JP7543019B2 - トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セット並びに接着物の製造方法 - Google Patents
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Description
上記した問題に対して、電子写真方式を利用して、有色トナーによる画像形成を行うことに加えて、顔料を除いた粉末接着剤による接着部を形成し、紙を接着する方法が提案されている。また、この方法を用いることで、普通紙に印刷すると同時に、その普通紙を紙袋に加工する方法が提案されている。また、その方法に用いる有色トナーと粉末接着剤のトナーセットが提案されている。
さらに、接着剤以外の用途で、光沢感、立体感の付与を目的とした有色トナーと透明トナーのセットが提案されている。
特許文献1には、画像形成用のトナーよりも定着適正温度の下限温度が低い接着用のトナーを用いて画像と接着部を形成する画像形成方法が提案されている。
特許文献2には、透明トナーにより画像部と非画像部の光沢ムラを低減するトナーセットが提案されている。
特許文献3には、有色トナーで形成された画像上に透明トナーの層を形成して、視覚的に立体的に見せるトナーセットが提案されている。
特許文献4には、透明トナーにより1枚の画像上で異なる光沢性をもつカラー画像を形成するトナーセットが提案されている。
しかしながら、当該方法で、紙上にトナーによる画像部を形成し、画像部の裏面に粉末接着剤による接着部を形成して、接着部を内側にして紙を重ね、接着部を溶かすことで紙袋を作製した場合、十分な接着力が得られない場合があることがわかった。
また、十分な接着力を得るために接着部を十分に加熱して溶かした場合には、画像部が溶融してしまい、定着器に画像部の一部が移ってしまう現象(高温オフセット性)が生じる場合があり、十分な接着力と耐高温オフセットの両立が困難であることがわかった。
一方、特許文献2~4に記載されたトナーセットでは、透明トナーによる立体感、光沢性の形成をそれぞれ目的としているため、透明トナーを粉末接着剤として使用した場合は、十分な接着力と有色トナーの耐高温オフセットの両立が難しいという課題がある。
本開示は、耐高温オフセット性に優れ、かつ十分な接着力が得られる、トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セット、並びに該電子写真用現像剤セットを用いた接着物の製造方法を提供する。
トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットであって、
該トナーは熱可塑性樹脂Aを含有し、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、且つ分子量が300以上1000以下であり、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gb’(100)が、1.00×105Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であることを特徴とする、電子写真用現像剤セットに関する。
また、本開示は、
トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットであって、
該トナーは熱可塑性樹脂A及びワックスを含有し、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
該トナーに含まれる全ワックスの含有量をNa(質量%)とし、該粉末接着剤に含まれる全ワックスの含有量をNb(質量%)としたとき、
Nb/Naが0.80以上6.00以下であり、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gb’(100)が、1.00×10 5 Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であることを特徴とする、電子写真用現像剤セットに関する。
さらに、本開示は、
トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットであって、
該トナーは熱可塑性樹脂Aを含有し、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gt’(100)が、5.00×10 3 Pa~2.00×10 5 Paであり、
Gb’(100)が、1.00×10 5 Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であることを特徴とする、電子写真用現像剤セットに関する。
さらにまた、本開示は、
トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットであって、
該トナーは熱可塑性樹脂Aを含有し、
該熱可塑性樹脂Aはスチレンアクリル樹脂であり、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gb’(100)が、1.00×10 5 Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であることを特徴とする、電子写真用現像剤セットに関する。
トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットを用いた、少なくとも一の紙が接着部を介して貼り合わされている接着物の製造方法であって、
該トナーは熱可塑性樹脂Aを含有し、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gb’(100)が、1.00×10 5 Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であり、
該接着物において、該紙の該接着部が存在する面を面Aとし、該面Aとは異なる面を面Bとしたとき、該接着物は該面Bの少なくとも一方に該トナーによる画像部を有し、
該接着物の製造方法は、
該紙の該面Bとなる面の少なくとも一方に該トナーによる該画像部を現像し、加熱により該画像部を定着させる画像部の形成工程、及び
該紙の該面Aとなる面の少なくとも一方に該粉末接着剤による該接着部を現像し、加熱により該接着部を定着させる接着部の形成工程
を順序不同で有し、
さらに該接着物の製造方法は、該画像部及び該接着部の形成後、
形成された該接着部をはさむように該紙を重ねて加熱し、該接着部を溶融させることで
該紙を接着し、該接着物を得る接着工程を有することを特徴とする、接着物の製造方法に関する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
また、各物性の測定方法についてはまとめて後述する。
まず、電子写真方式を用いて、紙上にトナーによる画像部を形成する(画像部の現像工程)。続いて、加熱を行うことで、画像部を紙上に定着する(画像部の定着工程)。次に、画像部を形成した紙の裏面に、粉末接着剤による接着部を形成する(接着部の現像工程)。続いて、加熱を行うことで、接着部を紙上に定着する(接着部の定着工程)。その後、接着部をはさむようにして紙を重ねてさらに加熱を行い、接着部を溶融させることで接着し(接着工程)、紙袋(成果物)を得る。
ここで本発明者らは、接着工程における接着部の十分な接着性を達成し、同時に画像部の高温オフセットを防ぐためには、粉末接着剤とトナーの溶融粘度を制御することが重要であると考え、鋭意検討を行った。
接着工程における接着部は、定着器との間に紙が存在するために、定着器から直接熱を受けることができない。そのため粉末接着剤は、紙で定着器の熱が一部遮断されても十分に溶融できる粘度に設計する必要がある。
さらに粉末接着剤が強固な接着性を発揮するには、紙上に画像として粉末接着剤の接着部を形成するだけでなく、溶融時に紙の繊維に入り込む設計が重要である。溶融した粉末接着剤が紙の繊維に入り込み硬化することで、所謂アンカー効果を発揮して接着性を上げることができる。つまり、溶融時に速やかに低粘度化すること、紙の繊維に入り込むことが接着性を得るために重要である。
ステル基が相互作用することにより、ワックスAの熱可塑性樹脂Bへの相溶性が高まる。これにより、熱で溶融したワックスAが熱可塑性樹脂Bに瞬時に溶け込むことで、粉末接着剤は速やかに低粘度化する(シャープメルト性)。このため、定着器通過時も速やかに溶融することができる。また、ワックスAがエステル基を持つことで、溶融時に紙の主原料であるセルロースの水酸基と相互作用し、紙の繊維に浸透していきやすい。
また、熱可塑性樹脂BへのワックスAの過剰な相溶及び、紙へのワックスAの過剰な浸透を抑制するため、ワックスAの分子内のエステル基は2個以上4個以下が好ましく、より好ましくは2個以上3個以下であり、さらに好ましくは2個である。
粉末接着剤は、紙で定着器の熱が一部遮断されても溶融できる粘度に設計する必要があり、接着力を得るには溶融時の粘度だけでなく、100℃における貯蔵弾性率が重要であることがわかった。貯蔵弾性率は変形しやすさの指標で、値が小さいほど変形した時に元の形状に戻りにくい性質を表している。
Gb’(100)が1.00×105Pa以下であると、熱で溶融した粉末接着剤は、圧力を受けた時に変形が進んで紙の繊維に入り込むことができるので、十分な接着力が得られる。Gb’(100)は、好ましくは1.00×104Pa以下である。下限は特に制限されないが、好ましくは1.00×10Pa以上であり、より好ましくは1.00×102Pa以上である。
トナーの粘弾性測定において100℃におけるトナーの貯蔵弾性率をGt’(100)としたとき、粉末接着剤が定着器の熱と圧力で変形する指標であるGb’(100)に対して、トナーのGb’(100)を定着器の熱と圧力で変形が進みすぎない範囲に設定することが重要である。
本発明者らが鋭意検討した結果、Gt’(100)/Gb’(100)が1.20以上であれば、粉末接着剤の十分な接着力と、トナーの耐高温オフセット性を両立できることがわかった。Gt’(100)/Gb’(100)は、好ましくは、2.00以上30.00以下であり、より好ましくは3.00以上30.00以下である。
以上のように粉末接着剤の組成を制御しつつ、トナーと粉末接着剤の物性差を同時に制御することによって、はじめて本開示の目的とする優れた接着性と画像の耐ホットオフセット性を両立した。
Gb’(100)及びGt’(100)は、粉末接着剤及びトナーに含有される熱可塑性樹脂やワックスの種類や量比によって制御することができる。
Gt’(100)は、好ましくは5.00×103Pa~2.00×105Paであり、より好ましくは2.50×104Pa~1.50×105Paである。
の密度が高くなる。その結果、熱可塑性樹脂Bへの相溶性および紙への浸透性が高まり、より良好な接着性が得られる。
本開示においては、分子量が3000以下であり、示差走査熱量分析(DSC)測定で吸熱量が80J/g以上の吸熱ピークを有する化合物をワックスとして定義する。
接着工程において、定着器から直接熱を受けるトナーに対し、紙を介して熱を受けることが想定される粉末接着剤では、熱エネルギーの損失が生じやすく、溶融を阻害されることが考えられる。しかし、粉末接着剤中のワックスAが上記式(1)又は式(2)で示されるエステルワックスを含有することで紙のセルロースとの親和性が高くなり、ワックスAの紙への浸透性が高くなる。その結果、熱エネルギーのロスが抑制され、より強固な接着性を達成できる。
また、式(1)及び式(2)で示されるエステルワックスは直線的な構造を有するため、結晶化しやすく、粉末接着剤中での結晶化度が高い。そのため、耐久性に優れた粉末接着剤が得られ、多量の印刷を行った際にも、現像部材などへの汚染が起こりにくい。
以上のことから、粉末接着剤中のワックスAが上記式(1)及び式(2)で示されるエステルワックスからなる群から選択される少なくとも一を含有することで、接着性と耐久性をより高度に両立したトナーを得ることができる。
また、ワックスAの結晶化速度が速くなることから、溶融後の紙間の接着時にも速やかにワックスAが結晶化して樹脂が固まることで、より強固な接着力を得ることができる。
炭素数のピーク値は、鎖式飽和炭化水素の分子量測定により得られた分子量のピーク値を、CH2の式量である14で割った値である。
粉末接着剤中のワックスAの含有量Nは8.0質量%以上17.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましい。
また、粉末接着剤中のワックスBの含有量は、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。
Nb/Naを0.80以上とすることは、粉末接着剤に含有されるワックス量が、トナーに含有されるワックス量よりも多いか、少なすぎないことを意味する。これにより粉末接着剤の吸熱量に比べて、トナーの吸熱量を小さくすることができる。そのため、接着工程において定着器から与えられた熱が、トナーの溶融時に奪われにくくなり、粉末接着剤の溶融を阻害しにくい。結果として、粉末接着剤の速やかな低粘度化を促し、紙とのより強固な接着力を得ることができる。
また、Nb/Naを6.00以下とすることで、粉末接着剤の溶融時に奪われる熱量が
多くなり、トナーの溶融が阻害されるため、高温側でのオフセットが抑制される。結果として耐高温オフセット性と強固な接着力がより高度に両立可能である。
Nb/Naは0.80以上2.50以下であることがより好ましい。
炭化水素ワックス(例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体)、カルナバワックス、キャンデリラワックスなど天然ワックス及びその誘導体、エステルワックスなど。
ここで、誘導体とは酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
また、エステルワックスとしては、1分子中にエステル結合を1つ含有するモノエステル化合物、1分子中にエステル結合を2つ含有するジエステル化合物をはじめ、1分子中にエステル結合を4つ含有する4官能エステル化合物や、1分子中にエステル結合を6つ含有する6官能エステル化合物などの多官能エステル化合物を用いることができる。
その中でも、モノエステル化合物及びジエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含有することが好ましい。
また、ジエステル化合物の具体例としては、セバシン酸ジベヘニル、ノナンジオールジベヘネート、テレフタル酸ベヘネート、テレフタル酸ステアリルエチレングリコールジステアレートなどが挙げられる。なお、ワックスは、上記化合物以外の公知の他のワックスを含有させることができる。また、ワックスは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、炭化水素ワックスの具体例としては、日本精蝋社製HNP-9などが挙げられる。
例えば、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-アクリル酸共重合樹脂などの公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの樹脂を複数含有してもよい。また、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bは同じものでもよいし、異なるものでもよい。
有量が、50質量%~100質量%であることが好ましく、80質量%~100質量%であることがより好ましく、90質量%~100質量%であることがさらに好ましい。
該ポリエステル樹脂は、公知のポリエステル樹脂を用いることができる。
具体例として、二塩基酸やその誘導体(カルボン酸ハロゲン化物、エステル、酸無水物)及び二価のアルコールの縮重合体が挙げられる。必要に応じて三価以上の多塩基酸及びその誘導体(カルボン酸ハロゲン化物、エステル、酸無水物)、一塩基酸、三価以上のアルコール、並びに一価のアルコールを用いてもよい。
また、二塩基酸の誘導体としては、上記脂肪族二塩基酸及び芳香族二塩基酸のカルボン酸ハロゲン化物、エステル化物及び酸無水物などが挙げられる。
あることがより好ましい。上記範囲とすることは、熱可塑性樹脂Bがエステル基を含み、ワックスAのエステル基との相互作用が本開示において適切な範囲にあることを意味している。
すなわち、熱可塑性樹脂Bのエステル基濃度が1.00mmol/g以上であることでワックスAの熱可塑性樹脂Bへの相溶性をより高くすることができる。その結果、溶融時に瞬時にワックスAが熱可塑性樹脂Bへ溶け込むことで速やかに低粘度化し、より優れた接着性を有した粉末接着剤が得られる。
また、熱可塑性樹脂Bのエステル基濃度が7.00mmol/g以下であることで、ワックスAの熱可塑性樹脂Bへの過剰な相溶を抑制することができる。その結果、ワックスAが粉末接着剤の粒子の表層へ染み出しにくく、より保存性に優れた粉末接着剤が得られる。
該熱可塑性樹脂Bのエステル基濃度は、該熱可塑性樹脂Bに用いる単量体の種類や量比によって制御することができる。
B/Aが上記範囲にあることは、トナーと粉末接着剤のピーク分子量が近いことを意味している。トナーと粉末接着剤のピーク分子量を近くすることで、接着工程における溶融状態を近づけることができるため、本開示の効果が得られやすい。該ピーク分子量は、トナーの熱可塑性樹脂A及び粉末接着剤の熱可塑性樹脂Bのそれぞれの製造条件によって制御することができる。
また、トナーのテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布におけるメインピークのピーク分子量Aは、10000以上40000以下であることが好ましい。さらに、粉末接着剤のテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布におけるメインピークのピーク分子量Bは、10000以上40000以下であることが好ましい。
ブラック用着色剤としては、カーボンブラックなどが挙げられる。
イエロー用着色剤としては、モノアゾ化合物;ジスアゾ化合物;縮合アゾ化合物;イソインドリノン化合物;イソインドリン化合物;ベンズイミダゾロン化合物;アンスラキノン化合物;アゾ金属錯体;メチン化合物;アリルアミド化合物などに代表されるイエロー顔料が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー74,93,95,109,111,128,155,174,180,185などが挙げられる。
また、顔料とともに、着色剤として従来知られている種々の染料を用いることもできる。
トナーにおける着色剤の含有量は、1.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。
粉末接着剤における着色剤の含有量は0.0質量%以上1.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.0質量%以上0.2質量%以下である。
また、トナーは、必要により外添剤などを混合し表面に付着させてもよい。さらに、粉末接着剤は、必要により外添剤などを混合し表面に付着させてもよい。
該外添剤としては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子から選ばれる無機微粒子又はその複合酸化物などが挙げられる。複合酸化物としては、例えば、シリカアルミニウム微粒子やチタン酸ストロンチウム微粒子などが挙げられる。
トナー中の外添剤の含有量は、好ましくは0.01質量%~10.0質量%であり、より好ましくは0.1質量%~4.0質量%である。
粉末接着剤中の外添剤の含有量は、好ましくは0.01質量%~10.0質量%であり、より好ましくは0.1質量%~4.0質量%である。
トナー中の外添剤の含有量と粉末接着剤中の外添剤の含有量の差の絶対値は、好ましくは0.0質量%以上2.5質量%以下であり、より好ましくは0.0質量%以上2.0質量%以下である。トナー中の外添剤の含有量と粉末接着剤中の外添剤の含有量の比率(トナー中の外添剤の含有量:粉末接着剤中の外添剤の含有量)は、好ましくは1.0:8.0~8.0:1.0であり、より好ましくは1.0:4.0~4.0:1.0であり、さらに好ましくは1.0:2.0~2.0:1.0である。
さらに、トナーのTgと、粉末接着剤のTgとの差が、0℃以上10℃以下であることが好ましい。トナーと粉末接着剤のTgが0℃~10℃であることで、接着工程における溶融状態を近づけることが出来るため、本開示の効果が得られやすい。トナー及び粉末接着剤のTgは、トナー及び粉末接着剤の熱可塑性樹脂に用いる単量体の種類や量比、または用いるワックスの種類や量比によって制御することができる。
さらに本開示のトナーの重量平均粒子径(D4)と、粉末接着剤の重量平均粒子径(D4)との差の絶対値が、0.0μm以上5.0μm以下であることが好ましい。トナーの重量平均粒子径(D4)と粉末接着剤の重量平均粒子径(D4)がとの差の絶対値が0.0μm~5.0μmであることで、接着工程における溶融状態を近づけることが出来るため、本開示の効果が得られやすい。トナーの重量平均粒子径(D4)及び粉末接着剤の重量平均粒子径(D4)は、トナーの製造方法及び粉末接着剤の製造方法によって制御する
ことが出来る。
(全体の装置構成)
最初に、画像形成装置の全体構成について、図1、図2、図5を用いて説明する。図1は、画像形成装置本体(以下、装置本体10と記載する)と、装置本体10と接続された後処理ユニット30と、を備えた画像形成装置1の断面構成を表す概略図である。画像形成装置1は、電子写真式の印刷機構を備えた装置本体10と、シート処理装置としての後処理ユニット30とによって構成される電子写真画像形成装置(電子写真システム)である。
まず、装置本体10の内部構成を説明する。図1に示すように、装置本体10は、記録媒体であるシートPを収納するシート収納部としてのシートカセット8と、画像形成手段としての画像形成ユニット1eと、定着手段としての第1定着器6と、これらを収容する筐体19と、備えている。装置本体10は、シートカセット8から給送されるシートPに画像形成ユニット1eによってトナー像を形成し、第1定着器6によって定着処理を施した印刷物を作成する印刷機能を有する。
装置本体10には、筐体19に支持されるカートリッジ支持部9が設けられており、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cはカートリッジ支持部9に設けられた装着部9n,9y,9m,9cに着脱可能に装着される。なお、カートリッジ支持部9は、筐体19から引き出し可能なトレイ部材であってもよい。
)である粉末接着剤Tnが収容されている。
粉体収容部104y,104m,104cは、いずれも印刷用トナーを収容する第1収容部の例であり、粉体収容部104nは粉末接着剤を収容する第2収容部の例である。また、プロセスカートリッジ7y,7m,7cは、いずれも印刷用トナーを用いてトナー像を形成する第1プロセスユニットの例であり、プロセスカートリッジ7nは、所定の塗布パターンで粉末接着剤の像を形成する第2プロセスユニットの例である。
スキャナユニット2は、プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの下方、かつシートカセット8の上方に配置されている。スキャナユニット2は、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの感光ドラム101にレーザ光Gを照射して静電潜像を書き込む露光手段である。
転写ベルト3aの内周側には、各感光ドラム101に対応する位置に一次転写ローラ4が配置されている。また、二次転写内ローラ3bに対向する位置に、転写手段としての二次転写ローラ5が配置されている。二次転写ローラ5と転写ベルト3aとの間の転写ニップ5nは、転写ベルト3aからシートPにトナー像が転写される転写部(二次転写部)である。
また、第1定着器6と排出ユニット34との間には、シートPの搬送経路を切り替えるフラップ状のガイドである切替ガイド33が設けられている。切替ガイド33は、軸部33aを中心に先端33bが図中矢印c方向に往復するように回動可能である。
排出ユニット34には不図示のモータが接続され、中間ローラ34bの回転方向を正転及び逆転可能に構成されている。また、主搬送路1mに対してループ状に接続された搬送路としての両面搬送路1rが設けられている。主搬送路1mを通過する間に第一面に画像形成されたシートPは、時計方向に回動した切替ガイド33によって第1排出ローラ34aと中間ローラ34bとによって挟持搬送される。
前記シートPの進行方向後端が切替ガイド33を通過した後、切替ガイド33が反時計方向に回動するとともに中間ローラ34bが逆転し、シートPは両面搬送路1rへと反転
搬送される。そして、シートPが表裏を反転した状態で主搬送路1mを再び通過する間に、シートPの第2面に画像が形成される。
また、装置本体10において搬送ローラ8a、転写ニップ5n及び定着ニップ6nを通る搬送経路は、シートPに対する画像形成が行われる主搬送路1mを構成している。主搬送路1mは、画像形成時の主走査方向(主搬送路1mを搬送されるシートの搬送方向に垂直なシートの幅方向)から見た場合に、画像形成ユニット1eに対して水平方向の一方側を通って下方から上方に延びている。
言い換えると、装置本体10は、主搬送路1mが略鉛直方向に延びる、いわゆる垂直搬送型(縦パス型)のプリンターである。なお、鉛直方向に見た場合、第1排出トレイ13、中間パス15及びシートカセット8は互いに重なっている。そのため、水平方向に関して排出ユニット34がシートPを排出するときのシートの移動方向は、水平方向に関してシートカセット8からシートPが給送されるときのシートの移動方向とは反対向きとなる。
図2に示すように、後処理ユニット30は装置本体10の上部に取り付けられている。後処理ユニット30は、折り手段としての折り器31と、接着手段(第2の定着手段)としての第2定着器32とが、筐体(第2の筐体)39に収容されて一体化された後処理ユニットである。
また、後処理ユニット30は、トレイ切替ガイド13aを回転自在に保持する第1排出トレイ13と、中間パス15と、第2排出トレイ35とが設けられている。第1排出トレイ13は、後処理ユニット30の上面に設けられていると共に、画像形成装置1全体の上面(図1)に位置している。後処理ユニット30が備える各部の機能は後述する。
各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cは、先述したように、各4つの粉体収容部104n,104y,104m,104cに収容される粉体の種類を除いて実質的に共通の構成を備えている。ここでは代表してプロセスカートリッジ7nについて説明する。図7はプロセスカートリッジ7nの概略断面図である。プロセスカートリッジ7nは、感光ドラム101等を備えた感光体ユニットCCと、現像ローラ105等を備えた現像ユニットDTと、から成り立っている。
けられている。また感光ドラム101は、不図示の駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力を受けることによって、画像形成動作に応じて図中時計回り方向(矢印w)に回転駆動される。さらに感光体ユニットCCには、感光ドラム101の周囲に感光ドラム101を帯電するための帯電ローラ102、クリーニング部材103が配置されている。
現像ユニットDTには、感光ドラム101と接触して図中反時計回り方向(矢印d)に回転する現像剤担持体としての現像ローラ105が設けられている。現像ローラ105と感光ドラム101は、対向部(接触部)において互いの表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。
供給ローラ106は、現像ローラ105上に粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)を供給すると共に、現像ローラ105上に残留した粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)を現像ローラ105上から剥ぎ取る作用をなす。
また、現像ユニットDTには、供給ローラ106によって現像ローラ105上に供給された粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)の層厚を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード107が配置されている。
ここで、感光体ユニットCC、現像ユニットDTをそれぞれ別体として、感光体ユニットカートリッジ、現像ユニットカートリッジとし、画像形成装置本体に着脱可能に構成することも可能である。また粉体収容部104及び搬送部材108だけを有し、装置本体に着脱可能な粉体カートリッジとして構成することも可能である。
次に、画像形成装置1が行う画像形成動作について、図1~図7を用いて説明する。図3(a)及び図3(b)は、画像形成装置1におけるシートの搬送経路を表す図である。図4(a)~図4(f)は、折り工程の内容を説明するための図である。図6(a)及び図6(b)は、画像形成装置1が出力する成果物を例示する図である。
画像形成装置1に対して印刷すべき画像のデータ及び印刷の実行指令が入力されると、画像形成装置1の制御部はシートPを搬送して画像を形成し、必要に応じて後処理ユニット30による後処理を施す一連の動作(画像形成動作)を開始する。画像形成動作では、まず、図1に示すように、シートPがシートカセット8から1枚ずつ給送され、搬送ローラ8aを介して転写ニップ5nへ向けて搬送される。
また、スキャナユニット2が、画像データに基づいて変調したレーザ光Gを各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの感光ドラム101に照射して、感光ドラム101の表面に静電潜像を形成する。次に、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの現像ローラ105に担持された粉体によって、感光ドラム101上の静電潜像が粉体像として現像される。
転写ベルト3aは、図中反時計回り方向(矢印v)に回転する。各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cにおいて形成されるトナー像は、感光ドラム101と一次転写ローラ4との間に形成される電界によって、感光ドラム101から転写ベルト3aに一次転写される。
その後、シートPは、第1定着器6に搬送されて熱定着処理を受ける。即ち、シートPが定着ニップ6nを通過する際にシートP上のトナー像が加熱及び加圧されることで印刷用トナーTy,Tm,Tc及び粉末接着剤Tnが溶融し、その後固着することで、シートPに定着した画像が得られる。
図3(a)に示す第1経路R1は、後処理ユニット30を使わない通常印刷のモードにおいて、第1定着器6を通過したシートPが排出ユニット34によって第1排出トレイ13に排出される経路である。
図3(b)に示す第2経路R2は、接着印刷のモードにおいて、第1定着器6を通過したシートPが排出ユニット34、折り器31及び第2定着器32を介して第2排出トレイ35に排出される経路である。
折り器31は、第1ガイドローラ31c、第2ガイドローラ31d、第1折りローラ31a及び第2折りローラ31bの4本のローラと、引き込み部31eと、を有している。第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dは、折り器31の上流側の搬送パス(本実施例では中間パス15)から受け取ったシートPを挟持して搬送するガイドローラ対である。第1折りローラ31a及び第2折りローラ31bは、シートPを折り曲げながら送り出す折りローラ対である。
まず、排出ユニット34から送り出されたシートPの先端qが、図4(a)に示すようにガイドローラ対(31c,31d)に引き込まれる。シートPの先端qは、図4(b)に示すように、ガイド壁31fにより下向きに案内されて第1折りローラ31aに接触し、互いに対向している第1折りローラ31aと第2ガイドローラ31dに引き込まれて引き込み部31eの壁31gに当接する。
図4(c)の状態からガイドローラ対(31c,31d)によってさらにシートPが引き込まれると、図4(d)に示すように中腹部rでたわみが生じはじめる。やがて図4(e)に示すように、中腹部rが第2折りローラ31bに接することで、第2折りローラ31bから受ける摩擦力により折りローラ対(31a,31b)のニップ部に引き込まれる。そして、図4(f)に示すように、中腹部rを折り目として折り畳まれた状態で、折りローラ対(31a,31b)によって中腹部rを先頭にシートPが排出される。
以上説明した折り器31は折り手段の一例であり、例えばシートPにブレードを押し当ててローラ対のニップ部に押し込むことで折り目を形成する折り機構を用いてもよい。また、折り処理の内容は二つ折りに限らず、例えばZ折りや三つ折りを実行する折り機構を用いてもよい。
なお、折り器31は、回転するローラと固定された引き込み部31eで構成されるため、往復運動をするブレードを用いる折り機構に比べて駆動機構の簡素化が可能である。また、折り器31は、4本のローラ以外に、シート長さの半分の深さNを有する引き込み部31eを設ければよいため、後処理ユニット30の小型化が可能である。
加圧ローラ32aは、バネ等の付勢部材によって加熱ローラ32aに押圧されており、加熱ローラ32bと、加圧ローラ32aのニップ部(接着ニップ)を通過するシートPを加圧するための加圧力を発生させる。
して、粉末接着剤Tnが冷えて固まることで、粉末接着剤Tnを接着剤としてシートPの画像面と対向面が結合(接着)される。
図6(a)は、受け取った人が開封する用途の成果物(半接着の成果物)の例である。図6(a)の給与明細書51の場合、シートPの片面の外周部の全周51aに粉末接着剤Tnが塗布され、中央の折り目51bで折り畳まれた状態で接着される。
図6(b)は、開封されることを前提としない用途の成果物(完全接着の成果物)の例としての袋(薬袋)を表している。この場合、折り畳まれた状態のシートPの折り目52bを含めた三辺が結合されるように、コ字状の領域52aに粉末接着剤Tnが塗布される。図6(b)中には袋の内側に画像を形成していないが、必要に応じて画像を形成することもできる。
例えば、図6(a)及び図6(b)の成果物を出力する場合、原紙として用いるシートPの一方の面が成果物の外側となり、他方の面が成果物の内側となる。そこで、両面印刷における第1面の画像形成動作として、印刷用トナーで外側面用の画像を形成し、第2面の画像形成動作として、印刷用トナーで内側面用の画像を形成すると共に所定の塗布パターンで粉末接着剤Tnを塗布すればよい。
接着物の製造方法は、上記電子写真用現像剤セットを用いた、少なくとも一の紙が接着部を介して貼り合わされている接着物の製造方法であって、
該接着物において、該紙の該接着部が存在する面を面Aとし、該面Aとは異なる面を面Bとしたとき、該接着物は該面Bの少なくとも一方に前記トナーによる画像部を有し、
該接着物の製造方法は、
該紙の該面Bとなる面の少なくとも一方にトナーによる該画像部を現像し、加熱により該画像部を定着させる画像部の形成工程、及び
該紙の該面Aとなる面の少なくとも一方に粉末接着剤による該接着部を現像し、加熱により該接着部を定着させる接着部の形成工程
を順序不同で有し、
さらに該接着物の製造方法は、該画像部及び該接着部の形成後、
形成された該接着部をはさむように該紙を重ねて加熱し、該接着部を溶融させることで該紙を接着し、該接着物を得る接着工程を有する。
紙が接着部を介して貼り合わされる場合、接着部が存在する面Aは、接着物において二面存在することになるが、粉末接着剤による接着部は、その二面の少なくとも一方に形成されればよい。
紙が一枚の場合、紙の一方の面に接着部を形成し、少なくとも他方の面に画像部を形成すればよい。
<トナー及び粉末接着剤の貯蔵弾性率の測定方法>
動的粘弾性測定装置(レオメーター)ARES(RheometricsScientific社製)を用いて測定を行う。サンプルとしては、トナー又は粉末接着剤を用いる。
測定治具:直径7.9mm、セレイテッド型のパラレルプレートを使用。
測定試料:加圧成型機を用いて、0.1gのサンプルを直径8mm、高さ2mmの円柱状試料を成型する(常温で1分間15kNを維持する)。加圧成型機はNPaシステム社製100kNプレスNT-100Hを用いる。
セレイテッド型のパラレルプレートの温度を120℃に温調し、該円柱状試料を加熱溶融させ鋸歯を食い込ませ、axialforceが30(gf)(0.294N)を超えないように垂直方向に荷重をかけ、セレイテッド型のパラレルプレートに固着させる。このとき試料の直径がパラレルプレートの直径と同じになるよう、スチールベルトを用いてもよい。測定開始温度30.00℃まで1時間かけてセレイテッド型のパラレルプレート及び該円柱状試料を徐冷する。
測定周波数:6.28ラジアン/秒
測定歪みの設定:初期値を0.1%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
試料の伸長補正:自動測定モードにて調整。
測定温度:30℃から180℃まで毎分2℃の割合で昇温する。
測定間隔:30秒おき、すなわち1℃おきに粘弾性データを測定する。
この測定で得られた貯蔵弾性率の曲線から、粉末接着剤のGb’(100)、トナーのGt’(100)を得る。
熱可塑性樹脂及びワックスの分子構造の同定、並びに粉末接着剤中のワックスAの含有量N、トナーに含まれる全ワックスの含有量Na、粉末接着剤に含まれる全ワックスの含有量Nbの測定には、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析計(以下、熱分解GC/MS)及びNMRを用いる。
熱分解GC/MSでは、サンプルの樹脂全量の構成する単量体を決定し、各単量体のピーク面積を求めることができるが、定量を行うには基準となる濃度既知のサンプルによるピーク強度の規格化が必要となる。一方、NMRでは構成する単量体の決定及び定量を、濃度既知のサンプルを用いることなく求めることが可能である。
そこで、状況に応じて、構成する単量体の決定には、NMRと熱分解GC/MSの両方のスペクトルを比較しながら行う。
一方、NMR測定時の抽出溶媒である、重水素化クロロホルムに溶けない樹脂成分が5.0質量%以上存在した場合には、重水素化クロロホルム可溶分に対して、NMR及び熱分解GC/MSの両方の測定を行い、重水素化クロロホルム不溶分に対して、熱分解GC/MSの測定を行う。
この場合は、先ず重水素化クロロホルム可溶分のNMR測定を行い、構成単量体の決定と定量を行う(定量結果1)。次いで、重水素化クロロホルム可溶分に対して、熱分解GC/MS測定を行い、各構成単量体に帰属されるピークのピーク面積を求める。NMR測定で得られた定量結果1を用いて、各構成単量体の量と熱分解GC/MSのピーク面積との関係を求める。
次いで、重水素化クロロホルム不溶分の熱分解GC/MS測定を行い、各構成単量体に帰属されるピークのピーク面積を求める。重水素化クロロホルム可溶分の測定で得られた各構成単量体の量と熱分解GC/MSのピーク面積との関係から、重水素化クロロホルム不溶分における構成単量体の定量を行う(定量結果2)。
そして、定量結果1と定量結果2とを合わせて、最終的な各構成単量体の定量結果となる。具体的には、以下の操作を行う。
(2)ろ液について、1H-NMR測定を行い、樹脂中の各構成単量体について、スペクトルを帰属し、定量値を求める。
(3)重水素クロロホルム不溶分の分析が必要であれば、熱分解GC/MSにて分析を行う。必要に応じて、メチル化などの誘導化処理を行う。
ブルカー・バイオスピン(株)社製 Bruker AVANCE 500
測定核:1H
測定周波数:500.1MHz
積算回数:16回
測定温度:室温
熱分解装置:日本分析工業(株)社製 TPS-700
熱分解温度:400℃~600℃での適正値
GC/MS装置:サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)社製 ISQ
カラム:「HP5-MS」(アジレント/19091S-433)、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
GC/MS条件
注入口条件:
InletTemp:250℃
SplitFlow:50mL/min
GC昇温条件:40℃(5min)→10℃/min(300℃)→300℃(20min)
熱可塑性樹脂のエステル基濃度をEcとした場合、上記測定で得られた熱可塑性樹脂の構成単量体の分子構造と質量比からEcを算出する。
熱可塑性樹脂を構成する構造の由来となる単量体の分子量をnc(g/mol)、該単量体1分子中に含まれるエステル基の個数をac(mol)としたときに、
Ec=1000×ac/nc(mmol/g)
として該熱可塑性樹脂のエステル基濃度Ecとする。
さらに、複数の単量体由来の構造から構成される場合は、各々の単量体について、同様にしてエステル基濃度を求める。
これらの求めた各単量体のエステル基濃度と、熱可塑性樹脂中の各単量体由来の構造の含有量(質量%)から、以下のように含有量を係数としてかけた平均値として算出する。
例えば、単量体1、単量体2及び単量体3の3種類の単量体に由来する構造から構成される熱可塑性樹脂のエステル基濃度Ecは、単量体1のエステル基濃度をEc1、単量体1の構成比率(熱可塑性樹脂中の質量%)をNc1、単量体2のエステル基濃度をEc2、単量体2の構成比率をNc2、単量体3のエステル基濃度をEc3、単量体3の構成比率をNc3としたとき、下記式で求められる。
Ec=Ec1×(Nc1/(Nc1+Nc2+Nc3))+Ec2×(Nc2/(Nc1+Nc2+Nc3))+Ec3×(Nc3/(Nc1+Nc2+Nc3))
このとき、同時に用いてもよい単量体の数に制限はない。
また、該熱可塑性樹脂が複数の樹脂を含有する場合は、含有量(質量%)を係数としてかけた平均値として算出する。
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、サンプル1mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いる。モジュレーション測定モードを用い、昇温速度1℃/分、温度変調条件±0.6℃/60秒で0℃から100℃の範囲で測定を行う。昇温過程において比熱変化が得られるので、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移温度(Tg)とする。
重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Vers
ion3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1.0%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1,600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液200.0mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに電解水溶液30.0mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2.0mL添加する。
(4)上記(2)のビーカーを上記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、測定サンプル10mgを少量ずつ上記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した上記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
分子量分布及びピーク分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、測定サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で
測定する。
装置:高速GPC装置「HLC-8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF-604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。得られた分子量分布から、最も大きなピークをメインピークとして、該ピークの分子量の値をピーク分子量とする。
以下の方法で、トナー又は粉末接着剤から単離した熱可塑性樹脂を用いて、各物性の測定を行うこともできる。
トナー又は粉末接着剤に対する貧溶媒であるエタノールにトナー又は粉末接着剤を分散させ、熱可塑性樹脂の融点を超える温度まで、昇温させる。この時、必要に応じて、加圧してもよい。この時点で、融点を超えた熱可塑性樹脂が溶融している。その後、固液分離することにより、トナー又は粉末接着剤から、熱可塑性樹脂を採取できる。分離した材料が混合物の場合は、この混合物を、分子量毎に分種することにより、熱可塑性樹脂の単離が可能である。上記に記載の方法で材料の分子構造からも熱可塑性樹脂を特定できる。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、単量体としてテレフタル酸1.00mol、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付
加物0.65mol、エチレングリコール0.35molのモル比で添加して、撹拌しながら温度130℃まで加熱して単量体混合物を得た。
その後、エステル化触媒としてジ(2-エチルヘキサン酸)錫を、上記単量体混合物100.00部に対して0.52部を加え、温度200℃に昇温し所望の分子量になるまで縮重合した。
さらに、無水トリメリット酸を上記単量体混合物100.00部に対して3.00部を加え、ポリエステル樹脂1を得た。
得られたポリエステル樹脂1のピーク分子量は12000、ガラス転移温度(Tg)は75℃、酸価は8.2mgKOH/g、エステル基濃度は5.41mmol/gであった。
・スチレン 75.0部
・n-ブチルアクリレート 25.0部
・ポリエステル樹脂1 4.0部
・ワックス1 14.0部
・ワックス6 2.0部
・ジビニルベンゼン(架橋剤) 0.6部
上記材料を混合した混合物を60℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmで攪拌し、均一に溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
一方、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.10mol/L-Na3PO4水溶液850.0部及び10%塩酸8.0部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、70℃に加温した。ここに、1.0mol/L-CaCl2水溶液127.5部を添加し、リン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を調製した。
水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入後、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシピバレート8.0部を添加し、15000回転/分の回転数を維持しつつ10分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌翼に撹拌機を変え、還流しながら70℃で5時間反応させた後、液温85℃とし、さらに2時間反応させた。
重合反応終了後、得られたスラリーを冷却し、さらに、スラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの3倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級して粉末接着剤粒子を得た。
その後、粉末接着剤粒子100.0部に対して、外添剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)を用いて疎水化処理されたシリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m2/g)2.0部を加えて、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)を用い3000rpmで15分間混合して、粉末接着剤1を得た。
表2に示すように、ワックスの種類と添加量、モノマーの種類と添加量、架橋剤の添加量、重合開始剤の添加量を変更すること以外は粉末接着剤1の製造例と同様にして、粉末接着剤2~11、13~22を得た。
・ポリエステル樹脂1 100.0部
・ワックス1 14.0部
・ワックス6 2.0部
上記材料をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工社製:PCM-30型)によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業社
製:T-250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)5.8μmの粉末接着剤粒子を得た。
その後、粉末接着剤粒子100.0部に対して、外添剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)を用いて疎水化処理されたシリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m2/g)2.0部を加えて三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)を用い、3000rpmで15分間混合して粉末接着剤12を得た。
・スチレン 60.0部
・着色剤 6.5部
(C.I.Pigment Blue 15:3、大日精化社製)
上記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、顔料分散液を得た。
・スチレン 15.0部
・n-ブチルアクリレート 25.0部
・ポリエステル樹脂1 4.0部
・ワックス6 12.0部
・ジビニルベンゼン(架橋剤) 0.25部
上記材料を混合し、顔料分散液に加えた。得られた混合物を60℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmで攪拌し、均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
一方、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.10mol/L-Na3PO4水溶液850.0部及び10%塩酸8.0部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、70℃に加温した。ここに、1.0mol/L-CaCl2水溶液127.5部を添加し、リン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を調製した。
水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入後、重合開始剤であるt-ブチルパーオキ
シピバレート8.0部を添加し、15000回転/分の回転数を維持しつつ10分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌翼に撹拌機を変え、還流しながら70℃で5時間反応させた後、液温85℃とし、さらに2時間反応させた。
重合反応終了後、得られたスラリーを冷却し、さらに、スラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの3倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級してトナー粒子を得た。
その後、トナー粒子100.0部に対して、外添剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)を用いて疎水化処理されたシリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m2/g)2.0部を加えて三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)を用い3000rpmで15分間混合して、トナー1を得た。
表4に示すように、ワックスの種類と添加量、架橋剤の添加量、重合開始剤の添加量を変更すること以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー2~11を得た。
(評価用サンプル画像の作製)
評価用サンプル画像の作製には、市販のキヤノン製レーザービームプリンタLBP712Ciを用いた。ソフトウェアを変更することにより、全てのカートリッジがセットされていなくても動作するように改造した。また、粉末接着剤及びトナーの載り量(mg/cm2)をそれぞれ任意に調整できるようにした。
LBP712Ciのシアンカートリッジの中に入っているトナーを抜き取り、各現像剤セットのトナー150gを充填し、シアンステーションにセットした。また、ブラックカートリッジの中に入っているトナーを抜き取り、各現像剤セットの粉末接着剤150gを充填し、ブラックステーションにセットした。
このプリンターを用い、図8に示すように、紙の片面(接着面とする)先端余白8cmを開けて、4cmの領域に粉末接着剤を載り量0.5mg/cm2で印刷し、さらに粉末接着剤を形成した面とは逆の面(トナー印字面とする)に、余白14cmを開けて、4cmの領域にトナーを載り量0.08mg/cm2で印刷した(画像A)。
さらに、図9に示すように、別の紙に先端余白8cmを開けて、4cmの領域に粉末接着剤を載り量0.5mg/cm2で印刷した(画像B)。
得られた画像Aについて幅3cmに切断し、サンプルAを得た。同様に、画像Bを切断しサンプルBを得た。
図10に示すように、サンプルAとサンプルBを、粉末接着剤面が内側になるように向かい合わせ、LBP712Ciから取り外した外部定着器に、サンプルA側が上側になるように通して、粉末接着剤の接着力とトナーの耐高温オフセット性を評価した。
具体的には、サンプルAとサンプルBのセットを複数枚用意して、外部定着器の設定温度を2℃刻みで変更しながら定着器を通した。後述する接着力の評価方法で、粉末接着剤の接着力が1.2(N/cm2)となる最小の定着器設定温度を接着温度として評価した。接着温度が低いほど低温での接着力に優れている。
また、トナーの高温オフセットが発生する最大の定着器設定温度を耐高温オフセット温度として評価した。耐高温オフセット温度が高いほど、耐高温オフセット性が優れている。高温オフセット性の評価方法は後述する。
また、接着温度と耐高温オフセット温度の差を定着領域としたとき、定着領域が大きいほど定着マージンがあり優れた現像剤セットである。
サンプルAとサンプルBを、粉末接着剤面が内側になるように向かい合わせ、サンプルA側が上側になるように定着器を通したときに、高温オフセットが発生すると、紙のトナー印字部の下流に高温オフセットしたトナーが印字される。
紙に印字された高温オフセット由来のトナーの濃度を測定し、耐高温オフセット性の評価とした。濃度の測定にはリフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC-6DS」)を用いた。紙上のオフセット由来のトナー部分の反射率Dr(%)と紙の白地部の反射率Ds(%)を測定し、下記式を用いて算出した。
高温オフセット由来のトナー濃度(%)=Dr(%)-Ds(%)
この値が0.4を超えない最大の定着器設定温度を耐高温オフセット温度とした。
上記したトナーと粉末接着剤とをセットしたプリンターを用いて、印字率1%の画像を15000枚出力した。出力した後に、粉末接着剤が充填されているカートリッジを取り出して分解し、現像ローラ上に現れた縦スジの本数を光学顕微鏡にて確認した。縦スジの本数が少ないほど部材汚染しにくく耐久性が良好である。
保存時の安定性を評価するために耐ブロッキング性の評価を実施した。評価は表6に記載の現像剤セットのトナー及び粉末接着剤、それぞれについて評価した。
トナー約5gを100mlの樹脂製カップに入れ、温度50℃、湿度20%環境下で10日放置した後、トナーの凝集度を以下のようにして測定し、下記の基準にて評価を行った。
測定装置としては、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示式振動計「デジバイブロ MODEL 1332A」(昭和測器社製)を接続したものを用いた。そして、パウダーテスターの振動台上に下から、目開き38μm(400メッシュ)の篩、目開き75μm(200メッシュ)の篩、目開き150μm(100メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、25℃、50%RH環境下で、以下の様にして行った。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak-to-peak)に
なるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2)上記のように10日放置したトナーを、予め23℃、60%RH環境下において24時間放置し、それぞれ5gを精秤し、最上段の目開き150μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式にもとづき凝集度を算出した。
凝集度(%)={(目開き150μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100
+{(目開き75μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.6
+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.2
凝集度の数値が低いほど、耐ブロッキング性が高いと判断した。
粉末接着剤に対してもトナーと同様にして評価を行い、表6に記載の現像剤セットの組み合わせにおいて、トナー、粉末接着剤いずれか凝集度の数値が高い方を、その現像剤セットの保存性の評価として用いた。
30…シート処理装置(後処理ユニット)、31…折り手段(折り器)、31a…第1
折りローラ、31b…第2折りローラ、31c…第1ガイドローラ、31d…第2ガイドローラ、31e…引き込み部、31f…ガイド壁、31g…壁、31h…端部、32…接着手段(第2定着器)、33…切替ガイド、33a…切替ガイド軸部、33b…切替ガイド先端、34…排出ユニット、34a…第1排出ローラ、34b…中間ローラ、34c…第2排出ローラ、35…第2排出トレイ、36,37…コネクタ、39…第2の筐体、
51…接着ハガキ、52…薬袋、51a…外周部の全周、51b,52b…中央の折り目、52a…コ字状の領域、
101…感光ドラム、102…帯電ローラ、103…クリーニング部材、104n,104y,104m,104c…粉体収容部、105…現像ローラ、106…現像剤供給ローラ、107…現像ブレード、108…攪拌部材、109…現像室、
P…シート、R1…第1経路、R2…第2経路、Tn…粉末接着剤、Ty,Tm,Tc…印刷用トナー、CC…感光体ユニット、DT…現像ユニット、q…シートPの先端、r…中腹部、L…シートPの全長、M…間隔、N…引き込み部の深さ
Claims (14)
- トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットであって、
該トナーは熱可塑性樹脂Aを含有し、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、且つ分子量が300以上1000以下であり、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gb’(100)が、1.00×105Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であることを特徴とする、電子写真用現像剤セット。 - トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットであって、
該トナーは熱可塑性樹脂A及びワックスを含有し、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
該トナーに含まれる全ワックスの含有量をNa(質量%)とし、該粉末接着剤に含まれる全ワックスの含有量をNb(質量%)としたとき、
Nb/Naが0.80以上6.00以下であり、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gb’(100)が、1.00×10 5 Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であることを特徴とする、電子写真用現像剤セット。 - トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットであって、
該トナーは熱可塑性樹脂Aを含有し、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gt’(100)が、5.00×10 3 Pa~2.00×10 5 Paであり、
Gb’(100)が、1.00×10 5 Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であることを特徴とする、電子写真用現像剤セット。 - トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットであって、
該トナーは熱可塑性樹脂Aを含有し、
該熱可塑性樹脂Aはスチレンアクリル樹脂であり、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gb’(100)が、1.00×10 5 Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であることを特徴とする、電子写真用現像剤セット。 - 前記Gt’(100)/Gb’(100)が、2.00以上30.00以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤セット。
- 前記粉末接着剤中の前記ワックスAの含有量Nが、6.0質量%以上18.0質量%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤セット。
- 前記粉末接着剤が、さらにワックスBを含有し、
該ワックスBが炭素数のピーク値20以上70以下の鎖式飽和炭化水素ワックスである、請求項1~8のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤セット。 - 前記熱可塑性樹脂Bがスチレンアクリル樹脂またはポリエステル樹脂である、請求項1~9のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤セット。
- 前記熱可塑性樹脂Bのエステル基濃度が1.00mmol/g以上7.00mmol/g以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤セット。
- 前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布におけるメインピークのピーク分子量をAとし、
前記粉末接着剤のテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布におけるメインピークのピーク分子量をBとしたとき、
B/Aが0.50以上2.00以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤セット。 - トナー及び粉末接着剤を含む電子写真用現像剤セットを用いた、少なくとも一の紙が接着部を介して貼り合わされている接着物の製造方法であって、
該トナーは熱可塑性樹脂Aを含有し、
該粉末接着剤は、熱可塑性樹脂B及びワックスAを含有し、
該ワックスAは、分子内にエステル基を2個以上有し、
該熱可塑性樹脂Bはエステル基を有し、
粘弾性測定において、
100℃における該トナーの貯蔵弾性率をGt’(100)(Pa)とし、
100℃における該粉末接着剤の貯蔵弾性率をGb’(100)(Pa)としたとき、
Gb’(100)が、1.00×10 5 Pa以下であり、
Gt’(100)/Gb’(100)が、1.20以上であり、
該接着物において、該紙の該接着部が存在する面を面Aとし、該面Aとは異なる面を面Bとしたとき、該接着物は該面Bの少なくとも一方に該トナーによる画像部を有し、
該接着物の製造方法は、
該紙の該面Bとなる面の少なくとも一方に該トナーによる該画像部を現像し、加熱によ
り該画像部を定着させる画像部の形成工程、及び
該紙の該面Aとなる面の少なくとも一方に該粉末接着剤による該接着部を現像し、加熱により該接着部を定着させる接着部の形成工程
を順序不同で有し、
さらに該接着物の製造方法は、該画像部及び該接着部の形成後、
形成された該接着部をはさむように該紙を重ねて加熱し、該接着部を溶融させることで該紙を接着し、該接着物を得る接着工程を有することを特徴とする、接着物の製造方法。 - 前記電子写真用現像剤セットが、請求項1~12のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤セットである、請求項13に記載の接着物の製造方法。
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