JP7279278B2 - 加飾成形方法及び加飾成形の仕上げ用冶具 - Google Patents
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Description
開口部を含む被着体の加飾成形部に加飾フィルムを密着させて加飾成形する加飾成形工程と、
加飾フィルムが密着した加飾成形後の被着体の開口部において、加飾フィルムの被着面の裏側から開口部に対応する裏当て部材510,B2,B3を押し当てる裏当て工程と、
加飾フィルムが密着した加飾成形後の被着体の開口部において、加飾フィルムの被着面の表側から開口部に対応するキャップ部材6(61,62,63)を押し当てて、裏当て部材とキャップ部材6とで開口部の加飾フィルムを挟み込む挟み込み工程と、
キャップ部材6の側面にカットレーザーを照射してその反射によって開口部の加飾フィルムの加飾成形範囲の境界部をレーザーカットするレーザーカット工程と、
を具備することを特徴とする。
前記挟み込み工程において、窪み部及び突起部が互いに嵌合することが好ましい。
前記裏当て工程において、裏当て部材を押し当てることで、裏当て部材の段差部(突起部又は窪み部)が加飾フィルムの開口部を破断貫通することが好ましい。
前記挟み込み工程において、キャップ部材を押し当てることで、キャップ部材の段差部(窪み部又は突起部)が加飾フィルムの開口部を破断貫通することが好ましい。
前記レーザーカット工程においては、
被着体を、被着フィルムを上方にして台上に保持ないし配置した状態とし、
カットレーザーを上方からキャップ部材6の周囲側面に亘って、照射位置を周方向へ移動させながら照射することが好ましい。
複数の開口部を有すると共に当該開口部を含んだ加飾成形部に加飾フィルムが被着成形された被着体において、加飾成形範囲に含まれない不要部の加飾フィルムをレーザーカットで除去するための仕上げ用冶具であって、
複数の開口部を含む加飾成形後の被着体を載置ないし保持する保持台と、
複数の開口部各々に対応して複数配置されると共に、加飾成形後の被着体の開口部の裏側から押し当てられて、開口部の加飾フィルムの裏面に面接触する裏当て部と、
複数の開口部各々に対応して複数配置されると共に、加飾成形後の被着体の開口部の表側から押し当てられて、開口部の加飾フィルムの表面に面接触するキャップ部材と、とを具備してなり、
前記裏当て部材とキャップ部材は、開口部の加飾フィルムへの面接触によって、開口部の加飾フィルムを挟み込んだ状態で互いに嵌合することを特徴とする、
複数の開口部を有すると共に当該開口部を含んだ加飾成形部に加飾フィルムが被着成形された被着体において、加飾成形範囲に含まれない不要部の加飾フィルムをレーザーカットで除去するための仕上げ用冶具であって、
複数の開口部を含む加飾成形後の被着体を載置ないし保持する保持台と、
複数の開口部各々に対応して複数配置されると共に、加飾成形後の被着体の開口部の裏側から押し当てられて、開口部の加飾フィルムの裏面に面接触する裏当て部と、
複数の開口部各々に対応して複数配置されると共に、加飾成形後の被着体の開口部の表側から押し当てられて、開口部の加飾フィルムの表面に面接触するキャップ部材と、とを具備してなり、
前記裏当て部材とキャップ部材は、開口部の加飾フィルムへの面接触によって、開口部の加飾フィルムを挟み込んだ状態で互いに嵌合することを特徴とする、
上開口した下空間を有し、この下空間内に、前記加飾成形範囲を上に向けた被着体を収容する下ボックスと、
下開口した上空間を有し、この下開口と前記下ボックスの前記上開口とを対向させ、下開口と上開口との間に加飾フィルムを挟んだ状態で、上空間を前記下空間の上部に密閉連成し得る上ボックスと、
加飾成形範囲の平面投影面積よりも大きい枠孔を有し、この枠孔内に、横方向に拡げた加飾フィルムの周部を保持して加飾フィルムを張架し得る保持枠と、
前記上ボックスが下ボックスの上部に密閉配置された状態で、上空間内及び下空間内の圧力を制御する圧力制御装置と、を具備してなる。
すなわち、被着体の上部に囲い枠体を接触させて加飾成形範囲を囲い、かつ、下ボックス内に被着体を収容した状態とする収容工程と、
前記加飾成形範囲の平面投影面積よりも大きい加飾フィルムを、上開口の上方又は下開口の下方で横方向に拡げ、加飾フィルムの周部を保持枠で保持した状態とするフィルムセット工程と、
下ボックスの上開口と上ボックスの下開口とを対向させ、下開口と上開口との間に加飾フィルムを挟んで上空間と下空間とを上下に連成し、密閉状態の上空間と密閉状態の下空間とを形成する第一密閉工程と、
前記圧力制御装置によって、密閉状態の下空間及び密閉状態の上空間を、互いに等圧の所定の第一圧力状態とする第一圧力調整工程と、
前記密閉状態の下空間において、加飾フィルム又はその周部の保持枠と、被着体とを近接させ、被着体上の加飾成形範囲とその上方を覆う加飾フィルムとによって上下を囲われた、密閉状態の囲い空間を形成する第二密閉工程と、
密閉状態の囲い空間内を第一圧力状態に維持したまま、前記圧力制御装置によって、前記密閉状態の囲い空間を除く密閉状態の下空間と密閉状態の上空間とを、前記減圧状態から瞬間的に加圧し、互いに等圧の第二圧力状態とする第二圧力調整工程と、からなる各工程である。
以下、実施例の各構成につき詳述する。
上開口した下空間を有し、この下空間内に、前記加飾成形範囲(MA)を上に向けた被着体(W)を収容する下ボックス(1)と、
下開口した上空間(A)を有し、この下開口と前記下ボックス(1)の前記上開口とを対向させ、下開口と上開口との間に加飾フィルム(F)を挟んだ状態で、上空間(A)を前記下空間の上部に密閉連成し得る上ボックス(2)と、
加飾成形範囲(MA)の平面投影面積よりも大きい枠孔を有し、この枠孔内に、横方向に拡げた加飾フィルム(F)の周部を保持して加飾フィルム(F)を張架し得る保持枠(32)と、
前記上ボックス(2)が下ボックス(1)の上部に密閉配置された状態で、上空間(A)内及び下空間内の圧力を制御する圧力制御装置と、を具備し、これらの構造に加えてさらに、
前記被着体(W)の加飾成形範囲(MA)の外縁を囲って被着体(W)上部に接触配置される囲い枠体(33)と、
前記被着体(W)の開口部(WH1)に係止して配設され、加飾成形範囲(MA)の外縁から被着体(W)の平面視外方に一部分が突出し得る締付ベース体(3)と、
締付ベース体(3)と保持枠(32)とを上下連結し、この上下連結距離を短縮させ得る連結棒と、を具備してなる。
下ボックス(1)は、図1~3又は図4~5に示すように、大型の被着体(W)全体を収容し得る下空間(B)を有した箱型の六面体において、前面と上面の2面にそれぞれ前開口(101)と上開口(102)とが形成され、さらに、前開口(101)を密閉閉塞可能な前扉(14)と、底内に引き出し可能に収容された底板(13)とがスライド移動可能に付属される。また箱型の六面体の周囲を囲って作業用足場(15F)と作業用足場(15F)に連なる昇降階段(15S)とが設けられる。前扉(14)は、開状態(O)では下ボックス(1)の片側部に固定されたスライド台(24)の前面にスライド移動し(図2~図4)、閉状態(S)では前開口(101)全体を塞ぐように下ボックス(1)の前面にスライド移動する(図5)。なお、このスライド移動はスライド台(24)の前面に水平形成された扉レール(241)によってスライド方向が規制され、閉状態(S)ではガスケット(141)によって前開口(101)を密閉状態で閉塞する。
底板(13)は前開口(101)が開状態(O)のときに前開口よりも前方へ引き出し可能にスライド支持され、引き出し状態(O)で被着体(W)を載置したのちに収納状態(I)で被着体(W)を下ボックス(1)内に収容する(図2~3、図4~5)。下ボックス(1)の側部には、図示しない圧力制御装置に連通した連通管(1P)が接続される。
上ボックス(2)は、スライド台(24)上を左右にスライド移動可能なスライド保持枠の上側部に支持されると共に、支持アーム(211)によって上下に昇降移動可能に支持される。上ボックス(2)の側部には、図示しない圧力制御装置に連通した連通管(1P)が接続される。上ボックス(2)は方形の天板の四方を縦方向の側枠(21)で囲われることで、内部の上空間(A)を有する。側枠(21)の枠下面(22)が下ボックスの側上面(12)に対向してなる。図8に示す第一密閉工程において上ボックス(2)の枠下面(22)と下ボックスの側上面(12)とが、保持規制体(4)の保持バンド(41)を挟んで当接し、上空間及び下空間の密閉状態を形成する。
保持枠(32)は、加飾成形範囲(MA)の平面投影面積よりも大きい加飾フィルム(F)の周部を、上開口の上方又は下開口の下方で横方向に拡げて張架した状態で、枠孔内に保持した状態とし得る。
囲い枠体(33)は、加飾成形範囲(MA)の平面投影面積よりも大きい枠孔(330)を有して平面視四方枠状に一体形成された方形枠である。枠内面(331)は枠孔中心方向寄り且つ上方寄りの斜め方向を法線とする傾斜面で形成され、解放状態で所定の枠高さ(33H)を有してなる。囲い枠体(33)は弾性材で周囲をおおわれてなり、図9に示す第二密閉工程において弾性変形することで、枠高さ(33H)は圧縮されたより小さい枠高さ(33H´)となる。
加飾フィルム(F)を保持して張架した保持枠(32)と、囲い枠体(33)とは、密閉状態の下空間において接触することで、保持枠(32)に保持して張架された加飾フィルム(F)を囲い空間(C)上縁とし、加飾成形範囲(MA)の被着体(W)を囲い空間(C)下縁として、囲い枠体(33)の枠内部に密閉状態の囲い空間(C)を形成する。
圧力制御装置は、密閉状態の下空間及び密閉状態の上空間(A)を、互いに等圧の所定の第一圧力状態とし得ると共に、密閉状態の囲い空間(C)内を第一圧力状態に維持したまま、前記密閉状態の囲い空間(C)を除く密閉状態の下空間と密閉状態の上空間(A)とを、前記減圧状態から瞬間的に加圧し、互いに等圧の第二圧力状態とし得る。
(加飾成形方法)また本発明の実施例1の加飾成形方法は、前記所定の加飾成形の仕上げ用冶具を用いて、囲い空間(C)の加飾成形範囲(MA)に加飾フィルム(F)を部分加飾成形する方法であって、以下の各工程を含む。
被着体(W)の上部に囲い枠体(33)を接触させて加飾成形範囲(MA)を囲い、かつ、下ボックス(1)内に被着体(W)及び囲い枠体(33)を収容した状態とする収容工程と、
前記加飾成形範囲(MA)の平面投影面積よりも大きい加飾フィルム(F)を、上開口の上方又は下開口の下方で横方向に拡げ、加飾フィルム(F)の周部を保持枠(32)で保持した状態とするフィルムセット工程と、
下ボックス(1)の上開口と上ボックス(2)の下開口とを対向させ、下開口と上開口との間に加飾フィルム(F)を挟んで上空間(A)と下空間とを上下に連成し、密閉状態の上空間(A)と密閉状態の下空間とを形成する第一密閉工程と、
前記圧力制御装置によって、密閉状態の下空間及び密閉状態の上空間(A)を、互いに等圧の所定の第一圧力状態とする第一圧力調整工程と、
前記密閉状態の下空間において、加飾フィルム(F)又はその周部の保持枠(32)と、囲い枠体(33)と、を互いに接触させ、囲い枠体(33)の枠内部に密閉状態の囲い空間(C)を形成する第二密閉工程と、
密閉状態の囲い空間(C)内を第一圧力状態に維持したまま、前記圧力制御装置によって、前記密閉状態の囲い空間(C)を除く密閉状態の下空間と密閉状態の上空間(A)とを、前記減圧状態から瞬間的に加圧し、互いに等圧の第二圧力状態とする第二圧力調整工程と、からなる各工程を含む。
また、被着体(W)を受け冶具等で支える場合でも、被着体(W)の下面側を同じ圧力とするための導圧回路を設ける必要がなく、被着体(W)の減圧時の成形保持性能に拘らず、複雑な形状の被着体(W)であっても、比較的簡易な構造で確実に被着体(W)の部分加飾成形を行うことができる。例えば範囲の裏側に微細な穴ないし孔、溶接部、接着部、或いは内部空間が存在していた場合でも、被着面の部分加飾成形範囲(MA)において密閉状態の囲い空間(C)が形成されることで、被着体(W)の成形部分が変形したり欠損したりすることなく、また、圧力漏れが生じることもない。
(第一圧力工程、第二圧力調整工程)
前記第一圧力工程は、囲い空間(C)を除く密閉状態の下空間内及び密閉状態の上空間(A)内を同時に吸引して、大気圧よりも減圧させた第一圧力状態とする工程であり、
前記第二圧力調整工程は、前記第一圧力調整工程で第一圧力状態とした、囲い空間(C)を除く密閉状態の下空間内及び密閉状態の上空間(A)を、同時に大気圧に開放して、大気圧と等圧の第二圧力状態とする工程である。前記の工程であれば、圧力制御装置として少なくとも、上ボックス(2)及び下ボックス(1)に連通する連通管とこれに接続する減圧ポンプを有していればよく、簡易な機構をもって確実な圧力制御を行うことができる。
(囲い空間(C)の形成)
前記第一密閉工程は、横方向に拡げた加飾フィルム(F)の縁部を、上下移動可能な保持枠(32)によって保持固定し、
前記上空間(A)と下空間とを連成することで、加飾フィルム(F)を保持した保持枠(32)を、前記下空間内ないし上空間(A)内に収容するものであり、
前記第二密閉工程は、前記保持枠(32)を下降させて、被着体(W)の加飾成形範囲(MA)を含む接触上面又は被着体(W)上に配置された囲い枠体(33)の接触面と、前記保持枠(32)の対向接触面と、を接触させることで、被着体(W)の加飾成形範囲(MA)の接触上面と、囲い枠体(33)の枠内面と、加飾フィルム(F)の下面とによって囲まれた囲い空間(C)を形成するものである。
(囲い枠体(33))
前記囲い枠体(33)は、被着体(W)上への配置接触部、又は保持枠(32)の対向接触面への接触部の少なくともいずれかに、加圧接触によって弾性変形し得る弾性材を有してなり、
前記第二密閉工程は、被着体(W)の加飾成形範囲(MA)を含む接触面又は被着体(W)上に配置された囲い枠体(33)の接触面と、前記保持枠(32)の対向接触面と、を近接させて加圧接触させることで、被着体(W)の加飾成形範囲(MA)の上面と、囲い枠体(33)の枠内面と、加飾フィルム(F)の下面とによって囲まれた囲い空間(C)を気密形成するものである。
(締付ベース体(3)及び連結棒)
前記所定の加飾成形の仕上げ用冶具は、さらに、
前記被着体(W)の開口部(WH1)に係止して配設され、加飾成形範囲(MA)の外縁から被着体(W)の平面視外方に一部分が突出し得る締付ベース体(3)と、
締付ベース体(3)と保持枠(32)とを上下連結し、この上下連結距離を短縮させ得る連結棒と、を具備してなる。
前記収容工程は、締付ベース体(3)を被着体(W)の開口部(WH1)に係止して配置した状態で、被着体(W)を下ボックス(1)内に収容するものであり、
前記フィルムセット工程は、保持枠(32)を締付ベース体(3)の上方かつ囲い枠体(33)の上方に配置して、保持枠(32)と締付ベース体(3)とを、連結棒によって上下連結するものであり、
前記第二密閉工程は、上下連結した保持枠(32)及び締付ベース体(3)の上下連結距離を短縮させて、締付ベース体(3)と保持枠(32)との距離を近接させ、締付ベース体(3)と保持枠(32)とによって囲い枠体(33)を上下に挟圧し、被着体(W)の加飾成形範囲(MA)の上面と囲い枠体(33)の枠内面と加飾フィルム(F)とによって囲われた囲い空間(C)を密閉形成する。
この加飾成形範囲(MA)に加飾フィルム(F)を密着させて被着体(W)を部分加飾成形する、加飾フィルム(F)による加飾成形方法であって、
前記所定の加飾成形の仕上げ用冶具は、
上開口した下区画空間を有し、この下区画空間内に、前記加飾成形範囲(MA)を上に向けた被着体(W)を収容する下ボックス(1)と、
下開口した上空間(A)を有し、この下開口と前記下ボックス(1)の前記上開口とを対向させ、下開口と上開口との間に加飾フィルム(F)を挟んだ状態で、上空間(A)を前記下区画空間の上部に密閉連成し得る上ボックス(2)と、
上開口した下区画空間を有して下ボックス(1)内に配設され、この下区画空間によって下区画空間のうちの上部を区画し得るベース枠体(16)と、
加飾成形範囲(MA)の平面投影面積よりも大きい枠孔を有し、この枠孔内に、横方向に拡げた加飾フィルム(F)の周部を保持して加飾フィルム(F)を張架し得る保持枠(32)と、
前記上ボックス(2)が下ボックス(1)の上部に密閉配置された状態で、上空間(A)内及び下区画空間内の圧力を制御する圧力制御装置と、を具備してなり、
前記所定の加飾成形の仕上げ用冶具を用いて、
下ボックス(1)内に被着体(W)を収容すると共にベース枠体(16)を配設して下区画空間のうちの上部を区画し、前記被着体(W)の加飾成形範囲(MA)を含む少なくとも一部分を、この下区画空間内に収容して支持した状態とする区画収容工程と、
前記加飾成形範囲(MA)の平面投影面積よりも大きい加飾フィルム(F)を、上開口の上方又は下開口の下方で横方向に拡げ、加飾フィルム(F)の周部を保持枠(32)で保持した状態とするフィルムセット工程と、
下ボックス(1)の上開口と上ボックス(2)の下開口とを対向させ、下開口と上開口との間に加飾フィルム(F)を挟んで上空間(A)と下区画空間とを上下に連成し、密閉状態の上空間(A)と密閉状態の下区画空間とを形成する第一密閉工程と、
前記圧力制御装置によって、密閉状態の下区画空間及び密閉状態の上空間(A)を、互いに等圧の所定の第一圧力状態とする第一圧力調整工程と、
前記密閉状態の下区画空間において、加飾フィルム(F)又はその周部の保持枠(32)と、ベース枠体(16)と、を互いに接触させ、ベース枠体(16)の枠内部に密閉状態の囲い空間(C)を形成する第二密閉工程と、
密閉状態の囲い空間(C)内を第一圧力状態に維持したまま、前記圧力制御装置によって、前記密閉状態の囲い空間(C)を除く密閉状態の下区画空間と密閉状態の上空間(A)とを、前記減圧状態から瞬間的に加圧し、互いに等圧の第二圧力状態とする第二圧力調整工程と、からなる各工程を含み、
前記第二圧力調整工程によって、囲い空間(C)の加飾成形範囲(MA)に加飾フィルム(F)を部分加飾成形することを特徴とする、加飾フィルム(F)による加飾成形方法。
また、被着体(W)を受け冶具等で支える場合でも、被着体(W)の下面側を同じ圧力とするための導圧回路を設ける必要がなく、被着体(W)の減圧時の成形保持性能に拘らず、複雑な形状の被着体(W)であっても、比較的簡易な構造で確実に被着体(W)の部分加飾成形を行うことができる。例えば範囲の裏側に微細な穴ないし孔、溶接部、接着部、或いは内部空間が存在していた場合でも、被着面の部分加飾成形範囲(MA)において密閉状態の囲い空間(C)が形成されることで、被着体(W)の成形部分が変形したり欠損したりすることなく、また、圧力漏れが生じることもない。
実施例2では、規制アングル(42)を下降させ、規制アングル(42)の下部に接触させた保持枠(32)をベース枠体(16)の枠底面に近接するように下降させることで、被着体(W)の加飾成形範囲(MA)を含む接触面と、加飾フィルム(F)とを接触させる。前記保持枠(32)の下降によって、被着体(W)の加飾成形範囲(MA)と加飾フィルム(F)とに囲われた囲い空間(C)が密閉形成される(図13(e))。
また、被着体(W)を受け冶具等で支える場合でも、被着体(W)の下面側を同じ圧力とするための導圧回路を設ける必要がなく、被着体(W)の減圧時の成形保持性能に拘らず、複雑な形状の被着体(W)であっても、比較的簡易な構造で確実に被着体(W)の部分加飾成形を行うことができる。例えば範囲の裏側に微細な穴ないし孔、溶接部、接着部、或いは内部空間が存在していた場合でも、被着面の部分加飾成形範囲(MA)において密閉状態の囲い空間(C)が形成されることで、被着体(W)の成形部分が変形したり欠損したりすることなく、また、圧力漏れが生じることもない。
W 被着体
WH1 WH2 WH3 開口部
1 下ボックス
1P 下連通管
11 側枠
12 枠上面
13 底板(O:引出し状態、I:収納状態)
14 前扉(O:開状態、S:閉状態)
141 ガスケット
101 前開口(O:開状態、S:閉状態)
102 上開口
16 ベース枠体(16)
161 側枠 162 上枠
17 受け冶具
18 支柱
2 上ボックス
2H ヒーター
2P 上連通管
21 側枠 211 支持アーム
22 枠下面 202 下開口
23 スライド保持枠
24 スライド台
241 扉レール
31 締付ベース体 31C 接続孔
32 保持枠(U:上昇位置、M:中間位置、L:下降位置)
321 下固定枠 322 上固定枠
33 囲い枠体(P:圧縮状態)
331H、33H、33H´ 枠厚さ
330 枠内
313、333、34 連結棒
A 上空間
B 囲い空間を除く下空間
C 囲い空間
32 フィルム保持枠
32A フィルム保持上枠 32B フィルム保持下枠
33 気密枠
34 枠駆動アーム
4 保持規制体(U:上昇位置、M:中間位置、L:下降位置)
41 保持バンド
42 規制アングル(U:上昇位置、M:中間位置、L:下降位置)
510,B2,B3 裏当て部材
F 加飾フィルム
6(61,62,63) キャップ部材
Claims (6)
- 開口部を有する被着体の加飾成形範囲に加飾フィルムを密着させて被着体を加飾成形する、加飾フィルムによる加飾成形方法であって、
開口部を含む被着体の加飾成形部に加飾フィルムを密着させて加飾成形する加飾成形工程と、
加飾フィルムが密着した加飾成形後の被着体の開口部において、加飾フィルムの被着面の裏側から開口部に対応する裏当て部材を押し当てる裏当て工程と、
加飾フィルムが密着した加飾成形後の被着体の開口部において、加飾フィルムの被着面の表側から開口部に対応するキャップ部材を押し当てて、裏当て部材とキャップ部材とで開口部の加飾フィルムを挟み込む挟み込み工程と、
キャップ部材の表側の側面にカットレーザーを照射してその反射によって開口部の加飾フィルムの加飾成形範囲の境界部をレーザーカットするレーザーカット工程と、
を順に具備することを特徴とする、加飾成形方法。 - 前記裏当て部材と前記キャップ部材とは、被着体の開口部に対応した、一方及び他方の対応位置に、それぞれ、窪み部及び突起部のいずれか一方及び他方を有してなり、
前記挟み込み工程において、前記窪み部及び前記突起部が互いに嵌合する、請求項1に記載の加飾成形方法。 - 前記裏当て部材は加飾フィルムの開口部の対応範囲である裏当て面内の一部に、挟み込み方向へ段差形成された段差部として、突起部又は窪み部を有してなり、
前記裏当て工程において、裏当て部材を押し当てることで、裏当て部材の段差部としての前記突起部又は窪み部が加飾フィルムの開口部を破断貫通する、請求項1又は2に記載の加飾成形方法。 - 前記キャップ部材は加飾フィルムの開口部の対応範囲である挟み込み面内の一部に、挟み込み方向へ段差形成された段差部として、窪み部又は突起部のいずれかを有してなり、
前記挟み込み工程において、キャップ部材を押し当てることで、キャップ部材の段差部としての前記窪み部又は突起部が加飾フィルムの開口部を破断貫通する、請求項1、2又は3のいずれかに記載の加飾成形方法。 - 前記キャップ部材は、周囲側面が傾斜した鏡面で形成されてなり、
前記レーザーカット工程においては、
被着体を、被着フィルムを上方にして台上に保持ないし配置した状態とし、
カットレーザーを上方から前記キャップ部材の周囲側面に亘って、照射位置を周方向へ移動させながら照射する、請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の加飾成形方法。 - 複数の開口部を有すると共に当該開口部を含んだ加飾成形部に加飾フィルムが被着成形された被着体において、加飾成形範囲に含まれない不要部の加飾フィルムをレーザーカットで除去するための仕上げ用冶具であって、
複数の開口部を含む加飾成形後の被着体を載置ないし保持する保持台と、
複数の開口部各々に対応して複数配置されると共に、加飾成形後の被着体の開口部の裏側から押し当てられて、開口部の加飾フィルムの裏面に面接触する裏当て部と、
複数の開口部各々に対応して複数配置されると共に、加飾成形後の被着体の開口部の表側から押し当てられて、開口部の加飾フィルムの表面に面接触するキャップ部材と、とを具備してなり、
前記裏当て部材とキャップ部材は、開口部の加飾フィルムへの面接触によって、開口部の加飾フィルムを挟み込んだ状態で互いに嵌合することを特徴とする、
加飾成形の仕上げ用冶具。
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