JP4803630B2 - 高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法 - Google Patents

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本発明は高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法に関する。本発明の目的は電子材料、膜材料、有機面の研磨剤等の素材として高濃度で疎水性有機溶媒に安定分散した高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法を提供することにある。
尚、本発明における高純度とは、シリカゾル固形分中の二酸化ケイ素含有量が99.9999%以上、金属不純物含有量が1ppm以下のことである。
従来、シリカゾルは分散媒が水であるために有機物との混合分散性が悪く、有機溶媒と十分混合又は反応させることが困難であった。従って、シリカゾルを広く有機工業に利用するためには、その分散媒を水から有機溶媒に換えた有機溶媒分散シリカゾルを製造する必要がある。
有機溶媒分散シリカゾルは、以下のような方法により製造されている。例えば、珪酸ナトリウムを原料として作られた酸性水性シリカゾルを濃縮し、イソプロピルアルコールなどのアルコールを添加して混合有機溶媒分散シリカゾルを得て、これにシランカップリング剤を添加してシリル化した後、メチルエチルケトン等の疎水性有機溶媒に溶媒置換する方法(特許文献1参照)、珪酸ナトリウムを原料とするアルカリ性水性シリカゾルをイオン交換樹脂で脱イオン化し、このゾルを限外濾過で濃縮後、加熱しつつイソプロパノール蒸気を吹き込む方法(特許文献2参照)などが挙げられる。
特開平11−43319号公報 特開平8−169709号公報
しかしながら、上述した珪酸ナトリウムを原料とする有機溶媒分散シリカゾルの製造方法では、有機溶剤分散シリカゾル中にナトリウム等の金属不純物が残留し、純度が低いといった問題があった。このため、このような製造方法によって製造された有機溶媒分散シリカゾルは、高純度であることが必要とされる半導体や液晶の素材として使用するには不十分であった。またシリカ粉末をシランカップリング剤によって表面処理した後、有機溶媒に分散させる方法は、微粒子の凝集の問題があり、特に粒子径がサブミクロンのサイズ以下のものを製造することは困難であった。
またアルコキシシラン類を出発原料とするコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムを原料とするコロイダルシリカと比較して、高濃度まで濃縮すると凝集、ゲル化しやすく、疎水性の強い有機溶媒中ではその傾向が高いため、膜材料などの配合時に不具合が生じていた。また、このゾルを様々な素材の原料として供給する場合、長期の保存安定性が必要となった。尚、凝集とは光子相関法にて測定されたシリカ微粒子の粒子径が初期の測定値の150%以上になったとき、または粘度が初期の測定値の2倍以上になったときのことをいう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、請求項に係る発明は、少なくとも以下の(a)〜(c)の各工程を含むことを特徴とする高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法に関する。
(a)アルコキシシランを原料由来とする高純度親水性有機溶媒分散シリカゾルの親水性有機溶媒を沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒で置換する第一の工程
(b)第一の工程で得られたシリカゾルを酸性下、シランカップリング剤で表面改質する第二の工程
(c)第二の工程で得られたシリカゾルの沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒を疎水性有機溶媒で置換する第三の工程
請求項に係る発明は、以下の(e)工程を含むことを特徴とする請求項に記載の高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法に関する。
(e)第三の工程で得られたシリカゾル中のシリカ濃度が20重量%を超えるように調整する第四の工程
請求項に係る発明は、前記シランカップリング剤の添加量が、数1の関係を充足することを特徴とする請求項1又は2に記載の高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法に関する。
Figure 0004803630
請求項に係る発明は、前記疎水性有機溶媒が、飽和脂肪族炭化水素類、不飽和脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類及び該芳香族炭化水素類のハロゲン化物、エーテル類から選ばれる1種以上である請求項1乃至3いずれかに記載の高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法に関する。
本発明に係る高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法は、シリカ微粒子の粒子径が500nm以下であり、シリカ濃度が20重量%超であっても、凝集せず、1年以上にわたって長期安定分散可能な高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルを製造することができる。
本発明における高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルは、疎水性有機溶媒にシリカ微粒子が高濃度であっても長期間安定に分散し、且つ高純度であるので、電子材料や膜材料、有機面の研磨材などの素材として好適に使用することができる。
以下、本発明に係る高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法について詳述する。
本発明において、高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルは、アルコキシシランを原料由来とする高純度親水性有機溶媒分散シリカゾルの分散媒を沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒で置換する第一の工程、第一の工程で得られたシリカゾルを酸性下、シランカップリング剤で表面改質する第二の工程、第二の工程で得られたシリカゾルの分散媒を疎水性有機溶媒で置換する第三の工程を含む方法によって製造することができる。
本発明に係る高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルを製造するための第一の工程は、アルコキシシランを原料由来とする高純度親水性有機溶媒分散シリカゾルの親水性有機溶媒を沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒で置換する工程である。
高純度親水性有機溶媒分散シリカゾルは、アルコキシシランを原料由来とする従来公知のあらゆる方法によって製造される親水性有機溶媒分散シリカゾルを使用することができる。高純度親水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法としては、加水分解可能なケイ素化合物、例えば、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラブチルシリケート、ジメチルジエチルシリケート等のアルコキシシラン類やテトラクロロシラン等のクロロシラン類を、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの親水性有機溶媒中で加水分解することにより得ることができる(ゾル−ゲル法)。また、水分散シリカゾルの分散媒である水を公知の方法、例えば限外濾過膜を使用して親水性有機溶媒と溶媒置換することにより得ることができる。
親水性有機溶媒は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルコール類などを例示することができる。
沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒としては、n−ブタノール、s−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数4以上の一価アルコール、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子アルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどを例示することができる。
特に本発明では、沸点が100〜200℃の両親媒性有機溶媒が好ましく、沸点が100〜150℃の両親媒性有機溶媒がより好ましい。
高純度親水性有機溶媒分散シリカゾルの親水性有機溶媒を沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒で置換する方法は特に限定されず、例えば、親水性有機溶媒分散シリカゾルを、親水性有機溶媒の沸点程度の温度に加熱しながら両親媒性有機溶媒を一定量ずつ滴下する方法を例示することができる。この際、置換操作は液温及び塔頂温が置換する溶媒の沸点に達するまで行うことが好ましい。
また、親水性有機溶媒分散シリカゾルを沈殿・分離、遠心分離等により親水性有機溶媒より分離した後に、沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒に再分散させる方法を例示することができる。
本発明に係る高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルを製造するための第二の工程は、第一の工程で得られたシリカゾルをシランカップリング剤で表面改質する工程である。
第一の工程で得られたシリカゾルをシランカップリング剤で表面改質するには、第一の工程で得られたシリカゾルに酸を添加して酸性に調整した後、シランカップリング剤を加え加熱還流を行うか又は両親媒性有機溶媒の沸点以下の温度、好ましくは100〜200℃程度に加熱することにより、表面改質を行うことができる。
酸・塩基を添加することで、表面改質処理を確実且つ速やかに行うことができる。ただし、塩基性下で処理すると粘度が上昇し、且つシリカ固形分濃度を20重量%以上に上げると不安定になるために、酸を使用することが望ましい。
酸は特に限定されないが、例えば、ギ酸、酢酸等の有機酸や、硫酸、塩酸などの無機酸、強酸性イオン交換樹脂等を例示することができ、酸の添加量は特に限定されないが、好ましくはシリカゾルに対して1〜30重量%が望ましい。またpH領域は特に限定されないが、pH4以下に調整することが望ましい。本発明では酢酸を用いることが工業的に好ましい。
第一の工程で得られたシリカゾルをシランカップリング剤で表面改質することにより、親水性であったシリカゾルを疎水性有機溶媒中で安定に分散させることができる。
使用することができるシランカップリング剤は特に限定されず、一般式1(化1)で示されるものを例示することができ、具体的には、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン等の分子中に一種又は二種以上の置換アルキル基、フェニル基、ビニル基、フルオロ基等を有するアルコキシシラン類;トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等のクロロシラン類などが挙げられる。本発明では、メチルメトキシシラン、メチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランを使用することが好ましい。
[化1]
RaMXb
(但し、Rはアルキル基、フルオロ基等の疎水基であり、MはSiであり、Xはハロゲン、アルコキシル基等の官能基であり、aは1〜3の整数であり、bは3〜1の整数である。)
シランカップリング剤の添加量は特に限定されないが、次式(数2)により算出された量に相当する量を添加することが好ましい。0.1より少ないと凝集沈殿物が発生する可能性がある。2.0より多くなるような量を添加すると、製造コストが増大することがある。
Figure 0004803630
本発明に係る高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルを製造するための第三の工程は、第二の工程で得られたシリカゾルの沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒を疎水性有機溶媒で置換する工程である。
第二の工程で得られたシリカゾルの沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒を疎水性有機溶媒で置換する方法は特に限定されず、例えば、第二の工程で得られたシリカゾルを加熱しながら疎水性有機溶媒を一定量ずつ滴下する方法を例示することができる。
この際、置換操作は液温及び塔頂温が置換する疎水性有機溶媒の沸点に達するまで行うことが好ましい。
また、第二の工程で得られたシリカゾルを沈殿・分離、遠心分離等により沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒より分離した後に、疎水性有機溶媒に再分散させる方法を例示することができる。
疎水性有機溶媒は、任意の疎水性有機溶媒を使用すればよく、例えば、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類及びそれらのハロゲン化物、エーテル類、エステル類、アルデヒド類、ケトン類等などが挙げられる。
具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンなどの飽和脂肪族炭化水素類、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどの不飽和脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、クロロホルム、エチレンクロライド、クロロベンゼンなどのハロゲン化物、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、ヘキサメチレンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ナフサ、白灯油などの石油留分類などを例示することができる。
特に本発明では、これらの疎水性有機溶媒のうち、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、メシチレンを用いることが好ましい。
さらに本発明では、必要に応じて上記第一から第三の工程に加えて、第三の工程で得られたシリカゾル中のシリカ濃度が20重量%を超えるように調整する第四の工程を付加することができる。
第三の工程で得られたシリカゾルのシリカ濃度を20重量%超となるように調整する方法は特に限定されず、例えば、このシリカゾルを常圧下又は減圧下で加熱濃縮すればよい。
シリカゾル中のシリカ濃度は20重量%以上であれば特に限定されず、好ましくは40重量%以上、より好ましくは40〜50重量%程度とされる。
こうして製造された本発明における高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルは、シリカ微粒子の粒子径は500nm以下、好ましくは10〜500nmであり、該シリカ微粒子を20重量%超、好ましくは40重量%以上、より好ましくは40〜50重量%含有する。
本発明における高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルは、沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒の存在下、シランカップリング剤で表面改質されたシリカ微粒子が疎水性有機溶媒に分散しているから、シリカ微粒子の含有量を20重量%超に調整しても、凝集やゲル化が起らず、長期保存安定に優れる。
またアルコシキシランの加水分解によって製造されたコロイダルシリカを原料とする本発明における高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルは、ナトリウム等の金属不純物の含有量が極めて少なく、具体的には、金属不純物含有量が1ppm以下の高純度の疎水性有機溶媒分散シリカゾルを得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(試料の調製;実施例1)
高純度メタノール分散シリカゾル(扶桑化学工業株式会社製、PL−7−MA、シリカ濃度15%、比表面積40m/g、比表面積換算の粒径70nm)1500gを常圧下で加熱蒸留しつつ、1−ブタノールの容量を一定に保ちながら滴下し、液温及び塔頂温が置換する溶媒の沸点に達した時点で終了して、1−ブタノール分散ゾルを得た。
このゾルに酢酸を300g添加して、しばらく攪拌した後、メチルトリメトキシシランを100g添加し、加熱還流を行った。このゾルに、常圧下で加熱蒸留しつつ、トルエンを容量を一定に保ちながら滴下し、液温及び塔頂温がトルエンの沸点で安定するところまでトルエン置換を行い、トルエン分散ゾルを得た。
このトルエン分散シリカゾルを、シリカ濃度が40%となるまで加熱濃縮を行い、高濃度シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例2)
実施例1のトルエンをキシレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%キシレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例3)
実施例1のトルエンをメシチレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%メシチレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例4)
実施例1の1−ブタノールを1−メトキシ−2−プロパノ−ルにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%トルエン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例5)
実施例4のトルエンをキシレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%キシレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例6)
実施例4のトルエンをメシチレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%メシチレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例7)
実施例1の1−ブタノールをエチレングリコールにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%トルエン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例8)
実施例7のトルエンをキシレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%キシレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例9)
実施例7のトルエンをメシチレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%メシチレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例10)
高純度メタノール分散シリカゾル(扶桑化学工業株式会社製、PL−10−MA、シリカ濃度15%、比表面積25m/g、比表面積換算の粒径110nm)1000gを常圧下で加熱蒸留しつつ、1−ブタノールの容量を一定に保ちながら滴下した。液温及び塔頂温が置換する溶媒の沸点に達した時点で加熱蒸留を終了して、1−ブタノール分散ゾルを得た。
この1−ブタノール分散ゾルに酢酸を300g添加して、しばらく攪拌した後、メチルトリメトキシシランを100g添加し、加熱還流を行った。このゾルに、常圧下で加熱蒸留しつつ、トルエンの容量を一定に保ちながら滴下した。液温及び塔頂温がトルエンの沸点で安定したところまでトルエン置換を行い、トルエン分散ゾルを得た。
このトルエン分散シリカゾルを、シリカ濃度が40%となるまで加熱濃縮を行い、高濃度シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例11)
実施例10のトルエンをキシレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%キシレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例12)
実施例10のトルエンをメシチレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%メシチレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例13)
実施例10の1−ブタノールを1−メトキシ−2−プロパノールにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%トルエン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例14)
実施例13のトルエンをキシレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%キシレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例15)
実施例13のトルエンをメシチレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%メシチレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例16)
実施例10の1−ブタノールをエチレングリコールにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%トルエン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例17)
実施例16のトルエンをキシレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%キシレン分散シリカゾルを得た。
(試料の調製;実施例18)
実施例16のトルエンをメシチレンにかえて、その他は同条件でシリカ濃度40%メシチレン分散シリカゾルを得た。
(比較例)
実施例1の酢酸を添加せずに表面処理を行い、トルエン置換を行った。しかし、途中で粘度が急激に上昇し、最終的にゾルが凝集してゲル化した。
(試験例1)
実施例1〜18の疎水性有機溶媒分散シリカゾルのシリカ粒子の比表面積、粒子径、シリカ濃度、粘度、水分、1ヶ月後及び1年後の凝集の有無、不純物量をそれぞれ測定した。結果を表1及び表2に記載する。
尚、比表面積はシリカゾルを乾燥後、焼成した粉末をBET法で測定した。またシリカゾルの粒子径はBET法で測定した比表面積から換算したものと、光子相関法によるものの2種類で測定した。特に、光子相関法で測定した数値および粘度は、得られたシリカゾルが凝集しているか否かの指標になるために重要である。尚、凝集とは光子相関法にて測定されたシリカ微粒子の粒子径が初期の測定値の150%以上になったとき、または粘度が初期の測定値に比べて2倍以上増加したときのことをいう。
1年後の凝集の有無については、測定の結果、1ヶ月を経過した時点で光子相関法にて測定されたシリカ微粒子の粒子径が初期の測定値の150%以上にならなければ、または粘度が初期の測定値の2倍以上にならなければ、1年後についても粒子は凝集しないことが判明した。
水分はカールフィッシャー水分計を用いて測定した。金属不純物量は原子吸光測定装置を用いて測定した。
Figure 0004803630
Figure 0004803630
(試験例2)
実施例1の原料であるメタノール分散シリカゾルと、実施例1のトルエン分散シリカゾルのSi CP/MAS NMR分析を行った。結果を表3に記載する。
Figure 0004803630
表3の記載の通り、実施例1のトルエン分散シリカゾルは、原料であるメタノール分散シリカゾルと比較して、Q2ピーク強度比(Siのシラノール基数が2つ、シロキサン結合数が2つに相当する。)及びQ3ピーク強度比(Siのシラノール基数が1つ、シロキサン結合数が3つに相当する。)が減少し、Q4ピーク強度比(Siのシラノール基数が4つに相当する。)が増大していることが確認された。この結果より、本発明に係る高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルは、シリカ粒子表面のシランカップリング剤による表面改質が確実になされていることが分かる。
(試験例3)
実施例1〜18で得られた疎水性有機溶媒分散シリカゾルに、シリカゾルと等量の水を添加して1分間激しく混合した後、静置した。実施例1〜18の疎水性有機溶媒分散シリカゾルは、約1時間で水層と有機層の二層に完全に分離した。しかしながらシリカ微粒子の析出は確認されなかった。水層にはシリカ微粒子は全く存在しなかった。

Claims (4)

  1. 少なくとも以下の(a)〜(c)の各工程を含むことを特徴とする高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法。
    (a)アルコキシシランを原料由来とする高純度親水性有機溶媒分散シリカゾルの親水性有機溶媒を沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒で置換する第一の工程
    (b)第一の工程で得られたシリカゾルを酸性下、シランカップリング剤で表面改質する第二の工程
    (c)第二の工程で得られたシリカゾルの沸点が100℃以上の両親媒性有機溶媒を疎水性有機溶媒で置換する第三の工程
  2. 以下の(e)工程を含むことを特徴とする請求項に記載の高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法。
    (e)第三の工程で得られたシリカゾル中のシリカ濃度が20重量%を超えるように調整する第四の工程
  3. 前記シランカップリング剤の添加量が、数1の関係を充足することを特徴とする請求項1又は2に記載の高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法。
    Figure 0004803630
  4. 前記疎水性有機溶媒が、飽和脂肪族炭化水素類、不飽和脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類及び該芳香族炭化水素類のハロゲン化物、エーテル類から選ばれる1種以上である請求項1乃至3いずれかに記載の高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾルの製造方法。
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