JP4867610B2 - 静電潜像現像用透明トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、画像形成方法および画像形成装置。 - Google Patents
静電潜像現像用透明トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、画像形成方法および画像形成装置。 Download PDFInfo
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Description
静電潜像現像用透明トナーには、これを用いて形成される透明画像の透明性が高いことは勿論、その他にも低温定着が容易であること等が求められる。このような静電潜像現像用透明トナーに求められる諸特性を満たすために、従来から種々の検討がなされており、例えば、結着樹脂として結晶性樹脂と非晶性樹脂とを併用したトナー(例えば、特許文献3、4参照)を透明トナーとして転用したり、結晶性樹脂の合成に用いるアルコール由来構成成分として直鎖脂肪族ジオールの一部をビスフェノールS・ビフェニル構造のような芳香族成分に置き換えた結晶性樹脂を用いた透明トナー(特許文献5参照)を用いることなどが知られている。
同時に、透明トナーを未定着カラートナー像に重ねて形成して定着する際、定着時の粘度が透明トナーがカラートナーに比べて十分低くないと、定着ニップにおいて、定着途中の透明トナー像が、その下層にある未定着カラートナー像を押し崩し、画像の粒状性を悪化させることがある。
カラートナーに比べ低い溶融粘度を持ちながら、かつ収縮度合いが同程度である透明トナーが、より一層の高画質化のためには好ましいが、結晶性樹脂を含有するトナーの収縮度合いを近づけながら溶融粘度に差をつけることは難しかった。
また、カラー画像ラミネート時の画質劣化や表面性の経時変化による画質劣化のない前記静電潜像現像用現像剤を用いた画像形成方法および画像形成装置を提供することを課題とする。
非晶性ポリエステル樹脂を含む第1樹脂粒子、及び直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を含む第2樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、前記原料分散液中に凝集粒子を形成する凝集工程と
前記凝集粒子が形成された原料分散液を、加熱して前記凝集粒子を融合する融合工程とを経て作製され、
前記凝集工程において、前記原料分散液中に前記凝集剤を添加した後にキレート剤を添加することを特徴とする静電潜像現像用透明トナー。
前記キレート剤が、エチレンジアミンテトラ酢酸であることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用透明トナー。
非晶性ポリエステル樹脂を含む第1樹脂粒子、及び直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を含む第2樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、前記原料分散液中に凝集粒子を形成する凝集工程と
前記凝集粒子が形成された原料分散液を、加熱して前記凝集粒子を融合する融合工程とを経て作製され、
前記凝集工程において、前記原料分散液中に前記凝集剤を添加した後にキレート剤を添加することを特徴とする静電潜像現像用透明トナーの製造方法。
<1>又は<2>に記載の静電潜像現像用透明トナーを含む静電荷像現像用現像剤。
2色以上のカラートナーを用いて電子写真方式により、記録媒体表面に前記2色以上のカラートナーを転写して得られた定着済み又は未定着のカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、
<1>又は<2>に記載の静電潜像現像用透明トナーを用いて電子写真方式により、前記カラー画像の少なくとも表面に透明画像を形成する透明画像形成工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
前記透明画像形成工程が、
前記カラー画像の少なくとも表面に前記静電潜像現像用透明トナーからなる透明トナー像が転写された記録媒体を加熱加圧することにより、少なくとも前記透明トナー像を定着する定着工程を含み、
前記定着工程が、
圧接部を形成するように互いに接触押圧させて配置された1対の定着部材を少なくとも用いて実施され、
前記記録媒体を、その前記透明トナー像が転写された面が前記1対の定着部材のいずれか一方の定着部材表面と密着させた状態で、前記圧接部を通過させると同時に前記圧接部で加熱加圧する加熱加圧ステップと、
加熱加圧された前記記録媒体を、該記録媒体の前記透明トナー像が転写された面と前記一方の定着部材表面とが密着した状態で、冷却する冷却ステップと、
冷却された前記記録媒体を、前記一方の定着部材表面から剥離する剥離ステップとを含むことを特徴とする<5>に記載の画像形成方法。
2色以上のカラートナーを用いて電子写真方式により、記録媒体表面に前記2色以上のカラートナーを転写して得られた定着済み又は未定着のカラー画像を形成するカラー画像形成手段と、
<1>又は<2>に記載の静電潜像現像用透明トナーを用いて電子写真方式により、前記カラー画像の少なくとも表面に透明画像を形成する透明画像形成手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
前記透明画像形成手段が、
前記カラー画像の少なくとも表面に前記静電潜像現像用透明トナーからなる透明トナー像が転写された記録媒体を加熱加圧することにより、少なくとも前記透明トナー像を定着する定着する定着手段を含み、
前記定着手段が、
圧接部を形成するように互いに接触押圧させて配置され、少なくとも一方が回転可能な無端ベルト状定着部材から構成される1対の定着部材を少なくとも備え、
前記記録媒体を、その前記透明トナー像が転写された面が前記無端ベルト状定着部材表面と密着させた状態で、前記圧接部を通過させると同時に前記圧接部で加熱加圧する機能と、
加熱加圧された前記記録媒体を、該記録媒体の前記透明トナー像が転写された面と前記無端ベルト状定着部材表面とが密着した状態で、前記無端ベルト状定着部材により搬送しながら冷却する機能と、
冷却された前記記録媒体を、前記無端ベルト状定着部材表面から剥離する機能とを含むことを特徴とする<7>に記載の画像形成装置。
また、カラー画像ラミネート時の画質劣化や表面性の経時変化による画質劣化のない前記静電潜像現像用現像剤を用いた画像形成方法および画像形成装置を提供することができる。
−第1の透明トナー−
本発明の静電潜像現像用透明トナーは、非晶性樹脂とポリエステル樹脂と2価以上の金属イオン(以下、「多価金属イオン」と称す場合がある)とキレート剤とを用いて製造されたことを特徴とする。
なお、以下の説明においては、上述した構成の透明トナーを特に指す場合には「第1の透明トナー」と称し、後述する第1のトナーとは別の構成を有する本発明の静電潜像現像用透明トナーを指す場合には「第2の透明トナー」と称し、両者を指す場合には「静電潜像現像用透明トナー」又は「透明トナー」と称する。
また、本発明においては、後述する「第2の透明トナー」を採用する。
DTPA(ジエチレントリアミンペンタ酢酸)、HIDA(ヒドロキシエチルイミノジ酢酸)、GLDA(ジカルボキシメチルグルタル酸テトラナトリウム塩)、DHEG(ジヒドロキシエチルグリシン)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸)等を用いることができ、これらの中でもEDTAを用いることが特に好ましい。
さらに、結晶性ポリエステル樹脂としては、高速な画像形成にも対応できることから直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を用いる。ここで、直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂とは、直鎖脂肪族構造を有するモノマーのみを用いて合成された結晶性ポリエステル樹脂を意味する。なお、これらポリエステル樹脂の詳細については後述する。
なお、多価金属イオンは、トナーの製造に際して意図的に添加することもできるが、トナーの製造過程において一種の触媒等のような形で利用され、意図せずにトナーに混入する成分であってもよい。
最初に、透明トナーが十分に溶融できる程度の温度(約160℃前後)に加熱されたホットプレートなどの天板の上に、上面が平滑で離形性が良好な基材(例えば、ガラス基板等)をおき、この基材上で測定対象となる透明トナーを溶かして、エリクセンやバーコーターなどで塗布する。なお、塗布量は特に限定されないが目標膜厚が概ね20μm前後に近づくように調整することが好ましい。
続いて、基材上で溶融したトナーを、基材と共に自然放冷する。なお、冷却は、冷却速度が5〜1℃/秒程度となるように、使用する基材の熱容量や、自然放冷する環境を選択した。続いて、基材上に形成された薄膜を剥離することにより薄膜サンプルを得ることができる。なお、膜厚の均一性を確保するために、2枚の基材間に透明トナーを配置したり、この場合に加熱加圧しながら薄膜サンプルを作製してもよい。また、得られた薄膜サンプルの膜厚は、光学顕微鏡又は触針式の膜厚測定装置により測定しておく。
このYの値は、薄膜サンプルの散乱が2%以下の場合には、薄膜サンプルの厚みにほぼ比例する。よって、視感反射率Yは、Yの値に膜厚補正係数(薄膜サンプルの実際の膜厚(μm)/20μm)を掛けた値として求められる。
なお、本発明の透明トナーは上述した第1の透明トナーと同様の効果が得られるという観点から、以下のような透明トナーであってもよい。
すなわち、本発明の第2の透明トナーは、非晶性ポリエステル樹脂を含む第1樹脂粒子、及び直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を含む第2樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、前記原料分散液中に凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子が形成された原料分散液を、加熱して前記凝集粒子を融合する融合工程とを経て作製され、前記凝集工程において、前記原料分散液中に前記凝集剤を添加した後にキレート剤を添加することを特徴とする。
それゆえ、第2の透明トナーは第1の透明トナーと同様に形成される画像の透明性及び低温定着性の双方に優れる。また、第2の透明トナーは、得られるトナーの粒度分布制御の容易な乳化重合凝集法を利用するため、シャープな粒度分布が得られる。
次に、本発明の透明トナーに用いられる構成材料や、透明トナーの構造、製造方法等についてより詳細に説明する。なお、構成材料は、基本的に乳化重合凝集法を利用して透明トナーを作製する場合を前提として説明するが、勿論、他のトナー製造方法を利用してトナーを製造する場合にも同様の材料を利用することができる。
本発明の透明トナーの構造は特に限定されず、単層構造とすることもできるが、結着樹脂を含むコア層と、結着樹脂を含み前記コア層を被覆するシェル層とを有するいわゆるコアシェル構造とすることもできる。なお、この場合、コア層及び/又はシェル層に用いられる結着樹脂として、多価金属イオンやキレート剤と共にポリエステル樹脂が用いられる。
本発明の透明トナーには、結着樹脂として少なくともポリエステル樹脂が用いられ、結着樹脂としてポリエステル樹脂のみを用いることが好ましい。
なお、結着樹脂としてポリエステル樹脂以外に必要に応じて他の結着樹脂を用いる場合には、ビニル系結着樹脂等の公知のトナー用の結着樹脂が利用できる。また、この場合の全結着樹脂に占めるポリエステル樹脂の割合は70重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることが更に好ましい。全結着樹脂に占めるポリエステル樹脂の割合が70重量%未満の場合には、形成される画像の透明性及び低温定着性を高いレベルで両立させることが困難となる場合がある。
なお、本発明に用いられるポリエステル樹脂は、その主鎖に対して他成分を共重合したポリマーであってもよい。但し、この場合、本発明における「ポリエステル樹脂」とは、共重合に用いる他成分(第三成分)が50モル%以下の共重合体を意味する。このような共重合体からなるポリエステル樹脂は、例えば、融点の調整などを目的として、必要に応じて適当な第三成分を共重合させて合成される。なお、上記他成分の共重合割合としては、12.5モル%以下であることが好ましく、2モル%以下であることがより好ましい。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂は、融点(Tm)が80〜130℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜100℃の範囲であり、さらに好ましくは85〜95℃の範囲である。また、重量平均分子量は15000〜50000の範囲であることが好ましく、低温定着性、機械強度の観点から、より好ましくは17000〜40000の範囲である。
なお、結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時の吸熱ピークのトップの値を融点とした。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。定着性と耐熱性の観点から、これらのうち炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールであることが好ましく、炭素数が9のノナンジオールを用いることがより好ましい。
低温定着性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、上記炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールを85〜100モル%の範囲で含むことが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸が、低温定着性、機械強度の点で好ましいが、芳香族カルボン酸は機械強度向上や結晶性を低下させて混和性・透明性を高めるなどの製法上の理由から、全カルボン酸中の2〜10モル%共重合しても良いが、固化速度やトナーの帯電特性上の理由から、10モル%以下の利用に抑えることが好ましい。
また、第三成分として、混和性の観点から酸由来構成成分を加えてもよい。酸由来構成成分を二種類以上加えることで結晶性が低下して混和性・透明性が高まる。結晶性が低下することによる耐熱性悪化をなくすには、全酸由来構成成分に対するこの第三成分の比率は10モル%以下であるのが好ましい。
この場合、アルコール由来構成成分としては好ましくは炭素数が2〜12、より好ましくは6〜9の直鎖脂肪族であり、酸由来構成成分としては入手容易性を考慮すると、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸であることが好適である。これらの範囲外の材料も用いることができるが、組合せによって熱特性がトナーに適さなかったりやコストが高くなるなどの問題がある。
例えば、二塩基酸と二価アルコールを、大気圧下180〜200℃で2〜5時間反応させ、水又はアルコールの留出を終了させて、エステル交換反応を完結させる。次いで、反応系内の圧力を133.3Pa以下の高真空にすると共に、200〜230℃に昇温し、この温度にて1〜3時間加熱することにより結晶性ポリエステル樹脂を得ることができる。
本発明に用いられる非晶性ポリエステル樹脂としては、ガラス転移点が50〜80℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは55〜65℃の範囲である。重量平均分子量は8000〜30000の範囲であることが好ましく、低温定着性及び機械強度の観点から、重量平均分子量は8000〜16000の範囲であることがより好ましい。そして、低温定着性、混和性の観点から、第三成分を共重合してもよい。
結着樹脂としてポリエステル樹脂の他に併用できる結着樹脂としては公知の結着樹脂が利用でき、代表的にはビニル系結着樹脂が挙げられる。
ビニル系結着樹脂としての例としては、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n―ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n―オクチル、アクリル酸2―クロルエチル、アクリル酸フェニル、α―クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリルロニトリル、アクリルアミド、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、例えばN―ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物などの含N極性基を有する単量体やメタクリル酸、アクリル酸、桂皮酸、カルボキシエチルアクリレートなどのビニルカルボン酸類などビニル系モノマーの単独重合体及び共重合体及び/または各種ポリエステル類など、さらには各種ワックス類もあわせて使用可能である。
ここで、GPC測定に用いた測定装置および測定条件は以下の通りである。まず、測定装置としては東ソー(株)HLC−8120GPC,SC−8020装置を用い、カラムはTSK gel,SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2本)を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、試料注入量10μl、測定温度40℃、検量線はA−500,F−1,F−10,F−80,F−380,A−2500,F−4,F−40,F−128,F−700の10個の標準試料を用いて作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
本発明のトナーには必要に応じて公知の離型剤を用いることができるが、具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
また必要に応じて、画像の耐候性などを向上させるために重合性紫外線安定性単量体などを含有しても良い。
なお、得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
また、後述する乳化重合法により本発明の透明トナーを作製する際に、離型剤を使用するときには、帯電性、耐久性を確保する観点から作製される透明トナーの構造をコアシェル構造とし、コア層にのみ離型剤が含まれるようにすることが好ましい。
本発明の透明トナーには、必要に応じて公知の内添剤や外添剤を利用することができる。
例えば、帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することが出来る。但し、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
また水中にてトナー表面に付着せしめる場合、無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
本発明のトナーの体積平均粒径D50vは特に限定されるものではないが、4〜8μmの範囲内であることが好ましい。4μm未満の場合にはクリーニングが困難となる場合があり、8μmを超えると高精細な画像が得られなくなる場合がある。
また、本発明において、上述したトナーの体積平均粒径D50v(累積体積平均粒径D50v)や各種の粒度分布指標等は、コールターカウンターTA−II(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液としてISOTON‐II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定することができる。
測定に際しては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを電解液100〜150ml中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
本発明の透明トナーの製造方法は、乳化重合凝集法を利用する。
以下、本発明の透明トナーの製造方法として乳化重合凝集法を利用した場合について説明する。
この場合、本発明の透明トナーは、非晶性ポリエステル樹脂を含む第1樹脂粒子、及び直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を含む第2樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、原料分散液中に凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子が形成された原料分散液を、加熱して凝集粒子を融合する融合工程とを経て作製される。なお、凝集工程においては、原料分散液中に凝集剤を添加した後にキレート剤が添加される。
すなわち、上述したコアシェル構造を有する透明トナーは、ポリエステル樹脂を含む樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、原料分散液中に凝集粒子(コア粒子)を形成する第1の凝集工程(コア粒子形成工程)と、凝集粒子(コア粒子)が形成された原料分散液中にポリエステル樹脂を含む樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を添加した後に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、凝集粒子(シェル層付粒子)を形成する第2の凝集工程(シェル層形成工程)と、凝集粒子(シェル層付粒子)が形成された原料分散液を、加熱して凝集粒子(シェル層付粒子)を融合する融合工程とを経て作製することができる。
原料分散液は、結着樹脂の乳化粒子(結着樹脂粒子)と、水系媒体および必要に応じて着色剤や離型剤を含む分散液とを混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。したがって結着樹脂は原料分散液中にあらかじめ樹脂粒子として分散させておく必要がある。
一方、平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンなどが挙げられ、前記結着樹脂に応じて適宜選択して用いる。
本発明で用いるポリエステル樹脂の場合、転相乳化法を用いるのが好ましい。樹脂を酢酸エチルないしはメチルエチルケトンに溶解し、アルコール類と樹脂酸価のおよそ60−200%相当のアンモニア水溶液を加えて混合・攪拌した後に、イオン交換水を滴下して加えていくと、油相に水が混ざっている状態から、水の増量に伴って、水相に油相(溶剤と樹脂)が分散した状態への転相が起きる。この乳化液から溶媒を排風除去することで、好ましい粒度分布の原料分散液を得ることができる。
コア粒子形成工程においては、樹脂粒子分散液の他に、必要に応じて添加されるその他の分散液(例えば、離型剤を分散させた離型剤分散液等)を少なくとも混合して得られた原料分散液を加熱し、これらの粒子を凝集させた凝集粒子(コア粒子)を形成する。なお、結着樹脂粒子が結晶性ポリエステル等の結晶性樹脂である場合には、結晶性樹脂の融点付近の温度で、且つ、融点以下の温度にて加熱し、これらの粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
前記コア粒子形成工程に用いられる凝集剤としては、2価以上の金属イオンを含む凝集剤(無機金属塩)が少なくとも用いられる。また、原料分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤も利用できる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に好ましい。
なお、後述するシェル層形成工程が実施される場合には、少なくともコア粒子形成工程又はシェル層形成工程のいずれかにおいて、多価金属イオンを含む凝集剤と共にキレート剤が用いられればよいが、これらは少なくともシェル層形成工程において用いられることが好ましく、双方の工程で用いられることがより好ましい。また、凝集工程においては、樹脂粒子分散液としてポリエステル樹脂を含む樹脂粒子を分散させた分散液が少なくとも1種類必ず用いられるが、コア粒子形成工程又はシェル層形成工程のいずれかにおいて、ポリエステル樹脂を含む樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を用いない場合にはキレート剤を用いる必要はない。
これに対して、透明トナーをカラー画像表面の凹凸に関係なく、十分な量(トナー載り量が4〜15g/m2)で形成し、後述する冷却剥離方式を利用して透明トナー像を定着してカラー画像表面の凹凸平滑化する場合には画質上の問題は起き難いが、転写されない透明トナーがクリーニング不良を引き起こすなど、帯電維持性に問題が生じる場合がある。
コア粒子形成工程を経た後には、必要であればシェル層形成工程を実施してもよい。シェル層形成工程では、上記したコア粒子形成工程を少なくとも経て形成されたコア粒子の表面に、被覆層形成用の樹脂粒子を付着させることにより被覆層を形成する。このような工程を実施することにより、コアシェル構造を有するトナーを得ることができる。このシェル層形成工程は必要であれば2回以上実施することもできる。
被覆層の形成は、通常、コア粒子が形成された原料分散液中に、非晶性樹脂粒子を含む被覆層形成用の樹脂粒子分散液を追添加することにより行うことが好ましい。
コア粒子形成工程、あるいは、コア粒子形成工程およびシェル層形成工程を経た後に実施される融合工程は、これらの工程を経て形成された凝集粒子(コア粒子又はシェル層付粒子)を含む懸濁液のpHを6.5〜8.5の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。なお、結着樹脂として結晶性樹脂を用いている場合には、結着樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
融合工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。また、乾燥後のトナー粒子には、既述したような種々の外添剤を必要に応じて添加することができる。
本発明の静電潜像現像用現像剤(以下、「現像剤」と称す場合がある)は、本発明の透明トナーを含む一成分現像剤であってもよく、本発明の透明トナーとキャリアとを含む二成分現像剤のいずれであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
−画像形成方法−
次に、本発明の透明トナーを用いた画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法は、本発明の透明トナー(を含む現像剤)を用い、公知の電子写真方式により画像を形成するものであれば特に限定されないが、2色以上のカラートナーを用いて電子写真方式により、記録媒体表面に2色以上のカラートナーを転写して得られた定着済み又は未定着のカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、本発明の透明トナーを用いて電子写真方式により、前記カラー画像の少なくとも表面に透明画像を形成する透明画像形成工程とを含むものであることが好ましい。
これにより、記録媒体上にカラー画像のみを形成していた場合に、カラー画像が形成された領域とそれ以外の領域との境界部分で発生する段差や、カラー画像部内の高濃度部と低濃度部との境界部分で発生する段差に起因する不均一な光沢感を、透明画像を形成することによって解消することができる。
すなわち、カラー画像が形成された領域内またはカラー画像が形成された面全体が均一な光沢感を有する高画質な画像を得ることができる。
このような冷却剥離方式の定着では、冷却ステップにおいて記録媒体表面と密着する側の定着部材としてその表面の平滑性が高いものが用いられるため、定着部材表面の平滑性が画像の表面にそのまま転写され、銀塩写真のような高光沢な画像を得ることができる。
なお、このような効果を確実に得るためには、本発明の透明トナーに用いられる全結着樹脂に占める直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂の割合が4重量%以上であることが好ましく、6重量%以上であることがより好ましい。また、上限は特に限定されるものではないが、その他の特性との両立も考慮すれば実用上は20重量%以下であることが好適である。
なお、必要に応じてその他公知の工程(例えば、トナー像を転写した後の像保持体表面をクリーニングするクリーニング工程等)を含むものであってもよく、また、転写工程は、中間転写ベルト等の中間転写体を利用した中間転写方式により実施されてもよい。この場合は、像保持体表面のトナー像を中間転写体表面に1次転写した後、中間転写体表面から記録媒体表面にトナー像が2次転写される。
また、定着工程は、記録媒体表面に転写された透明トナー像および各色のトナーを重ね合わせて得られたカラートナー像(未定着のカラー画像)に対して一括して実施することもできるが、記録媒体表面に転写された各色のトナーを重ね合わせて得られたカラートナー像を定着してカラー画像とした後に、この定着済みのカラー画像が形成された記録媒体に透明トナー像を転写して2回目の定着を実施してもよい。
次に、上述した本発明の画像形成方法を実施するために用いられる画像形成装置について説明する。
この場合、本発明の画像形成装置は、2色以上のカラートナーを用いて電子写真方式により、記録媒体表面に前記2色以上のカラートナーを転写して得られた定着済み又は未定着のカラー画像を形成するカラー画像形成手段と、本発明の透明トナーを用いて電子写真方式により、前記カラー画像の少なくとも表面に透明画像を形成する透明画像形成手段とを含むものであることが好ましい。
例えば、高速な画像形成を行う場合には、各種類のトナー(現像剤)に対応した画像形成ユニットを備えたいわゆるタンデム方式の画像形成装置とすることができ、小型の装置を実現したい場合には、各種類のトナー(現像剤)を現像するための現像器を1つの現像装置に備えたいわゆるロータリー現像方式を採用した画像形成装置とすることもできる。
例えば、2色以上のカラートナーのみを用いるタンデム方式の画像形成装置やロータリー現像方式を採用した画像形成装置においては、各色のトナーに対して共通する定着装置を有するため、この定着装置として光沢付与装置を用いると共に、無端ベルト状定着部材の表面に透明トナー像が転写できるように、圧接部に対して無端ベルト状定着部材の回転方向上流側に、透明トナー用の帯電手段、潜像形成手段、トナー像形成手段及び転写手段を少なくとも備えた画像形成ユニットを設けることもできる。
画像信号形成装置としては、トナー像を記録媒体表面の所望の位置に形成し得るような信号を形成できる限り、従来公知のいずれの手段を使うこともできる。
図1は、光沢付与手段を備えた本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1に示される画像形成装置は、大きく、カラートナー像を形成するためのカラートナー像形成装置(符号2〜16)と、透明トナー像を形成した後に、この透明トナー像とカラートナー像とを記録媒体表面に定着するために、透明トナー像形成用の画像形成ユニット付の光沢付与装置(符号20〜33)とに分けられ、両者が搬送装置19により連結されている。
光学系(ROS)6では、各色成分ごとにレーザーダイオード5が発光し、有機感光体(感光体)8表面に、各色成分ごとの像様の光Xが照射される。一方、有機感光体8は、矢印A方向に回転しながら、まず、表面が帯電器(帯電装置)7により一様に帯電されたのち、既述の光学系(ROS)6による露光が行われ、現像器9〜12による現像に供される。
カラートナー像が転写された用紙17は、搬送装置19により、画像形成ユニット付の光沢付与装置に搬送される。
帯電装置25としては、例えば、導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電装置、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などの非接触型の帯電装置等、それ自体公知の手段を使用することができる。
透明トナー像現像装置28としては、感光体ドラム24表面に均一な透明トナー像を形成できるといった機能を有する限り、一成分系、二成分系を問わず従来公知の現像装置を使用することができる。
加熱ロール30及び加圧ロール31としては、例えばアルミニウムからなる金属製コアの表面に、シリコーンゴムからなる弾性体層(厚さ2mm)を被覆し、所定の外径(40mmφ)に形成したものが用いられる。この加熱ロール30及び加圧ロール31の内部には、加熱源として300〜350Wの図示しないハロゲンランプが配設されており、当該加熱ロール30の表面温度が所定の温度となるように内部から加熱される。
まず、前記のように、表面にカラートナー像が形成(転写)された記録媒体17が、加熱ロール30と、これに透明トナー像保持体20を介して圧接する加圧ロール31との圧接部(ニップ部)に、カラートナー像が加熱ロール30側に面するようにして導入される。
以上に説明した本発明の画像形成方法/装置に用いられるカラートナーは、少なくとも公知のトナー用結着樹脂及び着色剤を含む一般的なカラートナーであれば、特に制限はない。結着樹脂及び着色剤以外の添加成分については、本発明の透明トナーにおけるその他の成分と同様のものを内添あるいは外添することができる。なお、本発明においてカラートナーはブラックトナーを含む。
また、着色剤としては、特に制限されることはなく、従来公知の着色剤を使用することができる。例えば、イエロー(Y)色の着色剤としてベンジジンイエロー、キノリンイエロー、ハンザイエロー等;マジェンタ(M)色の着色剤としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等;シアン(C)色の着色剤としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等;ブラック(K)色の着色剤としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等;を挙げることができる。
カラートナーの製造方法としては、特に制限はなく、各種湿式製法の他、混練粉砕法でも構わない。また、既述した乳化重合凝集法を利用した本発明の透明トナーの作製時に、凝集工程(コアシェル構造のカラートナーを作製する場合はコア粒子形成工程)において、着色剤分散液を用いたものでもよい。
(結晶性ポリエステル樹脂の作製)
−結晶性ポリエステル樹脂A(直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂)の作製−
加熱乾燥した3口フラスコに、1,10−ドデカン2酸196質量部と、1,9−ノナンジオール160質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15質量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌の下、230℃に加熱すると共に0.1kPaに加圧し、系内が均一なスラリーとなった後、常圧窒素気流下で6時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い10時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Aとした。
この樹脂Aを厚さ20μmの薄膜に成型して視感反射率Yを測定したところ、Y=3.7であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194質量部と、1,9−ノナンジオール160質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15質量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌の下、230℃に加熱すると共に0.1kPaに加圧し、系内が均一なスラリーとなった後、常圧窒素気流下で6時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い10時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bとした。
この樹脂Bを厚さ20μmの薄膜に成型して視感反射率Yを測定したところ、Y=3.5であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194質量部と、1,9−ノナンジオール150質量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物20.3質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15質量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌の下、230℃に加熱すると共に0.1kPaに加圧し、系内が均一なスラリーとなった後、常圧窒素気流下で6時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い10時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bとした。
この樹脂Cを厚さ20μmの薄膜に成型して視感反射率Yを測定したところ、Y=1.3であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル58.2質量部と、フマル酸81.2質量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物63.2質量部と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物275質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15質量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌の下、230℃に加熱すると共に0.1kPaに加圧し、系内が均一なスラリーとなった後、常圧窒素気流下で6時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて260℃まで徐々に昇温を行い10時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Dとした。
また、非晶性ポリエステル樹脂Dのガラス転移点(Tg)を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認され該階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は60℃であった。また、融点(Tm)は114℃であった。
この樹脂Dを厚さ20μmの薄膜に成型して視感反射率Yを測定したところ、Y=0.7であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル58.2質量部と、フマル酸81.2質量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物338質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15質量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌の下、230℃に加熱すると共に0.1kPaに加圧し、系内が均一なスラリーとなった後、常圧窒素気流下で6時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて260℃まで徐々に昇温を行い10時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Eとした。
また、非晶性ポリエステル樹脂Eのガラス転移点(Tg)を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認され該階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は63℃であった。また、融点(Tm)は117℃であった。
この樹脂Eを厚さ20μmの薄膜に成型して視感反射率Yを測定したところ、Y=0.9であった。
−樹脂粒子分散液Aの作製−
60℃に温度を保ったフラスコ中に結晶性ポリエステル樹脂A300質量部を入れ、酢酸エチル105質量部、イソプロピルアルコール105質量部、10質量%アンモニア水溶液17質量部とよく混合・溶解した後、攪拌しながらイオン交換水を送液ポンプを用いて送液速度6質量部/minで滴下した。
液が均一に白濁した後、送液速度25質量部/minに上げ、液量2500mlになったところでイオン交換水の滴下を止めた。次いで乳化液をステンレス製角バットに移し、攪拌したまま一晩置いて、乳化液に残る酢酸エチルを排風除去して、樹脂粒子分散液Aを得た。
結晶性ポリエステルBについて、樹脂粒子分散液Aと同様の方法で、樹脂粒子分散液Bを得た。
結晶性ポリエステルCについて、樹脂粒子分散液Aと同様の方法で、樹脂粒子分散液Cを得た。
40℃に温度を保ったフラスコ中に非晶性ポリエステル樹脂D350質量部を入れ、酢酸エチル175質量部、イソプロピルアルコール87.5質量部、10%アンモニア水溶液10質量部とよく混合・溶解した後、攪拌しながらイオン交換水を送液ポンプを用いて送液速度8質量部/minで滴下した。
液が均一に白濁した後、送液速度25質量部/minに上げ、液量1150mlになったところでイオン交換水の滴下を止めた。次いで乳化液をステンレス製角バットに移し、攪拌したまま一晩置いて、乳化液に残る酢酸エチルを排風除去して、樹脂粒子分散液Dを得た。
非晶性ポリエステルEについて、樹脂粒子分散液Dと同様の方法で、樹脂粒子分散液Eを得た。
・シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニン系顔料:大日精化社製:シアニンブルー4937)):2300質量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK):150質量部
・イオン交換水:7700質量部
以上を混合し、分散させ、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて1時間分散してシアン顔料を分散させてなるシアン顔料分散液を調製した。シアン顔料分散液におけるシアン顔料の体積平均粒径は0.15μm、固形分濃度は23質量%であった。
シアン顔料に変えてC.I.ピグメントレッド122(キナクリドン系顔料:大日精化社製:クロモファインマゼンタ6887)に変更した以外はシアン顔料分散液と同様の方法でマゼンタ顔料分散液を調製した。マゼンタ顔料分散液におけるマゼンタ顔料の体積平均粒径は0.19μm、固形分濃度は23質量%であった。
シアン顔料に変えてC.I.ピグメントイエロー74(モノアゾ系顔料:大日精化社製:セイカファーストイエロー2054)に変更した以外はシアン顔料分散液と同様の方法でイエロー顔料分散液を調製した。イエロー顔料分散液におけるイエロー顔料の体積平均粒径は0.25μm、固形分濃度は23質量%であった。
シアン顔料に変えてカーボンブラック(キャボット社製:リーガル330)に変更した以外はシアン顔料分散液と同様の方法で黒顔料分散液を調製した。黒顔料分散液におけるカーボンブラックの体積平均粒径は0.12μm、固形分濃度は23質量%であった。
・エステルワックス(日本油脂(株)製:WEP−5):50質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5質量部
・イオン交換水:200質量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が230nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20質量%)を調製した。
(透明トナー1)
樹脂粒子分散液A20質量部(固形分量換算値)と樹脂粒子分散液D80質量部(固形分量換算値)とを混合し、さらにイオン交換水を加えて固形成分濃度を12質量%とした後、WAX(WEP5)9質量部・界面活性剤(Dowfax)1.8質量部を加え、25℃を保ったまま30分攪拌した。0.3M−硝酸を加え、pH3.0とした。その後、Ultra Turraxにより25℃、7000rpmにて15分間攪拌しながらPAC(ポリ塩化アルミニウム)0.18pphを加えた。
得られた混合液を攪拌下、徐々に室温から昇温し、所望の粒度(体積平均粒径D50v=8.0μm)に凝集したところで温度を1時間保持した。その後、EDTA2.0質量部加え、次いでNaOHを添加してpH8.0とした。
非晶性ポリエステル樹脂Dの融点まで加熱した後、凝集体が合一するまで温度を保持し、合一粒子となったところで冷却した。
樹脂粒子分散液A20質量部(固形分量換算値)と樹脂粒子分散液D80質量部(固形分量換算値)とを混合し、さらにイオン交換水を加えて固形成分濃度を12質量%とした後、WAX(WEP5)9質量部・界面活性剤(Dowfax)1.8質量部を加え、25℃を保ったまま30分攪拌した。0.3M−硝酸を加え、pH3.0とした。その後、Ultra Turraxにより25℃、7000rpmにて15分間攪拌しながらPAC0.18pphを加えた。
得られた混合液を攪拌下、徐々に室温から昇温し、所望の粒度(体積平均粒径D50v=8.0μm)に凝集したところで温度を1時間保持した。その後、EDTA0.5質量部加え、次いでNaOHを添加してpH8.0とした。
非晶性ポリエステル樹脂Dの融点まで加熱した後、凝集体が合一するまで温度を保持し、合一粒子となったところで冷却した。
結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂A20質量部と結晶性ポリエステル樹脂D80質量部とを混合してバンバリーミキサーを使って加熱溶融混合し、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、体積平均粒径D50vが7μmの透明トナー3を作製した。
樹脂粒子分散液C20質量部(固形分量換算値)と樹脂粒子分散液E80質量部(固形分量換算値)とを混合し、さらにイオン交換水を加えて固形成分濃度を12質量%とした後、WAX(WEP5)9質量部・界面活性剤(Dowfax)1.8質量部を加え、25℃を保ったまま30分攪拌した。0.3M−硝酸を加え、pH3.0とした。その後、Ultra Turraxにより25℃、7000rpmにて15分間攪拌しながらPAC0.18pphを加えた。
得られた混合液を攪拌下、徐々に室温から昇温し、所望の粒度(体積平均粒径D50v=8.0μm)に凝集したところで温度を1時間保持した。その後、EDTA0.5質量部加え、次いでNaOHを添加してpH8.0とした。
非晶性ポリエステル樹脂Eの融点まで加熱した後、凝集体が合一するまで温度を保持し、合一粒子となったところで冷却した。
樹脂粒子分散液A100質量部(固形分量換算値)にイオン交換水を加えて固形成分濃度を12%とした後、WAX(WEP5)9質量部・界面活性剤(Dowfax)1.8質量部を加え、25℃を保ったまま30分攪拌した。0.3M−硝酸を加え、pH3.0とした。その後、Ultra Turraxにより25℃、7000rpmにて15分間攪拌しながらPAC0.18pphを加えた。
得られた混合液を攪拌下、徐々に室温から昇温し、所望の粒度(体積平均粒径D50v=8.0μm)に凝集したところで温度を1時間保持した。その後、EDTA0.5質量部加え、次いでNaOHを添加してpH8.0とした。
結晶性ポリエステル樹脂Aの融点まで加熱した後、凝集体が合一するまで温度を保持し、合一粒子となったところで冷却した。
樹脂粒子分散液B100質量部(固形分量換算値)にイオン交換水を加えて固形成分濃度を12%とした後、WAX(WEP5)9質量部・界面活性剤(Dowfax)1.8質量部を加え、25℃を保ったまま30分攪拌した。0.3M−硝酸を加え、pH3.0とした。その後、Ultra Turraxにより25℃、7000rpmにて15分間攪拌しながらPAC0.18pphを加えた。
得られた混合液を攪拌下、徐々に室温から昇温し、所望の粒度(体積平均粒径D50v=8.0μm)に凝集したところで温度を1時間保持した。その後、EDTA0.5質量部加え、次いでNaOHを添加してpH8.0とした。
結晶性ポリエステル樹脂Bの融点まで加熱した後、凝集体が合一するまで温度を保持し、合一粒子となったところで冷却した。
樹脂粒子分散液D100質量部(固形分量換算値)にイオン交換水を加えて固形成分濃度を12%とした後、WAX(WEP5)9質量部・界面活性剤(Dowfax)1.8質量部を加え、25℃を保ったまま30分攪拌した。0.3M−硝酸を加え、pH3.0とした。その後、Ultra Turraxにより25℃、7000rpmにて15分間攪拌しながらPAC0.18pphを加えた。
得られた混合液を攪拌下、徐々に室温から昇温し、所望の粒度(体積平均粒径D50v=8.0μm)に凝集したところで温度を1時間保持した。その後、EDTA0.5質量部加え、次いでNaOHを添加してpH8.0とした。
非晶性ポリエステル樹脂Dの融点まで加熱した後、凝集体が合一するまで温度を保持し、合一粒子となったところで冷却した。
結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂D100質量部を用い、これをバンバリーミキサーを使って加熱溶融混合し、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、体積平均粒径D50vが7μmの透明トナー3を作製した。
EDTAの代わりにニトリロトリ酢酸を用いた以外は透明トナー1と同様にして作製し、透明トナー9を得た。
各透明トナーの100質量部に、下記の2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させて、外添剤処理を行った。
・無機微粒子A:SiO2(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、体積平均粒径:0.05μm、添加量:1.0質量部)
・無機微粒子B:TiO2(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、体積平均粒径:0.02μm、屈折率:2.5、添加量:1.0質量部)
各色のカラートナーを含む現像剤は以下のようにして作製した。
−カラートナーセット1−
樹脂粒子分散液A20質量部(固形分量換算値)と樹脂粒子分散液D50質量部(固形分量換算値)とを混合し、さらにイオン交換水を加えて固形成分濃度を12質量%とした後、WAX(WEP5)9質量部・シアン顔料分散液4.5質量部・界面活性剤(Dowfax)1.8質量部を加え、25℃を保ったまま30分攪拌した。0.3M−硝酸を加え、pH3.0とした。その後、Ultra Turraxにより25℃、7000rpmにて15分間攪拌しながらPAC0.18pphを加えた。
得られた混合液を攪拌下、徐々に室温から昇温し、所望の粒度(体積平均粒径D50v=6.5μm)に凝集したところで温度を1時間保持した。その後、EDTA1.0質量部加え、次いでNaOHを添加してpH8.0とした。
非晶性ポリエステル樹脂Dの融点まで加熱した後、凝集体が合一するまで温度を保持し、合一粒子となったところで冷却した。
同様に、シアン顔料分散液の代わりにマゼンダ顔料分散液を用いてマゼンダトナー1を、イエロー顔料分散液を用いてイエロートナー1を、黒顔料分散液を用いて黒トナー1を得た。これら4色のトナーを、以下カラートナーセット1とする。
樹脂粒子分散液A20質量部(固形分量換算値)と樹脂粒子分散液D50質量部(固形分量換算値)とを混合し、さらにイオン交換水を加えて固形成分濃度を12質量%とした後、WAX(WEP5)9質量部・シアン顔料分散液4.5質量部・界面活性剤(Dowfax)1.8質量部を加え、25℃を保ったまま30分攪拌した。0.3M−硝酸を加え、pH3.0とした。その後、Ultra Turraxにより25℃、7000rpmにて15分間攪拌しながらPAC0.18pphを加えた。
得られた混合液を攪拌下、徐々に室温から昇温し、所望の粒度(体積平均粒径D50v=6.5μm)に凝集したところで温度を1時間保持した。次いでNaOHを添加してpH8.0とした。
非晶性ポリエステル樹脂Dの融点まで加熱した後、凝集体が合一するまで温度を保持し、合一粒子となったところで冷却した。
同様に、シアン顔料分散液の代わりにマゼンダ顔料分散液を用いてマゼンダトナー2を、イエロー顔料分散液を用いてイエロートナー2を、黒顔料分散液を用いて黒トナー2を得た。これら4色のトナーを、以下カラートナーセット2とする。
樹脂粒子分散液D70質量部(固形分量換算値)にイオン交換水を加えて固形成分濃度を12%とした後、WAX(WEP5)9質量部・シアン顔料分散液4.5質量部・界面活性剤(Dowfax)1.8質量部を加え、25℃を保ったまま30分攪拌した。0.3M−硝酸を加え、pH3.0とした。その後、Ultra Turraxにより25℃、7000rpmにて15分間攪拌しながらPAC0.18pphを加えた。
得られた混合液を攪拌下、徐々に室温から昇温し、所望の粒度(体積平均粒径D50v=6.5μm)に凝集したところで温度を1時間保持した。次いでNaOHを添加してpH8.0とした。
非晶性ポリエステル樹脂Dの融点まで加熱した後、凝集体が合一するまで温度を保持し、合一粒子となったところで冷却した。
同様に、シアン顔料分散液の代わりにマゼンダ顔料分散液を用いてマゼンダトナー3を、イエロー顔料分散液を用いてイエロートナー3を、黒顔料分散液を用いて黒トナー3を得た。これら4色のトナーを、以下カラートナーセット3とする。
富士ゼロックス製DocuCentreColor a450用のシアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色のトナーをカラートナーセット4として用いた。
カラートナーセット1〜4を構成する各色のトナー粒子100質量部に、前記透明トナーの場合と同様にして無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。
続いて、DocuCentreColor a450(富士ゼロックス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100質量部とこれらのトナー8質量部とを各々混合して、各色のトナーを各々含む現像剤を作製した。
カラートナー画像形成装置としては、前述の図1に示した構成の画像形成装置を用いた。定着過程を除く画像形成プロセスの速度を160mm/sとし、ソリッド画像部分でのカラートナーの現像量が各色とも0.7mg/cm2となるように、トナーとキャリアとの質量比率、感光体帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。
光沢付与装置としては、前述図1に示した構成の光沢付与装置を用いた。なお、透明トナー像保持体20のベルト基材としては、導電性カーボンが分散された厚さ80μmのポリイミドフイルムに、シリコーンゴム(KE4895、信越化学工業(株)製)を厚さ50μmとして塗布したものを用いた。また、2つの加熱ロール30、加圧ロール31は、アルミニウム製の心材の表面に厚さ2mmのシリコーンゴム層を設けたものを用い、それらの中央に熱源としてハロゲンランプを配している。加熱ロール30、加圧ロール31の表面の温度は、双方ともに90℃から160℃の間で変化させた。
このような画像形成テストを表2に示すカラートナーセットと透明トナーとの組み合わせで実施した。
得られた画像記録体について、以下の評価を実施した。
−機械強度−
定着温度を変えて得られた画像記録体を半径が40、30,20,10,5mmの金属ロールに巻きつけ、直径が大きいものから小さいものへと順次巻きつけ、ひび割れの有無を目視により観察し、ひび割れが発生しない最小半径を調べ、以下の基準で評価した。
○:ひび割れが発生しない金属ロールの最小半径が10mm未満
△:ひび割れが発生しない金属ロールの最小半径が10mm以上30mm未満
×:ひび割れが発生しない金属ロールの最小半径が30mm以上
既述した方法により透明トナーをフィルム状にしたサンプルの視感反射率Yを測定し、以下の基準で評価した。
◎:視感反射率Yが1.0%以下。
○:視感反射率Yが1.0%を超え1.2%以下。
△:視感反射率Yが1.2%を超え1.5%以下。
×:視感反射率Yが1.5%を超える。
画像として風景・人物のポートレート画像を形成した後から22℃、湿度50%で1日放置したサンプル(出力後常温1日)と、恒温器中にて50℃、湿度85%で1週間放置したサンプル(50℃1週間)とについて、目視観察により官能評価を行った。評価基準は以下の通りである。
5:ミニラボ銀塩写真と同等の画像が形成されている
4:写真様の画像が形成されている
3:印刷物として問題ないレベル
2:画質的に見劣りし、許容できないレベル
1:画像にヒビなどの重大な欠陥があり、許容できないレベル
2 照明
3 カラースキャナ
4 画像処理装置
5 レーザーダイオード
6 光学系(ROS)
7 帯電器
8 有機感光体
9 イエロー現像器
10 マゼンタ現像器
11 シアン現像器
12 ブラック現像器
13 中間転写ベルト
14 転写コロトロン
15、16 転写ロール
17 記録媒体
19 搬送装置
20 透明トナー像保持体
21 透明トナー像形成手段
22 加熱加圧手段
23 ヒートシンク(冷却手段)
24 感光体ドラム
25 帯電装置
26 露光装置
27 透明トナー像信号形成装置
28 透明トナー像現像装置
29 転写装置
30 加熱ロール(転写定着手段)
31 加圧ロール(転写定着手段)
32 剥離ロール
33 従動ロール
34 透明トナー像
35 カラートナー像
Claims (5)
- 2色以上のカラートナーを用いて電子写真方式により、記録媒体表面に前記2色以上のカラートナーを転写して得られた定着済み又は未定着のカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、
静電潜像現像用透明トナーを用いて電子写真方式により、前記カラー画像の少なくとも表面に透明画像を形成する透明画像形成工程とを含み、
前記静電潜像現像用透明トナーが、
非晶性ポリエステル樹脂を含む第1樹脂粒子、及び直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を含む第2樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、前記原料分散液中に凝集粒子を形成する凝集工程と
前記凝集粒子が形成された原料分散液を、加熱して前記凝集粒子を融合する融合工程とを経て作製され、
前記凝集工程において、前記原料分散液中に前記凝集剤を添加した後にキレート剤を添加することを特徴とする画像形成方法。 - 2色以上のカラートナーを用いて電子写真方式により、記録媒体表面に前記2色以上のカラートナーを転写して得られた定着済み又は未定着のカラー画像を形成するカラー画像形成手段と、
静電潜像現像用透明トナーを用いて電子写真方式により、前記カラー画像の少なくとも表面に透明画像を形成する透明画像形成手段とを含み、
前記静電潜像現像用透明トナーが、
非晶性ポリエステル樹脂を含む第1樹脂粒子、及び直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を含む第2樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、前記原料分散液中に凝集粒子を形成する凝集工程と
前記凝集粒子が形成された原料分散液を、加熱して前記凝集粒子を融合する融合工程とを経て作製され、
前記凝集工程において、前記原料分散液中に前記凝集剤を添加した後にキレート剤を添加することを特徴とする画像形成装置。 - 非晶性ポリエステル樹脂を含む第1樹脂粒子、及び直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を含む第2樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、前記原料分散液中に凝集粒子を形成する凝集工程と
前記凝集粒子が形成された原料分散液を、加熱して前記凝集粒子を融合する融合工程とを経て作製され、
前記凝集工程において、前記原料分散液中に前記凝集剤を添加した後にキレート剤を添加することを特徴とする静電潜像現像用透明トナー。 - 非晶性ポリエステル樹脂を含む第1樹脂粒子、及び直鎖脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を含む第2樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を少なくとも含む原料分散液中に、2価以上の金属イオンを含む凝集剤を添加して、前記原料分散液中に凝集粒子を形成する凝集工程と
前記凝集粒子が形成された原料分散液を、加熱して前記凝集粒子を融合する融合工程とを経て作製され、
前記凝集工程において、前記原料分散液中に前記凝集剤を添加した後にキレート剤を添加することを特徴とする静電潜像現像用透明トナーの製造方法。 - 請求項3に記載の静電潜像現像用透明トナーを含む静電荷像現像用現像剤。
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