JPH1143319A - 疎水性オルガノシリカゾルの製造方法 - Google Patents

疎水性オルガノシリカゾルの製造方法

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JPH1143319A
JPH1143319A JP13631598A JP13631598A JPH1143319A JP H1143319 A JPH1143319 A JP H1143319A JP 13631598 A JP13631598 A JP 13631598A JP 13631598 A JP13631598 A JP 13631598A JP H1143319 A JPH1143319 A JP H1143319A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 疎水性有機溶媒に安定に分散し、凝集物等を
含まず高濃度においても低粘度のシリカゾルを、工業的
に効率よく製造する方法を提供すること。 【解決手段】 親水性コロイド状シリカを含有し、ジシ
ロキサン化合物及び/又はモノアルコキシシラン化合物
のシリル化剤を含有し、且つその残余として疎水性有機
溶媒と炭素数1〜3のアルコールとの混合溶媒と媒体中
15重量%以下の水とからなる媒体を含有する反応混合
物を、アルカリが除去され又は当量以上の酸で中和され
た状態で、熟成することにより、疎水性コロイド状シリ
カが分散したシリル化処理シリカゾルを生成させる。次
に当該シリル化処理シリカゾルに疎水性有機溶媒を添加
して、蒸留することにより、疎水性オルガノシリカゾル
を製造すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子表面のシラノ
ール基の一部がシリル化処理されたコロイド状シリカが
疎水性有機溶媒に安定に分散している疎水性オルガノシ
リカゾルの効率的な製造方法に関する。特にケトンやエ
ステルなどにコロイド状シリカが分散したシリカゾルの
製造に有用である。
【0002】
【従来の技術】米国特許第2,433,776号明細書
には、無機塩を含む水性シリカゾルに水溶性溶媒を加え
て塩析、抽出して、オルガノシリカゾルを生成させる技
術が開示されている。例えば実施例2には珪酸ナトリウ
ム水溶液に硫酸を添加後、n−プロパノールを加えて有
機層を分離し、ある程度脱水後、塩を除去して更に脱水
し、プロパノール分散ゾルが得られること、またその実
施例6には上記プロパノールゾルを、更に酢酸ブチルで
置換できることが記載されている。
【0003】米国特許第2,786,042号明細書に
は、平均粒子径が10〜150nmで、粒子表面に炭化
水素置換シラノールを反応させ、表面Si原子の少なく
とも5%に炭素数1〜20のシリル基が結合した疎水性
シリカゾルの製法が開示されている。炭化水素置換シラ
ノールを生成させる化合物としてはハロゲン、アルコキ
シ、ナトリウム化合物が例示されている。例えば水性シ
リカゾルにアルカリシリコネート水溶液を添加し、ぎ酸
で中和した後、t−ブチルアルコールと塩化ナトリウム
を加えて塩析し、含水オルガノシリカゾルが得られてい
る。
【0004】米国特許第2,801,185号明細書に
は、平均粒子径が5〜150nm、シリカ表面に化学的
に結合したアルコール又はオルガノシリル基で疎水化さ
れ、メチルレッド吸着法により測定した水酸基表面が1
g当たり10m2 以下の、有機溶媒に再分散可能なシリ
カコロイドが記載されている。例えばリン酸トリエチル
を分散媒とするシリカゾルに、ジメチルジクロルシラン
を添加し、反応後、塩化水素(塩酸)、溶媒、過剰のジ
メチルジクロルシランなどを留去すると、ベンゼン又は
クロロホルムに分散可能な固体が得られる。
【0005】特開昭57−196717号公報には、炭
素数2〜18のアルコールに分散したシリカゾルを17
0〜300℃で加熱した後アルコールを留去し、表面が
エステル化された、有機溶媒に分散可能なシリカ粉末が
得られることが記載されている。例えばエチルアルコー
ルシリカゾルを200℃で加熱後、液相を除去してメチ
ルエチルケトンなどに再分散可能なシリカ粉末が得られ
ている。
【0006】特開昭58−145614号公報には、水
分が10%以下のオルガノシリカゾルにシリル化剤を添
加し、反応させた後溶媒を留去し、コロイド状シリカ粒
子表面に炭素数1〜36のシリル基が1〜100/10
nm2結合した、有機溶媒に再分散可能なシリカ粉末が
得られることが記載されている。シリル化剤としてクロ
ルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シラザン化
合物、ヒドロキシシラン化合物などが例示されている。
再分散性を得るために必要な結合シリル基量は、シリル
基の炭素数によって異なり、炭素数3の場合は、25/
10nm2 以上であると記載されている。例えばn−ブ
チルアルコールシリカゾルにトリメチルクロルシランを
添加し、反応後減圧下で乾燥し、疎水性シリカ粉末を得
ている。この粉末は10nm2 当たり32.8個の結合
シリル基を有し、この粉末10gをトルエン100cc
に分散させた分散液を遠心分離したときの沈殿量は0.
1gであった。また原料である水分が10%以下のオル
ガノシリカゾルの媒体は、親水性有機溶媒であり、これ
と相互溶解する疎水性有機溶媒を併用できるとしてい
る。但し、親水性溶媒として、炭素数3以下のアルコー
ルはシリル化剤と直接反応するため好ましくないとして
いる。
【0007】特開平3−187913号公報には、メタ
ノール中でアルキルシリケートを加水分解して得られた
メタノールゾルに、シリカとしてSiO2 1モルに対し
5モル%以上のトリメチルシリル化剤を添加し反応させ
た後、余剰のトリメチルシリル化剤及び分散溶媒を留去
し、表面がシリル化処理された、分散性に優れたシリカ
粉末が得られることが記載されている。例えばテトラメ
トキシシランをメタノール中でアンモニア水存在下加水
分解して得られたシリカ粒子メタノール分散液に、シリ
カとしてSiO2 1モルに対し20モル%のメトキシト
リメチルシランを添加し、過剰のシリル化剤を回収した
後、乾燥して疎水化シリカ粉末を得ている。
【0008】米国特許第5,651,921号明細書
(対応日本特許公報:特開平4−108606号公報、
特開平4−170313号公報)には、非極性有機溶媒
分散シリカゾルのシリカ表面をシリル化処理することを
特徴とする撥水性シリカゾルの製造方法が開示されてい
る。その非極性有機溶媒分散シリカゾルは、アルコール
分散シリカゾルに非極性有機溶媒を添加し、蒸留にて溶
媒置換することにより得られることが開示されている。
並びに水性シリカゾルに非極性有機溶媒、カチオン界面
活性剤及びシリル化剤を添加し、エマルジョン化した後
共沸脱水を行う方法による撥水性シリカゾルの製造方法
が開示されている。
【0009】特開平6−298519号公報には、水性
シリカゾルに非極性有機溶媒、水溶性アルコール、カチ
オン界面活性剤及びシリル化剤を添加し水層を分離後、
有機層を還流脱水する撥水性シリカゾルの製造方法が開
示されている。欧州公開特許第768351号明細書
(対応:国際公開特許WO96/34063号明細書)
には水系無機酸化物ゾルに含まれる水を水との共沸溶剤
によって共沸蒸留脱水した後に、シランカップリング剤
で表面処理をすることを特徴とする、溶剤分散無機酸化
物ゾルの分散体の製造方法、及びその溶剤分散無機酸化
物ゾルの分散体を更に他の溶剤にて置換する方法が開示
されている。無機酸化物としては、シリカゾル等が挙げ
られている。シランカップリング剤としては、モノアル
キルトリメトキシシラン化合物、モノアルキルトリエト
キシシラン化合物、ジアルキルジメトキシシラン化合物
などが挙げられている。共沸溶媒としては、水に可溶な
アルコール等が挙げられている。溶剤分散無機酸化物ゾ
ルの分散体を更に置換できる溶剤として、アルコール、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチ
ルアセトアミドなどの例示されている。そして、同明細
書の製造例17には、20nmの平均粒子径を有する水
性シリカゾルをイソプロピルアルコールで溶媒置換後、
メチルトリメトキシシランで表面処理し、更にシクロヘ
キサノンで溶媒置換して、30nmの平均粒子径を有す
るシクロヘキサノンに分散したシリカゾルの製造方法が
開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来、水性シリカゾル
を原料として疎水性有機溶媒に分散したオルガノシリカ
ゾルを生成させる方法として、まず水性シリカゾルを水
溶性溶媒で置換した後、更に疎水性有機溶媒で置換する
方法が知られている。しかし、この方法で得られるオル
ガノシリカゾルは、最終的に分散媒となる溶媒の親水性
が低いためにゾルが不安定である。このため、溶媒置換
の工程中、あるいは得られたゾルの保存期間中に粒子の
凝集が起こり、増粘や凝集沈降をしばしば起こして、高
濃度、低粘度及び長期保存性の安定なゾルは得られてい
ない。
【0011】また、疎水性有機溶媒に分散させるため、
シリカ表面を疎水化処理する方法が提案されてきた。疎
水化処理の一法として、ゾルを過剰のアルコールの共存
下加熱することにより、シリカ粒子表面のシラノール基
をエステル化する方法が知られている。この反応には高
温を要するため、低沸点のアルコールの場合はオートク
レーブ等で加熱する必要がある。又は、高沸点のアルコ
ール中で加熱する方法によっても良い。しかし、高沸点
のアルコールは、反応後過剰のアルコールを除去するの
が困難である。そして、このエステル化法により得られ
た疎水化シリカは、アルコキシ基の加水分解により疎水
性が失われやすいという欠点を持つ。
【0012】疎水化処理の別の方法として、シリル化剤
又はシランカップリング剤でシリカ表面を処理する方法
も知られている。この方法はエステル化法と比較する
と、比較的穏やかな条件で反応させることができ、幾つ
かの方法が提案されている。シリカゾルをトリアルコキ
シシラン化合物又はジアルコキシシラン化合物を用いて
処理し、有機溶媒や塗料への分散性を改良する方法は広
く行われているが、疎水性有機溶媒に分散させる為には
かなり多くのアルコキシシラン化合物を使用しなければ
ならず、必ずしも効率的ではない。またトリアルコキシ
シラン化合物又はジアルコキシシラン化合物は多官能性
のため、シリカゾルとの反応のみならず、アルコキシシ
ラン化合物同士の縮合反応も起きやすく、この縮合反応
によりゲル化や粒子間の架橋が起こることもあり、分散
性の良い疎水性オルガノシリカゾルを得るのは困難であ
る。加えてシリカゾルと結合しない残余アルコキシシラ
ン化合物の縮合物を除去するのは困難であり、その疎水
性オルガノシリカゾルの塗料等への使用時に残余アルコ
キシシラン化合物の縮合物が悪い影響を与えることがあ
る。
【0013】クロルシラン化合物も、従来疎水化に多く
用いられている。これらは反応性は高いが、副生する塩
酸の為装置の腐食、反応時のコロイド状シリカの凝集な
どの問題があった。また処理後のシリカゾルから塩酸を
完全に除去するのが困難である。また、アルカリシリコ
ネート化合物を用いた場合には副生するアルカリを、シ
ラザン化合物を用いた場合にも副生するアンモニアを除
去するのが難しく、これらが最終製品であるゾルの性能
を損なうことが多い。
【0014】また、従来行われていた疎水化反応後、乾
燥粉末化して他の有機溶媒に分散する方法は、疎水化反
応により副生したアルコール、塩酸、アンモニアなどの
除去には有利な方法であるが、乾燥の際の粒子の凝集、
結合が起こりやすい。これを防ぐためにはシリカ表面の
疎水基による被覆率を高くしなければならないが、それ
でもなお凝集結合を完全に防止することは困難であっ
た。例えば、特開昭58−145614号公報の実施例
に示すように疎水化粉末を再分散した際には粉末当たり
1%以上の沈殿が生じている。よって、乾燥中の粒子間
の結合を防止するためには、シリカ表面を高度に被覆し
なければならない。このため、得られたゾルは乾燥して
も結合性がなく、また未反応のシラノール基を更にシラ
ンカップリング剤等の他の試薬と反応させることが困難
であった。
【0015】シリル化剤又はシランカップリング剤で表
面処理を行った後、溶媒置換を行う方法も知られている
が、従来の方法では表面処理後のゾルの粘度が高くなる
ことがあり、後工程の溶媒置換を高濃度で行うことが困
難であった。また溶媒置換時に、凝集物を生じたり、シ
ランカップリング剤の重合によりゲル化することもあっ
た。
【0016】米国特許第5,651,921号明細書の
ように非極性有機溶媒中でシリカ表面を直接シリル化処
理する方法では、非極性有機溶媒分散シリカゾルの凝集
が起きやすく、表面処理後も十分に分散した低粘度のシ
リカゾルを得ることができない。また、シリカ濃度を高
くすることもできず、限られた用途にしか用いることが
できない。
【0017】いずれの方法によっても、シリカ粒子の分
散が充分でなく、そのため多量の表面処理剤の添加、又
は高温での反応が必要であって、工業的に効率の良い方
法ではない。本発明は、疎水性有機溶媒に安定に分散
し、凝集物等を含まず高濃度においても低粘度のシリカ
ゾルを、工業的に効率よく製造する方法を提供するもの
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、5.5〜55
0m2 /gの比表面積を有する親水性コロイド状シリカ
を5〜55重量%のSiO2 濃度で含有し、ジシロキサ
ン化合物及び/又はモノアルコキシラン化合物であるシ
リル化剤を、当該親水性コロイド状シリカの表面積10
0m2 当たりSi原子として0.03〜2ミリモル量比
に含有し、且つその残余として0.1〜12重量%の水
溶解度を有する疎水性有機溶媒に対して炭素数1〜3の
アルコールは0.05〜20の重量比である混合溶媒と
媒体中15重量%以下の水とからなる媒体を含有する反
応混合物を、反応混合物中に存在するアルカリが除去さ
れ又は当量以上の酸で中和された状態で、0〜100℃
で熟成することにより、疎水性コロイド状シリカが分散
したシリル化処理シリカゾルを生成させることを含む疎
水性オルガノシリカゾルの製造方法である。
【0019】本発明の第一実施態様は、下記の工程
(A)及び(B): (A)5.5〜550m2/gの比表面積を有する親水
性コロイド状シリカを5〜55重量%のSiO2 濃度で
含有し、一般式(I)
【0020】
【化5】
【0021】〔式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6
は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基及び
フェニル基からなる群から選ばれた1種の置換基で任意
に置換されていて良い。〕及び/又は一般式(II)
【0022】
【化6】
【0023】〔式中、R7、R8及びR9 は、それぞれ独
立して炭素数1〜20のアルキル基及びフェニル基から
なる群から選ばれた1種の置換基で任意に置換されてい
て良い。Qは炭素数1〜3のアルキル基からなる群から
選ばれた1種の置換基で任意に置換されていて良い。〕
で表されるシリル化剤を、当該親水性コロイド状シリカ
の表面積100m2 当たりSi原子として0.05〜2
ミリモル量比に含有し、且つその残余として0.1〜1
2重量%の水溶解度を有する疎水性有機溶媒に対して炭
素数1〜3のアルコールは0.05〜20の重量比であ
る混合溶媒と媒体中15重量%以下の水とからなる媒体
を含有する反応混合物を、反応混合物中に存在するアル
カリが除去され、又は当量以上の酸で中和された状態
で、0〜100℃で熟成することにより、疎水性コロイ
ド状シリカが分散したシリル化処理シリカゾルを生成さ
せる工程、及び(B)(A)工程で生成した当該シリル
化処理シリカゾルを蒸留することにより、当該シリル化
処理シリカゾルの媒体が当該疎水性有機溶媒に置換され
た疎水性オルガノシリカゾルを生成させる工程、からな
る疎水性オルガノシリカゾルの製造方法である。
【0024】本発明の第二実施態様は、下記の工程
(A)、(B)、(C)及び(D): (A)5.5〜550m2 /gの比表面積を有する親水
性コロイド状シリカを5〜55重量%のSiO2 濃度で
含有し、一般式(I)
【0025】
【化7】
【0026】〔式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6
は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基及び
フェニル基からなる群から選ばれた1種の置換基で任意
に置換されていて良い。〕及び/又は一般式(II)
【0027】
【化8】
【0028】〔式中、R7、R8及びR9 は、それぞれ独
立して炭素数1〜20のアルキル基及びフェニル基から
なる群から選ばれた1種の置換基で任意に置換されてい
て良い。Qは炭素数1〜3のアルキル基からなる群から
選ばれた1種の置換基で任意に置換されていて良い。〕
で表されるシリル化剤を、当該親水性コロイド状シリカ
の表面積100m2 当たりSi原子として0.03〜
1.5ミリモル量比に含有し、且つその残余として0.
1〜12重量%の水溶解度を有する疎水性有機溶媒に対
して炭素数1〜3のアルコールは0.05〜20の重量
比である混合溶媒と媒体中15重量%以下の水とからな
る媒体を含有する反応混合物を、反応混合物中に存在す
るアルカリが除去され又は当量以上の酸で中和された状
態で、0〜100℃で熟成することにより、疎水性コロ
イド状シリカが分散したシリル化予備処理シリカゾルを
生成させる工程、(B)(A)工程で生成した当該シリ
ル化予備処理シリカゾルを蒸留することにより、当該シ
リル化予備処理シリカゾルの媒体が0.1〜12重量%
の水溶解度を有する疎水性有機溶媒に対して炭素数1〜
3のアルコールが0.05〜5重量比となるまで当該疎
水性有機溶媒に置換されたアルコール含有疎水性オルガ
ノシリカゾルを生成させる工程、(C)(B)工程で生
成したアルコール含有疎水性オルガノシリカゾルに、前
記一般式(I)及び/又は前記一般式(II)で表される
シリル化剤の(A)工程と(C)工程とでの添加含有量
を、当該アルコール含有疎水性オルガノシリカゾル中の
疎水性コロイド状シリカの原料である親水性コロイド状
シリカの表面積100m2 当たりSi原子として0.0
5〜2ミリモル量比に含有し、且つその残余として0.
1〜12重量%の水溶解度を有する疎水性有機溶媒に対
して炭素数1〜3のアルコールは0.05〜5の重量比
である混合溶媒と媒体中15重量%以下の水とからなる
媒体を含有する反応混合物を生成させ、0〜100℃で
熟成することにより、疎水性コロイド状シリカが分散し
たシリル化処理シリカゾルを生成させる工程、及び
(D)(C)工程で生成した当該シリル化処理シリカゾ
ルを蒸留することにより、当該シリル化処理シリカゾル
の媒体が当該疎水性有機溶媒に置換された疎水性オルガ
ノシリカゾルを生成させる工程、からなる疎水性オルガ
ノシリカゾルの製造方法である。
【0029】本発明の第三実施態様は、第一実施態様又
は第二実施態様において、シリル化剤として、ヘキサメ
チルジシロキサンを用いることを特徴とする好ましい疎
水性オルガノシリカゾルの製造方法である。本発明の第
四実施態様は、第一実施態様又は第二実施態様におい
て、シリル化剤として、トリメチルメトキシシラン、ト
リメチルエトキシシラン及びトリメチルプロポキシシラ
ンからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いること
を特徴とする好ましい疎水性オルガノシリカゾルの製造
方法である。
【0030】ここで本発明の第一実施態様及び第二実施
態様の(A)工程における反応混合物の生成方法は以下
の三実施態様(第五実施態様ないし第七実施態様)が挙
げられる。第五実施態様は、下記の工程(a)、(b)
及び(c): (a)5.5〜550m2 /gの比表面積を有する親水
性コロイド状シリカを含有する酸性水性シリカゾルに、
炭素数1〜3のアルコールを添加し、炭素数1〜3のア
ルコールが添加された当該酸性水性シリカゾルを蒸留す
ることにより酸性水性シリカゾルの水性媒体を当該アル
コールで置換して、6〜55重量%のSiO2 濃度のシ
リカと15重量%以下の水を含有するアルコールシリカ
ゾルを生成させる工程、及び(b)(a)工程で生成し
たアルコールシリカゾルに、0.1〜12重量%の水溶
解度を有する疎水性有機溶媒を添加することにより、5
〜55重量%のSiO2 濃度のシリカと、その残余とし
て0.1〜12重量%の水溶解度を有する疎水性有機溶
媒に対して炭素数1〜3のアルコールは0.05〜20
の重量比である混合溶媒と媒体に対して15重量%以下
の水とからなる媒体とを含有する、混合有機溶媒シリカ
ゾルを生成させる工程、及び(c)(b)工程で生成し
た当該混合有機溶媒シリカゾルに、前記一般式(I)及
び/又は前記一般式(II)で表されるシリル化剤を添加
後混合して、反応混合物を生成させる工程、からなる反
応混合物の生成方法である。
【0031】第六実施態様は、下記の工程(a)及び
(b): (a)5.5〜550m2 /gの比表面積を有する親水
性コロイド状シリカを含有する酸性水性シリカゾルに、
炭素数1〜3のアルコールと0.1〜12重量%の水溶
解度を有する疎水性有機溶媒とを添加し、当該アルコー
ル及び当該疎水性有機溶媒が添加された当該酸性水性シ
リカゾルを蒸留することにより、酸性水性シリカゾルの
水性媒体を当該アルコールと当該疎水性有機溶媒で置換
して、5〜55重量%のSiO2 濃度のシリカと、その
残余として0.1〜12重量%の水溶解度を有する疎水
性有機溶媒に対して炭素数1〜3のアルコールは0.0
5〜20の重量比である混合溶媒と媒体に対して15重
量%以下の水とからなる媒体を含有する、混合有機溶媒
シリカゾルを生成させる工程。
【0032】(b)(a)工程で生成した当該混合媒体
シリカゾルに、前記一般式(I)及び/又は前記一般式
(II)で表されるシリル化剤を添加後混合して、反応混
合物を生成させ工程、からなる反応混合物の生成方法で
ある。第七実施態様は、下記の工程(a)及び(b): (a)5.5〜550m2 /gの比表面積を有する親水
性コロイド状シリカを含有する酸性水性シリカゾルに、
炭素数1〜3のアルコールを添加し、炭素数1〜3のア
ルコールが添加された当該酸性水性シリカゾルを蒸留す
ることにより酸性水性シリカゾルの水性媒体を当該アル
コールで置換して、5〜55重量%のSiO2 濃度のシ
リカと、その残余として媒体中当該アルコールと、媒体
に対して15重量%以下の水とからなる媒体とを含有す
るアルコールシリカゾルを生成させる工程、及び(b)
(a)工程で生成したアルコールシリカゾルに、前記一
般式(I)及び/又は前記一般式(II)で表されるシリ
ル化剤を、当該アルコールシリカゾルの媒体中の当該ア
ルコールに対して0.05〜20の重量比となる0.1
〜12重量%の水溶解度を有する疎水性有機溶媒に添加
した溶解液を添加後混合して、反応混合物を生成させる
工程、からなる反応混合物の生成方法である。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の反応混合物の親水性コロ
イド状シリカは、5.5〜550m2 /gの比表面積を
有する非凝集性のシリカの微粒子である。そして、例え
ば、水性シリカゾル及びオルガノシリカゾルに見られる
ように、媒体中に安定に分散している非凝集性のシリカ
の微粒子である。そのシリカの微粒子表面には自由なシ
ラノール基を有しており、一部のシラノール基は炭素数
1〜3のアルコールとエステル結合していても良い。
【0034】そして、その親水性コロイド状シリカは、
水性シリカゾルから得られる。水性シリカゾルは、水ガ
ラスを原料として公知の方法により製造することができ
る。また親水性コロイド状シリカは、アルコキシシラン
化合物をアンモニア等のアルカリ性触媒存在下で加水分
解して生成したアルコール含有水性シリカゾルからも得
られる。
【0035】本発明の第一実施態様の(A)工程及び第
二実施態様の(A)工程では、反応混合物中に遊離する
アルカリが存在すると、本発明のシリル化剤と親水性コ
ロイド状シリカ表面のシラノール基とが反応しない。そ
のため、熟成において、反応混合物中に存在するアルカ
リが除去され又は当量以上の酸で中和されていなければ
ならない。そのため予め、アルカリを除去した酸性水性
シリカゾルを反応混合物の原料とすることが好ましい。
そのアルカリを除去した酸性水性シリカゾルを反応混合
物の原料とする反応混合物の生成方法が第五実施態様、
第六実施態様、第七実施態様などである。
【0036】水ガラスを原料とした酸性水性シリカゾル
のpHとしては、2〜4.5がより好ましい。例えばア
ルカリ性シリカゾルから、イオン交換等の方法で遊離の
陽イオンを除去し酸性ゾルとしたもの、そして陽イオ
ン、及び大部分もしくは全量の陰イオンを除去したもの
を用いることが好ましい。またイオン交換したゾルに、
少量の硫酸やカルボン酸などの酸を加えてpH調整を行
っても良い。酸の添加は、反応混合物の生成前であれ
ば、前もって行って良い。酸性水性シリカゾルの溶媒の
一部又はほとんどを他の溶媒に置換した後でも良い。
【0037】また、アルコキシシラン化合物をアンモニ
ア等のアルカリ性触媒存在下で加水分解して生成したア
ルコール含有水性シリカゾルでは、陽イオン交換処理に
よりアンモニア等のアルカリ性触媒を除去したアルコー
ル含有酸性水性シリカゾルを用いることができる。この
アルコール含有酸性水性シリカゾルの場合、本発明では
アルコール溶媒の添加を省略しても良い。
【0038】反応混合物中に存在するアルカリを当量以
上の酸で中和するには、反応混合物の生成前であれば、
硫酸やカルボン酸などの酸を加えて中和を行って良い。
酸性水性シリカゾルの溶媒の一部又はほとんどを他の溶
媒に置換した後でも良い。酸性水性シリカゾルのpHが
4.5を超えると、本発明の第一実施態様の(A)工
程、並びに第二実施態様の(A)及び(C)工程におい
て、シリル化反応が進行し難い。一方、pHを2未満に
するとゾルの安定性が損なわれやすい。
【0039】本発明に用いる炭素数1〜3のアルコール
とは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール及びこれらの混合溶媒を表す。また、特
に好ましいアルコールはメタノール及びエタノールであ
り、これらのアルコールを用いると、溶媒置換やシリル
化反応工程において増粘が起きにくく、高濃度での反応
及び溶媒置換が可能となる。
【0040】酸性水性シリカゾルのSiO2 濃度として
は5〜55重量%のものが好ましい。親水性コロイド状
シリカの比表面積は5.5〜550m2 /gであり、2
7〜550m2 /gがより好ましく、90〜550m2
/gが最も好ましい。そして、親水性コロイド状シリカ
の粒子径はBET法により求めた比表面積S(m2
g)からD(nm)=2720/Sの式で計算される。
【0041】よって、親水性コロイド状シリカの粒子径
は5〜500nmであり、5〜100nmがより好まし
く、5〜30nmが最も好ましい。粒子径が5nm以下
のゾルでは高濃度化が困難であり、更にその表面処理に
はシリカ単位重量当たり多くのシリル化剤を必要とす
る。500nm以上のゾルでは沈降性が大きく、貯蔵安
定性が悪い。
【0042】本発明における0.1〜12重量%の水溶
解度を有する疎水性有機溶媒とは、水と均一に混合せ
ず、20℃において水と混合し二相を形成させた時の、
有機相中の水の含有率が、0.1〜12重量%のものを
表す。例としては1−ペンタノール(水溶解度6.8重
量%)、メチルエチルケトン(9.9重量%)、メチル
イソブチルケトン(1.8重量%)、シクロヘキサノン
(8重量%)、酢酸エチル(2.9重量%)、酢酸n−
ブチル(1.9重量%)、メタクリル酸メチル(1.1
重量%)、ジイソプロピルエーテル(0.55重量
%)、ジブチルエーテル(0.2重量%)などが挙げら
れる。なお、0.1重量%未満の水溶解度を有する疎水
性有機溶媒としてトルエン(0.05重量%)等が挙げ
られる。
【0043】分散溶媒の種類によるシリカゾルの分散性
の差は、特にその溶媒中に水を溶解する能力の影響が大
きいことがわかった。水に対する溶媒の溶解度はあまり
重要でない。0.1〜12重量%の水溶解度を有する疎
水性有機溶媒では、表面処理を行わずに溶媒置換する
と、シリカゾルの粘度が著しく高い値を示すか、あるい
は安定性に乏しくなりゲル化し易い。
【0044】水と均一混合はしないが、12重量%を超
える水溶解度を有する疎水性有機溶媒では、この溶媒に
分散したゾルは、表面処理を行わずに親水性溶媒ゾルの
置換によって生成させることができる。また本発明の第
一実施態様の(A)工程、並びに第二実施態様の(A)
及び(C)工程において、これらの溶媒ではシリル化反
応における粘度の増加を抑制することができない。この
ような溶媒の例としては、n−ブタノール(16.4重
量%)、イソブタノール(20重量%)などが挙げられ
る。
【0045】一方、水溶解度が0.1重量%以下の疎水
性有機溶媒では、疎水性が高いため、シリル化率を高く
しなければならず、かなり多くのシリル化剤を必要とす
る。本発明の方法によって得られるオルガノシリカゾル
の溶媒として特に好ましいものは、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、アクリル酸メ
チル、メタアクリル酸メチル、カルビトールアセテート
などのカルボン酸エステル化合物、ジブチルエーテルな
どのエーテル化合物である。また、上記溶媒の混合溶媒
も好ましく用いることができる。
【0046】本発明の第一実施態様及び第二実施態様の
(A)工程における反応混合物の生成方法として、第五
実施態様、第六実施態様、第七実施態様などが挙げられ
る。また、第五実施態様、第六実施態様及び第七実施態
様において、溶媒置換として溶媒蒸留置換法を採用して
いるが、溶媒限外濾過置換法、溶媒パーベーパレーショ
ン置換法などの公知の溶媒置換方法が採用できる。
【0047】反応混合物のSiO2 濃度は5〜55重量
%が好ましく、10〜45重量%がより好ましい。5重
量%以下では製造効率が低くなるとともに、溶媒中のシ
リル化剤濃度の低下のためシリカの表面積当たりのシリ
ル化剤の必要量も多くなり好ましくない。また、55重
量%以上ではゾルの安定性が不充分となり、分散性の良
いゾルが得難い。
【0048】反応混合物の媒体中の水が多くなると、ゾ
ルの粘度が上昇することがある。また、シリル化反応が
阻害されることもあるため、反応混合物の媒体中の水は
15重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好まし
い。このような低水分の反応混合物を生成させるには、
上記の方法のなかでも溶媒蒸留置換法により水を除去す
る方法が特に適している。
【0049】反応混合物における媒体中の混合溶媒とし
ては、0.1〜12重量%の水溶解度を有する疎水性有
機溶媒に対して炭素数1〜3のアルコールは0.05〜
20の重量比の範囲が好ましい。更に第一実施態様の
(A)工程において0.1〜2の重量比がより好まし
く、第二実施態様では、(A)工程において0.5〜2
0の重量比及び(C)工程において0.05〜1重量比
がより好ましい。
【0050】疎水性有機溶媒に対して、アルコールが2
0の重量比を超えると、シリル化反応を行った際、反応
の進行につれて顕著な増粘が起きやすい。特にシリル化
反応率を上げる程、この増粘が激しくなる。そのため、
反応が系内で均一に起こらず、次工程での溶媒置換が困
難となる。一方、疎水性有機溶媒に対して、アルコール
が0.05の重量比未満では、反応混合物のシリル化剤
の表面処理を行う前に増粘やゲル化が起きる。
【0051】上記のより好ましい溶媒の比率は、使用す
るアルコール及び疎水性有機溶媒の種類によって異な
る。例えば水溶解度の小さい疎水性有機溶媒の場合は、
疎水性有機溶媒に対して、アルコールが0.05の重量
比よりアルコールが多くても増粘することがある。その
アルコールの種類としては例えばプロパノールよりメタ
ノールの方が疎水性有機溶媒の割合が少なくても、シリ
ル化反応が進行した際の増粘が起きにくい。シリル化剤
の種類や、その反応性によっても影響を受ける。
【0052】本発明の第一実施態様の(A)工程、並び
に第二実施態様の(A)及び(C)工程において、反応
混合物にジシロキサン化合物及び/又はモノアルコキシ
シラン化合物を含有させて、シリル化反応を行う。本発
明で用いるシリル剤としてのジシロキサン化合物は、一
般式(I)
【0053】
【化9】
【0054】〔式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6
は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基及び
フェニル基からなる群から選ばれた1種の置換基で任意
に置換されていて良い。〕で表される。このジシロキサ
ン化合物は、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジブ
チルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテ
トラメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチ
ルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、3−グリ
シドキシプロピルペンタメチルジシロキサンなどが挙げ
られる。特に、ヘキサメチルジシロキサンが好ましい。
そして、シリル化剤としてのモノアルコキシシラン化合
物は、一般式(II)
【0055】
【化10】
【0056】〔式中、R7、R8及びR9 は、それぞれ独
立して炭素数1〜20のアルキル基及びフェニル基から
なる群から選ばれた1種の置換基で任意に置換されてい
て良い。Qは炭素数1〜3のアルキル基からなる群から
選ばれた1種の置換基で任意に置換されていて良い。〕
で表される。このモノアルコキシシラン化合物は、トリ
メチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ト
リメチルプロポキシシラン、フェニルジメチルメトキシ
シラン、クロロプロピルジメチルメトキシシランなどが
挙げられる。特に、トリメチルメトキシシラン、トリメ
チルエトキシシラン及びトリメチルプロポキシシランが
好ましい。
【0057】これらのシリル化剤は単独で用いても、二
種類以上併用しても良い。無機粒子の表面処理にしばし
ば用いられているトリアルコキシシラン化合物は結合基
を3つ持つので反応性が高い反面、自己重合や粒子間の
縮合を引き起こし、分散性の良いゾルを得るのが困難で
ある。またアルコキシ基から生じた未結合のシラノール
基も多く残りやすく、粒子の分散効果も不充分である。
本発明で用いるシリル化剤は単官能性であって、それ自
体の重合やシリカ粒子間の架橋をおこさない。
【0058】また、通常シリル化処理に用いられるハロ
ゲン化シランやシラザン化合物は反応時にハロゲン化水
素やアンモニアを副生し、これらがゾルの凝集を引き起
こす。一方、本発明で用いる上記のシリル化剤の反応副
生物としては水又は炭素数1〜3のアルコールであり、
シリカ粒子の凝集等を引き起こす心配はない。更に後工
程である本発明の第一実施態様における(B)工程、並
びに第二実施態様における(B)工程及び(D)工程に
おいて、これらの副生物は容易に除去できる。
【0059】特に、ヘキサメチルジシロキサン、トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン及びト
リメチルプロポキシシランは反応性が高く、低価格であ
り、蒸留操作による除去・回収も容易であるため好まし
い。ヘキサメチルジシロキサンは珪酸鉱物の構造決定の
ためのシリル化剤として用いられていたが、通常反応性
が低く、pH1以下の塩酸水溶液等により加水分解して
用いられていた。しかし、弱酸性の反応混合物にに含有
させることにより、親水性コロイド状シリカ表面に吸着
後、反応しシラノール基をシリル化し、少量の水を生成
することを見いだした。反応混合物のpHが4.5を越
えるとこの反応は著しく遅くなる。また、pH2未満に
するにはゾルに多くの酸を添加しなければならずシリカ
ゾル自体の安定性も損なわれるため好ましくない。ここ
で、反応混合物中のpHとは、反応混合物と等重量の純
水を混合して、ガラス電極法にて測定したpHである。
【0060】疎水性有機溶媒に安定に分散させるために
は、親水性コロイド状シリカ表面へのシリル基の結合量
をシリカの表面積1nm2 当たり0.3〜3個、より好
ましくは0.5〜3個とするのが良い。シリカ表面に結
合したシリル基が0.3個/nm2 未満では安定性の付
与に不充分であり、溶媒置換の過程で増粘が起きたり、
できあがった疎水性ゾルの安定性が不充分となる。一
方、3個/nm2 以上結合させるには大過剰のシリル化
剤を添加しなければならないため好ましくない。ゾルの
分散媒の疎水性の程度や使用する目的により必要とする
シリル基の量は異なる。粒子間の結合性が必要な場合、
あるいは粒子表面のシラノール基と他の試薬との反応性
が必要な場合は結合量を少なくし、より疎水性にしたい
場合には多くすると良い。そして、疎水性の樹脂溶液と
の相溶性も一般には結合量が多い方が良くなる。
【0061】シリカ表面へのシリル基の結合量は、ゾル
を減圧下で乾燥し得られたシリカ粉末の炭素含有量を測
定する等の方法で知ることができる。また単位面積当た
りのシリル基の結合量は、上記結合量をBET法により
求めたシリカの比表面積で割ることにより計算できる。
添加するシリル化剤の量は、必要なシリル基量や反応条
件などにより変わるが、通常ゾル中の親水性コロイド状
シリカの比表面積100m2 当たりSi原子として0.
03〜2ミリモル、好ましくは0.05〜2ミリモルと
なる量含有させれば良い。反応条件にもよるが、結合さ
せたい量よりもやや過剰(通常1から3倍)に添加する
のが望ましい。特にヘキサメチルジシロキサンやトリメ
チルメトキシシランなどの様に低沸点のシリル化剤の場
合には、続く(B)工程の蒸留によって過剰のシリル化
剤の除去が容易であるため、やや過剰に添加して反応時
間を短縮するのが効率的である。またシリル基の表面被
覆率を高くしたい場合には、既にシリカ表面に結合した
シリル基の立体障害により徐々に反応速度が低下するた
め、シリル化剤を過剰に用いるか、反応時間を充分にと
る必要がある。また混合有機溶媒シリカゾル中の水やア
ルコール量が少ない方が反応率を上げることができる。
反応混合物の媒体中に、水やアルコールが多量に共存す
るとシリル化収率が低下する傾向があるため、疎水化に
必要な結合量に対し、やや過剰に添加するのが好まし
い。シリル化剤が不足したり、反応が不充分であると、
本発明の第一実施態様の(B)工程、並びに第二実施態
様の(B)及び(D)工程において、疎水性有機溶媒に
よる溶媒置換の過程で増粘を起こすことがある。
【0062】本発明のシリル化剤をシリカゾルに含有さ
せる方法は特に限定しないが、ゾルを撹拌したなかに、
原液もしくは適切な溶媒で希釈したシリル化剤を添加
し、均一になるまで撹拌を行うのが好ましい。また、シ
リル化剤の添加を二度以上に分割して行っても良い。シ
リル化処理後、溶媒置換を行った後、再度シリル化処理
する方法も可能である。この方法によれば最終的なゾル
のシリル化率をかなり高めることも可能となる。
【0063】シリル化反応はシリル化剤添加後、常温で
も進行するが加温によって促進することができる。常温
の場合は1日以上反応させることが好ましい。加熱によ
る反応時間は通常数時間以内で良い。加熱は反応溶媒の
沸点より低い温度が好ましいが、40〜100℃で行う
のがより好ましい。メタノール、エタノールなどが多く
共存する条件下で、ジシロキサン化合物を比較的低温
(常温付近)でゆっくり反応させると、アルコキシシラ
ン化合物の副生を抑制でき、反応率を高くすることがで
きる。
【0064】本発明の第一実施態様の(B)工程、並び
に第二実施態様の(B)及び(D)工程において、シリ
ル化処理シリカゾルを蒸留し、水及びアルコールを留出
させることにより、疎水性有機溶媒に分散したオルガノ
シリカゾルを生成させる。このとき必要に応じて、疎水
性有機溶媒の供給を同時に行ってSiO2 濃度を55重
量%以下に保つのが、好ましい方法である。そして、本
発明の第一実施態様の(B)工程、及びに第二実施態様
の(D)工程において、水分は0.5重量%以下、より
好ましくは0.2重量%以下になるまで蒸留を行うのが
良い。水を充分除去することにより、保存中の安定性が
更に良くなる。
【0065】蒸留は常圧でも減圧でも良いが、高沸点溶
媒の場合は減圧で行うのが好ましい。また、本発明の第
一実施態様の(B)工程、並びに第二実施態様の(B)
及び(D)工程で使用した疎水性有機溶媒を留出させて
別の疎水性有機溶媒を添加しながら蒸留を行っても良
い。
【0066】この発明の方法により、分散性に優れ低粘
度のゾルが得られる。粘度は20重量%のSiO2 濃度
のシリカを含有したたときに、分散媒である疎水性有機
溶媒の粘度にたいして5倍以下(比粘度5以下)であ
る。ここで本発明の第一実施態様及び第二態様の(A)
工程における反応混合物の生成方法は第五実施態様、第
六実施態様及び第七実施態様が挙げられる。
【0067】第五実施態様の(a)工程における炭素数
1〜3のアルコールの添加と、(b)工程における疎水
性有機溶媒の添加を同時に行うことも可能である。この
方法が第六実施態様である。第五実施態様の(b)工程
における疎水性有機溶媒の添加と、(c)工程のシリル
化剤の添加を同時に行うことも可能である。シリル化反
応が充分進行しない内であれば疎水性有機溶媒がなくて
も増粘は起こらないので、シリル化剤を必要量の疎水性
有機溶媒で希釈して添加する等の方法でも良い。この方
法が第七実施態様である。
【0068】本発明の第一実施態様の(A)工程の反応
混合物にシリル化剤を含有させ、熟成を行うことは二度
以上に分けて行うこともできる。この方法にて、蒸留を
行って疎水性有機溶媒の比率を高めることもできる。よ
り水溶解度の小さな疎水性有機溶媒のオルガノゾルの製
造や、シリカ表面のシリル化率を高めたい時には有効な
方法である。この方法が第二実施態様である。
【0069】
【実施例】
実施例1 市販の酸性水性シリカゾル(スノーテックス−O(登録
商標)、SiO2 濃度20重量%、pH3.0、粒子径
12nm)450gをロータリーエバポレーターで20
0gまで減圧蒸留により濃縮した。続いて、この濃縮酸
性水性シリカゾルに、イソプロピルアルコール(IP
A)160gとメチルエチルケトン(MEK)800g
とを添加して、混合有機溶媒シリカゾル(SiO2 濃度
7.8重量%、水分9.5重量%、IPA:MEK=
1:5(重量比))を得た。
【0070】この混合有機溶媒シリカゾルにヘキサメチ
ルジシロキサン10g(0.6ミリモル/親水性コロイ
ド状シリカの表面積100m2 )を加え撹拌して、反応
混合物を生成した後、室温で7日間の静置により熟成し
て、シリル化処理シリカゾルを得た。このシリル化処理
シリカゾルを圧力100Torr(0.013MPa)
で減圧蒸留し、総液量が300mlになるまで濃縮し
た。続いて総液量が300mlで一定となるようにME
K500gを添加しながら減圧蒸留により溶媒置換し
て、MEK分散疎水性オルガノシリカゾル300g(S
iO2 濃度30重量%、20℃における比重1.00
4、20℃における粘度1.1mPa・s、水分0.2
重量%、IPA濃度0.3重量%)を得た。得られたゾ
ルをMEKでSiO2 濃度が20重量%になるよう希釈
し、粘度を測定したところ20℃における粘度は0.7
6mPa・sであり、溶媒に対する比粘度は1.8であ
った。
【0071】また、このMEK分散疎水性オルガノシリ
カゾルを50℃で減圧乾燥後、粉砕し更に110℃で1
時間乾燥後元素分析を行ったところ炭素含有量は1.2
2重量%であった。これはトリメチルシリル基結合量と
してシリカ表面積1nm2 当たり0.9個に相当した。 比較例1 実施例1と同様にして混合有機溶媒シリカゾルを作製
し、シリル化剤を添加することなく蒸留を行ったとこ
ろ、混合有機溶媒シリカゾルが圧力100Torr
(0.013MPa)の減圧蒸留濃縮の途中で著しく粘
度が増加し、目的とするメチルエチルケトン(MEK)
分散オルガノシリカゾルは得られなかった。
【0072】比較例2 シリル化剤としてヘキサメチルジシロキサンのかわりに
メチルトリメトキシシラン16.8g(0.6ミリモル
/親水性コロイド状シリカの表面積100m2)を添加
した以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、シリ
ル化処理シリカゾルを圧力100Torr(0.013
MPa)で300mlまで減圧蒸留濃縮した。続いて、
メチルエチルケトン(MEK)を添加しながら減圧蒸留
する途中で著しく粘度が増加し、目的とするゾルは得ら
れなかった。
【0073】実施例2 メタノールシリカゾル500g(SiO2 濃度30重量
%、水分1.7重量%、メタノールシリカゾルと等量の
蒸留水で希釈した時のpH3.4、粒子径12nm)に
ほぼSiO2 濃度が一定となる量の酢酸エチルを添加し
ながらロータリーエバポレーターを用いて圧力150T
orr(0.020MPa)で減圧蒸留を行い、ゾルの
媒体において酢酸エチルに対するメタノールの重量比が
1となったところで減圧蒸留による溶媒置換を中断し
て、混合有機溶媒シリカゾルを得た。この混合有機溶媒
シリカゾルに撹拌しながらトリメチルメトキシシランを
12.8g(0.36ミリモル/親水性コロイド状シリ
カの表面積100m2)添加し、液温60℃で2時間の
加熱により熟成して、シリル化処理シリカゾルを得た。
このシリル化処理シリカゾルに酢酸エチルを添加しなが
ら減圧蒸留により溶媒置換して、酢酸エチル分散疎水性
オルガノシリカゾル(SiO2 濃度30.8重量%、2
0℃における比重1.100、20℃における粘度1.
9mPa・s、水分0.06重量%、メタノール濃度
0.2重量%)を得た。また、このゾルを酢酸エチルで
SiO2 濃度が20重量%になるよう希釈し、粘度を測
定したところ20℃における粘度は0.78mPa・s
で溶媒に対する比粘度は1.73であった。
【0074】また、この酢酸エチル分散疎水性オルガノ
シリカゾルのトリメチルシリル基の結合量を実施例1と
同様にして求めたところ、シリカ表面積1nm2 当たり
1.2個であった。 比較例3 実施例2と同じメタノールシリカゾル500gに、Si
2 濃度がほぼ一定となるように酢酸エチルを添加しな
がら圧力150Torr(0.020MPa)で減圧蒸
留し、途中でトリメチルメトキシシランの添加を行わず
に圧力150Torr(0.020MPa)で減圧蒸留
による溶媒置換を続けた。ゾル中のメタノールの含有量
が30重量%まで減少したところで白濁し著しく増粘
し、目的とする酢酸エチル分散疎水性オルガノゾルは得
られなかった。
【0075】比較例4 実施例2と同じメタノールシリカゾル500gに、Si
2 濃度がほぼ一定となるようにn−ブタノールを添加
しながら圧力150Torr(0.020MPa)で減
圧蒸留による溶媒置換を行い、ゾルの媒体においてブタ
ノールに対するメタノールの重量比が1となった時点で
加熱を中断して、混合アルコールシリカゾルを得た。得
られた混合アルコールシリカゾルにトリメチルメトキシ
シラン12.8g(0.36ミリモル/親水性コロイド
状シリカの表面積100m2 )を添加し、液温60℃で
2時間の加熱により熟成し、シリル化処理シリカゾルを
得た。このシリル化処理シリカゾルは熟成中に次第に粘
度が増加して粘度は高くなった。得れたシリル化処理シ
リカゾルにn−ブタノールを加えながら更に圧力150
Torr(0.020MPa)で減圧蒸留を行ったとこ
ろ、著しく粘度が増加して、目的とするブタノール分散
疎水性オルガノゾルは得られなかった。
【0076】比較例5 実施例2と同じメタノールシリカゾル500gに、ほぼ
SiO2 濃度が一定となる量の酢酸エチルを添加しなが
ら圧力150Torr(0.020MPa)で減圧蒸留
による溶媒置換を行い、ゾルの媒体において酢酸エチル
に対するメタノールの重量比が1となったところで中断
して、混合有機溶媒シリカゾルを得た。この混合有機溶
媒シリカゾルに撹拌しながらトリメチルクロルシラン1
3.4g(0.36ミリモル/親水性コロイド状シリカ
の表面積100m2 )を添加したところ、直ちに白濁し
凝集物が生じた。60℃で2時間加熱したが、白濁増粘
したままであった。
【0077】実施例3 実施例2と同じメタノールシリカゾル500gにメチル
エチルケトン(MEK)60g及びヘキサメチルジシロ
キサン10g(0.36ミリモル/親水性コロイド状シ
リカの表面積100m2 )を添加し撹拌後、室温で7日
間の静置により熟成して、シリル化処理シリカゾルを得
た。このシリル化処理シリカゾルを圧力150Torr
(0.020MPa)で減圧蒸留を行って、SiO2
度を約30重量%まで濃縮した。続いて、メチルメタア
クリレート554gをゾル中のSiO2 濃度がほぼ一定
となるように添加しながら圧力150Torr(0.0
20MPa)で減圧蒸留を続け、メチルメタクリレート
分散疎水性オルガノシリカゾル(SiO2 濃度 30重
量%、比重 1.148、粘度 5.0mPa・s、水
分 0.2重量%、メタノール濃度 0.9重量%)を
得た。得られたシリカゾルをメチルメタクリレートでS
iO2 濃度が20重量%になるよう希釈し、粘度を測定
したところ25℃における粘度は3.5mPa・sで溶
媒に対する比粘度は2.65であった。
【0078】比較例6 実施例2と同じメタノールシリカゾルに600gに10
重量%アンモニア水を0.2g添加した。このゾルの一
部をとり、このメタノールゾルと等量の水で希釈して測
定したpHは5.1であった。このゾル500gに実施
例3と同様に、メチルエチルケトン(MEK)とヘキサ
メチルジシロキサンを添加し、室温で7日間の静置によ
り熟成して、シリル化処理シリカゾルを得た。続いて、
このシリル化処理シリカゾルにメチルメタクリレートを
添加して圧力150Torr(0.020MPa)で減
圧蒸留することにより、溶媒置換を行ったところ、溶媒
置換途中で著しく増粘して、目的とするメチルメタクリ
レート分散疎水性オルガノシリカゾルは得られなかっ
た。
【0079】比較例7 実施例2と同じメタノールシリカゾル500gにヘキサ
メチルジシロキサン10g(0.36ミリモル/親水性
コロイド状シリカの表面積100m2 )を添加し撹拌
後、室温で7日間の静置により熟成して、25℃におけ
る粘度として100mPa・sを有するシリル化処理シ
リカゾルを得た。
【0080】次に、このシリル化処理シリカゾルにメチ
ルエチルケトン(MEK)をゾル中のSiO2 濃度がほ
ぼ一定となるように添加しながら圧力150Torr
(0.020MPa)で減圧蒸留を行って、MEK分散
疎水性オルガノシリカゾル(SiO2 濃度30重量%、
比重1.060、粘度9.0mPa・s、水分0.2重
量%、メタノール濃度 0.3重量%)を得た。得られ
たシリカゾルをMEKでSiO2 濃度が20重量%にな
るよう希釈し、粘度を測定したところ25℃における粘
度は5.5mPa・sで溶媒に対する比粘度は13であ
った。また、減圧蒸留による溶媒置換中に、ロータリー
エバポレーターの加熱容器の内壁にゲル状物が付着し
て、収率は低下した。そして、得られたゾルには、ミク
ロゲルが混入して、外観は白濁していた。
【0081】実施例4 市販の酸性水性シリカゾル(スノーテックス−OL(登
録商標)、SiO2 濃度20重量%、粒子径46nm)
をロータリーエバポレーターで圧力150Torr
(0.020MPa)で減圧濃縮後、メタノールで常圧
蒸留にて溶媒置換してメタノールシリカゾル(SiO2
濃度40.6重量%、水分1.4重量%、メタノールシ
リカゾルを等量の蒸留水で希釈した時のpH3.4)を
得た。このメタノールゾル1560gにヘキサメチルジ
シロキサン15.6g(0.51ミリモル/親水性コロ
イド状シリカの表面積100m2 )をメチルイソブチル
ケトン(MIBK)250gに溶解した溶液を撹拌下に
添加し、撹拌しながら加熱して液温60℃で1時間の熟
成で、シリル化予備処理シリカゾルを得た。続いて、シ
リル化予備処理シリカゾルに、ほぼSiO2 濃度が一定
となるように、MIBKを添加しながら常圧蒸留を行
い、ゾルの媒体においてMIBKに対するメタノールの
重量比が0.9となったところで常圧蒸留を中断して、
アルコール含有疎水性オルガノシリカゾルを得た。この
アルコール含有疎水性オルガノシリカゾルに撹拌しなが
らヘキサメチルジシロキサンを7.8g(0.26ミリ
モル/親水性コロイド状シリカの表面積100m2 )を
MIBK72gに溶解した液を添加し、撹拌しながら加
熱して液温60℃で1時間の加熱により熟成して、シリ
ル化処理シリカゾルを得た。続いて、得られたシリル化
処理シリカゾルにMIBKを添加しながら圧力150T
orr(0.020MPa)で減圧蒸留にて溶媒置換を
行って、MIBK分散疎水性オルガノシリカゾル(Si
2 濃度30.5重量%、20℃における比重1.00
0、20℃における粘度3.0mPa・s、水分0.0
5重量%、メタノール濃度0.1重量%)を得た。ま
た、このゾルをMIBKでSiO2 濃度が20重量%に
なるよう希釈し、粘度を測定したところ20℃における
粘度は1.3mPa・sであり、溶媒に対する比粘度は
2.64であった。
【0082】実施例5 実施例2と同じメタノールシリカゾル500gに1,3
−ジ(n−ブチル)テトラメチルジシロキサン7.9g
(0.19ミリモル/親水性コロイド状シリカの表面積
100m2 )を20gのジイソプロピルエーテルに溶解
して添加し、撹拌後室温で10日間の静置により熟成し
て、シリル化処理シリカゾルを得た。このシリル化処理
シリカゾルを圧力120Torr(0.015MPa)
で減圧蒸留を行いSiO2 濃度が約30重量%となるま
で濃縮した。続いて、酢酸n−ブチル420gを添加し
て、ゾル中のSiO2 濃度がほぼ一定となるように添加
しながら圧力120Torr(0.015MPa)で減
圧蒸留を続け、酢酸ブチル分散疎水性オルガノシリカゾ
ル(SiO2 濃度30重量%、比重1.077、粘度
1.47mPa・s、水分0.2重量%、メタノール濃
度0.8重量%)を得た。また、この酢酸ブチル分散疎
水性オルガノシリカゾルを酢酸ブチルでSiO 2 濃度が
20重量%になるよう希釈し、粘度を測定したところ2
0℃における粘度は0.90mPa・sであり、溶媒に
対する比粘度は1.2であった。
【0083】
【発明の効果】本発明は、親水性コロイド状シリカ表面
のシリル化処理を、ジシロキサン化合物及び/又はモノ
アルコキシシラン化合物のシリル化剤を、当該親水性コ
ロイド状シリカの表面積100m2 当たりSi原子とし
て0.05〜2ミリモル量比に含有し、且つその残余と
して0.1〜12重量%の水溶解度を有する疎水性有機
溶媒に対して炭素数1〜3のアルコールは0.05〜2
0の重量比である混合溶媒と媒体中15重量%以下の水
とからなる媒体を含有する反応混合物を、反応混合物中
に存在するアルカリが除去され又は当量以上の酸で中和
された状態で、0〜100℃で熟成することを特徴とす
る疎水性オルガノシリカゾルの製造方法である。そし
て、20重量%のSiO2 濃度のシリカを含有する当該
疎水性オルガノシリカゾルでは5以下の比粘度を有する
ことを特徴とする低粘度の疎水性オルガノゾルとなって
いる。
【0084】本発明は粒子表面のシラノール基の1部が
シリル化処理された疎水性コロイド状シリカが有機溶媒
に安定に分散した疎水性オルガノシリカゾルの製造方法
に関する。特にメチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノンなどのケトンや酢酸エチル、
酢酸ブチル、メタクリル酸メチルなどのエステルなどの
水と相互溶解しにくい溶媒に分散し、安定性の優れたオ
ルガノシリカゾルの製造に適している。本発明の方法に
よれば、酸やアルカリなどのゾルの性質を損なうシリル
化剤よりの副生物を含まず、分散性の優れたオルガノシ
リカゾルが効率よく得られる。また従来より少ないシリ
ル基量で安定化ができ、用途に応じて疎水化レベルをコ
ントロールすることも可能である。
【0085】また本発明の方法により得られたオルガノ
シリカゾルは、分散性が良く低粘度で透明性に優れ、樹
脂溶液との相溶性も良いため、コーティング剤、塗料バ
インダーに添加し、耐擦傷、密着性、耐熱性などを付与
するマイクロフィラーとして特に有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5.5〜550m2 /gの比表面積を有
    する親水性コロイド状シリカを5〜55重量%のSiO
    2 濃度で含有し、ジシロキサン化合物及び/又はモノア
    ルコキシラン化合物であるシリル化剤を、当該親水性コ
    ロイド状シリカの表面積100m2 当たりSi原子とし
    て0.03〜2ミリモル量比に含有し、且つその残余と
    して0.1〜12重量%の水溶解度を有する疎水性有機
    溶媒に対して炭素数1〜3のアルコールは0.05〜2
    0の重量比である混合溶媒と媒体中15重量%以下の水
    とからなる媒体を含有する反応混合物を、反応混合物中
    に存在するアルカリが除去され又は当量以上の酸で中和
    された状態で、0〜100℃で熟成することにより、疎
    水性コロイド状シリカが分散したシリル化処理シリカゾ
    ルを生成させることを含む疎水性オルガノシリカゾルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 下記の工程(A)及び(B): (A)5.5〜550m2 /gの比表面積を有する親水
    性コロイド状シリカを5〜55重量%のSiO2 濃度で
    含有し、一般式(I) 【化1】 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ
    独立して炭素数1〜20のアルキル基及びフェニル基か
    らなる群から選ばれた1種の置換基で任意に置換されて
    いて良い。〕及び/又は一般式(II) 【化2】 〔式中、R7、R8及びR9 は、それぞれ独立して炭素数
    1〜20のアルキル基及びフェニル基からなる群から選
    ばれた1種の置換基で任意に置換されていて良い。Qは
    炭素数1〜3のアルキル基からなる群から選ばれた1種
    の置換基で任意に置換されていて良い。〕で表されるシ
    リル化剤を、当該親水性コロイド状シリカの表面積10
    0m2 当たりSi原子として0.05〜2ミリモル量比
    に含有し、且つその残余として0.1〜12重量%の水
    溶解度を有する疎水性有機溶媒に対して炭素数1〜3の
    アルコールは0.05〜20の重量比である混合溶媒と
    媒体中15重量%以下の水とからなる媒体を含有する反
    応混合物を、反応混合物中に存在するアルカリが除去さ
    れ又は当量以上の酸で中和された状態で、0〜100℃
    で熟成することにより、疎水性コロイド状シリカが分散
    したシリル化処理シリカゾルを生成させる工程、及び (B)(A)工程で生成した当該シリル化処理シリカゾ
    ルを蒸留することにより、当該シリル化処理シリカゾル
    の媒体が当該疎水性有機溶媒に置換された疎水性オルガ
    ノシリカゾルを生成させる工程、からなる疎水性オルガ
    ノシリカゾルの製造方法。
  3. 【請求項3】 下記の工程(A)、(B)、(C)及び
    (D): (A)5.5〜550m2 /gの比表面積を有する親水
    性コロイド状シリカを5〜55重量%のSiO2 濃度で
    含有し、一般式(I) 【化3】 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ
    独立して炭素数1〜20のアルキル基及びフェニル基か
    らなる群から選ばれた1種の置換基で任意に置換されて
    いて良い。〕及び/又は一般式(II) 【化4】 〔式中、R7、R8及びR9 は、それぞれ独立して炭素数
    1〜20のアルキル基及びフェニル基からなる群から選
    ばれた1種の置換基で任意に置換されていて良い。Qは
    炭素数1〜3のアルキル基からなる群から選ばれた1種
    の置換基で任意に置換されていて良い。〕で表されるシ
    リル化剤を、当該親水性コロイド状シリカの表面積10
    0m2 当たりSi原子として0.03〜1.5ミリモル
    量比に含有し、且つその残余として0.1〜12重量%
    の水溶解度を有する疎水性有機溶媒に対して炭素数1〜
    3のアルコールは0.05〜20の重量比である混合溶
    媒と媒体中15重量%以下の水とからなる媒体を含有す
    る反応混合物を、反応混合物中に存在するアルカリを除
    去され又は当量以上の酸で中和された状態で、0〜10
    0℃で熟成することにより、疎水性コロイド状シリカが
    分散したシリル化予備処理シリカゾルを生成させる工
    程、 (B)(A)工程で生成した当該シリル化予備処理シリ
    カゾルを蒸留することにより、当該シリル化予備処理シ
    リカゾルの媒体が0.1〜12重量%の水溶解度を有す
    る疎水性有機溶媒に対して炭素数1〜3のアルコールが
    0.05〜5重量比となるまで当該疎水性有機溶媒に置
    換されたアルコール含有疎水性オルガノシリカゾルを生
    成させる工程、 (C)(B)工程で生成したアルコール含有疎水性オル
    ガノシリカゾルに、前記一般式(I)及び/又は前記一
    般式(II)で表されるシリル化剤の(A)工程と(C)
    工程とでの添加含有量を、当該アルコール含有疎水性オ
    ルガノシリカゾル中の疎水性コロイド状シリカの原料で
    ある親水性コロイド状シリカの表面積100m2 当たり
    Si原子として0.05〜2ミリモル量比に含有し、且
    つその残余として0.1〜12重量%の水溶解度を有す
    る疎水性有機溶媒に対して炭素数1〜3のアルコールは
    0.05〜5の重量比である混合溶媒と媒体中15重量
    %以下の水とからなる媒体を含有する反応混合物を生成
    させ、0〜100℃で熟成することにより、疎水性コロ
    イド状シリカが分散したシリル化処理シリカゾルを生成
    させる工程、及び (D)(C)工程で生成した当該シリル化処理シリカゾ
    ルを蒸留することにより、当該シリル化処理シリカゾル
    の媒体が当該疎水性有機溶媒に置換された疎水性オルガ
    ノシリカゾルを生成させる工程、からなる疎水性オルガ
    ノシリカゾルの製造方法。
  4. 【請求項4】シリル化剤として、ヘキサメチルジシロキ
    サンを用いることを特徴とする請求項1、2又は3に記
    載の疎水性オルガノシリカゾルの製造方法。
  5. 【請求項5】シリル化剤として、トリメチルメトキシシ
    ラン、トリメチルエトキシシラン及びトリメチルプロポ
    キシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種を用
    いることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の疎水
    性オルガノシリカゾルの製造方法。
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