JP2003182202A - 潜像表示媒体 - Google Patents

潜像表示媒体

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JP2003182202A
JP2003182202A JP2001383949A JP2001383949A JP2003182202A JP 2003182202 A JP2003182202 A JP 2003182202A JP 2001383949 A JP2001383949 A JP 2001383949A JP 2001383949 A JP2001383949 A JP 2001383949A JP 2003182202 A JP2003182202 A JP 2003182202A
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JP2001383949A
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English (en)
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Susumu Morita
進 森田
Reiko Ando
麗子 安藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造防止効果が高く真偽判定が容易な潜像表
示媒体を提供する。 【解決手段】 本発明の潜像表示媒体1は、媒体基材2
上に、見る角度によって色彩が変化するパール顔料によ
るパール印刷層3を直接設け、当該パール印刷層上の一
部に、明度の高い刷色による凹版印刷層4を設けるか、
媒体基材2上に、絵柄印刷層を設け、当該絵柄印刷層上
に、パール顔料によるパール印刷層3を設け、当該パー
ル印刷層上の一部に、明度の高い刷色による凹版印刷層
4を設けるか、媒体基材上に、パール印刷層3を設け、
当該パール印刷層の上に絵柄印刷層を設け、当該絵柄印
刷層上の一部に、明度の高い刷色による凹版印刷層4を
設けた、ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パール顔料を含む
インキで形成された印刷層上に、当該パール顔料の透過
光と同系色、または当該パールインキを形成するビヒク
ル等と同系色で非常に明度の高いインキを使用して凹版
印刷した、視野角依存性に優れた潜像パターンを表現す
る表示媒体に関する。本発明の潜像表示媒体の利用分野
は、各種保証書、商品券、株券等の有価証券類、チケッ
トやくじ、乗車券や入場券、パスポート、金融機関や生
命保険・損害保険等で使用される取引明細や各種証明
書、値札や種別の表示用タグやラベル等である。
【0002】
【従来技術】従来より、この種の金券類等の偽造防止を
図るために、見る角度によって色彩が変化する色彩変化
印刷層を設ける偽造防止技術が行われている。このよう
な色彩変化印刷層は、例えばパールインキなどの色彩変
化インキで印刷して形成されている。色彩が変化するイ
ンキは、光を多重反射する顔料を含んでおり、その顔料
で反射した光の干渉によって、色が変化して見える。そ
のため、色変化効果は、顔料で反射する光が多いほど色
彩変化効果が大きい。そこで、光が多重反射する顔料の
数が多くなるように、色彩変化印刷層は、その厚みが厚
くなるようにスクリーン印刷などの孔版印刷や、グラビ
ア印刷などの凹版印刷で印刷されることが多い。しか
し、色彩変化印刷層は、グラビア印刷、コーティング又
はスクリーン印刷で印刷されることが多いため、製造コ
ストが高くなる問題があった。
【0003】かかる問題を解決するため、例えば、特開
2000−6564号公報「偽造防止印刷媒体とその作成方法」
は、商品券、株券等の印刷媒体へ、パール顔料により印
刷した色変化印刷層を設け、その色変化印刷層の一部を
オフセット印刷でパターン状に目視不能に隠蔽し、特定
情報を形成した偽造防止印刷媒体を提案している。しか
し、上記技術は、視野角依存性のある潜像を形成するも
のではなく、パール印刷上のインキを「光沢の出ないイ
ンキ」とするもので、何ら色相を特定してはいない。ま
た、色彩変化印刷層(パールインキ)をオフセット印刷
で印刷した場合には、隠蔽効果は弱く、パールインキ上
に「抜き」で文字を表現した場合には、細かなパターン
の再現は不可能である。
【0004】特開平3-266684号公報「真偽判別可能な印
刷物」は、印刷物を同色であって、図柄の一方と他方を
光沢感の異なるインキで印刷し、正面から観察した場合
は同種のインキで印刷したように見え、印刷物を傾ける
と光沢の違いが出て、潜像が現われてくる印刷物、を提
案している。しかし、この印刷物の場合は、同一色相で
光沢感の有無だけで潜像を形成しようとするため、印刷
物を見る環境の拡散光や散乱光の影響で、多くの場合潜
像が見難く、また、細かなパターンの表現が非常に難し
いという問題がある。特開平6-255234号公報「二色性凹
版印刷物」は、白色の下地に、有色化したパール顔料を
含む凹版インキで、凹版画像を形成する二色性凹版印刷
物を提案している。しかし、この印刷物の場合は、パー
ル印刷に潜像を潜ませるものではないので、高度の偽造
防止を図ることはできない。また、特願2001-075572 号
は、色彩可変印刷層上に、紫外線または赤外線で蛍光発
光する光反応印刷層を設けた偽造防止印刷媒体を提案し
ている。しかし、この印刷物の場合は、印刷物の判定に
紫外線または赤外線を照射するため特別な光源装置が必
要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
拡散光や散乱光の影響を受けず、また、紫外線または赤
外線のような特殊な光源を使用しない自然光下で、視野
角依存性に優れた潜像パターンを生じさせるべく研究
し、本発明の完成に至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨の第1は、媒体基材上に、見る角度によ
って色彩が変化するパール顔料によるパール印刷層を設
け、当該パール印刷層上の一部に、明度の高い刷色によ
る凹版印刷層を設けた、ことを特徴とする潜像表示媒
体、にある。かかる潜像表示媒体であるため、複製を困
難にし偽造印刷を容易に検出できる。
【0007】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第2は、媒体基材上に、絵柄印刷層を設け、当該絵柄印
刷層上に、見る角度によって色彩が変化するパール顔料
によるパール印刷層を設け、当該パール印刷層上の一部
に、明度の高い刷色による凹版印刷層を設けた、ことを
特徴とする潜像表示媒体、にある。かかる潜像表示媒体
であるため、複製を困難にし偽造印刷を容易に検出でき
る。
【0008】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第3は、媒体基材上に、見る角度によって色彩が変化す
るパール顔料によるパール印刷層を設け、当該パール印
刷層の上に絵柄印刷層を設け、当該絵柄印刷層上の一部
に、明度の高い刷色による凹版印刷層を設けた、ことを
特徴とする潜像表示媒体、にある。かかる潜像表示媒体
であるため、複製を困難にし偽造印刷を容易に検出でき
る。
【0009】上記潜像表示媒体において、パール印刷
層がパール顔料を単独で用いた印刷層であり、凹版印刷
の刷色を当該パール顔料を白色光が透過した場合の透過
光色と同系色とすることができ、パール顔料による色
彩変化印刷層がパール顔料を単独で用いた印刷層であ
り、凹版印刷の刷色を当該パール顔料のインキを形成す
るビヒクルと同系色とすることができ、パール顔料に
よる色彩変化印刷層がパール顔料に着色顔料を添加した
インキを用いた印刷層であり、凹版印刷の刷色を当該着
色顔料と同系色とすることができ、パール顔料による
色彩変化印刷層が低次酸化チタンを用いた二色性パール
顔料を用いた印刷層であり、凹版印刷の刷色を当該パー
ル顔料と同系色とすることができ、パール印刷層のみ
の部分と凹版印刷層が35.0%以上の面積で含まれる
部分との色差ΔE* abが、2.8以下であるようにす
ることもできる。これらの場合に潜像表示効果を一層顕
著にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、見る角度によって色彩
変化を生じるパール顔料を使用したインキで形成された
印刷層上に、当該パール顔料の透過光色または外観色と
同系色、または当該パールインキを形成するビヒクル等
の色と同系色で明度の高いインキを使用して凹版印刷
し、視野角依存性に優れた潜像パターンを表現すること
を特徴とする。
【0011】以下、図面等を参照して、本発明の実施形
態について説明する。図1は、本発明の潜像表示媒体を
示す平面図である。図2は、本発明の潜像表示媒体の第
1の実施形態、図3は第2の実施形態、図4は第3の実
施形態を示す各断面図である。図1は、潜像表示媒体1
を商品券に適用した場合であって、商品券の一部にパー
ル顔料によるパール印刷層3をストライプ状に設け、パ
ール印刷層上の一部に、凹版印刷層4が設けられてい
る。図1の場合、凹版印刷層4は、〇で囲まれた「K
U」の文字や「1000」の文字が浮き出るように印刷
されている。凹版印刷層4は明度の高い刷色で印刷され
ているので、所定の角度で観察する場合は、パール印刷
もその外観色であるほぼ白色に近いので凹版印刷パター
ンの存在が認められないが、光源に対して別の角度に商
品券を傾ける場合は、パール印刷は輝いて見えるので、
「KU」の文字や「1000」の文字が鮮やかに視認で
きるようになる。潜像表示媒体である商品券には、標題
1aや商品券金額1b、地紋模様1c等の絵柄を別に印
刷して設けることは自由である。
【0012】図2の第1の実施形態では、潜像表示媒体
1は、媒体基材2上にパール顔料によるパール印刷層3
を設け、パール印刷層上の一部に凹版印刷層4が設けら
れている。第1の実施形態は、以上のような簡単な構成
であるが、光源8に対して所定の角度α1で潜像表示媒
体1を観察した場合、凹版印刷層4はパール印刷層3と
同系色となって人間の目9では殆どその違いを視認する
ことができない。一方、それとは別の角度α2で観察し
た場合は、パール印刷層3と区別して視認することがで
きるようになっている。ここに潜像とは、パール印刷層
3を背景として見える凹版印刷層4をいうが、パール印
刷層3により輝いて観察される部分を逆に潜像というこ
ともできる。
【0013】パール印刷層3の印刷は、グラビア印刷、
オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、凹版印刷、孔
版印刷等の適宜の印刷方式を採用でき、転写方式により
形成するものであってもよい。グラビア印刷の場合、イ
ンキ盛り量は通常数μm以下であり、オフセット印刷の
場合は更に薄肉となる。シルクスクリーン印刷や凹版印
刷の場合は、数十μmのインキ盛り量となる。凹版印刷
層4のインキ盛り量は15〜100μm程度あることが
好ましい。このインキ盛り量によりパール印刷層からの
反射光や散乱光を遮る十分な隠蔽力を発揮することにな
る。従って、オフセット印刷などに比べ、微細な潜像パ
ターンの表示が可能となる。その版深は、30〜200
μm程度が必要となる。凹版印刷は、金属版を凹刻した
版等を用いる印刷方式で、エッチング版や伝統的な彫刻
凹版を用いてもよい。当該版はマイクロ文字のような微
細な画線であってもよく、その場合には繊細な潜像パタ
ーンを再現できる。
【0014】パール印刷のためのパールインキは、ビヒ
クル中に高屈折率の金属酸化物、例えば、酸化ケイ素、
酸化チタン、酸化鉄などで被覆した低屈折率のマイカ
(雲母)やPET、合成マイカなどの薄片状基質を有す
る顔料を分散した材料である。被覆材料として高屈折率
の金属酸化物を用いる理由は、屈折率が高いほど下記
(1)式により入射した光の表面反射率が高くなるこ
と、すなわち光沢が上がること、また薄い厚さで干渉色
(虹彩色ともいう。)が発現し、そのため、光の散乱が
防止され、かつ彩度の高い顔料が得られるためとされて
いる。 (1)式: R=(n−1)2 /(n+1)2 〔Rは反
射率、nは屈折率〕
【0015】干渉による虹彩色の発現は、入射した光
が、これらの表面に被覆されている金属酸化物被覆層の
表面および薄片状基質表面と金属酸化物との被覆界面で
の反射光が相互に干渉し合って起こるとされている。従
って被覆層としては、屈折率が高く、透明で、より平滑
かつ均一な光学的性質を有する材料を用いれば、高光沢
で、干渉による虹彩色の高い顔料が得られることにな
る。
【0016】図5は、パール顔料の構成例を示す図であ
る。パール顔料10は、図5の断面に示すように薄片状
基質表面からなるコア部分11に金属酸化物薄膜12を
形成している。薄片状基質には、1〜50μm粒径で、
粒径が小さくできるだけ偏平な雲母(白雲母系雲母や黒
雲母等)が使用される。この顔料10に光L1が当たる
と、コア部分11から反射する光と金属酸化物薄膜12
の表面で反射する光とで干渉光L2を生じることにな
る。
【0017】白色光が薄膜を透過する際は薄膜による特
定色光の吸収が生じ、薄膜の表面で反射する場合も吸収
が生じる場合があるので、強調される波長の光は金属酸
化物薄膜12の材質や膜厚により様々であり一様ではな
い。また、光が通過する光路長は薄膜の厚さのみなら
ず、入射角によっても変わるので、薄膜が同一の幾何学
的厚さであっても入射角の変化に伴って、光路差が変化
し波長が増幅する部分と相殺される部分が交互に生じて
色彩が変化することになる。
【0018】図6は、パール顔料による色彩変化を説明
する図である。パール顔料は反射光(干渉色)L2を示
す他に、パール顔料を透過する際に透過光L3も生じ
る。透過光はパール顔料10で反射または吸収される色
光の余色が強調されるので、干渉光とは異なる色光を生
じることになる。すなわち、顔料に入射した光は、第1
の角度α方向に出射する光を生じるとともに、顔料10
を高屈折率で透過したのちに、媒体基材2の表面で正反
射して、第2の角度β方向に出射する光を生じる。した
がって、例えば、パール印刷層3は、第1の角度αで金
色に見えた場合には、第2の角度βでは紫色に見えるこ
とになる。
【0019】表1は、金属酸化物薄膜を二酸化チタンと
した場合の膜厚と色相との関係を示している。金属薄膜
の膜厚は添加する金属酸化物量の生成物量に対する比率
で、ほぼ一律的に定まるといわれる。顔料10の反射光
と透過光との関係は、その金属酸化物薄膜12の光学的
厚さ(幾何学的厚さd×屈折率n)によって、可視光線
の波長のいずれかが干渉して、以下の表1のような組み
合わせとなる(屈折率2.3の二酸化チタン薄膜の場
合)。
【表1】
【0020】一般に雲母チタン系顔料は真珠光沢と種々
の干渉色を有するが、外観色は通常は常に白色に近く、
あざやかな外観色を呈するものは得られていない。そこ
で従来、様々な外観色を出すために、生成した雲母チタ
ン系顔料に酸化鉄、紺青、酸化クロム、カーボンブラッ
ク、カーミンなどの有色顔料を添加することが試みられ
てきたが、安全性、耐光性、安定性、等は添加する有色
顔料に影響されることが多く、各種の改良が試験されて
いる。特開昭59−126468号公報では、雲母表面
が二酸化チタンと低次酸化チタン、又は低次酸化チタン
で被覆されてなる有色の雲母チタン顔料、が提案され、
耐光性、熱安定性等の改良が図られている。また、特開
昭60−60163号公報では、雲母表面が低次酸化チ
タン、又は低次酸化チタンを含むチタン化合物で被覆さ
れ、さらにその表面が二酸化チタンで被覆されてなるチ
タン化合物で被覆された雲母、が提案されている。この
雲母顔料は外観色と干渉色の良好な一致が見られるとい
われる。
【0021】パール印刷層上に設ける凹版印刷層4は、
パール顔料の外観色や使用するビヒクルの色、パール顔
料の透過色、等を考慮して刷色を検討する必要がある。
一般的に、凹版印刷層4の刷色は、明度の高い色彩を呈
する色が好ましい。パール顔料の外観色は白色に近く、
干渉していない状態で潜像が認識し難いようにするため
には、白色に近い程度に明度の高い色が良いからであ
る。次に、パール印刷層がパール顔料を単独で用いた
印刷層である場合には、凹刷色を当該パール顔料を白色
光が透過した場合の透過光色と同系色とすることが良
い。透過光色と同系色であれば、透過光と明確に区別で
きず潜像を認識し難いからである。また、パール顔料
による色彩変化印刷層がパール顔料を単独で用いた印刷
層である場合は、凹版印刷の刷色を当該パール顔料のイ
ンキを形成するビヒクルと同系色にしても良い。パール
顔料の外観色がビヒクルの色を呈することが多いからで
ある。
【0022】さらに、パール顔料による色彩変化印刷
層がパール顔料に着色顔料を添加したインキを用いた印
刷層である場合は、凹版印刷の刷色を当該着色顔料と同
系色であることも良い。着色顔料と同系色であればパー
ル顔料の通常の色と識別し難く、その色以外の干渉色の
場合に潜像を認識できるからである。さらにまた、パ
ール顔料による色彩変化印刷層が低次酸化チタンを用い
た二色性パール顔料を用いた印刷層である場合は、凹版
印刷の刷色を当該パール顔料と同系色であるようにする
ことも好ましい。
【0023】パール印刷層3のパールインキの具体例を
挙げると、資生堂製の商品名;インフィニットカラー
や、メルク社(独国)製の商品名;イリオジン等のパー
ルインキなどである。雲母粒子の表面を二酸化チタンで
被覆した虹彩色パール顔料に着色顔料を添加したパール
インキまたは虹彩色パール顔料の二酸化チタン層を還元
し、その一部を低次酸化チタンとして着色化したパール
顔料を含むパールインキを使用することにより、有色の
下地印刷を必要としないで、二色性効果を実現できる。
【0024】図3は、本発明による潜像表示媒体の第2
の実施形態を示す図である。図3のように、この潜像表
示媒体1は、媒体基材2上に、まず絵柄印刷層5を設
け、当該絵柄印刷層5上に、パール顔料によるパール印
刷層3を設け、パール印刷層上の一部に、明度の高い刷
色による凹版印刷層4が設けられている。絵柄印刷層5
の絵柄は、特に限定されるものではなく、地紋模様やデ
ザイン模様でもよく、あるいは標題とか表品券金額等の
情報表示であってもよい。絵柄印刷層5が一定の刷り色
になっている場合は、この刷り色面からの反射色と干渉
色とで、見る角度によって異なる色彩を与える潜像表示
媒体が得られる。
【0025】図4は、本発明による潜像表示媒体の第3
の実施形態を示す図である。図4のように、この潜像表
示媒体1は、媒体基材2上に、まずパール印刷層3を設
け、当該パール印刷層3上に、絵柄印刷層5を設け、絵
柄印刷層5上の一部に、明度の高い刷色による凹版印刷
層4が設けられている。この場合も、絵柄印刷層5の網
掛けを80%程度までとすれば、パール印刷層3の虹彩
色が凹版印刷層4の隙間から潜像として視認できる。
【0026】図3、図4の実施例に使用するパール顔料
やその性質は、図1の場合と同様のものが使用できる。
凹版印刷層4についても同様である。媒体基材2は、こ
の潜像表示媒体1の担体となる基材である。媒体基材2
は、その材料として、例えば、上質紙、OCR紙、ノー
カーボン紙、アート紙などの紙、塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリ
カーボネート、アクリルなどのプラスチックフィルム等
が好適に用いられる。媒体基材2は、その表面の一部
に、パール印刷層3と凹版印刷層4を備えて、他の部分
には、商品券である旨の標題1d、商品券金額1f、地
紋模様1eなどが印刷されていてもよい。パール印刷層
3は、図1図示のようにストライプ状であることに限ら
れず、円形であっても楕円形であってもよく、また、券
面全体がパール印刷層であっても良い。
【0027】
【実施例】(実施例1)クリーム色のOCR用紙に、黄
色(金色)の干渉色で透過光が紫色の発色をするパール
顔料(メルク社製「イリオジン201」)をアクリル系
のビヒクルを使用してグラビア印刷し、その上に明度の
高いグレーのインキで、100μm幅程度の細線からな
るレリーフパターンの印刷を腐食凹版印刷(版深40μ
m)で行った。パールの干渉光の黄色が確認される角度
では、凹版印刷パターンは、はっきりと確認できるが、
パールが透過色の紫色に見える角度からは凹版パターン
は確認し難い。このため、見る角度が異なると、凹版パ
ターンが潜像のように見え隠れする効果が得られた。
【0028】(実施例2)クリーム色のOCR用紙に、
干渉光が黄色(金色)のパール顔料(メルク社製「イリ
オジン201」)と緑色のパール顔料(メルク社製「イ
リオジン231」)をそれぞれストライプ状に隣接させ
てグラビア印刷で印刷した。さらに、パール印刷層の上
にオフセット印刷で、網掛け60%程度の絵柄印刷を行
った。その上に非常に明度の高いグレーのインキを使用
して、100μmの細線からなるレリーフパターンを腐
食凹版印刷(版深40μm)で印刷したところ、パール
層が干渉光の黄色、緑色に見える角度から凹版パターン
は視認できるが、透過光の紫、赤がオフセット絵柄の背
景色と重なって黒っぽく見える角度からは、凹版パター
ンは殆ど視認されなかった。これにより、見る角度によ
り、凹版パターンは潜像のように見え隠れすることが確
認できた。
【0029】実施例1のパール顔料のグラビア印刷部分
(全部がパール印刷部分)と明度の高いグレーの凹版印
刷部分(凹版印刷部分がパール印刷部分の34.8%の
面積を占める部分)で、凹版印刷部分の視認がし難い部
分との色差を測定したところ、Lab表色系における色
差ΔE* ab=2.8であった。なお、測定には、グレ
タグマクベス社の「SpectroEye」を使用し、
以下の条件で測定した。 (1)測定条件 照明光源D65、Standard observers
10° (2)測定方法 測定モード 反射 Mesurement geometry 45°/0°ring optic (光源と観察位置との角度45°) Mesurement aperture 4.5mm Density repeatability No filter 0.0D-2.5D Yellow
0.0D-2.0D
【0030】上記から、潜像における凹版印刷部分がパ
ール印刷部分の35.0%の以上の面積を有する部分で
あって、なおかつ色差ΔE* ab=2.8以下であれ
ば、その潜像表示媒体は、どの部分においても殆ど識別
できないものと判断される。なお参考のためであるが一
般に、ΔE* abの色差について、色差の程度の評語に
ついて、表2のように言われている(ミノルタ株式会社
「色計測機器」カタログによる。)
【表2】 特に、マイクロ文字や微細な画線部分では、色の違いを
見分け難いので、上記表2よりも色差の感知は困難にな
る。
【0031】
【発明の効果】以上詳しく説明したように本発明によれ
ば以下の効果が得られる。潜像パターンが、パール顔料
の外観色である明度の高い白色または着色顔料の色、ま
たはビヒクルの色等で凹版印刷されているので、パール
インキの干渉色以外の発色状態では、潜像の存在を視認
することができない。一方、パール顔料が干渉色を呈す
る状態では潜像パターンを明瞭に視認することができ
る。すなわち、本発明の潜像表示媒体は視野角依存性が
高いので、通常の印刷方式による偽造を高度に防止でき
る。凹版印刷パターンのインキの盛り上がりや、パール
印刷の色変化は複写機やスキャナーでの再現は不可能で
あり、偽造防止効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の潜像表示媒体を示す平面図である。
【図2】 本発明の潜像表示媒体の第1の実施形態を示
す断面図である。
【図3】 本発明の潜像表示媒体の第2の実施形態を示
す断面図である。
【図4】 本発明の潜像表示媒体の第3の実施形態を示
す断面図である。
【図5】 パール顔料の構成例を示す図である。
【図6】 パール顔料による色彩変化を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 潜像表示媒体 2 媒体基材 3 パール印刷層 4 凹版印刷層 5 絵柄印刷層 8 光源 9 人間の目 10 パール顔料 11 薄片状基質表面からなるコア部分 12 金属酸化物薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/02 C09D 11/02 G09F 3/02 G09F 3/02 E Fターム(参考) 2C005 HA04 HB02 HB10 HB12 HB13 JB17 JB25 KA01 KA40 2H113 AA01 AA03 AA04 AA06 BA03 BA18 BC09 CA37 CA39 CA40 CA45 CA46 DA04 EA01 4J039 AE06 BA13 BA20 BA21 BA35 BA37 BE01 EA28 EA29 EA33 GA02 GA03 GA04 GA10 GA13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体基材上に、見る角度によって色彩が
    変化するパール顔料によるパール印刷層を設け、当該パ
    ール印刷層上の一部に、明度の高い刷色による凹版印刷
    層を設けた、ことを特徴とする潜像表示媒体。
  2. 【請求項2】 媒体基材上に、絵柄印刷層を設け、当該
    絵柄印刷層上に、見る角度によって色彩が変化するパー
    ル顔料によるパール印刷層を設け、当該パール印刷層上
    の一部に、明度の高い刷色による凹版印刷層を設けた、
    ことを特徴とする潜像表示媒体。
  3. 【請求項3】 媒体基材上に、見る角度によって色彩が
    変化するパール顔料によるパール印刷層を設け、当該パ
    ール印刷層の上に絵柄印刷層を設け、当該絵柄印刷層上
    の一部に、明度の高い刷色による凹版印刷層を設けた、
    ことを特徴とする潜像表示媒体。
  4. 【請求項4】 パール印刷層がパール顔料を単独で用い
    た印刷層であり、凹版印刷の刷色を当該パール顔料を白
    色光が透過した場合の透過光色と同系色としたことを特
    徴とする請求項1ないし3記載の潜像表示媒体。
  5. 【請求項5】 パール顔料による色彩変化印刷層がパー
    ル顔料を単独で用いた印刷層であり、凹版印刷の刷色を
    当該パール顔料のインキを形成するビヒクルと同系色と
    したことを特徴とする請求項1ないし3記載の潜像表示
    媒体。
  6. 【請求項6】 パール顔料による色彩変化印刷層がパー
    ル顔料に着色顔料を添加したインキを用いた印刷層であ
    り、凹版印刷の刷色を当該着色顔料と同系色としたこと
    を特徴とする請求項1ないし3記載の潜像表示媒体。
  7. 【請求項7】 パール顔料による色彩変化印刷層が低次
    酸化チタンを用いた二色性パール顔料を用いた印刷層で
    あり、凹版印刷の刷色を当該パール顔料と同系色とした
    ことを特徴とする請求項1ないし3記載の潜像表示媒
    体。
  8. 【請求項8】 パール印刷層のみの部分と凹版印刷層が
    35.0%以上の面積で含まれる部分との色差ΔE*
    bが、2.8以下であることを特徴とする請求項1ない
    し3記載の潜像表示媒体。
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