JP4367813B2 - 加飾シート - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材、プラスチック製品などの様々な材料に貼り合わせて使用される加飾シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の加飾シートとして、表面に模様などを印刷したポリ塩化ビニルシートにポリ塩化ビニルシートを積層してなるシートが用いられてきた。近年、塩化ビニル樹脂を使用した製品は、焼却の際等の燃焼時に、塩化水素ガス及び多環有機塩素化合物等の環境上好ましくないガス乃至は物質を発生するため、ポリ塩化ビニルシートを使用しない製品が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
加飾シートとしてポリ塩化ビニルシートに代えてポリオレフィン系樹脂を使用することが試みられている。ポリオレフィン系樹脂シートを用いることで、塩化水素ガス及びダイオキシンのような多環有機塩素化合物等の環境上好ましくないガス乃至は物質の発生を防止できるものの、加飾シートを他の部材に貼り合わせる場合の密着力が低く、他の部材に貼り合わせた部材から剥離し易いなどの不具合があった。そこで、特開昭50−91672号公報等では、ポリオレフィン系樹脂シートにコロナ放電処理を行い、シート表面に、水酸基、カルボキシル基等の極性官能基を生成せしめて、昜接着性を付与することが提案された。しかし、コロナ放電処理による密着力の向上効果は経時的に失われてしまい、安定しないという問題が有った。
【0004】
本発明は上記従来技術の欠点を解消しようとするものであり、焼却時に塩化水素ガス及び多環有機塩素化合物等の環境上好ましくないガス乃至は物質の発生を防止すると共に、他の部材に貼り合わせる場合の密着力が高く、部材との接着性が良好で、経時的変化のない加飾シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)表面に印刷が施されたポリオレフィン系樹脂シートの裏面側に、易接着層、ヒートシール層、濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シートが、この順に積層されていることを特徴とする加飾シート、(2)前記ヒートシール層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系プライマーからなる請求項1記載の加飾シート、(3)ポリオレフィン系樹脂シートの表面に透明保護層が設けられている上記(1)又は(2)に記載の加飾シート、(4)濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シートが、ABS樹脂シートである上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の加飾シート、(5)透明保護層が透明アクリル樹脂シートである上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の加飾シート、(6)表面に印刷が施されたポリオレフィン系樹脂シートと熱可塑性樹脂シートとを積層してなる加飾シートの製造方法であって、該ポリオレフィン系樹脂シートの裏面に、易接着層、ヒートシール層をこの順に積層し、さらに濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シートを、熱圧ラミネートで積層することを特徴とする加飾シートの製造方法、(7)裏面に印刷が施されたポリオレフィン系樹脂シートと熱可塑性樹脂シートとを積層してなる加飾シートの製造方法であって、該ポリオレフィン系樹脂シートの裏面に、易接着層、ヒートシール層をこの順に積層し、さらに濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シートを、熱圧ラミネートで積層することを特徴とする加飾シートの製造方法、(8)前記ポリオレフィン系樹脂シートの表面に透明アクリル樹脂シートを重ね、前記透明アクリル樹脂シート、前記ポリオレフィン系樹脂シート、前記熱可塑性樹脂シートの三層を熱圧ラミネートすることを特徴とする上記(6)に記載の加飾シートの製造方法、を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の1形態であるが、図1に示すように、本発明の加飾シート1は、ポリオレフィン系樹脂シート2の表面に絵柄などの印刷層3が設けられた印刷ポリオレフィンシート4の裏面側(印刷層3の反対面)に,特定の濡れ指数を有する熱可塑性樹脂シート5が積層されて構成される。尚、図1中において、6はポリオレフィン系樹脂シート2の裏面側に設けられた易接着層であり、7は印刷層3の上に設けられて加飾シートの表面を保護するための透明保護層であり、8は熱可塑性樹脂シート5を積層するためのドライラミネート接着剤である。
【0007】
本発明において熱可塑性樹脂シート5の濡れ指数は、35mN/m以上であり、好ましくは、38mN/m以上である。濡れ指数の上限は、特には無いが、ただ無制限に濡れ指数の高い熱可塑性樹脂シートは存在しない為、現実に入手可能な熱可塑性樹脂シートの上限によって、濡れ指数の上限は自ずと決まる。通常56mN/m程度以下である。
本発明において濡れ指数とは、シート表面に表面張力が順次異なった一連の標準液体(通常は、ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合液)を塗布し、丁度シート表面を濡らすと判断された標準液体の表面張力(mN/m)の数値として定義される。濡れ指数の測定方法は、JISK6768に規定された通りである。
【0008】
本発明加飾シートにおいて熱可塑性樹脂シート5は、いわゆるポリオレフィン系樹脂シートからなる印刷シートにバッキング(裏打ち)して、他の部材への密着(接着)力を改良するものである。熱可塑性樹脂シートは、上記の特定の数値以上の濡れ指数を有するから、印刷ポリオレフィンシート4と比較して、他の部材に対する密着力が優れる。そのため加飾シートを他の部材に貼り合わせる際の接着力が高くなり、貼り合わせ加工を容易に行うことができる。そして、熱可塑性の樹脂からシートを構成することにより、後述するインサート成形等の成形加工時に加熱軟化せしめることにより、所望の各種形状に、良好に成形させることが可能である。又接着力向上効果も長期的に持続する。一方、従来のポリオレフィン系樹脂シート表面に単に、コロナ放電処理によって極性官能基を付与する方法では、接着力向上効果は不安定で経時的に変化し易い(効果が失われて来る)。また、この熱可塑性樹脂シートを積層することで、積層前のシートと比較して、加飾シート全体の厚みを厚く形成できるため平面性が向上して、例えば扉部材などに利用する場合には、鏡面性も向上するといった利点がある。
【0009】
熱可塑性樹脂シート5は、上記の特定の濡れ性を有している各種の熱可塑性樹脂シートが用いられるが、コスト面からはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂シートを用いるのが好ましい。ABS樹脂にはスチレン−アクリロニトリル共重合体と、NBRとのポリマーブレンド型と、BRあるいはSBRラテックスの共存下にスチレンとアクリルニトリルをグラフト共重合させて得られるグラフト型との2種類があるが、いずれも用いることができる。
【0010】
その他、熱可塑性樹脂シート5としては、以下の樹脂シートも用いることができる。例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、等が挙げられる。
【0011】
熱可塑性樹脂シート5の厚みは、加飾シートの用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、強度、成形適性等の点から、100〜500μmが好ましい。
【0012】
印刷ポリオレフィンシート4は、例えば特開平10−109387号公報、特開平8−118565号公報に記載された、ポリオレフィン系樹脂シートを基材シートとし、絵柄などの装飾が施され、表面に保護層が積層されたシートを用いることができる。具体的には、高密度ポリエチレンに熱可塑性樹エラストマー及び無機充填材を配合したオレフィン系樹脂よりなるシート基材にアクリル系樹脂の保護シートからなる透明保護層を積層してなる化粧シート、ポリエチレンとポリプロピレンのように互いに融点の異なる2種以上のポリオレフィン系の混合樹脂からなるポリオレフィン系樹脂シートの上に絵柄印刷層を設け、その上にメタアクリル酸メチル樹脂などのアクリル系樹脂シートからなる透明保護層を積層してなる化粧シート等である。以下、印刷ポリオレフィンシートに用いられるポリオレフィン系樹脂(基材)シート、透明保護層、印刷層などについて説明する。
【0013】
ポリオレフィン系樹脂シート2の基材樹脂はポリオレフィン系樹脂が用いられ、具体的には、ポリエチレン(低密度、又は高密度)、ポリプロピレン(アイソタクチック型、シンジオタクチック型、又はこれらの混合型)、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィン樹脂、或いは下記に記載した各種のオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0014】
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、(ア)主原料がハードセグメントである高密度ポリエチレン又はポリプロピレンのいずれかからなり、これにソフトセグメントとしてのエラストマー及び無機充填剤を添加してなるもの、(イ)特公平6−23278号公報記載の、ハードセグメントであるアイソタクチックポリプロピレンとソフトゼグメントとしてのアタクチックポリプロピレンとの混合物からなるもの、(ウ)特開平9−111055号公報、特開平5−77371号公報、特開平7−316358号公報等に記載のエチレン−プロピレン−ブテン共重合体からなるものが挙げられる。
【0015】
上記の高密度ポリエチレンとは、比重が0.94〜0.96のポリエチレンで、低圧法で得られる結晶化度が高く、分子の枝分かれ構造の少ないポリエチレンである。高密度ポリエチレンの配合量は、高密度ポリエチレンに熱可塑性エラストマー及び無機充填剤を配合したオレフィン系樹脂に対して30重量%以上、85重量%以下が好ましい。
【0016】
上記の熱可塑性エラストマーとしては、例えば、下記の(1)〜(5)に例示したものが用いられる。
(1)数平均分子量:Mnが25000以上で、重量平均分子量:Mwと数平均分子量:Mnとの比が、Mw/Mn≦7である沸騰ヘプタン可溶ポリプロピレン10〜90重量%と、メルトインデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレン90〜10重量%との混合物(特公平6−23278号公報に記載の軟質ポリプロピレン)、
(2)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系重合体(結晶性高分子)をハードセグメントとし、これに部分架橋したエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のモノオレフィン共重合体ゴムをソフトセグメントとし、これらを重量比でソフトセグメント/ハードセグメント=50/50〜90/10の割合で均一に配合し混合してなるオレフィン系エラストマー(特公昭53−21021号公報に記載のオレフィン系エラストマー)、
(3)未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)と、オレフィン共重合体(結晶性のハードセグメント)とを、重量比でソフトセグメント/ハードセグメント=60/40〜80/20の割合で混合したものに架橋剤を混合して加熱し、剪断応力を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン系エラストマー(特公昭53−34210号公報に記載のオレフィン系エラストマー)、
(4)アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体等の、ペルオキシドと混合加熱することにより分子量が減じ、流動性が増す特性を有するペルオキシド分解型オレフィン系重合体(ハードセグメント)90〜40質量部と、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等の、ペルオキシドと混合加熱することで架橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モノオレフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)10〜60質量部と、ポリイソブチレン、ブチルゴム等の、ペルオキシドと混合加熱しても架橋せず流動性が不変のペルオキシド非架橋型炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改質成分)5〜100質量部、及びパラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油系軟化剤5〜100質量部とを混合し、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマー(特公昭56−15741号公報に記載のオレフィン系エラストマー)、
(5)エチレン−スチレン−ブチレン共重合体からなるオレフィン系エラストマー(特開平2−139232号公報に記載のオレフィン系エラストマー)等が挙げられる。
【0017】
また上記のソフトセグメントとなるエラストマーとして、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム等も用いることができるが、なかでも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させてなるもので、高密度ポリエチレンの結晶化を抑え、柔軟性、透明性をアップさせる役割がある。一般にポリオレフィン系樹脂にジエン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合の為、耐候性、耐熱性はジエン系ゴム無添加のポリオレフィン系樹脂より低下するが、ジエン系ゴムの二重結合を水素で飽和させることにより、ポリオレフィン系樹脂の耐候性、耐熱性に低下をきたす虞れがなくなる。
【0018】
上記のジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等がある。本発明の目的からは特にスチレン・ブタジエンゴムが好ましい。
【0019】
ポリオレフィン系樹脂シートに添加される上記の無機充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の粉末が用いられる。シート基材2を構成するオレフィン系樹脂中には、熱可塑性エラストマーを10〜60重量%、無機充填剤を5〜60重量%の割合で含有し、且つ両者の合計の含有量が70重量%以下であることが好ましい。熱可塑性エラストマーの含有量が10重量%未満であったり、無機充填剤の含有量が5重量%未満であると、ポリオレフィン系樹脂シートの弾性、伸び率、耐衝撃性が不足し、加飾シートを積層した部材にVカット加工や、絞り加工等の折り曲げ加工を施す際に、亀裂や割れを生じ易くなる。また、熱可塑性エラストマーの含有量が60重量%を超える場合や、無機充填剤の含有量が60重量%を超える場合には、ポリオレフィン系樹脂シート2の弾性、及び伸び率が大きくなりすぎ、印刷層3を印刷等によって形成する際に、位置合わせが困難となる等の問題が生じる虞がある。
【0020】
ポリオレフィン系樹脂シートは上記材料をブレンドしたものをカレンダー製法、熔融押出し製法等の常用の方法により製膜して得ることができる。尚、ポリオレフィン系樹脂として着色剤、無機充填剤、又はその両方を添加した組成物を用い、熔融押出法で製膜する場合、薄膜に製膜すると製膜適性が低下し、表面が平滑に仕上がらない。一般的には着色剤等を計10質量部程度以上添加し、80μm以下に製膜する場合、此の傾向が目立つ。そこで此の様な場合、3層共押出とし中心の層のみに着色剤を添加し、表裏の最外層には顔料等は無添加にすると良い。ポリオレフィン系樹脂シートは、延伸シート、未延伸シートのいずれも使用可能である、このシートには、必要に応じ、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤を添加する。
ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは、用途等によるが、20〜300μm程度が好ましい。
【0021】
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の粉末が用いられる。難燃剤の添加量は、高密度ポリエチレンと熱可塑性エラストマーとの合計量を100質量部に対し、10〜150質量部程度が好ましい。
【0022】
紫外線吸収剤としては、次の(1)〜(5)のようなものが使用できる。
(1)ベンゾフェノン系;2,4−ジヒドロキシべンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−5−スルホン酸。
(2)ベンゾトリアゾール系;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3−,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2,−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]。
(3)アクリレート系;エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、2−エチルへキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート。
(4)サリシレート系;フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート。
(5)オキザニリド系;2−エトキシ−2′−エチルオキザリックアシドビスアニリド、2−エトキシン−5−t−ブチル−2′−エチルオキザリックアシドビスアニリド。
これらの紫外線吸収剤の添加量は樹脂分に対し、好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。0.1重量%未満では添加効果が乏しく、2重量%を超えても、効果の向上が見られない。
【0023】
光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤(Hinderd Amine Light Stabilizer)の英語名の頭文字を取って、HALSと通称される、次のような化合物が使用できる。
ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル、2,2.6,6,−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、[コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン]縮合物、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]へキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]}。
これらの光安定剤を添加する割合は、添加する対象の層の樹脂分に対し、好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。0.1重量%未満では添加効果が乏しく、2重量%を超えても、効果の向上が見られない。
【0024】
なお、紫外線吸収剤と光安定剤は、それぞれを単独で使用した場合でも効果はあるが、併用した方が、理由は定かではないが、相乗的に効果が向上するため、併用する事が望ましい。また紫外線吸収剤と光安定剤は、単に混合しただけでは、使用中のブリードが避けがたいために、上記のヒンダードアミン系の光安定剤に代えて、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルビペリジン、または4−(メタ)アクリロイルオキシ−1−ブチル2,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の(メタ)アクリロイルオキシ基を持つ化合物、もしくは4−クロトノイルオキシ−2,2,6.8−テトラメチルピペリジン、または4−クロトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のクロトノイルオキシ基を持つ化合物をグラフト共重合させた樹脂を使用して、ブリードを防止することが望ましい。
【0025】
ポリオレフィン系樹脂シート2は、細胞状(スポンジ状)発泡体を使用することもでき、この場合は、シートを構成する樹脂中に発泡剤を添加し、加熱して発泡剤を発砲させる。発泡剤としては、アゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N−N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、等の熱分解型、又はアクリロニトリル等の樹脂球殻中にヘキサン、イソブタン等の熱膨張性気体を封入したマイクロカプセル型が用いられる。発泡剤の添加量はシート基材を構成する基材樹脂(高密度ポリエチレンと熱可塑性エラストマーとの合計量)100質量部に対し、1〜10質量部である。
【0026】
ポリオレフィン系樹脂シートの表面(表面側、又は裏面側、或いはその両面)には、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施すことができる。この易接着処理は、この種のシートに於いて通常使用される方法を用いることができる。此の様な易接着処理を行うことによって、ポリオレフィン系樹脂シートの表面に、水酸基、カルボキシル基等の活性水素原子含有官能基を生成出来る。尚、ポリオレフィン系樹脂シートを熔融押出法で製膜する場合には、製膜時に表面に或る程度これら極性官能基が生成される。よって製膜時に生成される極性官能基が十分であれば、易接着処理は省いても良い。但し、これらの昜接着処理は経時的に効果が消失して行く為、処理後できるだけ速やかに、濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シート、及び印刷層を積層することが好ましい。
【0027】
印刷層3は、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学図形、文字、記号、線画、各種抽象模様の柄を印刷形成したものである。また印刷層3は隠蔽性を有する着色インキにて、ベタ印刷して形成したものでもよい。印刷層3は絵柄印刷のみから構成しても、あるいはベタ印刷のみから構成しても、或いは絵柄及びベタの両者から構成してもいずれでもよい。また、印刷層3は部分的、あるいは全体的のいずれでもよい。
【0028】
印刷層3を形成するには、一般的な印刷用のインキを用いて印刷或いは塗工することで形成できる。上記インキとしては、バインダー樹脂、着色剤、を主体とし、これに必要に応じて、体質顔料、硬化剤、添加剤、溶剤等を添加してなる組成物を使用することができる。上記バインダー樹脂はとしては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ウレタン樹脂、又は熱可塑性ウレタン樹脂)、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を、一種又は二種以上混合したものが用いられる。ポリオレフィン系樹脂シート2に直接印刷する場合には、バインダー樹脂として塩素化ポリオレフィン、ポリウレタン等を用いることが接着性のうえで好ましいが、易接着層6を適当に選択すれば、他のバインダー樹脂を用いても十分な接着性を得ることができる。
【0029】
上記着色剤としては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー等の顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の金属箔粉、二酸化チタン被覆雲母等の箔粉からなる光輝性顔料を1種又は2種以上混合したものが挙げられる。
【0030】
印刷層3の印刷方法は、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、静電印刷、インクジェット印刷等の印刷法や、別に離型性シート上に一旦絵柄模様を形成して、転写シートを作成し、得られた転写シートを用いて転写印刷法等が挙げられる。
【0031】
印刷層3は、上記のインキにより印刷形成する以外に、金属薄膜によって形成することができ、この場合、金属薄膜を全面又は部分的にパターン状に積層する方法が挙げられる。この金属薄膜は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜し、エッチング法等によって部分的なパターンの金属薄膜とする。
【0032】
印刷層3は、図1に示すようにポリオレフィン系樹脂シート2の表面側(図1ではポリオレフィン系樹脂シートと透明保護層7との間)に設ける態様以外に、図3に示すように、ポリオレフィン系樹脂シート2が透明な場合には、ポリオレフィン系樹脂シートの裏面側に設けてもよい(図1に示す例では、易接着層6とポリオレフィン系樹脂シート2の間)。或いは表面側と裏面側との両側に印刷層3を形成しても良い。またポリオレフィン系樹脂シートを2枚、又はそれ以上の複数のオレフィン系樹脂シートから構成する場合には、これらの各シートの間に印刷層を形成してもよい。
【0033】
印刷ポリオレフィンシートの表面には、加飾シートの表面を保護するとともに、加飾シートに塗装調の外観を付与するための透明保護層7を設けることができる。透明保護層は透明樹脂層を積層することで形成される。透明樹脂層の形成は、熱可塑性樹脂シートの積層、或いは樹脂溶液の塗工による。透明保護層の透明とは無色透明、着色透明のいずれでもよく、また透明としては下層の印刷層の意匠の情報が、最表面から確認できる程度の透明性があればよく、半透明も含む。
【0034】
透明保護層7を熱可塑性樹脂シートの積層により形成する場合は、アクリル系樹脂シートが好ましく用いられる。アクリル系樹脂シートとして具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体(但し、ここで(メタ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを意味するものとし以下同様である。)から製膜されたシートが挙げられる。このアクリル系樹脂シートの厚さは、20〜100μm程度が好ましい。
【0035】
透明保護層7には、ポリオレフィン系樹脂の説明で例示した紫外線吸収剤、光安定剤などを添加することができる。
【0036】
また透明保護層7には表面に凹凸模様を設けてもよい。凹凸模様を形成するには、例えば、加熱加圧によるエンボス加工法があり、このエンボス加工法は、透明保護層表面を加熱軟化させ、該表面をエンボス版で加圧してエンボス版の凹凸模様を賦形し、冷却して固定化するもので、公知の枚葉式、或いは輪転式のエンボス機を用いることができる。またヘアライン加工によって凹凸模様を形成することもできる。この凹凸模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。
【0037】
更に、上記の凹凸模様の凹陥部にはワイピング法により、着色層を形成してもよく、ワイピング法としては、ドクターブレードコート法またはナイフコート法にて凹陥部を含む表面全面に着色剤インキを塗布した後、凹陥部以外の表面から着色剤インキを除去することにより、凹陥部のみに着色層を形成する方法を用いることができる。着色層を形成するための着色剤インキとしては、有機顔料、無機顔料、光輝性顔料等の着色顔料と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂等の結着剤樹脂とからなるインキ(或いは塗料)を用いる。インキとしては、有機溶剤溶液型のインキの他、エマルジョン型の水系タイプインキを使用できる。
【0038】
また透明保護層7の表明を艶消しにしたり、鏡面にしたりすることもできる。透明保護層7の表面を艶消しに形成するには、透明保護層中に艶消剤(光拡散剤)を添加する。艶消剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、ウレタン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ等の、粒径1〜30μm程度の微粒子が有効である。透明保護層7の厚みは50〜200μm程度が好ましい。透明保護層7表面を鏡面に形成するには、例えば、透明保護層7を形成する樹脂シートを印刷ポリオレフィンシートに貼る合わせる際に、該樹脂シートに鏡面板をセットして押圧する方法などが挙げられる。
【0039】
ポリオレフィン系樹脂シート2と透明保護層7のシート(例えばアクリル樹脂シートなど)を積層する方法としては、溶融押し出し塗工(エクストルージョンコート)、熱プレスによる融着、或いは2液硬化型ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の接着剤を用いたドライラミネート等が挙げられる。
【0040】
また図1に示すように透明保護層7の表面には、更に透明保護コート層10を設けることができる。
透明保護コート層10は、透明保護層の表面保護効果を、より向上せしめたり(特に耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性の向上)、或いは表面の光沢(艶)を調整する為に形成する。透明保護コート層の材料としては、2液硬化型ウレタン樹脂、多官能(メタ)アクリレート系プレポリマー、又はモノマーから成る紫外線又は電子線硬化性樹脂等が用いられる。艶調整(低光沢化)と、耐擦傷性の付与の目的を兼ねて、前記の如き、艶消剤を添加しても良い。透明コート層の厚みは1〜10μm程度である。
【0041】
印刷ポリオレフィンシート4には、熱可塑性樹脂シート5との接着性を向上させるためにバインダー樹脂などを溶解した溶液を塗布して易接着層6を設けることができる。易接着層6のバインダー樹脂には好ましくは、濡れ指数が35mN/m以上の樹脂を用いる。具体的には、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が使用されるが、特に塩素化ポリプロピレンが望ましい。易接着層6の厚みは1〜5μmが好ましい。尚、昜接着層6は、ポリオレフィン系樹脂シート2に熱可塑性樹脂シート5を積層する際の両層間の接着性を強化する為の層である。昜接着層6が、特に熱可塑性樹脂から成る場合、該昜接着層6は、2層積層体として形成された熱可塑性樹脂層5の第1層と見做すこともできる。
【0042】
易接着層6を形成するためのアクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル系樹脂が挙げられる。
【0043】
ポリウレタン樹脂とは、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネート化合物を架橋剤(硬化剤)とする組成物である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、基本的には、単量体ジオール、トリオール等、及びその分子量に主に寄与するアルキレン繰返し単位の鎖を包含する重合体ジオール、トリオールを含む。典型的な重合体ポリオールは、ヒドロキシ基で停止した上記繰返し単位の直鎖もしくは分岐鎖のいづれかから実質的になり、好ましくは、2,3,4またはそれ以上のヒドロキシ基を有する単量体ポリオールを含む。たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ブテンジオール、シュークロース、グルコース、ソルビトール、ペンタエリスリトール、マンニトール、トリエタノールアミン、n−メチルジメタノールアミン、ならびに環式芳香族および脂肪族およびトリオールを含む。さらに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられる。
【0044】
一方、イソシアネート化合物としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート化合物が用いられる。例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4´- ジイソシアネート、クルードMDIと称されるポリフェニルメタンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4´- ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の脂肪族、脂環族または芳香族のジまたはトリイソシアネート化合物、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、或いはポリイソシアネート化合物と低分子量グリコールまたはトリオール、例えば、ジプロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパンと反応させて得られる、イソシアネート末端低分子量付加体等が使用できる。
【0045】
本発明の加飾シートを製造するには、例えば、熱可塑性樹脂シートに、印刷を施したポリオレフィン系樹脂シート、透明保護層等を積層し、必要に応じドライラミネート接着剤等を用い、加熱・加圧して一体化することで、得られる。
【0046】
ポリオレフィン樹脂シート2と熱可塑性樹脂シート5積層するのに用いられる接着剤は、2液硬化型のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などのドライラミネート接着剤が好ましく用いられる。また上記方法以外にも、特に接着剤を用いずに、ポリオレフィン系樹脂シート2の易接着層面に熱可塑性樹脂シート5を構成する樹脂を熔融押出塗工(エクストルージョンコート)して、シート製膜と同時に積層する方法を用いても良い。
【0047】
加飾シート1の裏面側(熱可塑性樹脂シート5側の面)には、図2の如く、更に、裏面プライマー層9を設けることができる。裏面プライマー層9は加飾シートを他の部材に貼る場合の密着性を更に向上させるために設ける。この裏面プライマー層9は、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリウレタン(イソシアネート硬化剤と各種ポリオールからなる2液硬化型)などが用いられる。プライマー層9の厚みは1μm〜5μmが好ましい。
【0048】
また加飾シート1には、抗菌性を付与する為に、ポリオレフィン系樹脂シート、熱可塑性樹脂シート、透明保護層あるいはその他の層に、銀イオン担持ゼオライト等の抗菌剤や10,10′−オキシビスフェノキシアルシン等の防黴剤等を添加してもよい。
【0049】
本発明の加飾シートは、木材、プラスチック、その他の部材に貼り合わせて、各種の部材を装飾するのに用いられる。例えば、建材用の扉部材の表面に用いられる鏡面シート、木口面に貼る木口シート、プラスチック成形品の表面を装飾するシートなどが挙げられる。プラスチック成形品に加飾シートを貼り合わせて積層するには、例えば真空プレス成形、射出成形同時絵付(ラミネート)法等を用いる。射出成形同時絵付法としては、特公昭61−17255号公報等に開示の射出成形型とは別の真空成形型で予め、成形品形状に予備成形した加飾シートを、射出成形の雌型に挟着するインサート成形、特公昭43−27488号公報等に開示の射出成形の雌雄両型間に未成形のシートを挿入し、射出樹脂の熱と圧力によってシートを成形品形状に成形するインモールド成形、特公昭50−19132号公報に開示の、予め射出成形の雌型上でシートを形成品形状に予備成形する方法等を用いることができる。
【0050】
【実施例】
実施例1
(1)印刷ポリオレフィンシート
高密度ポリエチレン60質量部、水素添加スチレン−ブタジエンゴム30質量部、炭酸カルシウム粉末10質量部からなる、厚み100μmの、ポリオレフィン系樹脂シートの表裏両面にコロナ放電処理を施した直後に、該シートの表面に、ポリエステルポリオール100質量部に1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート10質量部から成る2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーとするインキで全面にグラビアコーティングを行い、さらにその上にポリウレタン樹脂とアクリル樹脂との混合物をバインダーとし、これにキナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、及びフタロシアニンブルーから成る顔料を添加したインキにて木目柄をグラビア印刷し、その上に厚み30μmの三菱レイヨン株式会社製のアクリル樹脂シート(アクリプレンHBS−027)を熱ラミネートして印刷ポリオレフィンシートを得た。
(2)加飾シート
上記(1)の印刷ポリオレフィンシートの印刷面の反対面(裏面)に、厚み300μmのABS樹脂シート(三宝樹脂製:濡れ指数40mN/m)をドライラミネート(接着剤:大日精化製の2液硬化型ポリウレタン樹脂系の接着剤を乾燥質量12g/m2塗工)して加飾シートを得た。このシートはキッチン扉、建具等の木口テープに良好に用いることができた。
【0051】
比較例1
実施例1の(1)に記載した印刷ポリオレフィンシートを比較例1のシートとした。
【0052】
実施例2
実施例1の加飾シートのABS樹脂シートの裏面側にポリウレタン樹脂系プライマー(ザ・インクテック製:PUC)を厚さ2μm(乾燥時)に塗工して実施例2の加飾シートを得た。
【0053】
実施例3
(1)印刷ポリオレフィンシート
厚み100μmのポリプロピレン系熱可塑性エラストマー樹脂フィルム(三菱化学MKV製)の表裏表面にコロナ放電処理を施し、その直後に、該シートの片面(表面)側に実施例1と同様にしてグラビア印刷で木目柄を印刷した。このフィルムの印刷面と反対の面にポリウレタン系樹脂プライマー(昭和インク製:AFS)を厚み1μm(乾燥時)に塗工し、更にヒートシール層として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系プライマー(昭和インク製)を厚み2μm(乾燥時)に塗工し、印刷ポリオレフィンシートを形成した。
(2)加飾シート
上記(1)の印刷ポリオレフィンシートの印刷面に、厚み100μmの透明アクリル樹脂シート(三菱レーヨン製:HBS−006)を重ね、反対側に厚み300μmのABS樹脂シート(三宝樹脂製:濡れ指数40mN/m)を重ね、三層を熱圧ラミネートで貼り合わせた。貼り合わせ時にアクリル樹脂シート側に鏡面板を押し当てて表面が鏡面仕上げされた加飾シートを得た。
このシートは収納扉などの鏡面仕上げシートに良好に用いることができた。このようにABS樹脂をバッキングシートとして用いることで、シート全体の厚みが増して扉を形成したときの鏡面性が向上する。
【0054】
比較例2
実施例3と同様の印刷ポリオレフィンシートの印刷面に、厚み100μmの透明アクリル樹脂シート(三菱レーヨン製:HBS−006)を重ね、二層を熱圧ラミネートで貼り合わせた(ABS樹脂シートの積層は省略した)。貼り合わせ時にアクリル樹脂シート側に鏡面板を押し当てて表面が鏡面仕上げされた比較例2のシートを得た。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の加飾シートは、ポリオレフィン系樹脂シートの裏面側に、濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シートが積層されている構成を採用したことにより、焼却時に塩化水素ガス及び多環有機塩素化合物等の環境上好ましくないガス乃至物質の発生を防止すると共に、他の部材に貼り合わせる場合の密着力が高く、部材との接着性の良好な加飾シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加飾シートの1例を示す断面図である。
【図2】本発明の加飾シートの1例を示す断面図である。
【図3】本発明の加飾シートの1例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 加飾シート
2 ポリオレフィン系樹脂シート
3 印刷層
4 印刷ポリオレフィンシート
5 熱可塑性樹脂シート
6 易接着層
7 透明保護層
8 ドライラミネート接着剤
9 裏面プライマー層
10 透明保護コート層

Claims (8)

  1. 表面に印刷が施されたポリオレフィン系樹脂シートの裏面側に、易接着層、ヒートシール層、濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シートが、この順に積層されていることを特徴とする加飾シート。
  2. 前記ヒートシール層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系プライマーからなる請求項1記載の加飾シート。
  3. ポリオレフィン系樹脂シートの表面に透明保護層が設けられている請求項1又は2に記載の加飾シート。
  4. 濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シートが、ABS樹脂シートである請求項1〜3のいずれか1に記載の加飾シート。
  5. 透明保護層が透明アクリル樹脂シートである請求項1〜4のいずれか1に記載の加飾シート。
  6. 表面に印刷が施されたポリオレフィン系樹脂シートと熱可塑性樹脂シートとを積層してなる加飾シートの製造方法であって、
    該ポリオレフィン系樹脂シートの裏面に、易接着層、ヒートシール層をこの順に積層し、さらに濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シートを、熱圧ラミネートで積層することを特徴とする加飾シートの製造方法。
  7. 裏面に印刷が施されたポリオレフィン系樹脂シートと熱可塑性樹脂シートとを積層してなる加飾シートの製造方法であって、
    該ポリオレフィン系樹脂シートの裏面に、易接着層、ヒートシール層をこの順に積層し、さらに濡れ指数が35mN/m以上である熱可塑性樹脂シートを、熱圧ラミネートで積層することを特徴とする加飾シートの製造方法。
  8. 前記ポリオレフィン系樹脂シートの表面に透明アクリル樹脂シートを重ね、前記透明アクリル樹脂シート、前記ポリオレフィン系樹脂シート、前記熱可塑性樹脂シートの三層を熱圧ラミネートすることを特徴とする請求項6に記載の加飾シートの製造方法。
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