JP3170681B2 - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP3170681B2
JP3170681B2 JP21715997A JP21715997A JP3170681B2 JP 3170681 B2 JP3170681 B2 JP 3170681B2 JP 21715997 A JP21715997 A JP 21715997A JP 21715997 A JP21715997 A JP 21715997A JP 3170681 B2 JP3170681 B2 JP 3170681B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装等に用いる表面化粧シートとし
て利用可能な化粧シートに関し、紫外線遮断性が良好な
化粧シートで、塩化ビニル樹脂を使用しない、ポリオレ
フィン系樹脂製の化粧シートであり、特に、外部からの
紫外線が遮断され、プライマー層の劣化が少なく剥離し
にくくなり、耐候性、耐久性の優れた化粧シートであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、基材シートの表面に熱可塑性
樹脂からなる表面樹脂層を設けた化粧シートが公知であ
る。例えば特開昭51−34967号公報には、塩化ビ
ニル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂
を溶融状態とした後、任意模様を印刷した紙、不織布等
の多孔性基材の表面に重ね押圧し該基材に上記熱可塑性
樹脂を浸透させてなる化粧シートが開示されている。
【0003】また近年、塩化ビニル樹脂を用いない化粧
シートが提案されている。このような化粧シートとして
例えば、隠蔽性を有するポリオレフィン系樹脂よりなる
基材シートの表面に、絵柄インキ層、接着剤層、ポリオ
レフィン系樹脂よりなるエンボスシートを順次積層して
なるエンボス化粧シート(特開平8−1881号公報)
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記一
般の化粧シート特に、基材シートがオレフィン系樹脂シ
ートである場合、基材シートと絵柄インキ層との接着が
弱いので、プライマー層を設けることがある。ところ
が、このようにプライマー層を基材シートと絵柄インキ
層との間に形成した場合でも、使用時に、外部からの紫
外線が表面シート、絵柄インキ層をも通過して、プライ
マー層を劣化、破壊させてしまい、ついには剥離してし
まうという問題があった。
【0005】本発明は上記の従来技術の欠点を解決する
ためのものであり、紫外線遮断性が良好な化粧シート
で、塩化ビニル樹脂を使用しない、ポリオレフィン系樹
脂製の化粧シートであり、特に、外部からの紫外線を遮
断して、プライマー層の劣化を防止し剥離しにくくさ
せ、耐候性、耐久性の優れた化粧シートを実現するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧シートは、
ポリオレフィン系樹脂製の基材シートの片面に、プライ
マー層、紫外線遮断層、装飾層が順次形成されており、
紫外線遮断層が酸化チタン粒子又はカーボンブラック粒
子を含有する2液硬化型のウレタン樹脂層であることを
特徴とするものである。
【0007】そして、紫外線遮断層は粒径0.01〜2
μmの酸化チタン粒子を5〜30%又は粒径0.01〜
1μmのカーボンブラック粒子を1〜30%含有する2
液硬化型のウレタン樹脂層であることが好ましい。
【0008】さらに、プライマー層が粒径0.01〜2
μmの酸化チタン粒子を5〜30%又は粒径0.01〜
1μmのカーボンブラック粒子を1〜30%含有する2
液硬化型のウレタン樹脂層であってもよい。
【0009】また、化粧シートは、装飾された基材シー
ト単層でもよいし、例えば、ポリオレフィン系樹脂製の
フィルム又はシート(以下本発明においてシートと言う
場合、フィルムも含む)である基材シートと表面シート
とが積層されてなるダブリング化粧シートでもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1に示すように本発明の化粧シー
ト10は、ポリオレフィン系樹脂製のフィルム又はシー
ト1からなる表面シートの片面に、木目導管凹凸パター
ンが設けられて、導管凹部に必要に応じて、ワイピング
インキ4が充填され、その表面に艶調整保護コート層5
が形成されており、表面シートのもう一方の平滑面に
は、接着剤層2を介して、絵柄印刷層6等の模様層と紫
外線遮断層7とプライマー層8とが形成されたポリオレ
フィン系樹脂製のフィルム又はシート3からなる基材シ
ートが設けられてなる化粧シート10である。
【0011】そして、前記の基材シートの製造方法とし
ては、ポリオレフィン系樹脂でフィルム又はシートを押
し出し成形する時に、通常の鏡面ロールからなるチルロ
ールとバックアップロールとの間を押し出された樹脂が
通るように成形してできたものである。
【0012】また、表面シートの製造方法としては、ポ
リオレフィン系樹脂でフィルム又はシートを押し出し成
形する時に、チルロールの表面に木目導管凹凸パターン
が設けられたチルロールと表面が鏡面のバックアップロ
ールとの間を押し出された樹脂が通るように成形してで
きた表面シートの製造方法がよい。
【0013】具体的には、例えば、表面シートの製造方
法は、図2にも示すように、溶融したポリオレフィン系
樹脂をフィルム又はシート状に、Tダイ20から押し出
し成形する時に、金属製のチルロールの表面に凸部の厚
さが前記押し出されるフィルム又はシートの厚さよりも
薄い木目導管凹凸パターンが設けられたチルロール22
と表面が鏡面のバックアップロール21との間を押し出
された樹脂が通るように成形するものである。
【0014】基材シート又は表面シートとしては、前記
した溶融押し出し成形の他にも公知のシート成形方法に
よって製造されたポリオレフィン系樹脂フィルム又はシ
ート(本発明においてシートと言う場合、フィルムも含
む)が用いられる。厚さは50〜500μm程度、より
好ましくは50〜200μmのものを使用する。
【0015】ここで、オレフィン系樹脂としては、ポリ
エチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・
ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・ブ
テン−1共重合体、ポリブテン−1、ブテン−1・プロ
ピレン・エチレン・3元共重合体、ブテン−1・ヘキセ
ン−1・オクテン−1・3元共重合体、ポリメチルペン
テン等の樹脂単独又は2種以上混合したものが挙げられ
る。
【0016】また、白化防止のため、エラストマーとオ
レフィン系樹脂とからなる複合材料であるオレフィン系
熱可塑性エラストマーを用いることができる。オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーとしては、次の3タイプがあ
る。すなわち、ソフトセグメントとしてのエラストマ
ーとハードセグメントとしてのオレフィン系樹脂を単純
ブレンドしたタイプ。エラストマーとオレフィン系樹
脂とを部分的に架橋させて複合化した架橋タイプ。エ
ラストマーを架橋させて、それをオレフィン系樹脂に分
散させたタイプ。
【0017】具体的に以下に挙げる。 のタイプ:オレフィン系樹脂は上記オレフィン系樹脂
の説明と同様である。また、エラストマーとしては各種
ゴム類が挙げられ、ゴム類としては、ジエン系ゴム、水
素添加ジエンゴム、オレフィン系共重合体ゴム等である
が、中でも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加
ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なく
とも一部分に水素原子を付加させてなるもので、ポリオ
レフィン系樹脂の結晶化を抑え、柔軟性、透明性をアッ
プさせる役割がある。また、一般にオレフィン系樹脂に
ジエン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合の
為、耐候性・耐熱性はジエン系ゴム無添加のオレフィン
系樹脂より低下するが、本発明では、ジエン系ゴムの二
重結合を水素で飽和させる為、オレフィン系樹脂の耐候
性、耐熱性の低下も無く良好なものとなる。
【0018】ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニ
トリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等
が有る。オレフィン系共重合体ゴムは2種類又は3種類
以上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくとも
1種加えた弾性共重合体であり、オレフィンとしては、
エチレン、プロピレン、オレフィン等が使用され、ポリ
エンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエン、ノル
ボルナンなどが使用される。好ましいオレフィン系共重
合体ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合
体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチ
レン−ブタジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分
とする弾性共重合体が挙げられる。本発明の目的からは
特にスチレン・ブタジエンゴムが好ましい。ゴム類の添
加量としては、オレフィン樹脂100重量部に対し、1
〜90重量部程度とする。1重量部未満だと、ゴム添加
による弾性、伸び率、耐衝撃性が不足し、Vカット加
工、絞り加工等の折り曲げ加工時に亀裂、割れを生じ易
くなる。又90重量部以上だと、弾性、及び伸び率が大
きくなりすぎ、印刷時の検討合わせが不良になり好まし
くない。
【0019】のタイプとしては例えば特公昭53−2
1021号公報、特公昭53−34210号公報、特公
昭56−15741号公報等に記載されているものが挙
げられる。
【0020】(着色)必要に応じて、顔料又は染料から
なる着色剤を添加して着色する。用途に応じて透明着
色、不透明(隠蔽)着色にする。基材シートの着色は一
般的には被着体の表面を隠蔽にすることが可能なことか
ら着色不透明が好ましい。着色剤として、チタン白、亜
鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カ
ーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノ、ハンザ
イイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4
R、フタロシアニンブルー等の有機顔料あるいは染料、
アルミニウム、真珠等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲
母、塩基性炭酸亜鉛等、の箔粉からなる真珠光沢顔料等
が用いられる。また、必要に応じて、無機充填剤を添加
してもよく、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、
タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミ
ニウム)等の粉末等が挙げられる。
【0021】(難燃剤)水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、三酸化アンチモン等が用いられる。添加量
は所望の難燃グレードに応じて、樹脂100重量部に対
して10〜100重量部程度である。
【0022】(紫外線吸収剤、光安定剤)紫外線吸収
剤、光安定剤は、樹脂により良好な耐侯性(耐光性)を
付与するためのものであり、その添加量は紫外線吸収
剤、光安定剤とも通常0.01〜0.15重量%程度で
ある。一般的には紫外線吸収剤と光安定剤とを併用する
のが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾ
ール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機
物、又は、0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることができ
る。光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダー
ドアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉
剤等のラジカル捕捉剤を用いることができる。
【0023】なお、基材シートと表面シートの密着強度
は紫外線により経時的に劣化するため、製造時に化粧シ
ートとしての初期密着強度を確保するだけでは不十分で
あり、ウェザ・オ・メーター2000時間(ブラックパ
ネル63℃)照射後においてもなおかつ化粧シートとし
て十分な密着強度をもたせるためには、表面樹脂層に紫
外線吸収剤を添加するとよい。この紫外線吸収剤として
は、種々の検討の結果、ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤を0.1重量%以上添加するか、或いはヒンダード
アミン系ラジカル捕捉剤を0.1重量%以上添加すると
よい。
【0024】(熱安定剤)熱加工時の熱変色等の劣化の
防止性をより向上させるものであり、フェノール系、サ
ルファイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト
系、アミン系等公知のものが挙げられる。共重合体ゴム
をソフトセグメントとし、これらを均一に配合し、混合
してなるオレフィン系エラストマー。(B)モノオレフ
ィンゴム/(A)オレフィン重合体=50/50〜90
/10(重量比)の割合で混合する。
【0025】ポリオレフィン系樹脂シートからなる基材
シートや表面シートは、必要に応じて、上記材料をブレ
ンドしたものをTダイより溶融押し出し製法等の常用の
方法により製膜することで得られる。
【0026】「基材シートと表面シートの貼り合わせ方
法の説明」熱溶融によるラミネートか、2液硬化型ウレ
タン樹脂、溶融押出コートされたポリエチレン等の接着
剤により、表面シートを基材シートとなる樹脂上に積層
するか、又は基材シート上に表面シートの樹脂を溶融押
出(エクストルージョン)コートし積層する等して貼り
合わせる。
【0027】「接着剤層の説明」基材シートと表面シー
トの貼り合わせを、ドライラミネートで行う場合は、2
液硬化型ウレタン樹脂等の通常のドライラミネートで使
用される接着剤が用いられる。基材シートと表面シート
を熱接着させる場合は、反応性ホットメルト接着剤が用
いられる。また、密着強度は落ちるが、イソシアネ─ト
系アンカーコート剤(例えば、トリレジンイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等の化合物等)を
用いることもできる。通常熱可塑性インキも使用可能で
ある。
【0028】「易接着処理の説明」ポリオレフィン樹脂
シート自体に直接絵柄印刷したり、接着剤を塗布するこ
とも可能であるが、絵柄や接着剤とポリオレフィン樹脂
シートとの接着力を、また、絵柄と接着剤との接着力を
より強固にするために本発明では、樹脂シート表面また
は絵柄印刷された樹脂シートの表面に易接着層の塗布、
コロナ放電処理、プラズマ処理等の易接着処理を施す。
【0029】易接着層(プライマー層、或いはアンカー
層とも云う)としては、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエスル、ポリウレタン、塩素化ポリ
プロピレン、塩素化ポリエチレンが使用される。また、
必要に応じて、無機充填剤を添加してもよく、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸
化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が
挙げられる。また、易接着層自体にも、粒径0.01〜
2μmの酸化チタン粒子を5〜30%又は粒径0.01
〜1μmのカーボンブラック粒子を1〜30%含有させ
ておいてもよい。
【0030】アクリルとしては、,ポリ(メタ)アクリ
ル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)ア
クリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、スチレン(メタ)アクリル酸メチル
共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又
は共重合体からなるアクリル樹脂(但し、此処で(メ
タ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを意味する
ものとし以下同様である。
【0031】ポリウレタンとはポリオール(多価アルコ
ール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)
とするポリウレタンである。ポリオールとしては、分子
中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリル
ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール等が用いられる。又、イソシアネートとして
は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価
イソシアネートが用いられる。例えば、2 4トリレン
ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4 4
ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシア
ネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシア
ネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等
の脂肪族イソシアネートが用いられる。
【0032】「紫外線遮断層の説明」ポリオレフィン系
樹脂製の基材シートの片面に、プライマー層を形成した
後、紫外線遮断層を形成する。紫外線遮断層は酸化チタ
ン粒子又はカーボンブラック粒子を含有する樹脂層であ
る。具体的には、紫外線遮断層は粒径0.01〜2μm
の酸化チタン粒子を5〜30%又は粒径0.01〜1μ
mのカーボンブラック粒子を1〜30%含有する2液硬
化型のウレタン樹脂層であることが紫外線遮断性上好ま
しい。この他に着色剤を含んでいてもよい。着色剤とし
ては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブ
ルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソ
インドリノ、ハンザイイエローA、キナクリドン、パー
マネントレッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔
料あるいは染料、アルミニウム、真珠等の金属顔料、二
酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等、の箔粉からな
る真珠光沢顔料等が用いられる。
【0033】「装飾処理の説明」基材シートや表面シー
ト等の樹脂シートに所望の装飾処理を施す。装飾処理と
しては着色剤の練込みによる着色、絵柄や金属層からな
る模様形成、エンボス加工(加熱プレス)、ヘアライン
加工等による凹凸模様形成等がある。
【0034】(着色)「オレフィン系樹脂の説明」の
(着色)の項と同様。
【0035】(絵柄)絵柄印刷としては、グラビア印
刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シー
トからの転写印刷等公知の印刷法を用いインキ(或いは
塗料)にて模様を形成する。模様としては、木目模様、
石目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは
前面ベタ等がある。模様はシートの表面、裏面、表裏両
面或いは層間に設ける。
【0036】インキ(或いは)塗料としては、バインダ
ーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン
等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタ
ン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体、セルロース系樹脂、等を用い、一種又は二種以
上混合した用いる。これに前記した列挙した様な公知の
顔料を添加したものを用いる。
【0037】ポリオレフィン系樹脂に直接印刷する場合
は、バインダーとして塩素化ポリオレフィン、ポリウレ
タン等の接着性の点で好ましいが、易接着プライマーを
適当に選択して層形成すれば、その外のバインダーを用
いても十分な接着性を与える。接着剤層を用いない場合
には、ウレタン系高温反応型(150〜250℃)のイ
ンキが好適である。
【0038】また、より照り感、深み感を向上させるた
めに、絵柄印刷層6に混入される光輝性顔料としては、
アルミニウム、銅、真鍮等の金属の粉末又は箔片や、金
属薄片や金属蒸着合成樹脂フィルムの細断片等の金属光
沢を有する顔料、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩
化ビスマス等の鱗片状箔片からなる真珠光沢や干渉光沢
を有する顔料、或いは、例えばポリエステル樹脂層とア
クリル樹脂層のように屈折率の異なる2種以上の樹脂層
を数μm以下程度の厚みで多数積層して、光の干渉によ
る虹彩色を生じさせたフィルムを細断した箔粉からなる
顔料等が挙げられる。
【0039】(金属層)アルミニウム、クロム等の金属
を真空蒸着する等して形成する。しかる金属層は前面に
形成してもよく、前記したような模様が得られるように
パターン状に形成してもよいが、パターン状に形成する
には金属層不要部分に水溶性インキにより除去層を所望
のパターンで設けた上から前面に金属を蒸着させ、しか
る後水洗いして上記除去層とともにその直上の金属層を
除去する等の公知の方法による。
【0040】(表面シートや基材シートのエンボス加
工)エンボス加工としては、オレフィン系樹脂を加熱溶
融軟化させ、凹凸パターン付きチルロールとバックロー
ルで加圧、賦形し、冷却固定して形成するもので、例え
ば図2のようなエンボス装置が用いられる。また、後記
の実施例のように、ダブリング化粧シートにしてから、
エンボス加工してもよい。凹凸形状としては、木目導管
凹凸パターン(木目板導管溝)、石板表面凹凸(花崗岩
開面等)、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアラ
イン、精密凹凸パターン(万線条溝等)、また、ミラ
ー、フラット面である。
【0041】ここで、精密凹凸パターンとは、例えば精
密万線のことである。即ち、閉曲線領域の中に、平行な
直線群又は曲線群を形成する凹凸乃至溝を含んだ凹凸形
状の集合体であって、任意の2領域の境界を介して隣接
する直線群又は曲線群の方向のなす角度が総て異なる形
状のものである。この形状は各閉領域が異なった艶の模
様に見え、又視差によって各閉領域の光沢が変化する意
匠を有する。特に、平行な直線群又は曲線群を光沢の変
化の模様として認識する為には、線の深さ及び間隔が
0.1〜100μmであり、隣接する直線群又は曲線群
の方向のなす角度が5°以上の場合が望ましい。又、任
意の2閉領域の境界を介して隣接する線群同志の角度を
総て異なる様にする為には、位相幾何学の4色問題の定
理から、角度の種類は4種類が必要十分条件である。
【0042】(表面シートのワイピング加工)さらに必
要に応じて、表面シートの凹凸模様の凹部に公知のワイ
ピング法(特公昭58−14312号公報参照)によっ
て、着色インキを充填する。例えば、セラック、コーバ
ル、ダンマル、ロジン、ロジンエステル等の天然樹脂又
はその変性樹脂類、ニトロセルロース、アセチルセルロ
ース、エチルセルロース、ベンジルセルロース等のセル
ロース誘導体、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、フタル
酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ酢
酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エ
ポキシ系樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等の合成
樹脂類、その外塩化ゴム、合成ゴム等ゴム誘導体等をビ
ヒクルの構成材料とし、ビヒクル中に着色剤、沈降性硫
酸バリウム等の体質顔料、可塑剤等を添加してなる塗料
若しくはインキが用いられる。そして、表面シートにア
クリルシートを用いた場合には、アクリル系又はウレタ
ン系水性エマルジョンタイプの透明または透明着色イン
キを使用するのが好ましい。
【0043】この着色塗料或いはインキは、ロールコー
ト或いはナイフコートにてシート表面凹部にコーティン
グした後、ドクターブレード或いはワイピングペーパー
等で掻き取ることにより、シート凸部のコーティングし
た着色塗料若しくはインキを除去し、凹部にのみ着色塗
料若しくはインキ組成物の粘度、ロールの回転数、ドク
ターの刃先角度、厚み、シートスピード、ワイピングペ
ーパーのスピード、ゴムロールの硬度等を調整すること
が必要である。この着色塗料若しくはインキの色調は、
例えば木目柄の場合には導管と同一若しくは類似であ
り、また、例えば、石目柄の場合には割れ目と同一若し
くは類似であることが好ましい。
【0044】また、表面シートの表面には、表面の保護
と艶を調整する目的で、艶調整保護コート層5を設ける
ことができる。該保護コート層はアクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン、電
離放射線硬化性樹脂等が用いられる。また、該保護コー
ト層を艶消しにする場合は、艶消(光拡散)剤を添加す
る。艶消剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミ
ナ、硫酸バリウム、ウレタン樹脂ビーズ、ポリカーボネ
ート樹脂ビーズ等の粒径1〜30μm程度の微粒子が用
いられる。保護コート層は1〜100μm程度にグラビ
アコート、或いはロールコート、ナイフコート等の方法
で塗工される。
【0045】「化粧シートの後加工及び用途」 (積層すべき被着体)本発明の用途としては、各種の部
材の表面に積層し表面化粧材とする。被着部材として
は、鉄、アルミニウム等の金属板、木材単板、木材合
板、木質繊維板等の木質板、硝子、陶磁器等のセラミッ
クス板、ALC等のセメント板等の板材、ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂等の樹脂板等の板材、或いは前記各
種材からなる立体形状物品(成形品)が挙げられる。
【0046】(積層法)上記各種部材への積層方法とし
ては、例えば接着剤層を間に介して板状基材に加圧ロ
ーラーで加圧して積層する方法、特公昭50−191
32号公報等に記載されるように、化粧シートを透明樹
脂層側をキャビティ側に向く様にして、射出成形の雌雄
両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄型のゲートから
溶融樹脂を射出充填して後、冷却して樹脂成形品の成形
と同時にその表面に化粧シートを接着積層する、所謂射
出成形同時ラミネート方法、特公昭56−45768
号公報、特公昭60−58014号公報等に記載される
様に、成形品の表面に化粧シートを間に接着剤層を介し
て対向乃至は載置し、成形品側からの真空吸引による圧
力差により化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつ
つ、複数の向きに異なるローラーにより、柱状体を構成
する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層し
てゆく、所謂ラッピング加工方法、実公大15−31
122号公報、特開昭48−47972号公報等に記載
される様に、先ず化粧シートを板状基材に接着剤層を介
して積層し、次いで板状基材の化粧シートとは反対側の
面に、化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面
がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着
剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ箱体または柱状体を
形成する所謂、Vカット又はUカット加工方法等があ
る。
【0047】
【実施例】
実施例1 表裏両面にコロナ処理を施した着色オレフィンフィルム
(タツノ化学製 商品名 F−21)の裏面に2液硬化
型ウレタンプライマー(ザ・インクテック製商品名 P
OS)、表面に2液硬化型ウレタンプライマー(昭和イ
ンク製 商品名 AFS)をグラビア印刷にて全面印刷
した。
【0048】次に粒径1μmの酸化チタンを20%含有
する2液硬化型ウレタン塗料をグラビア印刷にて全面印
刷して、次いで、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系イ
ンキ(昭和インク製 商品名 化X)にて絵柄を印刷し
た。
【0049】さらに、印刷面に透明なオレフィンフィル
ム(出光石油化学製 商品名「E2903」)を2液硬
化型ウレタン系接着剤(大日精化製 商品名 セイカボ
ンドE295)を用いてドライラミネート法によりラミ
ネートした。
【0050】60°Cで2日間養生後、透明なオレフィ
ンフィルム面からエンボス加工を施し、表面に凹凸パタ
ーンを設け、艶調整のコーティングをして、所望の化粧
シートを得た。
【0051】比較例1 実施例1において、粒径1μmの酸化チタンを20%含
有する2液硬化型ウレタン塗料のグラビア印刷にて全面
印刷しない以外は、実施例1と同じ化粧シート。
【0052】〔耐候性試験結果〕(アイスーパーUVテ
スター、ブラックパネル温度63°C、照度60mW/
cm2 )照射時間20時間、結露4時間を1サイクルと
する。シート表面から照射し、クロスカットを入れ、強
制剥離にて評価する。その評価結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明の化粧シート
およびその製造方法は、建築物の内装、建具の表面化
粧、車両内装等に用いる表面化粧シートとして利用可能
な化粧シートであり、特に、外部からの紫外線が遮断さ
れ、プライマー層の劣化が少なく剥離しにくくなり、耐
候性、耐久性の優れた化粧シートを実現するものができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの1例を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明の化粧シートの製造工程の例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1 ポリオレフィン系樹脂シート(表面シート) 2 接着剤層 3 ポリオレフィン系樹脂シート(基材シート) 4 ワイピングインキ 5 艶調整保護コート層 6 絵柄印刷層 7 紫外線遮断層 8 プライマー層 10 化粧シート 20 Tダイ 21 バックアップロール 22 凹凸パターン付きチルロール 30 剥離ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−91243(JP,A) 特開 平6−16832(JP,A) 特開 平6−198831(JP,A) 特開 平8−118565(JP,A) 特開 平6−115004(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂製の基材シートの
    片面に、プライマー層、紫外線遮断層、装飾層が順次形
    成されており、紫外線遮断層が酸化チタン粒子又はカー
    ボンブラック粒子を含有する2液硬化型のウレタン樹脂
    層であることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 紫外線遮断層が粒径0.01〜2μmの
    酸化チタン粒子を5〜30%又は粒径0.01〜1μm
    のカーボンブラック粒子を1〜30%含有する2液硬化
    型のウレタン樹脂層であることを特徴とする請求項1項
    記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】プライマー層が粒径0.01〜2μmの酸
    化チタン粒子を5〜30%又は粒径0.01〜1μmの
    カーボンブラック粒子を1〜30%含有する2液硬化型
    のウレタン樹脂層であることを特徴とする請求項1項ま
    たは2項記載の化粧シート。
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