JP5957131B1 - 熱成形装置および熱成形方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、特許文献1に示す従来の熱成形装置は、成形基材を保持する基材治具と、この基材治具を収容する下枠と、加熱面を有する熱板を設けた上枠と、を備え、成形基材の表面に、ゴム状弾性膜を介した熱板の加熱によって軟化したシートを被覆し、トリミングするものである。上枠内のチャンバー(上枠チャンバー)は、真空タンクおよび加圧タンクに接続されており、チャンバー内を真空および加圧可能であり、下枠内のチャンバー(下枠チャンバー)は真空タンクに接続されチャンバー内を真空にすることが可能な構成となっている。
先ず、成形基材を基材治具に保持させておき、シートを下枠チャンバーの周縁部にセットする。続いて、上枠チャンバーを下降させ、上枠チャンバー内を減圧して真空状態とし、熱板の加熱面にシートを吸着させて加熱する。そして、下枠チャンバー内を減圧させ、次に上枠チャンバーを大気開放あるいは加圧することにより、熱板で加熱されて軟化したシートを成形基材に引き付けさせて被覆する。その後、被覆されたシートを適宜なカットラインでカットすることでトリミングを行うと、その成形基材が熱成形品として形成される。
前記基材治具を枠内で上下移動可能に設けた下枠と、
前記熱板を枠内で上下移動可能に設けた上枠と、
制御部と、
を備え、
前記下枠の枠上縁部と前記上枠の枠下縁部との間に、前記シートのシート端縁が挟持される構成とされ、
該シートの挟持状態で、該シートよりも下側の成形基材側領域を減圧する減圧部が設けられ、
前記制御部は、
前記枠上縁部と前記枠下縁部に挟持されたシートに対して前記熱板からの熱による接触加熱を行うように制御し、
その後、前記成形基材側領域を前記減圧部により減圧させるように制御し、
前記基材治具及び前記熱板を互いに接触させないように上昇させることで、前記シートを前記成形基材の表面に被覆するように制御する、態様を有する。
加熱されたシートを前記成形基材の表面に被覆する熱成形方法であって、
前記下枠の枠上縁部と前記上枠の枠下縁部との間にシート端縁が挟持されたシートに対して前記熱板からの熱による接触加熱を行う工程と、
該シートの挟持状態で、該シートよりも下側の成形基材側領域を減圧する工程と、
前記基材治具及び前記熱板を互いに接触させないように上昇させることで、前記シートを前記成形基材の表面に被覆させる工程と、
を有する、態様を有する。
まず、図1〜8に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。なお、図1〜8は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
本態様の熱成形装置1は、成形基材2を保持する基材治具5と、熱板4と、を有し、加熱されたシート3を成形基材2の表面に被覆する。基材治具5は、深絞り成形品を対象とした成形基材2をその深絞り方向を上下方向に向けて保持してもよい。熱成形装置1は、基材治具5を枠内で上下移動可能に設けた下枠10と、熱板4を枠内で上下移動可能に設けた上枠20と、制御部6と、を備える。熱成形装置1は、下枠10の枠上縁部10aと上枠20の枠下縁部20aとの間に、シート3のシート端縁3aが挟持される構成とされている。熱成形装置1には、シート3の挟持状態で、該シート3よりも下側の成形基材側領域(例えば下枠チャンバー10A)を減圧する減圧部(例えば真空ポンプ7)が設けられている。制御部6は、枠上縁部10aと枠下縁部20aに挟持されたシート3に対して熱板4からの熱による接触加熱を行うように制御し、その後、成形基材側領域(10A)を減圧部(7)により減圧させるように制御し、基材治具5及び熱板4を互いに接触させないように上昇させることで、シート3を成形基材2の表面に被覆するように制御する。
基材治具5に成形基材2を保持し、シート3が枠上縁部10aと枠下縁部20aに挟持された状態で、熱板4の加熱面4aをシート3に接触する位置に下降させ、シート3を吸着させて加熱するように制御し、
加熱によりシート3を軟化させながら、又は軟化させた後に、成形基材側領域(10A)を減圧部(7)により減圧状態となるように制御し、
基材治具5及び熱板4が互いに接触しないようにそれぞれ上昇させることで、シート3を成形基材2の表面に被覆するように制御してもよい。
本態様の熱成形方法は、成形基材2を保持する基材治具5と、該基材治具5を枠内で上下移動可能に設けた下枠10と、熱板4と、該熱板4を枠内で上下移動可能に設けた上枠20と、を用い、加熱されたシート3を成形基材2の表面に被覆する。本熱成形方法は、以下の工程(A)〜(C)を含む。
(A)下枠10の枠上縁部10aと上枠20の枠下縁部20aとの間にシート端縁3aが挟持されたシート3に対して熱板4からの熱による接触加熱を行う工程。
(B)シート3の挟持状態で、該シート3よりも下側の成形基材側領域(例えば下枠チャンバー10A)を減圧する工程。
(C)基材治具5及び熱板4を互いに接触させないように上昇させることで、シート3を成形基材2の表面に被覆させる工程。
(A1)基材治具5に成形基材2を保持する工程。
(A2)下枠10の枠上縁部10aと上枠20の枠下縁部20aとの間でシート端縁3aを挟持して配置する工程。
(A3)熱板4の加熱面4aにシート3を吸着させて加熱する工程。
前記基材治具5は、前記成形基材2を保持する保持部52が上側へ出た平板部51を有してもよい。前記基材治具5の上昇位置は、前記平板部51の上面が前記シート端縁3aの挟持位置となる位置か、前記平板部51の上面が前記シート端縁3aの挟持位置となる位置よりも上側でもよい。本態様は、成形基材の下端位置に被覆されるシートの伸び量が少なくて済み、前述のように被覆される基材下端部のシートが薄くならずに破れの発生や剛性の低下を抑制することができ、品質の向上を図ることができる。
熱成形品2Aは、図2に示すように、深絞り成形品を対象とした成形基材2の外表面に、加熱により軟化したシート3を密着させて被覆することにより熱成形される。成形基材2は、有頂筒状に形成され、上面2aと、下端外周部2bとの間に、深絞り形状による高低差hを有している。
なお、本実施の形態の熱成形装置1には、とくに図示しないが、基材治具5に保持された成形基材2に被覆されたシート3の不要部分をトリミングする切断治具が設けられている。
なお、下枠チャンバー10Aのうち、基材治具5を挟んだ上側空間を符号10Aaで示し、下側空間を符号10Abで示している。これら上側空間10Aaと下側空間10Abとは、連通した状態(図では基材治具5によって仕切られた状態)となっている。
ここで、図1に示す熱板4及び基材治具5の平板部51は、それぞれの上下が同圧となるように通気性を有している。
基材治具5の下降位置P1は、少なくとも基材治具5に保持される成形基材2の上面2aが下枠10の枠上縁部10aよりも例えば10mm程度、下方となる位置に設定されている。また、基材治具5の上昇位置P2(図7参照)は、基材治具5の平板部51の上面が枠上縁部10a(シート端縁3aの挟持位置)と一致する位置に設定されている。ただし、上昇位置P2は、枠上縁部10aと一致する位置であることに限定されることはなく、枠上縁部10aよりもさらに上方に突出する位置であってもよい。また、基材下端部までシート3を被覆することができれば、上昇位置P2は枠上縁部10aの下方の位置であってもかまわない。
熱板4の上方には、上下方向に伸縮するロッド22aを有する第2シリンダ22が設けられている。このロッド22aが上枠20に挿通され、そののロッド先端が熱板4に固定されている。
なお、上枠チャンバー20Aのうち、熱板4を挟んだ下側空間を符号20Aaで示し、上側空間を符号20Abで示している。これら下側空間20Aaと上側空間20Abとは、連通した状態(図では熱板4によって仕切られた状態)となっている。
先ず、図3に示すように、下枠10に設けられている基材治具5に、図2に示す深絞り成形品を対象とした成形基材2を保持する。このときの基材治具5は、下降位置P1に位置している。
ここで、図3〜図8において、二重矢印は熱板4及び基材治具5の移動方向を示し、1本線の矢印は熱成形装置1内、すなわち下枠チャンバー10A及び上枠チャンバー20A内での空気の流れを示している。
なお、熱成形装置1は、上テーブル40を下降させる際に、又は、上テーブル40を下降させる代わりに、下テーブル駆動部32を駆動して下枠10と第1シリンダ12とともに下テーブル30を上昇させてもよい。
その後、熱板4によるシート3の加熱と並行して、図4(b)に示すように、真空タンクを開放することにより下枠チャンバー10Aを真空吸引して減圧する。
そして、上枠チャンバー20A内では、大気開放後に圧空にて加圧した状態にする。
具体的には、下枠10の第1シリンダ12を伸張させることによって基材治具5を上方の上昇位置P2に移動させ、上枠20の第2シリンダ22を収縮させることによって熱板4を上方に移動させる。熱板4は、成形基材2に対して同時、あるいは先に上昇を開始し、さらに成形基材2に対して上昇速度が同じ、あるいは速くなるように設定されている。要は、熱板4は、上昇する成形基材2に対して干渉しないように、図4(a)、(b)示す下降位置P3から上方(図7に示す上昇位置P4)に退避されていれば良いのである。
なお、熱板4及び基材治具5の上昇させるタイミングは、位置検出やサーボ駆動によって制御することも可能である。
なお、このとき成形基材2は、軟化したシート3に対して近接しながら被覆されるので、シート3が引き付けられる移動距離が小さくてすみ、シート3が伸びた状態で移動することが抑制された状態となる。そのため、深絞り成形品を対象とした高低差の大きな成形基材2であっても、その基材表面に被覆される基材下端部のシート3が薄くなり過ぎることが抑制され、破れの発生や剛性の低下を抑えることができる。
さらに、基材治具5の上昇速度は、一定であることに限らず、可変としてもよい。
また、本実施の形態では、熱板4によってシート3を軟化させた後に、シート3より下側の成形基材側領域を減圧状態にしているが、このタイミングであることに制限されることはなく、例えばシート3を軟化させながらシート3より下側の成形基材側領域を減圧状態にするようにしてもよい。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。これらの構成等も、本技術に含まれる。
2 成形基材
2A 熱成形品
3 シート
3a シート端縁
4 熱板
4a 加熱面
5 基材治具
6 制御部
7 真空ポンプ(減圧部の例)
8 加圧ポンプ
10 下枠
10A 下枠チャンバー(成形基材側領域の例)
10a 枠上縁部
20 上枠
20A 上枠チャンバー
20a 枠下縁部
P1 下降位置
P2 上昇位置
P3 下降位置
P4 上昇位置
Claims (3)
- 成形基材を保持する基材治具と、熱板と、を有し、加熱されたシートを前記成形基材の表面に被覆するための熱成形装置であって、
前記基材治具を枠内で上下移動可能に設けた下枠と、
前記熱板を枠内で上下移動可能に設けた上枠と、
制御部と、
を備え、
前記下枠の枠上縁部と前記上枠の枠下縁部との間に、前記シートのシート端縁が挟持される構成とされ、
該シートの挟持状態で、該シートよりも下側の成形基材側領域を減圧する減圧部が設けられ、
前記制御部は、
前記枠上縁部と前記枠下縁部に挟持されたシートに対して前記熱板からの熱による接触加熱を行うように制御し、
その後、前記成形基材側領域を前記減圧部により減圧させるように制御し、
前記基材治具及び前記熱板を互いに接触させないように上昇させることで、前記シートを前記成形基材の表面に被覆するように制御することを特徴とする熱成形装置。 - 前記基材治具は、前記成形基材を保持する保持部が上側へ出た平板部を有し、
前記基材治具の上昇位置は、前記平板部の上面が前記シート端縁の挟持位置となる位置か、前記平板部の上面が前記シート端縁の挟持位置となる位置よりも上側である、請求項1に記載の熱成形装置。 - 成形基材を保持する基材治具と、該基材治具を枠内で上下移動可能に設けた下枠と、熱板と、該熱板を枠内で上下移動可能に設けた上枠と、を用い、
加熱されたシートを前記成形基材の表面に被覆する熱成形方法であって、
前記下枠の枠上縁部と前記上枠の枠下縁部との間にシート端縁が挟持されたシートに対して前記熱板からの熱による接触加熱を行う工程と、
該シートの挟持状態で、該シートよりも下側の成形基材側領域を減圧する工程と、
前記基材治具及び前記熱板を互いに接触させないように上昇させることで、前記シートを前記成形基材の表面に被覆させる工程と、
を有することを特徴とする熱成形方法。
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