JP2005134891A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温定着が可能であり、耐オフセット性に優れ、高湿下及び低湿下で使用しても高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥を生じさせないトナーを提供する。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナーにおいて、トナー中の結着樹脂がスチレン−アクリル樹脂を60質量%以上含有しており、該結着樹脂は、トナー中において、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTHF不溶分Aを有しており、該THF不溶分Aは、トルエン(TOL)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTOL不溶分Bを有しており、THF不溶分AとTOL不溶分Bとの質量比が0.1≦B/A≦0.5であることを特徴とするトナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法及びトナージェット法の如き画像形成法に用いられる現像剤(トナー)に関する。
従来、画像形成法としては、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法など多数の方法が知られている。また、電子写真法としても、多数の方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーで現像することにより可視像とし、必要に応じて紙などの転写材料にトナーを転写させた後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものであり、そして転写せず感光体上に残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
近年このような複写装置は、より小型化,より軽量化そしてより高速化,より高信頼性が厳しく追及されてきている。例えば、単なる一般に言うオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機ということだけでなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリンターあるいはグラフィックデザイン等の高細密画像のコピー用、さらにはより信頼性が要求される軽印刷(パソコンによる文書の編集からコピー、製本までの多品種少量印刷が可能なプリント・オン・デマンド用途)向けに使われはじめた。そのため、画質としてより高精細,高画質が求められており、その結果トナーに要求される性能もより高度になってきた。
ところで、デジタルプリンター及び高細密画像のコピーにおいてトナーに要求される性能のうち重要なものの1つに、定着性能がある。
定着に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態のまま加圧下で接触するためにトナー像の一部が定着ローラー表面に付着、転移し、次の被定着シートを汚すことがある(オフセット現象)。熱定着ローラー表面に対してトナーが付着しないようにすることは熱ローラー定着方式の必須条件の一つとされている。
また、最近、熱ローラーにかわり、加熱体に対向圧接し、かつ、フィルムを介して記録材を該加熱体に密着させる加圧部材とからなる定着装置が実用化されており、熱効率的にも有利になっているが、トナー表面を溶融するためオフセット現象はさらに生じやすくなり、これを防止することがより必要となっている。
又、定着工程においても、ウエイト時間が短く低消費電力である定着方法を実現するために、トナーとしてはより低温定着を実現出来る設計が求められる。
オフセット防止として、架橋剤を添加させた系に関する提案が多くなされている。例え
ば、架橋剤と分子量調整剤を加え、適度に架橋されたビニル重合体からなるトナーが提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、α,β不飽和エチレン系単量体を構成単位とし、重量平均分子量と数平均分子量との比が3.5〜4.0となるように分子量分布を広くしたトナーが提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、これらのトナーは、分子量分布の狭い単一の樹脂からなるトナーに比べて、定着下限温度(定着可能な最も低い温度)とオフセット温度(オフセットが発生しはじめる温度)の間の定着可能温度範囲は広がるものの、オフセット防止性能を満足させようとするとその定着温度を十分低くすることができず、反対に低温定着性を満足させようとするとオフセット防止性能が不十分となる。
そこで、これらビニル樹脂に代えて、低温定着性という点で本質的にビニル樹脂よりも優れているとされているポリエステル樹脂に架橋を施し、更にオフセット防止剤を加えたトナーが提案されている(例えば、特許文献6参照)。このトナーは低温定着性及びオフセット防止性ともに優れたものであるが、トナーの生産性(粉砕性)という点で問題がある。
更に、反応性ポリエステル樹脂の存在下でビニル単量体を重合し、重合の過程で架橋反応、付加反応、グラフト化反応を介して高分子化させた樹脂を用いたトナーも提案されている(例えば、特許文献7参照)。
このような架橋されたビニル系重合体、或はゲル分をトナー中に含有するトナーは、確かに耐オフセット性を改良する面を持つ。しかし、トナー中に含有させるにあたり、トナー原材料としてこの架橋されたビニル重合体を用いるとトナー製造時の溶融混練時に、重合体中の内部摩擦が非常に大きくなり、大きなせん断力が重合体にかかる。この為に、分子鎖の切断が起こり、溶融粘度の低下を招き、かえってオフセット性に悪影響を与える場合も生じうる。
そこでこれを解決する為に、カルボン酸を有する樹脂と金属化合物をトナー原材料として用い、溶融混練時に加熱反応させ、架橋重合体を形成させてトナー中に含有させることが提案されている(例えば、特許文献8〜11参照)。又、ビニル系重合体と、さらに特異な半エステル化合物とを必須構成単位とするビニル系樹脂と多価金属化合物とを反応せしめ、架橋を施すことが提案されている(例えば、特許文献12〜14参照)。
しかしながらいずれの架橋剤を用いた場合においても、耐オフセット性と低温定着性の両方を満足するには未だ不十分であり改良が必要である。
又、カルボキシル基含有樹脂とグリシジル基含有樹脂を含む結着樹脂中において、分子量分布,酸価,及びそれぞれの樹脂の存在量を制御し、定着性,耐オフセット性,及び耐ブロッキング性のバランスを大幅に改善するということが提案されている(例えば、特許文献15〜21参照)。又、ある温度範囲の時の樹脂の貯蔵弾性率を制御することで定着性、耐オフセット性、ブロッキング性、粉砕性、耐久現像性が改善されるという提案がなされている(例えば、特許文献22参照)。しかし、これらの提案は耐オフセット性,耐ブロッキング性を改善させるという効果は示すが、現像性が未だ不十分である。そのためより信頼性が要求される軽印刷等においての使用を考慮した場合改善の余地がある。さらに定着性についても近年求められる高速複写系及び低消費電力な定着方法を実現した機械においては未だ不十分である。即ち、複写スピードがより高速になると、定着時の加熱温度や加圧力が従来と同程度でも、記録材が定着器を通過する時間が短縮される。つまり記録材にかかるトータル熱量(仕事量)としては減少される方向であり、トナーとしてもさらなる定着性の改良が不可欠である。
以上述べてきた上述の提案は、定着性、オフセット性を向上させるという点で改良されてきてはいるが、より小型化、より軽量化そしてより高速化、より高信頼性を達成するた
めには、依然として改良の余地がある。
米国特許第2297691号明細書 特公昭42−23910号公報 特公昭43−24748号公報 特公昭51−23354号公報 特公昭55−6805号公報 特開昭57−208559号公報 特開昭56−116043号公報 特開昭55−90509号公報 特開昭57−178249号公報 特開昭57−178250号公報 特開昭60−4946号公報 特開昭63−214760号公報 特開昭63−217362号公報 特開昭63−217363号公報 特開平6−11890号公報 特開平6−222612号公報 特開平9−318140号公報 特開平10−87837号公報 特開平10−90943号公報 特開2001−188383号公報 特開2003−15363号公報 特開2002−189316号公報
本発明は、このような状況下為されたものであり、上述の問題点を解決したカラートナーを提供することを目的とする。
詳しくは、低温定着が可能であり、耐オフセット性に優れ、高湿下及び低湿下で使用しても高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥を生じさせないトナーを提供することを目的とする。
また、本発明は、生産性の良いトナーを提供することも目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、下記の構成とすることで上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナーにおいて、
(i)トナー中の結着樹脂がスチレン−アクリル樹脂を60質量%以上含有しており、
(ii)該結着樹脂は、トナー中において、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTHF不溶分Aを有しており、
(iii)該THF不溶分Aは、トルエン(TOL)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTOL不溶分Bを有しており、
(iv)THF不溶分AとTOL不溶分Bとの質量比が0.1≦B/A≦0.5であることを特徴とするトナー。
(2)結着樹脂を基準として、前記THF不溶分Aが10質量%〜50質量%含有されていることを特徴とする(1)に記載のトナー。
(3)トナー中の結着樹脂のTHF可溶分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)により測定される分子量分布が分子量3000〜30000の領域に少なくとも1つのピークを有しており、分子量10万以下の面積は全体の面積に対して70〜100%であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナー。
(4)前記THF不溶分AのTOLを用いた抽出によって得られたTOL可溶分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が分子量3000〜30000の領域に少なくとも1つのピークを有しており、GPCチャートにおける分子量10万以下の面積は全体の面積に対して60〜90%であることを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載のトナー。
(5)トナー中の結着樹脂に含有される前記スチレン−アクリル樹脂は、カルボキシル基含有ビニル樹脂とグリシジル基含有ビニル樹脂を反応させて得たものであることを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載のトナー。
(6)トナー中の結着樹脂に含有される前記スチレン−アクリル樹脂について、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTHF不溶分Cが0質量%〜10質量%であることを特徴とする(5)に記載のトナー。
(7)前記トナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、最大吸熱ピークが温度60〜120℃の範囲に一つ有することを特徴とする(1)〜(6)の何れかに記載のトナー。
(8)前記着色剤が、八面体形状を有する磁性酸化鉄粒子及び/又は複核形状を有する磁性酸化鉄微粒子であることを特徴とする(1)〜(7)の何れかに記載のトナー。
(9)前記磁性酸化鉄粒子を、結着樹脂100質量部に対し20〜200質量部含有することを特徴とする(8)に記載のトナー。
本発明により、低温定着が可能であり、耐オフセット性に優れ、高湿下及び低湿下で使用しても高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥を生じないトナーを得ることが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナーにおいて、トナー中の結着樹脂がスチレン−アクリル樹脂を60質量%以上含有しており、該結着樹脂は、トナー中において、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTHF不溶分Aを有しており、そして、該THF不溶分Aは、該THF不溶分Aをトルエン(TOL)を用いたソックスレー抽出により抽出した時の抽出残分であるTOL不溶分Bを有しており、THF不溶分AとTOL不溶分Bとの質量比が0.1≦B/A≦0.5であることを特徴とする。
本発明者らは、トナーに使用される構成材料に関して検討を進めたところ、トナーに含まれる特定の溶媒で抽出した時の不溶分量及びその不溶分を異なる溶媒で再抽出した時の不溶分量の比を制御することにより、さらにより好ましくは抽出により抽出された可溶分の分子量を制御することにより、定着性能、耐オフセット性、粉砕性等を満足し、機械的シェアに強く、経時において画像欠陥を生じないトナーが得られることを見出した。
トナー中における結着樹脂のTHF不溶分が存在し、かつその不溶分がTOLにより一定の割合で抽出され不溶分を持つということは、以下のように解釈できる。THFとTOLの溶解度パラメーターがそれぞれ18.6、18.2J0.5-1.5であり溶媒和による
溶解量の差はないと考えられるため、THF不溶分中にTOLによって抽出されるTOL可溶分が存在するということは、抽出時の温度の違い(THFの沸点が約65℃、TOLの沸点が約110℃)に起因して、溶解量に差が生じているものと考えられる。即ち、T
HF不溶分中において、THFによる抽出においては分子のからまりがほぐれないものの、TOLによる抽出においては分子のからまりが解け可溶成分になる成分が存在していることを示している。言い換えると、このような成分は、65℃から110℃という温度変化において、分子状態が変化する成分であるということも示している。
本発明のトナー中に含有される結着樹脂は、先ず、
<1>:抽出(16時間抽出)によりTHFに可溶な成分=THF16
<2>:抽出(16時間抽出)によりTHFに不溶な成分=THF不溶分A
という2つの成分に分類することができ、更に、成分<2>は、
<2−1>:抽出(16時間抽出)によりTHFに不溶な成分AのうちさらにTOLで抽出(16時間抽出)した時にTOLに可溶な成分=TOL16
<2−2>:抽出(16時間抽出)によりTHFに不溶な成分AのうちさらにTOLで抽出(16時間抽出)した時にTOLに不溶な成分=TOL不溶分B
という2つの成分に分類することができる。
ここで、「THF16」は低温定着に有効な成分である。そのため所望の存在量がない場合には十分な定着性能を得ることが困難となる。「THF不溶分A」は定着ローラーなどの加熱部材からの良好な離型性を発現するために有効な成分である。特に高速機に適用された場合、定着ローラーなどの加熱部材へのトナーのオフセット量を低減させる効果がある。そのTHF不溶分Aの中の「TOL16」は上述したように分子のからまりにより出来た成分でありトナーにおいて特有の作用を発現する。即ち、「TOL16」は低分子量樹脂の分子量分布と近いため低温領域において熱的な挙動を起こしやすく、さらには熱による溶解性にも優れ、絡み合うことで適度な弾性を持つことが出来るために低温定着性を損なうことなく耐高温オフセット性を満足させることが可能な成分である。さらに従来の硬い不溶分とは異なり強い脆性を有さないために粉砕性にも優れる。さらに「TOL16」は、「THF16」と「TOL不溶分B」との中間的な役割を担っているため両者の相溶性を向上させることが可能な成分である。その結果、トナー原材料として用いられる着色剤や離型剤などの分散性をより一層向上させることが出来、耐久現像性を良化させる。
「THF不溶分A」の中の「TOL不溶分B」は強い脆性を有する高架橋成分であるため熱的安定性に優れている成分である。そのため、トナー中に少量存在することで機械的シェアに強いトナーが得られ、長期間に渡って高品質の画像を維持することが可能となる。
そこで、定着領域の広い、画像品質の安定した経時において画像欠陥を生じないトナーを得るため、上記各成分の特性を勘案し、本発明は、結着樹脂のトナー中におけるTHFで抽出した時の不溶分量及びその不溶分をTOLで再抽出した時の不溶分量の比を規定する。
即ち、本発明のトナーは、該トナー中における結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTHF不溶分Aの含有量を“A”とし、THF不溶分Aのトルエン(TOL)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTOL不溶分Bの含有量を“B”とすると、質量比B/Aが、0.1≦B/A≦0.5を満足し、より好ましくは 0.15≦B/A≦0.35を満足するものである。THF不溶分AとTOL不溶分Bの質量比B/Aが0.1よりも小さい場合はTOL不溶分Bがほとんど存在せず、TOLの沸点でほとんどの絡み合いがほどけてしまうことを示す。このように熱的安定性に優れた高架橋成分が存在しない場合には、機械的シェアは弱くなりトナーの劣化が進みやすくなる。その結果、長期間に渡って画像品質を安定に保つことは困難となる。さらに、高架橋成分によって生じ
るトナー粒子製造時の溶融混練時における混練シェアをかけることが困難となるため、トナー粒子中における離型剤,磁性体,荷電制御剤等の原料の分散性が低下し、現像性に影響を及ぼす。さらに、THF不溶分AとTOL不溶分Bの質量比B/Aが0.1よりも小さい場合は、からみ合いによる柔軟性がありかつ粘りのある成分がほとんど存在しないため、転写材との接着性が弱くなり擦りには耐えられるが、剥がれに対しては弱くなり、特に、トランスペアレンシー(トラペン)からトナーが剥離しやすくなる。
一方、THF不溶分AとTOL不溶分Bの質量比B/Aが0.5よりも大きい場合は、絡み合いにより生成した成分、「TOL16」の存在量が少なくなり、高架橋成分である「TOL不溶分B」の存在量が多くなることを示す。低分子量樹脂の分子量分布と近いため低温領域において熱的な挙動を起こし易い「TOL16」の存在量が減少するために、ハーフトーン画像や厚紙に対する定着性が悪化する。又、低分子成分と高架橋成分を相溶させることが困難となり、着色剤や離型剤などの分散性を向上させることが出来なくなる。その結果、高温高湿下での耐久現像性が悪化する。さらに「TOL不溶分B」の存在量が増加した場合、強い脆性を有する成分が増加するために粉砕性に影響が現われるだけではなく、混練時における分子切断を促進することで耐高温オフセット性が低下する。
また、本発明のトナーにおいて、上記THF不溶分Aは、10質量%〜50質量%、好ましくは20質量%〜50質量%、より好ましくは25質量%〜50質量%であるとよい。THF不溶分Aは定着ローラーなどの加熱部材に対し、良好な離型性を発現させるために有効な成分である。高速機に適用させた場合、定着ローラーなどの加熱部材に対しトナーのオフセット量を低減させるという効果がある。そこで、上記THF不溶分Aの値が10質量%未満の場合には、上記効果が発現しにくく、50質量%を超える場合には、定着性が悪化するだけでなく、トナー中の原材料の分散性が悪化し帯電性が不均一になる。
また、本発明のトナーにおいて、上記「THF16」は、GPCによる分子量分布で分子量3000〜30000の領域に少なくとも1つのピークを有し、GPCのチャートにおいて分子量10万以下の総面積が全体の総面積に対して70〜100%であるとよい。分子量3,000〜30,000の領域に少なくとも一つのピークを持つことにより、良好な低温定着性及び耐ブロッキング性を達成することができる。ピークが3,000未満の場合には、耐ブロッキング性が低下し、分子量30,000を超える場合には十分な定着性を得ることが困難となる。又、分子量10万以下の総面積が全体の総面積に対して70%未満の場合、十分な定着性を達成することが困難となる。
さらにまた、本発明のトナーにおいて、上記THF不溶分AのTOL抽出によって得られたTOL可溶分「TOL16」は、GPCによる分子量分布で、分子量3000〜30000の領域に少なくとも1つのピークを有し、GPCのチャートにおいて分子量10万以下の総面積が全体の総面積に対して60〜90%であるとよい。TOL可溶成分の分子量分布が上記の範囲の場合、低分子量樹脂の分子量分布と近いため低温領域において熱的な挙動を起こしやすく、さらには熱による溶解性にも優れ、絡み合うことで適度な弾性を持つことが出来るために低温定着性を損なうことなく耐高温オフセット性を満足させることが可能となる。さらに強い脆性を有さないために、多量の微粉が生じることなく、粉砕性にも優れる。さらに低分子成分と高架橋成分の相溶性を向上させることが可能となる。その結果、トナー原材料として用いられる着色剤や離型剤などの分散性をより一層向上させることが出来、耐久現像性が良化する。さらに分散性が向上することにより、トナーの帯電特性が均一になりその結果としてドット再現性等、画質が向上する。ピークが3,000未満の場合には、耐ブロッキング性が低下し、分子量30,000を超える場合にはハーフトーン画像や厚紙に対する定着性が低下する。又、分子量10万以下の総面積が全体の総面積に対して60%未満の場合、低分子成分と高架橋成分を相溶させることが困難となり、着色剤や離型剤などの分散性を向上させることが困難となる。その結果、高温高
湿下での耐久現像性が低下する。さらに強い脆性を有する成分が増加するために粉砕性に影響が現われるだけではなく、混練時における分子切断を促進することで耐高温オフセット性が低下する。又、総面積が90%を超える場合、トラペンからトナーが剥離しやすくなる。
本発明において、結着樹脂はスチレン−アクリル樹脂を60質量%以上含有する。また、本発明において絡み合いによる擬似架橋成分を生成させるため、上記結着樹脂中に含有されるスチレン−アクリル樹脂は、カルボキシル基含有ビニル樹脂とグリシジル基含有ビニル樹脂を反応させることにより生成するとよい。
ここで、グリシジル基含有ビニル樹脂中のグリシジル基は、カルボキシル基含有ビニル樹脂中のカルボキシル基と開環付加反応し架橋構造を形成する訳であるが、この場合、架橋点間距離を大きくすると、その架橋構造を網目構造ではなく枝分かれ構造に制御することが可能となる。
また、上記カルボキシル基含有ビニル樹脂を得るためには、カルボキシル基含有ビニル樹脂を低分子量樹脂成分と高分子量樹脂成分とから構成させるとよい。低分子量樹脂成分のピーク分子量(MpL)は良好な定着性能,耐ブロッキング性を達成するために4000〜30000が好ましく、高分子量樹脂成分のピーク分子量(MpH)は良好なオフセット性、耐久性を達成するために100000〜400000にあることが好ましい。カルボキシル基含有ビニル樹脂の酸価は0.5〜50mgKOH/gであるとよい。0.5mgKOH/g未満の場合、カルボキシル基とグリシジル基との架橋反応部位が少なくなるため絡み合い成分が生成しにくくなる。酸価が50mgKOH/gを超える場合には正帯電性トナーに適用した場合、トナー粒子中の結着樹脂の負帯電性が強くなり画像濃度が低下しカブリが増加する傾向がある。また、高分子量樹脂成分の酸価は高く、低分子量樹脂成分の酸価は低くする設計が好ましい。これは、高分子量樹脂成分に選択的に反応を起こさせ、低温定着性に影響を与えず、耐オフセット性を向上させるためである。カルボキシル基含有ビニル樹脂のガラス転移点(Tg)は40〜70℃であるとよい。Tgが40℃未満の場合、トナーの耐ブロッキング性が低下し、70℃を超える場合はトナーの定着性が低下する。
上記カルボキシル基含有ビニル樹脂を得るためには、高分子量樹脂成分,低分子量樹脂成分共に、以下に記載のビニル系重合体のモノマーを用いることができる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、マレイン酸、シトラコン酸、ジメチルマレイン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、及びこれらの無水物;フマル酸、メタコン酸、ジメチルフマル酸;などの不飽和二塩基酸、無水物モノマー、更に上記不飽和二塩基酸のモノエステル、また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸及びこれらの無水物;上記α,β−不飽和酸間の無水物及び、低級脂肪酸との無水物;などのα,β−不飽和酸、これらの無水物モノマー、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸及びこれらの無水物、モノエステルが挙げられる。これらの中でも、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル無水マレイン酸が本発明のカルボキシル基含有ビニル樹脂を得るモノマーとして好ましく用いられる。更に、カルボキシル基含有ビニルモノマーと合わせて用いられるコモノマーとしては、次のようなものが挙げられる。例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フエニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、等のスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフイン類;ブタジエン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニ
ルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フエニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フエニルなどのアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイ
ンドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;上述のα,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;のビニル系モノマーが単独もしくは2つ以上で用いられる。
これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。スチレン系共重合体の好ましい理由としては、スチレン系共重合体のポリマー鎖のところどころに存在するカルボキシル基が効果的にグリシジル基含有ビニル樹脂中のグリシジル基と相互作用し、効率良く絡み合い成分を生成することが出来るためである。
本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応じて以下に例示する様な架橋性モノマーで架橋された重合体を含んでいてもよい。尚、架橋性モノマーとしては主として2個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いられる。芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート
、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プ
ロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;更には、ポリエステル型ジアクリレート化合物類、例えば、商品名MANDA(
日本化薬)が掲げられる。多官能の架橋モノマーとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;トリアリシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
これらの架橋モノマーは、他のモノマー成分100質量%に対して、0.01〜5質量%程度(更に好ましくは0.03〜3質量%程度)用いることが好ましい。
上記カルボキシル基含有ビニル樹脂やグリシジル基含有ビニル樹脂等、本発明で使用す
る樹脂を製造する際、開始剤、溶剤の種類及び反応条件等の条件を充分考慮する必要がある。
開始剤としては例えはベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾ及びジアゾ化合物などを利用することができる。
本発明に係るカルボキシル基含有ビニル樹脂を製造する際に使用する低分子量樹脂成分を合成する方法としては、公知の方法を用いることが出来る。但し塊状重合法は、高温で重合させて停止反応速度を速めることで低分子量の重合体を得ることが出来るが、反応をコントロールしにくいという問題がある。その点、溶液重合法は溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用して、又、開始剤量や反応温度を調整することで低分子量重合体を温和な条件で得ることができるため、低分子量樹脂成分を得るには好ましい。溶液重合で用いる溶媒としては、キシレン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコール又はベンゼンが用いられる。特にスチレンモノマーを使用する場合、キシレン、トルエン又はクメンが好ましい。重合するポリマーの種類によって溶媒は適宜選択される。反応温度としては、使用する溶媒,重合開始剤,重合するポリマーによって異なるが、通常70〜230℃で行うのが良い。溶液重合においては、溶媒100質量部に対してモノマー30〜400質量部の割合で反応させるとよい。さらに重合終了時に溶液中で他の重合体を混合させてもよく、数種の重合体を混合させることができる。
また、本発明に係るカルボキシル基含有ビニル樹脂を製造する際に使用する高分子量樹脂成分を合成する方法としては、塊状重合法,溶液重合法,乳化重合法や懸濁重合法を用いることができる。このうち、乳化重合法は、水にほとんど不溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。更に、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造において着色剤及び荷電制御剤等の添加物との混合が容易であること等の理由から、高分子量樹脂成分の合成法として好ましい。但し、添加した乳化剤のため重合体が不純になり易く、重合体を取り出すのには塩析などの操作が必要となるという面もあるため、この不便をさけるには懸濁重合法がよい。但し、高分子量樹脂成分を合成する方法として最も好ましい方法は溶液重合法である。これは、溶液重合法が温和な条件で行えるため、架橋に必要なカルボキシル基を高分子量成分に架橋点間距離をコントロールしながら導入することが出来るためである。また、溶液重合法で合成した高分子量樹脂成分は低分子量樹脂成分と混合した際にも良好な相溶性を示す。その結果、これが現像性のさらなる向上に効果をもたらすことが示されており、そのようなことからも溶液重合法による合成が好ましい。
本発明の結着樹脂中に含有されるスチレン−アクリル樹脂は、上記カルボキシル基含有ビニル樹脂と以下に記載するグリシジル基含有ビニル樹脂とを反応させることにより得ることが好ましい。
グリシジル基含有ビニル樹脂を構成するグリシジル基ユニットを有するモノマーとしてはビニル基とエポキシ基を有する化合物で、グリシジルアルコールと不飽和カルボン酸のエステル,不飽和グリシジルエーテルなどである。例えば、アクリル酸グリシジル,メタクリル酸グリシジル,アクリル酸β−メチルグリシジル,メタクリル酸βメチルグリシジ
ル,アリルグリシジルエーテル,アリルβ−メチルグリシジルエーテル等が挙げられる。グリシジルモノマーとして下記式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2005134891
(一般式(1)において、R’1,R’2,R’3は水素,アルキル基,アリール基,アラ
ルキル基,カルボキシル基及びアルコキシカルボニル基を示す。)
このようなグリシジル基ユニットを有するモノマーを単独あるいは混合して、ビニル系モノマーと公知の重合方法により共重合させることによりグリシジル基含有ビニル樹脂を得ることが出来る。グリシジル基含有ビニル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が、2,000〜100,000のもの、好ましくは2,000〜50,000、更に好ましくは3,000〜4,000のものが好ましい。Mwが5,000未満の場合、結着樹脂中の反応において分子量が増大しても、混練工程において分子鎖切断が多く、耐オフセット性への効果が少なくなる。Mwが30,000を超える場合には、定着性に影響を及ぼすようになる。又、エポキシ価は0.01〜5eq/kgのものが好ましい。0.01eq/kg未満の場合、反応が起こりにくく、高分子量成分やTHF不溶分の生成量が少なく、耐オフセット性への効果が減少する。又、エポキシ価が5eq/kgを超える場合、反応は起こりやすくなる反面網目構造の架橋構造を持つようになり、混練工程においての分子鎖切断が多く、耐オフセット性への効果が減少する。
カルボキシル基含有ビニル樹脂中のカルボキシル基1モル当たり、グリシジル基として0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルを有する割合でグリシジル基含有ビニル樹脂を配合させるとよい。グリシジル基が0.01モル未満の場合、スチレン−アクリル樹脂中のグリシジル基がカルボキシル基よりも少ないため、架橋点が少なくなり、グリシジル基含有ビニル樹脂をスチレン−アクリル樹脂中に配合した場合でも耐オフセット性に十分効果がみられるだけの架橋構造を形成しにくくなる。さらに、架橋構造によって生じるトナー粒子製造時の溶融混練時における混練シェアをかけることが出来なくなるため、トナー粒子中における離型剤,磁性体,荷電制御剤等の原料の分散性が悪化し、現像性に悪影響を及ぼす。さらに、スチレン−アクリル樹脂中に残存カルボキシル基が存在するため、そのカルボキシル基が原因となって、帯電の均一化や帯電の耐久安定性に悪影響がでる。又、10モルを超えると、スチレン−アクリル樹脂中のカルボキシル基とグリシジル基の架橋反応によって、耐オフセット性に効果がみられるだけの架橋構造を得ることは出来るものの、架橋点間距離が短くなり網目構造の架橋構造を形成するため混練工程における分子鎖切断が多く、耐オフセット性への効果が減少する。さらに、未反応の残存グリシジル基含有ビニル樹脂が過剰に存在するため、現像剤担持体等へのトナーの付着が起こり、現像性に悪影響がある。
グリシジル基含有モノマーと共重合させるビニルモノマーとしては以下のものが挙げられる。例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フエニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロル
スチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p
−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、等のスチレ
ン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフイン類;ブタジエン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フエニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フエニルなどのアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;上述のα,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;のビニル系モノマーが単独もしくは2つ以上で用いられる。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
本発明では、スチレン−アクリル樹脂の製造にあたり、カルボキシル基含有ビニル樹脂とグリシジル基含有ビニル樹脂を予め用意しておくとよい。そして、カルボキシル基含有ビニル樹脂とグリシジル基含有ビニル樹脂の反応の手段としては、(1)それぞれの樹脂を溶融状態で混合し反応釜内で熱を加えることで架橋反応を起こさせる、又は、(2)それぞれの樹脂を2軸押出し機等で熱溶融混練することで架橋反応を起こさせる等が挙げられる。但し、架橋点間距離の長い絡み合いの成分を生成するためには2軸押出し機等で熱溶融混練することで架橋反応を起こさせる方が好ましい。また、この架橋反応終了の際、絡み合いの成分を生成するため、ゆっくりと冷却するとよい。具体的には反応終了後、1℃/min以下の降温速度で降温し、途中一定温度で数時間保持しその後室温まで下げるとよい。このようにゆっくりと冷却させることで、ゆっくりと絡み合いによる成分を生成させることが出来る。
上述のようにしてカルボキシル基含有ビニル樹脂とグリシジル基含有ビニル樹脂とを反応させることによりスチレン−アクリル樹脂を得る。
また本発明では、スチレン−アクリル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTHF不溶分Cは0質量%〜10質量%であるとよい。THF不溶分Cが10%を超える場合、架橋反応が進みすぎて網目構造をとる成分が増加するためにトナー製造時の粉砕工程において強い脆性を有する成分が増加するために粉砕性に影響が現われるだけではなく、混練時における分子切断を促進することで耐高温オフセット性が悪化するからである。また、樹脂自体の溶融粘度が大きくなるため、混練工程において原材料の分散性が低下し、耐久現像性が低下するからである。
本発明の結着樹脂は、上述のスチレン−アクリル樹脂以外にも、他の樹脂を含有させてもよい。好ましくは、ジエン系樹脂である脂肪族共役ジエン化合物をモノマーユニットとする共重合体を含有させるとよい。このような、比較的長鎖で弾性のある共重合体を含有させることで、トナー化時の絡み合いの生成を促進させることが出来る。さらに網目構造の中に取り込まれた場合に、より空間体積を広げることが可能となり低分子量にもかかわ
らず良好な弾性を有した擬似架橋成分を形成させることが出来る。
上記ジエン系樹脂の含有量は、結着樹脂中に、0〜40質量%(より好ましくは、5〜35質量%)であるとよい。含有量が40質量%を超える場合は、結着樹脂の軟化点が高くなってしまい良好な定着性が得られないからである。
上記共重合体を構成する脂肪族共役ジエン化合物のモノマーとしては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、2,4−ヘプタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2,4−オクタジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、3,4−ジエチル−1,3−オクタジエン、1,3−ノナジエン、2,4−ノナジエン、2,3−ジメチル−1,3−ノナジエン及びこれらの誘導体が挙げられ、上記例示のビニルモノマーと一種又は二種以上の組み合わせで共重合させることにより、脂肪族共役ジエン化合物をモノマーユニットとする共重合体を得ることが出来る。中でも、ビニルモノマーとしては、スチレン化合物、共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンの組み合わせで共重合させることが好ましい。
また、スチレン化合物/脂肪族共役ジエン化合物を、65/35〜98/2の割合で共重合させるとよい。これは、スチレン化合物が65質量%未満の場合、該共重合体のガラス転移温度が低くなることにより、保存性が悪化し好ましくないからである。また、98質量%を超える場合には、ガラス転移温度が高くなることにより、定着性が悪化し好ましくないからである。
以下に、本発明に係る物性の測定方法を示す。
[THF不溶分の測定]
トナー試料約1.0gを秤量(W1g)し、円筒ろ紙(例えばNo.86Rサイズ28×100mm東洋ろ紙社製)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF 2
00mlを用いて、16時間抽出する。このとき、溶媒の抽出サイクルが約4分〜5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を取り出し、40℃で8時間真空乾燥し、抽出残分を秤量する(W2g)。次にトナー中の焼却残灰分の重さを求める(W3g)。焼却残灰分は以下の手順で求める。予め精秤した30mlの磁性るつぼに約2gの試料を入れ精秤し、試料の質量(Wag)を精秤する。るつぼを電気炉に入れ約900℃で約3時間加熱し、電気炉中で放冷し常温下でデシケーター中に1時間以上放冷しるつぼの質量を精秤する。ここから焼却残灰分(Wbg)を求める。
Figure 2005134891
上記式(1)の含有率から試料W1g中の焼却残灰分の質量(W3g)は、
(Wb/Wa)×W1で表される。
THF不溶分Aは下記式(2)から求められる。
Figure 2005134891
本発明においては、トナーの質量から焼却残灰分の質量を差し引くことによって、トナー中に含有される結着樹脂の質量を基準とした各成分量を求めている。
尚、結着樹脂に含有されるスチレン−アクリル樹脂を試料とする場合のTHF不溶分Cの測定は、スチレン−アクリル樹脂の所定量(W1g)を秤量し、上記と同じ工程で抽出残分(W2g)を求め、下記式(3)より求められる。
Figure 2005134891
[TOL不溶分の測定]
THF不溶分AのTOL再抽出による不溶分量の測定は抽出残分(W2g)を求めた円筒ろ紙をTOL200mlにて再度ソックスレー抽出を16時間行うことで求める。このとき、溶媒の抽出サイクルが約4分〜5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を取り出し、40℃で8時間真空乾燥し、TOL抽出残分を秤量する(W4g)。
TOL不溶分Bは下記式(4)から求められる。
Figure 2005134891
[GPCによる分子量分布の測定]
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000
H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合わ
せを挙げることができる。
又、試料は次のようにして作製する。試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。又、試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。尚、本発明でのソックスレー抽出で得られたTHF可溶成分については得られた溶液をサンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)な
ど使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とし、TOL可溶成分については可溶成分溶液をエバポレートした後に試料調製を行った。
[エポキシ価の測定]
基本操作はJIS K−7236に準ずる。
1)試料を0.5〜2.0gを精秤し、樹脂の重さをW(g)とする。
2)300mlのビーカーに試料を入れ、クロロホルム10ml及び酢酸20mlに溶解する。
3)この溶液に、臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液10mlを加える。
4)0.1mol/lの過塩素酸酢酸溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(win workstat
ion)とABP−410電動ビュレットを用いて実施する自動滴定が利用できる。)。5)この時の過塩素酸酢酸溶液の使用量をSmlとし、同時にブランクを測定し、この時の過塩素酸酢酸溶液の使用量をBmlとする。
6)下記式(5)によりエポキシ価を計算する。fは過塩素酸酢酸溶液のファクターである。
Figure 2005134891
[酸価の測定]
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
1)樹脂の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、結着樹脂の重さW(g)とする。
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
3)0.1規定のKOHのメタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(win workstat
ion)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。)。
4)この時のKOH溶液の使用量S(ml)とし、同時にブランクを測定しこの時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
5)下記式(6)により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
Figure 2005134891
本発明のトナーに使用される結着樹脂には、その他下記の重合体を添加することも可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレンーメタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用
できる。
本発明で用いるトナーには、正帯電性または負帯電性を保持させるため、荷電制御剤を含有させるとよい。トナーを正帯電性に制御する荷電制御剤として下記の物質がある。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物がある。これらを単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、イミダゾール化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。また、トナーを負帯電性に制御する荷電制御剤として下記の物質がある。例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。
荷電制御剤をトナーに含有させる方法として、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの荷電制御剤の使用量は結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に決定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
本発明においては、トナーに離型性を与えるために次のようなワックス類を含有させるとよい。融点が70〜165℃で、160℃における溶融粘度が1000mPa・s以下のワックスであり、その具体例としてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックスや、エチレン、プロピレン、ブテン、ぺンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセンのような直鎖のα−オレフィン及び分枝部分が末端にあるような分枝α−オレフィン及びこれらの不飽和基の位置の異なるオレフィンの単独重合体もしくはこれらの共重合体等が挙げられる。その他、アルコールワックス、脂肪酸ワックス、エステルワックス、天然ワックスも用いられる。更に、ビニル系モノマーによりブロック共重合体としたり、グラフト変性などを施した変性ワックス、また、酸化処理を施した酸化ワックスでも良い。
これらのワックスは、トナー製造に際し、予め重合体成分中に添加・混合しておくこともできる。その場合は、重合体成分の調製時に、ワックスと高分子量重合体とを溶剤に予備溶解した後、低分子量重合体溶液と混合する方法が好ましい。これによりミクロな領域での相分離が緩和され、高分子量成分の再凝集が制御され、低分子量重合体との良好な分散状態も得られる。
また、上記ワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であるとより好ましい。尚、2種類以上のワックスを併用して添加しても良い。
これらのワックスを添加したトナーは、トナーの示差熱分析(DSC)により測定され
る吸熱曲線において、60〜120℃の領域に最大吸熱ピークを有することが好ましい。
これらの範囲に最大ピークを有する場合、定着性、耐オフセット性が良好である。60℃未満の場合、ワックスの可塑効果のために、トナー自身の保存性が低下する。120℃を超える場合には、定着性が低下する。尚、ここで、上記最大吸熱ピークは次のようにして求めることができる。
本発明において、ワックス又はトナーの示差走査熱量計によるDSC測定では、例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7やTAインスツルメンツジャパン社製のDSC2920が利用できる。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温させ前履歴を取った後、温度測定10℃/min、温度0〜200℃の範囲で降温させた後、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
本発明のトナーに使用できる着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。例えば、顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持するために必要な量が用いられ、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の添加量が良い。同様の目的で、更に染料が用いられる。例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料があり、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
また、本発明のトナーにおいては、着色剤として磁性酸化鉄を用い、磁性トナーとして使用することもできる。
磁性酸化鉄の個数平均粒子径としては、0.05〜1.0μmが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.6μmである。また、本発明に用いられる磁性酸化鉄はトナー中への分散性から八面体形状あるいは複核形状を有していることが望ましい。本発明において含有させる磁性酸化鉄粒子の量は、結着樹脂100質量部に対して20〜200質量部、好ましくは20〜170質量部、更に好ましくは30〜150質量部が好ましい。
また本発明のトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を添加することが好ましい。
本発明に用いられるシリカ微粉末は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲内のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対してシリカ微粉体0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量部使用するのが良い。また、本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤を併用して処理されていてもよい。
本発明のトナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子などである。滑剤としては、ポリ弗化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末等が挙げられ、中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。また研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末等が挙げられ、中でもチタン酸ストロンチウム粉末が好ましい。流動性付与剤としては、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末等が挙げられ、中でも疎水性のものが好ましい。導電性付与剤としては、カーボンブラック粉末、
酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末等が挙げられる。またさらに、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明のトナーを作製するには、結着樹脂、着色剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後粉砕及び分級を行い、更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、本発明のトナーを得ることができる。
本発明において絡み合いの成分を効果的に生成するためにはトナーの混練工程におけるトナーの滞留時間をコントロールし混練時の樹脂の温度を制御することが重要である。混練時の樹脂の温度として好ましい範囲は130℃〜170℃である。130℃未満であると混練時のシェアが増大し絡み合いに比べ切断が進行してしまう。又、170℃を超える温度であると架橋反応が進行しすぎて網目構造をもった成分が生成しやすくなる。
さらに、本発明において絡み合いの成分を効果的に生成するためにはトナーの混練工程において混練機のニーディングゾーン上部のベント口を開放して混練することが好ましい。ニーディングゾーン上部のベント口を開放して混練することで、トナー化時において、加圧状態ではなく空気雰囲気下で混練シェアをかけることが出来、空気を含みながら混練することで架橋点間距離の広い絡み合い構造をもつ成分が生成しやすくなる。
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサ一(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)が挙げられ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明する。尚、実施例中の部数は質量部である。
まず、以下の段階を経て本発明に係るスチレン−アクリル樹脂を製造した。
<高分子量樹脂成分(A−1)の製造例>
四つ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、攪拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
この還流下で、まず、スチレン80質量部,アクリル酸−n−ブチル16質量部及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(「開始剤1」ともいう,半減期10時間、温度;92℃)0.8質量部の混合液を4時間かけて滴下する。これらの混合液を2時間滴下した時点で,メタクリル酸4質量部及び開始剤1の20.2質量部の混合液を2時間かけて滴下する。全てを滴下した後、2時間保持し重合を完了し、高分子量樹脂成分(A−1)溶液を得た。このように酸価を持たない樹脂を予めブロックとして重合した後、酸モノマーを滴下して重合させることで架橋点間距離の長い高分子量樹脂成分を生成することが可能となる。
<高分子量樹脂成分(A−2)の製造>
高分子量樹脂成分(A−1)の製造例と同様にスチレン75質量部,アクリル酸−n−ブチル18質量部,メタクリル酸7質量部及び開始剤1を1質量部用いて、高分子量樹脂成分(A−2)溶液を得た。
<高分子量樹脂成分(A−3)の製造>
高分子量樹脂成分(A−1)の製造例と同様にスチレン72質量部,アクリル酸−n−ブチル23質量部,メタクリル酸5質量部及び開始剤1を1質量部用いて、高分子量樹脂成分(A−3)溶液を得た。
<高分子量樹脂成分(A−4)の製造>
高分子量樹脂成分(A−1)の製造例と同様にスチレン70質量部,アクリル酸−n−ブチル27質量部,メタクリル酸3質量部及び開始剤1を1質量部用いて、高分子量樹脂成分(A−4)溶液を得た。
<高分子量樹脂成分(A−5)の製造>
四つ口フラスコ内に脱基水180質量部とポリビニルアルコールの2質量%水溶液20質量部を投入した後、スチレン70質量部,アクリル酸−n−ブチル25質量部,マレイン酸モノブチル5質量部,ジビニルベンゼン0.005質量部,及び開始剤1の0.1質量部の混合液を加え、攪拌し懸濁液とした。フラスコ内を充分に窒素で置換した後、85℃まで昇温して、重合を開始した。同温度に24時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時間,温度;72℃)0.1質量部を追加した。さらに、12時間保持して重合を完了した。その後、該高分子量重合体を濾別し、水洗,乾燥し高分子量樹脂成分(A−5)を得た。
<低分子量樹脂成分(B−1)の製造>
四つ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、攪拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させる。この還流下で、スチレン75質量部,アクリル酸−n−ブチル25質量部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド(「開始剤2」ともいう)2質量部の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持し重合を完了し、低分子量樹脂溶液(B−1)を得た。
<低分子量樹脂成分(B−2)の製造>
スチレン78質量部,アクリル酸−n−ブチル22質量部,開始剤2を2.5質量部用いて低分子量樹脂成分B−1の製造例と同様に重合を行い、低分子量樹脂成分溶液B−2を得た。
<低分子量樹脂成分(B−3)の製造>
スチレン80質量部,アクリル酸−n−ブチル20質量部,開始剤2を2質量部用いて低分子量樹脂成分B−1の製造例と同様に重合を行い、低分子量樹脂成分溶液B−3を得た。
<グリシジル基含有ビニル樹脂(D−1)の製造例>
四つ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、攪拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
この還流下で、スチレン80質量部,アクリル酸−n−ブチル18質量部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド(開始剤2)1.8質量部の混合液を4時間かけて滴下した。これらの混合液を2時間滴下した時点でメタクリル酸グリシジル2質量部及び開始剤2の0.2質量部の混合液を2時間かけて滴下する。全てを滴下した後、2時間保持し重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留留去した。この様にしてグリシジル基含有ビニル樹脂(D−1)を得た。その重量平均分子量,エポキシ価の結果を表1に示す。このように酸価を持たない樹脂を予めブロックとして重合した後、グリシジル基含有モノマーを滴下して重合させることで架橋点間距離の長いグリシジル基含有ビニル樹脂を生成することが可能となる。
<グリシジル基含有ビニル樹脂(D−2)の製造>
グリシジル基含有ビニル樹脂(D−1)の製造例と同様にスチレン75質量部,アクリル酸−n−ブチル15質量部,メタクリル酸グリシジル10質量部及び開始剤2を3質量部用いて、グリシジル基含有ビニル樹脂(D−2)を得た。その重量平均分子量,エポキシ価の結果を表1に示す。
Figure 2005134891
<スチレン−アクリル樹脂(C−1)の製造>
四つ口フラスコ内に、上記低分子量樹脂成分(B−2)のキシレン溶液200質量部(低分子量樹脂成分60質量部相当)を投入し、昇温して還流下で攪拌する。一方、別容器に上記高分子量樹脂成分(A−3)溶液200質量部(高分子量樹脂成分40質量部相当)を投入し、還流させる。上記低分子量樹脂成分(B−2)溶液と高分子量樹脂成分(A−3)溶液を還流下で混合した後、有機溶剤を留去し、得られた樹脂を冷却、固化後粉砕する。この低分子量樹脂成分と高分子量樹脂成分を混合することにより得られたカルボキシ基含有ビニル樹脂95質量部とグリシジル基含有ビニル樹脂(D−1)5質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、2軸押出機にて200℃で架橋反応後、1℃/minの冷却速度で冷却し、その後粉砕してスチレン−アクリル樹脂(C−1)を得た。この樹脂のTHF16時間抽出によるTHF不溶分Cは0.1質量%であった。また、高分子側のピーク分子量は23万,低分子側のピーク分子量は1.23万であった。この樹脂のTHF不溶分C、ピーク分子量等の結果をまとめて下記表2に示す。
<スチレン−アクリル樹脂(C−2〜C−7)の製造>
高分子量樹脂成分溶液(A−1〜A−5)と低分子量樹脂成分溶液(B−1〜B−3)を表2に示すように組み合わせ、さらにグリシジル基含有ビニル樹脂(D−1、又はD−2)を表2に示すように組み合わせ表2に示した架橋反応温度,冷却速度でスチレン−アクリル樹脂(C−1)の製造例と同様にして、スチレン−アクリル樹脂(C−2〜7)を得た。この樹脂のTHF不溶分C、ピーク分子量等の結果を表2に示す。尚、表2において、C/Gは、カルボキシル基含有ビニル樹脂/グリシジル基含有ビニル樹脂の配合比を表す。
Figure 2005134891
[実施例1]
下記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。尚、この時、混練機のニーディング部のベント口は開放しておき、さらに、混練された樹脂の温度が150℃になるように滞留時間をコントロールした。
スチレン−アクリル樹脂C−1 80質量部
ジエン系樹脂(スチレン−ブタジエン共重合体) 20質量部
(スチレン:ブタジエン=85:15(質量比)ピーク分子量=25000,Mw=27万,Mn=2万)
磁性酸化鉄粒子(八面体、個数平均粒径=0.21μm) 90質量部
ワックスa 4質量部
ワックスb 2質量部
荷電制御剤A(トリフェニルメタンレーキ顔料) 2質量部
(但し、上記材料中、ワックスに記載の記号は下記表3のものと対応している(以下の実施例においても同様の扱い)。また、荷電制御剤Aは下記構造式(A)で表されるものである。)
Figure 2005134891
Figure 2005134891
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径7.5μmのトナー粒子を得た。トナー粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉体(シリカ母体100部に対して、アミノ変性シリコーンオイル(アミノ当量=830、25℃における粘度=70mm2/s)17部で処理したもの、BET比表面
積=140m2/g)0.8質量部とチタン酸ストロンチウム3.0質量部を外添混合し
、目開き150μmのメッシュで篩い、トナーNo.1を得た。トナー内添処方及び物性値を表4に示す。
Figure 2005134891
表中、磁性酸化鉄粒子の欄における「複核」とは、複数の粒子核から結晶成長した形状様のもの、親粒子上に小粒子核ができ結晶成長した形状様の磁性酸化鉄粒子のことである。また、同欄における「カーボンブラック」とは、磁性酸化鉄粒子の代わりに、カーボンブラックを用いたことを示す。
[評価方法]
このトナーNo.1を、市販の複写機(IR−105 キヤノン製)を1.5倍のプリントスピードに改造し、23℃,5%RHの環境と23℃,60%RHの環境と32℃,80%RHの環境で印字比率4%のテストチャートを用いて、20万枚の連続プリント試験を行った。さらに、熱ロール定着器が用いられているこのIR105の定着器(熱ローラー定着器)を外部へ取り出し、複写機外でも動作し、定着ローラー温度,プロセススピ
ード,加圧力を任意に設定可能になるように改造した外部定着器を用い、定着性、耐オフセット性及びOHT定着性の評価を行った(評価A)。更に、フィルムを介して記録材を該加熱体に密着させる加圧部材とからなる定着装置を使用している市販のLBPプリンター(Laser Jet 4300,HP社製)の定着器を外部へ取り出し、プリンター外でも動作し、定着フィルム温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを350mm/secとなるように改造した外部定着器(低消費電力定着器)に代えて、定着性、耐オフセット性及びOHT定着性の評価を行った(評価B)。結果を表5〜8に示す。尚、評価の具体的方法を以下に示す。
定着性
評価Aにおいては、プロセススピードを600mm/sec、加圧力30kgf/cm2の条件で90g/m2紙を用い、ベタ黒とハーフトーンの2種類の未定着画像を、150℃に温調した定着器に通紙し、定着画像を得た。そして得られた画像に対して、50g/cm2の荷重をかけて、シルボン紙によりその定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度
の低下率(%)で評価した。評価結果を以下のように分類する。
A:10%以下
B:10%超、20%以下
C:20%超
また、評価Bにおいては、75g/m2紙を用い、ベタ黒とハーフトーンの2種類の未
定着画像を150℃に温調した定着器に通紙し、定着画像を得、同様に評価した。
OHT定着性
評価Aにおいては、プロセススピードを600mm/sec、加圧力30kgf/cm2の条件で90g/m2紙を用い、ベタ黒の未定着画像を、180℃に温調した定着器に通紙し、定着画像を得た。そして得られた画像に対して、50g/cm2の荷重をかけ、シ
ルボン紙によりその定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)で評価した。評価結果を以下のように分類する。
A:10%以下
B:10%超、20%以下
C:20%超
また、評価Bにおいては、75g/m2紙を用い、ベタ黒の未定着画像を180℃に温
調した定着器に通紙し、定着画像を得、同様に評価した。
耐オフセット性
評価Aにおいては、プロセススピードを50mm/sec、加圧力50kgf/cm2
の条件で50g/m2紙を用い、画像面積率約5%の未定着画像を、240℃に温調した
定着器に通紙することにより定着画像を得、以下の分類に従い評価した。
A:良好
B:わずかに汚れる程度
C:画像に影響する汚れ発生
また、評価Bにおいては、50g/m2紙を用い、ベタ黒の未定着画像を240℃に温
調した定着器に通紙し、定着画像を得、同様に評価した。
画像評価
画像濃度はマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度測定を行い、5mm角の画像を測定した。カブリは反射濃度計(リフレクトメーター モ
デル TC−6DS 東京電色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度最悪値を
Ds、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−Drをカブリ量としてカブリの評価を行った。数値の少ない方がカブリ抑制に関し優れていることを示す。ドット再現性の評価としては、孤立ドット100個画像形成し、100個の内何ドット表すことができたかによって評価する。ドット再現数が多い方が高画質といえるものである。これらの評価を、初期、20万枚時に行った。
[実施例2〜6]
表4に記載の処方で実施例1と同様に表4に記載の樹脂温度になるように混練時の滞留時間を制御することで、トナーNo.2〜6を作成した。このようにして得られた物性値を表4に示し、実施例1と同様にして試験をした評価結果を表5〜8に示す。
[比較例1〜3]
表4に記載の処方で実施例1と同様に表4に記載の樹脂温度になるようにニーディング部のベント口を閉じた状態で、混練時の滞留時間を制御することで、トナーNo.10〜12を作成した。このようにして得られた物性値を表4に示し、実施例1と同様にして試験をした評価結果を表5〜8に示す。
Figure 2005134891
Figure 2005134891
Figure 2005134891
Figure 2005134891
[実施例7]
下記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。尚、この時、混練機のニーディング部のベント口は開放しておき、さらに、混練された樹脂の温度が150℃になるように滞留時間をコントロールした。
スチレン−アクリル樹脂C−1 80質量部
ジエン系樹脂(スチレン−ブタジエン共重合体) 20質量部
(スチレン:ブタジエン=85:15(質量比)ピーク分子量=25000,Mw=27万,Mn=2万)
磁性酸化鉄粒子(複核形状、個数平均粒径=0.21μm) 95質量部
ワックスa 4質量部
ワックスb 2質量部
荷電制御剤B(アゾ系鉄錯体) 2質量部
(上記材料中、荷電制御剤Bは下記構造式(B)で表されるものである。)
Figure 2005134891
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.5μmのトナー粒子を得た。トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BET比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.
2質量部とチタン酸ストロンチウム1.0質量部を外添混合し目開き150μmのメッシュで篩い、トナーNo.7を得た。トナー内添処方及び物性値を表4に示す。
このトナー7を用いて、実施例1と同様にして、定着性、耐オフセット性及びOHT定着性の評価を行った。
また、市販のLBPプリンター(Laser Jet 4300,HP社製)を1.5倍のプリントスピードに改造し、15℃,10%RHの環境と23℃,60%RHの環境と32℃,80%RHの環境で印字比率4%のテストチャートを用いて、1万枚の連続プリント試験を行い、初期、1万枚時において、実施例1と同様にして、画像評価を行った。結果を表9〜12に示す。
[実施例8]
表4に記載の処方で実施例7と同様に表4に記載の樹脂温度になるように混練時の滞留時間を制御することで、トナーNo.8を作成した。このようにして得られた物性値を表4に示し、実施例7と同様の試験をした結果を表9〜12に示す。
[比較例4〜5]
表4に記載の処方で実施例7と同様に表4に記載の樹脂温度になるようにニーディング部のベント口を閉じた状態で、混練時の滞留時間を制御することで、トナーNo.13、14を作成した。このようにして得られた物性値を表4に示し、実施例7と同様の試験をした結果を表9〜12に示す。
Figure 2005134891
Figure 2005134891
Figure 2005134891
Figure 2005134891
[実施例9]
下記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。尚、この時、混練機のニーディング部のベント口は開放しておき、さらに、混練された樹脂の温度が160℃になるように滞留時間をコントロールした。
スチレン−アクリル樹脂C−4 80質量部
ジエン系樹脂(スチレン−ブタジエン共重合体) 20質量部
(スチレン:ブタジエン=85:15(質量比)ピーク分子量25000,Mw:27万,Mn:2万)
カーボンブラック 5質量部
ワックスb 4質量部
荷電制御剤C(サリチル酸アルミ化合物) 2質量部
(上記材料中、荷電制御剤Cは下記構造式(C)で表されるものである。)
Figure 2005134891
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.5μmのトナー粒子を得た。トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎水化処理した疎水性シリカ微粉体(メタノールウェッタビリティ80%、BET比表面積120m2/g)を1.2質量部とイソブチルトリメトキシシランで表面処理した1次粒子径50nmの酸化チタン微粒子0.2質量部を外添混合し目開き150μmのメッシュで篩い、トナーNo.9を得た。トナー内添処方及び物性値を表4に示す。
このトナーNo.9を、市販のLBPプリンター(LBP−2510,キヤノン社製)を1.5倍のプリントスピードに改造し、15℃,10%RHの環境と23℃,60%RHの環境と32℃,80%RHの環境で印字比率4%のテストチャートを用いて、3000枚の連続プリント試験を行い、初期、3000枚時において、実施例1と同様にして、画像評価を行った。結果を表13〜15に示す。
[比較例6]
表4に記載の処方で実施例9と同様に表4に記載の樹脂温度になるようにニーディング部のベント口を閉じた状態で、混練時の滞留時間を制御することで、トナーNo.15を作成した。このようにして得られた物性値を表4に示し、実施例9と同様の試験をした結果を表13〜15に示す。
Figure 2005134891
Figure 2005134891
Figure 2005134891

Claims (9)

  1. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナーにおいて、
    (i)トナー中の結着樹脂がスチレン−アクリル樹脂を60質量%以上含有しており、
    (ii)該結着樹脂は、トナー中において、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTHF不溶分Aを有しており、
    (iii)該THF不溶分Aは、トルエン(TOL)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTOL不溶分Bを有しており、
    (iv)THF不溶分AとTOL不溶分Bとの質量比が0.1≦B/A≦0.5であることを特徴とするトナー。
  2. 結着樹脂を基準として、前記THF不溶分Aが10質量%〜50質量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. トナー中の結着樹脂のTHF可溶分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が分子量3000〜30000の領域に少なくとも1つのピークを有しており、分子量10万以下の面積は全体の面積に対して70〜100%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記THF不溶分AのTOLを用いた抽出によって得られたTOL可溶分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が分子量3000〜30000の領域に少なくとも1つのピークを有しており、GPCチャートにおける分子量10万以下の面積は全体の面積に対して60〜90%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のトナー。
  5. トナー中の結着樹脂に含有される前記スチレン−アクリル樹脂は、カルボキシル基含有ビニル樹脂とグリシジル基含有ビニル樹脂を反応させて得たものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のトナー。
  6. トナー中の結着樹脂に含有される前記スチレン−アクリル樹脂について、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により16時間抽出した時の抽出残分であるTHF不溶分Cが0質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
  7. 前記トナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、最大吸熱ピークが温度60〜120℃の範囲に一つ有することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のトナー。
  8. 前記着色剤が、八面体形状を有する磁性酸化鉄粒子及び/又は複核形状を有する磁性酸化鉄微粒子であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のトナー。
  9. 前記磁性酸化鉄粒子を、結着樹脂100質量部に対し20〜200質量部含有することを特徴とする請求項8に記載のトナー。
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