JPWO2015186596A1 - 表面改質シリカナノ粒子の製造方法、および表面改質シリカナノ粒子 - Google Patents

表面改質シリカナノ粒子の製造方法、および表面改質シリカナノ粒子 Download PDF

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Abstract

[課題]有機分散媒に高度に分散し、高い透明性および保存安定性を有する表面改質シリカナノ粒子分散液を提供する。[解決手段]表面改質シリカナノ粒子を製造する方法であって、シリカナノ粒子と水性分散媒とを含む第1のシリカナノ粒子分散液を用意する工程と、前記第1のシリカナノ粒子分散液における前記水性分散媒を、環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒で置換して第2のシリカナノ粒子分散液を得る工程と、前記第2のシリカナノ粒子分散液に式(1):(式中、R1は、それぞれ独立して、C1〜C20の炭化水素基であり、R2は、C1〜C3の炭化水素基である。)で表わされるシランカップリング剤を加えて、シリカナノ粒子の表面を改質する工程とを含む、方法である。

Description

本発明は、表面改質シリカナノ粒子の製造方法、および表面改質シリカナノ粒子に関する。本発明はまた、表面改質シリカナノ粒子の分散液にも関する。
ナノテクノロジーの進展に伴い、ナノサイズのシリカ粒子からなるコロイダルシリカ材料も広く用いられるようになってきた。コロイダルシリカは、配合された材料の熱的特性や機械的特性を向上させることが知られており、種々の樹脂や分散媒に添加されて用いられている。しかし、一般的に市販されているコロイダルシリカは水性のコロイド状態のものか粉体状のものであるため、有機分散媒や樹脂に配合する場合に分散性が良好では無かった。したがって、このような分散性の課題を解決するために、非水性コロイド(オルガノゾルともいう)が求められてきた。
これまで、非水性コロイドを製造するためにコロイダルシリカの表面を改質(疎水化)し、有機分散媒に均一に分散可能なオルガノゾル材料を製造をする様々な試みがなされてきた(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開平11−43319号公報 特開2009−155138号公報 特開2012−214554号公報 特開2001−213617号公報
しかしながら、上述の方法では、有機分散媒または樹脂に分散したコロイダルシリカ材料が得られるものの、分散液の透明性の面ではさらに改良の余地があった。本発明者らはこのような課題を解決する方法について検討し、シリカナノ粒子と水性分散媒とを含むシリカナノ粒子分散液から、水性分散媒を環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒で置換し、さらに特定のシランカップリング剤を用いてシリカナノ粒子の表面改質を行うことで、有機分散媒に分散させた際に高い分散性および透明性、ならびに保存安定性を示す表面改質シリカナノ粒子が得られるとの知見を得た。本発明は、係る知見に基づいてなされたものである。
したがって、本発明の目的は、有機分散媒に分散した場合に高い分散性および透明性、ならびに保存安定性を示す表面改質シリカナノ粒子の製造方法、および表面改質シリカナノ粒子を提供することである。
本発明の別の目的は、本発明による方法で製造した表面改質シリカナノ粒子を有機分散媒に分散させた、表面改質シリカナノ粒子分散液を提供することである。
本発明の一態様によれば、表面改質シリカナノ粒子を製造する方法であって、
シリカナノ粒子と水性分散媒とを含む第1のシリカナノ粒子分散液を用意する工程と、
前記第1のシリカナノ粒子分散液における前記水性分散媒を、環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒で置換して第2のシリカナノ粒子分散液を得る工程と、
前記第2のシリカナノ粒子分散液に、式(1):
Figure 2015186596
(式中、Rは、それぞれ独立して、C〜C20の炭化水素基であり、Rは、C〜Cの炭化水素基である。)
で表わされるシランカップリング剤を加えて、シリカナノ粒子の表面を改質する工程と
を含む、方法が提供される。
また、本発明の好ましい態様によれば、
上記態様における有機分散媒が、式(2):
Figure 2015186596
(式中、Xは、OまたはNRであり、Rは、HまたはC〜Cの炭化水素基であり、nは2〜5の整数である。)
で表わされる環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒である、方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の方法で得られる表面改質シリカナノ粒子、および該表面改質シリカナノ粒子を有機分散媒に分散することで得られる表面改質シリカナノ粒子分散液が提供される。
本発明によれば、種々の有機分散媒に良好に分散し、透明性の高いシリカナノ粒子分散液をもたらす表面改質シリカナノ粒子とその製造方法を提供することができる。
[表面改質シリカナノ粒子の製造方法]
以下、本発明による表面改質シリカナノ粒子の製造方法を具体的に説明する。本発明による表面改質シリカナノ粒子の製造方法は、シリカナノ粒子と水性分散媒とを含む第1のシリカナノ粒子分散液を用意する工程と、第1のシリカナノ粒子分散液における水性分散媒を環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒で置換し、第2のシリカナノ粒子分散液を得る工程(置換工程)と、第2のシリカナノ粒子分散液に特定のシランカップリング剤を加えてシリカナノ粒子の表面を改質する工程(表面改質工程)とを含む。各工程について、より詳細に説明すると以下の通りである。
<第1のシリカナノ粒子分散液を用意する工程>
本発明による表面改質シリカナノ粒子の製造方法においては、まず、シリカナノ粒子と水性分散媒とを含む第1のシリカナノ粒子分散液を用意する。ここで、第1のシリカナノ粒子分散液は、水性分散媒にシリカナノ粒子を加えて撹拌することで用意することができる。あるいは、コロイダルシリカのような市販のシリカナノ粒子分散液を用意してもよい。
シリカナノ粒子としては、例えば、燃焼法等の乾式法で得られた乾式シリカ(ヒュームドシリカとも言う)、沈降法、ゲル法、ゾルゲル法等の湿式法で得られた湿式シリカ等を用いることができる。また、シリカナノ粒子として、株式会社トクヤマ製のレオロシール(登録商標)シリーズの乾式シリカ等の市販品を用いることもできる。本発明に用いられるシリカナノ粒子の粒子径は、体積平均粒子径で100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。このような体積平均粒子径は動的光散乱法(DLS: Dynamic Light Scattering)に準拠して、日機装製のナノトラック粒度分析計等の装置によって測定することができる。
本発明に用いる水性分散媒は、主に水からなり、必要に応じて他の成分を少量含んでいてもよいが、水以外の成分は全体の30重量%以下であることが好ましい。
第1のシリカナノ粒子分散液におけるシリカナノ粒子の濃度は、適宜選択することができるが、10〜60重量%の範囲内であることが好ましく、20〜50重量%の範囲内であることがより好ましい。
本発明に用いることができる市販のシリカナノ粒子水性分散液としては、例えば、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製のKlebosol(登録商標)シリーズ、日産化学工業株式会社製のスノーテックス(登録商標)シリーズ、扶桑化学工業株式会社製のクォートロン(登録商標)PLEASEシリーズ、および株式会社ADEKA製のアデライト(登録商標)ATシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<置換工程>
本発明による表面改質シリカナノ粒子の製造方法において、第1のシリカナノ粒子分散液における水性分散媒を環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒で置換することによって、シリカナノ粒子が有機分散媒に分散した第2のシリカナノ粒子分散液を得る。
上記第1のシリカナノ粒子分散液から、水性分散媒を有機分散媒に置換する際、環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒が用いられる。理論に拘束されるものではないが、これらの有機分散媒を媒体として用いることで、これら分散媒がナノ粒子表面を覆い、分散状態を維持すると共に、シリコンカップリング剤と反応させる際の反応効率の向上と、副反応を抑制するという効果が奏されているものと考えられる。そのような環状エステルまたは環状アミドとしては、室温で液体状のものであれば特に限定されるものではないが、下記式(2):
Figure 2015186596
(式中、Xは、OまたはNRであり、Rは、HまたはC〜Cの炭化水素基であり、nは2〜5の整数である。)
で表わされる環状エステルまたは環状アミドを用いることが好ましい。このような式(2)を満たす環状エステルとしては、β−プロピオラクトン(四員環)(n=2)、γ−ブチロラクトン(五員環)(n=3)、δ−バレロラクトン(六員環)(n=4)、ε−カプロラクトン(七員環)(n=5)等が挙げられる。環状アミドとしては、Rが水素の場合、β−ラクタム(四員環)(n=2)、γ−ラクタム(五員環)(n=3)、δ−ラクタム(六員環)(n=4)等が挙げられる。また、RがC〜Cの炭化水素基の場合、1−メチル−2−ピロリドン(五員環)(n=3)、1−メチル−2−ピペリドン(六員環)(n=4)等が挙げられる。その中でも特に、取扱性(コストが高くなりすぎると好ましくない)や作業性(水との沸点の差が低過ぎたり高過ぎたりすると好ましくない)の観点から、γ−ブチロラクトン(沸点:205℃)を用いることが特に好ましい。なお、本明細書において「室温」とは、20〜30℃の温度を意味するものとする。
第2のシリカナノ粒子分散液には、上記有機分散媒に加えて、エーテル類、非環状エステル類、非環状アミド類及びこれらの混合物から選択されるさらなる分散媒が含まれていてもよい。例えば、エーテル類としては、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンおよびビス(2−メトキシエチル)エーテルなどが挙げられ、非環状エステル類としては、酢酸エチルおよびプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート(PGMEA)などが挙げられ、非環状アミド類としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのさらなる分散媒は、環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒に対して、最大で15重量%程度の量まで含まれていてもよい。
分散媒の置換は、公知の任意の方法を用いて行うことができる。したがって、遠心分離を行って水性分散媒を除去した後に、有機分散媒を加えることで分散媒を置換してもよい。あるいはロータリーエバポレーターなどを用いた減圧蒸留によって行ってもよく、または限外濾過膜等の分離膜を用いて行ってもよい。分散媒の置換は、必要に応じて、室温で行ってもよく、加熱しながら行ってもよい。分散媒の置換を行った後、第2のシリカナノ粒子分散液の分散媒は、実質的に有機分散媒のみからなり、水性分散媒の含有量は1%以下とすることが好ましい。
水性分散媒を有機分散媒で置換する前に、水性分散媒に該有機分散媒の沸点よりも30℃以上低い沸点を有する1種以上のアルコール類を加えることができる。このようなアルコール類を加えることにより、共沸によって分散媒の置換工程の時間が短縮できる。用いられる有機分散媒の種類にもよるが、使用できる可能性のある比較的沸点の低いアルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(またはイソプロピルアルコール(IPA))および1−メトキシ−2−プロパノール(またはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME))等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。このようなアルコール類は、水性分散液に対して、重量比で、3〜10倍の量を用いることが好ましく、5〜8倍の量を用いることがさらに好ましい。
第2のシリカナノ粒子分散液におけるシリカナノ粒子の濃度は、適宜選択することができるが、1〜45重量%の範囲内であることが好ましく、10〜30重量%の範囲内であることがより好ましい。第2のシリカナノ粒子分散液におけるシリカナノ粒子の濃度をこの範囲内に調整することで、分散液の粘性が高くなり過ぎるのを抑制し、良好な作業効率を維持することができる。
<表面改質工程>
本発明による製造方法における表面改質工程は、上記置換工程で得られた第2のシリカナノ粒子分散液に、下記式(1):
Figure 2015186596
(式中、Rは、それぞれ独立して、C〜C20の炭化水素基であり、Rは、C〜Cの炭化水素基である。)
で表わされるシランカップリング剤を加えることで行われる。このような式(1)を満たすシランカップリング剤としては、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、メトキシトリプロピルシラン、メトキシトリブチルシラン、エトキシトリプロピルシラン、エトキシトリブチルシラン、プロポキシトリメチルシラン、アリルオキシトリメチルシラン、メトキシメチルジエチルシラン、メトキシ(ジメチル)ブチルシラン、メトキシ(ジメチル)オクチルシラン、メトキシ(ジメチル)デシルシラン、メトキシ(ジメチル)テトラデシルシラン、メトキシ(ジメチル)オクタデシルシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面改質工程に用いるシランカップリング剤の量は、シランカップリング剤の種類によって適宜選択することができるが、シリカナノ粒子表面に存在するシラノール基数に対して、モル比で、2〜5倍程度の量を加えることが好ましい。ここで、シリカナノ粒子表面に存在するシラノール基の数はIlerによる文献「The Chemistry of Silica: Solubility, Polymerization, Colloid and Surface Properties and Biochemistry of Silica 著者Ralph K. Iler 1979 by John Wiley & Sons, Inc.」に記載の方法によって測定することができる。この文献には、シリカ表面1nm(100Å)当たりに4〜5個の水酸基が存在すると記載されている。したがって、この方法に準拠すれば、直径25nm(半径r=25nm/2)の球状シリカを使用した場合、表面積(S=4πr)を計算し、この値の4〜5倍の値を水酸基(シラノール基)の数とすることができる。なおこの文献によれば、高温で処理したアモルファスシリカの表面には一般的に1nm当たり約4.6個の水酸基が観測されるため、本明細書においては球状シリカの表面積を4.6倍した値を水酸基(シラノール基)の数とする。
表面改質工程は、室温で行ってもよいが、必要に応じて加熱してもよい。また、反応の促進および均一化の観点から、第2のシリカナノ粒子分散液に上記のシランカップリング剤を加え、マグネティックスターラーなどで撹拌することが好ましい。なお、表面改質工程を行う時間は、温度や用いるシリカナノ粒子の量によって適宜選択することができる。
上記表面改質工程によって分散媒中に分散したシリカナノ粒子の表面が改質される。理論に拘束されるものではないが、シリカナノ粒子の表面に存在するシラノール基の少なくとも一部が、上記式(1)で表わされるシランカップリング剤と反応し、シリカナノ粒子表面に−OSiR 基を形成し、これによりシリカナノ粒子表面の水性分散媒および有機分散媒に対する親和性が変化しているものと考えられる。この表面改質により、シリカナノ粒子が有機分散媒に分散した際に高い透明性を示すことができる。
表面改質後の表面分析は、FT−IR(日本分光株式会社製 FT/IR-4000)を用いて特開平6−92621に記載の方法によって行うことができる。具体的には、表面改質前後のシリカ粒子のFT−IR吸収スペクトルを比較し、Si−OH由来のピーク(3400〜3500cm-1)における変化を観察することで、シリカナノ粒子の表面がシランカップリング剤で改質されたかを判断することができる。
ここで、表面改質シリカナノ粒子分散液の透明性は、目視による官能評価によって評価することができる。また、表面改質シリカナノ粒子分散液の分散性も、目視によって評価することができる。
また、驚くべきことに、本発明者らは、シランカップリング剤の種類を変えることで、表面改質シリカナノ粒子を分散した際に高い透明度を示す有機分散媒の種類を選択することができるとの予想外の知見を得た。具体的には、全てのRが、C〜Cの炭化水素基である式(1)で表わされるシランカップリング剤を用いた場合、表面改質シリカナノ粒子は親水性有機分散媒に対して、高い分散性および透明性、ならびに保存安定性を示す。そのようなシランカップリング剤としては、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、メトキシトリプロピルシラン、メトキシトリブチルシラン、エトキシトリプロピルシラン、エトキシトリブチルシラン、プロポキシトリメチルシラン、アリルオキシトリメチルシラン、メトキシメチルジエチルシラン、およびメトキシ(ジメチル)ブチルシラン等が挙げられる。また、そのような親水性有機分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類(環状エステル類)、および2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類(環状アミド類)が挙げられる。
一方、Rの少なくとも1つが、C〜C20の炭化水素基である式(1)で表わされるシランカップリング剤を用いた場合、疎水性有機分散媒に対して高い分散性および透明性、ならびに保存安定性を示す。そのようなシランカップリング剤としては、メトキシ(ジメチル)オクチルシラン、メトキシ(ジメチル)デシルシラン、メトキシ(ジメチル)テトラデシルシラン、メトキシ(ジメチル)オクタデシルシラン等が挙げられる。また、そのような疎水性有機分散媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の直鎖状脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、デカリン(デカヒドロナフタレン)等の環状脂肪族炭化水素類、およびベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。親水性有機分散媒としては、γ−ブチロラクトンおよびN−メチル−2−ピロリドンが好ましく、疎水性有機分散媒としては、ヘキサン、デカリンおよびトルエンが好ましい。また、上記の分散媒選択性の効果は、式(1)で表わされるシランカップリング剤の3つのRのうち、2つのRが短鎖の炭化水素基(例えばC〜Cの炭化水素基)である場合に特に顕著に現われる。
<任意の工程>
本発明による表面改質シリカナノ粒子は、上記表面改質工程を経た後、そのまま使用することもできるが、さらに濾過および乾燥工程を経てから使用してもよい。濾過および乾燥工程を経ることで、粉末状の表面改質シリカナノ粒子を得ることができ、保管面および輸送面において分散液の場合よりも好ましい。したがって、本発明による表面改質シリカナノ粒子の製造方法は、シリカナノ粒子の表面を改質する工程の後に、第2のシリカナノ粒子分散液を濾過し、乾燥する工程をさらに含むことが好ましい。なお、表面改質工程後の分散液中に沈殿等が生じておらず、濾過ができない場合は、分散液を水に投入して沈殿物を生じさせた後に濾過をしてもよい。濾過後に表面改質シリカナノ粒子を再度有機分散媒に分散することで、表面改質シリカナノ粒子分散液を得ることができる。
さらに、本発明による表面改質シリカナノ粒子の製造方法は、上記濾過および乾燥工程の間に、表面改質シリカナノ粒子の洗浄工程をさらに含んでいてもよい。洗浄にはアルコール等の任意の洗浄液を用いることができる。このような洗浄工程により、表面改質工程後に残留したシランカップリング剤や環状エステルおよび環状アミドなどを除去することができる。このようにして得られた表面改質シリカナノ粒子を所望の有機分散媒に分散させることで、より不純物の少ない表面改質シリカナノ粒子分散液を得ることができる。
[表面改質シリカナノ粒子]
本発明による製造方法によって得られた表面改質シリカナノ粒子は、有機分散媒に分散した場合に高い分散性および透明性、ならびに保存安定性を示すことができる。表面改質シリカナノ粒子の粒子径は、体積平均粒子径で100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。このような体積平均粒子径は動的光散乱法(DLS: Dynamic Light Scattering)に準拠して、日機装製のナノトラック粒度分析計等の装置によって測定することができる。
[表面改質シリカナノ粒子分散液]
上記の表面改質シリカナノ粒子を、所望の有機分散媒に分散することで表面改質シリカナノ粒子分散液を得ることができる。分散液中の表面改質シリカナノ粒子の濃度は、適宜選択することができるが、3〜40重量%の範囲内であることが好ましく、5〜30重量%の範囲内であることがより好ましい。この範囲内であれば、本発明による表面改質シリカナノ粒子は分散性および透明性、ならびに保存安定性を良好に示すことができる。
本発明を諸例により具体的に説明すると以下の通りである。
[実施例1]
(1)GBLを使用した第2のシリカナノ粒子分散液の調製
シリカゾル(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製:Klebosol 30HB 25K、SiO濃度:30重量%、平均粒子径:25nm)の水性分散液(30.0g)に、環状エステルとしてγ−ブチロラクトン(GBL)を13.5g(シリカゾルの水性分散液に対して0.45倍の重量)加えて撹拌し、ロータリーエバポレーターで減圧蒸留することによりシリカゾルの水性分散媒をγ−ブチロラクトンで置換した、SiO濃度が40重量%、かつ、水の濃度が1重量%以下であるシリカナノ粒子−GBL分散液(22.5g)を調製した。
(2)シリカナノ粒子の表面改質
撹拌器を取り付けた反応器に上記した分散媒置換工程後のシリカナノ粒子−GBL分散液(9.275g)、メトキシトリメチルシラン(1.69g)、およびγ−ブチロラクトン(38.16g)を加え、撹拌した。その後、室温にて48時間反応させた。反応分散液を水(300g:反応分散液に対して約5倍量)に投入し、沈殿物をろ過した。ろ過後、ろ過物をイソプロピルアルコールで洗浄して、40℃で真空乾燥することにより生成物(表面改質シリカナノ粒子)を収率85%で得た。
生成物の分散性および透明性を確認したところ、親水性有機分散媒であるγ−ブチロラクトンおよびN−メチル−2−ピロリドンに対して、5重量%、15重量%および30重量%の濃度において、良好な分散性と透明性を示した。得られた表面改質シリカナノ粒子のγ−ブチロラクトン分散液およびNMP分散液は、それぞれ孔径0.20μmのミクロフィルター(MILLIPORE社製のMillex(登録商標)-FG(Syring-driven Filter Unit) Hydrophobic FluoroporeTM (PTFE)Membrane for Fine Particle Removal from Organic Solution)でろ過することができた。
[実施例2]
(1)GBLを使用した第2のシリカナノ粒子分散液の調製
実施例1に記載の方法と同様の方法で、第2のシリカナノ粒子分散液を調製した。
(2)シリカナノ粒子の表面改質
撹拌器を取り付けた反応器に上記した分散媒置換工程後のシリカナノ粒子−GBL分散液(9.275g)、メトキシ(ジメチル)オクチルシラン(3.29g)、およびγ−ブチロラクトン(38.16g)を加え、撹拌した。その後、室温にて48時間反応させ、析出物をろ過した。ろ過後、ろ過物をイソプロピルアルコールで洗浄して、40℃で真空乾燥することにより生成物(表面改質シリカナノ粒子)を収率83%で得た。
生成物の分散性および透明性を確認したところ、疎水性有機分散媒であるデカリンおよびトルエンなどに対して、5重量%、15重量%および30重量%の濃度において、良好な分散性と透明性を示した。表面改質シリカナノ粒子のデカリン分散液およびトルエン分散液は、それぞれ孔径0.20μmのミクロフィルター(MILLIPORE社製のMillex(登録商標)-FG(Syring-driven Filter Unit) Hydrophobic FluoroporeTM (PTFE)Membrane for Fine Particle Removal from Organic Solution)でろ過することができた。
[実施例3]
(1)GBLを使用した第2のシリカナノ粒子分散液の調製
実施例1に記載の方法と同様の方法で、第2のシリカナノ粒子分散液を調製した。
(2)シリカナノ粒子の表面改質
撹拌器を取り付けた反応器に上記した分散媒置換工程後のシリカナノ粒子−GBL分散液(9.275g)、メトキシ(ジメチル)オクタデシルシラン(5.565g)、およびGBL(38.16g)を加え、撹拌した。その後、室温にて48時間反応させ、析出物をろ過した。ろ過後、ろ過物をイソプロピルアルコールで洗浄して、40℃で真空乾燥することにより生成物(表面改質シリカナノ粒子)を収率87%で得た。
生成物の分散性および透明性を確認したところ、疎水性有機分散媒であるデカリンおよびトルエンなどに対して、5重量%、15重量%および30重量%の濃度において、良好な分散性と透明性を示した。表面改質シリカナノ粒子のデカリン分散液およびトルエン分散液は、それぞれ孔径0.20μmのミクロフィルター(MILLIPORE社製のMillex(登録商標)-FG(Syring-driven Filter Unit) Hydrophobic FluoroporeTM (PTFE)Membrane for Fine Particle Removal from Organic Solution)でろ過することができた。
[実施例4]
(1)IPAとGBLを使用した第2のシリカナノ粒子分散液の調製
シリカゾル(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製:Klebosol 30HB 25K、SiO濃度:30重量%、平均粒子径:25nm)の水性分散液(30.0g)に、イソプロパノール(IPA)を180g(シリカゾルの水性分散液に対して6倍の重量)と、環状エステルとしてγ−ブチロラクトン(GBL)を13.5g(シリカゾルの水性分散液に対して0.45倍の重量)加えて撹拌し、ロータリーエバポレーターで減圧蒸留することによりシリカゾルの水性分散媒をγ−ブチロラクトンで置換した。これにより、SiO濃度が40重量%、かつ、水およびIPAの濃度が1重量%以下であるシリカナノ粒子−GBL分散液(22.5g)を調製した。
(2)シリカナノ粒子の表面改質
実施例3に記載の方法と同様の方法でシリカナノ粒子の表面改質を行い、表面改質シリカナノ粒子を得た。
得られた表面改質シリカナノ粒子の分散性および透明性を確認したところ、疎水性有機分散媒であるデカリンおよびトルエンなどに対して、5重量%、15重量%および30重量%の濃度において、良好な分散性と透明性を示した。なお、30重量%の濃度においてはわずかに白濁が認められたが、問題とならない程度であった。表面改質シリカナノ粒子のデカリン分散液およびトルエン分散液は、それぞれ孔径0.20μmのミクロフィルター(MILLIPORE社製のMillex(登録商標)-FG(Syring-driven Filter Unit) Hydrophobic FluoroporeTM (PTFE)Membrane for Fine Particle Removal from Organic Solution)でろ過することができた。
[実施例5]
(1)DVLを使用した第2のシリカナノ粒子分散液の調製
シリカゾル(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製:Klebosol 30HB 25K、SiO濃度:30重量%、平均粒子径:25nm)の水性分散液(30.0g)に、環状エステルとしてδ−バレロラクトン(DVL)を13.5g(シリカゾルの水性分散液に対して0.45倍の重量)加えて撹拌し、ロータリーエバポレーターで減圧蒸留することによりシリカゾルの水性分散媒をδ−バレロラクトンで置換した、SiO濃度が40重量%、かつ、水の濃度が1重量%以下であるシリカナノ粒子−DVL分散液(22.5g)を調製した。
(2)シリカナノ粒子の表面改質
GBLの代わりにDVLを加えた以外は、実施例3に記載の方法と同様の方法でシリカナノ粒子の表面改質を行い、表面改質シリカナノ粒子を得た。
得られた表面改質シリカナノ粒子の分散性および透明性を確認したところ、疎水性有機分散媒であるデカリンおよびトルエンなどに対して、5重量%、15重量%および30重量%の濃度において、良好な分散性と透明性を示した。なお、30重量%の濃度においてはわずかに白濁が認められたが、問題とならない程度であった。表面改質シリカナノ粒子のデカリン分散液およびトルエン分散液は、それぞれ孔径0.20μmのミクロフィルター(MILLIPORE社製のMillex(登録商標)-FG(Syring-driven Filter Unit) Hydrophobic FluoroporeTM (PTFE)Membrane for Fine Particle Removal from Organic Solution)でろ過することができた。
[実施例6]
(1)EHLを使用した第2のシリカナノ粒子分散液の調製
シリカゾル(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製:Klebosol 30HB 25K、SiO濃度:30重量%、平均粒子径:25nm)の水性分散液(30.0g)に、環状エステルとしてε−カプロラクトン(EHL)を13.5g(シリカゾルに対して0.45倍の重量%)加えて撹拌し、ロータリーエバポレーターで減圧蒸留することによりシリカゾルの水性分散媒をε−カプロラクトンで置換した、SiO濃度が40重量%、かつ、水の濃度が1重量%以下であるシリカナノ粒子−EHL分散液(22.5g)を調製した。
(2)シリカナノ粒子の表面改質
GBLの代わりにEHLを加えた以外は、実施例3に記載の方法と同様の方法でシリカナノ粒子の表面改質を行い、表面改質シリカナノ粒子を得た。
得られた表面改質シリカナノ粒子の分散性および透明性を確認したところ、疎水性有機分散媒であるデカリンおよびトルエンなどに対して、5重量%、15重量%および30重量%の濃度において、良好な分散性と透明性を示した。なお、30重量%の濃度においてはわずかに白濁が認められたが、問題とならない程度であった。表面改質シリカナノ粒子のデカリン分散液およびトルエン分散液は、それぞれ孔径0.20μmのミクロフィルター(MILLIPORE社製のMillex(登録商標)-FG(Syring-driven Filter Unit) Hydrophobic FluoroporeTM (PTFE)Membrane for Fine Particle Removal from Organic Solution)でろ過することができた。
[実施例7]
(1)NMPを使用した第2のシリカナノ粒子分散液の調製
シリカゾル(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製:Klebosol 30HB 25K、SiO濃度:30重量%、平均粒子径:25nm)の水性分散液(30.0g)に、環状アミドとして1−メチル−2−ピロリドン(NMP)を13.5g(シリカゾルに対して0.45倍の重量%)加えて撹拌し、ロータリーエバポレーターで減圧蒸留することによりシリカゾルの水性分散媒を1−メチル−2−ピロリドンで置換した、SiO濃度が40重量%、かつ、水の濃度が1重量%以下であるシリカナノ粒子−NMP分散液(22.5g)を調製した。
(2)シリカナノ粒子の表面改質
GBLの代わりにNMPを加えた以外は、実施例3に記載の方法と同様の方法でシリカナノ粒子の表面改質を行い、表面改質シリカナノ粒子を得た。
得られた表面改質シリカナノ粒子の分散性および透明性を確認したところ、疎水性有機分散媒であるデカリンおよびトルエンなどに対して、5重量%、15重量%および30重量%の濃度において、良好な分散性と透明性を示した。なお、30重量%の濃度においてはわずかに白濁が認められたが、問題とならない程度であった。表面改質シリカナノ粒子のデカリン分散液およびトルエン分散液は、それぞれ孔径0.20μmのミクロフィルター(MILLIPORE社製のMillex(登録商標)-FG(Syring-driven Filter Unit) Hydrophobic FluoroporeTM (PTFE)Membrane for Fine Particle Removal from Organic Solution)でろ過することができた。
[比較例1]
水/アルコール分散液におけるシリカナノ粒子の表面改質
撹拌器を取り付けた反応器にシリカゾル(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製:Kleboso1 30HB 25K、SiO濃度:30重量%、平均粒子径:25nm)の水性分散液(7.64g)と、メトキシ(ジメチル)n−オクタデシルシラン(3.44g)と、純水(0.05g)と、イソプロピルアルコール(21.61g)を加え、撹拌した。その後、室温にて48時間反応させ、析出物をろ過した。ろ過後、ろ過物をイソプロピルアルコールで洗浄して、40℃で真空乾燥することにより生成物(表面改質シリカナノ粒子)を収率88%で得た。
生成物の分散性を確認したところ、疎水性有機分散媒であるデカリンおよびトルエンなどに対して、5重量%の濃度で、良好な分散性を示した。しかしながら、白濁が観測され、透明性は劣っていた。さらに、表面改質シリカナノ粒子のデカリン分散液およびトルエン分散液を、それぞれ孔径0.20μmのミクロフィルター(MILLIPORE社製のMillex(登録商標)-FG(Syring-driven Filter Unit) Hydrophobic FluoroporeTM (PTFE)Membrane for Fine Particle Removal from Organic Solution)でろ過をしたところ、ろ過をすることができず、シリカナノ粒子の凝集が確認された。
[比較例2]
トリアルコキシルモノアルキルシランカップリング剤を用いたシリカナノ粒子の表面改質
撹拌器を取り付けた反応器に、実施例1に記載の方法と同様の方法による分散媒置換工程後のシリカナノ粒子−GBL分散液(3.01g)と、γ−ブチロラクトン(31.39g)と、n−オクタデシルトリメトキシシラン(1.57g)を加え、撹拌した。その後、室温にて48時間反応させ、析出物をろ過した。ろ過後、ろ過物をイソプロピルアルコールで洗浄して、40℃で真空乾燥することにより生成物(表面改質シリカナノ粒子)を収率90%で得た。
生成物の分散性を確認したが、5重量%の濃度で、疎水性有機分散媒であるデカリンおよびトルエンなど、および親水性有機分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンおよびγ−ブチロラクトンなどのいずれにも分散性が低かった。
<平均粒子径の測定>
上記実施例1〜7において得られた表面改質シリカナノ粒子の平均粒子径は、動的光散乱法(日機装製:ナノトラック粒度分析計)により測定した。測定には、表面改質シリカナノ粒子を各分散媒に分散させて調製した、1重量%のオルガノゾル分散液を使用した。
平均粒子径の値として、中央粒子径(D50)を用いた。なお、比較例1において得られた表面改質シリカナノ粒子の平均粒子径は、動的光散乱法で測定を行うことができなかった。また、粒子が孔径0.20μmのフィルタを通過しなかったため、比較例1において得られた表面改質シリカナノ粒子の平均粒子径は、0.2μm超とした。
<透明性の評価>
上記実施例1〜7および比較例1〜2において得られた表面改質シリカナノ粒子分散液の透明性は、以下の基準に従って評価した。
透明性が非常に高く、白濁が全く認められない :A
僅かに白濁しているが問題にならない :B
白濁が認められる :C
白濁が明らかに認められる :D
<分散性の評価>
上記実施例1〜7および比較例1〜2において得られた表面改質シリカナノ粒子分散液の分散性は、以下の基準に従って評価した。
沈殿が観察されなかった :A
沈殿が観察された :B
<保存安定性の評価>
保存安定性については、上記実施例1〜7および比較例1〜2において得られた表面改質シリカナノ粒子分散液を、密閉容器中、室温で、3ヶ月保管した後に評価した。評価は、目視による透明性の変化の有無、動的光散乱法による粒子径増加の有無、及び粒子の沈降の有無について行った。
上記実施例1〜7および比較例1〜2において得られた表面改質シリカナノ粒子分散液についての評価結果を、下記表1〜3にまとめる。
Figure 2015186596
Figure 2015186596
Figure 2015186596
本発明に用いることができる市販のシリカナノ粒子水性分散液としては、例えば、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製のKlebosol(登録商標)シリーズ、日産化学工業株式会社製のスノーテックス(登録商標)シリーズ、扶桑化学工業株式会社製のクォートロン(登録商標)PLシリーズ、および株式会社ADEKA製のアデライト(登録商標)ATシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

Claims (10)

  1. 表面改質シリカナノ粒子を製造する方法であって、
    シリカナノ粒子と水性分散媒とを含む第1のシリカナノ粒子分散液を用意する工程と、
    前記第1のシリカナノ粒子分散液における前記水性分散媒を、環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒で置換して第2のシリカナノ粒子分散液を得る工程と、
    前記第2のシリカナノ粒子分散液に式(1):
    Figure 2015186596
    (式中、Rは、それぞれ独立して、C〜C20の炭化水素基であり、Rは、C〜Cの炭化水素基である。)
    で表わされるシランカップリング剤を加えて、シリカナノ粒子の表面を改質する工程と
    を含む、方法。
  2. 前記シランカップリング剤の全てのRが、C〜Cの炭化水素基である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シランカップリング剤のRの少なくとも1つが、C〜C20の炭化水素基である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記有機分散媒が、式(2):
    Figure 2015186596
    (式中、Xは、OまたはNRであり、Rは、HまたはC〜Cの炭化水素基であり、nは2〜5の整数である。)
    で表わされる環状エステルおよび環状アミドから選択される少なくとも1種類を含む有機分散媒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第2のシリカナノ粒子分散液が、エーテル類、非環状エステル類、非環状アミド類及びこれらの混合物から選択されるさらなる分散媒を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記水性分散媒を前記有機分散媒で置換する前に、前記水性分散媒に前記有機分散媒の沸点よりも30℃以上低い沸点を有する1種以上のアルコール類を加える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記表面改質シリカナノ粒子の平均粒子径が100nm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記シリカナノ粒子の表面を改質する工程の後に、前記第2のシリカナノ粒子分散液を濾過し、乾燥する工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって得られる、表面改質シリカナノ粒子。
  10. 請求項9に記載の表面改質シリカナノ粒子を有機分散媒に分散することによって得られる、表面改質シリカナノ粒子分散液。
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