JP2007298717A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部材の熱膨張により発生する不具合を抑えること。
【解決手段】加熱定着部材(Fh)の両端部を支持する一対の第1の保持部材(41,42)と、加圧定着部材(Fp)の両端部を支持する一対の第2の保持部材(46,47)と、を有し、前記第1の保持部材(41,42)と第2の保持部材(46,47)とが前記定着部材(Fh+Fp)が延びる方向に隣接して配置され且つ、前記第1の保持部材(41,42)と前記第2の保持部材(46,47)とが軸方向に対して重複する重複面積が、一端側と他端側で異なる定着装置(F)。
【選択図】図8

Description

本発明は、未定着トナー像を定着する定着装置および定着装置を備えたプリンタ、複写機、FAXまたはこれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に関し、特に、加熱定着部材と加圧定着部材とを有する定着装置および定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来の電子写真方式の画像形成装置では、記録シート表面に転写された未定着トナー像は、定着装置により加熱定着され、定着装置の下流側に配置されたシート搬送装置により搬送され、排出トレイに排出される。前記定着装置には、ヒータを内蔵する加熱定着部材(加熱ロール、加熱ベルト等)と、加熱定着部材に所定の接触圧(いわゆる、ニップ圧)で押しつけられた加圧定着部材(加圧ロール、加圧ベルト等)と、を有する定着装置が知られている。前記定着装置では、加圧定着部材の端部を保持する保持部材をバネ等により加熱定着部材側に付勢することで、接触圧を発生させている。
また、このような定着装置では、加熱定着部材と加圧定着部材との間で記録シートが停止した場合に、記録シートを除去するために、加圧定着部材の接触圧を解除する接触圧解除部材(解除レバー)を備えたものも知られている。前記接触圧解除部材は、接触圧が作用する接触圧作用位置と、接触圧が解除される接触圧解除位置との間を移動することで、接触圧の作用、解除を行う。
このような定着装置を備えた画像形成装置として、下記の従来技術(J01),(J02)が公知である。
(J01)特許文献1(特開2000−221828号公報)記載の技術
特許文献1には、加圧スプリングにより加圧ロールを加圧する定着装置において、駆動ギア等が配置された駆動側一端部と、非駆動側他端部で、それぞれの加圧力を調整する調整手段を設ける技術が記載されている。
(J02)特許文献2(特開平6−11993号公報)記載の技術
特許文献2には、加熱ローラに加圧ローラを押圧する加圧レバーと補助レバーとを有する定着装置において、加圧ローラが所定の温度よりも低い温度の場合に、補助レバーにより加圧力を増加させて、定着領域での接触面積を増加させ、定着領域での熱量を増加させる技術が記載されている。
特開2000−221828号公報 特開平6−11993号公報
(従来技術の問題点)
前記従来技術(J01),(J02)では、互いに熱膨張率が異なる加熱定着部材と加圧定着部材が対向接触して配置されており、各定着部材を保持する保持部材どうしが隣接(接触、近接)して配置されている。したがって、熱膨張率の差により保持部材の位置がずれて、駆動系の噛み合いが不十分になったり、保持部材どうしの接触部分での接触圧が高くなり、解除レバーでニップ圧を解除した後に作用させる際に、保持部材どうしの接触圧により保持部材が所定の位置に戻りきらずに、設定されたニップ圧が作用しなくなる恐れがあるという問題がある。
本発明は、前述の事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)定着部材の熱膨張により発生する不具合を抑えること。
(本発明)
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の具体例(実施例)の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために、第1発明の定着装置(F)は、
加熱定着部材(Fh)と、前記加熱定着部材(Fh)に対向して配置された加圧定着部材(Fp)とを有する定着部材(Fh+Fp)と、
前記加熱定着部材(Fh)の両端部を支持する一対の第1の保持部材(41,42)と、
前記加圧定着部材(Fp)の両端部を支持する一対の第2の保持部材(46,47)と、
前記第2の保持部材(46,47)を押圧して、前記加圧定着部材(Fp)を前記加熱定着部材(Fh)に押し当てる接触圧を発生させる接触圧発生部材(51,52)と、
を有し、前記第1の保持部材(41,42)と第2の保持部材(46,47)とが前記定着部材(Fh+Fp)が延びる方向に隣接して配置され且つ、前記第1の保持部材(41,42)と前記第2の保持部材(46,47)とが軸方向に対して重複する重複面積が、一端側と他端側で異なることを特徴とする。
(第1発明の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の定着装置(F)では、定着部材(Fh+Fp)は、加熱定着部材(Fh)と、前記加熱定着部材(Fh)に対向して配置された加圧定着部材(Fp)とを有する。前記加熱定着部材(Fh)の両端部は、一対の第1の保持部材(41,42)によりを支持されている。前記加圧定着部材(Fp)の両端部は、一対の第2の保持部材(46,47)により支持されている。接触圧発生部材(51,52)は、前記第2の保持部材(46,47)を押圧して、前記加圧定着部材(Fp)を前記加熱定着部材(Fh)に押し当てる接触圧を発生させる。前記第1の保持部材(41,42)と第2の保持部材(46,47)とは、前記定着部材(Fh+Fp)が延びる方向に隣接して配置され、前記第1の保持部材(41,42)と前記第2の保持部材(46,47)とが軸方向に対して重複する重複面積が、一端側と他端側で異なる。
したがって、第1発明の定着装置(F)では、重複面積が一端側と他端側で異なるので、一端側と他端側で熱膨張により力が作用すると重複面積の小さい側の圧力が大きくなり、保持部材(41,42,46,47)の変形の方向を制御することができる。この結果、駆動部材を変形の少ない位置に配置した場合には、噛合のずれを防止でき、定着部材(Fh+Fp)の熱膨張により発生する不具合を抑えることができる。
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1の定着装置は、前記第1発明において、
一端側の前記第1の保持部材(42)の重複部(42b)と前記第2の保持部材(47)の重複部(47b)とが重複し且つ、前記各重複部(42b、47b)に対応する他端側で前記第1の保持部材(41)と前記第2の保持部材(46)とが重複しないことにより、一端側と他端側で前記重複面積が異なることを特徴とする。
(第1発明形態1の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態1の定着装置では、一端側では、前記第1の保持部材(42)と前記第2の保持部材(47)とが重複し、前記各重複部(42b、47b)に対応する他端側で前記第1の保持部材(41)と前記第2の保持部材(46)とが重複しないので、定着部材(Fh+Fp)の熱膨張時に他端側に変形させることができる。
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2の定着装置は、前記第1発明または第1発明の形態1において、
前記重複面積が大きい側に配置され、前記定着部材(Fh+Fp)を駆動する駆動部材、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態2の定着装置では、前記定着部材(Fh+Fp)を駆動する駆動部材は、前記重複面積が大きい側に配置されているので、駆動部材の位置の変動を減らすことができる。
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3の定着装置は、前記第1発明および第1発明の形態1,2のいずれかにおいて、
前記加熱定着部材(Fh)および前記加圧定着部材(Fp)の中で熱膨張率が大きな部材を保持する一方の保持部材(46,47)を、他方の保持部材(41,42)の外側に配置することを特徴とする。
(第1発明の形態3の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態3の定着装置では、前記加熱定着部材(Fh)および前記加圧定着部材(Fp)の中で熱膨張率が大きな部材を保持する一方の保持部材(46,47)が、他方の保持部材(41,42)の外側に配置されているので、熱膨張率の大きな定着部材(Fp)の変形時に保持部材(46,47)が外側に変形して逃げることができ、保持部材どうしの部材間接触圧が大きくなりすぎることを防止できる。この結果、定着部材(Fh+Fp)の接触圧を解除して、作用させた場合に、保持部材(41,42,46,47)が部材間接触圧により所定の位置に戻らず、定着部材(Fh+Fp)の接触圧が所定の接触圧にならないことを低減できる。この結果、熱膨張により発生する不具合を抑えることができる。
(第1発明の形態4)
第1発明の形態4の定着装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜3のいずれかにおいて、
一端側で前記第1の保持部材(41,42)および前記第2の保持部材(46,47)の中の外側に配置された一方の保持部材(41,42)が、他端側で内側に配置されることを特徴とする。
(第1発明の形態4の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態4の定着装置では、一端側で前記第1の保持部材(41,42)および前記第2の保持部材(46,47)の中の外側に配置された一方の保持部材(41,42)が、他端側で内側に配置されるので、熱膨張率の大きな定着部材(Fp)の変形時に保持部材(46,47)が外側に変形して逃げることができ、保持部材どうしの部材間接触圧が大きくなりすぎることを防止できる。この結果、定着部材(Fh+Fp)の接触圧を解除して、作用させた場合に、保持部材(41,42,46,47)が部材間接触圧により所定の位置に戻らず、定着部材(Fh+Fp)の接触圧が所定の接触圧にならないことを低減できる。この結果、熱膨張により発生する不具合を抑えることができる。
(第1発明の形態5)
第1発明の形態5の定着装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜4のいずれかにおいて、
前記加熱定着部材(Fh)および前記加圧定着部材(Fp)の中で熱膨張率が小さな部材(Fh)を保持する一方の保持部材(41,42)側に配置され、前記定着部材(Fh+Fp)を駆動する駆動部材、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態5の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態5の定着装置では、前記定着部材(Fh+Fp)を駆動する駆動部材が、前記加熱定着部材(Fh)および前記加圧定着部材(Fp)の中で熱膨張率が小さな部材(Fh)を保持する一方の保持部材(41,42)側に配置されているので、駆動部材の位置の変動を低減できる。
(第2発明)
前記技術的課題を解決するために、第2発明の画像形成装置は、第1発明および第1発明の形態1〜5のいずれかの定着装置を備えたことを特徴とする。
(第2発明の作用)
前記構成要件を備えた第2発明の画像形成装置は、第1発明および第1発明の形態1〜5のいずれかの定着装置を備えているので、定着部材の熱膨張により発生する不具合を抑えることができる。
前述の本発明は、下記の効果(E01)を奏する。
(E01)定着部材の熱膨張により発生する不具合を抑えることができる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の画像形成装置のカバーが開放された状態の説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置としてのプリンタUは、画像が記録される記録用紙Sが収容される給紙カセットTR1が下部に収容されており、上面には排出トレイTRhが設けられている。また、プリンタUの上部にはユーザインタフェースUIが設けられている。
図1,図2において、実施例1のプリンタUは、プリンタ本体(画像形成装置本体)U1と、プリンタ本体U1の右側下端部に設けられた回転中心U2aを中心として開閉可能な開閉カバーU2を有する。前記開閉カバーU2は、ユニットUY〜UKの交換やジャムした記録シートを除去するためにプリンタ本体U1の内部を開放する開放位置(図2の実線参照)と、画像形成動作が実行される通常時に保持される閉塞位置(図1,図2の二点鎖線参照)との間を移動可能に構成されている。
プリンタUはマイクロコンピュータにより構成されたコントローラCと、コントローラCにより作動を制御されるIPS(イメージプロセッシングシステム)、レーザ駆動回路DL、および電源装置E等を有している。電源装置Eは、後述の帯電ローラCRy〜CRk、現像ローラG1y〜G1kおよび転写ローラT1y〜T1k等にバイアス電圧を印加する。
前記IPS(イメージプロセッシングシステム)は、外部のクライアントコンピュータ等から入力された印字データを、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した潜像形成用の画像データに変換して、所定のタイミングでレーザ駆動回路DLに出力する。レーザ駆動回路DLは、入力された各色の画像データに応じてレーザ駆動信号を潜像書込装置ROS(潜像形成装置)に出力する。前記ROSは、レーザ駆動信号に応じて、各色の画像書き込み用のレーザビーム(画像書込光)Ly、Lm,Lc,Lkを出射する。
図3は実施例1の着脱ユニットの説明図である。
図1において、前記ROSの前方(+X方向)にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各色のトナー像を形成するトナー像形成装置(着脱ユニット)UY,UM,UC,UKが配置されている。図3において、K(黒)のトナー像形成装置UKのドラム状の感光体(像保持体)Pkの周囲には、帯電器としての帯電ロールCRk、感光体表面の静電潜像をトナー像(可視像)に現像する現像器Gk、感光体Pk表面を除電する除電部材Jk、感光体表面に残留した現像剤を除去する感光体クリーナ(像保持体クリーナ)CLk等が配置されている。
図4は図3のIV−IV線断面図である。
図3,図4において、前記現像器Gkは、現像剤が収容される現像容器1を有する。前記現像容器1には、感光体Pkに対向する現像ロールG1kが支持される現像ロール収容室2と、現像ロール収容室2の左側に隣接し現像剤が収容される第1撹拌搬送室3と、第1撹拌搬送室3の左側に隣接する第2撹拌搬送室4とを有する。前記第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4との間は、仕切壁6により仕切られており、第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4は前後両端部で現像剤が移動可能に構成されている。前記第1撹拌搬送室3および第2撹拌搬送室4には、現像剤を撹拌しながら互いに逆方向に搬送する撹拌搬送部材7,8が配置されている。
なお、実施例1の現像容器1には、前記現像剤として、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容されている。
前記第2撹拌搬送室4の左側には、円筒状の現像剤搬送室11が形成されている。前記現像剤搬送室11の前端部には第2撹拌室4に接続する現像剤補給口11aが形成されており、後端部には現像剤流入口11bが形成されている。前記現像剤搬送室11には、現像剤搬送室11内の現像剤を現像剤補給口11a側に搬送する現像剤補給部材12が配置されている。
前記現像剤搬送室11の左側には、第1現像剤補給室16が形成されており、第2現像剤補給室16の上方には、前後方向端部に形成された現像剤落下路17を介して接続された第2現像剤補給室18が配置されている。前記第1現像剤補給室16には、第2現像剤補給室16の現像剤を現像剤流入口11bに搬送する第1現像剤搬送部材(現像剤補給部材)21および第2現像剤搬送部材(現像剤補給部材)22が配置されている。
前記第1現像剤搬送部材21は、回転軸部21aと、前記回転軸部21aに支持されたPET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性のある樹脂フィルムにより構成された搬送フィルム21bとを有する。搬送フィルム21bには、軸方向に対して傾斜した切込21cが形成されており、搬送フィルム21bの現像剤流入口11bに対向する位置には補助フィルム23が貼り付けられている。したがって、第1現像剤搬送部材21の回転時に、切込21cが形成された搬送フィルム21bにより、後側の現像剤流入口11b側に現像剤が搬送され、補助フィルム23により現像剤が現像剤搬送室11に搬送される。
前記第2現像剤搬送部材22は前記第1現像剤搬送部材21側に現像剤を搬送する。前記第2現像剤補給室18内に配置された第3現像剤搬送部材(現像剤補給部材)24、第4現像剤搬送部材(現像剤補給部材)26は、第2現像剤補給室18内の現像剤を現像剤落下路17側に搬送する。
前記現像剤搬送室11、第1現像剤補給室16および第2現像剤補給室18により実施例1の現像剤補給容器(11+16+18)が構成されている。なお、実施例1の現像剤補給容器(11+16+18)には、補給用の現像剤としてトナーが収容されている。
前記第2現像剤補給室18の右側には、前記感光体クリーナCLkが配置されており、感光体クリーナCLkは感光体Pk表面に接触するクリーニングブレード31と、クリーニングブレード31により掻き取られた現像剤を回収現像剤収容室32に搬送する回収現像剤搬送部材33とを有する。
実施例1の黒色のトナー像形成装置UKは、感光体Pk、帯電器CRk、現像器Gk、除電部材Jk、感光体クリーナ(像保持体クリーナ)CLk、現像剤補給容器(11+16+18)等が一体的に構成されたプロセスカートリッジUKにより構成されており、図2に示すように、開閉カバーU2を開放位置に移動した状態でプリンタ本体(画像形成装置本体)U1に対して着脱可能に構成されている。
他の色のトナー像形成装置UY,UM,UCも、黒色のトナー像形成装置UKと同様に、プリンタ本体U1に対して着脱可能なプロセスユニット(着脱ユニット)UY,UM,UCにより構成されている。
図1、図2において、前記感光体Py〜Pkの右方には、開閉カバーU2に支持されたベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、シート搬送ベルトBと、ベルト駆動ロールRd、従動ロールRjを含むベルト支持ロール(Rd+Rj)と、各感光体Py〜Pkに対向して配置された転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、画像濃度センサSN1と、ベルトクリーナCLbと、前記従動ロールRjに対向して配置されたシート吸着ロールRkとを有する。前記シート搬送ベルトBは、前記ベルト支持ロール(Rd+Rj)により回転可能に支持されている。
シート搬送ベルトBの下方に配置された給紙トレイTR1の記録シートSは、給紙部材Rpにより取り出され、シート搬送路SHに搬送される。
シート搬送路SHの記録シートSは、シート搬送ロールRaにより搬送され、レジロールRrに送られる。レジロールRrは、所定のタイミングで、従動ロールRjとシート吸着ロールRkとの対向領域であるシート吸着位置Q6に前記記録シートSを搬送する。前記シート吸着位置Q6に搬送された記録シートSは、前記シート搬送ベルトBに静電吸着される。
手差しトレイTR0から給紙される場合、手差し給紙部材Rp1により給紙された記録シートSは、シート搬送ロールRaにより前記レジロールRrに搬送され、シート搬送ベルトBに搬送される。
前記シート搬送ベルトBに吸着された記録シートSは、前記感光体Py〜Pkと接触する前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kを順次通過する。
前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいてシート搬送ベルトBの裏面側に配置された転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。
カラー画像の場合、前記各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記転写ロールT1k,T1y,T1m,T1cによりシート搬送ベルトB上の記録シートSに重ねて転写される。また、モノクロ画像の場合、感光体Pk上にK(黒)のトナー像のみが形成され、このK(黒)のトナー像のみが転写器T1kにより記録シートSに転写される。
トナー像転写後の感光体Py〜Pkは、除電部材Jy〜Jkにより除電された後、感光体クリーナCLy〜CLkにより表面に残留したトナーが回収されてクリーニングされ、再び帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。
前記トナー像が転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱ロール(加熱定着部材)Fhと加圧ベルト(加圧定着部材)Fpとが圧接して形成する定着領域Q5で定着された後、ガイドコロRgkによりガイドされて、排出ローラRhから排紙トレイTR2に排出される。
記録シートSが離隔した後の前記シート搬送ベルトBは、前記シート搬送ベルトクリーナCLbによりクリーニングされる。
両面印刷が行われる場合には、排紙ロールRhが逆回転駆動して、切替ゲートGT1によりシート反転路SH2に記録シートSが搬送され、表裏が反転した状態でレジロールRrに再送される。
(定着ユニットの説明)
図5は実施例1の定着ユニットの斜視説明図である。
図1,図2、図5において、実施例1のプリンタUでは、プリンタ本体U1の上部には、前記定着装置F、ガイドコロRgk、排紙ロールRhの下側の駆動側排紙ロールRh1、切替ゲートGT1が一体的に構成された(ユニット化された)定着ユニットU3が支持されている。なお、上側の従動側排紙ロールは、開閉カバーU2に支持されている。図5において、定着ユニットU3は、上面に前記切替ゲートGT1が回転可能に支持されており、切替ゲートGT1の右側にはシート反転路SH2の下側ガイド面を構成する反転路ガイド部U3cが形成されている。前記切替ゲートGT1や反転路ガイド部U3aの前後両端部には、前側定着ユニットカバー(カバー部材)U3aと後側定着ユニットカバー(カバー部材)U3bとが支持されている。
図6は実施例1の前側定着ユニットカバーの説明図であり、図6Aは斜視図、図6Bは軸部分の要部拡大説明図である。
図5,図6において、前側定着ユニットカバーU3aは、前側左部に解除部材収容凹部36が形成されている。前記解除部材収容凹部36の外側壁(ガイド部)36aの左側上端部には、被ガイド部装着時係合部としての切除部36bが形成されている。解除部材収容凹部36の内側壁36cには、外側(前側)に突出し且つ外端と外側壁36aとの間に接触圧解除部材(後述)装着用の隙間(図示せず)が形成されている軸状の解除部材支持部36dが形成されている。図6Bにおいて、前記解除部材支持部36dの外端部には右側(+Y側)に突出するキー部(抜け止め部)36eが形成されている。
なお、後側定着ユニットカバーU3bの解除部材収容凹部36は、前側定着ユニットカバーU3aと同様(前後対称)に構成されているので、詳細な説明及び図示は省略する。また、前記後側定着ユニットカバーU3b内部には、定着装置Fや駆動側排紙ロールRh1を回転駆動するモータやギア列を有する駆動部材(図示せず)が配置されている。
図7は実施例1の定着装置の斜視説明図である。
図8は定着装置の側面図であり、図8Aは図7の矢印VIIIA方向から見た図、図8Bは図7の矢印VIIIB方向から見た図である。
図9は図7の矢印IX方向から見た図である。
図5、図7〜図9において、前記定着ユニットU3の内部に配置された定着装置Fは、内部にヒータ(図示せず)が内蔵された加熱ロール(加熱定着部材)Fhと、加熱ロールFhに対向して配置された加圧ベルト(加圧定着部材)Fpとを有する定着部材(Fh+Fp)を有する。なお、実施例1の加熱ロールFhと加圧ベルトFpは、熱膨張率が異なり、加熱ロールFhに比べて、加圧ベルトFpの方が軸方向への熱膨張率が大きな材料により構成されている。
前記加熱ロールFhの両端部は、定着ユニットU3に固定支持された前後一対の加熱ロール保持部材(第1の保持部材)41,42により軸受(図示せず)を介して保持されている。前記加熱ロール保持部材41,42の左側上部には、上方に延びるプレート状の接触圧発生部材固定部41a,42aが形成されている。前記加熱ロールFhの後端部(駆動側)には、図示しない駆動部材からの駆動力が伝達されるロールギア43が支持されている。したがって、実施例1の定着装置Fでは、加熱ロールFhが回転駆動し、加圧ロールFpは加熱ロールFhに従動回転する。
前記加圧ベルトFpの両端部は、略U字形状の前後一対の加圧ベルト保持アーム(第2の保持部材)46,47により支持されている。なお、前記加圧ベルトFpは、従来公知(例えば、特開2002−091221号公報等参照)であり、種々の構成を採用可能であるので、詳細な説明は省略する。
前記加圧ベルト保持アーム46,47の右下部は、前記加熱ロール保持部材41,42に回転中心46a、47aを中心として回転可能に支持されている。図9において、実施例1の定着装置Fでは、前側(非駆動側)の加圧ベルト保持アーム46は、前側の加熱ロール保持部材41の前側(外側)に支持され、後側(駆動側)の加圧ベルト保持アーム47は、後側の加熱ロール保持部材42の前側(内側)に支持されている。また、図8A、図8Bに示すように、前側の加圧ベルト保持アーム46は、回転中心46a近傍以外では、前側の加熱ロール保持部材41に重複せず、軸方向に対しても重複する面積がないが、後側の加圧ベルト保持アーム47は、左上部に形成された保持部材重複部(被係止部)47bで、後側の加熱ロール保持部材42の保持部材重複部(係止部)42bに重複し、所定の重複面積がある。
前記加圧ベルト保持アーム46,47の左端部には、外側に折り曲げられた形状のプレート状の接触圧発生部材被押圧部46c、47cが形成されている。前記接触圧発生部材被押圧部46c、47cの外端部には、右方に折れ曲がった形状の折れ曲がり部46d、47dが形成されている。前記折れ曲がり部46d、47dの右端部には、外側に折り曲げられた形状の解除部材被押圧部46e、47eが形成されている。
前記加熱ロール保持部材41,42の接触圧発生部材固定部41a、42aと、加圧ロール保持アーム46,47の接触圧発生部材被押圧部46c、47cに対応する位置には、接触圧発生部材51,52が配置されている。前記接触圧発生部材51,52は、前記接触圧発生部材被押圧部46c、47cを貫通して、接触圧発生部材固定部41a、42aにネジ止めされるボルト51a、52aと、前記ボルト51a、52aの外周に装着され且つ、ネジ(ボルト)51a、52aのネジ頭51a1、52a1と接触圧発生部材被押圧部46c、47cとの間に配置されたコイルバネ51b、52bとを有する。したがって、前記コイルバネ51b、52bにより、接触圧発生部材被押圧部46c、47cが押圧され、加圧ロール保持アーム46,47が回転中心46a、47aを中心として回転する力を受け、加圧ベルトFpが加熱ロールFhに所定の接触圧(ニップ圧)で押し当てられる。なお、このようなネジとコイルバネを使用して所定の接触圧で加圧ベルトを押圧する技術は、従来公知(前記特開2002−091221号公報等参照)であり、種々の構成を採用可能であるので詳細な説明は省略する。
図10は実施例1の前側の接触圧解除部材の斜視説明図である。
図5〜図10において、前記解除部材被押圧部46e、47eに対応する位置には、前後対称形状の前後一対のニップ解除レバー(接触圧解除部材)56,57が配置されている。図10において、実施例1の前側のニップ圧解除レバー56は、板状のレバー本体56aを有する。前記レバー本体56aの中央部には、キー溝部56b1を有する軸貫通孔(回転中心)56bが形成されている。レバー本体56aの左上方には、左斜め上方に延びる操作部56cが形成されている。レバー本体56aの右側上端部には、外側(前側)に突出する庇状の被ガイド部56dが形成されている。前記ニップ圧解除レバー56の左側下端部には、下方に突出する凸部により構成された保持部材押圧部56eが形成されている。
なお、後側のニップ解除レバー57は、前側のニップ解除レバー56と前後対称に形成されているだけので、詳細な説明および図示は省略する。
図11は実施例1の前側の接触圧解除部材を前側定着ユニットカバーに装着する方法の説明図であり、図11Aは前側の接触圧解除部材が前側定着ユニットカバーから離隔した状態の説明図、図11Bは前側の接触圧解除部材を前側定着ユニットカバーの収容凹部に収容した状態の説明図、図11Cは図11Bに示す状態から前側の接触圧解除部材をスライドさせた状態の説明図、図11Dは図11Cに示す状態から前側の接触圧解除部材を回転させた状態の説明図である。
図11において、実施例1のニップ解除レバー56は、前側定着ユニットカバーU3aに定着装置Fが装着される前に装着される。図11A、図11Bにおいて、ニップ解除レバー56を、定着ユニットカバーU3aの解除部材支持部36dと外側壁36aとの間に進入させる。このとき、被ガイド部56dは、切除部36bに係合している。この状態では、解除部材支持部36dのキー部36eと、軸貫通孔56bのキー溝部56b1とが一致するので、ニップ解除レバー56の内端面が解除部材収容凹部36の内側壁36cに近接、接触するまで内側(後方)にニップ解除レバー56をスライド移動させることで、ニップ解除レバー56を軸状の解除部材支持部36dに装着することができる(図11C参照)。
図11Cに示す状態では、ニップ解除レバー56の軸貫通孔56bは、キー部36eを通過しているので、ニップ解除レバー56が解除部材支持部36dに回転可能に支持されている。したがって、ニップ解除レバー56を、図11Cに示す状態から図11Dに示す接触圧作用位置に回転移動できる。回転移動時には、前記被ガイド部56dが外側壁36aの内面にガイドされて回転する。
図11Dにおいて、接触圧作用位置では、前記キー部36eとキー溝部56b1とが一致しないと共に、前記被ガイド部56dの外端が外側壁36aに接触して規制される(係止される)ので、キー部36eにより抜け止めがされ、ニップ解除レバー56が解除部材支持部36dから離脱することを防止できる。
図12は接触圧作用位置において接触圧解除部材と解除部材被押圧部との位置関係を説明する説明図である。
図13は接触圧解除位置において接触圧解除部材と解除部材押圧部との位置関係を説明する説明図であり、図13Aは要部説明図、図13Bは図13Aの要部拡大説明図である。
図11Dに示す接触圧作用位置に移動した状態で、前側定着ユニットカバーU3aに定着装置Fを組み付けることで、図12に示すように、ニップ解除レバー56の保持部材押圧部56eが、解除部材被押圧部46eの上方に配置された接触圧作用位置に保持される(図5、図7〜図9参照)。図12において、ニップ解除レバー56は、解除部材被押圧部46eに接触していないので、接触圧発生部材52により加圧ベルトFpは加熱ロールFhに所定の接触圧で押し当てられている。
図12に示す接触圧作用位置から図13に示す接触圧解除位置にニップ解除レバー56を移動させることにより、ニップ解除レバー56の保持部材押圧部56eが解除部材被押圧部46eに接触して押圧し、コイルバネ51bのバネ力に抗して加圧ベルト保持アーム46を回転させ、加圧ベルトFpの加熱ロールFhへの接触を解除する(接触圧を低減する)。
図12,図13において、実施例1のニップ解除レバー56では、前記接触圧作用位置から接触圧解除位置に移動する際に、ニップ解除レバー56の保持部材押圧部56eが解除部材被押圧部46eに接触開始する位置は、先端部56e1ではなく、下方の接触開始部56e2が最初に接触するように設定されている。
また、図12,図13において、実施例1のニップ解除レバー56では、保持部材押圧部56eと回転中心56bとを接続する線分62が、接触圧解除位置では、ニップ解除レバー56の回転中心(軸貫通孔)56bを通過する解除部材被押圧部46eの被押圧面46e1の垂線61の上方に配置され且つ、接触圧解除位置では垂線61の下側に配置されている。即ち、ニップ解除レバー56が接触圧作用位置から接触圧解除位置に移動する間に、前記線分62が垂線61を通過し、保持部材押圧部56eが通過する軌跡が垂線61と交わるように設定されている。したがって、接触圧解除位置において、コイルバネ51bによる力により、ニップ解除レバー56が解除部材被押圧部46eから力を受けるが、このとき受ける力は、ニップ圧解除レバー56を接触圧作用位置とは反対側に移動させる成分を有し、接触圧作用位置から離れる方向に移動しようとする。
さらに、実施例1のニップ解除レバー56では、前記接触圧作用位置から更に回転した状態で前記キー部36eとキー溝56b1とが一致するように設定されており、定着装置Fが組み付けられた状態では、レバー本体56aが解除部材被押圧部46eにより規制されて、キー部36eとキー溝56b1とが一致する状態まで回転できないように設定されている。
なお、図11〜図13の説明において、定着ユニットU3の前側定着ユニットカバーU3aおよびニップ解除レバー56について説明したが、後側定着ユニットU3bおよびニップ解除レバー57についても同様であるため、詳細な説明は省略する。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置としてのプリンタUでは、定着装置Fの後側で、加熱ロール保持部材42と加圧ベルト保持部材47が重複部42b、47bで重複すると共に、前側で加熱ロール保持部材41と加圧ベルト保持部材46が接触しない。したがって、加熱ロールFh及び加圧ベルトFpが熱膨張した時に、駆動部材が配置された後側(駆動側)の端部位置は重複部分が接触して位置が移動することを低減できる。したがって、重複部分がない前側(非駆動側)は、端部位置が変動する。また、実施例1の定着装置Fでは、熱膨張率の小さい加熱ロールFh側にギア43が設けられているので、ギア43の位置が熱膨張により悪影響を受けて変動することを低減できる。この結果、部材の熱膨張により駆動部材のかみ合わせがずれたりして、定着不良や部材の過熱等の不具合が発生することを防止できる。
また、実施例1の定着装置Fでは、前側(非駆動側)の加圧ベルト保持アーム46は、前側の加熱ロール保持部材41の前側(外側)に支持され、後側(駆動側)の加圧ベルト保持アーム47は、後側の加熱ロール保持部材42の前側(内側)に支持されている。熱膨張率の大きな加圧ベルトFpを保持する加圧ベルト保持部材46,47が、加熱ロール保持部材41,42の内側に配置されている場合には、熱膨張により加圧ベルト保持部材46,47が加熱ロール保持部材41,42を押圧する保持部材間圧力が大きくなり、ニップ解除レバー56,57によりニップ圧を解除、作用させた場合に、保持部材間圧力により加圧ベルト保持部材46,47が所定の位置に戻らず、元のニップ圧にならない恐れがあるが、実施例1では、前側の加圧ベルト保持部材46が外側(前側)に逃げることができるので、保持部材間圧力が大きくなりすぎることを防止でき、元のニップ圧に戻らないことを低減することができる。
さらに、実施例1の定着装置Fでは、解除部材収容凹部36に収容された接触圧解除レバー56,57を操作する際に、被ガイド部56dが外側壁36aの内面にガイドされるので、軸方向の隙間を減らし、がたつきを低減できる。したがって、操作時に回転軸となる解除部材支持部36dを折り曲げるような負荷が作用することを防止できる。この結果、解除部材支持部36dの変形、破損を低減でき、接触圧解除レバー56,57を接触圧作用位置と接触圧解除位置との間で確実に移動させることができ、ニップ圧の解除、作用を行うことができる。
また、実施例1の定着装置Fでは、接触圧解除レバー56,57が回転移動する際に、被ガイド部56dが解除部材収容凹部36を塞ぎながら移動するため、例えば、ユーザが接触圧解除レバー56,57を操作する際に、クリップやステープル針等を落として解除部材収容凹部36から定着ユニットU3内部に入ってしまうことを防止できる。この結果、内部に進入した異物により定着ユニットU3が破損や予期しない動作をしてしまうことを防止できる。
さらに、実施例1の定着装置Fでは、ニップ解除レバー56が前記接触圧作用位置から接触圧解除位置に移動する際に、保持部材押圧部56eの先端部56e1ではなく、下方の接触開始部56e2が解除部材被押圧部46eに最初に接触するので、大きな力が作用する接触時に先端部56eが擦れて磨耗してしまうことを低減でき、保持部材押圧部56eの先端部56e1の磨耗を低減することができる。したがって、解除部材被押圧部46eを移動させ、ニップ圧の解除に大きく影響する先端部56e1の磨耗を低減することができる。この結果、保持部材押圧部56eの経時的な磨耗を低減することができ、長期に渡って、ニップ圧解除レバー56によりニップ圧の作用、解除を確実に行うことができる。
また、実施例1のニップ解除レバー56では、接触圧解除位置において、線分62が垂線61の下側に配置されているので、ニップ圧解除レバー56が接触圧作用位置から離れる方向に移動しようとする力を受けるので、磨耗等しても接触圧解除位置に移動した状態では、接触圧作用位置に誤って戻ってしまうことを防止でき、誤って戻ってしまうことにより発生する不測の事故等を防止することができる。
さらに、実施例1の定着装置Fでは、定着装置Fが組み付けられた状態では、レバー本体56a,57aが解除部材被押圧部46e,47eにより規制されて、キー部36eとキー溝56b1,56e1とが一致する状態まで回転できないように設定されているので、接触圧解除レバー56,57を回転移動させている間に接触圧解除レバー56,57が外れてしまうことを防止できる。
図14は実施例2の定着装置の説明図であり、実施例1の図9に対応する図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図14において、実施例2の定着装置Fでは、熱膨張率の加熱ロールFhに比べて大きな加圧ベルトFpを支持する加圧ベルト保持アーム46,47が、加熱ロールFhを支持する加熱ロール保持部材41,42の外側に回転可能に支持されている。
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置としてのプリンタUでは、膨張率が比較的大きな加圧ベルトFpが熱膨張しても、加圧ベルト保持アーム46,47が外側に配置されているので、外側に変形して逃げることができる。この結果、加圧ベルト保持アーム46,47と加熱ロール保持部材41,42との部材間接触圧が大きくなって、接触圧解除レバー56,57により接触圧を作用、解除する際に、設定されたニップ圧に戻らなくなることを低減できる。その他、実施例1と同様の作用、効果を有する。
図15は実施例3の定着装置の説明図であり、実施例1の図8に対応する図である。
なお、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図15において、実施例3の定着装置Fでは、前側(非駆動側)の加熱ロール保持部材41と加圧ベルト保持アーム46とにそれぞれ、接触部41b、46bが形成されている。実施例3の接触部41b,46bの接触面積は、後側(駆動側)の重複部42b、47bの接触面積よりも小さい面積に設定されている。
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の画像形成装置としてのプリンタUでは、定着装置Fは、非駆動側の接触面積が、駆動側の接触面積よりも狭く設定されており、同じ力が作用した時に接触面積の小さい非駆動側の圧力が大きくなりやすい。したがって、熱膨張時に非駆動側の変形量が大きくなり、駆動側の保持部材42,47の変形量を少なくすることができるので、熱膨張による悪影響を低減できる。その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
また、実施例1の定着装置Fでは、保持部材押圧部56e、57eが凸部により構成されているので、保持部材押圧部56e、57eが磨耗しても、解除部材被押圧部46e,47eとの接触部が垂線61よりも上方に移動することを低減でき、誤って接触圧作用位置に戻ること低減できる。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、本発明は、プリンタに限定されず、複写機、FAX、複合機等の画像形成装置に適用可能である。また、カラーの画像形成装置に限定されず、モノクロの画像形成装置にも適用可能である。さらに、感光体から直接記録シートに転写する画像形成装置に限定されず、中間転写体(中間転写ベルトやドラム)を有する画像形成装置にも適用可能である。
(H02)前記実施例において、加熱定着部材および加圧定着部材として、加熱ロールおよび加圧ベルトを例示したが、この組み合わせに限定されず、加熱ベルトや加圧ロールを使用する定着装置にも適用可能である。したがって、熱膨張率が同じ加熱定着部材と加圧定着部材を使用することも可能である。
(H03)前記実施例において、接触圧解除部材(接触圧解除レバー)は、ユーザが手動で操作するものを例示したが、開閉カバーに開閉動作に連動して自動的に接触圧を作用、解除させる構成とすることも可能である。
(H04)前記実施例において、ギア43は熱膨張率の小さい加熱ロールに設けることが望ましいが、加圧定着部材に設けることも可能である。
(H05)前記実施例において、排出ローラRh1や切替ゲートGT1も一体的に構成した定着ユニットU3を例示したが、これに限定されず、定着装置Fのみの定着ユニットU3とすることも可能である。
(H06)前記実施例において、熱膨張率の小さな定着部材を支持する保持部材41,42に対して、熱膨張率の大きな定着部材を支持する保持部材46,47が、熱膨張による変形時に逃げられるように、配置することが望ましいが、接触面積に差を持たせた上で逆にすることも可能である。
(H07)前記実施例において、接触圧解除レバーは、前記実施例の構成に限定されず、従来公知の任意の形状のものを採用可能である。例えば、被ガイド部を設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H08)前記実施例において、接触面積に差を持たせた(一方は接触させ、他方は接触させなかった)が、これに限定されず、両方とも同じ面積で接触させたり、両方とも接触させない構成を採用可能である。
(H09)前記実施例において、垂線61と線分62との関係は実施例に例示した関係にすることが望ましいが、線分62が垂線61を通過しない位置に接触圧解除位置を設定することも可能である。
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。 図2は実施例1の画像形成装置のカバーが開放された状態の説明図である。 図3は実施例1の着脱ユニットの説明図である。 図4は図3のIV−IV線断面図である。 図5は実施例1の定着ユニットの斜視説明図である。 図6は実施例1の前側定着ユニットカバーの説明図であり、図6Aは斜視図、図6Bは軸部分の要部拡大説明図である。 図7は実施例1の定着装置の斜視説明図である。 図8は定着装置の側面図であり、図8Aは図7の矢印VIIIA方向から見た図、図8Bは図7の矢印VIIIB方向から見た図である。 図9は図7の矢印IX方向から見た図である。 図10は実施例1の前側の接触圧解除部材の斜視説明図である。 図11は実施例1の前側の接触圧解除部材を前側定着ユニットカバーに装着する方法の説明図であり、図11Aは前側の接触圧解除部材が前側定着ユニットカバーから離隔した状態の説明図、図11Bは前側の接触圧解除部材を前側定着ユニットカバーの収容凹部に収容した状態の説明図、図11Cは図11Bに示す状態から前側の接触圧解除部材をスライドさせた状態の説明図、図11Dは図11Cに示す状態から前側の接触圧解除部材を回転させた状態の説明図である。 図12は接触圧作用位置において接触圧解除部材と解除部材被押圧部との位置関係を説明する説明図である。 図13は接触圧解除位置において接触圧解除部材と解除部材押圧部との位置関係を説明する説明図であり、図13Aは要部説明図、図13Bは図13Aの要部拡大説明図である。 図14は実施例2の定着装置の説明図であり、実施例1の図9に対応する図である。 図15は実施例3の定着装置の説明図であり、実施例1の図8に対応する図である。
符号の説明
41,42…第1の保持部材、
42b,47b…重複部、
46,47…第2の保持部材、
51,52…接触圧発生部材、
F…定着装置、
Fh…加熱定着部材、
Fh+Fp…定着部材、
Fp…加圧定着部材。

Claims (7)

  1. 加熱定着部材と、前記加熱定着部材に対向して配置された加圧定着部材とを有する定着部材と、
    前記加熱定着部材の両端部を支持する一対の第1の保持部材と、
    前記加圧定着部材の両端部を支持する一対の第2の保持部材と、
    前記第2の保持部材を押圧して、前記加圧定着部材を前記加熱定着部材に押し当てる接触圧を発生させる接触圧発生部材と、
    を有し、前記第1の保持部材と第2の保持部材とが前記定着部材が延びる方向に隣接して配置され且つ、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材とが軸方向に対して重複する重複面積が、一端側と他端側で異なることを特徴とする定着装置。
  2. 一端側の前記第1の保持部材の重複部と前記第2の保持部材の重複部とが重複し且つ、前記各重複部に対応する他端側で前記第1の保持部材と前記第2の保持部材とが重複しないことにより、一端側と他端側で前記重複面積が異なることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記重複面積が大きい側に配置され、前記定着部材を駆動する駆動部材、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記加熱定着部材および前記加圧定着部材の中で熱膨張率が大きな部材を保持する一方の保持部材を、他方の保持部材の外側に配置することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 一端側で前記第1の保持部材および前記第2の保持部材の中の外側に配置された一方の保持部材が、他端側で内側に配置されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記加熱定着部材および前記加圧定着部材の中で熱膨張率が小さな部材を保持する一方の保持部材側に配置され、前記定着部材を駆動する駆動部材、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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