア
ルミニウムのコア3の周りに厚み1.5mm、ゴム硬度
40°のシリコーンゴムによる弾性層4を設け、さらに
前記弾性層4の最表面に厚み0.025mmのフッ素樹
脂のチューブを被覆してフッ素樹脂層5aを設けてなる
外径40mmの圧着ローラ2とを有してなる。なお、前
記フッ素樹脂層5aを形成するフッ素樹脂のチューブの
水との接触角は114°であった。定着性能試験の条件
を以下に示す。 トナー画像 →ソリッド像、トナー量1mg/cm2 紙 →富士ゼロックス社製カラーペーパー(J紙) OHP →富士ゼロックス社製 搬送速度 →紙の場合120mm/sec OHPの場合40mm/sec シリコーンオイル塗布量 →塗布なし 定着後における画像表面の平滑性は、グロスメーターG
M−26D(村上色彩技術研究所(株)製)を用い、サ
ンプルへの入射光角度を75°とする条件で、紙に定着
したサンプルについて行った。前記定着器Aを用いた場
合の定着性能試験の結果を表2に示した。
明の電子写真用トナーは、その優れた離型性のため、平
滑性が高い状態で定着されても剥離可能であり、本発明
の電子写真用トナーを含んでなる本発明の電子写真用現
像剤を用いて画像形成を行うと、鮮明に発色したカラー
定着像を得ることができた。カラー発色性は、グロス値
が40を越える定着後における画像表面の平滑性となる
と、満たされていた。中でも、G”(100rad/s
ec)/1000が60以上である、流れやすい溶融特
性を持ち、低分子量成分の含有量がより少ない電子写真
用トナーA2が、高い平滑性を示し、発色性、温度ラチ
チュード、OHP投影性において効果が高かった。一
方、電子写真用トナーA1、B1をそれぞれ含んでなる
電子写真用現像剤A1、B1は、低分子量成分の含有量
が多いため離型性に乏しく、カラー発色を満たす高い平
滑性になる定着温度に達する温度よりも低い温度で、剥
離不良を起こし、加熱ロールに巻き付いたりオフセット
してしまった。電子写真用トナーCを含んでなる電子写
真用現像剤Cは、G”(100rad/sec)/10
00が30未満であるため、高い平滑性が得られなかっ
た。スチレンアクリル共重合体よりなる電子写真用トナ
ーDを含んでなる電子写真用現像剤Dは、本発明で規定
する動的粘弾性と低分子量成分の含有量とを満たすにも
関わらず、離型性が充分でないために、本発明の電子写
真用トナーを含んでなる本発明の電子写真用現像剤に比
べ、平滑性高く定着された状態で剥離することはできな
かった。
ング性能を評価した。即ち、まずトナー5gを55℃、
湿度50%のチャンバー内に24時間放置した。その
後、室温に戻し、トナー2gを目開き45μmのメッシ
ュに投入し、一定の条件で振動させた。メッシュ上に残
ったブロッキングトナーの重量を測定した。その結果を
表3に示した。
乾燥法で得た球形のトナーA2は、最も優れた耐熱ブロ
ッキング性を示し、混練粉砕法で得た不定形のトナーA
2よりも優れていた。液中乾燥法で得た球形のトナーで
は、混練粉砕法で得た不定形のトナーに比べ、隣接トナ
ーとの接触面積が小さくなるため、ブロッキングに対し
て有利になると推定される。
型定着器である。前記定着器Bは、金属ベルト6上に、
厚み0.08mm、ゴム硬度30°のシリコーンゴムに
よる弾性層4を設け、さらに最表面に厚み0.02mm
のフッ素ゴムによるフッ素ゴム層5bを設けた加熱ベル
ト7と、前記金属ベルト6上に、厚み0.02mmのフ
ッ素ゴムによるフッ素ゴム層5bを設けた加圧ベルト
8、微少オイル供給装置としてシリコーンオイル含浸ロ
ール(離型剤供給装置)9とを有してなる。なお、前記
加熱ベルト の表面材と水との接触角は105°であっ
た。定着性能試験の条件を以下に示す。 トナー画像 →ソリッド像(20cm×5cm:用紙先端) トナー量1mg/cm2 紙 →富士ゼロックス社製カラーペーパー(J紙) OHP →富士ゼロックス社製 搬送速度 →紙の場合180mm/sec OHPの場合40mm/sec シリコーンオイル塗布量 →1.6×10-3mg/cm2 前記定着器Bを用いた場合の定着性能試験の結果を表3
に示した。
定着器Bを用いた場合も前記定着器Aを用いた場合とほ
同様の結果となった。本発明の電子写真用トナーを含ん
でなる本発明の電子写真用現像剤を用いて画像形成を行
うと、表面の平滑性が高く、鮮明に発色したカラー定着
像を得ることができた。
トナー)と同様にして、前記結着樹脂A2と、マゼンタ
顔料(セイカファーストカーミン1476T−7;大日
精化(株)製)、イエロー顔料(セイカファーストイエ
ロー2400;大日精化(株)製)、又はカーボンブラ
ック(カーボンブラック#25;三菱化成(株)製)と
から、それぞれマゼンタトナー、ブラックトナー、イエ
ロートナーを作製した。これらのトナーと、先に作製し
たシアントナーとを併用し、微少オイル供給装置として
シリコーンオイル含浸ロール(シリコーンオイル塗布量
→1.6×10 -4mg/cm2 )を有する前記定着器A
を備えたAcolor富士ゼロックス社製Acolor
フルカラー複写機にてA4紙10万枚にフルカラーコピ
ーを施し、その際の定着器性能維持性テスト(画像濃
度:紙に対して50%)を行ったところ、前記定着器A
に不具合は発見されなかった。
現像剤、画像形成方法によると、定着器の表面からの離
型性に優れる結果、オイル等の離型剤の塗布量を従来の
1/10以下に低減することができ、オフセットが発生
せず、被転写体への前記離型剤の付着がほとんど無い状
態で、しかも平滑度が高く色鮮やかな高画質のカラー画
像を得ることができる。また、定着部材の弾性層の厚み
を従来よりも薄くした定着器を用いても、オフセットが
発生せず、被転写体への離型剤の付着がほとんど無い状
態で、しかも平滑度が高く色鮮やかな高画質のカラー画
像を得ることができる。さらに、前記離型剤の使用量が
極めて少なくて済むので、定着器の低コスト化、小型化
が可能になり、定着部材の弾性層の厚みを薄くできるの
で、少電力化も可能になる。一方、本発明の電子写真用
トナーの製造方法によると、結着樹脂の硬度に制限され
ず、粉砕が困難な結着樹脂を用いる場合でも容易に電子
写真用トナーを製造することができる。
/1000における、定着温度と定着後における画像表
面の平滑度との関係を示す説明図である。
量が異なる3つの場合における、定着温度と定着後にお
ける画像表面の平滑度との関係を示す説明図である。
概略説明図である。
である。
である。
ア、4・・・弾性層、5・・・表面層、5a・・・フッ
素樹脂層、5b・・・フッ素ゴム層、6・・・金属ベル
ト、7・・・加熱ベルト、8・・・加圧ベルト、9・・
・シリコーンンオイル含浸ロール(離型剤供給装置)、
10・・・加熱源、11・・・離型剤、12・・・クリ
ーニング部材、21・・・紙等の被転写体、22・・・
未定着トナー
Claims (10)
- 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含んで
なる電子写真用トナーにおいて、前記結着樹脂が、分子
量10,000以下の成分の含有量が45重量%以下で
あり、かつ動的粘弾性が、G”(100rad/se
c)/1000≧30を満たすポリエステル樹脂(ここ
で、前記G”(100rad/sec)は、G”(1r
ad/sec)が1×103 Paになる温度での周波数
100rad/secにおける動的粘弾性の値を表
す。)を含有することを特徴とする電子写真用トナー。 - 【請求項2】 前記G”(1rad/sec)が1×1
03 Paになる温度が180℃以下である請求項1に記
載の電子写真用トナー。 - 【請求項3】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含むト
ナー組成物を揮発性溶剤に分散・溶解させて分散溶液を
調製する工程、前記分散溶液を水系媒体中に分散させる
工程、及び前記水系媒体中から前記揮発性溶媒を除去す
る工程を含む電子写真用トナーの製造方法において、前
記結着樹脂が、分子量10,000以下の成分の含有量
が45重量%以下であり、かつ動的粘弾性が、G”(1
00rad/sec)/1000≧30を満たすポリエ
ステル樹脂(ここで、前記G”(100rad/se
c)は、G”(1rad/sec)が1×103 Paに
なる温度での周波数100rad/secにおける動的
粘弾性の値を表す。)を含有することを特徴とする電子
写真用トナーの製造方法。 - 【請求項4】 前記トナー組成物が、前記トナー組成物
を融解混練してなる着色樹脂組成物である請求項3に記
載の電子写真用トナーの製造方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載の電子写真用トナーと、
キャリアとを含有することを特徴とする電子写真用現像
剤。 - 【請求項6】 前記キャリアが樹脂被覆キャリアである
請求項5に記載の電子写真用現像剤。 - 【請求項7】 潜像担体上に潜像を形成する工程、前記
潜像を電子写真用現像剤を用いて現像する工程、現像さ
れたトナー像を転写体上に転写する工程、及び転写体上
のトナー像を加熱圧着する定着工程を含む画像形成方法
において、前記電子写真用現像剤が請求項5に記載の電
子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。 - 【請求項8】 前記加熱圧着が、トナー像と接する側の
定着部材に、画像支持体上への塗布量が8.0×10-3
mg/cm2 以下となるように離型剤を供給しながら行
う加熱圧着である請求項7に記載の画像形成方法。 - 【請求項9】 前記定着部材が、厚みが0.01〜2.
0mmである弾性層を有してなる定着部材である請求項
8に記載の画像形成方法。 - 【請求項10】 前記定着部材が、厚みが0.005〜
0.2mmであるフッ素樹脂層を表面に有してなる定着
部材である請求項8又は9に記載の画像形成方法。
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JPH09304965A JPH09304965A (ja) | 1997-11-28 |
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JP11512996A Expired - Lifetime JP3358439B2 (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 電子写真用トナー、電子写真用トナーの製造方法、電子写真用現像剤及び画像形成方法 |
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1996
- 1996-05-09 JP JP11512996A patent/JP3358439B2/ja not_active Expired - Lifetime
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