JP2017028130A - パワーモジュール用基板、パワーモジュール用回路基板およびパワーモジュール - Google Patents

パワーモジュール用基板、パワーモジュール用回路基板およびパワーモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性の高いパワーモジュールを実現できる、放熱性および絶縁性のバランスに優れたパワーモジュール用基板およびパワーモジュール用回路基板並びに耐久性の高いパワーモジュールを提供すること。
【解決手段】本発明のパワーモジュール用基板100は、金属基板101と、金属基板101上に設けられた絶縁樹脂層102と、絶縁樹脂層102上に設けられた金属層103とを備える。絶縁樹脂層102は、熱硬化性樹脂(A)と、熱硬化性樹脂(A)中に分散された無機充填材(B)とを含み、絶縁樹脂層102を700℃、4時間加熱処理して灰化した後の灰化残渣に含まれる無機充填材(B)について、水銀圧入法による細孔径分布測定を行ったとき、上記水銀圧入法により測定される、細孔径Rを横軸とし、対数微分細孔容積(dV/dlogR)を縦軸としたときの細孔径分布曲線において、上記細孔径Rが1.0μm以上10.0μm以下の範囲にピーク(P)を有し、上記ピーク(P)は2以上のピークが重なり合っている。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワーモジュール用基板、パワーモジュール用回路基板およびパワーモジュールに関する。
従来から絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT;Insulated Gate Bipolar Transistor)およびダイオード等の半導体素子、抵抗、ならびにコンデンサ等の電子部品を回路基板上に搭載して構成したパワーモジュールが知られている。
これらのパワーモジュールは、その耐圧や電流容量に応じて各種機器に応用されている。特に、近年の環境問題、省エネルギー化推進の観点から、各種電気機械へのこれらパワーモジュールの使用が年々拡大している。
特に車載用電力制御装置について、その小型化、省スペ−ス化と共に電力制御装置をエンジンル−ム内に設置することが要望されている。エンジンル−ム内は温度が高く、温度変化が大きい等過酷な環境であり、放熱面積の大きな基板が必要とされる。このような用途に対して、より一層放熱性に優れる金属ベース回路基板が注目されている。
例えば、特許文献1には、半導体素子をリードフレーム等の支持体に搭載し、支持体と、ヒートシンクに接続される放熱板とを、絶縁樹脂層とで接着したパワーモジュールが開示されている。
特開2011−216619号公報
しかし、このようなパワーモジュールは高温での放熱性および絶縁性がまだ十分に満足できるものでなかった。そのため、電子部品の熱を外部に十分に放熱させたり、電子部品の絶縁性を保ったりすることが困難となる場合があり、その場合はパワーモジュールの性能が低下してしまう。
本発明によれば、
金属基板と、上記金属基板上に設けられた絶縁樹脂層と、上記絶縁樹脂層上に設けられた金属層と、を備えるパワーモジュール用基板であって、
上記絶縁樹脂層は、熱硬化性樹脂と、上記熱硬化性樹脂中に分散された無機充填材とを含み、
上記絶縁樹脂層を700℃、4時間加熱処理して灰化した後の灰化残渣に含まれる上記無機充填材について、水銀圧入法による細孔径分布測定を行ったとき、
上記水銀圧入法により測定される、細孔径Rを横軸とし、対数微分細孔容積(dV/dlogR)を縦軸としたときの細孔径分布曲線において、
上記細孔径Rが1.0μm以上10.0μm以下の範囲にピーク(P)を有し、
上記ピーク(P)は2以上のピークが重なり合っているパワーモジュール用基板が提供される。
本発明のパワーモジュール用基板は、上記無機充填材の細孔径分布曲線が、上記細孔径Rが1μm以上10μm以下の範囲においてピーク(P)を有し、上記ピーク(P)は2以上のピークが重なり合っている。こうした無機充填材であると、熱硬化性樹脂が無機充填材の内部に十分に入り込むため、絶縁樹脂層中のボイドの発生が少ない。これにより、パワーモジュール用基板の絶縁性を向上できるため、得られるパワーモジュールの絶縁信頼性を向上できる。
さらに絶縁樹脂層中の上記無機充填材の充填性が高く、上記無機充填材同士の接触面積が大きい。これにより、パワーモジュール用基板の熱伝導性を向上させることができる。
以上から、本発明によれば、上記無機充填材が上記細孔径分布曲線を示すことにより、放熱性および絶縁性のバランスに優れたパワーモジュール用基板を得ることができると推察される。そして、当該パワーモジュール用基板をパワーモジュールに適用することで、耐久性の高いパワーモジュールを実現できる。
また、本発明によれば、
上記パワーモジュール用基板の上記金属層を回路加工してなるパワーモジュール用回路基板が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記パワーモジュール用回路基板と、
上記パワーモジュール用回路基板上に設けられた電子部品と、
を備えるパワーモジュールが提供される。
本発明によれば、耐久性の高いパワーモジュールを実現できる、放熱性および絶縁性のバランスに優れたパワーモジュール用基板およびパワーモジュール用回路基板並びに耐久性の高いパワーモジュールを提供できる。
本発明の一実施形態に係るパワーモジュール用基板の断面図である。 本発明の一実施形態に係るパワーモジュールの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明は重複しないように適宜省略される。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。また、数値範囲の「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
[パワーモジュール用基板]
はじめに、本実施形態に係るパワーモジュール用基板100について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパワーモジュール用基板100の断面図である。
パワーモジュール用基板100は、金属基板101と、金属基板101上に設けられた絶縁樹脂層102と、絶縁樹脂層102上に設けられた金属層103とを備える。
<絶縁樹脂層>
絶縁樹脂層102は、金属層103を金属基板101に接着するための層である。
絶縁樹脂層102は、熱硬化性樹脂(A)と、熱硬化性樹脂(A)中に分散された無機充填材(B)とを含む。
そして、絶縁樹脂層102を700℃、4時間加熱処理して灰化した後の灰化残渣に含まれる無機充填材(B)について、水銀圧入法による細孔径分布測定を行ったとき、上記水銀圧入法により測定される、細孔径Rを横軸とし、対数微分細孔容積(dV/dlogR)を縦軸としたときの細孔径分布曲線において、細孔径Rが1.0μm以上10.0μm以下、好ましくは1.0μm以上8.0μm以下の範囲にピーク(P)を有する。
また、ピーク(P)は、2以上、好ましくは3以上、そして、好ましくは4以下、より好ましくは3以下のピークが重なり合っているものである。ピーク(P)は、例えば、水銀圧入式のポロシメータで測定できる。
ここで、細孔径Rが上記範囲にピーク(P)を有するとは、ピーク(P)の極大値が上記範囲内にあることを意味する。また、本実施形態において、細孔径は細孔の直径を示す。
また、2以上のピークが重なり合っているものであるとは、ピーク(P)が2以上の極大値を有し、かつ、個々のピークが分離できないことを意味する。なお、ショルダーピークも一つのピークとして数える。
このようなパワーモジュール用基板100をパワーモジュールに適用することにより、耐久性の高いパワーモジュールを実現できる。
ここで、ピーク(P)において、細孔径Rが好ましくは1.0μm以上3.0μm以下、より好ましくは1.0μm以上2.5μm以下の範囲に第1の極大値を有し、細孔径Rが好ましくは3.0μmを超えて10.0μm以下、より好ましくは3.0μmを超えて8.0μm以下の範囲に第2の極大値を有することが好ましい。ここで、第1の極大値に対応するピーク(P1)は無機充填材(B)の粒子内の空隙体積を示し、第2の極大値に対応するピーク(P2)は無機充填材(B)の粒子間の空隙体積を示していると考えられる。ここで、上記各範囲内にそれぞれ極大値が2つ以上ある場合は、最も大きいものを第1の極大値または第2の極大値とする。
無機充填材(B)がピーク(P1)を有すると、熱硬化性樹脂(A)が無機充填材(B)の内部に十分に入り込むため、絶縁樹脂層102中のボイドの発生が少ない。これにより、パワーモジュール用基板100の絶縁性を向上できるため、得られるパワーモジュールの絶縁信頼性を向上できる。
また、無機充填材(B)がピーク(P2)を有すると、絶縁樹脂層102中の無機充填材(B)の充填性が高く、無機充填材(B)同士の接触面積が大きい。これにより、パワーモジュール用基板100の熱伝導性を向上させることができる。
本実施形態に係るパワーモジュール用基板100において、上記細孔径Rが1.0μm以上10.0μm以下の範囲における累積細孔体積V1が好ましくは0.1mL/g以上2.0mL/g以下、より好ましくは0.2mL/g以上1.8mL/g以下であり、さらに好ましくは0.3mL/g以上1.6mL以下である。
累積細孔体積V1が上記範囲内であると、放熱性および絶縁性のバランスにより一層優れたパワーモジュール用基板100を得ることができる。
本実施形態によれば、無機充填材(B)の細孔径分布曲線が、細孔径Rが1.0μm以上10.0μm以下の範囲において、ピーク(P)を有し、ピーク(P)は2以上のピークが重なり合っているものである。こうした無機充填材(B)であると、熱硬化性樹脂(A)が無機充填材(B)の内部に十分に入り込むため、絶縁樹脂層102中のボイドの発生が少ない。これにより、パワーモジュール用基板100の絶縁性を向上できるため、得られるパワーモジュールの絶縁信頼性を向上できる。
さらに絶縁樹脂層102中の無機充填材(B)の充填性が高められ、無機充填材(B)同士の接触面積をより大きくすることができる。これにより、パワーモジュール用基板100の熱伝導性を向上させることができる。
以上から、本実施形態によれば、絶縁樹脂層102中の無機充填材(B)が上記細孔径分布曲線を有することにより、放熱性および絶縁性のバランス優れたパワーモジュール用基板100を得ることができると推察される。そして、当該パワーモジュール用基板100をパワーモジュールに適用することで、耐久性の高いパワーモジュールを実現できる。
本実施形態に係るパワーモジュール用基板100を用いることにより、耐久性の高いパワーモジュールを実現できる。この理由は必ずしも明らかではないが、以下のような理由が考えられる。
本発明者の検討によれば、従来のパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールは、自動車のエンジンルーム内等の温度変化が激しい環境下に長時間置かれると、パワーモジュール用基板の放熱性や絶縁性の低下等が生じてパワーモジュールの耐久性が低下してしまうことが明らかになった。そのため、従来のパワーモジュールは耐久性に劣っていた。
一方、本実施形態に係るパワーモジュール用基板100を用いたパワーモジュールは温度変化が激しい環境下でも耐久性に優れている。この理由としては、絶縁樹脂層102は、ボイドが発生し難い構造になっており、かつ、絶縁樹脂層102中の上記無機充填材の充填性が高く、上記無機充填材同士の接触面積が大きいからだと考えられる。
絶縁樹脂層102中のボイドの発生が少ないことにより、パワーモジュール用基板100の絶縁性を向上でき、無機充填材(B)同士の接触面積を向上させることにより、パワーモジュール用基板100の熱伝導性を向上させることができる。
以上の理由から、本実施形態に係るパワーモジュール用基板100は熱伝導性および絶縁性の観点からバランスの良い構造となっている。そのため、本実施形態に係るパワーモジュール用基板100を用いると、耐久性に優れるパワーモジュールが得られると推察される。
本実施形態に係るパワーモジュール用基板100において、上記細孔径Rが10.0μmを超えて30.0μm以下の範囲に好ましくは1以上3以下、より好ましくは1以上2以下のピークをさらに有することが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂(A)の無機充填材(B)の粒子間への浸透性が向上し、絶縁樹脂層102中の無機充填材(B)間の密着性を向上できる。これにより、パワーモジュール用基板100の熱伝導性および絶縁性を向上できる。
なお、これらのピークは粒子間の空隙体積のうち大きいものを意味していると推察される。
また、本実施形態に係るパワーモジュール用基板100において、上記細孔径Rが10.0μmを超えて30.0μm以下の範囲における累積細孔体積V2が0.07mL/g以上0.17mL/g以下であることが好ましい。
これにより、熱硬化性樹脂(A)の無機充填材(B)の粒子間への浸透性が向上し、絶縁樹脂層102中の無機充填材(B)間の密着性を向上できる。これにより、パワーモジュール用基板100の熱伝導性および絶縁性を向上できる。
また、本実施形態に係るパワーモジュール用基板100において、上記細孔径Rが0.01μm以上1μm未満の範囲には、通常、実質的にピークを有さない。実質的にピークを有さないとは極大点がないことを意味する。ここで、0.01μm以上1.0μm未満の範囲のピークは、粒子内の空隙体積のうち、小さいものを意味し、このような粒子内の空隙体積があると、無機充填材(B)の強度が低下すると推察される。
よって、実質的にピークを有さないことにより、上記範囲に無機充填材(B)の強度(二次凝集粒子の場合は凝集力)を向上させることができ、その結果、パワーモジュール用基板100製造前後において、無機充填材(B)の形状や配向(二次凝集粒子の場合は一次粒子の配向)をある程度保持することができる。これにより、パワーモジュール用基板100の熱伝導性を向上できるため、得られるパワーモジュールの放熱性を向上できる。特に無機充填材(B)が二次凝集粒子の場合、二次凝集粒子の形状をある程度維持することにより、一次粒子間の接触が保たれ、また一次粒子のランダム配向が保たれるためにパワーモジュール用基板100の熱伝導性をより一層向上できる。
また、上記細孔径Rが0.01μm以上1.0μm未満の範囲における累積細孔体積V3が0.30mL/g以下であることが好ましく、0.15mL/g以下がより好ましい。累積細孔体積V3の下限値は例えば、0.03mL/g以上である。
これにより、無機充填材(B)の強度(二次凝集粒子の場合は凝集力)を向上させることができ、その結果、パワーモジュール用基板100製造前後において、無機充填材(B)の形状や配向(二次凝集粒子の場合は一次粒子の配向)をある程度保持することができる。これにより、パワーモジュール用基板100の熱伝導性を向上できるため、得られるパワーモジュールの放熱性を向上できる。特に無機充填材(B)が二次凝集粒子の場合、二次凝集粒子の形状をある程度維持することにより、一次粒子間の接触が保たれ、また一次粒子のランダム配向が保たれるためにパワーモジュール用基板100の熱伝導性をより一層向上できる。
本実施形態に係る無機充填材(B)のピーク(P)は、絶縁樹脂層102を構成する各成分の種類や配合割合、および絶縁樹脂層102の作製方法を適切に調節することにより制御することが可能である。
本実施形態においては、とくに熱硬化性樹脂(A)の種類を適切に選択することや、絶縁樹脂層102を形成するための樹脂ワニスを構成する溶媒を適切に選択すること、絶縁樹脂層102に対して圧縮圧力を印加する工程を含むこと、熱硬化性樹脂(A)および無機充填材(B)を添加した樹脂ワニスに対しエージングを行うこと、当該エージングにおける加熱・加圧条件、無機充填材(B)の焼成条件等が、上記ピーク(P)を制御するための因子として挙げられる。
絶縁樹脂層102は金属基板101と金属層103との間に設けられ、パワーモジュールにおいて、発熱体から放熱体への熱伝導を促進する。これにより、半導体チップ等における特性変動に起因した故障を抑え、パワーモジュールの安定性の向上が図られている。
パワーモジュール用基板100において、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件で動的粘弾性測定により測定される、絶縁樹脂層102のガラス転移温度が好ましくは175℃以上であり、より好ましくは190℃以上である。上記ガラス転移温度の上限値は特に限定されないが、例えば、300℃以下である。
ここで、絶縁樹脂層102のガラス転移温度(Tg)は、金属基板101と金属層103を取り除いた後、DMA(動的粘弾性測定)により昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件で測定する。
ガラス転移温度が上記下限値以上であると、導電性成分の運動開放をより一層抑制できるため、温度上昇による絶縁樹脂層102の絶縁性の低下をより一層抑制できる。その結果、より一層絶縁信頼性に優れたパワーモジュールを実現できる。
ガラス転移温度は絶縁樹脂層102を構成する各成分の種類や配合割合、および絶縁樹脂層102の作製方法を適切に調節することにより制御することができる。
絶縁樹脂層102の厚みは目的に合わせて適宜設定されるが、機械的強度や耐熱性の向上を図りつつ、電子部品からの熱をより効果的に金属基板101へ伝えることができる観点から、絶縁樹脂層102の厚さは40μm以上400μm以下が好ましく、パワーモジュール用基板100全体における放熱性と絶縁性のバランスがより一層優れる観点から、絶縁樹脂層102の厚みを100μm以上300μm以下に設定することがより好ましい。
絶縁樹脂層102の厚みを上記上限値以下とすることで、電子部品からの熱を金属基板101に伝達させやすくすることができる。
また、絶縁樹脂層102の厚みを上記下限値以上とすることで、金属基板101と絶縁樹脂層102との熱膨張率差による熱応力の発生を絶縁樹脂層102で緩和することが十分にできる。さらに、パワーモジュール用基板100の絶縁性が向上する。
絶縁樹脂層102は、熱硬化性樹脂(A)と、熱硬化性樹脂(A)中に分散された無機充填材(B)とを含む。以下、絶縁樹脂層102を構成する各材料について説明する。
(熱硬化性樹脂(A))
熱硬化性樹脂(A)としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ビスマレイミド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂(A)として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、熱硬化性樹脂(A)としては、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂、シアネート樹脂等が好ましい。
このような熱硬化性樹脂(A)を使用することで、絶縁樹脂層102のガラス転移温度を高くするとともに、パワーモジュール用基板100の放熱性および絶縁性を向上させることができる。
絶縁樹脂層102中に含まれる熱硬化性樹脂(A)の含有量は、絶縁樹脂層(102)100質量%に対し、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上28質量%以下がより好ましい。熱硬化性樹脂(A)の含有量が上記下限値以上であると、ハンドリング性が向上し、絶縁樹脂層102を形成するのが容易となる。熱硬化性樹脂(A)の含有量が上記上限値以下であると、絶縁樹脂層102の強度や難燃性がより一層向上したり、絶縁樹脂層102の熱伝導性がより一層向上したりする。
(無機充填材(B))
無機充填材(B)としては、例えば、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填材(B)の形状は、特に限定されないが、通常は球状である。
無機充填材(B)としては、絶縁樹脂層102の熱伝導性をより一層向上させる観点から、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子を凝集させることにより形成される二次凝集粒子であることが好ましい。
鱗片状窒化ホウ素の一次粒子を凝集させることにより形成される二次凝集粒子は、例えば、以下の手順で製造することができる。
まず、炭化ホウ素を窒素雰囲気中で、例えば、1200〜2500℃、2〜24時間の条件で窒化処理する。次いで、得られた窒化ホウ素に三酸化二ホウ素を加え、これを非酸化性雰囲気中にて焼成することにより形成することができる。焼成温度は、例えば、1200〜2500℃である。焼成時間は、例えば、2〜24時間である。通常は、焼成温度を上げたり、焼成時間を増加させたりするほど、上記ピーク(P1)に対応する細孔径を大きくし、上記ピーク(P2)に対応する細孔径を小さくすることができる。
このように、無機充填材(B)として、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子を焼結させて得られる二次凝集粒子を用いる場合には、熱硬化性樹脂(A)中における無機充填材(B)の分散性を向上させる観点から、熱硬化性樹脂(A)としてジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂がとくに好ましい。
無機充填材(B)の平均粒径は、例えば、5μm以上180μm以下であることが好ましく、10μm以上100μm以下であることがより好ましい。これにより、熱伝導性と絶縁性のバランスにより一層優れた絶縁樹脂層102を実現することができる。
ここで、無機充填材(B)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により、粒子の粒度分布を体積基準で測定したときのメディアン径(D50)である。
上記二次凝集粒子を構成する鱗片状窒化ホウ素の一次粒子の平均長径は、好ましくは0.01μm以上40μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上30μm以下である。これにより、熱伝導性と絶縁性のバランスにより一層優れた絶縁樹脂層102を実現することができる。
なお、この平均長径は電子顕微鏡写真により測定することができる。例えば、以下の手順で測定する。まず、二次凝集粒子をミクロトーム等で切断しサンプルを作製する。次いで、走査型電子顕微鏡により、数千倍に拡大した二次凝集粒子の断面写真を数枚撮影する。次いで、任意の二次凝集粒子を選択し、写真から鱗片状窒化ホウ素の一次粒子の長径を測定する。このとき、10個以上の一次粒子について長径を測定し、それらの平均値を平均長径とする。
絶縁樹脂層102中に含まれる無機充填材(B)の含有量は、絶縁樹脂層(102)100質量%に対し、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上88質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上80質量%以下であることが特に好ましい。
無機充填材(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、絶縁樹脂層102における熱伝導性や機械的強度の向上をより効果的に図ることができる。一方で、無機充填材(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の成膜性や作業性を向上させ、絶縁樹脂層102の膜厚の均一性をより一層良好なものとすることができる。
本実施形態に係る無機充填材(B)は、絶縁樹脂層102の熱伝導性をより一層向上させる観点から、上記二次凝集粒子に加えて、二次凝集粒子を構成する鱗片状窒化ホウ素の一次粒子とは別の鱗片状窒化ホウ素の一次粒子をさらに含むのが好ましい。この鱗片状窒化ホウ素の一次粒子の平均長径は、好ましくは0.01μm以上40μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上30μm以下である。
これにより、熱伝導性と絶縁性のバランスにより一層優れた絶縁樹脂層102を実現することができる。
(硬化剤(C))
絶縁樹脂層102は、熱硬化性樹脂(A)としてエポキシ樹脂を用いる場合、さらに硬化剤(C)を含むのが好ましい。
硬化剤(C)としては、硬化触媒(C−1)およびフェノール系硬化剤(C−2)から選択される1種以上を用いることができる。
硬化触媒(C−1)としては、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の3級アミン類;2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジエチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン等の有機リン化合物;フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物;酢酸、安息香酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;等、またはこの混合物が挙げられる。硬化触媒(C−1)として、これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いることもできるし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用したりすることもできる。
絶縁樹脂層102中に含まれる硬化触媒(C−1)の含有量は、特に限定されないが、絶縁樹脂層(102)100質量%に対し、0.001質量%以上1質量%以下が好ましい。
また、フェノール系硬化剤(C−2)としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、アミノトリアジンノボラック樹脂、ノボラック樹脂、トリスフェニルメタン型のフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物;レゾール型フェノール樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、ガラス転移温度の向上及び線膨張係数の低減の観点から、フェノール系硬化剤(C−2)がノボラック型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂であることが好ましい。
フェノール系硬化剤(C−2)の含有量は、特に限定されないが、絶縁樹脂層(102)100質量%に対し、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
(カップリング剤(D))
絶縁樹脂層102は、カップリング剤(D)を含んでもよい。
カップリング剤(D)は、熱硬化性樹脂(A)と無機充填材(B)との界面の濡れ性を向上させることができる。
カップリング剤(D)としては、通常用いられるものなら何でも使用できるが、具体的にはエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。
カップリング剤(D)の添加量は無機充填材(B)の比表面積に依存するので、特に限定されないが、無機充填材(B)100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、特に0.5質量部以上7質量部以下が好ましい。
(フェノキシ樹脂(E))
絶縁樹脂層102は、さらにフェノキシ樹脂(E)を含んでもよい。フェノキシ樹脂(E)を含むことによりパワーモジュール用基板100の耐屈曲性をより一層向上できる。
また、フェノキシ樹脂(E)を含むことにより、絶縁樹脂層102の弾性率を低下させることが可能となり、パワーモジュール用基板100の応力緩和力を向上させることができる。
また、フェノキシ樹脂(E)を含むと、粘度上昇により流動性が低減し、ボイド等が発生することを抑制できる。また、絶縁樹脂層102と金属基板101や金属層103との密着性を向上できる。これらの相乗効果により、パワーモジュールの絶縁信頼性をより一層高めることができる。
フェノキシ樹脂(E)としては、例えば、ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。また、これらの骨格を複数種有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。
フェノキシ樹脂(E)の含有量は、例えば、絶縁樹脂層(102)100質量%に対し、3質量%以上10質量%以下である。
(その他の成分)
絶縁樹脂層102には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、レベリング剤等を含むことができる。
絶縁樹脂層102は、例えば、次のようにして作製することができる。
まず、上述の各成分を溶媒へ添加して、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)を得る。本実施形態においては、例えば、溶媒中に熱硬化性樹脂(A)等を添加して樹脂ワニスを作製したのち、当該樹脂ワニスへ無機充填材(B)を入れて三本ロール等を用いて混練することにより熱硬化性樹脂組成物(P)を得ることができる。これにより、無機充填材(B)をより均一に、熱硬化性樹脂(A)中へ分散させることができる。
上記溶媒としては特に限定されないが、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン等が挙げられる。
次いで、熱硬化性樹脂組成物(P)に対しエージングを行う。これにより、得られるパワーモジュール用基板100について、無機充填材(B)の上記ピーク(P1)の第1の極大値における細孔径を大きくし、上記ピーク(P2)の第2の極大値における細孔径を小さくすることができる。
これは、エージングによって熱硬化性樹脂(A)の無機充填材(B)に対する親和性が上昇するため、熱硬化性樹脂(A)が無機充填材(B)の内部に十分に染み込み、その結果、パワーモジュール用基板100製造前後において、無機充填材(B)の粒子内の空隙を保持することができるため、上記第1の極大値における細孔径を大きくすることができると推定される。
また、エージングによって熱硬化性樹脂(A)の無機充填材(B)に対する親和性が上昇し、熱硬化性樹脂(A)中での無機充填材(B)の分散性が向上する。これにより無機充填材(B)の充填性が上がるため、上記第2の極大値における細孔径を小さくすることができると推定される。
エージングは、例えば、30〜80℃、8〜25時間、好ましくは12〜24時間、0.1〜1.0MPaの条件により行うことができる。通常は、エージング温度を上げたり、エージング時間を増加させたりするほど、上記ピーク(P1)の第1の極大値における細孔径を大きくし、上記ピーク(P2)の第2の極大値における細孔径を小さくすることができる。
次いで、熱硬化性樹脂組成物(P)をシート状に成形して、絶縁樹脂層102を形成する。本実施形態においては、例えば、基材上にワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)を塗布した後、これを熱処理して乾燥することにより絶縁樹脂層102を得ることができる。基材としては、例えば、金属基板101や金属層103、剥離可能なキャリア材料等を構成する金属箔が挙げられる。また、熱硬化性樹脂組成物(P)を乾燥するための熱処理は、例えば、80〜150℃、5分〜1時間の条件において行われる。
次いで、絶縁樹脂層102を二本のロール間に通して圧縮することにより、絶縁樹脂層102内の気泡を除去することが好ましい。
本実施形態においては、このようにロールによる圧縮圧力をかけて気泡を除去する工程を含むことにより、圧縮圧力に起因して無機充填材(B)が変形し、無機充填材(B)の上記ピーク(P2)の第2の極大値における細孔径を小さくすることができる。
<金属基板>
金属基板101はパワーモジュール用基板100に蓄積された熱を放熱する役割を有する。金属基板101は、放熱性の金属基板であれば特に限定されないが、例えば、銅基板、銅合金基板、アルミニウム基板、アルミニウム合金基板であり、銅基板またはアルミニウム基板が好ましく、銅基板がより好ましい。銅基板またはアルミニウム基板を用いることで、金属基板101の放熱性を良好なものとすることができる。
金属基板101の厚さは、本発明の目的が損なわれない限り、適宜設定できる。
金属基板101の厚さの上限値は、例えば、20.0mm以下であり、好ましくは5.0mm以下である。この数値以下の厚さの金属基板101を用いることで、パワーモジュール用基板100全体としての薄型化を行うことができる。また、パワーモジュール用基板100の外形加工や切り出し加工等における加工性を向上させることができる。
また、金属基板101の厚さの下限値は、例えば、0.1mm以上であり、好ましくは1.0mm以上であり、さらに好ましくは2.0mm以上である。この数値以上の金属基板101を用いることで、パワーモジュール用基板100全体としての放熱性を向上させることができる。
<金属層>
金属層103は絶縁樹脂層102上に設けられ、回路加工されるものである。
この金属層103を構成する金属としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、鉄、錫等から選択される一種または二種以上が挙げられる。これらの中でも、金属層103を構成する金属としては、好ましくは銅またはアルミニウムであり、特に好ましくは銅である。銅またはアルミニウムを用いることで、金属層103の回路加工性を良好なものとすることができる。
金属層103の厚みの下限値は、例えば、0.01mm以上であり、好ましくは0.10mm以上、さらに好ましくは0.25mm以上である。このような数値以上であれば、高電流を要する用途であっても、回路パターンの発熱を抑えることができる。
また、金属層103の厚みの上限値は、例えば、2.0mm以下であり、好ましくは1.5mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下である。このような数値以下であれば、回路加工性を向上させることができ、また、基板全体としての薄型化を図ることができる。
金属層103は、板状で入手できる金属箔を用いてもよいし、ロール状で入手できる金属箔を用いてもよい。
<パワーモジュール用基板の製造方法>
以上のようなパワーモジュール用基板100は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、キャリア材料上にワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)を塗布した後、これを熱処理して乾燥することにより樹脂層を形成し、樹脂層付きキャリア材料を得る。
キャリア材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルム;銅箔等の金属箔等である。キャリア材料の厚みは、例えば、10〜500μmである。
次いで、樹脂層付きキャリア材料の樹脂層側の面が金属基板101の表面に接するように樹脂層付きキャリア材料を金属基板101に積層する。その後、プレス等を用い加圧・加熱させて樹脂層をBステージ状態で接着する。
次いで、Bステージ状態の樹脂層からキャリア材料を除去し、露わになった樹脂層の表面に金属層103を形成し、積層体を得る。
なお、キャリア材料として金属箔を用いる場合は、このキャリア材料をそのまま金属層103とすることができる。すなわち、この場合にあっては、樹脂層付き金属層103を得た後、樹脂層付き金属層103を金属基板101に積層することにより、目的とする積層体が得られる。
次いで、プレス等を用い積層体を加圧・加熱することにより、樹脂層を加熱硬化させて絶縁樹脂層102を形成し、パワーモジュール用基板100が得られる。
なお、上記では金属基板101に樹脂層付きキャリア材料を積層する製造方法を述べたが、本実施形態においては、金属層103に樹脂層付きキャリア材料を積層し、キャリア材料を除去した後に、金属基板101と接合することもできる。
また、キャリア材料として金属箔を用い、当該金属箔をそのまま金属層103とする場合、金属層103はロールから押し出された金属箔、好ましくはロールから押し出された銅箔またはアルミニウム箔とすることができる。
このようにすることで、生産効率の向上を図ることができる。
[パワーモジュール用回路基板]
得られたパワーモジュール用基板100について、金属層103を所定のパターンにエッチング等することによって回路加工し、パワーモジュール用回路基板を得ることができる。
また、最外層にソルダーレジスト10(図2参照)を形成し、露光・現像により電子部品が実装できるよう接続用電極部を露出してもよい。
[パワーモジュール]
次に、本実施形態に係るパワーモジュール11について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るパワーモジュール11の断面図である。
本実施形態のパワーモジュール用回路基板上に電子部品を設けることによりパワーモジュール11を得ることができる。
本実施形態において、パワーモジュール11は半導体装置であり、例えば、パワー半導体装置、LED照明、インバーター装置である。
ここで、インバーター装置とは、直流電力から交流電力を電気的に生成する(逆変換する機能を持つ)ものである。また、パワー半導体装置とは、通常の半導体素子に比べて高耐圧化、大電流化、高速・高周波化されている特徴を有し、一般的にはパワーデバイスと呼ばれ、整流ダイオード、パワートランジスタ、パワーMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、トライアック等の電子部品が搭載されたものが挙げられる。
電子部品は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、ダイオード、ICチップ等の半導体素子、抵抗、コンデンサ等の各種発熱素子である。パワーモジュール用基板100はヒートスプレッターとして機能する。
ここで、パワーモジュール11の一例について、図2に示しながら説明する。
本実施形態のパワーモジュール11において、パワーモジュール用回路基板の金属層103a上に、接着層3を介してICチップ2が搭載されている。ICチップ2はボンディングワイヤー7を介して金属層103bに導通されている。
また、ICチップ2、ボンディングワイヤー7、金属層103a、103bは封止材6により封止されている。
また、パワーモジュール11においては、チップコンデンサ8およびチップ抵抗9が金属層103上に搭載されている。これらのチップコンデンサ8およびチップ抵抗9は従来から公知のものを使用することができる。
また、パワーモジュール11の金属基板101は熱伝導グリス4を介して、放熱フィン5に接続されている。すなわち、ICチップ2の発した熱を、接着層3、金属層103a、絶縁樹脂層102、金属基板101、熱伝導グリス4を介して、放熱フィン5へと伝導させ、除熱を行うことができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例では、部はとくに特定しない限り質量部を表す。また、それぞれの厚みは平均膜厚で表わされている。
(鱗片状窒化ホウ素の一次粒子により構成された二次凝集粒子の作製)
市販の炭化ホウ素粉末をカーボンるつぼの中に投入し、窒素雰囲気下、2000℃、10時間の条件で窒化処理した。
次いで、得られた窒化ホウ素粉末に市販の三酸化二ホウ素粉末を加え、ブレンダ―で1時間混合した(窒化ホウ素:三酸化二ホウ素=7:3(質量比))。得られた混合物をカーボンるつぼの中に投入し、窒素雰囲気下、2000℃、10時間の条件で焼成することにより、平均粒径が80μmの凝集窒化ホウ素を得た。
ここで、凝集窒化ホウ素の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)とした。
(パワーモジュール用基板の作製)
実施例1〜7について、以下のようにパワーモジュール用基板を作製した。
まず、表1に示す配合に従い、熱硬化性樹脂と、硬化剤とを溶媒であるメチルエチルケトンに添加し、これを撹拌して熱硬化性樹脂組成物の溶液を得た。次いで、この溶液に無機充填材を入れて予備混合した後、三本ロールにて混練し、無機充填材を均一に分散させたワニス状の熱硬化性樹脂組成物を得た。次いで、得られた熱硬化性樹脂組成物に対し、60℃、0.6MPa、15時間の条件によりエージングを行った。次いで、熱硬化性樹脂組成物を、銅箔(厚さ0.07mm、古河電気工業株式会社製、GTS−MP箔)上にドクターブレード法を用いて塗布した後、これを100℃、30分間の熱処理により乾燥して樹脂層付き銅箔を作製した。
次いで、樹脂層付き銅箔を二本のロール間に通して圧縮することにより、樹脂層内の気泡を除去した。
次いで、得られた樹脂層付き銅箔と、3.0mm厚の銅板(タフピッチ銅)を張り合わせ、真空プレスで、プレス圧100kg/cmで180℃40分の条件下でプレスし、パワーモジュール用基板(絶縁樹脂層102の厚さ:200μm)を得た。
実施例8については、熱硬化性樹脂組成物に対し、80℃、0.6MPa、20時間の条件によりエージングを行った以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュール用基板を作製した。
実施例9については、熱硬化性樹脂組成物に対し、40℃、0.6MPa、10時間の条件によりエージングを行った以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュール用基板を作製した。
実施例10については、熱硬化性樹脂組成物に対し、50℃、0.6MPa、15時間の条件によりエージングを行った以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュール用基板を作製した。
実施例11については、熱硬化性樹脂組成物に対し、30℃、0.6MPa、15時間の条件によりエージングを行い、エポキシ樹脂の種類をエポキシ樹脂7に変更した以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュール用基板を作製した。
実施例12については、熱硬化性樹脂組成物に対し、30℃、0.6MPa、20時間の条件によりエージングを行い、エポキシ樹脂の種類をエポキシ樹脂8に変更した以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュール用基板を作製した。
比較例1については、熱硬化性樹脂組成物に対してエージングを行わなかったことと、無機充填材として充填材1の代わりに充填材2を用いた点を除き、実施例1と同様にしてパワーモジュール用基板を作製した。
比較例2については、熱硬化性樹脂組成物に対してエージングを行わなかったことと、無機充填材として充填材1の代わりに充填材3を用いた点を除き、実施例1と同様にしてパワーモジュール用基板を作製した。
比較例3については、熱硬化性樹脂組成物に対してエージングを行わなかった点を除き、実施例1と同様にしてパワーモジュール用基板を作製した。
なお、表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。
(熱硬化性樹脂(A))
エポキシ樹脂1:ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(XD−1000、日本化薬社製)
エポキシ樹脂2:ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(YX−4000、三菱化学社製)
エポキシ樹脂3:アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂(E201、出光興産社製)
エポキシ樹脂4:フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂(NC−2000−L、日本化薬社製)
エポキシ樹脂5:ビフェニルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂(NC−3000、日本化薬社製)
エポキシ樹脂6:ナフタレンアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂(NC−7000、日本化薬社製)
エポキシ樹脂7:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(830S、大日本インキ社製)
エポキシ樹脂8:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(828、三菱化学社製)
シアネート樹脂1:フェノールノボラック型シアネート樹脂(PT−30、ロンザジャパン社製)
(硬化触媒C−1)
硬化触媒1:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(2PHZ−PW、四国化成社製)
硬化触媒2:トリフェニルホスフィン(北興化学社製)
(硬化剤C−2)
フェノール系硬化剤1:トリスフェニルメタン型のフェノールノボラック樹脂(MEH−7500、明和化成社製)
(無機充填材(B))
充填材1:上記鱗片状窒化ホウ素の一次粒子により構成された二次凝集粒子の作製により作製された凝集窒化ホウ素
充填材2:上記作製例において、焼成温度を2100℃、焼成時間を15時間に変更した以外は上記二次凝集粒子の作製例と同様の方法により作製された、平均粒径が80μmの凝集窒化ホウ素
充填材3:上記作製例において、焼成温度を1500℃、焼成時間を8時間に変更した以外は上記二次凝集粒子の作製例と同様の方法により作製された、平均粒径が80μmの凝集窒化ホウ素
(細孔径分布曲線の測定)
まず、得られたパワーモジュール用基板から金属板と金属層を剥離して絶縁樹脂層を得た。次いで、絶縁樹脂層を大気圧下で、700℃、4時間加熱処理して灰化した。次いで、得られた灰化残渣に含まれる無機充填材(B)の細孔径分布曲線を水銀圧入式のポロシメータ(島津製作所社製マイクロメリテックス 細孔分布測定装置オートポア9520型)により計測した。
具体的には以下の通りである。灰化残渣を100℃、1時間、大気圧下で、加熱乾燥し水分を蒸発させることにより測定試料(無機充填材(B))を得た。次いで、得られた測定試料約0.2gを標準5cc粉体用セル(ステム容積0.4cc)に採り、初期圧7kPa(約1psia、細孔径約180μm相当)の条件で測定した。水銀パラメーターは、装置デフォルトの水銀接触角130degrees、水銀表面張力は485dynes/cmに設定した。
得られた細孔径分布曲線から、各ピークを求めた。また、細孔径Rが1μm以上10μm以下の範囲におけるピークについて、重なり合うピークの数を求めた。
また、得られた細孔径分布曲線から、細孔径Rが1.0μm以上10.0μm以下の範囲における累積細孔体積V1、細孔径Rが10.0μmを超えて30.0μm以下の範囲における累積細孔体積V2、および細孔径Rが0.01μm以上1.0μm未満の範囲における累積細孔体積V3をそれぞれ求めた。
(Tg(ガラス転移温度)の測定)
絶縁樹脂層のガラス転移温度を次のように測定した。まず、得られたパワーモジュール用基板から金属板と金属層を剥離して絶縁樹脂層を得た。
次いで、得られた絶縁樹脂層のガラス転移温度(Tg)を、DMA(動的粘弾性測定)により昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件で測定した。
(絶縁信頼性評価)
実施例1〜12および比較例1〜3のそれぞれについて、パワーモジュールの絶縁信頼性を次のように評価した。まず、パワーモジュール用基板を用いて図2に示すパワーモジュールを作製した。ICチップとしてはIGBTチップを用いた。ボンディングワイヤーとしては、Cu製のものを用いた。次いで、このパワーモジュールを用いて、温度85℃、湿度85%、交流印加電圧1.5kVの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。なお、抵抗値10Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
◎◎:300時間以上故障なし
◎ :200時間以上300時間未満で故障あり
○ :150時間以上200時間未満で故障あり
△ :100時間以上150時間未満で故障あり
× :100時間未満で故障あり
(ヒートサイクル試験)
実施例1〜12および比較例1〜3のそれぞれについて、パワーモジュールのヒートサイクル性を次のように評価した。まず、パワーモジュール用基板を用いて図2に示すパワーモジュールを作製した。ICチップとしてはIGBTチップを用いた。ボンディングワイヤーとしては、Cu製のものを用いた。次いで、このパワーモジュール3個を用いて、ヒートサイクル試験を実施した。ヒートサイクル試験は、−40℃5分〜+125℃5分を1サイクルとして3000回行なった。評価基準は以下の通りである。
つぎに、超音波映像装置(日立建機ファインテック社製、FS300)を用いて、ICチップ、導電層に異常がないか観察した。
◎:ICチップ、導電層ともに異常なし。
○:ICチップおよび/または導電層の一部にクラックが見られるが実用上問題なし。
△:ICチップおよび/または導電層の一部にクラックが見られ実用上問題あり。
×:ICチップ、導電層ともにクラックが見られ使用できない。
Figure 2017028130
細孔径Rが1μm以上10μm以下の範囲にピーク(P)を有し、ピーク(P)が2以上のピークが重なり合っているパワーモジュール用基板を用いた実施例1〜12のパワーモジュールは、絶縁信頼性およびヒートサイクル性に優れていた。
一方、細孔径Rが1μm以上10μm以下の範囲に2以上のピークが重なり合っていない比較例1〜3のパワーモジュールは、絶縁信頼性およびヒートサイクル性に劣っていた。
したがって、本発明によるパワーモジュール用基板を用いることにより、耐久性の高いパワーモジュールが得られることが分かった。
2 ICチップ
3 接着層
4 熱伝導グリス
5 放熱フィン
6 封止材
7 ボンディングワイヤー
8 チップコンデンサ
9 チップ抵抗
10 ソルダーレジスト
11 パワーモジュール
100 パワーモジュール用基板
101 金属基板
102 絶縁樹脂層
103 金属層
103a 金属層
103b 金属層

Claims (19)

  1. 金属基板と、前記金属基板上に設けられた絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層上に設けられた金属層と、を備えるパワーモジュール用基板であって、
    前記絶縁樹脂層は、熱硬化性樹脂と、前記熱硬化性樹脂中に分散された無機充填材とを含み、
    前記絶縁樹脂層を700℃、4時間加熱処理して灰化した後の灰化残渣に含まれる前記無機充填材について、水銀圧入法による細孔径分布測定を行ったとき、
    前記水銀圧入法により測定される、細孔径Rを横軸とし、対数微分細孔容積(dV/dlogR)を縦軸としたときの細孔径分布曲線において、
    前記細孔径Rが1.0μm以上10.0μm以下の範囲にピーク(P)を有し、
    前記ピーク(P)は2以上のピークが重なり合っているパワーモジュール用基板。
  2. 請求項1に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記細孔径Rが1.0μm以上10.0μm以下の範囲における累積細孔体積V1が0.1mL/g以上2.0mL/g以下であるパワーモジュール用基板。
  3. 請求項1または2に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記ピーク(P)において、
    前記細孔径Rが1.0μm以上3.0μm以下の範囲に第1の極大値を有し、
    前記細孔径Rが3.0μmを超えて10.0μm以下の範囲に第2の極大値を有するパワーモジュール用基板。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記細孔径Rが10.0μmを超えて30.0μm以下の範囲に1以上3以下のピークをさらに有するパワーモジュール用基板。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記細孔径Rが10.0μmを超えて30.0μm以下の範囲における累積細孔体積V2が0.07mL/g以上0.17mL/g以下であるパワーモジュール用基板。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記細孔径Rが0.01μm以上1.0μm未満の範囲には実質的にピークを有さない、パワーモジュール用基板。
  7. 請求項6に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記細孔径Rが0.01μm以上1.0μm未満の範囲における累積細孔体積V3が0.30mL/g以下であるパワーモジュール用基板。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記無機充填材は、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子により構成されている二次凝集粒子であるパワーモジュール用基板。
  9. 請求項8に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記二次凝集粒子を構成する前記一次粒子の平均長径が0.01μm以上40μm以下であるパワーモジュール用基板。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記無機充填材の平均粒径が5μm以上180μm以下であるパワーモジュール用基板。
  11. 請求項1乃至10いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記無機充填材の含有量が、前記絶縁樹脂層100質量%に対し、50質量%以上95質量%以下であるパワーモジュール用基板。
  12. 請求項1乃至11いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記熱硬化性樹脂がジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂、およびシアネート樹脂から選択される一種または二種以上であるパワーモジュール用基板。
  13. 請求項1乃至12いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件で動的粘弾性測定により測定される、前記絶縁樹脂層のガラス転移温度が175℃以上であるパワーモジュール用基板。
  14. 請求項1乃至13いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記金属層の厚みが0.25mm以上1.0mm以下であるパワーモジュール用基板。
  15. 請求項1乃至14いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記金属層を構成する金属が銅を含むパワーモジュール用基板。
  16. 請求項1乃至15いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記金属基板の厚みが2.0mm以上5.0mm以下であるパワーモジュール用基板。
  17. 請求項1乃至16いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板において、
    前記金属基板が銅基板であるパワーモジュール用基板。
  18. 請求項1乃至17いずれか一項に記載のパワーモジュール用基板の前記金属層を回路加工してなるパワーモジュール用回路基板。
  19. 請求項18に記載のパワーモジュール用回路基板と、
    前記パワーモジュール用回路基板上に設けられた電子部品と、
    を備えるパワーモジュール。
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