JP5471215B2 - 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
結着樹脂と、Al及びMgから選ばれる少なくとも1種以上の元素と、を含有するトナー粒子を有し、
前記トナー粒子に含有される炭素の換算粒径に対する、前記トナー粒子に含有される前記Al及びMgから選ばれる少なくとも1種以上の元素の換算粒径の傾きが0.25以上1.0以下であり、
前記トナー粒子に含有される炭素の換算粒径に対する、前記トナー粒子に含有される前記Al及びMgから選ばれる少なくとも1種以上の元素の換算粒径の絶対偏差の平均値が0.05以下である、静電潜像現像用トナーである。
前記トナー粒子は、少なくともAlを含有する、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーである。
前記トナー粒子は、3−ヒドロキシ-2,2’−イミノジコハク酸を結着樹脂の構成成分として含有する、請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナーである。
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを含む、静電潜像現像用現像剤である。
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーが収納された、トナーカートリッジである。
請求項4に記載の静電潜像現像用現像剤が収納された現像手段を備えた、プロセスカートリッジである。
潜像保持体と、
前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
前記潜像保持体の表面に形成された前記静電潜像を、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記トナー像が転写された後に前記潜像保持体に残留したトナーを除去するトナー除去手段と、を有する、画像形成装置である。
[静電潜像現像用トナー]
本実施形態の静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称する場合がある)は、少なくともトナー粒子を含み、トナー粒子は、結着樹脂と、Al及びMgから選ばれる少なくとも1種以上の元素(以下、「特定金属元素」と称する場合がある)と、を含有する。
また上記「換算粒径の傾き」とは、換算粒径Rcを横軸(x軸)、換算粒径Rmを縦軸(y軸)、としたときにおけるRmとRcとの関係を示すグラフに、最小二乗法を適用して導出された回帰式「y=ax+b」の係数aを示す。
さらに上記「絶対偏差」とは、それぞれのトナー粒子に対するRmとRcの関係が上記回帰式からどの程度外れているかを示すものであり、下記式で表される。また上記「絶対偏差の平均値」は、それぞれのトナー粒子における絶対偏差の平均値であり、上記回帰式に対する上記グラフのバラツキを示すものである。
式: 絶対偏差 = |(Rm−a×Rc)/Rc|
トナー粒子中に含まれる特定金属元素は、結着樹脂のイオン架橋に寄与すると考えられる。そのため、イオン架橋に寄与する特定金属元素が含まれる割合が多いほどトナー粒子が硬く、少ないほどトナー粒子が軟らかいと考えられる。
またそれに加えて本実施形態のトナーは、上記換算粒径の傾きが特定の範囲に入るため、上記換算粒径の傾きが特定の範囲よりも大きい場合や小さい場合に比べて、上記特定金属元素が適度に含まれていると考えられる。すなわち本実施形態のトナーは、トナーが硬すぎたり軟らかすぎたりしない程度に、結着樹脂が特定金属元素によってイオン架橋されていると考えられる。
具体的には、まず、メンブランフィルター(ポリカーボネート)に捕集された測定対象となるトナー粒子を1個ずつ、Heガス(0.1%の酸素を含有するヘリウムガス)をキャリアとする特殊アスピレーターにより吸い上げて、Heマイクロ波誘導プラズマ(He−MIP:電子密度5×1013cm−3、励起温度3300K、20000Kを超える電子温度を持つ非熱平衡型プラズマ)内へ導入し、この励起に伴う粒子の発光スペクトルを観測する。
上記発光強度(発光電圧)からそれぞれの元素の換算粒径を求める具体的な手段としては、例えば、パーティクルアナライザー(株式会社堀場製作所製、DP−1000)に付属の解析ソフトを用いる方法が挙げられる。
さらに、トナー粒子のように1個の粒子中に複数の元素が含まれる場合、ある元素に起因する発光と他の元素に起因する発光とが同時に観測された場合を「同期」といい、同時でなく別々に観測された場合を「非同期」という。トナー粒子において、ある元素と他の元素とが「同期」であるか「非同期」であるかを調べることにより、両元素が一体となった状態で存在しているか(具体的には、例えば、外添剤がトナー粒子の本体部分に付着しているか否か、また内添剤が偏在しているか否か等)が判断される。
トナーは、上記の通り結着樹脂及び特定金属元素を含有するトナー粒子を有し、必要に応じて外添剤等のその他の成分を含んでもよい。またトナー粒子は、必要に応じて着色剤や離型剤等を含んでもよく、さらにその他の成分を含んでもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類;等の単量体などの重合体、若しくはこれらを2種以上組み合せた共重合体、又はこれらの混合物等が挙げられる。また結着樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものが挙げられる。
カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、または、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して使用する。
離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が挙げられる。
離型剤の融解温度としては、例えば、50℃以上100℃以下の範囲が挙げられる。
離型剤のトナー粒子中の含有量としては、例えば0.5質量%以上15質量%以下の範囲が挙げられる。
トナー粒子は、上記成分以外にも、必要に応じて帯電制御剤等の種々の成分を含んでもよい。帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体を含む染料や、トリフェニルメタン系顔料など、通常使用される種々の帯電制御剤が挙げられる。
トナー粒子表面に外添される外添剤としては、たとえば、無機粒子や有機粒子が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等が挙げられる。なお無機粒子の表面には、目的に応じて表面処理を施してもよい。
前記無機粒子の1次粒径としては、例えば、1nmから200nmの範囲が挙げられ、その添加量としては、例えば、トナー100質量部に対して、0.01から20質量部の範囲が挙げられる。
有機粒子としては、具体的には例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
トナーの体積平均粒径は、例えば、4μmから9μmの範囲が挙げられる。
なお、体積平均粒径の測定は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行う。この際、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
次に、トナーの製造方法について説明する。
本実施形態のトナーを製造する方法は特に限定されないが、具体的には、例えば、トナーを構成するトナー粒子の製造方法として凝集合一法を用いる方法等が挙げられる。
凝集合一法によるトナー粒子の製造方法としては、例えば、結着樹脂の粒子である樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を調整する樹脂粒子分散液調整工程と、樹脂粒子を含む溶液に特定金属元素を含む凝集剤を添加して樹脂粒子及び特定金属元素を含む凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、凝集粒子を樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して融合・合一する融合・合一工程と、を有する製造方法が挙げられる。
上記凝集剤に含まれる特定金属元素は、樹脂中においてイオン架橋を形成し、トナー粒子中に金属イオンとして残留すると考えられる。そこで、凝集剤添加速度を従来よりも遅くすることにより、溶液中における凝集剤の分散状態が良好になるため、個々のトナー粒子に残留する特定金属元素の量のバラツキが抑制され、上記絶対偏差の平均値が小さくなると考えられる。また、凝集剤添加速度を遅くすると、凝集剤添加量の調整により特定金属元素残留量を制御することも容易となり、上記傾きを上記範囲内にすることも容易になると考えられる。
−各分散液調整工程−
樹脂粒子分散液の調整は、例えば、得られた樹脂を機械的せん断力によって乳化させる方法や、転相乳化法を用いる方法等が挙げられる。
転相乳化法による樹脂粒子分散液の調整方法の一例としては、例えば、結着樹脂を、有機溶媒(良溶媒)と水溶性溶媒(水溶性の貧溶媒)との混合液に溶解させ、必要に応じて中和剤(例えば、アンモニア等)や分散安定剤を添加し、攪拌下にて水溶性溶媒(例えば水)を滴下して乳化粒子を得た後、樹脂粒子分散液中の溶媒を除去して、乳化液(樹脂粒子分散液)を得る。なお、中和剤及び分散安定剤の投入順は変更してもよい。
上記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられ、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。測定法としては、分散液となっている状態の試料を固形分で2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して40mlにする。これをセルに投入し、2分待って、セル内の濃度が安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。離型剤粒子及び着色剤粒子の体積平均粒径も同様の方法で測定する。
着色剤粒子分散液は、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機を用いた分散液調整方法により調整される。また、分散時に極性を有するイオン性界面活性剤を用いてもよい。
離型剤粒子分散液は、例えば、イオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに、離型剤を水中に分散し、融解温度以上に加熱するとともに、ホモジナイザーや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調製される。
着色剤粒子及び離型剤粒子の体積平均粒径としては、例えば、0.08から0.8μmの範囲が挙げられる。
着色剤粒子分散液や離型剤粒子分散液を、樹脂粒子分散液とは別に調整した場合は、混合溶液調整工程においてこれらの各分散液を混合して混合溶液を調整する。
凝集粒子形成工程においては、樹脂粒子を含んだ溶液(原料分散液)を加熱し、溶液中の粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。なお、上記原料分散液としては、樹脂粒子分散液をそのまま用いてもよいし、上記混合溶液を用いてもよい。
また、特定金属元素を含む凝集剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子(結着樹脂成分)100質量部に対して、0.1質量部以上3.0質量部以下の範囲が挙げられる。
凝集粒子形成工程を経た後には、必要であれば付着工程を実施してもよい。付着工程では、上記した凝集粒子形成工程を経て形成された凝集粒子の表面に、樹脂粒子を付着させることにより被覆層を形成する。これにより、コア層とこのコア層を被覆するシェル層(被覆層)とを含む、コア/シェル構造を有するトナー粒子が得られる。
被覆層の形成は、例えば、凝集粒子形成工程において凝集粒子(コア粒子)を形成した分散液中に、樹脂粒子分散液を追添加することにより行われる。なお、付着工程で利用する樹脂は、凝集粒子形成工程で利用するものと同一であっても異なっていてもよい。
凝集粒子形成工程、又は、凝集粒子形成工程および付着工程を経た後に実施される融合・合一工程は、これらの工程を経て形成された凝集粒子を含む懸濁液のpHを調整することにより、凝集の進行を止めた後、加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
pHの調整は、酸及び/またはアルカリを添加することによって行なわれる。酸は特に限定されないが、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸を0.1質量%以上50質量%以下の範囲で含む水溶液を用いてもよい。アルカリは特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物を0.1質量%以上50質量%以下の範囲とした水溶液が挙げられる。
上述した組成コントロールを行った後、凝集粒子を加熱して融合させる。なお、融合は、例えば、樹脂のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
凝集粒子の融合・合一工程を終了した後、洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経てトナー粒子を得る。洗浄工程としては、例えばイオン交換水で置換洗浄する方法が挙げられる。また、固液分離工程には特に制限はないが、吸引濾過、加圧濾過等が挙げられる。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、例えば、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が用いられる。
乾燥後のトナー粒子は、そのままトナーとして用いてもよいが、必要に応じて既述した種々の外添剤を添加したトナーを作製してもよい。
外添剤を添加する方法としては、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等の混合機によって行う方法が挙げられる。
外添工程においては、必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、流動化剤;ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤;転写助剤;等が挙げられる。
本実施形態の静電潜像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
次に、本実施の形態におけるトナーカートリッジ(以下、単に「カートリッジ」と略す場合がある)について説明する。カートリッジは、上記本実施形態のトナーを収納する。またカートリッジは、画像形成装置に脱着される構造であってもよい。
なお、現像手段18中及びカートリッジ28中に収納されるトナーは、本実施形態のトナーである。
感光体としては例えば、単層構造の感光体又は多層構造の感光体等を用いられる。また感光体の材質としては、セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体や、有機感光体等が考えられる。
露光手段としては、例えば、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系により構成されたレーザー走査書き込み装置、又はLEDヘッドなど、従来公知の露光手段が使用される。
加熱ロール又は加圧ロール等のロール表面を形成する材料は、例えばトナーに対して離型性の優れた材料、シリコンゴムやフッ素系樹脂などが挙げられる。
なお、実施例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
<トナー粒子(着色粒子)中におけるHIDSの測定>
以下のようにして、着色粒子中にHIDSが含有されているかどうかを確認した。
(1)トナー0.1gを秤量し、これに0.5MのNaOH水溶液50mL、及び20%界面活性剤(テイカパワー)を適量加えて、28度で2時間ボールミルを用いて混合・攪拌を行う。
(2)その後、(1)を遠心分離機により2000rpmで、30分間分離を行う。
(3)(2)で得られた上澄み液を、JIS規格5Aの濾紙を用い、固液分離を行う。
(4)(3)で得られた濾液8.5mL、酢酸緩衝溶液1.0mL(1M酢酸20.0mL、1M酢酸ナトリウム30.0mL、及びイオン交換水100mLを十分に混合したもの)、並びに0.19%塩化鉄(III)水溶液0.5mLを三角フラスコに秤量し、十分に混合を行う。
(5)(4)で得られた試料を、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて、下記の条件により測定し、分散液中にHIDSが含有されているかどうかを確認した。
カラム:HITACHI GL−W520−S(Φ7.8mm×300mm)
検出器:L−2455形ダイオードアレイ検出器
測定波長:UV190〜400nm
定量波長:UV284nm
移動相:50mMリン酸水素2カリウム
送液速度:1.0mL/min
サンプル注入量:10μL
カラム温度:50℃
着色粒子における換算粒径の傾き及び絶対偏差の平均値は、前記の方法により求めた。なお、本実施例においては、2,500〜4,000個のトナー粒子に対してパーティクルアナライザーによる測定を行い、換算粒径の傾き及び絶対偏差の平均値を求めた。
<分散液の調整>
−結着樹脂分散液(1)の調製(樹脂粒子分散液の調整)−
・エチレングリコール 22.1部
・ネオペンチルグリコール 21.6部
・1,9−ノナンジオール 68.6部
・テレフタル酸 97.2部
・トリメリット酸 76.8部
・スチレン 450部
・nブチルアクリレート 167部
・アクリル酸 15部
・ドデカンチオール 11部
・カーボンブラック(CABOT社製、R330) 80部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 10部
・イオン交換水 245部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて20分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量24.7質量%の顔料分散液を調製した。
・離型剤(日本精鑞社製、FT105) 90部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 15部
・イオン交換水 270部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて20分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量25.2質量%の離型剤分散液を調製した。
・結着樹脂分散液(1) 152.2部
・顔料分散液 28.7部
・離型剤分散液 27.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 456部
・結着樹脂分散液(1) 146.8部
・顔料分散液 32.3部
・離型剤分散液 35.7部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 407部
・結着樹脂分散液(1) 157.5部
・顔料分散液 21.5部
・離型剤分散液 23.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 584部
・結着樹脂分散液(1) 152.2部
・顔料分散液 28.7部
・離型剤分散液 27.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 411部
・結着樹脂分散液(1) 155.8部
・顔料分散液 21.5部
・離型剤分散液 27.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 503部
・結着樹脂分散液(2) 176.5部
・顔料分散液 17.9部
・離型剤分散液 31.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 414部
・結着樹脂分散液(1) 155.8部
・顔料分散液 17.9部
・離型剤分散液 31.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 583部
・結着樹脂分散液(1) 152.2部
・顔料分散液 28.7部
・離型剤分散液 27.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 456部
・結着樹脂分散液(1) 148.6部
・顔料分散液 28.7部
・離型剤分散液 35.7部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 448部
・結着樹脂分散液(1) 157.5部
・顔料分散液 27.8部
・離型剤分散液 17.9部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 449部
・結着樹脂分散液(1) 155.8部
・顔料分散液 14.3部
・離型剤分散液 35.7部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 474部
・結着樹脂分散液(1) 148.6部
・顔料分散液 32.3部
・離型剤分散液 27.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 365部
・ポリエステル樹脂(1) 50部
・カーボンブラック(CABOT社製、R330) 5部
・離型剤(日本精鑞社製、FT105) 4重量部
・結着樹脂分散液(1) 146.8部
・顔料分散液 43.0部
・離型剤分散液 23.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 593部
・結着樹脂分散液(1) 145.0部
・顔料分散液 37.6部
・離型剤分散液 33.7部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 515部
市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル(株)製、個数平均粒子径D50:40nm)を用意した。
得られた着色粒子(トナー粒子)100部に対し、上記外添剤を3部加え、ヘンシェルミキサーを用い周速45m/sで10分間ブレンドを行った後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。
−キャリアの製造−
・フェライト粒子(体積平均粒子径:50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体 2部
(成分比:90/10、Mw=80000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
上記トナー5部に対し、得られたキャリア100部を加え、V−ブレンダーを用い40rpmで20分間撹拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより、現像剤を得た。
得られた現像剤に含まれる着色粒子を構成する樹脂及び特定金属元素の種類、HIDSの有無、並びに製造条件(凝集剤添加速度及び凝集剤添加温度)を表1に示す。
また、着色粒子における換算粒径の傾き及び絶対偏差の平均値を前記方法により得た結果を併せて表1に示す。
<クリーニング性の評価>
Fuji Xerox社製DocuCenterColor a450改造機を用いて、クリーニング性の評価を行った。このDocuCenterColor a450改造機は、クリーニングブレードによって感光体表面をクリーニングするクリーニング装置が設けられている。また、感光体の帯電方式は接触帯電方式を採用している。さらに中間転写体が用いられている。
まず、前記トナー濃度が5質量%の各現像剤を上記画像形成装置の現像器に収容し、温度30℃、湿度90%RHの環境に72時間放置した。その後、評価時は感光体表面の各色のトナー現像量が、40から50g/m2の範囲で維持されるように現像条件を設定した。
定着器を取り出したカラー複写機DocuCentreColor400(富士ゼロックス社製)に装填し、トナー載り量が0.45mg/cm2となるように調整して未定着画像を出力した。なお出力画像は50mm×50mm大の画像密度が100%となるソリッド画像で、用紙は「C2R」(富士ゼロックスインターフィールド社製)を用いた。
画像の定着は、モノクロ複写機DocuCenterf1100(富士ゼロックス社製)から取り出した定着器を、定着器のロール温度を変更できるように改造し、定着器の用紙搬送速度は460mm/秒として、この条件で前記未定着画像を定着器の温度を140℃から210℃まで5℃ずつ適宜変えて定着し定着画像を得た。
最低定着温度(低温オフセットが発生しない最低温度)において得られた定着画像部分を、重りを用いて折り曲げ、その部分の画像欠損度合いによりグレード付けを行った。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
−評価基準−
G1:画像欠損は折り目の部分のみであり、保存性、耐久性が高い
G2:画像欠損は折り目の部分とその周囲に及ぶが、軽微であり、許容範囲内である
G3:画像欠損が折り目の部分とその周囲の大部分に及び、許容範囲を超えている
なお、比較例1及び7では、潜像保持体表面のフィルミングが確認された。また比較例2及び5では、潜像保持体の表面劣化に起因する摩耗量が大きく、画像ムラが確認された。さらに比較例3から5では、潜像保持体表面のフィルミングまたは潜像保持体の表面劣化に起因する摩耗が確認され、また比較例2、5及び6では定着画像の大部分で欠損が発生した。
12、212 潜像保持体
16、216 静電潜像形成手段
18、218 現像手段
20、220 転写手段
26、226 定着手段
28 カートリッジ
30 トナー供給管
32 接触部
50、250 記録媒体
210 プロセスカートリッジ
Claims (7)
- 結着樹脂と、Al及びMgから選ばれる少なくとも1種以上の元素と、を含有するトナー粒子を有し、
前記トナー粒子に含有される炭素の換算粒径に対する、前記トナー粒子に含有される前記Al及びMgから選ばれる少なくとも1種以上の元素の換算粒径の傾きが0.25以上1.0以下であり、
前記トナー粒子に含有される炭素の換算粒径に対する、前記トナー粒子に含有される前記Al及びMgから選ばれる少なくとも1種以上の元素の換算粒径の絶対偏差の平均値が0.05以下である、静電潜像現像用トナー。 - 前記トナー粒子は、少なくともAlを含有する、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記トナー粒子は、3−ヒドロキシ-2,2’−イミノジコハク酸を結着樹脂の成分として含有する、請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナー。
- 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを含む、静電潜像現像用現像剤。
- 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーが収納された、トナーカートリッジ。
- 請求項4に記載の静電潜像現像用現像剤が収納された現像手段を備えた、プロセスカートリッジ。
- 潜像保持体と、
前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
前記潜像保持体の表面に形成された前記静電潜像を、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記トナー像が転写された後に前記潜像保持体に残留したトナーを除去するトナー除去手段と、を有する、画像形成装置。
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