JP4393159B2 - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱加圧定着装置を用いた画像形成装置に適用されるトナー及び画像形成方法に関する。
画像形成装置において、電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセス手段で記録材(転写材シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHP(オーバー・ヘッド・プロジェクタ)シート・印刷用紙・フォーマット紙など)に転写方式或いは直接方式にて形成・担持させた目的の画像情報の未定着画像(トナー画像)を被記録材面に永久固着画像として加熱定着させる定着装置としては、熱ローラ方式の装置が広く用いられていた。近時はクイックスタートや省エネルギーの観点からベルト加熱方式の装置が実用化されている。これらの方式の定着装置の装置構成及び利点・問題点は以下の通りである。
i)熱ローラ方式の定着装置
これは、定着ローラ(加熱ローラ)と加圧ローラとの圧接ローラ対を基本構成とし、該ローラ対を回転させ、該ローラ対の相互圧接部である定着ニップ部に、画像定着すべき未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して挟持搬送させて、定着ローラの熱と、定着ニップ部の加圧力にて未定着トナー画像を記録材面に熱圧定着させるものである。
定着ローラは、一般に、アルミニウムの中空金属ローラを基体(芯金)とし、その内空に熱源としてのハロゲンランプを挿入配設してあり、ハロゲンランプの発熱で加熱され、外周面が所定の定着温度に維持されるようにハロゲンランプへの通電が制御されて温調される。
特に、最大4層のトナー画像層を十分に加熱溶融させて混色させる能力を要求される、フルカラーの画像形成を行う画像形成装置の定着装置としては、定着ローラの芯金を高い熱容量を有するものにし、またその芯金外周にトナー画像を包み込んで均一に溶融するためのゴム弾性層を具備させ、そのゴム弾性層を介してトナー画像の加熱を行っている。また、加圧ローラ内にも熱源を具備させて加圧ローラも加熱・温調する構成にしたものもある。
しかし、熱ローラ方式の定着装置は画像形成装置の電源をオンにすると同時に定着装置の熱源であるハロゲンランプに通電を開始しても、定着ローラの熱容量が大きく、定着ローラ等が冷え切っている状態時から所定の定着可能温度に立ち上がるまでにはかなりの待ち時間(ウエイトタイム)を要し、クイックスタート性に欠ける。また画像形成装置のスタンバイ状態時(非画像出力時)も何時でも画像形成動作が実行できるようにハロゲンランプに通電して定着ローラを所定の温調状態に維持させておく必要があり、電力消費量が大きいといった問題があった。
また、上述のフルカラーの画像形成装置の定着装置のように特に熱容量の大きな定着ローラを用いるものにおいては、温調と定着ローラ表面の昇温とに遅延が発生するため、定着不良や光沢ムラやオフセット等の問題が発生していた。
ii)フィルム加熱方式の定着装置
フィルム加熱方式の定着装置は、例えば特許文献1〜4等に提案されている。
即ち、加熱体としての一般にセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム(定着フィルム)を挟ませてニップ部を形成させ、該ニップ部のフィルムと加圧ローラとの間に、画像定着すべき未定着トナー画像を形成担持させた被記録材を導入してフィルムと一緒に挟持搬送させることで、ニップ部においてセラミックヒータの熱をフィルムを介して被記録材に与え、またニップ部の加圧力にて未定着トナー画像を被記録材面に熱圧定着させるものである。
このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミックヒータ及びフィルムとして低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができ、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態にすればよく、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
しかしながら、大きな熱量が要求されるフルカラー画像形成装置や高速機種用の定着装置としては熱量的に難点がある。
一方、トナーに関しては特許文献5〜7等で樹脂の粘弾性に着目したトナーが開示されているが、フィルム加熱方式の定着装置に適応しつつ低温定着性と耐高温オフセット性を両立するにはいまだ改善を求められている。
このような定着時の耐高温オフセット性を向上させるために、一般にポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等の比較的離型性の高い材料を用いているが、このような低軟化点物質を多量に含有すると現像性に劣る場合が多い。
一般にカラートナーにおいては、離型剤を添加せずに加熱定着ローラ表面にシリコーンオイル等を塗布せしめることにより耐高温オフセット性の向上を図っている。しかしながら、このようにして得られた出力転写部材はその表面に余分なシリコーンオイル等が付着するためにユーザーに不快感を与えたり、高光沢により見にくいなどの問題が生じる。
これらを解決するため、特許文献8等において、重合法によりトナー内部に低軟化点物質を含有し、さらに樹脂の物性をコントロールすることにより低温定着性、耐高温オフセット性、画像光沢度、OHP透過性を満足するトナーと加熱定着装置の組み合わせが開示されている。
しかし、この加熱定着装置は熱ローラ方式となっており、寿命が長かったり、定着時の圧力がかけられるなどの長所を有する反面、上述したようにウエイトタイムが長かったり、消費電力が大きいなどの問題が存在した。
このように種々問題を解決するトナー及び加熱定着装置の組み合わせが存在しないのが現状である。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 特開平1−128071号公報 特開平4−353866号公報 特開平6−59504号公報 特開平10−282822号公報
本発明の目的は、上述のごとき従来技術の問題点を解決したトナー及び画像形成方法を提供することにある。
即ち、本発明の目的は、被加熱材加熱部を所定の温度に短時間に立ち上げ状態にでき(クイックスタート性)、トナー画像の広い温度範囲の定着性を十分に確保でき、急激な温度変化においても均一な光沢度(グロス)を達成することのできるトナー及び画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、多色トナーが十分混合して色再現性がよく、OHP画像の透明性に優れた画像を得ることができるフルカラー用のトナー及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の第一は、少なくとも、所定の位置に固定された加熱体と、該加熱体に対向圧接したJIS−Aでのゴム硬度10〜50°の弾性層を有する定着ベルトと、温度検知手段とを有し、該温度検知手段を定着ベルト内面に当接させて温度調節をしながら該定着ベルトを介して記録材を上記加熱体に密着させて該記録材上のトナー画像を該記録材に加熱定着させる加熱定着装置を備えた画像形成装置に適用されるトナーであり、第二は、少なくとも、所定の位置に固定された加熱体と、該加熱体に対向圧接したJIS−Aでのゴム硬度10〜50°の弾性層を有する定着ベルトと、温度検知手段とを有し、該温度検知手段を定着ベルト内面に当接させて温度調節をしながら該定着ベルトを介して記録材を上記加熱体に密着させて該記録材上のトナー画像を該記録材に加熱定着させる工程を有する画像形成方法である。
本発明の特徴は、上記本発明第一のトナー、及び第二の画像形成方法においてトナー画像を構成するトナーが、下記(a)〜(
(a)トナー中に低軟化点物質を0.5〜30質量%含有する、
(b)トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布における重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、該重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜20である、
(c)トナーのテトラヒドロフラン溶媒でのソックスレー抽出による不溶分が3〜30質量%である、
(d)トナーの温度50℃における貯蔵弾性率(G’50)とトナーの温度100℃における貯蔵弾性率(G’100)との比(G’50/G’100)が5,000〜70,000である、
(e)トナーの温度150℃における貯蔵弾性率(G’150)が1×103〜1×105(dN/m2)である、
(f)トナーのメルトインデックス(温度135℃、荷重2.2kg)の10分間での吐出量が1〜40gである、
(g)トナーの母粒子のメタノール濡れ性半値が13〜63%である、
(h)上記低軟化点物質は、GPCにより測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0〜1.5である、
(i)トナーの母粒子は、重合性モノマー、低軟化点物質及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、溶媒液中で重合する重合法によって製造された後、品温55乃至85℃で熱風後処理されたものである、
を満たすことにある。
本発明のトナー及び画像形成方法においては、下記の構成を好ましい態様として含む。
トナーの母粒子の100℃で2分間加熱した後での水との接触角が102〜130°である。
トナーのフロー式粒子像分析装置により測定されるトナー粒子の円相当径による粒度分布において、平均円形度が0.950〜1.0を満たす。
上記定着ベルトにはオイル塗布機構が具備されていない。
上記定着ベルトは少なくとも基層、弾性層、及び離型層を有し、基層の厚さが1〜200μm、弾性層の厚さが100〜500μmであり、離型層の厚さが1〜100μmである。
上記定着ベルトの弾性層のJIS−Aでのゴム硬度が20〜40°である。
上記定着ベルトの弾性層が熱伝導性物質として酸化亜鉛を含有する。
上記定着ベルトを記録材に対して面圧9×103〜5×105N/m2で押圧しながら定着スピード5〜300mm/秒でトナー画像を加熱加圧定着する。
上記加熱体がセラミックヒータである。特に、窒化アルミニウム製である。
上記温度検知手段は定着ベルトが記録材と接するニップ部中心から回転方向下流の位置に接して具備されており、かつ全定着ベルト長の10%の長さ以上50%の長さ以下下流の位置に具備されている。
本発明によれば、クイックスタート性及び省電力に優れた画像形成方法において、定着画像の光沢度を均一に保つことができ、心理的にユーザに安らぎを与え、オーバーヘッドプロジェクター用フィルム(OHP)画像の透過性に優れた高画質の画像を得ることができる。
本発明においては、トナーが下記(a)〜(
(a)トナー中に低軟化点物質を0.5〜30質量%含有する、
(b)トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布における重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、該重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜20である、
(c)トナーのテトラヒドロフラン溶媒でのソックスレー抽出による不溶分が3〜30質量%である、
(d)トナーの温度50℃における貯蔵弾性率(G’50)とトナーの温度100℃における貯蔵弾性率(G’100)との比(G’50/G’100)が5,000〜70,000である、
(e)トナーの温度150℃における貯蔵弾性率(G’150)が1×103〜1×105(dN/m2)である、
(f)トナーのメルトインデックス(温度135℃、荷重2.2kg)の10分間での吐出量が1〜40gである、
(g)トナーの母粒子のメタノール濡れ性半値が13〜63%である、
(h)上記低軟化点物質は、GPCにより測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0〜1.5である、
(i)トナーの母粒子は、重合性モノマー、低軟化点物質及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、溶媒液中で重合する重合法によって製造された後、品温55乃至85℃で熱風後処理されたものである、
を満たすことに特徴を有する。以下に各構成について説明する。
(a)本発明のトナーは、低軟化点物質を0.5〜30質量%含有する。
本発明のトナーに用いられる低軟化点物質としては、例えば、パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、これらの変性物(例えば、酸化物やグラフト処理物)、高級脂肪酸及びその金属塩、アミドワックス、ケトンワックス、及びエステル系ワックスなどが挙げられるが、カラートナーに使用する場合は結晶性が高いとOHPの透過性を妨げることから、アミドワックス、エステルワックスが好ましい。
低軟化点物質の配合量が0.5質量%より少ないとオフセット防止効果が低下しやすく、30質量%を超える場合、耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響を与えやすく、ドラム融着やスリーブ融着を起こしやすく、特に重合トナー製法の場合には粒度分布の広いトナーが生成する傾向にある。
また、本発明に用いられる低軟化点物質はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0〜1.5であることが好ましい。低軟化点物質のMw/Mnの値が1.0に近いほど分子量分布がシャープであることを表す。具体的には定着時に熱がかかったときに良好な溶融特性を示し、トナー表面への染み出しが早く、良好な定着特性を示す。このことにより、上述してきたトナー表面の物質のコントロールと合わせることで相乗効果が得られる。またMw/Mnが1.5より大きいと低軟化点物質のトナー表面への染み出しが遅くなり、定着特性が悪くなる。
低軟化点物質の分子量はGPCにより次の条件で測定される。
〔GPC測定条件〕
装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出に当たっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
(b)本発明のトナーは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPCにより測定される分子量分布における重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、該重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜20である。
ここで、トナーのTHF可溶分の分子量分布の測定方法を以下に示す。
〔THF可溶分の分子量分布の測定方法〕
結着樹脂をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(樹脂の合一体がなくなるまで)、さらに12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、「マイショリディスクH−25−5」東ソー社製、「エキクロディスク25CR」ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。樹脂濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
結着樹脂のTHF可溶成分のGPCによる分子量分布は、以下の方法で測定される。40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリエステル試料としては、例えば、東ソー社製或いは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL)TSKguardcolumnの組み合わせが、挙げられる。
特に、カラム構成は、昭和電工社製A−801、802、803、804、805、806及び807を連結したものが好ましい。
(c)本発明においてはトナーのTHF溶媒でのソックスレー抽出による不溶分(以下、「THF不溶分」と記す)が3〜30質量%であると低温定着性、OHP透過性を維持しつつ光沢度均一性を達成することができる。
ここでTHF不溶分の測定方法を以下に示す。
〔THF不溶分の測定〕
THF不溶分とは、トナー中の樹脂組成物中のTHF溶媒に対して不溶性となった超高分子ポリマー成分(実質的に架橋ポリマー)の質量割合を示す。THF不溶分とは、以下のように測定された値をもって定義する。
トナーサンプル0.5〜1.0gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200mlを用いて6時間抽出し、THF溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー中の顔料の如きTHFに不溶な成分の質量を(W3g)とする。THF不溶分は、下記式から求められる。
Figure 0004393159
トナーのTHF不溶分が3質量%未満であると、定着速度が低速な場合や両面定着時、トナー溶融粘度が低くなりすぎ、光沢度変化が大きくなったり、高温オフセットが生じやすくなる。一方、トナーのTHF不溶分が30質量%を超えると、熱を十分に加えてもトナー溶融が不完全となり、混色性やOHP透過性が劣ることになる。
(d)本発明においては、トナーの温度50℃における貯蔵弾性率(G’50)とトナーの温度100℃における貯蔵弾性率(G’100)との比(G’50/G’100)が5,000〜70,000であることにより、良好な低温定着性が得られる。ここで、貯蔵弾性率(粘弾性特性)の測定方法を以下に示す。
〔トナーの粘弾性特性の測定〕
粘弾性測定装置(レオメーター)「RDA−II型」(レオメトリックス社製)を用いて測定を行う。
測定治具:弾性率が高い場合には直径7.9mm、弾性率が低い場合には直径25mmのパラレルプレートを使用する。
測定試料:トナーを加熱・溶融後に直径約8mm,高さ1.5〜5mmの円柱状試料、または直径約25mm,高さ1.5〜3mmの円板状試料に成型して使用する。
測定周波数:6.28ラジアン/秒
測定歪の設定:初期値を0.1%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
試料の伸長補正:自動測定モードにて調整。
測定温度:5℃より160℃まで毎分2℃の割合で昇温する。
G’50/G’100の値は、熱が加わった時のトナーの溶融特性を示し、値が大きいほどシャープメルトであると言える。
本発明において、G’50/G’100の値が5,000未満であるとトナー溶融が遅いため、定着器のプロセススピードが速い場合には特に定着不良を起こしやすい。G’50/G’100の値が70,000を超えるとトナー溶融が速いため、両面印字時等において光沢度変化やオフセットを起こしやすい。
(e)本発明のトナーは、温度150℃における貯蔵弾性率(G’150)が1×103〜1×105(dN/m2)であることが、光沢度安定性や耐高温オフセット性の観点で好ましい。G’150の値が1×103より小さいと、先端と後端での光沢度変化や両面印字時の表裏での光沢度変化が大きく安定した画像が得られない。また、G’150の値が1×105より大きいと定着装置の温度が変化したり、プロセススピードを変化させたりした場合においても光沢度変化が少ないが、トナーが十分に溶けきれずOHP透過性に満足がいかなかったり、高グロスを出力するモードに対応しにくい。
さらに、本発明者らは本発明のトナーをプリンタまたはカラープリンタに用いる場合、文字やグラフ、カラー画像の光沢が高すぎると、心理的にむしろ悪い画質となることに鑑みて、心理的にユーザに安らぎを与え、多数枚見ても疲労を覚えず、光沢度の安定した画像またはフルカラー画像を得ることができるトナーを提供するには、上述の様な粘弾性特性の規定に加えて、トナーのメルトインデックスを特定の範囲にすることが望ましいことを見いだした。
これは、様々な機能物質の複合体であるトナーの挙動を、材料物質の物性や添加量だけで判断することは困難であることと、結着樹脂のゲル分(不溶分)、非ゲル分(可溶分)、そして離型剤の複合体として評価できることに鑑みている。
即ち本発明において、トナーのメルトインデックス(MI;温度135℃,荷重2.2kg)の10分間での吐出量を1〜40(g/10分)にすることで、低温定着性を損なうことなく、多数枚見ても疲労を覚えない低光沢度の安定した画像を得ることができる。トナーのMI値が1未満となると、定着画像は低光沢度になるが、低温定着性やOHP透過性に劣る。トナーのMI値が40を超えると、光沢度が高すぎ心理的にむしろ悪い画質となる。
ここでトナーのMI値の測定方法を以下に示す。
〔メルトインデックスの測定〕
メルトインデックスとは、任意の温度、荷重における10分間での吐出量を示す。本発明においては以下の条件で測定した値とする。これは基本的に「JlS規格K−7210」に準拠している。
測定装置として「セミオートマチック 2−A メルトインデックス」(Toyo Seiki Co.Ltd)を使用する。空洞内径2.095mmのオリフィスを入れ、予め125℃に温調しておき、ここにトナーサンプル3〜8gを秤量して投入する。この時、気泡が入らないように注意しながら金属製ピストンをセットし、5分以上温度を保つ。その後、ピストンとおもりの合計が5kgとなるような荷重を一定にかけながら測定を行う。測定は任意の時間で行い、10分間の吐出量に換算しても良い。
本発明においては、トナー母粒子のメタノール濡れ性半値が13〜50%であることが好ましい。該メタノール濡れ性半値が13%未満の場合には、トナー表面の低軟化点物質の存在量が低く、低温定着性に満足行くものではない。また、50%を超える場合には、トナー表面の低軟化点物質の存在量が多く低温定着性は良好となるが、定着温度が高温になった場合には樹脂と低軟化点物質のなきわかれが発生し十分な耐ホットオフセット性を発揮できなくなり、好ましくない。
ここで、トナー母粒子とは、微粒子の外添処理を行う前の着色粒子を意味する。また、メタノール濡れ性半値とは、メタノール疎水化度測定時に利用されるメタノール滴定で透過率を測定し、試料が全て沈んだ点、即ち透過率が最小となる点(メタノール疎水化度は、この点を終点とし、メタノールの使用体積%で表わす)の透過率と試料添加前の透過率の中間の透過率に達した時点におけるメタノール使用体積%をもって定義する。
本発明においてメタノール濡れ性半値は以下のようにして求められる。
〔メタノール濡れ性半値の測定〕
200cm3ビーカーにイオン交換水60cm3量り取る。試料0.0100gをメタノール水溶液に入れ粉体濡れ性試験機「WET−100P」(株式会社レスカ製)を用いて透過率の測定を行なう。透過率測定には、出力3mW、波長780nmの半導体レーザを用いた。測定条件としては、スターラ回転速度:5sec-1、メタノール流量:0.8cm3/minにて行なう。試料添加前の透過率をI0(100%)、測定時の透過率をI(%)、測定される最低の透過率をImin(%)とした時、メタノール濡れ性半値は透過率Iが
I=100−{(I0−Imin)/2}(%)
となる時のメタノール使用体積%をもって表わす。
Figure 0004393159
ここで透過率Iminの時のメタノール使用体積%がメタノール疎水化度と同等の意味を持つものであり、この点をメタノール濡れ性終点と定義する。
Figure 0004393159
本発明においては、トナー母粒子を100℃で2分間加熱した後の水との接触角が102〜130°であることが好ましい。該接触角が102°未満の場合には、トナー表面の低軟化点物質の存在量が低く、低温定着性に満足行くものではないものであり、130°を超えるとトナー表面の低軟化点物質の存在量が多く低温定着性は良好となるが、温度が高温になった場合には樹脂と低軟化点物質のなきわかれが発生し十分な耐ホットオフセット性を発揮できず、好ましくない。尚、ここで、トナー母粒子とは、先のメタノール濡れ性半値で説明したトナー母粒子を意味する。当該接触角は、以下の方法により測定される。
〔接触角の測定〕
測定装置:FACE接触角測定装置(協和界面化学社製)
測定温度:23〜25℃
測定湿度:相対湿度40〜60%
試料調製:約10gのトナーを1.96×107Paの圧力で2分間圧縮成型して、直径25mm、厚さ約3mmの円盤状の試料を作製する。その際、測定面表面が均一となるようにアルミリングを2枚のOHPシート(キヤノン社製白黒複写機用シート、例えばCanon U.S.A.販売のTYPE−D等)で挟むようにサンプルを作成すると良い。このサンプルをあらかじめ100℃に温調したオーブンに2分間投入する。取り出し冷却後測定を行う。尚、測定にはイオン交換水または市販の精製水を使用し、各試料について10回接触角を測定して上下1データつカットし残り8データの平均値をもってトナーの接触角とする。
本発明において、トナーのフロー式粒子像分析装置によって測定される円相当径による粒度分布において、平均円形度が0.950〜1.0であることが好ましい。平均円形度が0.950〜1.0であると、ビジネスユースで好まれる低光沢度画像(即ち、トナーを完全溶解させずに定着させる)においても、印字面表面が均一な碁石状になっており、乱反射を最小限にすることができる。また、トランスペアレンシー画像の透過光においても透過性の向上、色相角変化の最小化を可能とする。
一方、平均円形度が0.950未満の場合、トナー形状が残った表面の粗さゆえ、乱反射による透過率の低下や色相角の変化が生ずることになる。また、不定形トナーゆえに、定着ローラー通過前の未定着状態での充填性が低く、低光沢度を達成する様な定着構成では、内部に気泡が残りOHP透過性を落とすことになる。黒トナーにおいても充填性が低いことから、オフセットが起こりやすい。
ここで、フロー式粒子像測定装置とは、粒子撮像の画像解析を統計的に行う装置であり、平均円形度は該装置を用い次式によって求められた円形度の相加平均によって算出される。また、円相当径とは、測定された粒子の2次元画像の面積と同面積を有する円の直径である。
円形度=相当円の周囲長/粒子投影像の周囲長
上式において、粒子投影像の周囲長とは、二値化された粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さであり、相当円の周囲長とは、二値化された粒子像と同じ面積を有する円の外周の長さである。
〔粒度分布の測定〕
フロー式粒子像測定装置として「FPIA−1000」(東亜医用電子社製)を用いる。
測定方法としては、イオン交換水に界面活性剤(好ましくは和光純薬製「コンタミノン」)を0.1〜0.5質量%加えて調製した溶液10ml(20℃)に、測定試料を0.02g加えて均一に分散させて試料分散液を調製した。
分散させる手段としては、エスエムテー社製の超音波分散機「UM−50」(振動子は5φのチタン合金チップ)を用い、分散時間は5分とし、その際、分散媒の温度が40℃以上にならないように冷却した。
測定は0.60〜400μmの範囲を226チャンネルに分割し、実際の測定では円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
本発明のトナーは、上記した低軟化点物質以外に、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含むものである。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂が使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂があげられる。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;の如きビニル系単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていても良く、さらに架橋されている樹脂と架橋されていない樹脂との混合樹脂でも良い。
結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよい。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;例えば、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
架橋剤の添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.001〜10質量部が好ましい。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、黒色着色剤としてカーボンブラック、及び以下に示すイエロー/マゼンタ/シアンの各着色剤、及び該イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー3、7、10、12〜15、17、23、24、60、62、74、75、83、93〜95、99、100、101、104、108〜111、117、123、128、129、138、139、147、148、150、166、168、169、177、179、180、181、183、185、191、192、170、199等が好適に用いられる。また、染料としてC.I.ソルベントイエロー33、56、79、82、93、112、162、163、C.I.ディスパースイエロー42、64、201、211等が挙げられる。また、必要に応じてイエロー顔料、染料を単独で使用しても、もしくは顔料と染料と併用しても良い。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254やC.I.ピグメントバイオレット19等が特に好ましい。また、必要に応じてマゼンタ顔料、染料を単独で使用しても、もしくは顔料と染料と併用しても良い。
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。また、必要に応じてシアン顔料、染料を単独で使用しても、もしくは顔料と染料と併用しても良い。
これらの着色剤は、単独または混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
本発明のトナーは、さらに荷電制御剤を含有しても良い。
トナーを負荷電性に制御するものとしては、例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、ノンメタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。また、上記荷電制御化合物をペンダントした樹脂をトナー中に内添させても良い。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。また、上記荷電制御化合物をペンダントした樹脂をトナー中に内添させても良い。
これらの荷電制御剤は、樹脂成分100質量部に対して、0.01〜20質量部(より好ましくは0.5〜10質量部)使用するのが良い。
本発明のトナーを製造する方法としては例えば、粉砕法により製造されたトナー粒子を機械的または熱的に球形化処理してトナーを製造する方法、及び重合法により直接トナーを製造する方法が挙げられる。
本発明において、粉砕トナーの製造方法は結着樹脂、低軟化点物質、着色剤、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、得られた混合物を加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を互いに相溶せしめた中に低軟化点物質、着色剤を分散または溶解せしめ;得られた混練物を冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。
さらに必要に応じてトナーと所望の添加剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、本発明に用いられるトナーを得ることができる。
本発明において、重合トナーの製造方法は、ディスクまたは多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法、懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合法または水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法、及び、予め一次極性乳化重合粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いトナーを製造することが可能である。
しかしながら、分散重合法においては、得られるトナーは極めてシャープな粒度分布を示すが、使用する材料の選択が狭いことや有機溶剤の利用が廃溶剤の処理や溶剤の引火性に関する観点から製造装置が複雑で煩雑化しやすい。ソープフリー重合に代表される乳化重合法は、トナーの粒度分布が比較的揃うため有効であるが、使用した乳化剤や開始剤末端がトナー粒子表面に存在した時に環境特性を悪化させやすい。
従って、本発明においては比較的容易に粒度分布がシャープな微粒子トナーが得られる常圧下での、または、加圧下での懸濁重合法が特に好ましい。一旦得られた重合粒子にさらに単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめる所謂シード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
本発明のトナー製造方法に直接重合方法を用いる場合においては、重合性モノマー、低軟化点物質及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、溶媒液中で重合する。具体的な製造方法を以下に示す。
単量体中に低軟化点物質、着色剤、重合開始剤、必要に応じて荷電制御剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解または分散せしめた重合性モノマー組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー、ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、さらに、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、または、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
本発明に用いられるより好ましいトナーは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面測定法で、低軟化点物質が外殻樹脂層で内包化された直接重合法を用いて製造されたものである。定着性の観点から多量の低軟化点物質をトナーに含有せしめる必要性から、必然的な低軟化点物質を外殻樹脂中に内包化せしめる必要がある。内包化せしめない場合のトナーは、粉砕工程において特殊な凍結粉砕を利用しないと十分な微粉砕化ができず結果的に粒度分布の広いものしか得られず、装置へのトナー融着も発生し甚だ好ましくない。また冷凍粉砕においては、装置への結露防止策のため装置が煩雑化したり、仮にトナーが吸湿した場合においてはトナーの作業性低下を招き、さらに乾燥工程を追加することも必要となり問題となる。該低軟化点物質を内包化せしめる具体的な方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、さらに少量の極性の大きな樹脂または単量体を添加せしめることで低軟化点物質を外殻樹脂で被覆した所謂コア−シェル構造を有するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用を有する分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件例えばローターの周速・パス回数・撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状または、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所定の本発明のトナーを得ることができる。
本発明においてトナーの断層面を測定する具体的な方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)を用いトナーの断層形態を測定した。本発明においては、用いる該低軟化点物質と外殻を構成する樹脂との若干の結晶化度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるため四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。
重合法によりトナーを製造する場合に用いられるラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン系重合性単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトン類などのビニル系重合性単量体等が挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等を挙げることができる。
前記単官能性重合性単量体を単独或いは2種以上組み合わせて、また、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用することができる。また、前記多官能性重合性単量体を架橋剤として使用することも可能である。
本発明において、トナーにコア−シェル構造を形成せしめるためには、極性樹脂を併用することが好ましい。本発明に使用できる極性重合体及び極性共重合体の如き極性樹脂を以下に例示する。
極性樹脂としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如き含窒素単量体の重合体もしくは含窒素単量体とスチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;アクリロニトリルの如きニトリル系単量体;塩化ビニルの如き含ハロゲン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸の如き不飽和カルボン酸;不飽和二塩基酸;不飽和二塩基酸無水物;ニトロ系単量体の重合体もしくはそれとスチレン系単量体との共重合体;ポリエステル;エポキシ樹脂;が挙げられる。より好ましいものとして、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、飽和または不飽和のポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,2−ビス(4,4−tert−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(tert−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系開始剤や、過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素などが使用される。
重合開始剤は重合性単量体100質量部当り0.5〜20質量部の添加量が好ましく、単独で、または併用しても良い。
また、本発明では分子量をコントロールするために、公知の架橋剤、連鎖移動剤を添加しても良く、好ましい添加量としては0.001〜15質量部である。
本発明において、乳化重合、分散重合、懸濁重合、シード重合、ヘテロ凝集法を用いる重合法等によって、重合法トナーを製造する際に用いられる分散媒には、いずれか適当な安定剤を使用する。例えば、無機化合物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシドやノニオン系或いはイオン系界面活性剤などが使用される。
また、乳化重合法及びヘテロ凝集法を用いる場合には、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤及びノニオン系界面活性剤が使用される。これらの安定剤は重合性単量体100質量部に対して0.2〜30質量部を使用することが好ましい。
これら安定化剤の中で、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成させても良い。
また、これら安定化剤の微細な分散のために、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散安定化剤の所期の作用を促進するためのものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明のトナーは、通常一成分及び二成分系現像剤用として使用できる。一成分系現像剤として、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレードまたはローラを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
次に本発明のトナー及び画像形成方法を適用する好ましい画像形成装置を示す。
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置の一例の電子写真プリンタの概略構成図である。図中、1は有機感光体やアモルファスシリコン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢印の方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。感光体ドラム1は、その回転過程で帯電ローラ等の帯電装置2で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レーザスキャナー)8から出力されるレーザ光3による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学箱8は、不図示の画像読み取り装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光3を出力して、回転する感光体ドラム1面に走査露光した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。
次いでその静電潜像に対して、適切な現像電位差を与えられた現像装置4によって、静電潜像を感光体ドラム1上にトナー画像として顕像化する。該トナー画像は、感光体ドラム1と転写ローラ6との接触ニップ部である転写部において、不図示の給紙部から所定のタイミングで送り込まれた記録材Pの面に転写されていく。転写ローラ6は、記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで感光体ドラム1面側から記録材P側へトナー画像を転写する。
転写部を通過した記録材Pは、感光体ドラム1の面から分離されて加熱定着装置5へ導入され、未定着トナー画像の加熱定着処理を受けて画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出される。加熱定着装置5については後述する。
記録材Pに対するトナー画像転写後の感光体ドラム1は、クリーナ7により転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
本装置は、カートリッジに充填するトナーにモノカラートナーを用いることで、黒以外のモノカラー画像のプリントモードも実行できる。また両面画像プリントモード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。両面画像プリントモードの場合は、加熱定着装置5を出た1面目画像プリント済みの記録材Pは、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び転写部へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再度、加熱定着装置5に導入されて2面に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面画像プリントが出力される。
多重画像プリントモードの場合は、加熱定着装置5を出た1回目画像プリント済みの記録材Pは不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び転写部へ送り込まれて1回目画像プリント済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、加熱定着装置5に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を受けることで多重画像プリントが出力される。
一方、図2は他の画像形成装置の例である電子写真フルカラープリンタの概略構成図である。
11は有機感光体やアモルファスシリコン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢示の方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。感光体ドラム11は、その回転過程で帯電ローラ等の帯電装置12で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。
次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レーザスキャナー)20から出力されるレーザ光13による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学箱20は、不図示の画像読み取り装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光13を出力して、回転感光体ドラム11面に走査露光した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。19は、レーザ光学箱20からの出力レーザ光を感光体ドラム11の露光位置に偏向させるミラーである。
フルカラー画像形成の場合は、目的のフルカラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜像が4色カラー現像装置14のうちのイエロー現像器14Yの作動でトナー画像として現像される。そのトナー画像は、感光体ドラム11と中間転写体ドラム15との接触部(或いは近接部)である一次転写部T1において中間転写体ドラム15の面に転写される。中間転写体ドラム15面に対するトナー画像転写後の回転感光体ドラム11面は、クリーナ17により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
上記のような帯電・走査露光・現像・一次転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器14Mが作動)、第3の色分解成分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器14Cが作動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現像器14BKが作動)の各色分解成分画像について順次実行され、中間転写体ドラム15面にイエロートナー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒トナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像が合成・形成される。
中間転写体ドラム15は、金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光体ドラム11に接触して或いは近接して感光体ドラム11と同じ周速度で矢印の方向に回転駆動され、中間転写体ドラム15の金属ドラムにバイアス電位を与えて感光体ドラム11との電位差で、感光体ドラム11側のトナー画像を前記中間転写体ドラム15面側に転写させる。
上記の回転中間転写体ドラム15面に合成・形成されたカラートナー画像は、前記回転中間転写体ドラム15と転写ローラ16との接触ニップ部である二次転写部T2において、前記二次転写部T2に不図示の給紙部から所定のタイミングで送り込まれた記録材Pの面に転写されていく。転写ローラ16は、記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで、中間転写体ドラム15面側から記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
二次転写部T2を通過した記録材Pは、中間転写体ドラム15の面から分離されて加熱定着装置21へ導入され、未定着トナー画像の加熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出される。加熱定着装置21については後述する。
記録材Pに対するカラートナー画像転写後の回転中間転写体ドラム15は、クリーナ18により転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。このクリーナ18は、常時は中間転写体ドラム15に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム15から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム15に接触状態に保持される。
また転写ローラ16も、常時は中間転写体ドラム15に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム15から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム15に記録材Pを介して接触状態に保持される。
本例装置は、白黒画像などモノカラー画像のプリントモードも実行できる。また両面画像プリントモード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。両面画像プリントモードの場合は、定着装置100を出た1面目画像プリント済みの記録材Pは、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再度、定着装置21に導入されて2面に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面画像プリントが出力される。
多重画像プリントモードの場合は、定着装置21を出た1回目画像プリント済みの記録材Pは、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、定着装置21に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を受けることで多重画像プリントが出力される。
本発明の画像形成方法において、記録材上のトナー乗り量(坪量;M/S)は、黒トナーの他、マゼンタ、シアン、イエローのような単色モノカラーの場合0.80dg/m2以下が好ましく、0.7dg/m2以下がより好ましく、0.6dg/m2以下が特に好ましい。0.80dg/m2を超える場合には、本発明で謳っている効果が明確に発現されにくい。
次に、加熱定着装置について説明する。
(2)加熱定着装置
本発明においては、加熱定着装置として、所定の位置に固定された加熱体と、該加熱体に対向圧接したJIS−Aでのゴム硬度10〜50°の弾性層を有する定着ベルトと、温度検知手段とを有し、該温度検知手段を定着ベルト内面に当接させて温度調節をしながら該定着ベルトを介して記録材を上記加熱体に密着させて該記録材上のトナー画像を該記録材に加熱定着させる加熱定着装置を用いる。
図3に本発明で用いられる加熱定着装置の一例の正面図を、図4にその縦断面図を、図6にその横断面図をそれぞれ示す。図3、図4において、加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金30aと、該芯金30a周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、芯金30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回転自由に軸受け保持させて配設してある。
加圧用剛性ステイ32の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材39a、39bとの間にそれぞれ加圧バネ35a、35bを縮設することで、加圧用剛性ステイ32に押し下げ力を作用させている。これにより、ベルトガイド部材31aの下面と加圧ローラ30の上面とが定着ベルト34を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
加圧ローラ30は不図示の駆動手段により回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動による前記加圧ローラ30と定着ベルト34の外面との摩擦力で定着ベルト34に回転力が作用し、該定着ベルト34が、その内面が図6に示す定着ニップNにおいて良熱伝導部材40の下面に密着して摺動しながら、加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってベルトガイド部材31a、31bの外回りを回転する。
本発明では低軟化物質を含有させたトナーを使用するため、加熱定着装置にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設ける必要がない。
本発明の特徴の一つである加熱定着装置の構成についてさらに具体的に説明する。
(A)加熱体
本発明においては、加熱体としてセラミックヒータが好ましく用いられ、さらに好ましくは窒化アルミニウム製のセラミックヒータである。
(B)定着ベルト
図5は本発明において用いられる定着ベルト(図3、図4、図6の34)の層構成模式図である。かかる定着ベルトは、JIS−Aゴム硬度が10〜50°の弾性層を少なくとも備えており、好ましくは、図5に示すように、基層51と、弾性層52と、離型層53を備えている。基層51は金属ベルト等で構成され、発熱層となる。尚、基層51と弾性層52との間の接着、弾性層52と離型層53との間の接着のため、各層間にプライマー層(不図示)を設けてもよい。定着ベルトは略円筒形状であり、内面側に基層51が配置され、離型層53が外面側である。基層51にセラミックヒータから発生した熱が伝わり、その熱が弾性層52次いで離型層53を介して定着ベルト全体を加熱し、定着ニップ部Nに通紙される被加熱材としての記録材Pを加熱して該記録材上に形成されているトナー画像の加熱定着がなされる。
基層51は、非磁性の金属でも良いが、より好ましくはSUS合金、ニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバルト−ニッケル合金等の金属が良い。また、その厚みは好ましくは1〜200μmがよい。基層51の厚みが1μmよりも小さいと剛性が低く、多数枚耐久に耐えることが困難となる。また、基層が200μmを超えると剛性が高くなりすぎ、また屈曲性が悪くなり回転体として使用するには現実的ではない。
弾性層52の硬度は、硬度が高すぎると記録材或いはトナー層の凹凸に追従しきれず、画像光沢ムラが発生してしまう。逆に硬度が低すぎるとOHT透過性が悪化し、さらに定着器の耐久性も著しく劣ることになる。そこで、弾性層52の硬度としては、JIS−Aで10°乃至50°が好ましい。
弾性層52は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質である。また、該弾性層52は熱伝導性物質として酸化亜鉛を含有していても良い。添加量としては20乃至60体積%の範囲になることが好ましい。
該弾性層52の厚さは、画像を印刷する場合に記録材の凹凸或いはトナー層の凹凸に加熱面(離型層53)が追従できないとによる光沢ムラを予防するために、100〜500μmが好ましい。弾性層52の厚さが100μm未満では、弾性部材としての機能が発揮されず、定着時の圧力分布が不均一となることによって、特にフルカラー画像定着時に二次色の未定着トナーを十分に加熱定着することができずに定着画像のグロスにおいてムラを生じるだけでなく、溶融不十分なことによってトナーの混色性が悪化し、高精細なフルカラー画像が得られず好ましくない。また、弾性層52の厚さが500μmを超えると、定着時の熱伝導性が阻害され、定着面での熱追従性が悪化することにより、クイックスタート性が犠牲になるだけでなく、定着ムラを生じやすくなるため好ましくない。
離型層53はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することができる。離型層53の厚さは1〜100μmが好ましい。離型層53の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足するといった問題が発生する。また、離型層が100μmを超えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層52の効果がなくなってしまう。
本発明では、先述の低軟化点物質を含有したトナーの適用によって、トナー自身にも離型性があり、耐久性が向上する。
(C)ニップ
本発明の画像形成方法に用いられる加熱定着装置における定着ベルトと加圧部材からなる定着ニップ部Nは、良好な定着性を確保するために、幅5.0〜15.0mmのニップを形成しているとが好ましい。定着ニップ部Nの幅が5.0mm未満では、フルカラー画像形成時、トナーを定着するための熱量を十分に未定着トナーに与えることができなくなり、トナーを溶融混色できず、不自然なカラー画像となるため好ましくない。
また、定着ニップ部Nの幅が15.0mmを超えると、トナーを定着するための熱量は十分に与えることができるものの、定着時のホットオフセットが発生し易くなり、また、定着ニップ部Nの両端部(定着ベルト34の上流側端部及び下流側端部)において曲率変化が大きくなりすぎ、定着ベルト34の耐久性が著しく悪化するため好ましくない。
(D)面圧
定着装置におけるニップ部の圧力(面圧)は、記録材を介した状態で、面圧9×103〜5×105N/m2の範囲が好ましく、面圧3×104〜3.5×105N/m2の範囲がより好ましい。面圧が9×103N/m2未満であると、記録材の搬送ブレを発生しやすく、さらに定着圧力不足による定着不良が起こるので好ましくない。また、面圧が5×105N/m2を超える場合、定着ベルト34の耐久劣化が著しく悪化するため好ましくない。
ここでの面圧は、転写材に加えられる圧力と、当接されている長さLR(図3参照)から、次式で算定する。
Figure 0004393159
転写材に加えられる圧力の調節は、図4におけるバネ35a、35bのバネ圧により行うことができる。即ち、35a、35bに使用するバネのバネ定数を任意に変更することによって、面圧を制御する。また、バネ止め位置39a、39bと加圧ローラ30の距離を制御することによって、面圧を制御することも可能である。
(E)定着ベルトの周長、及び、定着スピード
本例においては、基層51を備えた定着ベルト34の周長及び定着ベルト34が一回転するのに要する時間を以下のように設定することによって、安定した定着性を確保したまま、クイックスタートを実現し、かつ消費電力を小さくしている。
定着ベルト34の基層51は薄いために熱容量が小さく、また、金属のために熱伝導率が良いため放熱性がよい。そのため、定着ベルト34の周長が200mmを超える場合、定着ベルト34が一回転する間の温度低下が大きすぎて、クイックスタートができなくなる。また、周長の増加に伴う加熱面積の増加により、消費電力が大きくなってしまう。このため、定着ベルト34の周長は200mm以下が望ましい。一方、定着ベルト34の周長が70mm未満の場合、定着ニップ部Nの両端部(定着ベルト34の上流側端部及び下流側端部)において曲率変化が大きくなりすぎ、定着ベルト34の耐久性が著しく悪化する。このため、定着ベルトの周長は70mm以上が望ましい。
また、定着ベルト34の回転移動速度(定着速度)は、5〜300mm/secが実用性と定着性を両立して確保する上で好ましく、50〜280mm/secがより好ましい。定着ベルト34の回転移動速度(定着速度)が5mm/sec未満では、例えオンデマンド定着を実現しても出力の時間がかかり実用的でない。また、300mm/secを超えると、定着ベルト34を安定して回転させることができず、定着ベルト34を破損してしまう。このため、定着ベルト34の回転移動速度Vとしてのプロセススピードは300mm/sec以下が望ましい。
(F)温度検知手段
本例においては図6におけるセラミックヒータ61の定着ベルトとの非当接面側には温度検出手段であるサーミスタ62aが当接されており、該サーミスタ62aによりセラミックヒータ61の温度を検知して温度制御が行われる。
さらに、定着ベルトニップNから回転方向下流の定着ベルト内側に別のサーミスタ62bが接触具備されている。これはサーミスタ62bが定着ベルトから離れた位置に存在するため、温度の応答性が悪い事から具備されている。サーミスタを定着ベルト外側に具備した場合、定着し切れなかったトナーが付着して応答性を損ねたり、ベルト表面を傷つけ画像ムラが生じるため好ましくない。サーミスタ62bの位置は温度の応答性の観点から定着ニップ中心位置から回転方向全定着ベルト長の10%の長さ以上50%の長さ以下の範囲の下流の位置に具備されることが好ましい。ニップから10%の長さ未満の位置であるとセラミックヒータやガイドに干渉するようになり設計上難しい。50%を超えると温度の応答性が悪く定着温度の変動幅が大きくなってしまう。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
〔実施例1〕
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水910質量部と0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450質量部を添加し、回転数を12000rpmに調整し、55℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む分散媒系を調製した。
一方、分散質系は、
・スチレン単量体 160質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート単量体 40質量部
・ピグメントブルー15:3 20質量部
・飽和ポリエステル樹脂 10質量部
(ビスフェノールAとテレフタル酸との重縮合物、酸価=12、ガラス転移点=60℃)
・ジアルキルサリチル酸金属化合物 2質量部
(E−84:オリエント化学社製)
・エチレングリコールジアクリレート 0.4質量部
・ジビニルベンゼン 0.05質量部
・低軟化点物質 30質量部
(ポリアミドワックス、Mw=900、Mn=700、Mw/Mn=1.2)
上記混合物をアトライターを用い3時間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部を添加した分散物を、上記分散媒中に投入し回転数を維持しつつ12分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を代え内温を65℃に昇温させ50rpmで重合を3時間継続させた後、1時間かけて85℃に昇温し、その後6時間重合を継続した。
重合終了後スラリーをジャケット温度を5℃以下として急速冷却し、希塩酸を添加し分散剤を溶解させて濾過、水洗、乾燥をして着色粒子を得、その後熱風を対流させるタイプの処理装置(フラッシュジェットドライヤー:セイシン企業社製)を用い品温55乃至65℃として後処理を行いシアン粒子(1)を得た。得られたシアン粒子(1)をフロー式粒子像測定装置を用いて円形度分布及び粒度分布を測定したところ、平均円形度は0.979であった。
得られたシアン粒子(1)100質量部に対し、疎水化処理を行ったチタニア微粉末を1.0質量部、及び同じく疎水化処理を行ったシリカ微粉末を1.0質量部加え、三井鉱山社製ヘンシェルミキサーを用いて均一拡散しシアントナー(1)を得た。物性を表1に示す。
得られたシアントナー(1)を以下に示す方法にて評価した。
〔評価方法〕
図1に示す画像形成装置を用い、4の現像器にシアントナー(1)を充填し、下記の条件で評価を行った。
シアントナー(1)を用いて、坪量が75または80g/m2の記録紙先端部に、トナー担持量が0.5〜0.6dg/m2である帯状のトナー未定着画像を形成し、以下に示す定着装置を用いて、プロセススピード130mm/秒にて定着試験を行った。定着評価結果を表3に示す。
未定着画像の作成及び定着性の試験は、特に記述がない場合は常温常湿下(23℃/60%)で行う。
定着装置は図3、図4に示した構成を有し、オイル塗布機構は省略した。加熱体には窒化アルミを用いた。定着ベルトの構成は図5に示す層構造であり、基層51には厚さ30μmのSUS層を、弾性層52には、厚さ300μmのシリコーンゴム(硬度40°:Asker−C 500g)を、離型層3としてはパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)樹脂をコートし、厚さ50μmとした。
加圧ローラ30としては、Fe製の芯金30aに対しシリコーンゴム及びPFA樹脂を被覆させたローラ硬度60°(Asker−C 500g)のローラを用いた。
加圧力としては、加圧バネ35a、35bを調節して、80g/cm2の紙を介した状態で、面圧1×105N/m2で接して、定着ニップ6.0mmとした。
(定着開始温度)
上記方法により作成した未定着画像を、定着装置の加熱体を100〜230℃の温度範囲で5℃おきに温調し、定着させ、得られた定着画像を4900N/m2の荷重をかけたシルボン紙で2回摺擦し、摺擦前後の画像濃度低下率が10%以下となる温度を定着開始温度とする。その程度に応じて以下の4ランクで評価した。
A:定着開始温度が140℃未満。
B:定着開始温度が140℃以上150℃未満。
C:定着開始温度が150℃以上160℃未満。
D:定着開始温度が160℃以上。
(耐高温オフセット性)
定着温度を上げ、目視でオフセット現象の発生しない最高温度を高温オフセットフリー温度とし、耐オフセット性の指標とする。その程度に応じて以下の4ランクで評価した。
A:高温オフセットフリー温度が210℃以上。
B:高温オフセットフリー温度が200℃以上210℃未満。
C:高温オフセットフリー温度が190℃以上200℃未満。
D:高温オフセットフリー温度が190℃未満。
(定着安定性)
上記方法により作成した未定着画像を加熱部設定温度170℃の条件で、1万枚連続で通紙し、その1枚目と1万枚目の定着性を確認する。得られた定着画像を4900N/m2の荷重をかけたシルボン紙で2回摺擦し、摺擦前後の画像濃度低下率が10%以下となれば定着しているとする。その程度に応じて以下の4ランクで評価した。
A:初期、1万枚通紙後ともに定着し、低下率10%以下である。
B:初期は定着するが、1万枚通紙後にはオフセットしないものの濃度低下率10%以上である。
C:初期は定着するが、1万枚通紙後はオフセットしており、裏面に汚れが生じている。
D:初期においてオフセットしている。
(画像光沢度(グロス)測定)
本発明に使用した光沢度測定器は、日本電色工業製の「PG−3D」(入射角θ=75°)を使用し、標準面は光沢度96.9の黒色ガラスを使用した。チャートとしては、Xerox社製の4024用紙(75g紙)またはCLC−SK紙(キヤノン製)上に30mm×30mmサイズのベタのパッチ未定着画像を9ヶ所出力した。
(画像グロス差)
Xerox社製の4024用紙(75g紙、リーガルサイズ)またはCLC−SK A3サイズ紙(キヤノン製)上に30mm×30mmサイズのベタのパッチ画像を9ヶ所出力し、加熱部設定温度170℃、プロセススピード100mm/秒の条件にて通紙を行った。
定着温度の追従性の観点から、1枚通紙した際の画像先端部3ヶ所の平均グロス値と画像後端部3ヶ所の平均グロス値の差を評価した。
また、クイックスタート性の観点から、低温低湿下でスタート直後から50枚連続通紙時の1枚目と50枚目の平均グロス値の差を評価した。その程度に応じて以下の4ランクで評価した。
A:グロス差が5未満。
B:グロス差が5以上10未満。
C:グロス差が10以上15未満。
D:グロス差が15以上。
(透明性)
OHPシート上に得られた定着画像の単位面積あたりの各トナーの量に対する透過率を測定し、単位面積あたりのトナー乗り量0.60dg/m2での数値を用い透明性を評価する。以下に透過率の測定方法を記載する。
透過率の測定は、島津自記分光光度計「UV2200」(島津製作所社製)を使用し、OHPフィルム単独の透過率を100%とし、
マゼンタトナーの場合;550nm
イエロートナーの場合;410nm
シアントナーの場合;650nm
での最大吸収波長における透過率を測定する。その程度に応じて以下の4ランクで評価した。
A:透過率が70%以上。
B:透過率が60%以上70%未満。
C:透過率が50%以上60%未満。
D:透過率が50%未満。
トナーの形状及びトナー物性を、本発明が規定する値にコントロールすることにより良好な定着性を確保でき、これにあわせて硬度を規定した弾性層を有する本発明にかかる定着装置によりクイックスタート性が良く、心理的にユーザに安らぎをあたえ、多数枚見ても疲労を覚えず、被加熱材上画像の先端と後端、さらには多数枚通紙においても均一な光沢度(グロス)にすることができることが確認された。
参考実施例2)
低軟化点物質として、ポリアミドワックス(Mw=900、Mn=700、Mw/Mn=1.2)の代わりにポリケトンワックス(Mw=2900、Mn=1200、Mw/Mn=2.4)を用いる以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(2)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表1に、評価結果を表3に示す。
参考実施例3)
実施例1の低軟化点物質の添加量を30質量部から12質量部に変更し、さらに飽和ポリエステル樹脂の添加量を10質量部から5質量部とし、新たに不飽和ポリエステル樹脂(ビスフェノールAとフマル酸との重縮合物、酸価11、ガラス転移点60℃)を5質量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(3)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表1に、評価結果を表3に示す。
参考実施例4)
実施例1の低軟化点物質の添加量を30質量部から40質量部に変更し、さらにエチレングリコールジアクリレートの添加量を0.4質量部から0.1質量部とし、重合開始剤の添加量を8質量部から12質量部に変更する以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(4)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表1に、評価結果を表3に示す。
参考実施例5)
重合終了後スラリーを急速冷却せず、またその後熱風を対流させるタイプの処理装置を用いて後処理を行なわないこと以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(5)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表1に、評価結果を表3に示す。
(実施例6)
熱風を対流させるタイプの処理装置(フラッシュジェットドライヤー:セイシン企業社製)を用い品温75乃至85℃として後処理を行うこと以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(6)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表1に、評価結果を表3に示す。
(実施例7)
シアン粒子(1)100質量部に対し、1μm以下に造粒分級したポリアミドワックス微粒子1質量部を奈良機械社製ハイブリタイザーを用いて均一処理しシアン粒子(2)を得た。得られた処理シアン粒子(2)100質量部に対し、疎水化処理を行ったチタニア微粉末を1.0質量部、及び同じく疎水化処理を行ったシリカ微粉末を1.0質量部加え、三井鉱山社製ヘンシェルミキサーを用いて均一拡散しシアントナー(7)を得た。実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表1に、評価結果を表3に示す。
(実施例8)
シアン粒子(1)100質量部に対し、1μm以下に造粒分級したスチレン−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体微粒子1質量部を奈良機械社製ハイブリタイザーを用いて均一処理しシアン粒子(3)を得た。得られた処理シアン粒子(3)100質量部に対し、疎水化処理を行ったチタニア微粉末を1.0質量部、及び同じく疎水化処理を行ったシリカ微粉末を1.0質量部加え、三井鉱山社製ヘンシェルミキサーを用いて均一拡散しシアントナー(8)を得た。実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表1に、評価結果を表3に示す。
参考実施例9)
・スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−エチレングリコール−ジアクリレート共重合体(ガラス転移点65℃) 100質量部
・フタロシアニン顔料 7質量部
(C.I.ピグメントブルー15:3)
・飽和ポリエステル樹脂 5質量部
(ビスフェノールAとテレフタル酸との重縮合物、酸価10、ガラス転移点65℃)
・ジアルキルサリチル酸金属化合物 1質量部
(E−84:オリエント化学社製)
・低軟化点物質 8質量部
(ポリアミドワックス、Mw=900、Mn=700,Mw/Mn=1.2)
上記混合物をヘンシェルミキサーで予備混合し、二軸押出混練機により温度130℃にて溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で粉砕した。これを分級しその後熱風を対流させるタイプの処理装置(フラッシュジェットドライヤー:セイシン企業社製)を用い品温55乃至65℃として後処理を行いシアン粒子(4)を得た。
このシアン粒子(4)100質量部に対し、疎水化処理を行ったチタニア微粉末を1.0質量部、及び疎水化処理を行ったシリカ微粉末を1.0質量部加え、三井鉱山社製ヘンシェルミキサーを用いて均一拡散しシアントナー(9)を得た。実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表1に、評価結果を表3に示す。
(実施例10)
着色剤としてピグメントレッド122を用いた以外は、実施例1と同様にしてマゼンタトナー(1)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性はシアントナー(1)と同じである。評価結果を表3に示す。
(実施例11)
着色剤としてピグメントイエロー93を用いた以外は、実施例1と同様にしてイエロートナー(1)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性はシアントナー(1)と同じである。評価結果を表3に示す。
(実施例12)
着色剤としてカーボンブラックを用いた以外は、実施例1と同様にしてブラックトナー(1)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性はシアントナー(1)と同じである。評価結果を表3に示す。
(実施例13)
定着ベルトの基層の厚さを230μmに変更した以外は、実施例1と同じトナーを用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
(実施例14)
定着ベルトの弾性層の厚さを530μmに変更した以外は、実施例1と同じトナーを用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
(実施例15)
定着ベルトの離型層の厚さを130μmに変更した以外は、実施例1と同じトナーを用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
(実施例16)
定着ベルトの弾性層として、架橋密度のやや低いシリコーンゴムを用い、ゴム硬度を15°とした以外は、実施例1と同じトナーを用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
(実施例17)
定着ベルトの弾性層として、架橋密度のやや高いシリコーンゴムを用い、ゴム硬度を45°とした以外は、実施例1と同じトナーを用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
(実施例18)
図2に示す画像形成装置を用い、14の4つ現像器にイエロートナー(1)、マゼンタトナー(1)、シアントナー(1)、そしてブラックトナー(1)を充填し、実施例1と同様の加熱定着器ユニットを導入し、実施例1と同様の条件でフルカラー評価を行ったところ、低温定着性、光沢度均一性、混色性、OHT透過性等において良好な結果が得られた。
(比較例1)
実施例1の飽和ポリエステル樹脂の代わりに不飽和ポリエステル樹脂(ビスフェノールAとフマル酸との重縮合物、酸価11、ガラス転移点60℃)を10質量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(10)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表2に、評価結果を表4に示す。
(比較例2)
実施例1のエチレングリコールジアクリレートに変えて連鎖移動剤としてスチレンダイマーを添加し、重合開始剤の添加量を8質量部から12質量部に変更し、そして高速撹拌後の内温を80℃にする以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(11)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表2に、評価結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例1の低軟化点物質の添加量を30質量部から4質量部に変更し、さらに飽和ポリエステル樹脂の添加量を10質量部から7質量部とし、新たに不飽和ポリエステル樹脂(ビスフェノールAとフマル酸との重縮合物、酸価11、ガラス転移点60℃)を3質量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(12)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表2に、評価結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例1の低軟化点物質の添加量を30質量部から60質量部に変更し、さらにエチレングリコールジアクリレートの添加量を0.4質量部から0.1質量部とし、重合開始剤の添加量を8質量部から12質量部に変更する以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(13)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表2に、評価結果を表4に示す。
(比較例5)
実施例1のエチレングリコールジアクリレートを添加せずに、ジビニルベンゼンの添加量を0.4質量部とする以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(14)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表2に、評価結果を表4に示す。
(比較例6)
実施例1のエチレングリコールジアクリレートを添加せずに、そして高速撹拌後の内温を80℃にする以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(15)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表2に、評価結果を表4に示す。
(比較例7)
実施例1の低軟化点物質の添加量を30質量部から1質量部に変更し、さらにエチレングリコールジアクリレートの添加量を0.4質量部から0.2質量部に変更する以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(16)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表2に、評価結果を表4に示す。
(比較例8)
実施例1の低軟化点物質の添加量を30質量部から110質量部に変更し、さらに飽和ポリエステル樹脂の添加量を10質量部から9質量部とし、新たに不飽和ポリエステル樹脂(ビスフェノールAとフマル酸との重縮合物、酸価11、ガラス転移点60℃)を1質量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(17)を作製し、実施例1と同様に評価した。トナーの物性を表2に、評価結果を表4に示す。
(比較例9)
弾性層を持たない定着ベルトに変更した以外は、実施例1と同じトナーを用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例10)
定着ベルトの弾性層として、架橋密度の低いシリコーンゴムを用い、ゴム硬度を5°とした以外は、実施例1と同じトナーを用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例11)
定着ベルトの弾性層として、架橋密度の高いシリコーンゴムを用い、ゴム硬度を55°とした以外は、実施例1と同じトナーを用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 0004393159
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Figure 0004393159
Figure 0004393159
本発明の画像形成方法を実施する画像形成装置の一例を示す概略説明図である。 本発明に画像形成方法を実施する画像形成装置の他の例を示す概略説明図である。 本発明に用いられる加熱定着装置の正面模式図である。 図3の加熱定着装置の縦断面模式図である。 本発明に用いられる定着ベルトの断面模式図である。 図3の加熱定着装置の横断面模式図である。
符号の説明
1、11 感光体ドラム(像担持体)
2、12 帯電装置
3、13 レーザ光
4、14 現像装置
5、21 加熱定着装置
6、16 転写ローラ
7、18 クリーナ
8、20 レーザ光学箱(レーザスキャナー)
14Y、14M、14C、14B 現像器
15 中間転写体ドラム
19 ミラー
30 加圧ローラ
30a 芯金
30b 弾性材層
31a、31b ベルトガイド部材
31e 凸リブ部
32 加圧用剛性ステイ
34 定着ベルト
35a、35b 加圧バネ
39a、39b バネ受け部材
40 良熱伝導部材
51 基層
52 弾性層
53 離型層
60 セラミックヒータ
62a、62b 温度センサ(サーミスタ)

Claims (20)

  1. 少なくとも、所定の位置に固定された加熱体と、該加熱体に対向圧接したJIS−Aでのゴム硬度10〜50°の弾性層を有する定着ベルトと、温度検知手段とを有し、該温度検知手段を定着ベルト内面に当接させて温度調節をしながら該定着ベルトを介して記録材を上記加熱体に密着させて該記録材上のトナー画像を該記録材に加熱定着させる加熱定着装置を備えた画像形成装置に適用されるトナーであって、該トナーが下記(a)〜(
    (a)トナー中に低軟化点物質を0.5〜30質量%含有する、
    (b)トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布における重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、該重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜20である、
    (c)トナーのテトラヒドロフラン溶媒でのソックスレー抽出による不溶分が3〜30質量%である、
    (d)トナーの温度50℃における貯蔵弾性率(G’50)とトナーの温度100℃における貯蔵弾性率(G’100)との比(G’50/G’100)が5,000〜70,000である、
    (e)トナーの温度150℃における貯蔵弾性率(G’150)が1×103〜1×105(dN/m2)である、
    (f)トナーのメルトインデックス(温度135℃、荷重2.2kg)の10分間での吐出量が1〜40gである、
    (g)トナーの母粒子のメタノール濡れ性半値が13〜63%である、
    (h)上記低軟化点物質は、GPCにより測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0〜1.5である、
    (i)トナーの母粒子は、重合性モノマー、低軟化点物質及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、溶媒液中で重合する重合法によって製造された後、品温55乃至85℃で熱風後処理されたものである、
    を満たすことを特徴とするトナー。
  2. 該トナーの母粒子の100℃で2分間加熱した後での水との接触角が102〜130°である請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナーのフロー式粒子像分析装置により測定されるトナー粒子の円相当径による粒度分布において、平均円形度が0.950〜1.0を満たす請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 上記定着ベルトにはオイル塗布機構が具備されていない請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
  5. 上記定着ベルトは少なくとも基層、弾性層、及び離型層を有し、基層の厚さが1〜200μm、弾性層の厚さが100〜500μmであり、離型層の厚さが1〜100μmである請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
  6. 上記定着ベルトの弾性層が熱伝導性物質として酸化亜鉛を含有する請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
  7. 上記定着ベルトを記録材に対して面圧9×103〜5×105N/m2で押圧しながら定着スピード5〜300mm/秒でトナー画像を加熱加圧定着する請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
  8. 上記加熱体がセラミックヒータである請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
  9. 上記セラミックヒータは窒化アルミニウム製である請求項に記載のトナー。
  10. 上記温度検知手段は定着ベルトが記録材と接するニップ部中心から回転方向下流の位置に接して具備されており、かつ全定着ベルト長の10%の長さ以上50%の長さ以下下流の位置に具備されている請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
  11. 少なくとも、所定の位置に固定された加熱体と、該加熱体に対向圧接したJIS−Aでのゴム硬度10〜50°の弾性層を有する定着ベルトと、温度検知手段とを有し、該温度検知手段を定着ベルト内面に当接させて温度調節をしながら該定着ベルトを介して記録材を上記加熱体に密着させて該記録材上のトナー画像を該記録材に加熱定着させる工程を有する画像形成方法であって、
    上記トナー画像を構成するトナーが下記(a)〜(
    (a)トナー中に低軟化点物質を0.5〜30質量%含有する、
    (b)トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布における重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、該重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜20である、
    (c)トナーのテトラヒドロフラン溶媒でのソックスレー抽出による不溶分が3〜30質量%である、
    (d)トナーの温度50℃における貯蔵弾性率(G’50)とトナーの温度100℃における貯蔵弾性率(G’100)との比(G’50/G’100)が5,000〜70,000である、
    (e)トナーの温度150℃における貯蔵弾性率(G’150)が1×103〜1×105(dN/m2)である、
    (f)トナーのメルトインデックス(温度135℃、荷重2.2kg)の10分間での吐出量が1〜40gである、
    (g)トナーの母粒子のメタノール濡れ性半値が13〜63%である、
    (h)上記低軟化点物質は、GPCにより測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0〜1.5である、
    (i)トナーの母粒子は、重合性モノマー、低軟化点物質及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、溶媒液中で重合する重合法によって製造された後、品温55乃至85℃で熱風後処理されたものである、
    を満たすことを特徴とする画像形成方法。
  12. 該トナーの母粒子の100℃で2分間加熱した後での水との接触角が102〜130°である請求項1に記載の画像形成方法。
  13. 該トナーのフロー式粒子像分析装置により測定されるトナー粒子の円相当径による粒度分布において、平均円形度が0.950〜1.0を満たす請求項11又は12に記載の画像形成方法。
  14. 上記定着ベルトにはオイル塗布機構が具備されていない請求項1乃至13のいずれかに記載の画像形成方法。
  15. 上記定着ベルトは少なくとも基層、弾性層、及び離型層を有し、基層の厚さが1〜200μm、弾性層の厚さが100〜500μmであり、離型層の厚さが1〜100μmである請求項1乃至14のいずれかに記載の画像形成方法。
  16. 上記定着ベルトの弾性層が熱伝導性物質として酸化亜鉛を含有する請求項1乃至15のいずれかに記載の画像形成方法。
  17. 上記定着ベルトを記録材に対して面圧9×103〜5×105N/m2で押圧しながら定着スピード5〜300mm/秒でトナー画像を加熱加圧定着する請求項1乃至16のいずれかに記載の画像形成方法。
  18. 上記加熱体がセラミックヒータである請求項1乃至17のいずれかに記載の画像形成方法。
  19. 上記セラミックヒータは窒化アルミニウム製である請求項18に記載の画像形成方法。
  20. 上記温度検知手段は定着ベルトが記録材と接するニップ部中心から回転方向下流の位置に接して具備されており、かつ全定着ベルト長の10%の長さ以上50%の長さ以下下流の位置に具備されている請求項1乃至19のいずれかに記載の画像形成方法。
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