JP2014040533A - 熱硬化性樹脂組成物、熱伝導性樹脂シートの製造方法と熱伝導性樹脂シート、並びに電力用半導体装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、熱伝導性樹脂シートの製造方法と熱伝導性樹脂シート、並びに電力用半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】未硬化時および半硬化時のハンドリング性が良好であり、耐熱性、熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性樹脂シートを得るとともに、高性能で信頼性の高い電力用半導体装置を得ることを目的とする。
【解決手段】熱伝導性のフィラー3を熱硬化性の樹脂マトリクス2中に分散させた熱硬化性樹脂組成物であって、フィラー3は、一次粒子4を凝集させた二次凝集体3であり、樹脂マトリクス2は、硬化後のガラス転移温度が170℃以上であるとともに、硬化が始まる前の100℃における粘度が20Pa・s以下になるように調整されている。
【選択図】図3

Description

本発明は熱硬化性樹脂組成物、熱伝導性樹脂シートの製造方法とその製造方法で製造した熱伝導性樹脂シート、並びに電力用半導体装置に関し、特に熱伝導性樹脂シートを製造するために用いられる熱硬化性樹脂組成物の組成に関する。
電気・電子機器の発熱部材から放熱部材へ熱を伝達させる部材には、熱伝導性及び電気絶縁性に優れていることが要求され、この要求を満たすものとして、熱伝導性及び電気絶縁性に優れた無機充填材を樹脂マトリクス中に分散させた熱硬化性樹脂組成物を用いて製造された熱伝導性樹脂シートが広く用いられている。ここで、熱伝導性及び電気絶縁性に優れた無機充填材としては、アルミナ、窒化ホウ素(BN)、シリカ、窒化アルミニウム等が挙げられるが、その中でも窒化ホウ素は、熱伝導性及び電気絶縁性に加えて化学的安定性にも優れており、また無毒性且つ比較的安価でもあるため、熱伝導性樹脂シートに広く用いられている。
しかし、窒化ホウ素は、黒鉛と同様の分子構造を有しており、一般的な結晶構造は鱗片状で、結晶のa軸方向(面方向)における熱伝導率が、c軸方向(厚さ方向)における熱伝導率の数倍から数十倍となる熱的異方性を有している。鱗片状の窒化ホウ素を分散させた熱硬化性樹脂組成物を用いて熱伝導性樹脂シートを製造した場合、窒化ホウ素のa軸方向がシートの面方向に配向し易く、シート厚さ方向で十分な熱伝導性を得ることが困難である。そこで、鱗片状の窒化ホウ素を凝集させた二次凝集体や、これをさらに焼結させた二次焼結体のような等方的な熱伝導性を有する二次粒子を無機充填材に使用して熱伝導性樹脂シートを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1または2参照。)。
ところで、近年、電気・電子機器の高耐圧・大電流化に伴い、より高温に熱伝導性樹脂シートが曝されるようになってきている。そのため、熱伝導性樹脂シートの母材である樹脂マトリクスにも耐熱性が求められるようになってきたが、樹脂の耐熱性を上げると、樹脂自体が硬くて脆くなる傾向にある。また、熱伝導性を高めることを目的として無機充填材の配合量を多くした場合、熱伝導性樹脂シートが脆くなってしまう。例えば、フェノール樹脂は、耐湿性や高温絶縁性に優れているため耐熱性樹脂の硬化剤として最適であるが、融点が高く粘度が高い。そのため、フェノール硬化剤を用いるとますます脆くなってしまう。つまり、耐熱性とハンドリング性を両立させて、高熱伝導性を実現することは困難であった。
そこで、樹脂マトリクスの溶融粘度を所定範囲に設定してハンドリング性を向上させる技術(例えば、特許文献3参照。)や、密着性付与材を添加して樹脂と凝集体との密着性を向上させる技術(例えば、特許文献2参照。)を適用することが考えられる。
特開2011−208007号公報(段落0037〜0041) 特開2011−1116913号公報(段落0030〜0032、および段落0037) 特開2003−193021号公報(段落0011)
しかしながら、上記文献の技術を用いても、窒化ホウ素などの二次凝集体を無機充填材とした場合、凝集体との密着性が優れていたとしても、樹脂マトリクスの硬化が始まる前の粘度が高ければ、凝集体内部へ樹脂が十分浸透せずにボイドが残留し、耐絶縁性が低下する恐れがあることがわかった。もちろん、凝集体内部に樹脂を浸透させる方法として、熱伝導性樹脂シートを製造する際のプレス圧を増加する方法も考えられる。しかし、プレス圧を増加させると、シート中で凝集体が崩れ、窒化ホウ素のa軸方向がシートの面方向に配向してしまい、シート厚み方向の熱伝導率を十分に向上させることができないという問題がある。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、未硬化時および半硬化時のハンドリング性が良好であり、耐熱性、熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性樹脂シートを得るとともに、耐熱性や熱放散性及び信頼性に優れた電力用半導体装置を得ることを目的とする。
本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物は、熱伝導性のフィラーを熱硬化性の樹脂マトリクス中に分散させた熱硬化性樹脂組成物であって、前記フィラーは、一次粒子を凝集させた二次凝集体であり、前記樹脂マトリクスは、硬化後のガラス転移温度が170℃以上であるとともに、硬化が始まる前の100℃における粘度が20Pa・s以下になるように調整されていることを特徴とする。
また、本発明に係る熱伝導性樹脂シートの製造方法は、上述した熱硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する工程と、前記塗膜を加熱し、前記樹脂マトリクスの溶融状態を所定時間保った後に硬化させる工程と、を含むことを特徴とする。
この発明にかかる熱硬化性樹脂組成物、および熱伝導性樹脂シートの製造方法によれば、硬化前の粘度が所定以下に調整されている樹脂マトリクスがフィラー内に浸透し、樹脂マトリクスと凝集粒子の密着性も向上する。そのため、未硬化時および半硬化時のハンドリング性が良好であり、ボイドの発生を抑え、耐熱性、熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性樹脂シートを得ることができる。そして、これにより、高性能で信頼性の高い電力用半導体装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1にかかる熱硬化性樹脂組成物に用いるフィラーを構成する窒化ホウ素の分子構造を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる熱硬化性樹脂組成物に用いるフィラーの一次粒子を構成する窒化ホウ素の結晶構造を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる熱伝導性樹脂シートの構成を説明するための断面図である。 比較例にかかる熱伝導性樹脂シートの構成を説明するための部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる熱伝導性樹脂シートの製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態3にかかる電力用半導体装置の構成を示す断面模式図である。 樹脂マトリクスの100℃での粘度と、熱伝導性樹脂シートの破壊電界の相対値の関係、およびガラス転移温度との関係を示すグラフである。
実施の形態1.
本実施の形態1にかかる熱硬化性樹脂組成物は、熱的異方性を有する結晶を凝集させ、熱的に等方性となった熱伝導性無機フィラーを、100℃での溶融粘度が20Pa・s以下になるように調整された耐熱性樹脂マトリクス中に分散させたものである。これにより、後で詳述するように、凝集体内部へ樹脂が浸透して、ボイドの残留を抑制し、耐熱性、熱伝導性、耐絶縁性を兼ね備えた熱伝導性樹脂シートを得ることができるようになる。以下、詳細に説明する。
なお、本明細書における「耐熱性樹脂マトリクス」とは、熱硬化樹脂を主成分とし、樹脂マトリクスの硬化物としてのガラス転移温度(Tg)が170℃以上となるものを前提としている。これは、「耐熱性樹脂マトリクス」を母材として製造した「熱伝導性樹脂シート」が、180℃〜250℃の温度に曝されても、本来の物性を失わないことを意味する。別の言い方をすれば、樹脂マトリクスの硬化物としてのガラス転移温度が170℃より低いと、180℃〜250℃といった高温雰囲気下において、樹脂成分が劣化して電気絶縁性が低下するため、「耐熱性」とは称さない。
上述した条件を満たす熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、当該技術分野において一般的に公知の耐熱性エポキシ樹脂と称される樹脂が挙げられる。耐熱性エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、好ましくは100以上1000以下、より好ましくは150以上500の範囲のエポキシ当量を有するものが望ましい。
好ましい耐熱性エポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;メチルエピクロ型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂;ピレン型エポキシ樹脂;キサンテン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
このような耐熱性エポキシ樹脂は、一般に市販されており、例えば、DIC株式会社から販売されているEPICRON EXA−4710や、三菱化学株式会社から販売されているJER YX4000、JER YX8800などを用いることができる。これらの耐熱性エポキシ樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。そして、これらの耐熱性エポキシ樹脂は、一般に常温で固形であるため、熱硬化性樹脂組成物のハンドリング性(特に、半硬化時のハンドリング性)を考慮すると、常温で液状のエポキシ樹脂に溶解して使用することが好ましい。ここで、「常温」とは、一般に25℃のことを意味する(以下において「常温」なる語は、同じ意味で用いる)。
常温で液状のエポキシ樹脂としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。液状のエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものが望ましい。好ましい液状のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。このような液状のエポキシ樹脂は、一般に市販されており、例えば、三菱化学株式会社から販売されているJER 828などを用いることができる。これらの液状のエポキシ樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
耐熱性エポキシ樹脂(固形のエポキシ樹脂)と液状のエポキシ樹脂との質量割合は、硬化物のガラス転移温度が170℃より低下しない範囲で用いることが出来る。使用するエポキシ樹脂の種類に応じて適宜調整すればよく特に限定されないが、一般に10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20である。
本実施の形態にかかる熱硬化性樹脂組成物としては、上記の熱硬化性樹脂を硬化させるためのフェノール硬化剤を含む。フェノール硬化剤としては、特に限定されることはなく、ジシアンジアミド及びアジピン酸ジヒドラジドなどの有機ジヒドラジド;トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;ジメチルベンジルアミン;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン及びその誘導体;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタンなどのフェノール樹脂が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化性樹脂組成物における硬化剤の配合量は、使用する熱硬化性樹脂や硬化剤の種類等にあわせて適宜調整すればよいが、一般的には、100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.1質量部以上200質量部以下の範囲で調整されることが多い。
そして、上述した材料あるいは、その他の材料を組合せて、耐熱性樹脂マトリクスとしての硬化前の溶融粘度が、100℃で20Pa・s以下、好ましくは100℃で15Pa・s以下になるように調整する。耐熱性樹脂マトリクスの100℃での溶融粘度が20Pa・sを超えると、次に説明する熱伝導性無機フィラー内に耐熱性樹脂マトリクスが十分浸透することができず、さらには、熱伝導性無機フィラーとの密着性も低下し、熱伝導性樹脂シートの硬化物の電気絶縁性が低下するからである。
耐熱性樹脂マトリクスに分散させる二次凝集粒子は、窒化ホウ素などの熱的異方性の高い結晶(一次粒子)を凝集させたものである。窒化ホウ素の二次凝集粒子は、窒化ホウ素の一次粒子を凝集させたものであり、公知のものを用いることができる。さらには、窒化ホウ素の一次粒子を凝集して焼結させたものを用いても良い。この二次凝集粒子では、一次粒子があらゆる方向を向いて凝集、すなわち等方的に凝集しているため、二次凝集粒子は等方的な熱伝導性を有する。
二次凝集粒子を構成する一次粒子は、窒化ホウ素を例にすると、図1、図2に示すように黒鉛と同様の分子構造をもつために、異方性の高い鱗片状の粒子となっている。平均長径(図中、a軸方向での寸法)は、好ましくは15μm以下、より好ましくは0.1μm以上8μm以下である。一次粒子の平均長径が15μmよりも大きいと、一次粒子の焼結密度が低くなりすぎてしまい、二次凝集粒子自体の熱伝導性が低下すると共に、熱伝導性樹脂シートの製造工程(プレス工程)において二次凝集粒子が崩れ易くなり、所望の熱伝導性を有する熱伝導性樹脂シートが得られないことがある。
二次凝集粒子の平均粒径は、好ましくは20μm以上180μm以下、より好ましくは40μm以上130μm以下である。二次凝集粒子の平均粒径が20μm未満であると、所望の熱伝導性を有する熱伝導性樹脂シートが得られないことがある。一方、二次凝集粒子の平均粒径が180μmを超えると、熱硬化性樹脂組成物中に二次凝集粒子を混練分散させることが難しくなり、作業性や成形性に支障を生じることがある。さらに、所望の厚さを有する熱伝導性樹脂シートが得られず、電気絶縁性が低下することもある。
なお、二次凝集粒子の形状は、熱的な等方性を確保する限り、球状に限定されず、鱗片状等の他の形状であってもよい。ただし、球状以外の他の形状の場合、平均粒径は当該形状における長辺の長さを意味する。また、球状の二次凝集粒子であれば、熱硬化性樹脂組成物を製造する際に、熱硬化性樹脂の流動性を確保しつつ、二次凝集粒子の配合量を高めることができること等を考慮すると、二次凝集粒子は球状であることが好ましい。
二次凝集粒子は、所定の窒化ホウ素の一次粒子を用いて、公知の方法に従って製造することができる。具体的には、所定の窒化ホウ素の一次粒子を焼成して解砕させたり、所定の窒化ホウ素の一次粒子をスプレードライ等の公知の方法によって凝集させた後、焼成して焼結(粒成長)させる。ここで、焼成温度は特に限定されないが、一般的に2,000℃である。
また、本実施の形態においては、さらに熱伝導性樹脂シートの製造時(例えば、熱硬化性樹脂組成物の塗工時や塗布乾燥物の成形時など)のハンドリング性を向上させるために、耐熱性樹脂マトリクスの軟化点が60℃以下になるように調整している。ただし、100℃での溶融粘度が20Pa・s以下の条件を満たす限り、特許文献2に示すような柔軟付与材を添加しても良い。ただし、柔軟性付与材を添加しなくとも、耐熱性樹脂マトリクスの軟化点を60℃以下に調整することで、ハンドリング性を改善することが出来る。よって、更なるハンドリング性の向上を目的とした場合に柔軟性付与材を添加するようにしてもよい。
しかし、柔軟性付与材を配合する場合、耐熱性樹脂マトリクス100質量部に対して、50質量部以下、好ましくは30質量部以下、より好ましくは24質量部以下の範囲に配合量を抑えることが望ましい。柔軟性付与材の配合量が50質量部を超えると耐熱性の低下(ガラス転移温度の降下)が著しく、熱伝導性樹脂シートの硬化物について所望の耐熱性(Tg≧170℃)が得られなくなるからである。
柔軟性付与材の例としては、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチレン系ポリマー、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴムなどが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの可撓性樹脂の中でも、耐熱性樹脂マトリクスと二次凝集粒子との間の密着性を向上させる効果の点で、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
ビスフェノール骨格のフェノキシ樹脂であれば特に限定されないが、具体的には一般式(化1)に示すようなビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F型骨格などが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2014040533
ここで、一般式(化1)中のXは、CHまたはC(CH)を表す。
例えば、ジャパンエポキシレジン(株)より入手可能なビスフェノール型フェノキシ樹脂としては、一般に広く市販されているE1256、E4250やE4275などを用いることが可能である。
また、下記一般式(化2)で示される変性ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることもできる。
Figure 2014040533
ここで、一般式(化2)中のYは、脂肪族炭化水素であり、Zは、CHまたはC(CH)を表す。また、nは0から10の範囲であり、好ましくは1〜8である。
例えば、ジャパンエポキシレジン(株)より入手可能な変性ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、一般に広く市販されているYL7175−500やYL7175−1000などを用いることが可能である。
また、ポリアルキレンオキシ化したビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることもできる。ポリアルキレンオキシ化したビスフェノール型エポキシ樹脂とは、当該エポキシ含有物質を構成する芳香族炭化水素基の芳香環に直接結合した酸素に、エーテル結合を含む炭化水素基(用語「エーテル結合を含む炭化水素基」におけるエーテル結合を構成する酸素原子としては芳香族炭化水素基の芳香環に直接結合する酸素を含まない。)が結合している化合物をいう。また、当該化合物において、エーテル結合を含む炭化水素基は、エーテル結合を1つ有していても良いし、複数有していても良い。例えば、ポリアルキレンオキシ化エポキシ含有物質は、複数の芳香族炭化水素基をアルキレンオキシ基の繰り返し単位を有する炭化水素基が結合するものを含む。
エーテル結合を含む炭化水素基は、1分子中に少なくとも1つあればよく、好ましくは、芳香族炭化水素基を結合する構造が全てエーテル結合を含む炭化水素基により結合される。具体的には、グリシジル基を有するフェノール性樹脂の芳香環の環炭素とエーテル結合を含む炭化水素基とがアセタール結合を介して結合するエポキシ樹脂が含まれる。好ましいエーテル結合を含む炭化水素基として、−R−O−R’−(RおよびR’は、同じでも異なってもよい炭化水素基を示す。)の構造を持つ基またはアルキレンオキシ基の繰り返し単位を有する炭化水素基が挙げられ、好ましくはアルキレンオキシ基が2個以上繰り返される炭化水素基が挙げられる。例えば、アルキレンオキサイドの付加重合反応により形成される、エチレンオキシエチル基、プロピレンオキシプロピル基、ポリ(エチレンオキシ)エチル基、ポリ(プロピレンオキシ)プロピル基またはエチレンオキドとプロピレンオキシドの付加重合により得られる基が挙げられる。例えば、DIC(株)より入手可能なポリアルキレンオキシ化したビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON EXA4850、4816、4822)等の柔軟強靭性エポキシ樹脂が挙げられる。
ポリアルキレンオキシ化したビスフェノール型エポキシ樹脂としての好ましい形態は、ビスフェノール型樹脂をエーテル結合を有する炭化水素基によりポリアルキレンオキシ化したフェノール性樹脂とクロロヒドリンとを反応させたエポキシ樹脂である。より好ましくはアルキレンオキシ基の繰り返し単位によりビスフェノール型樹脂が結合された構造を有するエポキシ樹脂であり、より好ましくは下記一般式(化3)で示される構造をもつものである。
Figure 2014040533
一般式(化3)中、m=0〜20であり、好ましくは、m=2〜5である。Xは、エチレンオキシエチル基、ジ(エチレンオキシ)エチル基、トリ(エチレンオキシ)エチル基、テトラ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキシプロピル基、ジ(プロピレンオキシ)プロピル基、トリ(プロピレンオキシ)プロピル基、テトラ(プロピレンオキシ)プロピル基、ブチレンオキシブチル基、ジ(ブチレンオキシ)ブチル基、トリ(ブチレンオキシ)ブチル基、テトラ(ブチレンオキシ)ブチル基、または炭素原子数2〜15のアルキレン基、またはシクロアルカン骨格を有する炭素原子数6〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
なお、熱硬化性樹脂組成物として、本発明の効果を阻害しない範囲において、上記の二次凝集粒子と共に、当該技術分野において一般的な無機充填材を含有することができる。この無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、窒化ホウ素(BN)の一次粒子、溶融シリカ(SiO)、結晶シリカ(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)などを挙げることができる。
二次凝集粒子を含む無機充填材の熱硬化性樹脂組成物における配合量は、好ましくは30体積%以上80体積%以下、より好ましくは40体積%以上70体積%以下である。なお、熱硬化性樹脂組成物が下記で説明する溶剤を含有する場合、溶剤を除いた熱硬化性樹脂組成物における無機充填材の含有量を意味する。二次凝集粒子を含む無機充填材の含有量が30体積%未満であると、所望の熱伝導性を有する熱伝導性樹脂シートが得られないことがある。一方、二次凝集粒子を含む無機充填材の含有量が80体積%を超えると、熱伝導性樹脂シート内にボイドが発生し易くなり、熱伝導性樹脂シートの熱伝導性や電気絶縁性が低下することがある。
また、本実施の形態にかかる熱硬化性樹脂組成物として、熱硬化性樹脂と無機充填材との界面の接着力を向上させる観点から、カップリング剤を含有することができる。カップリング剤としては、特に限定されることはなく、熱硬化性樹脂や無機充填材の種類にあわせて公知のものを適宜選択すればよい。かかるカップリング剤としては、例えば、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化性樹脂組成物におけるカップリング剤の配合量は、使用する熱硬化性樹脂やカップリング剤の種類等にあわせて適宜設定すればよく、一般的に、100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.1質量部以上20質量部以下である。
そして、本実施の形態にかかる熱硬化性樹脂組成物は、当該組成物の塗布時の粘度を調整する観点から、溶剤を含有することができる。ただし、溶媒で調整する粘度は塗布時の粘度であって、100℃での溶融粘度とは異なる特性である。溶剤としては、特に限定されることはなく、熱硬化性樹脂や無機充填材の種類にあわせて公知のものを適宜選択すればよい。かかる溶剤としては、例えば、トルエンやメチルエチルケトンなどが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱硬化性樹脂組成物における溶剤の配合量は、混練が可能な量であれば特に限定されることはなく、一般的に、熱硬化性樹脂と無機充填剤との合計100質量部に対して20質量部以上85質量部以下である。
上記のような構成成分を含有する本実施の形態にかかる熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、特に限定されることはなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、本実施の形態にかかる熱硬化性樹脂組成物は、以下のようにして製造することができる。
まず、所定量の熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂を硬化させるために必要な量の硬化剤と、所定量の柔軟性付与材とを混合する。次に、この混合物に溶剤を加えた後、二次凝集粒子や一般的な無機充填材を加えて予備混合する。なお、エポキシ樹脂組成物の粘度が低い場合には、溶剤を加えなくてもよい。次に、この予備混合物を3本ロールやニーダ等を用いて混練することによって熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。なお、熱硬化性樹脂組成物にカップリング剤を配合する場合、カップリング剤は混練工程前までに加えればよい。
上記のようにして得られる本実施の形態の熱硬化性樹脂組成物は、耐熱性樹脂マトリクスの硬化前の粘度を100℃で20Pa・s以下の範囲に調整することで、耐熱性樹脂マトリクスが二次凝集粒子内に浸透し、ボイドの発生を抑えて電気絶縁性の低下を抑制する。そして、耐熱性樹脂マトリクスと二次凝集粒子との間の密着性も高まり、電気絶縁性を維持することができる。
さらに、耐熱性樹脂マトリクスの硬化が始まる前の軟化点が60℃以下になるように調整することにより、熱硬化性樹脂組成物を半硬化させても脆くならず柔軟性があり、熱伝導性樹脂シート作成時のハンドリング性が良好となる。つまり、熱伝導性樹脂シートを製造する際の半硬化時における熱伝導性樹脂シートの柔軟性が確保されるため、熱伝導性樹脂シートの作製時にシートの割れや欠けを抑制することが可能となる。
実施の形態2.
本実施の形態の熱伝導性樹脂シートは、上記実施の形態1で説明した熱硬化性樹脂組成物を用いて作成したもので、基本的には熱硬化性樹脂組成物をシート化して硬化させたものである。図3は本実施の形態2にかかる熱伝導性樹脂シートの構成について説明するためのもので、図3(a)は、熱伝導性樹脂シートの断面模式図、図3(b)は図3(a)における部分拡大断面図である。また、図4は比較例にかかる熱硬化性樹脂組成物を用いて作成した熱伝導性樹脂シートの図3(b)の断面図に対応する断面模式図である。また、図5は本実施の形態2にかかる熱伝導性樹脂シートの製造方法を説明するためのフローチャートである。以下、詳細に説明する。
図3(a)に示すように、熱伝導性樹脂シート1は、耐熱性樹脂マトリクス2と、耐熱性樹脂マトリクス2中に分散されたフィラーとして二次凝集粒子3とを含む。また、二次凝集粒子3は、窒化ホウ素の異方性の一次粒子4が、等方的に球状に凝集したものである。
このような構成を有する熱伝導性樹脂シート1では、図3(b)に示すように、耐熱性樹脂マトリクス2が二次凝集粒子3の内部3iのポアに浸透し、耐熱性樹脂マトリクス2と二次凝集粒子3との界面の密着性が向上する。これにより、耐熱性樹脂マトリクス2と二次凝集粒子3との界面における割れや剥離が抑制され、熱伝導性樹脂シート1の熱伝導性や電気絶縁性が向上する。
他方、耐熱性樹脂マトリクス2Cの100℃での溶融粘度が20Pa・s以下になるように調整していない場合、図4に示すように、耐熱性樹脂マトリクス2Cが二次凝集粒子3の内部3iに侵入できず、表面部分に留まっている。そのため、そのような熱硬化性樹脂組成物を用いて、熱伝導性樹脂シート1Cを作成した場合、たとえ耐熱性樹脂マトリクス2Cと二次凝集粒子3との密着性が高い場合でも、内部にボイドが残留するので、絶縁性が低下することがある。さらに、密着性が悪いと耐熱性樹脂マトリクス2Cと二次凝集粒子3との界面部分にクラックが生じ、シートの割れや剥離の原因となり、熱伝導性樹脂シート1Cの熱伝導性や電気絶縁性を低下させる。
なお、100℃にて耐熱性樹脂マトリクスの溶融粘度を規定する理由は、後述する熱伝導性樹脂シートを作製する工程において、硬化のために昇温した際の粘度を規定するためである。この工程において、耐熱性樹脂マトリクスの溶融粘度が100℃で20Pa・sを超える場合には、粘度が高すぎるため、図4に示すように耐熱性樹脂マトリクス2Cが二次凝集粒子3の内部3iに十分浸透することができない。その場合、内部3iにボイドが残留したり、二次凝集粒子3との密着性が不足して、クラックが発生したりして、熱伝導性樹脂シートの硬化物の電気絶縁性が低下する恐れがあるからである。
本実施の形態の熱伝導性樹脂シート1は、図5に示すように、上記の熱硬化性樹脂組成物を基材に塗布して塗膜を形成する工程(ステップS10、S20)と、塗膜を所定時間溶融させて、結果として半硬化させる工程(ステップS30)と、完全に硬化させる工程(ステップS40)とを含む方法によって製造することができる。
ここで、基材としては、特に限定されることはなく、例えば、銅箔や離型処理された樹脂シートやフィルム等のような公知の基材を用いることができる。熱硬化性樹脂組成物の塗布方法(ステップS10)としては、特に限定されることはなく、ドクターブレード法等のような公知の方法を用いることができる。
塗布した熱硬化性樹脂組成物の乾燥(ステップS20)は、周囲温度で行ってよいが、溶剤の揮発を促進させる観点から、必要に応じて80℃以上150℃以下に加熱してもよい。なお、このとき、熱硬化性樹脂組成物の温度は、溶媒の蒸発によって、加熱温度よりも低い温度に維持されるので基本的に硬化反応は生じない。
熱硬化性樹脂組成物から溶媒が抜けると、50℃〜130℃の温度雰囲気下で耐熱性樹脂マトリクス2を半硬化させる(ステップS30)。この工程では、耐熱性樹脂マトリクス2を溶融させ、樹脂を二次凝集粒子3に絡み合わせるとともに、内部3iにまで浸透させる。そのため、反応の進行に伴い粘度が増大するまでに、樹脂が内部3iに十分浸透する時間を保持できるよう、温度や後述する加圧力を調整する。この工程が完了すると、硬化反応が部分的に生じ、ハンドリングが可能な程度に硬化する。
そして、最終的な硬化(ステップS40)により、熱伝導性樹脂シート1が完成する。最終的な硬化時の温度は、使用する熱硬化性樹脂の種類にあわせて適宜設定すればよいが、一般的に80℃以上250℃以下である。また、硬化時間は、特に限定されないが、一般的に2分以上24時間以下である。
半硬化および最終硬化時には、必要に応じて加圧してもよい。この場合のプレス圧は、好ましくは0.5MPa以上50MPa以下、より好ましくは1.9MPa以上30MPa以下である。プレス圧が0.5MPa未満であると、熱伝導性樹脂シート1内のボイドを十分に除去することができないことがある。一方、プレス圧が50MPaを超えると、二次凝集粒子3が変形又は崩壊してしまい、熱伝導性樹脂シート1の熱伝導性及び電気絶縁性が低下することがある。また、プレス時間は、特に限定されないが、一般的に5分以上180分以下である。また、半硬化の際の耐熱性樹脂マトリクスが溶融している所定期間、真空雰囲気にするなどの減圧操作(実際には圧の回復を伴う)を行うことにより、内部3iの空気が抜けて樹脂が侵入しやすくなり、さらにボイドの発生を抑制することができる。
なお、熱硬化性樹脂組成物を電気・電子機器の発熱部材や放熱部材上に直接塗布して熱伝導性樹脂シート1を作製することも可能である。このとき、半硬化(ステップS30)と最終硬化(ステップS40)は、区別せず、一連の硬化工程として行ってもよい。また、ステップS30により半硬化させた熱伝導性樹脂シートを予め作製しておき、これを発熱部材と放熱部材との間に配置した後、所定のプレス圧で加圧しながら80℃以上250℃以下に加熱することで熱伝導性樹脂シート1を作製することも可能である。これらの方法によれば、熱伝導性樹脂シート1に対する発熱部材や放熱部材の接着性がより高くなる。
上記のようにして得られる本実施の形態2にかかる熱伝導性樹脂シート1は、電気・電子機器の発熱部材と放熱部材との間に配置することにより、発熱部材と放熱部材とを接着すると共に電気絶縁することができる。特に、本実施の形態にかかる熱伝導性樹脂シート1は、耐熱性樹脂マトリクス2を母材とし、且つ耐熱性樹脂マトリクス2が二次凝集粒子3の内部3iに浸透してボイドの発生を抑制することができる。さらに、密着性に優れているため、耐熱性樹脂マトリクス2と二次凝集粒子3との界面における割れや剥離が抑制され、耐熱性、熱伝導性及び電気絶縁性が向上する。
実施の形態3.
本実施の形態にかかる電力用半導体装置は、発熱源である電力用半導体素子と放熱部材とを絶縁して伝熱接合するための部材として、上記各実施の形態で説明した熱伝導性樹脂シートを用いたものである。図6は本実施の形態3にかかる電力用半導体装置の構成を説明するための断面模式図である。
図に示すように、電力用半導体装置(パワーモジュールとも呼ばれる)10は、電力用のリードフレーム12Pのうちのいずれかの一端側には、一方の面に電力用半導体素子13が接合されるとともに、他方の面(電力用半導体素子13が接合された面の裏側)には、上述した熱伝導性樹脂シート1を介してヒートシンク14が接合されている。また、リードフレーム12Pの他のいずれかは、電力用半導体素子13の主電力用の電極とボンディングワイヤ16Pにより電気接続されている。
さらに、制御用のリードフレーム12Cの一端側には、一方の面に制御用半導体素子15が接合され、制御用半導体素子15と電力用半導体素子13の制御用の電極とがボンディングワイヤ16Cにより電気接続されている。また、電力用半導体素子13や制御用半導体素子15等の回路部材は、リードフレーム12P、12Cの他端側、及びヒートシンク14の放熱面(リードフレーム12Pに接合された面の反対側の面)を除き、封止樹脂17で封止されている。
この電力用半導体装置10において、熱伝導性樹脂シート1以外の部材は特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。このような構成を有する電力用半導体装置10は、耐熱性、熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性樹脂シート1を有しているので、耐熱性や熱放散性に優れている。
以下、上記各実施の形態にかかる実施例、および、本実施例の効果を確認するための比較例のサンプルを試作し、性能評価を実施した。なお、実施例に記載した詳細を構成は、本発明にかかる構成を限定するものではない。
<実施例1>
常温で固形のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710:DIC株式会社製):20質量部、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828:三菱化学株式会社製):80質量部、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、PSM6842:群栄化学株式会社製):57質量部、メチルエチルケトン(溶剤):237質量部、を添加して撹拌混合した。次に、この混合物に、窒化ホウ素の二次凝集粒子(PTX60:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同株式会社)を、溶剤を除いた全成分の合計体積に対して40体積%となるように添加して予備混合した。この予備混合物を三本ロールにてさらに混練し、窒化ホウ素の二次凝集粒子が均一に分散された熱硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例2>
実施例1に対して、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、PSM6842:群栄化学株式会社製):62質量部、柔軟性付与材(EXA4850−150:DIC株式会社製):20質量部、メチルエチルケトン(溶剤):275質量部に変更した。それ以外の構成については実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例3>
実施例1に対して、常温で固形のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710:DIC株式会社製):50質量部、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828:三菱化学株式会社製):50質量部、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、TD−2131:DIC株式会社製):59質量部、メチルエチルケトン(溶剤):240質量部に変更した。それ以外の構成については実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例4>
実施例3に対して、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、TD−2131:DIC株式会社製):63質量部、柔軟性付与材(EXA4850−150:DIC株式会社製):20質量部、メチルエチルケトン(溶剤):276質量部に変更した。それ以外の構成については実施例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例5>
実施例1に対して、常温で固形のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710:DIC株式会社製):100質量部、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828:三菱化学株式会社製):0質量部、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、MEH−7800:明和化成株式会社製):105質量部、メチルエチルケトン(溶剤):309質量部に変更した。それ以外の構成については実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例6>
実施例5に対して、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、MEH−7800:明和化成株式会社製):113質量部、柔軟性付与材(EXA4850−150:DIC株式会社製):20質量部、メチルエチルケトン(溶剤):351質量部に変更した。それ以外の構成については実施例5と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例7>
実施例3に対して、窒化ホウ素の二次凝集粒子をサンゴバンに変更したそれ以外の構成については実施例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例8>
実施例3に対して、窒化ホウ素の二次凝集粒子(PTX60:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同株式会社)の、溶剤を除いた全成分の合計体積に対する割合を変更した。それ以外の構成については実施例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例9>
実施例1に対して、常温で固形のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710:DIC株式会社製):90質量部、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828:三菱化学株式会社製):10質量部、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、TD−2131:DIC株式会社製):62質量部、メチルエチルケトン(溶剤):244質量部に変更した。それ以外の構成については実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例10>
実施例9に対して、常温で固形のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710:DIC株式会社製):100質量部、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828:三菱化学株式会社製):0質量部に変更した。それ以外の構成については実施例9と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<比較例1>
常温で固形のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710:DIC株式会社製):0質量部、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828:三菱化学株式会社製):100質量部、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、TD−2131:DIC株式会社製):56質量部、メチルエチルケトン(溶剤):236質量部を添加して攪拌混合した。次に、この混合物に、窒化ホウ素の二次凝集粒子(PTX60:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同株式会社)を、溶剤を除いた全成分の合計体積に対して40体積%となるように添加して予備混合した。この予備混合物を三本ロールにてさらに混練し、窒化ホウ素の二次凝集粒子が均一に分散された熱硬化性樹脂組成物を得た。
<比較例2>
比較例1に対して、常温で固形のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710:DIC株式会社製):60質量部、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828:三菱化学株式会社製):40質量部、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、PSM6842:群栄化学株式会社製):65質量部、柔軟性付与材(EXA4850−150:DIC株式会社製):20質量部、メチルエチルケトン(溶剤)の添加量を279質量部に変更した。それ以外の構成については比較例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<比較例3>
比較例2に対して、常温で固形のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710:DIC株式会社製):50質量部、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828:三菱化学株式会社製):50質量部、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、PSM6842:群栄化学株式会社製):64質量部、メチルエチルケトン(溶剤)の添加量を277質量部に変更した。それ以外の構成については比較例2と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<比較例4>
比較例1に対して、常温で固形のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710:DIC株式会社製):100質量部、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828:三菱化学株式会社製):0質量部、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、PSM6842:群栄化学株式会社製):63質量部を用い、メチルエチルケトン(溶剤)の添加量を246質量部に変更した。それ以外の構成については比較例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
<比較例5>
比較例4に対して、フェノールノボラック樹脂(硬化剤、PSM6842:群栄化学株式会社製):68質量部を用い、柔軟性付与材(EXA4850−150:DIC株式会社製):20質量部、メチルエチルケトン(溶剤)の添加量を283質量部に変更した。それ以外の構成については比較例4と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
実施例1〜10および、比較例1〜5(まとめて、各評価サンプルと称する)の熱硬化性樹脂組成物の組成と特性、および熱硬化性樹脂組成物で製造した熱伝導性樹脂シート(評価用シート)の特性を表1、表2に示す。なお、各表で示した構成成分の種類及び配合量は、質量基準である。
Figure 2014040533
Figure 2014040533
なお、表中、評価サンプルの欄の「実○」は「実施例○」を「比○」は「比較例○」を示す。また、熱硬化性樹脂の欄の「ナフタレン型」は、「ナフタレン型エポキシ樹脂」を、「ビスフェノールA型」は、「ビスフェノールA型エポキシ樹脂」を、柔軟性付与材の「ビスフェノール型」は「ビスフェノール型エポキシ樹脂」を示す。
熱硬化性樹脂組成物の特性として、100℃での粘度とは、各評価サンプルの耐熱性樹脂マトリクス(すなわち、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂、柔軟性付与材からなる樹脂マトリクス)の100℃での溶融粘度をB型粘度計にて測定した結果である。なお、実際の樹脂マトリクスを加熱すると硬化に伴い、粘度が変化(上昇)していくので、硬化促進剤である触媒を除いた(添加する前の)状態で測定をおこなっている。これにより、硬化が始まる前の100℃の粘度を測定したことになる。なお、触媒添加量は、例えば、リン系触媒を0.3phrという、量的にはわずかな量しか添加しないので、当然のことながら、硬化を考えなければ触媒の有無は粘度には影響しない。
また、熱硬化性樹脂組成物の硬化が始まる前の軟化点は、各評価サンプルの耐熱性樹脂マトリクス(すなわち、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂、柔軟性付与材からなる樹脂マトリクス)について、それぞれ示差走査熱量測定装置にて測定した結果である。
熱伝導性樹脂シートとしての特性を評価するため、各評価サンプルに対して2種類の評価用シートを作成した。
1種類目の評価用シート(第1評価用シートと称す)は、はじめに、各評価サンプルの熱硬化性樹脂組成物をそれぞれ、厚さ105μmの放熱部材上にドクターブレード法にて塗布した後、110℃で15分間、加熱乾燥させることによって、厚さが100μmの塗布乾燥物を得た。次に、放熱部材上に形成した塗布乾燥物を、塗布乾燥物側が内側になるように2枚重ねた後、5MPaのプレス圧で加圧しながら100℃で20分間加熱することで半硬化(ステップS30)状態の熱伝導性樹脂シートを得た。これをさらに5MPaのプレス圧で加圧しながら200℃で3時間加熱することで、半硬化状態の熱伝導性樹脂シートを完全に硬化させ、熱伝導性樹脂シート(厚さ200μm)が2つの放熱部材に挟まれた第1評価用シートを得た。
2種類目の評価用シート(第2評価用シートと称す)としては、放熱部材の代わりに離型処理したフィルムを用い、塗布乾燥物を完全に硬化した後に、フィルムを除去したこと以外は、1種類目のサンプルと同様の工程を行い、熱伝導性樹脂シート(厚さ200μm)単独の第2評価用シートを得た。
第1評価用シートについて、シート厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定した。この熱伝導率の測定結果は、比較例1の第1評価用シートで得られた熱伝導率を基準(=1.0)とし、各評価サンプルの第1評価用シートで得られた熱伝導率の相対値([各評価サンプルの第1評価用シートで得られた熱伝導率]/[比較例1の第1評価用シートで得られた熱伝導率]の値)として各表に示した。
また、第1評価用シートについて、絶縁破壊電界(BDE)を評価した。熱伝導性樹脂シートの絶縁破壊電界(BDE)は、油中で、第1評価用シート(の放熱部材間)に1kV/秒の一定昇圧にて電圧を印加することにより測定された絶縁破壊電圧(BDV)を第1評価用シートの厚さで割ることにより算出した。この絶縁破壊電界(BDE)の結果は、比較例1の第1評価用シートで得られたBDEを基準(=1.0)とし、各評価サンプルの第1評価用シートで得られたBDEの相対値([各評価サンプルの第1評価用シートで得られたBDE]/[比較例1の第1評価用シートで得られたBDE]の値)として各表に示した。
また、耐熱性樹脂マトリクスの硬化後のガラス転移温度としては、動的粘弾性測定装置を用いて第2評価用シートに対して測定したガラス転移温度(熱伝導性樹脂シートのガラス転移温度)を用いた。その結果を各表に示す。
各表の結果に示されているように、耐熱性マトリクス樹脂成分の100℃での溶融粘度を20Pa・s以下に調整した熱硬化性樹脂組成物(実施例1〜10)は、熱伝導性及び絶縁破壊電界が高く、且つ耐熱性に優れる熱伝導性樹脂シートを与えることがわかった。
これに対して、耐熱性マトリクス樹脂成分の100℃での溶融粘度が20Pa・sを超える熱硬化性樹脂組成物(比較例2〜5)は、絶縁破壊電界が低下する。
これらの結果を詳細に検討するため、実施例1〜10、比較例1〜5における耐熱性樹脂マトリクスの100℃での溶融粘度と、熱伝導性樹脂シートの破壊電界との関係を示すグラフを図7に示す。図7の横軸は耐熱性樹脂マトリクスの100℃での溶融粘度を、縦軸(左)は破壊電界の相対値を示す。なお、図中、縦軸右には、「耐熱性」の前提であるガラス転移温度を示しており、破壊電界をひし形(◇,◆)、ガラス転移温度を丸(○,●)で示している。また、塗りつぶしが実施例の特性、白抜きは比較例の特性を示し、破壊電界の基準である比較例1の結果を2重枠のひし形で示している。
図7からわかるように、耐熱性樹脂マトリクスの100℃での溶融粘度が20Pa・s以下の範囲にあると、熱伝導性樹脂シートの絶縁破壊電界が高くなる。逆に、耐熱性樹脂マトリクスの100℃での溶融粘度が20Pa・sを超えると、絶縁破壊電界が急激に低下している。
以上のことを考慮すると、耐熱性樹脂マトリクスの100℃での溶融粘度が20Pa・s以下の範囲にあると、耐熱性樹脂マトリクスと熱伝導性無機フィラーとの間の密着性が向上し、熱伝導性樹脂シートの電気絶縁性が高くなる。逆に、耐熱性樹脂マトリクスの100℃での溶融粘度が20Pa・sを超える範囲にあると、耐熱性樹脂マトリクスと熱伝導性無機フィラーとの間の密着性が低下し、熱伝導性樹脂シートの電気絶縁性が低くなる。なお、実験的には、溶融粘度が20Pa・s以下であれば問題ないが、実際(工業的)には、変動等を考慮して、15Pa・s以下になるように調整することが望ましい。
また、さらに耐熱性樹脂マトリクス(硬化前)の軟化点を60℃以下に調整した熱硬化性樹脂組成物(実施例1〜8、比較例1〜3)は、熱伝導性樹脂シートの成形性も良好であり、熱伝導性樹脂シートの製造時にシートの割れや欠けを防止できることもわかった。
また、耐熱性樹脂マトリクスの軟化点が60℃以下の範囲にあると、熱伝導性樹脂シートの製造時(例えば、熱硬化性樹脂組成物の塗工時や塗布乾燥物の成形時など)におけるハンドリング性が良好である。逆に、熱硬化性樹脂組成物の軟化点が60℃を越えると、熱伝導性を高めることを目的として熱伝導性無機フィラーを高充填した熱伝導性樹脂シートは脆性化し、熱伝導性樹脂シートの製造時に割れや欠けが生じるため、ハンドリング性が十分でないという問題が生じる。したがって、所望のハンドリング性や電気絶縁性を得るためには、熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度や軟化点の調整が重要であるといえる。したがって、溶融粘度を20Pa・s以下に調整するのはもちろんであるが、軟化点を60℃以下に調整すればさらによい。
次に、各評価サンプルの熱硬化性樹脂組成物を用いた熱伝導性樹脂シートを介在させて、リードフレーム12Pとヒートシンク14間を接合しトランスファーモールド法にて封止樹脂で封止して、実施の形態3で説明したような電力用半導体装置10を作成した。この電力用半導体装置10では、リードフレーム12Pと銅のヒートシンク14の中央部とに熱電対を取り付けている。そして、電力用半導体装置10を稼動させ、リードフレーム12Pとヒートシンク14の温度をそれぞれ測定した。その結果、実施例1〜10の熱硬化性樹脂組成物から得られた熱伝導性樹脂シート1を用いた電力用半導体装置10は、いずれも、リードフレーム12Pとヒートシンク14の温度差が小さく、熱放散性に優れていることが確認できた。
以上の評価サンプルや電力用半導体装置10での温度測定結果からわかるように、100℃の溶融粘度が20Pa・s以下になるように調整した熱硬化性樹脂組成物を用いることで、耐熱性、熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性樹脂シート1を得ることができる。その結果、高温動作が可能で特性および信頼性の高い電力用半導体装置10を得ることができる。
さらに、軟化点を60℃以下に調整することで、未硬化時及び半硬化時のハンドリング性が良好であり、且つ耐熱性、熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性樹脂シート1を得ることができる。その結果、高温動作が可能で特性および信頼性の高い電力用半導体装置10を容易に製造することができる。
ここで、たとえば、スイッチング素子や整流素子として機能する電力用半導体素子13に、炭化ケイ素や、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドを用いた場合、従来から用いられてきたケイ素で形成された素子よりも電力損失が低いため、電力用半導体装置10の高効率化が可能となる。また、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、電力用半導体装置10の小型化が可能となる。さらにワイドバンドギャップ半導体素子は、耐熱性が高いので、高温動作が可能であり、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷部の空冷化も可能となるので、電力用半導体装置10の一層の小型化が可能になる。
一方、上記のように高温動作する場合は停止・駆動時の温度差が大きくなり、さらに、高効率・小型化によって、単位体積当たりに扱う電流量が大きくなる。そのため必要な放熱量が大きくなる。しかし、本発明のように、耐熱性、熱伝導性、および絶縁性に優れた熱伝導性樹脂シート1を用いることで、絶縁性を損なうことなく、温度を適切な範囲に維持できるので、高性能で、信頼性の高い電力用半導体装置を得ることができる。つまり、本発明による効果を発揮することで、ワイドバンドギャップ半導体の特性を活かすことができるようになる。
つまり、本発明者らは、耐熱性樹脂マトリクスの硬化前の溶融粘度を所定以下に規定することで、二次凝集粒子中の微小空洞に耐熱性樹脂マトリクスを浸透させることができることを見出した。これにより、ボイドの発生を抑え、耐熱性、伝熱性、電気絶縁性に優れた熱伝導性樹脂シートを作製でき、結果として、小型、高性能、高信頼性の電力用半導体装置を得ることができるようになった。
以上のように、本発明の実施の形態1にかかる熱硬化性樹脂組成物によれば、熱伝導性のフィラー3を熱硬化性の耐熱性樹脂マトリクス(以下、単に樹脂マトリクスと称する)2中に分散させた熱硬化性樹脂組成物であって、フィラー3は、方向によって熱伝導率が異なる一次粒子4を、等方性を有するように凝集させた二次凝集粒子(二次凝集体)3であり、樹脂マトリクス2は、硬化後のガラス転移温度が170℃以上であるとともに、硬化が始まる前の100℃における粘度が20Pa・s以下になるように調整されているように構成したので、二次凝集粒子3中の微小空洞に樹脂マトリクス2を浸透させることができ、ボイドの発生を抑え、耐熱性、伝熱性、電気絶縁性に優れた熱伝導性樹脂シート1を得ることができる。さらに、このようにして得た熱伝導性樹脂シート1を用いれば、小型、高性能、高信頼性の電力用半導体装置を得ることができるようになる。
なお、本実施の形態では、その効果を好適に発揮できる対象として、方向によって熱伝導率が異なる一次粒子4を、等方性を有するように凝集させた二次凝集粒子(二次凝集体)3をフィラーに用いた場合について説明した。しかし、熱伝導率に異方性のない一次粒子の二次凝集体や、ポーラスな粒子をフィラーに用いた場合にも適用することもできる。例として、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどが挙げられる。これらの場合でも、フィラーの形態を崩すことなく、フィラー内の微小空洞に樹脂を浸透させることができるので、未硬化時および半硬化時のハンドリング性が良好であり、当該フィラーに期待される性能を発揮できる熱伝導性樹脂シートを得ることができる。
さらに、樹脂マトリクス2の硬化が始まる前の軟化点が60℃以下になるように調整されていれば、例えば、半硬化時にハンドリングする際に柔軟性を有し、クラック等の発生を抑えて取り扱いが容易になり、歩留まりや生産速度が向上する。
また、本実施の形態2にかかる熱伝導性樹脂シート1の製造方法によれば、上述した熱硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する工程(ステップS10、S20)と、塗膜を加熱し、樹脂マトリクスの溶融状態を所定時間保った後に硬化させる工程(ステップS30、S40)と、を含むように構成したので、溶融した(耐熱性)樹脂マトリクス2がフィラー3の内部3iに浸透し、ボイドの無い熱伝導性樹脂シート1を容易に製造することができる。
また、本発明の実施の形態3にかかる電力用半導体装置10によれば、放熱部材であるヒートシンク4と、上述した熱伝導性樹脂シート1を介して放熱部材(ヒートシンク4)に接合された電力用半導体素子13と、を備えるように構成したので、電力用半導体素子の熱を効率的に放熱できるとともに、電力用半導体素子13とヒートシンク4間の絶縁性を保ち、小型、高性能で、高温動作しても信頼性の高い電力用半導体装置10を得ることができる。
1:熱伝導性樹脂シート、
2:耐熱性樹脂マトリクス(樹脂マトリクス)、
3:二次凝集粒子(二次凝集体、フィラー)、
4:一次粒子、
10:電力用半導体装置、
12C、12P:リードフレーム、
13:電力半導体素子、
14:ヒートシンク(放熱部材)、
15:制御用半導体素子、
16C、16P:ボンディングワイヤ、
17:封止樹脂。

Claims (11)

  1. 熱伝導性のフィラーを熱硬化性の樹脂マトリクス中に分散させた熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記フィラーは、一次粒子を凝集させた二次凝集体であり、
    前記樹脂マトリクスは、硬化後のガラス転移温度が170℃以上であるとともに、硬化が始まる前の100℃における粘度が20Pa・s以下になるように調整されていることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記一次粒子は、方向によって熱伝導率が異なる熱的異方性を有する結晶であり、
    前記二次凝集体は、前記熱的異方性を有する結晶を、等方性を有するように凝集させたものであることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記一次粒子は、窒化ホウ素の結晶であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記二次凝集体は、前記窒化ホウ素の結晶を凝集して焼結させたものであることを特徴とする請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記樹脂マトリクスの硬化が始まる前の軟化点が60℃以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記樹脂マトリクスの主構成材料が、エポキシ樹脂とフェノール硬化剤であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を加熱し、前記樹脂マトリクスの溶融状態を所定時間保った後に硬化させる工程と、
    を含むことを特徴とする熱伝導性樹脂シートの製造方法。
  8. 請求項7に記載の熱伝導性樹脂シートの製造方法によって製造されたことを特徴とする熱伝導性樹脂シート。
  9. 放熱部材と、
    請求項8に記載の熱伝導性樹脂シートを介して前記放熱部材に接合された電力用半導体素子と、
    を備えたことを特徴とする電力用半導体装置。
  10. 前記電力用半導体素子がワイドバンドギャップ半導体材料により形成されていることを特徴とする請求項9に記載の電力用半導体装置。
  11. 前記ワイドバンドギャップ半導体材料は、炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料、およびダイヤモンドのうちのいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の電力用半導体装置。
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