JP2007197655A - 微小粒子含有組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】親水性の微小粒子が親水性が高くない混合材料中で凝集することなく安定的に分散することができる微粒子含有組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】水に微小粒子を分散して水スラリーを調製する工程と、水よりも沸点が高い水系有機溶媒及び該水系有機溶媒よりも沸点が高い有機化合物である混合材料を該水スラリーに添加する工程と、該微小粒子の表面を改質するシランカップリング剤を該水スラリーに添加する工程とを有することを特徴とする。微小粒子を分散させる媒質を沸点が低いものから順に親水性が低くなるように徐々に変化させ、併せて微小粒子の表面性状を改質するシランカップリング剤を作用させることで凝集することがなく微小粒子含有組成物を調製ができる。水から水系有機溶媒への置換を徐々に進行させることが可能になり、凝集を引き起こすことなく混合材料中に微小粒子を分散できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、親水性の微小粒子が親水性が高くない有機化合物から構成される材料に混合乃至分散された複合材料の原料などとして好適な微小粒子含有組成物及びその製造方法に関する。
従来技術としては、親水性コロイド状シリカを含有し、ジシロキサン化合物及び/又はモノアルコキシシラン化合物のシリル化剤を含有し、且つその残余として疎水性有機溶媒と炭素数1〜3のアルコールとの混合溶媒と媒体中15重量%以下の水とからなる媒体を含有する反応混合物を、アルカリが除去され又は当量以上の酸で中和された状態で熟成することにより、疎水性コロイド状シリカが分散したシリル化処理シリカゾルを生成させ、次に当該シリル化処理シリカゾルに疎水性有機溶媒を添加して、蒸留することにより、疎水性オルガノシリカゾルを製造することが開示されている(特許文献1)。
また、予め有機溶媒に超微粒子を分散させ、ついでこの超微粒子分散溶液と樹脂成分を混合させ、樹脂成分中に上記超微粒子を分散させることにより超微粒子分散樹脂組成物を作成する技術が開示されている(特許文献2)。
特開平11−43319号公報 特開平5−287082号公報
本発明では従来技術よりも簡便な方法にて、親水性の微小粒子が親水性が高くない材料(以下、「混合材料」と称する)中で凝集することなく安定的に分散することができる複合材料の原料などとして好適な微粒子含有組成物の製造方法及びそのような微小粒子含有組成物を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する目的で本発明者らは鋭意検討を行った結果、以下の知見を得た。すなわち、親水性が高い微小粒子を親水性が高くない混合材料中に混合乃至分散させるために、微小粒子を分散させる媒質を沸点が低いものから順に親水性が低くなるように徐々に変化させ、併せて微小粒子の表面性状を改質する表面改質剤を作用させることで凝集することがなく微小粒子含有組成物を調製ができるものであり、本知見に基づき、以下の発明を完成した。
本発明の微小粒子含有組成物の製造方法は、水系媒質に微小粒子を分散して水系スラリーを調製する工程と、
該水系媒質よりも沸点が高い水系有機溶媒及び該水系有機溶媒よりも沸点が高い有機化合物である混合材料を該水系スラリーに添加する工程と、
該微小粒子の表面を改質する表面改質剤を該水系スラリーに添加する工程と、
を有することを特徴とする。
ここで、前記水系媒質は水であることが望ましい。そして、前記表面改質剤はシランカップリング剤又はシリル化剤であることが望ましい。
分散できる微小粒子としては金属酸化物又は樹脂材料から構成されるものが採用できる。例えば、前記水系スラリーとしては親水性コロイドシリカが採用できる。そして、前記混合材料は、エポキシ基、オキセタン基、水酸基、ブロックされたイソシアネート基、アミノ基、ハーフエステル基、アミック基、カルボキシ基及び炭素-炭素二重結合基などの反応性が高い官能基を化学構造中に導入しても良い。更にこれらの官能基は条件を整えることで、有機化合物を互いに結合(重合)させることができる。
更に、前記表面改質剤添加工程後に、前記水系媒質を蒸発除去する工程、そして、その後に、前記水系有機溶媒を蒸発除去する工程を有するを設けることで、混合材料中に微小粒子を分散等させることが可能になる。
そして、前記混合材料添加工程に供される前記微小粒子は、イオン性物質含有量が所定値以下であることが望ましい。例えば、前記微小粒子はテトラアルコキシシランの重縮合により形成されたコロイドシリカが採用できる。また、前記微小粒子は洗浄により前記イオン性物質の含有量が所定値以下に低減することもできる。洗浄はイオン性物質を溶解できる溶媒(例えば、水など)により行うことができる。イオン性物質の含有量としては、ナトリウムの量について例示すると、50ppm以下であることが望ましい。
また、前記微小粒子は一次粒子径が1nm以上100nm以下の二次粒子を形成した凝集体を含み、製造された前記微小粒子含有組成物のチクソ比が1.2以下であることが望ましい。ここで、本明細書における「チクソ比」とはE型粘度計を用いて測定した粘度に基づき算出されるもので、シュアレートが4(/秒)の時の粘度を基準として10(/秒)の時の粘度の比で表される値である。流体のチクソ比が1の場合はその流体はニュートン流動を示す。チクソ比が1超の場合はチキソトロピー流体であり、1未満の場合はダイラタンシー流体である。チクソ比が1から離れるほど、チキソトロピー又はダイラタンシーの程度が大きくなる。
また、前記微小粒子は2種類若しくはそれ以上の種類の粒子(第1微小粒子、第2微小粒子・・・)を混合することができる。第1微小粒子は体積平均粒径が1nm以上50nm以下が望ましく、第2微小粒子は体積平均粒径が100nm以上5μm以下とすることが望ましい。更に、前記第2微小粒子は、前記水系媒質蒸発除去工程後に混合・分散することもできる。
上記課題を解決する本発明の微小粒子含有組成物は、上述した本発明の微小粒子含有組成物の製造方法にて製造されうるものが挙げられる。
更に、本発明の他の微小粒子含有組成物は、微小粒子と、
該微小粒子を分散し、水より沸点が高い水系有機溶媒及び水の混合物である分散媒と、
該分散媒に分散乃至溶解された該水系有機溶媒より沸点が高い有機化合物である混合材料と、
シランカップリング剤又はシリル化剤を含む表面改質剤と、
を有することを特徴とする。特に、前記微小粒子はイオン性物質を実質的に含有しないことが望ましい。また、前記微小粒子は一次粒子径が1nm以上100nm以下の二次粒子を形成した凝集体を含むことが望ましい。そのような微小粒子を含有することで、機械的強度を高くすることができる。
また、本発明の更にその他の微小粒子含有組成物は、一次粒子径が1nm以上100nm以下の二次粒子を形成した凝集体を含む金属酸化物粒子と、
該金属酸化物粒子を分散し且つ有機化合物である混合材料と、
を有し、
チクソ比が1.2以下であることを特徴とする。
その場合に、前記凝集体の粒径は1μm以下とすることが望ましい。また、前記微小粒子は体積平均粒径が1nm以上50nm以下の第1微小粒子と体積平均粒径が100nm以上5μm以下の第2微小粒子とを含有することが望ましい。更に、前記金属酸化物粒子は、シラノール基、シリル基及びそれらのアルキルエステルから選択され且つ表面に導入された表面改質官能基をもつことが望ましい。
本発明の微小粒子含有組成物及び微小粒子含有組成物の製造方法は、微小粒子を分散する水系媒質から、水系有機溶媒への置換が、その沸点の差から徐々に進行させることが可能になり、微小粒子の凝集を引き起こすことなく混合材料中に微小粒子を分散等させることが可能になる。また、含有される微小粒子中のイオン性物質の濃度を制限することで、電気・電子部品などに適用した場合の予期しない影響が低減できる。
また、微小粒子として、一次粒子径が1nm以上100nm以下の二次粒子を形成した凝集体を含む金属酸化物粒子を採用することで、機械的強度が高い微小粒子含有組成物とすることができる。
(微小粒子含有組成物の製造方法)
本発明の製造方法は(a)水性スラリーを調製する工程と(b)その水性スラリーに水系有機溶媒及び混合材料を添加する工程と(c)表面改質剤を添加する工程とを有する。更に(d)その他の工程を有することができる。
(a)水性スラリーを調製する工程は微小粒子を水系媒質に分散した水性スラリーを調製する工程である。微小粒子を水系媒質中に添加した後、撹拌、超音波照射などにより、分散させる。また、微小粒子を構成する材料を水系媒質に溶解した溶液を用意し、その材料の溶解性を何らかの方法(イオン交換、化学反応による置換基の導入・脱離、pHや温度などの制御など)にて低下させることで微小粒子を析出し、微小粒子を含む水性スラリーを得ることができる。例えば、水ガラス水溶液をイオン交換樹脂でイオン交換することによって、コロイドシリカ水性スラリーを調製することができる。
微小粒子としては表面性状が親水性であること以外は特に限定しない。表面が親水性であるとは、最終的に混合等させる混合材料に対して、そのままの状態で分散させた場合に、凝集を生ずるようなものである。
そして、微小粒子は、その直径が1nm〜10μm程度のものが望ましい。特に1nm〜500nm、1nm〜100nmといった直径もつナノメートルオーダーの微小粒子も収率良く混合することができる。1nm以上100nm以下(より望ましくは5nm以上50nm以下)といった直径もつナノメートルオーダーの微小粒子を配合する場合には二次粒子を形成した凝集体を含むことで、機械的強度を高くすることができ、且つ、製造される微小粒子含有組成物がチキソトロピーを示す程度を制限することができる。その場合にチクソ比が1.2以下にすることが望ましく、1以下にすることが更に望ましい。また、必要に応じてチクソ比を0.8以上にすることも望ましい。凝集体の粒径としては特に限定しないが、1μm以下とすることが望ましく、0.5μm以下とすることが更に望ましい。二次粒子を形成する方法についても特に限定しないが、気相法で生成された所定の一次粒子径をもつシリカの微小粒子について、水性スラリーを調製するために水中に分散するときに、分散強度、分散時間などの条件を変更することで所定の粒径をもつ二次粒子を得る方法が例示できる。
また、微小粒子としては体積平均粒径が0.1nm以上50nm以下の第1微小粒子と体積平均粒径が100nm以上5μm以下の第2微小粒子とを含有することが望ましい。相対的に粒径が大きい第2微小粒子の間に第1微小粒子が組み合わせられることでいわゆるベアリング効果が期待でき、流動性の改善が期待できる。第2微小粒子の体積平均粒径は、第1微小粒子の体積平均粒径に対して2倍以上8倍以下にすることが望ましい。更に、第2微小粒子は、(d)にて後述する水系媒質蒸発除去工程後に混合・分散されることが望ましい。また、第2微小粒子は添加する前に、シランカップリング剤又はシリル化剤にて処理することが望ましい。
また、微小粒子を構成する材料としては金属酸化物(シリカ(コロイドシリカ)、アルミナ、チタニア、水酸化アルミニウム、粘土鉱物など)や、樹脂材料(ラテックス、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などの合成高分子、天然ラテックスなどの天然高分子など)、金属(金、銀、白金など)、炭化物(SiCなど)や窒化物(AlN)などのセラミクスなどが例示できる。その表面には何らかの表面処理を行うことで親水化されたものでも良い。微小粒子が細長い形状をもつコロイドシリカである場合にはそのアスペクト比(粒子の長径と短径との比)が2以上(より好ましくは10以上。更には繊維状であってもよい。)であることが最終製品の強度向上の観点から望ましい。アスペクト比がこの範囲にある微小粒子が微小粒子全体の質量を基準として50%以上含有することが好ましく、80%以上含有することがより好ましく、90%以上含有することが更に好ましい。
微小粒子は最終的に目的とする性質(例えば、コーティング剤に本発明の微小粒子含有組成物を適用する場合に、硬度を上げたり、熱膨張性を小さくしたり、電気や熱の伝導性を向上したりする目的が例示できる)に応じて、その材料、形状、添加量などを決定する。微小粒子としては充填性を向上する目的で、真球性が高いことが望ましい。例えば、金属酸化物で説明すると、含酸素雰囲気下にて金属粉末を酸化させて得られる方法(VMC法)や、火炎溶融法などの方法で製造できる。VMC法は、酸素を含む雰囲気中でバーナーにより化学炎を形成し、この化学炎中に目的とする酸化物粒子の一部を構成する金属粉末を粉塵雲が形成される程度の量投入し、爆燃を起こさせて酸化物粒子を得る方法である。火炎溶融法は目的とする球状金属酸化物粒子を構成する金属酸化物を粉砕などにより粉末化した後に、火炎中に投入・溶解させた後、冷却・固化させることで、球状金属酸化物粒子を製造する方法である。
また、本実施形態の微小粒子含有組成物を半導体封止材などの電気・電子部品に適用する場合には、(b)の混合材料添加工程に供される前記微小粒子におけるイオン性物質の含有量を所定値以下に制限することが望ましい。本方法にて製造された微小粒子含有組成物からイオン性物質が溶出乃至移行することで、電気・電子部品に予期しない影響が生起しうるからである。更に、電気・電子部品などへの適用のほか、イオン性物質の存在が好ましくない用途に適用する場合にも同様にイオン性物質の含有量を所定値以下に制限することが望ましい。
ここで、イオン性物質の含有量として設定する所定値としては、微小粒子含有組成物の用途によって適正値が異なるが、半導体封止材に用いる場合には100ppm以下とすることが望ましく、50ppm以下にすることが更に望ましい。制御すべきイオン性物質としては特に限定しないが、アルカリ金属や、アルカリ土類金属、ハロゲンなどの無機物や有機酸などの有機物などが塩などとして存在することが例示できる。特に、ナトリウムの量を所定値以下に制御することが望ましい。微小粒子中に含有されうるイオン性物質としてはナトリウムが最も可能性が高く、ナトリウムの量を制御することでその他のイオン性物質の含有量も同時に低減できることが予測される。微小粒子中のイオン性物質の含有量を測定する方法としては特に限定しないが、ICPなどの通常の手法が採用できる。例えば、微小粒子がシリカである場合、フッ酸などにて溶解後、ICP測定に供することができる。
イオン性物質の含有量の制御の方法としては特に限定しないが、(a)原材料中のイオン性物質(及び/又は、その後、イオン性物質に変化する物質)の含有量を制御した上で、微小粒子を合成により製造する方法、(b)微小粒子からイオン性物質を洗浄などにより除去する方法が例示できる。
微小粒子をしてシリカ微粒子を採用する場合を例に挙げて説明する。(a)の方法として、テトラアルコキシシランの重縮合により形成されたコロイドシリカが採用できる。反応条件を制御することで、粒径が制御された微小粒子の懸濁液を得ることができる。テトラアルコキシシランとしてはテトラエトキシシラン(TEOS)やその他任意のアルコキシ基を有するものが挙げられる。このようにして製造されたコロイドシリカとしては扶桑化学工業製コロイドシリカPL−3が挙げられる。
また、必要な純度をもつシリコンを酸素と反応させてシリカを形成し、そのシリカを微細化することで、イオン性物質の含有量が所定値以下に制御された微小粒子を得ることができる。予めシリコンを微細化することで、微細化されたシリカ粒子を得ることができる。更に、微小粒子の粒径を制御したい場合には遠心力による重力分級などの一般的な分級方法にて分級を行うことができる。
(b)の手法としては、イオン性物質の含有量については特に制限のない一般的な製法にて微小粒子を製造した後、その微小粒子を洗浄することで、イオン性物質を溶解・除去する方法が挙げられる。洗浄に用いる好ましい溶媒としては水(特にイオン交換などによりイオン性物質の含有量を低減させた水)が挙げられる。洗浄回数の増加、洗浄に用いる溶媒量の増加により、イオン性物質の含有量を低減できる。また、洗浄時に加熱することで粘度が低下でき、更なる洗浄効果の向上が期待できる。
水系媒質としては親水性が高い(混合材料との親和性がそのままでは十分でない)微小粒子を分散できる媒質であり、その製造工程において液体であることが望ましい。例えば、水が挙げられる。
(b)水系有機溶媒は水系媒質よりも沸点が高く、水系媒質と混合できる有機溶媒である。沸点が高いことで、蒸発等により除去する場合に水系媒質から除去が進行し、微小粒子を分散する媒質を水系媒質から水系有機溶媒に徐々に置換することができる。ここで、沸点がより高いとは水系媒質を除去する場合の雰囲気における沸点が高いことを意味する。例えば、減圧雰囲気下にて水系媒質を除去する場合にはその圧力下における沸点にて比較する。また、他の添加物により沸点が変化するような場合(共沸混合物の形成、沸点上昇など)はその効果も考慮することが望ましい。
水系媒質と水系有機溶媒との混合比は特に限定しないが、水系有機溶媒より沸点が高い有機化合物である混合材料が溶解する程度に水系有機溶媒を添加することが望ましい。そして、水系有機溶媒の量は多すぎると、生産効率が低下するおそれがある。
水系媒質として水を採用する場合に、水系有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(プロピレングリコール−1−メチルエーテル、沸点119℃程度;プロピレングリコール−2−メチルエーテル、沸点130℃程度)、ブタノール(沸点117.7℃)、N−メチル−2−ピロリドン(沸点204℃程度)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃程度)などが例示できる。
混合材料は、水系有機溶媒よりも沸点が高い有機化合物である。沸点が水系有機溶媒及び水系媒質よりも高いので、最終的に微小粒子とともに残存することになる。混合材料はそのまま、又は、反応することで高分子にすることもできる。混合材料は、微小粒子を分散するマトリクスを形成することもできる。混合材料は、水性スラリーに水系有機溶媒を添加した状態で、分散乃至溶解できる化合物である。混合材料は高分子であっても低分子であっても良い。混合材料は、エポキシ基、オキセタン基、水酸基、ブロックされたイソシアネート基、アミノ基、ハーフエステル基、アミック基、カルボキシ基及び炭素-炭素二重結合基を化学構造中に有することが望ましい。これらの官能基は好適な反応条件を設定することで互いに結合可能な官能基(重合性官能基)であり、混合材料の分子量を向上できる。好適な反応条件としては単純に加熱や光照射を行ったり、熱や光照射によりラジカルやイオン(アニオン、カチオン)などの反応性種を生成したり、それらの官能基間を結合する反応開始剤(重合開始剤)を添加して加熱や光照射を行うことなどである。重合反応に際して必要な化合物を硬化剤として添加したり、その反応に対する触媒を添加することもできる。
混合材料としては重合により高分子材料を形成する単量体や、上述したような重合性官能基により修飾した高分子材料が好ましいものとして挙げられる。例えば、硬化前の、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などのプレポリマーが好適である。
(c)表面改質剤は前述の水系有機溶媒及び混合材料を添加する際に同時に添加することもできる。表面改質剤は微小粒子に作用して、表面の疎水性を向上する作用を発揮する。例えば、疎水性基などを表面に導入できるシランカップリング剤、シリル化剤などが挙げられる。表面改質剤は1官能性の化合物で、微小粒子間を接続しないものか、2官能性の化合物で2つの微小粒子間を結合するに留まるものが望ましい。
表面改質剤の添加量は特に限定しないが、微小粒子表面の一部乃至全部に付着乃至被覆できる量を添加する。また、表面改質剤が微小粒子の表面に形成する被覆は一層であってもよいことはもちろん、2層以上で微小粒子を被覆するものであってもよい。2層以上で被覆する場合には複数種類の表面改質剤にて各層を形成してもよい。
(d)その他の工程として、水系媒質や水系有機溶媒を蒸発・除去する工程を有することができる。水系媒質や水系有機溶媒は加熱したり、減圧したりすることで蒸発させることができる。
水系媒質及び水系有機溶媒を除去することで、混合材料中に微小粒子が混合乃至分散した状態とすることができる。
(微小粒子含有組成物)
本微小粒子含有組成物は微小粒子が混合材料中に混合乃至分散された構成をもつ組成物である。水系媒質や水系有機溶媒を含有することもできる。混合材料に重合性官能基を導入している場合には、その重合性官能基を反応させることで、混合材料を硬化でき、微小粒子が分散された硬化物を得ることができる。ここで、用いている用語は前述の製造方法にて用いたものと同様の意味内容である。
この微小粒子含有組成物はそのままで、又は、分散媒を除去した状態で、更には混合材料を反応により固化させるような反応開始剤を添加して用いることができる。例えば、コーティング剤や塗料、半導体封止材、接着剤などに添加して用いたり、適正な材料と混合した状態で固化・成形して、電子基板に用いられるワニス、プリプレグ、絶縁用のフィルムなどに用いることができる。
〔第1形態〕本形態の微小粒子含有組成物は前述の製造方法にて製造されうるものである。詳細は上記製造方法にて説明しているので、更なる説明は省略する。
〔第2形態〕本形態の微小粒子含有組成物は微小粒子と水系有機溶媒及び水の混合物である分散媒と混合材料と表面改質剤とを有する。微小粒子は、水系有機溶媒と水との混合物である分散媒にて分散されている。微小粒子、水系有機溶媒及び混合材料は概ね前述の製造方法にて説明したものと同じなので更なる説明は省略する。表面改質剤はシランカップリング剤又はシリル化剤からなる化合物である。また、表面改質剤を含有させる替わりに、微小粒子として、表面に表面改質官能基を導入した金属酸化物粒子を採用することができる。表面改質官能基としては、シラノール基、シリル基及びそれらのアルキルエステルから選択することができる。
その場合に、微小粒子として、1nm以上100nm以下(より望ましくは5nm以上50nm以下)といった直径もつナノメートルオーダーの微小粒子であって、二次粒子を形成した凝集体を含むものを採用することもできる。このような微小粒子を有していても、チクソ比を1.2以下にすることも可能になる。
また、微小粒子としては体積平均粒径が1nm以上50nm以下の第1微小粒子と体積平均粒径が100nm以上5μm以下の第2微小粒子とを含有することが望ましい。相対的に粒径が大きい第2微小粒子の間に第1微小粒子が組み合わせられることでいわゆるベアリング効果が期待できる。第2微小粒子の体積平均粒径は、第1微小粒子の体積平均粒径に対して2倍以上8倍以下にすることが望ましい。また、第2微小粒子は、シランカップリング剤又はシリル化剤にて処理することなどで表面にシラノール基、シリル基又はそれらのアルキルエステルが導入されていることが望ましい。
〔試験1〕
(実施例1)
微小粒子としてのシリカ微粒子を水系媒質としての水に分散させた水系スラリーとしてのコロイドシリカN−40(シリカ分40%:日産化学製)100質量部に、水系有機溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点119℃)200質量部と、混合材料としてのエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業製)40質量部と、表面改質剤としてのKBM−503(信越化学製:シランカップリング剤)2.1質量部とを配合して微小粒子含有組成物を調製した。更に、光重合開始剤としてのIRGACURE184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)2質量部を添加した。
この光重合開始剤入りの微小粒子含有組成物をガラス板に塗布し、120℃で15分間加熱した。その後、紫外線を照射することで硬い透明膜が得られた。
(比較例1)
コロイドシリカN−40を100質量部に、水系有機溶媒としてのイソプロパノール(沸点82.4℃)200質量部と、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業製)40質量部と、KBM−503を2.1質量部とを配合して微小粒子含有組成物を調製した。更に、IRGACURE184を2質量部を添加した。
この光重合開始剤入りの微小粒子含有組成物をガラス板に塗布し、120℃で15分間加熱した結果、シリカ微粒子が凝集して相分離を起こし、濁ったぶつぶつの膜になった。
(実施例2)
コロイドシリカN−40を100質量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを200質量部と、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートを40質量部と、KBM−503を2.1質量部とを配合した。その後、得られた微小粒子含有組成物からエバポレータを用いて、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの一部を除去し(合わせて約160質量部)、微小粒子含有組成物を調製した。得られた組成物に、IRGACURE184を2質量部を添加した。
この光重合開始剤入りの微小粒子含有組成物をガラス板に塗布し、120℃で15分間加熱した。その後、紫外線を照射することで硬い透明膜が得られた。
(比較例2)
コロイドシリカN−40を100質量部に、イソプロパノールを200質量部と、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートを40質量部と、KBM−503を2.1質量部とを配合した。その後、得られた微小粒子含有組成物からエバポレータを用いて、水及びプロパノールの一部を除去したところ、シリカ微粒子が凝集して濁ったどろどろの組成物になった。
(実施例3)
コロイドシリカN−40を100質量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを200質量部と、混合材料としてのエポキシ樹脂(YD−127:東都化成製)40質量部と、KBM−503を2.1質量部とを配合して微小粒子含有組成物を調製した。
その後、得られた微小粒子含有組成物からエバポレータを用いて、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去した結果、エポキシ樹脂にシリカ微粒子が分散された流動性がある透明な組成物が得られた。
(比較例3)
コロイドシリカN−40を100質量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを200質量部と、混合材料としてのエポキシ樹脂(YD−127:東都化成製)40質量部とを配合して微小粒子含有組成物を調製した。
その後、得られた微小粒子含有組成物からエバポレータを用いて、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去した結果、エポキシ樹脂にシリカ微粒子が分散されたゲル状で透明な組成物が得られた。
(実施例4)
実施例3で調製した組成物100質量部に、アミン系硬化剤(HL−101:東都化成製)15質量部を配合し、室温で1日放置することで透明な硬化物を得た。
(比較例4)
コロイドシリカN−40を100質量部に、イソプロピルアルコールを200質量部と、エポキシ樹脂(YD−127)40質量部と、KBM−503を2.1質量部とを配合して微小粒子含有組成物を調製した。この組成物からエバポレータを用いて、水及びイソプロピルアルコールを除去した結果、シリカが凝集して濁ったどろどろの組成物になった。
(実施例5)
実施例3で調製した組成物100質量部に、ブチルアセテート50質量部を添加して、粘度を低く調節した。その組成物100質量部にアクリル樹脂(AC4201K:日本ユピカ製)100質量部と、メラミン樹脂(ユーバン20SE−60:三井化学製)15質量部とを配合し、焼き付け用に好適な性状をもつ塗料組成物を得た。この塗料組成物をバーコータにて鉄板表面に塗布し、120℃、30分間加熱することで硬化でき、塗膜を生成した。
(比較例5)
実施例5にて調製した塗料組成物と同様の操作(シリカ微粒子だけ混合しない)にて塗料組成物を調製し、その塗料組成物を実施例5と同じ方法にて塗膜を生成した。
実施例5及び比較例5の塗膜について、それぞれ同様にスチールウールにて擦ったところ、実施例5の塗膜に付いた傷は比較例5の塗膜よりも10分の1以下であった。
(実施例6)
100質量部の市販コロイドシリカUP(シリカ分=20%)(日産化学製)に200質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルと、80質量部のエポキシ樹脂ZX−1059(東都化成製)と、5質量部のKBM−503(信越化学製)とを配合してナノシリカ含有有機組成物を調製した。この組成物から水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルをエバポレータで完全に除去した結果、エポキシ樹脂に細長い形状を有するシリカ微粒子(アスペクト比10〜100の集合体)が分散された流動性がある透明な組成物が得られた。この組成物は実施例4及び5の組成物と同様の操作により透明なまま硬化させることができた。
(実施例7)
SBRラテックス(0561:JSR製)60質量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを200質量部と、エポキシ樹脂(ZX−1059:東都化成製)を60質量部と、KBM−503を2.1質量部とを配合して微小粒子含有組成物を調製した。
その後、得られた微小粒子含有組成物からエバポレータを用いて、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去した結果、エポキシ樹脂にSBR微粒子が分散された流動性がある透明な組成物が得られた。
この透明な組成物は、実施例4及び5と同様の操作により、透明なまま硬化させることができた。
(実施例8)
シリカ微粒子(SO−C1:アドマテックス製)を40質量%含有する水スラリー(アンモニア水でpH8に調節)を100質量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを200質量部と、エポキシ樹脂(ZX−1059:東都化成製)を40質量部と、KBM−503を0.8質量部とを配合して微小粒子含有組成物を調製した。
その後、得られた微小粒子含有組成物からエバポレータを用いて、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去した結果、エポキシ樹脂にシリカ微粒子が分散された流動性がある組成物が得られた。
この組成物は、実施例4及び5と同様の操作により、硬化させることができた。
(実施例9)
アルミナ微粒子(AO−502:アドマテックス製)を40質量%含有する水スラリーを100質量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを200質量部と、エポキシ樹脂(ZX−1059:東都化成製)を40質量部と、KBM−503を0.5質量部とを配合して微小粒子含有組成物を調製した。
その後、得られた微小粒子含有組成物からエバポレータを用いて、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去した結果、エポキシ樹脂にアルミナ微粒子が分散された流動性がある組成物が得られた。
この組成物は、実施例4及び5と同様の操作により、硬化させることができた。
(結果)
以上説明したように、微粒子を水系媒質中に分散させた水系スラリーに沸点が高い水系有機溶媒と表面改質剤とを添加することで、更に添加している混合材料中に微粒子を分散した状態の組成物を得ることができた。水系有機溶媒の沸点がイソプロパノールのように水より低くても(比較例1、2及び4)、表面改質剤を添加しなくても(比較例3)、添加した微粒子の分散性を保つことは困難であった。なお、微粒子を適正に分散させて添加できたことで、実施例5及び比較例5の塗膜にて検討したように、添加した微粒子の効果を十分に発揮させることができた。
また、実施例6のように微小粒子の形状を細長い形状のものとしたり、実施例7、9のように、材料としてシリカ以外のものを採用した場合でも同様に微小粒子の分散性を高いまま保つことができた。
〔試験2〕
(実施例2−1)
20質量部の市販ナノシリカA−50(日本アエロジル社製、一次粒子径約55nm)と、280質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルと、20質量部の水とを混合・分散させてスラリー状にした。得られたスラリーと、20質量部のエポキシ樹脂YD−127(東都化成製)と、2.1質量部のKBM−503(表面改質剤、信越化学製)とを配合して分散させた。その後、エバポレータを用いて溶媒を除去することで微小粒子含有組成物としてのナノシリカ含有有機組成物を得た。これを実施例2−1の試験試料とした。この試験試料は流動性が非常に高いものであった。また、マイクロトラック(日機装製)にて粒度分布を測定したところ、平均粒径が0.3μmとなり、微小粒子が凝集して二次粒子を形成していることが判った。
(比較例2−1)
100質量部の市販コロイドシリカ20L(シリカ分20%、一次粒子径約45nm;日産化学製)と、200質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルと、40質量部のエポキシ樹脂YD−127と、2.1質量部のKBM−503とを配合して分散させた。その後、エバポレータを用いて溶媒を除去することで微小粒子含有組成物としてのナノシリカ含有有機組成物を得た。これを比較例2−1の試験試料とした。この試験試料はマイクロトラックにて粒度分布を測定したところ、平均粒径が50nmとなり、微小粒子が凝集していないことが判った。
(比較例2−2)
20質量部の市販ナノシリカA−50と、280質量部のイソプロピルアルコールと、20質量部のエポキシ樹脂YD−127と、2.1質量部のKBM−503とを配合して分散させた。その後、エバポレータを用いて溶媒を除去することで微小粒子含有組成物としてのナノシリカ含有有機組成物を得た。これを比較例2−2の試験試料とした。比較例2−2の試験試料はシリカの凝集が著しくどろどろの流動性がないものになった。この試験試料はマイクロトラックにて粒度分布を測定できなかった。
(比較例2−3)
20質量部の市販ナノシリカA−50と、300質量部の水とを混合・分散させてスラリー状とした。スラリーに対して、20質量部のエポキシ樹脂YD−127と、2.1質量部のKBM−503とを配合して分散させた。その後、エバポレータを用いて溶媒を除去することで微小粒子含有組成物としてのナノシリカ含有有機組成物を得た。これを比較例2−2の試験試料とした。比較例2−2の試験試料はシリカの凝集が著しくどろどろの流動性がないものになった。この試験試料はマイクロトラックにて粒度分布を測定できなかった。
(評価)
実施例2−1及び比較例2−1の試験試料について硬化剤としての2PHZ(四国化成製)を配合してPETフィルム上で硬化させてフィルム状の成形物を得た。この成形物の引っ張り強度を測定した結果、実施例2−1の試験試料から作成した成形物は比較例2−1の試験試料から作成した成形物よりも強度が1.3倍であった。従って、微小粒子が凝集して二次粒子を形成することで強度の向上が認められることが明らかになった。
〔試験3〕
(試料の調製:実施例3−1)
第1微小粒子としてのシリカ微粒子を水系媒質としての水に分散させたスラリーであるコロイドシリカN−40(シリカ分40質量%;日産化学製)25質量部と、水系有機溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部と、混合材料としてのエポキシ樹脂(ZX−1059:東都化成製)40質量部と、表面改質剤としてのKBM−503(信越化学工業製)2.1質量部とを混合・分散した。その後、エバポレータにより水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去して組成物を得た。
第2微小粒子として添加する体積平均粒径0.5μmのシリカ(SE2050、アドマテックス製)に対して、0.2質量%のエポキシシランを反応させて得られるシリカ微粒子40質量部と、潜在的触媒2−PHZ(四国化成製)2質量部とを得られた組成物中に混合・分散した結果、流動性のある微小粒子含有組成物が得られた。
(実施例3−2)
コロイドシリカN−40を25質量部と、水系有機溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部と、混合材料としてのエポキシ樹脂(ZX−1059)40質量部と、表面改質剤としてのKBM−503を2.1質量部と体積平均粒径0.5μmのシリカSE2050(アドマテックス製)40質量部とを混合・分散した。その後、エバポレータにより水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去したところ、流動性のある微小粒子含有組成物が得られた。
(比較例3−1)
コロイドシリカN−40を25質量部と、水系有機溶媒としてのイソプロパノール150質量部と、エポキシ樹脂(ZX−1059)40質量部と、KBM−503を2.1質量部と体積平均粒径0.5μmのシリカSE2050(アドマテックス製)40質量部とを混合・分散した。その後、エバポレータにより水及びイソプロパノールを除去したところ、流動性のないゲル状の微小粒子含有組成物が得られた。

Claims (25)

  1. 水系媒質に微小粒子を分散して水系スラリーを調製する工程と、
    該水系媒質よりも沸点が高い水系有機溶媒及び該水系有機溶媒よりも沸点が高い有機化合物である混合材料を該水系スラリーに添加する工程と、
    該微小粒子の表面を改質する表面改質剤を該水系スラリーに添加する工程と、
    を有することを特徴とする微小粒子含有組成物の製造方法。
  2. 前記水系媒質は水である請求項1に記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  3. 前記表面改質剤はシランカップリング剤又はシリル化剤である請求項2に記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  4. 前記微小粒子は金属酸化物又は樹脂材料から構成される請求項1〜3のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  5. 前記水系スラリーは親水性コロイドシリカである請求項2〜4のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  6. 前記混合材料は、エポキシ基、オキセタン基、水酸基、ブロックされたイソシアネート基、アミノ基、ハーフエステル基、アミック基、カルボキシ基及び炭素-炭素二重結合基を化学構造中に有する請求項1〜5のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  7. 前記表面改質剤添加工程後に、前記水系媒質を蒸発除去する工程を有する請求項1〜6のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  8. 前記水系媒質除去工程後に、前記水系有機溶媒を蒸発除去する工程を有する請求項7に記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  9. 前記混合材料添加工程に供される前記微小粒子は、イオン性物質含有量が所定値以下である請求項1〜8のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  10. 前記微小粒子はテトラアルコキシシランの重縮合により形成されたコロイドシリカである請求項9に記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  11. 前記微小粒子は洗浄により前記イオン性物質の含有量が所定値以下に低減されている請求項9に記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  12. 前記混合材料添加工程に供される前記微小粒子に含有されるナトリウムの量は50ppm以下である請求項9〜11のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  13. 前記微小粒子は一次粒子径が1nm以上100nm以下の二次粒子を形成した凝集体を含み、
    製造された前記微小粒子含有組成物のチクソ比が1.2以下である請求項1〜12のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  14. 前記微小粒子は体積平均粒径が1nm以上50nm以下の第1微小粒子と体積平均粒径が100nm以上5μm以下の第2微小粒子とを含有する請求項1〜13のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  15. 前記第2微小粒子は、前記水系媒質蒸発除去工程後に混合・分散される請求項14に記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  16. 前記微小粒子はアスペクト比が2以上である細長い形状をもつコロイドシリカである請求項1〜15のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の微小粒子含有組成物の製造方法により製造されうることを特徴とする微小粒子含有組成物。
  18. 微小粒子と、
    該微小粒子を分散し、水より沸点が高い水系有機溶媒及び水の混合物である分散媒と、
    該分散媒に分散乃至溶解された該水系有機溶媒より沸点が高い有機化合物である混合材料と、
    シランカップリング剤又はシリル化剤を含む表面改質剤と、
    を有することを特徴とする微小粒子含有組成物。
  19. 前記微小粒子はイオン性物質を実質的に含有しない請求項18に記載の微小粒子含有組成物。
  20. 前記微小粒子は一次粒子径が1nm以上100nm以下の二次粒子を形成した凝集体を含み、
    チクソ比が1.2以下である請求項18又は19に記載の微小粒子含有組成物。
  21. 前記微小粒子は体積平均粒径が1nm以上50nm以下の第1微小粒子と体積平均粒径が100nm以上5μm以下の第2微小粒子とを含有する請求項18〜20のいずれかに記載の微小粒子含有組成物。
  22. 一次粒子径が1nm以上100nm以下の二次粒子を形成した凝集体を含む金属酸化物粒子と、
    該金属酸化物粒子を分散し且つ有機化合物である混合材料と、
    を有し、
    チクソ比が1.2以下であることを特徴とする微小粒子含有組成物。
  23. 前記金属酸化物粒子は、シラノール基、シリル基及びそれらのアルキルエステルから選択され且つ表面に導入された表面改質官能基をもつ請求項22に記載の微小粒子含有組成物。
  24. 前記凝集体の粒径は1μm以下である請求項21〜23のいずれかに記載の微小粒子含有組成物。
  25. 前記微小粒子は体積平均粒径が1nm以上50nm以下の第1微小粒子と体積平均粒径が100nm以上5μm以下の第2微小粒子とを含有する請求項22〜24のいずれかに記載の微小粒子含有組成物。
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