JP6473597B2 - 高熱伝導有機無機コンポジット材料の製造方法 - Google Patents

高熱伝導有機無機コンポジット材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜あるいはシート形状の平面方向に高い熱伝導率を発現する放熱材料として好適な有機無機コンポジット材料に関するものである。
従来、放熱用途の有機無機コンポジットは、熱伝導率の低い樹脂と熱伝導率の高い無機物で構成されており、樹脂単体の高熱伝導化や無機フィラーの形状、分散性、配向性について多くの研究がなされている。
金属や黒鉛をフィラーとするコンポジットは高い熱伝導率を発現する一方、導電性材料を添加していることからコンポジットの電気抵抗が小さくなる。酸化物、非酸化物をフィラーとするコンポジットは、金属や黒鉛をフィラーとするコンポジットに比べると低い熱伝導率になるが、良好な絶縁性材料であることからコンポジットも絶縁材料となる。
スマートフォンやタブレット、PCなどに代表される電子機器は高容量化が進む中、軽量化、薄型化も図られており、放熱性の確保が重要になっている。放熱材料は回路基板などに用いられるため、高い絶縁性を示すことが必要となり、酸化物、非酸化物をフィラーとする有機無機コンポジット材料は市場のニーズが大きい。
酸化物フィラーは比較的安価な材料であり粒子形状制御も可能である反面、熱伝導率は〜数十W/m・K程度で、有機無機コンポジット材料にしたときの熱伝導率は数W/m・K程度しか望めない。一方、非酸化物フィラーは高価な材料であるが、熱伝導率は100W/m・K以上を発現し、有機無機コンポジット材料にしたときの熱伝導率は10W/m・K以上が期待できる。
しかしながら、非酸化物フィラーとして使用される窒化アルミニウムは耐水性に難があり、窒化ホウ素は構造異方性があることから、樹脂中の分散処理が難しいのが課題である。また、いずれの粒子も均一分散しただけでは高い熱伝導率を発現せず、伝熱経路の確保が重要になっている。フィラー同士の接触や、フィラーと樹脂の界面結合が重要な課題となっている。
窒化ホウ素の高充填では70体積%配合で3.5〜4.0W/m・Kの熱伝導率が報告されている。(特許文献1)
平均粒径10〜400μmの粗粉と平均粒径0.5〜4μmの微粉の2種類の六方晶窒化ホウ素を樹脂中に分散させ、ロールプレス成形により一方向に高い熱伝導率を発現するシートが特許文献2で報告されている。
無機フィラーの高充填や異種サイズフィラーの同時充填は、伝熱経路を確保することを意図したものである。共に無機フィラー配合量が多いことから、コンポジット材の成形性が失われる。
六方晶窒化ホウ素粒子を1,4−フェニルレンジイソシアネートで処理し、得られた粒子をアミノフェノールと反応させて処理した粉末をベンゾオキサジン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの未反応モノマーと重合させて作製した組成物は、六方晶窒化ホウ素を最大で90重量%まで配合することで、熱伝導率を最大で37.5W/m・K発現することが特許文献3で報告されている。
B−O−Si結合を含有するボロシロキサン樹脂、コロイダルシリカ、窒化ホウ素で構成されるシリコーン樹脂組成物は、10〜80重量%で3.8W/m・Kを発現すると特許文献4で報告されている。
その他、ジルコネートカップリング剤、アルミンサンジルコニウムカップリング剤、アルミネートカップリング剤などで表面処理する方法(特許文献5)やアミン系シランカップリング剤で表面処理する方法(特許文献6)が知られている。
プレス成形により作製したシートを幾重にも積層し、それをシート面に対し垂直に切断したものを接合して、六方晶窒化ホウ素がシート平面に対し垂直に配向した部材を作製する方法(特許文献7)や磁場により六方晶窒化ホウ素をシート平面に対し垂直配向させる方法(特許文献8)がある。
特開2014−156545号公報 特開2011−90868号公報 特開2001−192500号公報 特開2012−251101号公報 特開2006−257392号公報 特開2013−203770号公報 特開2013−254880号公報 特開2002−69392号公報
本発明の目的は、無機フィラーである六方晶窒化ホウ素粒子間の接触度合を高くしてフォノン伝播経路を確保し、少ない六方晶窒化ホウ素粒子添加量で、薄膜あるいはシート形状の面方向に沿って平行方向に高い熱伝導率を発現する有機無機コンポジット材料、その製造方法及び有機無機コンポジット膜を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、六方晶窒化ホウ素粒子を例えばブレード法で粒子配向させて塗布したシートを、遠心力を用いて六方晶窒化ホウ素粒子間の接触度合を高めることが出来るとともに、シート内の空隙を消失させることで高い熱伝導率を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
[1] 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、絶縁性熱伝導無機フィラー及び溶媒で構成される熱伝導性を有するシート状の有機無機コンポジット材料であって、前記絶縁性熱伝導無機フィラーが六方晶窒化ホウ素及び/又はシランカップリング剤若しくはシルセスキオキサンで表面改質した六方晶窒化ホウ素であり、六方晶窒化ホウ素のa−b結晶面がシートの面方向に沿って平行に配向していることを特徴とする有機無機コンポジット材料。
[2] 前記六方晶窒化ホウ素及び表面改質前の六方晶窒化ホウ素が比表面積2〜15m/gの粒子であることを特徴とする請求項1に記載の有機無機コンポジット材料。
[3] 前記絶縁性熱伝導無機フィラーの体積含有量が、前記絶縁性熱伝導無機フィラー/(熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂+前記絶縁性熱伝導無機フィラー)の式を計算して、40〜80vol%(六方晶窒化ホウ素換算)であることを特徴とする請求項1に記載の有機無機コンポジット材料。
[4] 前記熱可塑性樹脂がポリイミド又はポリビニルブチラールであり、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂及び/又はシルセスキオキサンであることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の有機無機コンポジット材料。
[5] 前記熱可塑性樹脂又は前記熱硬化性樹脂、前記絶縁性熱伝導無機フィラー及び前記溶媒を溶液混練法で混練し、前記溶媒中に均一に分散させたペースト状の材料を基板上塗布し、基板を外側にして遠心力をかけることによりシート状にしたことを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の有機無機コンポジット材料。
[6] 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、六方晶窒化ホウ素及び/又はシランカップリング剤若しくはシルセスキオキサンで表面改質した六方晶窒化ホウ素からなる絶縁性熱伝導無機フィラー及び溶媒を溶液混練法で混練し、前記溶媒中に均一に分散させたペースト状の材料を基板上塗布し、基板を外側にして遠心力をかけることによりシート状にすることを特徴とする有機無機コンポジット材料の製造方法。
[7] 前記[1]〜[5]のいずれかに記載の有機無機コンポジット材料を熱処理して自立膜にすることを特徴とする有機無機コンポジット膜。
本発明に従えば、有機無機コンポジットを構成する樹脂組成物、無機フィラー、気孔のうち、気孔を極力取り除くことができ、有機無機コンポジット材料の気孔率が低下、すなわち密度の向上が図られる。併せて無機フィラーのa−b結晶面がシートの面方向に沿って平行に配向しているため無機フィラー同士の接触点が増え、伝熱経路が確保されることによる高熱伝導化が図られるとともに、無機フィラーの添加量を低減させることが出来る。
本発明の実施例に関わる放熱シートを作製する際の製法を説明する概略図である。 本発明の実施例及び比較例の有機無機コンポジット材料の伝熱経路の模式図である。 本発明の実施例で作製した放熱シートである。 本発明の実施例及び比較例で作製した有機無機コンポジット材料のX線回折図である。
本発明の有機無機コンポジット材料は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、絶縁性熱伝導無機フィラー及び溶媒で構成される熱伝導性を有するシート状の有機無機コンポジット材料であって、前記絶縁性熱伝導無機フィラーが六方晶窒化ホウ素及び/又はシランカップリング剤若しくはシルセスキオキサンで表面改質した六方晶窒化ホウ素であり、六方晶窒化ホウ素のa−b結晶面がシートの面方向に沿って平行に配向している。
窒化ホウ素には立方晶と六方晶の二種類の構造が存在し、立方晶はダイヤモンド構造を形成することから、その焼結体は切削工具や研磨材へ利用されている。六方晶はグラファイト構造を取り、板状結晶を形成することから固体潤滑剤などに利用されている。板状結晶は、球状結晶に比べ基板に対して平行に粒子を配向させ易い。また、この板状結晶の面方向の理論熱伝導率は200W/m・K以上とも言われており、六方晶窒化ホウ素を配向分散させることで薄膜やシート形状の面方向の熱伝導率向上に利点がある。
六方晶窒化ホウ素は、シランカップリング剤やシルセスキオキサンで表面を改質して樹脂との親和性を上げることができる。
例えば、シランカップリング剤をアルコール溶媒に溶かして撹拌後、六方晶窒化ホウ素粉末を投入して撹拌を行う。その後塩酸、蒸留水を順次添加することで、加水分解、縮合反応を経て六方晶窒化ホウ素の表面に、反応性や相溶性を持つ官能基が配向し、樹脂との化学結合形成や親和性が良くなる。
そして、前記六方晶窒化ホウ素及び表面改質前の六方晶窒化ホウ素は、比表面積2〜15m/gの粒子であることが好ましい。板状結晶の比表面積が2m/gより小さくなると、分散性や樹脂との親和性が落ちる。比表面積が2m/gより大きくなると、面積当たりの官能基が増え、分散性や樹脂との親和性が良くなる。比表面積が15m/gより大きくなると、平均粒径が小さくなり、六方晶窒化ホウ素自体の熱伝導率の低下が懸念されるとともに、伝熱経路の確保が難しくなる。好ましくは、比表面積は5〜11m/gがさらに良く、より好ましいのは、官能基を数多く持つ、アスペクト比が小さい、すなわち板状結晶の平面の長径と厚みの比が小さい粒子である。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリイミド、ポリビニルブチラール、ポリアミド及びポリエチレンテレフタラートを例示することができ、それらの1種類以上を用いる。ポリアミドは脂肪族骨格を含むナイロンと芳香族骨格のみのアラミドに大別される。その中でも、ポリイミド又はポリビニルブチラールであることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シルセスキオキサン及びフェノール樹脂を例示することができ、それらの1種類以上を用いる。エポキシ樹脂にはノボラック型、ビスフェノール型、グリシジル型があり、その中でもノボラック型またはビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。シルセスキオキサンには含まれる官能基によって種類があり、その中でもエポキシ基またはアクリル基を含むシルセスキオキサンが好ましい。
本発明のプロセスで用いる溶媒は、使用する樹脂に適したものを選択すればよく、特に指定はないが、アルコール系は広く利用できるため好ましい。樹脂の硬化温度よりも低温の沸点をもつアルコールを選択することで、気泡形成を抑制することが望ましい。
本発明の有機無機コンポジット材料における無機フィラーの含有量は、前記絶縁性熱伝導無機フィラーの体積含有量が、前記絶縁性熱伝導無機フィラー/(熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂+前記絶縁性熱伝導無機フィラー)の式を計算して、40〜80vol%(六方晶窒化ホウ素換算)であることが好ましい。40vol%未満では六方晶窒化ホウ素粒子同士の接触する度合いが少なく、伝熱経路を形成できないため好ましくない。また、80vol%より多ければ分散処理が困難、かつ粒子間に隙間が形成されることによる成形物の強度が失われて崩壊しやすくなり好ましくない。
選択される樹脂と、樹脂と無機フィラーの配合量によるが、使用される溶媒は有機無機コンポジット材料の流動性が確保できる量で良い。通常、選択される樹脂の3〜15倍程度の溶媒を加えればよい。例えば、ポリビニルブチラールの場合、ポリビニルブチラールの重量に対し、溶媒が5〜10倍の重量であれば良い。
本発明の有機無機コンポジット材料は、前記熱可塑性樹脂又は前記熱硬化性樹脂、前記絶縁性熱伝導無機フィラー及び前記溶媒を溶液混練法で混練し、前記溶媒中に均一に分散させたペースト状の材料を基板上に塗布し、基板を外側にして遠心力をかけることによりシート状にすることが好ましい。
本発明の目的は、ヒートシンクが利用できない薄いデバイス機器の放熱を効率よく行うことにある。面方向に粒子が配向した平板やシートはその目的に合致するものであり、シート状にすることでデバイスがより薄型化されるため好ましい。
次に、本発明の有機無機コンポジット材料の製造方法について説明する。
無機フィラーと樹脂で構成されるスラリーを、射出成形、押出成形或はブレード法により無機粒子を配向させてシート状に成形して製造することができる。或いは、ロールプレスにより無機粒子配向とシート成型を同時に行い製造することができる。更には、ブレード法で作製したシートを円筒の周囲に固定して、公転させることで得られる遠心力で遠心処理することにより、無機フィラーの接触度合を向上させることができる。
本発明の有機無機コンポジット材料は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、六方晶窒化ホウ素及び/又はシランカップリング剤で表面改質した六方晶窒化ホウ素からなる絶縁性熱伝導無機フィラー及び溶媒を溶液混練法で混練し、前記溶媒中に均一に分散させたペースト状の材料を基板上に塗布し、基板を外側にして遠心力をかけることによりシート状にして製造することが好ましい。遠心力で処理することにより、樹脂が薄く広がるため、結果的に無機フィラーの偏りを生じずに無機フィラーの接触度合を向上させることができる。本発明の有機無機コンポジット材料は、ブレードによる一般的な粒子配向処理を行って製造できるが、より気泡が無く、無機フィラーの接触度合を高めて製造されることが望ましい。
すなわち、本発明の有機無機コンポジット材料の製造方法は、樹脂と溶媒の混合液に六方晶窒化ホウ素粒子を加える、或いはシランカップリング剤などで表面修飾を行った六方晶窒化ホウ素粒子を加えて分散処理を行い、ブレードにより基板上にシート成型した後、シートを図1に示した概念図のように公転させることにより発生する遠心力を利用して、溶媒除去に加え、樹脂と六方晶窒化ホウ素粒子間の隙間或いは六方晶窒化ホウ素粒子間の隙間を埋めていくことで、成形体密度の高いシートを製造することを特長としている。
さらに、本発明は、前記有機無機コンポジット材料を熱処理して溶媒を除去して自立膜にすることにより有機無機コンポジット膜にすることができる。
溶媒の完全な除去は加熱することにより達成し、気泡発生の抑制には段階的に熱処理温度を上げていくことが望ましい。急激な熱処理はシート成形体密度の低下を招く。
前記のような製法でシートを作製することにより、図2に示したようにより多くの伝熱経路が形成されたことにより、本発明の高い熱伝導率を発現する有機無機コンポジット材料が製造できたものと考えられる。
<実施例1>
ポリビニルブチラール濃度が10%とるようにエタノールを秤量し、その中にポリビニルブチラール粉末を加えて十分に溶解させた。次に比表面積が11m/gの六方晶窒化ホウ素粉末と熱可塑性樹脂であるポリビニルブチラール粉末の体積比が所定の比率6:4となるように秤量して添加したものを十分に撹拌混合し、ペーストを作製した。
前記ペーストを、例えばカプトンテープのような高耐熱フィルム上に滴下し、ブレードにより六方晶窒化ホウ素が配向するようにシート成型して、室温で乾燥させた。
室温乾燥させたシートを円筒の外壁に設置して、円筒を2000〜3000rpmで60〜120秒自転させてシートに遠心力を加えることで、エタノール除去と気泡除去を行い、有機無機コンポジットの密度を向上させた。以下、この工程を遠心処理と表記する。
遠心処理を施した成型シートを、40℃で1時間、80℃で1時間、150℃で1時間熱処理することで硬化させ、高耐熱フィルムから剥離させることで自立膜としての放熱シートを得た。
得られたシートの熱拡散率の評価は、アルバック理工製:LaserPITを用いて行った。評価方法は光交流法を用い、加熱光の周波数が0.2Hz、減圧化の雰囲気(0.01Pa以下)、室温で測定を行った。
シート重量と外寸から見掛け密度を算出してシート密度とした。
比熱は物質固有の物性値であることから、得られたシートの比熱は混合則の計算式より求めた。
六方晶窒化ホウ素粒子の配向状態の確認は、X線回折測定により評価した。図4に示すように、(002)面と(004)面の回折ピークのみが観察され、六方晶窒化ホウ素粒子が図2のように配向していることを確認した。
熱伝導率は式(1)より求め、シート密度ともに表1に示した。
(熱伝導率)=(熱拡散率)×(比熱)×(密度) 式(1)
<実施例2>
ポリビニルブチラール濃度が10%とるようにエタノールを秤量し、その中にポリビニルブチラール粉末を加えて十分に溶解させた。次に比表面積が11m/gの六方晶窒化ホウ素粉末と熱可塑性樹脂であるポリビニルブチラール粉末の体積比が所定の比率5:5となるように秤量して添加したものを十分に撹拌混合し、ペーストを作製した。
前記ペーストを、例えばカプトンテープのような高耐熱フィルム上に滴下し、ブレードにより六方晶窒化ホウ素が配向するようにシート成型して、室温で乾燥させた。
室温乾燥させたシートを円筒の外壁に設置して、円筒を2000〜3000rpmで60〜120秒自転させてシートに遠心力を加えることで、エタノール除去と気泡除去を行い、有機無機コンポジットの密度を向上させた。以下、この工程を遠心処理と表記する。
遠心処理を施した成型シートを、40℃で1時間、80℃で1時間、150℃で1時間熱処理することで硬化させ、高耐熱フィルムから剥離させることで自立膜としての放熱シートを得た。
得られたシートの熱伝導率、シート密度の評価は実施例1に示した方法と同様に行った。
得られたシートの比熱は実施例1と同様に混合則より求めた。
熱伝導率は式(1)より求め、シート密度ともに表1に示した。
(熱伝導率)=(熱拡散率)×(比熱)×(密度) 式(1)
<比較例1>
ポリビニルブチラール濃度が10%とるようにエタノールを秤量し、その中にポリビニルブチラール粉末を加えて十分に溶解させた。次に比表面積が11m/gの六方晶窒化ホウ素粉末と熱可塑性樹脂であるポリビニルブチラール粉末の体積比が6:4と成るように秤量して添加したものを十分に撹拌混合し、ペーストを作製した。
前記ペーストを、例えばカプトンテープのような高耐熱フィルム上に滴下し、ブレードにより六方晶窒化ホウ素粒子が配向するようにシート成型して、室温で乾燥させた。
得られた成型シートを、40℃で1時間、80℃で1時間、150℃で1時間熱処理することで硬化させ、高耐熱フィルムから剥離させることで自立膜としての放熱シートを得た。
得られたシートの熱拡散率、密度の評価は実施例1に示した方法と同様に行った。
得られたシートの比熱は実施例1と同様に混合則より求めた。
得られたシートの熱伝導率は実施例1と同様に求め、シート密度とともに表1に示した。
<比較例2>
ポリビニルブチラール濃度が10%とるようにエタノールを秤量し、その中にポリビニルブチラール粉末を加えて十分に溶解させた。次に比表面積が11m/gの六方晶窒化ホウ素粉末と熱可塑性樹脂であるポリビニルブチラール粉末の体積比が5:5と成るように秤量して添加したものを十分に撹拌混合し、ペーストを作製した。
前記ペーストを、例えばカプトンテープのような高耐熱フィルム上に滴下し、ブレードにより六方晶窒化ホウ素粒子が配向するようにシート成型して、室温で乾燥させた。
得られた成型シートを、40℃で1時間、80℃で1時間、150℃で1時間熱処理することで硬化させ、高耐熱フィルムから剥離させることで自立膜としての放熱シートを得た。
得られたシートの熱拡散率、密度の評価は実施例1に示した方法と同様に行った。
得られたシートの比熱は実施例1と同様に混合則より求めた。
遠心処理を施した成型シートを50℃、1時間で乾燥させ、180℃、1時間の条件で硬化させた。
<比較例3>
ジアミンジフェニルエーテルとN−メチル−2−ピロリドンと撹拌混合し、ジアミンジフェニルエーテルを溶解させた後、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物およびN−メチル−2−ピロリドン加えて撹拌混合し、固形分濃度12wt%溶液を作製した。次に比表面積が11m/gの六方晶窒化ホウ素粉末と前述で作製したポリイミド前駆体溶液の体積比が8:2と成るように秤量して添加したものを十分に撹拌混合し、ペーストを作製した。
前記ペーストを、例えばカプトンテープのような高耐熱フィルム上に滴下し、ブレードにより六方晶窒化ホウ素粒子が配向するようにシート成型して、室温で乾燥させた。
得られた成型シートを、140〜160℃で1時間溶媒除去を行い、170〜250℃でイミド化処理を行った。高耐熱フィルムから剥離させることで自立膜としての放熱シートを得た。
得られたシートの熱拡散率、密度の評価は実施例1に示した方法と同様に行った。
得られたシートの比熱は実施例1と同様に混合則より求めた。
得られたシートの熱伝導率は実施例1と同様に求め、シート密度とともに表1に示した。
本発明の有無機コンポジット材料は、配向方向に高い熱伝導率を有する放熱材料として好適である。また有無機コンポジット材料作製の手法は、無機粒子の形状を問わず、塗布法よりも無機フィラー同士の接触度合を向上させることができる。また、同時に有機溶媒の除去も行えることからコンポジットシートの閉気孔除去に効果的である。
これにより薄型デバイスなど面方向から筐体に熱を逃がすための放熱基板、放熱シートとしての利用の他に、ペースト化した分散液は放熱膜作製の塗料としても利用することができる。

Claims (1)

  1. 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、六方晶窒化ホウ素及び/又はシランカップリング剤若しくはシルセスキオキサンで表面改質した六方晶窒化ホウ素からなる絶縁性熱伝導無機フィラー及び溶媒を溶液混練法で混練し、前記溶媒中に均一に分散させたペースト状の材料を基板上塗布し、基板を外側にして遠心力をかけることによりシート状にすることを特徴とする有機無機コンポジット材料の製造方法。
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