JP4466475B2 - 静電荷像現像用トナー、その製造方法、これを用いた静電荷像現像用及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる二成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる一成分現像剤とがある。トナーの製造には、通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤とともに溶融混練して、冷却した後、微粉砕し、さらに分級する、いわゆる混練粉砕製法が使用されている。
このため、トナーの定着温度を低下させる方法として、結着樹脂に結晶性樹脂を用いることが提案されている(例えば、特許文献1〜19等参照)。
このような観点から、過剰な温度、混練エネルギーを必要としない、前記湿式製法によるトナー粒子作製技術が盛んに検討されている。
特に、省エネルギーの観点から、トナー定着温度の低下を狙い、更に前記湿式製法での作製技術により検討が盛んになっている。
更に、樹脂強度が低下した場合、トナーに内包される材料の露出が起こりやすくなり、帯電性変動による、現像性変化が発生しやすくなり、長期にわたり高画質を得ることが困難となる場合がある。
<1>
結晶性樹脂と着色剤とターフェニル化合物とを含み、
前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、
前記ターフェニル化合物が、下記一般式(1)で示されるオルトターフェニル化合物、及び/又は、下記一般式(2)で示されるメタターフェニル化合物であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
〔但し、一般式(1)および一般式(2)中、R1、R2、R3は、水素原子を意味する。〕
前記結晶性樹脂の融点が60〜100℃の範囲内であることを特徴とする<1>に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記結晶性ポリエステル樹脂が、2価以上のカルボン酸類と2価以上のアルコール類とを共重合させることにより得られた樹脂であることを特徴とする<1>または<2>に記載の静電荷像現像用トナーである。
水若しくは有機溶媒中、又はそれらの混合溶媒中で、前記結晶性樹脂と前記着色剤と前記ターフェニル化合物とを含む着色樹脂粒子を造粒する造粒工程と、前記着色樹脂粒子を洗浄・乾燥する洗浄・乾燥工程とを経て<1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを作製する静電荷像現像用トナー製造方法である。
前記造粒工程が、
前記結晶性樹脂を分散させた樹脂粒子分散液と、前記着色剤を分散させた着色剤分散液と、前記ターフェニル化合物を分散させたターフェニル化合物分散液とを少なくとも混合・攪拌して得られた原料分散液中にて、前記結晶性樹脂と前記着色剤と前記ターフェニル化合物とを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記凝集粒子を前記結晶性樹脂の融点以上の温度に加熱して融合する融合工程とを含むことを特徴とする<4>に記載の静電荷像現像用トナー製造方法である。
<1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤である。
キャリアを含むことを特徴とする<6>に記載の静電荷像現像剤である。
前記キャリアが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂被覆層とを有することを特徴とする<7>に記載の静電荷像現像剤である。
潜像担持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着工程とを含む画像形成方法において、
前記現像剤が、<6>〜<8>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
前記潜像担持体の最表面を構成する層が、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有することを特徴とする<9>に記載の画像形成方法である。
前記転写工程後の前記潜像担持体表面に残留する残留トナーを、前記現像剤として再利用するトナーリサイクル工程を含むことを特徴とする<9>または<10>に記載の画像形成方法である。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称す場合がある)は、結晶性樹脂と着色剤とターフェニル化合物とを含むことを特徴とする。
しかしながら、結晶性樹脂はそのガラス転移温度が室温以下になることから、高温での帯電特性や結晶化のバラツキにより室温での硬度が低下する傾向にある。この場合、トナー粒子自体の強度や、トナー粒子に外添される外添剤の埋め込まれの発生など、トナーとしての強度が不充分となってしまう。
情報記録媒体用基板等に用いられるポリカーボネート樹脂は、トナー用の結着樹脂とは特性が大きく異なるが、本発明者らは、上述したような添加剤がトナー用の結着樹脂、特に強度の低下を招き易い結晶性樹脂に対して有効であると考え、鋭意検討した。
また、ターフェニル化合物を利用することにより従来の結晶性樹脂を用いたトナーの欠点であったトナーの強度を向上させることができるため、これに伴う副次的な効果として、高温環境下でのトナーの保管安定性の向上、画像の耐久性向上や、画像形成装置内の長期に渡る使用でもトナーの破壊が抑制されるために帯電維持性が向上することも挙げられる。
更に、結晶性樹脂の見掛け上の融点を低下させることから、例えば、トナーを乳化重合凝集法で作製した場合に、造粒速度が向上するため、トナーの製造に要するエネルギーを節約することもできる。
更に結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを混合した場合も相溶化剤として作用しトナー内部への結晶性樹脂の取り込みを向上させることができる。
これに対して、本発明のトナーに用いられるターフェニル化合物は、この物質単体で、使用されるものであり、これにより、結晶性樹脂を有するトナーの強度を向上させ、結果的に長期の使用でもトナーの破壊を抑制できることから副次的に帯電特性をも向上させるものである。
本発明で用いられるターフェニル化合物は、分子レベルで結晶性樹脂の主鎖等にアプローチして何らかの形で作用することにより上記の作用効果を発揮すると考えられるが、Zr錯体の配位子の一部を成すターフェニルの場合は、ターフェニル自体がZr錯体に束縛されている上に、分子サイズ(Zr錯体)自体が大きいために分子レベルで結晶性樹脂の主鎖等にアプローチすること自体も困難であると考えられる。また、Zrとの相互作用もあるため、マトリックス中に単体で存在するターフェニルとは、結晶性樹脂に及ぼす作用効果も大きく異なるものと考えられる。
結晶性ポリエステル樹脂は、定着時の記録媒体に対する接着性や、トナーの帯電性、所望の温度域での低温定着性を確保するための融点の調整が容易であるのみならず、ターフェニル化合物と併用した場合のトナーの強度を向上させる効果も大きいというメリットがある。
本発明のトナーは、結晶性樹脂と着色剤とターフェニル化合物とを少なくとも含むものであればよいが、その他にも離型剤や種々の内添剤が含まれていてもよく、トナー粒子の表面には種々の外添剤が添加されていてもよい。
本発明のトナーの製造方法は特に限定されないが、水若しくは有機溶媒中、又はそれらの混合溶媒中で、結晶性樹脂と着色剤とターフェニル化合物とを含む着色樹脂粒子を造粒する造粒工程と、着色樹脂粒子を洗浄・乾燥する洗浄・乾燥工程とを経てトナーを作製する公知の湿式製法を利用することが好ましい。
このような湿式製法としては、例えば、(1)着色剤やターフェニル化合物等をモノマーとともに懸濁させ、モノマーを重合する懸濁重合法、(2)結晶性樹脂、着色剤、ターフェニル化合物等のトナー構成材料を有機溶媒に溶解させ、水系溶媒中に懸濁状態で分散させた後に有機溶媒を除去する溶解懸濁法等を挙げることができる。
乳化重合凝集法は、造粒工程が、凝集工程と融合工程とを含むものである。本発明のトナーを作製する場合、結晶性樹脂を分散させた樹脂粒子分散液と、着色剤を分散させた着色剤分散液と、ターフェニル化合物を分散させたターフェニル化合物分散液とを少なくとも混合・攪拌して得られた原料分散液中にて、結晶性樹脂と着色剤と前記ターフェニル化合物とを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子を結晶性樹脂の融点以上の温度に加熱して融合する融合工程とを少なくとも経ることによりトナーを得ることができる。
本発明に用いられる結晶性樹脂は、低温定着性とトナーの保存安定性とを両立させるために、その融点が60〜100℃の範囲内であることが好ましい。
融点が60℃を下回ると、トナーの保存安定性が劣化する場合があり、100℃を超えると低温定着性が不充分となる場合がある。なお、より好ましい融点は50〜90℃であり、さらに好ましくは55〜85℃である。結晶性樹脂の融点は、JISK−7121:87に示す方法により求めることができる。
尚、本明細書において、”(メタ)アクリル”なる記述は、”アクリル”および”メタクリル”のいずれをも含むことを意味するものである。
以下、酸由来構成成分、およびアルコール由来構成成分について、さらに詳しく説明する。尚、本発明においては、結晶性ポリエステル主鎖に対して、他成分を50重量%以下の割合で共重合した共重合体も結晶性ポリエステルに含まれるものとする。
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく、特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。
アルコール構成成分としては脂肪族ジオールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、5ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、1、7−ヘプタンジオール、1、8−オクタンジオール、1、9−ノナンジオール、1、10−デカンジオール、1、11−ウンデカンジオール、1、12−ドデカンジオール、1、13−トリデカンジオール、1、14−テトラデカンジオール、1、18−オクタデカンジオール、1、20−エイコサンジオール等が挙げられるが、この限りではない。
具体例としては、ジカルボン酸の場合、コハク酸、マロン酸、シュウ酸等のアルキルジカルボン酸類、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸、4,4’−ビ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、ジピコリン酸、ジニコチン酸、キノリン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸等の含窒素芳香族ジカルボン酸類が挙げられ、ジオール類の場合、コハク酸、マロン酸、アセトンジカルボン酸、ジグリコール酸等の短鎖アルキルのジオール類が挙げられ、短鎖アルキルのビニル系モノマーの場合、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の短鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
例えば、結晶性ポリエステル樹脂の合成に際して用いることができる親水性極性基を有する化合物の具体例としては、スルホニル−テレフタル酸ナトリウム塩、3−スルホニルイソフタル酸ナトリウム塩等の芳香環に直接スルホニル基が置換したジカルボン酸化合物が挙げられ、また樹脂がビニル系樹脂の場合は、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸類、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、脂肪酸変性グリシジル(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸とアルコール類等とのエステル類、オルト、メタ、パラ位のいずれかにスルホニル基を有するスチレンの誘導体、スルホニル基含有ビニルナフタレン等のスルホニル基置換芳香族ビニル等が挙げられる。
架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類、フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル/トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類、ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類、ピロール、チオフェン等の不飽和複素環化合物類、ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類、ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ、1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多ビニルエステル類等が挙げられる。
さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、又は、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系、石油系のワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
具体的には、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、その融点以上に加熱するとともに、強い剪断力を付与できるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて微粒子化する。これにより、体積平均粒径が1μm以下の離型剤粒子を含む分散液を作製することができる。
また、トナーの作製に際して、離型剤微粒子はその他の樹脂粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段に添加してもよい。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレートなどの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料などを1種又は2種以上を併せて使用することができる。
この分散液中に分散している着色剤粒子の体積平均粒径は、0.8μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.05〜0.5μmである。着色剤粒子の体積平均粒径が0.8μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒度分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下につながる場合がある。着色剤粒子の体積平均粒径が0.05μmより小さいと、トナー中での着色性が低下するだけでなく、乳化重合凝集法の特徴の一つである形状制御性が損なわれ、真球に近い形状のトナーが得られなくなる場合がある。
体積平均粒径が0.05μm以下の着色剤粒子の全粒子数に対する割合は、個数%で5個数%以下が好ましい。このような微小な着色剤粒子の存在は、融合工程での形状制御性を損なわせ、平均円形度が0.940以下のいわゆる滑らかなトナーを得ることが困難になる場合にある。
これに対して、着色剤粒子の平均粒径、粗大な着色剤粒子の個数割合、および、微小粒な着色剤粒子の個数割合が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点が有利である。
前記表面改質処理がなされた着色剤は、着色剤分散液中で十分に安定化されており、該着色剤が着色剤分散液中で所望の体積平均粒径に分散された後、樹脂粒子分散液との混合時、凝集工程等においても着色剤同士が凝集することがなく、良好な分散状態を維持できる点で有利である。一方、過剰な表面改質処理がなされた着色剤は、凝集工程において樹脂粒子と凝集せずに遊離してしまうことがある。このため、前記表面改質処理は、適宜選択した最適な条件下で行われる。
なお、表面改質処理に利用できるポリマーとしては、アクリロニトリル重合体、メチルメタクリレート重合体等が挙げられる。
本発明のトナーが磁性トナーである場合は、トナー中に磁性粉を含有させるが、ここで使用する磁性粉としては、フェライトやマグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金又はこれら金属を含む化合物などを挙げることができる。さらに必要に応じて、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物やトリフェニルメタン系顔料など、通常使用される種々の帯電制御剤を添加してもよい。
例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなどの無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を利用することができる、これら外添剤の添加に際しては、乾燥状態で剪断力を加えてトナー粒子表面に添加することも可能である。
また、本発明のトナーは、その貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”の値が、45〜110℃の温度範囲で温度差10℃当たり2桁以上変化する領域を付与できる結晶性樹脂を使用することが好ましい。この貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”の値を達成するためには、60〜90℃の温度範囲で温度差10℃当たり2桁以上変化する領域を付与できる結晶性樹脂を使用するが好ましい。
具体的には測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。
ここで、体積平均粒径は体積D50vとして表される値であり、上記のパラメーターを2種類以上組み合わせて以下に示す各種指標値を得ることができる。
GSDp−underが1.27を超えると小粒径トナーの比率が高くなるため、初期性能の他に信頼性の点からも極めて大きな影響を与える場合がある。即ち、従来より知られているように、小径トナーの付着力が大きいため、静電気的制御が困難となりやすく、2成分現像剤を用いる場合はキャリア上に残留しやすくなる場合がある。この場合、繰り返し機械力を与えられると、キャリア汚染を招き、結果としてキャリアの劣化を促進してしまう場合がある。また、小粒径トナーは付着力が大きいため、現像効率の低下も発生し、結果として画質欠陥が生じる。特に転写工程では、感光体上に現像されたトナーのうち、小径成分の転写が困難になりやすく、結果的に転写効率が悪くなり、排トナーの増加や、画質不良などが生じる場合がある。これらの問題が生じた結果、静電気的に制御されないトナーや逆極トナーが増加しこれらが周囲を汚染するようになる。とりわけ帯電ロールには感光体等を介してこれらの制御されないトナーが蓄積されるため、帯電不良を引き起こすので好ましくない。
本発明の静電荷像現像剤(以下、「現像剤」と称す場合がある)は、本発明のトナーを含むものであれば特に限定されず、目的に応じて他の成分を配合することができる。
本発明の静電荷像現像剤は、本発明のトナーを単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、本発明のトナーとキャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。キャリアには特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアを使用することができる。
次に、本発明の画像形成方法について詳細に説明する。本発明の画像形成方法は、公知の電子写真法により画像を形成する際に、本発明の現像剤を用いるものであれば特に限定されないが、具体的には、以下の通りであることが好ましい。
すなわち、本発明の画像形成方法は、潜像担持体(以下、「感光体」と称す場合がある)の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、本発明の現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着工程とを含むものであることが好ましい。
潜像形成工程とは、潜像担持体の表面を、帯電手段により一様に帯電した後、レーザー光学系やLEDアレイなどで露光し、静電潜像を形成する工程である。 帯電手段としては、コロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電器、及び、潜像担持体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、潜像担持体表面を帯電させる接触方式の帯電器が挙げられ、いかなる方式の帯電器でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電器が好ましい。前記接触帯電方式の帯電器においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラー状等の何れでもよく制限を受けるものではない。また、本発明の画像形成方法は、潜像形成工程においてなんら特別の制限を受けるものではない。
最も一般的に採用されているクリーニング方式としては、ポリウレタン等のゴム製のブレードを潜像担持体に圧接させるブレードクリーニング方式がある。これに対し、内部に磁石を固定配置し、その外周に回転可能な円筒状の非磁性体のスリーブを設け、そのスリーブ表面に磁性キャリアを担持させてトナーを回収する磁気ブラシ方式や、半導電性の樹脂繊維や動物の毛をロール状に回転可能にし、トナーと反対極性のバイアスをそのロールに印加してトナーを除去する方式でもよい。磁気ブラシ方式では、クリーニングの前処理用コロトロンを設置してもよい。本発明の画像形成方法においては、クリーニング方式については特に制限を受けるものではない。
次に本発明の画像形成方法に用いられる感光体について説明する。
本発明に用いられる感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層を設けた公知の感光体が利用できるが、有機感光体を用いることが好ましい。この場合、感光体の最表面を構成する層が、架橋構造を有する樹脂を含むものであることが好ましい。架橋構造を有する樹脂としてはフェノール樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系樹脂が利用できるが、シロキサン系樹脂が最も好ましい。
下引き層の形成に用いられる材料としてはジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理しても良い。電子輸送性顔料は多すぎると下引き層の強度が低下し、塗膜欠陥を生じるため95重量%以下、好ましくは90重量%以下で使用される。
電荷発生層の形成に用いられる電荷発生材料は、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料など既知のもの全て使用することができるが、特に380nm〜500nmの露光波長を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの露光波長を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特開平5ー263007及び、特開平5ー279591に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5ー98181に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5ー140472及び、特開平5ー140473に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873及び、特開平5ー43813開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
電荷輸送層としては、公知の技術によって形成されたものを使用できる。電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂とを用いて形成してもよく、あるいは、高分子電荷輸送材を用いて形成してもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、以下の一般式(3)〜(5)に示される構造のものが好ましい。
、炭素数1〜5のアルキル基、又は、炭素数1〜5のアルコキシ基を表わす。R16、R16’、R17、R17’は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5
のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、−C(R18)=C(R19)(R20)、又は、−CH=CH−CH=C(Ar)2を表わす。
なお、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表し、Arは置換又は未置換のアリール基を表す。また、mおよびnは0〜2の整数である。
感光体表面の磨耗、傷などに対する耐性を持たせるため、高強度の保護層を設けることもできる。この保護層としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、架橋構造を有する樹脂を含むものが好まく、さらに電荷輸送性材料を含むものがより好ましい。架橋構造を有する樹脂としては種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン樹脂などが好ましく、特にシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。このうち特に、一般式 (I) や(II)で示される化合物から誘導される構造を有するものが強度、安定性に優れ特に好ましい。
一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。
なお、一般式(I)中のDで示される可とう性サブユニットとしては、−(CH2)n−基を必ず含み、これに−COO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−基を組み合わせた2価の直鎖基であってもよい。なお、−(CH2)n−基のnは1〜5の整数を表す。また、Qで表される加水分解性基としては、−OR基(但し、Rはアルキル基を表す)を表す。
一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは、−O−、−S−、−NH−、又は、−COO−、mは1〜4の整数を示す。Xは、−O−、又は、−S−を表し、nは0または1を示す。
一般式(I)、(II)で示される化合物のさらに好ましいものとして、有機基Fが特に下記一般式(III)で示されるものを用いたものを挙げることができる。
R7〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲンから選択される。
mおよびsは0または1を表わし、qおよびrは1から10の整数、tは1から3の整数を示す。ここで、Xは一般式(I)中に示した−D−Si(R2)(3-a)Qaで表わされる基を示す。
また構造群3中に示されるWは下記構造群4で示されるものが好ましい。なお、構造群4中、s’は0〜3の整数を示す。
また、表1〜7中の「Ar1」〜「Ar5」の欄に示される構造式中、ベンゼン環に結合する“−S”基は、表1〜7中の「S」の欄に示される一価の基(一般式(I)中の−D−Si(R2)(3-a)Qaで表される構造に相当する基)を意味する。
Si (R2)(4-c) Qc (IV)
一般式(IV)中、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、cは1〜4の整数を表わす。
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ −1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等をあげることができる。膜の強度を向上させるためには3および4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、製膜性を向上させるためには2および1官能のアルコキシシランが好ましい。
B−(Si(R2)(3-a) Qa) 2 (V)
一般式(V)中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。
具体的には、以下の表8に示す材料を好ましいものとしてあげることができるが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物として、市販の環状シロキサンをあげることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。これらの環状シロキサン化合物は単独で用いても良いが、それらを混合して用いても良い。
また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコンオイル等をあげることができる。
例えば、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3PCH2CH2 SO3H)2 ,Th(O3PCH2CH2COOH)2などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO4 ,MgSO4などの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO3 ,Mn(NO3)2などの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、用いる有機金属化合物の1モルに対し、0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは1モル以上とするのが好ましい。
コーティング液の製造は、無溶媒下で行うこともできるが、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等の他、種々の溶媒が使用できる。このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが好ましく、任意に混合して使用することができる。溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると有機ケイ素化合物が析出しやすくなるため、有機ケイ素化合物1重量部に対し0.5〜30重量部、好ましくは、1〜20重量部とするのが好ましい。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
・セバシン酸:1900部
・ヘキサンジオール:1100部
・イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム:5.0部
・ブチルスズ:0.113部
(以上、和光純薬(株)製)
上記成分をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し樹脂を得た。冷却後この樹脂150部を蒸留水850部中に入れ、85℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で混合攪拌した後、室温まで冷却し、固形分量が14.7重量%の樹脂粒子分散液(1)を得た。得られた樹脂粒子の融点は66℃であった。
・セバシン酸:1900部
・エチレングリコール:1500部
・イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム:60部
・ジブチルスズ:0.2部
(以上、和光純薬(株)製)
上記成分をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し樹脂を得た。冷却後この樹脂150部を蒸留水850部中に入れ、85℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で混合攪拌した後、室温まで冷却し、固形分量が14.5重量%の樹脂粒子分散液(2)を得た。得られた樹脂粒子の融点は75℃であった。
・スチレン:73部
・アクリル酸ブチル:27部
・ドデシルメルカプタン:2.0部
(以上、和光純薬社製)
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):2部
・デカンジオールジアクリル酸エステル:0.5部
(新中村化学社製)
上記成分を混合溶解して溶液を調製し、他方、非イオン性界面活性剤(日本油脂社製、ノニオンP−213)1部、及びアニオン性界面活性剤(日本油脂社製、ニューレックスR)1部をイオン交換水120部に溶解し、これに前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化して10分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬社製)1.2部を溶解したイオン交換水50部を投入し、次いで、系内を窒素で置換した後、フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、そのまま6時間乳化重合を継続した。
その後、この反応液を室温まで冷却し、固形分量が40重量%の樹脂粒子分散液(3)を得た。
なお、分子量の測定は以下の条件で行った。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
加熱乾燥した二口フラスコに、ジオール成分として、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン94部、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン192部(構成モル比:35/65)と、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸114部、n−ドデセニルコハク酸28部、トリメリット酸19部(構成モル比:80/10/10)と、ジブチル錫オキサイド0.12部(全酸成分モル数に対して0.0005モル)と、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150〜230℃で約12時間共縮重合反応させ、その後、210〜250℃で徐々に減圧して、非結晶性ポリエステル樹脂(4)を350部合成した。この樹脂の重量平均分子量Mwは15000、ガラス転移温度Tgは65℃であった。
冷却後この樹脂150部を酢酸エチル100部に溶解させた後、蒸留水850部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で混合攪拌した後、室温まで冷却し、固形分量が14.9重量%の樹脂粒子分散液(4)を得た。
・フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE):25部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK):2部
・イオン交換水:125部
上記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散して着色剤分散液を得た。
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃):100部
・アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニュ−レックスR):3部
・イオン交換水:400部
上記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤分散液(1)を得た。
・エステルワックス:100部
(クラリアント社製 LICOWAX−E)
・アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニュ−レックスR):2部
・イオン交換水 300部
上記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤分散液(2)を得た。
メタターフェニル(アルドリッチ製)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水500部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間 混合攪拌した後、室温まで冷却し、分散液を得た。この時のレーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は200nmであった。続いてスリーワンモータで4枚傾斜パドル翼で回転させながら4時間脱溶剤を行い、固形分量が15.7重量%のターフェニル化合物分散液(1)を得た。
オルトターフェニル(アルドリッチ製)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水500部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間 混合攪拌した後、室温まで冷却し、分散液を得た。この時のレーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は220nmであった。続いてスリーワンモータで4枚傾斜パドル翼で回転させながら4時間脱溶剤を行い、固形分量が16.0重量%のターフェニル化合物分散液(2)を得た。
・樹脂粒子分散液(1):145部
・着色剤分散液:42部
・離型剤分散液(1):36部
・ターフェニル化合物分散液(1):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
・樹脂粒子分散液(1):70部
・樹脂粒子分散液(3):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤分散液(1):36部
・ターフェニル化合物分散液(1):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
得られたトナー母粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。以下、現像剤(1)と同様にして現像剤(2)を作製した。
・樹脂粒子分散液(2):70部
・樹脂粒子分散液(3):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤分散液(2):36部
・ターフェニル化合物分散液(2):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
続いて、この分散液に、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー母粒子(3)を得た。
得られたトナー母粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。以下、現像剤(1)と同様に現像剤(3)を作製した。
・樹脂粒子分散液(1):70部
・樹脂粒子分散液(4):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤分散液(1):36部
・ターフェニル化合物分散液(2):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
続いて、この分散液に、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー母粒子(4)を得た。
得られたトナー母粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。以下、現像剤(1)と同様に現像剤(4)を作製した。
・樹脂粒子分散液(1):145部
・着色剤分散液:42部
・離型剤分散液(1):36部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
出発原料を上記組成とした以外は、現像剤(1)と全て同様の条件にて作製した。
・樹脂粒子分散液(1):70部
・樹脂粒子分散液(3):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤分散液(1):36部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
出発原料を上記組成とした以外は、現像剤(1)と全て同様の条件にて作製した。
・ポリエステル樹脂(テレフタル酸−ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物−シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステルでガラス転移温度Tg:59℃、数平均分子量Mn3500,重量平均分子量Mw:20000):100部
・フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE):25部
・カルナウバワックス(東亜化成社製 融点80℃):5部
・結晶性樹脂(樹脂分散液1で作製した、樹脂固体):10部
上記混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級し、体積平均粒径10.3μmのトナー母粒子得た。続いて、現像剤(1)の作製と同様にして現像剤(7)を得た。
・樹脂粒子分散液(3):250部
・着色剤分散液:60部
・離型剤分散液(1):50部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:500部
以上の成分を出発原料としホモジナイザーで分散後、50℃まで攪拌しながら加熱した。この温度で60分保持すると6.0μmの粒子が確認された。続いてこの分散液のpHを測定したところ2.5であった。更に1%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH6.0にした後、90℃まで1℃/分で加熱して90℃で3時間保持して、体積平均粒径6.2μmのトナー粒子を得た。続いて、現像剤(1)と同様に現像剤(8)を作製した。
(感光体1)
円筒上のAl基板をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さをRz=0.6μmとした。洗浄工程としてこのシリンダ−を脱脂処理、2重量%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理、中和処理、更に純水洗浄を順に行った。次に、陽極酸化処理工程として10重量%硫酸溶液によりシリンダ−表面に陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。水洗後、1重量%酢酸ニッケル溶液80℃に20分間浸漬して封孔処理を行った。更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、アルミニウムシリンダ−表面に7μmの陽極酸化膜を形成した。
感光体1上に下記に示す構成材料を、メチルアルコール5部、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間保護基の交換反応を行った。
−構成材料−
・下記化合物3:2部
・メチルトリメトキシシラン:2部
・テトラエトキシシラン:0.5部
・コロイダルシリカ:0.4部
・Me(MeO)2−Si−(CH2)4−Si−Me(OMe)2:0.5部
・(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)メチルジメトキシシラン:0.1部
・ヘキサメチルシクロトリシロキサン:0.3部
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1部、アセチルアセトン0.1部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部、エスレックBX−L(積水化学社製)0.5部を加え、このコーティング液を前記電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約3umの保護層を形成し感光体2を得た。
(実施例1〜8、比較例1〜4)
感光体及び現像剤を以下の表9に示すように組み合わせて富士ゼロックス製プリンターDocuCentre color 400CP解像機にて高温高湿(28℃、85%RH)の環境下で5000枚の画像形成テストし、ついで低温低湿(10℃ 15%RH)の環境下にて5000枚の画像形成テストした。
(低温定着性)
なお、低温定着性は、テスト開始前に、定着機の温度制御を外部電源コントロールにて行い一定の反射濃度(X−Rite404濃度計で濃度1.5〜1.8)となるように定着像を採取し、定着像の折り曲げによる画像欠陥を官能評価して判定した。評価基準は以下の通りである。
◎:画像欠陥が全くなく良好。
○:画像欠陥はあるが、実用上問題ない。
×:画像欠陥が多く実用に耐えない。
トナー強度は、高温高湿および低温低湿環境下での画像形成テスト後の現像剤を採取して、走査型電子顕微鏡(SEM)にてトナー粒子の形状や破損の有無を観察し、未使用のトナー粒子と比較して官能評価した。評価基準は以下の通りである。
○;未使用のトナー粒子と比べて、形状の変化や破損無し
×;未使用のトナー粒子と比べて、トナー割れや形状の変形が認められる。
外添剤埋め込まれは、高温高湿および低温低湿環境下での画像形成テスト後の現像剤を採取して、走査型電子顕微鏡(SEM)にてトナー粒子表面に添加された外添剤微粒子の状態を、未使用のトナー粒子と比較して官能評価した。評価基準は以下の通りである。
○;未使用のトナー粒子と比べて、トナー粒子の表面に外添剤微粒子の埋没は殆ど認められない。
△;未使用のトナー粒子と比べて、トナー粒子の表面に外添剤微粒子が多少埋没している。
×;未使用のトナー粒子と比べて、トナー粒子の表面に外添剤微粒子が顕著に埋没している。
転写性は、500枚(初期)、以後1000枚、2000枚と 1000枚毎に、未転写サンプルを採取して、感光体上のトナー残留重量を測定して判定した。評価基準は以下の通りである。
○;良好、
△;1000枚以降で大きく低下
×;初期で低下
帯電維持性(高温高湿環境下での評価)は、初期(500枚走行)の帯電量と5000枚走行後での帯電量との差を求めて評価した。なお、帯電量測定器は東芝社(製)ブローオフトライボ測定器TB200を使用した。評価基準は以下の通りである。
○;初期と5000枚走行後との帯電量差の絶対値が5μc/g以下で問題ないレベル
×;初期と5000枚走行後との帯電量差の絶対値が5μc/gを超え実使用上問題あり。
を表している。
なお、比較例3は、帯電量差は小さいものの、初期より低帯電であったり、実用上問題があると判断されたため×とした。
画像耐久性は、テスト開始前に、一定の反射濃度(X−Rite404濃度計で濃度1.5〜1.8)となるように定着像を採取し、定着像の引っかき試験(HEIDON Type:14DR(表面性試験機))にて、垂直荷重200g、針移動速度1500mm/分の条件で画像欠陥を官能評価して判定した。評価基準は以下の通りである。
○;良好
×;画像欠陥多く実用に耐えないレベル
感光体表面ディフェクトは、感光体表面の傷、フィルミング、画像への影響(筋、黒点)などを評価した。評価基準は以下の通りである。
○;良好
△;実用上問題ないが感光体には傷あり
×;筋、濃度むらなど画像への影響あり
Claims (11)
- 結晶性樹脂と着色剤とターフェニル化合物とを含み、
前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、
前記ターフェニル化合物が、下記一般式(1)で示されるオルトターフェニル化合物、及び/又は、下記一般式(2)で示されるメタターフェニル化合物であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
〔但し、一般式(1)および一般式(2)中、R1、R2、R3は、水素原子を意味する。〕 - 前記結晶性樹脂の融点が60〜100℃の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂が、2価以上のカルボン酸類と2価以上のアルコール類とを共重合させることにより得られた樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 水若しくは有機溶媒中、又はそれらの混合溶媒中で、前記結晶性樹脂と前記着色剤と前記ターフェニル化合物とを含む着色樹脂粒子を造粒する造粒工程と、前記着色樹脂粒子を洗浄・乾燥する洗浄・乾燥工程とを経て請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを作製する静電荷像現像用トナー製造方法。
- 前記造粒工程が、
前記結晶性樹脂を分散させた樹脂粒子分散液と、前記着色剤を分散させた着色剤分散液と、前記ターフェニル化合物を分散させたターフェニル化合物分散液とを少なくとも混合・攪拌して得られた原料分散液中にて、前記結晶性樹脂と前記着色剤と前記ターフェニル化合物とを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記凝集粒子を前記結晶性樹脂の融点以上の温度に加熱して融合する融合工程とを含むことを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- キャリアを含むことを特徴とする請求項6に記載の静電荷像現像剤。
- 前記キャリアが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂被覆層とを有することを特徴とする請求項7に記載の静電荷像現像剤。
- 潜像担持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着工程とを含む画像形成方法において、
前記現像剤が、請求項6〜8のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記潜像担持体の最表面を構成する層が、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
- 前記転写工程後の前記潜像担持体表面に残留する残留トナーを、前記現像剤として再利用するトナーリサイクル工程を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成方法。
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