JP6933976B2 - シリカ系粒子分散液及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子を用いたシリカ系粒子分散液に関する。
例えば、高純度シリカゾルは、シリコンウェハー用研磨剤、液体クロマトグラフィー担体用高純度シリカゲル等の原料、触媒用バインダー、特殊ゼオライトの原料、電子材料用塗料に添加されるマイクロフィラー、高分子フィルム用マイクロフィラー等の分野で使用されている。
このような高純度シリカゾルは、一般的に、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)等のシランアルコキシドを、水、及びアンモニア、アミン化合物等のアルカリ触媒と混合し、加水分解・縮重合させることにより製造される(例えば、特許文献1参照)。
一方、小粒子径のシリカ粒子を含むシリカゾル(小粒子径シリカゾル)は、特に、300mmウェハーの最終研磨に用いられ、研磨傷をつけずに平坦性を高めることができ、さらに基板への付着物の除去効果が期待できる。また、小粒子径シリカゾルは、著しい微細化が進められている大規模集積回路製造時の化学機械研磨にも研磨剤として用いることができる。また、小粒子径シリカゾルは、光学フィルムや成形体に添加することで高硬度を発現させ、ヘーズの低い膜を得ることもできる。
特開2014−198649号公報
上記のように、高純度シリカゾルの製造においては、加水分解触媒としてアンモニアあるいはアミン化合物を単独あるいは混合して使用し、さらに、pH調整を目的としてこれらを一般的に使用することから、製造された微小なシリカゾルが、近年の高精度な半導体ウエハーにおいて用いられる場合には、アミン化合物等がウエハーの相互接続部に補足され、レジストの汚染を招き結果的に製造欠陥を生じることが懸念される。つまり、含窒素化合物がウエハーおよび生産ラインを汚染し、ウエハー上に形成される回路あるいは素子の欠陥生成あるいはリーク電流異常等の電気的特性の低下あるいは歩留まりの低下を招くことが懸念される。
また、上記のような従来の製造方法では、微小な粒子を得るために、加水分解物の反応速度を調整しているが、未加水分解物が残留するために、生成した粒子とそれらが反応してミクロゲルが発生するため、10nm以下の単分散した粒子を得ることが困難であり、再現性のあるものを調製することが難しいという問題があった。特に、アルカリ触媒下での微小な粒子を求めるためには、微小なシード(種粒子)を加水分解中に生成させることが重要であるが、そのようなシードは得られていない。例えば、特許文献1方法では、多量のアルカリを必要とするために微小なシードが得られず、結果的に粒子が10nmを超える大きさまで成長する。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、含窒素化合物を実質的に含まない高純度なシリカ粒子を含む分散液及びその製造方法を提供することを目的とする。また、平均粒子径が3〜10nmといった小粒子径の高純度シリカ微粒子を含む分散液及びその製造方法を提供することを目的とする。さらに、この小粒子径の高純度シリカ微粒子を用いたシリカ系粒子分散液及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような高純度なシリカ粒子の製造を研究する中で、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡(マイクロナノバブル)を用いることにより、アルカリ触媒を用いることなく、シランアルコキシドを加水分解することができ、これにより、シリカ粒子を得ることができることを見出した。
微小気泡の共存下で、シリカ粒子が生成する理由の詳細は不明であるが、本発明者らは、微小気泡界面でシランアルコキシドの濃縮が起こり、気泡消滅時に圧力が高くなり、破裂した際に発生する衝撃波で水が分解してヒドロキシラジカルが発生し、これにより、シランアルコキシドの加水分解が促進されると推定している。
ここで、本発明の製造方法で用いる微小気泡は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小な気泡であり、気泡径が40〜100nm(0.1μm)のいわゆるナノバブル、及び気泡径が0.1〜10μmのいわゆるマイクロバブルの少なくとも一方を含んでいるものであり、両者を含むものが好ましい。
より具体的には、以下のように考えている。
微小気泡は、液層では式(1)で表されるラプラス力によって準平衡関係が成り立っている。
ΔP=4σ/D・・・(1)
(但し、ΔP:バブルの内圧と溶液の圧力差、σ:表面張力、D:気泡径)
多くの場合、バブル発生器で生成した気泡はナノバブルとマイクロバブルが共存している。これらの気泡は刺激が加わらなければ比較的安定であるが、攪拌あるいは気泡の気液界面の表面張力の変化等の刺激が加わると、ラプラス力が駆動力になって平衡が崩れていく。特に、気泡中の気体はラプラス力によって加圧されているので、攪拌あるいは気泡の気液界面の表面張力の変化が起こると、気泡から液相への気体の溶解が起こり、(1)式に従ってラプラス力が増加する。このため、気泡の縮小が起こり、さらに内部圧力が上昇し、最終的には水中で破裂し消滅する。このとき、破裂した際に発生する衝撃波と共に、気泡界面に集積されていた電荷に基づくエネルギーが放出される。これによって水の加水分解が生じ、水酸基のラジカルが生成して、シランアルコキシドを分解する。生成したシランアルコキシドラジカルは、固相として分相し粒子化し、シリカ粒子が生成すると考えている。
ここで、バブル発生器で生成した生成時のマイクロバブルは、ナノバブルに比べ不安定である。また、マイクロバブルが、外部からの何らかの刺激が加えられることにより、ラプラス力が働き、気泡の縮小が起こり、ナノバブルの大きさを経て、水中で消滅するまでの時間は極めて短く、安定性は悪い。これは、生成時のナノバブル(NB)とは界面の状態(バブル界面に集積されていた電荷)が異なることによるものと考えている。マイクロバブル由来のナノバブル(NB)が破裂した際に発生する衝撃波と共に、バブル界面に集積されていた電荷に基づくエネルギーが放出され、これによって水の加水分解が生じ、水酸基のラジカルが生成して、シランアルコキシドを分解すると考えている。
上記のように、ナノバブル(NB)は、マイクロバブルに比べ安定であるが、これは、ナノバブル表面に高い負の表面電位が形成されるためであると考えている。本発明の製造方法において、マイクロバブルとナノバブルが共存する場合、マイクロバブルの消滅時の衝撃波がきっかけとなって、ナノバブルの縮小・消滅、衝撃波の発生の連鎖反応を起こし、ヒドロキシラジカル、シランアルコキシドラジカルが生成し、シランアルコキシドの加水分解を促進するものと考えている。マイクロバブルの縮小・消滅、衝撃波の発生に比べ、ナノバブルの縮小・消滅、衝撃波の発生は遅いので、マイクロバブルが加水分解反応のトリガーとして機能していると考えている。なお、超音波、紫外線照射との併用においては、超音波等の刺激がナノバブルの縮小・消滅、衝撃波のトリガーとなり、或いは超音波等がナノバブル界面にホットスポットをもたらして水の加水分解を促進させると考えている。
また、本発明者らは、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を用いてシランアルコキシドを加水分解することで、平均粒子径が3〜10nmといった小粒子径のシリカ微粒子を製造できることを見出した。本発明者らは、アルカリ触媒反応では、金属原子に結合したアルコキシ基の加水分解が急速に段階的に起こるのに対して、本発明のような微小気泡を用いた反応では、機械的な衝撃波がすべての結合に均等な力で加わるので、段階的な加水分解反応が抑制できると考えており、これによって、10nm以下の小粒子径のシリカ粒子の製造が可能となったものと考えている。
この微小気泡が、液中で安定的に存在しうる理由は明確ではないが、液中に存在する塩類、有機物、無機物等が、この微小気泡の水溶液への溶解を抑制するために、ラプラス力が働かず、Henryの法則によるガスの溶解が起こりにくくなるため、準安定となると考えている。しかし、ガスの溶解が促進される環境、例えば、振動等の物理的な刺激、アンモニア等の触媒添加等によって液中の平衡関係が崩れたり、光、熱等による環境変化があれば、微小気泡は縮小・消滅すると考えている。
すなわち、本発明は、平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子を含むシリカ粒子分散液に関する。シリカ粒子分散液は、下記(a)〜(c)の少なくとも1つの条件を満たすことが好ましく、2つの条件を満たすことがより好ましく、3つすべての条件を満たすことがさらに好ましい。
(a)シリカ微粒子に含まれるNa含有量が10ppm以下である。
(b)平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む。
(c)分散液全体に含まれる窒素原子を含む化合物のNH(Xは、1〜4の整数)としての合計の含有量がシリカに対して1ppm以下である。
また、このシリカ粒子分散液は、分散液全体に含まれるAl、Ca、Mg、Ti、K、Zn、Pb、Cr、Fe、Mn、Ag、Cu、及びNiのそれぞれの含有量がシリカに対して10ppm以下であることが好ましい。
さらに、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む液相中で、シランアルコキシドを加水分解し、シリカ粒子を製造する方法に関し、好ましくは平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子が製造される。微小気泡は、窒素、水素、酸素、オゾン、炭酸ガス、及び希ガスの少なくとも1種を含む気泡であることが好ましい。
このシリカ粒子の製造方法においては、シランアルコキシドを含む第1の溶液と、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む第2の溶液とを混合することが好ましく、第2の溶液が、微小気泡を1.0×10個/mL以上含有していることが好ましい。
また、この製造方法においては、アルカリ触媒を用いることなく、シリカ粒子を製造することができる。
さらに、本発明は、上記のシリカ粒子の製造方法により製造した平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子を用いて、より大きな粒子を製造するシリカ系粒子の製造方法に関する。すなわち、本発明のシリカ系粒子の製造方法は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む液相中で、シランアルコキシドを加水分解し、平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子を調製する微粒子調製工程と、前記シリカ微粒子を含む分散液に対して、アルカリ触媒の存在下で、加水分解性金属化合物を添加して加水分解を行い、前記シリカ微粒子を成長させる粒子成長工程とを有する。
粒子成長工程で製造されるシリカ系粒子の平均粒子径は、10nmを超えて300nm以下の粒子であることが好ましい。
また、粒子成長工程における加水分解は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡の存在下で行われることが好ましい。
本発明のシリカ粒子分散液は、高純度のシリカ微粒子を含むので、半導体用研磨剤、液体クロマトグラフィー担体用高純度シリカゲル等の原料、触媒用バインダー、特殊ゼオライトの原料、電子材料用塗料に添加されるマイクロフィラー、高分子フィルム用マイクロフィラー等、およびその作成過程で使用されるシードの用途等に好適に使用できる。
また、本発明のシリカ粒子の製造方法は、従来のようにアルカリ触媒を使用しないことから、従来にない極めて高純度のシリカ粒子を製造することができる。また、アルカリ触媒を使用しないため、アルカリを除去又は低減するための溶媒置換等を行う必要がなく、新たな不純物の混入や、粒子の凝集に伴う均一性が損なわれることがなく、しかも、製造コストが低くなる。
また、本発明のシリカ系粒子の製造方法は、上記シリカ粒子の製造方法により製造されたシリカ微粒子を用いて粒子成長(ビルドアップ)させることから、粒度分布の揃った粒子を製造することができる。この方法において、粒子成長を微小気泡の存在下で行うことにより、未反応物やミクロゲル等の発生を抑制して、より粒度分布の揃ったシリカ系粒子を製造することができる。
さらに、反応に関与しなかった残留する微小気泡は、経時後、消滅時に衝撃波を発生させるために微生物、藻などの生物性有機物の発生増殖を抑制するだけでなく、ミクロゲルの発生の抑制および発生したミクロゲルの再分散を促進する。このため、濾過性の維持改善に効果的であると考えられる。
実施例1(Oマイクロナノバブル水)で製造されたシリカ微粒子のTEM写真である。 実施例2(Nマイクロナノバブル水)で製造されたシリカ微粒子のTEM写真である。
《シリカ粒子分散液》
本発明のシリカ粒子分散液は、平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子を含む。このシリカ粒子分散液は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む液相中で、シランアルコキシドを加水分解して製造することができる。
このシリカ粒子分散液は、下記(a)〜(c)の少なくとも1つの条件を満たすことが好ましく、2つの条件を満たすことがより好ましく、3つすべての条件を満たすことがさらに好ましい。
(a)シリカ微粒子に含まれるNa含有量が10ppm以下である。
(b)平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む。
(c)分散液全体に含まれる窒素原子を含む化合物のNH(Xは、1〜4の整数)としての合計の含有量がシリカ(3〜10nmの微粒子)に対して1ppm以下である。
〈シリカ微粒子〉
本発明のシリカ微粒子は、上記のように、平均粒子径が3〜10nmであり、シリカ微粒子に含まれるNa含有量が10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがより好ましく、1ppm以下であることがさらに好ましい。従来、原料として水ガラスを用いた場合には、平均粒子径が10nm以下のシリカ微粒子も製造されていたが、この水ガラスを用いて製造されたシリカ微粒子には、Naが10ppmを超えて含有されていた。これに対して、本発明のシリカ微粒子は、シランアルコキシドを原料として製造されるものであり、Naを実質的に含まず、水ガラスを原料とする従来のシリカ微粒子と区別できるものである。
ここで、シリカ微粒子の平均粒子径は、TEM観察法により求めた。具体的には、本発明の分散液を乾燥させ、透過型電子顕微鏡により倍率25万倍で写真撮影する。得られた写真投影図における任意の500個の粒子について、その粒子径を測定し、その平均値をシリカ微粒子の平均粒子径とした。
また、シリカ微粒子に含まれるNa量は、調製されたシリカ粒子分散液を陽イオン交換樹脂でイオン交換して得られるシリカ粒子分散液(A)を、ICP質量分析法により分析し、求めた値である。
さらに、シリカ微粒子は、比表面積が270〜900m/gであることが好ましく、400〜700m/gであることがより好ましい。シリカ微粒子の比表面積が270m/g未満であると、単分散した粒子が得られにくい。そのため、分散液の粘度が上昇するという問題がある。一方、900m/gを超えると、シリカ微粒子が溶解あるいは凝集を起こし易い。そのため、単分散粒子が得られにくいという問題がある。
ここで、シリカ微粒子の比表面積は、本発明の分散液を乾燥させた後、BET法により求めた値である。
このシリカ微粒子は、表面電荷量が260〜900μeq/gであることが好ましく、350〜750μeq/gであることがより好ましい。高純度シリカ微粒子の表面電荷量が260μeq/g未満であると、加水分解が不十分であるため、シリカ粒子の負電荷が少なく、凝集を起こし易くなるという問題があり、900μeq/gを超えると、シリカ粒子の安定性が損なわれ易くなるという問題がある。
シリカ微粒子の表面電荷量は、流動電位計(京都電子工業製PCD−500)を用いて濃度既知のカチオンポリマー(WAKO製0.0025N塩化ジアリルジメチルアンモニウム溶液)を分散液へ滴下し、負電荷が中和されるポリマーの消費量から求めた値である。
〈微小気泡(マイクロナノバブル)〉
本発明のシリカ粒子分散液は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含むことが好ましい。かかる微小気泡は、気泡径が40〜100nm(0.1μm)のいわゆるナノバブル、及び気泡径が0.1〜10μmのいわゆるマイクロバブルの少なくとも一方を含んでいるものであり、両者を含むものが好ましい。微小気泡の平均気泡径の上限は、500nmであることが好ましく、350nmであることがより好ましく、200nmであることがさらに好ましい。また、マイクロナノバブルの平均気泡径の下限は、50nmであることが好ましく、60nmであることがより好ましく、65nmであることがさらに好ましい。
すなわち、このシリカ粒子分散液中には、通常、反応に用いられなかった微小気泡が残存している。このシリカ粒子分散液に含まれる微小気泡含有量は特に限定されるものではないが、その下限は、1.0×10個/mLが好ましく、1.0×10個/mLがより好ましく、1.0×10個/mLが更に好ましい。その上限は、1.0×1011個/mLが好ましく、5.0×1010個/mLがより好ましく、1.0×1010個/mLが更に好ましい。
微小気泡の平均気泡径及び気泡個数は、液中の気泡のブラウン運動移動速度を、ナノ粒子トラッキング解析法(NTA)で解析して求めることができ、例えば、Malvern社製「ナノサイト NS300」を用いて測定することができる。
なお、現状の技術では、シリカ粒子と微小気泡が共存している分散液のまま、微小気泡の平均気泡径や気泡個数を測定することは困難であることから、シリカ粒子を限外濾過膜で取り除き、微小気泡のみとし、これを測定することにより、微小気泡の平均気泡径及び気泡個数を測定する。すなわち、本発明の平均気泡径及び気泡個数は、分画分子量6000の限外濾過膜を通過した濾液を測定したものをいう。
微小気泡を形成する気体は、窒素、水素、酸素、オゾン、炭酸ガス、及び、希ガスの少なくとも1種であることが好ましい。これらの気体は、消滅時の衝撃波によって生物学的な細胞が破壊される効果があり、生物学的な汚染に対しても長期保存にも効果的である。
〈シリカ粒子分散液〉
本発明のシリカ粒子分散液は、窒素原子を含む化合物のNH(Xは、1〜4の整数)としての合計含有量がシリカに対して1ppm以下であることが好ましく、0.5ppm以下であることがより好ましく、0.1ppm以下であることがさらに好ましい。すなわち、このシリカ粒子分散液は、アンモニアやアミン化合物といった窒素原子を含む化合物からなるアルカリ触媒を用いることなく製造することができるものであることから、窒素源を実質的に含まない。
窒素原子を含む化合物のNHの合計含有量は、以下のアンモニア分析方法及びアミン類分析方法に基づく含有量の合計をいう。
(1)アンモニア分析方法
ケルダール法にて測定する。具体的には、試料を硫酸等を用いて加熱分解し、試料中の窒素を硫酸アンモニウムとし、次に分解液をアルカリ性として、遊離したアンモニアを蒸留し、そのアンモニア量を滴定により測定する。
(2)アミン類分析方法
イオンクロマトグラフィーにて測定する。具体的には、試料をイオンクロマトグラフ装置(装置型式:ICS−1000)に直接導入することにより、検量線から含有量を求め定量する。
窒素原子を含む化合物のNH(Xは、1〜4の整数)としての合計の含有量がシリカに対して1ppmを超えると、例えば、半導体ウエハー上に形成される配線ノードが32nm以下の微細配線形成に用いられる場合、アミン化合物等がウエハーの相互接続部に補足され、レジストの汚染を招き結果的に製造欠陥を生じることが懸念される。つまり、含窒素化合物がウエハーおよび生産ラインを汚染し、ウエハー上に形成される回路あるいは素子の欠陥生成あるいはリーク電流異常等の電気的特性の低下あるいは歩留まりの低下を招くことが懸念される。また、未加水分解物の加水分解が時間と共に進み、分散液の安定性が変化するおそれがある。
本発明のシリカ粒子分散液は、Al、Ca、Mg、Ti、K、Zn、Pb、Cr、Fe、Mn、Ag、Cu、及びNiのそれぞれの含有量が、シリカに対して、10ppm以下であることが好ましく、1ppm以下であることがより好ましく、0.5ppm以下であることがさらに好ましい。
Al、Ca、Mg、Ti、K、Zn、Pb、Cr、Fe、Mn、Ag、Cu、及びNiのそれぞれの含有量がシリカに対して、10ppmを超えると、粒子の表面電位を低下させ、安定性を阻害したり、塗布膜の絶縁性や電気的特性等の変化が生じ易いという問題がある。
シリカ粒子分散液中のAl、Ca、Mg、Ti、K、Zn、Pb、Cr、Fe、Mn、Ag、Cu、及びNiのそれぞれの含有量は、ICP質量分析法で求めた値である。
《シリカ粒子分散液(シード)の製造方法》
本発明のシリカ粒子分散液の製造方法は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む液相中で、シランアルコキシドを加水分解し、シリカ粒子分散液を製造することを特徴とし、シランアルコキシドの加水分解により、シリカ粒子分散液が生成する方法であれば、その具体的な方法は特に制限されない。例えば、原料であるシランアルコキシドを含む第1の溶液と、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む第2の溶液とを混合して、シランアルコキシドの加水分解を進める方法(混合法)や、シランアルコキシドが存在する液相中で微小気泡を発生させてシランアルコキシドの加水分解を進める方法(発生法)等を挙げることができる。混合法においては、一方の溶液を他方の溶液に一度に添加する方法、一方の溶液に他方の溶液を滴下する方法、敷液に両者を滴下する方法等、各種方法を採用することができる。
この製造方法により製造されるシリカ粒子としては、平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子であることが好ましいが、これに限定されない。例えば、かかる平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子をシードとしてさらに大きな粒子を製造することもできる。この際、アンモニアやアミン化合物といった窒素含有化合物からなるアルカリ触媒を用いることを妨げるものではないが、含窒素化合物を含む分散液や粒子が生成されないように、リン含有化合物からなるアルカリ触媒を用いることが好ましい。リン含有化合物からなるアルカリ触媒としては、ホスホニウムヒドロキシドが好ましく、テトラブチルホスホニウムヒドロキシドが特に好ましい。
〈シランアルコキシド〉
このシリカ粒子の製造方法においては、下記式(2)で示されるシランアルコキシドが好適に使用される。
Si(OR)4−n ・・・(2)
式中、Xは水素原子、フッ素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはビニル基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはビニル基を示し、nは0〜3の整数である。
特に、テトラメチルアルコキシシランや、テトラエチルアルコキシシラン等が好適に使用できる。また、シランアルコキシドを2種以上使用してもよい。
シランアルコキシドを分散、溶解する溶媒(混合法の場合は第1の溶液の溶媒)としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、アセトン、トルエン、キシレン、テトラヒドロキシフラン等を用いることができる。
〈微小気泡(マイクロナノバブル)〉
この製造方法において用いる微小気泡は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小な気泡であり、気泡径が40〜100nm(0.1μm)のいわゆるナノバブル、及び気泡径が0.1〜10μmのいわゆるマイクロバブルの少なくとも一方を含んでいるものであり、両者を含むものが好ましい。微小気泡の平均気泡径の上限は、500nmであることが好ましく、350nmがより好ましく、200nmであることがさらに好ましい。また、マイクロナノバブルの平均気泡径の下限は、50nmが好ましく、60nmであることがより好ましく、65nmであることがさらに好ましい。
ここで、微小気泡の平均気泡径が10μmを超える場合には、水溶液中の粒子の表面張力が少なく、気泡の合体が起き易いので好ましくなく、また、気泡の寿命が短く、効率的な反応を起こさせるのに不向きである。また、微小気泡の平均気泡径が40nm未満の場合は、表面張力が大きく、気泡の内圧が増大して破裂し易く、安定化期間が短い。すなわち、気泡の大きさには、最適な範囲があり、気泡であればどのようなものでもよいというものではない。
シランアルコキシドに対する微小気泡の量は、シランアルコキシドの加水分解が十分に進む範囲において適宜設定することができる。例えば、混合法においては、好ましくは1.0×10個/mL以上、より好ましくは1.0×10個/mL以上の微小気泡含有量の第2の溶液を第1の溶液に投入する。なお、第2の溶液における微小気泡含有量の上限は、1.0×1011個/mLが好ましく、5.0×1010個/mLがより好ましく、1.0×1010個/mLが更に好ましい。
ここで、第2の溶液の微小気泡の含有量が、1.0×10個/mL未満であると、シリカ粒子を生成するためのシランアルコキシドの加水分解が不足するおそれがあり、1.0×1011個/mLを超えると、反応速度が速く、再現性が得られにくい。
また、シランアルコキシドの官能基(OR)のモル数に対して、上記のような量の微小気泡を含む第2の溶液を、0.5モル倍〜10モル倍の添加することが好ましい。ここで、第2の溶液を10モル倍よりも多く使用すると、合成物の乾燥や熱処理時に蒸発する際に残存した水でひび割れを起こすという問題があり、0.5モル倍未満の場合は、加水分解が不足して、反応が途中で止まるおそれがある。
微小気泡に使用される気体は、窒素、水素、酸素、オゾン、炭酸ガス、及び、希ガスの少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの気体は、水酸基ラジカルを発生することができるので、同時に微小気泡の破裂によりミクロゲルを解砕する効果が発揮でき、また副次的に微小気泡の消滅時の衝撃波によって生物学的な細胞が破壊される効果があり、生物学的な汚染に対しても長期保存にも効果的である。
微小気泡(マイクロナノバブル)の発生方法は、特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、旋回流式、スタティックミキサー式、エジェクター式、ベンチュリー式、加圧溶解式、細孔式、回転式、超音波式、蒸気凝縮式、電気分解式などの各種方式が挙げられる。また、繰り返し、通液することでマイクロナノバブルの濃度を高めたり、微細化したりすることも可能になる。
シランアルコキシドの加水分解反応は、通常、常圧下においては、5〜95℃で行うことができ、溶媒の沸点より低い温度で行うことが好ましい。混合法の場合は、第1の溶液の沸点と第2の溶液の沸点の内、いずれか低い方の沸点未満の温度で行うことが好ましい。また、加圧下で、沸騰しない温度範囲で行ってもよい。また、シランアルコキシドと微小気泡とを含む溶液に、紫外線や超音波を照射してもよい。これにより、より早くシランアルコキシドの加水分解反応が促進されるため、シリカ粒子の生成が短時間ででき、経済的である。
ここで、混合法を用いる場合、第2の溶液の溶媒としては、主として水が使用されるが、水と共に、第1の溶液の溶媒と相溶性のある有機溶媒を用いると、微小気泡の濃度を高めることができるので好ましい。かかる有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸(AcOH)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノール(MeOH)、酢酸エチル(AcOEt)、アセトン等が好ましく、粘度、誘電率が高いものほど総微小気泡が多い傾向にある。
ここで、限外濾過により生成する微小気泡を含む限外濾水を微小気泡を生成させる際に使用すると、省資源プロセスとなり、金属等の不純物の混入も低減できる。この限外濾水を第2の溶液として使用した場合、微小気泡は、限外膜により分画されているので、微小気泡の寿命が長く、高濃度の微小気泡を使用できるというメリットがあるので好ましい。
《シリカ系粒子分散液の製造方法》
本発明のシリカ系粒子分散液(好ましくはシリカ系粒子の平均粒子径が10nmを超えて300nm以下)の製造方法は、微小気泡を用いた上記本発明の製造方法により製造されたシリカ微粒子(平均粒子径が3〜10nm)をシード(種粒子)としてアルカリ存在下で加水分解させて粒子成長(ビルドアップ)させる。このため、シード分散液は、水溶媒に置換したものを用いることが好ましい。
すなわち、このシリカ系粒子分散液の製造方法は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む液相中で、シランアルコキシドを加水分解し、平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子を調製する微粒子調製工程と、このシリカ微粒子を含む分散液に対して、アルカリ触媒の存在下で、加水分解性金属化合物を添加して加水分解を行いシリカ微粒子を成長させる粒子成長工程とを有する。ここで、本発明の発明における加水分解性金属としては、一部加水分解が進んだ加水分解性金属化合物を使用することも可能である。
なお、微粒子調製工程における操作は、上記「《シリカ粒子の製造方法》」の項で説明した操作と同様である。
この製法によれば、微小な粒子をシード(種粒子)として多段階(複数回)の粒子成長を行うことができることから、粒度分布の揃った粒子を製造することができる。特に、比較的小さな粒子を製造する場合にも、微小なシードから多段階成長させることが可能なことから、粒度分布の揃った粒子を製造することができる。
このシリカ系粒子分散液の製造方法においては、粒子成長工程において、シード(種粒子)を安定化させるために、有機溶媒を除去し、水に分散したシード分散液を所定のpHで熟成させることで、分散液中の粒子の溶解に伴う粒子の均一化や、分散液中のシリカ溶解度の均一化等を行うことが好ましい。本明細書においては、この安定化させる操作をシーディングと称す。シーディングにおけるpHは、中性からアルカリ性領域であれば特に制限されるものではないが、pH7以上が好ましく、pH7〜10.5がより好ましい。この時の分散液の熟成温度は、シードが安定化されれば特に制限されるものではなく、常圧下では室温から100℃未満が好ましい。また、シードの安定化のために、5分間程度以上熟成することが好ましい。このシーディングによるシードの安定化は、前述の3〜10nmのシリカ微粒子をシードとする場合、及び10nmより大きい粒子をシードとする場合の両方に好ましく適用することができる。例えば、アルカリ触媒の存在下で加熱等の熟成を行うことで、分散液中の粒子の溶解に伴う粒子の均一化や、分散液中のシリカ溶解度の均一化等を図ることができる。この工程は、その後の粒子成長、さらには多段階で粒子成長をさせて、均一な粒子を製造する上で行うことが好ましい工程である。
粒子成長工程においては、反応温度、pH、シード量、加水分解性珪素化合物の種類及び添加量、添加速度等を適宜制御する。本発明では、例えば、加水分解性珪素化合物を使用する際、使用するシード溶液の濃度が高すぎる場合や、シード溶液のpHが酸性領域である場合には、シリカ粒子が不安定でシリカの溶解度が小さいために、添加した加水分解性珪素化合物が低分子シリカとして析出し、新たな核粒子や、モノマー、オリゴマーといった副生成物が発生するため、シードの成長が阻害され、均一な粒子成長が困難となることがある。このため、シード溶液は適切な濃度に調整された中性からアルカリ性領域の水溶液が好ましい。
また、粒子成長工程で、加水分解性珪素化合物を連続して添加することでシードを成長させる場合、添加する珪素化合物がシード量に対して過剰で過飽和度が異常に高くなったり、添加速度が早すぎたりすると、低分子シリカとして析出し、新たな核粒子や、モノマー、オリゴマーといった副生成物が発生するため、シードの成長が阻害されるばかりでなく、得られる粒子の粒度分布は広くなるおそれがある。このため、粒子成長において添加される加水分解性珪素化合物の添加量や添加速度等は、シード量に応じて調整することが好ましい。
粒子成長工程において、このような核生成や副生成物発生による不均一な粒子成長を防ぎ、より均一な粒度分布の粒子を得るためには、粒子成長の過程で、ある程度成長した粒子の分散液から、このような副生成物や、アルコキシ基の加水分解由来の副産物である有機溶媒や、不要なアルカリを取り除き、精製した粒子を新たな種粒子として粒子成長させることを繰り返すことが好ましい。この多段階の粒子成長の1回あたりの粒子成長は、目安として、基準となる種粒子の平均粒子径の3倍以内が好ましい。
ここで、所望する粒度へ粒子成長させるために、多段階に加水分解性金属化合物を添加せず、連続して加水分解性金属化合物を添加する場合は、粒子成長に要する時間がかかりすぎるため実用性に乏しい。また、短時間で多量の加水分解性金属化合物を添加する場合は、上述のように、新たな核粒子や、モノマー、オリゴマーといった副生成物が発生し、得られる粒子の粒度分布も広くなるおそれがある。
すなわち、目標とするサイズの粒子にするまでに、例えば2〜5回程度の粒子成長工程を経ることが好ましい。シードとして微小な粒子を用いることにより、平均粒子径が10nmを超えて300nm以下、好ましくは10nmを超えて100nm程度の比較的小さな粒子を製造する場合も、所望の回数の粒子成長工程を経ることができ、粒度分布の揃った粒子を製造することが可能となる。
この粒子成長工程における加水分解は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡の存在下で行うことが好ましい。微小気泡の存在下で加水分解を行うことにより、微小気泡による分散効果、解砕効果、加水分解促進効果などにより、目的とする粒子まで反応が進んでいない加水分解性金属化合物(未反応の原料やその低分子加水分解物等)の発生や、これらとシリカ系粒子が反応して生成するミクロゲルなどの発生を抑制することができ、これにより、粒度分布のより揃った粒子を製造することができる。
さらに、反応に関与しなかった残留する微小気泡は、経時後、消滅時に衝撃波を発生させるために微生物、藻などの生物性有機物の発生増殖を抑制するだけでなく、ミクロゲルの発生の抑制および発生したミクロゲルの再分散を促進する。このため、濾過性の維持改善に効果的であると考えられる。
ここで、微小気泡については、上記「《シリカ粒子の製造方法》」の項で説明したものと同様であるので説明を省略する。
粒子成長工程で用いる加水分解性金属化合物としては、珪素、チタン、ジルコニア、アルミニウム、スズ、インジウム等の金属を含み、アルコキシ基、ハロゲン基等の加水分解性基を有する化合物や、上記金属を含むキレート化合物や、上記金属を含むペルオキソ化合物等を挙げることができる。本発明の粒子成長工程においては、少なくとも珪素を含む加水分解性金属化合物を用いることが好ましく、珪素を含む加水分解性金属化合物単独で、又は他の金属を含む加水分解性化合物と共に用いることができる。なお、加水分解性化合物としては、上述のように、一部加水分解が進んだ分子内に水酸基を持つ加水分解物も使用することもできる。
具体的に、珪素を含む加水分解性化合物としては、シランアルコキシド及び珪酸の少なくとも1つを用いることができる。
シランアルコキシドとしては、上記一般式(2)で示されるシランアルコキシドが好ましく使用できる。中でも、テトラメチルアルコキシシラン、テトラエチルアルコキシシランがより好ましく、テトラメチルアルコキシシランが特に好ましい。
また、珪酸としては、アルカリ金属珪酸塩から調製したものを用いることができる。例えば、珪酸ナトリウム(水ガラス)の希釈溶液を陽イオン交換樹脂等によりイオン交換して、珪酸を含む溶液を得ることができ、これを用いることができる。この珪酸を含む溶液は、高純度なシリカ系粒子分散液が要求される場合には、さらに、限外濾過膜による高分子量物質の分離や、キレート樹脂、両性イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂等による処理を行うことが好ましい。
また、チタンを含む加水分解性化合物としては、テトラメトキシチタン、テトライソプロキシチタン、テトラノルマルブチルチタン、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタン四塩化チタン、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタントリエタノールアミネート、ペルオキソチタン酸等を例示することができる。
ジルコニアを含む加水分解性化合物としては、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロキシジルコニウム、ノルマルプロピルジルコネート、ノルマルブチルジルコネート、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセトネート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ペルオキソジルコン酸等を例示することができる。
アルミニウムを含む加水分解性化合物としては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロキシアルミニウム、アルミニウムセカンダリーブトキシド、塩化アルミニウム、アルミニウムアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート等を例示することができる。
スズを含む加水分解性化合物としては、テトライソプロキシスズ、テトラノルマルブトキシスズ、塩化スズ(IV)、オクチル酸スズ等を例示することができる。
インジウムを含む加水分解性化合物としては、トリメトキシインジウム、トリエトキシインジウム、トリイソプロキシインジウム、塩化インジウム、インジウムトリアセチルアセトネート等を例示することができる。
粒子成長工程における反応は、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む水溶媒及びアルカリ触媒の存在下で行われることが好ましい。従って、シード溶液の溶媒は、水に置換されることが好ましい。ここで、シリカ微粒子、水及びアルカリ触媒を含む液に対して、加水分解性珪素化合物や、加水分解速度が速く析出しやすい加水分解性金属化合物(珪素以外の金属化合物)を添加する場合、これらの加水分解性金属化合物の溶媒としては、有機溶媒や、水及び有機溶媒の混合溶媒を用いることが好ましい。また、反応を常圧下で行う場合は、溶媒が揮発しないように還流器を使用して行うことが好ましい。さらに、溶媒沸点以上(水の場合は100℃以上)の温度で行う場合等は、オートクレーブなどの耐熱耐圧容器を用いることもできる。なお、製造されるシリカ系粒子分散液に含まれる加水分解により副生する有機溶媒等は、水に置換されることが好ましい。
有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類などが挙げられる。より具体的には、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル類が用いられる。これらの中でも、メタノール又はエタノールがより好ましく、メタノールが特に好ましい。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
アルカリ触媒としては、アンモニア、アミン、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、第4級アンモニウム化合物、アミン系カップリング剤など、塩基性を示す化合物が用いられる。
《シリカ系粒子分散液》
本発明のシリカ系粒子分散液は、平均粒子径が10nmを超えて300nm以下のシリカ系粒子と、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡とを含むことを特徴とする。このシリカ系粒子分散液は、上記本発明のシリカ系分散液の製造方法により得ることができる。なお、微小気泡については、上記「《シリカ粒子分散液》」の項で説明したものと同様である。
〈シリカ系粒子〉
本発明のシリカ系粒子は、シリカ(珪素)のみを主成分とする粒子、又は珪素と、チタン、ジルコニア、アルミニウム、スズ、及びインジウムの中から選ばれる少なくとも1つの元素とを含有する2種以上の金属酸化物を主成分とする粒子を意味する。2種以上の金属酸化物を主成分とする粒子としては、具体的に、シリカ微粒子からなるコア粒子表面に、珪素と、チタン、ジルコニア、アルミニウム、スズ、及びインジウムから選ばれる少なくとも1つの金属とを含む複合金属酸化物層(シェル層)が形成されている態様を挙げることができる。
ここで主成分とは、粒子を構成する物質全体に対して、酸化物基準として、60質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは99.5質量%以上、最も好ましくは100質量%をいう。
このシリカ系粒子は、上記のように、平均粒子径が10nmを超えて300nm以下であるが、10nmを超えて200nmであることが好ましく、10nmを超えて100nmであることがより好ましい。
平均粒子径の測定方法は、上記シリカ微粒子の平均粒子径の測定方法(TEM観察法)と同様である。
このシリカ系粒子は、粒子の変動係数(CV値)が、例えば、0.3以下であり、0.25以下であることが好ましく、0.20以下であることがより好ましく、0.15以下であることがさらに好ましい。
なお、変動係数(=標準偏差/平均粒子径)は、上記シリカ微粒子の平均粒子径の測定方法(TEM観察法)により求めた平均粒子径に基づき算出する。
さらに、シリカ系粒子は、加水分解処理により粒子の緻密化を進めているため、比表面積が9m/g以上270m/g未満であることが好ましく、27m/g以上270m/g未満であることがより好ましい。
シリカ系粒子の比表面積が9m/g未満であると、粒子自体が大きく沈降しやすい。一方、270m/g以上であると、粒子が小さく、反応系に塩が多く存在した場合、シリカ系粒子の安定性が低くゲル化しやすいという問題がある。
比表面積の測定方法は、上記シリカ微粒子の比表面積の測定方法と同様である。
このシリカ系粒子及び前述のシリカ微粒子の表面電荷量は、14〜900μeq/gであることが好ましい。
表面電荷量は、主として、(1)粒子の有する表面積と、(2)粒子表面での加水分解性(アルコキシ基が加水分解して水酸基となる反応)によって変化する。いずれの場合にも粒子固形分(g)当たりの表面電荷量は、粒子の有する負電荷生成に関与している水酸基の量により、大きく変化する。特に、高温下で調製するシリカ系粒子では、(1)の影響が大きく、低温下で調製する前述のシリカ微粒子(シード)では(2)の影響が大きい。
このため、平均粒子径が10nmを超え300nm以下のシリカ系粒子では、表面電荷量が14〜420μeq/gであることが好ましく、42〜420μeq/gであることがより好ましい。ここで、高純度シリカ系粒子の表面電荷量が14μeq/g未満であると、粒子自体が大きく沈降しやすい。一方、420μeq/gを超えると、比較的小さな粒子が多く存在するため、濃縮すると粘度が上がりゲル化しやすいという問題がある。この時、反応系に塩が多く存在した場合、シリカ系粒子分散液の粘度上昇は加速され、よりゲル化しやすくなる。
また、上述のように、このシリカ系粒子を製造するために使用する平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子(シード)では、表面電荷量が260〜900μeq/gであることが好ましい。
表面電荷量の測定方法は、上記シリカ微粒子の表面電荷量の測定方法と同様である。
〈シリカ系粒子分散液〉
本発明のシリカ系粒子分散液は、例えば半導体の研磨材用等の高純度を要求される場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Zn、Pb、Ag、Mn、Co、Mo、Cu、Ni、Cr、U及びThのそれぞれの含有量が、シリカに対して、10ppm以下であることが好ましく、1ppm以下であることがより好ましく、0.5ppm以下であることがさらに好ましい。
これら金属のそれぞれの含有量が、シリカに対して、10ppmを超えると、粒子の表面電位を低下させ、安定性を阻害したり、塗布膜の絶縁性や電気的特性等の変化が生じ易いという問題がある。
金属含有量の測定方法は、上記シリカ粒子分散液の金属含有量の測定方法と同様である。
(実施例1)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とOを接触させて、Oマイクロナノバブル水(平均気泡径:70nm、気泡個数:2.4億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例1に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例1に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであり、図1に示すように均一な微粒子であった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例1に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、75nm、1.5億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
[シリカ粒子の平均粒子径]
シリカ粒子の平均粒子径は、画像解析法により測定した。具体的には、透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、シリカ粒子分散液を電子顕微鏡用銅セルのコロジオン膜上で乾燥して、倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の500個の粒子について、その粒子径を測定し、その平均値をシリカ粒子の平均粒子径とした。
[ナノバブルの平均気泡径と気泡個数]
ナノバブルの平均気泡径及び気泡個数は、液中の気泡のブラウン運動移動速度をナノ粒子トラッキング解析法を用いて測定した。具体的には、測定試料(第2の溶液、又は実施例1に係るシリカ粒子分散液の濾液)約20mLを吸引させながら測定機器(Malvern社製「ナノサイト NS300」)に注入し、ナノ粒子トラッキング解析法にて測定した。
[シリカ微粒子中のNa量]
シリカ微粒子に含まれるNa量は、調製されたシリカ粒子分散液を陽イオン交換樹脂でイオン交換して得られるシリカ粒子分散液(A)をICP質量分析法により測定した。
[分散液中のNHの合計含有量]
窒素原子を含む化合物のNHの合計含有量は、以下のアンモニア分析方法及びアミン類分析方法の基づきそれぞれ測定し、各測定値を合計して求めた。
(1)アンモニア分析方法
ケルダール法にて測定した。具体的には、試料を硫酸等を用いて加熱分解し、試料中の窒素を硫酸アンモニウムとし、次に分解液をアルカリ性として、遊離したアンモニアを蒸留し、そのアンモニア量を滴定により測定した。
(2)アミン類分析方法
イオンクロマトグラフィーにて測定した。具体的には、試料をイオンクロマトグラフ装置(装置型式:ICS−1000)に直接導入することにより、検量線から含有量を求め定量した。
[分散液中のAl等の含有量]
シリカ粒子分散液中のAl、Ca、Mg、Ti、K、Zn、Pb、Cr、Fe、Mn、Ag、Cu、及びNiのそれぞれの含有量は、ICP質量分析法で求めた。
(実施例2)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とNを接触させて、Nマイクロナノバブル水(平均気泡径:79nm、気泡個数:2.0億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例2に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例2に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであり、図2に示すように均一な微粒子であった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例2に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、80nm、1.4億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(実施例3)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とOを接触させて、Oマイクロナノバブル水(平均気泡径:65nm、気泡個数:1.6億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例3に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例3に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例3に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、70nm、1.5億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(実施例4)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水と希ガス(Ar)を接触させて、Arマイクロナノバブル水(平均気泡径:75nm、気泡個数:1.6億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例4に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例4に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例4に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、77nm、1.4億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(実施例5)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、微細細孔方式のバブル発生装置(ナノクス社製 FK・MP・SO 25CW−T1)で水とNを接触させて、Nマイクロナノバブル水(平均気泡径:291nm、気泡個数:1.1億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例5に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例5に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例5に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、294nm、1.0億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(実施例6)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とNを接触させて、Nマイクロナノバブル水(平均気泡径:79nm、気泡個数:0.1億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例6に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例6に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は6nmであった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例6に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、82nm、0.08億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(実施例7)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラメトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とNを接触させて、Nマイクロナノバブル水(平均気泡径:79nm、気泡個数:2.0億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例7に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例7に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例7に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、80nm、1.8億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(実施例8)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とNを接触させて、Nマイクロナノバブル水(平均気泡径:79nm、気泡個数:2.0億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、60℃で5時間反応させて、実施例8に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例8に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例8に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、81nm、1.7億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(実施例9)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とHを接触させて、Hマイクロナノバブル水(平均気泡径:79nm、気泡個数:2.0億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例9に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例9に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例9に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、80nm、1.9億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(実施例10)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とNを接触させて、Nマイクロナノバブル水(平均気泡径:105nm、気泡個数:80億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例10に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例10に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例10に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、200nm、19億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(実施例11)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とNを接触させて、Nマイクロナノバブル水(平均気泡径:8000nm、気泡個数:1.0億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、実施例11に係るシリカ粒子分散液を得た。
実施例11に係るシリカ粒子分散液中のシリカ粒子の平均粒子径は5nmであった。また、シリカ粒子と微小気泡が共存している実施例11に係るシリカ粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SIP−1013分画分子量6000)でろ過してシリカ粒子を取り除き、濾液中のナノバブルの平均気泡径と気泡個数を測定したところ、8100nm、0.8億個/mLであった。処理条件等および各測定結果を表1に示す。
(比較例1)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液として、イオン交換水を用いた。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させたが、粒子は生成しなかった。
(比較例2)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液として、蒸留水を用いた。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させたが、粒子は生成しなかった。
(比較例3)
変性エチルアルコ−ル(AP−11)22gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを0.49g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で水とNを接触させて、N気泡水(平均気泡径:12000nm、気泡個数:0.1億個/mL)を調製した。この第2の溶液25gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させたが、粒子は生成しなかった。
Figure 0006933976
表1に示すように、微小気泡(マイクロナノバブル)を用いて、テトラメチルアルコキシシランやテトラエチルアルコキシシラン等のシランアルコキシドを加水分解することにより、5nm程度のシリカ微粒子が製造されることが確認された。
(実施例12)
〈微粒子調製工程〉
変性エチルアルコ−ル(AP−11)814gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを19.4g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液であるバブル水溶液は、旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HVK−20−SD)で水とOを接触させて、Oマイクロナノバブル水(平均気泡径:121nm,気泡個数:1.69億個/mL)を調製した。この第2の溶液971gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、シリカ粒子分散液(A液)を得た。なお、以下の実施例で用いたOマイクロナノバブル水は、本実施例における第2溶液と同様のものである。
このA液をロータリエバポレータ装置(RE装置)を用いて、375gとなるように濃縮した。この溶液へ純水を450g添加し、RE装置で濃縮し、濃縮液300gを得た。この純水を添加しRE装置で濃縮する操作を2回繰り返し行い、水分散液を得た(水溶媒置換工程)。その後、3質量%アンモニア水と純水を用いてpH9.3に調整し、シリカ濃度1質量%の水に分散したシリカ粒子分散液(B液)を得た。B液中のシリカ粒子の平均粒子径は、5nmであった。詳細は、表2に示す(以下同様)。
〈粒子成長工程〉
微粒子調製工程で調製したB液を100g採取し、200gの純水と混合してシード溶液とした。一方、シリカ濃度2.5質量%の3号水ガラスを陽イオン交換して得られた珪酸液を、再度陽イオン交換して、シリカ濃度2.3質量%の珪酸液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記水ガラス由来の珪酸液(添加物質I)1080gを3.6g/分の速度で添加し、シリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮(脱有機溶媒工程)し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は12.5nm、標準偏差は3.1nm、CV値は0.25であった。詳細は、表2に示す(以下同様)。
なお、標準偏差及びCV値は、実施例1におけるシリカ粒子の測定法に従って測定した平均粒子径により算出した(以下同様)。
(実施例13)
実施例12と同様に調製したB液を100g採取し、200gの純水と混合してシード溶液とした。一方、Oマイクロナノバブル水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを3.6g/分の速度で添加し、シリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は23.0nm、標準偏差は4.6nm、CV値は0.20であった。
(実施例14)
実施例12と同様に調製したB液を100g採取し、25質量%TMAH溶液を2.8gと197.2gの純水と混合してシード溶液とした。このときの溶液のpHは12であった。一方、Oマイクロナノバブル水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを3.6g/分の速度で添加し、シリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は19.5nm、標準偏差は5.1nm、CV値は0.26であった。
(実施例15)
微粒子調製工程は、実施例13で得られたシリカゾルを30g採取し、270gのOマイクロナノバブル水と混合してシード溶液とした。一方、Oマイクロナノバブル水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを3.6g/分の速度で添加し、シリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は46.2nm、標準偏差は6.9nm、CV値は0.15であった。
(実施例16)
微粒子調製工程は、実施例15で得られたシリカ系粒子分散液を30g採取し、270gのOマイクロナノバブル水と混合してシード溶液とした。一方、Oマイクロナノバブル水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、90℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを1.8g/分の速度で添加し、シリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は92nm、標準偏差は12.9nm、CV値は、0.14であった。
(実施例17)
微粒子調製工程は、実施例16で得られたシリカ系粒子分散液を30g採取し、270gのOマイクロナノバブル水と混合してシード溶液とした。一方、Oマイクロナノバブル水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、120℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを1.2g/分の速度で添加し、シリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は180nm、標準偏差は21.6nm、CV値は0.12であった。
(実施例18)
実施例12と同様に調製したB液を100g採取し、200gの純水と混合してシード溶液とした。一方、純水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。さらに、テトライソプロキシジルコニウム(マツモトファインケミカル製ZA−40)液をエチルアルコールで希釈したZrO換算で5質量%のジルコニア溶液(添加物質II)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを3.6g/分の速度で添加し、また同時に上記ジルコニア溶液(添加物質II)20gを0.07g/分で添加し、シリカとジルコニアの複合酸化物のシリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO−ZrO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は24.5nm、標準偏差は4.9nm、CV値は0.20であった。
(実施例19)
実施例12と同様に調製したB液を100g採取し、200gの純水と混合してシード溶液とした。一方、純水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。さらに、テトライソプロキシチタン(マツモトファインケミカル製TA−10)液をエチルアルコールで希釈したTiO換算で5質量%のチタニア溶液(添加物質II)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを3.6g/分の速度で添加し、また同時に上記チタニア溶液(添加物質II)20gを0.07g/分で添加し、シリカとチタニアの複合酸化物のシリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO−TiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は25.3nm、標準偏差は6.0nm、CV値は0.24であった。詳細は、表3に示す(以下同様)。
(実施例20)
マイクロナノバブル水の代わりにNマイクロナノバブル水を使用した以外は実施例12と同様に調製したC液を100g採取し、200gのNマイクロナノバブル水と混合してシード溶液とした。一方、Nマイクロナノバブル水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。さらに、トリイソプロキシアルミニウム(東京化成工業製試薬)液をエチルアルコールで希釈したAl換算で5質量%のアルミナ溶液(添加物質II)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを3.6g/分の速度で添加し、また同時に上記アルミナ溶液(添加物質II)20gを0.07g/分で添加し、シリカとアルミナの複合酸化物のシリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO−Al換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は24.0nm、標準偏差は4.3nm、CV値は0.18であった。
(実施例21)
実施例12と同様に調製したB液を100g採取し、200gの純水と混合してシード溶液とした。
一方、粒子成長用として、変性エチルアルコ−ル(AP−11)4070gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを97g添加して溶液(第3の溶液)を調製した。次に、実施例12と同様に調製したOマイクロナノバブル水(第2の溶液)4855gを第3の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、シリカ粒子分散液を得た。このシリカ粒子分散液をRE装置を用いて、1860gとなるように濃縮した。この溶液へ純水を2000g添加し、RE装置で濃縮し、濃縮液1860gを得た。この純水を添加しRE装置で濃縮する操作を2回繰り返し行い、水分散液を得た。これをRE装置を用いて、600gとなるようにさらに濃縮してD液を得た。このD液へOマイクロナノバブル水480gを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラエトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを7.2g/分の速度で添加し、シリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は22.0nm、標準偏差は4.6nm、CV値は0.21であった。
(実施例22)
〈微粒子調製工程〉
変性エチルアルコ−ル(AP−11)819.2gを撹拌しながら、テトラメトキシシランを14.2g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。実施例12と同様に調製したOマイクロナノバブル水(第2の溶液)971gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、シリカ粒子分散液(E液)を得た。
このE液をRE装置を用いて、375gとなるように濃縮した。この溶液へ純水を450g添加し、RE装置で濃縮し、濃縮液300gを得た。この純水を添加しRE装置で濃縮する操作を2回繰り返し行い、水分散液を得た。その後、3質量%アンモニア水と純水を用いてpH9.3に調整し、シリカ濃度1質量%の水に分散したシリカ粒子分散液(F液)を得た。F液中のシリカ粒子の平均粒子径は、5nmであった。
〈粒子成長工程〉
微粒子調製工程で調製したF液を100g採取し、200gの純水と混合してシード溶液とした。一方、Oマイクロナノバブル水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを3.6g/分の速度で添加し、シリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は21.5nm、標準偏差は4.1nm、CV値は0.19であった。
(実施例23)
実施例22と同様に調製したE液をRE装置を用いて、375gとなるように濃縮した。この溶液へ純水を450g添加し、RE装置で濃縮し、濃縮液300gを得た。この純水を添加しRE装置で濃縮する操作を2回繰り返し行い、水分散液を得た。その後、3質量%アンモニア水と純水を用いてpH7.0に調整し、シリカ濃度0.33質量%の水に分散したシリカ粒子分散液(G液)を得た。G液中のシリカ粒子の平均粒子径は、5nmであった。
〈粒子成長工程〉
微粒子調製工程で調製したG液を300g採取し、シード溶液とした。一方、Oマイクロナノバブル水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、pH7.0、25℃で5分間保持した。続いて、シード溶液に対して、3質量%アンモニア溶液と10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)とを同時に添加しながら、反応溶液のpHを9.0、温度を80℃に調整した。反応溶液のpHが9.0、温度が80℃に達した後は、このpHおよび温度が一定となるようにコントロールしながら、両溶液を添加してシリカ系粒子分散液を得た。なお、シリカ溶液(添加物質I)1080gは3.6g/分の速度で添加した。得られたシリカ系分散液をRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は22.0nm、標準偏差は4.6nm、CV値は0.21であった。
(比較例4)
〈微粒子調製工程〉
変性エチルアルコ−ル(AP−11)814gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを19.4g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液である純水971gを第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、A液を得た。このA液には粒子が発生しなかった。
このA液をRE装置を用いて、375gとなるように濃縮した。この溶液へ純水を450g添加し、RE装置で濃縮液300gを得た。この純水を添加しRE装置で濃縮する操作を2回繰り返し行い、水分散液を得た。その後、3%アンモニア水と純水を用いてpH9.3に調整し、1質量%濃度の水に分散した分散液(H液)を得た。H液中のシリカ粒子は、検出されなかった。詳細は、表3に示す(以下同様)。
〈粒子成長工程〉
微粒子調製工程で調製したH液を100g採取し、200gの純水と混合してシード溶液(ただし、粒子は含まれていない)とした。一方、シリカ濃度2.5質量%の3号水ガラスを陽イオン交換して得られた珪酸液を再度陽イオン交換して、シリカ濃度2.3質量%の珪酸液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、このシード溶液を撹拌しながら、80℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記水ガラス由来の珪酸液(添加物質I)1080gを3.6g/分の速度で添加し、シリカ系粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は14nm、標準偏差は4.9nm、CV値は0.35と、粒度分布が広いものであった。詳細は、表3に示す(以下同様)。
(比較例5)
〈微粒子調製工程〉
変性エチルアルコ−ル(AP−11)814gを撹拌しながら、テトラエトキシシランを19.4g添加した溶液(第1の溶液)を調製した。また、第2の溶液である純水971gと15質量%アンモニア水10gの混合液を第1の溶液へ添加して、25℃で5時間反応させて、シリカ粒子分散液(A液)を得た。
このA液を、RE装置を用いて、375gとなるように濃縮した。この溶液へ水を450g添加し、RE装置で濃縮液300gを得た。この純水を添加しRE装置で濃縮する操作を2回繰り返し行い、水分散液を得た。その後、3質量%アンモニア水と純水を用いてpH9.3に調整し、1質量%濃度の水に分散した分散液(J液)を得た。J液中のシリカ粒子は、平均粒子径が250nmであった。
〈粒子成長工程〉
微粒子調製工程で調製したJ液を100g採取し、200gの純水と混合してシードの溶液とした。一方、純水1017gに63gのテトラメトキシシランを添加してシリカ濃度2.3質量%のシリカ溶液(添加物質I)を準備した。
シーディングとして、シード溶液を撹拌しながら、120℃まで加温し0.5時間保持した。続いて、3質量%アンモニア溶液を添加して溶液のpHを9.0にコントロールしながら、10℃に調整された上記テトラメトキシシラン由来のシリカ溶液(添加物質I)1080gを1.2g/分の速度で添加し、シリカ粒子分散液を得た。これをRE装置で濃縮し、3質量%アンモニア水でpH9に調整した。製造されたシリカ系粒子分散液の濃度はSiO換算で10質量%であった。また、シリカ系粒子の平均粒子径は310nm、標準偏差は65.1nm、CV値は0.21と、粒度分布が広いものであった。
Figure 0006933976
Figure 0006933976

Claims (9)

  1. 平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡を含む液相中で、シランアルコキシドを加水分解し、平均粒子径が3〜10nmのシリカ微粒子を調製する微粒子調製工程と、
    前記シリカ微粒子を含む分散液に対して、アルカリ触媒の存在下で、加水分解性金属化合物を添加して加水分解を行い、前記シリカ微粒子を成長させる粒子成長工程と、
    を有することを特徴とするシリカ系粒子分散液の製造方法。
  2. 前記粒子成長工程で製造されるシリカ系粒子が、平均粒子径が10nmを超えて300nm以下の粒子であることを特徴とする請求項1記載のシリカ系粒子分散液の製造方法。
  3. 前記加水分解性金属化合物として、シランアルコキシド及び珪酸の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1又は2記載のシリカ系粒子分散液の製造方法。
  4. 前記加水分解性金属化合物として、珪素を含む加水分解性金属化合物と、チタン、ジルコニア、アルミニウム、スズ及びインジウムから選ばれる金属を含む加水分解性金属化合物の少なくとも1つとを用いることを特徴とする請求項1又は2記載のシリカ系粒子分散液の製造方法。
  5. 前記粒子成長工程における加水分解を、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡の存在下で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のシリカ系粒子分散液の製造方法。
  6. 前記粒子成長工程で加水分解を行う分散液が、前記微小気泡を1.0×10個/mL以上含有していることを特徴とする請求項5記載のシリカ系粒子分散液の製造方法。
  7. 前記微小気泡が、窒素、水素、酸素、オゾン、炭酸ガス、及び希ガスの少なくとも1種を含む気泡であることを特徴とする請求項5又は6記載のシリカ系粒子分散液の製造方法。
  8. 平均粒子径が10nmを超えて300nm以下のシリカ系粒子と、平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡とを含むことを特徴とするシリカ系粒子分散液。
  9. 前記シリカ系粒子が、平均粒子径が3〜10nmのシリカコア微粒子と、前記シリカコア微粒子を包囲する珪素と、チタン、ジルコニア、アルミニウム、スズ、及びインジウムから選ばれる少なくとも1つの金属とを含む複合金属酸化物層とを備えていることを特徴とする請求項8記載のシリカ系粒子分散液。

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