JP2007114249A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007114249A
JP2007114249A JP2005302623A JP2005302623A JP2007114249A JP 2007114249 A JP2007114249 A JP 2007114249A JP 2005302623 A JP2005302623 A JP 2005302623A JP 2005302623 A JP2005302623 A JP 2005302623A JP 2007114249 A JP2007114249 A JP 2007114249A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
image
toner
image forming
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005302623A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Hayashi
繁 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2005302623A priority Critical patent/JP2007114249A/ja
Publication of JP2007114249A publication Critical patent/JP2007114249A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】電子写真方式による画像形成の定着工程において、ブリスタの発生を有効に防止し、高画質で、かつ良好な剥離性を長期にわたって維持することができる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーを含む現像剤によりトナー像に現像する現像手段と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を加熱加圧して記録媒体に定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、前記トナーが研磨剤を含み、前記定着手段が、1層以上の弾性体層及びフルオロカーボンシロキサンゴムを含む最外層を設けた定着部材と、記録媒体を加圧する加圧部材とを有し、前記弾性体層を構成する弾性体からソックスレー抽出されるポリジメチルシロキサン成分の抽出量が0.4質量%以下であり、前記定着部材の設定定着温度が175℃以下である画像形成装置である。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像形成装置に関する。
近年のフルカラー複写機やプリンターの普及に伴い、電子写真方式を用いた画像形成装置への要求は単なる複写手段にとどまらず、用途によってはオフセット印刷調ないしは銀塩写真調の高画質かつ高光沢の高付加価値カラー画像を長期に渡って安定してプリントすることが求められる。
一般に、複写機等の画像形成装置においては、未定着トナー像を定着するために定着装置が用いられる。
従来この種の定着装置としては、互いに圧接しながら回転する定着ロールと加圧ロールやベルトとを備え、未定着トナー像が担持された用紙等の記録媒体をこれらの圧接部に挿通させて未定着トナー像を定着する加熱加圧定着方式が広く用いられている。さらに、オフセット印刷や銀塩写真並の高画質、高光沢な画像を得るためには、白色度、光沢性を高めたコート紙を用いることが多い。
上記の定着方式で高画質、高光沢のカラー画像を得るためには、記録媒体上の未定着トナーやトナーに含有されるワックスなどの成分、多様なコート紙のコート材料が、前記定着ロールや前記加圧ロール又はベルトに付着するのを防止することが重要である。この観点からすれば、これらの表面にはトナーなどが付着しにくい、すなわちトナーやワックス、その他熱可塑性樹脂類に対する離型性の高い材質で離型層を設けることが好ましく、シリコーンゴムを用いた離型層やフッ素樹脂を用いた離型層をこれらの表面に設けたものが用いられている。
しかしながら、上記のどちらの材料も長期にわたって安定して離型性を保つことは難しく、離型層の寿命の短さが定着装置全体の寿命を縮めているのが現状といえる。
まず、前記シリコーンゴム等からなる弾性体を用いた離型層は、繰り返し使用するうちに、トナーの一部が定着ベルト表面に付着するので、光沢ムラや色ムラが発生する。そこで、トナーに離型剤としてワックス成分を含有させると、トナーの一部がベルトに付着するのを抑制する効果はあるものの、定着後にベルトからトナー像を剥離する際にベルト表面にワックス成分が転移(オフセット)してしまうので、その後に定着した記録媒体の画像にそのオフセットしたワックス成分に応じた模様が転移し、ゴーストが生じるという問題がある。
次に、PFAなどのフッ素樹脂からなる離型層は、トナーやワックス成分の定着ベルトへのオフセットは発生しにくくなるが、その離型層の平滑性が低いので、光沢性に富む画像が得にくくなる。そこで、離型層をバフ研磨などにより平滑化処理すると、初期には光沢性に富む画像を得ることができるが、繰り返し使用しているうちに用紙エッジ等の外的要因によりベルト表面にキズが生じるので、高光沢な画像を安定して得ることができないという問題がある。
さらにはフッ素樹脂が硬いために、その表面が未定着トナー像の微少な凹凸に追従できず、得られる画像の画質が悪くなる問題があり、また、プリント枚数が増えるに従い、加熱加圧による変形が累積し、離型層が基材(多くの場合は弾性体)から浮き上がり、表面波うちや破れとなって画像を損ねてしまうという問題点がある。
一方、高画質、高光沢のカラー画像を得るために記録媒体としてコート紙、特に両面コート紙を用いる場合、定着時の加熱によって発生した用紙中の水蒸気によって用紙繊維や表面コート層が破壊される現象(ペーパーブリスタ)や、トナー層中に気泡ができる現象(トナーブリスタ)が生じる。
これらは、ともに定着温度を低下させると発生を抑えることができる。しかし同時に、定着温度を低下させることで像の光沢や段差感が悪化してしまうことがあり、また、トナーが粘着性を持ち、定着部材への転移(コールドオフセット)が起きることがある。
この問題に対して、従来の定着方式ではトナー側と用紙裏面側の部材に温度差を設けることにより、トナーの高温を維持しながら用紙温度を低下させるという方策がとられているが、プリント速度が高速、かつ、画像が高密度になるほど、ブリスタの防止は難しくなってくる。
上記ブリスタの発生防止と高光沢、平滑感を両立するためには、定着部材表面が平滑であり、かつ、しなやかで未定着トナー像の微少な凹凸に追従することが求められ、また、コールドオフセット防止のためには、高離型性をも備えた定着部材が望ましい。
以上の観点から、フルオロカーボンシロキサンゴムを離型層に使用した定着部材が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
このフルオロカーボンシロキサンゴムを使用した離型層は、シリコーンゴムよりもトナーやワックスに対する離型性に優れ、かつ平滑性も高い。さらには前記フッ素樹脂と異なり、表面が微少な凹凸に追従しやすく、高画質画像を得やすい。
しかしながら、この提案されている定着部材も、初期には充分な離型性が得られるが、繰り返し使用していくにつれて離型性が変化し、トナーや受像層の樹脂成分がオフセットしたり、ワックスがオフセット等したりするので、高光沢でムラのない初期状態の高画質を維持しつつ、所望の寿命を確保するのは困難であった。なお、この定着ベルトの離型性が変化する原因としては、搬送部材を構成するシリコーンゴム製部材から滲出するポリジメチルシロキサンによって、定着ベルトの表面性が変化することが指摘されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、像担持体表面の付着物を除去して耐久性を向上させるため、トナーに研磨剤を含ませることが有効な技術であるが、このような現像剤を用いた場合には、特に前記フルオロカーボンシロキサンゴムを離型層に使用した定着部材の劣化が速く、高耐久化のための課題となっていた。
特開平7−302009号公報 特開平6−250537号公報 特開2003−84599号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、電子写真方式による画像形成の定着工程において、ブリスタの発生、特に通気性不足からメディアブリスタが起こりやすいレジンコート紙(厚紙の上に樹脂コート層を設けたもの)のメディアブリスタを有効に防止し、高画質で、かつ良好な剥離性を長期にわたって維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーを含む現像剤によりトナー像に現像する現像手段と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を加熱加圧して記録媒体に定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、
前記トナーが研磨剤を含み、
前記定着手段が、担体上に少なくとも1層以上の弾性体層及びフルオロカーボンシロキサンゴムを含む最外層を設けた定着部材と、該定着部材に対面して記録媒体を加圧する加圧部材とを有し、前記弾性体層を構成する弾性体のソックスレーからソックスレー抽出されるポリジメチルシロキサン成分の抽出量が0.4質量%以下であり、
前記定着部材の設定定着温度が、175℃以下である画像形成装置である。
定着設定温度を低くし、定着部材表面に最外層としてフルオロカーボンシロキサンゴム層を設けることにより、ブリスタの発生を回避することができると共に定着時の離型性を向上させることができる。さらに、トナーに研磨剤が含まれていても、定着部材の内層に低分子化合物の抽出量が少ない弾性体層を配することにより、定着部材表面が傷ついても最外層の耐久性低下を防止することができる。
<2> 前記トナーが、少なくとも結着樹脂、離型剤、着色剤を含有し、正弦波振動法におけるトナー溶融時の粘度温度分散において、損失正接tanδが極大値をとる温度をTm(℃)としたとき、Tmが50〜100℃の範囲にあって、(Tm−10℃)〜(Tm+10℃)の温度範囲でトナーの複素粘度η*が2桁以上変化する<1>に記載の画像形成装置である。
前記定着設定温度を低くした場合にも、上記溶融特性を有するトナーを用いることにより、低温定着化に対応することができる。
<3> 前記トナーが、結着樹脂として少なくとも結晶性樹脂及び/または結晶性化合物を5〜90質量%含有している<1>または<2>に記載の画像形成装置である。
<4> 前記トナー溶融時の粘度温度分散において、損失正接tanδが極大値をとる温度をTm(℃)としたとき、Tm+30℃における複素粘度(η*)が10〜5000Pa・sの範囲であり、かつ、前記定着手段における定着部材により記録媒体上に形成したトナー像が加熱加圧されるニップ時間が80〜200μsの範囲である<1>〜<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
低温定着化が可能なトナーに対して、上記ニップ時間で定着を行うことにより、ブリスタの発生を低減することができる。
<5> 前記定着部材が、前記担体が金属芯金で構成される定着ロールである<1>〜<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> 前記定着部材が、循環移動する定着ベルトである<1>〜<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<7> 前記定着手段が循環移動する定着ベルトであり、加熱加圧後に記録媒体を該定着ベルトに貼り付けたまま冷却し、その後剥離する機構を備えた定着手段である<6>に記載の画像形成装置である。
本発明の画像形成装置によれば、電子写真方式により形成された画像の定着工程において、メディアブリスタを有効に防止し、高画質で、かつ良好な剥離性を長期にわたって維持することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーを含む現像剤によりトナー像に現像する現像手段と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を記録媒体に定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、前記トナーが研磨剤を含み、前記定着手段が、担体上に少なくとも1層以上の弾性体層及びフルオロカーボンシロキサンゴムを主成分とする最外層を設けた定着部材と、該定着部材に対面して記録媒体を加圧する加圧部材とを有し、前記弾性体層を構成する弾性体のソックスレー抽出量が0.4質量%以下であり、前記定着部材の設定定着温度が175℃以下であることを特徴とする。
前述のように、フルオロカーボンシロキサンゴムを離型層(最外層)に有する定着部材を用いてトナー像の定着を行った場合には、定着部材の表面が離型性に優れ平滑性も高いため、高画質画像を得ることができる。そして、この効果は前記ブリスタの発生を抑えるため定着部材の設定定着温度を約175℃以下とした場合にも同様に得ることができる。
しかし、上記設定定着温度を低くした場合には、それに対応してトナーについても低温定着性の向上を図る必要がある。そしてこの場合には、後述するように、トナーの結着樹脂として結晶性樹脂等を用いることとなるため、現像剤として実機中で連続使用するとトナー成分が感光体(像担持体)表面に付着しやすくなる。そして、これを回避する方法として、トナーに研磨剤を含有させることが有効であることが知られている。
このような状況の下、研磨剤を含有するトナーを用いてフルオロカーボンシロキサンゴムを最外層とした定着部材を有する定着装置を備えた画像形成装置により連続画像形成を行ったところ、短期に定着部材が使用不可能となってしまうことが判明した。
この原因について本発明者等が検討したところ、トナーに含まれる研磨剤は転写後にトナー画像に含まれることとなるため、定着時に定着部材の表面をかなり傷つけやすいことがわかった。そして、通常定着部材の弾性体層(最外層の下層)にはシリコーンゴムが用いられているが、前記研磨剤により発生した定着部材表面(最外層表面)の傷部分から、シリコーンゴム中の低分子量成分が滲出し、フルオロカーボンシロキサンゴムで構成される最外層、早期に変形、破壊してしまうことが判明した。
以上のような原因解析より、本発明者等はフルオロカーボンシロキサンゴムを用いた最外層を長期に維持するためには、最外層の内部に設けられる弾性体層からの低分子量成分量を低減することが必要であり、後述するように、定着部材の設定定着温度を低下することにより使用可能となった一定の弾性体を弾性体層に用いることにより本発明を完成させた。
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置100は、図示しない画像読取部で読み取った画像データもしくは外部から入力された画像データのレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)色を、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色に色変換等する画像処理部27と、矢印A方向に回転する、トナー像を形成する感光体(像担持体)20と、その感光体20を均一に帯電させる帯電器21と、画像処理部27から出力されるYMCK色の画像データに基いて変調された露光光を、帯電したその感光体20に照射することによりYMCK毎の静電潜像を形成する露光装置(潜像形成手段)22と、YMCK各色のトナーボックス25から供給された各色トナーを収容するとともに、感光体20上のYMCK毎の静電潜像を、それら各色トナーで現像して、感光体20上にYMCK各色毎のトナー像を形成する現像器23とを備えている。
また、感光体20と接触してニップ部を形成し、支持ロール31に架け渡されて矢印B方向に循環移動する中間転写ベルト30を備え、感光体20上に形成されたYMCK各色毎のトナー像は、ニップ部において中間転写ベルト30を介して感光体20と対向する1次転写ロール32により中間転写ベルト30上に順次多重転写される。一方、画像を形成する用紙(記録媒体)Pを収納する用紙トレイ40と、用紙トレイ40に収納された用紙Pを、トナー像の転写を受ける所定の転写位置を経由して搬送する搬送手段を備えており、搬送手段は、用紙Pの受像層と接触する接触部材50を有する。
接触部材50は、本実施形態においては、取出ロール51、加圧ロール52、搬送ロール53、レジストロール54、用紙搬送ベルト55、および排紙ロール57等のロール類、もしくは搬送路切換器56、あるいはロール類や搬送路切換器表面に被覆されたパッド等が該当する。
用紙トレイ40に積層された用紙Pのうちの最上層に積層された用紙Pに接触してその最上層に積層された用紙Pを取出ロール51が取り出し、取出ロール51と接触している状態の用紙Pをリタードロールとフィードロールからなる一対の加圧ロール52に挟まれて1枚ずつに制限されて送り出された用紙Pは、搬送ロール53を経て、2次転写ロール33に挟まれ、中間転写ベルト30と重ね合わされる。そして、中間転写ベルト30上に多重転写されたYMCK色トナー像は、2次転写ロール33により用紙上に転写される。YMCK色トナー像を転写された用紙Pは、用紙搬送ベルト55に載せられて、用紙上のYMCK色トナー像を加熱および加圧して用紙上に定着させる定着器(定着手段)60に運ばれる。
定着器60としては、本発明における定着部材・加圧部材を用いる限り、その他の構成はロール型・押し当てパッド型・ベルト型など、公知の定着装置を用いることができる。
例えば、図2に断面図として示すようなロール型定着器200は、駆動源により駆動されて回転する定着ロール(定着部材)211と、定着ロール211を加圧してニップ部214を形成し駆動源により駆動されて回転する加圧ロール(加圧部材)212とを備えている。トナー像を担持する用紙Pがニップ部に搬送されてくると、トナー像を定着ロール211側に向けてニップ部214で挟み、トナー像を加熱して溶融させ、溶融状態のトナー像を加圧して用紙に定着させる。また、定着器200は必要に応じて定着ロール211及び加圧ロール212の加熱を助ける予備加熱機構や、ニップから出てきた用紙Pを定着ロール211から剥離する剥離機構を備えていても良い。
定着ロール211は、加熱用のハロゲンランプ211aを内蔵し、担体としての金属芯金211b上に弾性体層211c、最外層211dが形成されている。
本発明においては、最外層211dはフルオロカーボンシロキサンゴムを含んで構成される。該フルオロカーボンシロキサンゴムは、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及び/またはパーフルオロアルキル基を有するものが、トナーとの離型性向上やシリコーンオイルに対する膨潤低減の観点から好ましい。
また特に、このフルオロカーボンシロキサンゴムとしては、(A)下記式(1)のフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するフルオロカーボンシロキサンポリマー、(B)1分子中に2個以上の≡SiH基を含有し、前記フルオロカーボンシロキサンポリマー由来の脂肪族不飽和基量に対して、前記≡SiH基の含有量が1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及び/またはフルオロカーボンシロキサン、(C)充填剤、及び(D)有効量の触媒を含有するフルオロカーボンシロキサンゴムの前駆体組成物の硬化物であることが好ましい。
Figure 2007114249
前記式(1)において、R10は非置換または置換の一価の炭化水素基を表す。a、eはそれぞれ独立に0または1を表し、b、dはそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、cは0〜8の整数を表す。また、xは1以上の整数を表す。
前記(A)成分においては、前記式(1)におけるR10で表される非置換または置換の一価の炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基または炭素数2〜3のアルケニル基であり、特に好ましくはメチル基である。また、xは10〜30であることが好ましい。
一方、前記(A)成分における脂肪族不飽和基は、一価の脂肪族不飽和炭化水素基を少なくとも含む。該一価の脂肪族不飽和炭化水素基の炭素数は2〜3であることが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、エチニル基等の炭素数2〜3のアルケニル基が挙げられ、特にビニル基が好ましい。前記脂肪族不飽和基は分子鎖のどこに存在してもよいが、分子鎖末端にあることが好ましく、例えばビニルジアルキルシリル基、ジビニルアルキルシリル基、トリビニルシリル基を主鎖に有することが好ましい。この場合、前記脂肪族不飽和基の主鎖に含まれるアルキル基は、炭素数1〜8アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
このような(A)成分としては、下記式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007114249
前記(B)成分は、1分子中に2個以上の≡SiH基を含有し、この≡SiH基が前記フルオロカーボンシロキサンポリマー由来の脂肪族不飽和基量の1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及び/またはフルオロカーボンである。
ここで、≡SiH基を有するオルガノポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを挙げることができる。
前記(C)成分の充填剤としては、一般的なシリコーン系ゴム組成物に使用されている種々の充填剤を用いることができる。例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイト及びベントナイト等の補強性充填剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤などを例示することができる。
これらの充填剤は、前記(A)成分100部(質量部、以下同じ)に対して0.1〜300部の範囲、特に1〜200部の範囲の割合で配合されることが好適である。この充填剤の配合量が0.1部未満の場合には、十分な補強効果を得ることができない場合があり、また300部を超える割合で配合された場合には、硬化物の機械的強度が低下するという不都合を生じる場合がある。
前記(D)成分の触媒としては、付加反応用触媒として公知とされている塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金またはパラジウムをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持したもの、ロジウムとオレフィンとの錯体、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ロジウム(III)アセチルアセトネートなどのような周期律表第VIII族元素またはその化合物が例示されるが、これらの錯体はアルコール系、エーテル系、炭化水素などの溶剤に溶解して用いることが好ましい。
これらの白金族金属系触媒の配合量は、触媒の有効量であればよいが、通常、前記(A)成分100部に対して、白金族金属換算で1〜500ppm、特に5〜20ppmの割合で使用することが好ましい。
前記最外層の厚さは、1〜5000μmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜3000μmの範囲である。前記最外層の厚さが1μmより薄いと、弾性が不足してゴム層を加える効果がなくなり、耐久性が不足したりする場合がある。一方、前記最外層の厚さが5000μmを越えると、定着部材の比熱が増大して熱移動量が低下し、定着速度の低下につながる場合がある。
本発明においては、前述のように弾性体層211cを構成する弾性体として、ポリジメチルシロキサンのソックスレー抽出量が0.4質量%以下のものを用いる必要がある。ここで、ポリジメチルシロキサンのソックスレー抽出量とは、弾性体に対し、100mlのn−ヘキサンを抽出溶剤として用い、ソックスレーにて8時間抽出を行ない、抽出液ならびに抽出残渣を約1Paで5時間乾燥固化した後に抽出液乾固物に含まれるポリジメチルシロキサン量を秤量して求めた抽出量の全体に対する比率をいう。
秤量に先立ってポリジメチルシロキサンの有無を知るために、抽出液を乾燥固化したものを重クロロホルム溶媒に溶解し、常温(20〜25℃)の下、500MHz1H−NMRで測定するのが好ましい。
ソックスレー抽出量が0.4質量%を超えると、フルオロカーボンシロキサンゴムからなる最外層表面が傷ついたときに、その部分において内部から弾性体層成分として滲出しやすく、最外層が変形、破壊しやすくなる。
上記抽出量は0〜0.4質量%の範囲がより好ましく、0〜0.2質量%の範囲であることがさらに好ましい。ポリジメチルシロキサンを含有しない材料であることがもっとも好ましい。
前記弾性体としては、具体的には、ウレタンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、EPDMなど、高強度かつ前記ポリジメチルシロキサンのソックスレー抽出量の少ない、好ましくはポリジメチルシロキサンを含有しない材料から、使用するトナーの特性に照らせて選択されることが望ましい。これらの材料はシポリジメチルシロキサンを含有しないリコーンゴムに比べ、耐熱性に劣るものもあるが、後述する電子写真用トナーを用いることにより低温定着化が可能となるため、長期に渡って使用することができる。
また、弾性体層211cの表面は、摩耗と前記各種ゴムからの低分子量成分の滲み出しを考慮し、PFAやポリイミドなどの耐熱性樹脂で離型層をチュービングまたはコーティングしてもよい。この場合には、それらの上層に前記フルオロカーボンシロキサンゴム層を設ける。
金属芯金211bは、熱伝導性や強度など、目的に応じてアルミあるいはSUSなどが用いられる。また、本発明における担体としては、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテル等の耐熱性樹脂を用いることもできる。耐熱性樹脂には、充填材としてカーボンや金属、金属酸化物、炭化珪素や窒化ホウ素のような無機粒子を添加してもよい。
本発明においては、定着ロール211の設定定着温度は175℃以下に設定される。温度をこの範囲とすることで低温定着を行うことができ、また前記ブリスタの発生を回避することができる。
上記設定定着温度は、具体的には加熱中の定着ロール211の平均表面温度を意味し、この温度設定により、定着ロール211の表面に接触配置された温度センサーにより検知したロール表面の実温度の信号に基づき、ハロゲンランプ211aのON、OFFが制御され、所望の温度範囲にコントロールされる。
加圧ロール212は、加熱用ハロゲンランプ212aを内蔵し、金属芯金212b上に弾性体層212cを有する。弾性体層212cを構成する弾性体としては、前記弾性体層211cと同様の材料を用いることができる。
図3は、本発明における他の定着装置の態様である押し当てパッド型定着器の断面を示す概略断面図である。
図3において、定着ローラ(定着部材)10とエンドレスベルト11、およびエンドレスベルト11を介して定着ローラ10に押圧される圧力パッド(加圧部材)12とで主要部が構成されている。
定着ローラ10は、金属製のコア(円筒状芯金)10aの周囲に弾性体層10b、および離型層(最外層)10cを形成したものであり、コア10aの内部には、加熱源としてのハロゲンランプ14が配置されている。
定着ローラ10の表面の温度は温度センサ15によって計測され、その計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ14がフィードバック制御されて、定着ローラ10の表面が一定温度になるように調整される。 エンドレスベルト11は、定着ロール10に対し所定の角度巻き付けられるように接触し、ニップ部を形成している。
エンドレスベルト11の内側には、圧力パッド12がエンドレスベルト11を介して定着ローラ10に押圧される状態で配置されている。
圧力パッド12は、幅の広いニップ部を確保するための弾性体部材12aと、該弾性体部材12aのエンドレスベルト11の内周面と接触する面に低摩擦層12bとが設けられ、金属製等のホルダー12cに保持されている。低摩擦層12bを表面に有する弾性体部材12aは、ほぼ定着ローラ10の外周面に倣う凹形になっており、定着ローラ10に対して押圧されて、ニップ部を形成し、定着ローラ10に一定の歪み量を生じさせている。さらにホルダー12cには、エンドレスベルト11がスムーズに摺動回転するようにベルト走行ガイド13が取り付けられている。ベルト走行ガイド13はエンドレスベルト11内面と摺擦するため摩擦係数が低い部材が望ましく、かつ、エンドレスベルト11から熱を奪いにくいように熱伝導の低い部材がよい。
定着ローラ10は、図示しないモータにより矢印B方向に回転させられ、この回転によりエンドレスベルト11も従動回転する。
図示しない転写装置により記録シート(記録部材)16上にトナー像17が転写され、図の右側からニップ部に向けて(矢印A方向)、この記録シート16が搬送されてくる。ニップ部に挿通させられた記録シート16上のトナー像71は、ニップ部に作用する圧力と、ハロゲンランプ14により定着ローラ10を通じて与えられる熱と、により定着させられる。図3に示す構成の装置により定着を行えば、ニップ部を広く採ることができるため、安定した定着性能を確保することができる。
定着後の記録シート16は、離型層10cおよびニップ部における歪みの両効果により、定着ローラ10に巻き付くことなく良好に剥離されるが、該剥離の補助手段として、定着ローラ10の回転方向のニップ部の下流に剥離手段18を設けることが望ましい。剥離手段18は、剥離シート18aが定着ローラ10の回転方向と対向する向き(リバース)に定着ローラ10と接触する状態でガイド18bにより保持されて構成される。
上記のような構成の定着器10においても、離型層(最外層)10Cとしてフルオロカーボンシロキサンゴムを含む層、弾性体層10bとして前記ロール型の定着器における弾性体層と同様の弾性体により構成される層とし、定着ローラ10の設定定着温度を同様の範囲とすることにより、前述の本発明の効果を得ることができる。
図4は、本発明における他の定着装置の態様である冷却機構を備えたベルト型定着器の断面を示す概略断面図である。この態様の定着装置は、特開昭64−35452号公報、特開平5−216322号公報に提案されているように、冷却剥離定着方式によって電子写真方式を用いて銀塩写真調の高光沢な画像を得る目的でも有効である。
その場合、記録媒体としては、表面に熱可塑性樹脂をコートして受像層としたコート紙を用いることが好ましい。この場合、コート紙表面の樹脂層に例えばYMCK色トナー像を転写し、定着器で定着した後、または未定着像のまま、後述するベルト定着器で冷却剥離定着に付される。ベルト定着器では、1次定着が終了したコート紙ないしは未定着トナー画像を転写したコート紙が加熱、加圧された後、冷却され、YMCK色トナー像が用紙の樹脂層に埋め込まれた状態の高光沢の高画質画像が形成されたコート紙が得られる。
図4において、ベルト定着器310は、駆動源により駆動されて回転する定着ロール311と、剥離ロール313と、定着ロール311および剥離ロール313に架け渡されて矢印C方向に循環移動する定着ベルト(定着部材)315と、その定着ベルト315を挟んで定着ロール311を加圧してニップ部314を形成し駆動源により駆動されて回転する加圧ロール(加圧部材)312と、定着ベルト315が循環移動する矢印C方向の定着ロール311下流側で、かつ剥離ロール313の上流側において定着ベルトを冷却する冷却器316とを備えている。
トナー像を担持する用紙Pがニップ部314に搬送されてくると、トナー像を定着ベルト315側に向けてニップ部314で挟み、トナー像を加熱して溶融させ、溶融状態のトナー像を加圧して用紙Pに定着させ、トナー像を冷却器316で冷却して固化し、用紙に定着したトナー像を剥離ロール313から剥離する。
定着ロール311は、加熱用のハロゲンランプ311aを内蔵し、金属芯金311b上に弾性体層311cが形成され、ベルト内周面との摩耗を考慮し、弾性体層311cにシリコーンゴムを用いる場合は、PFAなどのフッ素樹脂で離型層をチュービングまたはコーティングするのが望ましい。金属芯金311bは、熱伝導性や強度など、目的に応じてアルミあるいはSUSなどが用いられる。なお、金属芯金311bと離型層の間の弾性体層は必ずしも設ける必要はない。
前記ハロゲンランプ311aにより、定着ベルト315の表面温度は、同様に前記設定定着温度範囲に制御される。
加圧ロール312は、加熱用ハロゲンランプ212aを内蔵し、金属芯金312b上に弾性体層312cを有する。なお、本実施形態では加圧部材として加圧ロールを用いているが、所望の荷重が得られれば、ベルト回転体であっても、押し当てパッドであってもよい。
剥離ロール313は、金属であることが望ましく、また用紙を定着ベルト315から剥離させることを考慮すると円筒状部材であることが望ましいが、定着ベルト315の走行性を妨げなければ回転体である必要はなく、固定部材であってもよい。
冷却器316は、ヒートシンクと呼ばれ、内部に熱伝導性の良い金属のフィンを立てた構成を持つ箱状部材316aを有する。この箱状部材316aと定着ベルト315との密着性を高めるため、定着ベルト315が箱状部材316aと接触する面の反対側の面から押圧する補助部材を設けてもよい。また、ヒートシンクに替えて、水などを流動させて熱交換を行なうヒートパイプ方式の冷却器を用いてもよい。
図5は、上記ベルト定着器310に用いられる定着ベルト315の拡大断面図である。
図5に示す定着ベルト315は、ベース層(担体)315aと弾性体層315bとフルオロカーボンシロキサンゴムからなる表面層(最外層)315cとにより構成されている。なお、ベース層315a及び弾性体層315b、弾性体層315b及び表面層315cの間に接着層を設けることもできる。
ベース層315aは、耐熱性及び機械的強度が要求され、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属シートや、PET、PBT、ポリエステル、ポリイミド、ポリイミドアミド等の樹脂フィルムを用いることができる。なお、樹脂中に、カーボンブラックなどの導電性粉体などを添加分散することにより体積抵抗率を制御することもできる。ベース層315aの厚みは、30〜200μmの範囲が好ましく、より好ましくは40〜150μmの範囲、さらに好ましくは50〜130μmの範囲が適している。ベース層315aの厚みが30μmより薄いと、加熱冷却時の寸法安定性や、強度が不足する。一方、ベース層315aの厚みが200μmを越えると、定着ベルト315の比熱が増大して熱移動量が低下し、定着速度やサイクルタイムが低下する。
弾性体層315bを構成する材料としては、前述のソックスレー抽出量が0.4質量%以下の弾性体のうち、特にシート成形性やシート柔軟性に優れた材料を用いることができる。良好な定着性を得るために弾性体層315bの厚さは20〜500μmの範囲とすることが好ましく、40〜200μmの範囲とすることがより好ましい。
表面層315cは、耐熱性、トナーや透明樹脂との離型性と安定性等が要求されることから、フルオロカーボンシロキサンゴムで構成される。フルオロカーボンシロキサンゴム層を形成する場合の配合等は、前記と同様である。
定着ベルトに用いるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、耐溶剤性を向上させるという本発明の目的を損なわない範囲において、種々の配合剤を添加することができる。例えば、ジフェニルシランジオール、低重合度の分子鎖末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、顔料等の着色剤等を必要に応じて配合することができる。
本実施形態の定着ベルト315は、耐熱性樹脂製及び金属製の無端状ベルトのベース層315aの表面に弾性層315bを塗布あるいは一括成型等により形成した後、この上にフルオロカーボンシロキサンゴム前駆体で塗布し、硬化することによって得られるが、必要に応じてm−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等の溶剤で希釈して適当な粘度の塗工液とし、それを塗布することもできる。
表面層315aの厚さは、1〜3000μmの範囲が好ましく、より好ましくは5〜300μmの範囲、さらに好ましくは10〜100μmの範囲が適している。1μmより薄いと、弾性が不足してゴム層を加える効果がなくなり、転写性に問題が生じたり、耐久性が不足したりする。3000μmを越えると、中間転写体の比熱が増大して熱移動量が低下し、定着速度やサイクルタイムの低下につながる。
なお、前記接着層としては、シリコーンゴムの接着に通常使用されるプライマー類などを適用することができる。プライマー類としては、例えば、アミノシラン系カップリング剤、クロロシラン系カップリング剤、クロロメチルシラン系カップリング剤、シアノシラン系カップリング剤、チタン酸エステル系カップリング剤などが挙げられる。プライマー類は、これらに限定されるものではないが、これらの中では、アミノシラン系カップリング剤及びチタン酸エステル系カップリング剤が好ましい。
上記のような構成の定着器310においても、表面層(最外層)315cとしてフルオロカーボンシロキサンゴムを含む層、弾性体層315bとして前記ロール型の定着器における弾性体層と同様の弾性体により構成される層とし、定着ベルト315の設定定着温度を同様の範囲とすることにより、前述の本発明の効果を得ることができる。
次に、本発明に用いられるトナーについて説明する。
本発明に用いる電子写真用トナーとしては、少なくとも結着樹脂に加えて、離型剤、着色剤を含むことが好ましく、製法としては、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法、または、結着樹脂を着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液と共に水系溶媒で加熱溶融し、機械的にせん断力を加えることによって乳化せしめた後、造粒する溶融懸濁法等が使用できる。
また、上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、溶融懸濁法が好ましい。
本発明においては、前記トナーが、少なくとも結着樹脂、離型剤、着色剤を含有し、正弦波振動法におけるトナー溶融時の粘度温度分散において、損失正接tanδが極大値をとる温度をTm(℃)としたとき、Tmが50〜100℃の範囲にあって、(Tm−10℃)〜(Tm+10℃)の温度範囲でトナーの複素粘度η*が2桁以上変化することが好ましい。
Tm、η*が上記条件を満たすことにより、設定定着温度が175℃以下の定着装置でも十分トナーを記録媒体に定着させることができ、低温定着性を向上させることができる。
なお、上記複素粘度η*、損失正接tanδの測定は以下の条件で行った。測定にはレオメトリックサイエンティフィック(株)製ARES−2KFRT装置を用いた。試料は直径25mmの平板プレートを用い、試料を1.8mmの厚さに整形した。複素粘度の測定に先駆けて、周波数100rad/s、30〜20℃の温度範囲で10℃間隔で、貯蔵弾性率の歪依存性の測定を行い、貯蔵弾性率と歪が線形の関係にある歪領域を求めた。この歪の線形領域内で測定ができるように歪を各温度ごとに制御し、周波数100rad/s、1℃/minの昇温条件で、30〜200℃の温度範囲でη*、tanδの測定を行った。
また、前述の定着プロセスとの関係では、定着装置に用いられるトナーのTm+30℃における複素粘度η*が10〜5000Pa・sの範囲であり、かつ、定着装置における記録媒体上に形成したトナー像が加熱加圧される時間(ニップ通過時間)が80〜200μsの範囲であることが好ましい。
以下、トナーの構成成分について説明する。
使用される結着樹脂としては、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを併用するのが望ましい。ここで、上記結晶性樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。また、前記結晶性樹脂の主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が少量であり、示差走査熱量測定(DSC)において明確な吸熱ピークを有するならば、この共重合体も結晶性樹脂と呼ぶ。
前記結晶性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリジエン系樹脂、直鎖ポリエステル系樹脂、及び直鎖エステル系オリゴマーなどが挙げられ、中でも直鎖ポリエステル系樹脂及び直鎖エステル系オリゴマー(以下、まとめて「結晶性ポリエステル樹脂」という)が好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分(以下、「酸由来構成成分」と称する場合がある)と、アルコール(ジオール)成分(以下、「アルコール由来構成成分」と称する場合がある)とから合成されるものである。以下、酸由来構成成分、およびアルコール由来構成成分について、さらに詳しく説明する。尚、本発明では、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して、他成分を50質量%以下の割合で共重合した共重合体も結晶性ポリエステルとする。
前記アルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
定着性と耐熱性の観点から、これらのうち炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールであることが好ましく、炭素数が9のノナンジオールを用いることがより好ましい。また、溶融混合性、低温定着性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、上記炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールを85〜98モル%の範囲で含むことが好ましい。
前記酸由来構成成分となるための酸としては、芳香族系、脂肪族系などの種々のジカルボン酸が挙げられる。溶融混合性、機械強度、耐熱性の観点から芳香族系ジカルボン酸が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸が、低温定着性、機械強度の点で好ましく、溶融混合性を良好に保つという観点からすれば、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
第三成分としては、非晶性樹脂との相容性を高める観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等のジオール成分を用いることが好ましい。
耐熱性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、アルコール由来の第三成分が2〜15モル%の範囲にあることが好ましく、更に好ましい範囲は3〜8モル%の範囲である。
また、同様の目的で、第三成分として酸由来構成成分を加えてもよい。酸由来構成成分を二種類以上加えることで結晶性が低下して溶融混合性が高まる。結晶性が低下することによる耐熱性悪化をなくすには、全酸由来構成成分に対するこの第三成分の比率は10モル%以下であるのが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができる。すなわち、二塩基酸と二価アルコールとをエステル化反応もしくはエステル交換反応させることによりオリゴマーを得、次いで真空下で重縮合反応を行って合成することができる。また、例えば特公昭53−37920号公報に記載のように、ポリエステルの解重合法によっても得ることができる。また、二塩基酸としては、ジメチルテレフタレート等のジカルボン酸のアルキルエステルを少なくとも一方に用いてエステル交換反応を行なった後、重縮合反応を行なったり、ジカルボン酸を用いて直接エステル化、次いで重縮合反応を行なったりしてもよい。
例えば、二塩基酸と二価アルコールを、大気圧下180〜200℃で2〜5時間反応させ、水又はアルコールの留出を終了させて、エステル交換反応を完結させる。次いで、反応系内の圧力を1mmHg以下の高真空にすると共に、200〜230℃に昇温し、この温度にて1〜3時間加熱して結晶性ポリエステル樹脂を得る。
その他の結晶性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン系モノマーの単独重合体及び共重合体が挙げられる。オレフィン系モノマーの単独重合体としては、ポリブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリペンテン、ポリ−5−メチル−1−ヘキセン、ポリテトラデセン、ポリペンタデセン、ポリヘキサデセン、ポリヘプタデセン、ポリオクタデセン、ポリノナデセン、ポリエイコセン、ポリシクロヘプテン−alt−エチレン等が挙げられる。オレフィン系モノマーの共重合体としては、これらの単独重合体において使用される複数のオレフィン系モノマーの共重合体、オレフィン系モノマー及びこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。オレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、酢酸ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。
ポリジエン系樹脂としては、ジエン系モノマーの単独重合体及び共重合体が挙げられ、ジエン系モノマーの単独重合体としては、トランス−1,4−ポリ−1,3−ブタジエン、シス−2−ターシャルブチル−1,4−ポリ−1,3−ブタジエン、トランス−1−メトキシ−1,4−ポリ−1,3−ブタジエン、トランスクロロプレン、トランス−1,4−ポリイソプレン、アイソタクチック−トランス−1,4−ポリ−1,3−ペンタジエン、アイソタクチック−トランス−1,4−ポリ−1,3−ヘプタジエン、アイソタクチック−トランス−6−メチル−1,4−ポリ−1,3−ヘプタジエン、アイソタクチック−トランス−1,4−ポリ−1,3−ヘキサジエン、アイソタクチック−トランス−5−メチル−1,4−ポリ−1,3−ヘキサジエン、トランス−エリトロ−ジ−アイソタクチック−2,5−ポリ−2,4−ヘキサジエン、アイソタクチック−トランス−1,4−ポリ−1,3−オクタジエン等が挙げられる。また、ジエン系モノマーの共重合体としては、これらの単独重合体において使用される複数のジエン系モノマーの共重合体、ジエン系モノマー及びこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。
電子写真用トナーとして上述の条件を満たすのであれば、例示した樹脂以外の結晶性樹脂を用いてもよい。但し、定着させる記録媒体がたとえば紙の場合には、接着性の点から結晶性ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
前記結晶性樹脂の融点は、示差熱分析からもとめられる極大吸熱ピーク温度が好ましく用いられる。極大吸熱ピーク温度は、60〜90℃の範囲であることが好ましく、70〜80℃の範囲であるのがより好ましい。前記融点が60℃未満であると粉体の凝集が起こり易くなったり、定着画像の保存性が悪くなったりすることがある一方、90℃を超えると、定着温度の上昇をきたす場合がある。
なお、本発明において、前記結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時の、JIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。また、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があり、最大のピークをもって融点とみなす。
また、前記のトナーとしての溶融時粘度特性等を満たすため、結着樹脂が少なくとも結晶性樹脂を5〜90質量%含有していることが好ましく、帯電性の観点から、5〜25質量%含有していることがより好ましい。
前記非晶性樹脂としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体または共重合体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体または共重合体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体または共重合体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体または共重合体;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類の単独重合体または共重合体;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体または共重合体;などが挙げられる。
また、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いても良い。
これらの樹脂は、1種単独で用いても良いし、2種以上を併用して用いても良い。
これらの中では、電子写真用トナーとして用いる際の帯電安定性や現像耐久性の観点からスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂とスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂が好ましく、紙との接着性、また、結晶性成分として結晶性ポリエステルを用いる場合、結晶性成分と非晶性成分の親和性を高める意味で、非晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
前記非晶性ポリエステル樹脂の製造方法は、前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法と同様、特に制限はなく、前述のような一般的なポリエステル重合法で製造することができる。そして、低温定着性、混合性の観点から、第三成分を共重合してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分としては、前記結晶性ポリエステル樹脂と共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を持つことが溶融混合性を高める上で好ましい。特に、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分が直鎖脂肪族成分で、酸由来構成成分の主成分が芳香族系成分である場合、同じ直鎖脂肪族のアルコール由来構成成分を全ジオールに対して10〜30モル%の範囲で含み、同じ酸由来構成成分の芳香族系成分を全酸由来構成成分に対して90モル%以上含むことで、低温定着性を満たす上に、溶融混合性が高められ、低温で溶融混合でき、耐熱性の良好な混合物を得ることができる。
更に、結晶性ポリエステル樹脂の第三成分としてアルコール由来構成成分である芳香族系成分を含む場合、同じ芳香族系成分を非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分として、全アルコール由来構成成分に対してこの芳香族系成分を70〜90モル%の範囲で含むことが、溶融混合性、耐熱性、低温定着性の観点から特に好ましい。
前記酸由来構成成分としては、結晶性ポリエステルに関して挙げた種々のジカルボン酸を同様に用いることができる。前記アルコール由来構成成分としては、種々のジオールを用いることができるが、結晶性ポリエステルに関して挙げた脂肪族ジオールに加えて、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等を用いることができる。また、非晶性ポリエステル樹脂の場合は酸由来構成成分、アルコール由来構成成分とも複数の成分を含んでもよく、低温定着性の観点から、非晶性樹脂の組成によって、他の第三成分、例えばビスフェノールA誘導体などを併用するのが好ましい。
その他の成分として、本発明に用いられるトナーの着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。顔料を1種単独で用いてもよいし、同系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。また異系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。
前記着色剤としては、具体的には、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、アニリンブラック、紺青、酸化チタン、磁性粉等の無機顔料、ファストイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン(3B、6B等)、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料等が挙げられる。
また、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR,ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、パラブラウンなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤に透明度を低下させない程度にカーボンブラック等の黒色顔料、染料を混合してもよい。また、分散染料、油溶性染料等も挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、前記結着樹脂100質量部に対して、1〜30質量部が好ましいが、定着後における画像表面の平滑性を損なわない範囲で、かかる数値範囲の中でもできるだけ多い方が好ましい。着色剤の含有量を多くすると、同じ濃度の画像を得る際、画像の厚みを薄くすることができ、オフセットの防止に有効な点で有利である。
尚、前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
本発明に用いられるトナーは、上記結着樹脂と着色剤を必須構成成分とするが、従来公知の一般的なトナーに用いられ得るその他の成分を適宜用いることもできる。当該その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、無機微粒子、有機微粒子、帯電制御剤、離型剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
前記無機微粒子は、一般にトナーの流動性を向上させる目的で使用される。前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の微粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ微粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ微粒子が特に好ましい。
前記無機微粒子の平均1次粒子径(数平均粒子径)としては、1〜1000nmが好ましく、その添加量(外添)としては、トナー100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
前記有機微粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用される。前記有機微粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等の微粒子が挙げられる。
前記帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。前記帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩等が挙げられる。
前記離型剤は、一般に離型性を向上させる目的で使用される。前記離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの離型剤の添加量としては、トナー全量に対して、0.5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは5〜15質量%である。0.5質量%未満であると離型剤添加の効果がなく、50質量%以上であると、帯電性に影響が現れやすくなったり、現像器内部においてトナーが破壊されやすくなり、離型剤のキャリアへのスペント化が生じ、帯電が低下しやすくなる等の影響が現れるばかりでなく、定着時の画像表面への染み出しが不十分になり易く、画像中に離型剤が在留しやすくなってしまうため、透明性が悪化し好ましくない。
本発明に用いられるトナーは、その表面が表面層によって覆われていてもよい。該表面層は、トナー全体の力学特性、溶融粘弾性特性に大きな影響を与えないことが望ましい。例えば、非溶融、或いは高融点の表面層がトナーを厚く覆っていると、結晶性樹脂を用いたことによる低温定着性を十分に発揮し得なくなる。 従って、表面層の膜厚は薄いことが望ましく、具体的には、0.001〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。
上記範囲の薄い表面層を形成するためには、結着樹脂、着色剤の他、必要に応じて添加される無機微粒子、その他の材料を含む粒子の表面を化学的に処理する方法が好適に使用される。
化学的に処理する方法としては、例えば、過酸化物等の強酸化物質、オゾン酸化、プラズマ酸化等により酸化する方法、極性基を含む重合性モノマーをグラフト重合により結合させる方法等が挙げられる。化学的処理により、結晶性樹脂の分子鎖に共有結合で極性基が強固に結合することになる。
表面層を構成する成分としては、シランカップリング剤、イソシアネート類、あるいは、ビニル系モノマー等が挙げられ、また、当該成分には、極性基が導入されていることが好ましく、化学的に結合することにより、トナーと紙等の被転写体との接着力が増加する。
前記極性基としては、分極性の官能基であれば如何なるものでもよく、例えば、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、エーテル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イミド基、エステル基、スルホン基等が挙げられる。
また、本発明に用いるトナーには、像担持体表面上の付着物、劣化物を除去し均一に削り取るために、研磨剤が外添される必要がある。本発明に用いられるトナーには低温定着化のための結晶性樹脂等が含まれるため、研磨剤をトナーに外添しない場合には、トナー中の低融点成分が像担持体表面に付着しやすく、短期の画像形成でも像担持体表面が汚染してしまい、白抜け等の画質欠陥が発生してしまう。
研磨剤としては公知の研磨剤を用いることが可能であるが、特に研磨性に優れる無機微粒子を用いることが好ましい。このような無機微粒子としては、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が挙げられる。
また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理を施した研磨剤を利用することもできる。
研磨剤の粒径としては、50nm〜10μmの範囲内が好ましく、さらに好ましくは100nm〜1μmの範囲内である。研磨剤の粒径が50nm未満であると研磨効果が不足する場合があり、1μmを超える場合には、像担持体表面の回転方向に傷が発生する場合があるため好ましくない。
また、研磨剤の添加量は、トナーに対して0.1質量%以上添加することが好ましく、0.2質量%以上添加することがより好ましい。研磨剤の添加量が0.1質量%未満の場合には、研磨効果が不足する場合があり、像担持体表面の種々の付着物を十分に除去できなくなる場合がある。なお、研磨効果を十分に確保する点からは研磨剤の添加量は多い方が好ましいが、実用上は、1.0質量%以下であることが好ましい。
本発明においては、トナーの粒子表面に、さらに帯電性の物質を化学的若しくは物理的に付着させてもよい。また、金属、金属酸化物、金属塩、セラミック、樹脂、カーボンブラック等の微粒子を、帯電性、導電性、粉体流動性、潤滑性等を改善する目的で外添してもよい。
本発明におけるトナーの体積平均粒径は2〜12μmの範囲であることが好ましく、3〜9μmの範囲であることがより好ましい。
上記体積平均粒径の測定は、コールターカウンター[TA−II]型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行うことができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
また、前記トナーの形状係数SF1は115〜140の範囲であることが高い現像、転写性、及び高画質の画像を得られるので好ましい。
なお、トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナー粒子、またはトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長と投影面積を求め、下記式(3)によって計算し、その平均値を求めることにより得られるものである。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(3)
上記式(3)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
以下に、前記トナーを製造する方法の一例として、溶融懸濁法及び乳化凝集法について説明する。
前記溶融懸濁法は、ポリエステル樹脂などのトナー結着樹脂を、水系分散媒中で回転羽根を有する乳化機を用いて分散懸濁して、粒子形成された分散懸濁液を調製する分散懸濁工程を、少なくとも有している。
かかる分散懸濁工程において、分散機を用いて水系分散媒中に前記ポリマーを分散し、加熱してポリマーの粘性を下げて剪断力を与えることで該ポリマーの懸濁液(分散粒子の分散液)を得る。前記分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。
得られた分散粒子の分散液は、ろ過などの前記固液分離工程により分散粒子を分離して、必要に応じて洗浄工程や乾燥工程を経て、トナー粒子が製造される。
なお、前記分散懸濁工程において、懸濁液の安定化や水系分散媒の増粘のため、分散剤を使用することもできる。使用可能な分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムの等の水溶性高分子等が挙げられる。
前記乳化凝集法は、少なくとも、特定のポリエステル樹脂など、トナー結着樹脂を乳化し乳化粒子を形成する乳化工程と、該乳化粒子の凝集体を形成する凝集工程と、該凝集体を熱融合させる融合工程と、を有する。
上記乳化工程における乳化粒子は、溶剤を用いた分散懸濁によっても作製できるが、本発明のトナーにおいては、溶剤を実質的に用いずに水中で乳化粒子を作製するのが好ましい。乳化粒子の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒子径)で、0.01〜1μmの範囲が好ましく、0.03〜0.6μmの範囲がより好ましく、0.03〜0.4μmの範囲がさらに好ましい。
なお、乳化工程において、乳化粒子の安定化のため、分散剤を使用することもできる。使用可能な分散剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等を用いることができる。
前記凝集工程においては、得られた乳化粒子を、前記ポリエステル樹脂の融点の一歩手前の温度で加熱して凝集し凝集体を形成する。乳化粒子の凝集体の形成は、攪拌下、乳化液のpHを酸性にすることによって為される。当該pHとしては、2〜6の範囲が好ましく、2.5〜5の範囲がより好ましく、2.5〜4の範囲がさらに好ましい。
上記乳化粒子の凝集体の形成の際には、凝集剤を使用するのも有効である。ここで使用可能な凝集剤としては、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に好ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
前記融合工程においては、前記凝集工程と同様の攪拌下で、凝集体の懸濁液のpHを3〜7の範囲にすることにより、凝集の進行を止め、前記ポリエステル樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより凝集体を融合させる。このときの加熱温度としては、前記ポリエステル樹脂の融点以上であれば問題無い。また、このときの加熱時間としては、融合が十分に為される程度行えばよく、0.5〜10時間程度行えばよい。このようにして、融合粒子が分散した分散液が得られる。
上記融合工程において得られた融合粒子の分散液は、ろ過などの固液分離工程により融合粒子を分離して、必要に応じて洗浄工程や乾燥工程を経て、トナー粒子が製造される。
以上の乳化凝集法の場合には、架橋工程を、凝集工程、前記融合工程あるいは前記融合工程の後に導入してもよい。前記架橋工程を、凝集工程、融合工程あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解または乳化させた液を、粒子分散液(樹脂粒子分散液等)に加える。かかる重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。重合開始剤は乳化工程前にあらかじめポリマーに混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集塊に取り込ませてもよい
本発明の画像形成装置は、以上説明したトナーを含有する現像剤を用いることが好ましい。現像剤としては、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤となる。
二成分系の静電荷像現像剤に用いられるキャリアとしては、特に制限はなく、従来公知のキャリアを用いることができる。例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、キャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
また、キャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
本発明の画像形成装置に用いられる静電荷像現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらは何ら本発明を限定するものではない。
<各種特性の測定方法>
まず、以下の実施例、比較例で使用するトナー及び現像剤の測定方法、評価方法について説明する。
(樹脂微粒子、着色剤粒子、離形剤粒子の粒径測定方法)
樹脂微粒子、着色剤粒子、離型剤粒子の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所製)で測定した。
(トナー、樹脂粒子の分子量測定方法)
本発明の静電荷象現像用トナーにおいて、特定の分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(トナーの粒径、粒度分布測定方法)
凝集粒子、トナーの体積平均粒径、及び粒径分布指標は、コールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として50μmアパーチャーを用いて1.0〜30μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。
測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径をD16v、および/またはD16nと定義し、累積50%となる粒径を体積D50v、またはD50nと定義する。更に同様にD84v、および/または、D84vと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、(D84v/D16v)1/2より求められ、数平均粒度指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2より算出される。
<ポリエステル樹脂の合成>
(結晶性ポリエステル樹脂(1))
乾燥した三口フラスコに、セバシン酸100質量部と、1,6−ヘキサンジオール59.6質量部と、5−スルホイソフタル酸ジメチル2.63質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.13質量部と、を入れた後、減圧操作を行い、容器内の空気を窒素ガスに置換し、容器内を不活性雰囲気下とした上で機械攪拌にて180℃の温度で5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態になったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(1)130質量部を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は、GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で22000であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(1)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は69℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂(2))
乾燥した三口フラスコに、ドデカン2酸100質量部と、1,9−ノナンジオール70.9質量部と、5−スルホイソフタル酸ジメチル2.63質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.13質量部と、を入れた後、減圧操作を行い、容器内の空気を窒素ガスに置換し、容器内を不活性雰囲気下とした上で機械攪拌にて180℃の温度で5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態になったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(2)(ジカルボン酸由来構成成分の含有量が100構成モル%である酸由来構成成分と、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が100構成モル%であるアルコール由来構成成分と、を含む結晶性ポリエステル樹脂)145質量部を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は、GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で10,200であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(2)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は76℃であった。
(非晶性ポリエステル樹脂(1))
乾燥した三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル400質量部と、5−スルホイソフタル酸ジメチル45.9質量部と、1,2−プロパンジオール118質量部と、ジプロピレングリコール59質量部と、ジエチレングリコール23質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.8質量部と、を入れた後、結晶性ポリエステル樹脂(1)と同様な処理を施し、非結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は、GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で8400であった。また、非晶性ポリエステル樹脂(1)を前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は60℃であった。
<各分散液の調製>
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(1))
得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した5質量%濃度の希アンモニア水を入れ、pHを8.0に調節した後、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が0.2μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)(樹脂粒子濃度:20質量%)を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(2))
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製において、結晶性ポリエステル樹脂(1)の代わりに結晶性ポリエステル樹脂(2)をもちいた以外は同様にして、体積平均粒径が0.2μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)(樹脂粒子濃度:20質量%)を得た。
(非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1))
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製において、結晶性ポリエステル樹脂(1)の代わりに非結晶性ポリエステル樹脂(1)をもちいた以外は同様にして、体積平均粒径が0.2μmの非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)(樹脂粒子濃度:30質量%)を得た。
(離型剤分散液)
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP9、融点:77℃)50質量部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK)5質量部及びイオン交換水200質量部を110℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径が0.2μmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤粒子濃度:20質量%)を調製した。
(着色剤分散液)
シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン))100質量部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR)15質量部及びイオン交換水:900質量部を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散して、体積平均粒径は、0.16μmの着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液(着色剤粒子濃度:23質量%)を調製した。
<トナー粒子の製造>
(トナー粒子(1))
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):173質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):461質量部
・イオン交換水:928質量部
・着色剤分散液:42.65質量部
・離型剤分散液:92.250質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897/S.C;20%):8.65質量部
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、攪拌速度400rpmで撹拌しながら、0.3Nの硝酸水溶液を滴下し、pHを3.0に調整した。その後、Ultraturraxにより6000rpmでせん断力を加えながら、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム1%水溶液36質量部を徐々に滴下し、5分間分散混合した。原料混合液の粘度が均一になったところで、重合釜にセットした。
次いで、マントルヒーターで30℃に昇温させ、攪拌速度を400rpmに調整して30分間撹拌した。次に1℃/分の昇温速度で60℃まで昇温した。この際、昇温とともに攪拌速度を400rpmから250rpmまで調整した。このとき、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は約6.4μmであった。
次いで、この凝集粒子を融合させるとともに、凝集粒子がばらけるのを防ぐ為に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを8.5とした。攪拌速度を250rpmから200rpmに落としてから、1℃/分の昇温速度で96℃に昇温させた。顕微鏡で粒子の形状を確認しながら、96℃で90分間保持した後、3℃/分の降温速度で20℃まで冷却した。
その後、20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥した。
以上のように造粒したトナー粒子(1)の体積平均粒子径は6.7μmであった。また、粒度分布を表すGSDの値は体積分布GSD(以下、GSDvと表す)が1.26、個数分布GSD(以下、GSDpと表す)が1.27であった。
(トナー粒子(2))
トナー粒子(1)の製造において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)をもちいた以外は同様にして、トナー粒子(2)を得た。
トナー粒子(2)の体積平均粒子径は6.7μmであった。また、粒度分布を表すGSDの値は体積分布GSDvが1.26、個数分布GSDpが1.27であった。
<現像剤の調製>
前記トナー粒子(1)、(2)各々100質量部に、下記の2種類の無機微粒子AおよびBを高速混合機で付着させて、トナー(1)、トナー(2)を得た。
・無機微粒子A:SiO2(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径:0.05μm、添加量:1.0質量部)
・無機微粒子B:TiO2(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率:2.5、添加量:1.0質量部)
・研磨剤:酸化セリウム(平均粒径:0.7μm、添加量:0.55質量部)
さらに、上記処理をした各トナーを8質量部と、DocuCentreColor500(富士ゼロクス(株)製)用のシアン現像剤と同じキャリア100質量部とを混合して、二成分の現像剤(1)、(2)を作製した。また、現像剤(1)の調製において、研磨剤を加えなかったものを現像剤(3)とした。
<実施例1>
画像形成装置として、富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor500を用い、現像剤として現像剤(1)を使用し、定着部材を下記の通り変更した。
(加熱ロール・加圧ロール)
定着装置において、加熱ロールならびに加圧ロールは、アルミニウム製の芯材の上に2mm厚みのエチレンプロピレンゴム(ソックスレー抽出物を重クロロホルム溶媒に溶解し、常温(20〜25℃)の下、積算回数128回の500MHz1H−NMRで測定したところ、ポリシロキサンに由来するピークはなかった)の層を設け、表面をバフ研磨により平滑化した。
別途、前記式(2)の構造を有するフルオロカーボンシロキサンゴム100質量部、下記式(4)の構造を持つ硬化剤3.87質量部、触媒としてトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロライドの1質量%トルエン溶液1.0質量部、補強剤としてトリメチルシロキシ基で処理された煙霧質シリカフィラー12質量部を混合し、フルオロカーボンシロキサンゴム組成物Iを得た。
Figure 2007114249
次に、加熱ロールの外表面(弾性体層面)をメチルアルコールで洗浄した後、プライマーとしてテトラブチルチタネートポリマー(TBT−1000(B−10)、日本曹達(株)社製)の5質量%4メチル−2−ペンタノン溶液を塗布し、30分間風乾した。次いで、加熱ロールの外表面にフルオロカーボンシロキサンゴム組成物Iの20質量%ベンゾトリフロライド溶液をディップ法により塗布し、30分間風乾した後、140℃で4時間加熱硬化させた。これによってエチレンプロリレンゴムの外表面にフルオロカーボンシロキサンゴム層が厚さ0.05mmで良好に接着塗布された加熱ロールが得られた。
(定着条件)
定着速度は30mm/秒とした。また、定着装置の加重バネを調整し、定着ニップ両端から15mmでのニップ幅を6mm(ニップ時間:200m秒)とした。
また、定着温度を160℃に設定した。このとき、加熱ロールならびに加圧ロールの中央に配された、熱源としてのハロゲンランプにより、実際にはロール表面の温度は加熱ロール表面を100℃から130℃の間で、加圧ロール表面を加熱ロール表面温度より30℃低い温度となるように、それぞれ設定・制御された。
以上の装置で、富士ゼロックス社製P紙と、富士写真フィルム社製FUJIFILM XEROGRAPHIC PHOTOPAPER上に、サイアン色Cin100(画像濃度カバレッジ100%)評価用画像、ならびにサイアン色Cin100を2回転写した(Cin200に相当)評価用画像、さらに、サイアン色Cin100を3回転写した(Cin300に相当)評価用画像(30mm×40mmのソリッド)を出力した。
なお、下記定着性試験用画像は、画像評価装置から定着装置を外して上記画像を未定着状態で出力し、それらを、別途前記と同様の定着装置で設定定着温度を細かく設定できるものに、各設定温度ごとに通すことにより作成した。
上記出力した画像を用いて、以下の評価試験を行った。
(定着性試験)
−定着温度−
前記のようにして得られたCin100の評価用未定着画像を、定着温度を100〜170℃に5℃刻み設定した定着装置に通すことにより定着した。得られた各定着画像の画像面を谷折りにし、折れ目部の画像のはがれ度合いを観察し、折れ目部の画像にはがれが見られなかった温度を定着温度とした。
なお、前記定着温度が130℃以下であれば、低温定着性に優れると言える。
−剥離性−
上記定着の際の加熱ロールからの剥離状態を目視により確認し、以下の基準により評価した。
○:定着画像が加熱ロールに張り付くことなく通紙した。
△:加熱ロールに一旦張り付いたが、ロールに巻き付く前に剥離した。
×:加熱ロールに巻き付いた。
−ブリスタ−
ブリスタは以下のように評価した。
得られたFUJIFILM XEROGRAPHIC PHOTOPAPER上のCin300の評価用未定着画像を、室温28℃、湿度80%RHの環境で3日放置した後、定着温度を140〜180℃に5℃刻みに設定した定着装置により定着した。得られた各定着画像における画像/非画像部境界部に着目し、ブリスタ痕の有無を目視で確認し、以下の基準により評価した。
Cin300画像が定着でき、かつブリスタが認められない温度範囲に関し、
×:温度範囲なし(ブリスタ発生せずに定着できる条件なし)。
△:0〜10℃(特定の1〜2条件でのみブリスタ発生なしに定着できた)。
○:10℃以上(3条件以上でブリスタ発生なしに定着できた)。
(耐久性評価)
−ロール耐久性−
P紙上に作製した評価画像を連続して定着し、ロール・中間転写体・感光体などの破損に由来する欠陥が画像に現れるまでのプリント枚数を評価した。
なお、破損の形態はここでは問わない。
(画質評価)
出力した画像について、次の画質評価を行った。
−均一性−
FUJIFILM XEROGRAPHIC PHOTOPAPER上のCin100およびCin300のソリッド図形の評価用画像について、目視により以下の判断基準により濃度・光沢感を評価した。
×:Cin100画像でムラが見えるもの。
△:Cin200画像でムラが見えるもの。
○:Cin300画像でムラが見えるもの。
◎:Cin300画像でもムラが見えないもの。
なお、この評価では、ソリッド画像の中心部の他、特に画像部/非画像部の境界にも着目して目視で評価を行った。
以上の結果をまとめて表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、現像剤(1)の代わりに現像剤(2)を用いた以外は同様にして画像出力を行い、同様の評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、定着条件を以下のように変更したこと以外は同様にして画像出力を行い、同様の評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
(定着条件)
定着速度は30mm/秒とした。また、定着装置の加重バネを調整し、定着ニップ両端から15mmでのニップ幅を9mm(ニップ時間:300μs)とした。
<実施例4>
実施例1において、定着部材を以下のように変更したこと以外は同様にして画像出力を行い、同様の評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
(加熱ロール・加圧ロール)
定着装置において、加熱ロールならびに加圧ロールは、アルミニウム製の芯材の上に2mm厚みのシリコーンゴム(ソックスレー抽出量:0.36質量%)の層を設け、表面をバフ研磨により平滑化した。次いで、この表面に実施例1における加熱ロールの外表面にフルオロカーボンシロキサンゴムの最外層を同様に形成し、加熱定着ロールとした。
<比較例1>
実施例1において、定着部材を以下のように変更したこと以外は同様にして画像出力を行い、同様の評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
(加熱ロール・加圧ロール)
定着装置において、加熱ロールならびに加圧ロールは、アルミニウム製の芯材の上に2mm厚みのシリコーンゴム(ソックスレー抽出量:0.84質量%)の層を設け、表面をバフ研磨により平滑化した。次いで、この表面に実施例1における加熱ロールの外表面にフルオロカーボンシロキサンゴムの最外層を同様に形成し、加熱定着ロールとした。
<比較例2>
実施例1において、加熱ロール、加圧ロールを以下のように変更したこと以外は同様にして画像出力を行い、同様の評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(加熱ロール・加圧ロール)
富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor500用の定着ロールならびに加圧ロール(シリコーンゴムの弾性体層の表面にPFA被服層を設けたもの)を用いた。
<比較例3>
実施例1において、現像剤(1)の代わりに、現像剤(3)を用い、その他は同様にして画像出力を行い、同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
<比較例4>
実施例1において、加熱ロールの設定定着温度を180℃とした(実際の加熱ロールの表面温度は160〜185℃)以外は同様して、定着性試験以外の画像出力を行い、同様の評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
なお、本例では剥離性、ブリスタの評価を実機において行った。また、耐久性、画質については、初期にブリスタが発生が発生したため、その後の評価を行わなかった。
Figure 2007114249
表1に示すように、実施例に示した本発明の画像形成装置では、低温定着性を維持しつつブリスタ発生防止と剥離性、さらに耐久性に優れる結果となった。一方、比較例の画像形成装置においては、上記特性のうちの何らかに問題が発生した。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 ロール型定着器の概略断面図である。 押し当てパッド型定着器の概略断面構成図である。 冷却剥離方式ベルト型定着器の断面を示す概略断面図である。 定着ベルトの概略断面図である。
符号の説明
10 定着ローラ(定着部材)
11 エンドレスベルト
12 圧力パッド(加圧部材)
13 ベルト走行ガイド
14 ハロゲンランプ
15 温度センサ
16 記録シート
17 トナー像
18 剥離手段
20 感光体(像担持体)
21 帯電器
22 露光装置(潜像形成手段)
23 現像器(現像手段)
25 トナーボックス
27 画像処理部
30 中間転写ベルト
31 支持ロール
32 1次転写ロール(転写手段)
33 2次転写ロール(転写手段)
40 用紙トレイ
50 接触部材
51 取出ロール
52 送出ロール
53 搬送ロール
54 レジストロール
55 用紙搬送ベルト
56 排紙ロール
60 定着器(定着手段)
100 画像形成装置
200 ロール定着器
211,311 定着ロール
211a、212a ハロゲンランプ
211b,212b 金属芯金(担体)
211c,212c,315b 弾性体層
212,312 加圧ロール
310 ベルト定着器
313 剥離ロール
315 定着ベルト
315a ベース層(担体)
315c 表面層(最外層)
316 冷却器
316a 箱状部材

Claims (5)

  1. 像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーを含む現像剤によりトナー像に現像する現像手段と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を加熱加圧して記録媒体に定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、
    前記トナーが研磨剤を含み、
    前記定着手段が、担体上に少なくとも1層以上の弾性体層及びフルオロカーボンシロキサンゴムを含む最外層を設けた定着部材と、該定着部材に対面して記録媒体を加圧する加圧部材とを有し、前記弾性体層を構成する弾性体からソックスレー抽出されるポリジメチルシロキサン成分の抽出量が0.4質量%以下であり、
    前記定着部材の設定定着温度が、175℃以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記トナーが、結着樹脂として結晶性樹脂及び/または結晶性化合物を5〜90質量%含有していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記定着部材が、前記担体が金属芯金で構成される定着ロールであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記定着部材が、循環移動する定着ベルトであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  5. 前記定着手段が循環移動する定着ベルトであり、加熱加圧後に記録媒体を該定着ベルトに貼り付けたまま冷却し、その後剥離する機構を備えた定着手段であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
JP2005302623A 2005-10-18 2005-10-18 画像形成装置 Pending JP2007114249A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005302623A JP2007114249A (ja) 2005-10-18 2005-10-18 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005302623A JP2007114249A (ja) 2005-10-18 2005-10-18 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007114249A true JP2007114249A (ja) 2007-05-10

Family

ID=38096544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005302623A Pending JP2007114249A (ja) 2005-10-18 2005-10-18 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007114249A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009025744A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2009122522A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、プロセスカートリッジ、定着方法、及び画像形成方法
JP2012068401A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Canon Inc 像加熱装置
KR101626240B1 (ko) * 2012-04-02 2016-05-31 가부시키가이샤 리코 화상 형성 장치에 이용되는 탄성 부재, 및 정착 부재, 정착 장치, 및 화상 형성 장치
JP2017102317A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および画像形成システム
JP2018004958A (ja) * 2016-07-01 2018-01-11 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
WO2019044479A1 (ja) * 2017-08-31 2019-03-07 Agc株式会社 含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物、コーティング液、物品およびその製造方法
JP2019164296A (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009025744A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2009122522A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、プロセスカートリッジ、定着方法、及び画像形成方法
JP2012068401A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Canon Inc 像加熱装置
KR101626240B1 (ko) * 2012-04-02 2016-05-31 가부시키가이샤 리코 화상 형성 장치에 이용되는 탄성 부재, 및 정착 부재, 정착 장치, 및 화상 형성 장치
JP2017102317A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および画像形成システム
JP2018004958A (ja) * 2016-07-01 2018-01-11 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
WO2019044479A1 (ja) * 2017-08-31 2019-03-07 Agc株式会社 含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物、コーティング液、物品およびその製造方法
CN111032733A (zh) * 2017-08-31 2020-04-17 Agc株式会社 含氟醚化合物、含氟醚组合物、涂布液、物品及其制造方法
KR20200043367A (ko) * 2017-08-31 2020-04-27 에이지씨 가부시키가이샤 함불소 에테르 화합물, 함불소 에테르 조성물, 코팅액, 물품 및 그 제조 방법
JPWO2019044479A1 (ja) * 2017-08-31 2020-10-22 Agc株式会社 含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物、コーティング液、物品およびその製造方法
JP7063335B2 (ja) 2017-08-31 2022-05-09 Agc株式会社 含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物、コーティング液、物品およびその製造方法
CN111032733B (zh) * 2017-08-31 2022-06-21 Agc株式会社 含氟醚化合物、含氟醚组合物、涂布液、物品及其制造方法
KR102584013B1 (ko) 2017-08-31 2023-09-27 에이지씨 가부시키가이샤 함불소 에테르 화합물, 함불소 에테르 조성물, 코팅액, 물품 및 그 제조 방법
JP2019164296A (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP7087513B2 (ja) 2018-03-20 2022-06-21 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100649415B1 (ko) 투명 토너 및 이를 포함하는 현상제, 광택 부여 유니트 및화상 형성 장치
JP4729950B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP4867610B2 (ja) 静電潜像現像用透明トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、画像形成方法および画像形成装置。
JP4873033B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置
JP4957516B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、プロセスカートリッジ、定着方法、及び画像形成方法
JP2004191927A (ja) 静電荷像現像用トナー、その製造方法、並びに、これを用いた静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP2008250294A (ja) 静電潜像現像用トナー及びその製造方法並びにプロセスカートリッジ
JP2007114249A (ja) 画像形成装置
JP4525410B2 (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及び画像形成方法。
JP2011027869A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2010185999A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法、及び、画像形成装置
JP2008170627A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2009042386A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤及び画像形成装置
JP2011002653A (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2007004034A (ja) 画像定着方法、画像定着装置、及び画像形成装置
JP4466475B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、その製造方法、これを用いた静電荷像現像用及び画像形成方法
JP2004287269A (ja) 現像剤及び画像形成方法
JP5401966B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP2006091379A (ja) 電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、現像剤、及び画像形成方法。
JP4983654B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2005266565A (ja) 静電荷像現像用トナー、トナー製造方法及び画像形成方法
JP5585108B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP4821767B2 (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2005274614A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP5621463B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法