JP5867426B2 - 窒化ホウ素粉末の製造方法 - Google Patents
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Description
該シリカ微粒子が、
(A1)4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物またはこれらの混合物を、加水分解および縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子を得る工程と、
(A2)該親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程と、
(A3) R2 3SiO1/2単位(式中、各R2は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程
とを含む方法により製造され、
粒子径が0.005〜1.00μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、かつ平均円形度が0.8〜1である疎水性球状シリカ微粒子(1)であることを特徴とする粉末。
(A1)一般式(I):
Si(OR3)4 (I)
(式中、各R3は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物またはこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解及び縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
(A2)得られた該親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(II):
R1Si(OR4)3 (II)
(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、各R4は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、またはこれらの混合物を添加して該親水性球状シリカ微粒子の表面を処理することにより、該親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は前記の通りである)を導入して第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
(A3)得られた該第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(III):
R2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、各R2は同一または異種の置換または非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)
で示されるシラザン化合物、一般式(IV):
R2 3SiX (IV)
(式中、R2は一般式(III)で定義した通りであり、XはOH基または加水分解性基である)で示される1官能性シラン化合物、またはこれらの混合物を添加して、前記第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面をこれにより処理して、該第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(R2は一般式(III)で定義した通りである)を導入することにより第二の疎水性シリカ微粒子として得られる疎水性球状シリカ微粒子である、<1>記載の粉末。
<7> <1>〜<5>のいずれか1項に記載の粉末と、溶融可能なポリマーから選択される少なくとも1種のマトリクスポリマーとを含むことを特徴とする樹脂組成物。
<8> 前記マトリクスポリマーが、ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーンポリマー及びアクリル樹脂から選択される一種又は二種以上である、<7>に記載の樹脂組成物。
<9> <6>、<7>又は<8>記載の樹脂組成物を成形した熱伝導性シート。
<窒化ホウ素(BN)粉末成分>
出発材料として、非コーティング(即ち、未処理の)窒化ホウ素粉末成分は、当技術分野で公知のプロセスにより作られた結晶性又は部分結晶性窒化ホウ素粒子を含む。これらには、米国特許第6,652,822号公報に開示されているようなプラズマガスを用いるプロセスで生成されたミクロンサイズの範囲の球状窒化ホウ素粒子、米国公開特許2001−0021740公報に開示されているような結合剤により互いに結合されて、その後スプレー乾燥された不規則な非球状窒化ホウ素粒子で形成された球状窒化ホウ素凝集塊を含む六方晶系窒化ホウ素(hBN)粉末、米国特許第5,898,009号公報及び米国特許第6,048,511号公報に開示されているような加圧成形により生成された窒化ホウ素粉末、米国公開特許2005−0041373公報に開示されているような窒化ホウ素凝集粉末、米国公開特許2004−0208812A1公報に開示されているような高拡散係数の窒化ホウ素粉末、及び米国特許第6,951,583号公報に開示されているような高度デラミネート窒化ホウ素粉末が含まれる。
本発明における窒化ホウ素粉末は、平均粒径が少なくとも10μmの六方晶系窒化ホウ素小板を含み、その平均粒径は5〜500μmが好ましい。更に好ましくは、該窒化ホウ素粉末は、平均粒径が少なくとも10μmの六方晶系窒化ホウ素小板を含み、その平均粒径は10〜100μmである。六方晶系窒化ホウ素小板の含有量は、窒化ホウ素粉末全体の10〜95重量%であることが好ましく、特に10〜80重量%、更に30〜80重量%であることが好ましい。更に窒化ホウ素粉末は、平均粒径が10μmを超える六方晶系窒化ホウ素小板の不規則な形状の凝集塊を含んでもよい。
上記窒化ホウ素粉末に混合する疎水性球状シリカ微粒子の特徴について、詳細に説明する。
本発明で使用される疎水性球状シリカ微粒子は、
(A1)4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物またはそれらの組み合わせを加水分解および縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子を得る工程と、
(A2)該親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程と、
(A3)R2 3SiO1/2単位(式中、各R2は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程
とを含む方法により製造され、
粒子径が0.005〜1.0μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、かつ平均円形度が0.8〜1である疎水性球状シリカ微粒子(1)である。
なお、本発明において、微粒子の粒度分布は、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA-EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。なお、メジアン径とは粒度分布を累積分布として表した時の累積50%に相当する粒子径である。
本発明の疎水性球状シリカ微粒子は、
工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程、
工程(A2):3官能性シラン化合物による表面処理工程、
工程(A3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
によって得られる。以下、各工程を順次説明する。
一般式(I):
Si(OR3)4 (I)
(式中、各R3は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、またはこれらの混合物を、塩基性物質を含む親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解及び縮合することによって、親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得られる。
R5OH (V)
[式中、R5は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である]で示されるアルコールが挙げられる。
該塩基性物質の使用量は、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物および/またはその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.01〜2モルであることが好ましく、0.02〜0.5モルであることがより好ましく、0.04〜0.12モルであることが特に好ましい。このとき、塩基性物質の量が少ないほど所望の小粒径シリカ微粒子となる。
工程(A1)において得られた親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(II):
R1Si(OR4)3 (II)
(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、各R4は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される3官能性シラン化合物、またはその部分加水分解生成物、またはこれらの混合物を添加して、該親水性球状シリカ微粒子の表面をこれにより処理することにより、前記親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は前記の通り)を導入して、第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る。
このようにして得られた第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液から前記親水性有機溶媒と水の一部を除去し、濃縮することにより、第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液を得る。この際、疎水性有機溶媒をあらかじめ(濃縮工程前)、或いは濃縮工程中に加えてもよい。この際、使用する疎水性溶媒としては、炭化水素系又はケトン系溶媒が好ましい。具体的には該溶媒として、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、メチルイソブチルケトンが好ましい。前記親水性有機溶媒と水の一部を除去する方法としては、例えば留去、減圧留去などが挙げられる。得られる濃縮分散液はシリカ微粒子濃度が15〜40質量%であることが好ましく、20〜35質量%であることがより好ましく、25〜30質量%であることが特に好ましい。15質量%より少ないと後工程の表面処理が円滑に進まないことがあり、40質量%より大きいとシリカ微粒子の凝集が生じてしまうことがある。
工程(A2)で得られた第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(III):
R2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、各R2は同一または異種の置換または非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)
で示されるシラザン化合物、又は一般式(IV):
R2 3SiX (IV)
(式中、R2は一般式(III)で定義した通りであり、XはOH基または加水分解性基である)で示される1官能性シラン化合物またはこれらの混合物を添加し、これにより前記第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面を処理し、該微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(但し、R2は一般式(III)で定義の通り)を導入することにより、第二の疎水性球状シリカ微粒子を得る。この工程の処理により、第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面に残存するシラノール基をトリオルガノシリル化する形でR2 3SiO1/2単位が該表面に導入される。
本発明の窒化ホウ素粉末は、前記原料窒化ホウ素粉末に前記疎水性球状シリカ微粒子を添加し、該窒化ホウ素粉末の表面上に物理吸着させて付着させてなるものである。該窒化ホウ素粉体への該疎水性球状シリカ微粒子の添加量は、該原料窒化ホウ素粉体の0.01〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜4.0質量%、特に0.5〜3.0質量%である。この添加量が0.01質量%より少ないと、窒化ホウ素粉体の流動性が変化しない場合があり、好ましくない。またこの添加量が5.0質量%を超えると、コスト的に好ましくない場合がある。本発明の窒化ホウ素粉末は、通常前記窒化ホウ素粉末と前記疎水性球状シリカ微粒子とから成る粉末であるが、任意に着色剤、カップリング剤のような添加剤を含んでもよい。
本発明の窒化ホウ素粉末と組合せられる樹脂としては、ポリマーマトリックス、低分子量流体、が挙げられ、ポリマーマトリックスとしては、ポリエステル、溶融加工可能ポリマー、クレゾールノボラック樹脂のようなフェノール樹脂、シリコーンポリマー(例えば、シリコーンゴム)、アクリル樹脂、ワックス、熱可塑性ポリマー、エポキシ樹脂、又はこれらの混合物のようなポリマーマトリクス構成要素を選ぶことができる。ポリマー組成物の総質量の10〜90質量%、好ましくは30〜90質量%、特に50〜90質量%の窒化ホウ素組成物を添加すると、樹脂の熱伝導性、電気絶縁性等を向上させることが可能となる。
<合成例1>
・工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器にメタノール989.5gと、水135.5gと、28%アンモニア水66.5gとを入れて混合した。この溶液を35℃となるように調整し、攪拌しながらテトラメトキシシラン436.5g(2.87モル)を6時間かけて滴下した。この滴下が終了した後も、さらに0.5時間攪拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。
上で得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン4.4g(0.03モル)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間攪拌を継続し、シリカ微粒子表面を疎水化処理することにより、疎水性球状シリカ微粒子の分散液を得た。
前工程で得られた濃縮分散液に、室温において、ヘキサメチルジシラザン138.4g(0.86モル)を添加した後、この分散液を50〜60℃に加熱し、9時間反応させることにより、該分散液中のシリカ微粒子をトリメチルシリル化した。次いで、この分散液中の溶媒を130℃、減圧下(6650Pa)で留去することにより、疎水性球状シリカ微粒子(1)186gを得た。
1.工程(A1)で得られた親水性球状シリカ微粒子の粒子径測定
メタノールにシリカ微粒子懸濁液を、シリカ微粒子が0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該微粒子を分散させた。このように処理した微粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA-EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。なお、メジアン径とは粒度分布を累積分布として表した時の累積50%に相当する粒子径である。
メタノールにシリカ微粒子を、0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該微粒子を分散させた。このように処理した微粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA-EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。粒度分布D90/D10の測定は、上記粒子径測定した際の分布において小さい側から累積が10%となる粒子径をD10、小さい側から累積が90%となる粒子径をD90とし測定された値からD90/D10を計算した。
電子顕微鏡(日立製作所製、商品名:S-4700型、倍率:10万倍)によって観察を行い、形状を確認した。「球状」とは、真球だけでなく、若干歪んだ球も含む。なおこのような粒子の形状は、粒子を二次元に投影した時の円形度で評価し、円形度が0.8〜1の範囲にあるものとする。ここで円形度とは、(粒子面積と等しい円の周囲長)/(粒子周囲長)である。
合成例1において、工程(A1)でメタノール、水、及び28%アンモニア水の量を、メタノール1045.7g、水112.6g、28%アンモニア水33.2gに変えたこと以外は同様にして、疎水性球状シリカ微粒子(2)188gを得た。この疎水性球状シリカ微粒子を用いて合成例1における測定と同様に測定した。この結果を表1に示す。
・工程(A1):
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7g、水41.4g、28%アンモニア水49.8gを添加して混合した。この溶液を35℃に調整し、撹拌しながら該溶液にテトラメトキシシラン1163.7gおよび5.4%アンモニア水418.1gを同時に添加開始し、前者は6時間、そして後者は4時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下後も0.5時間撹拌を続けて加水分解を行い、シリカ微粒子の懸濁液を得た。
こうして得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン11.6g(テトラメトキシシランに対してモル比で0.01相当量)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間撹拌して、シリカ微粒子表面の処理を行った。
こうして得られた分散液に、室温でヘキサメチルジシラザン357.6gを添加し、120℃に加熱し、3時間反応させて、シリカ微粒子をトリメチルシリル化した。その後溶媒を減圧下で留去して球状疎水性シリカ微粒子(3)472gを得た。
シリカ微粒子の合成の際に、テトラメトキシシランの加水分解温度を35℃の代りに20℃とした以外は、合成例3と同様にして各工程を行ったところ、疎水性球状シリカ微粒子(4)469gを得た。この疎水性球状シリカ微粒子(4)を用いて合成例1と同様の測定を行った。この結果を表1に示す。
攪拌機と温度計とを備えた0.3リットルのガラス製反応器に爆燃法シリカ(商品名:SOC1、アドマテクス社製)100gを仕込み、純水1gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに60℃で10時間攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、ヘキサメチルジシラザン2gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに24時間攪拌した。120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら残存原料および生成したアンモニアを除去し、疎水性球状シリカ微粒子(5)100gを得た。
攪拌機と温度計とを備えた0.3リットルのガラス製反応器に爆燃法シリカ(商品名:SOC1、アドマテクス社製)100gを仕込み、純水1gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに60℃で10時間攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、メチルトリメトキシシラン1gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに24時間攪拌した。次にヘキサメチルジシラザン2gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに24時間攪拌した。120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら残存原料および生成したアンモニアを除去し、疎水性球状シリカ微粒子(6)101gを得た。得られたシリカ微粒子(6)について、合成例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
上記の各疎水性球状シリカ微粒子(1)〜(6)を、表2に示す量で前記窒化ホウ素粉末に添加し、サンプルミルにより3分撹拌混合を行った。得られた粉体状の窒化ホウ素粉末について、粉体流動性の指標である基本流動性エネルギーの測定を行った。結果を表2に示す。なお、測定の詳細は以下の通りである。
また、実施例2、4の、球状疎水性シリカ微粒子を窒化ホウ素粉末表面に付着させた窒化ホウ素組成物の電子顕微鏡写真を夫々図1、2に、及び比較例5の、球状疎水性シリカ微粒子を窒化ホウ素粉末に添加しない未処理の窒化ホウ素の電子顕微鏡写真を図3に示す。
容器:容積160ml(内径50mm、長さ79mm)のガラス製円筒型容器を使用した。
・・安定性試験:流動性試験に続いて、ブレードの回転速度を100mm/sec→70mm/sec→40mm/sec→10mm/secと変えた時のトータルエネルギー量を測定する。その時のFRI変動指数(Flow Rate Index)が1に近いほど、流動速度について安定していると言える。ここで、FRI変動指数=(10mm/sのデータ)/(100mm/sのデータ)。
1)工程(A1)で得られた分散液の親水性球状シリカ微粒子の粒子径
2)最終的に得られた疎水性シリカ微粒子の粒子径
<熱伝導性シートの作製>
実施例4の窒化ホウ素粉末100g、エポキシ樹脂(東都化成社製、商品名「YSLV−80XY」)11.3g、クレゾールノボラック樹脂(東都化成社製、商品名「YDCN−701」)11.3g、及び硬化促進剤(三フッ化ホウ素モノエチルアミン)0.26gを小型粉砕機に投入し、これらを混合して、粉末状の樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を、金型を用いてプレス成形(180℃×10分間)によりシート化して、熱伝導性シート(厚み0.2mm)を作製した。
上記熱伝導性シートについて、熱伝導率ならびに絶縁破壊電圧の測定を実施した。なお、熱伝導率は、アイフェイズ社製、商品名「ai−phase mobile」により熱拡散率を求め、さらに、示差走査熱量計(DSC)を用いた測定により熱伝導性シートの単位体積あたりの熱容量を測定し、先の熱拡散率に乗じることにより算出した。
また、絶縁破壊電圧は、常温の絶縁油(JIS C 2320に規定された1種2号絶縁油)中で1kV/minの昇圧速度で測定した。さらに、上記熱伝導性シートの脆さを指触にて判定し、取り扱いが良好で成形時における支障が生じないと見られるものを「○」、やや脆い感じがあるものの実用上問題ない普通レベルと感じられるものを「△」、もろく、成形時に慎重な取り扱いを要するものを「×」として判定した。その結果を表3に示す。
上記実施例6の窒化ホウ素粉末100gを、100gの未処理の窒化ホウ素粉末UHP−2に変えた以外は実施例6と同様にしてシートを作製し、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
Claims (5)
- (A1)4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物またはこれらの混合物を、加水分解および縮合することによって実質的にSiO 2 単位からなる親水性球状シリカ微粒子を得る工程と、
(A2)該親水性球状シリカ微粒子の表面に、R 1 SiO 3/2 単位(式中、R 1 は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程と、
(A3)R 2 3 SiO 1/2 単位(式中、各R 2 は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程
とを含む方法により製造され、
粒子径が0.005〜1.00μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、かつ平均円形度が0.8〜1である疎水性球状シリカ微粒子(1)を
窒化ホウ素粉末の表面に、該窒化ホウ素粉末の質量の0.01〜5.0質量%の量で付着せしめる粉末の製造方法。 - 前記疎水性球状シリカ微粒子(1)の製造方法が、
(A1)一般式(I):
Si(OR3)4 (I)
(式中、各R3は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物またはこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解及び縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
(A2)得られた該親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(II):
R1Si(OR4)3 (II)
(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、各R4は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、またはこれらの混合物を添加して該親水性球状シリカ微粒子の表面を処理することにより、該親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は前記の通りである)を導入して第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
(A3)得られた該第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(III):
R2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、各R2は同一または異種の置換または非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)
で示されるシラザン化合物、一般式(IV):
R2 3SiX (IV)
(式中、R2は一般式(III)で定義した通りであり、XはOH基または加水分解性基である)で示される1官能性シラン化合物、またはこれらの混合物を添加して、前記第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面をこれにより処理して、該第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(R2は一般式(III)で定義した通りである)を導入することを特徴とする、請求項1記載の粉末の製造方法。 - 前記窒化ホウ素粉末に前記疎水性球状シリカ微粒子(1)を該窒化ホウ素粉末の0.01〜5.0質量%で添加し、混合することにより、該窒化ホウ素粉末表面に該疎水性球状シリカ微粒子(1)を付着させたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の粉末の製造方法。
- 前記窒化ホウ素粉末の平均粒径が5〜500μmであり、かつ前記窒化ホウ素粉末は平均粒径が少なくとも10μmの六方晶系窒化ホウ素小板を10〜95質量%含むものである請求項1〜3のいずれか1項記載の粉末の製造方法。
- 前記窒化ホウ素粉末が、平均厚さが10〜50μm、平均アスペクト比が50〜300の六方晶系窒化ホウ素小板を10〜95質量%含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の粉末の製造方法。
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