JPH1134146A - 化粧シート及び化粧シートの製造方法 - Google Patents

化粧シート及び化粧シートの製造方法

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JPH1134146A
JPH1134146A JP9207329A JP20732997A JPH1134146A JP H1134146 A JPH1134146 A JP H1134146A JP 9207329 A JP9207329 A JP 9207329A JP 20732997 A JP20732997 A JP 20732997A JP H1134146 A JPH1134146 A JP H1134146A
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JP
Japan
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sheet
resin
pattern
polyolefin
layer
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JP9207329A
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English (en)
Inventor
Rika Andou
理加 安藤
Yoshiko Fujita
淑子 藤田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 製造工程数を増やす事無く、深み感、照り感
などの意匠性に優れたダブリング化粧シートを実現す
る。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂でフィルム又はシ
ートを押し出し成形する時に、チルロールの表面に精密
凹凸パターンが設けられたチルロールとバックアップロ
ールとの間を押し出された樹脂が通るように成形してで
きた基材シートの片面に、ポリオレフィン系樹脂でフィ
ルム又はシートを押し出し成形する時に、チルロールの
表面に木目導管凹凸パターンが設けられたチルロールと
バックアップロールとの間を押し出された樹脂が通るよ
うに成形してできた表面シートを設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装等に用いる表面化粧シートとし
て利用可能なワイピング化粧シートに関し、意匠性が良
好なダブリング化粧シートで、製造工程及び材料が余計
かからない塩化ビニル樹脂を使用しない例えばポリオレ
フィン系樹脂製の化粧シートであり、木目エンボスを施
した意匠面と精密エンボス面とが醸しだす独特の意匠感
も十分な化粧シートである。
【0002】
【従来の技術】従来から、基材シートの表面に熱可塑性
樹脂からなる表面樹脂層を設けた化粧シートが公知であ
る。例えば特開昭51−34967号公報には、塩化ビ
ニル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂
を溶融状態とした後、任意模様を印刷した紙、不織布等
の多孔性基材の表面に重ね押圧し該基材に上記熱可塑性
樹脂を浸透させてなる化粧シートが開示されている。
【0003】また近年、塩化ビニル樹脂を用いない化粧
シートが提案されている。このような化粧シートとして
例えば、隠蔽性を有するポリオレフィン系樹脂よりなる
基材シートの表面に、絵柄インキ層、接着剤層、ポリオ
レフィン系樹脂よりなるエンボスシートを順次積層して
なるエンボス化粧シート(特開平8−1881号公報)
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記一
般のダブリング化粧シートでは、樹脂層を2層使用して
はいるが、両者の界面が平面となるため、通常の化粧シ
ートと変わらない平凡な意匠感しか得られないという欠
点があった。
【0005】本発明は上記の従来技術の欠点を解決する
ためのものであり、工程数を増やす事無く、深み感、照
り感などの意匠性に優れたダブリング化粧シートを実現
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオレフィ
ン系樹脂製のフィルム又はシート(以下本発明において
シートと言う場合、フィルムも含む)である基材シート
の表面シート側に、精密凹凸パターン(精密エンボス形
状)を形成することにより、深み感、照り感などの意匠
性に優れたダブリング化粧シートを実現するものであ
る。即ち、基材シートを溶融押し出し、ロール圧により
シーティングを行う工程において、バックアップロール
と向かい合う、片側のロールを精密凹凸パターンが設け
られたチルロールにすることにより、工程数を増やすこ
となく、表面側に精密エンボス形状を形成することがで
きるようにしたものである。
【0007】即ち、本発明は (1) ポリオレフィン系樹脂製のシートからなる基材
シートの片面に、精密凹凸パターンを有し、この精密凹
凸パターン上に、ポリオレフィン系樹脂製の透明シート
からなる表面シートが設けられていることを特徴とする
化粧シート。 (2) 透明シートの片面に、木目導管凹凸パターンが
設けられていることを特徴とする(1)に記載の化粧シ
ート。 (3) ポリオレフィン系樹脂でフィルム又はシートを
押し出し成形する時に、チルロールの表面に精密凹凸パ
ターンが設けられたチルロールとバックアップロールと
の間を押し出された樹脂が通るように成形してできた基
材シートの片面に、ポリオレフィン系樹脂でフィルム又
はシートを押し出し成形する時に、チルロールの表面に
木目導管凹凸パターンが設けられたチルロールとバック
アップロールとの間を押し出された樹脂が通るように成
形してできた表面シートを設けてなることを特徴とする
化粧シートの製造方法。 である。
【0008】ここで、精密凹凸パターンとは、例えば精
密万線のことである。即ち、閉曲線領域の中に、平行な
直線群又は曲線群を形成する凹凸乃至溝を含んだ凹凸形
状の集合体であって、任意の2領域の境界を介して隣接
する直線群又は曲線群の方向のなす角度が総て異なる形
状のものである。この形状は各閉領域が異なった艶の模
様に見え、又視差によって各閉領域の光沢が変化する意
匠を有する。特に、平行な直線群又は曲線群を光沢の変
化の模様として認識する為には、線の深さ及び間隔が
0.1〜100μmであり、隣接する直線群又は曲線群
の方向のなす角度が5°以上の場合が望ましい。又、任
意の2閉領域の境界を介して隣接する線群同志の角度を
総て異なる様にする為には、位相幾何学の4色問題の定
理から、角度の種類は4種類が必要十分条件である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1に示すように本発明の化粧シー
ト10は、ポリオレフィン系樹脂製のフィルム又はシー
ト1からなる表面シートの片面に、木目導管凹凸パター
ンが設けられて、導管凹部にワイピングインキ4が充填
され、その表面に艶調整保護コート層5が形成されてお
り、表面シートのもう一方の面に絵柄印刷層2等の模様
層、接着剤層3を介して、精密凹凸パターンが形成され
たポリオレフィン系樹脂製のフィルム又はシートからな
る基材シートが設けられてなる化粧シート10である。
【0010】そして、基材シートの製造方法としては、
ポリオレフィン系樹脂でフィルム又はシートを押し出し
成形する時に、チルロールの表面に精密凹凸パターンが
設けられたチルロールとバックアップロールとの間を押
し出された樹脂が通るように成形してできたものであ
る。また、表面シートの製造方法としては、ポリオレフ
ィン系樹脂でフィルム又はシートを押し出し成形する時
に、チルロールの表面に木目導管凹凸パターンが設けら
れたチルロールとバックアップロールとの間を押し出さ
れた樹脂が通るように成形してできた表面シートの製造
方法。
【0011】つまり、基材シート、表面シート共に、図
2のような押し出し工程で製造され、チルロールの凹凸
パターンをそれぞれ精密凹凸パターン、木目導管凹凸パ
ターンに変えてやれば良い。
【0012】具体的には、例えば、表面シートの製造方
法は、図2にも示すように、溶融したポリオレフィン系
樹脂をフィルム又はシート状に、Tダイ20から押し出
し成形する時に、金属製のチルロールの表面に凸部の厚
さが前記押し出されるフィルム又はシートの厚さよりも
薄い木目導管凹凸パターンが設けられたチルロール22
と表面平滑なバックロール21との間を押し出された樹
脂が通るように成形してできたフィルム又はシート(表
面シート)の平滑面側に、絵柄印刷層、接着剤層を設け
るものである。
【0013】基材シート又は表面シートとしては、図2
のような溶融押し出し成形によって製造されたポリオレ
フィン系樹脂フィルム又はシート(本発明においてシー
トと言う場合、フィルムも含む)が用いられる。厚さは
50〜500μm程度、より好ましくは50〜200μ
mのものを使用する。
【0014】ここで、オレフィン系樹脂としては、ポリ
エチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・
ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・ブ
テン−1共重合体、ポリブテン−1、ブテン−1・プロ
ピレン・エチレン・3元共重合体、ブテン−1・ヘキセ
ン−1・オクテン−1・3元共重合体、ポリメチルペン
テン等の樹脂単独又は2種以上混合したものが挙げられ
る。
【0015】また、白化防止のため、エラストマーとオ
レフィン系樹脂とからなる複合材料であるオレフィン系
熱可塑性エラストマーを用いることができる。オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーとしては、次の3タイプがあ
る。すなわち、ソフトセグメントとしてのエラストマ
ーとハードセグメントとしてのオレフィン系樹脂を単純
ブレンドしたタイプ。エラストマーとオレフィン系樹
脂とを部分的に架橋させて複合化した架橋タイプ。エ
ラストマーを架橋させて、それをオレフィン系樹脂に分
散させたタイプ。
【0016】具体的に以下に挙げる。 のタイプ:オレフィン系樹脂は上記オレフィン系樹脂
の説明と同様である。また、エラストマーとしては各種
ゴム類が挙げられ、ゴム類としては、ジエン系ゴム、水
素添加ジエンゴム、オレフィン系共重合体ゴム等である
が、中でも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加
ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なく
とも一部分に水素原子を付加させてなるもので、ポリオ
レフィン系樹脂の結晶化を抑え、柔軟性、透明性をアッ
プさせる役割がある。また、一般にオレフィン系樹脂に
ジエン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合の
為、耐候性・耐熱性はジエン系ゴム無添加のオレフィン
系樹脂より低下するが、本発明では、ジエン系ゴムの二
重結合を水素で飽和させる為、オレフィン系樹脂の耐候
性、耐熱性の低下も無く良好なものとなる。
【0017】ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニ
トリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等
が有る。オレフィン系共重合体ゴムは2種類又は3種類
以上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくとも
1種加えた弾性共重合体であり、オレフィンとしては、
エチレン、プロピレン、オレフィン等が使用され、ポリ
エンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエン、ノル
ボルナンなどが使用される。好ましいオレフィン系共重
合体ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合
体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチ
レン−ブタジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分
とする弾性共重合体が挙げられる。本発明の目的からは
特にスチレン・ブタジエンゴムが好ましい。ゴム類の添
加量としては、オレフィン樹脂100重量部に対し、1
〜90重量部程度とする。1重量部未満だと、ゴム添加
による弾性、伸び率、耐衝撃性が不足し、Vカット加
工、絞り加工等の折り曲げ加工時に亀裂、割れを生じ易
くなる。又90重量部以上だと、弾性、及び伸び率が大
きくなりすぎ、印刷時の検討合わせが不良になり好まし
くない。
【0018】のタイプとしては例えば特公昭53−2
1021号公報、特公昭53−34210号公報、特公
昭56−15741号公報等に記載されているものが挙
げられる。
【0019】(着色)必要に応じて、顔料又は染料から
なる着色剤を添加して着色する。用途に応じて透明着
色、不透明(隠蔽)着色にする。基材シートの着色は一
般的には被着体の表面を隠蔽にすることが可能なことか
ら着色不透明が好ましい。着色剤として、チタン白、亜
鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カ
ーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノ、ハンザ
イイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4
R、フタロシアニンブルー等の有機顔料あるいは染料、
アルミニウム、真珠等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲
母、塩基性炭酸亜鉛等、の箔粉からなる真珠光沢顔料等
が用いられる。また、必要に応じて、無機充填剤を添加
してもよく、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、
タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミ
ニウム)等の粉末等が挙げられる。
【0020】(難燃剤)水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、三酸化アンチモン等が用いられる。添加量
は所望の難燃グレードに応じて、樹脂100重量部に対
して10〜100重量部程度である。
【0021】(紫外線吸収剤、光安定剤)紫外線吸収
剤、光安定剤は、樹脂により良好な耐侯性(耐光性)を
付与するためのものであり、その添加量は紫外線吸収
剤、光安定剤とも通常0.01〜0.15重量%程度で
ある。一般的には紫外線吸収剤と光安定剤とを併用する
のが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾ
ール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機
物、又は、0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることができ
る。光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダー
ドアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉
剤等のラジカル捕捉剤を用いることができる。
【0022】なお、基材シートと表面シートの密着強度
は紫外線により経時的に劣化するため、製造時に化粧シ
ートとしての初期密着強度を確保するだけでは不十分で
あり、ウェザ・オ・メーター2000時間(ブラックパ
ネル63℃)照射後においてもなおかつ化粧シートとし
て十分な密着強度をもたせるためには、表面樹脂層に紫
外線吸収剤を添加するとよい。この紫外線吸収剤として
は、種々の検討の結果、ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤を0.1重量%以上添加するか、或いはヒンダード
アミン系ラジカル捕捉剤を0.1重量%以上添加すると
よい。
【0023】(熱安定剤)熱加工時の熱変色等の劣化の
防止性をより向上させるものであり、フェノール系、サ
ルファイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト
系、アミン系等公知のものが挙げられる。共重合体ゴム
をソフトセグメントとし、これらを均一に配合し、混合
してなるオレフィン系エラストマー。(B)モノオレフ
ィンゴム/(A)オレフィン重合体=50/50〜90
/10(重量比)の割合で混合する。
【0024】ポリオレフィン系樹脂シートからなる基材
シートや表面シートは、必要に応じて、上記材料をブレ
ンドしたものをTダイより溶融押し出し製法等の常用の
方法により製膜することで得られる。
【0025】「基材シートと表面シートの貼り合わせ方
法の説明」熱溶融によるラミネートか、2液硬化型ウレ
タン樹脂、溶融押出コートされたポリエチレン等の接着
剤により、表面シートを基材シートとなる樹脂上に積層
するか、又は基材シート上に表面シートの樹脂を溶融押
出(エクストルージョン)コートし積層する等して貼り
合わせる。
【0026】「接着剤層の説明」基材シートと表面シー
トの貼り合わせを、ドライラミネートで行う場合は、2
液硬化型ウレタン樹脂等の通常のドライラミネートで使
用される接着剤が用いられる。基材シートと表面シート
を熱接着させる場合は、反応性ホットメルト接着剤が用
いられる。また、密着強度は落ちるが、イソシアネ─ト
系アンカーコート剤(例えば、トリレジンイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等の化合物等)を
用いることもできる。通常熱可塑性インキも使用可能で
ある。
【0027】「易接着処理の説明」ポリオレフィン樹脂
シート自体に直接絵柄印刷したり、接着剤を塗布するこ
とも可能であるが、絵柄や接着剤とポリオレフィン樹脂
シートとの接着力を、また、絵柄と接着剤との接着力を
より強固にする必要がある場合には、樹脂シート表面ま
たは絵柄印刷された樹脂シートの表面に易接着層の塗
布、コロナ放電処理、プラズマ処理等の易接着処理を施
す。
【0028】易接着層(プライマー層、或いはアンカー
層とも云う)としては、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエスル、ポリウレタン、塩素化ポリ
プロピレン、塩素化ポリエチレンが使用される。
【0029】アクリルとしては、,ポリ(メタ)アクリ
ル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)ア
クリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、スチレン(メタ)アクリル酸メチル
共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又
は共重合体からなるアクリル樹脂(但し、此処で(メ
タ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを意味する
ものとし以下同様である。
【0030】ポリウレタンとはポリオール(多価アルコ
ール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)
とするポリウレタンである。ポリオールとしては、分子
中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリル
ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール等が用いられる。又、イソシアネートとして
は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価
イソシアネートが用いられる。例えば、2 4トリレン
ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4 4
ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシア
ネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシア
ネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等
の脂肪族イソシアネートが用いられる。
【0031】「装飾処理の説明」樹脂シートに所望の装
飾処理を施す。装飾処理としては着色剤の練込みによる
着色、絵柄や金属層からなる模様形成、エンボス加工
(加熱プレス)、ヘアライン加工等による凹凸模様形成
等がある。
【0032】(着色)「オレフィン系樹脂の説明」の
(着色)の項と同様。
【0033】(絵柄)絵柄印刷としては、グラビア印
刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シー
トからの転写印刷等公知の印刷法を用いインキ(或いは
塗料)にて模様を形成する。模様としては、木目模様、
石目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは
前面ベタ等がある。模様はシートの表面、裏面、表裏両
面或いは層間に設ける。
【0034】インキ(或いは)塗料としては、バインダ
ーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン
等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタ
ン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体、セルロース系樹脂、等を用い、一種又は二種以
上混合した用いる。これに前記した列挙した様な公知の
顔料を添加したものを用いる。
【0035】ポリオレフィン系樹脂に直接印刷する場合
は、バインダーとして塩素化ポリオレフィン、ポリウレ
タン等の接着性の点で好ましいが、易接着プライマーを
適当に選択して層形成すれば、その外のバインダーを用
いても十分な接着性を与える。接着剤層を用いない場合
には、ウレタン系高温反応型(150〜250℃)のイ
ンキが好適である。
【0036】また、より照り感、深み感を向上させるた
めに、絵柄印刷層6に混入される光輝性顔料としては、
アルミニウム、銅、真鍮等の金属の粉末又は箔片や、金
属薄片や金属蒸着合成樹脂フィルムの細断片等の金属光
沢を有する顔料、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩
化ビスマス等の鱗片状箔片からなる真珠光沢や干渉光沢
を有する顔料、或いは、例えばポリエステル樹脂層とア
クリル樹脂層のように屈折率の異なる2種以上の樹脂層
を数μm以下程度の厚みで多数積層して、光の干渉によ
る虹彩色を生じさせたフィルムを細断した箔粉からなる
顔料等が挙げられる。
【0037】(金属層)アルミニウム、クロム等の金属
を真空蒸着する等して形成する。しかる金属層は前面に
形成してもよく、前記したような模様が得られるように
パターン状に形成してもよいが、パターン状に形成する
には金属層不要部分に水溶性インキにより除去層を所望
のパターンで設けた上から前面に金属を蒸着させ、しか
る後水洗いして上記除去層とともにその直上の金属層を
除去する等の公知の方法による。
【0038】(表面シートや基材シートのエンボス加
工)エンボス加工としては、オレフィン系樹脂を加熱溶
融軟化させ、凹凸パターン付きチルロールとバックロー
ルで加圧、賦形し、冷却固定して形成するもので、図2
のようなエンボス装置が用いられる。凹凸形状として
は、木目導管凹凸パターン(木目板導管溝)、石板表面
凹凸(花崗岩 開面等)、布表面テクスチュア、梨地、
砂目、ヘアライン、精密凹凸パターン(万線条溝等)、
また、ミラー、フラット面である。さらに必要に応じ
て、凹凸模様の凹部に公知のワイピング法(特公昭58
−14312号公報参照)によって、着色インキを充填
することもできる。
【0039】(表面シートのワイピング加工)表面シー
トの凹凸模様の凹部に公知のワイピング法(特公昭58
−14312号公報参照)によって、着色インキを充填
する。例えば、セラック、コーバル、ダンマル、ロジ
ン、ロジンエステル等の天然樹脂又はその変性樹脂類、
ニトロセルロース、アセチルセルロース、エチルセルロ
ース、ベンジルセルロース等のセルロース誘導体、フェ
ノール系樹脂、尿素系樹脂、フタル酸系樹脂、マレイン
酸系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアル
コール、ポリビニルブチラール、エポキシ系樹脂、シリ
コン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、その他等の合成樹脂類、その外塩化
ゴム、合成ゴム等ゴム誘導体等をビヒクルの構成材料と
し、ビヒクル中に着色剤、沈降性硫酸バリウム等の体質
顔料、可塑剤等を添加してなる塗料若しくはインキが用
いられる。そして、表面シートにアクリルシートを用い
た場合には、アクリル系又はウレタン系水性エマルジョ
ンタイプの透明または透明着色インキを使用するのが好
ましい。
【0040】この着色塗料或いはインキは、ロールコー
ト或いはナイフコートにてシート表面凹部にコーティン
グした後、ドクターブレード或いはワイピングペーパー
等で掻き取ることにより、シート凸部のコーティングし
た着色塗料若しくはインキを除去し、凹部にのみ着色塗
料若しくはインキ組成物の粘度、ロールの回転数、ドク
ターの刃先角度、厚み、シートスピード、ワイピングペ
ーパーのスピード、ゴムロールの硬度等を調整すること
が必要である。この着色塗料若しくはインキの色調は、
例えば木目柄の場合には導管と同一若しくは類似であ
り、また、例えば、石目柄の場合には割れ目と同一若し
くは類似であることが好ましい。また、表面シートの表
面には、表面の保護と艶を調整する目的で、艶調整保護
コート層5を設けることができる。該保護コート層はア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化
ポリオレフィン、電離放射線硬化性樹脂等が用いられ
る。また、該保護コート層を艶消しにする場合は、艶消
(光拡散)剤を添加する。艶消剤としては、炭酸カルシ
ウム、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、ウレタン樹脂
ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ等の粒径1〜30
μm程度の微粒子が用いられる。保護コート層は1〜1
00μm程度にグラビアコート、或いはロールコート、
ナイフコート等の方法で塗工される。
【0041】「化粧シートの後加工及び用途」 (積層すべき被着体)本発明の用途としては、各種の部
材の表面に積層し表面化粧材とする。被着部材として
は、鉄、アルミニウム等の金属板、木材単板、木材合
板、木質繊維板等の木質板、硝子、陶磁器等のセラミッ
クス板、ALC等のセメント板等の板材、ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂等の樹脂板等の板材、或いは前記各
種材からなる立体形状物品(成形品)が挙げられる。
【0042】(積層法)上記各種部材への積層方法とし
ては、例えば接着剤層を間に介して板状基材に加圧ロ
ーラーで加圧して積層する方法、特公昭50−191
32号公報等に記載されるように、化粧シートを透明樹
脂層側をキャビティ側に向く様にして、射出成形の雌雄
両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄型のゲートから
溶融樹脂を射出充填して後、冷却して樹脂成形品の成形
と同時にその表面に化粧シートを接着積層する、所謂射
出成形同時ラミネート方法、特公昭56−45768
号公報、特公昭60−58014号公報等に記載される
様に、成形品の表面に化粧シートを間に接着剤層を介し
て対向乃至は載置し、成形品側からの真空吸引による圧
力差により化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつ
つ、複数の向きに異なるローラーにより、柱状体を構成
する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層し
てゆく、所謂ラッピング加工方法、実公大15−31
122号公報、特開昭48−47972号公報等に記載
される様に、先ず化粧シートを板状基材に接着剤層を介
して積層し、次いで板状基材の化粧シートとは反対側の
面に、化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面
がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着
剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ箱体または柱状体を
形成する所謂、Vカット又はUカット加工方法等があ
る。
【0043】
【実施例】
実施例1 (1)金属ロールの表面の凸部の厚さが後記押し出しフ
ィルム又はシートの厚さよりも薄い木目導管凹凸パター
ン(模様)が設けられた第1のチルロールを用意する。
表面が平滑な通常の金属ロールをバックロールとする。
Tダイより溶融押し出したアイソタクチックポリプロピ
レンとアタクチックポリプロピレンとの混合系からなる
複合立体構造を有する軟質ポリプロピレン系樹脂(出光
石油化学製 TPO「E2900」)を、その押し出し
直後に、Tダイの直下に並ぶ前記第1のチルロールとバ
ックロールとの間に通して成膜した。このとき、シート
の最大厚みは、150μmで、シートの片面に形成され
た木目導管凹凸パターンの凹部の深さは、最大で70μ
mであった。次に、木目導管凹凸パターンのエンボス凹
部にウレタン系のインキ(昭和インク製 PW−00
1)をドクターブレードにより充填(ワイピング)し
て、表面シートを得た。
【0044】(2)金属ロールの表面に、精密万線模様
群からなる精密凹凸パターンを形成した第2のチルロー
ルを用意する。通常の表面平滑な金属ロールをバックロ
ールとする。Tダイより押し出したアイソタクチックポ
リプロピレンとアタクチックポリプロピレンとの混合系
からなる複合立体構造を有する軟質ポリプロピレン系樹
脂(出光石油化学製 TPO「E2900」)を、その
押し出し直後に、Tダイの直下に並ぶ前記第2のチルロ
ールとバックロールとの間に通して成膜して、基材シー
トを得た。
【0045】(3)次に、前記表面シートの木目導管凹
凸パターン側とは反対側に、グラビア印刷法により、木
目柄印刷層、接着剤層を形成した。木目柄印刷インキ
は、ウレタン系2液硬化型インキ(ザ・インクテック製
ALFA)を使用し、接着剤も同じ樹脂系のものを使
用した。
【0046】(4)この表面シートの接着剤層側と基材
シートの精密凹凸パターン側とを重ね合わせて、ダブリ
ング化粧シートを得た。この化粧シートのワイピング面
に、ポリウレタン樹脂からなる透明な表面保護層を形成
して、本発明の化粧シートを得た。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の化粧シート
およびその製造方法は、建築物の内装、建具の表面化
粧、車両内装等に用いる表面化粧シートとして利用可能
なダブリング化粧シートであり、特に、製造工程数を増
やす事無く、深み感、照り感などの意匠性に優れたダブ
リング化粧シートを実現するものができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの1例を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明の化粧シートの製造工程の例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】 1 ポリオレフィン系樹脂シート(表面シート) 2 接着剤層 3 ポリオレフィン系樹脂シート(基材シート) 4 ワイピングインキ 5 艶調整保護コート層 6 絵柄印刷層 7 精密凹凸パターン 10 化粧シート 20 Tダイ 21 バックロール 22 凹凸パターン付きチルロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂製のシートからな
    る基材シートの片面に、精密凹凸パターンを有し、この
    精密凹凸パターン上に、ポリオレフィン系樹脂製の透明
    シートからなる表面シートが設けられていることを特徴
    とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 透明シートの片面に、木目導管凹凸パタ
    ーンが設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の化粧シート。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂でフィルム又はシ
    ートを押し出し成形する時に、チルロールの表面に精密
    凹凸パターンが設けられたチルロールとバックアップロ
    ールとの間を押し出された樹脂が通るように成形してで
    きた基材シートの片面に、ポリオレフィン系樹脂でフィ
    ルム又はシートを押し出し成形する時に、チルロールの
    表面に木目導管凹凸パターンが設けられたチルロールと
    バックアップロールとの間を押し出された樹脂が通るよ
    うに成形してできた表面シートを設けてなることを特徴
    とする化粧シートの製造方法。
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