JPH0798655B2 - 表面修飾シリカの製造方法 - Google Patents

表面修飾シリカの製造方法

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JPH0798655B2
JPH0798655B2 JP14986089A JP14986089A JPH0798655B2 JP H0798655 B2 JPH0798655 B2 JP H0798655B2 JP 14986089 A JP14986089 A JP 14986089A JP 14986089 A JP14986089 A JP 14986089A JP H0798655 B2 JPH0798655 B2 JP H0798655B2
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孝明 清水
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はプラスチックレンズのハードコート、繊維処理
剤、オイルの増粘剤等への利用に適した、任意の有機溶
媒中で安定なゾルを生成する表面修飾シリカの製造方法
に関するものである。
(従来の技術) 従来、有機溶媒に分散可能なシリカにはアルコキシ基を
表面に有するものが知られており、その製造方法として
アルコキシシラン類をアルカリ触媒の存在下で加水分解
して得る方法が知られている。
得られたシリカは一般に親水性であるため、これを疎水
性の高い有機溶媒中に分散させようとすると、シリカ粒
子同志の凝集やゲル化が起こって分相してしまい均一に
分散させることができなかった。したがって、これまで
有機溶媒分散シリカといえば、あまり疎水性の高くない
溶媒、例えば、メタノール、2−プロパノール、1−ブ
タノール等のアルコール類の利用に限られていた。
(発明が解決しようとする課題) そこで、より疎水性の高い有機溶媒にシリカ等の無機酸
化物微粒子を分散させる方法として、シリコン、チタ
ン、ジルコニウム、アルミニウム等のアルコキシドまた
はその誘導体などの加水分解可能な有機金属化合物を、
アルコールの含水溶液中で加水分解して水和物微粒子の
アルコール性溶液の懸濁体とし、これに分子中に1個
以上の非加水分解性有機基と1個以上の加水分解性有機
基とを有する、シラン、チタネート、アルミニウム系の
カップリング剤を添加して表面修飾を施した後、アル
コール性溶媒を有機溶媒に溶媒置換する方法が提案され
た(特開昭63−182204号公報)。
しかし、この表面修飾法により有機金属化合物としてテ
トラアルコキシシランを用いてシリカ微粒子の表面修飾
をしようとすると、テトラアルコキシシランと水とのモ
ル比が6より大きいため、シリカ表面のシラノール基が
多くなって充分な表面変性が施されない。さらに中間体
として使用されるシリカ微粒子は平均粒子径が0.05〜5
μmのものにしか適用できず、平均粒子径が0.05μm以
下の超微粒子の表面修飾には事実上不可能であった。こ
のため、この方法で得られた有機溶媒分散シリカをハー
ドコートやオイルの増粘剤として使用すると、ハードコ
ートの強度や透明性、オイルの増粘性付与などの性能に
問題を生じ実用性を損なっていた。
したがって本発明の目的は、水とアルカリ触媒とを含有
するアルコール中でテトラアルコキシシランを加水分解
して得られる、アルコキシ基の密度が高く多孔質性の表
面特製を有するシリカを原料とし、これを有機けい素化
合物を用いて表面修飾し有機溶媒分散性に優れたシリカ
を製造することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明による表面修飾シリカの製造方法は、水とアルカ
リ触媒とを含有するアルコール中でテトラアルコキシシ
ランを加水分解して得られる、表面のけい素に直結した
アルコキシ基の密度が3.5μmol/m2以上、シラノール基
の密度が2μmol/m2以下、比表面積S(m2/g)と平均粒
子径D(nm)との関係がS×D≧5,000である、表面が
アルコキシ化された多孔質シリカ微粒子のアルコール分
散体に、 一般式:R1 4-nSiXn、(R1 3Si)2NH、 (ここに、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子または炭素原
子数が1〜20の置換または非置換の炭化水素基;X、Y1
それぞれヒドロキシ基または炭素原子数が1〜4のアル
コキシ基;Y2は水素原子または炭素原子数が1〜4のア
ルキル基、nは1〜3、mは1〜20である)で示される
有機けい素化合物を加えて、シリカ表面修飾反応を行わ
せることからなる。
これをさらに詳細に説明すると、本発明の表面修飾シリ
カの製造に用いられる表面がアルコキシ化された多孔質
シリカ微粒子は、表面のけい素に直結したアルコキシ基
の密度が3.5μmol/m2以上、シラノール基の密度が5μm
ol/m2以下、比表面積S(m2/g)と平均粒子径D(nm)
との関係がS×D≧5,000で表される特性を持つもので
ある。
一般に、無孔質、真球状、単分散粒子の比表面積S(m2
/g)と平均粒子径D(mn)との関係は、Watson〔Anal.C
hem.20,576(1948)〕によれば、S×D=2,720であ
る。このときS×D≧2,720であるならば、このシリカ
は細孔を持つ多孔質体である。そして、この数値(S×
D)が大きいほど、球状から外れて、より多孔質となり
表面積が増大し有機けい素化合物との反応性が増す。
従来のアルコール分散シリカゾルではS×D=3,000〜
4,000と多孔質性が低いが、本発明で用いられるシリカ
ゾルはS×D≧5,000という非常に多孔質なシリカであ
るため有機けい素化合物との反応性が大きい。
また、3.5μmol/m2以上の、けい素に直結したアルコキ
シ基と2μmol/m2以下のシラノール基とが存在するシリ
カ表面は、アルコキシ基が数多く存在するため可成疎水
性である。他方、前述した特開昭63−182204号公報に記
載されているアルコキシシランを原料としたシリカで
は、アルコキシ基が少なく表面シラノール基が多いた
め、その表面は可成親水性である。
これらのシリカと有機けい素化合物との反応性を比較す
ると、従来法で製造されたシリカでは親水性の表面を持
っているため、そこに多くの水分子が吸着し本来疎水性
である有機けい素化合物の接近を妨げ表面修飾反応の進
行を妨害する。しかし本発明で用いられるシリカでは疎
水性の表面であるため、水分子の吸着が少なく、それ以
上に多くのアルコール分子が吸着している。したがっ
て、有機けい素化合物は容易にシリカ粒子表面に接近し
表面修飾反応を円滑に進行させることができる。これ
が、本発明の方法で前述した特性を持つ多孔質微粒子を
用いる理由である。
このような特性を有する多孔質シリカ微粒子の製造は、
0.1〜6モル/の濃度のテトラアルコキシシランまた
はこれのアルコール溶液を、所定の温度に保持され充分
に攪拌されている。その2.5〜5.0倍モルの水と0.1〜3
倍モルのアルカリ触媒を含有する水−アルコール−アル
カリ触媒混合溶液中に徐々に導入することによって行わ
れる。このとき攪拌が不足すると、沈降性のシリカ粒子
が生成するので好ましくない。また水−アルコール−ア
ルカリ触媒混合溶液は開放しておくと、アルコールやア
ルカリ触媒が揮発し、それらの濃度が時々刻々と変化し
再現性のある製品を製造しにくくなるので密閉系で行う
のが望ましい。
このテトラアルコキシシランは、一般式Si(OR)で示
される化合物で、Rで定義されるアルキル基は炭素原子
数4以下のメチル、エチル、プロピル、ブチル等が好ま
しい。これには例えば、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラ−1−プロポキシシラン、テト
ラ−1−ブトキシシランなどが挙げられる。
このアルキル基の炭素数が増加すると、メチル基では5
〜500nm、エチル基では100〜2,500nm、プロピル基では2
50〜3,500nm、ブチル基では500〜5,000nmというよう
に、反応により生成するシリカの粒子径が大きくなる。
そこで求める粒子径に応じてアルキル基の炭素数の異な
るテトラアルコキシシランを選択して使用するのが望ま
しい。
テトラアルコキシシランの反応触媒としてのアルコール
に対する濃度は0.1〜6mol/、とくには0.2〜2mol/で
あることが好ましい。濃度が0.1mol/よりも低いと、
過大な反応容積を必要とし生産性が低く経済性に劣る。
また6mol/を超えると、濃すぎるために粒子間の解合
が起こり分散性の低下さらには凝集によるシリカの分相
を生ずる。
反応媒体としてのアルコールは一般式ROHで示される低
級脂肪族アルコールで、Rで定義されるアルキル基が炭
素原子数で4以下のメタノール、エタノール、2−プロ
パノール、1−ブタノールなどが好ましい。これらは通
常市販品で充分間に合うが、このアルコールの炭素原子
数が増加すると生成するシリカの粒子径が大きくなるの
で、希望するシリカの粒子径に応じてアルコールの種類
を選択するのが望ましい。
反応媒体系に添加使用されるアルカリ触媒としては、ア
ンモニア、またはそのアルキル基がメチル、エチル、プ
ロピル、ブチルなどであるアルキルアミン類、例えば、
モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン、トリアルキ
ルアミンなどが使用可能である。しかしアルキルアミン
は触媒作用が弱くてテトラアルコキシシランの加水分解
速度が遅く、濃度によっては凝集剤としてシリカ粒子の
解合を促進する働きもあるため、このような作用を持た
ず反応性に優れ揮発性が高く後工程での除去のし易いア
ンモニアの方が好適である。
このアルカリ触媒のテトラアルコキシシランに対する濃
度、すなわちシリカに対するモル比(例えばアルカリ/S
i)は0.1〜3であり、とくには0.3〜2が好ましい。こ
れが0.1以下ではシリカがごく微細な粒子として分散
し、安定に存在し得るに必要な電荷を粒子表面に付与す
ることができず、反応中あるいは反応後しばらくして粒
子同志が解合してゲル化してしまい、また3以上の添加
では触媒効果の向上が望めず経済的でない。しかし、こ
の触媒濃度を上記の範囲内で変化させると、シリカの粒
子径が変化するので、この性質を利用してシリカ粒子の
大きさを調整することもできる。
加水分解に必要な水の理論量(化学量論値)は、H2O/ア
ルコキシシラン=2である。本発明では表面にアルコキ
シ基を持つシリカを製造するため、水の量は理論値に近
い量でなければならない。その量はテトラアルコキシシ
ランに対し2.5〜6.0倍モル、とくには3.0〜6.0倍モルが
好ましい。これが2.5倍モル未満ではテトラアルコキシ
シランが充分に加水分解されないため、未反応のテトラ
アルコキシシランが残存したり部分加水分解物である可
溶性ポリマーなどが生成するので好ましくない。また6.
0倍モルを超えると加水分解が充分に進行し表面のシラ
ノール基が増加して好ましくない。
アルコキシシランからシリカ粒子へ成長するときの加水
分解の機構は次式で示される。
Si(OR)+XH2O→Si(OH)(OR)4-x+XROH … ≡Si−OH+HO−Si≡→≡Si−O−Si≡+H2O …… ≡Si−OH+RO−Si≡→≡Si−O−Si≡+ROH … 式で生成した加水分解モノマーが、そのシラノール基
同志(式)あるいはシラノール基とけい素に直結した
アルコキシ基と(式)が縮合することで、オリゴマー
→ポリマー→微細粒子と次第に分子量(縮合度)を高め
最終的に希望の大きさの粒子にまで成長する。このとき
の加水分解温度は10〜50℃、とくには20〜40℃が好まし
い。これが10℃未満では加水分解反応速度や縮合反応速
度を低下させる以上にシリカ粒子表面へのアルカリイオ
ンの配位速度を低下させ粒子のイオン的安定性を減少さ
せ粒子同志の融合を促進するので好ましくなく、また50
℃を超えると加水分解反応速度や縮合反応速度を増加さ
せる以上にシリカ粒子表面へのアルカリイオンの配位速
度を増加し縮合度の低い状態で安定化し小さすぎるシリ
カ粒子を生成するので好ましくない。しかし、この範囲
内で反応温度を変化させると、シリカの粒子径を変える
ことができるので、この条件によってもシリカ粒子の調
整が可能である。
以上のように、本発明の方法では原料として用いられる
テトラアルコキシシランおよびアルコールの炭素原子
数、アルカリ触媒の濃度、反応系への水の添加量、およ
び反応温度により、シリカの粒子径の制御が可能であ
る。この制御は一般には求める粒子径に応じて、まずテ
トラアルコキシシランの中から適当な炭素数を持つもの
を選び、これによって前述したシリカ粒子径の範囲、例
えばテトラメトキシシランでは5〜500nmの範囲を決め
る。この範囲内での、より精密な粒径制御が要求される
場合には、第1表に示した諸条件での傾向に従って各条
件を選択すれば、任意の粒子径のシリカを製造すること
ができる。
このようにして得られる多孔質シリカ微粒子との反応に
用いられる有機けい素化合物は 一般式 R1 4-nSiXn、(R1 3Si)2NH、 (ここに、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子または炭素原
子数が1〜20の置換または非置換の炭化水素基;X,Y1
それぞれヒドロキシ基または炭素原子数が1〜4のアル
コキシ基;Y2は水素原子または炭素原子数が1〜4のア
ルキル基、nは1〜3、mは1〜20である)で示される
ものである。
このような化合物の具体例としては、トリメチルメトキ
シシラン、トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメ
トキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルジメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、メチルビニルジメトキシシラン、ジフェニルジメ
トキシシラン、3−アミロプロピルメチルジメトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメ
トキシシランなどのアルコキシシラン類、ヘキサメチル
ジシラザン、テトラメチルジビニルジシラザンなどのシ
ラザン類、トリメチルシラノール、トリエチルシラノー
ル、トリフェニルシラノール、ジフェニルシランジオー
ル、末端OH基のジメチルシロキサンオリゴマー、末端OH
基のメチルフェニルシロキサンオリゴマーなどのシラノ
ール類などが挙げられ、これらはその1種または2種以
上の混合物として使用される。
この有機けい素化合物の使用量はシリカ粒子に含まれて
いるSiO2の量とのモル比で0.01〜10、とくには0.1〜1
とするのが好ましい。これが0.01未満では表面に導入さ
れる有機けい素化合物の量が少なく、この化合物の保有
する特性をシリカ表面で充分に発揮させることができな
い。また10を超えるときはシリカ表面と有機けい素化合
物との反応が完結せず過剰の有機けい素化合物が残留す
るので好ましくない。
反応は前工程で得られたアルコール分散シリカゾルを攪
拌しながら上記の量割合の有機けい素化合物をゆっくり
加えた後、0℃以上、好ましくは10℃以上で、1〜8時
間、好ましくは3〜5時間攪拌することで行われる。こ
の反応に際し温度が0℃未満では反応が遅く長時間を必
要とし不経済である。
前述した方法で得られたアルコール分散シリカゾルは、
シラノール基の量が少なくけい素に直結するアルコキシ
基の量が多いので、この反応に好適である。このとき加
えられた有機けい素化合物中の加水分解性基は、分散媒
である含水アルコール中で水と反応して≡Si−OH基に変
化する。このとき特開昭63−182204号公報に述べられて
いる方法でシラノール基の多いシリカを製造するために
H2O/Si≧6にすると、有機けい素化合物の加水分解は素
早く進行し数多くの≡Si−OH基が生成する。そうする
と、これらの≡Si−OH基同志が縮合反応を起こし有機け
い素化合物同志のオリゴマーを生成し実際にシリカ表面
修飾反応に消費される分が減少し効率を低下させる。
一方、本発明のシリカを製造するときの分散媒中には水
分が非常に少ないため≡Si−OH基の生成量が少ない。し
たがって有機けい素化合物同志の縮合反応は少なく効率
良くシリカと反応することが可能となる。
この反応で得られた分散シリカにおいて、分散媒である
アルコールを別の有機溶媒に置き換えるには、これに任
意の有機溶媒を加え蒸留などによりアルコールを除去す
るという方法で行われる。この有機溶媒としては、ヘキ
サン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化
水素類が好ましい。
(実施例) つぎに、本発明の具体的態様を実施例および比較例によ
り説明する。なお各例においてシラノール基、けい素に
直結したアルコキシ基、および有機けい素置換基の定量
は以下の方法で行った。
シラノール基: シリカ表面のシラノール基にメタノールをオートクレー
ブ中で反応させ、得られたシリカの炭素含有量を定量
し、その増加分からシラノール基の量を次式で求めた。
ΔC0:反応前後の炭素量の差(重量%) S:N2吸着による比表面積(m2/g) けい素に直結したアルコキシ基: シリカを10%NaOH水溶液で溶解して、生成したアルコー
ルの量をガスクロマトグラフィーで定量し、次式により
求めた。
W:単位重量当りのシリカから生成したアルコールの量
(μmol/g) S:N2吸着による比表面積(m2/g) 有機けい素置換基: の方法でシリカ表面のアルコキシ基を脱離させた後、
シリカに含まれている炭素量を定量し、その値から有機
けい素置換基の量を次式で求めた。
C:シリカに含まれている炭素量(重量%) S:N2吸着による比表面積(m2/g) n2:有機けい素置換基に含まれている全炭素数 実施例 1. 攪拌モーター、滴下ロート、および温度計の付いた10
のガラス製フラスコに、28%アンモニア水182ml、イオ
ン交換水110ml、およびエタノール5542mlをそれぞれ仕
込み、激しく攪拌しながら反応液を38℃に保ち、そこへ
テトラメトキシシラン518mlとエタノール648mlの混合溶
液を1時間かけて滴下した。得られたエタノール分散シ
リカゾルの粒径をサブミクロンアナライザー(N4−64SD
型、コールター社製)で測定したところ40nmであった。
このシリカゾルを乾燥させた後、窒素吸着による比表面
積を比表面積自動測定装置(2200型、(株)島津製作所
製)で測定したところ250m2/gであった。
次に、このシリカ粉末のCP−MAS法による29Si−NMRと13
C−NMRとをNMR測定装置(GSX−270型、日本電子(株)
製)で測定し、それぞれの結果を第1図(a)、(b)
に示した。なお、このときの上記エトキシ基の量は12μ
mol/m2、シラノール基は1.8μmol/m2であった。
上記のエタノール分散シリカゾルをロータリーエバポレ
ーターで減圧下で濃縮してシリカ濃度20重量%のシリカ
ゾル100gを得た。これにヘキサメチルジシラザン0.5gを
加えて20℃で3時間攪拌した。反応後、キシレン120gを
加え減圧蒸留でエタノールを除去してキシレン分散シリ
カゾル(キシレン>99.5%)を得た。このシリカゾルを
乾燥させた後、CP−MAS法による29Si−NMRと13C−NMRと
を測定し、それぞれの結果を第2図(a)、(b)に示
した。
比較例 1. テトラアルコキシシランおよびアルコールの種類、各原
料の溶液全体に対する濃度および反応温度を第2表に示
した条件とした他は、実施例1と同様にしてアルコール
分散シリカゾルを製造した。このときの反応条件と分析
結果も第1表に併記した。このシリカゾルを乾燥させて
得られたシリカ粉末のCP−MAS法による29Si−NMRと13C
−NMRとをNMR測定装置(GSX−270型、日本電子(株)
製)で測定し、その結果を第3図(a)、(b)に示し
た。
つぎに、上記のシリカゾルを用いて実施例1と同様の有
機けい素化合物を用いて第3表に示した条件で反応させ
た。その結果、得られたキシレンゾル中のアルコール濃
度が15%以下になるとゲル化し、シリカとキシレンは分
相した。このシリカゾルを乾燥させた後、CP−MAS法に
よる29Si−NMRと13C−NMRとを測定し、その結果を第4
図(a)、(b)に示した。
本発明と従来技術とにおける原料シリカゾルについての
測定結果は、第1図と第3図とを比較対照することによ
り評価できる。すなわち、(≡SiO)4Siのシグナルを
ベースに、(≡SiO)2Si(OH)のシグナルと、(≡Si
O)3SiOHのシグナルとを比較すると、本発明ではヒド
ロキシル基が少なく従来技術では多いことがわかる。な
お、、はエトキシ基による、はメトキシ基によ
る、それぞれのシグナルである。
さらに、修飾シリカについては第2図と第4図との比較
によって評価できる。本発明による第2図の結果から
は、ヒドロキシ基のシグナルを示すが減少し、修飾基
のトリメチルシリル基に起因するシグナルが増加し
ていることから、修飾基の反応がよく行われていること
が判るが、従来法で得られたものは、第4図に示すよう
にヒドロキシ基によるシグナルは殆ど減少しておら
ず、また修飾基のトリメチルシリル基によるシグナル
も低いことから、この反応は充分に行われていないこ
とが判る。
実施例 2〜4.および比較例2〜3. テトラアルコキシシランおよびアルコールの種類、各原
料の溶液全体に対する濃度および反応温度を第2表に示
した条件とした他は、実施例1と同様にしてアルコール
分散シリカゾルを製造した。このときの反応条件と分析
結果を第2表に併記した。得られたシリカゾルを第3表
に示す条件で各種の有機けい素化合物と反応させ、その
結果を第3表に併記した。各比較例では、得られたキシ
レンゾル中のアルコール濃度が2〜8%以下になるとゲ
ル化し、いずれも場合もシリカとキシレンとが分相し
た。
(発明の効果) 本発明の方法によって得られる表面修飾シリカは、その
表面が有機けい素化合物で変性されているため、疎水性
有機溶媒中での安定度を著しく向上させるだけでなく、
この有機けい素化合物として種類の異なるものを選択す
ることで、様々な表面変性の施されたシリカ粒子からな
る有機溶媒分散ゾルとすることができる。このため従来
のプラスチックレンズのハードコート、繊維処理剤とし
ての性能向上のほか、オイルの増粘剤等の新たな用途の
拡大が期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ実施例1で得られた原料
の多孔質シリカ微粒子と表面修飾シリカについて、CP−
MAS法による29Si−NMR(各図a)と13C−NMR(各図b)
のスペクトルの測定結果を示すグラフ、第3図および第
4図はそれぞれ比較例1で得られた原料シリカ粉末と、
その有機けい素化合物との反応生成物とについて、CP−
MAS法による29Si−NMR(各図a)と13C−NMR(各図b)
のスペクトルの測定結果を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水とアルカリ触媒とを含有するアルコール
    中でテトラアルコキシシランを加水分解して得られる、
    表面のけい素に直結したアルコキシ基の密度が3.5μmol
    /m2以上、シラノール基の密度が2μmol/m2以下、比表
    面積S(m2/g)と平均粒子径D(nm)との関係がS×D
    ≧5,000である、表面がアルコキシ化された多孔質シリ
    カ微粒子のアルコール分散体に、 一般式:R1 4-nSiXn、(R1 3Si)2NH、 (ここに、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子または炭素原
    子数が1〜20の置換または非置換の炭化水素基;X,Y1
    それぞれヒドロキシ基または炭素原子数が1〜4のアル
    コキシ基;Y2は水素原子または炭素原子数が1〜4のア
    ルキル基、nは1〜3、mは1〜20である)で示される
    有機けい素化合物を加えて前記多孔質シリカ微粒子と反
    応させることを特徴とする表面修飾シリカの製造方法。
  2. 【請求項2】テトラアルコキシシランの加水分解が、テ
    トラアルコキシシランに対し2.5〜6倍量の水と0.1〜3
    倍量のアルカリ触媒の存在下で行われる請求項1記載の
    表面修飾シリカの製造方法。
  3. 【請求項3】前記アルコール分散体への有機けい素化合
    物の添加量が、前記多孔質シリカ微粒子中のSiO2の量と
    のモル比で0.01〜10の範囲内である請求項1記載の表面
    修飾シリカの製造方法。
JP14986089A 1988-09-13 1989-06-13 表面修飾シリカの製造方法 Expired - Lifetime JPH0798655B2 (ja)

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